包装用フィルムにおける可剥性複合材の熱可塑性シーラント
可剥性シーリング構造は、シーリング層、および1つまたは複数の任意選択の追加の層を含む。可剥性シーリング構造はシーリング面を含み、そのシーリング面は、シーリング基材と接触する際に可剥性シールの温度範囲のすべての温度で可剥性シールに成形可能である。さらに、可剥性シーリング構造は、熱可塑性ポリマー、および熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤を含み、その可剥性シーリング構造はシーリング面を画定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031450号明細書の継続出願であり、その優先権を主張するものである。その文献の内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、可剥性シールを含む包装システムに関し、詳細には、こうした可剥性シールを形成するための組成および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
包装は大部分の製品の販売および取引において重要な機能である。食料製品は、特に、鮮度を保ち保存期間を延長するために包装要件が非常に厳しい。ある種の医療用具にも、その用具の無菌状態を保つために厳格な包装要件がある。このような用途では、包装は、典型的には真空包装またはガス置換され、続いて気密にシールされる。製品の効率的な包装は必須であるが、製品の包装の様々な美観性も重要である。例えば、製品の見た目は消費者にアピールするのに重要である。さらに、多くの用途、具体的には食料製品の用途で、包装を再利用でき開封が容易であることも重要な要素である。多くの用途で、包装を容易に開封できるかどうかは、シールの機械的特性に左右される。
【0004】
特に重要な1つの包装用構造では可剥性シールが使用される。少なくとも1つの従来技術の包装用システムでは、金属フォイル上にヒートシール可能なポリマー材料を被覆することによって可剥性シールが形成される。こうしたシールを組み込んだ包装は、多くの場合空気および汚染物質に対して不透過性なので、可剥性シールもこれらの物質に対して不透過性でなければならない。可剥性シールを有する包装が開封されると、シーリング層を基材から剥離することができる。こうした剥離が比較的一定の小さい剥離力によって実現できることが望ましい。可剥性シールの弾性の特性は、包装の屈曲および通常の取扱いからはシールの破損が生じないほどである。ある種の従来技術の包装では、可剥性シールは複数層のシートから構築される。こうしたシールを有する包装用システムの例には、トレイタイプの食品包装、ボトルまたはブリスター包装などが含まれる。従来技術の可剥性シーリング包装のいくつかは適度に良好に機能するが、漏出を防ぐ一方でエンドユーザーによって簡単に開封される気密シールを安定して形成する包装用システムを構築することが難しい。さらに、このような従来技術の可剥性包装用システムは、比較的狭い範囲、具体的には狭い温度範囲で働く傾向がある。シーリング温度範囲が狭いと、包装の不具合を生じる傾向がある。例えば、使用可能な温度範囲の下限では、シールの漏れが形成される(気密にシールされない)ことがある。使用可能な温度範囲の上限では、開封時に断裂する非可剥性シールが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5780376号明細書
【特許文献2】米国特許第5739087号明細書
【特許文献3】米国特許第6034163号明細書
【特許文献4】米国特許第5747560号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、漏出を防ぎ、気密シールをもたらし、簡単に開封する、改善された可剥性包装用システムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、従来技術の1つまたは複数の問題を、少なくとも1つの実施形態で可剥性シーリング構造を提供することによって解決する。この実施形態の可剥性シーリング構造は、有利なことに、可剥性シールの温度範囲内のすべての温度で、シーリング基材と接触する際に可剥性シールに成形可能なシーリング面を含む。さらに、この実施形態の可剥性シーリング構造は、熱可塑性ポリマー、および熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤を含む。
【0008】
本発明の別の実施形態では、可剥性シーリング構造は、容器の開口部に可剥性シールを形成するために有用である。この実施形態の可剥性シーリング構造は、シーリング層および1つまたは複数の任意選択の追加の層を備える。有利なことに、シーリング層は、熱可塑性ポリマーと共に分散された機能的な有機クレイを含む。機能的な有機クレイ粒子を一般に使用されるヒートシール可能な熱可塑性ポリマー内に混入することにより、広範囲のヒートシーリング状態にわたってむらのない剥離強度がもたらされることが分かっている。さらに、市販の有機クレイポリマー濃縮物と広範囲のポリオレフィンシーラント樹脂とのブレンドは、剥離強度が有機クレイの配合率に反比例することが有利に示される。シーリング層を利用するシールされた境界面はむらのないパターンで剥離するが、シール試料が様々なバッグ/パウチ包装のスタイルでしわ、プリーツ、およびマチの構成を含むときでも、シールの気密の完全性は損なわれない。
【0009】
本発明の別の実施形態では、本発明の可剥性シーリング構造を組み込む包装用システムが提供される。本発明の包装用システムは、容器部分、およびその容器部分に取り付けられた可剥性シーリング部分を含む。シーリング部分は、上記で述べた本発明のシーリング層を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】接着タイプAの破損の概略図である。
【図1B】接着タイプBの破損の概略図である。
【図1C】層間剥離タイプCの破損の概略図である。
【図1D】破断タイプDの破損の概略図である。
【図1E】破断タイプEの破損の概略図である。
【図1F】伸長タイプFの破損の概略図である。
【図1G】剥離+伸長タイプGの破損の概略図である。
【図2A】単一層のシーリング構造の概略断面図である。
【図2B】2層のシーリング部分の概略断面図である。
【図2C】3層のシーリング層の概略断面図である。
【図3A】本発明の可剥性シーリング構造の実施形態を組み込むパウチ様の包装用システムの概略断面図である。
【図3B】図3Aのパウチ様の包装用システムの側面図である。
【図4A】シーリング基材が第2のシーリング層を含む改良形態の概略断面図である。
【図4B】シーリング基材160が第2のシーリング層170を含み、可剥性シール162が、第1のシーリング層152と第2のシーリング層186の間に形成された、改良形態の概略断面図である。
【図5A】本発明の可剥性シーリング構造を使用する、カップ様の包装用システムの概略断面図である。
【図5B】本発明の可剥性シーリング構造を使用し複数のカップ様の容器を組み込む、ブリスター包装用システムの概略断面図である。
【図6】本発明の包装用システムを形成する方法を示す図である。
【図7A】5wt%および6wt%の有機クレイを有するシーリング層から形成される上部シールに関する、温度に対する剥離力のプロットを示す。
【図7B】HDPE、EVOH、ならびに追加の有機クレイを有する、または有しないLLDPEとEVAとのブレンドの3層の共有押出し成形によって作製されたシールに関する、温度に対する剥離力のプロットを示す。
【図7C】シーリングフィルムに積層されたフォイルから作製されたシールに関する、シール形成温度に対する剥離力のプロットを示す。
【図8】溶融温度(「Tm」)を判定する一連のプロットである。
【図9】結晶化温度(「Tc」)を判定する一連のプロットである。
【図10A】ポリエチレンを含むシーリング層内でのNanoblend2001からの有機クレイの分散を示す、1組のx線回折のプロットである。
【図10B】ポリエチレンを含むシーリング層内でのNanoblend2101からの有機クレイの分散を示す、1組のx線回折のプロットである。
【図11】インパルスシール装置によって作製されたシールに関する、シール形成温度に対するシール強度のプロットを示す。
【図12A】コンダクションシール法によって作製された、ポリエチレンまたはポリエチレンとEVAとのブレンドから作製されるシールに関する、シール形成温度に対するシール強度のプロットを示す。
【図12B】シーリング層のうち少なくとも1つがポリエチレン、EVA、および有機クレイのブレンドを含むシールに関する、シール形成温度に対するシール強度のプロットを示す。
【図13A】図12Aおよび図12Bに関するシール強度データを要約する表6を示す。
【図13B】図13Aの続きである。
【図14A】1つまたは複数の折り目を内部に有する可剥性シールの概略断面図である。
【図14B】1つまたは複数の折り目を内部に有する可剥性シールの概略断面図である。
【図15】シール内に折り目または湾曲部を組み込んだ包装用システムの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、発明者に現在知られている発明を実施する最良の形態を構成する本発明の現在好ましい組成、実施形態、および方法を詳細に参照する。図の縮尺は必ずしも正確ではない。しかし、開示した実施形態は、様々な代替の形態で実施できる本発明の単なる例であることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される特定の詳細は、限定的ではなく、本発明の態様に関して代表的なもの、および/または本発明を様々に用いるために当業者に教示する代表的なものと解釈すべきである。
【0012】
例において、または別段明示的に示される場合を除いて、材料の量または反応および/もしくは使用の条件を示すこの説明のすべての数量が、本発明の最も広い範囲を説明する際に単語「約(about)」によって修飾されるものと理解すべきである。明記された数の制限内での実施が一般に好ましい。また、明確に反対に述べられない限り、百分率、「の一部」、および比の値は重量によるものであり、用語「ポリマー」は「オリゴマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」などを含み、本発明に関連した所与の目的に関する適切なまたは好ましい材料の群またはクラスの説明は、それらの群またはクラスの任意の2つ以上の要素の混合物が等しく適切でありまたは好ましいことを示し、化学用語での成分の説明は、説明の中で特定された任意の組合せに追加する時点での成分を指し、混合された後の混合物の成分の間の化学的な相互作用を排除せず、頭字語またはその他の略記の最初の定義は、本明細書での後続のすべての同じ略記の使用に適用し、最初に定義された略記の通常の文法的な変形形態に必要な変更を加えて適用し、明確に反対に述べられない限り、特性の測定値は、同じ特性に関して前後に参照するのと同じ技術によって判定される。
【0013】
もちろん特定の成分および/または条件が変化するので、本発明は以下に説明する特定の実施形態および方法に限定されないことも理解されたい。さらに、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明する目的で使用されるに過ぎず、決して限定されるものではない。
【0014】
明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、複数の指示物を含むことも留意しなければならない。例えば、単数の成分の言及は複数の構成要素を含むものである。
【0015】
この出願全体にわたって、刊行物を参照する場合に、それらの刊行物の開示全体が、本発明が関係する最新技術をより完全に説明するために、参照によりこの出願全体に援用される。
【0016】
本明細書で使用される用語「有機クレイ」は有機的に変成されたクレイを意味する。典型的には、そのような変成は、より融和性があるクレイを実現し、したがってポリマーと混合可能である。
【0017】
本明細書で使用される用語「粗さ平均」(「Ra」)は、ANSI B46.1に従って全体的に測定された長さまたは面積にわたって計算された表面の平均高さを意味する。これは通常、マイクロメートルまたはマイクロインチで提示される。
【0018】
本明細書で使用される用語「可剥性シール」は試料の幅1インチ(2.54cm)当たり0.5ポンド(226.8g)とシールを断裂する力との間の、剥離力を有するシールを意味する。典型的には、上限は、試料の幅1インチ(2.54cm)当たり5ポンド(2268g)以下である。他の変形形態では、上限は、試料の幅1インチ(2.54cm)当たり4ポンド(1814g)以下、またはフィルム基材の断裂強度より小さい。
【0019】
本明細書で使用される用語「剥離力」は、参照によって援用されるASTM F−88で定義される2つの層を分離するための力を意味する。例えば、これは、引張りにより1インチ(2.54cm)の幅の2つの層を分離させるのに必要な力である。
【0020】
本明細書で使用される用語「シール開始温度」は、シールが1インチ(2.54cm)当たり0.5(226.8g)ポンドの剥離力を有するように形成される最低温度を指す。具体的には、シール開始温度は、シールすべき1つまたは複数の層に接触する表面(典型的には金属)の温度であり、それによってこうしたシーリングを促進する。いくつかの変形形態では、その表面は、ドウェル時間約0.5から1秒、圧力5psi(34.48kPa)から1200psi(8274kPa)で(1つまたは複数の)層に接触する。
【0021】
用語「可剥性シールの温度範囲」は、剥離力が、試料の幅1インチ(2.54cm)当たり0.5ポンド(226.8g)と、上述のように断裂する力との間であるように2つの材料の間のシールが形成される温度範囲を意味する。
【0022】
図1A〜図1Gを参照すると、様々なシールの破損の仕組みを示す概略図が示されている。これらの図の各変形形態では、第1のシーリング層102の一部分が第2のシーリング層104の一部分と接触してシールを形成することからシール100が形成される。図1Aに、本発明の1つまたは複数の実施形態による可剥性シールの挙動を示す。層102と104の間のシールがそれらの層を引っ張るように作用する力を受けると、層102、104は分離面106、108で比較的きれいに分離する。こうしたシールの破損を接着タイプAの破損と呼ぶ。図1Bに、シールが応力を受けて断裂109を形成するときに層102の構造の完全性が損なわれるシールを示す。こうしたシールの破損を接着タイプBの破損と呼ぶ。図1Cに、複数層の積層構造を形成するために追加の層を含むシールを示す。層110は層102に接着され、層104は層112に接着される。図1Cに示す破損モードは位置114での層間剥離である。こうしたシールの破損を層間剥離タイプCの破損と呼ぶ。図1Dに、層102、104が今なお互いに接着する領域に近い位置120で層104が破断する材料の破損を示す。こうしたシールの破損を破断タイプDの破損と呼ぶ。図1Eに、層102、104が今なお互いに接着する領域から離れた位置122で層104が破断する材料の破損を示す。こうしたシールの破損を破断タイプEの破損と呼ぶ。図1Fに、シール100に組み込まれない部分130、132で層102および104が伸長する、材料の破損を示す。こうしたシールの破損を伸長タイプFの破損と呼ぶ。最後に、図1Gに、剥離の仕組みによって層102、104がシール100で分離し、同時に部分136、138が伸長する、材料の破損を示す。このシールの破損を剥離+伸長タイプGの破損と呼ぶ。本発明のいくつかの実施形態は、有利なことに、接着タイプAの破損の仕組みによって破損する可剥性シールを形成する。
【0023】
本発明の実施形態では、可剥性シーリング構造が提供される。この実施形態の可剥性シーリング構造は、熱可塑性ポリマー、およびその熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤を含む。可剥性シーリング構造はシーリング面を画定し、そのシーリング面は、可剥性シール温度範囲内のすべての温度で可剥性シールに成形可能である。この実施形態の変形形態では、可剥性シール温度範囲は、シール開始温度からシール開始温度より少なくとも50°F(10℃)高い温度である。本発明の別の実施形態では、可剥性シール温度範囲は、シール開始温度からシール開始温度より少なくとも75°F(23.89℃)高い温度である。本発明のさらに別の実施形態では、可剥性シール温度範囲は、シール開始温度からシール開始温度より少なくとも100°F(37.78℃)高い温度である。典型的には、包装の用途に関しては、シール開始温度範囲は約170°F(76.67℃)から約350°F(176.7℃)である。別の変形形態では、包装の用途に関しては、シール開始温度範囲は約170°F(76.67℃)から約250°F(121.1℃)である。
【0024】
図2A、図2B、および図2Cを参照すると、本発明の包装用システムで使用される可剥性シーリング構造の図が示されている。この実施形態では、可剥性シーリング構造は、可剥性シールまたはシーリング部分を形成するために基材に取り付けられる。図2Aは単一層シーリング構造の概略断面図である。この変形形態では、可剥性シーリング構造150はシーリング層152を含む。図2Bは2層のシーリング構造の概略断面図である。可剥性シーリング構造150はシーリング層152および追加の層154を含む。図2Cは3層のシーリング層の概略断面図である。この変形形態では、可剥性シーリング構造150はシーリング層152および追加の層154、156を含む。
【0025】
図2A、図2B、および図2Cの各変形形態では、シーリング層152が熱可塑性ポリマー、およびその熱可塑性ポリマー内に分散された添加剤を含むことが理解されよう。本実施形態の変形形態では、有用な添加剤の表面積は、100m2/グラムより大きく、アスペクト比は10より大きい。さらに、有用な添加物は結晶または多結晶である。有用な添加剤の例には、限定されないが有機クレイが含まれる。シーリング層152は、容器の基材部分に接触して可剥性シールを形成するように適合される。こうした容器は、対象物を包装するのに有用な事実上どんな形状のものでもよい。こうした形状の例には、限定されないが、ブリスター、トレイ、バッグ、パウチ、およびそれらの組合せが含まれる。
【0026】
驚くべきことに、以下により完全に説明するように、この組成から形成されたシーリング層が、改善された均一の剥離性能を有することが見出された。可剥性シーリング構造150を利用するシールされた境界面は、むらのないパターンで剥離し、フィルム試料が様々なバッグ/パウチ包装のスタイルでしわ、プリーツ、およびマチの構成を含むときでも、シールの気密の完全性は損なわれない。可剥性シーリング構造150は、以下の組合せでむらのない可剥性の挙動を示す。1)シーリング層152は、類似または同一の組成の別のシーリング層に接触する。2)シーリング層152は、純シーラントから形成された構造に接触する(例えば、純ポリプロピレン層に対する有機クレイ/ポリエチレン層、純ポリエステル層に対する有機クレイ/ポリエチレン層、純ポリエチレン層に対する有機クレイ/ポリエチレン層)。粘着防止剤、酸化防止剤、滑剤などの加工助剤は、任意選択でシーリング層に含まれ、シーリング構造150の剥離パターンに影響しない。
【0027】
追加の層154、156は、本実施形態にいくつかの有用な特性をもたらすために用いられる。例えば、追加の層154、156は、可剥性シーリング部分を組み込む包装用システムに、構造上の支持、耐熱性、バリヤ機能、および改善した外観をもたらしてもよい。本実施形態は、単一層可剥性シーリング構造に加えて、任意の数の追加の層を有する複数層の構造を含むことも理解されよう。本実施形態の各変形形態では、複数層シーリング構造は、本明細書で説明した組成を有する可剥性シーリングを含む。
【0028】
シーリング層152は、所望の特定の包装にある程度依存する様々な物理的および構造的変形形態および改良形態によってさらに特徴付けられる。本実施形態の一変形形態では、シーリング層152の厚さは約6ミクロンから約120ミクロンである。本実施形態の別の変形形態では、シーリング層152の厚さは約6ミクロンから約30ミクロンである。本実施形態のさらに別の変形形態では、シーリング層152の厚さは約40ミクロンから約120ミクロンである。シーリング層152はさらに、より高い程度の表面の粗さを有するという点で、有機クレイを含まないか、または不十分な量の有機クレイを含むように形成された類似の層から区別される。一改良形態では、シーリング層152は、約1500から約5000オングストロームの粗さ平均によって特徴付けられる表面粗さを有する。別の改良形態では、シーリング層152は、約2000から約4000オングストロームの粗さ平均によって特徴付けられる表面粗さを有する。本発明の変形形態では、表面粗さの程度および質は、シーリング層152を形成するのに使用される方法とプロセスパラメータの両方に依存することを容易に理解されよう。様々な実施形態のシーリング層はまた、有機クレイを含まない類似の層よりある程度高い引張り係数を示す。一改良形態では、シーリング層152は、約500から約2000MPaの引張り係数を有する。
【0029】
図3Aおよび図3Bを参照すると、上述の可剥性シーリング構造を組み込む包装用システムが示されている。図3Aは、本発明の可剥性シーリング構造の実施形態を組み込むパウチ様の包装用システムの断面図である。図3Bは、本発明の可剥性シーリング構造の実施形態を組み込むパウチ様の包装用システムの側面図である。包装用システム160は、容器部分162および可剥性シーリング部分164を含む。可剥性シーリング部分164は容器部分162に取り付けられる。図3Aに、可剥性シーリング部分164および容器部分162が連続している例を示し、それぞれが同一の複数層の構造(すなわち、シート)から形成されている。容器部分162は、パウチ中に対象物を包装するのに有用な事実上任意の形状を有することができる。シーリング部分164は可剥性シーリング構造150を含む。図3Aに示す変形形態では、可剥性シーリング構造150は、追加の層154上に配置されたシーリング層152を含む。図2A、図2B、および図2Cの説明に関連して上述したように、シーリング層152は、熱可塑性ポリマー、および熱可塑性ポリマー内に分散された有機クレイなどの添加剤を含む。
【0030】
なお図3Aおよび図3Bを参照すると、包装用システム160はさらに、可剥性シーリング構造150に接触して可剥性シール170を形成する第2のシーリング構造150’を含む。シール170は、包装用システム160の上面172の開口部をシールする。同様の可剥性シールが、任意選択で底側174、左側176、および右側178に配置される。可剥性シーリング構造150’も、追加の層154上に配置されたシーリング層152を含む。詳細には、追加の層154上に配置されたシーリング層152の組合せの第1の部分はシーリング構造150を形成し、追加の層154上に配置されたシーリング層152の組合せの第2の部分はシーリング構造150’を形成する。シーリング構造150、150’は容器部分162と連続している。本実施形態の変形形態では、追加の層154上に配置されたシーリング層152の組合せの第3の部分は、少なくとも部分的に容器部分162を形成する。有利なことに、包装用システム160は、対象物180(すなわち、1つまたは複数の対象物でよい)を収容するように適合される。包装できる(1つまたは複数の)対象物180の例には、限定されないが、食料製品および殺菌された対象物(例えば、医療用具)が含まれる。
【0031】
図4Aおよび図4Bを参照すると、パウチ様の包装用システムで使用されるような可剥性シーリング部分164の変形形態が示されている。図4Aは、シーリング層152が実質的に可剥性シーリング部分164の近傍に限定された改良形態の概略断面図である。この変形形態は、有機クレイの混入を限定するか、またはシーリング構造164の近傍に別個の層を配置することによって実現される。この変形形態はさらに、内側層182および1つまたは複数の追加の層154を含む。図4Bは、包装用システム160が第2のシーリング層186を含み、可剥性シール170が第1のシーリング層152と第2のシーリング層186との間に形成される改良形態の概略断面図である。この後者の改良形態では、シーリング層152の容器部分162への延在は、仮にあったとしても最小限である。さらに、この改良形態では、容器部分162は、任意選択で、第1のシーリング層152とは異なるライナ層182を含む。この変形形態のさらなる改良形態では、シーリング部分164はさらに、第1のシーリング層152および/または第2のシーリング層186の上に配置された1つまたは複数の追加のポリマー層154を含む。この改良形態の特に有用な例では、1つまたは複数の追加のポリマー層154は、少なくとも部分的に容器部分162を形成する。
【0032】
図5Aおよび図5Bを参照すると、剛体の容器部分を有する本発明の可剥性シーリング構造を使用する、包装用システムの変形形態が示されている。図5Aは、本発明の可剥性シーリング構造を使用する、カップ様の包装用システムの概略断面図を示す。包装用システム190は、可剥性シーリング構造150、および容器部分194のシーリング開口部192を含む。可剥性シーリング構造150の外周部分は、容器部分194の基材部分196の上に配置され、それに接触する。図5Bは、複数のカップ様の容器を組み込むブリスター包装用システムの概略断面図を示す。ブリスター包装用システム200は、可剥性シーリング構造152、および容器部分206、208のシーリング開口部202、204を含む。可剥性シーリング構造152の一部分は、容器部分206、208の基材部分210、212の上に配置され、それに接触する。
【0033】
上述のように、本発明の様々な実施形態の可剥性シーリング構造は、有機クレイなどの添加剤を含む。有用な有機クレイの例には、限定されないが、カオリナイト、モンモリロナイト−スメクタイトクレイ、ベントナイトクレイ、イライトクレイ、およびそれらの組合せが含まれる。特許文献1、2、3、および4は、本発明を実施するのに有用なナノクレイの特定の例を提示している。これらの各特許の開示全体が参照により本明細書に援用される。本発明の一改良形態では、有機クレイは、熱可塑性ポリマーおよび有機クレイを合わせた重量の1wt%から20wt%の量で存在する。本実施形態の別の改良形態では、有機クレイは、熱可塑性ポリマーおよび有機クレイを合わせた重量の2wt%から10wt%の量で存在する。
【0034】
可剥性シーリング層152に使用される有機クレイは、典型的には、複数の粒子を含む。一変形形態では、有機クレイは、200nm未満の少なくとも1つの空間的寸法を有する複数の粒子を含む。別の変形形態では、有機クレイは、100nm未満の少なくとも1つの空間的寸法を有する複数の粒子を含む。別の変形形態では、有機クレイは、50nm未満の少なくとも1つの空間的寸法を有する複数の粒子を含む。さらに別の変形形態では、有機クレイは、1nm以上の空間的寸法を有する複数の粒子を含む。さらに別の変形形態では、有機クレイは、5nm以上の空間的寸法を有する複数の粒子を含む。別の変形形態では、有機クレイは、少なくとも20オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含む。さらに別の変形形態では、有機クレイは、少なくとも30オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含む。さらに別の変形形態では、有機クレイは、少なくとも40オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含む。典型的には、熱可塑性ポリマーと混合する前に、有機クレイは、20から45オングストロームの間の平均離隔距離を有するプレートレットを含む。有利なことに、熱可塑性物質と混合する際に、有機クレイは、平均離隔距離が維持されるかまたは増大するように、このような剥離した状態を保持している。
【0035】
上述のように、可剥性シーリング層152はまた、熱可塑性ポリマーを含む。適切な熱可塑性ポリマーには、限定されないが、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、およびそれらの混合物が含まれる。変形形態では、熱可塑性ポリマーは、エチレンアクリル酸、エチレンエチルアクリレート、エチレンアイオノマー(例えば、E.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能なSurlyn(登録商標)系樹脂)、およびそれらの組合せからなる群から選択される成分を含む。ポリオレフィンは、本発明の実施に特に有用な熱可塑性ポリマーである。一変形形態では、ポリオレフィンは、エチレン、プロプレン、ビニルアセテート、およびそれらの組合せのホモポリマーおよびコポリマーからなる群から選択される。エチレンビニルアセテート(「EVA」)とのポリオレフィンのブレンドが、特に添加剤が有機クレイのときに可剥性シールを形成するのに特に有用であることが見出された。
【0036】
本発明の様々な実施形態の容器部分は、包装に使用される実質的に任意の材料から形成される。こうした材料には、限定されないが、紙、金属フォイル、ポリマーのシート、金属化されたポリマーシート、およびそれらの組合せが含まれる。さらに詳細な例には、配向または非配向のポリエステル、配向または非配向のポリプロピレン、配向または非配向のナイロン、およびそれらの組合せが含まれる。これらの材料はそれぞれ、被覆されても被覆されなくてもよい。有用な被覆の例には、限定されないが、ワニス、ラッカー、接着剤、インク、およびバリヤ剤(すなわち、PVDC)が含まれる。医療用具の包装に有用な材料は高密度ポリオレフィンを含む。Dupont,Inc.から市販されているTyvek(登録商標)(高密度ポリエチレン線維から作製された合成材料)は、医療用具を包装するために使用されるこうした材料の一例である。
【0037】
本発明のさらに別の実施形態では、上述の包装用システムを形成する方法が提供される。図6を参照すると、この実施形態の方法を示す図が示される。ステップa)で、熱可塑性ポリマー(「TP」)は有機クレイ(「OC」)と混合され、有機クレイ−ポリマーブレンド(「OCB」)を形成する。一変形形態では、この結合は押出し成形機220中で起きる。次に、ステップb)で、ダイ222からの押出し成形によって、有機クレイ−ポリマーブレンドからシーリング層152が形成される。変形形態では、(押出し成形機230などの)追加の押出し成形機からダイ222に材料を供給することによって追加の層が形成される。本実施形態の改良形態では、熱可塑性ポリマーおよび有機クレイは、ミキサー224で予混合され、次いで押出し成形機220中に導入される。典型的には、シーリング層152は、(図2に示すように)1つまたは複数の追加の層154、156に沿って、またはその上に形成される。次いで、ステップc)で、開いた状態の包装用システム160が形成される。このプロセスは、側部をシールして図3〜図4のパウチ構造を生成するいくつかのステップを含んでもよい。変形形態では、ステップb)中に、開いた状態の包装用システム160の形成が起きる。
【0038】
本実施形態の変形形態では、熱可塑性ポリマーが、マスターバッチを純ポリマーと混合することによって有機クレイと混合される。この変形形態では、マスターバッチは、有機クレイおよび熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分を含む。この改良形態では、マスターバッチは、典型的には、10から80wt%の有機クレイを含む。
【0039】
シーリング層152を形成するステップは、熱可塑性組成から層またはフィルムを生成できる任意の方法によって実現される。こうした方法の例には、限定されないが、押出し成形、共押出し成形、吹込み成形、注入成形、押出し吹込み成形、およびフィルムブローイングが含まれる。
【0040】
さらに図6を参照すると、本実施形態の方法は、任意選択で、(1つまたは複数の)対象物180を開いた状態の包装用システム160内に配置するステップをさらに含む(ステップd)。典型的には、(1つまたは複数の)対象物180は容器部分162内にある。(1つまたは複数の)対象物180が容器部分162内に配置された後で、シーリング層152は、ステップe)の間にシーリング基材(すなわち、シーリング構造150’)と接触してシールを形成する。シーリングは、当技術分野で知られた、任意の数のシーリング方法によって実現することができる。例には、限定されないが、コンダクションヒートシーリング(conduction heat sealing)、超音波シーリング、およびインダクションシーリング(induction sealing)が含まれる。
【実施例】
【0041】
以下の例は本発明の様々な実施形態を示す。当業者は、本発明の精神および特許請求の範囲内に包含される多くの変形形態を認識するであろう。
【0042】
図7Aは、共有押出し形成されたHDPEおよびLLDPE/EVAならびに有機クレイブレンド(すなわち、2重層)から作製されたシーリング層から形成されたシールに関する、温度に対する剥離力のプロットを示す。これらの実験では、シールしたバッグのシールが引き離される。5および6wt%の有機クレイの配合の場合のプロットが示される。図7Aは、50°F(10℃)のシール形成温度範囲にわたるむらのない開封力によって本発明のシールを開封できることを示す。さらに、200°F(93.33℃)から250°F(121.1℃)の温度範囲にわたってシール強度が可剥性であり比較的平坦であることが観察された。図7Bはシール形成温度に対する剥離力のプロットを示す。有機クレイなしの標準、および5wt%の有機クレイを有する試験用試料に関するプロットが示される。標準試料は、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、エチレンビニルアルコール、直鎖状低密度ポリエチレン(「EVOH」)、およびエチレンビニルアセテートブレンドとLLDPEとのブレンドの3層の共押出し成形から形成された2.4ミルのフィルムから構成される。試験用試料は、HDPE、EVOH、およびLLDPE EVAと5wt%の有機クレイのブレンドの3層の共押出し成形から形成された2.4ミルのフィルムから構成される。標準および試験用試料はSentinalのシール装置でシールされた。剥離力はASTM F−88に従って判定される。図7Bの点に関するシール時間は0.50秒であり、シールジョー圧力は30PSI(206.9kPa)である。175°F(79.44℃)から265°F(129.4℃)の温度範囲にわたる剥離力の変化は、有機クレイを含む試料の場合に、より少なかったことが観察された。さらに、有機クレイを含むように形成されたシールは、シール形成の全範囲にわたって可剥性である。図7Cは、シーリングフィルムに積層されたフォイルから形成されたシールに関する、シール形成温度に対する剥離力のプロットを示す。この実験では、48gaPET/50gaFoilが、3.2ミルの試験フィルムになるように接着して積層された。試験フィルムは、LDPE/LLDPE/有機クレイブレンドから作製される。シールは同じ構造のフィルムになるように作製される。標準および試験用試料は、Sentinalシール装置でシールされ、剥離力がASTM F−88に従って判定される。図7Cは、300°F(148.9℃)から425°F(218.3℃)の温度で、むらのない可剥性シールが形成されることを明確に示す。
【0043】
Nanoblend(商標)MB2001またはNanoblend(商標)MB2101(「マスターバッチ」)は、一軸押出し成形機で市販のポリエチレン(「PE」)ブレンドパウチシーラントと混合され、本発明のシーラント層は第2のフィルムブローイング操作で形成される。試験用フィルムの引張り特性は、50mm/minの試験速度で、ASTM D638(表1)に従って評価される。試験の前に、すべての試料は21日間30℃でアニールされる。有機クレイを含むフィルムは、強度も最大伸長も犠牲にすることなしに、有機クレイを含まないフィルムより高い係数を有することが分かっている。係数の上昇は、3wt%の有機クレイでは75%、6wt%の有機クレイでは150%、および9wt%の有機クレイでは240%である。
【0044】
【表1】
【0045】
表2はビカット熱変形試験の結果の要約である。ビカット軟化温度は、23℃の軟化温度の上昇を示す9wt%ナノクレイを有する試料の場合に、有機クレイ含有量が増加するにつれて増加することが観察された。表2のデータは、結晶化度が、ポリエチレンシーラントの組成に有機クレイを加えることによる影響を実質的に受けないことを示す。
【0046】
【表2】
【0047】
結晶化温度および溶融温度も評価される。これらの測定は、ASTM D 3417に従って融解および結晶化のエンタルピーを測定することによって行われる。図9は、変化する量のNanoblend(商標)MB2001を含む層に関する結晶化温度(「Tc」)を判定するためのプロットを示す一方、図8は溶融温度(「Tm」)を判定するためのプロットを示す。TmおよびTcは、純粋なポリエチレン試料と比較すると、ナノクレイを加えることによる影響を実質的に受けないことが観察される。図10Aは、ポリエチレンを含むシーリング層内でのNanoblend2001からの有機クレイの分散を示す、1組のx線回折のプロットを示す。図10Bは、ポリエチレンを含むシーリング層内での有機クレイの分散を示す、1組のx線回折のプロットを示す。x線回折データは、有機クレイプレートレットの平均離隔距離が保たれること(すなわち、最小の凝集)を示す。このように離隔距離を保つことにより、剥離容易性、引張り強度、HDTに関して得られる特性、および本発明の実施形態の破断時の伸長が可能になる。
【0048】
表3および表4は、本発明によって形成されるシーリング層に関する表面粗さの測定値を提供する。これらの例では、共有押出し成形された2重層が形成される。より滑らかな面が、有機クレイを有しないHDPE層からのものである。より粗い面が有機クレイを有するLLDPE/EVA層である。本発明の有機クレイを含む層は、有機クレイを有しない類似の試料より高い程度の粗さを有すこることが分かっている。さらに、6wt%有機クレイを有する試料は、5wt%有機クレイを有する試料より表面粗さの量が大きく、それにより、表面粗さの量が約10%以下の範囲で増加する傾向を示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
図11は、シール形成温度に対するシール強度のプロットを示す。これらの試験では、インパルスシール装置を使用してシールを形成する。こうしたシール装置では温度がダイヤル位置によって設定される。図11は、ダイヤル位置に応じたシール強度を示す。推定温度が図11の最上部に示される。さらに、図11は、ポリエチレン、EVA、および有機クレイの組合せの相乗効果を示し、この組合せから形成されたシールは、シール形成温度の広い範囲にわたって可剥性である。
【0054】
一連の25.4mmのシールが、約1000psi(6895kPa)の圧力で約8秒のシール時間で作製される。これらの実験では液圧プレスが使用される。これらの条件は典型的な工業用のシーリング動作で使用される条件より厳しいが、これらの条件で可剥性シールを形成することは、本発明を構築して可剥性シールを形成することが可能であることをさらに示す。図12Aおよび図12Bは、シール層の様々な組合せに関する、シール形成温度に対するシール強度のプロットを示す。これらの実験では、第1のシーリング層と第2のシーリング層の間にシールが形成される。図12Aでは、各シーリング層は、ポリエチレン、またはポリエチレンとEVAのブレンドを含む。一般に、シール強度は、110℃から140℃の温度範囲にわたって、これらの組合せの温度が上昇するのに伴って上昇する。図12Bでは、シーリング層のうち少なくとも1つは、ポリエチレン、EVA、および有機クレイのブレンドを含む。このようにして形成されたシールに関して、図12Bは、110℃から140℃の温度範囲にわたる可剥性シールの形成を示す。図13Aおよび図13Bは、図12Aおよび図12Bに関するシール強度データを要約し、破損モードのタイプ(図1A〜図1G参照)を特徴付ける表6を示す。表6は、広範囲の温度にわたる可剥性シールの形成を明確に示す。
【0055】
本発明のさらに別の実施形態では、それに組み込まれた1つまたは複数のしわを有する漏出防止シールをもたらすように適合された可剥性シールが提供される。図14Aおよび図14Bを参照すると、1つまたは複数の折り目を組み込む可剥性シールの概略断面図が示されている。可剥性シール250は、第1のシーリング層252および第2のシーリング層254を含む。第1のシーリング層252は、湾曲部258、260および折り目262を含む。同様に、第2のシーリング層254は湾曲部264、266を含む。第1の層のシーリング層252は第1のシーリング面270を含み、第2のシーリング層254は第2のシーリング面272を含む。外側のシーリング面274、276が、図1〜図5の説明に関連して上述のように追加の層に取り付けられる。第1のシーリング面270は、第2のシーリング面272に接触してシール280を形成する。図14Bは、第2のシーリング層254が最小の湾曲部または折り目を含む図を示す。
【0056】
シーリング層252および254の組成の詳細は上述のものと同じである。具体的には、第1のシーリング層252および第2のシーリング層254のうち少なくとも一方は、熱可塑性ポリマー、および熱可塑性ポリマー内に分散された添加剤を含む。変形形態では、添加剤は、可剥性シールの温度範囲内のすべての温度で、第1のシーリング層252と第2のシーリング層254の間に可剥性シール280を形成するのに十分な量で存在する。上述のように、改良形態では、可剥性シールの温度範囲は、シール開始温度からシール開始温度より少なくとも100°F(37.78℃)高い温度である。特に有用な変形形態では、添加剤は、熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された有機クレイである。こうした変形形態では、第1のシーリング層252および第2のシーリング層254の一方または両方のシール開始温度は、約170°F(76.67℃)から約350°F(176.7℃)である。添加剤、有機クレイ、および熱可塑性ポリマーに関する追加の詳細が、上述されている。
【0057】
図15を参照すると、折り目または湾曲部がシール内に組み込まれる傾向がある包装用システムの上面図が示されている。包装290は可剥性シール292、294、296を含む。一方の側部のみまたは2つの側部が可剥性シールを有する包装も可能であることが理解されよう。包装290は食品298を収容するように示される。包装プロセス中に容器部分300内に食品298が存在すると、容器の壁302が持ち上がる。このように容器の壁302が持ち上がることは、図14Aおよび図14Bの説明と関連して述べるように、湾曲部および折り目が可剥性シール292、294、296内に形成されることを含む。図15に示す包装などの包装は、漏出の不具合が低減されていることが見出された。例えば、上述の有機クレイの組成を使用する包装中の酸素レベルは、平均して市販のシーリングの組成より低いことが見出された。さらに、染料を含む液体での試験は、漏出の不具合が低いことも見出された。
【0058】
本発明の実施形態を図示し説明してきたが、それらの実施形態は本発明の可能な形態をすべて示し説明するものではない。そうではなく、明細書で使用された用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことが可能であることが理解されよう。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031450号明細書の継続出願であり、その優先権を主張するものである。その文献の内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、可剥性シールを含む包装システムに関し、詳細には、こうした可剥性シールを形成するための組成および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
包装は大部分の製品の販売および取引において重要な機能である。食料製品は、特に、鮮度を保ち保存期間を延長するために包装要件が非常に厳しい。ある種の医療用具にも、その用具の無菌状態を保つために厳格な包装要件がある。このような用途では、包装は、典型的には真空包装またはガス置換され、続いて気密にシールされる。製品の効率的な包装は必須であるが、製品の包装の様々な美観性も重要である。例えば、製品の見た目は消費者にアピールするのに重要である。さらに、多くの用途、具体的には食料製品の用途で、包装を再利用でき開封が容易であることも重要な要素である。多くの用途で、包装を容易に開封できるかどうかは、シールの機械的特性に左右される。
【0004】
特に重要な1つの包装用構造では可剥性シールが使用される。少なくとも1つの従来技術の包装用システムでは、金属フォイル上にヒートシール可能なポリマー材料を被覆することによって可剥性シールが形成される。こうしたシールを組み込んだ包装は、多くの場合空気および汚染物質に対して不透過性なので、可剥性シールもこれらの物質に対して不透過性でなければならない。可剥性シールを有する包装が開封されると、シーリング層を基材から剥離することができる。こうした剥離が比較的一定の小さい剥離力によって実現できることが望ましい。可剥性シールの弾性の特性は、包装の屈曲および通常の取扱いからはシールの破損が生じないほどである。ある種の従来技術の包装では、可剥性シールは複数層のシートから構築される。こうしたシールを有する包装用システムの例には、トレイタイプの食品包装、ボトルまたはブリスター包装などが含まれる。従来技術の可剥性シーリング包装のいくつかは適度に良好に機能するが、漏出を防ぐ一方でエンドユーザーによって簡単に開封される気密シールを安定して形成する包装用システムを構築することが難しい。さらに、このような従来技術の可剥性包装用システムは、比較的狭い範囲、具体的には狭い温度範囲で働く傾向がある。シーリング温度範囲が狭いと、包装の不具合を生じる傾向がある。例えば、使用可能な温度範囲の下限では、シールの漏れが形成される(気密にシールされない)ことがある。使用可能な温度範囲の上限では、開封時に断裂する非可剥性シールが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5780376号明細書
【特許文献2】米国特許第5739087号明細書
【特許文献3】米国特許第6034163号明細書
【特許文献4】米国特許第5747560号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、漏出を防ぎ、気密シールをもたらし、簡単に開封する、改善された可剥性包装用システムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、従来技術の1つまたは複数の問題を、少なくとも1つの実施形態で可剥性シーリング構造を提供することによって解決する。この実施形態の可剥性シーリング構造は、有利なことに、可剥性シールの温度範囲内のすべての温度で、シーリング基材と接触する際に可剥性シールに成形可能なシーリング面を含む。さらに、この実施形態の可剥性シーリング構造は、熱可塑性ポリマー、および熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤を含む。
【0008】
本発明の別の実施形態では、可剥性シーリング構造は、容器の開口部に可剥性シールを形成するために有用である。この実施形態の可剥性シーリング構造は、シーリング層および1つまたは複数の任意選択の追加の層を備える。有利なことに、シーリング層は、熱可塑性ポリマーと共に分散された機能的な有機クレイを含む。機能的な有機クレイ粒子を一般に使用されるヒートシール可能な熱可塑性ポリマー内に混入することにより、広範囲のヒートシーリング状態にわたってむらのない剥離強度がもたらされることが分かっている。さらに、市販の有機クレイポリマー濃縮物と広範囲のポリオレフィンシーラント樹脂とのブレンドは、剥離強度が有機クレイの配合率に反比例することが有利に示される。シーリング層を利用するシールされた境界面はむらのないパターンで剥離するが、シール試料が様々なバッグ/パウチ包装のスタイルでしわ、プリーツ、およびマチの構成を含むときでも、シールの気密の完全性は損なわれない。
【0009】
本発明の別の実施形態では、本発明の可剥性シーリング構造を組み込む包装用システムが提供される。本発明の包装用システムは、容器部分、およびその容器部分に取り付けられた可剥性シーリング部分を含む。シーリング部分は、上記で述べた本発明のシーリング層を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】接着タイプAの破損の概略図である。
【図1B】接着タイプBの破損の概略図である。
【図1C】層間剥離タイプCの破損の概略図である。
【図1D】破断タイプDの破損の概略図である。
【図1E】破断タイプEの破損の概略図である。
【図1F】伸長タイプFの破損の概略図である。
【図1G】剥離+伸長タイプGの破損の概略図である。
【図2A】単一層のシーリング構造の概略断面図である。
【図2B】2層のシーリング部分の概略断面図である。
【図2C】3層のシーリング層の概略断面図である。
【図3A】本発明の可剥性シーリング構造の実施形態を組み込むパウチ様の包装用システムの概略断面図である。
【図3B】図3Aのパウチ様の包装用システムの側面図である。
【図4A】シーリング基材が第2のシーリング層を含む改良形態の概略断面図である。
【図4B】シーリング基材160が第2のシーリング層170を含み、可剥性シール162が、第1のシーリング層152と第2のシーリング層186の間に形成された、改良形態の概略断面図である。
【図5A】本発明の可剥性シーリング構造を使用する、カップ様の包装用システムの概略断面図である。
【図5B】本発明の可剥性シーリング構造を使用し複数のカップ様の容器を組み込む、ブリスター包装用システムの概略断面図である。
【図6】本発明の包装用システムを形成する方法を示す図である。
【図7A】5wt%および6wt%の有機クレイを有するシーリング層から形成される上部シールに関する、温度に対する剥離力のプロットを示す。
【図7B】HDPE、EVOH、ならびに追加の有機クレイを有する、または有しないLLDPEとEVAとのブレンドの3層の共有押出し成形によって作製されたシールに関する、温度に対する剥離力のプロットを示す。
【図7C】シーリングフィルムに積層されたフォイルから作製されたシールに関する、シール形成温度に対する剥離力のプロットを示す。
【図8】溶融温度(「Tm」)を判定する一連のプロットである。
【図9】結晶化温度(「Tc」)を判定する一連のプロットである。
【図10A】ポリエチレンを含むシーリング層内でのNanoblend2001からの有機クレイの分散を示す、1組のx線回折のプロットである。
【図10B】ポリエチレンを含むシーリング層内でのNanoblend2101からの有機クレイの分散を示す、1組のx線回折のプロットである。
【図11】インパルスシール装置によって作製されたシールに関する、シール形成温度に対するシール強度のプロットを示す。
【図12A】コンダクションシール法によって作製された、ポリエチレンまたはポリエチレンとEVAとのブレンドから作製されるシールに関する、シール形成温度に対するシール強度のプロットを示す。
【図12B】シーリング層のうち少なくとも1つがポリエチレン、EVA、および有機クレイのブレンドを含むシールに関する、シール形成温度に対するシール強度のプロットを示す。
【図13A】図12Aおよび図12Bに関するシール強度データを要約する表6を示す。
【図13B】図13Aの続きである。
【図14A】1つまたは複数の折り目を内部に有する可剥性シールの概略断面図である。
【図14B】1つまたは複数の折り目を内部に有する可剥性シールの概略断面図である。
【図15】シール内に折り目または湾曲部を組み込んだ包装用システムの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、発明者に現在知られている発明を実施する最良の形態を構成する本発明の現在好ましい組成、実施形態、および方法を詳細に参照する。図の縮尺は必ずしも正確ではない。しかし、開示した実施形態は、様々な代替の形態で実施できる本発明の単なる例であることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される特定の詳細は、限定的ではなく、本発明の態様に関して代表的なもの、および/または本発明を様々に用いるために当業者に教示する代表的なものと解釈すべきである。
【0012】
例において、または別段明示的に示される場合を除いて、材料の量または反応および/もしくは使用の条件を示すこの説明のすべての数量が、本発明の最も広い範囲を説明する際に単語「約(about)」によって修飾されるものと理解すべきである。明記された数の制限内での実施が一般に好ましい。また、明確に反対に述べられない限り、百分率、「の一部」、および比の値は重量によるものであり、用語「ポリマー」は「オリゴマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」などを含み、本発明に関連した所与の目的に関する適切なまたは好ましい材料の群またはクラスの説明は、それらの群またはクラスの任意の2つ以上の要素の混合物が等しく適切でありまたは好ましいことを示し、化学用語での成分の説明は、説明の中で特定された任意の組合せに追加する時点での成分を指し、混合された後の混合物の成分の間の化学的な相互作用を排除せず、頭字語またはその他の略記の最初の定義は、本明細書での後続のすべての同じ略記の使用に適用し、最初に定義された略記の通常の文法的な変形形態に必要な変更を加えて適用し、明確に反対に述べられない限り、特性の測定値は、同じ特性に関して前後に参照するのと同じ技術によって判定される。
【0013】
もちろん特定の成分および/または条件が変化するので、本発明は以下に説明する特定の実施形態および方法に限定されないことも理解されたい。さらに、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明する目的で使用されるに過ぎず、決して限定されるものではない。
【0014】
明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、複数の指示物を含むことも留意しなければならない。例えば、単数の成分の言及は複数の構成要素を含むものである。
【0015】
この出願全体にわたって、刊行物を参照する場合に、それらの刊行物の開示全体が、本発明が関係する最新技術をより完全に説明するために、参照によりこの出願全体に援用される。
【0016】
本明細書で使用される用語「有機クレイ」は有機的に変成されたクレイを意味する。典型的には、そのような変成は、より融和性があるクレイを実現し、したがってポリマーと混合可能である。
【0017】
本明細書で使用される用語「粗さ平均」(「Ra」)は、ANSI B46.1に従って全体的に測定された長さまたは面積にわたって計算された表面の平均高さを意味する。これは通常、マイクロメートルまたはマイクロインチで提示される。
【0018】
本明細書で使用される用語「可剥性シール」は試料の幅1インチ(2.54cm)当たり0.5ポンド(226.8g)とシールを断裂する力との間の、剥離力を有するシールを意味する。典型的には、上限は、試料の幅1インチ(2.54cm)当たり5ポンド(2268g)以下である。他の変形形態では、上限は、試料の幅1インチ(2.54cm)当たり4ポンド(1814g)以下、またはフィルム基材の断裂強度より小さい。
【0019】
本明細書で使用される用語「剥離力」は、参照によって援用されるASTM F−88で定義される2つの層を分離するための力を意味する。例えば、これは、引張りにより1インチ(2.54cm)の幅の2つの層を分離させるのに必要な力である。
【0020】
本明細書で使用される用語「シール開始温度」は、シールが1インチ(2.54cm)当たり0.5(226.8g)ポンドの剥離力を有するように形成される最低温度を指す。具体的には、シール開始温度は、シールすべき1つまたは複数の層に接触する表面(典型的には金属)の温度であり、それによってこうしたシーリングを促進する。いくつかの変形形態では、その表面は、ドウェル時間約0.5から1秒、圧力5psi(34.48kPa)から1200psi(8274kPa)で(1つまたは複数の)層に接触する。
【0021】
用語「可剥性シールの温度範囲」は、剥離力が、試料の幅1インチ(2.54cm)当たり0.5ポンド(226.8g)と、上述のように断裂する力との間であるように2つの材料の間のシールが形成される温度範囲を意味する。
【0022】
図1A〜図1Gを参照すると、様々なシールの破損の仕組みを示す概略図が示されている。これらの図の各変形形態では、第1のシーリング層102の一部分が第2のシーリング層104の一部分と接触してシールを形成することからシール100が形成される。図1Aに、本発明の1つまたは複数の実施形態による可剥性シールの挙動を示す。層102と104の間のシールがそれらの層を引っ張るように作用する力を受けると、層102、104は分離面106、108で比較的きれいに分離する。こうしたシールの破損を接着タイプAの破損と呼ぶ。図1Bに、シールが応力を受けて断裂109を形成するときに層102の構造の完全性が損なわれるシールを示す。こうしたシールの破損を接着タイプBの破損と呼ぶ。図1Cに、複数層の積層構造を形成するために追加の層を含むシールを示す。層110は層102に接着され、層104は層112に接着される。図1Cに示す破損モードは位置114での層間剥離である。こうしたシールの破損を層間剥離タイプCの破損と呼ぶ。図1Dに、層102、104が今なお互いに接着する領域に近い位置120で層104が破断する材料の破損を示す。こうしたシールの破損を破断タイプDの破損と呼ぶ。図1Eに、層102、104が今なお互いに接着する領域から離れた位置122で層104が破断する材料の破損を示す。こうしたシールの破損を破断タイプEの破損と呼ぶ。図1Fに、シール100に組み込まれない部分130、132で層102および104が伸長する、材料の破損を示す。こうしたシールの破損を伸長タイプFの破損と呼ぶ。最後に、図1Gに、剥離の仕組みによって層102、104がシール100で分離し、同時に部分136、138が伸長する、材料の破損を示す。このシールの破損を剥離+伸長タイプGの破損と呼ぶ。本発明のいくつかの実施形態は、有利なことに、接着タイプAの破損の仕組みによって破損する可剥性シールを形成する。
【0023】
本発明の実施形態では、可剥性シーリング構造が提供される。この実施形態の可剥性シーリング構造は、熱可塑性ポリマー、およびその熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された添加剤を含む。可剥性シーリング構造はシーリング面を画定し、そのシーリング面は、可剥性シール温度範囲内のすべての温度で可剥性シールに成形可能である。この実施形態の変形形態では、可剥性シール温度範囲は、シール開始温度からシール開始温度より少なくとも50°F(10℃)高い温度である。本発明の別の実施形態では、可剥性シール温度範囲は、シール開始温度からシール開始温度より少なくとも75°F(23.89℃)高い温度である。本発明のさらに別の実施形態では、可剥性シール温度範囲は、シール開始温度からシール開始温度より少なくとも100°F(37.78℃)高い温度である。典型的には、包装の用途に関しては、シール開始温度範囲は約170°F(76.67℃)から約350°F(176.7℃)である。別の変形形態では、包装の用途に関しては、シール開始温度範囲は約170°F(76.67℃)から約250°F(121.1℃)である。
【0024】
図2A、図2B、および図2Cを参照すると、本発明の包装用システムで使用される可剥性シーリング構造の図が示されている。この実施形態では、可剥性シーリング構造は、可剥性シールまたはシーリング部分を形成するために基材に取り付けられる。図2Aは単一層シーリング構造の概略断面図である。この変形形態では、可剥性シーリング構造150はシーリング層152を含む。図2Bは2層のシーリング構造の概略断面図である。可剥性シーリング構造150はシーリング層152および追加の層154を含む。図2Cは3層のシーリング層の概略断面図である。この変形形態では、可剥性シーリング構造150はシーリング層152および追加の層154、156を含む。
【0025】
図2A、図2B、および図2Cの各変形形態では、シーリング層152が熱可塑性ポリマー、およびその熱可塑性ポリマー内に分散された添加剤を含むことが理解されよう。本実施形態の変形形態では、有用な添加剤の表面積は、100m2/グラムより大きく、アスペクト比は10より大きい。さらに、有用な添加物は結晶または多結晶である。有用な添加剤の例には、限定されないが有機クレイが含まれる。シーリング層152は、容器の基材部分に接触して可剥性シールを形成するように適合される。こうした容器は、対象物を包装するのに有用な事実上どんな形状のものでもよい。こうした形状の例には、限定されないが、ブリスター、トレイ、バッグ、パウチ、およびそれらの組合せが含まれる。
【0026】
驚くべきことに、以下により完全に説明するように、この組成から形成されたシーリング層が、改善された均一の剥離性能を有することが見出された。可剥性シーリング構造150を利用するシールされた境界面は、むらのないパターンで剥離し、フィルム試料が様々なバッグ/パウチ包装のスタイルでしわ、プリーツ、およびマチの構成を含むときでも、シールの気密の完全性は損なわれない。可剥性シーリング構造150は、以下の組合せでむらのない可剥性の挙動を示す。1)シーリング層152は、類似または同一の組成の別のシーリング層に接触する。2)シーリング層152は、純シーラントから形成された構造に接触する(例えば、純ポリプロピレン層に対する有機クレイ/ポリエチレン層、純ポリエステル層に対する有機クレイ/ポリエチレン層、純ポリエチレン層に対する有機クレイ/ポリエチレン層)。粘着防止剤、酸化防止剤、滑剤などの加工助剤は、任意選択でシーリング層に含まれ、シーリング構造150の剥離パターンに影響しない。
【0027】
追加の層154、156は、本実施形態にいくつかの有用な特性をもたらすために用いられる。例えば、追加の層154、156は、可剥性シーリング部分を組み込む包装用システムに、構造上の支持、耐熱性、バリヤ機能、および改善した外観をもたらしてもよい。本実施形態は、単一層可剥性シーリング構造に加えて、任意の数の追加の層を有する複数層の構造を含むことも理解されよう。本実施形態の各変形形態では、複数層シーリング構造は、本明細書で説明した組成を有する可剥性シーリングを含む。
【0028】
シーリング層152は、所望の特定の包装にある程度依存する様々な物理的および構造的変形形態および改良形態によってさらに特徴付けられる。本実施形態の一変形形態では、シーリング層152の厚さは約6ミクロンから約120ミクロンである。本実施形態の別の変形形態では、シーリング層152の厚さは約6ミクロンから約30ミクロンである。本実施形態のさらに別の変形形態では、シーリング層152の厚さは約40ミクロンから約120ミクロンである。シーリング層152はさらに、より高い程度の表面の粗さを有するという点で、有機クレイを含まないか、または不十分な量の有機クレイを含むように形成された類似の層から区別される。一改良形態では、シーリング層152は、約1500から約5000オングストロームの粗さ平均によって特徴付けられる表面粗さを有する。別の改良形態では、シーリング層152は、約2000から約4000オングストロームの粗さ平均によって特徴付けられる表面粗さを有する。本発明の変形形態では、表面粗さの程度および質は、シーリング層152を形成するのに使用される方法とプロセスパラメータの両方に依存することを容易に理解されよう。様々な実施形態のシーリング層はまた、有機クレイを含まない類似の層よりある程度高い引張り係数を示す。一改良形態では、シーリング層152は、約500から約2000MPaの引張り係数を有する。
【0029】
図3Aおよび図3Bを参照すると、上述の可剥性シーリング構造を組み込む包装用システムが示されている。図3Aは、本発明の可剥性シーリング構造の実施形態を組み込むパウチ様の包装用システムの断面図である。図3Bは、本発明の可剥性シーリング構造の実施形態を組み込むパウチ様の包装用システムの側面図である。包装用システム160は、容器部分162および可剥性シーリング部分164を含む。可剥性シーリング部分164は容器部分162に取り付けられる。図3Aに、可剥性シーリング部分164および容器部分162が連続している例を示し、それぞれが同一の複数層の構造(すなわち、シート)から形成されている。容器部分162は、パウチ中に対象物を包装するのに有用な事実上任意の形状を有することができる。シーリング部分164は可剥性シーリング構造150を含む。図3Aに示す変形形態では、可剥性シーリング構造150は、追加の層154上に配置されたシーリング層152を含む。図2A、図2B、および図2Cの説明に関連して上述したように、シーリング層152は、熱可塑性ポリマー、および熱可塑性ポリマー内に分散された有機クレイなどの添加剤を含む。
【0030】
なお図3Aおよび図3Bを参照すると、包装用システム160はさらに、可剥性シーリング構造150に接触して可剥性シール170を形成する第2のシーリング構造150’を含む。シール170は、包装用システム160の上面172の開口部をシールする。同様の可剥性シールが、任意選択で底側174、左側176、および右側178に配置される。可剥性シーリング構造150’も、追加の層154上に配置されたシーリング層152を含む。詳細には、追加の層154上に配置されたシーリング層152の組合せの第1の部分はシーリング構造150を形成し、追加の層154上に配置されたシーリング層152の組合せの第2の部分はシーリング構造150’を形成する。シーリング構造150、150’は容器部分162と連続している。本実施形態の変形形態では、追加の層154上に配置されたシーリング層152の組合せの第3の部分は、少なくとも部分的に容器部分162を形成する。有利なことに、包装用システム160は、対象物180(すなわち、1つまたは複数の対象物でよい)を収容するように適合される。包装できる(1つまたは複数の)対象物180の例には、限定されないが、食料製品および殺菌された対象物(例えば、医療用具)が含まれる。
【0031】
図4Aおよび図4Bを参照すると、パウチ様の包装用システムで使用されるような可剥性シーリング部分164の変形形態が示されている。図4Aは、シーリング層152が実質的に可剥性シーリング部分164の近傍に限定された改良形態の概略断面図である。この変形形態は、有機クレイの混入を限定するか、またはシーリング構造164の近傍に別個の層を配置することによって実現される。この変形形態はさらに、内側層182および1つまたは複数の追加の層154を含む。図4Bは、包装用システム160が第2のシーリング層186を含み、可剥性シール170が第1のシーリング層152と第2のシーリング層186との間に形成される改良形態の概略断面図である。この後者の改良形態では、シーリング層152の容器部分162への延在は、仮にあったとしても最小限である。さらに、この改良形態では、容器部分162は、任意選択で、第1のシーリング層152とは異なるライナ層182を含む。この変形形態のさらなる改良形態では、シーリング部分164はさらに、第1のシーリング層152および/または第2のシーリング層186の上に配置された1つまたは複数の追加のポリマー層154を含む。この改良形態の特に有用な例では、1つまたは複数の追加のポリマー層154は、少なくとも部分的に容器部分162を形成する。
【0032】
図5Aおよび図5Bを参照すると、剛体の容器部分を有する本発明の可剥性シーリング構造を使用する、包装用システムの変形形態が示されている。図5Aは、本発明の可剥性シーリング構造を使用する、カップ様の包装用システムの概略断面図を示す。包装用システム190は、可剥性シーリング構造150、および容器部分194のシーリング開口部192を含む。可剥性シーリング構造150の外周部分は、容器部分194の基材部分196の上に配置され、それに接触する。図5Bは、複数のカップ様の容器を組み込むブリスター包装用システムの概略断面図を示す。ブリスター包装用システム200は、可剥性シーリング構造152、および容器部分206、208のシーリング開口部202、204を含む。可剥性シーリング構造152の一部分は、容器部分206、208の基材部分210、212の上に配置され、それに接触する。
【0033】
上述のように、本発明の様々な実施形態の可剥性シーリング構造は、有機クレイなどの添加剤を含む。有用な有機クレイの例には、限定されないが、カオリナイト、モンモリロナイト−スメクタイトクレイ、ベントナイトクレイ、イライトクレイ、およびそれらの組合せが含まれる。特許文献1、2、3、および4は、本発明を実施するのに有用なナノクレイの特定の例を提示している。これらの各特許の開示全体が参照により本明細書に援用される。本発明の一改良形態では、有機クレイは、熱可塑性ポリマーおよび有機クレイを合わせた重量の1wt%から20wt%の量で存在する。本実施形態の別の改良形態では、有機クレイは、熱可塑性ポリマーおよび有機クレイを合わせた重量の2wt%から10wt%の量で存在する。
【0034】
可剥性シーリング層152に使用される有機クレイは、典型的には、複数の粒子を含む。一変形形態では、有機クレイは、200nm未満の少なくとも1つの空間的寸法を有する複数の粒子を含む。別の変形形態では、有機クレイは、100nm未満の少なくとも1つの空間的寸法を有する複数の粒子を含む。別の変形形態では、有機クレイは、50nm未満の少なくとも1つの空間的寸法を有する複数の粒子を含む。さらに別の変形形態では、有機クレイは、1nm以上の空間的寸法を有する複数の粒子を含む。さらに別の変形形態では、有機クレイは、5nm以上の空間的寸法を有する複数の粒子を含む。別の変形形態では、有機クレイは、少なくとも20オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含む。さらに別の変形形態では、有機クレイは、少なくとも30オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含む。さらに別の変形形態では、有機クレイは、少なくとも40オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含む。典型的には、熱可塑性ポリマーと混合する前に、有機クレイは、20から45オングストロームの間の平均離隔距離を有するプレートレットを含む。有利なことに、熱可塑性物質と混合する際に、有機クレイは、平均離隔距離が維持されるかまたは増大するように、このような剥離した状態を保持している。
【0035】
上述のように、可剥性シーリング層152はまた、熱可塑性ポリマーを含む。適切な熱可塑性ポリマーには、限定されないが、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、およびそれらの混合物が含まれる。変形形態では、熱可塑性ポリマーは、エチレンアクリル酸、エチレンエチルアクリレート、エチレンアイオノマー(例えば、E.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能なSurlyn(登録商標)系樹脂)、およびそれらの組合せからなる群から選択される成分を含む。ポリオレフィンは、本発明の実施に特に有用な熱可塑性ポリマーである。一変形形態では、ポリオレフィンは、エチレン、プロプレン、ビニルアセテート、およびそれらの組合せのホモポリマーおよびコポリマーからなる群から選択される。エチレンビニルアセテート(「EVA」)とのポリオレフィンのブレンドが、特に添加剤が有機クレイのときに可剥性シールを形成するのに特に有用であることが見出された。
【0036】
本発明の様々な実施形態の容器部分は、包装に使用される実質的に任意の材料から形成される。こうした材料には、限定されないが、紙、金属フォイル、ポリマーのシート、金属化されたポリマーシート、およびそれらの組合せが含まれる。さらに詳細な例には、配向または非配向のポリエステル、配向または非配向のポリプロピレン、配向または非配向のナイロン、およびそれらの組合せが含まれる。これらの材料はそれぞれ、被覆されても被覆されなくてもよい。有用な被覆の例には、限定されないが、ワニス、ラッカー、接着剤、インク、およびバリヤ剤(すなわち、PVDC)が含まれる。医療用具の包装に有用な材料は高密度ポリオレフィンを含む。Dupont,Inc.から市販されているTyvek(登録商標)(高密度ポリエチレン線維から作製された合成材料)は、医療用具を包装するために使用されるこうした材料の一例である。
【0037】
本発明のさらに別の実施形態では、上述の包装用システムを形成する方法が提供される。図6を参照すると、この実施形態の方法を示す図が示される。ステップa)で、熱可塑性ポリマー(「TP」)は有機クレイ(「OC」)と混合され、有機クレイ−ポリマーブレンド(「OCB」)を形成する。一変形形態では、この結合は押出し成形機220中で起きる。次に、ステップb)で、ダイ222からの押出し成形によって、有機クレイ−ポリマーブレンドからシーリング層152が形成される。変形形態では、(押出し成形機230などの)追加の押出し成形機からダイ222に材料を供給することによって追加の層が形成される。本実施形態の改良形態では、熱可塑性ポリマーおよび有機クレイは、ミキサー224で予混合され、次いで押出し成形機220中に導入される。典型的には、シーリング層152は、(図2に示すように)1つまたは複数の追加の層154、156に沿って、またはその上に形成される。次いで、ステップc)で、開いた状態の包装用システム160が形成される。このプロセスは、側部をシールして図3〜図4のパウチ構造を生成するいくつかのステップを含んでもよい。変形形態では、ステップb)中に、開いた状態の包装用システム160の形成が起きる。
【0038】
本実施形態の変形形態では、熱可塑性ポリマーが、マスターバッチを純ポリマーと混合することによって有機クレイと混合される。この変形形態では、マスターバッチは、有機クレイおよび熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分を含む。この改良形態では、マスターバッチは、典型的には、10から80wt%の有機クレイを含む。
【0039】
シーリング層152を形成するステップは、熱可塑性組成から層またはフィルムを生成できる任意の方法によって実現される。こうした方法の例には、限定されないが、押出し成形、共押出し成形、吹込み成形、注入成形、押出し吹込み成形、およびフィルムブローイングが含まれる。
【0040】
さらに図6を参照すると、本実施形態の方法は、任意選択で、(1つまたは複数の)対象物180を開いた状態の包装用システム160内に配置するステップをさらに含む(ステップd)。典型的には、(1つまたは複数の)対象物180は容器部分162内にある。(1つまたは複数の)対象物180が容器部分162内に配置された後で、シーリング層152は、ステップe)の間にシーリング基材(すなわち、シーリング構造150’)と接触してシールを形成する。シーリングは、当技術分野で知られた、任意の数のシーリング方法によって実現することができる。例には、限定されないが、コンダクションヒートシーリング(conduction heat sealing)、超音波シーリング、およびインダクションシーリング(induction sealing)が含まれる。
【実施例】
【0041】
以下の例は本発明の様々な実施形態を示す。当業者は、本発明の精神および特許請求の範囲内に包含される多くの変形形態を認識するであろう。
【0042】
図7Aは、共有押出し形成されたHDPEおよびLLDPE/EVAならびに有機クレイブレンド(すなわち、2重層)から作製されたシーリング層から形成されたシールに関する、温度に対する剥離力のプロットを示す。これらの実験では、シールしたバッグのシールが引き離される。5および6wt%の有機クレイの配合の場合のプロットが示される。図7Aは、50°F(10℃)のシール形成温度範囲にわたるむらのない開封力によって本発明のシールを開封できることを示す。さらに、200°F(93.33℃)から250°F(121.1℃)の温度範囲にわたってシール強度が可剥性であり比較的平坦であることが観察された。図7Bはシール形成温度に対する剥離力のプロットを示す。有機クレイなしの標準、および5wt%の有機クレイを有する試験用試料に関するプロットが示される。標準試料は、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、エチレンビニルアルコール、直鎖状低密度ポリエチレン(「EVOH」)、およびエチレンビニルアセテートブレンドとLLDPEとのブレンドの3層の共押出し成形から形成された2.4ミルのフィルムから構成される。試験用試料は、HDPE、EVOH、およびLLDPE EVAと5wt%の有機クレイのブレンドの3層の共押出し成形から形成された2.4ミルのフィルムから構成される。標準および試験用試料はSentinalのシール装置でシールされた。剥離力はASTM F−88に従って判定される。図7Bの点に関するシール時間は0.50秒であり、シールジョー圧力は30PSI(206.9kPa)である。175°F(79.44℃)から265°F(129.4℃)の温度範囲にわたる剥離力の変化は、有機クレイを含む試料の場合に、より少なかったことが観察された。さらに、有機クレイを含むように形成されたシールは、シール形成の全範囲にわたって可剥性である。図7Cは、シーリングフィルムに積層されたフォイルから形成されたシールに関する、シール形成温度に対する剥離力のプロットを示す。この実験では、48gaPET/50gaFoilが、3.2ミルの試験フィルムになるように接着して積層された。試験フィルムは、LDPE/LLDPE/有機クレイブレンドから作製される。シールは同じ構造のフィルムになるように作製される。標準および試験用試料は、Sentinalシール装置でシールされ、剥離力がASTM F−88に従って判定される。図7Cは、300°F(148.9℃)から425°F(218.3℃)の温度で、むらのない可剥性シールが形成されることを明確に示す。
【0043】
Nanoblend(商標)MB2001またはNanoblend(商標)MB2101(「マスターバッチ」)は、一軸押出し成形機で市販のポリエチレン(「PE」)ブレンドパウチシーラントと混合され、本発明のシーラント層は第2のフィルムブローイング操作で形成される。試験用フィルムの引張り特性は、50mm/minの試験速度で、ASTM D638(表1)に従って評価される。試験の前に、すべての試料は21日間30℃でアニールされる。有機クレイを含むフィルムは、強度も最大伸長も犠牲にすることなしに、有機クレイを含まないフィルムより高い係数を有することが分かっている。係数の上昇は、3wt%の有機クレイでは75%、6wt%の有機クレイでは150%、および9wt%の有機クレイでは240%である。
【0044】
【表1】
【0045】
表2はビカット熱変形試験の結果の要約である。ビカット軟化温度は、23℃の軟化温度の上昇を示す9wt%ナノクレイを有する試料の場合に、有機クレイ含有量が増加するにつれて増加することが観察された。表2のデータは、結晶化度が、ポリエチレンシーラントの組成に有機クレイを加えることによる影響を実質的に受けないことを示す。
【0046】
【表2】
【0047】
結晶化温度および溶融温度も評価される。これらの測定は、ASTM D 3417に従って融解および結晶化のエンタルピーを測定することによって行われる。図9は、変化する量のNanoblend(商標)MB2001を含む層に関する結晶化温度(「Tc」)を判定するためのプロットを示す一方、図8は溶融温度(「Tm」)を判定するためのプロットを示す。TmおよびTcは、純粋なポリエチレン試料と比較すると、ナノクレイを加えることによる影響を実質的に受けないことが観察される。図10Aは、ポリエチレンを含むシーリング層内でのNanoblend2001からの有機クレイの分散を示す、1組のx線回折のプロットを示す。図10Bは、ポリエチレンを含むシーリング層内での有機クレイの分散を示す、1組のx線回折のプロットを示す。x線回折データは、有機クレイプレートレットの平均離隔距離が保たれること(すなわち、最小の凝集)を示す。このように離隔距離を保つことにより、剥離容易性、引張り強度、HDTに関して得られる特性、および本発明の実施形態の破断時の伸長が可能になる。
【0048】
表3および表4は、本発明によって形成されるシーリング層に関する表面粗さの測定値を提供する。これらの例では、共有押出し成形された2重層が形成される。より滑らかな面が、有機クレイを有しないHDPE層からのものである。より粗い面が有機クレイを有するLLDPE/EVA層である。本発明の有機クレイを含む層は、有機クレイを有しない類似の試料より高い程度の粗さを有すこることが分かっている。さらに、6wt%有機クレイを有する試料は、5wt%有機クレイを有する試料より表面粗さの量が大きく、それにより、表面粗さの量が約10%以下の範囲で増加する傾向を示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
図11は、シール形成温度に対するシール強度のプロットを示す。これらの試験では、インパルスシール装置を使用してシールを形成する。こうしたシール装置では温度がダイヤル位置によって設定される。図11は、ダイヤル位置に応じたシール強度を示す。推定温度が図11の最上部に示される。さらに、図11は、ポリエチレン、EVA、および有機クレイの組合せの相乗効果を示し、この組合せから形成されたシールは、シール形成温度の広い範囲にわたって可剥性である。
【0054】
一連の25.4mmのシールが、約1000psi(6895kPa)の圧力で約8秒のシール時間で作製される。これらの実験では液圧プレスが使用される。これらの条件は典型的な工業用のシーリング動作で使用される条件より厳しいが、これらの条件で可剥性シールを形成することは、本発明を構築して可剥性シールを形成することが可能であることをさらに示す。図12Aおよび図12Bは、シール層の様々な組合せに関する、シール形成温度に対するシール強度のプロットを示す。これらの実験では、第1のシーリング層と第2のシーリング層の間にシールが形成される。図12Aでは、各シーリング層は、ポリエチレン、またはポリエチレンとEVAのブレンドを含む。一般に、シール強度は、110℃から140℃の温度範囲にわたって、これらの組合せの温度が上昇するのに伴って上昇する。図12Bでは、シーリング層のうち少なくとも1つは、ポリエチレン、EVA、および有機クレイのブレンドを含む。このようにして形成されたシールに関して、図12Bは、110℃から140℃の温度範囲にわたる可剥性シールの形成を示す。図13Aおよび図13Bは、図12Aおよび図12Bに関するシール強度データを要約し、破損モードのタイプ(図1A〜図1G参照)を特徴付ける表6を示す。表6は、広範囲の温度にわたる可剥性シールの形成を明確に示す。
【0055】
本発明のさらに別の実施形態では、それに組み込まれた1つまたは複数のしわを有する漏出防止シールをもたらすように適合された可剥性シールが提供される。図14Aおよび図14Bを参照すると、1つまたは複数の折り目を組み込む可剥性シールの概略断面図が示されている。可剥性シール250は、第1のシーリング層252および第2のシーリング層254を含む。第1のシーリング層252は、湾曲部258、260および折り目262を含む。同様に、第2のシーリング層254は湾曲部264、266を含む。第1の層のシーリング層252は第1のシーリング面270を含み、第2のシーリング層254は第2のシーリング面272を含む。外側のシーリング面274、276が、図1〜図5の説明に関連して上述のように追加の層に取り付けられる。第1のシーリング面270は、第2のシーリング面272に接触してシール280を形成する。図14Bは、第2のシーリング層254が最小の湾曲部または折り目を含む図を示す。
【0056】
シーリング層252および254の組成の詳細は上述のものと同じである。具体的には、第1のシーリング層252および第2のシーリング層254のうち少なくとも一方は、熱可塑性ポリマー、および熱可塑性ポリマー内に分散された添加剤を含む。変形形態では、添加剤は、可剥性シールの温度範囲内のすべての温度で、第1のシーリング層252と第2のシーリング層254の間に可剥性シール280を形成するのに十分な量で存在する。上述のように、改良形態では、可剥性シールの温度範囲は、シール開始温度からシール開始温度より少なくとも100°F(37.78℃)高い温度である。特に有用な変形形態では、添加剤は、熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された有機クレイである。こうした変形形態では、第1のシーリング層252および第2のシーリング層254の一方または両方のシール開始温度は、約170°F(76.67℃)から約350°F(176.7℃)である。添加剤、有機クレイ、および熱可塑性ポリマーに関する追加の詳細が、上述されている。
【0057】
図15を参照すると、折り目または湾曲部がシール内に組み込まれる傾向がある包装用システムの上面図が示されている。包装290は可剥性シール292、294、296を含む。一方の側部のみまたは2つの側部が可剥性シールを有する包装も可能であることが理解されよう。包装290は食品298を収容するように示される。包装プロセス中に容器部分300内に食品298が存在すると、容器の壁302が持ち上がる。このように容器の壁302が持ち上がることは、図14Aおよび図14Bの説明と関連して述べるように、湾曲部および折り目が可剥性シール292、294、296内に形成されることを含む。図15に示す包装などの包装は、漏出の不具合が低減されていることが見出された。例えば、上述の有機クレイの組成を使用する包装中の酸素レベルは、平均して市販のシーリングの組成より低いことが見出された。さらに、染料を含む液体での試験は、漏出の不具合が低いことも見出された。
【0058】
本発明の実施形態を図示し説明してきたが、それらの実施形態は本発明の可能な形態をすべて示し説明するものではない。そうではなく、明細書で使用された用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことが可能であることが理解されよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシーリング面を有する第1のシーリング層と、
第2のシーリング面を有する第2のシーリング層と
を備え、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち1つまたは複数の内部に1つまたは複数の折り目または湾曲部が組み込まれるように、前記第1のシーリング面が前記第2のシーリング面に接触してシールを画定し、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち少なくとも一方は、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された有機クレイと
を含むことを特徴とする可剥性シール。
【請求項2】
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層の一方または両方のシール開始温度は、約170°F(76.67℃)から約350°F(176.7℃)であることを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項3】
前記有機クレイは、200nm未満の少なくとも1つの空間的寸法を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項4】
前記有機クレイは、少なくとも20オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項5】
前記有機クレイは、少なくとも30オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項6】
前記有機クレイは、カオリナイト、モンモリロナイト−スメクタイトクレイ、ベントナイトクレイ、イライトクレイ、およびそれらの組合せからなる群から選択されるクレイを含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項7】
前記有機クレイは、前記熱可塑性ポリマーおよび前記有機クレイを合わせた重量の1wt%から20wt%の量で存在することを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項8】
前記有機クレイは、前記熱可塑性ポリマーおよび前記有機クレイを合わせた重量の2wt%から10wt%の量で存在することを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項9】
前記熱可塑性ポリマーは、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、エチレンビニルアセテート、およびそれらの混合物からなる群から選択される成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項10】
前記熱可塑性ポリマーは、エチレンアクリル酸、エチレンエチルアクリレート、エチレンアイオノマー、およびそれらの組合せからなる群から選択される成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項11】
前記熱可塑性ポリマーはエチレンビニルアセテートを含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項12】
第1のシーリング面を有する第1のシーリング層と、
第2のシーリング面を有する第2のシーリング層と
を備え、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち1つまたは複数の内部に1つまたは複数の折り目または湾曲部が組み込まれるように、前記第1のシーリング面が前記第2のシーリング面に接触してシールを画定し、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち少なくとも一方は、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマー内に分散された添加剤であって、可剥性シールの温度範囲内のすべての温度で、前記第1のシーリング層と前記第2のシーリング層の間に可剥性シールを形成するのに十分な量で存在し、前記可剥性シールの温度範囲は、シール開始温度から前記シール開始温度より少なくとも100°F(37.78℃)高い温度である、添加剤と
を含むことを特徴とする可剥性シール。
【請求項13】
前記添加剤は有機クレイを含むことを特徴とする請求項12に記載の可剥性シール。
【請求項14】
容器部分と、
前記容器部分に取り付けられた可剥性シーリング部分と
を備え、
前記可剥性シーリング部分は、
第1のシーリング面を有する第1のシーリング層と、
第2のシーリング面を有する第2のシーリング層と
を含み、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち1つまたは複数の内部に1つまたは複数の折り目または湾曲部が組み込まれるように、前記第1のシーリング面が前記第2のシーリング面に接触してシールを画定し、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち少なくとも一方は、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマー内に分散された添加剤であって、可剥性シールの温度範囲内のすべての温度で、前記第1のシーリング層と前記第2のシーリング層の間に可剥性シールを形成するのに十分な量で存在し、前記可剥性シールの温度範囲は、シール開始温度から前記シール開始温度より少なくとも100°F(37.78℃)高い温度である、添加剤と
を含むことを特徴とする包装用システム。
【請求項15】
添加剤は、前記熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散され、前記添加剤の表面積は、100m2/グラムより大きく、アスペクト比は10より大きく、前記可剥性シーリング構造はシーリング面を画定することを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項16】
前記添加剤は有機クレイを含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項17】
前記有機クレイは、カオリナイト、モンモリロナイト−スメクタイトクレイ、ベントナイトクレイ、イライトクレイ、およびそれらの組合せからなる群から選択されるクレイを含むことを特徴とする請求項16に記載の包装用システム。
【請求項18】
前記有機クレイは、前記熱可塑性ポリマーおよび前記有機クレイを合わせた重量の1wt%から20wt%の量で存在することを特徴とする請求項16に記載の包装用システム。
【請求項19】
前記有機クレイは、200nm未満の少なくとも1つの空間的寸法を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項16に記載の包装用システム。
【請求項20】
前記添加剤は、少なくとも20オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項21】
前記熱可塑性ポリマーは、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項22】
前記熱可塑性ポリマーはエチレンビニルアセテートを含むことを特徴とする請求項21に記載の包装用システム。
【請求項23】
前記第2のシーリング層は、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマー内に分散された有機クレイと
を含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項24】
前記シーリング部分は、前記第1のシーリング層の上に配置された1つまたは複数の追加のポリマー層をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項25】
前記包装用システム内に含まれる食料製品をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項26】
前記シーリング部分は、2つ以上の独立した側部に沿って可剥性シールを含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項27】
前記容器部分は、ブリスター、トレイ、バッグ、パウチ、およびそれらの組合せからなる群から選択される形状を有することを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項1】
第1のシーリング面を有する第1のシーリング層と、
第2のシーリング面を有する第2のシーリング層と
を備え、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち1つまたは複数の内部に1つまたは複数の折り目または湾曲部が組み込まれるように、前記第1のシーリング面が前記第2のシーリング面に接触してシールを画定し、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち少なくとも一方は、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散された有機クレイと
を含むことを特徴とする可剥性シール。
【請求項2】
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層の一方または両方のシール開始温度は、約170°F(76.67℃)から約350°F(176.7℃)であることを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項3】
前記有機クレイは、200nm未満の少なくとも1つの空間的寸法を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項4】
前記有機クレイは、少なくとも20オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項5】
前記有機クレイは、少なくとも30オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項6】
前記有機クレイは、カオリナイト、モンモリロナイト−スメクタイトクレイ、ベントナイトクレイ、イライトクレイ、およびそれらの組合せからなる群から選択されるクレイを含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項7】
前記有機クレイは、前記熱可塑性ポリマーおよび前記有機クレイを合わせた重量の1wt%から20wt%の量で存在することを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項8】
前記有機クレイは、前記熱可塑性ポリマーおよび前記有機クレイを合わせた重量の2wt%から10wt%の量で存在することを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項9】
前記熱可塑性ポリマーは、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、エチレンビニルアセテート、およびそれらの混合物からなる群から選択される成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項10】
前記熱可塑性ポリマーは、エチレンアクリル酸、エチレンエチルアクリレート、エチレンアイオノマー、およびそれらの組合せからなる群から選択される成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項11】
前記熱可塑性ポリマーはエチレンビニルアセテートを含むことを特徴とする請求項1に記載の可剥性シール。
【請求項12】
第1のシーリング面を有する第1のシーリング層と、
第2のシーリング面を有する第2のシーリング層と
を備え、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち1つまたは複数の内部に1つまたは複数の折り目または湾曲部が組み込まれるように、前記第1のシーリング面が前記第2のシーリング面に接触してシールを画定し、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち少なくとも一方は、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマー内に分散された添加剤であって、可剥性シールの温度範囲内のすべての温度で、前記第1のシーリング層と前記第2のシーリング層の間に可剥性シールを形成するのに十分な量で存在し、前記可剥性シールの温度範囲は、シール開始温度から前記シール開始温度より少なくとも100°F(37.78℃)高い温度である、添加剤と
を含むことを特徴とする可剥性シール。
【請求項13】
前記添加剤は有機クレイを含むことを特徴とする請求項12に記載の可剥性シール。
【請求項14】
容器部分と、
前記容器部分に取り付けられた可剥性シーリング部分と
を備え、
前記可剥性シーリング部分は、
第1のシーリング面を有する第1のシーリング層と、
第2のシーリング面を有する第2のシーリング層と
を含み、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち1つまたは複数の内部に1つまたは複数の折り目または湾曲部が組み込まれるように、前記第1のシーリング面が前記第2のシーリング面に接触してシールを画定し、
前記第1のシーリング層および前記第2のシーリング層のうち少なくとも一方は、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマー内に分散された添加剤であって、可剥性シールの温度範囲内のすべての温度で、前記第1のシーリング層と前記第2のシーリング層の間に可剥性シールを形成するのに十分な量で存在し、前記可剥性シールの温度範囲は、シール開始温度から前記シール開始温度より少なくとも100°F(37.78℃)高い温度である、添加剤と
を含むことを特徴とする包装用システム。
【請求項15】
添加剤は、前記熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分の中に分散され、前記添加剤の表面積は、100m2/グラムより大きく、アスペクト比は10より大きく、前記可剥性シーリング構造はシーリング面を画定することを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項16】
前記添加剤は有機クレイを含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項17】
前記有機クレイは、カオリナイト、モンモリロナイト−スメクタイトクレイ、ベントナイトクレイ、イライトクレイ、およびそれらの組合せからなる群から選択されるクレイを含むことを特徴とする請求項16に記載の包装用システム。
【請求項18】
前記有機クレイは、前記熱可塑性ポリマーおよび前記有機クレイを合わせた重量の1wt%から20wt%の量で存在することを特徴とする請求項16に記載の包装用システム。
【請求項19】
前記有機クレイは、200nm未満の少なくとも1つの空間的寸法を有する複数の粒子を含むことを特徴とする請求項16に記載の包装用システム。
【請求項20】
前記添加剤は、少なくとも20オングストロームの平均離隔距離を有するプレートレットを含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項21】
前記熱可塑性ポリマーは、ナイロン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項22】
前記熱可塑性ポリマーはエチレンビニルアセテートを含むことを特徴とする請求項21に記載の包装用システム。
【請求項23】
前記第2のシーリング層は、
熱可塑性ポリマーと、
前記熱可塑性ポリマー内に分散された有機クレイと
を含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項24】
前記シーリング部分は、前記第1のシーリング層の上に配置された1つまたは複数の追加のポリマー層をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項25】
前記包装用システム内に含まれる食料製品をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項26】
前記シーリング部分は、2つ以上の独立した側部に沿って可剥性シールを含むことを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【請求項27】
前記容器部分は、ブリスター、トレイ、バッグ、パウチ、およびそれらの組合せからなる群から選択される形状を有することを特徴とする請求項14に記載の包装用システム。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【公表番号】特表2011−514918(P2011−514918A)
【公表日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546866(P2010−546866)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/033677
【国際公開番号】WO2009/102719
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(508247877)クラフト・フーヅ・グローバル・ブランヅ リミテッド ライアビリティ カンパニー (53)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/033677
【国際公開番号】WO2009/102719
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(508247877)クラフト・フーヅ・グローバル・ブランヅ リミテッド ライアビリティ カンパニー (53)
【Fターム(参考)】
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