説明

包装用容器

【課題】簡単な操作でもって、指先等が収容した食品等の物品に直接触れることなく当該物品を取り出すことができるようにした包装用容器を提供する。
【解決手段】ファーストフード店などにおいて提供されるハンバーガーなどの物品を収納するのに適した包装用容器1であって、容器部2と蓋部3がヒンジ部4を介して開閉自在となっており、容器部2とヒンジ部4と蓋部3にわたる開口41が形成され、開口41を覆うように透明フィルム50が接着固定されていて、この接着固定は、購買者が包装用容器1の内部の物品を取り出す際の力で簡単に分離できるようになっていて、物品とフィルム50を同時に包装用容器1から取り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装用容器に関し、特に、ファーストフード店などにおいて提供されるハンバーガーなどの物品を収納するのに適した包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ファーストフード店などでハンバーガーなどの食品を提供する包装用容器として、蓋部と容器部がヒンジ部を介して開閉自在とされた箱型の包装用容器(クラムシェル型容器)が知られている。その一例として、特許文献1(特開2003−72749号公報)には、収容したハンバーガーを箱から取り出さずに食べることができるように、蓋部と容器部のヒンジ部とは反対側の先端側が外側に反転可能となっている。すなわち、図5に示すように、特許文献1に開示される包装用容器Aは、容器部Bと蓋部Cとがヒンジ部Dを介して開放姿勢と閉鎖姿勢とを選択的に取りうるようにされるとともに、容器部Bと蓋部Cに更なるヒンジ部B3,C3が設けられていて、ハンバーガーを食べる際には、このヒンジ部B3,C3を利用して、容器部Bの先端側B1と蓋部Cの先端側C1をそれぞれのヒンジ側B2,C2に対し外側に反転させ、収容したハンバーガーを露出させる。このように容器部Bと蓋部Cの先端側B1,C1のみを反転させることにより、開放した部分から収容したハンバーガーを露出させて、包装用容器Aを手で持った状態でハンバーガーを食べることができる。
【0003】
特許文献2(特開2005−306480号公報)には、他のクラムシェル型箱形包装用容器が示されており、そこでは、収容した食品を容易にラッピングできる包装シートを容器本体内に収容しておき、食品を食べるときは、容器本体を開いた姿勢とした後、包装シートに包み込んだ状態で食品を容器本体から取り出すようにしている。
【0004】
特許文献3(特開2007−204050号公報)には、さらに他のクラムシェル型箱形包装用容器が示されており、そこでは、収容した食品を載せることができる内容器を容器部内に収容しておき、食品を食べるときは、容器本体を開いた姿勢とした後、容器部を手に持った姿勢で、指先を容器部に形成した穴に差し入れて、そこに載っている食品と共に、少なくとも内容器の一部を容器部から押し出すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−72749号公報
【特許文献2】特開2005−306480号公報
【特許文献3】特開2007−204050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した包装用容器は、蓋部と容器部がヒンジ部を介して開閉自在とされた包装用容器内に収容した食品を食べやすくする点で大きなメリットを有するが、特許文献1に記載の包装用容器は、容器の一部を開いた状態として食べるようにしており、やや食べづらさが残る。また、特許文献2に記載の包装用容器は、容器本体を開いた姿勢とした後、包装シートで食品をラッピングするというやや煩雑な作業を必要とする。さらに、特許文献3に記載の包装用容器は、簡単な操作でもって収容した食品を取り出すことができるものの、その食品を食べる際に指先が食品に触れるのを完全に回避するのは困難である。
【0007】
本発明は、上記した形態の包装用容器であって、簡単な操作でもって、かつ指先等が収容した食品等の物品に直接触れることなく当該物品を取り出すことができるようにした、さらに改良された包装用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明の包装用容器は、容器部と蓋部とがヒンジ部を介して開放姿勢と閉鎖姿勢とを選択的に取りうるようにされている包装用容器であって、前記包装用容器は、前記容器部とヒンジ部と蓋部とにわたる開口と該開口を覆うようにして包装用容器に固定されたシートを有しており、前記シートの少なくとも一部は、前記包装用容器に収容された物品を前記開口を通して取り出す際に該物品と共に前記包装用容器から取り外されることを特徴とする。
【0009】
上記の包装用容器は、容器部とヒンジ部と蓋部とにわたる開口とこの開口を覆うようにして包装用容器に固定されたシートを有しており、このシートの少なくとも一部は、包装用容器から物品を取り出す際の所定の力で容器から取り外すことができる。すなわち、食品等の物品の購買者はシートを介して物品を保持しながら、シートの少なくとも一部と物品とを同時に容器から取り出すことができる。
【0010】
上記のように、本発明の包装用容器では、シートを介して包装用容器内の物品を掴んだ状態で包装用容器から当該物品を取り出すことができるため、指先等が収容した物品に直接触れることがなく、物品が食品等の場合でも手を汚すことがない。また、物品を内部に収容した閉鎖姿勢のまま上記操作を行うことができるため、包装用容器を開放する操作が不要となり、物品を取り出す操作が容易である。
【0011】
本発明による包装用容器の好ましい態様では、前記容器部は底板とその周囲の側壁とからなる形状であり、前記蓋部は天板とその周囲の側壁とからなる形状であって、前記開口は前記容器部の前記ヒンジ部に接続する側壁と前記ヒンジ部と前記蓋部の前記ヒンジ部に接続する側壁とにわたるようにして形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明による包装用容器の別の好ましい態様では、前記開口はさらに前記容器部の底板と前記蓋部の天板にもわたるようにして形成されていることを特徴とする。この態様では、例えば包装用容器の内部に収容された物品が天地方向に複数の食材が積層されたハンバーガー等である場合に、その物品の天地方向からシートを介して物品を保持することができるようになるので、包装用容器内に収容した物品を確実に保持しながら、包装用容器から当該物品を取り出すことができる。
【0013】
また、本発明による包装用容器の好ましい態様では、前記ヒンジ部の開口とされていない部分にはミシン目が設けられていることを特徴とする。包装用容器の剛性を保持するために、その包装用容器に形成される開口はできる限り小さいことが好ましい。しかしながら、開口が小さくなると、その開口を通して物品を取り出すことができなくなってしまう。そこで、ヒンジ部の開口とされていない部分にミシン目を設け、物品を取り出す際にはそのミシン目が破断して開口が広がる構成とすることで、物品収容時(閉鎖姿勢)での包装用容器の剛性の低下を抑制することができる。また、前記ヒンジ部の開口とされていない部分、並びに前記容器部の底板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされていない部分および前記蓋部の天板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされていない部分の双方またはいずれか一方にはミシン目が設けられている構成とすることで、物品を取り出す際の抵抗をより小さくすることができる。なお、そのミシン目が前記開口と繋がっていることで、そのミシン目の破断開始点を規定できると共に破断強度を小さくすることができ、より簡単に物品を包装用容器から取り出すことができる。
【0014】
また、本発明による包装用容器の好ましい態様では、前記容器部の底板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされている部分および前記蓋部の天板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされている部分の双方またはいずれか一方には橋梁部が設けられていることを特徴とする。この態様では、容器部の底板とヒンジ部に接続する側壁の間や蓋部の天板とヒンジ部に接続する側壁の間に剛性部材としての橋梁部を設けることで、開口による包装用容器の剛性の低下を抑制することができる。
【0015】
さらに、前記容器部の底板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされている部分に設けられた前記橋梁部は、前記底板に形成された開口を覆うカバーを有し、前記蓋部の天板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされている部分に設けられた前記橋梁部は、前記天板に形成された開口を覆うカバーを有していることが好ましい。この態様では、例えばシートが光を透過する部材である場合に、店舗の店員や購買者が必要に応じて前記開口をカバーで覆うことで、包装用容器の内部に収容した物品の劣化を抑制することができる。
【0016】
ここで、前記シートは、食品を保持する際に特に大きな抵抗がなければ、樹脂製、紙製、または金属製のいずれであってもよい。樹脂性シートとしては、例えば合成樹脂からなるフィルムを挙げることができる。また、金属製シートとしては、例えばアルミニウム箔を挙げることができる。さらに、紙製シートの場合には、30〜100g/m程度であるのが好ましい。なお、それらのシートの少なくとも物品側に水分や油分を遮断するコーティングがされていれば、包装用容器内の物品がハンバーガー等の食品である場合に、より効果的に購買者の指先の汚れを抑制することができる。また、必要に応じてフィルムや紙、箔等を組み合わせてシートを構成することもできる。
【0017】
また、前記シートは透明であることが好ましい。この態様では、包装用容器の閉鎖姿勢においても、包装用容器の内部に収容された物品の種類等を確認することができる。また、包装用容器から物品を取り出す際にも、包装用容器内の物品の位置を閉鎖姿勢で予め確認することができ、シートを介して物品の所望の位置を確実に保持しながら当該物品を包装用容器から取り出すことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上の説明から理解できるように、本発明の包装用容器によれば、簡単な操作でもって、指先等が収容した食品等の物品に直接触れることなく当該物品を取り出すことのできる包装用容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による包装用容器の一実施の形態を示す図であって、(a)はその開放姿勢を示す斜視図、(b)は閉鎖姿勢を示す斜視図。
【図2】本発明による包装用容器の他の実施の形態を示す図であって、(a)はその開放姿勢を示す斜視図、(b)は閉鎖姿勢を示す斜視図。
【図3】図1に示す包装用容器の展開図。
【図4】図1に示す包装用容器から食品を取り出す方法を説明する図であって、(a)は閉鎖姿勢でシートを介して食品を保持した状態を示した斜視図、(b)は包装用容器から食品を取り出した状態を示した斜視図。
【図5】従来の包装用容器を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に基づき説明する。図1は本発明による包装用容器の一実施の形態を示している。図2は本発明による包装用容器の他の実施の形態を示している。図3は図1に示す包装用容器の展開図を示している。図4は図1に示す包装用容器から食品を取り出す方法を説明したものである。
【0021】
図1(a)に示すように、包装用容器1は、紙を素材とする全体として箱形の容器(クラムシェル型箱形容器)であって、容器部2と蓋部3とがヒンジ部4を介して開閉自在となっており、閉鎖姿勢にあるときには、蓋部3に形成した突片5,5と容器部2に形成した係止片6,6とが係合して、蓋部3が容器部2から自由に開放するのを阻止するようになっている。
【0022】
容器部2は、底板21と、その4周に位置する前壁22、左右の側壁23,24および後壁25で構成され、蓋部3は、天板31と、その4周に位置する前壁32、左右の側壁33,34および後壁35で構成される。容器部2の後壁25と蓋部の後壁35は上端で連接しており、その接続部が前記ヒンジ部4として機能する。
【0023】
包装用容器1には、容器部2とヒンジ部4と蓋部3にわたる開口41が形成されている。図1(a)に示す例では、開口41は底板21、後壁25、後壁35、及び天板31にわたるようにして形成されているが、後記するように、容器部2内に収容した食品F等の物品(図4参照)を取り出すことができれば、開口41の位置や大きさは任意である。また、人の指で包装用容器1の食品を掴むことができれば、開口41を2個以上に分離して形成してもよい。開口41を底板21および天板31にまでわたるように形成して、人の指先で包装用容器1の食品を天地方向から掴むことができる大きさとすることは好ましい。
【0024】
包装用容器1の内部(内面)には、開口41を覆うように包装用容器内側に例えば樹脂製シートである透明フィルム50が接着固定される。この例では、フィルム50は、底板21と左右の側壁23,24の接続部26,27、及び天板31と左右の側壁33,34の接続部36,37に沿うように配置されることで包装用容器1に対してその位置が規定され、包装用容器1と少なくとも1箇所で接着固定されている。接着は、購買者が包装用容器1の内部の食品を取り出す際の所定の力で簡単に分離できる程度の強さであることが好ましく、それにより、フィルム50を、特に大きな抵抗なく食品Fと共に包装用容器1から取り外すことができる。
【0025】
なお、フィルム50は開口41を覆うことができれば任意の形状であってよく、包装用容器1に対する固定位置も任意である。図1(a)に示す例では、包装用容器1の内部にフィルム50を接着固定しているが、例えば包装用容器1の外側にフィルム50を固定してもよい。また、フィルム50の包装用容器1に対する固定手段は、包装用容器1から食品を取り出すと同時に包装用容器1からフィルム50を取り外すことができれば任意である。さらに、フィルム50に例えばミシン目等の破断部(不図示)を設けておき、包装用容器1から食品を取り出す際に前記固定手段はそのままで、破断部が破断してフィルム50の一部のみが食品と共に包装用容器1から取り外される形態でもよい。
【0026】
図1(a)に示す開放姿勢の包装用容器1の蓋部3をヒンジ部4を利用して回動させて容器部2と重ね合わせ、上記するように蓋部3に形成した突片5,5を容器部2に形成した係止片6,6に係合させることで、図1(b)に示す閉鎖姿勢の包装用容器1となる。
【0027】
図2は、本発明による包装用容器の他の実施の形態を示したものであり、図1と同様の構成について同じ符号を付して説明する。また、図1と同様の構成についてはその説明を省略する。
【0028】
図2(a)に示す包装用容器1は、図1に示した包装用容器に対し、底板21と後壁25,25の接続部の開口とされている部分、すなわち接続部28,28を結ぶ部分に補強材としての橋梁部60を備えている点で相違する。橋梁部60は、その一側部62に包装用容器1と同じ材料で作られたカバー61を備えている。さらに、橋梁部60と底板21の接続部63や橋梁部60と後壁25の接続部64にはミシン目が設けられていて、購買者が食品を包装用容器1から取り出す際にそのミシン目が破断し、食品と共に橋梁部60やカバー61が包装用容器1から取り外される。この開放姿勢の包装用容器1に食品を収容し、蓋部3に形成した突片5,5と容器部2に形成した係止片6,6とを係合させることで、図2(b)に示す閉鎖姿勢の包装用容器1となる。
【0029】
図2(b)に示すように、上記容器部2の橋梁部60と同様の構成が蓋部3にも設けられている。すなわち、天板31と後壁35,35の接続部38,38を結ぶ部分に橋梁部70が設けられ、橋梁部70はその一側部72にカバー71を備えている。カバー71は、その一側部72をヒンジとして利用して矢印X1方向に回動でき、天板31の開口41Aを開閉できるようになっている。
【0030】
図1および図2に示した包装用容器1は任意の方法で作ることができる。一例として、図3に示すように、包装用容器1を形成するブランクスを厚紙等から打ち抜き、それを製函機で製函することで作ることができる。この場合には、ブランクスを抜く際に、包装用容器1の内部に収容する食品Fの一部と開口41の一部がラップする(図中、領域R)ように、予め開口41の大きさや位置を設定する。これにより、ブランクスから包装用容器1を製函した際に購買者が包装用容器1の外部から食品Fの種類等を容易に確認できると共に、食品Fを包装用容器1から取り出す際にもその食品Fを確実に掴むことができる。なお、図3に示すブランクスには、図1に示した包装用容器1の各部分に対応する部分と同じ符号を付している。
【0031】
また、図2に示す包装用容器1の橋梁部60,70やカバー61,71の材料は、収容する食品等の物品に有害でないことを条件に任意のものを用いることができる。しかしながら、包装用容器1の廃棄処理の容易性の観点から、包装用容器1の材料と同じ材料で作ることが望ましい。そこで、橋梁部60,70やカバー61,71は、包装用容器1を形成するブランクスを厚紙等から打ち抜く際に包装用容器1と一体に形成することが望ましい。
【0032】
次に、図4を参照しながら、購買者が閉鎖姿勢の包装用容器1から食品Fを取り出す方法について説明する。
【0033】
購買者は、例えば一方の手(不図示)で包装用容器1を保持しながら、開口41を覆うように貼られた透明フィルム50を介して包装用容器1の内部に収容された食品F(例えば、ハンバーガー)の種類や位置等を確認する。これらの操作は閉鎖姿勢のまま行うことができ、包装用容器1を開放姿勢とする必要はない。このように例えば一方の手で包装用容器1を持った姿勢で、包装用容器1の底板21や天板31に形成した開口41の天地方向から、指Pでフィルム50を介して食品Fを掴む。その状態が図4(a)に示されている。次いで、指先Pで食品Fを保持しながら、包装用容器1から引き抜き方向(矢印X2方向)に力を掛けて、フィルム50の接着を分離させる。それにより、フィルム50を介して食品Fを保持したままで、食品Fを包装用容器1から取り出すことができる。この状態が図4(b)に示されている。
【0034】
図4に示す例では、開口41の横方向(ヒンジ部4の回転軸方向)の寸法は、包装用容器1の内部に収容された食品Fの横幅よりも小さい。この場合、包装用容器1の剛性を維持できるものの、容器部2の後壁25や蓋部3の後壁35が包装用容器1からの食品Fの取り出しを阻害してしまう。そこで、底板21と後壁25の接続部28や天板31と後壁35の接続部38、さらには後壁25と後壁35の接続部42(ヒンジ部4の開口とされていない部分)に予めミシン目を設け、図4(b)に示すように食品Fの取り出しの際に破断するようにしておく。なお、前記ミシン目は、包装用容器1の剛性を確保できれば、後壁25と左右の側壁23,24の接続部や後壁35と左右の側壁33,34の接続部に設けてもよい。
【0035】
なお、図2に示すように包装用容器1に橋梁部60,70が備えられている場合には、既述するように橋梁部60と底板21の接続部63や橋梁部60と後壁25の接続部64、および橋梁部70と天板31の接続部73や橋梁部70と後壁35の接続部74にミシン目が設けられていて、食品Fを包装用容器1から取り出す際にそのミシン目が破断し、食品F等と共に橋梁部60,70やカバー61,71が包装用容器1から取り外される。
【0036】
このように閉鎖姿勢から食品Fを取り出すことができるため、包装用容器1からの食品Fの取り出しはきわめて容易となる。また、食品Fをフィルム50を介して保持しながら包装用容器1から取り出し、そのままフィルム50に包まれた食品Fを食べることができ、指先等が収容した食品Fに直接触れることがないため、殆ど手を汚すことなく食品Fを食べることができる。さらに、食べるのを途中で中断する場合には、フィルム50を下敷きにして所望の場所に食品Fを置くことができる。
【符号の説明】
【0037】
1…包装用容器、2…容器部、3…蓋部、4…ヒンジ部、41…開口、50…透明フィルム(シート)、60,70…橋梁部、F…食品、P…指先

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器部と蓋部とがヒンジ部を介して開放姿勢と閉鎖姿勢とを選択的に取りうるようにされている包装用容器であって、
前記包装用容器は、前記容器部とヒンジ部と蓋部とにわたる開口と該開口を覆うようにして包装用容器に固定されたシートを有しており、
前記シートの少なくとも一部は、前記包装用容器に収容された物品を前記開口を通して取り出す際に該物品と共に前記包装用容器から取り外されることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記容器部は底板とその周囲の側壁とからなる形状であり、前記蓋部は天板とその周囲の側壁とからなる形状であって、前記開口は前記容器部の前記ヒンジ部に接続する側壁と前記ヒンジ部と前記蓋部の前記ヒンジ部に接続する側壁とにわたるようにして形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記開口はさらに前記容器部の底板と前記蓋部の天板にもわたるようにして形成されていることを特徴とする請求項2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記ヒンジ部の開口とされていない部分にはミシン目が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項5】
前記ヒンジ部の開口とされていない部分、並びに前記容器部の底板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされていない部分および前記蓋部の天板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされていない部分の双方またはいずれか一方にはミシン目が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の包装用容器。
【請求項6】
前記容器部の底板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされている部分および前記蓋部の天板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされている部分の双方またはいずれか一方には橋梁部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の包装用容器。
【請求項7】
前記容器部の底板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされている部分に設けられた前記橋梁部は、前記底板に形成された開口を覆うカバーを有し、前記蓋部の天板と前記ヒンジ部に接続する側壁の接続部における開口とされている部分に設けられた前記橋梁部は、前記天板に形成された開口を覆うカバーを有していることを特徴とする請求項6に記載の包装用容器。
【請求項8】
前記シートは、樹脂製、紙製、または金属製であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項9】
前記シートは透明であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の包装用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−162311(P2012−162311A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25194(P2011−25194)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】