説明

包装装置

【課題】粒状物が2本の原反間の所期の位置に挟み込まれるようにして包装することができるようにした包装装置を提供する。
【解決手段】粒状物を挟み込むための凹部11aが少なくとも一方のローラ11,12の外周面に設けられ、重なり合いつつある2本の原反1,2間に粒状物を案内するシュートパイプ20が一対のローラ11,12の上流側に配備されている。ローラ11,12に設けられた凹部11aを目掛けてシュートパイプ20から粒状物を噴出させる。粒状物を1個ずつ入れる窪み部61,61,…を外周面に複数設けた排出側の回転ドラム(第2のドラム)60がシュートパイプ20の上流端に配備されている。窪み部61,61,…に空気を噴射することにより、粒状物が窪み部61,61,…内からシュートパイプ20内に一定の間隔を空けて噴出する噴射手段64が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長さ方向に繰り出される2本の原反間に少なくとも粒状物を挟み込み、この粒状物の周囲をシールする包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病患者が自ら手軽に血糖値を測定することができるようにした血糖値測定装置が提供されている。この血糖値測定装置は、薄肉四角形状のセンサチップを装着するスロットや、測定した血糖値を出力する表示部などを備えている。
【0003】
センサチップTは、例えば約5mm×30mm程度の一片状であり、図5(a)に示すように、フレキシブルな長方形状の基盤101の一端部に血糖値測定装置に接続される検出端子102及び識別端子103を設け、他端部に血液を接触させる検出部104を設けている。検出部104は、一対の接触部104a,104bによって構成され、各接触部104a,104bと検出端子102とが配線パターン105によって通電可能とされている。
【0004】
このようなセンサチップTは、図5(b)に示すように、包材111に封入された包装体110として販売される。包装体110内には、例えば直径2.5mmの丸い乾燥剤Uも封入されている。そして、包装体110は、包材111の外周部を四方シール(網点で図示)したものであるが、センサチップTの収納部112と乾燥剤Uの収納部113とが連通するように両者112,113の境界部114を狭窄するようにシールされている。
【0005】
このような包装体110は、2本の原反が重ね合わされることによって製造される。各原反は、ロールから繰り出され、横方向に並列された一対のローラによって重ね合わされる。少なくとも一方のローラの外周面には、多数の凹部が一定の間隔を空けて形成されており、この凹部が次々と回ってくる。
【0006】
そして、凹部が上部に回ってきたタイミングで、センサチップTと乾燥剤Uが2本の原反間に挟まれるように自然落下される。センサチップTと乾燥剤Uは、凹部内に入ることで、一対のローラによって圧潰することなく包装される。そして、下流側でセンサチップTと乾燥剤Uの周囲の両原反が四方シールされ、切断されることで、包装体110が完成する。
【0007】
この包装体110は、乾燥剤Uが封入されていることで、センサチップTに水分が付着していない。したがって、開封して取り出されるセンサチップTの検出部104に血液を接触させると、血糖値測定装置は正確に血糖値を測定することができる。
【0008】
なお、ポテトチップスなどの比較的壊れやすい被充填物を袋内に充填するのに適するロータリー型袋詰め包装機についての発明が特許文献1に記載されている。この包装機は、複数のグリッパー対の各々に対応するシュートとホッパーとを設置したものであり、計量器からある一つのシュートへ被充填物が供給された後、このシュート上に被充填物がまだ存在している間であっても、次に回転してきたシュートへ被充填物を供給することができるようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−23697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図5(b)に示した包装体110の製造方法にあっては、乾燥剤UとセンサチップTとを2本の原反の間に自然落下させるが、乾燥剤Uが丸くて転がりやすいことから、また、センサチップTが一片状で直下に落下しにくいことから、ともに所期の位置に封入しにくいものとなっている。すると、例えば、乾燥剤Uがずれた位置で封入されることで、原反にピンホールが生じ、包装体110内のセンサチップTを乾燥することができず、さらに、センサチップTがずれた位置に封入されることで、センサチップTもシールされることがある。
【0011】
また、特許文献1に記載された包装機においても、乾燥剤Uのような粒状物を的確な位置に包装することができるようになっていない。
【0012】
そこで、本発明は、主として、粒状物が2本の原反間の所期の位置に挟み込まれるようにして包装することができる包装装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る包装装置は、一対のローラ間に重ね合わされる2本の原反の間に粒状物を挟み込み、該粒状物の周囲の原反をシール手段によってシールする包装装置であって、
前記粒状物を挟み込むための凹部が少なくとも一方のローラの外周面に設けられ、重なり合いつつある2本の原反間に粒状物を案内するシュートパイプが一対のローラによって重なり合いつつある2本の原反の上流側に配備され、2本の原反が重なり合うタイミングで回ってきた凹部を目掛け、シュートパイプから重なり合いつつある2本の原反間に粒状物を噴出させる噴射手段がシュートパイプに併設されていることを特徴としている。
【0014】
この包装装置によれば、2本の原反が一対のローラによって重ね合わされ、この原反間に粒状物が挟み込まれることで、粒状物を包装するが、粒状物が噴射手段によってシュートパイプから噴出され、少なくとも一方のローラに設けられた凹部を目掛けて重なり合いつつある2本の原反間に挟み込まれる。そして、粒状物は、ローラの外周面に設けられた凹部に対応した2本の原反間に位置することにより、位置ずれすることがなく、しかも、一対のローラの外周面で圧潰することがない。
【0015】
また、前記本発明に係る包装装置において、粒状物を1個ずつ入れる窪み部を外周面に複数設けた排出側の回転ドラムが前記シュートパイプの上流端と連続するように配備され、前記噴射手段が前記シュートパイプに連続した窪み部に空気を噴射することにより、窪み部とシュートパイプとが連続したときに、粒状物が窪み部内からシュートパイプ内に一定の間隔を空けて噴出するようにされていることが好ましい。
【0016】
この包装装置によれば、粒状物が排出側の回転ドラムに設けられた窪み部に1個ずつ入れられ、排出側の回転ドラムが回転し、シュートパイプに連続した窪み部内に、噴射手段によって空気が噴射されることにより、この窪み部内の粒状物がシュートパイプ内に噴出される。排出側の回転ドラムが回転することにより、窪み部が次々とシュートパイプに連続し、粒状物は一定の間隔を空けてシュートパイプ内に噴射され、そして、シュートパイプから重なり合いつつある2本の原反間に挟み込まれる。
【0017】
また、前記本発明に係る包装装置において、前記噴射手段は、前記排出側の回転ドラムの各窪み部と側面とに連通する複数の貫通孔と、前記シュートパイプに連続している窪み部に連通している貫通孔が前記排出側の回転ドラムの側面で露出している一端部で連続するエアーパイプと、該エアーパイプにエアーを供給するエアー供給源とを備えていることが好ましい。
【0018】
この包装装置によれば、噴射手段が、エアー供給源、エアーパイプそして複数の貫通孔によって構成されていることにより、エアー供給源で発生した圧縮空気などの空気がエアーパイプから貫通孔を通って窪み部から噴射される。エアーパイプは、シュートパイプに連続している窪み部に連通した貫通孔と連続するため、この窪み部に入れられた粒状物が窪み部内に噴射された空気によって勢いよくシュート内へ噴出される。
【0019】
また、前記本発明に係る包装装置において、多数の粒状物を貯留するホッパーと、該ホッパー内の粒状物を1個ずつ入れる窪み部を外周面に設けた供給側の回転ドラムと、該供給側の回転ドラムの窪み部内の粒状物を前記排出側の回転ドラムの窪み部に供給する調整パイプとが備えられていることが好ましい。
【0020】
この包装装置によれば、ホッパー内の粒状物が供給側のドラムの窪み部内に1個ずつ入れられ、供給側のドラムが回転することにより、粒状物が調整パイプ内に供給される。調整パイプ内には、複数の粒状物が貯留されることで、粒状物を1個ずつ排出側の回転ドラムの窪み部に良好に入れることができる。すなわち、調整パイプ内の粒状物が多くなると、供給側のドラムの回転速度を遅くし又は停止することにより、調整パイプ内へ供給する粒状物を減らし、逆に、調整パイプ内の粒状物が少なくなると、供給側のドラムの回転を速くすることにより、調整パイプ内へ供給する粒状物を増やすことで、調整パイプ内に一定の範囲の粒状物を貯留することができる。
【0021】
また、前記本発明に係る包装装置において、前記シール手段は、重ね合わされる2本の原反を弱シールするように前記一対のローラに備えられていることが好ましい。
【0022】
この包装装置によれば、一対のローラがシール手段を備えていることにより、2本の原反間の粒状物が2本の原反から脱落しないようにすることができる。そして、シール手段は、2本の原反を弱シールするため、例えば、2本の原反の送出しが停止したときなどにおいて、2本の原反が加熱され過ぎて、溶融しないようにすることができる。
【0023】
また、前記本発明に係る包装装置において、一片状のチップを前記一対のローラによって重なり合いつつある2本の原反間の方に搬送するコンベアと、該コンベアの下流側から一対のローラに沿って重なり合いつつある2本の原反間にチップを押し出すプッシャとが配備されていてもよい。
【0024】
この包装装置によれば、2本の原反は、粒状物だけでなく、一片状のチップを包装することができる。一片状のチップは、転がらないため、コンベアに搬送され、プッシャに押し出されることで、2本の原反の間に入れることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、シュートパイプから重なり合いつつある2本の原反間に、噴射手段によって粒状物が挟み込まれるようにした包装装置が提供されることにより、丸い粒状物であっても、的確に包装可能とした包装装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る包装装置の一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】本発明に係る包装装置を構成しているホッパーや供給側のドラムなどの一実施形態を示す概略正面図である。
【図3】本発明に係る包装装置を構成している排出側の回転ドラムなどの一実施形態を示す概略正面図である。
【図4】本発明に係る包装装置を構成しているチップ供給手段などの一実施形態を示す概略正面図である。
【図5】(a)はセンサチップの一例を示す斜視図、(b)はセンサチップ及び乾燥剤を封入した包装体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る包装装置の一実施形態について図1ないし図4を参照しながら説明する。この包装装置は、例えば、図5に示したような粒状の乾燥剤U(以下、「粒状物」という。)とセンサチップTのような一片状のチップを包装体として包装するためのもので、図1に示すように、上下方向に並列された一対のローラ11,12に挟まれて重なり合いつつある2本の原反1,2間に粒状物をシュートパイプ20から噴出させることで、粒状物を2本の原反1,2間に挟み込むことを特徴としている。
【0028】
各ローラ11,12は、各ロール13,14から繰り出される原反1,2を部分的(例えば1/4〜1/3周程度)に巻き付け、重なり合った状態として同一方向(図面において水平右方向)に送り出す。したがって、各ローラ11,12は、反対方向に回転する。
【0029】
なお、図示しないが、ロール13,14は、2本一組として、各ローラ11,12に送り出され一方のロールから繰り出された原反1,2が使い切られると、連続して他方のロールから原反1,2を繰り出すようにされている。
【0030】
そして、少なくとも一方のロール11,12には、原反1,2が重なる外周面に複数の凹部11a(図1において概略的に一つのみ図示)が一定の間隔を空けて設けられている。粒状物及びチップが原反1,2を介して凹部11a内に入ることにより、粒状物及びチップが原反1,2間で位置決めされるとともに、粒状物及びチップが一対のローラ11,12によって圧潰しないようにされている。したがって、凹部11aは、粒状物が入る小さい部分とチップが入る大きい部分とに分けられ、両者間を部分的に間仕切る狭窄部を設けた形状とされている。
【0031】
また、ローラ11,12は、重ね合わされる2本の原反1,2を、凹部11aの周囲で弱シール(例えば、ヒートシール)するシール手段(例えば、加熱手段)を備えている。したがって、2本の原反1,2は、両側縁とこの両側縁部を結ぶ幅方向とに、すなわち、梯子形状にシールされる。また、ローラ11,12が2本の原反1,2を弱シールすることにより、故障などで原反1,2の送出しが停止したとしても、原反1,2が過熱されすぎて、溶融しないようにされている。
【0032】
そして、このローラ11,12の下流側には、弱シールされた2本の原反1,2を強シールするヒートシールローラ15,16が配備されている。このヒートシールローラ15,16は、前記ローラ11,12と同様、複数の凹部11aが一定の間隔を空けて設けられ、重ね合わされて弱シールされた2本の原反1,2を両面から挟むことで、ヒートシールする。なお、ヒートシールローラ15,16に替え、例えば、2本の原反1,2を上下から挟んだり離れたりするヒートシールユニットによって、2本の原反1,2を強シールしてもよい。
【0033】
そして、2本の原反1,2間に粒状物を噴出させるシュートパイプ20の上流側には、ホッパー30、供給側の回転ドラム(以下、「第1のドラム」という。)40、調整パイプ50、排出側の回転ドラム(以下、「第2のドラム」という。)60が配備されている。
【0034】
ホッパー30は、図2に示すように、第1のドラム40の外周面の幅よりも狭く対峙した一対の側板部31と、この一対の側板部31間に跨る天板部32、端板部33a,33b、底板部34とによって、粒状物をためる閉鎖空間を設ける。したがって、一対の側板部31の片側縁(図面において右側縁)及び一方の端板部33aは、円弧形に形成され、第1のドラム40の外周面の片側(図面において左側)ほぼ半周に亘って当接する。また、天板部32の一部には、粒状物の投入口35が設けられている。
【0035】
そして、第1のドラム40の外周面の他方片側(図面において右側)は、わずかな隙間をもってガイド36が重ね合わされている。したがって、第1のドラム40の外周面は、ホッパー30の端板部33の片側とガイド36とに挟まれている。
【0036】
そして、第1のドラム40は、一方向(例えば、図面において時計方向)に連続的に回転するもので、外周面に粒状物を1個ずつ入れる窪み部41,41,…が等間隔に設けられている。この窪み部41,41,…内に粒状物が確実に入るようにするためのブラシ37がホッパー30内にセットされている。このブラシ37は、毛先が第1のドラム40の頂部付近(例えば、時計の文字盤で11時の位置)に当たるように配置されている。
【0037】
また、第1のドラム40には、各窪み部41の底部と第1のドラム40の一方の側面との間に亘って貫通する貫通孔42が形成されている。この貫通孔42は、粒状物よりも小さな内径の内部孔42aと、この内部孔42aの奥端から側面に連通する連通孔42bとを連続して形成したものである。
【0038】
このような貫通孔42には、吸気手段43と排気手段44とが連通するようにされている。吸気手段43は、第1のドラム40の一方の側面に、時計の文字盤で8時の位置から4時の位置まで宛がう下向きC字形のフード43aと、真空引きする吸気装置(図示せず)と、フード43aと吸気装置とを繋ぐパイプ(図示せず)とを備えている。
【0039】
また、排気手段44は、時計の文字盤で5時の位置から6時の位置まで宛がうフード44aと、圧縮空気を発生させるエアー供給源(図示せず)と、フード44aと空気圧縮機との間に配管されるエアーパイプ(図示せず)とを備えている。
【0040】
そして、この第1のドラム40の最下面(時計の文字盤で6時の位置)に、調整パイプ50が鉛直姿勢で配備されている。すなわち、調整パイプ50の上端縁が第1のドラム40の外周面に当てられ、回転して次々と回ってくる窪み部41,41,…と連続するようにされている。
【0041】
調整パイプ50の内径は、粒状物の外径よりもわずかに大きくされ、調整パイプ50内に粒状物が1個ずつ入るようにされている。また、調整パイプ50は、粒状物によって傷付きにくいように金属製の材料によって成型されているが、樹脂などによって成型してもよい。
【0042】
そして、金属製の調整パイプ50の中間部の2か所には、ピンホール(図示せず)が設けられ、図1に示すように、粒状物を検知するセンサー51,52がピンホールの位置に取り付けられている。すなわち、上側のセンサー51と下側のセンサー52とが粒状物を検知しているときは、調整パイプ50内に入れられている粒状物が多すぎと判断され、第1のドラム40の回転速度を低下させ、あるいは停止することにより、第1のドラム40から調整パイプ50内に供給される粒状物が減らされる。
【0043】
また、上側のセンサー51が粒状物を検知せず、かつ、下側のセンサー52が粒状物を検知しているときは、調整パイプ50内に適量の粒状物が入れられていると判断される。さらに、上側のセンサー51も下側のセンサー52も粒状物を検知していないときは、調整パイプ50内に入れられている粒状物が少なすぎと判断され、第1のドラム40の回転速度が速められ、第1のドラム40から調整パイプ50内に供給される粒状物が増やされる。
【0044】
そして、調整パイプ50の下端縁に第2のドラム60が配置されている。したがって、調整パイプ50は、第1のドラム40と第2のドラム60とに挟まれる状態となる。第2のドラム60は、図3に示すように、一方向(例えば、図面において時計方向)に間歇的に回転するもので、外周面に粒状物を1個ずつ入れる窪み部61,61,…を等間隔に設けている。
【0045】
この多数の窪み部61,61,…は、第2のドラム60が回転することで、最上面(時計の文字盤で12時の位置)で次々と調整パイプ50の下端縁と連続する。そして、粒状物は、調整パイプ50に溜められた最下端のものから次々と第2のドラム60の窪み部61,61,…内に入れられる。
【0046】
また、第2のドラム60にも、各窪み部61の底部と第2のドラム60の側面との間に亘って貫通する貫通孔62が形成されている。この貫通孔62は、粒状物よりも小さな内径の内部孔62aと、この内部孔62aの奥端から側面に連通する連通孔62bとを連続して形成されている。
【0047】
このような貫通孔62には、吸気手段63が連通するようにされている。吸気手段63は、第2のドラム60の一方の側面に、時計の文字盤で12時の位置から4時の位置まで宛がう円弧状のフード63aと、真空引きする吸気装置(図示せず)と、フード63aと吸気装置とを繋ぐエアーパイプ(図示せず)とを備えている。
【0048】
また、貫通孔62は、噴射手段64を構成している。すなわち、噴射手段64は、圧縮空気を発生させるエアー供給源(図示せず)と、次々と回ってくる貫通孔62の連通孔62bの外端部(第2のドラム60の側面側の端部)とを接続するエアーパイプ64aと、貫通孔62とを備えている。
【0049】
エアーパイプ64aは、固定され、下流側端部が第2のドラム60の時計の文字盤で5時の位置で側面と当接する。一方、第2のドラム60は、間歇的に回転することにより、複数の連通孔62bの外端部は、時計の文字盤で5時の位置にきたときにのみ、エアーパイプ64aと連続し、この連続している間だけ、空気圧縮機から送られた空気が連通孔62bから内部孔62aを通り、窪み部61,61,…内に噴出する。
【0050】
そして、噴射手段64によって空気が噴出する窪み部61,61,…は、シュートパイプ20の上流端と連通する。したがって、シュートパイプ20の上流側端部は、第2のドラム60の時計の文字盤で5時の位置の周面と当接する。このシュートパイプ20は、第2のドラム60側の上流側で傾斜姿勢とされ、中間でカーブし、下流側で水平姿勢とされ、下流側端部が一対のローラ11,12付近に配備されている。
【0051】
そして、この包装装置は、チップが一対のローラ11,12によって重なり合いつつある2本の原反1,2間に挟まれるようにするためのチップ供給手段70を備えている。チップ供給手段70は、図4に示すように、コンベア71とチップリフタ72とプッシャ73(図面では、プッシャ73を収納しているケースに符号をとる。)とを備えている。
【0052】
コンベア71は、チップを全面で載せる外面に複数の爪を設けた無端の帯状ベルト71aと、チップの両端部付近を載せる2本の丸ベルト71bを組み合わせたもので、帯状ベルト71aの下流側で一対の丸ベルト71bが帯状ベルト71aの両側を挟み、丸ベルト71bの下流端が小さなプーリ71cに引っ掛けられ、このプーリ71cが一対のローラ11,12によって重なり合いつつある2本の原反1,2付近に配備されている。帯状ベルト71aも一対の丸ベルト71bも一方向(図面において時計方向)に循環する。
【0053】
チップは、帯状ベルト71aの上流側で帯状ベルト71a上に載せられ、下流側まで爪に押されるようにして搬送されたところで丸ベルト71bに転載される。丸ベルト71bは、当然、シュートパイプ20と干渉しない位置に配置されている。
【0054】
また、チップリフタ72は、鉛直方向に昇降するロッド72aが一対の丸ベルト71bの間で下流端に位置し、ロッド72aの上死点におけるロッド72aの上面が一対の丸ベルト71bよりも若干上に位置するようにされている。したがって、ロッド72aは、一対の丸ベルト71bによって搬送されているチップをわずかに突き上げる。
【0055】
そして、プッシャ73は、ロッド72a上のチップを一対のローラ11,12によって重なり合いつつある原反1,2の間に押し込むように往復動するもので、帯状ベルト71aの下流側と丸ベルト71bの上流側との上側に配置される。
【0056】
ただし、チップは、帯状ベルト71aから丸ベルト71bへ次々と搬送されることから、チップを押し込むために前進(図面において右方向に移動)したプッシャ73が単に後退すると、後続のチップに衝突する。そこで、前進したプッシャ73は、上側のローラ11に衝突しないように少しだけ後退した後、上昇してから初期位置に戻り、下降してから前進し、前記のようにロッド72a上のチップを押すように作動する。
【0057】
この包装装置は、以上のように構成され、次に、使用方法について説明する。この包装装置は、一方のロール13から繰り出された原反1と他方のロール14から繰り出された原反2とが一対のローラ11,12によって挟まれ、この一対のローラ11,12に挟まれて重なり合いつつある2本の原反1,2間に粒状物とチップとを挟み込む。
【0058】
粒状物は、ホッパー30の投入口35からホッパー30内に投入され、ホッパー30内に貯留されている。そして、第1のドラム40が連続的に回転し、ブラシ37の毛先が第1のドラム40の外周面に当てられていることにより、粒状物が1個ずつ窪み部41,41,…内に入れられる。
【0059】
そして、この第1のドラム40は、吸気手段43によって、窪み部41,41,…内が時計の文字盤で8時の位置から4時の位置まで負圧にされていることにより、また、第1のドラム40の他方片側が隙間をもってガイド36を重ね合わされていることから、窪み部41,41,…が下向きとなっても、粒状物は窪み部41,41,…内から落下しない。
【0060】
そして、第1のドラム40が連続的に回転し、窪み部41,41,…が時計の文字盤で5時の位置から6時の位置にくると、排気手段44によって、窪み部内41,41,…が正圧とされる。時計の文字盤で5時の位置で正圧となっても、ガイド36が第1のドラム40の外周面に隙間をもって重ね合わされているため、粒状物は窪み部41,41,…内から排出されない。そして、窪み部41,41,…が時計の文字盤で6時の位置にくると、窪み部41,41,…内の粒状物が強制的に調整パイプ50内に落とされる。
【0061】
そして、調整パイプ50内には、粒状物が貯留され、この粒状物が2か所のセンサー51,52によって検知される。下側のセンサー52が粒状物を検知し、上側のセンサー51が粒状物を検知しないと、調整パイプ50内には所定量の粒状物が貯留されていると判断されるため、第1のドラム40は引き続き連続的に回転し続ける。
【0062】
しかし、下側のセンサー52も上側のセンサー51も粒状物を検知すると、調整パイプ50内には粒状物が貯留されすぎていため、第1のドラム40は回転速度を落とし、あるいは停止することで、調整パイプ50内に供給する粒状物を減らす。第1のドラム40が停止しても、給気手段が作動し続けることによって、窪み部41,41,…内の粒状物は窪み部41,41,…内に入った状態を維持する。また、吸気手段43が停止したとしても、ガイド36が第1のドラム40の外周面にわずかな隙間をもって重ね合わされているため、窪み部41,41,…内の粒状物は、窪み部41,41,…内に入った状態を維持する。
【0063】
逆に、上側のセンサー51だけでなく下側のセンサー52も粒状物を検知しないと、調整パイプ50内の粒状物は少なすぎであるため、第1のドラム40は回転速度を上げることで、調整パイプ50内に供給する粒状物を増やす。このようにして、調整パイプ50内には、所定量の粒状物が貯留される。
【0064】
そして、調整パイプ50内の最下の粒状物が間歇的に回転している第2のドラム60の窪み部61,61,…内に次々と入れられる。第2のドラム60は、吸気手段63によって、時計の文字盤で12時の位置から4時の位置まで窪み部61,61,…内が負圧にされながら、間歇的に回転する。窪み部61,61,…が時計の文字盤で5時の位置にくると、噴射手段64によって窪み部61,61,…内の空気が噴射され、窪み部61,61,…内の粒状物がシュートパイプ20内に噴出される。
【0065】
シュートパイプ20は、上流側で傾斜姿勢とされているものの、下流側で水平姿勢とされ、下流側端部が一対のローラ11,12によって重なり合いつつある2本の原反1,2間の方に向いているため、シュートパイプ20内に次々と噴出された粒状物は、この2本の原反1,2間に勢いよく次々と挟み込まれる状態となる。
【0066】
また、一対のローラ11,12の表面には、小さい部分と大きい部分とに分けた凹部11aが設けられ、小さい部分の凹部11aを目掛けて粒状物が挟み込まれることにより、粒状物は球状であっても所定の位置に停止する。
【0067】
なお、エアー供給源からエアーパイプ64a内には連続して空気が送られ続けるが、第2のドラム60が間歇的に回転し、連通孔62bと連通孔62bとの間は、第2のドラム60の側面がエアーパイプ64aの下流側端部を塞ぐ状態となる。換言すれば、噴射手段64は、エアー供給源からエアーパイプ64aに空気を送り続け、次々と回ってくる連通孔62b内に空気を送ることができる。
【0068】
一方、コンベア71の帯状ベルト71a上には、チップが次々と載せられ、一定の間隔をおいて搬送される。そして、チップは、帯状ベルト71aの下流側において一対の丸ベルト71bに転載され、一対の丸ベルト71bによって下流側へ搬送され、この下流側において、チップリフタ72のロッド72aが上昇することにより、一対の丸ベルト71bよりも持ち上げられた状態となる。
【0069】
そして、プッシャ73が前進し、ロッド72a上のチップを一対のローラ11,12の方へ押し出す。すると、チップは、一対のローラ11,12によって重なり合いつつある2本の原反1,2間であって、一対のローラ11,12の大きい部分の凹部11a内に送られる。なお、プッシャ73は、初期の位置に戻り、続いて搬送されるチップを次々と2本の原反1,2間に押し出す。
【0070】
このように一対のローラ11,12によって重なり合いつつあり、粒状物とチップとを挟み込んだ2本の原反1,2は、一対のローラ11,12が回転することで、送り出されながら凹部11aの周囲が弱シールされる。
【0071】
装置が不調で、一対のローラ11,12が停止したとしても、2本の原反1,2は弱シールされるだけであるため、溶融しない。また、粒状物とチップは、一対のローラ11,12の凹部11a内に入るため、一対のローラ11,12によって圧潰しない。
【0072】
そして、弱シールされた2本の原反1,2は、下流側へ搬送され、一対のヒートローラ15,16によって凹部11aの周囲が強シールされる。そして、この2本の原反1,2は、さらに下流側へ搬送され、ダイロールユニット(図示せず)によって所定の長さごとに切断されることで、粒状物とチップとを包材によって包装した包装体が完成する。
【0073】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定することなく、種々変更することができる。特に、実施の形態で説明した時計の文字盤の位置は、一例であり、幅をもって変更できることはいうまでもない。
【0074】
また、例えば、本発明は、粒状物を包装し、チップを包装しない包装装置としてもよく、この包装装置においては、チップ供給手段70が備えられず、さらに、少なくとも一方のローラ11,12に設けられた凹部11aは、大きい部分と小さい部分とに分けられなくてもよい。
【0075】
また、一対のローラ11,12は、弱シールではなく、強シールするようにしてもよく、逆に、シール手段を備えず、下流側に配置された別途のシール手段によって2本の原反1,2をシールするようにしてもよい。また、本発明は、ホッパー30や第1のドラム40を備えず、粒状物を1個ずつ第2のドラム60に供給するようにしてもよい。さらに、本発明は、第2のドラム60を備えず、粒状物を適宜の噴射手段64によって1個ずつシュートパイプ20に噴射するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1………原反
2………原反
11……ローラ
12……ローラ
11a…凹部
20……シュートパイプ
30……ホッパー
40……供給側の回転ドラム(第1のドラム)
41……窪み部
50……調整パイプ
60……排出側の回転ドラム(第2のドラム)
61……窪み部
62……貫通孔
64……噴射手段
64a…エアーパイプ
70……チップ供給手段
71……コンベア
73……プッシャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のローラ間に重ね合わされる2本の原反の間に粒状物を挟み込み、該粒状物の周囲の原反をシール手段によってシールする包装装置であって、
前記粒状物を挟み込むための凹部が少なくとも一方のローラの外周面に設けられ、重なり合いつつある2本の原反間に粒状物を案内するシュートパイプが一対のローラによって重なり合いつつある2本の原反の上流側に配備され、2本の原反が重なり合うタイミングで回ってきた凹部を目掛け、シュートパイプから重なり合いつつある2本の原反間に粒状物を噴出させる噴射手段がシュートパイプに併設されていることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
粒状物を1個ずつ入れる窪み部を外周面に複数設けた排出側の回転ドラムが前記シュートパイプの上流端と連続するように配備され、前記噴射手段が前記シュートパイプに連続した窪み部に空気を噴射することにより、窪み部とシュートパイプとが連続したときに、粒状物が窪み部内からシュートパイプ内に一定の間隔を空けて噴出するようにされていることを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記噴射手段は、前記排出側の回転ドラムの各窪み部と側面とに連通する複数の貫通孔と、前記シュートパイプに連続している窪み部に連通している貫通孔が前記排出側の回転ドラムの側面で露出している一端部で連続するエアーパイプと、該エアーパイプにエアーを供給するエアー供給源とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の包装装置。
【請求項4】
多数の粒状物を貯留するホッパーと、該ホッパー内の粒状物を1個ずつ入れる窪み部を外周面に設けた供給側の回転ドラムと、該供給側の回転ドラムの窪み部内の粒状物を前記排出側の回転ドラムの窪み部に供給する調整パイプとが備えられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の包装装置。
【請求項5】
前記シール手段は、重ね合わされる2本の原反を弱シールするように前記一対のローラに備えられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の包装装置。
【請求項6】
一片状のチップを前記一対のローラによって重なり合いつつある2本の原反間の方に搬送するコンベアと、該コンベアの下流側から一対のローラに沿って重なり合いつつある2本の原反間にチップを押し出すプッシャとが配備されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−81980(P2012−81980A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229306(P2010−229306)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(593089666)池田機械産業株式会社 (21)
【Fターム(参考)】