説明

包装食品

包装食品(20)は、トレー(12)と、複数の積重ね可能なチップスナック(14)と、管状容器(16)とを備える。トレーはトレー本体(18)を備え、トレー本体(18)は、トレー基端部(22)及びトレー末端部(23)と、トレー末端部にある緩衝空間(25)とを有する。スナックはトレー本体上に整列される。管状容器は、壁本体(36)と、壁本体に隣接する閉鎖した容器端部(32)と、壁本体に隣接し、閉鎖した容器端部の反対側にある開放可能な容器端部(34)とを備える。管状容器は、スナックとトレーを中に収容する。トレーは壁本体に沿ってスライド可能であり、また、緩衝空間が閉鎖した容器端部に隣接した向きとなるように整列される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装食品に関する。より具体的には、本発明は、成形チップスナックなどの積重ね可能なチップスナックを収容する包装食品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポテトチップスなどのチップスナックは通常、柔軟な袋にあるいは管状容器に充填される。柔軟な袋は、自然に切断されたポテトチップスに対して使用され得る。柔軟な袋は、袋にガスを充填することによって、そのような自然に切断されたポテトチップスを外部の衝撃から保護することができる。そのような柔軟な袋は、ガスが余分な空間を占めるために、輸送及び展示に空間を必要とする。管状容器は、成形ポテトチップスに使用され得る。管状容器は、実質的に同じ形状を有する成形ポテトチップスを積み重ねることによって詰め込むのに有用となり得る。
【0003】
しかし、管状容器に入れられたチップスナックは、出荷、積重ね、保管などの間に、割れたり破砕したりすることがある。チップスナックは時には脆いものであり、消費者は、容器を開封したときに、割れたり破砕したりしたチップスを見出すことになる。したがって、外部の衝撃が原因で割れることからチップスナックを保護する必要がある。
【0004】
更に、そのようなチップスナックが直接、管状容器に充填されている場合、消費者は、管状容器の中に自身の手を入れてスナックを取り出すことが必要となり得る。これは時には不快となるものであり、そのような行為は、油、割れたチップ、及び/又は調味料で消費者の指及び/又は手を汚すことになり得る。したがって、割れと不快感をより少なくしてチップスナックを収容する包装が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題を考慮して、本発明は、店舗の棚、輸送中などで強い衝撃を受けた場合にも破砕の少ないチップスナックの包装製品を提供しようとするものである。本発明はまた、消費者がそのようなチップスナックを食するときの不快感を著しく軽減し得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(i)トレーと、(ii)トレー本体上に配列された複数の積重ね可能な成形チップスナックと、(iii)管状容器と、を有する包装食品に関する。トレーは、(1)トレー基端部とトレー末端部とを備えるトレー本体と、(2)トレー末端部にある緩衝空間とを含む。管状容器は、壁本体と、壁本体に隣接する閉鎖した容器端部と、壁本体に隣接し、閉鎖した容器端部の反対側にある開放可能な容器端部と備え、複数の積重ね可能な成形チップスナックとトレーを中に備える。トレーは、緩衝空間が閉鎖した容器端部に隣接した向きとなるように整列される。
【0007】
本発明の利点の1つは、保管、輸送などで生じる落下、衝突、及び他の衝撃などの外部の衝撃から、積重ね可能な成形チップスナックが更に保護されることであり、これは、緩衝空間によってスナックへの力の伝達が低減され、それによって破砕が低減されるからである。理論に束縛されることを望むものではないが、このトレーは、外部の衝撃がスナックに伝達される結果として生じる破砕から積重ね可能な成形チップスナックを保護するのに役立つと考えられる。本発明のトレーを用いるとスナックに伝達される力がより小さくなるので、出荷、保管などの間に破砕するスナックがより少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、添付の非限定的な図面によって、より容易に理解される。
【図1】中にあるトレーと、トレー上にある複数のチップスナックとを有する包装食品の斜視図であり、トレーは管状容器から手動でスライドされている。
【図2】図1に示したトレーの頂面図を示している。
【図3】従来のトレーの部分頂面図を示している。
【図4】第2の側部から見た図2のトレーの側面図を示している。
【図5】スライドタブから見た図2のトレーの側面図を示している。
【図6】本発明の包装品を収容した段ボール箱を示している。
【図7】落下試験における接触位置を示す箱の面の図を示している。
【0009】
本明細書の図面は必ずしも一定の縮尺で描写されていない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で引用するすべての文書は、すべての内容が参照によって本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0011】
本明細書で用いるとき、「成形チップスナック」とは、チップ形状を与えるような方式で、付形、押出し、又はロール練りされた食料スナック製品を含み得る。
【0012】
本明細書で用いるとき、「積重ね可能な」とは、ある物体が実質的に、平面的な形状を有し、複数のそのような物体が、水平、垂直などに、一列に互いに積み上げられ得る状態を含み得る。成形チップスナックは、寸法及び形状において実質的に一様である。それらは、硬質な管状容器内に積み重ねられ、包装され得る。
【0013】
本明細書で用いるとき、「トレー」とは、積重ね可能なチップスナックが載置及び格納される物体を含み得る。
【0014】
本明細書で用いるとき、「スライド」とは、ある物体が特定の向きに直線的に移動可能である状態を含み得る。
【0015】
本発明は、(i)トレーと、(ii)複数の積重ね可能な成形チップスナックと、(iii)管状容器とを収容した包装食品に関する。
【0016】
図1は、本発明による包装品の斜視図を示している。この包装食品20は、(1)トレー12と、(2)複数の積重ね可能な成形チップスナック14と、(3)管状容器16とを収容している。積重ね可能な成形チップスナック14は、トレー12上に配列されている。積重ね可能な成形チップスナック14を収容したトレー12は、初期には、管状容器16に挿入されている。トレー12は、積重ね可能な成形チップスナック14の消費のために管状容器16から手動でスライドされる。
【0017】
トレー12は、トレー本体18と、トレー基端部22と、トレー基端部22の反対側のトレー末端部23(図2を参照)とを有する。トレー12は、第1の側壁24と第2の側壁26とを更に有し、第1の側壁24及び第2の側壁26はそれぞれ、トレー基端部22及びトレー末端部23に連結している。
【0018】
図1において、トレー本体18は、トレー基端部22にある一体型引出しタブ28を備えている。引出しタブ28は、つまみ部材31を備え、つまみ部材31は凹凸表面を有する。この実施形態において、つまみ部材31は、トレー基端部22から上向きに突出しており、そのため、親指と他の指1本でつまみ部材31を容易につまむことができる。別の実施形態において、つまみ部材は、トレー基端部から下向きに突出していてもよい。この実施形態において、トレー12は、開放した頂部30を有しており、そのため、ユーザーは積重ね可能なチップスナック14を容易に取り出すことができる。
【0019】
トレー本体18上に、複数の積重ね可能な成形チップスナック14が配列される。積重ね可能な成形チップスナック14は、ポテト、米、小麦、トウモロコシなどに基づくものであっても、ポテト又は米に基づくものであってもよい。積重ね可能な成形チップスナック14は、波形の形状、凹面形の形状、又は平面的な形状を、特に凹面形の形状を有してもよい。
【0020】
管状容器16は、閉鎖した端部32と、その閉鎖した端部32の反対側にある開放可能な端部34とを有する。開放可能な端部34を容易に開放及び再閉鎖できるように、蓋35が通常は存在する。包装食品20が販売されているとき、開放可能な端部34は、蓋35で封止されていてもよい。管状容器16は、閉鎖した端部32と開放可能な端部34とを連結する側壁36を更に有する。トレー12は、引出しタブ28が管状容器16の開放可能な端部34に向けられるように、管状容器16に挿入される。これにより、トレー12の取出しがより容易で不快感の少ないものとなる。
【0021】
使用の際、管状容器16は、蓋35を取り外すことによって開放される。引出しタブ28を引くことによって引き寄せられた後、複数の積重ね可能な成形チップスナック14が管状容器16の内部から出現する。次いで、積重ね可能な成形チップスナック14は、管状容器16の内部の奥深くに手を入れることなく、容易に取り出される。
【0022】
理論に束縛されることを意図するものではないが、複数の積重ね可能な成形チップスナックがトレーを用いずに管状容器の内部に配列されている場合、管状容器の内部表面が、積重ね可能な成形チップスナック、すなわち、油、割れたチップ及び/又はそれらに付着した調味料によって汚され得ると考えられる。積重ね可能な成形チップスナックを管状容器から取り出すために、消費者は、自身の手を管状容器の中に入れることが必要となるか、あるいは、管状容器を傾け、積重ね可能な成形チップスナックを手、皿、又は他の表面の上に落とすことが必要となり得る。そのような行為は、指及び手が汚れ得るので時には不快となり得るものであり、あるいは、チップスナックを受け取るために皿などの別の器が必要となり得る。本発明の包装食品では、消費者は、手を汚さなくてもよいため、あまり不快感を伴わずにチップスナックを取り出すことができ、また別の器が必ずしも必要とならない。
【0023】
図2は、図1に示したトレーの頂面図である。つまみ部材31は、幅Wと長さLを有し得る。幅W及び長さLは通常、約5mm〜約40mm、約8mm〜約35mm、又は約10mm〜約30mmである。つまみ部材31の形状は特に限定されない。いくつかの実施形態において、つまみ部材31は、円形、卵形、四角形、多角形などの形状を有してよい。一実施形態において、つまみ部材31は、ミスター・プリングルズ(Mr. Pringles)として広く知られている高齢男性の顔のロゴを有する。一実施形態において、つまみ部材31は、製品名のロゴ(例えばプリングルズのロゴ)を有する。
【0024】
引出しタブ28は、固定された構造であっても屈曲可能な構造であってもよい。この実施形態において、引出しタブ28は固定された構造である。別の実施形態において、引出しタブは、使用中に種々様々な角度から更なる柔軟性が得られるように屈曲可能であってもよい。
【0025】
通常の包装において、トレー端部に配置された積重ね可能な成形チップスナックは、中央に配置されるよりも、大きな衝撃を受ける傾向があり、したがって、容易に割れることになる。成形ポテトチップスなど、積重ね可能な成形チップスナックには、波形又は凹面形に形成されるものもある。本発明において、トレー12は、トレー末端部23と積重ね可能な成形チップスナック14との間に緩衝空間25を設けられている。緩衝空間25は、積重ね可能な成形チップスナックの縁部がトレー14と直接接触することがないように、曲線性を有している。トレー14は、緩衝空間25の外側にショルダー部27を有している。ショルダー部27は、積重ね可能な成形チップスナック14と接触するが、トレー末端部23が積重ね可能な成形チップスナック14と直接触れないことに留意することが重要である。したがって、この緩衝空間25は、直接、衝撃力を積重ね可能な成形チップスナック14に伝達することなく、衝撃によってトレー末端部23を変形させる。それに代わって、トレー末端部23は、その衝撃力を吸収及び低減するように変形する。次いで、低減された衝撃は、単一の点ではなく複数のショルダー部27で伝達され得る。理論に束縛されることを望むものではないが、トレー12の内部の積重ね可能な成形チップスナック14は、トレー14の変形性と緩衝空間25の存在により、外部の衝撃によって割れたり破砕したりする可能性が低くなると考えられる。
【0026】
緩衝空間25は、トレー末端部23におけるトレー12と、それに最も近い積重ね可能な成形チップスナック14との間の距離を占める。したがって、トレーがそれに最も近い積重ね可能な成形チップスナック14に触れるまでの、変形のための十分な空間が得られるように、トレー末端部23と、それに最も近い積重ね可能な成形チップスナック14との間の変形距離Dは、約2mm〜約15mm、又は約3mm〜約12mm、又は約5mm〜約10mmであるべきである。
【0027】
本明細書のある実施形態において、トレーはまた、トレー末端部23にだけでなくトレー基端部22にも緩衝空間を有する。そのような構成は、輸送、保管などの間に複数の方向から受ける衝撃力から保護するために特に有用である。
【0028】
本明細書での実施形態において、トレー末端部は、トレーを1mm変形させるために、動的衝撃試験で約0.5kg〜約1kgの力を必要とする。そのような変形を試験するのに有用な機器には、米国マサチューセッツ州ノーウッド(Norwood)のインストロン・インダストリアル・プロダクツ社(Instron Industrial Products)によるインストロン引張試験機が挙げられる。
【0029】
トレー12は、プラスチック、生分解性材料、金属、ゴム、及びそれらの混合物など、任意の種類の材料で作製されてよい。好適なプラスチックには、限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル誘導体、それらのコポリマー、及びそれらの混合物を挙げることができる。好適な生分解性材料には、限定するものではないが、コーンスターチ、米スターチ、小麦スターチ、ポテトスターチ、セルロース、ポリラクチド、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、カゼイン、及びそれらの混合物を挙げることができる。生分解性材料が、特にコーンスターチがより好ましい。本明細書のある実施形態において、トレーはコーンスターチを含む。
【0030】
本明細書のある実施形態において、トレー末端部23は変形可能であり、したがって、さもなければ積重ね可能な成形スナックに伝達される衝撃を吸収するのに役立つ。
【0031】
図3は、従来のトレー112の部分頂面図であり、トレー末端部123は、湾曲している本発明と比較して、平坦に形成されている。トレー末端部123が圧迫されるか、あるいは圧力又は衝撃を受けると、その圧力は直接、積重ね可能な成形チップスナック114に伝達され、それにより、積重ね可能な成形チップスナックが破砕する可能性が大いに高まることになる。
【0032】
図4は、第2の側部26から見た図2のトレーの側面図である。この実施形態において、トレー12は、トレー12の内部に収容されたチップスナック14よりも高い高さを有してもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、積重ね可能な成形チップスナック14は外部の衝撃から更に保護され得ると考えられる。
【0033】
トレー12は複数のバンプ42を備えている。バンプ42は、トレー本体18の内部から外向きに、あるいはトレー本体18の外部から内向きに突出し、結果として、複数の凸面及び/又は凹面形状を生じてもよい。この実施形態において、バンプ42は、トレー本体18の内部から外向きに突出している。理論に束縛されることを望むものではないが、複数のバンプ42はトレーの剛性を強化し得ると考えられる。つまり、薄い材料をトレーに使用してもバンプによって十分な剛性を達成することができ、トレーの軽量化につながる。このように強化されたトレーはまた、積重ね可能な成形チップスナックを外部の衝撃から保護することができる。このトレーは、積重ね可能な成形チップスナックの割れを防止するか、あるいは少なくとも低減することができる。バンプの形状は特に限定されなくてもよく、例として、円形、卵形、楕円形、四角形、三角形などが挙げられる。
【0034】
バンプ42は、第1の側壁24及び第2の側壁26と、底部38とを含めて、トレー本体18の全体に分布していてもよい。バンプ42が広範に分布することにより、積重ね可能な成形チップスナックを割れから保護することができる。
【0035】
トレー12は、トレー本体18内の底部38を備える。トレー12は通常、少なくとも1対の支持部材36を設けられており、支持部材36は、トレー本体18の底部38から外向きに突出している。理論に束縛されることを望むものではないが、トレー12が管状容器(図1を参照)内又は平面(図4を参照)上に置かれたとき、この1対の支持部材36がトレー12に安定性をもたらすと考えられる。また、支持部材36は、包装品20が一定の高さから落下されるか、あるいは外力によって圧迫されたときに、積重ね可能な成形チップスナック14を外部の衝撃から保護することができる。この実施形態において、トレー12は、実質的に互いに平行に設置された3対の支持部材36を備えている。
【0036】
図5は、線4−4に沿って見た図3のトレーの横断面図である。底部38の形状は、実質的に平面的であっても丸形であってもよい。この実施形態において、底部38は丸形である。理論に束縛されることを望むものではないが、底部38の丸形の形状は、トレー12に収容された積重ね可能な成形チップスナック14の形状を補完し得ると考えられる。これらの形状が互いに補完するため、また支持部材36と縁部棚43のみが管状の缶に触れるため、積重ね可能な成形チップスナックの割れが低減される。縁部棚43は更にまた、衝撃及び力を伝達する代わりに更に変形することによって、積重ね可能な成形チップスナックへの力の伝達を低減するのに役立ち得る。
【0037】
本発明の包装食品は、特定のタイプ又はカテゴリの食品に限定されるものではない。したがって、本発明の包装は、中の製品がいかなるものであっても実施され得る。例えば、本発明の製品は、成形ポテトチップス、成形米チップス、成形コーンチップスなどの砕けやすい食品からなる群から選択され得る。
【0038】
留意されたいこととして、本発明は、包装の寸法又は大きさに対して制限を持たない。特定の実施形態において、管状容器は、約3cm〜約15cm、約4cm〜約12cm、又は約5cm〜約10cmの直径と、約6cm〜約50cm、7cm〜約45cm、又は約8cm〜約40cmの深さを有する。図1に示す実施形態において、成形ポテトチップスを収容するための管状容器は、5.3cmの幅と4.7cmの深さを有している。特定の実施形態において、トレーは、約3cm〜約15cm、約4cm〜約12cm、又は約5cm〜約10cmの幅と、約3cm〜約15cm、約4cm〜約12cm、又は約5cm〜約10cmの深さを有する。本発明のトレー及び管状容器は、任意の寸法又は大きさを有し得る。
【0039】
この実施形態において、積重ね可能な成形チップスナックはスナック高さh1を有し、トレーはトレー高さh2を有している。ある実施形態において、トレー高さは、スナック高さの約50%超、又はスナック高さの約60%〜約100%、又はスナック高さの約65%〜約85%である。理論に束縛されることを意図するものではないが、そのようなトレーを有することは、卵形又は丸形の形状を有する積重ね可能な成形チップスナックとの組合わせにおいて特に有用であると考えられる。そのような場合は特に、縁部棚43は、積重ね可能な成形チップスナック14の中点よりも高くなる。したがって、衝撃が発生すると、縁部棚はここでも、積重ね可能な成形チップスナックを直接、圧迫するのではなく変形することになり、そのため破砕が低減されることになる。
【0040】
積重ね可能な成形チップスナックの形状は、互いに積重ね可能である限り、限定されなくてもよいが、積重ね可能な成形チップスナックは好ましくは、波形、凹面形、及び凸面形からなる群から選択された形状を有する。
【実施例】
【0041】
落下試験
生分解性コーンスターチ材料を押出しすることによってトレーを製造した。トレーは0.55mmの厚さを有するものである。100%傷のない成形ポテトチップス(プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)によって製造されている商品名プリングルズ(Pringles)(登録商標)オリジナルミックス(Original Mix))をトレー(トレー1つ当たりチップ74枚)の中に手動で詰め込み、トレー上のポテトチップスを各管状容器(容器寸法は直径65mm、高さ210mm)に入れた。図5に示すように、12個の管状容器を段ボール箱(3(列)×4(行)の箱)に包装した。この段ボール箱を落下試験にかけた。表1及び図6に示す指示に従って、落下試験の間に段ボール箱を7回、自由落下させた。図6において、1〜6の番号は、段ボール箱の各平面を示している。落下試験の後、成形ポテトチップスを管状容器から取り出した。成形ポテトチップスを、(i)傷のないチップ(90重量%未満)、(ii)破砕したチップ(50重量%超、90重量%未満)、及び(iii)小片(50重量%未満)に慎重に分類した。その結果を表2に示す。その結果(トレー付き)を、トレーを用いずに管状容器に入れた成形ポテトチップスで実施した結果(トレーなし)と比較した。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
結果として、本発明の包装品は、上に示す落下試験の後、トレーなしの包装品と比較して、傷のないチップを相当に多く呈した(69%対49%)。更に、本発明のトレーを用いても小片に破砕したチップの量(9%)は、トレーが存在しなかった場合(28%)と比較して、相当に少ないものであった。
【0045】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に厳格に限定されるものとして解釈されるべきではない。その代わりに、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、列挙した値と、その値を包含する機能的に等価な範囲との双方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0046】
「発明を実施するための形態」で引用したすべての文書は、関連部分において参照によって本明細書に組み込まれるが、いずれの文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照によって組み込まれる文書における用語のいずれかの意味又は定義と対立する限りにおいて、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
【0047】
本発明の特定の実施形態について図示し説明したが、種々の他の変更及び修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得ることが、当業者には明らかとなろう。したがって、本発明の範囲に含まれるそのようなすべての変更及び修正は、添付の「特許請求の範囲」で網羅することとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装食品であって、
(1)トレーであって、
(i)トレー基端部及びトレー末端部を備えるトレー本体、並びに
(ii)前記トレー末端部にある緩衝空間、を備えるトレーと、
(2)前記トレー本体内に配列された複数の積重ね可能な成形チップスナックと、
(3)壁本体、該壁本体に隣接する閉鎖した容器端部、及び該壁本体に隣接して該閉鎖した容器端部の反対側にある開放可能な容器端部を備える管状容器であって、前記複数の積重ね可能な成形チップスナック及び前記トレーを中に備える管状容器と、を備え、
前記トレーは前記壁本体に沿ってスライド可能であり、前記トレーは、前記緩衝空間が前記閉鎖した容器端部に隣接した向きとなるように整列されている包装食品。
【請求項2】
前記トレーがプラスチック、生分解性の材料、金属、ゴム、及びそれらの組合わせからなる群から選択された材料から形成されている、請求項1に記載の包装品。
【請求項3】
前記積重ね可能な成形チップスナックが凹形状を有する、請求項1に記載の包装品。
【請求項4】
前記トレー本体が緩衝空間を前記トレー基端部に更に備える、請求項1に記載の包装品。
【請求項5】
前記複数の積重ね可能な成形チップスナックが成形ポテトチップス、米スナック、及びそれらの組合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の包装品。
【請求項6】
前記変形距離が約2mm〜約15mmである、請求項1に記載の包装品。
【請求項7】
前記トレーが縁部棚を備える、請求項1に記載の包装品。
【請求項8】
前記基端部に引出しタブを更に備える、請求項1に記載の包装品。
【請求項9】
前記トレーが実質的に丸形である底部を備える、請求項1に記載の包装品。
【請求項10】
前記トレーが少なくとも1対の支持部材を前記底部に備える、請求項8に記載の包装品。
【請求項11】
前記つまみ部材が約5mm〜約40mmの幅Wを有する、請求項7に記載の包装品。
【請求項12】
前記生分解性の材料がコーンスターチ、米スターチ、小麦スターチ、ポテトスターチ、セルロース、ポリラクチド、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、カゼイン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の包装品。
【請求項13】
前記積重ね可能な成形フードスナックがスナック高さを有し、前記トレーがトレー高さを有し、前記トレー高さが前記スナック高さの約50%超である、請求項1に記載の包装品。
【請求項14】
前記トレー高さが前記スナック高さの約60%〜約100%である、請求項13に記載の包装品。
【請求項15】
前記トレーが縁部棚を更に備え、前記縁部棚が前記積重ね可能な成形チップスナックの中点よりも高い、請求項13に記載の包装品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−512156(P2013−512156A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540248(P2012−540248)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【国際出願番号】PCT/CN2009/001314
【国際公開番号】WO2011/063546
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512251862)
【Fターム(参考)】