説明

化粧品組成物

【課題】改善された肌触り特性及び保存安定性を有する化粧品組成物を提供する。
【解決手段】(i)0.1%〜15%の、20ミクロン未満の平均粒径を有する、ポリオキシアルキレン単位がない非乳化架橋シロキサンエラストマー;(ii)0.1%〜15%の、1つ以上のポリオキシアルキレン単位を有する乳化架橋シロキサンエラストマー;(iii)10%〜80%の、架橋シロキサンエラストマーを懸濁し、膨潤させて、弾性のあるゲル様網状構造又はマトリックスを提供する溶媒であって、非極性で揮発性の油、比較的極性で不揮発性の油及び非極性で不揮発性の油からなる群から選択される溶媒;(iv)0%を超え30%以下の多価アルコール;並びに(v)0%を超え85%以下の水を含む化粧品組成物とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互対照)
本出願は、米国特許仮出願第60/217,114号(2000年7月10日出願)の利益を請求する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、非乳化及び乳化架橋シロキサンエラストマーの組み合わせを含む化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
有機エステル類及び炭化水素、特にワセリンを含む皮膚軟化剤は、長い間、皮膚コンディショニング剤として薬用に使われてきた。このような物質は水だけに次ぐ、最適な保湿成分である。それらは主に障壁として機能する。ヒトの皮膚の角質層外層の水含量は、乾燥した皮膚症状の外観における支配要因である。角質層が10〜20パーセントの範囲内の十分な量の水を含むときには、皮膚は柔軟性に残している。しかし、水含量が10%を下回ると、角質層はもろく且つ粗くなり、鱗屑状剥離(scaling)、及びひび割れを呈することがある。
角質層は、拡散によって表皮の深層から、又は水と直接接触するときに、その水分を受け取る。拡散過程は、皮膚の水含量並びに濃度勾配によって調製される。
【0004】
非常に乾燥した環境では、皮膚の外層からの水の喪失が著しく、しばしば拡散によって置き換えられる割合を超えることある。皮膚の表面に置かれる閉鎖性又は半閉鎖性の障壁物質は、環境への水の喪失を遅らせるように作用する。それによってまた、拡散メカニズムを介して皮膚表面の潤いを再び取り戻すことができる。
多数の効果的で且つ経済的な皮膚コンディショニング剤がある一方で、それでもそれらは特定の欠点がある。
皮膚軟化剤型は、油中水型エマルションとして送達されることが多い。長期間の保存安定性を保証するのに十分な程度に油相と水相の間の決定的な配合バランスを達成するのは難しい。この決定的なバランスの一部は、内部相の容量である。
【0005】
系を生成し安定化させる、化学的及び物理的相互作用を最大限にするには、決定的な容量が得られなければならない。この決定的な容量が適切にバランスを取っていないと、製品が粘度変化及び最終的な相分離を起こす可能性がある。
普通、最適な容量は、かなり大きく、外部相の容量サイズを限定し、突っ張った好ましくない緩やかな分解特性を系に与える。この決定的な内部相容量の制限は、機能性を低減し、好ましくない感触特性を増加させる可能性がある。
比較的高レベルの、水ベース保湿成分成分(例えばグリセリン)を担持するには新しい系が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の態様の1つは改善された肌触り特性をもたらす化粧品組成物を提供することである。
本発明のもう1つの態様は、凍結/融解サイクル下でさえ、相分離に対して安定性を有する、皮膚処置組成物を提供することである。
本発明のさらにもう1つの態様は、初めて皮膚に適用するときに、滑らかな、突っ張り感なく擦り込める皮膚処置組成物を提供することである。
本発明のこのような態様及びその他の態様は、以下の要約及び詳細な説明を考慮することでより容易に明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の概要)
本発明は
(i)0.1%〜15%の、20ミクロン未満の平均粒径を有する、ポリオキシアルキレン単位がない非乳化架橋シロキサンエラストマー;
(ii)0.1%〜15%の、1つ以上のポリオキシアルキレン単位を有する乳化架橋シロキサンエラストマー;
(iii)10%〜80%の架橋シロキサンエラストマーを懸濁し、膨潤させて、弾性のあるゲル様網状構造又はマトリックスを提供する溶媒であって、非極性で揮発性の油、比較的極性で不揮発性の油及び非極性で不揮発性の油からなる群から選択される溶媒;
(iv)0%を超え30%以下の多価アルコール;並びに
(v)0%を超え85%以下の水を含む化粧品組成物に関する。
【0008】
(詳細な説明)
本明細書で使用されるとき、「化粧品」という用語は、メークアップ製品、ファンデーション製品及びスキンケア製品を包含する。「メークアップ」という用語は、ファンデーション、黒色や褐色、すなわち、マスカラ、コンシーラー(concealer)、アイライン、眉墨(brow color)、アイシャドー、頬紅(blusher)、口紅(lip paint)、粉末、固形エマルションコンパクトなどを含む、顔面に色を付ける製品をいう。「スキンケア製品」とは、皮膚を処置又は手入れし、何らかの形で保湿、改善、又は洗浄するために使用する製品である。「スキンケア製品」という語句が意図する製品としては、絆創膏、包帯、練り歯磨き、無水閉塞性保湿剤、制汗剤、防臭剤、身体洗浄製品、粉末洗濯洗剤、布帛柔軟タオル、閉塞性薬剤送達パッチ、マニキュア液、パウダー、ティッシュ、拭取り布、無水ヘアコンディショナー、髭剃りクリームなどが挙げられるが、これに限定されない。本明細書で使用されるとき、「過剰な水分」はヒトの皮膚に沈着される望ましくない及び/又は不健康なレベルの体液を意味する。「ファンデーション」という用語は、皮膚の全体的な色を均等にするための、化粧品会社によって製造又は再導入される液体、クリーム、ムース、パンケーキ、コンパクト、コンシーラー(concealer)などの製品をいう。ファンデーションは、保湿し過ぎた皮膚及び/又は油分を与えた皮膚により効果を示すように製造される。
【0009】
本明細書で使用される「周囲条件」という用語は、特に指示がない限り、約1気圧、相対湿度約50%及び約25℃の環境条件を言う。
「降状点」という用語は、本明細書で使用するとき、方向性がなく、応力を与えた流れに対する初期抵抗を言い;ハーケ応力レオメーター(Haake Controlled Stress Rheometer)RS150を用いて、35mm/4°の円錐及び平板で測定される。
本明細書で使用されるとき、「含む」という用語は、組成物と適合性があり、好ましくは本発明の組成物を実質的に分解しない他の成分を、組成物が含有できることを意味する。その用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語を包含する。
特に指示がない限り、本明細書で用いるすべてのパーセントおよび割合は組成物全体の重量を基準とする。すべてのパーセントは、特に指示がない限り、活性物質の重量を基準とする。特に指示がない限り、行った測定はすべて25℃で実施する。
【0010】
(架橋シロキサンエラストマー)
本発明の必須成分は、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーである。架橋オルガノポリシロキサンエラストマーの出発物質として役立つ硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物の種類に関して、具体的な制限はない。この点における例には、SiH含有ジオルガノポリシロキサンと珪素結合ビニル基を有するオルガノポリシロキサンとの間の付加反応により、白金金属触媒下で硬化する付加反応−硬化型オルガノポリシロキサン組成物;ヒドロキシル終端型ジオルガノポリシロキサンとSiH含有ジオルガノポリシロキサンとの間の脱水素反応により有機スズ化合物の存在下で硬化する縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物;有機スズ化合物又はチタン酸エステルの存在下、ヒドロキシル終端型ジオルガノポリシロキサンと加水分解可能なオルガノシランとの縮合反応(この縮合反応は、脱水、アルコール−遊離、オキシム−遊離、アミン遊離、アミド遊離、カルボキシル遊離、及びケトン遊離反応によって例証される)により、有機スズ化合物またはチタン酸エステルの存在下で硬化する、縮合硬化オルガノポリシロキサン組成物;オルガノペルオキシド触媒の存在下で熱硬化する過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物;及びガンマ線、紫外線、又は電子ビームなどによる高エネルギー放射によって硬化する、オルガノポリシロキサン組成物がある。
【0011】
付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、硬化速度が速く、硬化の均一性に優れているので好ましい。特に好ましい付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物は:
(A)各分子中に、少なくとも2つの低級アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン;
(B)各分子中に、少なくとも2つの珪素結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン;及び
(C)白金型の触媒とから調製される。
【0012】
上記に関して、成分(A)は、シリコーンエラストマー生成オルガノポリシロキサンの基本成分であり、成分(C)による触媒作用下で、成分(B)との付加反応によって硬化が進行する。この成分(A)は、各分子の中に少なくとも2つの珪素結合低級アルケニル基を含有せねばならず;低級アルケニル基が2つ未満であれば、網状構造が形成されないので、十分に硬化した生成物は得られない。前記低級アルケニル基は、ビニル、アリル、及びプロペニルによって例示される。低級アルケニル基は分子のいかなる位置に存在することもできるが、分子の末端に存在することが好ましい。この成分の分子構造は、直鎖、分枝状直鎖、環状、又は網状であってもよいが、直鎖又はわずかに分枝状であるものが好ましい。成分の分子量は具体的に制限されないので、粘度は低粘度から極めて高粘度のゴムまでの範囲であってもよい。硬化生成物をゴム状エラストマーの形態で得るためには、25℃での粘度が少なくとも100センチストークであることが好ましい。これらのオルガノポリシロキサンは、メチルビニルシロキサン類、メチルビニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ終端型ジメチルポリシロキサン類、ジメチルビニルシロキシ終端型ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ終端型ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ終端型ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ終端型ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ終端型メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン類、及びジメチルビニルシロキシ終端型ジメチルシロキサン−メチル(3,3,−トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマーによって例示される。
【0013】
成分(B)は、各分子の中に少なくとも2つの珪素結合の水素原子を有するオルガノポリシロキサンであり、成分(A)の架橋剤である。成分(C)による触媒作用下で、この成分における珪素結合水素原子が成分(A)における低級アルケニル基と付加反応することよって硬化が進行する。この成分(B)は、架橋剤として機能するために、各分子中に少なくとも2つの珪素結合水素原子を含有しなければならない。さらに、成分(A)の各分子中のアルケニル基の数と成分(B)の各分子における珪素結合水素原子との合計が少なくとも5であるべきである。網状構造が本質的に形成されないので、5より低い値は回避すべきである。
【0014】
この成分の分子構造には具体的な制限は存在せず、直鎖、分枝を含む直鎖、環状などであってもよい。この成分の分子量は具体的に制限がないが、成分(A)との良好な混和性を得るためには、25℃での粘度が1〜50,000センチストークであることが好ましい。本成分における珪素結合水素原子の総量と成分(A)におけるすべての低級アルケニル基の総量との間のモル比が(1.5:1)〜(20:1)の範囲内におさまるような量にてこの成分を添加することが好ましい。モル比が0.5:1より低くなると、良好な硬化特性を得るのが困難である。(20:1)を超えると、硬化生成物を加熱した時、硬度が高いレベルに上昇する傾向がある。さらに、例えば補強の目的で、実質的なアルケニルを含有するオルガノシロキサンを、補完的に添加する場合、SiH含有成分の補助的添加が、これらのアルケニル基を相殺する量であることが好ましい。この成分は、トリメチルシロキシ終端型メチルヒドロジェンポリシロキサン類、トリメチルシロキシ−末端ジメチルシロキサン−メチルヒドロジェンシロキサンコポリマー、及びジメチルシロキサン−メチルヒドロジェン−シロキサン環状コポリマーによって具体的に例示される。
【0015】
成分(C)は、珪素結合水素原子とアルケニル基の付加反応の触媒であり、具体的には、塩化白金酸、できれば、アルコール又はケトンに溶解し、この溶液を任意で熟成した、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−アルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸−ジケトン錯体、白金黒、及びキャリア−坦持の白金によって例示される。
この成分は、成分(A)と成分(B)の合計量の1,000,000重量部あたり、白金型金属プロパーとして、0.1〜1,000重量部で添加することが好ましく、1〜100重量部で添加することがより好ましい。上記の硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物の基礎を形成するオルガノポリシロキサンにおいて珪素に結合してもよいその他の有機基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びオクチルのようなアルキル基;2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、及び3,3,3−トリフルオロプロピルのような置換されたアルキル基;フェニル、トリル、及びキシリルのようなアリール基;フェニルエチルのような置換されたアリール基;及び例えば、エポキシ基、カルボン酸エステル基、メルカプト基などで置換された一価の炭化水素基である。
【0016】
オルガノポリシロキサンエラストマー粉末の製造例は次のとおりである:
上記のようなオルガノポリシロキサン組成物(付加硬化型、縮合硬化型、又はまたは過酸化硬化型)を界面活性剤(非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、又は両性)の存在下で水と混合し、ホモミキサー、コロイドミル、ホモジナイザー、プロペラミキサーなどで均質になるまで混合した後、温水(少なくとも50℃の温度)中に放出して硬化させ、次いで乾燥する;オルガノポリシロキサン組成物(付加硬化型、縮合硬化型、または過酸化硬化型)を加熱した電流に直接噴霧することにより硬化する;高エネルギー放射下での噴霧により、放射硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化によって粉末を得る;オルガノポリシロキサン組成物(付加硬化型、縮合硬化型、過酸化硬化型)又は高エネルギー硬化型オルガノポリシロキサン組成物を、後者は高エネルギー放射によって硬化し、次いでその生成物を、例えばボールミル、噴霧器、混練器、ロールミルなどのような既知の粉砕機を用いて粉砕し、粉末を得る。好適なオルガノポリシロキサンエラストマー粉末には、信越のKSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−103、KSP−104、KSP−105のようなビニルジメチコーン/メチコーンシレスキオキサンクロスポリマー、信越のKSP−200のようなフルオロアルキル基含有ハイブリッドシリコーン粉末、並びに信越のKSP−300などのフェニル基含有ハイブリッドシリコーン粉末;及びダウ・コーニングのDC9506が挙げられる。
【0017】
好ましいオルガノポリシロキサン組成物は、ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマーである。かかるジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマーは、ダウ・コーニング(DC9040及びDC9041)、ゼネラル・エレクトリック(SFE839)、信越(KSG−15、16、18[ジメチコーン/フェニルビニルジメチコーンクロスポリマー])、及びグラントインダストリーズ(Grant Industries)(グランシル(Gransil)(商標)系列の材料)、及び信越から供給されるラウリルジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(例えば、KSG−31、KSG−32、KSG−41、KSG−42、KSG−43、及びKSG−44)を含む様々な供給元から供給されている。本発明及びその製造プロセスで有用な架橋オルガノポリシロキサンエラストマーについ
ては、さらに、米国特許第4,970,252号(1990年11月13日発行、サクタ(Sakuta)ら);米国特許第5,760,116号(1998年6月2日発行、キルゴール(Kilgour)ら;米国特許第5,654,362号(1997年8月5日発行、シュルツ(Schulz)2世ら)及び日本特許出願特開昭61−18708号(ポーラ化成工業株式会社に譲渡)にさらに記載されており、それぞれその全体を参考として本明細書に組み入れる。
【0018】
本発明の組成物は、乳化及び非乳化の架橋オルガノポリシロキサンエラストマーの組み合わせを含む。「非乳化」という用語は、本明細書で使用するとき、それからのポリオキシアルキレン単位が存在しない架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを定義する。「乳化」という用語は、本明細書で使用するとき、少なくとも1つのポリオキシアルキレン(例えば、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン)単位を有する架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを意味する。乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは特に、米国特許第5,412,004号(5/2/95発行);同第5,837,793号(11/17/98発行);及び同第5,811,487号(9/22/98発行)に記載されている架橋ポリマーから選択することができ、それらのすべて特許の全体を参考として、本明細書に組み入れる。
【0019】
特に有用な乳化エラストマーには、ジビニル化合物から形成されるポリオキシアルキレン変性エラストマー、特に、ポリシロキサン主鎖上でのSi−H結合と反応する、少なくとも2つの遊離ビニル基を持つシロキサンポリマーである。
好ましくは、エラストマーは、分子的には球形状のMQ樹脂におけるSi−H部位によって架橋されるジメチルポリシロキサンである。
【0020】
本発明の非乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、10〜60パスのリサイクリングの有無で、ソノレータ(Sonolator)を介して、シロキサンエラストマーのための溶媒の存在下での高剪断(約5,000psi)処置によってさらに処理することが好ましい。ソノレーションは、ホリバ(Horiba)LA−910(以下に記載)により測定して、非乳化エラストマーの平均粒径が20未満、好ましくは10(又は約10)ミクロン未満、及び好ましくは5(又は約5)ミクロン未満の範囲の組成物が得られる。本明細書で使用されるとき、エラストマーの「粒径」という用語は、膨潤した状態のエラストマーの粒径を表す。本明細書で使用されるとき、「膨潤した」とは、エラストマー粒子が溶媒化合物を吸収することによって通常の径及び形状を超えて拡張していることを意味する。粘度は、25℃でブルックフィールド(Brookfield)LV粘度計(大きさ4バール、60rpm、15秒)により測定したとき、20,000(又は約20,000)未満、好ましくは約15,000未満、さらに好ましくは約100〜約10,000cpsが最良である。
【0021】
乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、約0.1〜約15重量%、任意では約1〜約10重量%、最も好ましくは約3〜約8重量%の濃度で本発明の組成物に存在する。
非乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、約0.1〜約15重量%、任意では約1〜約10重量%、最も好ましくは約3〜約8重量%の濃度で本発明の組成物に存在する。
【0022】
(非乳化及び乳化架橋シロキサンエラストマー用の溶媒)
本発明の組成物は、上記した架橋オルガノポリシロキサンエラストマーのための溶媒を含む。溶媒は、本発明の架橋オルガノポリシロキサンエラストマー粒子と組み合わせると、エラストマー粒子を懸濁し、膨潤させる働きをして、弾性のあるゲル様網状構造又はマトリックスを提供するように役立つ。架橋シロキサンエラストマー用の溶媒は周囲条件下では液体であり、周囲条件下で液体であり、皮膚上への広がりが改善されるように低粘度であることが好ましい。
【0023】
本発明の化粧品組成物における溶媒の濃度は、主として用いられる溶媒及び架橋シロキサンエラストマーの種類及び量で変化する。溶媒の濃度は、組成物の約10重量%〜約80重量%、好ましくは約30重量%〜約70重量%である。
【0024】
架橋シロキサンエラストマー用の溶媒は、ヒトの皮膚に局所適用するのに好適な1以上の液状キャリアを含む。液状キャリアが約28℃〜250℃、好ましくは約28℃〜100℃、好ましくは約28℃〜78℃の温度で選択されたシロキサンエラストマーの濃度にて、選択された架橋シロキサンエラストマーとの間で溶液又はその他の均質な液体又は液体分散液を形成するという条件で、このような液状キャリアは、有機、シリコーン−含有又はフッ素−含有のものであってもよい。架橋シロキサンエラストマー用の溶媒は好ましくは約3〜約13(cal/cm0.5、さらに好ましくは約5〜約11(cal/cm0.5、最も好ましくは約5〜約9(cal/cm0.5の溶解度パラメータを有する。液体キャリア又はその他の材料の溶解度パラメーター、及びそのようなパラメーターを決定する手段は、化学の技術分野で周知である。溶解度パラメータの記載及びそれを決定する手段は、C.D.ボーガン(Vaughan)の「製品、包装、浸透及び保存における溶解度の影響」コスメティクス・アンド・トイレタリーズ(Cosmetics and Toiletries)103巻の47〜69ページ(1988年10月);及びC.D.ボーガン(Vaughan)の「化粧品の配合における溶解度パラメータの使用」、ジャーナル・オブ・ソサエティ・オブ・コスメティック・ケミスト(J. Soc. Cosmetic Chemists)36巻の319〜333ページ(1988年9/10月号)に記載されており、その文献を参考として本明細書に組み入れる。
【0025】
本発明で用いられる溶媒は、非極性で揮発性の油;比較的極性で不揮発性の油;非極性で不揮発性の油から選択される。これらの油は、それぞれ下文でさらに完全に説明する。「不揮発性」という用語は、本明細書で使用するとき、1気圧、25℃にて約0.2mmHg以下の蒸気圧を示す材料及び/又は1気圧にて少なくとも約300℃の沸点を有する物質をいう。「揮発性」という用語は、本明細書で使用するとき、本明細書で前に定義したような「不揮発性」ではないすべての物質をいう。「比較的極性」という語句は、本明細書で使用するとき、溶解度パラメータという点でもう1つの材料よりも大きい極性を意味し;すなわち、溶解度パラメータが高ければ高いほど、液体の極性は大きくなる。「非極性」という用語は、通常、材料が約6.5(cal/cm0.5より小さい溶解度パラメータを有することを意味する。
【0026】
1.非極性で揮発性の油
非極性で揮発性の油は、本発明の組成物に極めて望ましい審美的特性を付与する傾向がある。従って、非極性で揮発性の油は、好ましくはかなり高い濃度で利用される。本発明で特に有用な非極性で揮発性の油は、シリコーン油;炭化水素;及びこれらの混合物から成る群より選択される。かかる非極性で揮発性の油は、例えば、バルサム及びサリガン(Balsamand Sagarin)編の「化粧品、科学、および技術(Cosmetics,Science,and Technology)」の第1巻27〜104ページ(1972年)に開示されている。本発明で有用な非極性で揮発性の油は、飽和又は不飽和のいずれでもよく、脂肪族形質を有してもよく、直鎖でも分枝鎖でもよく、脂環状又は芳香族の環を含有してもよい。好ましい非極性で揮発性の炭化水素の例には、イソドデカン及びイソデカン(例えば、プレスパース(Presperse)社から入手可能なパーメチル(Permethyl)−99A)のようなポリデカン類及びC7〜C8からC12〜C15までのイソパラフィン類(例えば、エクソンケミカルズ(Exxon Chemicals)から入手可能なイソパーシリーズ(Isopar Series))が挙げられる。非極性で揮発性の液状シリコーン油は、米国特許第4,781,917号(1988年11月1日発行、ルーベ(Luebbe)ら)に開示されており、そのすべてを参考として本明細書に組み入れる。さらに、種々の揮発性シリコーン材料の記載は、トッド(Todd)ら著、「化粧品用揮発性シリコーン流体」コスメティクス・アンド・トイレタリーズ(Cosmetics and Toiletries)91巻:27〜32ページ(1976年)に見い出され、その全体を参考として本明細書に組み入れる。特に好ましい揮発性シリコーン油は、次式に相当する環式揮発性シリコーンから成る群より選択される:
【0027】
【化1】

【0028】
式中、nは約3〜約7である;直鎖揮発性シリコーンは次式に相当する:
(CHSi−O−[Si(CH−O]−Si(CH
式中、mは約1〜約7である。直鎖状揮発性シリコーンの粘度は、一般的には25℃で約5センチストークス未満である一方、環状シリコーンの粘度は、25℃で約10センチストークス未満である。揮発性シリコーン油の極めて好適な例としては、種々の粘度のシクロメチコン類、例えば、ダウ・コーニング(Dow Corning)200、ダウ・コーニング244、ダウ・コーニング245、ダウ・コーニング344、及びダウ・コーニング345(ダウ・コーニング社から市販);SF−1204及びSF−1202シリコーン流体(G.E.シリコーンから市販)、GE7207及びGE7158(ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Co.)から市販);及びSWS−03314(SWSシリコーン社から市販)が挙げられる。
【0029】
2.比較的極性で不揮発性の油
不揮発性の油は、上で議論した非極性で揮発性の油に比べて、「比較的極性」である。従って、不揮発性の共溶媒は、少なくとも1つの非極性で揮発性の油より極性がある(すなわち、溶解度パラメータが高い)。本発明で潜在的に有用な比較的極性で不揮発性の油は、例えば、化粧品、科学、および技術(Cosmetics,Science,and Technology)、1巻、27〜104ページ、バルサム(Balsam)及びサガリン(Sagarin)編集(1972年);米国特許第4,202,879号(シェルトン(Shelton)、1980年5月13日発行);及び米国特許第4,816,261号(レッベ(Luebbe)ら、1989年3月28日発行)に開示されており、それらの全体を参考として、本明細書に組み入れる。本発明で有用な比較的極性で不揮発性の油は、好ましくは、シリコーン油;炭化水素油;脂肪族アルコール;脂肪酸;一及びニ塩基カルボン酸と一価及び多価アルコールとのエステル類;ポリオキシエチレン類;ポリオキシプロピレン類;脂肪族アルコールのポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンエーテル類の混合物;及びこれらの混合物から成る群より選択される。
【0030】
本発明で有用な比較的極性で不揮発性の共溶媒は、飽和又は不飽和のいずれでもよく、脂肪族の特徴を有してもよく、直鎖でも分枝鎖でもよく、脂環状又は芳香族の環を含有してもよい。さらに好ましくは、比較的極性で不揮発性の液状共溶媒は、約12〜26の炭素原子を有する脂肪族アルコール類;約12〜26の炭素原子を有する脂肪酸;一塩基カルボン酸と約14〜30の炭素原子を有するアルコールとのエステル類;ニ塩基カルボン酸と約10〜30の炭素原子を有するアルコールとのエステル類;多価アルコール類と約5〜26の炭素原子を有するカルボン酸とのエステル類;約12〜26の炭素原子及びプロポキシル化度が約50未満の脂肪族アルコールのエトキシル化エーテル、プロポキシル化エーテル、エトキシル化とプロポキシル化の混合のエーテル類;及びこれらの混合物から成る群より選択される。さらに好ましいのは、プロポキシル化度が約50を下回るC14〜C18脂肪族アルコール類のプロポキシル化エーテル類、C2〜C8のアルコール類とC12〜C26のカルボン酸のエステル類(例えばエチルミリステート、パルミチン酸イソプロピル)、C12〜C26のアルコール類と安息香酸のエステル類(例えば、ファインテックス(Finetex)から販売されているファインソルブ(Finsolv)TN)、C2〜C8のアルコール類とアジピン酸、セバシン酸、及びフタル酸とのジエステル類(例えば、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、ジ−n−フタル酸ブチル)、C6〜C26のカルボン酸の多価アルコールエステル類(例えば、ジカプリン酸/ジカプリル酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール);及びこれらの混合物である。さらに好ましいのは、約12〜26の炭素原子を有する分枝鎖脂肪族系脂肪族アルコール類である。さらに好ましいのは、イソセチルアルコール、オクチルデカノール、オクチルドデカノール及びウンデシルペンタデカノールであり;最も好ましいのは、オクチルドデカノールである。かかる好ましい脂肪族系脂肪族アルコール類は、溶媒の平均溶解度を調整するために、本明細書で議論する揮発性液状シリコーン油との組み合わせに特に有用である。
【0031】
3.非極性で不揮発性の油
不揮発性で非極性の油としては、皮膚軟化剤が挙げられ、例えば、化粧品、科学、および技術(Cosmetics,Science,and Technology)、第1巻、27〜104ページ、バルサム(Balsam)及びサガリン(Sagarin)編集(1972年);米国特許第4,202,879号(シェルトン(Shelton)、1980年5月13日発行);及び米国特許第4,816,261号(レッベ(Luebbe)ら、1989年3月28日発行)に開示されている。これらは、参考として本明細書に組み入れる。本発明で有用な不揮発性で非極性の油は、本質的に不揮発性のポリシロキサン、パラフィン状の炭化水素油、及びこれらの混合物である。本発明で有用なポリシロキサン類は、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物から成る群より選択される。
【0032】
これらの例には、25℃で粘度が約1〜約100,000センチストークスのポリジメチルシロキサン類が挙げられる。本組成物で有用な好ましい不揮発性シリコーン皮膚軟化剤は、25℃にて粘度が約2〜約400センチストークのポリジメチルシロキサン類である。かかるポリアルキルシロキサン類には、ビスカシルシリーズ(ゼネラル・エレクトリック社より販売されている)及びダウ・コーニング200シリーズ(ダウ・コーニング社より販売されている)が挙げられる。ポリアルキルアリールシロキサンには、25℃にて粘度が約15〜約65センチストークスのポリメチルフェニルシロキサン類が含まれる。これらは、例えば、SF1075メチルフェニル流体(ゼネラル・エレクトリック社より販売されている)及び556化粧品グレード流体(ダウ・コーニング社より販売されている)として入手可能である。有用なポリエーテルシロキサンコポリマー類には、例えば、25℃にて粘度が約1200〜1500センチストークスのポリオキシアルキレンエーテルコポリマーが挙げられる。かかる流体は、SF1066オルガノシリコーン界面活性剤(ゼネラル・エレクトリック社により販売されている)として入手可能である。ポリシロキサンエチレングリコールエーテルコポリマーは、本組成物での使用に好ましいコポリマーである。
【0033】
本発明で有用な不揮発性のパラフィン状の炭化水素油類には、鉱油類及び特定の分枝鎖炭化水素類が含まれる。このような流体の例は、米国特許第5,019,375号(1991年5月28日発行、タナー(Tanner)らに開示されており、その全体を参考として本明細書に組み入れる。好ましい鉱油類は次の特性を有する:
(1)40℃にて粘度が約5センチストークス〜約70センチストークス;
(2)25℃にて密度が約0.82〜0.89g/cm
(3)引火点が約138℃〜約216℃;及び
(4)炭素鎖長が炭素原子約14〜約40。
好ましい分枝鎖炭化水素油類は次の特性を有する:
(1)20℃にて密度が約0.79〜0.89g/cm
(2)沸点が約250℃より高い;及び
(3)引火点が約110℃〜約200℃。
【0034】
特に好ましい分枝鎖炭化水素には、パーメチル社(Permethyl Corporation)から購入可能な、平均約24の炭素原子を含有するパーメチル(Permethyl)103A;平均68の炭素原子を含有するパーメチル104A;平均約20の炭素原子を含有するパーメチル102Aが挙げられ;エチル社(Ethyl Corp.)から購入可能な、並びに30の炭素原子と40の炭素原子の混合物を含有するエチルフロ(Ethylflo)364が挙げられる。
本明細書で有用な追加の溶媒は、米国特許第5,750,096号(1998年5月12日、ジェラルドJ.ガスキー(Gerald J. Guskey)ら)に記載されており、その全体を参考として本明細書に組み入れる。
【0035】
(水)
本発明の化粧品組成物は、0%を超え85%以下、好ましくは約1%〜約85%、より好ましくは約5%〜約85%、最も好ましくは約10%〜約85%の水を含む。
【0036】
(任意成分)
〔光沢調節剤〕
皮膚の光沢のある外観の状態を改善する及び/又は調節する化粧品製品は、ますます消費者に人気があり、本明細書では、「光沢調節剤」という。本発明の組成物に光沢調節剤が包含されてもよい。
頻繁に起こる望ましくない状態は、「オイリースキン」であり、これは皮膚の上に分泌される皮脂及び汗の量が過剰なために生じる。皮脂は油性の混合物であり、主として、スクアラン、トリグリセリド類、脂肪酸及びワックスエステル類から構成される。
【0037】
皮脂は皮膚の皮脂腺から生成される。オイリースキンは、沢のある望ましくない外観及び不愉快な触感を付随する。汗の主成分は水であり、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどの微量の無機塩を溶解している。
典型的には、光沢調節剤は、本来多孔質である。このような作用剤は、皮膚に適用したとき、孔の中に過剰な水分を吸収するリザーバとなり、従って皮膚上の目に見える水分量を低減する。
理論に制限されないで、有効な多孔質、吸収材料の使用を非吸収性の球形材料と組み合わせることが好ましいと考えられている。非吸収性の球形材料は、問題のある鏡面反射に対し反射の拡散効果を高め、皮膚に光学的変性を起こさせて、皮膚の光沢のある外観を軽減させる。吸収体と非吸収性の球形粒子との組合せは、光沢調節が最適な製品の開発を可能にして、製品に最高の触覚感覚性能を与えるので好ましい。
【0038】
好適な光沢調節剤には、シリカ、珪酸マグネシウムアルミニウム、タルク、セリサイト及び種々の有機コポリマーが挙げられるが、これに限定されない。好ましくは、有効な光沢調節剤には、特に有効な光沢コントロール剤としては、炭酸塩またはケイ酸塩と、アルカリ(IA)金属、アルカリ土類(IIA)金属、または遷移金属との反応によって生成されるケイ酸塩または炭酸塩、ならびにシリカ(ニ酸化ケイ素)が挙げられる。好ましい光沢調節剤は、珪酸カルシウム、非晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、及びそれらの組み合わせから成る群より選択される。本発明で有用なケイ塩酸類及び炭酸塩類の一部の具体例は、バン・ノストランド・レインホールド(Van Nostrand Reinhold)の化学百科事典、第4版の155、169、556、及び849ページ(1984)にさらに完全に説明されている。
【0039】
光沢調節剤の合成種、特にケイ塩酸類が好ましい。好適な合成炭酸塩類は、マリンクロット(Mallinckrodt)又はホワイタッカー(Whittaker)、クラークアンドダニエルズ(Clarke & Daniels)から市販されている。本発明で有用な合成ケイ酸塩の例は、JMヒューバー(Huber)から入手可能であるヒューバーソーブ(Hubersorb)250(登録商標)又はヒューバーソーブ600(登録商標)である。
【0040】
主としてシリカ類を含む光沢調節剤は、水分及び光沢調節剤に用いる際、主としてケイ酸塩類及び/又は炭酸塩類を含む物質よりも好ましい。最も好ましいシリカ類は、効果的な水分吸収に加えて、良好な肌触り特性に貢献することが見い出されている、微小球及び/又は楕円の形態である。本発明で有用なシリカ楕円は、ゼレック(ZELEC)Silとしてデュポンから及びシリカ・シェルとしてコボ(Kobo)から入手可能である。シリカ微小球は、コボ(Kobo)からMSS−500、MSS500/3、MSS−500H、MSS500/3N、MSS−500N、及びMSS500/3Nとして;プレスパース(Presperse)からスフェロン(Spheron)L1500、スフェロンP1500として入手可能である。シリカの燻製版もまた、デグッサ(Degussa)のアエロシル(Aerosil)及びカボット(Cabot)のCab−O−Silによって用いることができ、双方共に特に有用である。
【0041】
一連のケイ酸塩の中では、珪酸マグネシウムアルミニウム、特にミヨシ化成から入手可能なセブマーゼ(Sebumase)が有用である。
シリカ、特にシリカ楕円体及びシリカ微小球を、水分吸収の主要手段にする場合、吸収性粉末は、組成物の約1重量%〜約40重量%;さらに好ましくは約1重量%〜約25重量%、及び最も好ましくは約2重量%〜約10重量%のシリカを含むことが好ましい。
デンプンベースの材料も光沢調節剤として用いてもよい。有用な例は、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社のナトロソーブ(Natrosorb)W及びナトロソーブHFW、ドライフロー・プラス(DryFlo plus)及びドライフローAFピュアである。
【0042】
メタクリレートベースの高分子材料も有用であることが判っている。それらは、ジメチコーンコポリマーと共に又はメタクリレートベースのコポリマーとしてのいずれかで用いることができる。具体的に、有用な例は:エンハンスト・ダーム・テクノロジー(Enhanced Derm technologies)から入手可能なマイクロスポンジ(Microsponge)5640w.グリセリン、ポリトラップ(Polytrap)6603;コボのDSPCS−I2シリーズ及びSPCAT−I2;アムコール(Amcol)のポリ−ポア200シリーズである。
任意で、さらに好ましくは、本発明の組成物は、10ミクロン以上、好ましくは15ミクロンを超える、さらに好ましくは20ミクロンを超える平均粒度直径を有する球状粒子を含有する。粒子直径は、初期粒子又は1次粒子の粒径であることが理解される。
【0043】
好ましい球状粒子には、例えば、商品名トスパール(Tospearl)145Aとして東芝シリコーンにより販売されているもののようなメチルシルセスキオキサン樹脂微小球から選択されるポリマー粒子;商品名マイクロパール(Micropearl)M100の名としてセピック(Seppic)から販売されているもののようなポリメチルメタクリレートの微小球;架橋ポリジメチルシロキサンの球状粒子、特に、商品名トレフィル(Trefil)E506C又はトレフィルE505Cとしてダウ・コーニングトーレイシリコーンにより販売されているようなもの、ポリアミドの球状粒子、さらに具体的には、ナイロン12、特に、商品名オルガソール(Orgasol)2002D NatC05としてアトケム(Atochem)から販売されているようなもの、商品名ダイノスフェア(Dynospheres)ダイノパーティクル(Dyno)から販売されているもののようなポリスチレン微小球、商品名フロビード(FloBead)EA209としてコボ(Kobo)から販売されているエチレンアクリレートコポリマー及びこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されない。コボ社のロナスフェア(Ronasphere)LDPも有用であることが判っている。
好ましくは、球状粒子は、約0%〜約40%、さらに好ましくは約5%〜約35%、最も好ましくは約8%〜約30%の濃度で存在する。
【0044】
〔被膜形成剤〕
被膜形成剤は、被膜の実質性及び皮膚への接着性を助けるために任意で本組成物に包含されてもよい。
本組成物の長期装着及び非移行性能を改善することは全く望ましい。水溶性、水不溶、及び水分散性の被膜形成剤を本組成物の内部相及び外部相に用いて、所望の最終利益を与えることができる。
好ましくは、組成物は、組成物の約0重量%〜約20重量%、さらに好ましくは、約0.1重量%〜約10重量%、及び最も好ましくは、約0.1重量%〜約5重量%の被膜形成剤を含む。
【0045】
好適な被膜形成剤には:
1)有機シリコーン樹脂、フッ素化シリコーン樹脂、有機シリコーン樹脂のコポリマー、例えば、GE(SR1000)のトリメチルシロキシシリケート、GEのシリコーン樹脂のコポリマー、例えば、SF1318(シリコーン樹脂及びイソステアリン酸コポリマーの有機エステル)及びCF1301(シリコーン樹脂及びαメチルスチレンコポリマー)、ダウ・コーニングの感圧接着剤−シリコーン樹脂及び種々のPDMS(BIO−PSAシリーズ)のコポリマー;及び
2)アクリル及びメタクリルポリマー類及び樹脂類、シリコーン−アクリレート型コポリマー及びフッ素化版で、3Mのシリコーン・プラス・ポリマー(silicones plus polymer)SA70、信越のKP545を含むもの、アルキル−アクリレートコポリマー、例えば、信越のKP561及びKP562;
3)コラボレイティブ・ラボ(Collaborative Labs)のデセン/ブテンコポリマー;
4)ポリビニルベース材料、例えば、ISPのアンタロン/ガネックス(Antaron/Ganex)(PVP/トリアコンテン(Triacontene)コポリマー)、BASFのルビスコル(Luviskol)材料を含めた、PVP、PVP/VA;
5)ポリウレタン類、例えば、ポリダーム(Polyderm)PE/PA、ポリダーム(Polyderm)PPI−SI−WS、ポリダームPPI−GHを含むがこれに限定されないアルゾ(Alzo)のポリダーム(Polyderm)シリーズ、BASFのルビセット(Luviset)P.U.R.;
6)ポリクアテルニウム材料、例えば、BASFのルビクァット(Luviquat)シリーズ
7)アクリレートコポリマー、及びアクリレート/アクリルアミドコポリマー、例えば双方ともBASFから入手可能なルビメール(Luvimer)及びウルトラホールド(Ultrahold)シリーズ;
8)スチレンベース材料;及び
9)セルロース及びセルロースベース材料を含むキトサン及びキトサンベース材料が挙げられる。
【0046】
かかる被膜形成剤は、例えば、国際化粧品成分事典及びハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第7版、第2巻の1636〜1638に開示されている。
【0047】
〔皮膚コンディショニング剤〕
任意で、本発明の組成物は、さらに皮膚コンディショニング剤を含むことができる。これら作用剤は、保湿剤、剥脱剤、又は皮膚軟化剤から選択されてもよい。
保湿剤は、保湿、鱗屑状剥離を軽減する及び皮膚からの積層鱗屑の除去の促進を目的とする多価アルコールである。典型的な多価アルコール類には、ポリアルキレングリコール類及びさらに好ましくはアルキレンポリオール類及びそれらの誘導体が挙げられる。例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリン、プロポキシル化グリセリン及びこれらの混合物である。最も好ましくは、保湿剤はグリセリンである。多価アルコールの量は、約0重量%を超え約30重量%以下、好ましくは1重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%の範囲である。
【0048】
本発明に基づいた剥脱剤は、C2〜C30のα−ヒドロキシカルボン酸、β−ヒドロキシカルボン酸及びこのような酸の塩から選択されてもよい。最も好ましいのは、グリコール酸、乳酸及びサリチル酸並びにそれらのアンモニウム塩である。剥脱剤の量は、1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%の範囲であってもよい。
多種多様なC2〜C30のα−ヒドロキシカルボン酸を用いてもよい。
【0049】
その好適な例には:
α−ヒドロキシエタン酸
α−ヒドロキシプロパン酸
α−ヒドロキシヘキサン酸
α−ヒドロキシオクタン酸
α−ヒドロキシデカン酸
α−ヒドロキシドデカン酸
α−ヒドロキシテトラデカン酸
α−ヒドロキシヘキサデカン酸
α−ヒドロキシオクタデカン酸
α−ヒドロキシエイコサン酸
α−ヒドロキシドコセン酸
α−ヒドロキシヘキサコサン酸、及び
α−ヒドロキシオクタコサン酸が挙げられる。
【0050】
コンディショニング剤が皮膚軟化剤である場合、炭化水素、脂肪酸、脂肪族アルコール及びエステルから選択されてもよい。イソノニルイソノナノエートは、最も好ましい炭化水素型の皮膚軟化コンディショニング剤である。用いてもよいその他の炭化水素には、鉱油、ポリデセンのようなポリオレフィン、及びイソヘキサデカン(例えば、パーメチル99登録商標及びパーメチル101登録商標)のようなパラフィンが挙げられる。好ましくは、本発明の組成物は、ワセリン、ラノリン及びラノリン誘導体、ステロール(例えば、エトキシル化大豆ステロール)、高分子量のポリブテン及びカカオバターのような半固形の炭化水素を実質的に含まない。本明細書で使用されるとき、「実質的に含まない」は、半固形炭化水素の濃度が、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満、最も好ましくは2%未満、及び一層さらに好ましくは0であることを意味する。理論によって制限されずに、かかる半固形炭化水素は、本発明の油っぽくない、軽い感触のようなシロキサンエラストマー組成物の感覚的利益を覆い隠す傾向がある。
【0051】
脂肪酸及びアルコール類は10〜30の炭素原子を有する。このカテゴリーの例示となるのは、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸及びエルカ酸並びにアルコール類である。
油性のエステル皮膚軟化剤は1以上の以下の部類から選択されるものであってもよい:
1、植物及び動物の油脂のようなトリグリセリドエステル類。例には、ヒマシ油、ベニバナ油、綿実油、コーン油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、ゴマ油、スクアラン、キクイ油及び大豆油が挙げられる。
2.アセチル化モノグリセリド類のようなアセトグリセリドエステル類。
3.エトキシル化グリセリルモノステアレートのようなエトキシル化グリセリド類。
4.10〜20の炭素原子を有する脂肪酸のアルキルエステル類。脂肪酸のメチルエステル類、イソプロピルエステル類、及びブチルエステル類が本明細書で有用である。例には、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、及び乳酸セチルが挙げられる。
【0052】
5.10〜20の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニルエステル類。その例には、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、及びオレイルオレエートが挙げられる。
6.エトキシル化脂肪族アルコール類の脂肪酸エステル類のようなエーテルエステル類。
7.多価アルコールエステル類。エチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200〜6000)モノ−及びジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロール多脂肪性エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,2−ブチレングリコールモノステアレート、1,2−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは申し分のない多価アルコールエステル類である。
【0053】
8.密蝋、鯨蝋、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリルのようなワックスエステル類。
9.糖及びその関連材料のC1〜C30のモノ−及びポリ−エステル類。これらのエステルは、糖又は多価アルコール部分、及び1以上のカルボン酸部分から誘導される。構成要素の酸及び糖によっては、これらのエステル類は室温で液体または固体形態であり得る。液状エステルの例には:グルコーステトラオレエート、大豆油脂肪酸(不飽和)のグルコーステトラエステル、混合大豆油脂肪酸のマンノーステトラエステル、オレイン酸のガラクトーステトラエステル、リノール酸のアラビノーステトラエステル、キシローステトラリノレート、ガラクトースペンタオレエート、ソルビトールテトラオレエート、不飽和大豆油脂肪酸のソルビトールヘキサエステル、キシリトールペンタオレエート、スクローステトラオレエート、スクロースペンタオレエート、スクロースヘキサオレエート、スクロースヘプタオレエート、スクロースオクタオレエート、及びそれらの混合物が挙げられる。固体状エステルの例には:カルボン酸エステル部分が1:2のモル比でパルミトオレエートとアラキデートであるソルビトールヘキサエステル;カルボン酸エステル部分が1:3のモル比でリノレートとベヘネートであるラフィノースのオクタエステル;エステル化カルボン酸部分が、3:4のモル比でヒマワリの種油脂肪酸とリグノセレートであるマルトースのヘプタエステル;エステル化カルボン酸部分が1:3のモル比でオレエートとベヘネートであるスクロースのオクタエステル;及びエステル化カルボン酸部分が1:3:4のモル比でラウレート、リノレートとベヘネートであるスクロースのオクタエステルが挙げられる。好ましい固形状材料は、エステル化度が7〜8で、脂肪酸部分がC18モノ−及び/又はジ−不飽和及びベヘン酸であり、不飽和:ベヘン酸のモル比が1:7〜3:5のスクロースポリエステルである。特に好ましい固形状糖ポリエステルは、分子中に約7のベヘン脂肪酸部分と約1のオレイン酸部分があるスクロースのオクタエステルである。その他の材料には、スクロースの綿実油または大豆油の脂肪酸エステル類が挙げられる。エステル材料についてはさらに、米国特許第2,831,854号、米国特許第4,005,196号(1977年1月25日発行、ジャンダセック(Jandacek));米国特許第4,005,195号(1977年1月25日発行、ジャンダセック(Jandacek));米国特許第5,306,516号(1994年4月26日発行、レットン(Letton)ら);米国特許第5,306,515号(1994年4月26日発行、レットン(Letton)ら);米国特許第5,305,514号(1994年4月26日発行、レットン(Letton)ら);米国特許第4,797,300号(1989年1月10日発行、ジャンダセック(Jandacek));米国特許第3,963,699号(1976年6月15日発行、リッジ(Rizzi)ら);米国特許第4,518,772号(1985年5月21日発行、ボルペハイン(Volpenhein)ら);及び米国特許第4,517,360号(1985年5月21日発行、ボルペハイン(Volpenhein)ら)に記載されている。
【0054】
〔固化剤〕
本発明の化粧品組成物は、化粧品組成物で使用される特定の液体ベース材料を固化するのに有効な、本明細書では単一で又は総称で「固化剤」といわれる1以上の材料を含有することができる。本明細書で使用されるとき、「固化する」という用語は、周囲環境で固体又は半固体を形成できるように、すなわち、安定な物理的構造を有し、通常の使用条件で皮膚に沈着する最終組成物を形成できるように、液体ベース材料を物理学的及び/又は化学的変性をいう。当業者に認識されているように、化粧品組成物で使用するための特定の固化剤の選択は、所望の組成物の特定の種類、すなわち、ゲル又は蝋ベース物質の所望のレオロジー、使用される液体ベースの材料及び組成物で使用されるべきその他の材料に依存する。固化剤は好ましくは、約0%〜約90%、更に好ましくは約1〜約50%、一層更に好ましくは約5%〜約40%、最も好ましくは約1%〜約15%の濃度で存在する。
【0055】
好適な固化剤には、キャンデリラ、カルナウバ蝋、密蝋、鯨蝋、カルナウバ、ベイスベリー(baysberry)、モンタン、地蝋、セレシン蝋、パラフィンのような蝋状物質、フィッシャー・トロシュ(Fisher−Tropsch)ワックス、シリコーンワックス(例えば、ダウ・コーニングのDC2503)、微結晶ワックスなどのような合成ワックス;高級脂肪酸、すなわち、12〜22の炭素原子を有する酸のナトリウム塩及びカリウム塩のような石鹸;高級脂肪酸アミド類;アルキロルアミン類の高級脂肪酸アミド類;ジベンズアルデヒド−モノソルビトールアセタール類;アセテート、プロピオネート及びラクテートのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩;及びこれらの混合物が挙げられる。イナゴマメゴム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウム、卵アルブミン、ゼラチン寒天、カラゲニンゴム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンゴム、マルメロ種子抽出物、トラガカントゴム、デンプン、化学修飾されたデンプンなどのような高分子材料、セルロースエーテル(例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーゴム、ヒドロキシプロピルグアーゴム、可溶性デンプン、陽イオン性セルロース、陽イオン性グアーなどのような半合成高分子材料、及びカルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールポリアクリル酸ポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリビニルアセテートポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、ポリ塩化ビニリデンポリマーなどもまた有用である。例えば、ベントナイト、又はポリエチレングリコール及びポリエチレングリコールステアレート又はジステアレートの混合物といったケイ酸アルミニウムのような無機増粘剤も用いてもよい。天然ポリマー又は生体ポリマー及びその用途は更に、欧州特許出願第522624号(ダンフィ(Dunphy)ら)に記載されている。天然ポリマー又は生体ポリマーの追加的な例は、コスメティック・ベンチ・リファレンス(Cosmetic Bench Reference)の1.40〜1.42ページに見い出され、参考として本明細書に組み入れる。
【0056】
更に本発明において有用なものは、商品名カルボポール(Carbopol)(登録商標)樹脂としてB.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich Company)より販売されるアクリル酸/エチルアクリレートコポリマー及びカルボキシビニルポリマーのような親水性ゲル化剤である。このような樹脂は実質的に、0.75%〜2.00%のポリアリルスクロース又はポリアリルペンタエリスリトールのような架橋剤でアクリル酸架橋されたコロイド状水溶性ポリアルケニルポリエーテル架橋ポリマーから成る。例としては、カルボポール934、カルボポール940、カルボポール950、カルボポール980、カルボポール951及びカルボポール981が挙げられる。カルボポール934は、各スクロース分子に平均約5.8個のアリル基を有するスクロースのポリアリルエーテル約1%で架橋したアクリル酸の水溶性ポリマーである。また本明細書に用いるのに好適なものは、商品名カルボポールウルトレズ(Ultrez)10、カルボポールETD2020、カルボポール1382、カルボポール1342及びペムレン(Pemulen)TR−1(CTFA表記:アクリル酸/10−30アクリル酸アルキルクロスポリマー)として販売されているカルボマーである。上記ポリマーの組合せも本明細書で有用である。本明細書で使用するのに好適なその他のゲル化剤には、トリヒドロキシステアリンのようなオレオゲルが挙げられる。
【0057】
疎水変性セルロースもまた、本発明への使用に好適である。これらのセルロースは米国特許第4,228,277号及び第5,104,646号にその詳細が記載されており、両特許とも参考としてその全てを本明細書に組み入れる。
好適なゲル化剤又はゲル化剤の追加的な例は、コスメティック・ベンチ・リファレンス(Cosmetic Bench Reference)の1.27ページに見い出すことができ、参考として本明細書に組み入れられる。
【0058】
好適な固化剤のさらなる例は、以下の参考文献に開示されており、そのすべてを参考として本明細書に組み入れる:米国特許第4,151,272号(1979年4月24日発行、ゲアリー(Geary)ら);米国特許第4,229,432号(1980年10月21日発行、ゲリア(Geria));及び米国特許第4,280,994号(1981年7月28日発行、ターニー(Turney);「ワックスの化学と技術」A.H.ワース(Warth)、1960年再版、第2版、レインホールド出版社(Reinhold Publishing Corporation)の391〜393及び421ページ;「石油化学産業」、R.F.ゴールドステイン(Goldstein)及びA.L.ワッディーム(Waddeam)、第3版(1967年)、E&F.N.スパン(Span)社、33〜40ページ;「化粧品の化学と製造」、M.G.デナベル(DeNavarre)、第2版(1970年)、バン・ノストランド社(Van Nostrand & Company)、354〜376ページ;及び「化学技術百科事典」第24巻、カーク・オスマー(Kirk−Othmer)、第3版(1979年)、466〜481ページ;米国特許第4,126,679号(1978年11月21日発行、デビィ(Davy)ら);欧州特許出願出願番号117,070号(1984年8月29日公開、メイ(May));米国特許第2,900,306号(1959年8月18日発行、スレイター(Slater));米国特許第3,255,082号(1966年6月7日発行、バートン(Barton));米国特許第4,137,306号(1979年1月30日発行、ルビノ(Rubino)ら);米国特許第4,154,816号(1979年5月15日発行、ロール(Roehl)ら);米国特許第4,226,889号(1980年10月7日発行、ユハス(Yuhas));米国特許第4,346,079号(1982年8月24日発行、ロール(Roehl));米国特許第4,383,988号(1983年5月17日発行、テング(Teng)ら);欧州特許出願出願番号107,330号(1984年5月2日公開、ルーベ(Luebbe)ら);欧州特許出願出願番号24,365号(1981年3月4日公開、サンプソン(Sampson)ら);及び米国特許出願出願番号630,790号(1984年7月13日出願、ディピートロ(DiPietro))。
【0059】
好ましくは、本発明の組成物は、TA−XT2i材質アナライザ(以下に記載)を用いて測定したとき、約25グラム重量までの、さらに好ましくは約0.5〜約20グラム重量、最も好ましくは約1〜約15重量、最適には約1〜約10グラム重量の硬度値を有する。理論によって制限されないで、25グラム重量より大きいスティック硬度を有する組成物は、ポリシロキサンエラストマーにより提供される被膜構造の形成を妨げる傾向があるので、滑らかさ並びに被膜中での粒子分布の改善された統一性及び均一性を妨げると考えられている。このことは、言い換えれば、架橋ポリシロキサンエラストマー成分の感覚的利益に否定的に影響を及ぼす。
【0060】
〔着色剤〕
本発明の特定の実施形態は、無水顔料において約0重量%〜約30重量%、好ましくは約1重量%〜約20重量%、さらに好ましくは約2重量%〜約15重量%、最も好ましくは約5重量%〜約15重量%の着色剤を含有する。それらは通常、アルミニウム塩、バリウム塩又はカルシウム塩、又はレーキである。好ましくは、染料は約0%〜約3%で存在し、パールなどは0%〜約10%である。
本明細書で有用な着色剤は、化粧品組成物で使用するのに好適な無機及び有機のあらゆる着色剤/顔料である。使用するとき、顔料は、本発明の口紅用組成物に組み入れられる場合、顔料を十分に分散させるために、典型的には皮膚軟化剤に分散されており、このようにして着色剤を均一に分布させる。レーキは、固体希釈剤によってのばされたまたは薄められた顔料、あるいは、通常はアルミニウム水和物である吸収性表面上に水溶性染料を沈着させることによって調製される有機顔料である。可溶性染料がアルミニウム水和物の表面上に沈着して染色された無機顔料を生成するのか、又は単に基材の存在下で沈着するのか、不確実な場合もある。レーキは酸性染料又は塩基性染料からの不溶性の塩の沈着からも形成する。本明細書ではカルシウムレーキ及びバリウムレーキも使用される。
【0061】
本発明における使用に好適なレーキには、赤色3号アルミニウムレーキ、赤色21号アルミニウムレーキ、赤色27号アルミニウムレーキ、赤色28号アルミニウムレーキ、赤色33号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキ、黄色6号アルミニウムレーキ、黄色10号アルミニウムレーキ、橙色5号アルミニウムレーキ及び青色1号アルミニウムレーキ、赤色6号バリウムレーキ、赤色7号カルシウムレーキが挙げられる。
その他の着色剤もまた、染料のようにリップスティックに包含されることができる。好適な例には、赤色6号、赤色21号、茶色、小豆色及び黄褐色の染料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0062】
組成物で用いられる顔料、着色剤、又は充填剤粉末に関しては具体的な制限はない。それぞれは、生体色素、無機白色顔料、無機着色顔料、真珠剤などであってもよい。具体的な例は、タルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、ポリエチレン粉末、メタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、シルク粉末、結晶性セルロース、デンプン、雲母チタン(titanated mica)、酸化鉄雲母チタン(iron oxide titanated mica)、オキシ塩化ビスマスなどである。
【0063】
追加の顔料/粉末充填剤には、ゴム類、白墨、フラー土、カオリン、セリサイト、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、酸化リチウム雲母、バーミキュライト、珪酸アルミニウム、デンプン、スメクタイト粘土、アルキル及び/又はトリアキルアリールアンモニウムスメクタイト類、化学的に改質した珪酸マグネシウムアルミニウム、有機的に改質したモンモリロナイト(質)粘土、水和珪酸アルミニウム、燻製アルミニウムデンプンオクテニルスクシネートバリウムシリケート、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸ストロンチウム、タングステン酸金属、マグネシウム、シリカアルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、石灰化硫酸カルシウム(石灰化石膏)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミック粉末、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、及びステアリン酸アルミニウム)、コロイド状二酸化シリコーン、及び窒化ホウ素のような無機粉末;ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、シクロデキストリン、メチルポリメタクリレート粉末、スチレンとアクリル酸のコポリマー粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ(四フッ化エチレン)粉末、及びカルボキシビニルポリマーのような有機粉末、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルナトリウムセルロースのようなセルロース粉末、エチレングリコールモノステアレート;酸化マグネシウムのような無機白色顔料が挙げられるが、これに限定されない。その他の有用な粉末は、米国特許第5,688,831号(1997年11月18日発行、エル・ノカリー(El-Nokaly)ら)に開示されており、その全ては参考として本明細書に組み入れられる。これら顔料及び粉末は単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0064】
また、本明細書で有用なのは、BASFのナノ着色剤のようなカプセル化顔料及び/又は染料並びにBASFのシコパール(Sicopearls)のような多層干渉顔料である。
顔料/粉末は、表面処理されて色彩の安定性及び配合の容易さを提供することが好ましい。溶媒/油相に容易に分散できるので、疎水性処理した顔料がより好ましい。さらに、シリコーン相と相容性である材料で顔料を処理することが有用なこともある。シリコーン中水型エマルションで使用するのに特に有用な疎水性の顔料処理には、米国特許第5,143,722号に開示されるもののようなポリシロキサン処理が挙げられ、その全体を参考として本明細書に組み入れる。約10nm〜約100,000nm、さらに好ましくは約50nm〜約5,000nm、最も好ましくは約100nm〜約1000nmの1次平均粒径を有する顔料/粉末も好ましい。異なった粒径を有する同一の又は異なった顔料/粉末の混合物も本明細書で有用である(例えば、約100nm〜約400nmの1次の粒径を有するTiOを約10nm〜約50nmの1次の粒径を有するTiOとともに組み入れる)。
本発明の色素及び顔料とともに分散剤も使用してもよい。好適な分散剤の例には、米国特許第5,688,493号に記載されているものが挙げられ、全て参考として本明細書に組み入れられるが、これに限定されない。
【0065】
〔防腐剤〕
本発明の組成物に対する好適な従来の防腐剤は、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル類である。最近になって使用されるようになったその他の防腐剤には、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルヒダントインのようなヒダントイン誘導体、プロピオネート塩、並びに塩化ベンザルコニウム、クアテルニウム15(ダウィシル200)、塩化ベンゼトニウム、及び塩化メチルベンゼトニウムのような種々の第四級アンモニウム化合物が挙げられる。化粧品化学者は適切な防腐剤に精通しており、防腐剤チャレンジテスト(challenge test)に合格し、製品の安定性を提供するために防腐剤を日常的に選択している。特に好ましい防腐剤は、EDTA二ナトリウム、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素(ジャーマル(Germall)1157として市販)、デヒドロ酢酸ナトリウム及びベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の使用及び防腐剤とエマルションにおけるその他の成分との可能性のある不適合性を注意して選択すべきである。防腐剤は好ましくは、組成物の約0重量%〜約5重量%、さらに好ましくは約0.01重量%〜約2.5重量%、及び最も好ましくは約0.01重量%〜約1重量%の範囲の量にて用いられる。
【0066】
〔乳化剤〕
乳化架橋シロキサンエラストマーに加えて、本明細書ではその他の乳化剤又は界面活性剤を用いることができる。このような乳化剤は非イオン性であっても、陰イオン性であっても又は陽イオン性であってもよい。好適な乳状液は、例えば、米国特許3,755,560号(1973年8月28日発行、ディカート(Dickert)ら);米国特許4,421,769号(1983年12月20日発行、ディクソン(Dixon)ら);及びマカッチャンの洗剤および乳化剤(McCutcheon's Detergents and Emulsifiers)、北米出版(North American Edition)、317〜324ページ(1986年)に開示されており、それぞれ参考としてその全体を本明細書に組み入れる。実例となる非イオン性界面活性剤は、C10〜C22の脂肪族アルコール及び酸ベースのアルコキシル化化合物、及びソルビタンである。このような材料は、例えば、商標ネオドールとしてシェルケミカル社(Shell Chemical Company)から入手可能であり、商標プルロニックとしてBASF社から販売されているポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのコポリマーが有用なこともある。ヘンケル社(Henkel Corporation)から入手可能なアルキルポリグリコシド類も本発明の目的のために利用してもよい。陰イオン型乳化剤又は界面活性剤には、脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホネート、モノ−及びジ−アルキル酸ホスフェート及びナトリウム脂肪族アシルイセチオネートが挙げられる。両性乳化剤又は界面活性剤には、ジアルキルアミンオキシド及び様々な種類のベタイン類(例えば、コカミドピオピル(cocamidopiopyl)ベタイン)のような材料が挙げられる。
【0067】
本明細書に用いるのに好ましいのは、シリコーンポリエーテルとしても知られるポリオキシアルキレンコポリマーである。ポリマーは、米国特許第4,268,499号に詳細に記載されており、参考としてその全体を本明細書に組み入れる。
特に好ましいポリオキシアルキレンコポリマーは、ジメチコーンコポリオールとしてCTFA名で知られている。ジメチコーンコポリオールの特に好ましい形態は、DC5225Cとしてダウコーニングにより供給される。
乳化剤全体の濃度は、組成物の0重量%〜約10重量%、好ましくは0.1重量%〜約5重量%及び最も好ましくは約0.1重量%〜約2重量%の配合であることができる。好適な乳化剤の例は、米国特許第5,085,856号(ダンフィ(Dunphy)ら);日本特許公開特開昭第61−83110号公報;欧州特許出願EP−522624号(ダンフィ(Dunphy)ら);米国特許第5,688,831号(エル・ノカリー(El−Nokaly)ら)に見い出すことができ;及び好適な水分の例はコスメティック・ベンチ・リファレンス(Cosmetic Bench Reference)(1996年)の1.22ページ、1.24〜1.26ページに見い出すことができ、全て参考として本明細書に組み入れられる。
【0068】
〔有機日焼け止め剤〕
本発明の組成物は、好ましくは有機日焼け止め剤を含む。好適な日焼け止め剤は、UVA吸収特性、UVB吸収特性、またはこれらの混合を有することができる。
日焼け止め活性物質の正確な量は、組成物の所望の太陽光線保護指数、すなわち「SPF」並びにUVA保護の所望のレベルによって変化する。本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも10、好ましくは少なくとも15のSPFを含む。
【0069】
(SPFは通常、紅斑に対する日焼け止め剤の光防護性の尺度として使用される。SPFは、保護していない皮膚に最小の紅斑を生成するのに必要な紫外線エネルギーに対する、同一人物の保護された皮膚に同一の最小の紅斑を生じるのに必要な紫外線エネルギーの比率として定義される。米国官報(Federal Register)、43、第166号、38206〜38269ページ、1978年8月25日を参照のこと。)本発明の組成物は、好ましくは、約2重量%〜約20重量%、より典型的には約4重量%〜約14重量%の有機日焼け止め剤を含む。好適な日焼け止め剤としては、CTFA国際化粧品成分事典及びハンドブック(the CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第7版、第2巻、1672ページ、ウェニンガー(Wenninger)及びマクエウェン(McEwen)編(化粧品、トイレタリー、及び芳香製品協会(The Cosmetic、 Toiletry、 and Fragrance Association、 Inc.)、ワシントンDC、1997年)に見られるものが挙げられるが、これに限定されない。
【0070】
本発明の組成物は、好ましくは約320nm〜約400nmの波長を有する紫外線を吸収する、UVA吸収日焼け止め活性物質を含む。好適なUVA吸収日焼け止め活性物質は、ジベンゾイルメタン誘導体類、メチルアントラニレート及びホモメチルなどのアントラニレート誘導体、1−N−アセチルアントラニレート、及びこれらの混合物から選択される。ジベンゾイルメタン日焼け止め活性物質の例は、米国特許第4,387,089号(デポロ(Depolo)に発行)に記載され;日焼け止め剤については、「開発、評価、及び調整態様(Development、Evaluation、and Regulatory Aspects)」、N.J.ローベ(Lowe)及びN.A.シャース(Shaath)編、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker、Inc)(1990年)に記載されている。UVA吸収日焼け止め活性物質は、好ましくは単独でまたは本組成物に存在してもよい他のUV防護活性物質と組み合わせて、広域スペクトルのUVA保護作用を提供する量において存在する。
【0071】
好ましいUVA日焼け止め活性物質類は、ジベンゾイルメタン日焼け止め活性物質類及びそれらの誘導体類である。それらには、2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−第3ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4'−ジイソプロピルベンゾイルメタン、4−(1,1−ジメチルエチル)−4'−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−イソプロピル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−第3ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、2,6−ジメチル−4'第3ブチル−4'メトキシジベンゾイルメタン、及びそれらの混合物から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいジベンゾイルメタン日焼け止め活性物質類には、4−(1,1−ジメチルエチル)−4'メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、及びそれらの混合物から選択されるものが挙げられる。より好ましい日焼け止め活性物質は、4−(1,1−ジメチルエチル)−4'−メトキシジベンゾイルメタンである。
【0072】
日焼け止め活性物質4−(1,1−ジメチルエチル)−4'−メトキシジベンゾイルメタンは、ブチルメトキシジベンゾイルメタンまたはアボベンゾンとしても知られるが、ギバウダン・ローア(Givaudan Roure)(インターナショナル)S.A.(スイス、バーセル(Basel))から商品名パーソル(Parsol)(登録商標)1789として、及びメルク社(Merck & Co., Inc)(ニュージャージー州、ホワイトハウス・ステーション(Whitehouse Station))から商品名ユーソレックス(Eusolex)(登録商標)9020として市販されている。日焼け止め剤4−イソプロピルジベンゾイルメタン(isoproplydibenzoylmethane)は、イソプロピルジベンゾイルメタンとしても知られ、メルク(Merck)より商品名ユーソレックス(Eusolex)(登録商標)8020として市販されている。
【0073】
本発明の組成物は、好ましくは約290nm〜約320nmの波長の紫外線を吸収する、UVB日焼け止め活性物質をさらに含む。本組成物は、好ましくは単独でまたは本組成物中に存在してもよい他のUV防護活性物質類と組み合わせて、UVB保護作用を提供する、安全及び有効な量のUVB日焼け止め活性物質を含む。本組成物は、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約16重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約12重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約8重量%のUVB吸収有機日焼け止め剤を含む。
【0074】
多種多様なUVB日焼け止め活性物質類が、本明細書の使用に好適である。かかる有機日焼け止め活性物質類の非限定的な実施例は、米国特許第5,087,372号(1992年2月11日発行、ハフェイ(Haffey)ら);並びに米国特許第5,073,371号及び第5,073,372号(1991年12月17日発行、いずれもターナー(Turner)ら)に記載されている。好ましいUVB日焼け止め活性物質類は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと言う)、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸(PBSA)、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸塩やオクチル−p−メトキシケイ皮酸塩などのその誘導体類、サルチル酸TEA、オクチルジメチルPABA、カンファー誘導体類及びそれらの誘導体類、並びにそれらの混合物から選択される。好ましい有機日焼け止め活性物質類は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンとも言う)、2−フェニル−ベンズイミダゾール5−スルホン酸(PBSA)、オクチル−p−メトキシシンナメート、及びこれらの混合物である。酸性日焼け止め剤の塩類及び酸中和した形態も本明細書において有効である。PBSAなどの有機日焼け止め塩類を本発明の組成物中に使用する時、それらは増粘剤の作用を崩壊し得、結果として最終的な製品が次善のレオロジーを有する可能性がある。これは最終製品のレオロジーを望ましいレベルに戻す、より高レベルの増粘剤類、脂肪族アルコール類、または非イオン性界面活性剤類の添加によって対抗できる。
【0075】
紫外線に曝すことにおけるUVA日焼け止め剤の光分解を防御し、それによってそのUV防護効力を維持するために、UVA日焼け止め剤を安定化するのに、本発明に有用な組成物のいずれかに薬剤を加えてもよい。これらの安定性特性を提供する広範囲の化合物について述べてきたが、UVA日焼け止め剤と本組成物が全体として相補しあうように選択すべきである。好適な安定化剤としては、米国特許第5,972,316号;第5,968,485号;第5,935,556号;第5,827,508号及び国際公開第00/06110号に記載されているものが挙げられるが、これに限定されない。本発明の使用に好ましい安定剤類の例は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンといわれる)、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−3,3−ビス(4−メトキシフェニル)アクリレート、及びそれらの混合物が挙げられる。2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートが最も好ましい。
【0076】
それらの組成物の皮膚直接性を改善するため、特に水で洗い落すこと、またはこすり落とすことへの抵抗性を高めるために、本発明に有用な任意の組成物に薬剤を加えてもよい。このような効果を提供する好ましい薬物は、エチレンとアクリル酸のコポリマーである。このようなコポリマーを含む組成物は、米国特許第4,663,157号(1987年5月5日発行、ブロック(Brock))に開示されている。
【0077】
〔無機日焼け止め剤〕
本発明の組成物は有機日焼け止め剤に加えて、付加的に無機物理的日焼け防止剤を含むことができる。好適な物理的日焼け防止剤の非限定例は、CTFA国際化粧品成分事典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第6版(1995年)、1026〜28及び1103ページ、セイヤ(Sayre)R.M.らの「物理的日焼け止め剤」、化粧品化学協会誌(J.Soc.Cosmet.Chem.)、第41巻2号(1990年)の103〜109ページに記載されている。好ましい無機物理的日焼け防止剤は、酸化亜鉛及び二酸化チタン、並びにこれらの混合物である。
【0078】
使用する場合、上記物理的日焼け止め剤は、本発明の組成物は皮膚につけて透明になる(すなわち、白くない)量、好ましくは約5%以下である。二酸化チタンを使用する時、アナターゼ、ルチル、または非晶性の構造を持つことができる。物理的日焼け止め剤粒子、例えば、二酸化チタン及び酸化亜鉛は、アミノ酸、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどのようなアルミニウム化合物;カルボン酸及びそれらの塩、例えば、ステアリン酸及びその塩;レシチンのようなリン脂質;有機シリコーン化合物;シリカ及びケイ酸塩のような無機シリコーン化合物;及びそれらの混合物を含めるがそれらに限定されない様々な材料により被覆してもしなくてもよい。好ましい二酸化チタンはテイカ(Tayca)社(日本)より市販され、トリ−Kインダストリーズ(Tri-K Industries)(ニュージャージー州エマソン(Emerson))よりMT微イオン化シリーズ(例えば、MT100SAS)として流通している。
本発明の組成物は、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約4重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約2.5重量%の無機日焼け止め剤を含む。
【0079】
〔気泡〕
任意で且つ好ましくは、本発明の組成物は気泡入りである。本明細書で使用するとき、「気泡入り」とは、手で機械的に混合することにより、又は従来の起泡又は泡立て装置技術のいかなるその他の形態を用いて、空気を組み入れることを意味する。好ましくは、本発明の組成物は、少なくとも約1%、好ましくは少なくとも約2%、最適には約3〜約5%の空気を含有する。
【0080】
(その他の任意成分)
種々の追加成分を本発明の組成物に組み入れることができる。このような追加成分の非限定例には、ペプチド(例えば、マトリキシル(Matrixyl)[ペンタペプチド誘導体])、ファルネソール、ビサボロール、フィタントリオール、グリセロール、尿素、グアニジン(例えば、アミノグアニジン)のような追加スキンケア活性物質;アスコルビン酸、ビタミンA(例えば、パルミチン酸レチニル又はプロピオン酸レチニルのようなレチノイド誘導体)、ビタミンE(例えば、酢酸トコフェロール)、ビタミンB(例えば、ナイアシンアミド)及びビタミンB(例えば、パンテノール)など及びこれらの混合物のようなビタミン類及びその誘導体;日焼け止め剤;ニキビ防止薬(レゾルシノール、サリチル酸など;酸化防止剤(例えば、フィトステロール類、リポ酸);フラボノイド類(例えば、イソフラボン類、フィトエストロゲン類);アロエベラ抽出物、アラントインなどの皮膚鎮静剤及び治癒剤;キレート剤及び金属イオン封鎖剤;並びに精油、芳香剤、皮膚感覚剤、乳白剤、芳香族化合物(例えば、丁子油、メンソール、樟脳、ユーカリ油、及びオイゲノール)などのような審美目的に好適な作用剤が挙げられる。好適なカルボン酸コポリマー、乳化剤、皮膚軟化剤、及びその他の追加の成分の非限定例は、米国特許第5,011,681号(1991年4月30日発行、シオッティ(Ciotti)ら)及び米国特許第5,939,082号(1999年8月17日発行(オブロング(Oblong)ら)に開示されており、双方とも参考として本明細書に組み入れられる。上述のビタミンB化合物は、組成物中に結晶化形態のまま、又は部分的に可溶な結晶のまま残る(すなわち、組成物中で結晶の一部が溶解し、一部が結晶のまま残る)、再結晶化した結晶として組み入れることができる。
【0081】
(分析試験方法)
〔粒径の決定〕
およそ30グラムの1:1のイソプロピルアルコール:ジメチコーン(DC245)溶液(IPA:DC245)の入った小型ビンにおよそ1グラムの架橋エラストマー(ゲル)を入れて試料を調製する。1:1のIPA:DC245溶液を0.2μmの注射器フィルタに通して、異質粒子(例えば、ゴミ)を除去する。
次いで、70%に設定したグラス−コルティッシュカルチャーローテータ(Glass-Col Tissue Culture Rotator)を用いておよそ5日間、試料を混合する(エラストマーを分散するために)。
【0082】
次に、細胞断片ホルダ(fraction cell holder)及び磁気攪拌棒を装備したホリバ(Horiba)LA−910を用いて試料を測定した。ブランクについては、30グラムの1:1のIPA:DC245のみを含む、別の試料を調製した。測定前に、調製した試料の一部10mlを小型バイアルに入れ、30分間静置した(大きな塊を分離するために)。測定の間、撹拌を用い、試料採取時間を25秒に設定し、1.06〜0.00iの相対屈折率を用いて容量ベースでデータを記録した。必要に応じて1:1のIPA:DC245で試料をさらに希釈してホリバLA−910で作動する範囲内の濃度を達成する。さらに詳細な説明は、ホリバLA910用の操作マニュアルに見い出すことができ、参考として本明細書に組み入れる。
方法はさらに米国特許第5,998,542号及び米国特許第5,929,162号に記載されており、双方共、参考として本明細書に組み入れる。
【0083】
〔硬度値試験〕
本明細書において使用される「製品の硬度」という用語は、以下の試験条件下で、ロッドを化粧品組成物中で、指定した距離、管理された速度で動かすのに必要な力を反映する。その値が高いほど製品は硬く、その値が低いほど製品は柔らかい。これらの値は、米国ニューヨーク州、スカーズディールのテキスチャ・テクノロジー社(Texture Technology Corp.,)から入手できる、TA−XT2iテキスチャ・アナライザを用いて、27℃、15%の相対湿度において測定される。本明細書で使用するとき、製品の硬度値は、0.254mmの直径を有する長さ16mmのステンレススチールのロッドを0.85mm/秒の速度にて組成物を介して12.2mmの距離を動かすのに要する力の量を表す。適切なアダプタ手段(例えば、ドリル型のつかみ具)によってロッドは装置に取り付けられる。その他の試験パラメータには:0.85mm/sの事前試験速度、1.70mm/sの事後試験速度、0.1mmの誘引距離が挙げられる。さらに詳細な説明は、TA−XT2iのための操作マニュアルに見い出すことができ、参考として本明細書に組み入れる。
【0084】
(関連した方法)
本出願人らは、本発明の組成物は、哺乳類の皮膚の向上を目的とした種々の用途に有用であることを見い出した。本明細書で開示され、主張される組成物のための使用方法には、1)皮膚に対する化粧品の実質性を高める方法;2)皮膚に潤いを与える方法;3)皮膚の自然な外観を改善する方法;4)皮膚に着色化粧品を適用する方法;5)皺を防ぎ、その発生を遅らせ、及び/又はそれを処置する方法;6)皮膚にUV防護を施す方法;7)油性の外観を防ぎ、抑制し、及び/又はそれを調節する方法;8)皮膚の感触及びきめを修正する方法;9)皮膚の色調を均一にする方法;10)クモ状血管及び静脈瘤の外観を防ぎ、抑制し、及び/又は治療する方法;11)皮膚上のうぶ毛の外観を覆い隠す方法;及び12)ニキビ、染み、そばかす、ほくろ、傷跡、目の下のくま、誕生斑、炎症後色素沈着過度などを含む、ヒトの皮膚における欠陥及び不完全さを隠す方法が挙げられるが、これに限定されない。本明細書で議論された方法はそれぞれ主張された組成物の皮膚への局所適用に関係する。
以下の実施例は、本発明の実施形態をさらに完全に説明する。指示がない限り、本明細書及び添付の請求項で示される部分、パーセント及び比率はすべて重量を基にする。
【実施例】
【0085】
(実施例)
以下の実施例における化粧品製品は、本発明の化粧品組成物の具体的な実施形態を説明したものであるが、これらに限定するものではない。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者は他の修正をなし得る。例証した組成物は全て、従来の配合及び混合技術によって調製することができる。成分量は、重量パーセントで記載され、希釈剤、充填材などの微量材料は除外してもよい。したがって、列挙した配合は、列挙した成分及びこのような成分に関連する任意の微量材料を含む。
【0086】
(実施例I)
本発明のリップスティック組成物は、以下のように調製する。
【0087】
【表1】

【0088】
#1154−141−1、GEシリコーン製
ジメチコーン中25%ジメチコーン/コポリオールクロスポリマー
シクロメチコン中5%ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(20ミクロン未満の平均粒径)
顔料を除く会合構造相のための成分を会合構造が形成されるまで混合する。いったん会合構造が形成されたら、顔料を加え、3本ロールミルで粉砕する。次いで混合物を残りの材料と混合し、均一な混合物になるまで混合する。(又は、別の方法として、上記構成成分を加え、同時に共に混合する。)この混合物を85℃に加熱し、次いで室温にて金型に注ぐ。
リップスティックは唇に適用され、着色、保湿し、唇の感触を改善する。
【0089】
(実施例II)
本発明のマスカラは、以下のように調製する。
【0090】
【表2】

【0091】
ヘンケル/エメリーからエメレスト2400として入手可能。
クローダ社からシンクロ蝋状物質(Syncrowax)HGL−Cとして入手可能。
ハーキュレス社からフォラル(Foral)105として入手可能。
ジメチコーン中の25%ジメチコーン/コポリオールクロスポリマー
セントラルソヤ社(Central Soya、Inc.)からセントロレックス(Centrolex)Fとして入手可能。
ジボダン(Givaudan)からアンフィゾル(Amphisol)Kとして入手可能。
シクロメチコン中の12%ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(平均粒径が20ミクロン未満)
【0092】
熱源を備えた容器の中で蝋状物質と脂肪を混合する。蝋状物質及び脂肪を加熱し、従来の混合機を用いて低速にて混合し、混合物を液状化させる。混合物が均一になるまで混合を続ける。均一な混合物に顔料を加える。混合速度を高め、約30〜35分間、均一に分散するまで混合物中で顔料を混合する。乳化剤を加えている間、混合を継続する。
熱源を備えた第2の容器中に水を加え、次いでニコチン酸アミド、レシチン及び任意の他の水分散性成分を加える。約80〜95℃の温度に混合物を加熱し、混合する。必要に応じて追加の水を加え、水分の喪失を補う。
水性混合物と親油性混合物を合わせて、分散機型混合機を用いて混合する。
混合物が約65〜70℃の温度に冷めるまで混合を続ける。混合しながらエラストマーゲル及び防腐剤を加え、混合物をさらに45〜47℃まで冷却する。
混合しながら残りの成分を加える。合わせた混合物を上記の固化点の温度まで冷却し、次いで好適な容器に注ぐ。
マスカラ組成物は、睫毛及び/又は眉に適用し、柔軟性、保湿性及びコンディショニングを提供する。
【0093】
(実施例III)
本発明の保湿ローションは、以下のように調製する。
【0094】
【表3】

【0095】
ジメチコーン中の25%ジメチコーン/コポリオールクロスポリマー
シクロメチコン中の12%ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(平均粒径が20ミクロン未満)
従来の混合技術を用いて、混合しながら、好適なステンレススチール容器の中にシクロメチコン、DC9040、KSG21及びプロピルパラベンを加え、均質になるまで混合する。従来の混合技術を用いて、別の容器でニコチン酸アミドと水を混合し、均質になるまで混合する。次に、ニコチン酸アミド溶液に、グリセリン、エチレン/アクリル酸コポリマー微小球及びメチルパラベンを加え、均質になるまで混合する。次に、ニコチン酸アミド混合物をシクロメチコン混合物と合わせ、従来の混合技術を用いて、均質になるまで混合する。次いで、合わせた混合物を好適な容器に注ぐ。
保湿性化粧用ローションは、顔及び/又は身体に適用し、柔軟性、保湿性及びコンディショニングを提供する。
【0096】
(実施例IV)
本発明のリキッド・ファンデーションは、以下のように調製する。
【0097】
【表4】

【0098】
イソドデカン中25%ラウリルジメチコーン/コポリオールクロスポリマー
シクロメチコン中5%ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(平均粒径が20ミクロン未満)
従来の混合技術を用いて、混合しながら、好適なステンレススチール容器の中に、シクロメチコン、ジメチコンコポリオール、GE SFE839、KSG32、イソノナン酸イソノニル、n−プロピル−4−ヒドロキシ安息香酸、及びエチレンブラシレートを加え、均質になるまで混合する。熱源を備えた別の容器にて、スクロースオレエートエステル及び水を50℃に加熱し、従来の混合技術を用いて均質になるまで混合する。次いでスクロースオレエートエステル混合物を室温に冷却する。いったん冷却したら混合しながら、二酸化チタン、酸化鉄、メメチルパラヒドロキシ安息香酸、グリセリン及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールをスクロースオレエートエステル混合物に加え、均質で顔料スラリーを形成する。次に、スクロースオレエートエステル混合物をシクロメチコン混合物と合わせ、従来の混合技術を用いて均質になるまで混合する。次いで、混ぜ合わせた混合物を好適な容器に注ぐ。
液状ファンデーションは、顔に適用し、柔軟性、保湿性及びコンディショニング性を提供する。
【0099】
(実施例V)
皮膚のきめの外観を改善する、ライン最小化製品は、以下のように調製する。
【0100】
【表5】

【0101】
シクロメチコン中の12%ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(平均粒径が20ミクロン未満)
ジメチコーン中の25%ジメチコーン/コポリオールクロスポリマー
【0102】
好適な容器に、水、グリセリン、ニコチン酸アミド、パンテノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム及びフェノキシエタノールを加える。透明な水相が達成されるまで、従来の技術を用いてそれらを混合する。
熱源を備えた別の容器に、AMSワックス及びパーメチルを加えて、緩やかに混合しながら75℃に加熱する。第3の容器に、緩やかに混合しながらロナスフェア及びシクロメチコン(DC245)を加え、ロナスフェア/DC245のプレミックスを形成する。いったんワックス/パーメチル混合物が完全に融解したら、DC9040及びKSG21エラストマーを加え、均質になるまでこの混合物を混合する。混合物を室温に冷却する間、ヘイドルフ(Heidolph)オーバーヘッド型撹拌器(モデル#RZR50)又は同等物を用いて、低速(約50〜100rpm)にてワックス/パーメチル/エラストマー混合物を混合する。いったんワックス/パーメチル混合物が室温に冷却されたら、ロナスフェア/DC245プレミックス及びプロピルパラベン及び酢酸トコフェロールを加え、ツラックス(Turrax)T25を用いて低速(約8000rpm)にて混ぜ合わせた混合物を均質になるまで挽き、軽く着色した相を形成する。
次に、透明な水相と着色した相を混ぜ合わせ、ツラックス(Turrax)T25を用いて低速(約8000rpm)にて、水が完全に組み入れられ、エマルションが形成されるまで挽く。次いで、得られた組成物を適当な包装に組み入れる。
【0103】
(実施例VI)
本発明のリキッドファンデーションは、以下のように調製する。
【0104】
【表6】

【0105】
シクロメチコン中の12%ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(平均粒径が20ミクロン未満)
ジメチコーン中の25%ジメチコーン/コポリオールクロスポリマー
好適な容器に、水、グリセリン、ニコチン酸アミド、パンテノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム及びフェノキシエタノールを加え、透明な水相が達成されるまで、従来の技術を用いてそれらを混合する。
別の容器に、AMSワックス及びパーメチルを加えて、緩やかに混合しながら75℃に加熱する。第3の容器に、酸化鉄、二酸化チタン及びシクロメチコン(DC245)を加え、高剪断(約20,000単位)を用いて挽き、顔料の塊をなくし、酸化鉄/二酸化チタン/DC245のプレミックスを形成する。
【0106】
いったんワックス/パーメチル混合物が完全に融解したら、DC9040及びKSG21エラストマーをこの混合物に加え、均質になるまで混合する。混合物を室温に冷却する間に、ヘイドルフ(Heidolph)オーバーヘッド型撹拌器(モデル#RZR50)又は同等物を用いて、低速(約50〜100rpm)にて、ワックス/パーメチル/エラストマーの混合物を混合する。いったんワックス/パーメチル/エラストマー混合物が室温に冷却されたら、プロピルパラベン及び酢酸トコフェロール及び酸化鉄/二酸化チタン/DC245プレミックスを加え、ツラックス(Turrax)T25を用いて低速(約8000rpm)にて混ぜ合わせた混合物を均質になるまで挽き、着色した相を形成する。
次に、透明な水相と着色した相を混ぜ合わせ、ツラックス(Turrax)T25を用いて低速(約8000rpm)にて、水が完全に組み入れられ、エマルションが形成されるまで挽く。次いで、適当な包装に組み入れる。
【0107】
(実施例VII)
皮膚のきめの外観を改善するライン最小化製品は、以下のように調製する。
【0108】
【表7】

【0109】
シクロメチコン中の12%ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(20ミクロン未満の平均粒径)
ジメチコーン中の25%ジメチコーン/コポリオールクロスポリマー
【0110】
好適な容器に、水、グリセリン、ニコチン酸アミド、パンテノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム及びフェノキシエタノールを加える。透明な水相が達成されるまで、従来の技術を用いてそれらを混合する。
熱源を備えた別の容器に、AMSワックス及びパーメチルを加えて、緩やかに混合しながら75℃に加熱する。第3の容器に、緩やかに混合しながらEA209及びシクロメチコン(DC245)を加え、EA209/DC245のプレミックスを形成する。いったんワックス/パーメチル混合物が完全に融解したら、DC9040及びKSG21エラストマーを加え、均質になるまでこの混合物を混合する。混合物を室温に冷却する間に、ヘイドルフ(Heidolph)オーバーヘッド型撹拌器(モデル#RZR50)又は同等物を用いて、低速(約50〜100rpm)にて、ワックス/パーメチル/エラストマーの混合物を混合する。いったんワックス/パーメチル/エラストマー混合物が室温に冷却されたら、EA209/DC245プレミックス及びプロピルパラベン及び酢酸トコフェロールを加え、ツラックス(Turrax)T25を用いて低速にて(約8000rpm)にて混ぜ合わせた混合物を均質になるまで挽き、着色した相を形成する。
【0111】
次に、透明な水相と着色した相を混ぜ合わせ、ツラックス(Turrax)T25を用いて低速にて(約8000rpm)にて、水が完全に組み入れられ、エマルションが形成されるまで挽く。次いで、得られた組成物を適当な包装に組み入れる。
【0112】
(実施例VIII〜IX)
柔軟性、保湿性及びコンディショニング性を与え、油性で光沢のある皮膚の外観を効果的に軽減させるために顔に適用するのに好適な、クリームファンデーションを製造する。
【0113】
【表8】

【0114】
好適な容器にて、シクロメチコン及びKSG21を混合し、高い剪断力のもとで混合してポリマーを分散する。水に相容性の材料を一緒に別の容器で混合し、透明になるまで混合する。高い剪断力のもとで混合することにより混合物を乳化する。シリコーンエラストマーゲルを加え、均質になるまで混合する。残りの材料を加え、均質になるまで混合する。
【0115】
(実施例X〜XII)
長時間続く柔軟性・保湿性・コンディショニング効果を与えるために顔に適用するのに好適で、油性で光沢のある皮膚の外観を効果的に軽減させる、クリームファンデーションを製造する。
【0116】
【表9】

【0117】
好適なステンレススチールの容器にて、均質になるまで相Aの成分を混合する。
熱源を備えた別の容器にて、水相の材料を50℃に加熱し、均質になるまで混合する。日焼け止め剤の材料、防腐剤、被膜形成剤及び微粒子をバッチに加え、均質になるまで混合する。固化剤を用いる場合、固化剤を融解するのに必要な温度までシクロペンタシロキサン混合物を加熱し、固化剤を加える。
水相及びシリコーン相の双方を30℃未満に冷却し、高い剪断力のもとで混合してエマルションを形成する。
【0118】
(実施例XIII〜XIV)
本発明の液状ファンデーションを以下のように製造する:
【0119】
【表10】

【0120】
【表11】

【0121】
顔料を含有するものに成分それぞれを混ぜ合わせ、5000rpmにて30分間、又は成分が分散するまで混合する。顔料を含まない相に各成分を混ぜ合わせ、最大1300rpmにて均質になるまで混合する(約10〜15分間)。エマルションが適切に混合されるまで水相をシリコーン相に徐々に加える。いったん混ざったら、混合物を適切な容器に注ぎ、使用するために保管する。
【0122】
(実施例XV〜XIX)
以下のように液状ファンデーションを製造する。
【0123】
【表12】

【0124】
好適なステンレススチールの容器にて、均質になるまで相Aの成分を混合する。
熱源を備えた別の容器にて、水相の材料を50℃に加熱し、均質になるまで混合する。日焼け止め剤の材料、防腐剤、被膜形成剤及び微粒子(相B)をバッチに加え、均質になるまで混合する。固化剤を用いる場合、固化剤を融解するのに必要な温度までシクロペンタシロキサン混合物を加熱し、固化剤を加える。
水相及びシリコーン相の双方を30℃を下回る温度に冷却し、高い剪断力のもとで混合してエマルションを形成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の、
(i)0.1%〜15%の、20ミクロン未満の平均粒径を有する、ポリオキシアルキレン単位がない非乳化架橋シロキサンエラストマー;
(ii)0.1%〜15%の、1つ以上のポリオキシアルキレン単位を有する乳化架橋シロキサンエラストマー;
(iii)10%〜80%の、架橋シロキサンエラストマーを懸濁し、膨潤させて、弾性のあるゲル様網状構造又はマトリックスを提供する溶媒であって、非極性で揮発性の油、比較的極性で不揮発性の油及び非極性で不揮発性の油からなる群から選択される溶媒;
(iv)0%を超え30%以下の多価アルコール;並びに
(v)0%を超え85%以下の水
を含む化粧品組成物。
【請求項2】
前記多価アルコールが、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリン、プロポキシル化グリセリン、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記組成物が、乳化剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記乳化剤が、ポリオキシアルキレンコポリマーである、請求項3に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記組成物が、無機顔料、有機顔料、レーキ、染料、及びトナーから成る群より選択される着色剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記顔料が、タルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、メタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、シルク粉末、結晶性セルロース、デンプン、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、真珠、真珠雲母、干渉顔料、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記組成物が、ファンデーション、マスカラ、コンシーラー、アイライナー、眉墨、アイシャドウ、頬紅、口紅、またはリップスティックの形態である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記組成物が、日焼け止め活性物質、被膜形成剤、光沢調節剤、及びそれらの組み合わせから成る群より選択される活性物質をさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。

【公開番号】特開2006−193531(P2006−193531A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71317(P2006−71317)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【分割の表示】特願2002−508406(P2002−508406)の分割
【原出願日】平成13年7月9日(2001.7.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】