説明

化粧料

【課題】透明感が高く、汗、皮脂によるくすみが無く、塗布時の滑らかな感触に優れ、肌への密着性、化粧持続性が高い化粧料を提供すること。
【解決手段】平均粒子径が10〜20μm、平均アスペクト比が70〜200である高アスペクト比雲母粉体、好ましくは高アスペクト比合成雲母粉体を配合した化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平均粒子径が10〜20μm、平均アスペクト比が70〜200である高アスペクト比雲母粉体、好ましくは高アスペクト比合成雲母粉体を配合することで、透明感が高く、汗、皮脂によるくすみが無く、塗布時の滑らかな感触に優れ、肌への密着性、化粧持続性が高い化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メークアップ化粧料には、滑らかな伸び広がり、付着性、成形性などの目的のため、雲母粉体が汎用されており、天然に産する雲母を粉砕後、粒度を揃えたものや、合成雲母(特許文献1〜3)が使用されている。特に合成雲母は、天然雲母に見られる不純物である酸化鉄に影響される白色度、特に汗、皮脂による色のくすみがないため、透明感のある仕上がりの目的で使用されている。
【0003】
【特許文献1】特許2131864
【特許文献2】特許2132089
【特許文献3】特許3010390
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の雲母粉体は、平均粒子径が1〜20μmの範囲にあり、アスペクト比に関しては、20〜40、大きくても70までのものがほとんどである。また、いくつかの層が重なり合った形状をしており、それらの層が、肌上で塗布される際にへき開し、すべり感を付与するが、厚みがあると、層の重なりが多いため、透明感、塗布時の滑らかな感触、付着性、化粧持続性の面で、満足のいくものは、いまだ得られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明人は鋭意検討した結果、平均粒子径が10〜20μm、平均アスペクト比が70〜200である高アスペクト比雲母粉体は、厚みが100〜140nmと非常に薄く、すでにへき開された構造を保持しているため、透明感に優れ、肌に塗布した瞬間から滑らかな感触を付与することができ、また付着性、化粧持続性にも優れていることを見出した。また高アスペクト比合成雲母粉体を使用することで、汗、皮脂による色のくすみのない、発色、透明性の持続効果にも優れた化粧料を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、平均粒子径が10〜20μm、平均アスペクト比が70〜200である高アスペクト比雲母粉体、好ましくは高アスペクト比合成雲母粉体を配合することで、透明感が高く、汗、皮脂によるくすみが無く、塗布時の滑らかな感触に優れ、肌への密着性、化粧持続性が高い化粧料にある。
【発明の効果】
【0007】
以上説明するように、平均粒子径が10〜20μm、平均アスペクト比が70〜200である高アスペクト比雲母粉体は、厚みが100〜140nmと非常に薄く、すでにへき開された構造を保持しているため、透明感に優れ、肌に塗布した瞬間から滑らかな感触を付与することができ、また付着性、化粧持続性にも優れていることは明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、上記本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧料で用いる高アスペクト比雲母粉体は、好ましくは高アスペクト比合成雲母粉体であり、タルクとケイフッ化アルカリ金属を出発原料とし、インターカレーション法に得られる、または無水ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及びケイフッ化カリウムを混合又は、これらに炭酸カリウムを混合、溶融後、結晶を晶出させ、粉砕、乾燥等によるいずれかの方法で得られる合成雲母であり、平均粒子径が10〜20μm、平均アスペクト比が70〜200の粉体としたものである。また、この高アスペクト比合成雲母粉体を使用することで、汗、皮脂による色のくすみのない、発色、透明性の持続効果にも優れた化粧料を得ることができる。
【0009】
本発明において、平均粒子径とは、電子顕微鏡観察、レーザー回折・散乱を用いた粒度分布測定法により測定される平均粒径を表すものである。
【0010】
本発明において、アスペクト比とは、前記平均粒径を粒子の厚さで除することにより求められるものであり、本発明に用いる雲母粉体の平均アスペクト比は70〜140という、従来の雲母と比較すると、非常に高い値を示し、そのため、透明感に優れ、肌に塗布した瞬間から滑らかな感触を付与することができ、また付着性、化粧持続性にも優れている化粧料を得ることができる。
【0011】
本発明に用いる、平均粒子径が10〜20μm、平均アスペクト比が70〜200である高アスペクト比合成雲母粉体は、通常公知の合成雲母の製造方法により得ることができるが、市販品として、SUBMICA FL[LCW社製]を用いる事ができる。
【0012】
また、本発明の化粧料で用いる高アスペクト比合成雲母粉体は、従来公知の各種の表面処理がされていてもいなくても構わない。撥水化表面処理の例としては、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン処理、シリコーンレジン処理、シリコーンガム処理、アクリルシリコーン処理、フッ素化シリコーン処理などのオルガノシロキサン処理、ステアリン酸亜鉛、アシル化アミノ酸金属塩処理などの金属石鹸処理、シランカップリング剤処理、アルキルシラン処理などのシラン処理、有機チタネート処理、有機アルミネート処理、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩、パーフルオロポリエーテル処理などのフッ素化合物処理、N−ラウロイル−L−リジン処理などのアミノ酸処理、スクワラン処理などの油剤処理又はアクリル酸アルキル処理などのアクリル処理などが挙げられ、これらの1種以上を組み合わせて使用することが可能である。また、親水化表面処理の例としては、寒天処理、デオキシリボ核酸処理、レシチン処理、ポリアクリル酸処理、シリカ処理、アルミナ処理又はジルコニア処理などが挙げられる。
【0013】
本発明の化粧料では上記複合顔料を化粧料の総量に対して、0.1〜99質量%の範囲で配合することが可能である。
【0014】
本発明の化粧料では、通常、化粧料に用いられる油剤、界面活性剤、顔料、防腐剤、香料、保湿剤、紫外線吸収剤、塩類、溶媒、樹脂、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
【0015】
油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、キョウニン油、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル;シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ビフェニルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、アルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン等が挙げられる。また、グリセリン、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン、マルチトール、マルビット液などの多価アルコールも挙げられる。
【0016】
顔料とは、従来公知の顔料が使用でき、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料等があげられ、具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、シリコーンレジンパウダー、シリコーンエラストマー粉体、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、アクリルパウダー、アクリルエラストマー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、微粒子酸化チタン、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化亜鉛等の微粒子粉体、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等から選ばれる粉体が挙げられる。また、タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。これらの粉体は前記同様に各種の表面処理がされていてもいなくても構わない。
【0017】
本発明の化粧料としては、ファンデーション、化粧下地料、白粉、口紅、口紅下地料、コンシーラー、ブラッシャー、アイシャドー、アイシャドー下地料などが好ましいものとして挙げられる。本発明の化粧料の剤型としては、粉末、固型、スティック、多層分離型、固型状乳化型、流し込み、クリーム、乳液などの形態が挙げられるが特に制限はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各実施例、比較例における評価は、女性パネラー10名を用いて、試験品を使用してもらい、使用感をアンケート形式で回答してもらい、評価が悪い場合を0点、評価が良い場合を5点とし、パネラーの平均点数を以って評価結果とした。従って、点数が高い程評価に優れていることを示す。
【実施例】
【0019】
〔実施例1〕
高アスペクト比合成雲母粉体の製造例
平均粒子径が10〜20μm、平均アスペクト比が70〜200であるタルクに対し、ケイフッ化カリウムを全量の20%重量の割合で混合し、磁性ルツボに入れ、電気炉中で800℃で1時間保持した。得られた粉体の平均粒子径は18.4μm(レーザー回折式粒度分布計を用いて測定)、外観は白色であり、走査型電子顕微鏡観察したところ、図1、図2に示すような板状の粒子形状を有していた。
【0020】
〔実施例2、比較例1〜3〕
実施例1で作成した高アスペクト比雲母粉体を用いて、表1の処方と製造方法に従って粉末状アイシャドーを試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0021】
【表1】

【0022】
製造方法
全ての成分をミキサーを用いて良く混合した。得られた混合粉体を容器に充填し、製品を得た。
【0023】
表1の結果より、本発明の実施例2は各評価項目において優れた特性を示していることが判る。これに対して比較例1、2はアスペクト比は実施例に比べかなり低く、また天然に産する粉体のため、全体的に評価が低くなった。また比較例4は合成雲母であるため、汗、皮脂によるくすみの無さは高い評価であったが、アスペクト比が実施例に比べて低いため、透明感、塗布時の滑らかさ、肌への密着性、化粧持続性の面で、低い値を示した。実施例2の粉末状アイシャドーは透明感、塗布時の滑らかさ、肌への密着性、化粧持続性、汗、皮脂によるくすみの無さの全てにおいて優れていた。
【0024】
〔実施例3、比較例4〜6〕
表2の処方と製造方法に従って粉末状ブラッシャーを試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0025】
【表2】

【0026】
製造方法
全ての成分をミキサーを用いて良く混合した。得られた混合粉体を容器に充填し、製品を得た。
【0027】
表2の結果より、本発明の実施例3は各評価項目において優れた特性を示していることが判る。これに対して比較例1、2はアスペクト比は実施例に比べかなり低く、また天然に産する粉体のため、全体的に評価が低くなった。また比較例4は合成雲母であるため、汗、皮脂によるくすみの無さは高い評価であったが、アスペクト比が実施例に比べて低いため、透明感、塗布時の滑らかさ、肌への密着性、化粧持続性の面で、低い値を示した。実施例3の粉末状ブラッシャーは透明感、発色の良さ、塗布時の滑らかさ、化粧持続性、汗、皮脂によるくすみの無さの全てにおいて優れていた。
【0028】
〔実施例4、比較例7〕
表3の処方と製造方法に従ってO/W型アイシャドー下地料を試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0029】
【表3】


【0030】
製造方法
成分A、Cを80℃にて良く混合した。
成分Bを成分Cに攪拌下に添加してよく混合した後、上から成分Aを徐々に添加し、徐冷した後、容器に充填して製品を得た。
【0031】
本発明の実施例4のアイシャドー下地料は、透明感、発色の良さ、塗布時の滑らかさ、化粧持続性、汗、皮脂によるくすみの無さの全てにおいて優れていた。また実施例4と比較例7をそれぞれ油性固形アイシャドーの下地として使用した場合、図3に示すように、実施例4のアイシャドー下地料を使用した方は、アイシャドーのよれがなく、化粧持続性が良好であった。
【0032】
〔実施例5〕
表4の処方と製造方法に従ってパウダーファンデーションを試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0033】
【表4】


【0034】
製造方法
成分Aをミキサーを用いて良く混合しながら、均一に加熱溶解した成分Bを除々に加えてさらに混合した後、粉砕し、メッシュを通した後、金型を用いて金皿に打型して製品を得た。
【0035】
得られたパウダーファンデーションは透明感が高く、塗布時の滑らかな感触に優れ、肌への密着性、化粧持続性、汗、皮脂によるくすみの無さの全てにおいて優れていた。
【0036】
〔実施例6〕
表5の処方と製造方法にてリキッドファンデーションを製造した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0037】
【表5】

【0038】
成分Bをミキサーを用いて良く混合した。一方、成分Aを80℃に加温し、均一になるように良く混合した。ここに成分Bを攪拌下に除々に添加し、50℃まで徐冷した。ついで、成分Cを80℃に加温し、均一に溶解させた後、50℃にまで徐冷した。成分Aに成分Cを攪拌下に加え、さらに良く攪拌し、室温まで冷却した。得られた溶液を容器に充填し、製品を得た。
【0039】
得られたリキッドファンデーションは透明感が高く、塗布時の滑らかな感触に優れ、肌への密着性、化粧持続性、汗、皮脂によるくすみの無さの全てにおいて優れていた。
【0040】
〔実施例7〕
表6の処方と製造方法に従ってW/O型日焼け止め化粧料を試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0041】
【表6】

【0042】
製造方法
成分Aを80℃に加温し、均一になるように良く混合した。ここに成分Bを攪拌下に除々に添加し、50℃まで徐冷した。ついで、成分Cを80℃に加温し、均一に溶解させた後、50℃にまで徐冷した。成分Aに成分Cを攪拌下に加え、さらに良く攪拌し、室温まで冷却した。得られた溶液を容器に充填し、製品を得た。
【0043】
得られたW/O型日焼け止め化粧料は、透明感が高く、塗布時の滑らかな感触に優れ、肌への密着性、化粧持続性、汗、皮脂によるくすみの無さの全てにおいて優れていた。
【0044】
〔実施例8〕
表7の処方と製造方法に従ってO/W型化粧下地料を試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0045】
【表7】

【0046】
製造方法
成分A、Cを80℃にて良く混合した。
成分Bを成分Cに攪拌下に添加してよく混合した後、上から成分Aを徐々に添加し、徐冷した後、容器に充填して製品を得た。
【0047】
この化粧下地料は化粧ののりが良く、透明感が高く、塗布時の滑らかな感触に優れ、肌への密着性、化粧持続性、汗、皮脂によるくすみの無さの全てにおいて優れていた。また、上からファンデーションを使用した際に、経時後のよれがおこりにくく、ファンデーションが明るく見える効果を持っていた。
【0048】
〔実施例9〕
表8の処方と製造方法に従って口紅用下地料を試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0049】
【表8】


【0050】
製造方法
成分Bを60℃に加熱し、良く混合した。ここに成分Cのうち、球状ケイ酸マグネシウム以外の成分を加えて良く分散させた。ここに成分Aを加え、電子レンジを用いて溶解させた後、3本ローラーを用いて良く混合した。ここに、球状ケイ酸マグネシウムを加え、再度電子レンジを用いて加熱溶解させ、金型に流し込み、冷却固化させた。これを口紅容器にセットして製品を得た。
【0051】
この口紅用下地料は透明感が高く、口紅ののりも良く、塗布時の滑らかな感触に優れ、肌への密着性、化粧持続性の全てにおいて優れていた。また、上から口紅を使用した際に、経時後のよれがおこりにくく、口紅の発色に優れる効果を持っていた。唇の縦皺を効果的に隠蔽した。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】 実施例1で製造した複合顔料の走査型電子顕微鏡写真の例
【図2】 実施例1で製造した複合顔料の走査型電子顕微鏡写真の例
【図3】 実施例4、比較例7で調整したアイシャドー下地料を使用した際の、よれ、化粧持続性の効果の違いを示した写真の例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径が10〜20μm、平均アスペクト比が70〜200である高アスペクト比雲母粉体を配合することを特徴とする化粧料。
【請求項2】
高アスペクト比雲母粉体が高アスペクト比合成雲母粉体であることを特徴とする化粧料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−44920(P2008−44920A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249991(P2006−249991)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(391015373)大東化成工業株式会社 (97)
【Fターム(参考)】