説明

化粧料

【課題】耐摩擦性、耐水性及び耐油性に優れ、化粧持続性、特に、よれ防止効果の高い化粧料の提供。
【解決手段】(A)一般式(1)


〔RfはC1〜20のパーフルオロアルキル基、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は置換基を示す。又、m,n,p,q,rは、整数を示す。〕で表されるフッ素変性シリコーン、及び(B)25℃における粘度が1万〜300万mPa・sであるシリコーン油、又はこれを原料としてなる変性シリコーンを含有する化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐摩擦性、耐水性及び耐油性に優れ、化粧持続性、特に、よれ防止効果の高い化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーションを用いる目的は、しみ、ソバカス、毛穴、くま、沈んだ肌色等を隠蔽するためや、鮮やかな発色による美しさの追求のためであると言われている。メイクアップ化粧料を使用しているときには、直後の仕上りが化粧を落とすまで同じ状態で保たれることが重要である。しかしながら、実際には時間の経過と共に不自然な仕上りとなってしまう。このような現象は「化粧くずれ」と呼ばれている。
メイクアップ化粧料、日焼け止め化粧料等において、このような化粧くずれ、すなわち、化粧成分の消失、経時によるテカリ、油浮き、色くすみ、よれなどの現象が生じる原因は、発汗、涙、皮脂の分泌による内的要因と、顔の表情筋の動き、手、又は衣服等との接触による外的要因に大きく分けられる。
【0003】
従来、皮脂による化粧くずれを防止する目的で、撥水性を有し、汗、水による化粧くずれを防止するシリコーン部分を主鎖とし、撥油性を有し、皮脂による化粧くずれを防止するパーフルオロアルキル基部分を有するフッ素変性シリコーンを含有する化粧料が提案されている(特許文献1)。また、衣服などに対する耐摩擦性等を向上させるため、ワックス状のフッ素変性シリコーンを含有する化粧料が提案されている(特許文献2)。
【0004】
パーフルオロアルキル基で変性したワックス状のフッ素変性シリコーンは、液状のフッ素変性シリコーンに比べ、耐皮脂性及び耐摩擦性に優れているものの、皮膚への接着性が不十分であり、また、顔の動きに対して追随しにくく、特に、「よれ」に対しては不十分であった。その他、紫外線吸収剤などの炭化水素系の化粧料原料に対して溶解しにくく、化粧料として製剤化しにくいという問題があった。
【特許文献1】特開平7−330544号公報
【特許文献2】特開平8−295612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、耐水性及び耐皮脂性に優れ、化粧くずれ防止効果、特によれ防止効果の高い化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、特定のフッ素変性シリコーン(1)と、特定のシリコーン油又は変性シリコーンを組み合わせて用いれば、耐水性及び耐皮脂性に優れ、皮脂による化粧くずれを防止するのみならず、物理的強度、皮膚接着性に優れ、よれ防止性能が高い化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)一般式(1)
【0008】
【化1】

【0009】
〔式中、Rfは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を示し、R1、R2、R4、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖の1価炭化水素基又はフェニル基を示し、R3は平均炭素数20を超え50以下の直鎖若しくは分岐鎖の1価炭化水素基を示し、R8は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖の1価炭化水素基、又は平均炭素数20を超え50以下の直鎖若しくは分岐鎖の1価炭化水素基を示し、mは2〜3の整数を、nは1〜6の整数をそれぞれ示し、pは1〜50の数を、qは0〜50の数を、rは0〜50の数をそれぞれ示す。但し、R8が炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖の1価炭化水素基の時、qは1〜50の数である。なお、[ ]内の各シロキサン単位はランダム結合でもブロック結合でもよく、複数個のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びRfは同一でも異なってもよい。〕
で表されるフッ素変性シリコーン、
(B)25℃における粘度が1万〜300万mPa・sであるシリコーン油、又はこれを原料としてなる変性シリコーン
を含有する化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の化粧料は、使用感が良好で、撥水性、撥油性、耐摩擦性、皮膚接着性及び表面非接着性に優れ、高い化粧持続性、よれ防止効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明で用いる成分(A)のフッ素変性シリコーンは、前記一般式(1)で表わされるものである。式中、Rfで示される炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよい。十分な撥油性を得る観点より、Rfの炭素数は4以上が好ましく、6以上がより好ましく、8以上が更に好ましい。また、他の化粧料成分との相溶性より、18以下が好ましく、12以下がより好ましい。
【0012】
パーフルオロアルキル基Rfとシリコーン主鎖との連結部分(以下、連結基と呼ぶ)は、エーテル結合を含有しない−(CH2)m−(CH2)n−の場合には、極性油剤への溶解性が低下することから、−(CH2)m−O−(CH2)n−(式中、m及びnは前記と同じ意味を示す)であるエーテル結合を含有する基であり、特に合成上の便宜より−(CH2)3−O−(CH2)2−が好ましい。
Rf基を有するシロキサン単位の数pは1〜50であり、2〜30が好ましい。
【0013】
また、フッ素変性シリコーン(1)は、平均炭素数20を超え50以下の直鎖又は分岐鎖の1価炭化水素基(以下、長鎖炭化水素基という)を分子中に少なくとも1個有する。長鎖炭化水素基を含有することにより、高い色移り防止能が奏される。長鎖炭化水素基の炭素数は22以上が好ましい。また、他の成分との相溶性の観点より、長鎖炭化水素基の炭素数は30以下が好ましく、28以下がより好ましい。なお、異なる炭素数の長鎖炭化水素基が存在する場合には、その重量平均をもって平均炭素数とする。
【0014】
シリコーン主鎖における長鎖炭化水素基と結合するケイ素原子の位置は、末端(R8が結合するケイ素原子に相当)でもよく、主鎖部分(R3が結合するケイ素原子に相当)でもよい。
長鎖炭化水素基と結合するケイ素原子の数(以下、q’という)は1〜52であり、2〜30が好ましい。また、pとq’の比p/q’は、十分な撥油性を得る観点から1/10以上、また他の成分と良好な相溶性を得る観点から10/1以下が好ましい。
【0015】
フッ素変性シリコーン(1)のR1、R2、R4、R5、R6及びR7としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等の直鎖アルキル基;イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル等の分岐鎖アルキル基が挙げられる。合成上の便宜より、メチル基が好ましい。
また、rは0〜50の整数であり、0〜10が好ましい。
【0016】
フッ素変性シリコーン(1)の重合度は2〜150が好ましく、特に、感触、色移り防止性能の点から5〜100であるのが好ましい。
【0017】
このようなフッ素変性シリコーンは、例えば、次のようにして合成することができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び塩化白金酸を含有するイソプロパノール溶液を約110℃まで加熱した後、式:Rf−(CH2)n−O−(CH2)m-CH=CH2(式中、Rfは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を示し、mは2〜3の整数を、nは1〜6の整数をそれぞれ示す)で表されるパーフルオロアルキル化合物を滴下する。滴下終了後すぐに、平均炭素数20を超え50以下のα−オレフィンを滴下し、数時間加熱攪拌を続ける。更に、式:Rf−(CH2)n−O−(CH2)m-CH=CH2で表されるパーフルオロアルキル化合物を滴下し、滴下終了後すぐに、平均炭素数20を超え50以下のα−オレフィンを加え、約110℃で数時間加熱攪拌を続ける。
【0018】
反応混合物を70℃まで冷却し、0.1%水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で1時間加熱攪拌する。その後、反応混合物を60℃まで冷却し、n−ヘキサン、活性炭を加え、60℃で1時間加熱攪拌した後、活性炭を濾別する。混合溶媒(エタノール/n−ヘキサン(5/1、v/v))を用いて再沈殿させることにより、フッ素変性シリコーンを製造することができる。
【0019】
一般式(1)で表されるフッ素変性シリコーンは、皮膚との親和性が高い長鎖アルキル基を有し、更にパーフルオロアルキル基を有していることから、高い撥油性を得ることができる。
【0020】
成分(A)のフッ素変性シリコーンは、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜60質量%、特に0.5〜40質量%含有するのが、撥油性、よれ防止性能がより向上するので好ましい。
【0021】
成分(B)は、25℃における粘度が1万〜300万mPa・sであるシリコーン油、又はこれを原料としてなる変性シリコーンである。
本発明において、粘度は、特に制限がない限り、東機産業社製のTVB−10粘度計を用い、ローターNo.28、回転数0.5rpmで測定したものを意味する(測定は25℃の恒温槽中で行う)。このシステムでは、640万mPa・sまで測定は可能である(ただし、フルスケールの1%の粘度である6万4千mPa・s以下においてはこの測定条件では測定精度が悪くなるため、温度条件はそのままで前記のローターと回転数の条件に代えて、ローターをNo.27、回転数を2.5rpmで測定する)。
【0022】
シリコーン油の粘度が1万mPa・s未満では、よれを防止する性能としては不十分であり、300万mPa・sを超えると、均一に塗布することが難しく、製剤化しにくい問題がある。シリコーン油は、25℃における粘度が1万〜50万mPa・s以下であるのが好ましく、特に1万〜20万mPa・sであるのが好ましい。
具体的には、このような粘度のシリコーン油又はこれを原料とする変性シリコーンとしては、例えば下記一般式(2)で表されるジメチルポリシロキサン(高重合シリコーン):
【0023】
【化2】

【0024】
(式中、R11及びR12は同一でも異なってもよく、メチル基又は水酸基を示し、sの平均重合度は300〜2000を示す)をはじめ、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシクロシロキサン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、クロロアルキル変性シリコーン、アルキル高級アルコールエステル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
その他、上記のシリコーン油を原料として用いてポリ(N−アシルアルキレンイミン)基、又は糖由来残基で変性したシリコーン等を挙げることができる。
【0025】
これらのシリコーン化合物のうち、特に、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)基、糖由来残基で変性されたシリコーンは、粘調体からゴム弾性体を形成することが可能となり、皮膜性に優れ、且つ皮膚との密着性に優れており、よれ防止性に優れている。特に、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンは、汎用溶媒に分散しやすく、使用感が低下しにくいなどの点から最も好ましい。
【0026】
高重合シリコーンの市販品としては、例えば、信越化学工業社製のKF−96H−1万cs、KF−96H−1.25万cs、KF−96H−3万cs、KF−96H−5万cs、KF−96H−6万cs、KF−96H−10万cs、KF−96H−30万cs、KF−96H−100万cs;東レ・ダウコーニング社製のSH200C Fluid 10,000cs、SH200C Fluid 12,500cs、SH200C Fluid 30,000cs、SH200C Fluid 60,000cs、SH200C Fluid 100,000cs、SH200C Fluid 1000,000cs等が挙げられる。
【0027】
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンとしては、特開平10-95705号公報に記載の合成例1、合成例2、合成例3、合成例4、合成例5、合成例6、合成例7、合成例8、合成例9等を挙げることができる。糖由来残基の変性シリコーンとしては、特開昭63-139106号公報に記載の合成例1、合成例2、合成例3等を挙げることができる。
【0028】
成分(B)のシリコーン油、又は変性シリコーンは、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜60質量%、特に0.5〜40質量%含有するのが、皮膚への密着性、使用感の点において好ましい。
【0029】
また、本発明において、成分(A)と成分(B)の質量割合は、(A)/(B)=1/10〜10/1、特に1/10〜10/2が使用感、よれ防止性能の点から好ましい。
【0030】
本発明の化粧料は、更に、(C)パーフルオロアルキル基を有する液体油を含有することができ、成分(A)のみでは塗布するときに粉っぽくなってしまうため、粉っぽさの低減と耐皮脂性能の点から用いることが好ましい。
かかるパーフルオロアルキルを有する液体油としては、成分(A)以外のもので、25℃で液状のものである。例えば、パーフルオロデカリン、パーフルオロアダマンタン、パーフルオロブチルテトラハイドロフラン、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロペンタン、パーフルオロデカン、パーフルオロドデカン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル基で変性されたシリコーンなどが挙げられる。これらのうち、パーフルオロアルキル基で変性されたシリコーンが好ましい。
【0031】
具体的には、パーフルオロポリエーテルとして、アウジモント社製のFOMBLIN HC/R、FOMBLIN HC−04、FOMBLIN−HC−25、ダイキン工業社社製のデムナムS−20、S−65、S−100、S−200等;パーフルオロアルキル基で変性されたシリコーンとして、特開平7-277914号公報又は特開平7-330544号公報の製造例3(A−1)、製造例4(A−2)、製造例5(A−3)、製造例6(A−4)、 製造例7(A−5)、製造例8(A−6)記載のシリコーン、市販品として信越化学工業社製のX−22−821、X−22−822、FL−100−100CS、FL−100−450CS、FL−100−1000CS、東レ・ダウコーニング社製のFS1265−300CS、FS1265−1000CSなどが挙げられる。
【0032】
成分(C)のパーフルオロアルキル基を有する液体油は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜60重量%、特に0.5〜40重量%含有させるのが、使用感、撥油性の点から好ましい。
【0033】
本発明の化粧料は、更に(D)粉体を含有することができる。
かかる粉体としては、水及び油に実質的に不溶の顔料、紫外線吸収性の物質であれば特に制限されず、例えば、酸化チタン、酸化鉄、群青、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、マイカ、セリサイト、タルク、シリカ、カオリン、水酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料;ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリエチレン粉体等の有機粉体及び有機色素などが挙げられる。これらのなかでも、化粧料がファンデーションである場合には、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、マイカ、セリサイト、タルク、ナイロンパウダーなどが好ましい。
【0034】
これらの粉体は、フッ素化合物処理されているのが好ましい。かかるフッ素化合物処理粉体としては、特に制限されないが、フッ素化合物として、例えば次式
[Rf"Cb2bO]cPO(OM1)3-c
(式中、Rf"は炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示し、直鎖又は分岐状でも、単一鎖長のものでも、混合鎖長のものでもよい。bは1〜12の整数を示し、cは1〜3の数を示す。M1は水素原子、金属、アンモニウム、置換アンモニウム等の水溶性カチオンを示す)
で表されるパーフルオロアルキル基含有リン酸エステル(米国特許第3632744号)、フルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩のモノエステル体及びジエステル体(特開昭62-250074号公報)、パーフルオロアルキル基を有する樹脂(特開昭55-167209号公報)、四弗化エチレン樹脂、パーフルオロアルコール、パーフルオロエポキシ化合物、スルホアミド型フルオロリン酸、パーフルオロ硫酸塩、パーフルオロカルボン酸塩、パーフルオロアルキルシラン(特開平2-218603号公報)、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物(特開平8-133928号)等で処理された粉体を挙げることができる。
【0035】
これらの中でも、前記式中、Rf"が炭素数5〜18のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示し、bが1〜4の整数を示し、cが1〜2の数を示し、M1が水素、金属、アンモニウム、置換アンモニウム等の水溶性カチオンであるパーフルオロアルキル基含有リン酸エステルで処理された粉体が好ましい。
【0036】
前記のような粉体をフッ素化合物で処理するには、通常の方法に従って行えば良く、例えばコアセルベーション法、トッピング法等の湿式処理法や、スプレードライ法、CVD法等の乾式処理法を用いて処理することができる。
フッ素化合物の処理量は、母粉体の質量に対して、1〜10質量%であるのが撥油性の点から好ましい。
【0037】
成分(D)の粉体は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜95質量%、特に0.5〜90質量%含有するのが、撥油性の点から好ましい。
【0038】
本発明の化粧料は、前記成分以外に、通常、化粧料に用いられる成分を含有することができる。具体的には、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーンオイル等の油性成分;アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等の界面活性剤;保湿剤、増粘剤、被膜剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、色素、無機顔料、高分子粉体等の色材、香料などを用いることができる。
【0039】
本発明の化粧料は、通常の方法により製造することができ、毛髪化粧料、皮膚化粧料、メイクアップ化粧料等、種々の用途に用いることができる。特に、ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、口紅、サンスクリーン等のメイクアップ化粧料として好適である。
この場合、化粧料の剤型は特に制限されず、液状、クリーム状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよい。
【実施例】
【0040】
合成例1
温度計、攪拌機、滴下漏斗をつけたフラスコに、下記平均組成式(3)
【0041】
【化3】

【0042】
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン35.2g及び塩化白金酸2%を含有するイソプロパノール溶液0.9gを入れ、110℃まで加熱した後、式C1021−(CH2)2−O−CH2CH=CH2で表されるパーフルオロアルキル化合物(以下、Rf10Eと略記する)211.8gを1時間かけて滴下した。滴下終了後すぐに、平均炭素数24のα−オレフィン(三菱化学社製、商品名:ダイアレン208)105.9gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃で6時間加熱攪拌を続け、Rf10E 19.3g、平均炭素数24のα−オレフィン9.6gを加え、110℃で16時間加熱攪拌を続けた。
反応混合物を70℃まで冷却し、0.1%水酸化ナトリウム水溶液106.2gを加え、70℃で1時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を60℃まで冷却し、n−ヘキサン495.4g、活性炭3.5gを加えて60℃で1時間加熱攪拌した後、活性炭を濾別した。混合溶媒(エタノール/n−ヘキサン(5/1、v/v))を用いて再沈殿させ、未反応のRf10E、平均炭素数24のα−オレフィンを除去し、下記平均組成式(4)で表されるフッ素変性シリコーン267.2gを得た(収率89%)。なお、得られたフッ素変性シリコーンは、白色の固体であった。
【0043】
【化4】

【0044】
合成例2
合成例1と同様なフラスコに、前記平均組成式(3)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン17.6g及び塩化白金酸2%を含有するイソプロパノール溶液0.4gを入れ、110℃まで加熱した後、式C817−(CH2)2−O−CH2CH=CH2で表されるパーフルオロアルキル化合物(以下、Rf8Eという)88.2gを120分かけて滴下した。滴下終了後すぐに、平均炭素数24のα−オレフィン(三菱化学社製、商品名:ダイアレン208)44.1gを60分かけて滴下した。36時間加熱攪拌を続け、Rf8E 30.0g、平均炭素数24のα−オレフィン15.0gを加え、110℃で16時間加熱攪拌を続けた。
反応混合物を70℃まで冷却し、0.1%水酸化ナトリウム水溶液45.1gを加え、70℃で1時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を60℃まで冷却し、n−ヘキサン210.6g、活性炭1.5gを加えて60℃で1時間加熱攪拌した後、活性炭を濾別した。混合溶媒(エタノール/n−ヘキサン(5/1、v/v))を用いて再沈殿させ、未反応のRf8E、平均炭素数24のα−オレフィンを除去し、下記平均組成式(5)で表されるフッ素変性シリコーン123.7gを得た(収率90%)。なお、得られたフッ素変性シリコーンは、白色の固体であった。
【0045】
【化5】

【0046】
合成例3
合成例1と同様なフラスコに、下記平均組成式(6)
【0047】
【化6】

【0048】
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン41.8g及び塩化白金酸2%を含有するイソプロパノール溶液0.9gを入れ、110℃まで加熱した後、Rf10E 206.6gを1.5時間かけて滴下した。滴下終了後すぐに、平均炭素数24のα−オレフィン(三菱化学社製、商品名:ダイアレン208)103.3gを1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃で5時間加熱攪拌を続け、Rf10E 10.4g、平均炭素数24のα−オレフィン5.16gを加え、110℃で16時間加熱攪拌を続けた。
反応混合物を70℃まで冷却し、0.1%水酸化ナトリウム水溶液105.8gを加え、70℃で1時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を60℃まで冷却し、n−ヘキサン493.5g、活性炭3.5gを加えて60℃で1時間加熱攪拌した後、活性炭を濾別した。混合溶媒(エタノール/n−ヘキサン(5/1、v/v))を用いて再沈殿させ、未反応のRf10E、平均炭素数24のα−オレフィンを除去し、下記平均組成式(7)で表されるフッ素変性シリコーン256.8gを得た(収率86%)。なお、得られたフッ素変性シリコーンは、白色の固体であった。
【0049】
【化7】

【0050】
合成例4
合成例1と同様なフラスコに、前記平均組成式(3)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン5.7g及び塩化白金酸2%を含有するイソプロパノール溶液0.1gを入れ、110℃まで加熱した後、Rf10E 22.1gを15分かけて滴下した。滴下終了後すぐに、平均炭素数24のα−オレフィン(三菱化学社製、商品名:ダイアレン208)22.1gを15分かけて滴下した。36時間加熱攪拌を続け、Rf10E 4.02g、平均炭素数24のα−オレフィン4.02gを加え、110℃で16時間加熱攪拌を続けた。
反応混合物を70℃まで冷却し、0.1%水酸化ナトリウム水溶液15.0gを加え、70℃で1時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を60℃まで冷却し、n−ヘキサン70.2g、活性炭0.5gを加えて60℃で1時間加熱攪拌した後、活性炭を濾別した。混合溶媒(エタノール/n−ヘキサン(5/1、v/v))を用いて再沈殿させ、未反応のRf10E、平均炭素数24のα−オレフィンを除去し、下記平均組成式(8)で表されるフッ素変性シリコーン38.5gを得た(収率79%)。なお、得られたフッ素変性シリコーンは、白色の固体であった。
【0051】
【化8】

【0052】
合成例5
合成例1と同様なフラスコに、下記平均組成式(9)
【0053】
【化9】

【0054】
(式中、Ca2a+1は平均炭素数24のアルキル基を示す。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン80.4g及び塩化白金酸2%を含有するイソプロパノール溶液0.5gを入れ、110℃まで加熱した後、Rf10E 233.5gを2時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃で2時間加熱攪拌を続け、Rf10E 23.3gを加え、110℃で3時間加熱攪拌を続けた。反応混合物を70℃まで冷却し、0.1%水酸化ナトリウム水溶液94.3gを加え、70℃で1時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を60℃まで冷却し、n−ヘキサン440.2g、活性炭3.1gを加えて60℃で1時間加熱攪拌した後、活性炭を濾別した。混合溶媒(エタノール/n−ヘキサン(5/1、v/v))を用いて再沈殿させ、未反応のRf10Eを除去し、下記平均組成式(10)で表されるフッ素変性シリコーン263.0gを得た(収率88%)。なお、得られたフッ素変性シリコーンは、白色の固体であった。
【0055】
【化10】

【0056】
合成例6
合成例1と同様なフラスコに、下記平均組成式(11)
【0057】
【化11】

【0058】
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン36.31g及び塩化白金酸2%を含有するイソプロパノール溶液0.9gを入れ、110℃まで加熱した後、Rf10E 210.95gを120分かけて滴下した。滴下終了後すぐに、平均炭素数24のα−オレフィン(三菱化学社製、商品名:ダイアレン208)105.47gを90分かけて滴下した。滴下終了後、24時間加熱攪拌を続け、Rf10E 20.1g、平均炭素数24のα−オレフィン10.1gを加え、110℃で24時間加熱攪拌を続けた。
反応混合物を70℃まで冷却し、0.1%水酸化ナトリウム水溶液106.1gを加え、70℃で1時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を60℃まで冷却し、n−ヘキサン495.1g、活性炭3.5gを加えて60℃で1時間加熱攪拌した後、活性炭を濾別した。混合溶媒(エタノール/n−ヘキサン(5/1、v/v))を用いて再沈殿させ、未反応のRf10E、平均炭素数24のα−オレフィンを除去し、下記平均組成式(12)で表されるフッ素変性シリコーン239.3gを得た(収率80%)。なお、得られたフッ素変性シリコーンは、白色の固体であった。
【0059】
【化12】

【0060】
合成例7
合成例1と同様なフラスコに、前記平均組成式(3)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン5.2g及び塩化白金酸2%を含有するイソプロパノール溶液0.1gを入れ、110℃まで加熱した後、Rf10E 39.4gを15分かけて滴下した。滴下終了後すぐに、平均炭素数24のα−オレフィン(三菱化学社製、商品名:ダイアレン208)9.9gを15分かけて滴下した。5時間加熱攪拌を続け、Rf10E 3.6g、平均炭素数24のα−オレフィン0.9gを加え、110℃で24時間加熱攪拌を続けた。
反応混合物を70℃まで冷却し、0.1%水酸化ナトリウム水溶液16.4gを加え、70℃で1時間加熱攪拌した。その後、反応混合物を60℃まで冷却し、n−ヘキサン76.5g、活性炭0.6gを加えて60℃で1時間加熱攪拌した後、活性炭を濾別した。混合溶媒(エタノール/n−ヘキサン(5/1、v/v))を用いて再沈殿させ、未反応のRf10E、平均炭素数24のα−オレフィンを除去し、下記平均組成式(13)で表されるフッ素変性シリコーン35.9gを得た(収率72%)。なお、得られたフッ素変性シリコーンは、白色の固体であった。
【0061】
【化13】

【0062】
実施例1〜4、比較例1〜2
表1に示す組成の油中水型乳液状ファンデーションを製造し、撥水性、撥油性、使用感、よれにくさ及び化粧持続性とよれを評価した。結果を表1に併せて示す。
なお、以下の実施例において用いたフッ素化合物処理粉体は、パーフルオロアルキルリン酸エステル(〔(CF2m+1CF2mCH2CH2O)1.5PO(OH)1.5〕〔m=6〜18、平均9〕)を用い、粉体全質量中、約5質量%で表面被覆した粉体である。
【0063】
(製造方法)
表1に示す粉体成分(18)〜(22)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕した。油相成分(1)〜(10)を混合し、65〜70℃に加熱溶解して油相成分とした。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。水相成分(15)及び(16)を攪拌して65〜70℃に加熱した後、上記分散液に添加して乳化した。乳化物を25℃まで冷却し、成分(11)〜(14)、(17)を添加した後、ホモミキサーで粘度調整して、油中水型乳液状ファンデーションを得た。
【0064】
(評価方法)
(1)撥水性、撥油性:
各ファンデーションの一定量(0.6mg/cm2)を低密度ポリエチレンシートに塗布し、40℃で4時間乾燥後、精製水(恵美須薬品化工社製)、スクワラン(日光ケミカルズ社製)を滴下し、30秒後の接触角の測定を行った。
【0065】
(2)使用感:
女性専門パネル20名により、各ファンデーションを顔面に塗布してもらい使用感を官能評価した。良好と判断した人数を示した。
【0066】
(3)よれにくさ(モデル実験):
オカモト新和社製の人工皮革セラヌバック♯010を5cm×5cmに切り、図1に示すように、裏側に深さ2mm程度の切れ目を入れた状態にする。この人工皮革の表面に人工皮脂(オレイン酸:スクワラン:オリーブ油=1:1:1)を12mg噴霧する。
その後、各ファンデーションを市販のスポンジを用いて15mg塗布する。ホットプレートを用いて37℃で4時間乾燥した後、図2に示すように、20回の折り曲げ試験を行う。塗布したファンデーションの状態を、以下の基準で評価した。
【0067】
(評価基準)
スコア1:明確なよれを認める。
スコア2:ややよれている。
スコア3:わずかによれている。
スコア4:ほとんどよれていない。
スコア5:よれていない。
【0068】
(4)化粧持続性及びよれ:
女性専門パネル20名により、各ファンデーションを顔面に塗布してもらい、27℃50%の環境下で4時間後、化粧持続性とよれについて官能評価した。化粧持続性とよれにくさが良好と判断した人数で示した。
【0069】
【表1】

【0070】
実施例5(クリーム状ファンデーション)
(組成)
(1)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体
(東レ・ダウコーニング社製、BY22-008M) 3.0(質量%)
(2)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体
(信越化学工業社製、KF-6015) 1.5
(3)ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製、KF-96A-6cs) 10.0
(4)高重合ジメチルポリシロキサン
(信越化学工業社製、KF-96H-1万cs) 1.0
(5)ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製、KF-96A-2cs)
15.0
(6)デカメチルシクロペンタシロキサン
(東レ・ダウコーニング社製、SH245 Fluid) 10.0
(7)フッ素変性シリコーン(信越化学工業社製、X-22-821) 4.0
(8)フッ素変性シリコーン(合成例1) 2.0
(9)防腐剤 適量
(10)グリセリン 5.0
(11)精製水 残量
(12)香料 微量
(13)7質量%フッ素化合物処理微粒子酸化チタン 1.0
(14)5質量%フッ素化合物処理酸化チタン 7.0
(15)5質量%フッ素化合物処理ベンガラ 0.9
(16)5質量%フッ素化合物処理黄酸化鉄 1.5
(17)5質量%フッ素化合物処理セリサイト 3.5
【0071】
(製法)
粉体成分(13)〜(17)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。油相成分(1)〜(8)を混合し、70〜80℃に加熱溶解して油相成分とする。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。水相成分(9)〜(11)を混合し、70〜80℃に加熱した後、油相成分に添加して乳化した。乳化物を25℃まで冷却し、成分(12)を添加した後、ホモミキサーで粘度調整して、クリーム状ファンデーションを得た。
【0072】
実施例6(パウダーファンデーション)
(組成)
(1)5質量%フッ素化合物処理タルク 17.0(質量%)
(2)5質量%フッ素化合物処理セリサイト 15.0
(3)5質量%フッ素化合物処理マイカ 15.0
(4)5質量%フッ素化合物処理ナイロンパウダー 15.0
(5)7質量%フッ素化合物処理微粒子酸化チタン 3.0
(6)5質量%フッ素化合物処理酸化チタン 10.0
(7)5質量%フッ素化合物処理黄酸化鉄 6.5
(8)5質量%フッ素化合物処理ベンガラ 3.5
(9)5質量%フッ素化合物処理黒酸化鉄 0.3
(10)ステアリン酸亜鉛 2.0
(11)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 3.0
(12)フッ素変性シリコーン
(特開平7-330544号公報、製造例6(A-4)) 6.0
(13)フッ素変性シリコーン(合成例2) 2.0
(14)高重合ジメチルポリシロキサン
(東レ・ダウコーニン社製、SH200C Fluid 30,000cs) 1.0
(15)防腐剤 適量
(16)香料 微量
【0073】
(製法)
粉体成分(1)〜(10)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。これをヘンシェルミキサーへ移し、成分(11)〜(16)を60〜70℃で攪拌混合したものを加えて混合し、ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿等の容器中で圧縮成型し、パウダーファンデーションを得た。
【0074】
実施例7(頬紅)
(組成)
(1)5質量%フッ素化合物処理タルク 33.0(質量%)
(2)5質量%フッ素化合物処理マイカ 25.0
(3)5質量%フッ素化合物処理ナイロンパウダー 10.0
(4)5質量%フッ素化合物処理酸化チタン 12.0
(5)5質量%フッ素化合物処理黄酸化鉄 2.5
(6)5質量%フッ素化合物処理ベンガラ 3.0
(7)5質量%フッ素化合物処理黒酸化鉄 0.5
(8)有機顔料(赤色202号) 2.5
(9)フッ素変性シリコーン
(信越化学工業社製、FL-100-1000cs) 5.0
(10)フッ素変性シリコーン(合成例3) 4.0
(11)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン
(特開平10-95705号公報、合成例3) 1.0
(12)エタノール 1.0
(13)防腐剤 適量
(14)香料 微量
【0075】
(製法)
粉体成分(1)〜(8)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。これをヘンシェルミキサーへ移し、成分(8)〜(9)を60〜70℃で攪拌混合したものを加えて混合し、さらに成分(11)〜(14)を加えて混合ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿等の容器中で圧縮成型し、乾燥して頬紅を得た。
【0076】
実施例8(パウダーアイシャドウ)
(組成)
(1)5質量%フッ素化合物処理雲母チタン 10.0(質量%)
(2)5質量%フッ素化合物処理セリサイト 26.0
(3)5質量%フッ素化合物処理マイカ 25.5
(4)5質量%フッ素化合物処理黄酸化鉄 1.0
(5)5質量%フッ素化合物処理ベンガラ 0.75
(6)5質量%フッ素化合物処理黒酸化鉄 0.15
(7)5質量%フッ素化合物処理群青 10.0
(8)5質量%フッ素化合物処理紺青 6.0
(9)フッ素変性シリコーン
(東レ・ダウコーニング社製、FS-1265-300CS) 7.0
(10)フッ素変性シリコーン(合成例4) 7.0
(11)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン
(特開平10-95705号公報、合成例4) 3.0
(12)エタノール 3.0
(13)防腐剤 適量
(14)香料 微量
【0077】
(製法)
粉体成分(1)〜(8)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。これをヘンシェルミキサーへ移し、成分(9)、(10)を60〜70℃で攪拌混合したものを加えて混合し、さらに成分(11)〜(14)を加えて混合し、ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿等の容器中で圧縮成型し、乾燥してパウダーアイシャドウを得た。
【0078】
実施例9(アイライナー)
(組成)
(1)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体
(東レ・ダウコーニング社製、SH3775M) 2.5(重量%)
(2)ベントナイト(クニミネ工業社製、クニピア−G4) 1.0
(3)ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製、KF96L-10cs) 3.0
(4)スクワラン 0.5
(5)フッ素変性シリコーン(信越化学工業社製、X-22-822) 2.0
(6)デカメチルシクロペンタシロキサン
(信越化学工業社製、KF-995) 17.0
(7)フッ素変性シリコーン(合成例5) 5.0
(8)ホホバ油 2.0
(9)ビタミンEアセテート 0.2
(10)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン
(特開平10-95705号公報、合成例5) 4.0
(11)エタノール 4.0
(12)香料 0.1
(13)1,3−ブチレングリコール 6.0
(14)精製水 残量
(15)5質量%フッ素化粧料処理黒酸化鉄 20.0
【0079】
(製法)
油相成分(1)〜(8)を混合し、70〜80℃に加熱溶解して油相成分とする。粉体成分(15)を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。水相成分(13)及び(14)を混合し、70〜80℃に加熱した後、油相成分に添加し乳化した。乳化物を25℃まで冷却した後、成分(9)〜(12)を添加し、ホモミキサーで粘度調整して、アイライナーを得た。
【0080】
実施例10(サンスクリーン乳液)
(組成)
(1)ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体
(信越化学工業社製、KF-6015) 1.0(質量%)
(2)フッ素変性シリコーン(信越化学工業社製、X-22-819) 10.0
(3)フッ素変性シリコーン(合成例6) 3.0
(4)デカメチルシクロペンタポリシロキサン
(東レ・ダウコーニング社製、SH245) 25.0
(5)防腐剤 適量
(6)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシ 2.0
(7)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン
(特開平10-95705号公報、合成例6) 5.0
(8)エタノール 12.0
(9)香料 0.1
(10)プロピレングリコール 1.5
(11)精製水 残量
(12)3質量%フッ素化合物処理タルク 3.5
(13)3質量%フッ素化合物処理ナイロン 0.5
【0081】
(製法)
粉体成分(12)及び(13)を粗混合した後、アトマイザー粉砕機(不二パウダル社製)を用いて混合粉砕する。油性成分(1)〜(6)を混合し、60〜70℃に加熱溶解して油相成分とする。粉砕した粉体成分を加熱した油相成分に添加し、ディスパーで分散した。水相成分(10)及び(11)を攪拌し、60〜70℃に加熱した後、油相成分に徐々に添加して乳化した。乳化組成物を25℃まで冷却し、成分(7)〜(9)を添加して、サンスクリーン乳液を得た。
【0082】
実施例11(口紅)
(組成)
(1)キャンデリラワックス 10.0(質量%)
(2)アルキル変性シリコーン
(東レ・ダウコーニング社製、AMS30Wax) 10.0
(3)アルコキシ変性シリコーン
(東レ・ダウコーニング社製、580Wax) 10.0
(4)フッ素変性シリコーン(合成例7) 10.0
(5)フッ素変性シリコーン
(東レ・ダウコーニング社製、FS1265-1000CS) 20.0
(6)ジメチルポリシロキサン
(東レ・ダウコーニング社製、SH200C Fluid 500CS) 9.9
(7)ジメチルポリシロキサン
(東レ・ダウコーニング社製、SH200C Fluid 350CS) 10.0
(8)アルキル変性シリコーン
(東レ・ダウコーニング社製、SS−3412) 5.0
(9)糖残基変性シリコーン
(特開昭63-139106号公報、合成例2) 5.0
(10)デカメチルシクロペンタシロキサン
(信越化学工業社製、KF-995) 5.0
(11)5質量%フッ素化合物処理酸化チタン 1.0
(12)赤色201号 1.0
(13)赤色202号 2.0
(14)黄色4号Alレーキ 1.0
(15)抗酸化剤 0.1
【0083】
(製法)
成分(1)〜(8)、(11)〜(15)を90℃に加熱して均一に混合したバルクと、成分(9)と(10)を攪拌した溶液をバルクと合わせて攪拌し、成型金型に流し込み、冷却固化して、口紅を得た。
【0084】
実施例5〜11で得られた化粧料は、いずれも撥水性、撥油性、化粧持続性に優れ、よれにくさの点において優れていた。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施例のよれにくさの評価に用いた、人工皮革の切れ目を入れる状態を示す図である。
【図2】実施例のよれにくさの評価において、折り曲げ試験を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B):
(A)一般式(1)
【化1】

〔式中、Rfは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を示し、R1、R2、R4、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖の1価炭化水素基又はフェニル基を示し、R3は平均炭素数20を超え50以下の直鎖若しくは分岐鎖の1価炭化水素基を示し、R8は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖の1価炭化水素基、又は平均炭素数20を超え50以下の直鎖若しくは分岐鎖の1価炭化水素基を示し、mは2〜3の整数を、nは1〜6の整数をそれぞれ示し、pは1〜50の数を、qは0〜50の数を、rは0〜50の数をそれぞれ示す。但し、R8が炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖の1価炭化水素基の時、qは1〜50の数である。なお、[ ]内の各シロキサン単位はランダム結合でもブロック結合でもよく、複数個のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びRfは同一でも異なってもよい。〕
で表されるフッ素変性シリコーン、
(B)25℃における粘度が1万〜300万mPa・sであるシリコーン油、又はこれを原料としてなる変性シリコーン
を含有する化粧料。
【請求項2】
成分(B)が、高重合シリコーン油、又はポリ(N−アシルアルキレンイミン)基若しくは糖由来残基を有する変性シリコーンである請求項1記載の化粧料。
【請求項3】
成分(A)を0.1〜60質量%、成分(B)を0.1〜60質量%含有する請求項1又は2記載の化粧料。
【請求項4】
成分(A)と成分(B)の質量割合が、(A)/(B)=1/10〜10/1である請求項1〜3のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項5】
更に、(C)パーフルオロアルキル基を有する液体油を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項6】
更に、(D)粉体を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項7】
成分(D)が、フッ素化合物処理粉体である請求項6記載の化粧料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−35511(P2009−35511A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201560(P2007−201560)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】