説明

医用情報処理装置及びプログラム

【課題】一又は複数の撮影画像が配置された医用画像から個々の撮影画像を精度良く切り出す。各撮影画像と、撮影画像に含まれる文字との対応付けを行う。
【解決手段】医用情報処理装置では、一又は複数の撮影画像が配置された医用画像の領域分割パターンを示すフォーマット毎に、各撮影画像の文字認識対象領域の位置情報及び切り出し領域の位置情報を対応付けて記憶している。医用画像から文字認識対象領域を抽出し(ステップS1)、文字認識対象領域に対して文字認識を行う(ステップS3)。次に、文字認識結果に基づいて、医用画像のフォーマットを特定し(ステップS4)、特定されたフォーマットに対応する各撮影画像の切り出し領域の位置情報に基づいて、医用画像から各撮影画像を切り出す(ステップS5)。そして、切り出された各撮影画像に各撮影画像の文字認識対象領域から得られた文字情報を付帯させ、出力先へ送信する(ステップS6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一又は複数の撮影画像が配置された医用画像を処理する医用情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療の分野では、X線撮影装置等で撮影された医用画像上に患者を識別するための患者IDや撮影条件を示す文字の画像を重畳して出力し、このような医用画像から文字認識を行うことによって、医用画像に関する情報を取得し、医用画像に付帯させることが行われている。
【0003】
また、CT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)等の撮影装置では、フィルム出力装置等の出力装置に画像を出力する際に、マルチフォーマット形式で出力する場合が多い。マルチフォーマット形式の画像とは、1コマの画像に指定されたフォーマットで複数の画像を拡大/縮小して埋め込んだ画像をいう。
【0004】
1枚のフィルムにハードコピーされた複数の画像を電子保管する場合、それらの画像を1枚ずつ分割して保管する必要があり、フィルム全体に記録された画像から個々の画像を切り出す作業が必要になる。そのため、フィルム画像に含まれる複数の小画像を区切るボーダーを検出することにより、複数の小画像の配置を検出し、それら小画像を個々に切り出す画像処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−342539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、モダリティから出力されるマルチフォーマット画像は、各画像にボーダー部分を付けて表示されることは少ない。また、画像の区切りとなるボーダー部分が存在する場合であっても、その幅は1ピクセル程度しかないため、ピクセル単位で検出を行う必要があり、ボーダーの抽出は難しかった。
【0006】
また、上記従来技術においては、マルチフォーマット画像の各画像に患者IDや撮影条件を示す文字が含まれている場合に、各画像と文字とを対応付けることは考慮されていなかった。
【0007】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、一又は複数の撮影画像が配置された医用画像から個々の撮影画像を精度良く切り出すことを課題とする。また、本発明は、各撮影画像と、撮影画像に含まれる文字との対応付けを行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の医用情報処理装置は、一又は複数の撮影画像が配置された医用画像の領域分割パターンを示すフォーマット毎に、前記各撮影画像の文字認識対象領域の位置情報及び前記各撮影画像の切り出し領域の位置情報を対応付けて記憶するフォーマット記憶手段と、前記各撮影画像の文字認識対象領域に対して文字認識を行う文字認識手段と、前記文字認識の結果に基づいて、前記医用画像のフォーマットを特定するフォーマット特定手段と、前記特定されたフォーマットに対応する各撮影画像の切り出し領域の位置情報に基づいて、前記医用画像から前記各撮影画像を切り出す切り出し手段と、前記切り出された各撮影画像に、その撮影画像の文字認識対象領域において文字認識が行われた文字情報を付帯させる文字情報付帯手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、コンピュータに、一又は複数の撮影画像が配置された医用画像の領域分割パターンを示すフォーマット毎に、前記各撮影画像の文字認識対象領域の位置情報及び前記各撮影画像の切り出し領域の位置情報を対応付けて記憶手段に記憶させるフォーマット記憶機能と、前記各撮影画像の文字認識対象領域に対して文字認識を行う文字認識機能と、前記文字認識の結果に基づいて、前記医用画像のフォーマットを特定するフォーマット特定機能と、前記特定されたフォーマットに対応する各撮影画像の切り出し領域の位置情報に基づいて、前記医用画像から前記各撮影画像を切り出す切り出し機能と、前記切り出された各撮影画像に、その撮影画像の文字認識対象領域において文字認識が行われた文字情報を付帯させる文字情報付帯機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、2に記載の発明によれば、文字認識の結果に基づいて、医用画像のフォーマット、すなわち、医用画像内の各撮影画像の配置を特定するので、医用画像から個々の撮影画像を精度良く切り出すことができる。また、各撮影画像に、その撮影画像から認識された文字情報を付帯させるので、各撮影画像と、撮影画像に含まれる文字との対応付けを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、構成を説明する。
図1に、本発明の実施の形態における医用情報処理装置3を含む医用画像システム1の構成を示す。
図1に示すように、医用画像システム1は、撮影装置2a,2b、医用情報処理装置3、フィルム出力装置4、表示装置5、プリンタ6、サーバ7を備えて構成されている。この医用画像システム1は、撮影装置2a,2bで生成された医用画像をフィルム出力装置4、表示装置5、プリンタ6(これらを総称して出力装置という。)の各出力装置4〜6により出力、又は、サーバ7に保存するものである。なお、医用画像システム1におけるデータ通信は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則った形式で行われる。DICOMとは、医用画像と通信に関する標準規格であり、多くの医療機関で利用されている。
【0012】
以下、各構成装置について説明する。
撮影装置2a,2bは、撮影動作を行うとともに、その撮影により医用画像のデータを生成する。
【0013】
撮影装置2a,2bは、X線撮影装置や超音波/内視鏡撮影装置である。X線撮影装置は、被写体(患者)にX線を照射して撮影を行い、そのX線画像を生成する。X線画像はグレー画像で生成される。ここで、グレー画像とは、白、黒の無彩色又はその中間色からなる画像をいう。
【0014】
超音波/内視鏡撮影装置は、超音波撮影及び内視鏡撮影が可能な撮影装置であり、超音波撮影又は内視鏡撮影による撮影画像を生成する。これら撮影画像はカラー画像で生成される。ここで、カラー画像とは、白、黒の無彩色に加え、赤、緑、青等の有彩色又はそれらの中間色からなる画像をいう。
【0015】
撮影装置2a,2bでは、撮影画像上に文字画像を重ねる画像処理及びマルチフォーマット形式への変換処理が可能である。例えば、撮影装置2a,2bでは、撮影対象の患者の患者IDや患者氏名、画像番号、撮影日、撮影時刻、部位名称、ウィンドウ中心、ウィンドウ幅、その他の撮影条件等に対応する文字画像を生成して撮影画像上の所定の位置に配置し、撮影画像と合成する。文字画像の配置位置は、例えば撮影画像の上部右上等、撮影画像中の被写体領域との重複が少ない位置に予め設定されている。
【0016】
さらに、マルチフォーマット形式に変換する際には、文字画像が合成された撮影画像を拡大/縮小し、指定された領域分割パターン(フォーマット)に従って配置する。マルチフォーマット形式とは、図2(b)、(c)に示すように、1つの出力画像領域を複数に分割し、各分割領域に撮影画像を配置したものである。各撮影画像が連続して配置される方向をX方向及びY方向として、X方向の分割コマ数及びY方向の分割コマ数の組合せ(例えば2×3等)によって、各フォーマットを示すこととする。例えば、2×2のフォーマットが指定された場合には、図2(b)に示すように出力画像領域を4つに等分割し、この分割された領域に4つの撮影画像をそれぞれ配置する。また、5×6のフォーマットが指定された場合には、図2(c)に示すように出力画像領域を30に等分割し、この分割された領域に30の撮影画像をそれぞれ配置する。
【0017】
図2(a)は、シングルフォーマット形式(1つの出力画像領域に1つの撮影画像を配置したもの)の画像である。図2(a)、(b)及び(c)に示すように、撮影装置2a,2bから出力される医用画像に含まれる文字領域Fの位置は、フォーマット毎に異なる。
【0018】
医用情報処理装置3は、撮影装置2a,2bから送信される医用画像から各撮影画像を切り出し、切り出した各撮影画像を各出力装置4〜6、サーバ7に出力する。
【0019】
図3に、医用情報処理装置3の内部構成を示す。
図3に示すように、医用情報処理装置3は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35、画像メモリ36を備えて構成され、各部はバス37により接続されている。
【0020】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等からなる。制御部31は、記憶部35に記憶されている各種制御プログラムを読み出し、これら制御プログラムに従って医用情報処理装置3の各部の動作を集中制御する。
【0021】
操作部32は、キーボードやマウス等を備えて構成され、これらが操作されると、その操作に対応する操作信号を生成して制御部31に出力する。
【0022】
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示ディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従って医用画像の他、操作画面や制御部31の処理結果等の各種表示情報を表示する。
【0023】
通信部34は、通信用のインターフェイスを備え、外部装置と相互に通信を行う。例えば、通信部34は、撮影装置2a,2bから医用画像を受信し、切り出した各撮影画像を出力装置4〜6、サーバ7へ送信する。
【0024】
記憶部35は、上記制御プログラムの他、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ、制御部31の処理結果等の各種情報を記憶する。例えば、記憶部35は、フォーマットテーブル351、辞書テーブル352を記憶している。
【0025】
フォーマットテーブル351には、図4に示すように、X方向の分割コマ数(列の数)及びY方向の分割コマ数(行の数)の組合せ、すなわち、フォーマット毎に、コマ数(医用画像中に配置された撮影画像の数)、各コマの文字認識対象領域(患者ID領域、患者氏名領域、その他の情報領域)の位置情報及び切り出し領域の位置情報が対応付けられて記憶されている。各撮影画像の患者ID領域には、撮影された患者の患者IDの文字画像が合成されている。また、各撮影画像の患者氏名領域には、撮影された患者の氏名の文字画像が合成されている。また、各撮影画像のその他の情報領域には、画像番号、撮影日、撮影時刻、部位名称、撮影条件等の文字画像が合成されている。なお、文字認識対象領域の位置情報及び切り出し領域の位置情報は、医用画像を構成する画素位置を座標で表し、左上座標及び右下座標で定まる矩形領域をその位置として示すものである。
【0026】
ここで、フォーマットテーブル351の登録について説明する。
例えば、図5に示すように、1×1のフォーマットの場合には、コマ数は1である。ユーザは、フォーマットテーブル351に、X方向の分割コマ数1、Y方向の分割コマ数1と対応付けて、撮影画像11aにおける患者ID領域12aの位置情報、患者氏名領域13aの位置情報、その他の情報領域14aの位置情報、撮影画像11aを切り出すための切り出し領域の位置情報を予め登録しておく。
【0027】
また、図6に示すように、2×1のフォーマットの場合には、コマ数は2である。ユーザは、フォーマットテーブル351に、X方向の分割コマ数2、Y方向の分割コマ数1と対応付けて、コマ毎に撮影画像11b,11cにおける患者ID領域12b,12cの位置情報、患者氏名領域13b,13cの位置情報、その他の情報領域14b,14cの位置情報、撮影画像11b,11cを切り出すための切り出し領域の位置情報を予め登録しておく。
【0028】
図7に示す2×2のフォーマットの場合も同様に、ユーザは、フォーマットテーブル351に、X方向の分割コマ数2、Y方向の分割コマ数2と対応付けて、1コマ目の撮影画像11d、2コマ目の撮影画像11e、3コマ目の撮影画像11f、4コマ目の撮影画像11gについて、患者ID領域12d,12e,12f,12gの位置情報、患者氏名領域13d,13e,13f,13gの位置情報、その他の情報領域14d,14e,14f,14gの位置情報、撮影画像11d,11e,11f,11gを切り出すための切り出し領域の位置情報を予め登録しておく。
【0029】
なお、文字認識対象領域の位置情報及び切り出し領域の位置情報は、最初の1コマの位置情報を登録し、その他のコマについては自動計算することとしてもよい。また、図4では、フォーマットテーブル351に、1×1から8×8までのフォーマットについてのデータが予め記憶されている場合を例にして説明したが、領域分割パターンはこれに限定されない。
【0030】
辞書テーブル352は、文字認識のための辞書として準備された様々な文字画像(これを辞書画像という。)が設定されたものである。辞書テーブル352には、図8に示すように、辞書画像及びその辞書画像に対応する文字の情報が記憶されている。辞書画像は、フォーマット毎に用意されている。
【0031】
画像メモリ36は、画像を一時的に記憶するためのメモリである。
【0032】
出力装置4〜6は、医用情報処理装置3から入力された撮影画像の出力動作を行うものであり、フィルム出力装置4はフィルム媒体に、表示装置5は表示ディスプレイに、プリンタ6は紙媒体に出力する。
【0033】
サーバ7は、大容量メモリを備え、このメモリに医用情報処理装置3から送信された撮影画像を保存し、その入出力を管理するものである。
【0034】
次に、動作について説明する。
各撮影装置2a,2bでは患者の撮影が行われると、その撮影画像が生成される。そして、撮影時に技師により入力された患者ID等の入力情報に応じた文字画像が生成され、撮影画像上の所定の位置に配置され、合成される。そして、指示に応じてマルチフォーマット形式に変換された医用画像が医用情報処理装置3に送信される。
【0035】
医用情報処理装置3では、医用画像が入力されると、図9に示す画像切り出し処理が実行される。この画像切り出し処理は、制御部31と記憶部35に記憶されているプログラムとの協働により実現されるソフトウェア処理である。
【0036】
図9に示すように、まず、フォーマットテーブル351に記憶されている各フォーマットに対応する患者ID領域、患者氏名領域、その他の情報領域の位置情報に基づいて、医用画像から文字認識対象領域として、患者ID領域、患者氏名領域、その他の情報領域が抽出される(ステップS1)。
【0037】
次に、抽出された文字認識対象領域の画像が2値化され、2値化画像が生成される(ステップS2)。X線画像では、被写体画像以外の領域(例えば、X線が被写体を介さずに直接検出された素抜け領域等)は低信号値となるため、そのような領域に対して高信号値の文字画像が合成されることが多い。そのため、閾値以上の信号部分は高信号「1」、閾値未満の信号部分には低信号「0」を割り付ける2値化を行うことにより、高信号部分を文字画像として抽出することが可能となる。
【0038】
次に、2値化画像と辞書テーブル352の各フォーマットに対応する辞書画像とのマッチングが行われて文字認識が行われる(ステップS3)。文字認識を行う際に、医用画像に含まれる各撮影画像に共通のデータと、撮影画像毎に異なるデータとで、文字認識の判定方法を変えることとしてもよい。具体的には、患者IDや患者氏名等の患者情報については、各撮影画像で共通のデータとなるため、多数決処理により、患者情報として統一した認識結果とする。一方、画像番号、撮影日、撮影時刻、部位名称、ウィンドウ中心、ウィンドウ幅等の画像関連情報については、撮影画像毎に異なるデータとなるため、画像毎に文字認識結果を決定する。
【0039】
次に、文字認識結果に基づいて、医用画像のフォーマットが特定される(ステップS4)。
図10に、具体的な文字認識結果の例を示す。図10では、各フォーマットの各コマの文字認識対象領域(患者ID領域、患者氏名領域、その他の情報領域)に対して、文字認識により文字が認識された場合には、その文字情報を記載し、文字が認識されなかった場合には、「なし」と記載することにより、文字認識結果を示している。ここでは、1×1から8×8のフォーマット全ての文字認識対象領域に対して、文字認識を行ったものとする。
【0040】
まず、図10に示す文字認識結果によると、1×1のフォーマットでは、文字認識対象領域から文字が認識されなかったため、この画像は、1×1のフォーマットに該当しないことがわかる。
【0041】
2×1のフォーマットでは、1コマ目及び2コマ目の患者ID領域から「12345」という文字が認識され、患者氏名領域から「ヤマダタロウ」という文字が認識され、その他の情報領域から撮影部位として「HEAD(頭部)」という文字が認識されている。したがって、この医用画像は、2×1のフォーマットである可能性を有している。
【0042】
次に、2×2のフォーマットでは、1コマ目及び2コマ目の患者ID領域から「12345」という文字が認識され、患者氏名領域から「ヤマダタロウ」という文字が認識され、その他の情報領域から撮影部位として「HEAD(頭部)」という文字が認識されている。また、3コマ目及び4コマ目の患者ID領域から「12345」という文字が認識され、患者氏名領域から「ヤマダタロウ」という文字が認識され、その他の情報領域から撮影部位として「HAND(手)」という文字が認識されている。したがって、この医用画像は、2×2のフォーマットである可能性を有している。
【0043】
ここで、他のフォーマットについては、文字認識対象領域から文字が認識されなかったものとすると、この医用画像は、2×2のフォーマットであることがわかる。
【0044】
次に、特定されたフォーマットに対応する各撮影画像の切り出し領域の位置情報に基づいて、医用画像から各撮影画像が切り出される(ステップS5)。
【0045】
そして、各撮影画像に対応する文字認識対象領域から得られた文字情報が、各撮影画像の付帯情報として各画像のヘッダ領域に書き込まれる等して付帯され、通信部34を介して各出力装置4〜6、サーバ7等の出力先へ送信される(ステップS6)。
【0046】
図11に、2×2のフォーマットの医用画像から各撮影画像が切り出されて、各撮影画像に対応する患者ID、患者氏名、その他の情報が付帯される例を示す。
【0047】
以上説明したように、医用情報処理装置3によれば、予めフォーマット毎に文字認識対象領域を設定しておき、文字認識の結果に基づいて、医用画像のフォーマット、すなわち、医用画像内の各撮影画像の配置を特定するので、医用画像から個々の撮影画像を精度良く切り出すことができる。
【0048】
また、各撮影画像に、その撮影画像から認識された文字情報を付帯させるので、各撮影画像と、撮影画像に含まれる文字との対応付けを行うことができる。各撮影画像の送信先においてその付帯情報を参照することにより、患者情報や撮影条件等の文字認識結果を活用することができる。
【0049】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る医用情報処理装置の例であり、これに限定されるものではない。医用情報処理装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0050】
例えば、上記実施の形態では、フォーマットの例として出力画像領域を等分割したもののみを示したが、これに限らず、左右非対称の分割領域を有する等、様々な分割パターンのフォーマットにおいても本発明を適用可能である。
【0051】
また、各フォーマットに対して、コマ毎に文字認識対象領域の位置情報を登録すると、登録や文字認識に時間がかかるため、1行目の先頭のコマ、1行目の後尾のコマ、最終行の先頭のコマ、最終行の後尾のコマ等、フォーマットが特定できる文字認識位置のみを登録して、患者IDや患者氏名等の患者情報のみに文字認識処理を行い、切り出された各撮影画像から、その他の情報を文字認識してもよい。
【0052】
また、全てのフォーマットの文字認識対象領域に対して文字認識を行うと認識時間がかかってしまうため、X方向の分割コマ数又はY方向の分割コマ数のいずれかを先に確定することとしてもよい。例えば、1×1,2×1,・・・,8×1の各フォーマットに対応する文字認識対象領域に対して文字認識処理を行い、X方向の分割コマ数を確定する。ここで、3×1のフォーマットに合致する場合には、3×2,3×3,・・・,3×8の各フォーマットに対応する文字認識対象領域に対して文字認識処理を行い、Y方向の分割コマ数を確定する。
【0053】
また、使用頻度の高いフォーマットから順に文字認識を行ってもよい。撮影装置2a,2bから受信した医用画像毎に、全てのフォーマットに対する文字認識処理を行うと認識時間がかかってしまうため、フォーマット確定情報をテーブル化しておき、1ページ目の医用画像でフォーマットが確定したら、優先順位を高くし、次ページは、前ページのフォーマットから文字認識処理を行ってもよい。
また、実際に使用されるフォーマットのみを登録しておいてもよい。
【0054】
また、撮影装置毎に、各フォーマットに対応する文字認識対象領域の位置を登録しておくこととしてもよい。
【0055】
また、上記実施の形態では、フォーマット毎に切り出し領域の位置情報を予め登録しておくこととしたが、送信元の撮影装置2a,2bから画像サイズを取得して、特定されたフォーマットに基づいて、切り出し領域の位置を自動計算してもよい。
【0056】
また、出力先に応じて、画像を切り出して出力するか、マルチフォーマット画像をそのまま出力するかを切り替え可能としてもよい。例えば、出力先がサーバ7の場合には、上記実施の形態で説明したように、各画像を切り出して出力し、出力先がフィルム出力装置4の場合には、文字認識のみ行い、画像を変更せずにマルチフォーマット画像の状態で出力するようにしてもよい。
【0057】
また、送信元の撮影装置2a,2bから1コマずつ画像が送られる場合には、出力先がフィルム出力装置4のときには、複数の画像を1枚に配置して、その複数の画像が配置された画像上に各画像から認識された文字情報を拡大印字して出力し、出力先がサーバ7のときには、コマ毎に文字認識を行い、検査に共通のデータは検査毎に、画像毎のデータは画像毎に付帯情報として送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態における医用情報処理装置3を含む医用画像システム1の構成図である。
【図2】フォーマットの例を示す図である。
【図3】医用情報処理装置3の内部構成図である。
【図4】フォーマットテーブル351の例を示す図である。
【図5】1×1のフォーマットの医用画像の例を示す図である。
【図6】2×1のフォーマットの医用画像の例を示す図である。
【図7】2×2のフォーマットの医用画像の例を示す図である。
【図8】辞書テーブル352の例を示す図である。
【図9】医用情報処理装置3により実行される画像切り出し処理を説明するフローチャートである。
【図10】文字認識結果の例を示す図である。
【図11】2×2のフォーマットの医用画像から各撮影画像が切り出されて、各撮影画像に対応する患者ID、患者氏名、その他の情報が付帯される例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 医用画像システム
2a,2b 撮影装置
3 医用情報処理装置
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 記憶部
351 フォーマットテーブル
352 辞書テーブル
36 画像メモリ
37 バス
4 フィルム出力装置
5 表示装置
6 プリンタ
7 サーバ
11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g 撮影画像
12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g 患者ID領域
13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g 患者氏名領域
14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g その他の情報領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の撮影画像が配置された医用画像の領域分割パターンを示すフォーマット毎に、前記各撮影画像の文字認識対象領域の位置情報及び前記各撮影画像の切り出し領域の位置情報を対応付けて記憶するフォーマット記憶手段と、
前記各撮影画像の文字認識対象領域に対して文字認識を行う文字認識手段と、
前記文字認識の結果に基づいて、前記医用画像のフォーマットを特定するフォーマット特定手段と、
前記特定されたフォーマットに対応する各撮影画像の切り出し領域の位置情報に基づいて、前記医用画像から前記各撮影画像を切り出す切り出し手段と、
前記切り出された各撮影画像に、その撮影画像の文字認識対象領域において文字認識が行われた文字情報を付帯させる文字情報付帯手段と、
を備えたことを特徴とする医用情報処理装置。
【請求項2】
コンピュータに、
一又は複数の撮影画像が配置された医用画像の領域分割パターンを示すフォーマット毎に、前記各撮影画像の文字認識対象領域の位置情報及び前記各撮影画像の切り出し領域の位置情報を対応付けて記憶手段に記憶させるフォーマット記憶機能と、
前記各撮影画像の文字認識対象領域に対して文字認識を行う文字認識機能と、
前記文字認識の結果に基づいて、前記医用画像のフォーマットを特定するフォーマット特定機能と、
前記特定されたフォーマットに対応する各撮影画像の切り出し領域の位置情報に基づいて、前記医用画像から前記各撮影画像を切り出す切り出し機能と、
前記切り出された各撮影画像に、その撮影画像の文字認識対象領域において文字認識が行われた文字情報を付帯させる文字情報付帯機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−282771(P2007−282771A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111822(P2006−111822)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】