説明

医用情報表示装置及びプログラム

【課題】医用画像の診断精度を向上させる。
【解決手段】医用画像上に医用画像から検出された異常陰影候補の検出結果(CAD結果)を付加して表示部に表示する医用情報表示装置において、医用画像に対応するCAD結果を取得し、取得したCAD結果が更新されているか否かを判断し、CAD結果が更新されている場合には、CAD結果が更新されている旨を表示部に表示させる。例えば、読影中又は読影後に、CAD装置からサーバ装置にCAD結果が到着した場合に、ビューア端末においてCAD結果が到着した旨が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用情報表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、医用画像の診断精度を向上させるためには、医用画像に対して二重読影を行うことが有効であると言われている。二重読影とは、患者を撮影した医用画像を第1の医師が読影した後、第2の医師が読影することである。しかし、現在、読影医の数が不足しており、十分な診断を行うことができないのが実情であった。
【0003】
そのような状況の中、コンピュータ技術の発展により、コンピュータによる診断支援機能(CAD:Computer-Aided Diagnosis)が登場した。この機能は、デジタル撮影された医用画像の解析を行い、病変を自動的に認識してディスプレイ上で表示を行い、医師の読影を助ける機能である。乳房画像に対しては、腫瘤や微小石灰化等の病変の可能性がある異常陰影候補領域が検出される。
【0004】
医師は、医用画像上に付加された異常陰影候補の検出結果を参照しながら、読影を行う。異常陰影候補の検出結果には、医用画像上の異常陰影候補に対応する点や領域を示すマーカや、異常陰影候補の説明を表す文字情報等が含まれる。
【0005】
しかし、医用画像から異常陰影候補を検出するCAD処理には、ある程度時間がかかるため、医師が読影を行う時点でCAD結果が存在しない場合がある。CAD結果が得られる前に読影を開始した場合、読影医はCAD結果がないものと判断して通常の読影を行い、CADによる診断支援を受けられないまま読影を終了してしまう。
【0006】
そこで、CAD結果が存在する検査から優先して読影を行い、その読影時間を利用してCAD処理をバックグラウンドで実行する場合がある。例えば、CAD処理が既に終了してCAD結果が存在する医用画像を抽出することで、読影者がCAD処理済の画像を検索する負担を軽減させる診断支援システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−5202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、画像の撮影条件等によって、CAD処理のアルゴリズムが適用できず、正確なCAD結果が生成できないケースが存在するため、それらの画像に対しては、誤診を避けるために予めCAD処理の対象外とする場合がある。上記従来技術では、CAD処理済の画像を抽出することはできるが、CAD処理が行われていない検査に対して、CAD処理が行われる予定があるか否かは判断できないため、CAD結果が遅れている検査を、CAD処理の対象外であると誤解し、通常の検査として読影を終了してしまう可能性があった。また、再撮影を行う等、一つの検査に対して複数のCAD結果が生成される場合があるが、先に得られたCAD結果を参照して読影した後に、別のCAD結果が生成された場合、それを参照しないまま読影を終了するおそれがあった。このように、利用可能なCAD結果が存在するにもかかわらず、CAD結果が参照されない場合には、診断精度が低下するおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、医用画像の診断精度を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、医用画像上に当該医用画像から検出された異常陰影候補の検出結果を付加して表示手段に表示する医用情報表示装置であって、前記医用画像に対応する検出結果を取得し、当該取得した検出結果が更新されているか否かを判断し、前記検出結果が更新されている場合には、前記検出結果が更新されている旨を前記表示手段に表示させる制御手段を備える。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用情報表示装置において、前記制御手段は、前記検出結果が更新された後に、前記医用画像上に前記検出結果が付加されて前記表示手段に表示されたか否かを判断し、前記医用画像上に前記検出結果が付加されて前記表示手段に表示されていない場合には、前記検出結果が参照されていない旨を前記表示手段に表示させる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、医用画像上に当該医用画像から検出された異常陰影候補の検出結果を付加して表示手段に表示するコンピュータを、前記医用画像に対応する検出結果を取得し、当該取得した検出結果が更新されているか否かを判断し、前記検出結果が更新されている場合には、前記検出結果が更新されている旨を前記表示手段に表示させる制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検出結果が更新されている場合には、その旨を表示手段に表示させるので、利用可能な情報をユーザに通知することができ、医用画像の診断精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】医用画像システムのシステム構成図である。
【図2】CAD装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】サーバ装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】DBの構成を示す図である。
【図5】ビューア端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】サーバ装置において実行される医用情報提供処理を示すフローチャートである。
【図7】サーバ装置において実行される医用情報提供処理を示すフローチャートである。
【図8】ビューア端末において実行される医用情報表示処理を示すフローチャートである。
【図9】CAD情報取得処理を示すフローチャートである。
【図10】読影処理を示すフローチャートである。
【図11】読影処理を示すフローチャートである。
【図12】(a)は、検査ID:0003の医用画像について、CAD結果が到着していない状態で、読影が完了している場合のリスト画面の例である。(b)は、CAD結果が到着した旨が表示されたリスト画面の例である。(c)は、リストが更新された後のリスト画面の例である。
【図13】(a)は、検査ID:0001の医用画像について、CAD結果が到着している状態で、読影が完了している場合のリスト画面の例である。(b)は、CAD結果が到着した旨が表示されたリスト画面の例である。(c)は、リストが更新された後のリスト画面の例である。
【図14】(a)は、読影対象の検査IDを選択するためのリスト画面の例である。(b)は、検査ID:0003の医用画像が表示されている場合のリスト画面の例である。(c)は、CAD結果が到着した旨が表示されたリスト画面の例である。(d)は、検査ID:0003の医用画像について、CAD結果を参照して読影を完了した後のリスト画面の例である。(e)は、検査ID:0003の医用画像について、CAD結果を参照せずに読影を完了した後のリスト画面の例である。
【図15】医用画像の表示例である。
【図16】CAD結果が到着した旨が表示された読影画面の例である。
【図17】医用画像上にCAD結果が付加された読影画面の例である。
【図18】CAD結果を参照せずに読影を完了した旨が表示された読影完了画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る医用情報表示装置の一実施形態について説明する。
図1に、医用情報表示装置としてのビューア端末40を含む医用画像システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、医用画像システム100は、モダリティ10、CAD装置20、サーバ装置30及びビューア端末40が、LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。ネットワークNは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格が適用されている。
【0016】
モダリティ10は、患者を撮影して医用画像の画像データのファイル(以下、画像ファイルという。)D1(図2参照)を生成し、この画像ファイルD1をCAD装置20及びサーバ装置30へそれぞれ送信する。画像ファイルD1には、患者ID、患者名、生年月日、性別等の患者情報や、検査ID、検査日、検査時刻等の検査情報等の付帯情報が付帯されている。モダリティ10としては、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等が用いられる。例えば、モダリティ10は、患者の乳房をX線撮影した乳房画像の画像ファイルD1を生成する。
【0017】
CAD装置20は、モダリティ10から医用画像の画像ファイルD1を受信し、医用画像の画像解析を行い、異常陰影候補の検出を行う。そして、CAD装置20は、検出された異常陰影候補の検出結果を示すCAD結果D2(図2参照)を生成する。
【0018】
図2に、CAD装置20の機能的構成を示す。図2に示すように、CAD装置20は、制御部21、操作部22、表示部23、通信部24、ROM(Read Only Memory)25、記憶部26を備えて構成され、各部はバス27により接続されている。
【0019】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、CAD装置20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、ROM25又は記憶部26に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0020】
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部21に出力する。
【0021】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部21から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0022】
通信部24は、モダリティ10、サーバ装置30等の外部機器との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
【0023】
ROM25は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0024】
記憶部26は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。具体的には、記憶部26には、異常陰影の種類に応じた検出アルゴリズムに従って異常陰影候補の検出を行う検出プログラムが記憶されている。また、記憶部26には、画像ファイルD1、CAD結果D2が記憶される。
【0025】
制御部21は、記憶部26に記憶されている検出プログラムとの協働により、医用画像から異常陰影候補を検出し、CAD結果D2を生成する。CAD結果D2には、異常陰影候補の位置を示す位置情報や、異常陰影候補の説明を表す文字情報等が含まれる。各異常陰影候補の位置は、医用画像内において各異常陰影候補の領域(輪郭)を示すものであってもよいし、各異常陰影候補の代表点(例えば重心等)を示すものであってもよい。例えば、CAD装置20は、乳房画像から腫瘤、微小石灰化等の異常陰影候補を検出する。
【0026】
異常陰影候補の検出アルゴリズムとしては、公知のものを適用可能である。乳房画像における腫瘤の検出アルゴリズムとしては、例えば、アイリスフィルタ、ラプラシアンフィルタ等を用いた方法が適用可能である。また、微小石灰化の検出アルゴリズムとしては、例えば、モルフォロジーフィルタ、ラプラシアンフィルタ、3重リングフィルタ等を用いた方法が適用可能である。
【0027】
制御部21は、生成したCAD結果D2を、通信部24を介してサーバ装置30に送信する。
【0028】
サーバ装置30は、PACS(Picture Archiving and Communication System)により構成され、モダリティ10から受信した画像ファイルD1等を保存し、ビューア端末40等の外部機器からの要求に応じて画像ファイルD1等を提供する。
【0029】
図3に、サーバ装置30の機能的構成を示す。図3に示すように、サーバ装置30は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、ROM35、記憶部36を備えて構成され、各部はバス37により接続されている。
【0030】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、サーバ装置30の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部32から入力される操作信号又は通信部34により受信される指示信号に応じて、ROM35又は記憶部36に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0031】
操作部32は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。
【0032】
表示部33は、LCDにより構成され、制御部31から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0033】
通信部34は、モダリティ10、CAD装置20、ビューア端末40等の外部機器との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
【0034】
ROM35は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0035】
記憶部36は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。具体的には、記憶部36には、モダリティ10から受信した画像ファイルD1と、CAD装置20から受信したCAD結果D2と、が対応付けられて記憶される。また、記憶部36には、DB(DataBase)361が記憶されている。
【0036】
図4に、DB361の構成を示す。図4に示すように、DB361は、検査ID毎に、CAD状態D3と、読影状態D4とが対応付けられて格納されている。
【0037】
CAD状態D3とは、その検査IDに対応する画像ファイルD1の医用画像に対するCAD結果D2の到着状態を示す情報である。DB361のCAD状態D3には、「0:未到着」、「1:到着済」、「2:到着済(*)」のいずれかが格納されている。「0:未到着」は、その検査IDに対応するCAD結果D2がCAD装置20から到着しておらず、CAD結果D2がサーバ装置30に存在しない状態を示している。「1:到着済」は、その検査IDに対応するCAD結果D2がCAD装置20から既に到着しており、CAD結果D2がサーバ装置30に存在している状態を示している。「2:到着済(*)」は、その検査IDに対応するCAD結果D2が既に存在している状態で、さらにCAD結果D2がCAD装置20から到着した状態を示している。
【0038】
読影状態D4とは、その検査IDに対応する画像ファイルD1の医用画像に対する読影の進行状態を示す情報である。DB361の読影状態D4には、「0:未読影」、「1:読影中」、「2:読影済」、「3:読影済(CAD無)」のいずれかが格納されている。「0:未読影」は、その検査IDに対応する画像ファイルD1の医用画像に対する読影が行われていない状態を示している。「1:読影中」は、その検査IDに対応する画像ファイルD1の医用画像に対して読影中である状態を示している。「2:読影済」は、その検査IDに対応する画像ファイルD1の医用画像に対する読影が既に行われた状態を示している。「3:読影済(CAD無)」は、その検査IDに対応する画像ファイルD1の医用画像に対する読影が行われた後に到着したCAD結果D2が存在する状態、すなわち、読影後にCAD結果D2が更新された状態を示している。
【0039】
CAD結果D2の更新とは、ある検査IDについて、1回目のCAD結果D2が保存されること、及び、複数のCAD結果D2が生成される場合には2回目以降のCAD結果D2が追加された状態で上書き保存されることの両方を含む。
【0040】
制御部31は、通信部34を介してモダリティ10から画像ファイルD1を取得し、記憶部36に保存する。制御部31は、ビューア端末40から画像ファイルD1の取得要求があった場合に、取得要求があった画像ファイルD1をビューア端末40に送信する。
【0041】
制御部31は、通信部34を介してCAD装置20からCAD結果D2が到着した場合、該当する検査IDについて最初のCAD結果D2の到着であるときには、DB361のCAD状態D3を「0:未到着」から「1:到着済」とするとともに、CAD結果D2を画像ファイルD1と対応付けて記憶部36に保存する。
【0042】
制御部31は、通信部34を介してCAD装置20からCAD結果D2が到着した場合、該当する検査IDについてCAD結果D2が既に存在しているときには、DB361のCAD状態D3を「1:到着済」又は「2:到着済(*)」から「2:到着済(*)」とするとともに、新たに到着した内容を加えてCAD結果D2を記憶部36に上書き保存する。
【0043】
制御部31は、ビューア端末40からCAD状態D3の取得要求があった場合に、DB361から該当するCAD状態D3を読み出し、通信部34を介してビューア端末40にCAD状態D3を通知する。制御部31は、ビューア端末40からCAD結果D2の取得要求があった場合に、記憶部36から該当するCAD結果D2を読み出し、通信部34を介してビューア端末40にCAD結果D2を通知する。
【0044】
制御部31は、ビューア端末40から読影状態D4の取得要求があった場合に、DB361から該当する読影状態D4を読み出し、通信部34を介してビューア端末40に読影状態D4を通知する。
【0045】
制御部31は、ビューア端末40から読影状態D4の変更が通知された場合に、当該通知に基づいて、DB361の該当する読影状態D4を更新する。
【0046】
ビューア端末40は、サーバ装置30から取得した画像ファイルD1に基づいて、医用画像を表示する医用情報表示装置であって、当該医用画像の読影を行うための装置である。ビューア端末40は、一般的なPC(Personal Computer)により構成される。
【0047】
図5に、ビューア端末40の機能的構成を示す。図5に示すように、ビューア端末40は、制御部41、操作部42、表示部43、通信部44、ROM45、記憶部46、メモリ47を備え、各部はバス48により接続されている。
【0048】
制御部41は、CPU、RAM等から構成され、ビューア端末40の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部42から入力される操作信号又は通信部44により受信される指示信号に応じて、ROM45又は記憶部46に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0049】
操作部42は、ユーザによる操作指示を受け付ける機能部である。操作部42は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部41に出力する。
【0050】
表示部43は、LCDにより構成され、制御部41から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0051】
通信部44は、サーバ装置30等の外部機器との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
【0052】
ROM45は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0053】
記憶部46は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。例えば、記憶部46には、読影を行う際に医用画像を表示部43に表示させるための画像ビューアプログラム461が記憶されている。
【0054】
メモリ47は、半導体メモリ等により構成され、処理中のデータを記憶する。具体的には、メモリ47には、サーバ装置30から取得した画像ファイルD1、CAD結果D2、CAD状態D3及び読影状態D4が記憶される。また、メモリ47には、CAD結果到着フラグD5、CAD結果参照フラグD6が記憶される。
【0055】
CAD結果到着フラグD5は、読影対象の検査IDについて、サーバ装置30にCAD結果D2が新たに到着したか否かを示すフラグであり、サーバ装置30においてCAD結果D2が更新されたか否かを示すものである。
【0056】
CAD結果参照フラグD6は、読影対象の検査IDについて、新たに到着したCAD結果D2が参照されたか否かを示すフラグであり、CAD結果D2の更新後に更新後のCAD結果D2が医用画像上に付加されて表示部43に表示されたか否かを示すものである。
【0057】
制御部41は、通信部44を介して、サーバ装置30に対して、記憶部36に記憶されている医用画像の画像ファイルD1の取得要求を送信し、サーバ装置30から医用画像の画像ファイルD1を取得する。
【0058】
制御部41は、通信部44を介して、サーバ装置30に対してCAD状態D3の取得要求を送信し、サーバ装置30からCAD状態D3を取得する。そして、制御部41は、CAD状態D3に基づいて、サーバ装置30にCAD結果D2が存在するか否かを判断し、サーバ装置30にCAD結果D2が存在する場合には、通信部44を介して、サーバ装置30に対してCAD結果D2の取得要求を送信し、サーバ装置30からCAD結果D2を取得する。
【0059】
制御部41は、読影対象の医用画像の画像ファイルD1に対応するCAD結果D2を取得し、取得したCAD結果D2が更新されているか否かを判断する。具体的には、制御部41は、取得したCAD結果D2を、メモリ47に記憶されている前回取得した内容と比較して、CAD結果D2に追加された内容がある場合、又は、これまでCAD結果D2が存在しなかった状態でCAD結果D2を取得した場合には、CAD結果D2が更新されていると判断する。制御部41は、CAD結果D2が更新されていると判断した場合には、CAD結果D2が更新されている旨を表示部43に表示させる。
【0060】
制御部41は、CAD結果D2が更新された後に、医用画像上にCAD結果D2が付加されて表示部43に表示されたか否かを判断する。制御部41は、医用画像上にCAD結果D2が付加されて表示部43に表示されていない場合には、CAD結果D2が参照されていない旨を表示部43に表示させる。
【0061】
次に、動作について説明する。
図6及び図7は、サーバ装置30において実行される医用情報提供処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部31のCPUと、記憶部36に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0062】
まず、図6に示すように、制御部31により、通信部34を介してCAD装置20からCAD結果D2が到着したか否かが判断される(ステップS1)。CAD装置20からCAD結果D2が到着した場合には(ステップS1;YES)、制御部31により、到着したCAD結果D2と同一の検査IDについて、記憶部36にCAD結果D2が既に存在するか否かが判断される(ステップS2)。
【0063】
同一の検査IDについて、記憶部36にCAD結果D2が既に存在する場合には(ステップS2;YES)、制御部31により、この検査IDに対応するDB361のCAD状態D3が「2:到着済(*)」に更新される(ステップS3)。一方、同一の検査IDについて、記憶部36にCAD結果D2がこれまで存在しなかった場合には(ステップS2;NO)、制御部31により、この検査IDに対応するDB361のCAD状態D3が「1:到着済」に更新される(ステップS4)。
【0064】
ステップS3又はステップS4の後、制御部31により、CAD結果D2が記憶部36に保存される(ステップS5)。具体的には、ステップS3の後であれば、制御部31により、CAD結果D2に新たに到着した内容が加えられて記憶部36に上書き保存される。一方、ステップS4の後であれば、制御部31により、到着したCAD結果D2が記憶部36に保存される。
【0065】
ステップS1において、CAD装置20からCAD結果D2が到着しない場合(ステップS1;NO)、又は、ステップS5の後、制御部31により、ビューア端末40からCAD状態D3の取得要求があったか否かが判断される(ステップS6)。ビューア端末40からCAD状態D3の取得要求があった場合には(ステップS6;YES)、制御部31により、DB361から該当するCAD状態D3が読み出され、通信部34を介してビューア端末40にCAD状態D3が通知される(ステップS7)。
【0066】
次に、制御部31により、ビューア端末40からCAD結果D2の取得要求があったか否かが判断される(ステップS8)。ビューア端末40からCAD結果D2の取得要求があった場合には(ステップS8;YES)、制御部31により、記憶部36からCAD結果D2が読み出され、通信部34を介してビューア端末40にCAD結果D2が通知される(ステップS9)。
【0067】
ステップS6において、ビューア端末40からCAD状態D3の取得要求がない場合(ステップS6;NO)、ステップS8において、ビューア端末40からCAD結果D2の取得要求がない場合(ステップS8;NO)、又は、ステップS9の後、図7に移り、制御部31により、ビューア端末40から読影状態D4の取得要求があったか否かが判断される(ステップS10)。ビューア端末40から読影状態D4の取得要求があった場合には(ステップS10;YES)、制御部31により、DB361から該当する読影状態D4が読み出され、通信部34を介してビューア端末40に読影状態D4が通知される(ステップS11)。
【0068】
ステップS10において、ビューア端末40から読影状態D4の取得要求がない場合(ステップS10;NO)、又は、ステップS11の後、制御部31により、ビューア端末40から読影状態D4の変更通知があったか否かが判断される(ステップS12)。ビューア端末40から読影状態D4の変更通知があった場合には(ステップS12;YES)、制御部31により、当該通知に基づいて、DB361の該当する読影状態D4が更新される(ステップS13)。
【0069】
ステップS12において、ビューア端末40から読影状態D4の変更通知がない場合(ステップS12;NO)、又は、ステップS13の後、制御部31により、サーバ機能を終了するか否かが判断される(ステップS14)。サーバ機能を終了しない場合には(ステップS14;NO)、図6のステップS1に戻り、処理が繰り返される。
【0070】
一方、ステップS14において、サーバ機能を終了する場合には(ステップS14;YES)、サーバ装置30における医用情報提供処理が終了する。
【0071】
図8は、ビューア端末40において実行される医用情報表示処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部41のCPUと、記憶部46に記憶されている画像ビューアプログラム461との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0072】
まず、制御部41により、通信部44を介してサーバ装置30から記憶部36に記憶されている画像ファイルD1に関する情報が取得され、読影対象となる医用画像の画像ファイルD1を選択するためのリスト画面が表示部43に表示される(ステップT1)。
【0073】
次に、制御部41により、リストを更新するか否かが判断される(ステップT2)。例えば、制御部41により、ユーザの操作部42からの操作により、表示部43の画面上に表示されたリスト更新ボタンが押下されたか否かが判断される。また、リストの更新は、予め定められた時間間隔毎に定期的に行われることとしてもよい。リストを更新する場合には(ステップT2;YES)、制御部41により、CAD情報取得処理が行われる(ステップT3)。
【0074】
ここで、図9を参照して、CAD情報取得処理について説明する。
まず、制御部41の制御に従って、通信部44により、サーバ装置30に対してCAD状態D3の取得要求が送信される。そして、制御部41により、通信部44を介してサーバ装置30からCAD状態D3が取得される(ステップT21)。取得されたCAD状態D3は、制御部41により、メモリ47に格納される。
【0075】
次に、制御部41により、取得されたCAD状態D3に基づいて、サーバ装置30にCAD結果D2が存在するか否かが判断される(ステップT22)。具体的には、制御部41により、CAD状態D3が「0:未到着」である場合には、サーバ装置30にCAD結果D2が存在しないと判断され、CAD状態D3が「0:未到着」以外である場合には、サーバ装置30にCAD結果D2が存在すると判断される。サーバ装置30にCAD結果D2が存在する場合には(ステップT22;YES)、制御部41の制御に従って、通信部44により、サーバ装置30に対してCAD結果D2の取得要求が送信される(ステップT23)。そして、制御部41により、通信部44を介してサーバ装置30からCAD結果D2が取得される(ステップT23)。取得されたCAD結果D2は、制御部41により、メモリ47に格納される。
【0076】
ステップT22において、サーバ装置30にCAD結果D2が存在しない場合(ステップT22;NO)、又は、ステップT23の後、CAD情報取得処理が終了する。
【0077】
図8に戻り、制御部41の制御に従って、通信部44により、サーバ装置30に対して読影状態D4の取得要求が送信される。そして、制御部41により、通信部44を介してサーバ装置30から読影状態D4が取得される(ステップT4)。取得された読影状態D4は、制御部41により、メモリ47に格納される。
【0078】
次に、制御部41により、CAD結果D2が更新されているか否かが判断される(ステップT5)。具体的には、制御部41により、取得されたCAD結果D2が前回取得された内容と比較され、CAD結果D2に追加された内容がある場合、又は、これまでCAD結果D2が存在しなかった状態でCAD結果D2が取得された場合に、CAD結果D2が更新されたと判断される。CAD結果D2が更新されている場合には(ステップT5;YES)、制御部41により、CAD結果D2が更新された旨が表示部43に表示される(ステップT6)。
【0079】
次に、制御部41により、サーバ装置30から取得した読影状態D4が「2:読影済」であるか否かが判断される(ステップT7)。読影状態D4が「2:読影済」である場合には(ステップT7;YES)、制御部41の制御に従って、通信部44により、サーバ装置30に対して、読影状態D4を「3:読影済(CAD無)」に変更する旨の通知が送信される(ステップT8)。また、制御部41により、メモリ47の読影状態D4が「3:読影済(CAD無)」に変更される。
【0080】
ステップT5において、CAD結果D2が更新されていない場合(ステップT5;NO)、ステップT7において、読影状態D4が「2:読影済」でない場合(ステップT7;NO)、又は、ステップT8の後、制御部41により、メモリ47のCAD状態D3及び読影状態D4に基づいて、表示部43に表示されているリストが更新される(ステップT9)。
【0081】
ステップT2において、リストを更新しない場合(ステップT2;NO)、又は、ステップT9の後、制御部41により、読影を開始するか否かが判断される(ステップT10)。例えば、制御部41により、ユーザの操作部42からの操作により、表示部43の画面上に表示された読影開始ボタンが押下されたか否かが判断される。読影を開始する場合には(ステップT10;YES)、制御部41により、読影処理が行われる(ステップT11)。
【0082】
ここで、図10及び図11を参照して、読影処理について説明する。
図10に示すように、まず、制御部41により、表示部43に表示される画面がリスト画面から、読影対象の医用画像の読影画面に遷移される(ステップT31)。
【0083】
次に、制御部41により、CAD情報を更新するか否かが判断される(ステップT32)。例えば、制御部41により、ユーザの操作部42からの操作により、表示部43の画面上に表示されたCAD情報更新ボタンが押下されたか否かが判断される。また、CAD情報の更新は、予め定められた時間間隔毎に定期的に行われることとしてもよい。CAD情報を更新する場合には(ステップT32;YES)、制御部41により、CAD情報取得処理が行われる(ステップT33)。CAD情報取得処理については、図9を参照して説明したCAD情報取得処理(ステップT21〜ステップT23)と同様であるため、説明を省略する。
【0084】
次に、制御部41により、CAD結果D2が更新されているか否かが判断される(ステップT34)。具体的には、制御部41により、取得されたCAD結果D2が前回取得された内容と比較され、CAD結果D2に追加された内容がある場合、又は、これまでCAD結果D2が存在しなかった状態でCAD結果D2が取得された場合に、CAD結果D2が更新されたと判断される。CAD結果D2が更新されている場合には(ステップT34;YES)、制御部41により、CAD結果D2が更新された旨が表示部43に表示される(ステップT35)。
【0085】
次に、制御部41により、メモリ47のCAD結果到着フラグD5がONに設定され(ステップT36)、CAD結果参照フラグD6がOFFに設定される(ステップT37)。
【0086】
ステップT32において、CAD情報を更新しない場合(ステップT32;NO)、ステップT34において、CAD結果D2が更新されていない場合(ステップT34;NO)、又は、ステップT37の後、制御部41により、メモリ47のCAD状態D3が「0:未到着」であるか否かが判断される(ステップT38)。CAD状態D3が「0:未到着」でない場合には(ステップT38;NO)、制御部41により、CAD結果D2の表示要求があったか否かが判断される(ステップT39)。例えば、制御部41により、ユーザの操作部42からの操作により、表示部43の画面上に表示されたCAD結果表示ボタンが押下されたか否かが判断される。
【0087】
CAD結果D2の表示要求があった場合には(ステップT39;YES)、制御部41により、医用画像上にCAD結果D2が付加されて表示部43に表示され(ステップT40)、メモリ47のCAD結果参照フラグD6がONに設定される(ステップT41)。
【0088】
ステップT38において、CAD状態D3が「0:未到着」である場合(ステップT38;YES)、ステップT39において、CAD結果D2の表示要求がない場合(ステップT39;NO)、又は、ステップT41の後、制御部41により、読影が完了したか否かが判断される(ステップT42)。例えば、制御部41により、ユーザの操作部42からの操作により、表示部43の画面上に表示された読影完了ボタンが押下されたか否かが判断される。読影が完了しない場合には(ステップT42;NO)、ステップT32に戻り、処理が繰り返される。
【0089】
ステップT42において、読影が完了した場合には(ステップT42;YES)、図11に移り、制御部41により、メモリ47のCAD結果参照フラグD6がONであるか否かが判断される(ステップT43)。CAD結果参照フラグD6がONでない場合には(ステップT43;NO)、制御部41により、メモリ47のCAD結果到着フラグD5がONであるか否かが判断される(ステップT44)。CAD結果到着フラグD5がONである場合には(ステップT44;YES)、制御部41の制御に従って、通信部44により、サーバ装置30に対して、読影状態D4を「3:読影済(CAD無)」に変更する旨の通知が送信される(ステップT45)。また、制御部41により、メモリ47の読影状態D4が「3:読影済(CAD無)」に変更される。次に、制御部41により、CAD結果D2を参照せずに読影を完了した旨が表示部43に表示される(ステップT46)。
【0090】
ステップT43において、CAD結果参照フラグD6がONである場合には(ステップT43;YES)、制御部41の制御に従って、通信部44により、サーバ装置30に対して、読影状態D4を「2:読影済」に変更する旨の通知が送信される(ステップT47)。また、制御部41により、メモリ47の読影状態D4が「2:読影済」に変更される。
【0091】
ステップT44において、CAD結果到着フラグD5がONでない場合(ステップT44;NO)、ステップT46又はステップT47の後、制御部41により、表示部43に表示される画面が読影画面からリスト画面に遷移され(ステップT48)、読影処理が終了し、図8のステップT12に移行する。
【0092】
図8のステップT10において、読影を開始しない場合(ステップT10;NO)、又は、ステップT11の後、制御部41により、ビューア機能を終了するか否かが判断される(ステップT12)。ビューア機能を終了しない場合には(ステップT12;NO)、ステップT2に戻り、処理が繰り返される。
【0093】
一方、ステップT12において、ビューア機能を終了する場合には(ステップT12;YES)、ビューア端末40における医用情報表示処理が終了する。
【0094】
[第1の表示例]
次に、図12(a)〜(c)を参照して、ビューア端末40の表示部43における第1の表示例について説明する。第1の表示例は、CAD結果D2が存在しない状態で読影した後に、CAD結果D2が到着した場合の例である。
【0095】
図12(a)は、検査ID:0003の医用画像について、CAD装置20からサーバ装置30にCAD結果D2が到着していない状態で、読影が完了している場合に、表示部43に表示されるリスト画面の例である。検査ID:0003に対して、CAD状態D3が「未到着」、読影状態D4が「読影済」であることが示されている。
【0096】
その後、CAD装置20からサーバ装置30にCAD結果D2が到着すると、サーバ装置30の制御部31は、DB361のCAD状態D3を「0:未到着」から「1:到着済」に更新し(図6のステップS4に相当)、CAD結果D2を記憶部36に保存する(図6のステップS5に相当)。
【0097】
ビューア端末40の制御部41は、リスト更新時に、サーバ装置30からCAD状態D3及びCAD結果D2を取得する(図8のステップT3、図9のCAD情報取得処理に相当)。ここでは、CAD結果D2が更新されているため、制御部41は、CAD結果D2が更新された旨を表示部43に表示させる(図8のステップT6に相当)。
【0098】
図12(b)は、CAD装置20からサーバ装置30にCAD結果D2が到着した旨、すなわち、CAD結果D2が更新された旨が表示されたリスト画面の例である。検査ID:0003のCAD状態D3が「到着済」に変更されているのに加えて、「検査ID 0003のCAD結果が到着しました」というメッセージM1が表示される。
【0099】
その後、ビューア端末40の制御部41は、メモリ47の読影状態D4が「2:読影済」であるため、サーバ装置30に対して、読影状態D4を「2:読影済」から「3:読影済(CAD無)」に変更する旨の通知を送信する(図8のステップT8に相当)。また、制御部41は、メモリ47の読影状態D4を「3:読影済(CAD無)」に変更する。次いで、制御部41は、リストを更新する(図8のステップT9に相当)。
【0100】
図12(c)は、リストが更新された後のリスト画面の例である。読影状態D4が「読影済(CAD無)」に変更されている。これにより、検査ID:0003について、CAD装置20からサーバ装置30にCAD結果D2は到着しているが(CAD結果D2は更新されたが)、この検査IDの医用画像に対する読影は、CAD結果D2を参照せずに行われたものであることが示される。
【0101】
[第2の表示例]
次に、図13(a)〜(c)を参照して、ビューア端末40の表示部43における第2の表示例について説明する。第2の表示例は、CAD結果D2を参照して読影した後、さらにCAD結果D2が到着した場合の例である。
【0102】
図13(a)は、検査ID:0001の医用画像について、CAD装置20からサーバ装置30にCAD結果D2が到着している状態で、読影が完了している場合に、表示部43に表示されるリスト画面の例である。検査ID:0001に対して、CAD状態D3が「到着済」、読影状態D4が「読影済」であることが示されている。
【0103】
その後、CAD装置20からサーバ装置30にCAD結果D2が到着すると、サーバ装置30の制御部31は、DB361のCAD状態D3を「2:到着済(*)」に更新し(図6のステップS3に相当)、新たに到着した内容を加えてCAD結果D2を記憶部36に保存する(図6のステップS5に相当)。
【0104】
ビューア端末40の制御部41は、リスト更新時に、サーバ装置30からCAD状態D3及びCAD結果D2を取得する(図8のステップT3、図9のCAD情報取得処理に相当)。ここでは、CAD結果D2が更新されているため、制御部41は、CAD結果D2が更新された旨を表示部43に表示させる(図8のステップT6に相当)。
【0105】
図13(b)は、CAD装置20からサーバ装置30にCAD結果D2が到着した旨、すなわち、CAD結果D2が更新された旨が表示されたリスト画面の例である。検査ID:0001について、「検査ID 0001のCAD結果が到着しました」というメッセージM2が表示される。
【0106】
その後、ビューア端末40の制御部41は、メモリ47の読影状態D4が「2:読影済」であるため、サーバ装置30に対して、読影状態D4を「2:読影済」から「3:読影済(CAD無)」に変更する旨の通知を送信する(図8のステップT8に相当)。また、制御部41は、メモリ47の読影状態D4を「3:読影済(CAD無)」に変更する。次いで、制御部41は、リストを更新する(図8のステップT9に相当)。
【0107】
図13(c)は、リストが更新された後のリスト画面の例である。CAD状態D3が「到着済(*)」に変更され、読影状態D4が「読影済(CAD無)」に変更されている。これにより、検査ID:0001について、CAD装置20からサーバ装置30に新たなCAD結果D2が到着しているが(CAD結果D2は更新されたが)、この検査IDの医用画像に対する読影は、新たなCAD結果D2を参照せずに行われたものであることが示される。
【0108】
[第3の表示例]
次に、図14(a)〜(e)、図15〜図18を参照して、ビューア端末40の表示部43における第3の表示例について説明する。第3の表示例は、読影中にCAD結果D2が到着した場合の例である。
【0109】
図14(a)に示すリスト画面において、CAD状態D3が「未到着」であって、読影状態D4が「未読影」の検査ID:0003が読影対象として選択された場合、ビューア端末40の制御部41は、検査ID:0003の医用画像を表示部43に表示させる。
【0110】
図15に、医用画像の表示例を示す。図14(a)に示す状態では、検査ID:0003についてはCAD結果D2が存在しないため、CAD結果D2が付加されることなく、医用画像が表示されている。図15は、医用画像として乳房画像を用いた場合の例である。
【0111】
図14(b)は、検査ID:0003の医用画像が表示されている場合のリスト画面の例である。検査ID:0003について、読影状態D4が「読影中」に変更されている。リスト画面は、図15に示す医用画像の表示画面と別のウィンドウで表示されることとしてもよいし、リスト画面と医用画像の表示画面とが、それぞれ専用のモニタに表示されることとしてもよい。
【0112】
その後、CAD装置20からサーバ装置30にCAD結果D2が到着すると、サーバ装置30の制御部31は、DB361のCAD状態D3を「0:未到着」から「1:到着済」に更新し(図6のステップS4に相当)、CAD結果D2を記憶部36に保存する(図6のステップS5に相当)。
【0113】
ビューア端末40の制御部41は、読影処理中のCAD情報更新時に、サーバ装置30からCAD状態D3及びCAD結果D2を取得する(図10のステップT33、図9のCAD情報取得処理に相当)。ここでは、CAD結果D2が更新されているため、制御部41は、CAD結果D2が更新された旨を表示部43に表示させる(図10のステップT35に相当)。また、制御部41は、メモリ47のCAD結果到着フラグD5をONに設定し(図10のステップT36に相当)、CAD結果参照フラグD6をOFFに設定する(図10のステップT37に相当)。
【0114】
図16は、CAD装置20からサーバ装置30にCAD結果D2が到着した旨、すなわち、CAD結果D2が更新された旨が表示された読影画面の例である。読影中の検査ID:0003の医用画像に対して、「CAD結果が到着しました」というメッセージM3が表示される。
【0115】
図14(c)は、CAD結果D2が到着した旨が表示されたリスト画面の例である。検査ID:0003について、CAD状態D3が「到着済」に変更されているのに加えて、「検査ID 0003のCAD結果が到着しました」というメッセージM4が表示される。
【0116】
その後、ビューア端末40において、CAD結果D2の表示要求があった場合には、制御部41は、医用画像上にCAD結果D2を付加して表示させ(図10のステップT40に相当)、メモリ47のCAD結果参照フラグD6をONに設定する(図10のステップT41に相当)。
【0117】
図17は、医用画像上にCAD結果D2(CAD結果D2a〜D2e)が付加された読影画面の例である。CAD結果D2aは、異常陰影候補のうち悪性腫瘤候補の領域を示す情報である。CAD結果D2bは、悪性腫瘤候補を指し示す三角マークである。CAD結果D2cは、異常陰影候補の説明を表す文字情報であり、CAD結果D2aが示す異常陰影候補に「悪性腫瘤の疑い」がある旨を表している。CAD結果D2d,D2eは、異常陰影候補の領域を示す情報である。
【0118】
CAD結果D2を参照して読影を完了した場合には、メモリ47のCAD結果参照フラグD6がONであるため、ビューア端末40の制御部41は、サーバ装置30に対して、読影状態D4を「2:読影済」に変更する旨の通知を送信する(図11のステップT47に相当)。また、制御部41は、メモリ47の読影状態D4を「2:読影済」に変更する。
【0119】
図14(d)は、CAD結果D2を参照して読影を完了した後のリスト画面の例である。検査ID:0003について、読影状態D4が「読影済」に変更されている。
【0120】
一方、図16の状態から、CAD結果D2の表示要求がなかった場合には、メモリ47のCAD結果参照フラグD6はOFFのままであるため、ビューア端末40の制御部41は、サーバ装置30に対して、読影状態D4を「3:読影済(CAD無)」に変更する旨の通知を送信し(図11のステップT45に相当)、メモリ47の読影状態D4を「3:読影済(CAD無)」に変更する。また、制御部41は、CAD結果D2を参照せずに読影を完了した旨を表示部43に表示させる(図11のステップT46に相当)。
【0121】
図18は、CAD結果D2を参照せずに読影を完了した旨が表示された読影完了画面の例である。読影後の検査ID:0003の医用画像に対して、「CAD結果を参照していません」というメッセージM5が表示される。
【0122】
図14(e)は、CAD結果D2を参照せずに読影を完了した後のリスト画面の例である。検査ID:0003について、読影状態D4が「読影済(CAD無)」に変更されている。
【0123】
以上説明したように、ビューア端末40によれば、CAD結果D2が更新されている場合には、その旨を表示部43に表示させるので、利用可能な情報をユーザに通知することができる。ユーザはCAD結果D2を反映した状態で読影することができるため、医用画像の診断精度を向上させることができる。
【0124】
また、CAD結果D2が更新された後に、医用画像上にCAD結果D2が付加されて表示部43に表示されていない場合には、CAD結果D2が参照されていない旨を表示部43に表示させるので、利用可能なCAD結果D2が存在することをユーザに通知することができる。
【0125】
例えば、読影中又は読影完了後にCAD装置20からサーバ装置30にCAD結果D2が到着し、最新のCAD結果D2による診断支援を受けられないまま読影が終了している場合に、ビューア端末40において、CAD結果D2が更新された旨をユーザに通知することができる。
【0126】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る医用情報表示装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0127】
例えば、上記実施の形態では、サーバ装置30においてCAD結果D2が更新された場合に、ビューア端末40において「CAD結果が到着しました」と表示される例を示したが、ビューア端末40において表示される内容は、CAD結果D2として新たに情報が加わったことが認識できるものであればよい。
【0128】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMやハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0129】
10 モダリティ
20 CAD装置
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 ROM
26 記憶部
27 バス
30 サーバ装置
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 ROM
36 記憶部
37 バス
40 ビューア端末
41 制御部
42 操作部
43 表示部
44 通信部
45 ROM
46 記憶部
47 メモリ
48 バス
100 医用画像システム
361 DB
461 画像ビューアプログラム
D1 画像ファイル
D2 CAD結果
D2a,D2b,D2c,D2d,D2e CAD結果
D3 CAD状態
D4 読影状態
D5 CAD結果到着フラグ
D6 CAD結果参照フラグ
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像上に当該医用画像から検出された異常陰影候補の検出結果を付加して表示手段に表示する医用情報表示装置であって、
前記医用画像に対応する検出結果を取得し、当該取得した検出結果が更新されているか否かを判断し、前記検出結果が更新されている場合には、前記検出結果が更新されている旨を前記表示手段に表示させる制御手段を備える医用情報表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出結果が更新された後に、前記医用画像上に前記検出結果が付加されて前記表示手段に表示されたか否かを判断し、前記医用画像上に前記検出結果が付加されて前記表示手段に表示されていない場合には、前記検出結果が参照されていない旨を前記表示手段に表示させる、
請求項1に記載の医用情報表示装置。
【請求項3】
医用画像上に当該医用画像から検出された異常陰影候補の検出結果を付加して表示手段に表示するコンピュータを、
前記医用画像に対応する検出結果を取得し、当該取得した検出結果が更新されているか否かを判断し、前記検出結果が更新されている場合には、前記検出結果が更新されている旨を前記表示手段に表示させる制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−115265(P2011−115265A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273549(P2009−273549)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】