説明

医用画像表示装置

【課題】電子カルテなどの外部の情報から取得した情報を基に、多数の検査の医用画像の中から比較読影の対象とする検査を自動的に特定し表示する医用画像表示装置を提供する。
【解決手段】複数の患者に対する、複数の検査で撮影された医用画像を前記検査毎に、検査を特定する特定情報を含む付帯情報とともに記憶しておく画像保管部002と、比較画像の選択条件を予め記憶しておく条件記憶部001と、選択条件に一致する特定の患者の検査を検索するための条件情報を外部から取得する情報取得部003と、選択条件に一致する特定情報を有する特定の患者の検査の医用画像を取得し、さらに特定の検査の医用画像を取得する検査画像取得部004と、特定の検査の医用画像、及び条件に一致する検査の医用画像を表示部007に表示させる表示制御部005とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読影を行うための医用画像を表示する医用画像表示装置に関する。さらに詳しくは、特定の検査の画像を参照するときに、複数の検査における画像の中から選択を受けて、比較に用いるための検査の画像を表示する医用画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療の分野では、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現されている。このデジタル化された医用画像は、超音波診断装置、X線CT装置、MRI装置(Magnetic Resonance Imaging)等の各種医用診断装置(モダリティともいう。)により撮影され生成される。
【0003】
そして、医用画像表示装置とは、各種医用画像診断装置により生成された医用画像等を表示する装置である。この医用画像表示装置には、診断・治療等の目的に応じて種々のものが存在する。
【0004】
医師などの操作者(以下、単に「操作者」という。)は、上述した医用画像表示装置に表示されている医用画像を参照して、その医用画像に基づいて画像診断を行う。そして、操作者はこの画像診断の結果の診断レポートを作成する。この作業が読影である。
【0005】
この読影においては、医用画像診断装置で撮影された医用画像を保管してデータベースで管理する画像保管装置、画像を検索して取得・表示し、診断レポートの作成を支援する画像診断ワークステーションが用いられる。操作者は、医用画像を読影する際には画像診断ワークステーションを操作し、画像保管装置から画像を取得・表示するが、通常は今回の検査の医用画像を読影する際に過去の検査の医用画像と比較をしながら読影を行うことが多い。以下では、1つの検査で生成された医用画像群を「検査画像」という。
【0006】
また、近年の医用画像診断装置の高性能化、診断技術の向上により医用画像診断装置で生成される画像枚数は増加の一途をたどり、診断のための撮影数も増加している。また、患者の検査数が増えると、検査画像の数も多数になる。
【0007】
操作者は、この様な多数の検査画像の中から比較に使用する所望の検査画像を探し出す必要がある。そこで、従来、サムネイル画像からなるインデックス画像を表示し、インデックス画像から所望のサムネイル画像を選択して表示する方法もある。例えば、特許文献1には、医用画像情報を受信して画像処理を行い、サムネイル表示またはリスト表示し、表示されたサムネイルまたはリストを操作者が指定した順番に表示するようにした医用画像処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−283325公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来のように単に検査画像のサムネイル画像を選択可能に並べて表示し、操作者の選択を受けて検査画像の表示を行う構成では、操作者は検査が実施された順番といった検査画像の重要度とは無関係な順番で並べられた多数の過去の検査画像の中から比較読影のための検査を特定する必要がある。そのため、操作者が意図した比較読影を行うためには、毎回の読影で比較読影のために必要とする検査画像を探し出し特定するといった長い準備時間が必要となり、読影効率を悪化させる要因になる。また、特許文献1に記載された方法でも、操作者が表示の順番を指定する必要があるため、操作者が多数のサムネイル画像の中から検査画像を探し出す必要があり、操作者による検査画像の特定の効率化を図ることは困難である。さらに、必要とする検査画像が手術前の検査画像というように、ある決まった条件のもとに読影を行おうとする場合にも、同様に多数の検査画像からその条件にあった検査画像を都度探す必要があり、そのような特定条件の読影を何度も行う際にその読影を効率的に行うことは困難である。
【0010】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、電子カルテなどの外部の情報から取得した情報を基に、多数の検査の医用画像の中から比較読影の対象となる検査を自動的に特定し表示する医用画像表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の医用画像表示装置は、複数の患者に対する、複数の検査で撮影された医用画像を前記検査毎に、前記医用画像を撮影した前記検査を特定する特定情報を含む付帯情報と共に記憶しておく画像保管手段と、各前記検査における医用画像の比較画像の選択条件を予め記憶しておく条件記憶手段と、入力手段から特定の患者の特定の検査の医用画像の表示要求を受けて、前記条件記憶手段から予め決められた前記選択条件を読み出し、前記読み出した選択条件に一致する検査を検索するための条件情報を外部から取得する情報取得手段と、前記条件情報を基に前記画像保管手段を参照し、前記特定の患者の前記選択条件に一致する前記特定情報を有する検査の医用画像を取得し、さらに前記特定の検査の医用画像を取得する検査画像取得手段と、前記特定の検査の医用画像、及び前記選択条件に一致する検査の医用画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の医用画像表示装置は、外部から条件情報を取得し、記憶している条件に合った検査において撮影された医用画像を、最新の検査において撮影された医用画像の比較画像として表示する構成である。これにより、自動的に予め設定された条件に合った検査の医用画像を比較画像として表示することができ、操作者は比較読影のための検査を探し出し特定する手間を省くことができ、読影効率を向上させることが可能となる。
【0013】
また、決まった条件の下に繰り返し読影を行う場合に、読影において自動的にその条件に合った検査の医用画像が比較画像として表示されるため、そのような場合における読影効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る医用画像表示装置のブロック図
【図2】本発明に係る医用画像表示装置を含む病院システムの構成図
【図3】第1の実施形態に係る医用画像表示装置の検査画像表示における動作のフローチャート
【図4】第1の実施形態に係る医用画像表示装置を含むシステムにおける医用画像の表示の全体の流れの概要を説明するための図
【図5】選択条件を固定する構成における選択条件の設定のフローチャート
【図6】第2の実施形態に係る医用画像表示装置を含むシステムにおける医用画像の表示の全体の流れの概要を説明するための図
【図7】第2の実施形態に係る医用画像表示装置を含むシステムにおいて比較画像の選択条件を入院直前の検査とした場合の医用画像の表示の全体の流れの概要を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔第1の実施形態〕
以下、この発明の第1の実施形態に係る医用画像表示装置について説明する。図1は本発明に係る医用画像表示装置の機能を表すブロック図である。また、図2は本発明に係る医用画像表示装置を含む病院システムの構成図である。
【0016】
図2に示すように、本発明に係る医用画像表示装置100は、外部装置010であるモダリティ101、電子カルテ管理装置102、入院情報管理装置103、及び手術情報管理装置104とデータの送受信可能にネットワークを介して接続されている。ここで、図2における一点鎖線で表わされるオーダ情報管理装置105は、本実施形態では配置されていない。オーダ情報管理装置105は、第2の実施形態において説明する。また、本実施形態では外部装置010を上述した装置としたが、これは検査の特定を行える情報を有する装置であれば他の装置でもよい。
【0017】
本実施形態では、電子カルテ管理装置102、入院情報管理装置103、及び手術情報管理装置104は、HIS(Hospital Information System)200に含まれるように構成されている。
【0018】
本実施形態に係る医用画像表示装置100は、図1に示すように、条件記憶部001、画像保管部002、情報取得部003、検査画像取得部004、表示制御部005、ユーザインタフェース006、及び統括制御部009で構成されている。そして、ユーザインタフェース006は、モニタなどの表示部007及びマウスやキーボードなどの入力部008で構成されている。
【0019】
統括制御部009は、CPU及びメモリなどの記憶領域を有している。そして、統括制御部009は、各機能部の動作タイミングなどの制御を行う。また、統括制御部009は、各機能部間のデータの受け渡しの仲介を行う。ここで、実際には各機能部間のデータの受け渡しは前述のように統括制御部009を介して行われるが、以下の説明では説明の都合上、各機能部が直接データの受け渡しを行っているように説明することがある。
【0020】
画像保管部002は、ハードディスクなどの情報記憶媒体で構成されている。画像保管部002には、検査においてモダリティ101で撮影された医用画像が予め記憶されている。さらに、画像保管部002には、各医用画像に関連する付帯情報が予め記憶されている。ここで、各医用画像の付帯情報には、対応する医用画像が撮影された検査の日時、対応する医用画像の患者の患者IDなどの患者識別情報、及び対応する医用画像の撮影を行ったモダリティ101の種類、検査の受付番号などが含まれる。ここで、本実施形態では、この検査の日時、患者識別情報、モダリティ101の種類、及び検査の受付番号が「検査の特定情報」にあたる。すなわち、検査の日時、患者識別情報、及びモダリティ101の種類があれば、それらに一致する検査を特定することができる。また、検査の受付番号が分かればその受付番号が発番された検査を特定できる。すなわち、付帯情報は医用画像の検索キーとして用いられる。そして、これらの検査の特定情報が医用画像の付帯情報としてその医用画像と共に記憶されていることで、医用画像が検査毎に記憶されていることになる。この画像保管部002が本発明における「画像保管手段」にあたる。
【0021】
上述した画像保管部002への医用画像及びその付帯情報の記憶は、実際にはモダリティ101から送られてきた医用画像及びその付帯情報を統括制御部009が画像保管部002に記憶させることで実行される。
【0022】
条件記憶部001は、ハードディスクなどの情報記憶媒体で構成されている。条件記憶部001には、最新の検査を読影するときに比較する検査の画像として使用する比較画像の選択条件(以下では、「比較画像の選択条件」又は単に「選択条件」ということがある。)を記憶している。本実施形態では、検査が記載されているカルテの中でアクセス数が最多の(すなわち、厚み情報が厚い)電子カルテ(以下では、単に「アクセス数が最多の電子カルテ」という。)に記載されている検査、入院直前の検査、及び手術直前の検査という条件が選択条件として記憶されている。ここで、電子カルテの「厚み情報」とは、電子カルテの使用頻度を示す情報であり、本実施形態ではその一例としてアクセス数を用いている。また、厚み情報の他の例としては、重要な電子カルテであることを示す情報がある。この重要な電子カルテであることを示す情報は、医師がその電子カルテを参照し重要であると考えたときにフラグを立てることで電子カルテに付加される。すなわち、紙のカルテでいえば重要であることを表す付箋が付いている状態である。そして、このフラグが多く付加されているほど頻繁に参照される電子カルテであり、厚み情報が厚い電子カルテといえる。
【0023】
ここで、選択条件として使用する条件は以上の条件に限定されるものではなく、比較画像としての検査の重要性を表すことができる条件であれば他の条件でもよい。例えば、最も直近で比較画像として使用された検査等といった条件を使用してもよい。
【0024】
さらに、条件記憶部001は、各選択条件の優先度を記憶している。本実施形態では、手術直前の検査が最も優先度が高く、厚み情報が厚いカルテに記載されている検査が次に優先度が高く、入院直前の検査が最も優先度が低いというように、条件記憶部001は、各選択条件の優先度を記憶している。
【0025】
さらに、条件記憶部001には、各条件に一致する検査を検索するために必要な情報の項目を各条件に対応させて記憶している。例えば、厚み情報が厚い電子カルテに記載されている検査の場合、必要な情報としては厚みが厚い電子カルテに記載された検査の特定情報であり、本実施形態では検査の受付番号が必要な項目として記憶されている。また、入院直前の検査の場合、入院日が必要な情報の項目として記憶されている。また、手術直前の検査の場合、手術日が必要な情報の項目として記憶されている。この条件記憶部001が本発明における「条件記憶手段」にあたる。
【0026】
情報取得部003は、入力部008から操作者による使用する比較画像の選択条件の種類の入力を受ける。この選択条件の種類の入力は、本実施形態では読影を行うための医用画像の表示要求の入力以前に予め行われている。この入力は例えば、操作者がユーザインタフェース006を用いて、表示部007に表示された比較画像の選択条件の種類を選択するためのダイアログボックスを参照し、その中から入力部008を用いて使用する選択条件を指定することで行われる。
【0027】
さらに、情報取得部003は、操作者が読影を始める際に、その操作者より入力部008を用いた特定の検査の医用画像の表示要求の入力を、特定の検査の特定情報(上述のように、この特定情報には患者識別情報が含まれる。)とともに受ける。この特定の検査の医用画像の表示要求の入力は、例えば、表示制御部005が表示部007に各検査を選択可能として検査の特定情報(受付番号など)のリストを表示させ、そのリストの中から操作者が入力部008を用いて検査を選択することにより、その検査で撮影された医用画像の表示要求が入力される方法などで行われる。この場合、検査のリストを操作者が選択することで、その表示要求の対象となる検査の特定情報が検査画像取得部004に入力される。本実施形態では、操作者より特定の検査の医用画像として最新の検査の医用画像の表示が要求された場合で以下説明する。さらに、本実施形態では特定の検査の特定情報として検査の受付番号が入力されている。
【0028】
ここで、本実施形態では情報取得部003は、実際の読影を行う前に、操作者により予め比較画像の選択条件の種類の入力が行われているが、これは、読影を行うときに医用画像の表示要求と一緒に比較画像の選択条件の種類を入力する構成にしてもよい。以下の説明では、操作者が比較画像の選択条件の種類として手術直前の検査及びアクセス数が最多の電子カルテに記載された検査を選択した場合で説明する。
【0029】
情報取得部003は、医用画像の表示要求の入力を受けて、操作者により選択された種類の選択条件に一致する検査を検索するのに必要な情報(これが、本発明における「条件情報」にあたる。)の項目を条件記憶部001より取得する。本実施形態では、情報取得部003は、条件記憶部001から「手術日」及び「アクセス数が最多の電子カルテに記載された検査の受付番号」を選択条件に一致する検査を検索するのに必要な情報の項目として取得する。この場合、選択条件毎にその選択条件に一致する検査を検索する。
【0030】
そして、情報取得部003は、患者の手術日の通知要求を、患者識別情報とともにHIS200に含まれる手術情報管理装置104に対し出力する。
【0031】
また、情報取得部003は、患者の電子カルテの中でアクセス数が最多の電子カルテに記載された検査の受付番号の通知要求を、患者識別情報とともにHIS200に含まれる電子カルテ管理装置102に対し出力する。
【0032】
その後、情報取得部003は、手術情報管理装置104から入力された患者の手術日の入力を受け、さらに、電子カルテ管理装置102から入力された患者の電子カルテの中でアクセス数が最多の電子カルテに記載された検査の受付番号の入力を受ける。
【0033】
そして、情報取得部003は、取得した条件に一致する検査を検索するのに必要な情報である患者の手術日及びアクセス数が最多の電子カルテに記載された検査の受付番号を、患者識別情報及び選択された比較画像の選択条件の種類とともに検査画像取得部004へ出力する。この情報取得部003が本発明における「情報取得手段」にあたる。
【0034】
検査画像取得部004は、患者の手術日、検査の受付番号、患者識別情報、及び選択された比較画像の選択条件の種類を情報取得部003から受ける。また、検査画像取得部004は、入力部008から操作者が表示要求の対象とした特定の検査の特定情報(本実施形態では、最新の検査の受付番号)の入力を受ける。
【0035】
検査画像取得部004は、入力された比較画像の選択条件の種類を基に、条件記憶部001から比較画像の選択条件の情報を取得する。本実施形態では、検査画像取得部004は、手術直前の検査及びアクセス数が最多の電子カルテに記載された検査という情報を取得する。
【0036】
そして、検査画像取得部004は、情報取得部003より入力された検査を検索するのに必要な情報及び患者識別情報を基に画像保管部002を検索し、画像保管部002から選択条件に一致する検査の医用画像を取得する。具体的には、検査画像取得部004は、患者識別情報及び手術日を基に画像保管部002に記憶されている医用画像の付帯情報を参照し、その患者の医用画像のうち手術日より前の検査で且つ最もその手術日に近い日付の検査で撮影された医用画像を取得する。また、検査画像取得部004は、検査の受付番号を基に画像保管部002を参照し、その受付番号に一致する検査の医用画像を取得する。
【0037】
また、検査画像取得部004は、最新の検査の受付番号を基に画像保管部002を検索し、最新の検査に対応する医用画像を取得する。
【0038】
そして、検査画像取得部004は、操作者が指定した選択条件に一致する検査の医用画像を、医用画像が撮影された検査の識別情報及びその検査の一致した選択条件の種類とともに表示制御部005に対し出力する。また、検査画像取得部004は、操作者が表示要求の対象とした特定の検査の医用画像(本実施形態では最新の検査の医用画像)を、検査の特定情報とともに表示制御部005に対し出力する。この検査画像取得部004が本発明における「検査画像取得手段」にあたる。
【0039】
表示制御部005は、メモリなどの記憶領域を有している。そして、表示制御部005は、自己の記憶領域に医用画像を表示する表示画面のフォーマットを記憶している。本実施形態では、この表示画面のフォーマットは、操作者が表示要求の対象とした特定の検査の医用画像(本実施形態では最新の検査の医用画像)と、最も優先度の高い選択条件に一致した検査の医用画像とを、各検査で撮影されたすべての医用画像を順次表示できるように並べて表示し、その他の領域に2番目以降の優先度を有する選択条件に一致した検査の医用画像のサムネイル画像を選択可能に表示する構成である。ここで、サムネイル画像を選択可能に表示するとは、表示部007に表示されているサムネイル画像を操作者がユーザインタフェース006を用いて選択すると、表示制御部005は、その時点で表示部007に比較画像として表示されている検査の医用画像に代えて、選択されたサムネイル画像に対応する検査の医用画像が表示部007に表示させるということを表している。
【0040】
表示制御部005は、検査画像取得部004から医用画像とその検査の特定情報の入力を、さらに選択条件に一致した検査の医用画像の場合にはその選択条件の種類の入力を受ける。さらに、表示制御部005は、条件記憶部001から選択条件の優先度を取得する。そして、表示制御部005は、優先度が2番目以降の選択条件に一致する検査で撮影された医用画像のうち一枚を抽出し、その抽出した医用画像のサムネイル画像を作成する。本実施形態では、予め1つの検査で撮影された医用画像の中でサムネイル表示する画像を操作者が指定しておき、その情報が付帯情報として画像保管部002に記憶されている。そこで、表示制御部005は、付帯情報を参照してサムネイル表示する画像を抽出する。ここで、本実施形態では操作者が予め指定した画像をサムネイル画像として抽出しているが、これは他の方法でもよく、例えば検査の一番初めに撮影された画像をサムネイル画像としてもよい。
【0041】
表示制御部005は、自己が記憶しているフォーマットを基に、医用画像の表示画面を生成する。そして、表示制御部005は、生成した表示画面を表示部007に表示させる。この表示制御部005が本発明における「表示制御手段」にあたる。
【0042】
上述したように、操作者はユーザインタフェース006を用いてサムネイル画像を選択することで、その時点で表示部007に比較画像として表示されている検査の医用画像に代えて、選択されたサムネイル画像に対応する検査の医用画像を表示部007に表示させることができる。
【0043】
モダリティ101は、超音波診断装置、X線CT装置、MRI装置などの各種画像診断装置である。そして、モダリティ101は、検査において医用画像を撮影する。モダリティ101は、この検査を実施する前にその検査における患者識別情報及び検査の受付番号をHIS200から受信している。また、モダリティ101は、内部にカレンダー及び時計を有しているので、検査を実施した日時を把握できる。そして、モダリティ101は、撮影した医用画像に、患者識別情報、検査の日時、自己のモダリティの種類、及び検査の受付番号などを含む付帯情報を加えて医用画像表示装置100へ出力する。
【0044】
HIS200は、医師から患者に対する検査を実施する旨の入力患者識別情報と共に受ける。そして、本実施形態では、HIS200は検査を実施する旨の入力を受けるとその検査に対する受付番号を発番する。そして、HIS200は、モダリティ101に対し検査の内容、その検査を受ける患者の患者識別情報、及び発番したその検査の受付番号を出力する。
【0045】
電子カルテ管理装置102は、CPU及びハードディスクなどの記憶領域を備えている。そして、電子カルテ管理装置102は、記憶領域に複数の患者の電子カルテを記憶している。さらに、電子カルテ管理装置102は、その電子カルテの患者の患者識別情報、その電子カルテの検査の記載の有無、及び検査の記載がある場合のその検査の受付番号をその電子カルテに対応づけて記憶している。ここで、本実施形態ではHIS200として電子カルテ管理装置102が構成されているので、電子カルテ管理装置102は、HIS200が発番した検査の受付番号を記憶する。さらに、電子カルテ管理装置102は、電子カルテ毎のカウンタを有しており、各電子カルテが参照される毎に対応するカウンタを増やしていくことで、各電子カルテが参照された回数、すなわちアクセス回数を記憶している。
【0046】
電子カルテ管理装置102は、情報取得部003から患者識別情報及びアクセス数が最大の電子カルテに記載された検査の受付番号の出力要求を受ける。電子カルテ管理装置102は、患者識別情報を基に、その患者の電子カルテのうち検査の記載がある電子カルテを抽出する。そして、電子カルテ管理装置102は、その抽出した電子カルテのうち、アクセス数が最も多いものを抽出する。そして、電子カルテ管理装置102は、抽出した電子カルテを参照し、その電子カルテに記載されている検査の受付番号を取得する。そして、電子カルテ管理装置102は、取得した検査の受付番号を情報取得部003へ出力する。
【0047】
入院情報管理装置103は、CPU及びハードディスクなどの記憶領域を備えている。HIS200は、操作者から少なくとも入院日を含む患者の入院情報の入力を受けて、入院情報管理装置103に患者識別情報に対応させて少なくとも入院日を含む入院情報を記憶させる。
【0048】
入院情報管理装置103は、情報取得部003から患者識別情報及び入院日の出力要求を受ける。そして、入院情報管理装置103は、入力された患者の患者識別情報を基に自己の記憶領域に記憶している入院情報を検索し、その患者識別情報に対応する患者の入院日を取得する。そして、入院情報管理装置103は、取得した入院日を情報取得部003へ出力する。ここで、本実施形態では、入院情報管理装置103は、その患者が何度か入院している場合、すなわち入院日が複数ある場合には、その患者の最も古い入院日を入院日として取得する。これは他の構成でもよく、例えば患者が入院した日の全てを入院日として取得し情報取得部003へ出力する構成にしてもよいし、選択条件として何回目の入院などと指定できる構成にしてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、より比較対象として重要である入院日の直前の検査のみを選択条件としているが、退院日の直後の検査などを選択条件に加えてもよい。この場合には、入院情報管理装置103は、退院日も取得し、情報取得部003へ出力する構成となる。
【0050】
手術情報管理装置104は、CPU及びハードディスクなどの記憶領域を備えている。HIS200は、操作者から少なくとも手術日を含む患者の手術情報の入力を受けて、手術情報管理装置104に患者識別情報に対応させて少なくとも手術日を含む入院情報を記憶させる。
【0051】
手術情報管理装置104は、情報取得部003から患者識別情報及び手術日の出力要求を受ける。そして、手術情報管理装置104は、入力された患者の患者識別情報を基に自己の記憶領域に記憶している手術情報を検索し、その患者識別情報に対応する患者の手術日を取得する。そして、手術情報管理装置104は、取得した手術日を情報取得部003へ出力する。ここで、本実施形態では、手術情報管理装置104は、その患者が何度か手術している場合、すなわち手術日が複数ある場合には、その患者の最も新しい手術日を手術日として取得する。これは他の構成でもよく、例えば患者が手術した日の全てを手術日として取得し情報取得部003へ出力する構成にしてもよいし、選択条件として何回目の手術などと指定できる構成にしてもよい。
【0052】
次に図3を参照して、本実施形態に係る医用画像表示装置の検査画像表示における動作を説明する。図3は本実施形態に係る医用画像表示装置の検査画像表示における動作のフローチャートである。ここで、図3の前提条件として、画像保管部002には医用画像及びその付帯情報が記憶されており、また条件記憶部001には、アクセス数が最多の電子カルテに記載されている検査、入院直前の検査、及び手術直前の検査、といった比較画像の選択条件、並びにそれら選択条件の優先度が記憶されているものとする。
【0053】
ステップS001:情報取得部003は、操作者により選択された比較画像の選択条件の種類の入力を受ける。ここでは、アクセス数が最大の電子カルテに記載されている検査、及び手術直前の検査という選択条件が選択されたとして説明する。
【0054】
ステップS002:操作者は、医用画像の表示要求の入力を行う。この表示要求には、表示させたい医用画像の検査の受付番号及びその医用画像に写っている患者の患者識別情報が含まれている。
【0055】
ステップS003:情報取得部003は、医用画像の表示要求の入力を受けて、入力された選択条件の種類を基に条件記憶部001を参照し、指定された種類の選択条件(アクセス数が最大の電子カルテに記載されている検査、及び手術直前の検査)に一致する検査を検索するのに必要な情報の項目を取得する。
【0056】
ステップS004:情報取得部003は、外部装置010(ここでは、電子カルテ管理装置102及び手術情報管理装置104)に対し、条件記憶部001から取得した項目の情報の出力要求を行う。このとき、情報取得部003は、患者識別情報も外部装置010へ送信する。
【0057】
ステップS005:外部装置010(ここでは、電子カルテ管理装置102及び手術情報管理装置104)は、情報取得部003から出力要求があった項目に一致する情報を情報取得部003に対し出力する。具体的には、電子カルテ管理装置102は、患者識別情報を基に、その患者のカルテのうち検査が記載されている電子カルテを抽出し、その抽出した電子カルテのうちアクセス数が最多の電子カルテを検索して、その電子カルテに記載されている検査の受付番号を取得し、その取得した受付番号を情報取得部003へ出力する。また、手術情報管理装置104は、患者識別情報を基に自己の記憶領域を検索し、その患者の手術日を取得し、その取得した手術日を情報取得部003へ出力する。
【0058】
ステップS006:情報取得部003は、外部装置010(ここでは、電子カルテ管理装置102及び手術情報管理装置104)から取得した情報を検査画像取得部004に出力する。このとき、情報取得部003は、選択された選択条件の種類及び患者識別情報も検査画像取得部004へ出力する。さらに情報取得部003は、操作者より入力された表示要求に対応する検査の受付番号を検査画像取得部004へ出力する。
【0059】
ステップS007:検査画像取得部004は、情報取得部003から入力された情報を基に、選択された選択条件に一致する検査の医用画像及び表示要求を受けた検査の医用画像を画像保管部002から検索し、取得する。
【0060】
ステップS008:表示制御部005は、検査画像取得部004から検査の医用画像の入力を受け、さらに、条件記憶部001に記憶されている選択条件の優先順位を取得する。そして、表示制御部005は、2番目以降の優先順位を有する検査の医用画像のうちの一枚の医用画像のサムネイル画像を作成し、自己が記憶しているフォーマットを基に、表示画面を生成する。
【0061】
ステップS009:表示制御部005は、生成した表示画面を表示部007に表示させる。
【0062】
さらに、図4を参照して本実施形態に係る医用画像表示装置100を含むシステムにおける医用画像の表示の全体の流れの概要を説明する。ここで、図4は、本実施形態に係る医用画像表示装置100を含むシステムにおける医用画像の表示の全体の流れの概要を説明するための図である。
【0063】
図4に示すように、医用画像表示装置100は、表示部007の領域701に画像保管部002から取得された最新の検査の医用画像である検査Eの医用画像を表示する。これは、入力された検査Eの受付番号を基に画像保管部002に記憶されている医用画像の付帯情報を参照して特定することや、医用画像の付帯情報の検査の日付を参照して特定することができる。
【0064】
また、医用画像表示装置100は、電子カルテ管理装置102が特定したアクセス数が最多(厚み情報が最も厚い)の電子カルテ112に記載された検査の受付番号を電子カルテ管理装置102から受けて、その受付番号を基に画像保管部002に記憶されている医用画像の付帯情報を参照し、アクセス数が最多の電子カルテ112に記載された検査を検査Aと特定する。
【0065】
また、医用画像表示装置100は、手術情報管理装置104が特定した手術日113の入力を受けて、その手術日113を基に画像保管部002に記憶されている医用画像の付帯情報を参照し、検査の中でその手術日113より以前でありその手術日113に最も近い検査を検査Cと特定する。
【0066】
そして、医用画像表示装置100は、手術の直前の検査である検査Cの優先度が最も高く、アクセス数が最多の電子カルテに記載された検査Aが検査Cよりも優先度が低いことから、表示部007の領域702に画像保管部002に記憶されている検査Cの医用画像を表示し、さらに検査Aのサムネイル画像を表示部007の領域703に表示する。
【0067】
また、以上の説明では、選択条件に一致した検査のうち優先度が2番目以降である検査の医用画像のみをサムネイル画像で表示しているが、これは、選択条件に一致しない他の検査の画像もサムネイル画像で表示してもよい。その場合、操作者は図3の領域702に表示されている検査の以外の検査を比較画像として表示させたいときは、ユーザインタフェース006を用いて表示されている複数の検査に対応するサムネイル画像の中から一つを選択することで、選択条件に一致しない検査の医用画像であっても領域702の表示がその選択された検査の医用画像の表示へと変更される。
【0068】
また、以上の説明では、都度操作者が比較画像の選択条件を選択する構成としたが、選択条件を固定できる構成にしてもよい。すなわち、情報取得部003は、一度比較画像の選択条件の入力を受けると、その選択条件の選択の解除もしくは新しい選択条件が操作者から入力されるまではその選択条件を使い続ける構成にしてもよい。
【0069】
ここで、図5を参照して選択条件を固定する構成における選択条件の設定の流れを説明する。図5は選択条件を固定する構成における選択条件の設定のフローチャートである。
【0070】
ステップS101:統括制御部009は、操作者より選択条件の選択の入力がなされたか否かを判断する。選択条件の選択がなされた場合(Yes)にはステップS102に進む。選択条件の設定がなされていない場合(No)にはステップS103に進む。
【0071】
ステップS102:情報取得部003は、選択された選択条件を記憶する。
【0072】
ステップS103:医用画像表示装置100は、図3に示す医用画像表示の動作を実行する。
【0073】
ステップS104:統括制御部009は、動作を終了するか否かを判断する。この動作終了の判断は、例えば操作者による停止命令の入力の有無などで判断できる。動作を終了すると判断した場合(Yes)は、統括制御部009は医用画像表示装置100の動作を終了する。動作を終了しないと判断した場合(No)は、ステップS101に進む。
【0074】
この様な構成にすると、同じ条件の下に繰り返し読影を行う場合(例えば、繰り返し「手術直前に行われた検査の画像」と比較して読影を行うというような場合)に、読影を行う際に自動的にその条件に合った検査の医用画像が比較画像として表示されるため、同じ条件の下に繰り返し読影を行う場合における読影効率をさらに向上させることが可能となる。
【0075】
以上に説明したように、本実施形態に係る医用画像表示装置は、外部から選択条件に一致する検査を検索するために必要な情報を取得して、その選択条件に一致する検査の医用画像を自動的に取得し、その優先度に合わせて表示要求のあった特定の検査の医用画像とともに表示させる構成である。これにより、予め設定された条件に合った検査の医用画像を比較画像として自動的に表示することができ、操作者は比較読影のための検査を探し出し特定する手間を省くことができ、読影効率を向上させることが可能となる。
【0076】
さらに、以上に説明したように、本実施形態に係る医用画像表示装置は、画像を検索するための十分な情報を持っていない。例えば、電子カルテは電子カルテ管理装置が、入院情報は入院情報管理装置が、手術情報は手術情報管理装置がそれぞれ管理している。そのため、本実施形態に係る医用画像表示装置は、外部の装置から必要な情報を取得する必要がある。すなわち、医用画像表示装置は選択条件だけを有し、外部の装置から必要な情報を取得して選択条件に一致する検査の医用画像を検索する構成となっている。こうした構成にすることで、HIS等が導入されているシステムを維持しながら、以上で説明した本発明の効果を実現することができる。
【0077】
〔第2の実施形態〕
以下、この発明の第2の実施形態に係る医用画像表示装置について説明する。本実施形態に係る医用画像表示装置の構成は第1の実施形態と同じであるが、外部の装置にオーダ情報管理装置を付加した構成である。本実施形態に係る医用画像表示装置の機能を表すブロック図も図1で表わされる。以下の説明では、第1の実施形態と同一の符号を付された機能部は特に説明のない限り同じ機能を有するものとする。ここで、オーダ情報とは、検査を行う際に作成される患者の性別や年齢などの基本情報、検査の日付や検査ID(検査の識別情報)などの基本情報、及び検査における撮影条件の情報などを含む情報である。
【0078】
本実施形態に係る医用画像表示装置100が接続されたネットワークには、図2における一点鎖線で示されるオーダ情報管理装置105が接続されている。本実施形態では、このオーダ情報管理装置105もRIS(Radiology Information Sustem)300に含まれているものとする。このオーダ情報管理装置105は、操作者より入力されたオーダ情報を記憶し管理する装置であり、各検査の検査IDも管理している。これに対し、電子カルテ管理装置102や手術情報管理装置104といったオーダ情報管理装置105以外の外部装置では検査IDを用いた管理は行っておらず、各検査の検査IDは記憶していない。
【0079】
また、本実施形態は、検査に対する受付番号の発番が行われないシステムとする。そして、画像保管部002に検査の受付番号は記憶されておらず、検査IDが記憶されているものとする。本実施形態では、この検査IDが「検査特定情報」となる。
【0080】
以下の説明では、使用する比較画像の選択条件の種類として、アクセス数が最大の電子カルテに記載されている検査、及び手術直前の検査が操作者により選択されているものとして説明する。
【0081】
情報取得部003は、操作者からの特定の検査の医用画像の表示要求を患者識別情報と共に受けて、条件記憶部001からアクセス数が最大の電子カルテに記載されている検査を検索するのに必要な情報の項目を取得する。ここでは、アクセス数が最大のその患者の電子カルテに記載されている検査の検査ID、及びその患者の手術直前の検査の検査IDを必要な情報の項目として取得する。
【0082】
情報取得部003は、患者識別情報とともに電子カルテ管理装置102にアクセス数が最大の電子カルテに記載されている検査の検査IDの出力要求を行う。また、情報取得部003は、患者識別情報と共に手術情報管理装置104に手術直前の検査の検査IDの出力要求を行う。
【0083】
そして、情報取得部003は、電子カルテ管理装置102及び手術情報管理装置104から出力要求に一致する検査IDを受け取り、その検査IDを検査画像取得部004へ出力する。
【0084】
検査画像取得部004は、入力された検査IDを基に画像保管部002を参照し、その検査IDに一致する付帯情報を有する医用画像を取得する。本実施形態では検査IDを主としているので、条件記憶部001から選択条件を取得しなくてもよい。また、検査画像取得部004は、表示要求に対応する特定の検査の医用画像を画像保管部002から取得する。そして、検査画像取得部004は、取得した医用画像を表示制御部005へ出力する。
【0085】
表示制御部005は、医用画像の入力を検査画像取得部004から受け、さらに、条件記憶部001から選択条件の優先度を取得する。そして、表示制御部005は、予め記憶しているフォーマットを基に表示画面を生成し、表示部007に表示させる。
【0086】
電子カルテ管理装置102は、情報取得部003より、患者識別情報とともに電子カルテ管理装置102にアクセス数が最大の電子カルテに記載されている検査の検査IDの出力要求の入力を受ける。
【0087】
電子カルテ管理装置102は、患者識別情報に一致する患者の電子カルテを抽出し、その中からアクセス数が最多の電子カルテを抽出する。そして、電子カルテ管理装置102は、その電子カルテに記載されている検査の日時及び患者識別情報を基に、オーダ情報管理装置105にその検査の検査IDの出力を要求する。電子カルテ管理装置102は、オーダ情報管理装置105に対しこの出力要求と共にアクセス数が最多の電子カルテに記載された検査である旨の情報を送信する。
【0088】
手術情報管理装置104は、患者識別情報に一致する患者の手術日を取得する。そして、手術情報管理装置104は、取得した手術日を基に、オーダ情報管理装置105に手術日以前でかつ最も手術日に近い検査の検査IDの出力を要求する。手術情報管理装置104は、オーダ情報管理装置105に対しこの出力要求とともに手術日直前の検査である旨の情報を送信する。
【0089】
オーダ情報管理装置105は、電子カルテ管理装置102から入力された検査の日時及び患者識別情報を基にオーダ情報を参照し、その検査の日時及び患者情報を有するオーダ情報からその検査の検査IDを取得する。そして、オーダ情報管理装置105は、取得した検査IDをアクセス数が最多の電子カルテに記載された検査である旨の情報とともに情報取得部003へ出力する。
【0090】
また、オーダ情報管理装置105は、手術情報管理装置104から入力された手術日及び患者識別情報を基にオーダ情報を参照し、その患者識別情報を有する患者のその手術日以前の検査の中から最も手術日に近い検査の検査IDを取得する。そして、オーダ情報管理装置105は、取得した検査IDを手術日直前の検査である旨の情報とともに情報取得部003へ出力する。
【0091】
ここで、本実施形態ではオーダ情報管理装置105が情報取得部003に対し選択条件に一致する検査の検査IDを出力しているが、これは例えば、オーダ情報管理装置105が電子カルテ管理装置102や手術情報管理装置104に対し要求に合った検査IDを返信し、その返信を受けて、電子カルテ管理装置102及び手術情報管理装置104のそれぞれがオーダ情報管理装置105から受信した検査IDを情報取得部003に出力する構成でもよい。
【0092】
さらに、図6を参照して本実施形態に係る医用画像表示装置100を含むシステムにおける医用画像の表示の全体の流れの概要を説明する。ここで、図6は、本実施形態に係る医用画像表示装置100を含むシステムにおける医用画像の表示の全体の流れの概要を説明するための図である。
【0093】
図6に示すように、医用画像表示装置100は、表示部007の領域701に画像保管部002から取得された最新の検査の医用画像である検査Eの医用画像を表示する。この最新の検査の特定は、オーダ情報管理装置105が記憶しているオーダ情報を基に最新の検査として特定した検査の検査IDを受けて、その検査IDを基に画像保管部002に記憶されている医用画像の付帯情報を参照し、その検査IDに一致する検査を検査Eと特定することでなされる。
【0094】
また、電子カルテ管理装置102は、アクセス数が最多(厚み情報が最も厚い)の電子カルテ112を特定し、その電子カルテ112に記載された検査の日時や患者識別情報を基にオーダ情報管理装置105にその検査の検査IDの出力を要求する。オーダ情報管理装置105は、電子カルテ管理装置102から受けた検査の日時や患者識別情報を基に、アクセス数が最多の電子カルテ112に記載されている検査の検査IDを特定し、その特定した検査IDを医用画像表示装置100へ出力する。医用画像表示装置100は、入力された検査IDを基に画像保管部002に記憶されている医用画像の付帯情報を参照し、アクセス数が最多の電子カルテ112に記載された検査を検査Cと特定する。
【0095】
また、手術情報管理装置104は、その患者の手術日113を特定し、その手術日113を基にオーダ情報管理装置105にその検査の検査IDの出力を要求する。オーダ情報管理装置105は、手術情報管理装置104から受けた手術日113を基に、手術日113以前で且つ手術日113に最も近い検査の検査IDを特定し、その特定した検査IDを医用画像表示装置100へ出力する。医用画像表示装置100は、入力された検査IDを基に画像保管部002に記憶されている医用画像の付帯情報を参照し、手術直前の検査を検査Bと特定する。
【0096】
そして、医用画像表示装置100は、手術の直前の検査である検査Bの優先度が最も高く、アクセス数が最多の電子カルテに記載された検査Cが検査Bよりも優先度が低いことから、表示部007の領域702に画像保管部002に記憶されている検査Bの医用画像を表示し、さらに検査Cのサムネイル画像を表示部007の領域703に表示する。
【0097】
さらに、図7を参照して本実施形態に係る医用画像表示装置100を含むシステムにおける比較画像の選択条件を入院直前の検査とした場合の医用画像の表示の全体の流れの概要を説明する。図7は、本実施形態に係る医用画像表示装置100を含むシステムにおける比較画像の選択条件を入院直前の検査とした場合の医用画像の表示の全体の流れの概要を説明する図である
【0098】
図7に示すように、医用画像表示装置100は、表示部007の領域701に画像保管部002から取得された最新の検査の医用画像である検査Eの医用画像を表示する。この最新の検査の特定は、オーダ情報管理装置105が記憶しているオーダ情報を基に最新の検査として特定した検査の検査IDを受けて、その検査IDを基に画像保管部002に記憶されている医用画像の付帯情報を参照し、その検査IDに一致する検査を検査Eと特定することでなされる。
【0099】
また、入院情報管理装置103は、その患者の入院日114を特定し、その入院日114を基にオーダ情報管理装置105にその検査の検査IDの出力を要求する。オーダ情報管理装置105は、入院情報管理装置103から受けた入院日114を基に、入院日114以前で且つ入院日114に最も近い検査の検査IDを特定し、その特定した検査IDを医用画像表示装置100へ出力する。医用画像表示装置100は、入力された検査IDを基に画像保管部002に記憶されている医用画像の付帯情報を参照し、入院直前の検査を検査Cと特定する。
【0100】
そして、医用画像表示装置100は、選択条件が1つであることから、比較条件の優先度を考慮せず、表示部007の領域702に画像保管部002に記憶されている検査Cの医用画像を表示する。
【0101】
以上で説明したように、本実施形態に係る電子カルテ管理装置102はオーダ情報に記載された検査特定情報を基に選択条件に一致する比較画像を取得し、その比較画像を用いて生成した表示画面を表示する構成である。これにより、検査特定情報としてオーダ情報に記載されている情報が有効な場合に、オーダ情報管理装置以外の外部装置がオーダ情報を有さない場合でも、そのオーダ情報に記載されている検査特定情報を取得できる。また、検査IDなどを使用した場合には、その検査IDに一致する検査は一意に決まるため、医用画像表示装置における選択条件に一致する検査の医用画像の検索を容易にすることができ、医用画像表示装置の負荷を軽減することが可能となる。
【符号の説明】
【0102】
001 条件記憶部
002 画像保管部
003 情報取得部
004 検査画像取得部
005 表示制御部
006 ユーザインタフェース
007 表示部
008 入力部
009 統括制御部
100 医用画像表示装置
101 モダリティ(医用画像診断装置)
102 電子カルテ管理装置
103 入院情報管理装置
104 手術情報管理装置
105 オーダ情報管理装置
200 HIS
300 RIS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者に対する、複数の検査で撮影された医用画像を前記検査毎に、前記医用画像を撮影した前記検査を特定する特定情報を含む付帯情報と共に記憶しておく画像保管手段と、
各前記検査における医用画像の比較画像の選択条件を予め記憶しておく条件記憶手段と、
入力手段から特定の患者の特定の検査の医用画像の表示要求を受けて、前記条件記憶手段から予め決められた前記選択条件を読み出し、前記読み出した選択条件に一致する検査を検索するための条件情報を外部から取得する情報取得手段と、
前記条件情報を基に前記画像保管手段を参照し、前記特定の患者の前記選択条件に一致する前記特定情報を有する検査の医用画像を取得し、さらに前記特定の検査の医用画像を取得する検査画像取得手段と、
前記特定の検査の医用画像、及び前記選択条件に一致する検査の医用画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
前記条件記憶手段は、複数の前記選択条件を記憶しており、
前記情報取得手段は、入力手段から前記選択条件のうちの操作者による1つ又は複数の指定を受けて、前記予め決められた選択条件として前記指定された選択条件を予め記憶しておく、
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記条件記憶手段は、一つの表示要求に対して複数の前記選択条件が出力できるように記憶しており、さらに前記選択条件の優先度を記憶しており、
前記表示制御手段は、前記特定の検査の医用画像、及び前記一番高い優先度の前記選択条件に一致する検査の医用画像を表示手段に表示させるとともに、二番目以降の優先度の前記選択条件に一致する検査の医用画像のサムネイル画像を表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記条件記憶手段は、アクセス頻度が高い又は重要な電子カルテであることを示す情報が最も多く付けられている等の電子カルテの厚み情報が厚い電子カルテに記載された検査であるということを条件として記憶しており、
前記情報取得手段は、外部から前記条件情報として前記厚み情報が厚い前記電子カルテに記載されている検査の特定情報を取得し、
前記検査画像取得手段は、前記検査取得手段で取得された前記特定情報を有する検査の医用画像を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記条件記憶手段は、入院直前の検査であるということを条件として記憶しており、
前記情報取得手段は、外部から前記条件情報として前記特定の患者の入院日の情報を取得し、
前記検査画像取得手段は、前記入院日以前で前記入院日に一番近い日付の検査の医用画像を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の医用画像表示装置。
【請求項6】
前記条件記憶手段は、手術直前の検査であるということを条件として記憶しており、
前記情報取得手段は、外部から前記条件情報として前記特定の患者の手術日の情報を取得し、
前記検査画像取得手段は、前記手術日以前で前記手術日に一番近い日付の検査の医用画像を取得する、
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の医用画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−284204(P2010−284204A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138160(P2009−138160)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】