説明

医療データを格納し、分析し、取り出すシステムおよび方法

医療患者から取得された生理学的情報を動的ラウンドロビンデータベースに格納することが可能である。パラメータ記述子を用いて、レコード内のパラメータ値を識別することが可能である。パラメータ記述子を変更することによってパラメータ値を動的に更新することが可能であり、これによってデータベースがフレキシブルになる。さらに、データベースで使用するファイルのサイズを、患者の状態に応じて動的に調節することが可能である。特定の実装では、ラウンドロビンデータベースは適応的であることが可能であり、これによって、データベースに格納されるデータの量は、患者の状態および/または信号状態に基づいて適応される。さらに、生理学的監視装置の臨床ネットワークから取得された医療データをジャーナルデータベースに格納することが可能である。医療データは、臨床担当者と1つまたは複数の医療装置との対話に応じて発生する装置イベントと、装置が開始するイベント(アラームなど)とを含むことが可能である。ジャーナルデータベースを分析して、統計を導出することが可能であり、この統計を、臨床担当者および/または病院の能力の向上に用いることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
病院、老人ホーム、その他の患者介護施設は、典型的には、施設内の1つまたは複数のベッドサイドに患者監視装置を備えている。患者監視装置は、一般に、医療患者の生理学的パラメータ(血中酸素飽和度、呼吸数など)を取得および分析するためのセンサ、処理機器、ディスプレイなどを備えている。
【背景技術】
【0002】
臨床担当者(医師、看護師、その他の医療スタッフなど)は、患者監視装置から取得された生理学的パラメータを用いて、病気の診断を行い、治療を処方する。また、臨床担当者は、様々な臨床状況にある患者を、それらの生理学的パラメータに関して監視することにより、患者に対して行っている治療のレベルを上げるかどうかを判断する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの患者監視装置は、特定の生理学的パラメータが安全閾値を超えたときにアラームをトリガするアラーム機能を備えている。アラームを引き起こす状況としては、たとえば、心拍数や呼吸数の減少、あるいは、低血中酸素飽和度などが挙げられる。アラームにより、臨床担当者は、生命を脅かしうる状況に迅速に対処することが可能である。アラームは、院内の、患者から離れた場所にいる臨床担当者にも、可聴的または可視的に、あるいはネットワーク送信で伝えられる。アラームや他の生理学的情報は、多くの場合、看護師や他の臨床担当者が複数の患者を一度に監視できる中央看護師詰所または同様の場所に送信される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つまたは複数の臨床担当者監視詰所と通信している複数の患者監視装置を有する多患者監視環境において、医療患者から取得された生理学的情報を格納する方法が、特定の実施形態では、ネットワークを介して患者監視装置から識別情報を受信するステップであって、患者監視装置は、医療患者につながれた1つまたは複数のセンサから取得された生理学的データを処理するように動作する1つまたは複数の処理装置を有する、前記ステップと、識別情報を受信して、識別情報に少なくとも部分的に基づいて、患者監視装置に対応する第1のパラメータ記述子を取り出すステップであって、各第1のパラメータ記述子は、患者監視装置によって測定可能なパラメータを識別することが可能である、前記ステップと、第1のパラメータ記述子を有するヘッダを有するラウンドロビンデータベース(RRDB)ファイルを作成するステップと、患者監視装置から生理学的データを受信するステップであって、生理学的データは、生理学的データを識別することが可能な第2のパラメータ記述子を有する、前記ステップと、患者監視装置から受信された第2のパラメータ記述子に少なくとも部分的に基づき、ヘッダ内の第1のパラメータ記述子を用いて、生理学的データをRRDBファイル内のロケーションにマッピングするステップと、を含む。
【0005】
特定の実施形態では、複数の医療装置から医療データをジャーナルする方法が、臨床ネットワークを介して複数の医療装置からメッセージを受信するステップであって、医療装置は患者監視装置を有し、各患者監視装置は、医療患者につながれた1つまたは複数のセンサから受信される生理学的情報を処理することが可能な1つまたは複数の処理装置を有する、前記ステップと、メッセージを処理して、メッセージのそれぞれに記載された医療イベントを特定するステップであって、医療イベントは、臨床担当者と、医療装置のうちの選択された1つとの対話に応じて発生する第1の装置イベントと、臨床担当者と選択された医療装置との対話がなくても発生する第2の装置イベントと、のうちの1つまたは複数を含む、前記ステップと、1つまたは複数の医療イベントに関する情報を、物理的コンピュータ記憶装置を有するジャーナルデータベースに格納するステップと、医療イベントレポートの要求に対する応答として、ジャーナルデータベースに格納されている医療イベントに関する医療統計を取得するステップと、医療統計を含むレポートを生成するステップと、を含む。
【0006】
さらに、各種実施形態では、医療患者から取得された生理学的情報のタイプを動的に調節する方法が、医療患者につながれた1つまたは複数のセンサで測定される生理学的信号を処理することが可能な1つまたは複数の処理装置を用いて、患者の1つまたは複数の第1の生理学的パラメータに対応する第1の生理学的データを取得するステップと、第1の生理学的データを、第1の生理学的データの中の1つまたは複数の第1の生理学的パラメータを説明することが可能な第1のパラメータ記述子と自動的に関連付けて、第1の関連付けられた生理学的データを生成するステップと、第1の関連付けられた生理学的データをラウンドロビンデータベースに供給するステップであって、第1のパラメータ記述子は、ラウンドロビンデータベース内の第1の生理学的データを説明することが可能であり、ラウンドロビンデータベースは物理的コンピュータ記憶装置を有する、前記ステップと、医療患者の1つまたは複数の第2の生理学的パラメータに対応する第2の生理学的データを取得するステップと、第2の生理学的データを第2のパラメータ記述子と自動的に関連付けて、第2の関連付けられた生理学的データを生成するステップと、第2の関連付けられた生理学的データをラウンドロビンデータベースに供給するステップと、を含むことが可能である。
【0007】
医療患者から取得された生理学的情報を格納するシステムの各種実装は、ネットワーク管理モジュールおよびラウンドロビンデータベース(RRDB)コンポーネントを含み、ネットワーク管理モジュールは、ネットワークを介して患者監視装置から識別情報を受信するステップであって、患者監視装置は、医療患者につながれた1つまたは複数のセンサから取得された生理学的データを処理することが可能な1つまたは複数の処理装置を有する、前記ステップと、患者監視装置から生理学的データを受信するステップであって、生理学的データは、生理学的データを識別するように動作する第1のパラメータ記述子を含む、前記ステップと、を行うことが可能であり、RRDBコンポーネントは、ネットワーク管理モジュールから識別情報を受信して、識別情報に少なくとも部分的に基づいて、患者監視装置に対応する第2のパラメータ記述子を取り出すステップであって、各第2のパラメータ記述子は、患者監視装置によって測定可能なパラメータを識別することが可能である、前記ステップと、第2のパラメータ記述子を含むヘッダを有するRRDBファイルを作成するステップと、患者監視装置から受信された第1のパラメータ記述子に少なくとも部分的に基づき、ヘッダ内の第2のパラメータ記述子を用いて、生理学的データをRRDBファイル内のロケーションにマッピングするステップと、を行うように動作する。
【0008】
以下、各種実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。これらの実施形態は、例としてのみ図示および説明するものであって、本開示の範囲の限定を意図するものではない。各図面において、類似の要素は類似の参照符号を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】臨床ネットワーク環境の実施形態を示すブロック図である。
【0010】
【図2】図1の臨床ネットワーク環境のより詳細な実施形態を示すブロック図である。
【0011】
【図3】図1または図2の臨床ネットワーク環境において生理学的データを格納するラウンドロビンデータベースファイルの実施形態を示すブロック図である。
【0012】
【図4】図3のラウンドロビンデータベースファイルのより詳細な実施形態を示す図である。
【0013】
【図5A】ラウンドロビンデータベースを用いて生理学的データを格納するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【図5B】ラウンドロビンデータベースを用いて生理学的データを格納するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【図5C】ラウンドロビンデータベースを用いて生理学的データを格納するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【0014】
【図6A】医療イベントをジャーナルデータベースにジャーナルするプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【図6B】ジャーナルデータベースのデータとラウンドロビンデータベースのデータとを相互に関連付けるプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【0015】
【図7】図1の臨床ネットワーク環境において患者を監視するためのユーザインターフェースの一例のスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
特定の実施形態では、生理学的動向データを迅速に格納および取得するシステムおよび方法を提供する。たとえば、医療患者から取得された生理学的情報をラウンドロビンデータベースに格納することが可能である。ラウンドロビンデータベースは、生理学的情報を、一定の時間間隔のレコードの系列として格納することが可能である。パラメータ記述子を用いて、レコード内のパラメータ値を識別することが可能である。パラメータ記述子を変更することによってパラメータ値を動的に更新することが可能であり、これによってデータベースがフレキシブルになる。さらに、データベースで使用するファイルのサイズを、患者の状態に応じて動的に調節することが可能である。
【0017】
さらに、特定の実施形態では、生理学的監視装置の臨床ネットワークから取得された医療データをジャーナルデータベースに格納またはジャーナルすることが可能である。医療データは、臨床担当者と1つまたは複数の医療装置との対話に応じて発生する装置イベントを含むことが可能である。医療イベントデータは、装置が開始するイベント、たとえばアラームなども含んでよい。ジャーナルデータベースに格納された医療データを分析して、統計や指標を導出することが可能であり、これらを、臨床担当者および/または病院の能力の向上に用いることが可能である。
【0018】
本明細書で用いている用語「ラウンドロビンデータベース」および「RRDB」は、本来の意味に加えて、本明細書で開示している独自の特性および特徴を有する、改良されたデータベース構造を表すことも可能である。これらの構造を、本明細書では、動的RRDBまたは適応RRDBと称することもある。
【0019】
図1は、臨床ネットワーク環境100の実施形態を示す。臨床ネットワーク環境100は、多患者監視システム(MMS)120を含んでおり、MMS 120は、ネットワーク110を介して、1つまたは複数の患者監視装置140、看護師詰所システム130、および臨床担当者端末150と通信している。特定の実施形態では、MMS 120は、患者監視装置140から取得された生理学的データを看護師詰所システム130および/または臨床担当者端末150に供給する。さらに、特定の実施形態では、MMS 120は、生理学的情報および医療イベント情報を、後で分析するために格納する。
【0020】
臨床ネットワーク環境100のネットワーク110は、どの病院、老人ホーム、患者介護センター、その他の臨床現場でも使用されているLANまたはWAN、無線LAN(「WLAN」)、または他のタイプのネットワークであってよい。説明を簡単にするために、本明細書の以降では、病院の場合について臨床環境を説明するが、本明細書に記載の特徴は、他の臨床現場または臨床設定にも適用可能であることを理解されたい。実装によっては、ネットワーク110は、互いに離れていてもよい複数の病院または臨床現場にある装置をインターネットや専用線などで相互接続することが可能である。同様に、臨床ネットワーク環境100の各種装置120、130、140、および150は、(たとえば、複数の病院に)地理的に分散していてよく、同じ場所に(たとえば、1か所の病院に)あってもよい。
【0021】
患者監視装置140は、医療患者につないだセンサで検出される生理学的信号を監視するポイントオブケア(POC)計器などであってよい。患者監視装置140は、それらの信号を処理して、様々な生理学的パラメータのうちのいずれかを測定することが可能である。生理学的パラメータの一例が、血中酸素飽和度(SpO)である。後で、生理学的パラメータの他の例を、図2に関して説明する。
【0022】
患者監視装置140は、生理学的情報をMMS 120に供給することが可能である。また、患者監視装置140は、医療イベント、たとえばアラームなどの情報をMMS 120に供給することも可能である。たとえば、生理学的パラメータが正常範囲から外れたことに対する応答として、アラームをトリガすることが可能である。また、センサが患者から外れたプローブオフ状態のような機器障害に関するアラートをアラームに含めることも可能である。後で、医療イベントの他の例を、図2に関して説明する。
【0023】
各種実施形態では、患者監視装置140は、生理学的情報および医療イベントをMMS 120に供給する。MMS 120については、後で詳述する。実装によっては、患者監視装置140は、この情報のうちの少なくともいくつかを看護師詰所システム130および臨床担当者端末150に直接供給することが可能である。
【0024】
看護師詰所システム130は、看護師詰所に位置するデスクトップコンピュータ、ラップトップ、ワークステーションなどであってよい。1つの看護師詰所に、1つまたは複数の看護師詰所コンピュータ130を配置することが可能である。看護師詰所コンピュータ130は、MMS 120(または患者監視装置140)から受信した生理学的情報およびアラームデータを受信して表示することが可能である。特定の実施形態では、看護師詰所コンピュータ130は、生理学的情報および医療情報が一目でわかる合理化されたビューを提供するグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を採用している。後で、このGUIの一例を、図7に関して説明する。
【0025】
臨床担当者端末150は、臨床担当者が使用する任意の様々な端末であってよく、たとえば、ページャ、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、タブレットPC、パーソナルコンピュータなどであってよい。実施形態によっては、臨床担当者端末150は、生理学的情報およびアラームを、MMS 120(または患者監視装置140)から受信することが可能である。生理学的データおよびアラームデータは、たとえば、アラームに対する応答として、特定の臨床担当者端末150に供給されることが可能である。臨床担当者端末150は、場合によっては、生理学的パラメータの値および波形を受信することが可能である。
【0026】
MMS 120は、特定の実施形態では、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを有してネットワーク110のネットワークトラフィックを管理する1つまたは複数の物理的コンピューティング装置、たとえばサーバなどを含む。このハードウェアおよび/またはソフトウェアは、論理的かつ/または物理的に、機能の異なる、複数の異なるサーバ120、たとえば、通信サーバ、Webサーバ、データベースサーバ、アプリケーションサーバ、ファイルサーバ、プロキシサーバなどに分割されていてよい。
【0027】
MMS 120は、標準化されたプロトコル(TCP/IPなど)または独自プロトコルを用いて、患者監視装置140、看護師詰所コンピュータ130、および臨床担当者端末150と通信することが可能である。一実施形態では、患者監視装置140がMMS 120と接続することを要求した場合、MMS 120は、患者監視装置140を認証してから、患者監視装置140につながっている患者のコンテキスト情報を患者監視装置140に与えることが可能である。コンテキスト情報には、特に、患者デモグラフィ、患者アラーム設定、およびその患者に対する臨床担当者の割り当てを含めることが可能である。参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている、2006年12月4日に出願した米国特許出願第11/633656号明細書(件名「Physiological alarm notification system」)に、コンテキスト情報の例が記載されている。MMS 120は、このコンテキスト情報を、患者入院情報が備えてある看護師詰所システム130または他の院内コンピュータシステムから取得することが可能である。
【0028】
MMS 120は、患者監視装置140に接続した時点で、生理学的情報および医療イベントを患者監視装置140から受信することが可能である。MMS 120は、生理学的情報およびイベントの少なくとも一部を看護師詰所システム130および/または臨床担当者端末150に供給することが可能である。たとえば、MMS 120は、複数の患者監視装置140に関連する生理学的データおよびアラームを看護師詰所システム130に供給することが可能であり、看護師詰所システム130では、看護師がそのデータおよび/またはアラームを評価して患者の治療方法を決定することが可能である。同様に、MMS 120は、無線ページ、電子メール、インスタントメッセージなどを臨床担当者端末150に送信して、生理学的データおよびアラームを臨床担当者に供給することが可能である。
【0029】
有利なこととして、特定の実施形態では、MMS 120は、患者監視装置140から取得された生理学的情報をラウンドロビンデータベース(RRDB)124に格納することが可能である。各種実施形態のRRDB 122は、患者データの迅速な格納および取り出しを容易にする合理化されたデータベース構造を有する。したがって、特定の実施形態では、RRDB 122を用いて、生理学的動向データを看護師詰所130および臨床担当者端末150に迅速に供給することが可能である。そこで、たとえば、臨床担当者が患者の特定の時間帯、たとえば、過去1時間の生理学的動向を見たい場合、臨床担当者は、看護師詰所コンピュータ130または臨床担当者端末150からMMS 120に照会することが可能である。その後、MMS 120は、所望の時間帯に対応する生理学的情報をRRDB 122から取得することが可能である。有利なこととして、RRDB 122は、動向データの取得を高速化することが可能であり、これは、院内監視システムで使用中のリレーショナルデータベースを用いて可能である。後で、RRDB 122のさらなる利用法および最適化について説明する。
【0030】
また、特定の実施形態では、MMS 120は、医療イベントの情報をジャーナルデータベース124にアーカイブまたは格納する。医療イベントは、患者監視装置140、看護師詰所システム130、臨床担当者端末150などの装置で記録されたイベントを含むことが可能である。特に、医療イベントは、臨床担当者と装置との対話に応じて発生する装置イベント、たとえば、臨床担当者が行うアラームの動作停止を含むことが可能である。また、医療イベントは、臨床担当者と装置との対話がなくても発生する装置イベント、たとえば、アラームそのものを含むことも可能である。後で、医療イベントのさらなる例を、図2に関して説明する。
【0031】
MMS 120は、ジャーナルデータベース124に格納されている医療イベント情報を分析して、医療イベントに関する統計を導出することが可能である。たとえば、MMS 120は、アラームイベントとアラーム動作停止イベントとを分析して、アラームに対する臨床担当者の応答時間を調べることが可能である。これらの統計を用いて、MMS 120は、臨床担当者および/または病院の能力に関するレポートを生成することが可能である。有利なこととして、特定の実施形態では、これらの統計およびレポートを用いて、臨床担当者および病院の能力を向上させることが可能である。
【0032】
たとえば、特定の状況では、これらのレポートは、患者監視装置140に関する問題の原因を病院が見つける助けになるであろう。以下のシナリオ例は、そのようなレポートの潜在的効能を示すことが可能である。SpOのアラームレベルは、傾向として、成人と新生児とで異なる。しかしながら、一部の臨床担当者は、このことを知らずに、新生児のSpO監視装置を、成人のアラームレベルを含むように修正してしまうことがある。こうした変更は多くの間違いアラームを引き起こす可能性があり、これによって、臨床担当者は苛立ち、患者監視装置140の使用をやめる可能性がある。臨床担当者によるアラーム変更のような医療イベントをジャーナルし、ジャーナルしたデータを分析することにより、臨床担当者が新生児用監視装置のアラーム設定を不適切に調節していたことがわかる可能性がある。このような情報に基づいて、病院は、アラームのリミットを固定したり、臨床担当者をトレーニングしたりするなどの是正措置を講じることが可能である。
【0033】
図示していないが、臨床ネットワーク環境100に管理装置を設けてもよい。管理装置は、病院管理者やIT担当者などが操作するコンピューティング装置であってよい。IT担当者は、管理装置を用いて、たとえば、複数の患者監視装置140、看護師詰所システム130、およびMMS 120に変更を一斉に伝えることが可能である。また、IT担当者は、管理装置を用いて、サードパーティシステム、たとえば、電子医療記録(EMR)システムをMMS 120とインターフェースさせることも可能である。たとえば、サードパーティシステムを用いて、複数の監視装置のアラーム設定の変更を管理装置から行うことが可能である。管理者、IT担当者、および管理装置によって実行されるほとんどのアクションも、ジャーナルデータベース124にジャーナルすることが可能である。
【0034】
図2は、臨床ネットワーク環境200のより詳細な実施形態を示す。臨床ネットワーク環境200は、ネットワーク210、患者監視装置240、看護師詰所システム230、MMS 220、RRDB 222、およびジャーナルデータベース224を含んでいる。これらのコンポーネントは、図1に関して上述した機能性をすべて備えていることが可能である。説明を簡単にするために、患者監視装置240および看護師詰所システム230を1つずつ図示した。さらに、図示していないが、上述の臨床担当者端末150を臨床ネットワーク環境200に含めることも可能である。
【0035】
図示した、患者監視装置240の実施形態は、監視モジュール242、RRDBモジュール244、およびジャーナルモジュール246を含んでいる。これらのモジュールのそれぞれは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでよい。通信モジュールなどの他のコンポーネントも、図示していないが、様々な実装において、患者監視装置240に含めることが可能である。
【0036】
監視モジュール242は、患者につないだ1つまたは複数のセンサで生成される生理学的信号を監視することが可能である。監視モジュール242は、それらの信号を処理して、様々な生理学的パラメータのうちのいずれかを測定することが可能である。たとえば、監視モジュール242は、脈拍数、プレチスモグラフ波形データ、灌流指数、生体組織の血液成分の値などの生理学的パラメータを測定することが可能である。生体組織の血液成分の値としては、たとえば、動脈血一酸化炭素飽和度(「HbCO」)、メトヘモグロビン飽和度(「HbMet」)、総ヘモグロビン(「HbT」または「SpHb」)、動脈血酸素飽和度(「SpO」)、分数的動脈血酸素飽和度(「SpaO」)、酸素含量(「CaO」)などがある。
【0037】
さらに、監視モジュール242は、呼吸数、吸気時間、呼気時間、吸気対呼気比、吸気流、呼気流、一回換気量、毎分換気量、無呼吸継続時間、呼吸音、ラ音、いびき音、喘鳴、および音量の減少などの呼吸音の変化または空気流の変化を調べるために、音響センサから生理学的情報を取得することが可能である。さらに、場合によっては、監視モジュール242は、他の生理学的な音(たとえば、心拍(たとえば、プローブオフ検出の検出に役立つ)、心音(たとえば、S1、S2、S3、S4、および心雑音)、および心音の変化(たとえば、正常音から雑音への変化、あるいは体液過剰を示す分裂心音)を監視する。さらに、監視モジュール242は、心電図検査(ECG)および他の多くの生理学的パラメータを介して、患者の電気的心臓活動を監視することが可能である。
【0038】
実装によっては、患者監視装置140は、様々なデータ信頼度指標を測定することも可能であり、たとえば、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている米国特許第7024233号明細書(件名「Pulse oximetry data confidence indicator」)に記載されているデータ信頼度指標を測定することが可能である。また、患者監視装置140は、灌流指数を測定することも可能であり、たとえば、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている米国特許第7292883号明細書(件名「Physiological assessment system」)に記載されている灌流指数を測定することが可能である。さらに患者監視装置140は、プレチスモグラフ変動指数(PVI)を測定することが可能であり、たとえば、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2008/0188760号明細書(件名「Plethysmograph variability processor」)に記載されているPVIを測定することが可能である。本明細書に記載のパラメータは例に過ぎず、他の多くのパラメータも、実施形態によっては使用可能である。
【0039】
特定の実施形態では、RRDBモジュール244は、監視モジュール242から生理学的情報を受信し、その生理学的情報を、ネットワーク210を介してMMS 220に送信する。応答として、後で詳述するように、MMS 220は、生理学的情報をRRDB 222に格納することが可能である。有利なこととして、特定の実施形態では、RRDBモジュール244は、生理学的情報を、パラメータ記述子に関連付けてから、MMS 220に送信する。パラメータ記述子は、RRDBモジュール244が、測定された各生理学的パラメータ値に関連付ける識別子であってよい。MMS 220は、これらのパラメータ記述子を用いて、RRDBモジュール244から受信した測定済みパラメータのタイプを識別することが可能である。
【0040】
パラメータ記述子は、マークアップ言語仕様(拡張可能マークアップ言語(XML)仕様など)に従って生成される記述子であってよい。したがって、パラメータ記述子は、測定された生理学的値を囲むタグを含んでよい。これらのタグは、機械可読であっても人間可読であってもよい。たとえば、タグは、数値識別子(たとえば、「0017」)や記述識別子(「SPO2」や「SPHB」など)を含んでよい。各パラメータ記述子に関連付けられたSpOセンサおよびSpHbセンサからの生理学的情報の簡単なストリーム例を以下に示す。<SPO2>96</SPO2><SPHB>14.1</SPHB><SPO2>97</SPO2><SPHB>14.0</SPHB>(さらに続く)。
【0041】
一実施形態では、RRDBモジュール244は、患者監視装置240で使用可能な事前定義済みパラメータ記述子のセットを(たとえば、データファイルの形で)格納していることが可能である。これらのパラメータ記述子は、患者監視装置240で測定可能な潜在的パラメータに対応してよい。RRDBモジュール244から送信されるパラメータ記述子は、患者監視装置240で測定されるパラメータの特定のサブセットに依存してよい。
【0042】
その後、患者監視装置240が追加の(または別の)パラメータを測定する場合、RRDBモジュール240は、パラメータ記述子を動的に更新してMMS 220に送信することが可能である。同様に、患者監視装置240がいずれかのパラメータの測定を中止する場合、RRDBモジュール244は、対応するパラメータ記述子の、MMS 220への送信を中止することが可能である。
【0043】
また、図示した実施形態では、患者監視装置240は、ジャーナルモジュール246を含んでいる。ジャーナルモジュール240は、患者監視装置240に関連する医療イベントを記録することが可能である。そのような医療イベントは、臨床担当者が開始するイベントを含むことが可能であり、たとえば、アラーム設定(たとえば、最大および最小許容パラメータ値)、監視対象パラメータのタイプ、患者監視装置240に接続したセンサのタイプなどの変更を含むことが可能である。ジャーナルモジュール246は、これらのイベントを記録するために、たとえば、キーロガーなどのように動作して、臨床担当者のボタン押し動作を記録することが可能である。また、ジャーナルモジュール246は、センサまたはケーブルが監視装置240などに接続されたタイミングを検出する電流感知回路を含むことが可能である。医療イベントには、臨床担当者が開始するイベントではないもの、たとえばアラームやアラートなども含まれてよい。また、管理装置(図示せず)からのイベント、たとえば、ネットワーク210経由での、EMRによるアラーム設定の更新も、医療イベントに含まれてよい。
【0044】
ジャーナルモジュール246は、これらのイベントを、患者監視装置240においてローカルにログすることが可能である。さらに、またはイベントをローカルにログする代わりに、ジャーナルモジュール246は、イベントに関する情報をMMS 220に送信することが可能である。これを受けてMMS 220は、そのイベント情報をジャーナルデータベース224に格納することが可能である。
【0045】
図示した実施形態では、患者監視クライアント232を有する看護師詰所システム230を示している。患者監視クライアント232は、看護師詰所システム230が生理学的情報およびアラーム情報を受信して表示することを可能にする。患者監視クライアント232は、ユーザ・インターフェース・モジュール234を含んでいる。ユーザ・インターフェース・モジュール234は、たとえば、複数の患者監視装置240に関連する生理学的情報、患者情報、および医療イベント情報を表示するソフトウェアを含むことが可能である。また、ユーザ・インターフェース・モジュール234は、臨床担当者が患者を入退院させたり、装置のアラームリミットを遠隔修正したりすることなどを可能にする。ユーザ・インターフェース・モジュール234で生成可能なユーザインターフェースの一例を、後で図7に関して説明する。
【0046】
患者監視クライアント232はさらに、ジャーナルモジュール236を含んでいる。ジャーナルモジュール236は、患者監視クライアント232に関連する医療イベントを記録するソフトウェアを含むことが可能である。たとえば、ジャーナルモジュール236は、患者監視クライアント232にログインおよびログオフしている臨床担当者、これらのイベントの発生時刻、入院および退院イベント、および他の、臨床担当者のキーストローク、マウスクリック、患者監視クライアント232との対話などを記録することが可能である。ジャーナルモジュール236は、このイベント情報を看護師詰所システム230においてローカルにログしたり、かつ/または、このイベント情報をMMS 220に送信したりすることが可能である。
【0047】
図示したように、MMS 220は、ネットワーク管理モジュール221、RRDB管理モジュール223、およびジャーナル管理モジュール225を含むことが可能であり、これらはそれぞれ、1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントを含むことが可能である。一実施形態では、ネットワーク管理モジュール221は、生理学的情報および医療イベントデータを含むメッセージを患者監視装置240から受信する。ネットワーク管理モジュール221は、このデータの少なくとも一部を、看護師詰所システム230および図1の臨床担当者端末150に供給することが可能である。また、ネットワーク管理モジュール221は、生理学的情報をRRDB管理モジュール223に供給し、医療イベントデータをジャーナル管理モジュール225に供給することが可能である。
【0048】
特定の実施形態では、RRDB管理モジュール223は、患者監視装置240から受信した生理学的情報をRRDB 222に格納する。患者監視装置240が最初にMMS 220に接続されたとき、または別のときに、RRDB管理モジュール223は、その患者監視装置240に対応する1つまたは複数のRRDBファイルをRRDB 222内に作成することが可能である。この1つまたは複数のRRDBファイルの内容は、患者監視装置240のタイプに応じて異なってよく、患者監視装置240のシリアル番号、モデル番号、製造元識別子、これらの組み合わせなどによって定義することが可能である。後で、RRDBファイルの構造および内容の具体例を、図3および図4に関して説明する。
【0049】
また、RRDB管理モジュール223は、RRDBに格納された生理学的動向データを、患者監視装置240、看護師詰所システム230、および/または臨床担当者端末への送信のためにネットワーク管理モジュール221に供給することが可能である。また、RRDB管理モジュール223は、RRDB 222からの生理学的データを、図6Bに関して後述する目的のために、ジャーナル管理モジュール225に供給することが可能である。
【0050】
ジャーナル管理モジュール225は、特定の実装では、患者監視装置240および看護師詰所システム230から医療イベントデータを受信し、このデータをジャーナルデータベース224に格納する。一実施形態では、ジャーナルデータベース224は、リレーショナルデータベースであるが、他の構造も可能である。イベントデータの各エントリは、それぞれ、イベントの発生時刻を示すタイムスタンプを有することが可能である。このタイムスタンプは、ジャーナルモジュール246または236、あるいはジャーナル管理モジュール225から提供可能である。また、ジャーナル管理モジュール225は、医療イベントの発生回数を示すイベントカウンタをジャーナルデータベース224に格納することが可能である。たとえば、一定時間内のアラームの発生回数、あるいは、臨床担当者がネットワーク端末に対してログオンまたはログオフした回数をカウントするカウンタを格納することが可能である。
【0051】
有利なこととして、ジャーナル管理モジュール225は、特定の実施形態では、ジャーナルデータベース224内の医療データを分析して、臨床担当者および/または病院の能力の統計または指標を算出することが可能である。ジャーナル管理モジュール225は、これらの統計にアクセスするためのインターフェースを、看護師詰所システム230または別のコンピューティング装置のユーザに提供することが可能である。一実施例では、ジャーナル管理モジュール225は、アラームイベントとアラーム動作停止イベントとを分析して、アラームに対する臨床担当者の応答時間を調べることが可能である。ジャーナル管理モジュール225はさらに、看護師の昼夜シフトにおける臨床担当者の応答時間を調べることが可能である。ジャーナル管理モジュール225は、これらの統計のレポートを生成することによって、たとえば、どのシフトがよりよく機能するかを病院管理者が決定できるようにすることが可能である。
【0052】
より一般的には、ジャーナル管理モジュール225は、ジャーナルデータベース224内のデータから導出された様々な統計を分析することにより、臨床担当者および/または病院の能力に関するレポートを生成することが可能である。レポートの一例として、導出された統計に少なくとも部分的に基づいて病院対病院(あるいは看護師詰所対看護師詰所など)の格付けを行う監視レポートカードがある。有利なこととして、病院管理者、臨床担当者などは、臨床担当者および病院の能力を向上させるために、これらの統計やレポートを用いることが可能である。
【0053】
臨床ネットワーク環境200の特徴の一部またはすべてを、個々の実施形態に適応させることが可能である。たとえば、ジャーナルモジュール246または236の一方または両方が、ジャーナル管理モジュール225の機能の一部またはすべてを実行してよい。同様に、1つまたは複数のジャーナルデータベース224を、患者監視装置240および/または看護師ワークステーション230に格納してよい。同様に、RRDBモジュール224は、RRDB管理モジュール223の機能の一部またはすべてを実行してよく、RRDB 222は患者監視装置240に格納可能である。さらに、実装によっては、図1の臨床担当者端末150も同様に、RRDBおよび/またはジャーナルモジュールを有してよい。他の実施形態では、他の多くの適応、構成、および組み合わせを実施してよい。
【0054】
図3は、臨床ネットワーク環境、たとえば、臨床ネットワーク環境100または200において生理学的データを格納するRRDBファイル300の実施形態を示す。特定の実施形態では、RRDBファイル300の構成のおかげで、上述のMMS 120または220が、生理学的データの格納および取り出しを迅速に行うことが可能である。
【0055】
特定の実施形態のRRDBファイル300は、フラットなファイル構造を有するが、他の構造(リレーショナル構造など)も可能である。一実施形態では、1つのファイル300が1人の患者に対応するが、1人の患者に対して複数のファイル300を使用することも可能である。さらに、実装によっては、ファイル300を複数の患者で共有することが可能である。RRDBでは、生理学的情報をファイル300内のレコード362に書き込む。特定の実施形態では、各レコード362は、RRDBでは1行であるが、レコード362は複数行であってもよい。たとえば、各レコード362は、1つまたは複数の生理学的パラメータ、波形などの値を表す1つまたは複数の数字を含んでよい。さらに、実施形態によっては、アラームリミットおよび他の情報を各レコード362に格納することが可能である。
【0056】
有利なこととして、特定の実施形態では、様々なレベルの詳細をRRDBファイル300に格納することが可能である。たとえば、ファイル300を、1人の患者に対して、または端末に対して、またはその端末の1つのパラメータまたはテクノロジーに対して、またはパラメータに対応するチャネルに対して、割り当てることが可能である。これらのファイルを割り当てるための基準の例を以下に示す。チャネルは、端末によって測定された値または値のセットであってよい。たとえば、SpOセンサの場合は、SpOの読みを取得するために用いる光の中の様々な波長に対応する複数のチャネル、たとえば、赤チャネルおよび赤外(IR)チャネルがあってよい。他の光センサは、センサで用いる光の各波長ごとに1つのチャネルを有してよい(3つ以上であってよい)。
【0057】
図2を再度参照すると、患者監視装置240のRRDBモジュール244は、先ほど述べたRRDBファイルの様々なタイプに対応する様々な量の生理学的情報を、RRDB 222に供給することが可能である。RRDBモジュール244は、患者の健康状態に少なくとも部分的に基づいて詳細レベルを選択することが可能である。たとえば、患者の健康状態が比較的良い場合、RRDBモジュール244は、RRDB 222に送信する情報の量を少なくすることが可能である。一方、患者の健康状態が比較的良くない場合(たとえば、病状が重い場合)、RRDBモジュール244は、より細かい生理学的情報をRRDB 222に送信することが可能である。また、他の実施形態では、RRDBモジュール244は、他の要因、たとえば、生理学的信号の雑音の程度、信号の変動性などに基づいて、RRDB 222に送信する生理学的情報の量を適応させることも可能である。
【0058】
より具体的に述べると、実施形態によっては、RRDBモジュール244は、患者ごとに単一ファイルを開くことを、RRDB管理モジュール223に命令することが可能である。このファイルは、その患者につないだ各装置の比較的高レベルの詳細を含むことが可能である。患者の健康状態が比較的良い場合には、この設定で十分であろう。患者の健康状態が良くない場合、RRDBモジュール244は、その患者につないだ各装置ごとに単一ファイルを作成することを、RRDB管理モジュール223に命令することが可能である。これらのファイルのそれぞれは、患者ごとの単一ファイルより詳細であることが可能である。さらに、健康状態がより悪い場合には、RRDBモジュール244は、患者監視装置240で測定される各パラメータごとにファイルを作成すること、またはセンサの各チャネルごとにファイル(これはセンサからのローデータを含んでよい)を作成することを、RRDB管理モジュール223に命令することが可能である。このように、患者の健康状態が悪化した場合には、より多くの詳細を供給することが可能である。
【0059】
RRDBモジュール244は、RRDB 222に送信するデータの量および/またはRRDB 222にデータを送信する頻度を、患者の健康状態に基づいて動的に調節することが可能である。一例として、患者のSpHbレベルが安全レベルを下回った場合(たとえば、アラームリミットから外れた場合)、RRDBモジュール244は、より詳細な生理学的情報をRRDB 222に送信すること、または、より頻繁に生理学的情報を送信することが可能である。RRDB管理モジュール223は、追加の詳細を受信すると、その、より詳細な生理学的情報を格納するために、新しいファイルを作成することが可能である。患者のSpHbが正常に戻れば、RRDBモジュール244は、RRDB 222に送信する詳細のレベルを下げることが可能である。そして、RRDB管理モジュール223は、新しいファイルを作成して、その下がったレベルの詳細を格納すること、または既に作成されている低レベル詳細ファイルを使用することが可能である。このように、特定の実施形態では、RRDBモジュール244およびRRDB管理モジュール223は、RRDBファイルの記憶領域の適応制御を行うことが可能である。したがって、特定の実施形態では、RRDBを、適応RRDBまたは動的RRDBと見なすことができる。
【0060】
さらに、特定の実施形態では、RRDBモジュール244は、生理学的データの複数のストリームをRRDB 222に送信することが可能である。異なるストリームが異なる細かさの生理学的データを有することが可能であり、RRDB 222内の別々のファイルに格納可能である。たとえば、生理学的データの各ストリームは、1つまたは複数のチャネルの生理学的情報を含むことが可能である。各ストリームは、RRDB 222内の1つまたは複数のファイルに対応可能である。
【0061】
図3を再度参照すると、RRDBは、所定の数のレコード362をファイル300に格納することが可能である。RRDBは、ファイル300内の最後のレコード362aにデータを書き込んだ後、自動的に最初のレコード362bにループバックしてレコード362bを上書きする。これが、「ラウンドロビン」という用語の所以である。レコード362は、図においてΔtで示されている一定の(たとえば、等しい)時間間隔で格納可能である。各レコード362をRRDBに格納する際に、レコード362にタイムスタンプを付けることが可能である。したがって、Δtは、任意の連続する2つのレコード362のタイムスタンプ値の差を表すことが可能である。代替として、ファイル300のヘッダ部(図4を参照)が、ファイル300に新しい値が記録された時刻を書き取らせる、あらかじめ定義された時間ステップを含むことが可能である。場合によっては、患者監視装置が、(たとえば、患者の健康状態が良いため)データの監視を中止したか、データの記録を不要と判断したことにより、データをRRDBに送信しないことがある。患者監視装置がデータ送信を中止した場合でも時間間隔構造が維持されるように、ファイル300の1つまたは複数のレコード362に、生理学的情報の代わりに、ゼロまたは他の非データ値(たとえば、「not a number(非数)」の意味のNaN)を格納することが可能である。
【0062】
ファイル300からレコード362を読み出す場合、先行のk個のレコード(たとえば、kΔt)のように、k個のレコードを取得することをポインタなどに命令することが可能である。たとえば、先頭のk個のレコード362を取得する場合は、RRDB管理モジュール223(たとえば)がk個のレコード362を読み出す間に、ファイルポインタを、最新のk個のレコード362にわたって進めることが可能である。レコード362の任意の一部分を取得することが可能である(たとえば、最新のレコード362の一部分、さらにはレコード362のすべて)。さらに、レコード362の複数部分を読み出すことも可能である。たとえば、複数のパラメータのうちの特定のパラメータの値を、先行のk個のレコード362から読み出すことが可能である。
【0063】
有利なこととして、RRDBからは、リレーショナルデータベースに比べて桁違いの速さでレコード362を取得することが可能である。たとえば、一実施形態では、データベースの検索を、0次検索(zero−order search)として実行することが可能である。したがって、医療情報動向を、臨床担当者端末、看護師詰所コンピュータなどへ迅速にストリーミングまたは別の方法で供給することが可能である。実装によっては、アラームの送信に関してJCAHO(Joint Commission on the Accreditation of Healthcare Organizations)から公布されたいくつかの規格に準拠するのに十分な速さで生理学的情報を読み取って臨床担当者端末に送信するように、RRDBを構成することが可能である。したがって、たとえば、アラームの発生から5秒以内にアラームを臨床担当者に送信することが規格で要求されている場合は、アラーム通知とともに動向データを5秒以内に臨床担当者端末に提供するように、RRDBを構成することが可能である。
【0064】
図4は、RRDBファイル400のより詳細な実施形態を示す。RRDBファイルは、ヘッダ410および複数のレコード420を含んでいる。ヘッダ410は、RRDB管理モジュール223が、たとえば、ファイル400の読み書きや検索を行うために使用可能なデータを含んでいる。図示した実施形態では、ヘッダ410内の各フィールドをXMLタグで示している。これは一実装に過ぎず、別の実施形態では変形可能である。
【0065】
図示したヘッダ例410のフィールドは、開始時刻、終了時刻、ステップ間隔、パラメータ数、およびパラメータリストを含んでいる。図示した実施形態では、開始時刻および終了時刻を秒数で測定している(たとえば、Unix(登録商標) epoch(1970年1月1日)からの秒数)。ステップ間隔(図示した実施形態では30秒)は、レコード420をファイル400に書き込む頻度を示している。パラメータ数(この例では7)は、監視されている生理学的パラメータの数を示している。パラメータリストは、監視されているパラメータに対応するパラメータ記述子のリストを含んでいる。ヘッダ410内の各フィールドは、RRDB管理モジュール223によって調節可能である。特定の実施形態では、含まれるフィールドの数は、これより多くても少なくてもよい。
【0066】
図示した実施形態の各レコード420は、区切り記号(この例ではスペース)で区切られたパラメータ値を含む単一行である。たとえば、先頭のレコード420にあるパラメータ値は、96、55、8.9、14、14.1、0.5、および1.0である。これらの値は、ヘッダ410のパラメータリストにあるパラメータ記述子の順番に対応する。すなわち、値96は、SPO2パラメータ記述子に対応し、値55は、BPM(ビート毎分)パラメータ記述子に対応する。その他の値も同様である。
【0067】
有利なこととして、特定の実施形態では、ヘッダ410のパラメータリストがパラメータ記述子を含むため、個々のレコード420にパラメータ記述子を含めることなく、レコード420を書き込むことが可能である。結果として、特定の実装では、ファイル400は、パラメータ記述子をレコード420に含めた場合より、サイズを小さくすることが可能である。
【0068】
図5A〜図5Cは、RRDBを用いて生理学的データを格納するプロセス500の実施形態を示す。図5Aは、生理学的データをRRDBに供給するプロセス500Aの一実施形態を示している。一実施形態では、プロセス500Aは、上述のどのMMSによっても(たとえば、MMS 120または220によって)実装可能である。具体的には、プロセス500Aは、図2のRRDB管理モジュール223によって実装可能である。代替として、少なくともいくつかのブロックは、患者監視装置240のRRDBモジュール244によって実装可能である。有利なこととして、特定の実施形態では、プロセス500Aは、臨床ネットワークを介してMMSと通信する患者監視装置に対してRRDBファイルを作成することを可能にする。
【0069】
ブロック502では、患者監視装置から識別情報を受信する。識別情報としては、たとえば、患者監視装置のシリアル番号、患者監視装置のモデル番号、患者監視装置の製造元、患者監視装置の1つまたは複数の相手先ブランド製造者(OEM)モジュールの識別情報、これらの組み合わせなどが可能である。
【0070】
ブロック504では、識別情報に少なくとも部分的に基づいて、患者監視装置に対応するパラメータ記述子を取り出す。各患者監視装置に対応するパラメータ記述子は、MMS 120または220上のファイルに格納可能である。たとえば、患者監視装置のシリアル番号ごとに一式の潜在的パラメータ記述子を格納することが可能であり、これらの記述子は、それぞれの患者監視装置で処理可能な潜在的パラメータに対応する。特定の実施形態では、パラメータ記述子は、拡張可能マークアップ言語(XML)記述子または同様のものである。
【0071】
ブロック506では、識別されたパラメータ記述子を有するヘッダを持つRRDBファイルを作成する。RRDBファイルのヘッダについては、既に、図4に関してその例を説明した。パラメータ記述子は、たとえば、図4に示したパラメータリストに挿入することが可能である。したがって、所与の患者監視装置に対応するパラメータリストは、RRDB管理モジュール223によって決定可能である。図5Bに関して後述するように、パラメータリストは、少なくとも部分的には、患者監視装置によって決定可能であってもよい。
【0072】
ブロック508では、患者監視装置から生理学的データを受信する。ブロック510では、ヘッダを用いて、生理学的データをRRDBファイル内のロケーションにマッピングする。このマッピングは、少なくとも部分的には、図4に関して上述したような、データ内の記述子を用いて行うことが可能である。
【0073】
図5Bは、生理学的データをRRDBに供給するプロセス500Bの別の実施形態を示す。このプロセス500Bは、患者監視装置(たとえば、140または240)によって実装可能である。具体的には、RRDBモジュール244は、プロセス500Bのいくつかのブロックを実行することが可能である。代替として、少なくともいくつかのブロックは、患者監視装置240のRRDBモジュール244によって実装可能である。有利なこととして、特定の実施形態では、プロセス500Bは、患者監視装置で監視されるパラメータの変化に基づいてRRDBファイルを動的に作成することを可能にする。
【0074】
ブロック512では、患者の1つまたは複数の生理学的パラメータに対応する生理学的データを取得する。このブロックは、上述の監視モジュール242で実行可能である。ブロック514では、パラメータ記述子を生理学的データに関連付けて、関連付けられた生理学的データを生成する。この関連付けは、RRDBモジュール244によって実行可能である。この関連付けは、一実施形態では、生理学的データにXMLタグを挿入することによって行うことが可能である。ブロック516では、関連付けられた生理学的データをRRDBに供給する。
【0075】
この関連付けられた生理学的データが送信されると、一実施形態では、MMSが、生理学的データ内で識別されたパラメータ記述子を有するRRDBファイルを作成することが可能である。代替として、MMSは、上述のプロセス500Aに従ってRRDBファイルをあらかじめ作成しておくことが可能である。
【0076】
判定ブロック518では、別の生理学的パラメータが測定されたかどうかを判定する。別の生理学的パラメータが測定された場合は、ブロック519で、別のパラメータ記述子を生理学的データに関連付け、ブロック520で、関連付けられた生理学的データを再度RRDBに供給する。ブロック518〜520は、RRDBモジュール244によって実装可能である。一例として、ブロック512で測定したパラメータに、SpOおよびECGが含まれるとする。ブロック514で与えられるパラメータ記述子は、「SPO2」および「ECG」である。ブロック518で、臨床担当者が監視装置でのSpHbパラメータ測定を有効化した場合、ブロック519で生理学的データに関連付けられたパラメータ記述子は、「SPO2」と「ECG」と「SPHB」とを含むことになる。
【0077】
この新しく関連付けられた生理学的データがブロック520で送信されると、MMSは、生理学的データ内で識別された新しいパラメータ記述子を有する新しいRRDBファイルを作成することが可能である。このように、患者監視装置は、RRDBに供給される生理学的データおよび関連付けられた記述子を動的に調節することが可能である。
【0078】
図5Cは、患者監視装置に対応するRRDB記憶領域を動的に調節するプロセス500Cの実施形態を示す。一実施形態では、プロセス500Cは、上述のどのMMSによっても(たとえば、MMS 120または220によって)実装可能である。具体的には、プロセス500Cは、RRDB管理モジュール223によって実装可能である。代替として、少なくともいくつかのブロックは、患者監視装置240のRRDBモジュール244によって実装可能である。
【0079】
図3に関して上述したように、RRDBファイルのサイズをあらかじめ決定して、増えないようにすることが可能である。このようにサイズを一定にすると、生理学的動向データの記憶量をあらかじめ決定することが可能である。RRDBファイルのサイズは、たとえば、患者が入院した時点で構成可能である。一例として、RRDBのサイズが、72時間分のデータに対応するとする。しかしながら、病状が重い患者の場合は、追加の動向データが必要になる可能性がある。ところが、RRDBファイルが一定サイズであると、この例の72時間が経過した後は動向データが上書きされる。有利なこととして、特定の実施形態では、プロセス500Cは、追加の動向データをRRDBに書き込むことを可能にしている。したがって、特定の実施形態では、RRDBを、適応RRDBまたは動的RRDBと見なすことができる。
【0080】
ブロック532では、RRDBファイルの初期サイズを割り当てる。初期ファイルのサイズは、患者の予定入院期間、患者の現在の健康状態などに基づいて選択可能である。代替として、すべての患者について、ファイルサイズをあらかじめ定義することも可能である。ブロック534では、患者監視装置から受信した生理学的データを分析して、患者の病状の重さを判定する。患者の病状の重さを判定するには、たとえば、患者のプレチスモグラフの変動性に対応する、患者のPVIを分析する。PVIまたは変動性が高い患者については、追加の動向データが有用になる。病状の重さを判定する際に検討可能な他の値として、(上述のとおりに組み込まれている米国特許第7024233号明細書に記載の)データ信頼度指標、脈拍数、SpO変動性、および他の任意の生理学的パラメータの変形形態などがある。さらに、実施形態によっては、複数アラームまたは重篤アラームの履歴があれば病状が重いことを意味するように患者のアラーム履歴を評価することによって、病状の重さを判定することが可能である。
【0081】
判定ブロック536で、患者の病状が著しく重いかどうかを判定する。患者の病状が著しく重い場合は、ブロック538で、RRDBデータ用の追加の記憶領域を割り当てる。この初期記憶領域の割り当ては、新規ファイルを作成することなどではなく、RRDBファイルの長さを拡張することによって可能である。一方、患者の病状が著しくは重くない場合、プロセス500Cは終了する。
【0082】
図6Aは、医療イベントをジャーナルデータベースにジャーナルするプロセス600Aの実施形態を示す。一実施形態では、プロセス600Aは、上述のどのMMSによっても(たとえば、MMS 120または220によって)実装可能である。具体的には、プロセス600Aは、ジャーナル管理モジュール225によって実装可能である。代替として、少なくともいくつかのブロックは、ジャーナルモジュール236、246によって実装可能である。有利なこととして、特定の実施形態では、プロセス600Aは、ジャーナルデータに基づいてレポートを生成することを容易にする。
【0083】
ブロック602では、医療イベントをジャーナルデータベースにジャーナルする。ブロック604では、ユーザ(たとえば、臨床担当者)からレポートが要求されると、医療イベントに関する統計をジャーナルデータベースから取得する。この統計に含まれるのは、医療イベントのタイプ、頻度、継続時間、そのイベントに関連する臨床担当者または患者の識別情報、アラーム応答時間、これらの組み合わせなどである。
【0084】
ブロック606で、医療イベント統計に関するレポートを生成する。ブロック608で、そのレポートを用いて、病院業務の改善の可能性がある領域をつきとめる。たとえば、レポートは、病院または病院の臨床担当者に対し、その能力に応じたスコアを割り当てる「監視レポートカード」であってよい。
【0085】
図6Bは、ジャーナルデータベースのデータとRRDBのデータとを互いに関連付けるプロセス600Bの実施形態を示す。一実施形態では、プロセス600Bは、上述のどのMMSによっても(たとえば、MMS 120または220によって)実装可能である。具体的には、プロセス600Bは、RRDBモジュール223およびジャーナル管理モジュール225によって実装可能である。代替として、少なくともいくつかのブロックは、RRDBモジュール244およびジャーナルモジュール236、246によって実装可能である。有利なこととして、特定の実施形態では、プロセス600Bは、RRDBの生理学的情報と、医療イベントとを、時間的に相互に関連付けることを可能にする。このような、イベントと生理学的データとの再構築は、航空機の「ブラックボックス」技術のように、医療インシデントに至った臨床アクションをユーザが再生できるようにすることが可能である。
【0086】
ブロック602では、ある期間に対応する、ジャーナルされた生理学的データをレビューする要求をユーザから受信する。ユーザは、患者の健康管理における問題の原因を探ろうとする臨床担当者、病院管理者などであってよい。たとえば、ユーザは、患者のSpOが安全レベルを下回ったときに臨床担当者が対応できなかった理由を探ろうとすることが可能である。
【0087】
ブロック604で、指定の期間に対応するジャーナルされたデータをジャーナルデータベースから取り出す。このブロックは、ジャーナル管理モジュール225によって実行可能である。ブロック606で、指定の期間に対応する生理学的データをRRDBから取り出す。このブロックは、RRDB管理モジュール223によって実行可能である。ブロック608では、ジャーナルデータと、生理学的データとを、時間に関して相互に関連付ける。この相互の関連付けは、タイムライン上の正しい時間シーケンスにおいて与えられた生理学的パラメータの値(必要に応じて波形を含む)に対して、医療イベントのタイムラインを再構築することを含むことが可能である。実施形態によっては、この、RRDB管理モジュール223とジャーナル管理モジュール225との間の調整を容易にするために、各データベース222、224のタイムスタンプを、データの格納時に同期させることが可能である。
【0088】
ブロック610では、相互に関連付けられたデータを、ユーザへの表示のために出力する。この出力は、たとえば、生理学的情報の上に重ねられた、医療イベントのグラフィカルビュー(たとえば、波形)などであってよい。この相互に関連付けられたデータに対して、様々な表示形式が使用可能である。
【0089】
図7は、患者を監視するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)700の一例を示す。GUI 700は、看護師詰所システムなどに設けることが可能である。GUI 700を、臨床担当者端末上に表示させることも可能である。
【0090】
GUI 700には、いくつかの表示領域がある。図示した実施形態では、GUI 700は、患者状態表示領域710を含んでいる。患者状態表示領域710は、院内または別の臨床場所にいる複数の患者の状態を示す。一実施形態では、患者状態表示領域710は、一診療科の患者の患者状態を表示する。有利なこととして、特定の実施形態では、患者状態表示領域710は、複数の患者の健康状態が「一目でわかる」ビューを提供する。
【0091】
患者状態表示領域710は、複数の患者状態モジュール712を含んでいる。各患者状態モジュール712は、医療患者につなぐことが可能な患者監視装置に対応することが可能である。各患者状態モジュール712は、グラフィカル状態インジケータ714を表示することが可能である。画面700では、グラフィカル状態インジケータ714の一例を、小さな患者監視装置アイコンで示している。グラフィカル状態インジケータ714は、患者監視装置の複数の状態のうちの1つを選択的に示すことが可能である。一実施形態では、グラフィカル状態インジケータ714は、患者監視装置の4つの可能な状態を示すことが可能である。これらには、アラーム状態、非アラーム状態、患者状況情報状態、および接続状態が含まれる。
【0092】
様々な実装において、グラフィカル状態インジケータ714は、色、形状、その他を変化させて、患者監視装置の様々な状態のうちの1つを示す。たとえば、アラーム状態が存在する場合、グラフィカル状態インジケータ714は、赤色になってアラームを示すことが可能である。患者に関して使用可能な状況情報がない場合(図1を参照)、グラフィカル状態インジケータ714は、黄色に変わることが可能である。患者監視装置が患者またはネットワークにつながっていない場合、グラフィカル状態インジケータ714は、灰色に変わることが可能である。非アラーム状態であって、状況情報があり、患者監視装置が患者およびネットワークにつながっている場合、グラフィカル状態インジケータ714は、緑色に変わることが可能である。上述の実施形態の代わりに(または上述の実施形態との組み合わせで)、他の様々な色、シンボル、および/または形状を用いることが可能である。
【0093】
有利なこととして、グラフィカル状態インジケータ714は、患者監視装置の状態を、一目でわかるように表示する。したがって、患者状態表示領域710においては、複数の患者に対応する複数のグラフィカル状態インジケータ714が、これらの患者に対応する患者監視装置についての一目でわかるビューを表示する。これにより、アラーム、接続状態、および状況情報に関して患者が持っているニーズを、臨床担当者は容易に知ることが可能である。
【0094】
現行の看護師詰所コンピュータ用のグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、各患者ごとに複数の波形または変化する生理学的パラメータの数字を表示する傾向がある。このような、患者情報の表示方式は、状況によっては、詰め込み過ぎで見にくく、混乱を招き、眠気すら誘う可能性がある。たとえば、夜間シフトで勤務中の看護師は、ディスプレイ上で他の複数の患者のインジケータの数字や波形などが変化している中でアラームに集中することが困難な場合がある。これに対し、本明細書に記載のグラフィカルインターフェースでは、グラフィカル状態インジケータ714がアラーム状態を示すと、このアラーム状態は、目立つように表示されて、臨床担当者にただちに認識されることが可能である。
【0095】
さらに、グラフィカル状態インジケータ714によって、看護師が行うことが多い最初のレベルの分析が簡略化される。現行の装置では、多くの場合、看護師は、看護師詰所で波形を分析して患者の健康状態を判定しなければならない。これに対し、画面700を用いた場合、看護師は、患者の波形または変化するパラメータを解釈する必要がまったくなく、アラームの有無を示すグラフィカル状態インジケータ714を頼りにすることが可能である。
【0096】
特定の実施形態では、1回のマウスクリックまたは同様の操作で患者状態モジュール712を選択することが可能である。一実施形態では、患者状態モジュール712を選択することにより、患者監視装置ビュー領域720を表示することが可能である。患者監視装置ビュー領域720は、選択された患者状態モジュール712に対応する患者監視装置のビューを表示する。特定の実装では、患者監視装置ビュー領域720は、患者のベッドサイドにある実際の患者監視装置の画面のビューを表示することが可能である。これにより、臨床担当者は、患者の生理学的パラメータを、見慣れた表示形式で容易に認識することが可能である。図7の患者監視装置ビュー領域720は、患者から生理学的情報を受信している様子を示している。
【0097】
特定の実装では、履歴ビュー領域730が、選択された患者監視装置状態モジュール712に対応する医療イベントデータを表示することが可能である。この医療イベントデータは、ジャーナルデータベースから取得して、GUI 700に含めることが可能である。履歴ビュー領域730は、たとえば、いつセンサを患者につないだか、またはいつ患者から外したか、いつアラームがアクティブだったか、患者がいつ病院または診療科に入院したか、などを表示することが可能である。図示していないが、履歴ビュー領域730は、ジャーナルされたデータの代わりに、または、ジャーナルされたデータに加えてRRDBから取得した動向データを表示するようにも構成可能である。
【0098】
実施形態によっては、本明細書に記載のすべての方法におけるいくつかのアクション、イベント、またはファンクションは、別のシーケンスで実行したり、追加したり、マージしたり、まとめて除去したりすることが可能である(たとえば、記載したアクションまたはイベントのすべてが本方法の実施に必須というわけではない)。さらに、特定の実施形態では、複数のアクションまたはイベントを、順次実行するのではなく、同時に実行することが可能であり、これは、たとえば、マルチスレッド処理、割り込み処理、あるいは複数のプロセッサにより可能である。
【0099】
本明細書で開示した実施形態に関連して記載した、各種の例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組み合わせとして実装可能である。このハードウェアとソフトウェアとの互換性を明確に示すために、各種の例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、主にそれらの機能性の観点から説明してきた。そのような機能性をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、個々の用途、およびシステム全体に課せられた設計制約によって決まる。記載した機能性は、個々の用途ごとに様々な様式で実装可能であるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されてはならない。
【0100】
本明細書で開示した実施形態に関連して記載した、各種の例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理素子、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア部品、または、本明細書に記載の機能を実行するように設計された、これらの任意の組み合わせにより、実装または実行が可能である。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替として、汎用プロセッサは、任意の従来型プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサは、コンピューティング装置同士の組み合わせ(たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わされた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または他の任意のそのような構成として実装することも可能である。
【0101】
本明細書で開示した実施形態に関連して記載した方法またはアルゴリズムの各ステップは、ハードウェアの形で、またはプロセッサで実行されるソフトウェアモジュールの形で、あるいは両者の組み合わせの形で直接実施可能である。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または他の任意の、当該技術分野では周知の形式の記憶媒体に常駐可能である。プロセッサが記憶媒体から情報を読み出したり、記憶媒体に情報を書き込んだりできるように、プロセッサに例示的記憶媒体を接続している。代替として、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに組み込まれてよい。ASICは、ユーザ端末内にあってよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内にディスクリート部品として存在してよい。
【0102】
本明細書で用いている条件付き語句(特に「can」、「could」、「might」、「may」、「e.g.,」など)は、特に断らない限り、あるいは、用いられている文脈で他の解釈がない限り、一般に、いくつかの実施形態では特定の特徴、要素、および/またはステップを含み、他の実施形態では含まない、ということを意味するものとする。したがって、このような条件付き語句は、1つまたは複数の実施形態において、特徴、要素、および/またはステップが何らかの形で必須であること、または、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の個々の実施形態において含まれるかもしくは実行されるべきであるかどうかを、作成者入力またはプロンプティングの有無にかかわらず、判定する論理を、1つまたは複数の実施形態が必ず含むことを意味することを一般に意図するものではない。
【0103】
ここまでの詳細説明において、新規な特徴を、各種実施形態に適用する形で図示し、説明し、指摘してきたが、例示した装置またはプロセスの形態および細部において様々な省略、置換、および変更を、本開示の趣旨から逸脱することなく行うことが可能であることが理解されよう。認識されるように、本明細書に記載の、本発明の特定の実施形態は、本発明で説明した特徴および利点のすべてを提供するわけではない形態で実施可能であり、これは、いくつかの特徴が、他の特徴とは切り離して利用または実践することが可能であるためである。本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示されている。特許請求の範囲の等化物の意味および範囲に含まれるすべての変更は、特許請求の範囲に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の臨床担当者監視詰所と通信している複数の患者監視装置を有する多患者監視環境において、医療患者から取得された生理学的情報を格納する方法であって、
ネットワークを介して患者監視装置から識別情報を受信するステップであって、前記患者監視装置は、医療患者につながれた1つまたは複数のセンサから取得された生理学的データを処理するように動作する1つまたは複数の処理装置を有する、前記ステップと、
前記識別情報を受信して、前記識別情報に少なくとも部分的に基づいて、前記患者監視装置に対応する第1のパラメータ記述子を取り出すステップであって、各第1のパラメータ記述子は、前記患者監視装置によって測定可能なパラメータを識別するように動作する、前記ステップと、
前記第1のパラメータ記述子を有するヘッダを有するラウンドロビンデータベース(RRDB)ファイルを作成するステップと、
前記患者監視装置から前記生理学的データを受信するステップであって、前記生理学的データは、前記生理学的データを識別するように動作する第2のパラメータ記述子を有する、前記ステップと、
前記患者監視装置から受信された第2のパラメータ記述子に少なくとも部分的に基づき、前記ヘッダ内の前記第1のパラメータ記述子を用いて、前記生理学的データを前記RRDBファイル内のロケーションにマッピングするステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1および第2のパラメータ記述子は、拡張可能マークアップ言語(XML)仕様を実装する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヘッダ内の前記第1のパラメータ記述子を用いて、前記生理学的データを前記RRDBファイル内のロケーションにマッピングするステップは、前記生理学的データを前記RRDBファイルのレコードに格納することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記RRDBファイルの前記レコードは、前記第2のパラメータ記述子を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記患者の病状の重さの判定に応じて、前記RRDBファイルのサイズを動的に調節するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記患者の前記病状の重さを判定することは、プレチスモグラフ変動指数を分析することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記患者の前記病状の重さを判定することは、データ信頼度指標を分析することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記患者の病状の重さの判定に応じて、第2のRRDBファイルを動的に作成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記患者監視装置から第3のパラメータ記述子を受信して、前記第3のパラメータ記述子を有する第2のヘッダを有する第2のRRDBファイルを自動的に作成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数の医療装置から医療データをジャーナルする方法であって、
臨床ネットワークを介して複数の医療装置からメッセージを受信するステップであって、前記医療装置は患者監視装置を有し、各患者監視装置は、医療患者につながれた1つまたは複数のセンサから受信される生理学的情報を処理するように動作する1つまたは複数の処理装置を有する、前記ステップと、
前記メッセージを処理して、前記メッセージのそれぞれに記載された医療イベントを特定するステップであって、前記医療イベントは、
臨床担当者と、前記医療装置のうちの選択された1つとの対話に応じて発生する第1の装置イベントと、
臨床担当者と前記選択された医療装置との対話がなくても発生する第2の装置イベントと、のうちの1つまたは複数を有する、前記ステップと、
前記1つまたは複数の医療イベントに関する情報を、物理的コンピュータ記憶装置を有するジャーナルデータベースに格納するステップと、
医療イベントレポートの要求に対する応答として、前記ジャーナルデータベースに格納されている前記医療イベントに関する医療統計を取得するステップと、
前記医療統計を有するレポートを生成するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記第1の装置イベントは、アラーム動作停止、アラームリミットの変更、看護師詰所システムに対する臨床担当者のログオンまたはログオフ、患者の入院、および患者の退院のうちの1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の装置イベントはアラームを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
1つまたは複数の医療イベントの数を格納するように動作する1つまたは複数のイベントカウンタを前記ジャーナルデータベースに格納するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記医療イベントに関する医療統計を取得するステップは、選択されたイベントカウンタにアクセスすることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記レポートを生成するステップは、監視レポートカードを生成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記レポートを生成するステップは、臨床担当者間でアラーム応答時間を比較することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記レポートを生成するステップは、病院間でアラーム応答時間を比較することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
医療患者から取得された生理学的情報のタイプを動的に調節する方法であって、
医療患者につながれた1つまたは複数のセンサで測定される生理学的信号を処理するように動作する1つまたは複数の処理装置を用いて、前記患者の1つまたは複数の第1の生理学的パラメータに対応する第1の生理学的データを取得するステップと、
前記第1の生理学的データを、前記第1の生理学的データの中の前記1つまたは複数の第1の生理学的パラメータを説明するように動作する第1のパラメータ記述子と自動的に関連付けて、第1の関連付けられた生理学的データを生成するステップと、
前記第1の関連付けられた生理学的データをラウンドロビンデータベースに供給するステップであって、前記第1のパラメータ記述子は、前記ラウンドロビンデータベース内の前記第1の生理学的データを説明するように動作し、前記ラウンドロビンデータベースは物理的コンピュータ記憶装置を有する、前記ステップと、
前記医療患者の1つまたは複数の第2の生理学的パラメータに対応する第2の生理学的データを取得するステップと、
前記第2の生理学的データを第2のパラメータ記述子と自動的に関連付けて、第2の関連付けられた生理学的データを生成するステップと、
前記第2の関連付けられた生理学的データを前記ラウンドロビンデータベースに供給するステップと、
を含む方法。
【請求項19】
前記第1および第2のパラメータ記述子は、拡張可能マークアップ言語(XML)仕様を実装する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の関連付けられた生理学的データをラウンドロビンデータベースに供給するステップは、前記関連付けられた生理学的データを、臨床ネットワークを介して多患者監視システムに送信することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
所与の期間に対応する、複数の医療装置から受信された医療イベントおよび生理学的データを再構築するシステムであって、
ある期間に対応する、ジャーナルされた医療データと生理学的データとをレビューする要求をユーザから受信するように動作する1つまたは複数の物理的コンピューティング装置を有するサーバシステムであって、前記生理学的データは、1つまたは複数の患者監視装置から取得され、各患者監視装置は、医療患者につながれた1つまたは複数のセンサから受信される生理学的情報を処理するように動作する1つまたは複数の処理装置を有する、前記サーバシステムを有し、
前記サーバシステムは、
前記指定された期間に対応する前記ジャーナルされた医療データをジャーナルデータベースから取り出すステップであって、前記ジャーナルデータベースは、第1の物理的コンピュータ記憶装置を有し、前記ジャーナルされた医療データは、
臨床担当者と前記1つまたは複数の患者監視装置との対話に応じて発生する第1の装置イベントと、
臨床担当者と前記1つまたは複数の患者監視装置との対話がなくても発生する第2の装置イベントと、のうちの1つまたは複数を有する、前記ステップと、
前記指定された期間に対応する生理学的データを、第2の物理的コンピュータ記憶装置を有するラウンドロビンデータベースから取り出すステップと、
前記ジャーナルされた医療データと、前記生理学的データとを、時間に関して相互に関連付けるステップと、
前記相互に関連付けられた、ジャーナルされたデータと生理学的データとを、前記ユーザへの表示のために出力するステップと、を行うように構成された、
システム。
【請求項22】
医療患者から取得された生理学的情報を格納するシステムであって、
ネットワーク管理モジュールであって、
ネットワークを介して患者監視装置から識別情報を受信するステップであって、前記患者監視装置は、医療患者につながれた1つまたは複数のセンサから取得された生理学的データを処理するように動作する1つまたは複数の処理装置を有する、前記ステップと、
前記患者監視装置から前記生理学的データを受信するステップであって、前記生理学的データは、前記生理学的データを識別するように動作する第1のパラメータ記述子を有する、前記ステップと、を行うように動作する前記ネットワーク管理モジュールと、
ラウンドロビンデータベース(RRDB)コンポーネントであって、前記ネットワーク管理モジュールから前記識別情報を受信して、
前記識別情報に少なくとも部分的に基づいて、前記患者監視装置に対応する第2のパラメータ記述子を取り出すステップであって、各第2のパラメータ記述子は、前記患者監視装置によって測定可能なパラメータを識別するように動作する、前記ステップと、
前記第2のパラメータ記述子を有するヘッダを有するRRDBファイルを作成するステップと、
前記患者監視装置から受信された第1のパラメータ記述子に少なくとも部分的に基づき、前記ヘッダ内の前記第2のパラメータ記述子を用いて、前記生理学的データを前記RRDBファイル内のロケーションにマッピングするステップと、を行うように動作する前記RRDBコンポーネントと、
を含むシステム。
【請求項23】
前記第1および第2のパラメータ記述子は、拡張可能マークアップ言語(XML)仕様を実装する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記RRDBコンポーネントはさらに、前記ヘッダ内の前記第1のパラメータ記述子を用いて、前記生理学的データを前記RRDBファイルのレコードに格納することにより、前記生理学的データを前記RRDBファイル内のロケーションにマッピングするように動作する、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記RRDBファイルの前記レコードは、前記第2のパラメータ記述子を含まない、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
医療データベースに供給される生理学的情報を動的に調節する方法であって、
複数の患者の生理学的情報を格納するように動作する適応ラウンドロビンデータベース(RRDB)を設けるステップと、
患者監視装置と通信して、患者の第1の病状の重さの第1の表示を受信するステップであって、前記患者監視装置は、医療患者につながれた1つまたは複数のセンサから取得された生理学的データを処理するように動作する1つまたは複数の処理装置を有する、前記ステップと、
受信した前記第1の表示に対する応答として、第1の量の生理学的情報を前記適応RRDBに供給するステップと、
前記患者の第2の病状の重さの第2の表示を受信するステップであって、前記第2の病状の重さは、前記第1の病状の重さより重い、前記ステップと、
受信した前記第2の表示に対する応答として、前記第1の量の生理学的情報より多い第2の量の生理学的情報を前記適応RRDBに供給することによって、前記適応RRDBに供給される前記データ量を適応させるステップと、
を含む方法。
【請求項27】
前記患者の前記第1および第2の病状の重さを判定することは、プレチスモグラフ変動指数を分析することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記患者の前記第1および第2の病状の重さを判定することは、データ信頼度指標を分析することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記患者の前記第1および第2の病状の重さを判定することは、前記患者のアラーム履歴を分析することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
第1の量の生理学的情報を前記適応RRDBに供給するステップは、前記生理学的情報のための第1のRRDBファイルを作成することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記適応RRDBに供給される前記データ量を適応させるステップは、前記患者監視装置、前記患者監視装置によって監視されるパラメータ、および生理学的データのチャネルのうちの1つまたは複数に対応する1つまたは複数の追加RRDBファイルを作成することを含む、請求項30に記載の方法。

【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2011−501274(P2011−501274A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529117(P2010−529117)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/079643
【国際公開番号】WO2009/049254
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(503426972)マシモ コーポレイション (14)
【Fターム(参考)】