説明

医療情報システム、医療情報処理装置及びプログラム

【課題】クリニカルパス情報の入力を簡便化する。
【解決手段】医療情報システムSは、医療情報処理装置1と検査装置2とを備えている。検査装置2は、クリニカルパス情報112aに含まれる医療行為の実施結果(検査の検査結果)を医療情報処理装置1に入力するように作用する。医療情報処理装置1は、電子カルテ情報111a及びクリニカルパス情報112aを記憶する記憶部11を備えている。また、医療情報処理装置1の情報処理部12は、検査装置2から医療行為の実施結果が入力されたときに、その医療行為が実施されたことを示す実施済みマークM1をクリニカルパス情報112aに付加するとともに、その医療行為の実施結果を電子カルテ情報111aに付加するように作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療情報を処理する医療情報システム、医療情報処理装置及びプログラムに関し、特に、クリニカルパス情報を処理する医療情報システム、医療情報処理装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、医療機関における情報の電子化が進められている。その代表的なものとして、電子カルテ管理システム、HIS(Hospital Information System:病院情報システム)、RIS(Radiology Information System:放射線部門情報管理システム)などがある。
【0003】
ところで、現在、医療分野では診療の効率化を図るためにクリニカルパス(crinical path)が広く利用されている。クリニカルパスとは、様々な病気の類型ごとに、入院指導、患者へのオリエンテーション、ケア処置、検査項目、処置薬剤、退院指導などの医療行為をスケジュール表のようにまとめて標準化したものである。
【0004】
特許文献1には、クリニカルパスに関する情報(クリニカルパス情報)を管理する病院情報システムが開示されている。この病院情報システムは、クリニカルパス情報に含まれる医療行為のオーダを、その医療行為に係る医療行為に関連する医療部門に通知することにより、各医療部門に対するオーダの管理の一元化を図るものである。
【0005】
【特許文献1】特開2005−157560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、たとえば眼科分野のように多数の検査や処置を含むクリニカルパスを実施する現場においては、検査や処置の内容や検査結果等に基づく所見などのクリニカルパス情報を紙カルテに記入しているのが現状である。
【0007】
また、クリニカルパス情報を電子カルテに入力して管理する現場も出てきているが、クリニカルパス情報を管理するシステムと電子カルテ管理システムのそれぞれに情報を個別に入力を行う必要があり、入力作業が煩雑になるという問題が生じていた。
【0008】
この発明は、このような問題を解決するためになされたもので、クリニカルパス情報の入力を簡便化することが可能な医療情報システム、医療情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電子カルテ情報を記憶する電子カルテ情報記憶手段と、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報に含まれる前記医療行為の実施結果を入力する実施結果入力手段と、前記実施結果入力手段により前記医療行為の実施結果が入力されたときに、当該医療行為が実施されたことを示す実施済み情報を前記クリニカルパス情報に付加するとともに、当該医療行為の実施結果を前記電子カルテ情報に付加する情報処理手段と、を備えることを特徴とする医療情報システムである。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医療情報システムであって、前記クリニカルパス情報は、前記複数の医療行為をその実施予定日毎のリストとして記録した情報であり、前記情報処理手段は、前記実施結果入力手段により前記医療行為の実施結果が入力された日付を示す実施日情報を取得する実施日情報取得手段を含み、前記取得された実施日情報に示す日付に対応する前記実施予定日のリストに前記実施済み情報を前記付加する、ことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の医療情報システムであって、前記電子カルテ情報は、医療行為を実施した各日付毎に記録される情報であり、前記情報処理手段は、前記実施結果入力手段により前記医療行為の実施結果が入力された日付を示す実施日情報を取得する実施日情報取得手段を含み、前記取得された実施日情報に示す日付に対応する前記電子カルテ情報に前記実施結果を前記付加する、ことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の医療情報システムであって、表示手段と、前記情報処理手段により前記実施済み情報が付加されたクリニカルパス情報及び/又は前記実施結果が付加された電子カルテ情報を前記表示手段に表示させる制御手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の医療情報システムであって、前記医療行為の実施結果に基づく所見情報を入力するための所見入力手段を更に備え、前記情報処理手段は、前記所見入力手段により入力された所見情報を前記電子カルテ情報記憶手段に記憶された電子カルテ情報に付加する、ことを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の医療情報システムであって、前記所見入力手段は、表示手段と、前記クリニカルパス情報に応じた所見入力テンプレートを前記表示手段に表示させる制御手段と、前記表示された所見入力テンプレートに前記所見情報を入力する操作手段と、を含み、前記情報処理手段は、前記所見入力テンプレートに入力された所見情報を前記電子カルテ情報に前記付加する、ことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の医療情報システムであって、前記制御手段は、前記クリニカルパス情報を呈示する画面を前記表示手段に表示させるものであり、更に、前記所見入力手段により前記所見情報が入力されたときに、前記所見情報が入力されたことを示す所見入力済み情報を前記画面に表示させる、ことを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の医療情報システムであって、前記クリニカルパス情報は、前記複数の医療行為のそれぞれとその実施予定日とを関連付けて記録した情報であり、前記情報処理手段は、前記クリニカルパス情報に含まれる前記複数の医療行為のうちの本日実施予定の医療行為を選択するとともに、前記選択された医療行為のリストを含む本日実施予定リスト情報を生成し、前記電子カルテ情報として前記電子カルテ情報記憶手段に記憶させる、ことを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の医療情報システムであって、前記クリニカルパス情報記憶手段は、二以上の異なる種別の前記クリニカルパス情報をあらかじめ記憶し、前記情報処理手段は、前記本日実施予定リスト情報を前記生成するときに、当該クリニカルパス情報の種別を示すクリニカルパス種別情報を付加する、ことを特徴とする。
【0018】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の医療情報システムであって、前記クリニカルパス情報は、前記複数の医療行為のそれぞれとその実施予定日とを関連付けて記録した情報であり、前記情報処理手段は、前記クリニカルパス情報に含まれる前記複数の医療行為のうちの本日実施予定の医療行為を選択し、前記選択された本日実施予定の医療行為のリストを所定の印刷媒体に印刷する印刷手段を更に備える、ことを特徴とする。
【0019】
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の医療情報システムであって、前記クリニカルパス情報記憶手段は、二以上の異なる種別の前記クリニカルパス情報をあらかじめ記憶し、前記印刷手段は、前記本日実施予定の医療行為のリストが前記印刷される前記所定の印刷媒体に、当該クリニカルパス情報の種別を示すクリニカルパス種別情報を印刷する、ことを特徴とする。
【0020】
また、請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の医療情報システムであって、前記情報処理手段は、一患者に対する二以上の前記クリニカルパス情報が前記クリニカルパス情報記憶手段に記憶されているときに、当該二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる前記医療行為の実施予定に基づいて、当該医療行為の実施予定が適正であるか否か判断する適否判断手段を含む、ことを特徴とする。
【0021】
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の医療情報システムであって、前記適否判断手段により適正でないと判断されたときに報知を行う報知手段を更に備える、ことを特徴とする。
【0022】
また、請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の医療情報システムであって、前記情報処理手段は、前記適否判断手段により適正でないと判断されたときに、当該医療行為の実施予定を変更する実施予定変更手段を更に備える、ことを特徴とする。
【0023】
また、請求項15に記載の発明は、請求項12に記載の医療情報システムであって、前記適否判断手段は、前記二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる薬剤投与の実施予定を示す薬剤投与情報に基づいて、薬剤の合計投与量、薬剤の投与タイミング及び薬剤の飲み合わせのうちの少なくともいずれか一つが適正であるか否かを判断する、ことを特徴とする。
【0024】
また、請求項16に記載の発明は、請求項1に記載の医療情報システムであって、前記実施結果入力手段は、前記医療行為としての検査を行う検査装置を含む、ことを特徴とする。
【0025】
また、請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の医療情報システムであって、前記検査装置は、前記医療行為として眼科分野の検査を行う眼科検査装置を含む、ことを特徴とする。
【0026】
また、請求項18に記載の発明は、電子カルテ情報を記憶する電子カルテ情報記憶手段と、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報に含まれる前記医療行為の実施結果を受け付ける実施結果受付手段と、医療行為の実施結果が前記受け付けられたときに、当該医療行為が実施されたことを示す実施済み情報を前記クリニカルパス情報に付加するとともに、当該医療行為の実施結果を前記電子カルテ情報に付加する情報処理手段と、を備えることを特徴とする医療情報処理装置である。
【0027】
また、請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の医療情報処理装置であって、前記情報処理手段は、一患者に対する二以上の前記クリニカルパス情報が前記クリニカルパス情報記憶手段に記憶されているときに、当該二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる前記医療行為の実施予定に基づいて、当該医療行為の実施予定が適正であるか否か判断する適否判断手段を含む、ことを特徴とする。
【0028】
また、請求項20に記載の発明は、請求項18に記載の医療情報処理装置であって、表示手段と、操作手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療行為のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記医療情報のリストを前記表示手段に表示させるときに、あらかじめ設定された医療情報に対する前記所定の該当情報を表示させる、ことを特徴とする。
【0029】
また、請求項21に記載の発明は、請求項18に記載の医療情報処理装置であって、表示手段と、操作手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記医療情報のリストに含まれる医療情報のうち、あらかじめ設定された医療情報に対する前記操作手段による前記操作のみを受け付けて前記所定の該当情報を表示させる、ことを特徴とする。
【0030】
また、請求項22に記載の発明は、請求項18に記載の医療情報処理装置であって、表示手段と、操作手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記医療情報のリストに含まれる医療情報に対して所定の順序で前記所定の該当情報を入力させるように誘導する誘導情報を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする。
【0031】
また、請求項23に記載の発明は、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、一患者に対する二以上の前記クリニカルパス情報が前記クリニカルパス情報記憶手段に記憶されているときに、当該二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる前記医療行為の実施予定に基づいて、当該医療行為の実施予定が適正であるか否か判断する適否判断手段と、を備えることを特徴とする医療情報処理装置である。
【0032】
また、請求項24に記載の発明は、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、表示手段と、操作手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療行為のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記医療情報のリストを前記表示手段に表示させるときに、あらかじめ設定された医療情報に対する前記所定の該当情報を表示させる、ことを特徴とする医療情報処理装置である。
【0033】
また、請求項25に記載の発明は、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、表示手段と、操作手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記医療情報のリストに含まれる医療情報のうち、あらかじめ設定された医療情報に対する前記操作手段による前記操作のみを受け付けて前記所定の該当情報を表示させる、ことを特徴とする医療情報処理装置である。
【0034】
また、請求項26に記載の発明は、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、表示手段と、操作手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記医療情報のリストに含まれる医療情報に対して所定の順序で前記所定の該当情報を入力させるように誘導する誘導情報を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする医療情報処理装置である。
【0035】
また、請求項27に記載の発明は、電子カルテ情報を記憶する電子カルテ情報記憶手段と、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報に含まれる前記医療行為の実施結果を受け付ける実施結果受付手段と、を備えるコンピュータを、医療行為の実施結果が前記受け付けられたときに、当該医療行為が実施されたことを示す実施済み情報を前記クリニカルパス情報に付加するとともに、当該医療行為の実施結果を前記電子カルテ情報に付加する情報処理手段として機能させる、ことを特徴とするプログラムである。
【0036】
また、請求項28に記載の発明は、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段を備えるコンピュータを、一患者に対する二以上の前記クリニカルパス情報が前記クリニカルパス情報記憶手段に記憶されているときに、当該二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる前記医療行為の実施予定に基づいて、当該医療行為の実施予定が適正であるか否か判断する適否判断手段として機能させる、ことを特徴とするプログラムである。
【0037】
また、請求項29に記載の発明は、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、表示手段と、操作手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、を備えるコンピュータの前記制御手段を、前記医療情報のリストを前記表示手段に表示させるときに、あらかじめ設定された医療情報に対する前記所定の該当情報を表示させるように機能させる、ことを特徴とするプログラムである。
【0038】
また、請求項30に記載の発明は、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、表示手段と、操作手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、を備えるコンピュータの前記制御手段を、前記医療情報のリストに含まれる医療情報のうち、あらかじめ設定された医療情報に対する前記操作手段による前記操作のみを受け付けて前記所定の該当情報を表示させるように機能させる、ことを特徴とするプログラムである。
【0039】
また、請求項31に記載の発明は、複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、表示手段と、操作手段と、前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、を備えるコンピュータの前記制御手段を、前記医療情報のリストに含まれる医療情報に対して所定の順序で前記所定の該当情報を入力させるように誘導する誘導情報を前記表示手段に表示させるように機能させる、ことを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0040】
この発明によれば、クリニカルパス情報に基づいて実施された医療行為について、その医療行為が実施されたことを示す実施済み情報をクリニカルパス情報に自動的に付加するとともに、その医療行為の実施結果を電子カルテ情報に自動的に付加するように構成されているので、クリニカルパス情報の入力を簡便化することが可能である。
【0041】
また、この発明によれば、一患者に対する二以上のクリニカルパスが設定されているときに、当該二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる医療行為の実施予定が適正であるか否か判断するように構成されているので、二以上のクリニカルパスの間の整合性を自動的にチェックすることができる。
【0042】
また、この発明によれば、クリニカルパス情報に含まれる医療行為を含む医療情報のリストを表示手段に表示させるときに、あらかじめ設定された医療情報に対する所定の該当情報を表示させるように構成されているので、当該あらかじめ設定された医療情報に対して該当情報を入力する手間が不要となり、情報入力作業を簡便化することが可能である。
【0043】
また、この発明によれば、クリニカルパス情報に含まれる医療行為を含む医療情報のリストに含まれる医療情報のうち、あらかじめ設定された医療情報に対する操作手段による操作のみを受け付けて所定の該当情報を表示させるように構成されているので、当該あらかじめ設定された医療情報以外の医療情報に対して該当情報を誤入力するおそれがない。
【0044】
また、この発明によれば、クリニカルパス情報に含まれる医療行為を含む医療情報のリストについて、このリストに含まれる医療情報に対して所定の順序で所定の該当情報を入力させるように誘導する誘導情報を表示手段に表示させるように構成されているので、情報入力作業の簡便化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
この発明に係る医療情報システム、医療情報処理装置及びプログラムの好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、この発明を眼科分野に適用した場合について説明するが、この発明は、眼科分野以外の任意の医療分野に適用することが可能である。
【0046】
[システム構成]
この発明に係る医療情報システムの構成を説明する。図1は、この医療情報システムの構成の一例を表している。同図に示す医療情報システムSは、医療情報処理装置1、検査装置2−1〜2−n及びプリンタ3を含んで構成されている。
【0047】
これらの装置は、医療情報処理装置1を中心にネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。このネットワークNとしては、専用線やLAN(Local Area Network)などの任意の通信回線を適宜に用いることができる。
【0048】
プリンタ3は、医療情報処理装置1により制御されて、各種の情報を印刷用紙に出力する装置である。詳細については後述するが、プリンタ3は、クリニカルパスに記載された本日実施予定の医療行為のリストを受診票(所定の印刷媒体)に印刷するように作用するものである。プリンタ3は、この発明の「印刷手段」の一例として機能する。
【0049】
医療情報処理装置1は、LAN等のネットワークLを介してサーバ4に接続されている。サーバ4は、たとえばHIS等のサーバを含み、入院病棟のベッドの使用状況の管理や、保険点数等の診療報酬に関する情報の処理(レセプト作成等)などを行う。また、サーバ4は、電子カルテ情報の管理などを行うものであってもよい。
【0050】
[検査装置]
検査装置2−1〜2−n(n≧1。まとめて検査装置2と記載することがある。)は、眼科分野における検査に使用される各種の検査装置(眼科検査装置)を含んでいる。各検査装置2は、後述のように、この発明の「実施結果入力手段」の一例として機能するものである。
【0051】
この検査装置2としては、任意の眼科検査装置を用いることができる。たとえば、自覚検眼を行うための自覚検眼装置、他覚検眼を行うための他覚検眼装置、被検眼を観察するためのスリットランプ(細隙灯顕微鏡装置)、眼底写真を撮影するための眼底カメラ、眼底等の断層画像を撮影するためのOCT(Optical Coherence Tomography)装置、眼圧を測定するための眼圧計、角膜形状を測定するためのケラトメータ、角膜等の前眼部を細胞レベルで撮影するためのスペキュラーマイクロスコープ、超音波診断を行うための超音波診断装置、電気生理検査を行うためのERG(electroretinogram:網膜電図)等の電気生理検査装置などの眼科検査装置を検査装置2として適用することが可能である。
【0052】
このような眼科検査装置からなる検査装置2は、眼科内の検査室や診察室に設置されている。なお、検査室と診察室は同一室内にあってもよいが、たとえば眼底カメラなどは暗室状態下にて使用される。
【0053】
これらの検査装置2には、眼科検査を行う装置本体と、この装置本体の制御を行うコンピュータとが設けられているのが一般的である。このコンピュータは、更に、装置本体により得られた検査結果を管理したり、医療情報処理装置1と通信を行ったりする。
【0054】
また、この実施形態に係る検査装置2は、血液検査の検査を行う血液検査装置や、尿検査を行う尿検査装置や、心臓の動作状態を検査する心電計など、眼科以外で使用される検査装置(眼科以外でも使用される検査装置)を含んでいてもよい。これらの検査装置2は、このような検査装置2も、コンピュータを含んで構成される。このコンピュータには、検査結果が自動的に又は手入力で入力される。コンピュータは、この検査結果の管理や、医療情報処理装置1との通信を行う。
【0055】
また、検査装置2は、光凝固治療を行うための光凝固装置などの眼科治療装置や他の診療科における治療装置を含んでいてもよい。このような治療目的に使用される検査装置2にも、治療内容や治療結果等を管理したり、医療情報処理装置1と通信を行ったりするコンピュータが設けられている。
【0056】
いずれにしても、この実施形態における検査装置2は、被検体(特に被検眼)の検査や治療を行う装置であり、かつ、医療情報処理装置1に対して検査(医療行為)の実施結果等の情報を入力可能に構成された装置である。このように、検査装置2は、この発明の「実施結果入力手段」の一例として機能するものである。
【0057】
図2は、このような検査装置2の構成の一例を表している。同図に示す検査装置2は、制御部200、検査部210、表示部220、操作部230及び通信部240を含んで構成されている。各部210〜240は、制御部200に接続されている。
【0058】
検査部210は、前述の検査(眼科検査や医用画像撮影等;治療を含む)を実施するものである。たとえば検査装置2が眼底カメラである場合、検査部210は、眼底撮影用の光学系や駆動機構等を格納した装置本体を含んで構成されることになる。
【0059】
また、制御部200、表示部220、操作部230及び通信部240は、検査装置2の上記コンピュータを構成している。
【0060】
制御部200は、検査装置2の各部の制御、検査結果等の検査に関わる情報の管理などを行う。制御部200は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、ROM(Read Only Memory)やハードディスクドライブ等の外部記憶装置などを含んで構成される。
【0061】
表示部220は、制御部200の制御にしたがって各種の画面を表示する。表示部220は、LCD(Liquid Crystal Display)や、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの任意の表示デバイスによって構成される。
【0062】
操作部230は、オペレータが検査装置2を操作したり情報入力を行ったりするために操作されるものである。操作部230は、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック、コントロールパネルなどの任意の操作デバイスや入力デバイスにより構成されている。
【0063】
なお、この実施形態では、表示部220と操作部230とをそれぞれ別個に設けているが、タッチパネル方式のLCDやペンタブレットなどのように、表示機能と操作機能とを一体化した装置を用いることも適宜に可能である。
【0064】
また、表示部220や操作部230が検査装置2の装置本体、つまり検査部210に設けられている場合もある。たとえば、眼底カメラやスリットランプ等の眼底検査装置においては、被検眼に対する装置のアライメントを行うためのジョイスティックや、撮影トリガボタン等の各種のキーが装置本体に設けられるのが一般的である。また、小型のLCD等の表示デバイスを装置本体に設けたものもある。
【0065】
通信部240は、前述のネットワークNに準拠した通信インターフェイス(LANカード、専用線のコネクタ等)を含んで構成されている。
【0066】
検査装置2は、その検査結果に基づく所見(所見情報)を入力するために用いることができる。その場合、制御部200は、所見入力用のテンプレート画面(所見入力テンプレート)を表示部220に表示させる。所見入力者は、操作部230を操作して、所見入力テンプレートに所見情報を入力する。
【0067】
ここで、所見入力テンプレート(の画像データ)は、たとえば制御部200のハードディスクドライブにあらかじめ記憶されているか、又は、医療情報処理装置1からネットワークNを介して取得される。
【0068】
このように動作する制御部200、表示部220及び操作部230は、この発明の「所見入力手段」の一例として機能するものである。このとき、制御部200は「所見入力手段の制御手段」の一例に相当し、表示部220は「所見入力手段の表示手段」の一例に相当し、操作部230は「所見入力手段の操作手段」の一例に相当する。なお、所見入力手段については、医療情報処理装置の説明中において詳述する。
【0069】
[医療情報処理装置]
医療情報処理装置1について説明する。この医療情報処理装置1は、この発明の「医療情報処理装置」ないし「コンピュータ」の一例として機能するものである。医療情報処理装置1の構成の一例を図3、図4に示す。ここで、図3は医療情報処理装置1の機能的構成の一例を表すものであり、図4はハードウェア構成の一例を表すものである。なお、前述した検査装置2のコンピュータは、この医療情報処理装置1と同様のハードウェア構成を備えている。
【0070】
[医療情報処理装置のハードウェア構成]
まず、図4を参照しつつ医療情報処理装置1のハードウェア構成について説明する。医療情報処理装置1は、従来のコンピュータと同様のハードウェア構成を備えている。具体的には、CPU等のマイクロプロセッサ100、主記憶装置として機能するRAM101、外部記憶装置として機能するROM102、同じく外部記憶装置として機能するハードディスクドライブ(HDD)103、ディスプレイ104、キーボード105、マウス106及び通信インターフェイス(I/F)107を含んで構成されている。これら各部は、バス108を介して接続されている。
【0071】
マイクロプロセッサ100は、ハードディスクドライブ103に格納されたプログラム103aをRAM101上に展開することにより、この実施形態に特徴的な動作(後述)を医療情報処理装置1に実行させる。プログラム103aは、この発明の「プログラム」の一例に相当するものである。
【0072】
また、マイクロプロセッサ100は、医療情報処理装置1の各部の制御や、各種の演算処理などを実行する。また、キーボード105やマウス106からの操作信号に対応する装置各部の制御、ディスプレイ104による表示処理の制御、通信インターフェイス107による各種のデータや信号等の送信処理や受信処理の制御などを実行する。
【0073】
ディスプレイ104、キーボード105、マウス106は、医療情報処理装置1のユーザインターフェイスとして使用される。ディスプレイ104は、LCDやCRTディスプレイ等の任意の表示デバイスである。
【0074】
キーボード105は、文字や数字等をタイピング入力するためのデバイスとして用いられる。マウス106は、ディスプレイ104に表示されたマウスポインタを移動させて表示画面上のオブジェクトを選択したり、各種動作を実行させたりするためのポインティングデバイスである。
【0075】
なお、医療情報処理装置1のユーザインターフェイスは、このような構成に限定されるものではなく、たとえばトラックボール、ジョイスティック、タッチパネル式のLCD、コントロールパネルなど、各種情報を表示出力する機能と、各種情報を入力する機能や操作を行う機能とを具備する任意のユーザインターフェイス手段を用いて構成することが可能である。
【0076】
通信インターフェイス107は、マイクロプロセッサ100の制御に基づいて、各ネットワークN、Lを介した情報通信を行う。それにより、医療情報処理装置1は、検査装置2、プリンタ3、サーバ4にデータや信号を送信したり、これら装置2、3、4からデータや信号を受信したりする。この通信インターフェイス107は、ネットワークN、Lに準拠したLANカードや専用線のコネクタなどのネットワークアダプタを含んで構成される。
【0077】
[医療情報処理装置の機能的構成]
このようなハードウェア構成により実現される医療情報処理装置1の機能的構成について、図3を更に参照しつつ説明する。同図に示す医療情報処理装置1は、制御部10、記憶部11、情報処理部12、表示部13、操作部14及び通信部15を含んで構成されている。以下、これら各部10〜15についてそれぞれ説明する。
【0078】
〔制御部〕
制御部10は、医療情報処理装置1の各部を制御する。特に、制御部10は、記憶部11に対する情報の書き込み処理、記憶部11からの情報の読み出し処理、表示部13の表示動作の制御、操作部14に対する操作に応じた装置各部の制御、通信部15によるデータの送信動作や受信動作の制御などを行う。
【0079】
この制御部10は、マイクロプロセッサ100、RAM101、ROM102、ハードディスクドライブ103(プログラム103a)などを含んで構成される。また、制御部10は、この発明の「制御手段」の一例として機能する。
【0080】
〔記憶部〕
記憶部11は、医療情報処理装置1による処理に供される各種の情報が記憶されている。特に、この記憶部11には、電子カルテ情報記憶部111とクリニカルパス情報記憶部112が設けられている。これらの記憶部111、112は、それぞれ、ハードディスクドライブ103にあらかじめ設定された記憶領域によって形成されている。
【0081】
なお、これらの記憶部111、112は、同一の記憶部11内(同一のハードディスクドライブ103内)に設けられている必要はなく、それぞれ別個の記憶装置に設けられていてもよい。
【0082】
(電子カルテ情報記憶部)
電子カルテ情報記憶部111は、電子カルテ情報111aを記憶するもので、この発明の「電子カルテ情報記憶手段」の一例に相当している。
【0083】
電子カルテ情報111aは、従来は紙カルテに記載されていた情報を電子化した情報である。この電子カルテ情報111aには、患者ID、患者の氏名・年齢、性別などの患者に関する情報(患者情報)、実施した検査内容や検査結果、所見情報、シェーマ図などが含まれている。
【0084】
電子カルテ情報111aは、各患者毎に記憶されており、更に、患者に対して医療行為を実施した各日付毎に記録した情報として記憶されている。医療情報処理装置1のオペレータは、患者IDや医療行為を実施した日付(診察日)などを検索キーとして、所望の患者の所望の診察日の電子カルテ情報111aを適宜に呼び出して閲覧、編集などすることが可能である。また、検査装置2など医療情報処理装置1にアクセス可能な装置のオペレータについても、電子カルテ情報111aの検索、閲覧、編集等を行えるようにしてもよい。
【0085】
また、医療情報処理装置1の外部のデータベースを用いるなどして電子カルテ情報111aを管理する構成を適用することも可能である。この場合、医療情報処理装置1や検査装置2等は、オペレータが入力した検索キーに基づいてこのデータベース等から電子カルテ情報111aを検索できるように構成される。オペレータは、医療情報処理装置1等に表示された電子カルテ情報111aの閲覧や編集を行うことができる。
【0086】
(クリニカルパス情報記憶部)
クリニカルパス情報記憶部112は、クリニカルパス情報112aを記憶するもので、この発明の「クリニカルパス情報記憶手段」の一例に相当している。
【0087】
クリニカルパス情報112aは、クリニカルパスの適用を受ける各患者毎に記憶されるものである。クリニカルパス情報112aは、当該クリニカルパスにおいて当該患者に対して実施される複数の医療行為の実施予定を含んだ情報である。
【0088】
なお、同一の患者に対して二以上の異なるクリニカルパスを適用する場合もある。たとえば、左右眼の双方に同一のクリニカルパスがそれぞれ適用される場合(たとえば両眼に白内障手術のクリニカルパスが適用される場合等)や、左眼と右眼とに異なるクリニカルパスがそれぞれ適用される場合(たとえば左眼に白内障手術、右眼に緑内障手術のクリニカルパスが適用される場合等)や、一つの眼に二以上のクリニカルパスが適用される場合(たとえば左眼に白内障手術、緑内障手術、硝子体手術のクリニカルパスが適用される場合等)などがある。このような場合、同一患者に適用される二以上のクリニカルパスのクリニカルパス情報は、それぞれ別個に設けられてクリニカルパス情報記憶部112に記憶される。なお、これら二以上のクリニカルパス情報は、当該患者の患者ID等を識別情報として互いに関連付けられている。
【0089】
ここで、クリニカルパス情報112aの表示画面を参照してクリニカルパス情報112aについて説明する。図5は、クリニカルパス情報112aの表示画面の一例を表している。
【0090】
同図に示すクリニカルパス情報表示画面1000には、クリニカルパス情報112aに含まれる各種情報を表示するために、患者情報表示部1010、クリニカルパス種別表示部1020、記入者情報表示部1030、基本情報表示部1040、1050、確認項目表示部1100が設けられている。この確認項目表示部1100には、各日確認項目表示部1110、1120、1130が設けられている。
【0091】
患者情報表示部1010には、このクリニカルパスが適用される患者に関する情報が表示される。その表示内容としては、患者氏名(「ABCD EFG」)や患者ID(「000001」)などがある。
【0092】
クリニカルパス種別表示部1020には、このクリニカルパスの種類を示す情報(クリニカルパス種別情報)が表示される。眼科分野におけるクリニカルパスの種類としては、たとえば、「白内障手術(5日間)」、「緑内障手術(4日間)」、「角膜移植手術(3日間)」、「硝子体手術(7日間)」、「硝子体+白内障手術(5日間)」、「網膜剥離手術(6日間)」、「眼瞼内反症手術(5日間)」、「睫毛乱生手術(3日間)」、「霰粒腫手術(5日間)」、「斜視手術(3日間)」などがある。ここで、カッコ内は診療に係る日数(入院日数)を表している。
【0093】
クリニカルパス種別表示部1020には、たとえば「白内障手術(5日間)」のクリニカルパスを示すクリニカルパス種別情報「白内障(5日間)」や、「緑内障手術(4日間)」のクリニカルパスを示すクリニカルパス種別情報「緑内障(4日間)」などが表示される。
【0094】
なお、眼科分野においては、これら以外の任意のクリニカルパスを適宜に設けることができる。また、他の医療分野においては、その医療分野に応じたクリニカルパスが適宜に設けられる。
【0095】
記入者情報表示部1030には、このクリニカルパス情報表示画面1000に記入を行う者に関する情報が表示される。その表示内容としては、記入者(医師)の氏名や医師IDなどがある。
【0096】
基本情報表示部1040、1050には、患者に関する基本的な情報やクリニカルパスの適用に関する基本的な情報が表示される。基本情報表示部1040には、入院日や退院予定日や手術日の日付、病名、術眼、術式、術者名などの情報が表示される。
【0097】
また、基本情報表示部1050には、不眠時や疼痛時や便秘時の投与薬剤名、各種感染症の有無、他の医療機関(他院)での受診の有無、内科診療の受診の有無、抗凝固剤の投与の有無などの情報が表示される。
【0098】
基本情報表示部1050には、ここに列記したような各項目にチェックボックスが設けられている。オペレータは、各項目の対応するチェックボックスにチェックマークが記入されているか否かを参照して、当該項目の内容を確認することができる。たとえば「感染症」の項目における「無」のチェックボックスにチェックマークが記入されているときには、当該患者は所定の感染症に感染していないことを確認できる。
【0099】
また、オペレータは、所望のチェックボックスにチェックマークを記入することができる。たとえば、患者に便秘用の薬剤が投与されたときに、オペレータは、「便秘時」の項目における薬剤のチェックボックスにチェックマークを記入する。
【0100】
チェックマークの記入操作は、たとえばマウス106を操作して所望のチェックボックスにマウスポインタの位置を合わせてクリックすることにより行うことができる。なお、チェックマークが記入された状態のチェックボックスを再度クリックすることにより、記入されていたチェックボックスを消去することができる。
【0101】
確認項目表示部1100には、このクリニカルパス(図5では「白内障(5日間)」)を適用するときの確認事項の各種項目のリストが表示される。このリストには、「日付」、「経過」、「アウトカム」、「観察」、「アセスメント」、「オーダ」、「食事」、「ADL」、「指導」、「コーディネーション」、「ヴァリアンス」、「看護記録」、「記入者」の項目が設けられている。
【0102】
「日付」の項目は、このクリニカルパスに基づく治療行為の実施日の日付を示す。「経過」の項目は、このクリニカルパスにおける経過情報、すなわち、このクリニカルパスにおける各日のステータスを示す。「アウトカム(outcome)」の項目は、このクリニカルパスの適用への理解度など、このクリニカルパスを適用する上での各種の確認事項を示す。
【0103】
「観察」の項目は、患者の状態を表す各種の確認事項(血圧、心拍、排便、風邪症状等)を示す。「アセスメント(assessment)」の項目は、このクリニカルパスを適用する上での各種の評価事項を示す。「オーダ(order)」の項目は、このクリニカルパスに基づいて実施される治療行為の内容を示す。この図5の例では、「オーダ」の項目は、「検査・処置・処置薬剤」のサブ項目と、「投薬」のサブ項目とを含んでいる。
【0104】
「食事」の項目は、食事の内容や有無を示す。「ADL(Activities of Daily Living)」の項目は、患者の日常生活動作の状態を示す。「指導」の項目は、インフォームドコンセントやオリエンテーションなどの患者に対する指導の内容を示す。「コーディネーション(coordination)」の項目は、このクリニカルパスを適用する上での手続的な確認事項を示す。
【0105】
「ヴァリアンス(variance)」の項目は、このクリニカルパスに基づく治療が進められたときに、日程の延長や短縮、検査結果や看護観察項目における異常など、あらかじめ定められた条件に合わない結果(ヴァリアンス)の発生の有無を示す。「看護記録」の項目は、この患者の看護記録を示す。「記入者」の項目は、このクリニカルパス情報表示画面1000に情報の記入を行った者を示す。
【0106】
ここで、「オーダ」に関する眼科分野特有の事情について説明する。他科では、診察結果に応じて検査のオーダを発行し、このオーダに基づいて検査を実施し、その検査結果が電子カルテ等に記入された後にコスト情報(保険点数等の診療報酬に関する情報)を発生させるのが一般的である。これは、他科で実施する検査は、放射線部門など外部の科に委託して行うために、最初にオーダを発行する必要があることに起因するものである。
【0107】
一方、眼科においては、(ほぼ)全ての検査を眼科にて実施することから、外部の科に向けてオーダを発行する必要が無い。そのため、眼科では、診察時に検査内容を決定して受診票等に記入し、その記入内容にしたがって検査を行う。そして、その検査結果が電子カルテ等に記入されたことを受けてコスト情報を発生させる。このとき、他科におけるオーダに関する情報が同時に発行される。このように、「オーダ→検査→カルテ→コスト」という一般的な流れに対し、眼科では「検査→カルテ→コスト+オーダ」といった流れになる。
【0108】
続いて、各日確認項目表示部1110〜1130について説明する。各日確認項目表示部1110〜1130には、それぞれ、「日付」の項目に記載された日付に実施する検査等の医療行為の項目が記載される。各項目には、チェックボックスが設けられている(なお、一部の項目については、キーボード105等を用いて文字列を記入するようになっている。)。このチェックボックスには、記入者がチェックマークを手入力することができる。また、所定の項目については自動的にチェックマークが入力される(後述)。
【0109】
このように、クリニカルパス情報112aは、複数の医療行為をその実施予定日毎のリストとして記録した情報であり、換言すると、複数の医療行為とその実施予定日とを関連付けて記録した情報である。
【0110】
また、クリニカルパス情報表示画面1000には、各種のソフトキーが設けられている。たとえば追加ボタン1200は、検査等の医療行為の項目をクリニカルパスに追加するために用いられる(後述する)。また、カルテ画面表示ボタン1300は、後述の電子カルテ表示画面4000を表示させるために操作される。また、終了ボタン1400は、クリニカルパス情報表示画面1000の表示を終了させるために操作される。
【0111】
〔情報処理部〕
情報処理部12は、電子カルテ情報111aやクリニカルパス情報112aなどの各種情報を処理するもので、この発明の「情報処理手段」の一例として機能するものである。
【0112】
情報処理部12は、マイクロプロセッサ100、RAM101、ROM102、ハードディスクドライブ103(プログラム103a)などを含んで構成される。
【0113】
この情報処理部12には、計時部121、電子カルテ情報処理部122及びクリニカルパス情報処理部123が設けられている。また、クリニカルパス情報処理部123には、適否判断部124、報知制御部125及び実施予定変更部126が設けられている。以下、これらの各部121〜126についてそれぞれ説明する。
【0114】
(計時部)
計時部121は、現在日時を計時するものであり、計時機能が搭載されたマイクロプロセッサ100によって構成される。計時部121は、過去に実施された日付合わせや時刻合わせからの経過時間に基づいて現在日時を計時し、電子カルテ情報処理部122やクリニカルパス情報処理部123に対して所定のタイミングで現在日時を提供する。計時部121は、この発明の「実施日情報取得手段」の一例として機能するものである。
【0115】
(電子カルテ情報処理部)
電子カルテ情報処理部122は、電子カルテ情報111aを処理するものである。この電子カルテ情報処理部122が実行する処理の内容については後述する。
【0116】
(クリニカルパス情報処理部)
クリニカルパス情報処理部123は、クリニカルパス情報112aを処理するものである。このクリニカルパス情報処理部123には、前述のように、適否判断部124、報知制御部125及び実施予定変更部126が設けられている。なお、これら各部124〜126が実行する処理以外のクリニカルパス情報処理部123が実行する処理については、後述する。
【0117】
(適否判断部)
適否判断部124は、一患者に対する二以上のクリニカルパスが設定されているときに動作するものである。この場合、前述のように、これら二以上のクリニカルパスのそれぞれに対応するクリニカルパス情報がクリニカルパス情報記憶部112に記憶されている。
【0118】
適否判断部124は、これら二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる医療行為の実施予定に基づいて、その医療行為の実施予定が適正であるか否かを判断する。換言すると、適否判断部124は、一患者に対して設定された二以上のクリニカルパスの整合性を判断するものである。適否判断部124は、この発明の「適否判断手段」の一例として機能する。
【0119】
適否判断部124が実行する処理の具体例を説明する。適否判断部124は、医療行為の組合せに関する情報(医療行為組合せ情報)をあらかじめ備えている。医療行為組合せ情報は、たとえばハードディスクドライブ103にあらかじめ記憶されている。
【0120】
医療行為組合せ情報は、各種の医療行為の禁忌な組合せを表す情報を含んでいる。具体的には、薬剤投与における禁忌な組合せを示す情報や、放射線を用いた検査を行うときの禁忌な検査の組合せを示す情報などが、医療行為組合せ情報に含まれている。このような医療行為の禁忌な組合せに合致しない場合を、この実施形態では「適正である」と称し、合致する場合を「適正でない」と称している。すなわち、この発明における「適正」とは、二以上のクリニカルパスにおける医療行為の組合せが、あらかじめ設定された禁忌な組合せではないことを意味する。
【0121】
薬剤投与に関する情報としては、複数回に亘って同じ薬剤を投与するときの合計投与量の制限、同じ薬剤や異なる薬剤の投与タイミングの制限、薬剤の飲み合わせの制限などがある。また、放射線に関する情報としては、放射線の被曝量の制限などがある。
【0122】
なお、このような制限は、全患者について統一的に設定してもよいし、年齢・性別・体重・傷病の種類などのファクタ毎に別個に設定してもよい。
【0123】
適否判断部124は、一患者に対する二以上のクリニカルパス情報に示す医療情報の実施予定が適正か否かを、医療行為組合せ情報を参照して判断する。以下、薬剤の合計投与量、薬剤の投与タイミング、薬剤の飲み合わせ、放射線の被曝量についての判断の例をそれぞれ説明する。
【0124】
まず、薬剤の合計投与量の判断について説明する。各クリニカルパス情報には、そのクリニカルパスにおいて投与する薬剤の識別情報(薬剤名、薬剤ID等)と投与量とが記録されている。このような薬剤投与の実施予定を示す情報は、この発明の「薬剤投与情報」の一例に相当する。
【0125】
適否判断部124は、これら二以上のクリニカルパス情報から、同一の薬剤識別情報を抽出する。更に、適否判断部124は、抽出された薬剤識別情報により特定される薬剤の投与量を各クリニカルパス情報から取得し、取得された投与量を合計する。そして、適否判断部124は、算出された合計投与量と、医療行為組合せ情報に示す合計投与量の制限(閾値)とを比較する。算出された合計投与量が閾値以下である場合、適否判断部124は、この合計投与量は「適正である」と判断する。一方、算出された合計投与量が閾値を超える場合、適否判断部124は、この合計投与量は「適正でない」と判断する。
【0126】
次に、薬剤の投与タイミングの判断について説明する。各クリニカルパス情報には、そのクリニカルパスにおいて投与する薬剤の識別情報や投与量が、その投与日(医療行為の実施日)に関連付けられて記録されている。
【0127】
なお、散瞳剤や麻酔剤のように、薬剤にはその作用が持続する時間がある。作用持続時間が投与量に依存する場合、適否判断部124は、クリニカルパス情報に記録された投与量を参照して作用持続時間を求めることができる。
【0128】
また、適否判断部124は、薬剤を投与可能な時間間隔の情報(投与可能間隔情報)を医療行為組合せ情報として記憶している。この投与可能間隔情報は、同じ薬剤の投与可能間隔と、異なる薬剤の投与可能間隔とを含んでいる。作用持続時間や投与可能間隔情報は、薬剤の投与タイミングの判断基準として用いられる(まとめて投与タイミング判断情報と呼ぶことがある。)。
【0129】
適否判断部124は、二以上のクリニカルパス情報を参照し、同じ日に投与される同じ薬剤が存在するか否か判断する。このような薬剤が存在しない場合、適否判断部124は、当該二以上のクリニカルパスにおける薬剤の投与タイミングは「適正である」と判断する。一方、このような薬剤が存在する場合、適否判断部124は、当該二以上のクリニカルパスにおける薬剤の投与タイミングは「適正でない」と判断する。
【0130】
なお、薬剤の作用持続時間が比較的短時間(たとえば数十分〜数時間程度)であり、かつ、二以上のクリニカルパスにおける当該薬剤の投与間隔が既知である場合、適否判断部124は、投与タイミング判断情報に示す時間と投与間隔とを比較し、投与間隔の方が長いときに「適正である」と判断し、投与間隔の方が短いときに「適正でない」と判断することができる。ここで、薬剤の投与間隔は、この薬剤を用いる検査の開始時刻等の検査スケジュールに基づいて算出することが可能である。
【0131】
また、投与タイミング判断情報に示す時間が1日以上である薬剤について、適否判断部124は、二以上のクリニカルパス情報から当該薬剤の識別情報や投与量を探索する。探索されなかった場合、適否判断部124は、当該薬剤の投与については「適正である」と判断する。また、当該薬剤の投与日が同じである場合、適否判断部124は、上記と同様に「適当でない」と判断する。
【0132】
一方、当該薬剤の投与日が異なる場合、適否判断部124は、二以上のクリニカルパスにおける当該薬剤の投与間隔と、投与タイミング判断情報に示す時間とを比較し、投与間隔の方が長いときに「適正である」と判断し、投与間隔の方が短いときに「適正でない」と判断する。
【0133】
続いて、薬剤の飲み合わせの判断について説明する。適否判断部124は、二以上のクリニカルパス情報から薬剤の識別情報を取得するとともに、医療行為組合せ情報を参照して、禁忌な飲み合わせの薬剤が存在するか否か判断する。そのような薬剤が存在しない場合、適否判断部124は、薬剤の飲み合わせは「適正である」と判断する。一方、そのような薬剤が存在する場合、適否判断部124は、薬剤の飲み合わせは「適正でない」と判断する。
【0134】
なお、この薬剤の飲み合わせの判断においても、前述の投与タイミング判断情報を参照して、飲み合わせのタイミングの適否を判断することが可能である。
【0135】
最後に、放射線の被曝量の判断について説明する。放射線被曝は、X線診断装置やX線CT装置などを用いる検査(放射線検査と呼ぶ。)で問題になる。適否判断部124は、二以上のクリニカルパス情報から放射線検査を探索する。放射線検査が探索されなかった場合、適否判断部124は、放射線被曝については「適正である」と判断する。
【0136】
放射線検査が探索された場合、適否判断部124は、各放射線検査における被曝量を合計し、この合計被曝量と、医療行為組合せ情報に示す被曝量の制限(閾値)とを比較する。合計被曝量が閾値以下である場合、適否判断部124は、放射線被曝量は「適正である」と判断する。一方、合計被曝量が閾値を超える場合、適否判断部124は、放射線被曝量は「適正でない」と判断する。
【0137】
以上に説明した薬剤の合計投与量、薬剤の投与タイミング、薬剤の飲み合わせ、放射線被曝量の判断のうちの任意の二つ以上を複合的に行うことができる。その場合、適否判断部124は、一つでも「適正でない」と判断されたときに、当該二以上のクリニカルパスは「適正でない」と判断する。
【0138】
(報知制御部)
報知制御部125は、適否判断部124による判断結果に基づいて所定の報知情報の出力処理を制御するものである。より具体的に説明すると、報知制御部125は、一患者に対して二以上のクリニカルパスが設定されているときに適否判断部124が「適正でない」と判断した場合に、当該二以上のクリニカルパスの内容(組合せ)が適正でないことを示す報知情報や、当該クリニカルパスの内容を修正することを促す報知情報を出力させるように動作する。
【0139】
この報知情報としては、二以上のクリニカルパスの内容が適正でないことを示す文字情報や画像情報、或いは、クリニカルパスの内容の修正を促す文字情報や画像情報などを用いることができる。この文字情報としては、たとえば「クリニカルパスの内容が適正ではありません」、「クリニカルパスの内容を修正してください」等の文字メッセージなどを使用することができる。また、たとえば「薬剤の合計投与量が制限値を超えています」等のように、適否判断部124が「適正でない」と判断した内容を反映した文字情報を使用することも可能である。一方、画像情報としては、たとえばエクスクラメーションマーク「!」等の画像を使用することができる。このような報知情報は、たとえばハードディスクドライブ103にあらかじめ記憶されている。
【0140】
報知制御部125は、適否判断部124が「適正でない」と判断したことを受けて、ハードディスクドライブ103から報知情報を読み出し、この報知情報の表示を指示する制御信号とともに制御部10に送る。制御部10は、報知情報制御部125からの制御信号にしたがって、この報知情報を表示部13に表示させる。この場合、報知制御部125、制御部10及び表示部13は、この発明の「報知手段」の一例として機能することになる。
【0141】
また、報知情報は、たとえば音声メッセージやビープ音等の音声情報であってもよい。このような音声情報は、たとえばハードディスクドライブ103にあらかじめ記憶されている。報知制御部125は、文字情報等を出力させる場合と同様にして音声情報を出力させる。なお、音声情報を報知情報として用いる場合、医療情報処理装置1には、音声増幅回路やスピーカ等を含む一般的な音声出力手段が設けられる(図示は省略する。)。この音声出力手段は、制御部10により制御されて音声情報を出力する。この場合、報知制御部125、制御部10及び音声出力手段は、この発明の「報知手段」の一例として機能することになる。
【0142】
また、報知情報は、医療情報処理装置1の外部装置に対して送信される電子メール等のメッセージ情報であってもよい。たとえば、医師等が携帯する端末(携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistance)、ポケットベル等)や、固定端末(医療機関内のコンピュータ、個人所有のコンピュータ等)に電子メール等の報知情報を送信するように医療情報処理装置1を構成することができる。
【0143】
報知情報を形成するメッセージ情報は、たとえばハードディスクドライブ103にあらかじめ記憶されている。また、ハードディスクドライブ103には、報知情報の送信先となる端末のアドレス(送信先端末の電子メールアドレスやネットワークアドレス等のアドレス情報)もあらかじめ記憶されている。
【0144】
報知制御部125は、適否判断部124が「適正でない」と判断したことを受けて、ハードディスクドライブ103からメッセージ情報と送信先端末のアドレスとを読み出し、メッセージ情報の送信を指示する制御信号とともに制御部10に送る。制御部10は、この制御信号にしたがって通信部15を制御し、当該メッセージ情報を当該送信先端末に向けて送信させる。メッセージ情報を受信した送信先端末は、たとえば所定の操作に応じて当該メッセージ情報を表示させる。この場合、報知制御部125、制御部10及び通信部15は、この発明の「報知手段」の一例として機能することになる。
【0145】
なお、報知情報の内容や報知情報の報知態様は、以上に説明したものに限定されず、任意の報知情報を任意の報知態様で出力するように適宜に構成することが可能である。
【0146】
(実施予定変更部)
実施予定変更部126は、適否判断部124による判断結果に基づいて、クリニカルパスの内容を変更するものである。より具体的に説明すると、実施予定変更部126は、一患者に対して二以上のクリニカルパスが設定されているときに適否判断部124が「適正でない」と判断した場合に、当該二以上のクリニカルパスに含まれる医療行為の実施予定を変更するように動作する。実施予定変更部126は、この発明の「実施予定変更手段」の一例として機能するものである。
【0147】
まず、薬剤の合計投与量や投与タイミングについて適否判断部124が「適正でない」と判断した場合における実施予定変更部126の動作の具体例を説明する。実施予定変更部126は、この判断結果を受けたことに対応し、二以上のクリニカルパス情報に含まれる当該薬剤の投与量の合計を、制限の範囲内に収まるように変更する。
【0148】
このとき、二以上のクリニカルパス情報のうちの少なくとも一つにおける薬剤投与量を変更すれば十分である。たとえば、当該薬剤の投与の順序があらかじめ決まっている場合、実施予定変更部126は、後に行われる投与における投与量を減少させるように予定を変更する(投与しないように予定を変更する場合もある。)。
【0149】
また、薬剤には、その作用を発現させるための最小投与量が設けられている場合がある。その場合、実施予定変更部126は、この最小投与量を確保するように投与量を変更する。
【0150】
また、この最小投与量を確保するように投与量を変更しても制限値を超えてしまう場合、実施予定変更部126は、当該薬剤の投与タイミングを変更する。たとえば、二以上のクリニカルパス情報における当該薬剤の投与予定の日付等を変更する。このとき、当該薬剤の投与に関連して実施される他の医療行為がある場合、実施予定変更部126は、この医療行為についても実施予定の日付等の変更を行う。
【0151】
次に、薬剤の飲み合わせについて適否判断部124が「適正でない」と判断した場合における実施予定変更部126の動作の具体例を説明する。実施予定変更部126は、この判断結果を受けたことに対応し、飲み合わせに抵触する薬剤のうちの少なくとも一つを、それを同様の作用を有し、かつ、飲み合わせに抵触しない他の薬剤に置き換えるように動作する。
【0152】
この動作を適用する場合、同様の作用を有する薬剤のリストをハードディスクドライブ103にあらかじめ記憶しておく。実施予定変更部126は、このリストを参照して上記処理を行う。また、飲み合わせへの抵触の有無については、前述の医療行為組合せ情報を参照することができる。
【0153】
なお、たとえば置換可能な薬剤が存在しない場合のように薬剤の置き換えを行えないときには、実施予定変更部126は、前述のようにして薬剤の投与タイミングを変更することができる。
【0154】
最後に、放射線の被曝量について適否判断部124が「適正でない」と判断した場合における実施予定変更部126の動作の具体例を説明する。前述のように、適否判断部124は、二以上のクリニカルパス情報における放射線検査による放射線の合計被曝量を算出する。実施予定変更部126は、この合計被曝量が制限値以下になるように、二以上のクリニカルパス情報における放射線検査の被曝量を変更する。このとき、二以上のクリニカルパス情報のうちの少なくとも一つにおける放射線検査の被曝量を変更すれば十分である。
【0155】
この被曝量の変更は、放射線検査の検査種別や検査態様を変更することにより行うことができる。たとえば、X線CT装置による検査をX線診断装置による検査に変更したり、X線診断装置によるX線の曝射量や撮影枚数を変更したり、X線CT装置によるスキャン間隔(ヘリカルピッチ等)を変更したりすることが可能である。
【0156】
また、放射線検査を超音波検査に変更するなど、放射線検査を放射線を用いない同様の検査に変更することも可能である。
【0157】
なお、実施予定変更部126による医療行為の実施予定の変更は、以上のようなものに限定されるものではなく、任意の医療行為やその実施態様を他の任意の医療行為や任意の実施態様に変更するように構成することができる。
【0158】
(表示部)
表示部13は、制御部10の制御にしたがって各種の画面を表示する。表示部13は、LCDやCRTディスプレイなどの任意の表示デバイス(ディスプレイ104)によって構成される。表示部13は、この発明の「表示手段」の一例として用いられるものである。
【0159】
(操作部)
操作部14は、オペレータが医療情報処理装置1を操作したり情報入力を行ったりするために操作されるものである。操作部14は、キーボード105やマウス106、更にはトラックボール、ジョイスティック、コントロールパネルなどの任意の操作デバイスや入力デバイスにより構成されている。操作部14は、この発明の「操作手段」の一例として使用される。
【0160】
なお、この実施形態では、表示部13と操作部14とをそれぞれ別個に設けているが、タッチパネル方式のLCDやペンタブレットなどのように、表示機能と操作機能とを一体化した装置を用いることも適宜に可能である。
【0161】
(通信部)
通信部15は、制御部10の制御にしたがってデータの送信処理、受信処理を行う。この通信部15は、ネットワークN、Lのそれぞれに準拠したLANカード、専用線のコネクタ等の通信インターフェイス107を含んで構成されている。
【0162】
〔その他〕
医療情報処理装置1は、検査装置2による検査結果に基づく所見情報を入力するために用いることができる。その場合、医療情報処理装置1は、所見入力用のテンプレート画面(所見入力テンプレート)を表示部13に表示させる。所見入力者は、操作部14を操作して、所見入力テンプレートに所見情報を入力する。ここで、所見入力テンプレートは、ハードディスクドライブ103(記憶部11)にあらかじめ記憶されている。
【0163】
このように動作する制御部10、表示部13及び操作部14は、この発明の「所見入力手段」の一例として機能するものである。このとき、制御部10は「所見入力手段の制御手段」の一例に相当し、表示部13は「所見入力手段の表示手段」の一例に相当し、操作部14は「所見入力手段の操作手段」の一例に相当する。
【0164】
[医療情報システムの使用形態]
以上のような構成を有するこの実施形態に係る医療情報システムSの使用形態について、図6〜図 を参照しながら説明する。
【0165】
ここで、図6〜図 に示すフローチャートは、この医療情報システムSの使用形態の一例を表している。また、図11〜図X は、この医療情報システムSにより表示される画面の一例を表している。
【0166】
〔クリニカルパスの新規適用〕
最初に、図6のフローチャートを参照しながら、新たなクリニカルパスを適用するときの使用形態を説明する。
【0167】
まず、医療情報処理装置1のオペレータは、操作部14を操作して、新規に適用するクリニカルパスを指定するための画面を表示部13に表示させる(S1)。
【0168】
図11に示すクリニカルパス追加画面2000は、ステップS1により表示される画面の一例である。このクリニカルパス追加画面2000のクリニカルパスリスト表示部2100には、当該医療機関(の眼科)にて適用可能な各種のクリニカルパスが列挙されている。
【0169】
オペレータは、操作部14(マウス106)を操作することにより所望のクリニカルパスを指定する(S2)。
【0170】
また、クリニカルパス追加画面2000には、クリニカルパスの適用を開始する日付を設定するためのクリニカルパス開始日設定部2200が設けられている。このクリニカルパス開始日設定部2200は、本日以降の数日間(たとえば7日間)の日付を選択可能に呈示するプルダウンメニューによって構成されている。
【0171】
オペレータは、操作部14(マウス106)を操作することにより所望の日付を設定する(S3)。
【0172】
なお、ステップS2、S3は、どちらを先に行ってもよい。また、ステップS2において、二以上のクリニカルパスを新規に指定することもできる。二以上のクリニカルパスを新規に指定する場合、各クリニカルパスの開始日を個別に設定することが可能である。
【0173】
ステップS2、S3に続いてオペレータがOKボタン2300をクリックすると、制御部10は、指定されたクリニカルパスの種別に対応するクリニカルパス情報を、設定された開始日を反映させて、当該患者のクリニカルパス情報として記憶部11に記憶する(S4)。これにより、設定されたクリニカルパスの各日毎の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報が記憶されることになる。
【0174】
なお、新規のクリニカルパス情報と患者との関連付けは、たとえば次のような形態で行うことができる。第1の形態としては、患者IDや患者氏名を入力する欄をクリニカルパス追加画面2000に設けた構成を採用することができる。第2の形態としては、患者の電子カルテ表示画面(4000;図14参照)からクリニカルパス追加画面2000に移行できるような構成を採用することができる(たとえば電子カルテ表示画面4000に移行用のボタンを設けるなど。)。
【0175】
また、ステップS2において、入院が必要なクリニカルパスが指定された場合、制御部10は、サーバ4にアクセスして入院病棟のベッドの使用状況を参照する。このとき、制御部10は、ステップS3で設定された開始日と、指定されたクリニカルパスの種別から入院予定日を特定し、この入院予定日に入院が可能であるか否か(つまりベッドに空きがあるか否か)を判定する。空きが無い場合、制御部10は、開始日の変更を促すメッセージ(ダイアログ等)を表示部13に表示させる。
【0176】
また、クリニカルパス追加画面2000のキャンセルボタン2400は、クリニカルパスの新規追加作業を中止するときにクリックされる。キャンセルボタン2400がクリックされると、制御部10は、クリニカルパス追加画面2000が表示される直前に表示されていた画面を表示部13に表示させる。
【0177】
以上のようにして新たなクリニカルパスが追加されると、制御部10は、この新たなクリニカルパスに関わるクリニカルパス情報を含んだ画面(図5に示したクリニカルパス情報表示画面1000)を表示部13に表示させる(S5)。
【0178】
オペレータは、表示されたクリニカルパス情報表示画面1000により、この新たなクリニカルパスの内容(医療行為の実施予定等)を把握することができる。以上で、新たなクリニカルパスを適用するときの使用形態の説明を終了する。
【0179】
〔クリニカルパスに応じた検査に対応する動作〕
次に、図7のフローチャートを参照しながら、クリニカルパスに応じて検査を実施したときの医療情報システムSの動作について説明する。
【0180】
まず、検査装置2の制御部200は、医療情報処理装置1からクリニカルパス情報112aを取得し、図5に示すクリニカルパス情報表示画面1000を表示部220に表示させる(S11)。
【0181】
検査装置2のオペレータは、このクリニカルパス情報に実施予定が記載された検査を検査装置2(の検査部210)により実施する(S12)。検査部210は、検査結果(医療行為の実施結果)を制御部200に入力する。
【0182】
オペレータは、この検査が実施されたことを示すチェックマーク(実施済みマーク)M1を、各日確認項目表示部1110(検査実施日に対応する各日確認項目表示部)のチェックボックスに記入する(S13)。図12は、実施済みマークM1の記入態様の一例を表している。なお、実施済みマークM1の記入は、検査部210による検査の終了を受けた制御部200が自動的に行うように構成してもよい。
【0183】
ここで、確認項目表示部1100への情報の記入は、本日の日付に対応する各日確認項目表示部(図12では各日確認項目表示部1110)にのみ許可されるようになっている(換言すると、本日の日付以外の項目については情報の記入が禁止されている。)。このような制御は、たとえば、制御部200(マイクロプロセッサ)に搭載された計時機能に基づいて行うこともできる。また、医療情報処理装置1の制御部10がこのような制限をクリニカルパス情報112aに施した後に、医療情報処理装置1から検査装置2にクリニカルパス情報112aを提供するように構成することも可能である(ステップS1参照)。
【0184】
実施済みマークM1が記入されると、制御部200は、この検査に関するコメント(検査の評価を含む)を入力するための画面を表示部220に表示させる(S14)。図13に示す検査評価入力画面3000は、ステップS14にて表示される画面の一例である。
【0185】
この検査評価入力画面3000には、コメントの記入者を指定するための記入者指定部3100と、コメントが記入される記入欄を有するコメント記入部3200とが設けられている。記入者指定部3100は、たとえばプルダウンメニューにより構成されている。
【0186】
コメント記入部3200には、診療項目(検査項目)、検査部位(左眼、右眼、両眼)、検査の開始時刻及び終了時刻(必要に応じて)、クリニカルパスの作成者の氏名、作成者のコメント(有無に応じて)、検査実施者の氏名(以下で指定される記入者の氏名)が表示される。また、コメント記入部3200には、検査実施者のコメントを入力する欄と、検査評価を入力する欄とが設けられている。
【0187】
オペレータは、操作部230を操作して、記入者指定部3100により記入者を指定する(S15)。記入者を指定すると、制御部200は、指定された記入者の氏名をコメント記入部3200の検査実施者の欄に表示させる。
【0188】
また、オペレータは、操作部230を操作して、検査に関するコメントや検査結果に対する評価をコメント記入部3200に入力する(S16)。このとき、必要に応じて、シェーマ図を作成することができる。なお、キャンセルボタン3400は、コメント等の入力を中止するためにクリックする。
【0189】
記入者の指定及びコメント等の入力を行った後に、オペレータが操作部230を操作してOKボタン330をクリックすると、制御部200は、通信部240を制御して、当該患者の患者識別情報(患者ID)、ステップS12で得られた検査結果、検査実施済みを示す情報、記入者の指定結果、及び、コメント等の入力内容(シェーマ図を含む)を医療情報処理装置1に送信する(S17)。
【0190】
このとき、検査済みを示す情報を送信する代わりに、図12に示したクリニカルパス情報表示画面1000(実施済みマークM1が記入されたもの)のデータを送信するようにしてもよい。また、記入者の指定結果及びコメント等の入力内容を送信する代わりに、図13に示した検査評価入力画面3000(記入者の指定、コメント等の入力が為されたもの)のデータを送信するようにしてもよい。なお、記入者の指定結果とコメント等の入力内容については、検査装置2側にて入力された場合にのみ医療画像処理装置1に送信されることになる。
【0191】
医療情報処理装置1は、検査装置2から送信されたこれらの情報を受信する。計時部121は、これらの情報が検査装置2から医療情報処理装置1に入力された日時を電子カルテ情報処理部122に提供する。
【0192】
電子カルテ情報処理部122は、計時部121から提供された日時情報と患者識別情報とに基づいて、当該日時情報に示す日付における当該患者の電子カルテ情報111aを記憶部11から読み出す。そして、電子カルテ情報処理部122は、この電子カルテ情報111aに、検査装置2による検査結果とともに、記入者の指定結果やコメント等の入力内容(シェーマ図を含む)を付加する(S18)。なお、記入者の指定結果やコメント等の入力内容が検査装置2から入力されなかった場合には、検査結果のみが付加されることになる。
【0193】
図14は、記入者の指定結果とコメント等の入力内容が付加された電子カルテ情報111aを表示した電子カルテ表示画面4000を示している。なお、検査結果については、従来と同様に電子カルテ情報に付加される。
【0194】
この電子カルテ表示画面4000には、患者情報表示部4010、基本情報表示部4020、シェーマ図表示部4030、サムネイル表示部4040、文字所見表示部4050、医師情報表示部4060、検査情報表示部4070及び操作ボタン部4100が設けられている。
【0195】
患者情報表示部4010には、当該患者の患者IDや患者氏名等の患者情報が表示される。基本情報表示部4020には、当該患者に関する基本的な情報として、傷病名、特記事項、メモ、来院歴、手術歴等の情報が表示される。
【0196】
シェーマ図表示部4030には、検査装置2から送信されたシェーマ図が表示される。サムネイル表示部4040には、各種のシェーマ図のサムネイル画像が表示される。オペレータは、操作部14を操作して所望のサムネイル画像を選択することができる。サムネイル画像を選択すると、制御部10は、このサムネイル画像に対応するシェーマ図をシェーマ図表示部4030に表示させる。文字所見表示部4050には、検査装置2から送信されたコメントと検査評価が(検査名とともに)表示される。
【0197】
医師情報表示部4060には、検査装置2から送信された記入者の指定結果に対応する記入者識別情報(記入者氏名や記入者の医師ID)が表示される。検査情報表示部4070には、視力検査や眼圧検査の検査結果が表示される。検査装置2による検査が視力検査や眼圧検査である場合、その検査結果が検査情報表示部4070に表示されることになる。
【0198】
操作ボタン部4100には、本日予定表示ボタン4110、クリニカルパス表示ボタン4120、終了ボタン4130、散瞳開始ボタン4140などの各種の操作ボタンが配設されている。
【0199】
本日予定表示ボタン4110がクリックされると、制御部10は、当該患者に対して本日実施する医療行為のリストを含む本日の予定画面を表示部13に表示させる(図示は省略する。たとえば本出願人による特願2006−106756を参照。)。本日の実施予定画面は、この発明の「本日実施予定リスト情報」を表示する画面である。
【0200】
この本日の予定画面にて表示される情報は、クリニカルパス情報112aに基づいて生成される。より具体的に説明すると、電子カルテ情報処理部122は、計時部121により提供される現在日時に基づいて、本日実施予定の医療行為を当該患者のクリニカルパス情報112aから選択し、選択された医療行為を含む本日実施予定リスト情報を生成する。そして、電子カルテ情報処理部122は、この本日実施予定リスト情報を本日の予定画面のテンプレートに記入することにより、本日の予定画面の画像データを作成する。
【0201】
本日の予定画面には、クリニカルパス情報表示画面1000と同様に、リスト表示された各医療行為(主に検査)ごとにチェックボックスが設けられている。このチェックボックスには、対応する医療行為が実施されたことを示すチェックマーク(実施済み情報)が記入される。電子カルテ情報処理部122は、検査装置2から送信された検査実施済みを示す情報に基づいて、本日の予定画面における当該検査に対応するチェックボックスにチェックマークを記入する。
【0202】
また、電子カルテ情報処理部122は、本日の予定画面を作成するときに、クリニカルパス情報112aのクリニカルパス種別情報(図5に示すクリニカルパス種別表示部1020に表示される情報)を、本日実施予定リスト情報に付加する。制御部10は、このクリニカルパス種別情報を本日の予定画面に表示させる。
【0203】
クリニカルパス表示ボタン4120がクリックされると、制御部10は、当該患者のクリニカルパス情報表示画面1000を表示部13に表示させる。このとき表示されるクリニカルパス情報表示画面1000には、検査装置2から送信された情報が付加されている(後述)。
【0204】
終了ボタン4130がクリックされると、制御部10は、電子カルテ表示画面4000に表示されている情報を電子カルテ情報111aとして記憶部11に記憶させるとともに、電子カルテ表示画面4000の表示を終了する。
【0205】
散瞳開始ボタン4140がクリックされると、制御部10は、散瞳設定画面(図示省略)を表示部13に表示させる。この散瞳設定画面は、散瞳剤を患者に投与(点眼)して行う検査に関する各種の設定を行うための画面であり、使用する散瞳剤の種類や検査装置2の種類を指定するために用いられる。また、散瞳設定画面には、タイマ(timer)が設けられており、散瞳剤を点眼してからの経過時間の計時などに利用できるようになっている。
【0206】
散瞳設定画面によって散瞳剤の種類や検査装置2の種類が設定されると、クリニカルパス情報処理部123は、設定された散瞳剤や検査装置2の種類を示す情報をクリニカルパス情報112aに付加するようになっている。
【0207】
さて、計時部121は、検査装置2から医療情報処理装置1に前述の情報が入力された日時をクリニカルパス情報処理部123にも提供する。
【0208】
クリニカルパス情報処理部123は、計時部121から提供された日時情報と患者識別情報とに基づいて、当該日時情報に示す日付における当該患者のクリニカルパス情報112aを記憶部11から読み出す。そして、クリニカルパス情報処理部123は、検査実施済みを示す情報に基づいて、このクリニカルパス情報112aに実施済みマークM1を付加する(S19)。
【0209】
また、クリニカルパス情報処理部123は、検査装置2から入力されたコメント等の入力内容(所見情報)が含まれているか判断する(S20)。含まれていると判断された場合(S20;Y)、クリニカルパス情報処理部123は、クリニカルパス情報112aに所見入力済み情報を付加する(S21)。また、クリニカルパス情報処理部123は、検査装置2から入力された記入者の指定結果に基づく記入者識別情報をクリニカルパス情報112aに付加する(S22)。
【0210】
図15は、検査装置2から送信された情報が反映されたクリニカルパス情報112aを表示したクリニカルパス情報表示画面1000を表している。このクリニカルパス情報表示画面1000には、図12と同様の実施済みマークM1が記入されている(ステップS19)。図15のクリニカルパス情報表示画面1000においては、既に実施された各検査に対して実施済みマークM1が付されている。
【0211】
また、図15のクリニカルパス情報表示画面1000にリスト表示された確認項目のうち、コメントや検査評価などの所見が入力された確認項目には、星印からなる所見入力済みマークM2が付されている(ステップS21)。また、各日確認項目表示部1110の下端の「記入者」の項目には、この所見の記入者の記入者識別情報が記載されている(ステップS22)。
【0212】
情報処理部12は、電子カルテ情報処理部122により情報が付加された電子カルテ情報111aと、クリニカルパス情報処理部123により情報が付加されたクリニカルパス情報112aとを、それぞれ記憶部11に格納する(S23)。この処理は、たとえば電子カルテ表示画面4000の終了ボタン4130がクリックされたことに対応して行われる。
【0213】
最後に、制御部10は、検査装置2による検査や診察などの医療行為に対応するコスト情報を生成し、通信部15を制御してサーバ4に送信させる(S24)。サーバ4は、このコスト情報に基づいてレセプト作成などを行う。
【0214】
なお、医療情報処理装置1のオペレータは、電子カルテ表示画面4000やクリニカルパス情報表示画面1000を参照しつつ診察を行ったり、所見を入力(シェーマ図の作成を含む)したりすることができる。このとき、所見の入力作業の簡便化や時間短縮を図るための入力テンプレートを表示部13に表示させるように構成することができる。図16に示す所見入力テンプレート画面5000は、このような入力テンプレートの一例である。
【0215】
所見入力テンプレート画面5000は、前眼部検査に関する所見を入力するためのテンプレート画面であり、前眼部検査において判断対象となる各種の項目が列挙されている。所見入力者は、必要な項目について判断結果を入力するとともに、コメント欄に所見を入力することができる。
【0216】
所見入力テンプレート画面5000に入力された内容は、電子カルテ情報処理部122によって電子カルテ情報111aに付加される。また、クリニカルパス情報処理部123は、所見が入力された検査の項目(確認項目)に所見入力済みマークM2を付加するように動作する。
【0217】
このような所見入力テンプレート画面5000を用いることにより、所見入力を短時間で簡便に行うことができるので、インフォームドコンセントなどにより多くの時間を割くことが可能になるなどの効果が奏される。以上で、クリニカルパスに応じて検査を実施したときの医療情報システムSの動作に関する説明を終了する。
【0218】
〔受診票を用いて検査を行う場合の使用形態〕
次に、図8のフローチャートを参照しながら、クリニカルパスに基づく検査を紙媒体の受診票を用いて行う場合の使用形態について説明する。
【0219】
医療情報処理装置1の制御部10は、計時部121が提供する現在日時に基づいて、本日実施予定の医療行為(の名称)をクリニカルパス情報112aから抽出する(S31)。このステップS31において、本日実施予定の医療行為は、該当する医療行為を含むクリニカルパス情報112aから各患者毎に抽出される。
【0220】
制御部10は、各患者毎に抽出された医療行為のリストを、当該患者の患者氏名や患者IDとともに受診票のテンプレート画像の画像データに重畳することにより、各患者の本日の受診票の画像データを生成する(S32)。
【0221】
更に、制御部10は、通信部15を制御して、各患者の受診票の画像データをプリンタ3に送信させる(S33)。プリンタ3は、この画像データに基づいて、各患者の受診票を印刷する(S34)。以上の処理は、医療行為実施日の診療開始時刻前までに実行することが望ましい。
【0222】
図17は、プリンタ3により印刷出力された受診票の一例を表している。同図に示す受診票6000は、患者情報記載部6010、検査情報記載部6020、クリニカルパス種別記載部6030を含んで形成されている。
【0223】
患者情報記載部6010には、患者IDや患者氏名などの患者情報が印刷されている。検査情報記載部6020には、この患者が本日実施する医療行為(検査)のリストが印刷されている。また、クリニカルパス種別記載部6030(「備考」欄)には、対応する検査が属するクリニカルパスのクリニカルパス種別情報が印刷される。
【0224】
このようにして印刷された受診票は、対応する患者に配布される。患者は、この受診票に記載された検査を所定の順序で行う。検査を実施したら、検査情報記載部6020の「チェック」欄にチェックマーク等の実施済み情報を記入する。また、検査装置2で検査を行った場合、前述のように(図7のフローチャート参照)、電子カルテ情報111aやクリニカルパス情報112aに検査結果等が反映される。
【0225】
また、診察時などに新たな検査項目が追加されることもある。その場合、追加する検査項目を受診票にペン等で記入してもよいし、新たな検査項目が付加された受診票を印刷出力してもよい。
【0226】
新たな検査項目は、医療情報処理装置1にも入力する必要がある。こ入力作業は、クリニカルパス情報表示画面1000の追加ボタン1200(図5参照)をクリックすることにより行うことができる。
【0227】
たとえば、追加ボタン1200がクリックされたことに対応し、制御部10は、クリニカルパスに項目を追加するための画面(項目追加画面)を表示させる。オペレータは、項目追加画面を参照しつつ操作部14を操作して検査項目を入力する。このとき、プルダウンメニュー等により所望の検査項目を選択指定するように構成してもよい。
【0228】
更に、オペレータは、操作部14を操作して、当該検査項目を追加する日付を設定する。この日付設定についても、当該クリニカルパスに基づく検査の複数の実施日から選択するように構成してもよい。なお、当該クリニカルパスに基づく検査の実施日でない日付を設定することも可能である。
【0229】
クリニカルパス情報処理部123は、項目追加画面にて追加された検査項目を、対応する各日確認項目表示部に表示させる。また、電子カルテ情報処理部122は、項目追加画面にて追加された検査項目を前述した本日の予定画面に反映させる。なお、追加された検査項目の検査及び検査結果等の処理は、前述した図7のフローチャートに示す動作にしたがって実行される。
【0230】
〔一患者に二以上のクリニカルパスが設定されている場合の使用形態〕
図9のフローチャートを参照しながら、一患者に二以上のクリニカルパスが設定されている場合の使用形態について説明する。
【0231】
クリニカルパス情報処理部123は、患者識別情報に基づいて、二以上のクリニカルパスが設定されている患者を特定し、対応する二以上のクリニカルパス情報112aを取得する(S41)。
【0232】
次に、適否判断部124は、これら二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる医療行為の実施予定に基づいて、その医療行為の実施予定が適正であるか否かを判断する(S42)。「適正である」と判断された場合には(S43;Y)、処理を終了する。
【0233】
一方、「適正でない」と判断された場合(S43;N)、報知制御部125は、これら二以上のクリニカルパスの内容が適正でないことを示す報知情報や、当該クリニカルパスの内容を修正することを促す報知情報を出力させる(S44)。
【0234】
出力された報知情報に基づいてオペレータがクリニカルパスの内容を修正すると(S45)、クリニカルパス情報処理部123は、クリニカルパス情報112aを修正された内容に変更し(S46)、記憶部11に格納する(S47)。以上で、一患者に二以上のクリニカルパスが設定されている場合の使用形態に関する説明を終了する。
【0235】
〔一患者に二以上のクリニカルパスが設定されている場合の使用形態〕
図10のフローチャートを参照しながら、一患者に二以上のクリニカルパスが設定されている場合の他の使用形態について説明する。
【0236】
クリニカルパス情報処理部123は、患者識別情報に基づいて、二以上のクリニカルパスが設定されている患者を特定し、対応する二以上のクリニカルパス情報112aを取得する(S51)。
【0237】
次に、適否判断部124は、これら二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる医療行為の実施予定に基づいて、その医療行為の実施予定が適正であるか否かを判断する(S52)。「適正である」と判断された場合には(S53;Y)、処理を終了する。
【0238】
一方、「適正でない」と判断された場合(S53;N)、実施予定変更部126は、これら二以上のクリニカルパス情報112aに含まれる医療行為の実施予定を変更する(S54)。
【0239】
このとき、医療行為の実施予定を変更した旨の情報(メッセージ等)とともに、変更後の実施予定を表示部13に表示させるなどして担当医等に報知を行うことが望ましい。
【0240】
クリニカルパス情報処理部123は、内容が変更されたクリニカルパス情報112aを記憶部11に格納する(S55)。以上で、一患者に二以上のクリニカルパスが設定されている場合の他の使用形態に関する説明を終了する。
【0241】
なお、一患者に二以上のクリニカルパスが設定されている場合、図9、図10のフローチャートに示す使用形態のいずれか一方が選択的に実施される。この選択は、医療情報処理装置1のオペレータが行ってもよいし、たとえばオペレータ毎に自動的に選択されるようになっていてもよい(たとえば医師ID等のオペレータ識別情報に基づいて、オペレータを自動判別することができる)。
【0242】
また、図9、図10に示す使用形態の一方のみを実施可能に構成することも可能である。その場合、クリニカルパス情報処理部123は、実施する使用形態に必要な構成のみを備えていればよい。すなわち、図9に示す使用形態のみを実施可能に構成する場合には実施予定変更部126は不要であり、他方、図10に示す使用形態のみを実施可能に構成する場合には報知制御部125は不要である。
【0243】
ここで、図9、図10に示す使用形態の変形例を説明する。これらの使用形態では、二以上のクリニカルパスが設定されている患者をクリニカルパス情報処理部123が自動的に特定して処理を行うようになっている。
【0244】
ここで説明する変形例は、一患者に対して二以上のクリニカルパスを一度に設定する場合や、既にクリニカルパスが設定されている患者に対して新たなクリニカルパスを設定する場合などに、オペレータが所望するタイミングで適否判断を行うことを可能にするものである。それにより、たとえばクリニカルパス設定時に適否判断ができるので便利である。
【0245】
まず、クリニカルパス情報処理部123は、患者識別情報を参照し、一患者に対して二つ目以降のクリニカルパスが設定されたことを検出する。二つ目以降のクリニカルパスが設定されると、制御部10は、図18に示すようなクリニカルパス情報表示画面1000を表示部13に表示させる。
【0246】
同図に示すクリニカルパス情報表示画面1000には、整合性確認ボタン1500が設けられている。二以上のクリニカルパスの適否判断(整合性判断)の実施を所望するオペレータは、操作部14を操作して、整合性確認ボタン1500をクリックする。
【0247】
整合性確認ボタン1500がクリックされると、適否判断部124が適否判断を行う。「適正でない」と判断された場合、報知制御部125や実施予定変更部126が前述の処理を実行する。
【0248】
[作用・効果]
以上に説明したこの実施形態に係る医療情報システムSの作用及び効果について説明する。
【0249】
まず、この医療情報システムSは、医療情報処理装置1と検査装置2とを備えている。検査装置2は、クリニカルパス情報112aに含まれる医療行為の実施結果(検査の検査結果)を医療情報処理装置1に入力するように作用する。医療情報処理装置1は、電子カルテ情報111a及びクリニカルパス情報112aを記憶する記憶部11を備えている。また、医療情報処理装置1の情報処理部12は、検査装置2から医療行為の実施結果が入力されたときに、その医療行為が実施されたことを示す実施済みマークM1をクリニカルパス情報112aに付加するとともに、その医療行為の実施結果を電子カルテ情報111aに付加するように作用する。
【0250】
このような医療情報システムSによれば、クリニカルパス情報112aの入力作業を簡便化することが可能である。すなわち、クリニカルパスへの入力については、医療行為が実施されたことを示す実施済みマークM1の入力を自動化することにより、入力作業の簡便化を図っている。また、電子カルテへの入力については、医療行為の実施結果の入力を自動化することにより、入力作業の簡便化を図っている。
【0251】
このような入力作業の簡便化を図ることにより、入力ミスの発生を防止できる。また、入力作業に掛かる時間が短縮されることから、インフォームドコンセントにより多くの時間を掛けることができるなどの効果もある。
【0252】
また、この医療情報システムSの情報処理部12は、検査装置2から医療行為の実施結果が入力された日付(実施日情報)を計時部121によって取得するとともに、この日付に対応するクリニカルパス情報112aの実施予定日のリストに実施済みマークM1を付加するように作用する。それにより、同じ検査を異なる日に実施する場合などにおいて、クリニカルパス情報112aの適切な部位に実施済みマークM1を付加することができる。
【0253】
また、この医療情報システムSの情報処理部12は、検査装置2から医療行為の実施結果が入力された日付(実施日情報)を計時部121によって取得するとともに、この日付に対応する日付の電子カルテ情報111aに医療行為の実施結果を付加するように作用する。それにより、同じ検査を異なる日に実施する場合などにおいて、電子カルテ情報111aの適切な部位に医療行為の実施結果を付加することができる。
【0254】
また、この医療情報システムSによれば、実施済みマークM1が付加されたクリニカルパス情報112aを医療情報処理装置1や検査装置2に表示させることができるので、そのオペレータは、クリニカルパス情報112aの内容を容易に把握することが可能である。
【0255】
同様に、医療情報処理装置1は、医療行為の実施結果が付加された電子カルテ情報111aを表示させることができるので、そのオペレータは、電子カルテ情報111aの内容を容易に把握することが可能である。
【0256】
なお、医療行為の実施結果が付加された電子カルテ情報111aを検査装置2に表示させることもできる。たとえば、医療情報処理装置1から検査装置2に電子カルテ情報111aを送信し、検査装置2のたとえば制御部200が医療情報処理装置1と同様にして医療行為の実施結果を付加するように構成すればよい。また、検査装置2から医療行為の実施結果を受けた医療情報処理装置1が、当該実施結果を電子カルテ情報111aに付加して検査装置2に送信するように構成することも可能である。
【0257】
また、この医療情報システムSは、医療行為の実施結果に基づく所見情報を入力することができ、更に、その入力された所見情報を電子カルテ情報111aに自動的に付加するようになっている。それにより、所見情報を電子カルテに入力する手間が不要となり、情報の入力作業の簡便化が可能になる。また、所見情報の入力ミスの防止を図ることも可能になる。
【0258】
更に、この医療情報システムSは、所見情報が入力されたときに、所見情報が入力されたことを示す所見入力済みマークM2をクリニカルパス情報112aを呈示するクリニカルパス情報表示画面1000に表示させるように作用する。このような所見入力済みマークM2を表示させることにより、所見情報が入力された医療行為と入力されていない医療行為とを容易に判別することが可能になる。また、所見入力済みマークM2を入力する手間が不要となって情報入力作業の簡便化を図ることができる。
【0259】
また、この医療情報システムSは、クリニカルパス情報112aに含まれる複数の医療行為のうちの本日実施予定の医療行為を選択して本日実施予定リスト情報を生成するようになっている。生成された本日実施予定リストは、電子カルテ情報111aに含められて記憶部11に記憶され、本日の予定画面を表示する際に利用される。このように、この医療情報システムSによれば、本日の予定画面の内容がクリニカルパス情報112aに基づいて自動的に生成されるので、本日の予定画面の内容を手入力する手間が不要になり、情報の入力作業が簡便化される。また、本日の予定画面の内容の入力ミスの防止を図ることが可能である。
【0260】
更に、この医療情報システムSは、本日実施予定リスト情報を生成するときに、クリニカルパス情報112aの種別を示すクリニカルパス種別情報を付加するようになっている。このクリニカルパス種別情報は、本日実施予定の医療行為とともに本日の予定画面に表示される。それにより、本日実施予定リスト情報に対応するクリニカルパスの種別を容易に把握できる。
【0261】
また、この医療情報システムSは、クリニカルパス情報112aに含まれる複数の医療行為のうちの本日実施予定の医療行為を選択し、そのリストを受診票6000として印刷するようになっている。このように、受診票の記載内容をクリニカルパス情報112aから取得して自動的に受診票を作成することができるので、情報の入力作業を簡便化することができる。また、受診票の記載内容の入力ミスの防止を図ることが可能である。
【0262】
更に、この医療情報システムSによれば、クリニカルパス情報112aの種別を示すクリニカルパス種別情報を受診票6000に印刷するようになっているので、クリニカルパスの種別を容易に把握することが可能である。
【0263】
また、この医療情報システムSは、一患者に対して二以上のクリニカルパスが設定されているときに、その二以上のクリニカルパス情報112aに含まれる医療行為の実施予定が適正であるか否か判断するようになっている。それにより、二以上のクリニカルパスの間の整合性を確保することができ、たとえば不適切な薬剤投与や放射線照射などを回避することが可能になり、医療ミスを防止できるなどの効果がある。
【0264】
更に、この医療情報システムSは、二以上のクリニカルパスの医療行為の実施予定が「適正でない」と判断されたときに報知を行うようになっている。それにより、医師等は、不適切なクリニカルパスが設定されていることを認識でき、修正を施すことが可能である。
【0265】
また、この医療情報システムSは、二以上のクリニカルパスの医療行為の実施予定が「適正でない」と判断されたときに、その医療行為の実施予定を自動的に変更することができる。それにより、不適切なクリニカルパスが実施されることを防止することができる。
【0266】
[医療情報処理装置について]
この発明に係る医療情報処理装置について説明する。この発明に係る医療情報処理装置は、電子カルテ情報を記憶する電子カルテ情報記憶手段と、クリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、クリニカルパス情報に含まれる医療行為の実施結果を受け付ける実施結果受付手段と、医療行為の実施結果が受け付けられたときに、その医療行為が実施されたことを示す実施済み情報をクリニカルパス情報に付加するとともに、その医療行為の実施結果を電子カルテ情報に付加する情報処理手段とを備えることを特徴とするものであり、クリニカルパス情報の入力作業を簡便化することを主たる目的としている。
【0267】
なお、上記実施形態における医療情報処理装置1は、この発明に係る医療情報処理装置の一例に相当する。図3に示した記憶部11は電子カルテ情報記憶手段及びクリニカルパス情報記憶手段として機能し、通信部15は実施結果受付手段として機能し、情報処理部12は情報処理手段として機能する。
【0268】
また、この発明に係る医療情報処理装置は、クリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、一患者に対する二以上のクリニカルパス情報が記憶されているときに、これら二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる医療行為の実施予定に基づいて、医療行為の実施予定が適正であるか否か判断する適否判断手段とを備えるものである。上記実施形態の医療情報処理装置1においては、適否判断部124が適否判断手段に相当している。
【0269】
また、この発明に係る医療情報処理装置は、次に説明するようなクリニカルパス情報の入力支援機能を備えている。この機能により、チェックボックスに対するチェックマークの記入作業の簡便化や、入力ミスの防止を図ることができる。
【0270】
なお、この入力支援機能は、図3に示す医療情報処理装置1においては、制御部10と情報処理部12(クリニカルパス情報処理部123)によって実行される。制御部10と情報処理部12は、この発明における「医療情報処理装置の制御手段」の一例として作用する。また、表示部13は「医療情報処理装置の表示手段」の一例に相当し、操作部14は「医療情報処理装置の操作手段」の一例に相当する。同様に、検査装置2も「医療情報処理装置」の一例に相当するものであり、制御部200、表示部220、操作部230は、それぞれ「医療情報処理装置の制御手段」、「医療情報処理装置の表示手段」、「医療情報処理装置の操作手段」の一例に相当する。
【0271】
第1の入力支援機能は、クリニカルパス情報表示画面1000に呈示された医療情報(確認項目)のうち、あらかじめ設定された医療情報に対するチェックマークをデフォルト入力(つまり、オペレータが項目を確認する前にあらかじめ入力)しておくことにより、チェックマーク記入作業の簡便化を図るものである。
【0272】
なお、上記実施形態は、各日確認項目表示部1110等の「オーダ」の項目に、実施済み情報としてのチェックマークを記入するものであった。一方、当該発明にてデフォルト入力されるチェックマークは、「オーダ」以外の項目、特に「観察」の項目に記入されるチェックマークである。この「観察」の項目に記入されるチェックマークは、各確認項目に該当する場合に記入されるものであり、この発明の「所定の該当情報」の一例に相当している。デフォルト入力されるチェックマークは、その確認項目に対して最も頻度の高いもの(又は頻度が高いと想定されるもの)に選択的に記入することが望ましい。
【0273】
この第1の入力支援機能の具体例を説明する。クリニカルパス情報表示画面1000の「風邪症状」の項目については、「無」にチェックマークをデフォルト入力する。「眼痛」、「嘔気、嘔吐」、「眼脂」、「流涙」、「眼掻痒感」、「出血・浸出液」の項目については、それぞれチェックマークをデフォルト入力しない。それにより、「風邪症状」の項目に対するチェックマークの記入作業を省略できることがある。
【0274】
なお、この「白内障(5日間)」のクリニカルパスにおいて、手術翌日の各日確認項目表示部については、たとえば「眼痛」や「出血・浸出液」の項目などにチェックマークをデフォルト入力してもよい。それにより、これらの項目に対するチェックマークの記入作業を省略できることがある。
【0275】
また、「風邪症状」、「眼痛」、「嘔気、嘔吐」、「眼脂」、「流涙」、「眼掻痒感」、「出血・浸出液」の欄については、クリニカルパス種別や、当該患者の他科の診療結果(他科の電子カルテ情報)などに応じて、チェックマークをデフォルト入力してもよい。それにより、これらの項目に対するチェックマークの記入作業を省略できることがある。
【0276】
また、クリニカルパスの第2日目以降の各日確認項目表示部については、その前日のチェックマークの記入形態をそのままデフォルト入力するようにしてもよい。それにより、確認結果が前日と同じものについてはチェックマークの記入作業を省略することができる。
【0277】
第2の入力支援機能は、クリニカルパス情報表示画面1000に呈示された医療情報(確認項目)のうち、あらかじめ設定された医療情報に対するチェックマークの記入を制限することにより、チェックマークの入力ミスの防止を図るものである。
【0278】
この入力支援機能は、医療情報システムを構成する装置(診察室や検査室に設置されている。)によって入力項目が異なることに鑑みたものである。たとえば上記実施形態の医療情報システムSにおいて、クリニカルパス情報表示画面1000の「オーダ」の「検査・処置・処置薬剤」の項目については、検査装置2にてチェックマークの記入を行い、「投薬」の項目については、医療情報処理装置1にてチェックマークの記入を行う。
【0279】
上記実施形態に対する第2の入力支援機能の適用例を説明する。医療情報処理装置1の制御部10(又はクリニカルパス情報処理部123)は、クリニカルパス情報表示画面1000の「オーダ」の「検査・処置・処置薬剤」の項目へのチェックマークの記入を禁止する(つまり、記入を要求する操作が為されても、その要求を受け付けない。)一方、この「検査・処置・処置薬剤」以外の項目へのチェックマークの記入要求を受け付けてチェックマークを表示する。
【0280】
また、検査装置2の制御部200は、クリニカルパス情報表示画面1000の「オーダ」の「検査・処置・処置薬剤」の項目へのチェックマークの記入要求を受け付けてチェックマークを表示する一方、それ以外の項目へのチェックマークへの記入を禁止する。
【0281】
第3の入力支援機能は、クリニカルパス情報表示画面1000の確認項目リストに対して所定の順序でチェックマークを入力させるように誘導する入力ナビゲーション機能である。この入力支援機能は、確認項目の入力をナビゲーションすることにより、入力作業を円滑化するものである。
【0282】
この第3の入力支援機能の具体例として、医療情報処理装置1にて「観察」の項目に入力を行う際の入力ナビゲーションを説明する。まず、制御部10は、「風邪症状」の最上段の「咳」の項目のチェックボックスの表示態様を変更する。この表示態様の変更の形態としては、このチェックボックスの枠の線の太さを変更したり、枠の表示色を変更したり、枠を点滅表示させるなど、他のチェックボックスと識別可能な任意の形態を適用することができる。
【0283】
また、チェックボックスの表示態様を変更する代わりに(又はそれとともに)、その項目の表示態様を変更するようにしてもよい(たとえば項目「咳」を他の項目と異なる色で表示するなど)。
【0284】
この状態において操作部14にて所定の操作が行われると、この項目「咳」にチェックマークが記入される。また、他の操作が行われると、制御部10は、「咳」の表示態様を基に戻すとともに、次の「痰」の項目の表示態様を変更する。
【0285】
たとえば、「咳」の項目の表示態様が変更されている状態において、マウス106の左クリック操作を行うと、「咳」の項目にチェックマークが記入され、右クリック操作を行うと、次の「痰」の項目の表示態様が変更される。また、マウス106のダイアルを回転させることにより、以下の項目のチェックボックスの表示態様が順次に変更されるようにしてもよい。
【0286】
同様にして、「痰」以下の項目のチェックボックスへのチェックマークの入力を行っていく。
【0287】
このように、記入対象のチェックボックスを簡単な操作で切り替えられる構成とすることにより、マウスポインタをチェックボックスに合わせる手間が不要になり、入力作業を円滑に行うことができる。
【0288】
なお、選択されているチェックボックスや項目を表す上記の表示態様は、この発明の「誘導情報」の一例に相当する。なお、この誘導情報は、上記の表示態様に限定されるものではなく、選択されているチェックボックスを他のチェックボックスと識別可能に呈示するものであればよい。
【0289】
また、以上に説明した第3の入力支援機能においては、チェックボックスの選択をオペレータが行うようになっているが、次のチェックボックスを自動的に選択するように構成することもできる。たとえば、或るチェックボックスにチェックマークが入力されたことに対応し、制御部10が次のチェックボックスの表示態様を自動的に変更させるように構成することが可能である。
【0290】
[プログラムについて]
この発明に係るプログラムは、上記の実施形態における医療情報処理装置1や検査装置2等のコンピュータに、上記[医療情報処理装置について]の欄で説明した動作を実行させるものである。前述のように、上記の実施形態におけるプログラム103aは、この発明の「プログラム」の一例に相当するものである。
【0291】
このプログラムは、コンピュータのドライブ装置によって読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させることができる。たとえば、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などの記憶媒体を用いることが可能である。また、ハードディスクドライブやメモリ等の記憶装置に記憶させることも可能である。更に、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送信することも可能である。
【0292】
[変形例]
以上に詳述した構成は、この発明に係る医療情報システム、医療情報処理装置及びプログラムを好適に実施するための一具体例に過ぎない。したがって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜に施すことが可能である。
【0293】
まず、検査等の医療行為をクリニカルパス情報112aに自動的に追加するように構成することが可能である。たとえば、糖尿病の患者に対して白内障手術のクリニカルパスを適用する場合に血糖値検査を追加するなど、患者の既往症に基づいて医療行為を追加することができる。
【0294】
この医療行為追加処理は、クリニカルパス情報処理部123が、電子カルテ情報111aや、サーバ4等により管理される他科の電子カルテ情報に基づいて当該患者の既往症を探索し、探索された既往症に応じた医療行為をクリニカルパス情報112aに追加する。なお、記憶部11(ハードディスクドライブ103)には、既往症の種類と追加される医療行為とを関連付ける情報があらかじめ記憶されている。クリニカルパス情報処理部123は、この情報を参照して、追加すべき医療行為を特定する。
【0295】
なお、既往症に基づいて医療行為を追加するだけでなく、既往症に基づいてクリニカルパス情報112aに含まれる医療行為を削除したり変更したりすることも可能である。たとえば、既往症に応じた禁忌な薬剤の投与行為を削除したり、他の薬剤に変更したりすることができる。
【0296】
また、クリニカルパス情報表示画面1000の基本情報表示部1050や「観察」の項目の記入内容に基づいて、クリニカルパス情報112aに医療行為を追加したり、クリニカルパス情報112aに含まれる医療行為を削除したり変更したりすることが可能である。
【0297】
上記の実施形態では、この発明に係る医療情報システム、医療情報処理装置及びプログラムを眼科分野に適用した場合について説明したが、この発明の適用対象は眼科分野に限定されるものではなく、任意の診療科に適宜に用いることが可能である。
【0298】
また、上記の実施形態では、この発明に係る各種の構成を複合的に適用した場合について説明したが、この発明に係る構成はそれぞれ独立に適用することもできるし、適宜に組み合わせて適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0299】
【図1】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態の全体構成の一例を表す概略ブロック図である。
【図2】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態に含まれる検査装置の機能的構成の一例を表す概略ブロック図である。
【図3】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態に含まれる医療情報処理装置の機能的構成の一例を表す概略ブロック図である。
【図4】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態に含まれる医療情報処理装置のハードウェア構成の一例を表す概略ブロック図である。
【図5】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態におけるクリニカルパス情報の表示態様の一例を表す概略図である。
【図6】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図7】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図8】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図9】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図10】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図11】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態により表示される画面の表示態様の一例を表す概略図である。
【図12】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態により表示される画面の表示態様の一例を表す概略図である。
【図13】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態により表示される画面の表示態様の一例を表す概略図である。
【図14】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態により表示される画面の表示態様の一例を表す概略図である。
【図15】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態により表示される画面の表示態様の一例を表す概略図である。
【図16】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態により表示される画面の表示態様の一例を表す概略図である。
【図17】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態により印刷出力される受診票の一例を表す概略図である。
【図18】この発明に係る医療情報システムの好適な実施の形態により表示される画面の表示態様の一例を表す概略図である。
【符号の説明】
【0300】
S 医療情報システム
1 医療情報処理装置
10 制御部
11 記憶部
111 電子カルテ情報記憶部
111a 電子カルテ情報
112 クリニカルパス情報記憶部
112a クリニカルパス情報
12 情報処理部
121 計時部
122 電子カルテ情報処理部
123 クリニカルパス情報処理部
124 適否判断部
125 報知制御部
126 実施予定変更部
13 表示部
14 操作部
15 通信部
100 マイクロプロセッサ
101 RAM
102 ROM
103 ハードディスクドライブ
103a プログラム
104 ディスプレイ
105 キーボード
106 マウス
107 通信インターフェイス
108 バス
2−1〜2−n 検査装置
200 制御部
210 検査部
220 表示部
230 操作部
240 通信部
3 プリンタ
4 サーバ
N、L ネットワーク
1000 クリニカルパス情報表示画面
1010 患者情報表示部
1020 クリニカルパス種別表示部
1030 記入者情報表示部
1040、1050 基本情報表示部
1100 確認項目表示部
1110、1120、1130 各日確認項目表示部
1200 追加ボタン
1300 カルテ画面表示ボタン
1400 終了ボタン
1500 整合性確認ボタン
M1 実施済みマーク
M2 所見入力済みマーク
2000 クリニカルパス追加画面
2100 クリニカルパスリスト表示部
2200 クリニカルパス開始日設定部
3000 検査評価入力画面
4000 電子カルテ表示画面
4010 患者情報表示部
4020 基本情報表示部
4030 シェーマ図表示部
4040 サムネイル表示部
4050 文字所見表示部
4060 医師情報表示部
4070 検査情報表示部
4100 操作ボタン部
4110 本日予定表示ボタン
4120 クリニカルパス表示ボタン
4130 終了ボタン
4140 散瞳開始ボタン
5000 所見入力テンプレート画面
6000 受診票
6010 患者情報記載部
6020 検査情報記載部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子カルテ情報を記憶する電子カルテ情報記憶手段と、
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報に含まれる前記医療行為の実施結果を入力する実施結果入力手段と、
前記実施結果入力手段により前記医療行為の実施結果が入力されたときに、当該医療行為が実施されたことを示す実施済み情報を前記クリニカルパス情報に付加するとともに、当該医療行為の実施結果を前記電子カルテ情報に付加する情報処理手段と、
を備えることを特徴とする医療情報システム。
【請求項2】
前記クリニカルパス情報は、前記複数の医療行為をその実施予定日毎のリストとして記録した情報であり、
前記情報処理手段は、
前記実施結果入力手段により前記医療行為の実施結果が入力された日付を示す実施日情報を取得する実施日情報取得手段を含み、
前記取得された実施日情報に示す日付に対応する前記実施予定日のリストに前記実施済み情報を前記付加する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報システム。
【請求項3】
前記電子カルテ情報は、医療行為を実施した各日付毎に記録される情報であり、
前記情報処理手段は、
前記実施結果入力手段により前記医療行為の実施結果が入力された日付を示す実施日情報を取得する実施日情報取得手段を含み、
前記取得された実施日情報に示す日付に対応する前記電子カルテ情報に前記実施結果を前記付加する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報システム。
【請求項4】
表示手段と、
前記情報処理手段により前記実施済み情報が付加されたクリニカルパス情報及び/又は前記実施結果が付加された電子カルテ情報を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の医療情報システム。
【請求項5】
前記医療行為の実施結果に基づく所見情報を入力するための所見入力手段を更に備え、
前記情報処理手段は、前記所見入力手段により入力された所見情報を前記電子カルテ情報記憶手段に記憶された電子カルテ情報に付加する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報システム。
【請求項6】
前記所見入力手段は、
表示手段と、
前記クリニカルパス情報に応じた所見入力テンプレートを前記表示手段に表示させる制御手段と、
前記表示された所見入力テンプレートに前記所見情報を入力する操作手段と、
を含み、
前記情報処理手段は、前記所見入力テンプレートに入力された所見情報を前記電子カルテ情報に前記付加する、
ことを特徴とする請求項5に記載の医療情報システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記クリニカルパス情報を呈示する画面を前記表示手段に表示させるものであり、更に、前記所見入力手段により前記所見情報が入力されたときに、前記所見情報が入力されたことを示す所見入力済み情報を前記画面に表示させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の医療情報システム。
【請求項8】
前記クリニカルパス情報は、前記複数の医療行為のそれぞれとその実施予定日とを関連付けて記録した情報であり、
前記情報処理手段は、前記クリニカルパス情報に含まれる前記複数の医療行為のうちの本日実施予定の医療行為を選択するとともに、前記選択された医療行為のリストを含む本日実施予定リスト情報を生成し、前記電子カルテ情報として前記電子カルテ情報記憶手段に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報システム。
【請求項9】
前記クリニカルパス情報記憶手段は、二以上の異なる種別の前記クリニカルパス情報をあらかじめ記憶し、
前記情報処理手段は、前記本日実施予定リスト情報を前記生成するときに、当該クリニカルパス情報の種別を示すクリニカルパス種別情報を付加する、
ことを特徴とする請求項8に記載の医療情報システム。
【請求項10】
前記クリニカルパス情報は、前記複数の医療行為のそれぞれとその実施予定日とを関連付けて記録した情報であり、
前記情報処理手段は、前記クリニカルパス情報に含まれる前記複数の医療行為のうちの本日実施予定の医療行為を選択し、
前記選択された本日実施予定の医療行為のリストを所定の印刷媒体に印刷する印刷手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報システム。
【請求項11】
前記クリニカルパス情報記憶手段は、二以上の異なる種別の前記クリニカルパス情報をあらかじめ記憶し、
前記印刷手段は、前記本日実施予定の医療行為のリストが前記印刷される前記所定の印刷媒体に、当該クリニカルパス情報の種別を示すクリニカルパス種別情報を印刷する、
ことを特徴とする請求項10に記載の医療情報システム。
【請求項12】
前記情報処理手段は、一患者に対する二以上の前記クリニカルパス情報が前記クリニカルパス情報記憶手段に記憶されているときに、当該二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる前記医療行為の実施予定に基づいて、当該医療行為の実施予定が適正であるか否か判断する適否判断手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報システム。
【請求項13】
前記適否判断手段により適正でないと判断されたときに報知を行う報知手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の医療情報システム。
【請求項14】
前記情報処理手段は、前記適否判断手段により適正でないと判断されたときに、当該医療行為の実施予定を変更する実施予定変更手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の医療情報システム。
【請求項15】
前記適否判断手段は、前記二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる薬剤投与の実施予定を示す薬剤投与情報に基づいて、薬剤の合計投与量、薬剤の投与タイミング及び薬剤の飲み合わせのうちの少なくともいずれか一つが適正であるか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項12に記載の医療情報システム。
【請求項16】
前記実施結果入力手段は、前記医療行為としての検査を行う検査装置を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報システム。
【請求項17】
前記検査装置は、前記医療行為として眼科分野の検査を行う眼科検査装置を含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の医療情報システム。
【請求項18】
電子カルテ情報を記憶する電子カルテ情報記憶手段と、
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報に含まれる前記医療行為の実施結果を受け付ける実施結果受付手段と、
医療行為の実施結果が前記受け付けられたときに、当該医療行為が実施されたことを示す実施済み情報を前記クリニカルパス情報に付加するとともに、当該医療行為の実施結果を前記電子カルテ情報に付加する情報処理手段と、
を備えることを特徴とする医療情報処理装置。
【請求項19】
前記情報処理手段は、一患者に対する二以上の前記クリニカルパス情報が前記クリニカルパス情報記憶手段に記憶されているときに、当該二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる前記医療行為の実施予定に基づいて、当該医療行為の実施予定が適正であるか否か判断する適否判断手段を含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の医療情報処理装置。
【請求項20】
表示手段と、
操作手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療行為のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、前記医療情報のリストを前記表示手段に表示させるときに、あらかじめ設定された医療情報に対する前記所定の該当情報を表示させる、
ことを特徴とする請求項18に記載の医療情報処理装置。
【請求項21】
表示手段と、
操作手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、前記医療情報のリストに含まれる医療情報のうち、あらかじめ設定された医療情報に対する前記操作手段による前記操作のみを受け付けて前記所定の該当情報を表示させる、
ことを特徴とする請求項18に記載の医療情報処理装置。
【請求項22】
表示手段と、
操作手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、前記医療情報のリストに含まれる医療情報に対して所定の順序で前記所定の該当情報を入力させるように誘導する誘導情報を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項18に記載の医療情報処理装置。
【請求項23】
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、
一患者に対する二以上の前記クリニカルパス情報が前記クリニカルパス情報記憶手段に記憶されているときに、当該二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる前記医療行為の実施予定に基づいて、当該医療行為の実施予定が適正であるか否か判断する適否判断手段と、
を備えることを特徴とする医療情報処理装置。
【請求項24】
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、
表示手段と、
操作手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療行為のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記医療情報のリストを前記表示手段に表示させるときに、あらかじめ設定された医療情報に対する前記所定の該当情報を表示させる、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
【請求項25】
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、
表示手段と、
操作手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記医療情報のリストに含まれる医療情報のうち、あらかじめ設定された医療情報に対する前記操作手段による前記操作のみを受け付けて前記所定の該当情報を表示させる、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
【請求項26】
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、
表示手段と、
操作手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記医療情報のリストに含まれる医療情報に対して所定の順序で前記所定の該当情報を入力させるように誘導する誘導情報を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする医療情報処理装置。
【請求項27】
電子カルテ情報を記憶する電子カルテ情報記憶手段と、
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報に含まれる前記医療行為の実施結果を受け付ける実施結果受付手段と、
を備えるコンピュータを、
医療行為の実施結果が前記受け付けられたときに、当該医療行為が実施されたことを示す実施済み情報を前記クリニカルパス情報に付加するとともに、当該医療行為の実施結果を前記電子カルテ情報に付加する情報処理手段として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項28】
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段を備えるコンピュータを、
一患者に対する二以上の前記クリニカルパス情報が前記クリニカルパス情報記憶手段に記憶されているときに、当該二以上のクリニカルパス情報のそれぞれに含まれる前記医療行為の実施予定に基づいて、当該医療行為の実施予定が適正であるか否か判断する適否判断手段として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項29】
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、
表示手段と、
操作手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、
を備えるコンピュータの前記制御手段を、
前記医療情報のリストを前記表示手段に表示させるときに、あらかじめ設定された医療情報に対する前記所定の該当情報を表示させるように機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項30】
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、
表示手段と、
操作手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、
を備えるコンピュータの前記制御手段を、
前記医療情報のリストに含まれる医療情報のうち、あらかじめ設定された医療情報に対する前記操作手段による前記操作のみを受け付けて前記所定の該当情報を表示させるように機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項31】
複数の医療行為の実施予定を含むクリニカルパス情報を記憶するクリニカルパス情報記憶手段と、
表示手段と、
操作手段と、
前記記憶されたクリニカルパス情報の前記複数の医療行為を含む医療情報のリストを前記表示手段に表示させるとともに、前記表示されたリストに含まれる各医療情報について、当該医療情報に該当することを示す操作が前記操作手段により行われたときに所定の該当情報を前記リストに表示させる制御手段と、
を備えるコンピュータの前記制御手段を、
前記医療情報のリストに含まれる医療情報に対して所定の順序で前記所定の該当情報を入力させるように誘導する誘導情報を前記表示手段に表示させるように機能させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2008−65491(P2008−65491A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240900(P2006−240900)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)
【Fターム(参考)】