説明

医療用チューブ及び内視鏡装置

【課題】複数の空洞部を備えて樹脂材料からなり、良好な可撓性を有する医療用チューブ及び内視鏡装置を提供する。
【解決手段】医療用チューブ20は、樹脂材料からなる樹脂部11と、軸方向に沿って複数形成された空洞部12とを有し、軸方向に略直交する断面で、樹脂部11及び空洞部12を含む全断面積に対して、空洞部12の断面積の割合が、36%以上75%以下に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内に挿入する医療用チューブ及び該医療用チューブを挿入部に備えた内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用チューブとしては、例えば内視鏡用チューブとして内視鏡装置や処置具の挿入部として使用されるものがある。そして、自身を直接生体内に挿入され、内部の空洞部分が、処置具の挿通孔や、送気・送水管路、光学繊維束・ワイヤ・信号線などを挿入する管路などとして利用されることとなる。
【0003】
このような医療用チューブには、金属薄板をスパイラル状に成形したフレックスと、フレックスの外側に設けられた金属素線からなるブレードと、ブレードの外側を覆う樹脂層によって構成されるものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、上記フレックス、ブレード、及び、樹脂層によって、生体内への良好な挿入性を確保するための可撓性を付与するとともに、ブレードの外側を覆う樹脂層によって挿入時における生体への損傷を防いでいる。
【特許文献1】特開2002−263059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の医療用チューブによれば、金属部品の加工が複雑で、部品点数が多いため、加工費、組立費が高くなってしまい、低コストの医療用チューブが望まれていた。このため、樹脂材料によって複数の挿通孔が形成されたマルチルーメンチューブを医療用チューブに適用することが検討されている。一方、このようなマルチルーメンチューブでは、内部に形成する空洞部分の大きさによって、医療用チューブとして要求される可撓性を付与することができなくなってしまう問題があった。すなわち、例えば内視鏡装置や処置具の挿入部として使用した場合に必要以上に可撓性を有していると、挿入時に生体内で捩れてしまうこととなり、安定して挿入することができなくなってしまう。また、可撓性が低下してしまうと、生体内で変形しにくくなり、安全かつ容易に挿入することができなくなってしまう。
【0005】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、複数の空洞部を備えて樹脂材料からなり、良好な可撓性を有する医療用チューブ及び内視鏡装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の医療用チューブは、樹脂材料からなる樹脂部と、軸方向に沿って複数形成された空洞部とを有する医療用チューブであって、前記軸方向に略直交する断面で、前記樹脂部及び前記空洞部を含む全断面積に対する前記空洞部の断面積の割合が、36%以上75%以下に設定されていることを特徴としている。
【0007】
この発明に係る医療用チューブによれば、軸方向に沿って形成された複数の空洞部を挿通孔などに使用することができる。ここで、樹脂部及び空洞部を含む全断面積に対して空洞部の断面積を36%以上として、空洞部の断面積の割合を大きくすることで、曲げが作用する際の樹脂部の変形を空洞部により吸収することができ、全体として良好な可撓性を付与することができる。一方、空洞部の断面積を75%以下とすることで、径方向に湾曲させる力や軸回りに捩れさせる力などが作用した際に、樹脂部を含む空洞部以外の部分での剛性によって好適に抵抗することが可能となる。このため、樹脂部を形成する樹脂材料に応じて、全体として良好な可撓性を付与することができる。
【0008】
また、上記の医療用チューブにおいて、前記樹脂材料は、ロックウェル硬度がRスケールで76以上111以下であることがより好ましいとされている。
この発明に係る医療用チューブによれば、樹脂部が上記範囲の硬度の樹脂材料で形成されていることで、全体として可撓性をより好適なものとすることができる。
【0009】
また、上記の医療用チューブにおいて、前記空洞部の断面積の割合が、前記軸方向に異なることがより好ましいとされている。
この発明に係る医療用チューブによれば、空洞部の断面積の割合を変化させることで軸方向に可撓性の程度を変化させることができる。このため、例えば基端側よりも先端側で上記割合を高くすることで、挿入時において、基端側に作用させる力を先端側に好適に伝達させつつ、先端側を好適に湾曲させることができ、挿入性をより良好なものとすることができる。
【0010】
また、上記の医療用チューブにおいて、複数の内の一部の前記空洞部について軸方向の一部で、充填材が充填された充填部とされ、該充填部が形成された軸方向の範囲では、該充填部を除く前記空洞部の断面積の割合が全断面積に対して36%以上75%以下に設定されていることがより好ましいとされている。
この発明に係る医療用チューブによれば、複数の内の一部の空洞部について軸方向の一部で、充填材を充填して充填部とすることで、充填部を除いて空洞として残る空洞部の断面積の割合を軸方向に変化させることができ、軸方向に可撓性の程度を変化させることができる。このため、例えば基端側よりも先端側で上記割合を高くすることで、挿入時において、基端側に作用させる力を先端側に好適に伝達させつつ、先端側を好適に湾曲させることができ、挿入性をより良好なものとすることができる。
【0011】
また、本発明の内視鏡装置は、医療用チューブによって挿入部の少なくとも一部が形成されていることを特徴としている。
この発明に係る内視鏡装置は、挿入部の一部が上記医療用チューブで形成されているので、空洞部を挿通孔や管路などに利用しつつ、挿入部に良好な可撓性を付与することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の医療用チューブによれば、樹脂部と空洞部とを含む全断面積に対する空洞部の断面積の割合が36%以上75%以下であることで、使用する樹脂材料に応じて良好な可撓性を有するものとすることができる。
また、本発明の医療用チューブによれば、挿入部の一部が上記医療用チューブによって形成されていることで、生体内に挿入部を好適に挿入させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1及び図2は、この発明に係る第1の実施形態を示している。図1は、内視鏡装置を示している。図1に示すように、内視鏡装置1は、生体内に挿入する挿入部2と、挿入部2の基端側に設けられ各種操作を行う操作部3とを備えている。挿入部2は、先端から順に、CCDなどの観察手段や照明手段が内蔵された先端硬質部4と、操作部3に設けられた操作ハンドル3aによる操作によって湾曲自在な湾曲部5と、生体内に挿入するに応じて湾曲可能な可撓性を有する内視鏡用チューブ10とを備えている。図2は、内視鏡用チューブ10において、軸方向に略直交する断面を示している。図2に示すように、内視鏡用チューブ10は、例えば断面略円形状に形成されていて、樹脂材料で形成された樹脂部11と、軸方向に延びるように形成された複数の空洞部12とを有する。樹脂部11を形成する樹脂材料としては、ポリプロピレン等様々な材料を選択可能であるが、ロックウェル硬度がRスケールで76以上111以下であることがより好ましい。
【0014】
また、空洞部12は、処置具を挿通させるなど、内視鏡として機能を発揮させるための内視鏡機能用空洞部15と、以下に示すように可撓性の調整のみを目的とする調整専用空洞部16とを有する。図2に示すように、内視鏡機能用空洞部15としては、処置具を挿通させるための処置具挿通用チャンネル15a、先端硬質部5の観察手段として配されるCCDの信号線が配設される信号線配設孔15b、照明手段としてのライトガイドが配設されるライトガイド配設孔15c、操作部3により湾曲部5を湾曲操作するための湾曲ワイヤが配設されるワイヤ配設孔15d、及び、基端側から先端側へ送気、送水を行うための送気・送水用チャンネル15eを有している。なお、これらは一例に過ぎず、内視鏡装置の構造、使用目的などに応じて様々な内視鏡機能用空洞部15を設定することが可能である。また、内視鏡機能用空洞部15の形状、径、位置は、その使用目的に応じて適時変更可能なものである。また、調整専用空洞部16は、内視鏡用空洞部15とともに、可撓性の調整を行うものであり、形状、径、位置を適時変更可能なものである。そして、内視鏡用空洞部15及び調整専用空洞部16を含む空洞部12は、軸方向に略直交する断面において、樹脂部11及び空洞部12を含む全断面積に対する割合が36%以上75%以下となるように設定されている。
【0015】
そして、このような内視鏡用チューブ10によれば、空洞部12の断面積を36%以上とすることで、挿入部2の内視鏡用チューブ10に曲げが作用する際の樹脂部11の変形を空洞部12により吸収することができ、全体として良好な可撓性を付与することができる。一方、空洞部12の断面積を75%以下とすることで、挿入部2の内視鏡用チューブ10に径方向に湾曲させる力や軸回りに捩れさせる力などが作用した際に、空洞部12を除いた樹脂部11の有する剛性によって好適に抵抗することが可能となる。このため、樹脂部11を形成する樹脂材料に応じて、全体として良好な可撓性を付与することができる。さらには、選択される樹脂材料のロックウェル硬度が上記範囲であることで、全体として可撓性を最適なものとすることができる。
【0016】
なお、前述のように、空洞部12を構成する内視鏡機能用空洞部15や調整専用空洞部16の形状、径、位置などは適時変更可能なものである。例えば、図3の変形例の内視鏡用チューブ10Aに示すように、内視鏡機能用空洞部15は、同様に目的に応じて径を変えつつ略円形とする一方、調整専用用空洞部16については、複数の内視鏡機能用空洞部15と連通せずに、かつ、その間の範囲全体を占有するように円形以外の形状に形成するものとしても良い。
【0017】
図4及び図5は、この発明に係る第2の実施形態を示している。図4及び図5に示すように、この実施形態の内視鏡用チューブ20は、全断面積に対する空洞部12の断面積の割合が、軸方向の任意の位置20aを境界として、上記範囲内で異なる値に設定されている。すなわち、湾曲部5側となる先端部21には、内視鏡機能用空洞部15及び調整専用空洞部16で構成される空洞部12が上記範囲内において複数形成されている。一方、操作部3側となる基端部22では、先端部21に形成される空洞部12の内、調整専用空洞部16の一部が封じられ、形成された空洞部12の数を減少させている。具体的には、対象となる調整専用空洞部16において、基端部22には、充填材が充填されて充填部23が形成され、充填材が充填されずに空洞として残る空洞部12が形成された数を変化させ、これにより空洞部12の断面積の割合を軸方向に変化させている。充填部23を形成する充填材としては、樹脂部11と同一の樹脂材料でも良く、樹脂材料やゲルなど様々な高分子材料が選択される。また、高分子材料に限らず、例えば、基端部22の範囲において、撓み変形可能な金属線を対象となる空洞部12に挿入することで充填部23を形成するものとしても良い。これにより先端部21よりも基端部22の方が、空洞部12の断面積の割合が小さく、剛性が高くなるように設定されていて、また、先端部21の方がより可撓性が高くなっている。
【0018】
このため、このような内視鏡用チューブ20を挿入部2の一部として使用して生体内に挿入すれば、基端部22の方が剛性が高いことで、基端部22で撓みあるいは捩れてしまうこと無く、基端からの軸方向の力を先端側まで好適に伝達させることができる。また、先端部21の方が高い可撓性を有しているので、挿入された生体内の状態に応じて好適に湾曲することができる。このため、より好適な挿入性を得ることができる。
【0019】
なお、本実施形態においては、予め空洞部12を先端部21及び基端部22に連通させて形成した後に、対象となる空洞部12の基端部22のみに充填材を充填して軸方向に空洞部12の断面積を変化させたが、これに限るものではない。例えば、樹脂部11を形成する樹脂材料を使用して押出成形する際に空洞部12の一部を途中までで止めるように形成しても良い。また、先端部21と基端部22をそれぞれ別々に形成するものとし、一部については、空洞部12同士が互いに連通可能に形成するとともに、他の一部については、先端部21のみに空洞部12を形成し、別々に形成した先端部21と基端部22とを溶着等により接合するものとしても良い。
次に、以下に示す各実施例に基づいて、内視鏡用チューブ10、20についてより詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
まず、表1の実施例1〜実施例5に示すように、軸方向に樹脂部11及び空洞部12の断面積が略一様な内視鏡用チューブ10について、硬度の異なる5種類のポリプロピレン樹脂を樹脂部11の樹脂材料として選択し、それぞれについて、全断面積に対する空洞部12の断面積の割合を変化させて可撓性試験を行った。各実施例の内視鏡用チューブ10は、外径が20mmの略円形断面である。そして、各実施例について、空洞部12の位置及び数を変えることで、空洞部12の断面積を、全断面積(314mm)に対して、0mm〜294mmまで20mmずつ変化させて試験を行った。ここで、可撓性試験は、スパン長を250mmとして三点曲げ試験を行い、撓み量が50mmとなったときの力量(N)を測定するものであり、測定された可撓性力量に基づいて当該内視鏡用チューブの可撓性の評価を行った。ここで、内視鏡装置1の挿入部2として、可撓性力量(N)の最適な値としては、2(N)〜10(N)である。
【0021】
【表1】

【0022】
図6に、測定結果を示す。図6に示すように、いずれの実施例においても、各樹脂材料の種類に応じて、空洞部12の断面積の割合が75%以下となることで、可撓性力量が増大し、また、36%以上までの範囲で安定した値を示すことを確認することができた。また、ロックウェル硬度がRスケールで76以上111以下の範囲である実施例2〜実施例4では、空洞部12の断面積の割合が36%以上75%以下の範囲で、可撓性力量が2N以上10N以下の範囲となり、内視鏡装置1の挿入部2として最適な値を示すことができた。一方、空洞部12の断面積の割合が75%より大きい範囲では、樹脂部11の占める面積が小さくすぎるため、剛性が低下して変形しやすくなってしまう。また、空洞部12の断面積の割合が36%未満の範囲では、樹脂部11の占める面積が大きすぎるため、急激に可撓性が低下してしまい、剛性が増大して変形しにくくなってしまう。
【0023】
次に、表2に示す実施例6から実施例9について、挿入性試験を行った。実施例6から実施例9は、表1の実施例3と同様の樹脂材料を使用している。そして、実施例6から実施例8は、空洞部12の断面積が軸方向に異なる内視鏡用チューブ20であり、全長が2000mm、外径が20mmの略円形状の断面で、それぞれ空洞部12の断面積が、先端部21で214mm(全断面積に対する割合で68%)、基端部22で134mm(全断面積に対する割合で43%)に設定されている。そして、実施例6から実施例8は、空洞部12の断面積が変化する位置20aを、軸方向に変化させている。すなわち、実施例6は、先端部21が600mm、基端部22が1400mm、また、実施例7は、先端部21が1400mm、基端部22が600mm、また、実施例8は、先端部21が1420mm、基端部22が580mmに設定されている。
【0024】
【表2】

【0025】
また、実施例9は、外径、全長とも上記実施例6〜8までと同様である一方、空洞部12の断面積が134mm(全断面積に対する割合で43%)で一定となっており、内視鏡用チューブ10と対応している。また、比較の対象として、同様の樹脂材料で、外径、全長も同様の値とし、空洞部12の断面積が34mm(全断面積に対する割合で11%)であるものを比較例1として、同様に挿入性試験を行った。ここで、挿入性試験は、被挿入体に対して、上記実施例の内視鏡用チューブを挿入する際に必要な軸方向に作用させる挿入力量(N)を測定するものである。被挿入体は、ウレタンで形成された内径23mm、全長500mmのチューブで、基端から300mmまでが直線状に形成され、また、300mmから先端までが半径150mmの曲線状に形成されているものである。そして、この条件において、内視鏡装置1の挿入部2として、挿入性力量(N)の良好な値の範囲は、0.75(N)以下であり、特に、0.25(N)以上0.40(N)以下であることがより望ましい。
【0026】
表3に試験結果を示す。表3の判定において、二重の○は、挿入力量が0.25(N)以上0.40(N)以下であることを、○は、0.75(N)以下で上記範囲以外であることを、×は、0.75(N)より大きいことを示している。表3に示すように、実施例6から実施例9では、いずれも挿入力量が0.75(N)以下であり、良好な挿入性を示す一方、比較例1では、挿入力量が1.32(N)を示し不合格となった。これは、樹脂部11の断面積が大きく剛性が高くなりすぎたため、可撓性が低下し、挿入抵抗が増大してしまったためである。また実施例6、7では、挿入力量は、より好ましい範囲である、0.25(N)以上0.40(N)以下であった。これは、挿入させるための力を作用させる基端部22が先端部21よりも剛性が高く、力を先端部21側へ好適に伝達させることができる一方、先端部21の方が可撓性を有しているので、被挿入体に追従して好適に湾曲させることができ、挿入抵抗を低減させることができるからである。
【0027】
【表3】

【0028】
以上のように、内視鏡用チューブ10、20では、空洞部12の断面積が上記範囲に設定されていることで、使用する樹脂材料に応じて良好な可撓性を有し、生体内への挿入性を向上させることができる。そして、様々な樹脂材料によって低コストの医療用チューブを提供することが可能であり、これを内視鏡装置の挿入部に使用することで、生体内に挿入部を好適に挿入させることができる。特に、樹脂材料としてロックウェル硬度で上記範囲のものを選択することで、可撓性を最適なものとすることができる。また、軸方向に樹脂部の断面積の割合を変化させることで、挿入性をさらに向上させることができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0030】
なお、上記において、内視鏡用チューブ10、20は、略円形状の断面としたが、これに限るものでは無く、楕円形状などとしても良い。また、内視鏡用チューブ20においては、位置20aの一箇所で空洞部12の断面積の割合が変化するものとしたが、さらに複数箇所で変化させるものとしても良く、あるいは、連続的に変化させるものとしても良い。また、本実施形態では、医療用チューブの一例として、内視鏡用チューブを例に挙げ、内視鏡装置に使用するものとして説明したが、これに限るものでは無い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の全体図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の内視鏡用チューブの断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の変形例の内視鏡用チューブの斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の内視鏡用チューブの斜視図である。
【図5】図4の切断線A−Aでの断面図である。
【図6】本発明の実施形態の内視鏡用チューブについて可撓性試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
1 内視鏡装置
2 挿入部
10、10A、20 内視鏡用チューブ(医療用チューブ)
11 樹脂部
12 空洞部
21 先端部
22 基端部
23 充填部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料からなる樹脂部と、軸方向に沿って複数形成された空洞部とを有する医療用チューブであって、
前記軸方向に略直交する断面で、前記樹脂部及び前記空洞部を含む全断面積に対する前記空洞部の断面積の割合が、36%以上75%以下に設定されていることを特徴とする医療用チューブ。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用チューブにおいて、
前記樹脂材料は、ロックウェル硬度がRスケールで76以上111以下であることを特徴とする医療用チューブ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の医療用チューブにおいて、
前記空洞部の断面積の割合が、前記軸方向に異なることを特徴とする医療用チューブ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の医療用チューブにおいて、
複数の内の一部の前記空洞部について軸方向の一部で、充填材が充填された充填部とされ、該充填部が形成された軸方向の範囲では、該充填部を除く前記空洞部の断面積の割合が、全断面積に対して36%以上75%以下に設定されていることを特徴とする医療用チューブ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかの記載の医療用チューブによって挿入部の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−46352(P2010−46352A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214243(P2008−214243)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】