説明

医薬組成物及びレボドパ及びカルビドパの使用方法

本発明は、安定な医薬製品を形成するために液体と組み合わせることができるカルビドパ及びレボドパボの乾燥、固体、錠剤又は粉末製剤を提供する。パーキンソン病の患者を治療するために使用され、液体と容易に組み合わせることができるカルビドパ及びレボドパの新規で安定な製剤を得ることができることを新たに見出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レボドパ及びカルビドパの安定な組成物に関する。
関連出願
本出願は、2003年8月29日出願の米国特許出願第60/499256号、2003年9月24日出願の米国特許仮出願第60/505551号、2004年4月6日出願の米国特許仮出願第60/559864号および2004年7月8日出願の米国特許仮出願第60/586442号の優先権を請求する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は、脳中のドーパミン作用経路の進行性の変質を特徴とする神経変性病である。パーキンソンの患者は、しばしば運動緩徐、硬直、振せん、弱いバランスおよび歩行困難の症状を有している。パーキンソン病患者にとっては、朝食またはコーヒーを作るような単純な動作が非常に困難になり得る。特に、錠剤のような小さなものをつかむことは非常に困難かもしれない。パーキンソン病の最も一般的な治療法のうちの1つはレボドパの投与である。レボドパは、脳血液関門を通り、ドーパミンに変換し、脳中の低レベルのドーパミンを元に戻し又は補うように機能する。パーキンソン病患者は、しばしば、1日当たりレボドパを200mg〜2g服用し、末期のパーキンソン患者は、後になるほどこの範囲の限度を服用するようになる。レボドパでの単独治療では、しばしば悪心及び嘔吐のような不愉快な副作用が伴う。レボドパおよびカルビドパのようなドーパ脱炭酸酵素阻害剤の組み合わせ投与は、患者の副作用を減少させる一方、薬効を増加させる。レボドパ/カルビドパ錠剤の一つの欠点は、パーキンソン患者がしばしば「日内変動現象(wearing off)」の発現を経験することである。これら発現の間、患者は、こわばった状態になるか、硬直動作を有する。これらのこわばりの発現は、パーキンソン病患者の生活の質に極めて有害な結果をもたらす。こわばりの発現から回復するために、患者はしばしば、彼らの舌下にレボドパ/カルビドパ錠剤を投与する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
患者の舌下に薬物を投与しても、1時間程度は、こわばりの発現から患者は解放されないことが多いであろう。レボドパ/カルビドパ錠剤の制御放出物(商標「シネメットCR(sinemet CR)」)は、また、患者に有効である。シネメットの制御放出物は、良好な臨床治療の影響を与えていない。よって、シネメットCRを服用する患者は、日内変動現象及びこわばり発現を依然として有している。患者がこれら日内変動現象を回避する又は調節するために用いている方法の一つは、レボドパ/カルビドパの液状物を創出することである。安定な液状レボドパ/カルビドパ製剤は存在しない。不安定な液状レボドパ/カルビドパ懸濁剤は、パーキンソン病患者が採用している民間療法である。患者は、彼らが彼らのレボドパレベルが減少したと感じたときに、不安定な液状レボドパ/カルビドパ懸濁剤を一口すする。よって、患者は、自分で彼らのレボドパ濃度と、その後の彼らのパーキンソン病の症状に投薬する。不安定な液状レボドパ/カルビドパの製造方法は、文献に記載されている。一般に、レボドパ/カルビドパのピルを粉砕し、オレンジジュース又はジンジャーエールのような液体を加える。この方法の欠点の一つは、粉砕工程である。日内変動現象に入った患者はピルを粉砕することが極めて困難になるかもしれない。ピルを粉砕するために必要な力及び指の操作は、日内変動現象の間は失敗し、不十分となり得る。さらに、この承認されていない混合物は、レボドパ又はカルビドパのバイオアベイラビリティを不完全にし又は質の悪い安定性を招き得る。カルビドパ及びレボドパは、長時間にわたる液体中では不安定な化合物であり、一般に安定なカルビドパ及びレボドパの液状製剤は存在しない。よって、安全で、より安定で、現在の懸濁剤よりも使用が容易なカルビドパ及びレボドパの液状製剤が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
意外にも、パーキンソン病の患者を治療するために使用され、液体と容易に組み合わせることができるカルビドパ及びレボドパの新規で安定な製剤を得ることができることを見出した。
一つの観点では、本発明は、安定な医薬製品を形成するために液体と組み合わせることができるカルビドパ及びレボドパボの乾燥、固体、錠剤又は粉末製剤を提供する。
他の観点では、本発明は、カルビドパ及びレボドパの液体製剤でパーキンソン病の患者の治療方法を提供する。
【0005】
さらなる実施形態では、医薬組成物は、レボドパ、カルビドパ、酸及び金属キレート化剤を含む。金属キレート化剤の例は、EDTA及びメシル酸デフェロキサミン(deferoxamine mesylate)が挙げられる。EDTAは塩又はその遊離塩基の形態とすることができる。一つの観点では、EDTA濃度は少なくとも0.01mg/mlである。
【0006】
他の実施形態では、酸は、カルボン酸、無機酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、酢酸、ギ酸、メタン酸、ブタン酸、エタン酸、安息香酸、酪酸、リンゴ酸、プロピオン酸、エポキシ琥珀酸、ムコン酸、フランアクリル酸、シトラリンゴ(citramalic)酸、カプリン酸、ステアリン酸、カプロン(caprioc)酸、マロン酸、コハク酸、ジエチル酢酸(diethylacetic)、メチルブチル(methylbutryic)酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸又は硫酸から選択することができる。
【0007】
一実施形態では、組成物は、レボドパ及びカルビドパの安定な液体である。一観点では、安定な液体は、7日後、25℃でのカルビドパの分解は10%未満である。他の観点では、7日後、25℃でのカルビドパの分解は5%未満である。さらなる観点では、30日後、25℃でのカルビドパの分解は10%未満である。さらなる観点では、4日後、25℃でのカルビドパの分解は5%未満である。他の観点では、30日後、4℃でのカルビドパの分解は5%未満である。一つの観点では、安定な液体は、250日後、25℃でのカルビドパの分解は5%未満である。さらなる観点では、安定な液体は、360日後、4℃でのカルビドパの分解は5%未満である。さらなる観点では、安定な液体は、9日後、25℃でのカルビドパの分解は10%未満である。
【0008】
さらなる実施形態では、医薬組成物は、レボドパ、カルビドパ及び酸を含み、その組成物のpHは、約3.0以下である。一つの観点では、その組成物は、7日後、25℃でのカルビドパの分解は10%未満である。他の観点では、7日後、25℃でのカルビドパの分解は5%未満である。さらなる観点では、その組成物は、30日後、25℃でのカルビドパの分解は10%未満である。さらなる観点では、その組成物は、4日後、25℃でのカルビドパの分解は5%未満である。他の観点では、その組成物は、30日後、4℃でのカルビドパの分解は5%未満である。一つの観点では、250日後、25℃でのカルビドパの分解は5%未満である。一つの観点では、360日後、4℃でのカルビドパの分解は5%未満である。さらなる観点では、その組成物は、9日後、25℃でのカルビドパの分解は10%未満である。さらなる観点では、その組成物は、さらに人工甘味料又は保存料を含む。
【0009】
他の実施形態では、水性組成物は、レボドパ及びカルビドパを含み、レボドパは、2.5mg/mlから9mg/mlの濃度である。他の実施形態では、レボドパは、約4mg/mlの濃度である。一つの観点では、その組成物は、7日後、25℃でのカルビドパの分解は10%未満である。他の観点では、7日後、25℃でのレボドパの分解は5%未満である。さらなる観点では、その組成物は、30日後、25℃でのカルビドパの分解は10%未満である。さらなる観点では、その組成物は、4日後、25℃でのカルビドパの分解は5%未満である。他の観点では、その組成物は、30日後、4℃でのカルビドパの分解は5%未満である。一つの観点では、250日後、25℃でのカルビドパの分解は5%未満である。さらなる観点では、360日後、4℃でのカルビドパの分解は5%未満である。さらなる観点では、その組成物は、9日後、25℃でのカルビドパの分解は10%未満である。さらなる観点では、その組成物は、さらに人工甘味料又は保存料を含む。
【0010】
他の実施形態では、組成物は、レボドパ、カルビドパ、酸及び金属キレート化剤を含み、25℃での24時間後のカルビドパの分解は1.2%未満である。金属キレート化剤の例は、EDTA及びメシル酸デフェロキサミンが挙げられる。
【0011】
他の実施形態では、レボドパ、カルビドパ、酸及び金属キレート化剤を含み、25℃での48時間後のカルビドパの分解は2.4%未満である。
本発明のさらなる組成物は、分解物(degradant)が低濃度の安定な製剤を含む。一つの観点では、ヒドラジン分解物は、現在入手可能なレボドパ/カルビドパ懸濁剤よりも低い。一つの観点では、液体医薬組成物は、約0.4から1.5mg/mlでレボドパ及びカルビドパを含み、ヒドラジンレベルは、25℃で24時間後、0.07μg/ml以下である。他の観点では、液体医薬組成物は、約0.4から1.5mg/mlでレボドパ及びカルビドパを含み、ヒドラジンレベルは、25℃で3日後、0.32μg/ml以下である。さらなる観点では、液体医薬組成物は、約0.4から1.5mg/mlでレボドパ及びカルビドパを含み、ヒドラジンレベルは、25℃で7日後、1.6μg/ml以下である。さらなる観点では、液体医薬組成物は、約0.4から1.5mg/mlで、レボドパ及びカルビドパを含み、ヒドラジンレベルは、4℃で7日後、0.06μg/ml以下である。
【0012】
一実施形態では、レボドパ、カルビドパ、酸及び金属キレート化剤の液体組成物は、透明又は半透明である。
さらなる実施形態では、医薬組成物は、レボドパ、カルビドパ、酸及びチオエーテル化合物を含む。一つの観点では、チオエーテルは、カルビドパを安定化するために機能する。チオエーテルの例は、メチオニン、システイン、グルタチオン、チオグリセロール、チオ硫酸ナトリウム及びn−アセチルメチオニンが挙げられる。他の実施形態では、組成物はレボドパ、カルビドパ、酸、チオエーテル及び金属キレート化剤を含む。
【0013】
一実施の形態は、レボドパ約2.5から6mg/ml、カルビドパ約0.625から1.5mg/ml、クエン酸約5から10mg/ml及びEDTA約0.25mg/ml以上を含む。この組成物は、さらに、約0.1mg/mlから約1mg/mlのアスパルテーム又は約0.01mg/mlから1mg/mlの安息香酸ナトリウムを含んでいてもよい。
【0014】
さらなる実施形態では、レボドパ約2.5から6mg/ml、カルビドパ約0.25から0.6mg/ml、クエン酸約5から10mg/ml及びEDTA約0.25mg/ml以上を含む。この組成物は、さらに、約0.1mg/mlから約1mg/mlのアスパルテーム又は約0.01mg/mlから1mg/mlの安息香酸ナトリウムを含んでいてもよい。
【0015】
一実施形態では、医薬組成物は、レボドパ約500mgから1500mg、カルビドパ約125mgから375mg、クエン酸約1065mgから3195mg及びEDTA約13mgから41mgを含む。この組成物は、液体と混合するために、崩壊性錠剤の形態又は粉末もしくは顆粒の形態であってもよい。
【0016】
他の実施形態では、医薬組成物は、レボドパ約1000mg、カルビドパ約250mg、クエン酸約2130mg及びEDTA約27mgを含む。この組成物は、さらに水、アスパルテーム又は安息香酸ナトリウムを含んでいてもよい。
【0017】
一実施形態では、レボドパ、カルビドパ、酸、金属キレート化剤及び糖の医薬組成物を含み、糖は、組成物の1%未満を含む。
一実施形態では、レボドパ及びカルビドパの投与方法を含み、乾燥又は固体のレボドパ及びカルビドパの製剤を液体に加え、その製剤を10分間未満混合し、その製剤を患者に投与する。本発明の一つの観点では、製剤の投与は、パーキンソン病患者の最初の朝の用量である。
【0018】
他の実施形態では、液体組成物は、レボドパ約2.5から6mg/ml及びカルビドパ約0.25から0.6mg/mlでの溶解が可能である。一実施形態では、この組成物は、25℃にて7日後、カルビドパの分解が10%未満である。他の観点では、25℃にて7日後、カルビドパの分解が5%未満である。他の観点では、25℃にて30日後、カルビドパの分解が10%未満である。他の観点では、25℃にて4日後、カルビドパの分解が5%未満である。他の観点では、4℃にて30日後、カルビドパの分解が5%未満である。他の観点では、25℃にて250日後、カルビドパの分解が5%未満である。他の観点では、4℃にて360日後、カルビドパの分解が5%未満である。他の観点では、25℃にて9日後、カルビドパの分解が10%未満である。
【0019】
本発明のさらなる実施形態では、レボドパ、カルビドパ、酸、金属キレート化剤及び水を混合する工程を含むドーパミン障害の治療のための医薬組成物の製造方法である。
一実施形態では、液体組成物は、レボドパ及びカルビドパを含み、金属イオンの総濃度は1ppm未満である、他の観点では、遊離の金属イオンの総濃度は1ppm未満である。一観点では、組成物は、さらに酸を含む。関連する酸の一実施例は、塩酸である。他の組成物では、金属イオンの総濃度は0.1ppm以下、0.1ppm、0.001ppm又は1ppbである。
【0020】
本発明の一つの方法では、レボドパ及びカルビドパの製剤は、1以上の賦形剤又は活性剤を含む、これらの賦形剤又は活性剤は、金属イオンを除去するためにクロマトグラフ法に付される。除去するために適用される金属イオンの例は、鉄、鉛、亜鉛又はアルミニウムである。
【0021】
本発明のさらなる観点は、患者に本発明の組成物を投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】pHとレボドパ濃度の関数としてクエン酸緩衝液中でのレボドパの溶解性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の詳細な説明
本発明は、カルビドパ及びレボドパを含む安定な医薬組成物を提供する。レボドパ及びカルビドパの従来の組成物は、パーキンソン病の患者に対して十分に安定でなく機能しない。
本発明の組成物は、現在市販されているレボドパ及びカルビドパ製剤及び現在の民間療法での液状のレボドパ/カルビドパに対する利点を提供する。
【0024】
「液状レボドパ/カルビドパ」は、レボドパ、カルビドパ及び液体の製剤であることを意味し、レボドパ/カルビドパの1以上の錠剤が液体に混合される。
「パーキンソン病患者」は、パーキンソン病を患っていると医師によって診断されたいずれかのヒト及びレボドパ治療が有益となりえるドーパミン障害を患っていると診断されたいずれかのヒトを意味する。
【0025】
レボドパ及びカルビドパの組成物を安定にする改良が見出された。安定性を改善する一つの方法は、レボドパ及びカルビドパの組成物における遊離金属濃度を減少させることを含む。他の安定性を改善する方法は、レボドパ及びカルビドパの液状組成物のpHを低減させることを含む。安定性を改善するさらなる方法は、レボドパ及びカルビドパの安定性に好ましい酸を選択することを含む。
【0026】
本発明は、安定性及び使用の容易性において従来技術に対して利点を有するカルビドパ及びレボドパの製剤を提供する。最近使用されている民間療法のレボドパ/カルビドパが多数の分解物を生成することが見出されている。これらの分解物の少なくとも1つは、ヒドラジン、潜在的な発癌物質である。レボドパ/カルビドパの液状形態で1日あたり1gのレボドパを服用する末期のパーキンソン病患者の現在の慣習では、毒性レベルのヒドラジンにさらされるかもしれない。現状の液状レボドパ/カルビドパ製剤は、末期のパーキンソン病患者に顕著な利益をもたらすとしても、これらの民間療法の製剤は、患者を潜在的な発癌物質にさらす。この潜在的な発癌物質は癌をもたらす(「Toxological Profile for Hydrazines」、米国保健社会福祉省、1997年9月)。さらに、カルビドパのヒドラジンへの分解は、カルビドパの有効性を失わせ、よって、製品の貯蔵寿命を低減させる。
【0027】
レボドパ及びカルビドパの液状製剤の利益をなおも与えながら、パーキンソン病患者にとって安定で、使用を容易にする製剤の存在が必要とされている。安定なレボドパ及びカルビドパを含有する液体製剤を創出するための重大な試みを行った。重大な試みによって、金属がカルビドパを不安定にすることを見出した。本発明の一実施形態は、レボドパ、カルビドパ及び金属キレート化剤を含む。理論にとらわれることがなければ、金属イオンは、カルビドパ分解を引き起こすと考えられている(実施例12)。キレート化剤の例は、限定されないが、EDTA、メシル酸デフェロキサミン、EGTA、フマル酸及びリンゴ酸である。EDTAの遊離酸及び塩の形態の双方がEDTAの定義の中に含まれる。EDTAの遊離酸及び塩の例は、エデト(editic)酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸ナトリウム及びエデト酸三ナトリウムである。エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸ナトリウム及びエデト酸三ナトリウムのいずれかは、本発明のいくつかの実施形態から除外してもよい。一実施形態では、EDTA濃度、少なくとも0.01mg/ml、少なくとも0.05mg/ml、少なくとも0.1mg/ml、 0.01mg/mlから0.5mg/ml、0.05mg/mlとから0.3mg/ml、0.05mg/mlから0.2mg/ml又は約0.1mg/mlである。
【0028】
さらなる実施形態では、本発明の組成物は、低濃度の金属を含むか又は金属が検出されない。低濃度の金属は、金属イオンが1ppm未満、金属イオンが0.5ppm未満、金属イオンが0.01ppm未満又は金属イオンが1ppb未満である。本発明の組成物から排除することができる又は最小限に止めることができる特定の金属イオンは、限定されないが、鉄、カルシウム、マグネシウム、コバルト、銅、鉄、マンガン、モリブデン、セレン、亜鉛、アルミニウム、砒素、バリウム、カドミウム、クロム、鉛、水銀、セレン及び銀である。一つの特定の実施形態では、レボドパ及びカルビドパの組成物は、金属イオンが1ppm未満である。さらなる実施形態では、レボドパ、カルビドパ及び酸の組成物は、金属イオンが1ppm未満である。さらなる実施形態では、レボドパ及びカルビドパの組成物は、金属イオンが0.1ppm未満である。他の実施形態では、レボドパ、カルビドパ及び酸の組成物は、金属イオンが0.1ppm未満である。いくつかの実施形態では、金属濃度の総量が特定のレベル以下であり、他の実施形態では、遊離金属イオン濃度の総量が特定のレベル以下である。遊離金属イオンは、水以外の他の分子に化学的に結合しないイオンである。
【0029】
金属イオンは、レボドパ及びカルビドパの市販製剤中に含まれている多くの医薬製剤において微量である。さらに、金属イオンは、レボドパ及びカルビドパの液状製剤を形成するために使用することができる液体に存在する。本発明の方法は、活性成分、結合剤、酸、香味料等の賦形剤から及び水のような希釈剤から金属イオンを除去する。一実施形態では、本発明の組成物は、クロマトグラフィーによって金属イオンを除去することによって製造される。さらなる実施形態では、本発明の組成物は、全ての又はいくつかの賦形剤及び活性成分をクロマトグラフィーに付すことにより製造される。さらなる実施形態では、本発明の組成物は、得られた組成物の金属イオンの総量が1ppm未満、0.5ppm未満、0.5ppm未満、0.1ppm未満、0.01ppm未満又は1ppb未満とするように、全ての又はいくつかの賦形剤及び活性成分をクロマトグラフィーに付すことによって製造される。他の実施形態では、レボドパ及びカルビドパの組成物は、金属イオンを除去するためにクロマトグラフィーに付される。金属イオンは、最終的な組成物から又は組成物からの個々の賦形剤、活性成分から除去することができる。例えば、金属イオンは、レボドパ、カルビドパ及び塩酸の製剤から除去することができるか、金属イオンは、レボドパ、カルビドパ及び塩酸からそれぞれ除去することができる。
【0030】
さらに、チオエーテル化合物がカルビドパ分子を安定化し、よって分解形成物を低減することを見出している。チオエーテルの例は、限定されないが、メチオニン、システイン、グルタチオン、チオグリセロール、チオ硫酸ナトリウム及びn−アセチルメチオニンである。
【0031】
本発明のさらなる実施形態は、チオエーテル及びキレート化剤の双方を含有する。チオエーテル及び金属キレート化剤の組み合わせは、カルビドパ及びレボドパの組成物において、カルビドパ分解のレベルを顕著に低下させる機能を有する。よって、一実施形態では、本発明はカルビドパ、レボドパ及び金属キレート化剤から選択される1以上の成分又はチオエーテルを含む。本発明のさらなる観点は、カルビドパ、レボドパ及びキレート化剤から選択される1以上の成分又はチオエーテルの製剤であって、25℃にて7日後、カルビドパ分解が10%未満である。
【0032】
一実施形態では、本発明の組成物は安定である。安定な組成物は、25℃にて7日後、カルビドパの分解が10%未満であり、25℃にて7日後、カルビドパの分解が5%未満であり、25℃にて30日後、カルビドパの分解が10%未満であり、25℃にて4日後、カルビドパの分解が5%未満であり、4℃にて30日後、カルビドパの分解が5%未満であり、25℃にて250日後、カルビドパの分解が5%未満であり、4℃にて360日後、カルビドパの分解が5%未満であり、25℃にて9日後、カルビドパの分解が10%未満である。本発明の実施形態は、室温で24時間保存した後、分解レベルが1ppm以下、0.5ppm以下、0.2ppm以下、0.1ppm以下、0.05ppm以下、0.01ppm以下の製剤が可能である。本発明の実施形態では、室温で48時間保存した後、ヒドラジンのようなある特定の分解物の分解レベルが1ppm以下、0.5ppm以下、0.2ppm以下、0.1ppm以下、0.05ppm以下、0.01ppm以下の製剤が可能である。本発明の実施形態では、4℃で1週間保存した後、ヒドラジンレベルが1ppm以下、0.5ppm以下、0.2ppm以下、0.1ppm以下、0.05ppm以下、0.01ppm以下の製剤が可能である。
【0033】
一実施形態では、本発明の液体製剤は、25℃で1日後、カルビドパの分解が15%、10%、5%、3%、2%、1%、0.5%又は0.25%未満である。他の実施形態では、本発明の液体製剤は、25℃で3日後、カルビドパの分解が15%、10%、5%、3%、2%、1%、0.5%又は0.25%未満である。一実施形態では、本発明の液体製剤は、25℃で1週間後、カルビドパの分解が15%、10%、5%、3%、2%、1%、0.5%又は0.25%未満である。一実施形態では、本発明の液体製剤は、25℃で1ヶ月後、カルビドパの分解が15%、10%、5%、3%、2%、1%、0.5%又は0.25%未満である。
【0034】
他の実施形態では、レボドパを含有する本発明の組成物は、医薬用途に対して安定である。一実施形態では、レボドパ、カルビドパ又は本発明の液状のそれらの製剤は、24時間室温で保存した際に、いずれか一つの分解物が1%未満しか形成されないほど、安定である。ここで、分解物(degradant)という用語は、化学反応の単一タイプの生成物を意味する。例えば、加水分解が、分子が2つの生成物に分裂することをまさに起こす場合、本発明の目的では、単一の分解物とみなされる。他の実施形態では、1週間4℃で保存された場合、組成物は、いずれか1つの分解物を5%未満しか形成しない。あるいは、24時間室温で保存した場合、本発明の組成物は、いずれか1つの分解物が10%未満、5%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満しか含まない。相対湿度(RH)は環境RH、75%RH又は1から99%RHのいずれか一つの整数として、特定することができる。分解物の一つの特有のタイプはヒドラジンである。
【0035】
さらなる実施形態では、本発明の組成物は、現行の実施に対して安定性が改善されている。一実施例では、本発明の組成物は、25℃で24時間保存した後、シネメット錠(1mg/mlで)をジンジャーエールに混合する現在の実施よりもカルビドパの分解が100分の1である。他の実施例では、25℃で24時間保存した後、シネメット錠(1mg/mlで)をオレンジジュースに混合する現在の実施よりもカルビドパの分解が3分の1である。他の実施例では、25℃で3日間保存した後、シネメット錠(1mg/mlで)をオレンジジュースに混合する現在の実施よりもカルビドパの分解が15分の1である。さらなる実施例では、25℃で7日間保存した後、シネメット錠(1mg/mlで)をオレンジジュースに混合する現在の実施よりもカルビドパの分解が60分の1である。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、現行の実施に比較してカルビドパ分解が低レベルである。現在使用されている液状のレボドパ/カルビドパは、民間療法製剤中でカルビドパ分解物を有することを見出している(実施例3及び6参照)。例えば、患者は、レボドパ/カルビドパ錠剤を溶解させるためにアスコルビン酸を含有するオレンジジュースにレボドパ/カルビドパ錠剤を混合することがしばしば助長される。アスコルビン酸は、カルビドパ分解物を形成する反応を引き起こすかもしれない。これらの分解物は、負の生物学的影響を招き、分解された薬物はもはや作用しないために薬効を低減させるかもしれない。
【0037】
他の酸での実験では、他のカルビドパの分解物の可能性が証明された。液状のレボドパ/カルビドパ製剤中に形成されるかもしれない2つの特定の分解物は、ヒドラジン及び3,4−ジヒドロフェニルアセトン(DHPA)である。理論にとらわれることがなければ、カルビドパがDHPA及びヒドラジンに同等の割合で分解すると考えられる。よって、DHPAの存在は、ヒドラジンの存在を示す。本発明の組成物は、これらの分解物のレベルを低減させる。例えば、本発明の組成物は、これらの分解物の形成を防止するか、25℃で1週間保存した後、 これら分解物の形成を0.05%以下、0.1%以下、0.2%以下、0.3%以下、0.5%以下、1%以下、2%以下、5%以下又は10%以下に維持することができる。
【0038】
他の実施形態では、レボドパを含有する本発明の組成物は、医薬用途に対して適切に安定である。好ましくは、本発明のレボドパ、カルビドパ又はそれらの固体用量における製剤は、30℃で2年間保存した時、いずれか1つの分解物が0.2%未満しか形成されない、ここで、分解物は化学反応の単一のタイプの生成物を意味する。例えば、加水分解が、分子が2つの生成物に分裂することをまさに起こす場合、本発明の目的では、単一の分解物とみなされる。より好ましくは、2年間40℃で保存した場合、組成物は、いずれか1つの分解物を0.2%未満しか形成しない。あるいは、3ヶ月間30℃で保存した場合、いずれか1つの分解物が0.2%未満又は0.15%未満、あるいは0.1%しか形成されず、あるいは、3ヶ月間40℃で保存した場合、いずれか1つの分解物が0.2%未満又は0.15%未満、あるいは0.1%しか形成されない。さらにあるいは、4週間60℃で保存した場合、いずれか1つの分解物が0.2%未満又は0.15%未満、あるいは0.1%しか形成されない。相対湿度(RH)は環境RH、75%RH又は1から99%RHのいずれか一つの整数として、特定することができる。
【0039】
本発明の一実施形態では、カルビドパ、レボドパ及び1以上の酸の組成物を含む。酸の例は、限定されないが、カルボン酸、無機酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、酢酸、ギ酸、メタン酸、ブタン酸、エタン酸、安息香酸、酪酸、リンゴ酸、プロピオン酸、エポキシ琥珀酸、ムコン酸、フランアクリル酸、シトラリンゴ(citramalic)酸、カプリン酸、ステアリン酸、カプロン(caprioc)酸、マロン酸、コハク酸、ジエチル酢酸(diethylacetic)、メチルブチル(methylbutryic)酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸又は硫酸である。酸は、酸約20モルに対してレボドパ約0.5モルからの、酸約2モルに対してレボドパ約0.5モルからの、酸約5モルに対してレボドパ約1モルからの、酸約7モルに対してレボドパ約1モルからの、酸約10モルに対してレボドパ約1モルからの、酸約3モルに対してレボドパ約1モルからの、酸約4モルに対してレボドパ約1モルからのモル比で加えることができる。当業者は、液体中に溶解させることができるカルビドパ又はレボドパのレベルを増大させるために酸の濃度を増加させることができる。本発明では、カルビドパ又はレボドパの溶解性を増加させるイオン強度を増加させる使用が含まれる。例えば、HClをレボドパ、カルビドパ及び酸の組成物に添加することにより、さらにレボドパを溶解させることができ、あるいは、より高いレボドパ濃度の溶解性を可能にする。
【0040】
いくつかの実施形態では、いずれかの特定の酸を、本発明から除外することができる。特別に除外することができる酸の例は、限定されないが、カルボン酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、酢酸、ギ酸、メタン酸、ブタン酸、エタン酸、安息香酸、酪酸、リンゴ酸、プロピオン酸、エポキシ琥珀酸、ムコン酸、フランアクリル酸、シトラリンゴ(citramalic)酸、カプリン酸、ステアリン酸、カプロン(caprioc)酸、ジエチル酢酸(diethylacetic)、メチルブチル(methylbutryic)酸、塩酸、マロン酸、コハク酸、リン酸又は硫酸である。
【0041】
イオン強度の調整は、安定性に影響するように行うことができる。実施例7は、酸が、カルビドパの安定性をわずかな負の作用を有するかもしれないことを示す。よって、いくつかの実施形態では、イオン強度は、最適な安定性を維持するために調整される。例えば、いくつかの組成物において、塩濃度は、1M(Molar)未満、0.75M未満、0.5M未満、0.3M未満、0.2M未満又は0.1M未満である。
【0042】
液状レボドパ/カルビドパ製剤のpHは、製剤の安定性に影響するかもしれない。実施例8で示されたように、pHが低くなると、製剤の安定性が増加する。本発明の組成物は、1から10のpH、1から8、2から8、2から6、2から4、2.5から4.5、2.4から4、2.5から3.5、3から8、3から6、3から5、3から4、1から4、1.5から3.5、2.から3又は5未満、4未満、3未満、2.9未満、2.8未満、2.7未満、2.6未満、2.5未満、2.4未満、2.3未満、2.2未満、2.1未満又は2未満のpHとすることができる。
【0043】
本発明の医薬組成物は、レボドパ、カルビドパ及び1、2、3、4又はそれ以上のさらなる賦形剤又は添加剤を含有していてもよい。賦形剤又は添加剤は、不活性であるかもしれないし、活性であるかもしれないし、他の組成物成分に影響を与えるかもしれない。賦形剤又は添加剤は、限定されないが、酸、塩基、塩類、界面活性剤、乳化剤、洗浄剤、バインダー、湿潤剤、塩類、ポリマー、溶剤、抗生物質、防腐剤、充填剤、糖、アルコール、着色剤、香味料または緩衝剤を含むことができる。賦形剤は、製剤を安定化させるか、活性成分の分解を低下又は消失させるために作用させることができる。本発明の実施例として、Handbook of Pharmaceutical Additives compiled by Michael and Irene Ash, Gower Publishing, 1995に記載されたものを含むいずれかの公知の賦形剤を含む組成物が含まれる。
【0044】
いずれかの実施形態では、1以上のいかなる特定の剤を除外してもよい。除外することができる剤の例は、限定されないが、酸、塩基、塩類、界面活性剤、乳化剤、洗浄剤、バインダー、湿潤剤、塩類、ポリマー、溶剤、抗生物質、防腐剤、充填剤、糖、アルコール又はHandbook of Pharmaceutical Additivesに記載されている添加剤である。
【0045】
さらなる賦形剤は、造粒結合剤を含んでいてもよい。特定の造粒結合剤は、限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンである。一実施形態では、水溶性造粒結合剤が、本発明の製剤で用いられる。他の実施形態では、3から10重量%、4から6重量%、4から5重量%で結合剤が用いられる。
【0046】
いくつかの実施形態では、さらなる剤が、分解物の形成を防止するために組成物に添加される。本発明の組成物中の分解物形成を制限する、低減する又は阻害するのに十分ないずれかの剤が意図される。特定の例は、限定されないが、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、硫化ヒ素、三硫化砒素、次亜硫酸カルシウム、塩化クロム(chromous chloride)、塩化第一鉄、シュウ酸鉄、βメルカプトエタノール、ジチオスレイトール、ビタミンE、ビタミンC、ベータカロチン、リコピン及びフラボノイドである。
【0047】
本発明の一観点は、パーキンソン病患者を治療するために使用することができるカルビドパ及びレボドパの組成物を提供する。いずれかのパーキンソン病患者では、カルビドパ及びレボドパの液状物は他の用量形態よりもより有利である。パーキンソン病の進行につれて、患者は、運動能を維持するために、レボドパの連続的により高い用量を必要とすることが多い。これらの高濃度の投薬の必要性は、患者に対してこわばりの発現に対してより影響を受けやすくすることが多い。よって、末期のパーキンソン病の患者は、こわばり発現を回避するために、レボドパの高濃度を必要とすることが多い。本発明のいくつかの実施形態は、迅速に患者に高濃度のレボドパを与えることによって、こわばり発現を回避するために、またはこわばり発現を迅速にきり抜けるために、末期のパーキンソン病の患者に特に有用であろう。
【0048】
レボドパ及びカルビドパの製剤に関する本発明は、粉末、錠剤、顆粒として製造することができ、安定な液状製剤を形成するために液体と混合することができる。これらの製剤は、例えば、パーキンソン病患者に投与するために用いることができる。本発明の医薬組成物は、いくつかの異なった実施態様の形態を採ることができる。一実施形態では、レボドパ及びカルビドパは、液体と混合することができる乾燥した小包として製剤化することができる。他の実施形態では、レボドパ及びカルビドパは、液体と混合することができるピル又は錠剤として製剤化することができる。他の実施形態では、レボドパ及びカルビドパは、液体と混合することができるいずれかの1回量として製剤化することができる。適用可能な用量形態の例は、限定されないが、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、分散剤、溶液及びゲルである。
【0049】
現在市販されているレボドパ及びカルビドパ製剤は固体形状である。パーキンソン患者は、こわばりの発現を引き起こすことが多いかもしれず、その効果を獲得するための医薬品を製造するために長時間待たなければいけない。この待機及びこわばり期間は、パーキンソン病患者の自由及び安全を顕著に阻害する。本発明の組成物は、作用のより早い発現をもたらし、それによってこわばり時間を低減する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物の80%以上が、1、2、3、4、5、10、15、20、30分間以内に又は1から30、1から20、3から20、3から15、5から10、10から30、10から20又は20から30分以内に胃を通過し、腸管吸収を始めることができ、それによって体へ迅速に吸収させる。他の実施形態では、本発明の組成物の90%以上が、1、2、3、4、5、10、15、20、30分間以内に又は1から30、1から20、3から20、3から15、5から10、10から30、10から20又は20から30分以内に胃を通過し、腸管吸収を始めることができ、それによって体へ迅速に吸収させる。
【0050】
さらに、本発明の組成物は、また、胃運動を増加させる剤を含んでいてもよい。パーキンソン病又はパーキンソン病薬物治療の一つの副作用は、胃運動を低下させることである。レボドパ、カルビドパ及び胃運動調整剤の製剤は、パーキンソン病の患者に迅速に薬物効果を与えることができるであろう。適用可能な薬物の例は、限定されないが、シサプリド(cisapride)及びドンペリドン(domperidone)のようなドーパミン拮抗薬である。1タイプの胃調整剤は、幽門括約筋を緩めて、胃内容物が腸に入ることを可能にするために機能することができる。胃運動を増加させる薬物製剤は、食物とともにレボドパ及びカルボン酸の投薬を可能にする。多くのパーキンソン病患者は、彼らのレボドパ服薬スケジュールに近い時間で食物を採ることを避けている。食物はレボドパ吸収を低減させることが知られている。胃運動調整剤を伴うレボドパ及びカルビドパの製剤は、それらの必要な薬服用量をとる間に、患者が食物を食べることを可能にするであろう。したがって、一実施形態は、食物がレボドパの生物学的利用能に有するであろう影響を低減させるために、レボドパ、カルビドパ及び胃調整剤を含む本発明の製剤を、食べる前1、2、3、4、5、10、20、25又は30分に投薬することを伴う。
【0051】
胃運動性剤を伴う又は伴わない本発明の実施形態は、迅速かつより予測どおりの消化器系におけるレボドパの吸収をもらたすことができる。よって、本発明の一観点は、食物と一緒に又は食事時間に近接した時間で本発明の実施形態を投与することを伴う。従って、レボドパ吸収は、本発明のいくつかの実施形態では、食物によって影響を受けることはない。さらに、実施形態は、食物とともに又は食事の時間内に投与することができる組成物を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物のバイオアベイラビリティは、現行の市販されている製品より高いかもしれない。より高いバイオアベイラビリティは、作用の迅速な発現の結果であるかもしれない。例えば、本発明の組成物は、1ナノモル/mlを超えて、2ナノモル/mlを超えて、3ナノモル/mlを超えて、4ナモル/mlを超えて、5ナノモル/mlを超えて、6ナノモル/mlを超えて又は10ナノモル/mlを超えて、プラズマ中のレボドパの濃度を増加させることができる。レボドパが1ナノモル/mlを超えて、2ナノモル/mlを超えて、3ナノモル/mlを超えて、4ナモル/mlを超えて、5ナノモル/mlを超えて、6ナノモル/mlを超えて又は10ナノモル/mlを超える組成物は、こわばりの発現を防止、低減または止めることができる。よって、本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、こわばり発現を低減又はストップすることができる。他の実施形態では、本発明の組成物は、組成物の摂取から10分以内にプラズマ中のレボドパの濃度を3ナノモル/mlのレベルにまで到達させ、組成物の摂取から15分以内にプラズマ中のレボドパの濃度を3ナノモル/mlのレベルにまで到達させ、組成物の摂取から20分以内にプラズマ中のレボドパの濃度を3ナノモル/mlのレベルにまで到達させ、組成物の摂取から10分以内にプラズマ中のレボドパの濃度を4ナノモル/mlのレベルにまで到達させ、組成物の摂取から15分以内にプラズマ中のレボドパの濃度を4ナノモル/mlのレベルにまで到達させ、組成物の摂取から20分以内にプラズマ中のレボドパの濃度を4ナノモル/mlのレベルにまで到達させることができる。レボドパに対する患者の信頼性はさまざまである。よって、本発明の組成物は、適当なレボドパのプラズマ濃度をもたらすように投薬することによって、こわばりの発現を低減、防止又はストップさせることができる。医師、薬剤師又は患者は、パーキンソン病患者の特定の環境によって本発明の製剤の用量を調整することができる。
【0053】
パーキンソン病患者は、ピルを飲み込むことが困難であることが多い。レボドパ及びカルビドパの液状製剤は、医薬品の投与の困難性を低減又は消失させるために機能させることができる。現行の民間療法の液状レボドパ/カルビドパ用量は、従来技術で述べたように、液体にあまり溶解しない。よって、カルビドパ及びレボドパが十分溶解するかどうか、患者は知らない。さらに、現行の詳述した液状のレボドパ/カルビドパ製剤は、一般に、1mg/mlのレボドパで投与され、パーキンソン病患者が1日当たり1リットル以上のレボドパ/カルビドパ液体を飲むことを要求するかもしれない。大量の液体は、パーキンソン病患者の嚥下を困難にするかもしれない。本発明の組成物は、これらの要求に対処することができる。本発明の組成物は、従来技術で述べた民間療法のレボドパ及びカルビドパ液体よりもレボドパ又はカルビドパを高い濃度で含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、液状製剤は、約0.5mg/ml以下、約1mg/ml以下、約2mg/ml以下、約3mg/ml以下、約4mg/ml以下、約5mg/ml以下、約10mg/ml以下、約20mg/ml以下、約30mg/ml以下又は約0.5mg/mlから約30mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約4mg/ml、約1.5mg/mlから約2mg/ml、約1.5mg/mlから約4mg/ml、約2mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから約7mg/ml、約3mg/mlから約8mg/ml、約5mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/ml、約4.5mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約8mg/ml、約4mg/mlから約7mg/ml、約4.5mg/mlから約6mg/ml、約4.5mg/mlから約7mg/ml、約4.5mg/mlから約8mg/ml、約7mg/mlから約20mg/ml、約10mg/mlから約30mg/ml、約15mg/mlから約20mg/ml、約20mg/mlから約30mg/mlのレボドパ濃度を含有することができる。いくつかの実施形態では、本発明の液状製剤は、約0.5mg/ml以下、約1mg/ml以下、約2mg/ml以下、約3mg/ml以下、約4mg/ml以下、約5mg/ml以下、約10mg/ml以下、約20mg/ml以下、約30mg/ml以下又は約0.5mg/mlから約30mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約4mg/ml、約1.5mg/mlから約2mg/ml、約1.5mg/mlから約4mg/ml、約2mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから約7mg/ml、約3mg/mlから約8mg/ml、約5mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/ml、約4.5mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約8mg/ml、約4mg/mlから約7mg/ml、約4.5mg/mlから約6mg/ml、約4.5mg/mlから約7mg/ml、約4.5mg/mlから約8mg/ml、約7mg/mlから約20mg/ml、約10mg/mlから約30mg/ml、約15mg/mlから約20mg/ml、約20mg/mlから約30mg/mlのカルビドパ濃度を含有することができる。
【0055】
溶解させるレボドパ又はカルビドパの量は、患者の要求により変化させることができる。熟練実施者が必要用量を決定することができる。さらに、カルビドパのレボドパに対する割合は、安定性に影響を与えるかもしれない。本発明の組成物は、カルビドパのレボドパに対する割合を、製剤における分解物を低減又は消失させるため及び安定性を増加させるために変化させることができる(実施例5参照)。カルビドパのレボドパに対する割合は、カルビドパを安定化させるために作用させることができる。従来の製品は、カルビドパ:レボドパを1:4及び1:10の割合で含んでいる。本発明の組成物は、製剤に大きな安定性を与えるために機能する他の割合を用いてもよい。いくつかの実施形態では、レボドパ3モル当量に対してカルビドパ1モル当量から、レボドパ4モル当量に対してカルビドパ4モル当量、レボドパ5モル当量に対してカルビドパ1モル当量から、レボドパ6モル当量に対してカルビドパ1モル当量から、レボドパ7モル当量に対してカルビドパ1モル当量から、レボドパ8モル当量に対してカルビドパ1モル当量から、レボドパ9モル当量に対してカルビドパ1モル当量から、レボドパ10モル当量に対してカルビドパ1モル当量から、レボドパ5モル当量に対してカルビドパ2モル当量から、レボドパ15モル当量に対してカルビドパ1モル当量から、レボドパ20モル当量に対してカルビドパ1モル当量から、レボドパ25モル当量に対してカルビドパ1モル当量から、レボドパ9モル当量に対してカルビドパ2モル当量からであろう。
【0056】
一実施形態では、本発明の組成物は、粘稠剤又はゲル化剤を含有する。粘稠剤又はゲル化剤は、パーキンソン病患者の嚥下を容易にするために機能させることができる。粘稠剤又はゲル化剤の例は、限定されないが、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ハイプロメロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ペクチン、キサンタンガム又はステアリン酸亜鉛である。
【0057】
本発明の組成物は、製剤の嚥下を容易にすることができる。組成物は、水溶液または水ベースの液体に混合することができる。液体の例は、限定されないが、水、ジュース、お茶、ミルク、炭酸飲料、生理食塩水及びデキストロース溶液である。家庭で通常利用可能な液体は、容易な混合及び使用をもたらす。さらに、本発明の組成物は、最小の投与量を必要とすることができる。一実施形態では、液体は、糖を含有しないか、1%未満の糖しか含有しない。糖の例は、果糖及び蔗糖である。いくつかの実施形態では、患者は、約5mlから500ml、約5mlから100ml、約10mlから75ml、約15mlから50ml、約20mlから30ml、約10mlから25ml、約25mlから50ml、約50mlから250ml、約25mlから100ml、約50mlから100ml、約75mlから200ml、約100mlから400mlの容量でレボドパ100mgを飲むことができる。
【0058】
本発明の組成物は、液状レボドパ/カルビドパの安定性を超えるさらなる安定性を与える。実施例3及び6は、従来の液状レボドパ/カルビドパ製剤に関連する安定性の問題を示している。安定な液状製剤は、相分離、薬物又は賦形剤の分離がなく、薬物の分解を最小限に止めている。本発明の組成物は、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも1週間又は少なくとも1ヶ月、4℃で安定性を維持することができる。さらに、本発明のいくつかの組成物は、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも1週間又は少なくとも1ヶ月、室温(22℃)で安定性を維持することができる。
【0059】
本発明の一実施形態は、保存剤、抗菌剤(antibacterial)、抗菌剤(antimicrobial)又は静菌剤をさらに含有する組成物を含む。保存際、抗菌剤、抗菌剤又は静菌剤は、液体に混合する前後の双方において、組成物を保存するために機能することができる。保存際、抗菌剤、抗菌剤又は静菌剤の例は、限定されないが、ベンジルアルコール、メタ亜硫酸水素塩、安息香酸、ブチルパラベン、クロロクレゾール、ジメチルスルホキシド、エチルパラベン、氷酢酸、イミドウレア(imidurea)、メチルパラベン又はプロピルパラベンである。本発明の一実施形態は、保存力のある安息香酸ナトリウムを含む。一実施形態では、本発明の組成物は、いずれかの抗菌剤又は抗菌剤を有さない。
【0060】
いずれかの実施形態では、さらなる剤を組成物の味を改善するために添加することができる。人工甘味料は、組成物の味を改善するために用いることができる。実施例9に示したように、糖はカルビドパ及びレボドパの液状製剤の安定性を低減するかもしれない。よって、本発明の一実施形態では、1%未満の糖を使用する。いずれかの人工甘味料は、糖の安定性の問題を招くことなく、本発明の製剤の味を改善するために使用することができる。人工甘味料の例は、アルパルテーム、サッカリン、シュクロース、ネオテーム(neotamu)及びアセスルフェーム(acesulfame)カリウムを含む。一実施形態は、アルパルテームを含有する組成物を含む。
【0061】
本発明には、異なる物理的形態におけるレボドパ及びカルビドパの組成物が含まれる。カルビドパ及びレボドパの異なる物理的形態の例は、限定されないが、医薬的に許容される塩、溶媒和物、共結晶、多形、水和物、塩の溶媒和物、塩の共結晶、非晶質及び薬物の遊離形態である。カルビドパ又はレボドパの物理的形態によって、賦形剤の異なる組み合わせが製剤において必要かもしれない。本発明の組成物は、製剤の安定性を増加させるためにレボドパ又はカルビドパの塩を含んでいてもよい。HClのような塩は、製剤のpHを低減する機能を有するかも知れず、よって、実施例11に示すように製剤の安定性を増大させる。レボドパ又はカルビドパの無機酸付加塩の例は、塩化水素酸、臭化水素酸酸、硫酸、スルファミン酸、燐酸及び硝酸である。レボドパ又はカルビドパの有機酸付加塩の例は、マレイン酸、フマル酸、安息香性、アスコルビン酸、琥珀酸、蓚酸酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、けい皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリル酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸である。
【0062】
また、本発明の組成物は、3、4、5つ又はそれ以上の活性成分を含有していてもよい。さらなる活性成分は、パーキンソン病に関連した治療または症状の前兆(augument)又は改善するために機能することができる。さらなる活性成分の例は、セレギリン(selegiline)、エンタカポン(entacapone)又はトルカポン(tolcapone)のようなCOMT阻害剤及びブロモクリプリン、ロピニロール、パーゴリド、ロチゴチン又はプラミペキソールのようなドーパミン作動薬、ベンセラジドのようなドーパミンデカルボキシラーゼ阻害剤及びシサプリド又はドンペリドンのような胃運動調整剤である。
【0063】
カルビドパは、末梢ドーパミンデカルボキシラーゼ阻害剤として機能する。よって、カルビドパは、体の末梢系におけるレボドパのデカルボキシ化を防止又は制限し、よって、最大限にレボドパが血液能関門を通ることを可能にする。本発明は、ベンセラジド(他のドーパミンカルボキシラーゼ阻害剤)でカルビドパを置換する製剤を包含する。
【0064】
本発明の他の実施形態では、組成物はレボドパ及び/又はカルビドパ誘導体を含んでいてもよい。組成物は、レボドパ及び/又はカルビドパエステル誘導体のようなプロドラッグを含んでいてもよい。レボドパ誘導体の例は、限定されないが、レボドパメチルエステル、レボドパエチルエステル等を含むレボドパエステルである。カルビドパ誘導体の例は、限定されないが、カルビドパメチルエステル及びカルビドパエチルエステルを含むエステルである。
【0065】
本発明の他の観点は、いずれかのカルビドパを含まないレボドパ組成物を提供する。いずれかのパーキンソン病患者は、カルビドパのプラズマ濃度が十分かもしれないし、患者は、カルビドパを含む他の医薬品を摂取しているかもしれない。よって、カルビドパは本発明の組成物のいずれかから排除することができる。患者は、カルビドパ又はベンセラジド(benserazide)のピルを摂取することができ、レボドパの液状製剤を使用することができる。さらなる実施形態では、レボドパを含まないカルビドパの組成物を含む。
【0066】
本発明の一実施形態は、レボドパ、カルビドパ及びチオエーテルを含む、このチオエーテルの特定の例は、限定されないが、メチオニン又はシステインである。
他の実施形態は、レボドパ、カルビドパ及び金属キレート化剤を含む。金属キレート化剤の特定の例は、限定されないが、EDTA及びメシル酸デフェロキサミンである。
【0067】
さらなる実施形態は、レボドパ、カルビドパ、チオエーテル及びキレート化剤を含む。
一実施形態では、本発明の組成物は、レボドパ、カルビドパ及び酸を含む。さらなる実施形態では、組成物はレボドパ、カルビドパ及び酸を含み、酸は、塩化水素酸、臭化水素酸酸、硫酸、スルファミン酸、燐酸、硝酸、マレイン酸、フマル酸、安息香性、琥珀酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、けい皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリル酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸である。
【0068】
他の実施形態は、レボドパ、カルビドパ、酸及びチオオーテルの組成物を含む。さらなる実施形態は、レボドパ、カルビドパ、酸及びキレート化剤の組成物を含む。さらなる実施形態では、レボドパ、カルビドパ、酸、チオエーテル及びキレート化剤の組成物を含む。
【0069】
他の実施形態では、本発明の組成物は、レボドパ、カルビドパ及び酸を含み、
a.酸は、塩化水素酸、臭化水素酸酸、硫酸、スルファミン酸、燐酸、硝酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、琥珀酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、けい皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリル酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸であり、
b.カルビドパの分解レベルは、25℃で7日後、0.05%以下、0.1%以下、0.2%以下、0.3%以下、0.5%以下、1%以下、2%以下、5%以下又は10%以下である。
【0070】
他の実施形態では、本発明の組成物は、レボドパ、カルビドパ及び酸を含み、
a.酸は、塩化水素酸、臭化水素酸酸、硫酸、スルファミン酸、燐酸、硝酸、マレイン酸、フマル酸、安息香性、琥珀酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、けい皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリル酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸であり、
b.カルビドパの分解レベルは、25℃で7日後、0.05%以下、0.1%以下、0.2%以下、0.3%以下、0.5%以下、1%以下、2%以下、5%以下又は10%以下であり、
c.製剤はさらに、安息香酸ナトリウムのような防腐剤を含む。
【0071】
他の実施形態では、本発明の組成物は、レボドパ、カルビドパ及び酸を含み、
a.酸は、塩化水素酸、臭化水素酸酸、硫酸、スルファミン酸、燐酸、硝酸、マレイン酸、フマル酸、安息香性、琥珀酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、けい皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリル酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸であり、
b.カルビドパの分解レベルは、25℃で7日後、0.05%以下、0.1%以下、0.2%以下、0.3%以下、0.5%以下、1%以下、2%以下、5%以下又は10%以下であり、
c.カルビドパ又はレボドパは塩の形態である。
【0072】
他の実施形態では、本発明の組成物は、レボドパ、カルビドパ及び酸を含み、
a.酸は、塩化水素酸、臭化水素酸酸、硫酸、スルファミン酸、燐酸、硝酸、マレイン酸、フマル酸、安息香性、琥珀酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、けい皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリル酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸であり、
b.pHが、1から10、1から8、2から8、2から6、2から4、2.5から4.5、2.5から4、2.5から3.5、3から8、3から6、3から5、3から4、1から4、1.5から3.5、2から3又は5未満、4未満、3未満、2.9未満、2.8未満、2.7未満、2.6未満、2.5未満、2.4未満、2.3未満、2.2未満、2.1未満又は2未満である。
【0073】
他の実施形態では、本発明の組成物は、レボドパ、カルビドパ及び酸を含み、
a.酸は、塩化水素酸、臭化水素酸酸、硫酸、スルファミン酸、燐酸、硝酸、マレイン酸、フマル酸、安息香性、琥珀酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、けい皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリル酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸であり、
b.レボドパの濃度が、2.5mg/mlより大きく、3mg/mlより大きく、4mg/mlより大きく、5mg/mlより大きく、6mg/mlより大きく、7mg/mlより大きく、8mg/mlより大きく又は10mg/mlより大きい。
【0074】
他の実施形態では、本発明の組成物は、レボドパ、カルビドパ及び酸を含み、
a.酸は、塩化水素酸、臭化水素酸酸、硫酸、スルファミン酸、燐酸、硝酸、マレイン酸、フマル酸、安息香性、琥珀酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、けい皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリル酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸であり、
b.組成物は、室温(25℃)で12時間、24時間、36時間、48時間、1週間又は1ヶ月、いずれかの活性成分の分解が10%未満である。
【0075】
他の実施形態では、本発明の組成物は、レボドパ、カルビドパ及び酸を含み、
a.酸は、塩化水素酸、臭化水素酸酸、硫酸、スルファミン酸、燐酸、硝酸、マレイン酸、フマル酸、安息香性、琥珀酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、けい皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリル酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸であり、
b.組成物は、4℃で12時間、24時間、36時間、48時間、1週間又は1ヶ月、いずれかの活性成分の分解が10%未満である。
【0076】
一実施形態では、組成物は、1から5mg/mlのレボドパ、0.25から1.25mg/mlのカルビドパ、酸及びEDTAを含む。他の実施形態では、1から5mg/mlのレボドパ、0.25から1.25mg/mlのカルビドパ、クエン酸及びEDTAを含む。さらなる実施形態では、1から5mg/mlのレボドパ、0.25から1.25mg/mlのカルビドパ、3から10mg/mlのクエン酸及びEDTAを含む。さらなる実施形態では、1から5mg/mlのレボドパ、0.25から1.25mg/mlのカルビドパ、3から10mg/mlのクエン酸及び少なくとも0.025μg/mlのEDTAを含む。
【0077】
一実施形態では、組成物は、2.5から5mg/mlのレボドパ、0.625から1.25mg/mlのカルビドパ、酸及びEDTAを含む。他の実施形態では、2.5から5mg/mlのレボドパ、0.625から1.25mg/mlのカルビドパ、クエン酸及びEDTAを含む。さらなる実施形態では、2.5から5mg/mlのレボドパ、0.625から1.25mg/mlのカルビドパ、3から10mg/mlのクエン酸及びEDTAを含む。さらなる実施形態では、2.5から5mg/mlのレボドパ、0.625から1.25mg/mlのカルビドパ、3から10mg/mlのクエン酸及び少なくとも0.025μg/mlのEDTAを含む。
【0078】
一実施形態では、組成物は、約4mg/mlのレボドパ、約1mg/mlのカルビドパ、酸及びEDTAを含む。他の実施形態では、約4mg/mlのレボドパ、約1mg/mlのカルビドパ、クエン酸及びEDTAを含む。さらなる実施形態では、約4mg/mlのレボドパ、約1mg/mlのカルビドパ、3から10mg/mlのクエン酸及びEDTAを含む。さらなる実施形態では、約4mg/mlのレボドパ、約1mg/mlのカルビドパ、3から10mg/mlのクエン酸及び少なくとも0.025μg/mlのEDTAを含む。
【0079】
さらなる実施形態では、組成物は、約4mg/mlのレボドパ、約1mg/mlのカルビドパ、3から10mg/mlのクエン酸、少なくとも0.025μg/mlのEDTA及び0.5から7%のバインダーを含む。他の実施形態では、組成物は、約4mg/mlのレボドパ、約1mg/mlのカルビドパ、3から10mg/mlのクエン酸、少なくとも0.025μg/mlのEDTA、0.5から7%のバインダー及び香味増強剤を含む。
【0080】
本発明の組成物は、種々の剤を一緒に及び混合することによって組み合わせることにより製造することができる。本発明の剤は、市販源から入手可能である。カルビドパは、シグマ−アルドリッチ(2002-2003 Biochemicals and Reagents Catalog, page 368)から購入することができる。レボドパは、シグマ−アルドリッチ(2002-2003 Biochemicals and Reagents Catalog, page 693)から購入することができる。レボドパ及びカルビドパの組み合わせは、現行の市販製剤で得ることができる。レボドパ及びカルビドパの製造方法は、当該分野で公知である。他の言及した剤(活性及び不活性)は、市販源から入手可能である。
【0081】
本発明の組成物の液体中への溶解は、当該分野で公知のいずれかの方法によって行うことができる。例えば、溶解は、混合、攪拌、ブレンド又はホモジナイズすることにより行うことができる。
【0082】
本発明の組成物の溶解は、パーキンソン病患者に対して顕著な利点を与えることができる。組成物成分の迅速な溶解は、硬直、振戦及びこわばり症状の発現を患う患者を助けることができる。迅速な溶解は、組成物の粒径を変更し、ある組成物を造粒することによって行うことができる。一実施形態では、レボドパ、カルビドパ及びバインダーの組成物は、約5から20μmの粒径を有する。適用可能なバインダーの例は、ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロースである。また、組成物は、バインダーの存在及びいくつかの実施例では液体の存在での造流によって迅速な溶解を得ることができる。乾式造流に対して、湿式造粒は改善された溶解速度を有する組成物をもたらす。
【0083】
一実施形態では、本発明の組成物は、5分以内に、液体にレボドパが少なくとも3mg/ml溶解する。他の実施形態では、5分以内に、液体にレボドパが少なくとも4mg/ml溶解する。適当な液体は水である。
【0084】
本発明の組成物は、種々の方法で包装することができる。本発明の組成物は、個々の小包、多回投与用バイアル、多回投与用容器又は種々の大きさ、形状もしくは材料の容器で包装することができる。
【0085】
いずれかの実施形態では、本発明の組成物は、特に洗浄剤を除外する。一実施形態では、本発明の組成物は、レボドパ誘導体は含まずレボドパのみを含む安定な製剤を形成することができる。さらなる実施形態では、レボドパを含まずレボドパ誘導体のみを含む安定な製剤を形成することができる。いずれかの実施形態では、本発明の組成物は、5以上の剤の組み合わせを必要とせずに、2、3又は4つの異なる剤のシンプルな製剤を含む。他の実施形態では、本発明の組成物は、ゲル化成分のいずれかのタイプを必要としない。ゲル化成分の例は、限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はゼラチンである。
【0086】
当業者は、種々の変形及びこの出願での詳述が本発明の範囲から逸脱することなくなし得ることを理解すべきである。以下に、本発明を、実施例のみによって、付随する実施例を参照して、さらに詳しく詳述する。
【実施例】
【0087】
実施例1:種々のpH及び緩衝強度でのクエン酸緩衝液におけるレボドパの溶解性
サンプルの調製
クエン酸及びクエン酸酸ナトリウム二水和物を用いて溶液を調製した。はじめに、1.0Mのクエン酸溶液を、19.2gのクエン酸(FW192.1)を100ml容量のフラスコに秤量し、HPCLグレードの水に希釈することによって調製した。これをクエン酸ナトリウム(FW294.1)で、29.4gのクエン酸ナトリウムを100ml容量のフラスコに秤量し、100mlの水で希釈することにより繰り返した。次いで、20mlのシンチレーションバイアルの8つにラベルして、以下を調製した。
【0088】
pH1.5(純粋なクエン酸+HCl)、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0の1.0Mサンプルを調製した。これらのpHの調製は、クエン酸のモル濃度を均一に維持するために、クエン酸ナトリウム(1.0M)で行った。これらの母バイアルから、モル濃度0.45及び0.15Mの溶液の2つを調製した。0.45Mは3:1緩衝液のため及び0.15Mは1:1緩衝液のためである。また、これらの溶液は、それぞれの希釈の間及びレボドパを添加した後、pH値を均一に維持するためにモル当量溶液でpH調整を行った。pHは、必要に応じて、1NのHCl又は1NのNaOHで調整した。
【0089】
結果
【0090】
【表1】

【0091】
実施例2:レボドパ及びカルビドパの安定性
サンプルの調製
レボドパ/クエン酸/カルボン酸/シュクロースの製剤を、モル比1:3:0.2:1で混合した。この粉末混合物を、レボドパ5.5mg/mlの濃度で水に溶解した。この溶液を0.22μmフィルター(PVDFメンブレン)でろ過し、次いで、4℃、25℃及び40℃の温度で保存した。
【0092】
レボドパ/アスコルビン酸/カルビドパの製剤を、モル比1:3:0.25で混合した。この粉末混合物を、レボドパ1.0mg/mlの濃度で水に溶解した。この溶液を0.22μmフィルター(PVDFメンブレン)でろ過し、次いで、4℃、25℃及び40℃の温度で保存した。
【0093】
サンプル溶液を、各時点でHPLC力価試験に付した。安定性を、最初の力価と比較した変化%でモニターした。
【0094】
【表2】

【0095】
実施例3:カルビドパ分解
レボドパ/カルビドパ/クエン酸及びレボドパ/カルビドパ/アスコルビン酸のサンプルをモル比4:1:1で調製した。サンプルを24時間25℃で保持した。24時間後、サンプルをHPLCで測定した。分析を2695セパレーションモジュール及び2996PDA検出器を装備したウォータアライアンスHPLCシステム(Waters Alliance HPLC system)で行った。逆相HPLC法で、30℃で操作したウォーターアトランティスdC18カラム(4.6×150mm、5μ)及び2成分傾斜移動相を利用した。稼動時間を1.0ml/分の流速で30分間とした。レボドパ及びカルビドパの不純物及び分解産物を280nmでの吸光度によって検出し、親ピークに比較したそれらの%面積で記録した。新たなピークを、HPLC/MSによって、3,4−ジヒドロキシフェニルアセトンであると測定した。3,4−ジヒドロキシフェニルアセトン(DHPA)はカルビドパ分解物である。また、この分解物は、レボドパ/カルビドパ/オレンジジュース製剤中及びレボドパ/カルビドパ/ジンジャーエール製剤中に存在する。
【0096】
実施例4:レボドパ及びカルビドパ製剤の安定性
レボドパ、カルビドパ及び酸の製剤について、種々のpHでカルビドパ安定性を試験した。以下の表に示すように、レボドパ4g及びカルビドパ1gを、レボドパに対して種々の酸を3モル当量で水に溶解した。各溶液のpHを1NのHCl及び1NのNaOHで調整した。レボドパ面積、カルビドパ面積、残存カルビドパの%及びDHPAの面積%を算出した。
【0097】
残存カルビドパの%を以下の式に従って算出した。
Carb4c理論値=carb4c × levT/lev4c
残存カルビドパの%=carbT/carb4c 理論値×100
(式中、carbT及びLevT は試験した酸、温度、pHでのカルビドパ及びレボドパの面積値、lev4c及びcarb4cは、4℃にて、試験したpH及び酸でのレボドパ及びカルビドパサンプルの面積値を示す。)
【0098】
【表3】

【0099】
【表4】

【0100】
【表5】

このデータは、特定の酸の選択が、レボドパ及びカルビドパの液状製剤において重要であることを示唆する。これらの種々の酸の組み合わせによって、より安定な液状製剤を形成することが可能である。
【0101】
実施例5:カルビドパのレボドパに対する割合
1/3/1のレボドパ/クエン酸/蔗糖のサンプルを、4mg/mlレボドパで調製し、レボドパに対して0.5、0.125及び0.05のw/w比でカルビドパを加えた。サンプルを4℃、25℃及び40℃で、24時間後にHPLC分析に付した。
【0102】
【表6】

このデータは、カルビドパのレボドパに対する割合がカルビドパの安定性に影響することを示す。
【0103】
実施例6:ジンジャエール中のレボドパ及びカルビドパの安定性
レボドパ及びカルビドパ製剤の安定性をジンジャエールで試験した。レボドパ4mg/ml及びカルビドパ1mg/mlの製剤を100mlのジンジャエールに混合した。製剤を4℃、25℃及び40℃で24時間放置した。24時間後、サンプルを希釈し、HPLCで分析した。HPLCサンプルチャンバを5℃に維持した。2695セパレーションモジュール及び2996 PDA検出器を装備したウォータアライアンス(Waters Alliance)HPLCシステムで分析を行った。逆相HPLC法では、30℃で操作したウォータアトランティスdC 18カラム(4.6×150mm、5μm)及び2成分勾配の移動層を利用した。ランニング時間を、1.0ml/mlの流速で30分間とした。レボドパ及びカルビドパの不純物及び分解物を280nmの吸収によって検出し、親ピークに対する面積のそれらの割合を報告した。
【0104】
ジンジャエールは、RT=11.2分及び19.3分に、それぞれλmax=285及び229.7nmの2つの主ピークを有していた。以下の表は、24時間後に形成された3,4−ジヒドロキシフェニルアセトン分解物の量を示す。カルビドパは3,4−ジヒドロキシフェニルアセトンに分解する。よって、この分解物の測定は、カルビドパの安定性の指標となる。
【0105】
【表7】

カルビドパの相当のレベルが24時間で、25℃及び40℃で分解した。RT=9.77分(5℃及び25℃での一定量)及びRT=14.27分で、さらなるわずかの分解があった。
【0106】
実施例7:イオン強度の影響
レボドパ/カルビドパ/クエン酸/蔗糖(1/0.25/3/1のモル比)の製剤を、NaClが0.00、0.05、0.125、0.250及び0.5Mの塩化ナトリウム溶液中にレボドパ4mg/mlになるように調製した。24時間後、サンプルを希釈し、HPLCによって(上述したように)分析した。HPLCサンプルチャンバを5℃に維持した。温度及びイオン強度に対する関数として、カルビドパに対する3,4−ジヒドロキシフェニルアセトンの面積%をカルビドパの安定性の表示として示す。
【0107】
【表8】

塩が、カルビドパ安定性のマイナス影響を有するものとした表れ、それは、塩中の重金属不純物のためであるかもしれない。
【0108】
実施例8:安定性に対するpHの影響
カルビドパ及びクエン酸のサンプルを調製した。サンプルを4℃、25℃及び40℃で24時間保持した。24時間後、サンプルを希釈し、HPLCによって分析した。2695セパレーションモジュール及び2996 PDA検出器を装備したウォータアライアンスHPLCシステムで分析を行った。逆相HPLC法では、30℃で操作したウォータアトランティスdC 18カラム(4.6×150mm、5μm)及び2成分勾配の移動層を利用した。ランニング時間を、1.0ml/mlの流速で30分間とした。カルビドパの不純物及び分解物を280nmの吸収によって検出し、親ピークに対する面積のそれらの割合を報告した。
【0109】
HPLCサンプルチャンバを5℃に維持した。温度及びpHに対する関数として、カルビドパに対する3,4−ジヒドロキシフェニルアセトンの面積%をカルビドパの安定性の表示として示す。
【0110】
【表9】

【0111】
製剤のpHが低くなるとカルビドパの安定性が増加する結果が示された。
レボドパ/カルビドパ/クエン酸/蔗糖(1/0.25/3/1のモル比)のサンプルを水中でレボドパが4.0mg/mlになるように調製し、溶液のpHを、必要に応じて、NaCl又はNaOHで、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0及び3.2の値に調整した。各溶液について3つのサンプルをバイアルに移し、それを4℃、25℃及び40℃に維持した。24時間後、サンプルを希釈し、HPLCによって分析した。温度及びpHに対する関数として、カルビドパに対する3,4−ジヒドロキシフェニルアセトンの面積%をカルビドパの安定性の表示として示す。
【0112】
【表10】

【0113】
実施例9:安定性に対する糖の影響
4、25及び40℃で保持された4mg/mlのレボドパ+1mg/mlのカルビドパ+3当量のクエン酸(レボドパに対して)のサンプルに対する24時間にわたるDHPAの形成における糖の影響を調べた。その結果を、カルビドパに対するDHPAの面積%として報告した。
【0114】
【表11】

4℃では検出可能な分解はなかった。糖なしのサンプルは、RTで24時間後、0.5%蔗糖でのそれと差異はないが、糖なしの製剤は、40℃で分解が促進された。分解物の量は、蔗糖濃度に伴って増加した。他のアルデヒド又はケトンで相当する影響が認められた。
【0115】
実施例10:安定性に対する保存剤の影響
レボドパ/カルビドパ/クエン酸/蔗糖(1/0.25/3/1のモル比)のサンプルを水中でレボドパが5.0mg/mlになるように調製し、保存剤として、安息香酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムを溶液に加えた。保存剤はそれぞれ0.1%の最大許容濃度で加えた。溶液を24時間安定に載置し、HPLCによって分析した。2695セパレーションモジュール及び2996 PDA検出器を装備したウォータアライアンス(Waters Alliance)HPLCシステムで分析を行った。逆相HPLC法では、30℃で操作したウォータアトランティスdC 18カラム(4.6×150mm、5μm)及び2成分勾配の移動層を利用した。
【0116】
ランニング時間を、1.0ml/mlの流速で30分間とした。レボドパ及びカルビドパの不純物及び分解物を280nmの吸収によって検出し、親ピークに対する面積のそれらの割合を報告した。
【0117】
25℃でのソルビン酸カリウムサンプルにおいて、RT=17.54分で新たなピークが観察された。ピークは、λmax値=321.9である。ピーク値の面積%は0.04%である。また、ピークは、安息香酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムの混合物を用いた場合、同じ大きさで存在した。ソルビン酸カリウムを含有しないサンプルにおいては存在しなかった。40℃で24時間後、ピークは面積の0.19%を占めた。
【0118】
新たなピークがソルビン酸カリウム自体に関連するか、ソルビン酸カリウムとレボドパ又はカルビドパとの間の相互作用をもたらすかを測定するために、プラセボを調製した。最初のプラセボは、4℃、25℃及び40℃で24時間、水中に維持したソルビン酸カリウムであった。4℃のサンプルにおいてRT=17.5分付近にブロードな峰が認められたが、25℃ではほとんどが消失し、40℃では一部を戻した。第2のプラセボは、14.5mg/mlのクエン酸及び1/3モル当量の蔗糖(クエン酸に対して)を含有する。RT=17.5分のピークがこのサンプルではいずれの温度においても認められなかった。
【0119】
レボドパ又はカルビドパとソルビン酸カリウムとの間に観察できる相互作用は認められなかった。ソルビン酸カリウムをレボドパ及びカルビドパと混合した際、少なくとも1つの新たな分解物が、RT=17.5分に形成された。
【0120】
3,4−ジヒドロキシフェニルアセトン分解物の面積%における各保存剤の影響を評価した。検出可能な3,4−ジヒドロキシフェニルアセトンが4℃のサンプルで存在した。25℃では、安息香酸ナトリウムは3,4−ジヒドロキシフェニルアセトンの面積%におけるわずかなマイナスの影響に対して影響しなかった(0.71%有対0.88%無)が、安息香酸ナトリウム含有サンプルにおいて、分解の大きさは二倍であった。この傾向は、40℃にて保存剤なしで2.69%であり、安息香酸ナトリウムで2.89%であり、ソルビン酸カリウムは、3,4−ジヒドロキシフェニルアセトン10.7%変換をもたらした。
よって、ソルビン酸カリウムは、保存剤なし又はソルビン酸ナトリウム含有溶液に対して、3,4−ジヒドロキシフェニルアセトン形成の割合を増加させる。
【0121】
実施例11:クエン酸濃度の影響
カルビドパの3,4−ジヒドロキシフェニルアセトンへの分解の割合に対するクエン酸含量及びレボドパ塩酸塩の影響を分析した。4mg/mlのレボドパ塩酸塩又は遊離レボドパ、1mg/mlのカルビドパ及び4mg/mlの蔗糖のサンプルを調製した。以下のチャートに示したように、0から3当量のクエン酸(レボドパに対して)を加えた。カルビドパの24時間安定性に対するクエン酸濃度の影響を、3,4−ジヒドロキシフェニルアセトンの形成によって分析した。以下の表は、DHPA面積%を示す。
【0122】
【表12】

上記と同様の方法を、蔗糖なしの製剤で遊離レボドパで行った。
【0123】
【表13】

このデータは、クエン酸の濃度の増加に伴ってカルビドパの安定性が増加する結果を示す。加えて、レボドパの塩酸塩は、カルビドパの安定性を増加させる。
【0124】
実施例12
ヒドラジンに対して試験溶液で分析を行った。ヒドラジンを含まない一連の溶液で試験した。以下のデータ及びプロットは、紫外線吸収とヒドラジンの0.27ppmから13.5ppm量との間に直線的な相関関係があることを示す。
【0125】
【表14】

このヒドラジン分析プロトコールは、0.10mlのサンプルを分析した際、0.27ppmの濃度のヒドラジンが検出限界である。サンプルサイズを、0.10ppm以下の量的最小限界を減少させるために0.50mlに増大した。より大きなサンプル値の検出限界は0.05ppmである。以下のデータは、紫外線吸収と試験サンプル溶液との間に直線的な相関関係があることを示す。
【0126】
【表15】

カルビドパは、レボドパ/カルビドパ製剤溶液においてヒドラジン形成源であると考えられる。DHPAは、酸性溶液におけるカルビドパの主な分解物であり、ヒドラジン形成の副産物であると考えられる。DHPAはHPLC分析によって検出することができる。以下のデータは、DHPA%とヒドラジンのppm量との間に良好な相関関係があることを示す。
【0127】
【表16】

いくつかのレボドパ/カルビドパ製剤溶液をHPLC分析及びヒドラジン分析の双方で試験した。
【0128】
【表17】

このデータは、チオエーテル及びキレート化剤はレボドパ及びカルビドパの製剤に存在するヒドラジンを減少させるために用いることができることを示す。
【0129】
実施例13
TPI−926の製剤をパーキンソン病患者の最近の認可外の慣例によって調製されたレボドパ及びカルビドパのドリンクと比較した。TPI−926は、
レボドパ 4 mg/ml
カルビドパ 1mg/ml
クエン酸 7.8 mg/ml
EDTAナトリウム 0.1 mg/ml
アスパルテーム 0.5 mg/ml
を含む。
【0130】
TPI−926の総量は、水100mlであった。1mg/mlのレボドパ及び0.25mg/mlのカルビドパの液体製剤を、1レボドパ/カルビドパの錠剤(100:25)を粉砕し、100mlのオレンジジュース又はジンジャエールに混合することによって、オレンジジュース及びジンジャエールで調製した。レボドパ、カルビドパ及びアスコルビン酸の製剤を、1レボドパ/カルビドパの錠剤(100:25)を粉砕し、水100mlと2mg/mlのアスコルビン酸に混合することによって調製した。
【0131】
サンプルを4及び25℃で24時間、3日間及び7日間保存した。サンプルについて、ヒドラジン及びDHPA含量をHPLCによって分析した。DHPAはカルビドパの分解物である。よって、DHPAが分解したカルビドパに対して1:1の比で生じる。サンプル中のDHPA1%濃度がカルビドパ分解物の1%濃度に相関することが予想される。
【0132】
一日当たりの濃度を、分割された最も長期間のサンプルのヒドラジン又はDHPAの量を日数で除算することにより算出した。
【0133】
【表18】

【0134】
【表19】

【0135】
【表20】

このデータは、TPI−926が4℃及び25℃の双方でヒドラジンの形成を防止又は減少させることを示す。
DHPAの総mcgをカルビドパのmcgに変換することによって、カルビドパ損失の%を算出した。
【0136】
TPI−926
100mlのTPI−926は、一日当たり3.7mcgのDHPAをもたらした。DHPA及びカルビドパは、モル当量で表したため、これは一日当たり5mcgのカルビドパ分解に相当する。シネメットの1錠は25000mcgのカルビドパを含有する。よって、TPI−926は、250mgごとに一日当たり0.02%のカルビドパの分解率である。
【0137】
水中のレボドパ/カルビドパ及びアスコルビン酸
100mlのアスコルビン酸サンプルは、一日当たり238mcgのDHPAをもたらした。DHPA及びカルビドパは、モル当量で表したため、これは一日当たり323mcgのカルビドパ分解に相当する。シネメットの1錠は25000mcgのカルビドパを含有する。よって、アスコルビン酸は、250mgごとに一日当たり1.2%のカルビドパの分解率である。
【0138】
オレンジジュース中のレボドパ/カルビドパ
100mlのオレンジジュースサンプルは、一日当たり3013mcgのDHPAをもたらした。DHPA及びカルビドパは、モル当量で表したため、これは一日当たり4083mcgのカルビドパ分解に相当する。シネメットの1錠は25000mcgのカルビドパを含有する。よって、オレンジジュースは、250mgごとに一日当たり16.3%のカルビドパの分解率である。
【0139】
実施例14
アスコルビン酸溶液(アスコルビン酸濃度3.5mg/ml)におけるレボドパの溶解度を試験した。3.5mg/mlアスコルビン酸のサンプルを、水20mlにアスコルビン酸70.0mgを加えることによって調製した。次いで、レボドパ粉末80.0mgを、RTで24時間攪拌することによって、3.5mg/mlのアスコルビン酸サンプルに溶解した。予定レボドパ濃度は4mg/mlであった。サンプルを0.22μmPVDFフィルターに通して、不溶性のレボドパをろ過した。ろ液を水での10倍希釈によってHPLCにて分析した。HPLCデータは、ろ液中にレボドパが2.0mg/mlの濃度であったことを示す。よって、3.5mg/mlアスコルビン酸溶液へのレボドパの最大溶解度は2mg/mlであった。
【0140】
実施例15
金属イオンの濃度が低いレボドパ及びカルビドパの製剤を調製した。
その製剤は、
レボドパ 4 mg/ml
カルビドパ 1mg/ml
塩化水素 0.02規定
無水EDTA−Na 0.11 mg/ml
サッカリン 0.5 mg/ml
安息香酸ナトリウム 0.10 mg/ml
脱イオン水で1ml
を含む。
【0141】
カチオン除去カートリッジHose Nipple Cartridge D8905 (バーンステッド・インターナショナル)での脱イオン方法を、水の精製に利用した。全ての成分を精製水に溶解した後、セレックス−100(Chelex-100(登録商標))での透析工程を行った。溶液のpHを2.0から2.3に調整した。カルビドパ分解のレベルをこの製剤で測定した。0時点において、0.125%のカルビドパが分解した。室温(25℃)で2週間後、0.196%のカルビドパが分解した。室温で1ヶ月後、0.233%のカルビドパが分解した。40℃で2週間後、0.618%のカルビドパが分解した。40℃で1ヶ月後、1.276%のカルビドパが分解した。
【0142】
実施例16
製剤の分解速度を試験した。購入したレボドパは76μmの平均粒径を有しており、粒子の50%が67μmより小さく、粒子の90%が146μmより小さく、粒子の100%が364μmより小さい。
【0143】
レボドパ 100 mg
カルビドパ 27mg
クエン酸一水和物 213mg
無水EDTA−Na 2.75mg
アスパルテーム 12.5mg
安息香酸ナトリウム 2.5mg
を含み、上記粒径のレボドパを含む固体製剤を用いた。完全なレボドパの溶解は、脱イオン水中24時間以内に起こらなかった。製剤成分の混合方法は振盪とした。
【0144】
レボドパを、5.5μmの平均粒径を有しており、粒子の50%が5.11μmより小さく、粒子の90%が104μmより小さく、粒子の100%が19.4μmより小さい(I1粒径バッチ)ものに置き換えたレボドパを用いた以外、同じ製剤を用いた。17.3μmの平均粒径を有しており、粒子の50%が13.95μmより小さく、粒子の90%が37μmより小さく、粒子の100%が78μmより小さい(I6粒径バッチ)である他の製剤を試験した。I9バッチは、手動で水と粉砕することによって造粒した。この製剤は、1時間以内に完全に溶解した。ポリビニルピロリドン及びエタノールの添加により、以下に示すように、溶解性が改善した。
【0145】
【表21】

7から13μmの粒径が最も早い溶解性を示した。ポリビニルポロリドン又はヒドロキシプロピルセルロースのような結合剤の添加によって、溶解速度が増加する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
レボドパ、カルビドパ及び酸を含み、金属濃度が1ppm未満である医薬組成物。
【請求項2】
レボドパ、カルビドパ、酸及び金属キレート化剤を含む医薬組成物。
【請求項3】
金属キレート化剤がEDTA及びメシル酸デフェロキサミンからなる群から選択される請求項2の組成物。
【請求項4】
EDTAが塩又は遊離塩基の形態である請求項3の組成物。
【請求項5】
EDTAが少なくとも0.01mg/mlの濃度である請求項3の組成物。
【請求項6】
酸が、カルボン酸、鉱酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、酢酸、ギ酸、メタン酸、ブタン酸、エタン酸、安息香酸、酪酸、リンゴ酸、プロピオン酸、エポキシ琥珀酸、ムコン酸、フランアクリル酸、シトラリンゴ酸、カプリン酸、ステアリン酸、カプリオン酸、マロン酸、コハク酸、ジエチル酢酸、メチルブチル酸、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸及び硫酸からなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項7】
酸がアスコルビン酸でない請求項1の組成物。
【請求項8】
糖を含有しない請求項1の組成物。
【請求項9】
液体である請求項1の組成物。
【請求項10】
カルビドパの分解が、25℃で7日後、10%未満である請求項9の組成物。
【請求項11】
カルビドパの分解が、25℃で7日後、5%未満である請求項9の組成物。
【請求項12】
カルビドパの分解が、25℃で30日後、10%未満である請求項9の組成物。
【請求項13】
カルビドパの分解が、25℃で4日後、5%未満である請求項9の組成物。
【請求項14】
カルビドパの分解が、4℃で30日後、5%未満である請求項9の組成物。
【請求項15】
カルビドパの分解が、25℃で250日後、5%未満である請求項9の組成物。
【請求項16】
カルビドパの分解が、4℃で360日後、5%未満である請求項9の組成物。
【請求項17】
カルビドパの分解が、25℃で9日後、10%未満である請求項9の組成物。
【請求項18】
さらに人工甘味料を含む請求項1の組成物。
【請求項19】
人工甘味料がアスパルテームである請求項1の組成物。
【請求項20】
さらに保存剤を含む請求項1の組成物。
【請求項21】
保存剤が安息香酸ナトリウムである請求項1の組成物。
【請求項22】
レボドパ、カルビドパ及び酸を含み、pHが約3.0以下である医薬組成物。
【請求項23】
カルビドパの分解が、25℃で7日後、10%未満である請求項22の組成物。
【請求項24】
カルビドパの分解が、25℃で7日後、5%未満である請求項22の組成物。
【請求項25】
カルビドパの分解が、25℃で30日後、10%未満である請求項22の組成物。
【請求項26】
カルビドパの分解が、25℃で4日後、5%未満である請求項22の組成物。
【請求項27】
カルビドパの分解が、4℃で30日後、5%未満である請求項22の組成物。
【請求項28】
カルビドパの分解が、25℃で250日後、5%未満である請求項22の組成物。
【請求項29】
カルビドパの分解が、4℃で360日後、5%未満である請求項22の組成物。
【請求項30】
カルビドパの分解が、25℃で9日後、10%未満である請求項22の組成物。
【請求項31】
さらに人工甘味料を含む請求項22の組成物。
【請求項32】
人工甘味料がアスパルテームである請求項22の組成物。
【請求項33】
さらに保存剤を含む請求項22の組成物。
【請求項34】
保存剤が安息香酸ナトリウムである請求項22の組成物。
【請求項35】
レボドパが2.5mg/mlから5mg/mlの濃度であるレボドパ及びカルビドパの水性組成物。
【請求項36】
レボドパが約4mg/mlの濃度である請求項35の組成物。
【請求項37】
カルビドパの分解が、25℃で7日後、10%未満である請求項35の組成物。
【請求項38】
カルビドパの分解が、25℃で7日後、5%未満である請求項35の組成物。
【請求項39】
カルビドパの分解が、25℃で30日後、10%未満である請求項35の組成物。
【請求項40】
カルビドパの分解が、25℃で4日後、5%未満である請求項35の組成物。
【請求項41】
カルビドパの分解が、4℃で30日後、5%未満である請求項35の組成物。
【請求項42】
カルビドパの分解が、25℃で250日後、5%未満である請求項35の組成物。
【請求項43】
カルビドパの分解が、4℃で360日後、5%未満である請求項35の組成物。
【請求項44】
カルビドパの分解が、25℃で9日後、10%未満である請求項35の組成物。
【請求項45】
さらに人工甘味料を含む請求項35の組成物。
【請求項46】
人工甘味料がアスパルテームである請求項35の組成物。
【請求項47】
さらに保存剤を含む請求項35の組成物。
【請求項48】
保存剤が安息香酸ナトリウムである請求項35の組成物。
【請求項49】
レボドパ、カルビドパ、酸及び金属キレートか剤を含み、カルビドパの分解が、25℃で24時間後、1.2%未満である組成物。
【請求項50】
金属キレート化剤がEDTA及びメシル酸デフェロキサミンからなる群から選択される請求項49の組成物。
【請求項51】
金属キレート化剤がEDTAである請求項50の組成物。
【請求項52】
レボドパ、カルビドパ、酸及び金属キレートか剤を含み、カルビドパの分解が、25℃で48時間後、2.4%未満である組成物。
【請求項53】
金属キレート化剤がEDTA及びメシル酸デフェロキサミンからなる群から選択される請求項52の組成物。
【請求項54】
金属キレート化剤がEDTAである請求項53の組成物。
【請求項55】
レボドパ及び約0.4から1.5mg/mlのカルビドパを含み、ヒドラジン濃度が、25℃で24時間後、0.07μg/ml以下である組成物。
【請求項56】
レボドパ及び約0.4から1.5mg/mlのカルビドパを含み、ヒドラジン濃度が、25℃で3日後、0.32μg/ml以下である組成物。
【請求項57】
レボドパ及び約0.4から1.5mg/mlのカルビドパを含み、ヒドラジン濃度が、25℃で7日後、1.6μg/ml以下である組成物。
【請求項58】
レボドパ及び約0.4から1.5mg/mlのカルビドパを含み、ヒドラジン濃度が、4℃で7日後、0.06μg/ml以下である組成物。
【請求項59】
レボドパ、カルビドパ、酸及び金属キレート化剤を含み、溶液が透明又は半透明である液体組成物。
【請求項60】
レボドパ、カルビドパ、酸及びチオエーテル化合物を含む医薬組成物。
【請求項61】
チオエーテルが、カルビドパを安定化させる機能を有する請求項60の組成物。
【請求項62】
チオエーテルが、メチオニン、システイン、グルタチオン、チオグリセロール、チオ硫酸ナトリウム及びn−アセチルメチオニンからなる群から選択される請求項60の組成物。
【請求項63】
さらにキレート化剤を含む請求項60の組成物。
【請求項64】
キレート化剤がEDTAである請求項63の組成物。
【請求項65】
レボドパ約2.5から6mg/ml、カルビドパ約0.625から1.5mg/ml、クエン酸約5から10mg/ml及びEDTA約0.25mg/mlより多く含有する医薬組成物。
【請求項66】
さらにアスパルテーム約0.1mg/mlから約1mg/ml含有する請求項65の組成物。
【請求項67】
さらに安息香酸ナトリウムを約0.01mg/mlから約1mg/ml含有する請求項65の組成物。
【請求項68】
レボドパ約2.5から6mg/ml、カルビドパ約0.25から0.6mg/ml、クエン酸約5から10mg/ml及びEDTA約0.25mg/mlより多く含有する医薬組成物。
【請求項69】
さらに水を含む請求項68の組成物。
【請求項70】
さらにアスパルテーム約0.1mg/mlから約1mg/ml含有する請求項65の組成物。
【請求項71】
さらに安息香酸ナトリウムを約0.01mg/mlから約1mg/ml含有する請求項65の組成物。
【請求項72】
レボドパ約500mgから約1500mg、カルビドパ約125mgから約375mg、クエン酸約1065mgから約3195mg及びEDTA約13mgから約41mg含有する医薬組成物。
【請求項73】
分散性錠剤の形態である請求項72の組成物。
【請求項74】
水と混合するための粉末又は顆粒の形態である請求項72の組成物。
【請求項75】
レボドパ約1000mg、カルビドパ約250mg、クエン酸約2130mg及びEDTA約27mg含有する医薬組成物。
【請求項76】
さらに水を含む請求項75の組成物。
【請求項77】
分散性錠剤の形態である請求項75の組成物。
【請求項78】
水と混合するための粉末又は顆粒の形態である請求項75の組成物。
【請求項79】
さらにアスパルテーム約125mg含有する請求項75の組成物。
【請求項80】
さらに安息香酸ナトリウムを約25mg含有する請求項75の組成物。
【請求項81】
レボドパ、カルビドパ、酸、金属キレート化剤及び糖を含み、糖が組成物の1%未満である医薬組成物。
【請求項82】
a.レボドパ及びカルビドパの乾燥又は固体製剤を水に加え、
b.10分以内で製剤を混合し、及び
c.患者にレボドパの約100mgを投与する工程を含むレボドパ及びカルビドパの投与方法。
【請求項83】
レボドパの投与が朝の第1投与である請求項82の方法。
【請求項84】
レボドパを約2.5から6mg/ml及びカルビドパを約0.25から0.6mg/mlで溶解し得る液体組成物。
【請求項85】
カルビドパの分解が、25℃で7日後、10%未満である請求項84の組成物。
【請求項86】
カルビドパの分解が、25℃で7日後、5%未満である請求項84の組成物。
【請求項87】
カルビドパの分解が、25℃で30日後、10%未満である請求項84の組成物。
【請求項88】
カルビドパの分解が、25℃で4日後、5%未満である請求項84の組成物。
【請求項89】
カルビドパの分解が、4℃で30日後、5%未満である請求項84の組成物。
【請求項90】
カルビドパの分解が、25℃で250日後、5%未満である請求項84の組成物。
【請求項91】
カルビドパの分解が、4℃で360日後、5%未満である請求項84の組成物。
【請求項92】
カルビドパの分解が、25℃で9日後、10%未満である請求項84の組成物。
【請求項93】
レボドパ、カルビドパ、酸、金属キレート化剤及び水を混合する工程を含むドーパミン障害の治療用医薬組成物の製造方法。
【請求項94】
レボドパが2.5mg/mlから6mg/mlの濃度である請求項93の方法。
【請求項95】
金属キレート化剤がEDTAである請求項93の方法。
【請求項96】
EDTAが0.25mg/mlより高い濃度である請求項95の方法。
【請求項97】
水が水道水である請求項93の方法。
【請求項98】
請求項1の組成物を投与することを含む患者の治療方法。
【請求項99】
請求項22の組成物を投与することを含む患者の治療方法。
【請求項100】
請求項35の組成物を投与することを含む患者の治療方法。
【請求項101】
請求項68の組成物を投与することを含む患者の治療方法。
【請求項102】
ドーパミン障害の治療用医薬の製造のためのレボドパ、カルビドパ、酸及び金属キレート化剤の組成物の使用。
【請求項103】
ドーパミン障害の治療用医薬の製造のためのレボドパ約500mgから約1500mg、カルビドパ約125mgから約375mg、酸及び金属キレート化剤の組成物の使用。
【請求項104】
ドーパミン障害の治療用医薬の製造のためのレボドパ約500mgから約1500mg、カルビドパ約125mgから約375mg、クエン酸及びEDTAの組成物の使用。
【請求項105】
レボドパ及びカルビドパを含み、金属イオン濃度が1ppm未満である液体組成物。
【請求項106】
さらに酸を含む請求項105の組成物。
【請求項107】
金属イオンが遊離金属イオンである請求項105の組成物。
【請求項108】
酸がクエン酸でない請求項106の組成物。
【請求項109】
金属イオン濃度が0.1ppm未満である請求項105の組成物。
【請求項110】
レボドパ及びカルビドパ製剤の製造方法であって、1以上の賦形剤又は組成物の活性成分をクロマトグラフィーに付して金属イオンを除去する方法。
【請求項111】
金属イオンが、鉄、鉛、亜鉛又はアルミニウムである請求項109の方法。
【請求項112】
さらに液体を透析することを含む請求項110の方法。
【請求項113】
レボドパ、カルビドパ及び結合剤を含み、組成物の粒径が約5から20μmである組成物。
【請求項114】
結合剤が、ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される請求項113の組成物。
【請求項115】
組成物の1以上の成分が造粒によって形成される請求項113の組成物。
【請求項116】
造粒が湿式造粒である請求項115の組成物。
【請求項117】
レボドパ、カルビドパ酸及び結合剤を含む組成物の製造方法であって、個々の成分を混合し、液体で造粒する方法。
【請求項118】
結合剤を組成物の3から10%で含む請求項117の方法。
【請求項119】
レボドパ、カルビドパ及び結合剤を含み、液体中に5分以内にレボドパが少なくとも3mg/ml溶解する組成物。
【請求項120】
液体が水である請求項119の組成物。
【請求項121】
レボドパ、カルビドパ及び結合剤を含み、液体中に5分以内にレボドパが少なくとも4mg/ml溶解する組成物。
【請求項122】
液体が水である請求項121の組成物。









【図1】
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【公表番号】特表2007−504143(P2007−504143A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524820(P2006−524820)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/027607
【国際公開番号】WO2005/023185
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(505036065)トランスフォーム・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (16)
【氏名又は名称原語表記】TRANSFORM PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】