説明

医薬組成物

本発明により、15〜25ミクロンのD90粒径を有するエプレレノンを含み、1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤をさらに含む医薬組成物が開示される。好ましくは、エプレレノンのD90粒径は、約17〜23ミクロンであり、最も好ましくは約20ミクロンである。高血圧を処置するための、または最近の心筋梗塞後の心不全の臨床的徴候および左心室機能障害(LVEF 40%)を有する安定した患者における心臓血管に関する死亡および罹病の危険性を低減するための、かかる組成物の使用も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、9,11α−エポキシステロイド誘導体であるエプレレノンを有効成分として含む医薬組成物に関する。さらに、本発明は、エプレレノンが有効な状態の処置のための医薬の製造におけるこのような組成物の使用、およびこれらの組成物の製造方法に関する。本発明はまた、特定の粒径のエプレレノンに関する。
【背景技術】
【0002】
以下に、エプレレノンと呼ばれ、かつ、9α,11−エポキシ−7α−(メトキシカルボニル)−3−オキソ−17α−プレグン−4−エン−21,17−カルボラクトンまたは9α,11α−エポキシ−7α−メトキシカルボニル−20−スピロックス(spirox)−4−エン−3,21−ジオン、あるいはエポキシメキスレノン(epoxymexrenone)としても知られている化合物(7α,11α,17α)−9,11−エポキシ−17−ヒドロキシ−3−オキソプレグン−4−エン−7,21−ジカルボン酸γ−ラクトンメチルエステルは、(Ciba Geigyに譲渡された)US 4559332において初めて開示された。エプレレノンは、以下の構造を有するアルドステロン受容体アンタゴニストである:

【0003】
エプレレノンは、β−遮断薬を含む標準的治療に加えて、最近の心筋梗塞後の心不全の臨床的徴候および左心室機能障害(LVEF 40%)を有する安定した患者における心臓血管に関する死亡および罹病の危険性を低減させることが示される。さらに、エプレレノンは、単独でまたは他の抗高血圧薬と組み合わせて高血圧を処置するために示される。
【0004】
両方ともCiba Geigyに譲渡され、かつ本明細書中に参考として援用される、EP 122232 A/US 4559332は、新規の20−スピロキサン(spiroxane)およびアナログに関する。(例示的な化合物としての)エプレレノンの腸溶性(錠剤および水溶液を含む)および非経口の処方物への一般的な参照は、それらの文献に開示される。
【0005】
EP 1175220 B1(Novartis)は、15ミクロン未満のD90粒径を有するエプレレノンを含む組成物を開示する。このような組成物の主張される効果は、とりわけ、組成物の改良された溶解性、改良された生物学的利用能、改良された安全性、徐放性経口投薬形態についての改良された溶解プロフィール、および特に即時放出経口投薬形態についての減少された溶解時間を含む。そこにはまた、大きな粒径を有するエプレレノンを含む同様の組成物が、開示された組成物ほどには生物学的に利用可能でないことも述べられている。最も好ましい実施形態は、400nm未満のD90粒径を有するエプレレノンを含む。
【0006】
このような小さな粒径を含む組成物の問題は、粒径の減少が吸収速度を増大できない場合があることである。1つの理由は、溶解が速度を制限する工程ではないためであるかもしれない。加えて、微粉化はときには、粒子が集まって表面積の減少をもたらしうる傾向を増大させる。さらに、吸着された空気または結晶成長が溶解速度制限工程として作用するかもしれないので、いくつかの薬物物質については、極端に小さな粒径は望ましくないかもしれないことが報告されている。従って、要するに、10ミクロン未満の極端に小さい粒子への粒径の減少についての吸収挙動に対する効果は、正確には予測されることができない。微粉化方法自身もまた、有効成分の劣化をもたらしうる。
【0007】
逆に、低い水溶解性を有する比較的大きな粒径の薬物は、劣った溶解およびその結果の劣った生物学的利用能の問題を持ちうる。従って、生物学的利用能の増大をもたらす水溶解性の増大のような微粉化された粒子の有利な性質を保ちながら、上記に強調された先行技術の問題を解決する、改良されたまたは有効な組成物を提供するためのエプレレノンの組成物に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、驚くべきことに、先行技術の教示に反して、所定の粒径のエプレレノンを含む医薬組成物が先行技術に関連する上記問題を解決する好適な性質を提供することを見出した。
【0009】
従って、本発明の第一態様において、約15〜25ミクロンのD90粒径を有するエプレレノンを含み、1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤をさらに含む医薬組成物が提供される。好ましい実施形態において、D90粒径が約17〜23ミクロンである組成物が提供され、最も好ましくはD90粒径は約20ミクロンである。
【0010】
別の特に好ましい実施形態において、本発明による組成物は錠剤組成物である。好ましくは、錠剤はコーティングされる。代替的な実施形態において、組成物はカプセルである。
【0011】
本発明による組成物の好ましい実施形態は、組成物の約1〜90重量%の量で存在するエプレレノンを含む。
【0012】
本発明による組成物のさらなる実施形態は、湿潤剤/界面活性剤をさらに含み、好ましい実施形態はTween(登録商標)(ポリソルベート)を含み、特に好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである。
【0013】
本発明の第1態様の医薬組成物は、任意選択的に、1種以上のさらなるAPIを含むことができる。好ましくは、APIは、抗不整脈薬、抗狭心症薬、ならびに高血圧および心臓血管の状態および/または疾患に対する他の治療薬からなる群から選択される。
【0014】
本発明の第2態様は、高血圧の処置のため、あるいは最近の心筋梗塞後の心不全の臨床的徴候および左心室機能障害(LVEF 40%)を有する安定した患者における心臓血管に関する死亡および罹病の危険性を低減するための医薬の製造のための、本発明による組成物の使用である。
【0015】
本発明の第3態様は、高血圧を処置するか、または代替的に、心臓血管に関する死亡および罹病の危険性を低減するために最近の心筋梗塞後の心不全の臨床的徴候および左心室機能障害(LVEF 40%)を有する安定した患者を処置する方法であって、本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0016】
本発明の第4態様は、15〜25ミクロン、好ましくは17〜23ミクロンのD90粒径、最も好ましくは約20ミクロンのD90粒径を有する、粒子状エプレレノンを提供する。特に好ましい実施形態において、粒子状エプレレノンは、本発明による医薬組成物を調製するために使用されることができる。
【0017】
本発明の第5態様において、ある粒径を有するエプレレノンを含む本発明による医薬組成物を調製する方法であって、前記エプレレノンと1種以上の医薬的に許容されうるキャリアとを混合することを含む方法が提供され、好ましくは、組成物は湿式造粒技術または乾式造流技術を含む方法によって調製される。特に好ましい方法は、
i)粒子状エプレレノンと1種以上の医薬的賦形剤を混合すること
ii)湿式造粒混合物を形成すること
iii)混合物を造粒すること
iv)顆粒を乾燥すること
v)錠剤形態に顆粒を圧縮すること
vi)任意選択的に、錠剤組成物をコーティングすること
を含む。
【0018】
本発明の第6態様は、本発明による粒子状エプレレノンを調製するための方法であって、慣習的な粉砕および脱凝集(de−agglomeration)、微流動化(micro−fluidisation)、および化学的手段を含むリストから選択される技術にエプレレノンを供することを含む方法を提供する。好ましくは、粉砕技術は、エアジェットミルまたは衝撃式ミル、ボールミル、振動ミル、モルタルミル、またはピンミルにおけるミル加工または研削を含む。さらなる実施形態において、化学的手段は、制御された沈降/再結晶化を含む。
【0019】
本明細書中に開示される組成物およびエプレレノンが、多数の製剤タイプに適していることは当業者によって当然認められるだろう。例えば、徐放性組成物は本発明の範囲内である。このような徐放性組成物は、持続放出、遅延放出、調節放出を含むことができる。さらなる実施形態はまた、一定の割合のエプレレノンが即時放出され、残りのものの放出が遅延される多相放出組成物も含むことができる。さらなる実施形態において、組成物は、異なる放出速度を有する追加のAPIを含むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1態様によれば、約15〜25ミクロンのD90粒径を有するエプレレノンを含む医薬組成物が提供される。エプレレノン粒子、例えば所望の粒径および粒径分布を有する結晶を生成するために、慣習的な粉砕技術および脱凝集技術、例えば、エアジェットミルまたは衝撃式ミル、ボールミル、振動ミル、モルタルミル、またはピンミルにおける研削が使用されることができる。微流動化のようなさらなる技術もまた使用されることができる。制御された沈降/再結晶化のような化学的技術もまた利用されることができる。
【0021】
公知の粒径分析方法が、メジアン粒径を決定するために好適であり、例えば、光を用いる粒径測定(例えば、光散乱法または比濁法)、沈降法(例えば、Andreassenピペットを用いるピペット分析、沈降スケール、光沈降速度計、または遠心力場における沈降)、パルス法(例えば、コールター計数器を用いるパルス法)、または重力または遠心力による選別が好適である。これらの方法は、特に、Voigt,loc.cit.,64〜79頁に記載される。
【0022】
本発明による組成物は、例えば経口投与のために、医薬組成物において一般的に使用される医薬的に許容されうる賦形剤を含有することができる。
【0023】
本発明による好ましい実施形態において、組成物は錠剤の形態であることができ、錠剤は、a)好ましくは微粉砕された形態で、約15〜25μm、好ましくは17〜23μm、最も好ましくは20μmのD90粒径を有する治療有効量のエプレレノンと、さらに本発明による組成物の製造に好適な賦形剤とを含む錠剤コアを含む。
【0024】
本発明による特に好ましい組成物は、錠剤組成物を含む。本発明による錠剤は、微細な粒径および狭い粒径分布のエプレレノンを含み、従って、投薬形態、例えば、好ましい錠剤のような固体投薬形態に比較的容易に配合されることができる。さらに、微細な粒径および狭い粒径分布はまた、微細な粒径に関連しうる問題および先行技術において一般的な問題を避けながらエプレレノンの生物学的利用能を改良するのに有利でありうる。さらに組成物は、保存安定性や色彩安定性のような全ての慣習的な要望を満たす。
【0025】
本発明による錠剤は、当業者が自由に選択できるいかなる手段によっても製造されることができる。一般的に使用される手段は、エプレレノンを慣習的な錠剤化賦形剤を使用して圧縮し、慣習的な錠剤化方法を使用して錠剤コアを形成することを含む。任意選択的に、錠剤コアはコーティングされることができる。コーティングは、腸溶性放出コーティング、エプレレノンの放出速度に影響するコーティング、および慣習的な即時放出コーティング(例えば、Colorcon製のOpadry(登録商標)シリーズの水性フィルムコーティング系)のうちの1種以上を含むことができる。
【0026】
錠剤コアは、当該分野において公知の慣習的な方法を使用して生成されることができ、そのような方法は、例えば、任意選択的に顆粒の粉砕およびその後の圧縮およびコーティングを伴う、湿式造粒または乾式造粒のような造粒方法である。造粒方法は、例えば、Voigt,loc.cit.,156〜169頁に記載される。
【0027】
顆粒の生成のために好適な賦形剤は、以下のものである:例えば、任意選択的に流動調整特性を有する微粉充填剤(例えば、タルク、二酸化ケイ素(例えば、SYLOID(登録商標)244 FPのようなSyloid(登録商標)Xタイプ(Grace)の合成非晶質無水シリカ酸)、微結晶性セルロース(例えば、AVICEL(登録商標)PH101、102、105、RC581またはRC591のようなAvicel(登録商標)タイプ(FMC Corp.)、Emcocel(登録商標)タイプ(Mendell Corp.)、またはElcemaタイプ(Degussa));糖、糖アルコール、デンプンまたはデンプン誘導体のような炭水化物(例えば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、グルコース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、コメデンプン、コムギデンプン、またはアミロペクチン)、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、または三ケイ酸マグネシウム;特に好ましいのは、微結晶性セルロースである;ゼラチン、トラガカント、寒天、アルギン酸、セルロースエーテルのような結合剤(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコールまたはエチレンオキシドホモポリマーであって、特に、約2.0×10〜1.0×10の重合度および約1.0×10〜5.0×10の分子量を有するもの(例えば、Polyoxe(登録商標)の商品名で知られる賦形剤(Union Carbide)、ポリビニルピロリドン、またはポビドン)、特に、約1000の平均分子量および約500〜2500の重合度を有するもの、および寒天またはゼラチン);特に好ましい結合剤は、Hypromellose(登録商標)のようなヒドロキシプロピルメチルセルロースである;界面活性物質、例えば、アルキル硫酸塩タイプのアニオン性界面活性剤(例えば、ナトリウム、カリウム、またはマグネシウムのn−硫酸ドデシル、n−硫酸テトラデシル、n−硫酸ヘキサデシル、またはn−硫酸オクタデシル)、アルキルエーテル硫酸タイプのアニオン性界面活性剤(例えば、ナトリウム、カリウム、またはマグネシウムのn−硫酸ドデシルオキシエチル、n−硫酸テトラデシルオキシエチル、n−硫酸ヘキサデシルオキシエチル、またはn−硫酸オクタデシルオキシエチル)、またはアルカンスルホン酸タイプのアニオン性界面活性剤(例えば、ナトリウム、カリウム、またはマグネシウムのn−スルホン酸ドデカン、n−スルホン酸テトラデカン、n−スルホン酸ヘキサデカン、またはn−スルホン酸オクタデカン)、または脂肪酸ポリヒドロキシアルコールエステルタイプの非イオン性界面活性剤(例えば、ソルビタンモノラウレート、モノオレエート、モノステアレートまたはモノパルミテート、ソルビタントリステアレートまたはソルビタントリオレエート)、脂肪酸ポリヒドロキシアルコールエステルのポリオキシエチレン付加物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンのモノラウレート、モノオレエート、モノステアレート、モノパルミテート、トリステアレートまたはトリオレエート)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチルステアレート、ポリエチレングリコール400ステアレート、ポリエチレングリコール2000ステアレート)、特に、Pluronic(登録商標)(BWC)またはSynperonic(登録商標)(ICI)タイプのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー。
【0028】
顆粒は、それ自身公知の方法で製造されることができ、例えば、「積層(built−up)」顆粒または「粉砕(broken−down)」顆粒の製造のために知られている湿式造粒法を使用して製造されることができる。
【0029】
積層顆粒の形成のための方法は、連続的に実行することができ、例えば、ドラム形造粒機中、パン形造粒機中、円板形造粒機上、流動床中において、噴霧乾燥または噴霧凝固によって、造粒塊と造粒溶液を同時に噴霧して乾燥することを含むことができ、または、例えば、流動床中、バッチミキサー中、または噴霧乾燥ドラム中において、不連続的に実行することができる。
【0030】
好ましいのは、粉砕顆粒の製造のための方法であり、それは不連続的に実行されることができ、その方法において、造粒塊はまず造粒溶液を用いて湿潤した集合体を形成し、その集合体は次いで、所望の粒径の顆粒へと粉砕または形成され、顆粒は次いで、乾燥される。造粒工程のために好適な装置は、遊星形の混合機、低剪断混合機および高剪断混合機、押出成形機および球状化機(spheroniser)を備える湿式造粒装置であり、例えば、Ligue社、Glatt社、Diosna社、Fielder社、Collette社、Alexanderwerk社、Ytron社、Werner & Pfleiderer社、Fuji社、Nica社、Caleva社、およびGabler社の装置を含む。
【0031】
造粒塊は、粉砕された、好ましくは粉にされたエプレレノンおよび上述の賦形剤(AVICEL(登録商標)タイプ(特に好適なものはAVICEL(登録商標)PH102)の微結晶性セルロースのような微粉充填剤)または湿潤剤/界面活性剤からなる。Tween(登録商標)(ポリソルベート)または代替的にラウリル硫酸ナトリウムは、特に好ましい界面活性剤である。使用される方法に依存して、造粒塊は、前もって混合された形態であることができ、またはエプレレノンを1種以上の賦形剤中に混合するか、賦形剤をエプレレノン中に混合することによって得られることができる。湿性顆粒は、好ましくは、例えばオーブン中でトレー乾燥することによって、または流動床乾燥機中で乾燥することによって乾燥される。
【0032】
代替的な変形法によれば、錠剤コアは、いわゆる圧縮または乾式造粒法を使用して製造され、その方法では、有効成分は賦形剤と共に圧縮されて比較的大きな成型物(例えば、スラグまたはリボン)を形成し、成型物は研削によって粉砕され、粉にされた材料は錠剤コアを形成するために圧縮される。
【0033】
圧縮法のために好適な賦形剤は、好ましくは、慣習的な直接圧縮法のために好適な賦形剤であり、例えば、デンプン(例えば、ジャガイモデンプン、コムギデンプン、およびトウモロコシデンプン)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標)、Filtrak(商標)、Hewetene(登録商標)、またはPharmacel(登録商標)の商標名のもとに市販されている製品)、高分散性二酸化ケイ素(例えば、Aerosil(登録商標))、マンニトール、ラクトース、そしてまた、特に4000〜6000の分子量を有するポリエチレングリコール、架橋ポリビニルピロリドン(Polyplasdones XLまたはKollidone(登録商標)CL)、架橋カルボキシメチルセルロース(Acdisol(登録商標)X CMC−XL)、カルボキシメチルセルロース[Nymcel、例えば、ZSB−10(Nyma)]、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、品質HPMC603)、カルボキシメチルデンプン[Explotab(登録商標)X(Mendell)またはPrimojel(登録商標)(Scholtens)]、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標)PH102)、リン酸二カルシウム(例えば、Emcompress(登録商標))またはタルクのような乾燥結合剤である。少量の、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤の添加もまた有利である。
【0034】
錠剤コアを形成するための圧縮は、慣習的な錠剤化装置、例えば、EK−0 Korsch偏心錠剤化装置または回転錠剤化装置において実行されることができる。錠剤コアは、エプレレノンの量に依存して、種々の形状(例えば、球形、楕円形、長円形、円筒形等)および種々の大きさのものであることができる。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は、本発明を例示するが、いかなる場合も本発明の範囲を限定するものではない。さらに、下記の実施例におけるエプレレノンは、当該分野において公知でありかつ上記に記載される標準的な技術を使用して、15〜25ミクロンの粒径に微粉化されている。好ましくは、D90粒径は約20ミクロンである。
【0036】
実施例1
本発明による医薬組成物の成分は、許容されうる医薬製造実務に従って調製されることができる。好ましくは製造方法は、必要とされる有効医薬成分(API)の量、およびまた、好ましい粒径での材料の低い圧縮率のために、例えば上記に記載されるような湿式造粒を含むだろう。
【0037】
本発明による例示的な即時放出組成物が、表1に示される。
【0038】
25mgの即時放出組成物が、以下に従って調製された:
【表1】

【0039】
実施例2
50mgの即時放出組成物が、以下に従って調製された:
【表2】

【0040】
実施例3
50mgの即時放出組成物が、以下に従って調製された:
【表3】

【0041】
実施例4
コーティングされた25mgの錠剤組成物が、以下に従って調製された:
【表4】

【0042】
実施例5
コーティングされた50mgの錠剤組成物が、以下に従って調製された:
【表5】

【0043】
実施例6
コーティングされた100mgの錠剤組成物が、以下に従って調製された:
【表6】

【0044】
実施例7
徐放性の25mgの錠剤組成物が、以下に従って調製された:
【表7】

【0045】
上記の組成が、例えば着色剤または風味増強剤を含むことによって要求に応じて調節されうることは、当業者には当然明らかであるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
15〜25ミクロンのD90粒径を有するエプレレノンを含み、1種以上の医薬的に許容されうる賦形剤をさらに含む、医薬組成物。
【請求項2】
D90粒径は約17〜23ミクロンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
D90粒径は約20ミクロンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物は錠剤組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
錠剤はコーティングされている、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
湿式造粒法によって調製される、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
組成物はカプセル組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
エプレレノンが組成物の約1〜90重量%の量で存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
高血圧を処置する医薬の製造のための、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項10】
処置を必要とする患者において高血圧を処置する方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項11】
最近の心筋梗塞後の心不全の臨床的徴候および左心室機能障害(LVEF 40%)を有する安定した患者における心臓血管に関する死亡および罹病の危険性を低減する医薬の製造のための、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項12】
処置を必要とする患者において、最近の心筋梗塞後の心不全の臨床的徴候および左心室機能障害(LVEF 40%)を有する安定した患者における心臓血管に関する死亡および罹病の危険性を低減する方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項13】
15〜25ミクロンのD90粒径を有する、粒子状エプレレノン。
【請求項14】
17〜23ミクロンのD90粒径を有する、粒子状エプレレノン。
【請求項15】
約20ミクロンのD90粒径を有する、粒子状エプレレノン。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれかに記載の粒子状エプレレノンを調製するための方法であって、慣習的な粉砕および脱凝集、微流動化、および化学的手段を含むリストから選択される技術にエプレレノンを供することを含む方法。
【請求項17】
粉砕技術は、エアジェットミルまたは衝撃式ミル、ボールミル、振動ミル、モルタルミル、またはピンミルにおける研削を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
化学的手段は、制御された沈降/再結晶化を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
医薬組成物を調製するための、請求項11〜13のいずれかに記載の粒子状エプレレノンの使用。
【請求項20】
高血圧の処置のための医薬の製造における、請求項11〜13のいずれかに記載の粒子状エプレレノンの使用。
【請求項21】
最近の心筋梗塞後の心不全の臨床的徴候および左心室機能障害(LVEF 40%)を有する安定した患者における心臓血管に関する死亡および罹病の危険性を低減する医薬の製造における、請求項11〜13のいずれかに記載の粒子状エプレレノンの使用。
【請求項22】
請求項11〜13のいずれかに記載の粒子状エプレレノンを投与することを含む、高血圧を処置するための方法。
【請求項23】
心臓血管に関する死亡および罹病の危険性を低減するために、最近の心筋梗塞後の心不全の臨床的徴候および左心室機能障害(LVEF 40%)を有する安定した患者を処置するための方法であって、請求項11〜13のいずれかに記載の粒子状エプレレノンを投与することを含む方法。
【請求項24】
請求項11〜13のいずれかに記載の粒径を有するエプレレノンを含む組成物を調製するための方法であって、前記エプレレノンと1種以上の医薬的に許容されうるキャリアを混合することを含む方法。
【請求項25】
組成物は、湿式造粒法または乾式造粒法のいずれかによって調製される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
i)粒子状エプレレノンと1種以上の医薬的賦形剤を混合すること;
ii)湿式造粒混合物を形成すること;
iii)混合物を造粒すること;
iv)顆粒を乾燥すること;
v)顆粒を錠剤に圧縮すること;および
vi)任意選択的に、錠剤をコーティングすること
を含む、請求項25に記載の方法。

【公表番号】特表2010−513325(P2010−513325A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541699(P2009−541699)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001998
【国際公開番号】WO2008/074098
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(508320712)アルファファーム ピーティーワイ リミテッド (6)
【出願人】(509175458)ジェネリックス (ユーケー) リミテッド (1)
【Fターム(参考)】