説明

半導体レーザデジタル振動計測装置

【課題】光学系及び信号処理系を簡略化し、小型軽量化した半導体レーザデジタル振動計測装置で発生するミスカウントを抑止して正確な振動測定を提供し、かつ振動の特性を抽出することを目的とする。
【解決手段】レーザ発振周波数が固定された半導体レーザと、該半導体レーザダイオードの射出光を振動体表面に照射し、その戻り光が該半導体レーザに結合すべく配置された光学素子と、該振動体変位に関係して生じる半導体レーザ出力を検出する受光素子とを有する光学ヘッド部分と、該半導体レーザに電流を供給する働きと、該受光素子出力から信号成分を検出する回路と、該検出部出力を変換するA/D変換器と、ドップラビート波数を計数する働きと、該検出部出力から変位方向を判別しカウントする働きと、該カウンタ部の計数値を演算し計測する回路と、比較回路を制御しかつ振動波形の特徴を抽出するプログラムとから構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザを用いて振動する物体の変位を測定する半導体レーザデジタル振動計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリウムネオンレーザを用いたものと比べて光学系がごく簡単な構成で実現できる半導体レーザドップラ速度計を用いた振動計測装置が、速度方向判別回路を用いて発明され出願されている。振動計測のメカニズムは自己混合効果により発生するドップラービート波をカウント計測するものであり、レーザ発振波長λの半分(λ/2)が測定分解能で例えば680nmの場合335nmとなる。
【0003】
前記出願にかかわる半導体レーザデジタル振動計測装置では、カウント判定単位時間における振動の変位が測定分解能以下の場合、コンパレート回路の自動閾値調整機能によりノイズとドップラービート波の弁別が出来なくなりミスカウントをしてしまう(図XX)。また、振動の方向が反転する場合には、測定分解能分を越えた変位をするかしないかでも同様な理由によりミスカウントをしてしまうことがある(図XX)。
【0004】
前記の半導体レーザデジタル振動計測装置の構成と動作をまず初めに機能説明する。図1は当該半導体レーザデジタル振動変位計測装置のブロック図、図2はその基本的な振動波形の本装置での再現メカニズムを波形的に示している。図1において、波長を固定して発振する半導体レーザダイオード(LD)1aは、駆動回路1cからの注入電流でコントロールされるものであり、注入電流は制御された一定の直流電流として与えられる。この回路はAPC(AutoPowerControl)されてLD出力を一定にしている。半導体レーザダイオード(LD)1aの射出光は、前方へ光学素子(LEN)1nを通して対象物(Ob)1oに照射され、そこからのドップラー周波数偏移した反射光の一部が半導体レーザダイオード(LD)1aに戻り光として入射して、半導体レーザダイオードの出力には鋸波が重畳する。このことを自己混合効果という。半導体レーザダイオード(LD)1aの後方への出射光は、鋸波=ドップラービート信号なる出力変動として、受光素子(PD)1bで電気信号に変換され、検出回路1dにより増幅して検出される。このドップラービート信号は、図2の(a)に示すような波形となる。この時測定された(a)波形は自己混合効果の特徴を端的に表している。半導体レーザダイオードと振動体を結ぶ軸に対して振動体が近づくか離れるかの変位方向の違いによりドップラビート波は傾きが違ってくる。検出されたドップラービート波は比較回路1fによりコンパレートされ、そのドップラービート波の傾きを検知する方向判別回路(DDC:Direct−ion
Discrimination Circuit)1gにより符号化された後、計数回路1iでカウントされた結果としての出力電圧は、図2の(b)に示すように積分計数値が得られる。
【0005】
積分計数値nと変位xとの関係式は、λをレーザの発振波長とすると、x=(λ/2)・nと表される。この計数積分値(n)は、それを取り込んだ演算処理回路1kからさらにUSB回路を介してパソコンに通信されたあとアプリケーションソフトにより変位波形として出力される。あるいは、USB以降はD/A変換回路を用いてアナログ波形として出力すればオシロスコープなどで観測が可能となる。図2については、対象物が単振動変位している場合を例にとって振動波形を観測したものである。
【0006】
前述したミスカウントのメカニズムについて説明する。前記関係式のようにドップラービート波はλ/2の変位ごとに1個発生するのが自己混合効果の特徴である。コンパレート回路を用いた場合、原理的にミスカウントが発生するのは速度がゼロとなるドップラービート波の挙動にある。これは、コンパレート閾値との関係により3つに大別される。いずれも図3に測定例を示す。まず、図3aの場合は次第に速度が遅くなり、やがてゼロとなって反対方向に動き出す変位の折り返し点が、コンパレート閾値の外側にある場合。このときコンパレータはゼロクロス付近で閾値が設定されているので、カウントロジックに入っていかなくてカウント自体がされる状況になくミスカウントはされない場合である。図3bは折り返し点がコンパレート閾値の内側に入っている場合。この時、自動閾値調整機能が働いてコンパレート閾値電圧を下げるのでノイズ波高値がコンパレートレベルに修正されてしまい、ノイズとドップラービート波の区別は出来なくなりノイズを変位としてミスカウントされてしまう。図3aとは反対側に折り返し点が位置している場合についてもコンパレートの外側にあるのでミスカウントはされない。問題となるのはミスカウントが多発してしまう図3bの場合である。ミスカウントの影響を受けた振動波形を含めてを図6に示してある。それぞれにドリフトの発生具合に特徴があるがこれは対象物がスピーカであるために物理的に折り返し点が安定しているため、および、ミスカウントとなるノイズに規則性があるために単調増加、ランダムドリフトが発生しているものである。これらは折り返し点がどこに発生するかにより左右されてしまうことは容易に予測できる。
【特許文献1】特開平6−294680号公報
【特許文献2】特開平7−244160号公報
【特許文献3】特開2004−271493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記出願にかかわる半導体レーザデジタル振動計測装置では、カウントが行われた次のカウント判定内における振動の変位が測定分解能以下の場合、および振動体が静止している場合、コンパレート回路の自動閾値調整機能が働くのでノイズとドップラービート波の弁別が出来なくなりミスカウントをしてしまう。また、振動の方向が反転する場合には一度速度がゼロになるので単位時間の変位が小さくなり、測定分解能分を越えた変位をするかしないかの振動挙動が発生した場合でもミスカウントをしてしまうことがある。これらのミスカウントは、低周波振動振幅を助長して見かけ上大きな最大振幅をして測定してしまったりして測定誤差となってしまう。本発明ではこれら振動変位折り返し点の問題を解消することにあり、かつ振動の基本周波数成分を明確にして振動の特徴を抽出し正確に振動挙動推定をすることのできる半導体レーザデジタル振動計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明による半導体レーザデジタル振動計測装置は、レーザ発振周波数が固定された半導体レーザと、前記半導体レーザから出射された光をコリメート化して被測定物体の表面に照射し、反射された光の一部が戻り光を集光して前記半導体レーザに入射するように配置された光学素子と、前記被測定物体の振動変位に関係して生じる半導体レーザの出力の変化を検出する受光素子とを有する光学ヘッド部分と、前記半導体レーザに電流を供給して安定した固定周波数で発振発光させる駆動回路と、前記受光素子出力から振動変位を含む微弱信号成分を取り出す検出増幅回路と、当該増幅部の信号をA/D変換するA/D変換回路と、自己混合効果により発生する振動変位ドップラビート波の波数を比較するコンパレート回路と、前記比較回路の出力を見ながら変位方向を判別し後段にある計数回路カウンタ部の加算と減算を切り替える信号を取り出す方向判別の働きと、前記カウンタ部の計数値を記憶し前記振動変位を演算する働きを併せ持つ回路と、比較回路の閾値を制御し、かつ振動波形の特徴を抽出するプログラムとから構成した。
【発明の効果】
【0009】
以上、詳しく説明したように本発明による半導体レーザデジタル振動計測装置は、レーザ発振周波数が固定された半導体レーザと、前記半導体レーザから出射された光をコリメート化して被測定物体の表面に照射し、反射された光の一部が戻り光を集光して前記半導体レーザに入射するように配置された光学素子と、前記被測定物体の振動変位に関係して生じる半導体レーザの出力の変化を検出する受光素子とを有する光学ヘッド部分と、前記半導体レーザに電流を供給して安定した固定周波数で発振発光させる駆動回路と、前記受光素子出力から振動変位を含む微弱信号成分を取り出す検出回路と、該検出部の信号をA/D変換するA/D変換回路と、自己混合効果により発生する振動変位ドップラビート波の波数を比較するコンパレート回路と、前記比較回路の出力を見ながら変位方向を判別し後段にある計数回路カウンタ部の加算と減算を切り替える信号を取り出す方向判別の働きと、前記カウンタ部の計数値を記憶し前記振動変位を演算する働きを併せ持つ回路と、比較回路の閾値を制御し、かつ振動波形の特徴を抽出するプログラムとから構成したので、従来と比べて振動変位折り返し点の問題を解消した振動測定が可能となる。かつ、振動の基本周波数成分を明確にして振動の特徴を抽出し正確に振動挙動推定をすることもできる。従って、本発明による半導体レーザデジタル振動計測装置を利用することで振動面の振動モードの解析やその周波数特性の測定などに振動解析に広く利用できる。
【実施例】
【0010】
以下において、本発明を図解する。図1は当該半導体レーザデジタル振動変位計測装置のブロック図、図2はその基本的な振動波形の本装置での再現メカニズムを波形的に示している。図1において、波長を固定して発振する半導体レーザダイオード(LD)1aは、駆動回路1cからの注入電流でコントロールされるものであり、注入電流は一定の直流電流として与えられる。この回路はAPC(AutoPowerControl)されている。半導体レーザダイオード(LD)1aの射出光は、前方へ光学素子(LEN)1nを通して対象物(Ob)1oに照射され、そこからのドップラー周波数偏移した反射光の一部が半導体レーザダイオード(LD)1aに戻り光として入射して、半導体レーザダイオードの出力には鋸波が重畳する。このことを自己混合効果という。半導体レーザダイオード(LD)1aの後方への出射光は、鋸波=ドップラービート信号なる出力変動として、受光素子(PD)1bで電気信号に変換され、検出回路1dにより増幅して検出される。比較回路1fは、対象物(Ob)1oによって条件がさまざまな反射状態により変化する出射LDの戻り光強度変化に対応して、受光素子(PD)1bの出力が変化した場合にその大きさによって閾値を変えられるようにA/D変換回路を介して演算回路1kに供給される。演算回路1kでは、ドップラービート波出力を適正に方向判別できるように閾値が計算され、D/A回路1jを介して演算回路1kから閾値が比較回路1fに送られ、ドップラービート波の波高値によらず自動的に制御されカウンタが正確に動作するように構成されている。計数回路1iは、方向判別回路1gの出力を積分してカウントする機能を持ち、ドップラービート波の1つの波数ごとに計数して振動体の変位波形と相似な波形が得られている。
【0011】
マイナスの変位、すなわち振動体1oの表面が半導体レーザ1aから遠ざかる場合には、方向判別回路1gからドップラービート波1波ごとに1個のダウンパルスが出力される。同様に、プラスの変位、すなわち振動体1oの表面が半導体レーザ1aに近づいてくる場合には、方向判別回路1gの出力端子からドップラービート波1波ごとに1個のアップカウントパルスが出力される。計数回路1iは、上記のアップカウント信号パルスを加算し、ダウンカウントパルスを減算して計数値積分信号を出力する。演算回路1kは計数回路1iの計数値をメモリ上に保持し積分することで対象物(Ob)1oの振動変位を演算するものである。
【0012】
方向判別回路とカウントする回路についてはいろんなロジックが考えられるが基本的な考え方について図4、図5を参照しながら説明する。図4は図1に示す実施例の動作を説明するための波形図である。図4において比較回路1fの閾値電圧については、ドップラービート波形の振幅を演算回路1kが監視し、自動的に振幅の大きさに対する相対値として制御しているので、この図を用いることですべてのドップラービート波の判定ロジックが説明できる。自己混合効果の結果として得らる特徴として、振動変位が正の場合にはドップラービート波(図示鋸波)の立ち上がりが急であり、立ち下がりは緩やかな検出回路1dの出力が現れている。一方、振動変位が負の場合にはドップラービート波の立ち下がりが急であり、立ち上がりが緩やかな波形として現れる。
【0013】
図5に示すカウントロジック処理用信号発生回路5aの2個のコンパレータ51,52の基準レベルVref をそれぞれVh,Vl と設定する。また、コンパレータ共通のGNDレベルをVgとする。図4に示したドップラービート波形がどのように処理されるのかを説明する。つまり、正方向振動変位をしている振動体のドップラービート波のアップカウントロジックについて図解する。ドップラービート波の一山(a)のレベルがVref =Vl に達するとコンパレータ52がオンしてネガティブ論理処理されてネガティブゲートQnを開きクロックに応じてバイナリカウント(56)して結果を正負計数比較コンパレータ57に渡す。前記ネガティブコンパレータ52が開いている間にドップラービート波がVref =Vhを越えてポジティブコンパレータ51が開かれる。同様にして、ポジティブ論理処理されてポジティブゲートQnを開き、クロックに応じてバイナリカウント(55)して結果を正負計数比較コンパレータ57に渡す。両ゲート出力値がそろったところでコンパレータ57が働いてカウントの正負を決定する。この場合図4におけるTpよりもTnのほうがクロックカウント数が多いので、クロックアップカウントが発生(58)する。
【0014】
負方向振動振動変位している場合もTpとTnのクロックカウント数の大小が異なるようにロジックが組み立てられるだけで、基本的な論理処理は同様に行われる。
【0015】
前記半導体レーザデジタル振動計測装置(図1)の測定実施例について説明する。測定対象振動物には単振動電圧を印加したラウドスピーカを使用している。ラウドスピーカはパーソナルコンピュータにつなげて自在に周波数と印加電圧を制御している。その振動面にLDから出射されたコリメート化されたレーザ光をスポット照射しており、反射して検出されたドップラービート波形を図3に並示した。さらに後段演算回路にて算出された積分値である計数積分結果を図6に示す。図6の計数積分結果を微分すれば速度波形が、さらにもう一回微分すれば加速度波形が得られる。さらに振動の周波数成分を知りたい場合は、それぞれの結果に高速フーリエ変換(FFT)処理を施せば、変位波形とともに速度波形、加速度波形の周波数スペクトルが得られる。物理的には、ラウドスピーカ表面の変位振動波形(x)は、ラウドスピーカへの印加電圧波形に比例している。図6cでは振動波形を再現したと一目して判断できる波形が観測されている。一方、図6bにおいてはドリフトしてしまい物理的にはラウドスピーカが単振動とともに一方向に移動しているような結果を示している。これは、ラウドスピーカが単振動しながら、一方向に定速度で移動していることを示しているがスピーカはネジで完全固定しているのでこのようにドリフト移動することはない。図6aにおいてはラウドスピーカには印加していない低周波数の振動が観測された結果が測定されている。こちらも、ラウドスピーカに低周波数の振動となる電圧は加えていない。
【0016】
本発明による半導体レーザデジタル振動計測装置を利用することにより、ロジック回路だけでは解消できない自己混合効果を利用した振動計測メカニズムのミスカウントを抑止できるシステムを構成することができることを説明する。図3のドップラービート波形を比較しながら変位振動波形の誤測定について説明する。図3aのドップラービート波の折り返し点3a−nでは波形がVg付近に設定されたコンパレータ閾値に入ってこないのでカウントシーケンスには移行せずミスカウントが発生する余地は無い。図3bに示すドップラービート波では3b−nに示す部分が、Vg付近に設定されたコンパレータ閾値に入ってきているのでコンパレータの閾値自動化機能が働きノイズレベルにまでVh,Vlを下げてカウントを始めてしまう。図3cにノイズ波形、図3dにその電圧軸拡大波形を示す。電気的にはノイズもドップラービート波も弁別できないので図3dの波形はドップラービート波として認識されカウントしてしまった結果、図6a、図6cのようなミスカウントを含む変位波形を発生させてしまう。本来のコンパレート閾値自動化機能は、図3eのようなドップラービート波の周波数特性による高周波成分の減衰についてもカウンタ処理できるように従来の装置では設計、装備されている。基本的には効果を示すものであるが、折り返し点挙動に対しては逆効果となってしまう例である。
【0017】
本発明による半導体レーザデジタル振動計測装置においては、前述した実施例のコンパレート回路の閾値自動化について制御方法を演算回路にて可変的に抑止することに特徴がある。本発明ではこれを演算回路に組み込んだFFT解析により実現している。図7にドップラービート波のFFT結果を示す。図7aは図3cにしめしたノイズをFFTした結果である。ノイズ出力は振動していない振動体の検出増幅出力である。図7b、図7c、図7d、図7eの順番で振動体であるラウドスピーカに印加する電圧を増加させている。つまり、振動変位振幅を徐々に大きくしていった場合のドップラービート波のFFT結果の推移を図7b〜図7dで示していることになる。自己混合効果の特徴として、速度に比例してドップラービート波の周波数があがっていく。ノイズだけのFFT結果図(7a)と比べて、振動しているFFT結果についてはいずれも速度に比例したドップラービート波周波数のパワースペクトルが発生し、オーバーオール値を計算するとノイズだけと比べて大きくなってきていることが読み取れる。オーバーオール値による判定で振動の有無を判断し、折り返し点にあることを判断してコンパレート閾値自動化を抑止すればカウントシーケンスに移行することはなくなり問題とするミスカウントは発生しなくなる。したがって、ドリフトや見かけの低周波振動検出といったミス測定がなくなる。同じFFT解析ロジックに入力する信号をドップラービート波から物理値(変位、速度、加速度)に変えることにより振動の基本周波数成分がとりだせるので、IFFT変換して物理値に戻すことにより多周波数成分の振動波形を周波数抽出した振動波形とし、視覚的にわかりやすい波形として表現することも可能である。

【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る半導体レーザデジタル振動計測装置の実施例を示したブロック図である。
【図2】図1に示した実施例の動作を説明するための波形図である。
【図3】振動体の変位方向変換点である折り返し点のドップラービート波を測定した例である。
【図4】図1に示した計数発生回路の実施例の動作を説明するためのドップラービート波形とロジック波形図である。
【図5】図4を実現するロジック回路である(a)。
【図6】図4を実現するロジック回路である(b)。
【図7】図3に示したドップラ−ビート波形の計数結果を示す振動変位である。
【図8】図3に示したドップラ−ビート波形のFFT結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0019】
1a 半導体レーザ(LD)
1b 受光素子(PD)
1c 半導体レーザ駆動回路
1d ドップラービート波検出回路
1f ドップラービート波比較回路
1g 振動変位方向判別回路
1h ドップラービート波A/D変換回路
1i ドップラービート波計数回路
1k 演算回路
1l USB回路
1m 波形表示回路
1n 光学素子
1o 振動体
Vg コンパレートGND
Vh コンパレート閾値ハイレベル
Vl コンパレート閾値ロウレベル
51 コンパレータ(Vh)
52 コンパレータ(Vl)
53 ゲート
54 ゲート
55 カウンタ
56 カウンタ
57 カウンタ値コンパレータ
58 カウンタ




【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザを用いて振動する物体の変位を測定する半導体レーザデジタル振動計測装置であって、レーザ発振周波数が固定された半導体レーザと、前記半導体レーザから出射された光をコリメート化して被測定物体の表面に照射し、反射された光の一部が戻り光を集光して前記半導体レーザに入射するように配置された光学素子と、前記被測定物体の振動変位に関係して生じる半導体レーザの出力の変化を検出する受光素子とを有する光学ヘッド部分と、前記半導体レーザに電流を供給して安定した固定周波数で発振発光させる駆動回路と、前記受光素子出力から振動変位を含む微弱信号成分を取り出す増幅回路と、当該増幅部の信号をAD変換するAD変換回路と、自己混合効果により発生する振動変位ドップラビート波の波数を計測するカウンタ回路と、前記カウンタ部の計数値を処理して前記振動変位を計算する演算回路とから構成される半導体レーザデジタル振動計測装置に特有の無振動時と振動変位折り返し点におけるミスカウントを解消し、かつ振動の基本周波数成分を明確にして振動の特徴を抽出し正確に振動挙動推定をすることのできる半導体レーザデジタル振動計測装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−14695(P2008−14695A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184142(P2006−184142)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【出願人】(393015634)株式会社スペースクリエイション (7)
【Fターム(参考)】