説明

半導体加工中のフレキシブル基板のwarpおよびbowを減少させるアセンブリおよび方法

半導体プロセシングの熱的課題の結果生じる、剛性キャリヤに取り付けられたフレキシブル基板のbowおよび/またはwarpに取り組む方法について説明する。詳細には、剛性キャリヤへフレキシブル基板を結合することが可能な粘弾性接着剤が提供され、剛性キャリヤ(例えばケイ素ウェーハ)に対する大半のフレキシブル基板(例えばプラスチックフィルム)の明確に異なる材料特性により存在することが多い熱的不適合を調節することが可能である。本願で説明する方法により生産されるアセンブリも提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的にはフレキシブル基板の処理に関し、詳細には半導体加工中のフレキシブル基板のwarpおよびbowを減少させる方法に関する。
(関連出願)
本願は、その全体が本明細書に援用される2008年4月8日に出願された米国仮出願出願番号第61/043223号の優先権を主張する。
(政府資金の記述)
本研究は、米国陸軍研究所(ARL)の助成番号第W911NF−04−2−005号により少なくとも一部支援された。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス産業では、電子回路の基盤としてフレキシブル基板が急速に普及している。フレキシブル基板は、金属(例、ステンレス鋼)、無数のプラスチック等の非常に薄い層を備えた種々の材料を含み得る。一旦フレキシブル基板の表面に所望の電子部品、または1つもしくは複数の回路が形成されると、回路は最終生産物に取り付けられるか、またはさらなる構造物へと組み込まれる。そのような製品または構造物の代表例は、フラットパネルディスプレイのアクティブマトリックス、小売店の種々の商品上のRFIDタグ、種々のセンサ等である。
【0003】
生じている1つの主な問題は、処理中のフレキシブル基板の安定化である。例えば、基板上に薄膜トランジスタまたは薄膜トランジスタ回路を構成するプロセスでは、多数の処理工程が行なわれ、その間、基板がいくつかの機械、オーブン、洗浄工程等を通じて移動され得る。そのようなプロセスを介してフレキシブル基板を移動させるためには、フレキシブル基板を一時的にある種類のキャリヤに装着しなければならないか、または、処理工程間でフレキシブル基板が移動できるように剛性キャリヤを取外し可能に取り付けなければならない。
【0004】
しかしながら、無機ケイ素またはガラス基板に比べるとフレキシブル基板の熱膨張率(CTE)は比較的高いため、無機薄膜トランジスタ(TFT)処理を含む温度逸脱中に重大なCTE誘発性の不適合歪みにつながる。この現象は重大なbowおよびwarpを導入し、取り扱い上の誤り、フォトリソグラフィー調節誤差、およびライン/層欠陥につながり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、先の制約を調節すべく剛性キャリヤにフレキシブル基板を取り付けるための新規な組成物および方法の開発が当該技術分野で必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本発明は、半導体アセンブリの製造方法であって、180℃よりも低いガラス転移温度および220℃よりも高い分解温度を有する粘弾性ポリマーを含む接着層で、剛性支持体にフレキシブル基板を取り付けることを含む方法を提供する。
【0007】
第2態様では、本発明は、フレキシブル基板、剛性支持体および接着層を備えたアセンブリであって、フレキシブル基板は、フレキシブル基板と剛性支持体の間の、180℃よりも低いガラス転移温度および220℃よりも高い分解温度を有する粘弾性ポリマーを含
む接着層で剛性支持体に取り付けられている、アセンブリを提供する。
【0008】
第3態様では、本発明は、フレキシブルディスプレイの処理方法であって、フレキシブルディスプレイを生産すること、および本発明の第1態様による剛性基板に、フレキシブル基板であるフレキシブルディスプレイを取り付けることを含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
用語「bow」は、本明細書に使用する場合、正中面の周囲における基板の曲率を意味する。用語「warp」は、本明細書に使用する場合、基板の中心により定義された直線に対する、基板の表面の直線的変位を意味する。例えば、基板が一様に曲げられる場合、warpはbow測定値の約2倍である。
【0010】
用語「CTE適合材料」は、本明細書に使用する場合、基準材料の熱膨張率(CTE)と約20%未満だけ異なるCTEを有する材料を意味する。好ましくは、CTEは約10%、5%、3%または1%未満だけ異なる。
【0011】
用語「フレキシブル基板」は、本明細書に使用する場合、容易にその形状を適応させる可撓性材料を備えた自立した基板を意味する。好ましくは、フレキシブル基板は、予備成形(プレフォーム)された可撓性プラスチック基板または予備成形(プレフォーム)された可撓性金属基板である。好ましい可撓性金属基板はFeNi合金(例えばINVAR(TM)、FeNiまたはFeNi36;INVAR(商標)は、炭素とクロムを一部含む鉄(64%)とニッケル(36%)(重量)の合金である)、FeNiCo合金(例えばKOVAR、KOVAR(商標)は一般に29%ニッケル、17%コバルト、0.2%ケイ素、0.3%マンガンおよび53.5%鉄(重量)から構成される)、チタン、タンタル、モリブデン、Aluchrome(商標)、アルミニウム、およびステンレス鋼を含む。好ましい可撓性プラスチック基板は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネートおよび環式オレフィン共重合体を含む。そのようなフレキシブル基板は薄いことが好ましく、例えば厚さが約1μm〜1mmである。より好ましくは、フレキシブル基板は約50μm〜500μm、より好ましくは約50μm〜250μmである。
【0012】
用語「粘弾性接着剤」は、本明細書に使用する場合、変形を受けると粘着性と弾性の両方の特性を示す接着剤を意味する。例えば、粘弾性材料は、せん断流に抵抗し、時間依存性の歪みを示す。粘弾性接着剤の例には、ポリイミド、ポリアクリル、アクリル、ウレタン、エポキシ、フェノール、ビスマレイミド、シリコーン、およびシロキサンが含まれるがこれらに限定されない。
【0013】
用語「両面接着テープ」は、本明細書に使用する場合、その2つの対向面の各々に接着剤材料を備えた支持裏当てを有する任意のテープを意味する。対向する面上の接着剤は同じであっても異なっていてもよく、例えばエラストマー接着剤、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤、感圧性接着剤、および/または光硬化接着剤(例えば、可視またはUV)が含まれるがこれらに限定されない。両面接着テープの例には、両側が粉末コーティングされたシリコーン接着テープ(Argon PC500ファミリー)または高性能シリコーン接着テープ(Adhesive Research Arcare 7876)が含まれるがこれらに限定されない。
【0014】
特定の温度に材料を曝露することに関する用語「安定」は、本明細書に使用する場合、窒素またはアルゴンの大気下で約1時間の間、そのような特定の温度で維持した時に、基準材料が質量で全重量の約5%未満しか喪失しないことを意味する。
【0015】
本発明は、半導体アセンブリの製造方法であって、180℃よりも低いガラス転移温度および220℃よりも高い分解温度を有する粘弾性ポリマーを含む接着層で剛性支持体にフレキシブル基板を取り付けることを含む方法を提供する。一般に、粘弾性ポリマーは、約25〜180℃の範囲のガラス転移温度を有するポリマーを含む。好ましくは、ガラス転移温度は約50〜180℃、または100〜180℃の範囲である。さらに、本開示の粘弾性ポリマーは220℃を超える処理条件下で安定している。好ましい粘弾性ポリマーは約220〜400℃の範囲の温度で安定である。ある実施形態では、粘弾性ポリマーは約220〜300℃の範囲の温度で安定である。
【0016】
さらに、接着層は約10ppm/℃よりも大きな熱膨張率(CTE)を有し得る。一般に、接着層のCTEは約10〜1000ppm/℃の範囲であり得る。1実施形態では、接着層は約27mPaリットル/秒(約2×10-4トルリットル/秒)未満の割合で脱気し得る。接着層の脱気は約1.3Pa×10-2〜27mPaリットル/秒(約1×10-10〜2×10-4トルリットル/秒)の範囲であってよい。
【0017】
詳細には、粘弾性ポリマーはエラストマー、熱可塑性、または疑似熱可塑性の飽和または不飽和の炭化水素、シロキサン、またはシリコーンポリマーであり得る。好ましくは粘弾性ポリマーは、アクリル樹脂、エポキシ、フェノール樹脂、ウレタンポリイミドまたはシロキサンを含む。より好ましくは、粘弾性ポリマーはn−アクリル酸ブチル、ポリシロキサン、ポリシリコーン、またはポリイミドを含む。1実施形態では、粘弾性ポリマーはn−アクリル酸ブチルを含む。1実施形態では、粘弾性ポリマーはポリシロキサンを含む。1実施形態では、粘弾性ポリマーはポリシリコーンを含む。1実施形態では、粘弾性ポリマーはポリイミドを含む。
【0018】
フレキシブル基板、剛性支持体、および粘弾性ポリマーを含む接着層を備えたアセンブリを製造するために、当業者に周知の方法により接着層を剛性キャリヤまたはフレキシブル基板上に配置することが可能である。接着層は、接着剤材料の溶液を使用して剛性キャリヤまたはフレキシブル基板上に配置してもよいし、溶液から層を製造する当業者に周知の任意の方法により製造してもよい。例えば、剛性キャリヤまたはフレキシブル基板上に接着層を作製するために、溶液をスプレーコーティング、ドロップキャスト、スピンコーティング、ウェブコーティング、ドクターブレード、またはディップコーティングしてよい。代わりに、接着層は、剛性キャリヤまたはフレキシブル基板上に押し出しコーティングまたは予備成形ラミネーションされてもよい。好ましくは、粘弾性ポリマーを含む接着層は、約1μm〜40μmの間の厚さであり、より好ましくは約2μm〜20μmの間の厚さである。
【0019】
ある実施形態では、接着層は、溶液をスピンコーティングすることにより、すなわちつまり、剛性キャリヤの表面上に溶液を分配し、かつ溶液を均等に分布させるべく剛性キャリヤを回転させることにより、剛性キャリヤ上に形成される。当業者には、スピンコーティングによって生産される層の厚さを、溶媒中の接着材料の濃度、溶液の粘性、スピンの割合およびスピン速度の選択により制御できることが理解されるだろう。
【0020】
溶液層は、残りの溶媒を本質的に除去するために、フレキシブル基板または剛性キャリヤの結合の前に乾燥させることが可能である。この乾燥は、基板、キャリヤおよび/または接着剤材料の劣化を引き起こさない条件で、当業者に周知の方法により行われる。例えば、約80℃〜180℃、好ましくは約100℃〜130℃の範囲の温度で層を加熱することにより乾燥させることが可能である。別の例では、層は約100℃〜180℃の範囲の温度で真空中で層を加熱することにより乾燥させることが可能である。さらに別の例では、約80℃〜180℃の範囲の温度で層を加熱した後、約100℃〜180℃の範囲の温度で真空中で(例えば約133Pa(約1トル)未満で)層を加熱することにより、層
を乾燥させることが可能である。いずれの加熱工程でも、実質的にすべての溶媒が取り除かれるまで、層は約10〜120分間加熱することが可能である。当業者には、接着剤材料、フレキシブル基板および/または剛性キャリヤが加熱中に安定なままであるとすると、任意の加熱工程でより高い温度(例えば300℃以下)を使用できることが理解されるだろう。
【0021】
代わりに、フレキシブル基板、剛性支持体および接着層を備えたアセンブリを製造するために、接着層をフレキシブル基板の裏面上に配置し、その後、上述したように、任意選択の乾燥および/または真空乾燥工程を行ってもよい。好ましくは、接着層がフレキシブル基板上に形成される場合、層は、上述したように、接着剤の溶液をスピンコーティングし、その後層を乾燥させることにより製造される。
【0022】
剛性キャリヤは、半導体ウェーハ、アルミナ、ガラス、または本明細書で説明したようなフレキシブル基板にCTEが適合した材料を含んでよい。例えば、半導体ウェーハはSiを含み、特にはSi(100)またはSi(111)を含む。好ましい実施形態では、剛性支持体はアルミナを含む。別の実施形態では、剛性支持体はフレキシブル基板にCTEが適合した材料を含む。
【0023】
通常、フレキシブル基板はプラスチック基板または金属基板である。好ましいプラスチック基板には、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート、環式オレフィン共重合体、またはそれらの混合物を含む基板が含まれるがこれらに限定されない。好ましい金属基板には、INVAR、KOVAR、チタン、タンタル、モリブデン、Aluchrome(商標)、アルミニウムまたはステンレス鋼を含む基板が含まれるがこれらに限定されない。ある実施形態では、フレキシブル基板はステンレス鋼を含む。例えば、ステンレス鋼基板が本明細書で説明する方法により使用される場合、剛性支持体はアルミナを含む。
【0024】
フレキシブル基板は、当業者に周知の任意の方法に従って、剛性支持体とフレキシブル基板の間にある接着層により、剛性支持体へ結合させることが可能である。1実施形態では、フレキシブル基板の結合は、接着層(フレキシブル基板上または剛性キャリヤ上に存在する、前掲)を軟化状態(つまり粘弾性ポリマーのガラス転移温度(Tg)よりも上の状態)に加熱し、フレキシブル基板を、接着剤でコーティングされたキャリヤと接触させることを含む。本発明で使用される特定の軟化温度は、本明細書での教示に基づいて経験的に決定することが可能であり、接着層に使用される特定材料によって決まる。例えば、Tgは、熱重量分析(TGA)、熱機械分析(TMA)、示差走査熱量測定法(DSC)、または動的機械分析(DMA)を含むがこれらに限定されない技術を用いて決定することが可能である。
【0025】
1実施形態では、フレキシブル基板はステンレス鋼を含み、剛性支持体はアルミナを含み、接着層はn−アクリル酸ブチルを含む。別の実施形態では、フレキシブル基板はステンレス鋼を含み、剛性支持体はアルミナを含み、接着層はポリシロキサンを含む。別の実施形態では、フレキシブル基板はステンレス鋼を含み、剛性支持体はアルミナを含み、接着層はポリシリコーンを含む。別の実施形態では、フレキシブル基板はステンレス鋼を含み、剛性支持体はアルミナを含み、接着層はポリイミドを含む。
【0026】
さらなる実施形態では、接着層は、1つよりも多い構成層を備えてもよい。例えば、接着層は、粘弾性ポリマーを含む第1の層と、粘弾性ポリマー上に形成された第2の層とを含んでよい。例えば、第2の層は金属または絶縁材料の層を含んでよい。好ましい金属には、スパッタリングで成膜可能な金属、例えばアルミニウム、金、銀が含まれるがこれら
に限定されない。好ましい絶縁層は、プラズマ増強化学蒸着法(PECVD)により成膜可能な層、例えばSiNとSiO2が含まれる。そのような金属膜は、通常、約50Å〜
約10,000Åの範囲の厚さを有し得る。ある実施形態では、厚さは約100Å〜約5000Å、または約500Å〜約5000Å、または約1000Å〜約5000Åである。
【0027】
さらなる実施形態では、接着層は3つ以上の構成層を備えてもよい。例えば、上述したように、接着層は、粘弾性ポリマーを含む第1の層と、粘弾性ポリマー上に形成された金属層または絶縁層等の第2の層と、金属層上に形成された第3の層とを含んでよい。ある実施形態では、第3の層は両面テープを含むことが可能である。好ましい金属にはスパッタリングで成膜可能な金属、例えばアルミニウム、金、銀が含まれるがこれらに限定されない。好ましい絶縁層は、プラズマ増強化学蒸着法(PECVD)により成膜可能な層、例えばSiNとSiO2が含まれる。そのような金属膜は、通常、約50Å〜約10,0
00Åの範囲の厚さを有し得る。ある実施形態では、厚さは約100Å〜約5000Å、または約500Å〜約5000Å、または約1000Å〜約5000Åである。
【0028】
別の実施形態では、フレキシブル基板の結合は、接着層上に金属層または絶縁層を直接配置し、該金属層または絶縁層上に両面接着テープを直接配置し、および両面接着テープ上に基板を直接配置することを含む。好ましい金属にはスパッタリングで成膜可能な金属、例えばアルミニウム、金、銀が含まれるがこれらに限定されない。好ましい絶縁層は、プラズマ増強化学蒸着法(PECVD)により成膜可能な層、例えばSiNとSiO2
含まれる。好ましい両面接着テープには、両面が粉末コーティングされたシリコーン接着テープ(Argon PC500ファミリー)または高性能シリコーン接着テープ(dhesive Research Arcare 7876)が含まれるがこれらに限定されない。
【0029】
剛性支持体へのフレキシブル基板の結合後、フレキシブル基板の表面に1つまたは複数の任意の数の電子部品を構築することが可能である。例えば、1または複数の薄膜トランジスタ、有機および/または無機発光ダイオード、電極アレイ、電界効果トランジスタ、パッシブ構造およびそれらの組み合わせをフレキシブル基板上に形成することが可能である。他の例では、本明細書に記載の方法に従って剛性キャリヤに取り付けられたフレキシブル基板上に、ディスプレイアーキテクチャを形成することが可能である。
【0030】
そのような粘弾性ポリマーが、上にあるフレキシブル基板と下にある剛性支持体との間のCTE不適合によりフレキシブル基板に導入された応力および/または歪みを調節する役目をすることは予期しない発見であった。注目すべきことに、本明細書で使用された粘弾性ポリマーは、例えば半導体製造プロセスの間に導入された熱的応力および/または歪みの結果としてのフレキシブル基板のwarpおよび/またはbowを最小限にする。
【0031】
例えば、上記のいずれかの方法および実施形態に従って剛性支持体に取り付けられた時のフレキシブル基板のbowおよび/またはwarpは、約100μm未満であり、好ましくは、上記のいずれかの方法および実施形態に従って剛性支持体に取り付けられた時のフレキシブル基板のbowおよび/またはwarpは、約75μm未満である。さらに好ましくは、上記のいずれかの方法および実施形態に従って剛性支持体に取り付けられた時のフレキシブル基板のbowおよび/またはwarpは、約60μm未満である。
実施例
様々な例証的なキャリヤを、例証的な感圧性接着材料(アクリル、ポリアクリレートおよびシリコーンを含む)を使用して、表1に記載されているような厚みを有する2つの例証的なフレキシブル基板(PENまたはステンレス鋼(SS))のうちの1つに結合した。接着材料はスピンオン接着剤および接着テープを含む。
【0032】
得られたbowおよびフレックスデータを表1に提供される。このおよび同様のデータは、キャリヤとフレックス材料の間のCTEΔ(差)が小さいほど、bowが小さいことを明らかにしている。さらにデータは、粘弾性接着剤がキャリヤ/フレックス材料系内のbowの量を低減させることを実証している。例えば、ケイ素/SS系を見ると、ArClad(例えばAdhesives Research、ペンシルバニア州グレンロック所在より入手可能)はDCPC500(例えばESD Tapes、カリフォルニア州モンロビア所在より入手可能)よりも大きな粘弾性を有し、bowがより少ない。
【0033】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル基板アセンブリの製造方法であって、
180℃よりも低いガラス転移温度および220℃よりも高い分解温度を有する粘弾性ポリマーを含む接着層で、剛性支持体にフレキシブル基板を取り付けることを含む方法。
【請求項2】
前記取り付けることは、
剛性支持体の表面に接着層を堆積させること、および
接着層が剛性支持体とフレキシブル基板の間に存在するように、剛性支持体とフレキシブル基板を結合すること
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接着層は、スピンコーティング、スプレーコーティング、押出コーティングまたは予備成形ラミネーションによって堆積される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記接着層は、約10〜約1000ppm/℃の範囲の熱膨張率を有する請求項1−3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記接着層は、約27mPaリットル/秒(2×10-4トルリットル/秒)未満の割合で脱気する請求項1−3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
接着層はポリイミド、ポリアクリル、アクリル、ウレタン、エポキシ、フェノール、ビスマレイミド、シリコーンまたはシロキサンを含む請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
接着層はn−アクリル酸ブチル、ポリシロキサン、ポリシリコーンまたはポリイミドを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
接着層はn−アクリル酸ブチルを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
接着層はポリシロキサンを含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
接着層はポリシリコーンを含む請求項7に記載の方法。
【請求項11】
接着層はポリイミドを含む請求項7に記載の方法。
【請求項12】
剛性支持体は半導体ウェーハ、アルミナ、ガラスまたは熱膨張率がフレキシブル基板に適合した材料を含む請求項1−11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
剛性支持体は半導体ウェーハを含み、半導体ウェーハはSiを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
剛性支持体はアルミナを含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
剛性支持体は、熱膨張率がフレキシブル基板に適合した材料を含む請求項12に記載の方法。
【請求項16】
フレキシブル基板はプラスチック基板または金属基板である請求項1 −15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
フレキシブル基板はプラスチック基板であり、プラスチック基板はポリエチレンナフタレ
ート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート、環式オレフィン共重合体、またはそれらの混合物を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
フレキシブル基板は金属基板であり、金属基板はINVAR、KOVAR、チタン、タンタル、モリブデン、Aluchrome(商標)、アルミニウム、ステンレス鋼またはそれらの混合物を含む請求項16に記載の方法。
【請求項19】
金属基板はステンレス鋼を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
フレキシブル基板の表面上に1つまたは複数の電子部品をさらに構成することを含む請求項1−19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
フレキシブル基板と剛性キャリヤを接続する前に、
接着層上に絶縁層または金属層を直接形成すること、および
絶縁層または金属層上に両面接着テープを直接配置すること
をさらに含む請求項1−20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、接着層上に絶縁層を直接形成し、該絶縁層上に両面テープを直接配置することをさらに含み、絶縁層はSiO2またはSiNを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、接着層上に金属層を直接形成し、該金属層上に両面テープを直接配置することをさらに含み、金属層はアルミニウムを含む請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、フレキシブル基板のwarpまたはbowを制御する請求項1−23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
フレキシブル基板のbowまたはwarpが約100μm未満である請求項24に記載の方法。
【請求項26】
フレキシブル基板のbowまたはwarpが約60μm未満である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
フレキシブル基板上にディスプレイアーキテクチャを形成することをさらに含む請求項1−26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
フレキシブル基板の表面上に、1または複数の薄膜トランジスタ、有機発光ダイオード、無機発光ダイオード、電極アレイ、電界効果トランジスタ、パッシブ構造およびそれらの組み合わせを形成することをさらに含む請求項1−26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
フレキシブル基板、剛性支持体、および接着層を備えたアセンブリであって、
フレキシブル基板は、フレキシブル基板と剛性支持体の間の、180℃よりも低いガラス転移温度および220℃よりも高い分解温度を有する粘弾性ポリマーの接着剤を含む接着層で、剛性支持体に取り付けられている、アセンブリ。
【請求項30】
接着剤は、約10〜約1000ppm/℃の範囲の熱膨張率を有する請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項31】
接着剤は、約27mPaリットル/秒(2×10-4トルリットル/秒)未満の割合で脱気する請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項32】
接着層はポリイミド、ポリアクリル、アクリル、ウレタン、エポキシ、フェノール、ビスマレイミド、シリコーンまたはシロキサンを含む請求項30または31に記載のアセンブリ。
【請求項33】
接着層はn−アクリル酸ブチル、ポリシロキサン、ポリシリコーンまたはポリイミドを含む請求項32に記載のアセンブリ。
【請求項34】
接着層はn−アクリル酸ブチルを含む請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
接着層はポリシロキサンを含む請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項36】
接着層はポリシリコーンを含む請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項37】
接着層はポリイミドを含む請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項38】
剛性支持体は半導体ウェーハ、アルミナ、ガラスまたは熱膨張率がフレキシブル基板に適合した材料を含む請求項29−37のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項39】
半導体ウェーハはSiを含む請求項38に記載のアセンブリ。
【請求項40】
剛性支持体はアルミナを含む請求項38に記載のアセンブリ。
【請求項41】
剛性支持体は熱膨張率がフレキシブル基板に適合した材料を含む請求項38に記載のアセンブリ。
【請求項42】
フレキシブル基板はプラスチック基板または金属基板である請求項29−41のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項43】
プラスチック基板はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート、環式オレフィン共重合体またはそれらの混合物を含む請求項42に記載のアセンブリ。
【請求項44】
金属基板はINVAR、KOVAR、チタン、タンタル、モリブデン、Aluchrome(商標)、アルミニウムまたはステンレス鋼を含む請求項42に記載のアセンブリ。
【請求項45】
金属基板はステンレス鋼を含む請求項44に記載のアセンブリ。
【請求項46】
接着層上に直接形成された絶縁層または金属層と、
絶縁層または金属層上に直接形成された両面接着テープとをさらに備え、
フレキシブル基板は両面接着テープに接触している請求項29−45のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項47】
絶縁層はSiO2またはSiNを含む請求項46に記載のアセンブリ。
【請求項48】
金属層はアルミニウムを含む請求項46に記載のアセンブリ。
【請求項49】
フレキシブルディスプレイの処理方法であって、
フレキシブルディスプレイを生産すること、および
請求項1−28のいずれか一項に記載の剛性基板に、フレキシブル基板である前記フレ
キシブルディスプレイを取り付けること、
を含む方法。

【公表番号】特表2011−520248(P2011−520248A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504098(P2011−504098)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/039577
【国際公開番号】WO2009/126544
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(507080994)アリゾナ ボード オブ リージェンツ ア ボディー コーポレート アクティング オン ビハーフ オブ アリゾナ ステイト ユニバーシティ (17)
【氏名又は名称原語表記】ARIZONA BOARD OF REGENTS,a body corporate acting on behalf of ARIZONA STATE UNIVERSITY
【Fターム(参考)】