説明

半導体発光装置、発光モジュール、及び照明装置

【課題】複数の白色光源からの白色光の色温度の変化に関係なく、複数の白色光源からの白色光が合成された合成白色光の輝度を調整可能とする。
【解決手段】第1の白色光を発するための発光ダイオード及び蛍光体を含む第1の白色光源と、第1の白色光とスペクトルの異なる第2の白色光を発するための発光ダイオード及び蛍光体を含む第2の白色光源とを含む半導体発光装置であって、前記第1の白色光源からの白色光と前記第2の白色光源からの白色光とが合成された構成白色光が特定の輝度となるように決定された駆動電圧比で、第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々が駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スペクトルの異なる第1及び第2の白色光源を備える半導体発光装置、当該半導体発光装置を複数備えた発光モジュール,及び当該発光モジュールを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体発光素子及び蛍光体を用いた照明装置の形成に使用される発光モジュールがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の発光モジュールは、複数の半導体発光装置としてのパッケージを有している。各パッケージは、二つの分割領域部の夫々において、半導体発光素子(「LED(Light Emitting Diode)チップ」ともいう)が蛍光体で被覆された発光体を備えている。各LEDチップに電力が供給されることで、二つの分割領域部の夫々からは、半導体発光素子からの光、及び半導体発光素子からの光で励起された蛍光体から発せられる光により、白色光が発せられるように構成されている。すなわち、パッケージは、二つの白色LEDを備えた構成となっている。
【0003】
図32は、パッケージの発光制御のために各白色LED(発光体)に供給される電流の一例を示す。図32(a)は、配線を介して一方の分割領域部内に配置されるLEDチップに供給される電流の推移を示しており、図21(b)は配線を介して他方の分割領域部に配置されるLEDチップに供給される電流の推移を示している。各LEDチップには、矩形状の電流が供給され、且つ一方のLEDチップ側に供給される電流量と、他方のLEDチップ側に供給される電流量の総和は、各LEDチップに印加する電圧を一定とし、通電時間を変化させることにより、一定になるように制御される。図32に示す状態は、一方のLEDチップ側に供給される電流量は当該総和の25%であり、他方のLEDチップ側に供給される電流量は当該総和の75%である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−231525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、各分割領域部に同じLEDチップが配置された場合には、一方の分割領域部から発せられる白色光の輝度への寄与と、他方の分割領域部から発せられる白色光の輝度への寄与とは、1:3とはならない。その理由は、次のようなものである。
【0006】
各分割領域部に配置される発光体の組合せは、紫外〜紫色LEDチップと赤色、緑色、青色蛍光体との組合せを組合せ(組合せA)、青色LEDチップと赤色、緑色蛍光体との組合せ(組合せB)、青色LEDチップと黄色蛍光体との組合せ(組合せC)、が挙げられる。
【0007】
ここで、上記組合せA、B、Cのそれぞれにおいて、各分割領域部に配置するLEDチップの種類・数は同じとし、蛍光体の濃度のみを調整することで得られる白色光の色温度と、その発光効率との関係を図33に示す。
【0008】
図33の横軸は色温度(K)を表し、縦軸は発光効率(lm/W)を表す。そして、図中の線LAは組合せAに対応し、線LBは組合せBに対応し、線LCは組合せCに対応している。図33から分かるように、上記3つの組合せの中で、組合せAに対応する線LAの傾
きが最も小さく、ほぼ水平な直線状態になっており、組合せCに対応する線LCの傾きが最も大きくなっている。この各直線の傾きが大きくなるほど、色温度を変化させようとするとき、その発光効率が大きく変動することを意味する。
【0009】
該直線に傾きがあることから、前述のような通電制御により色温度を変化させたとき、白色LEDの輝度が大きく変動することを意味する。分かり易い例えでいえば、一方の分割領域部側のみを点灯させている状態と、他方の分割領域部側のみを点灯させている状態とでは、各LEDチップに供給される電力は同じであるが、白色LEDの発光効率(輝度を指標とした効率=輝度効率=luminous efficacy:単位lm/W)が異なるため、両状態で
は明るさが異なるのである。
【0010】
従って、二つの分割領域部から発せられる白色光の合成比率を、図32に示した通電制御により変化させて色温度を変化させる場合に、合成白色光の輝度が一定とならないおそれがあった。
【0011】
本発明は、上述した問題に鑑みなされたものであり、2つの白色光源からの白色光が合成された合成白色光の輝度を特定の値に調整可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様は、第1の白色光を発するための発光ダイオード及び蛍光体を含む第1の白色光源と、前記第1の白色光とスペクトルの異なる第2の白色光を発するための発光ダイオード及び蛍光体を含む第2の白色光源とを含む半導体発光装置であって、前記第1の白色光源からの白色光と前記第2の白色光源からの白色光とが合成された合成白色光が特定の輝度となるようにあらかじめ決定された駆動電圧比で、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々が駆動されることを特徴とする半導体発光装置である。
【0013】
第1の態様によれば、第1及び第2の白色光源に対する駆動電圧の比で、各白色光源の合成白色光の輝度に対する寄与度を調整でき、これによって、合成白色光を特定の値に調整することができる。
【0014】
第1の態様は、前記第1の白色光源からの白色光と前記第2の白色光源からの白色光とが合成された合成白色光が特定の色温度となるように決定された単位時間当たりにおける駆動電圧の印加時間の比、及び前記第1の白色光源のみを点灯させたときの輝度と前記第2の白色光源のみを点灯させたときの輝度とが同じになるようにあらかじめ決定された駆動電圧比で、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々が駆動されるように構成することができる。このようにすれば、色温度の変化に対して輝度が一定の合成白色光を得ることができる。
【0015】
本発明の第1の態様は、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々に対し、電源回路から前記駆動電圧比での駆動電圧が印加されるように構成することができる。この場合、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々に対し、正の電圧が前記駆動電圧比で印加されるように構成することができる。或いは、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの一方に対し、絶対値の比が前記駆動電圧比である正負の電圧の一方が印加され、前記発光ダイオードの他方に対し、前記正負の電圧の他方が印加されるようにすることもできる。また、本発明の第1の態様は、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードのそれぞれに対し、所定周期内において一定時間一定値の電圧が印加されるようにして、前記駆動電圧比に応じた駆動電圧を印加するように構
成可能である。さらに、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々に対し、台形状の電圧波形を有する駆動電圧が印加されるように構成することもできる。或いは、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの一方に前記駆動電圧比に応じた電圧が印加されている場合には、前記他方の発光ダイオードには、オフセット電圧が印加されるように構成することもできる。
【0016】
また、本発明の第1の態様は、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々に対し、前記駆動電圧比での電圧が所定周期内で時間が重ならないように供給され、前記各発光ダイオードに前記電圧比に応じた電圧が印加される時間の間には、前記各発光ダイオードの双方に電圧が印加されないインターバル期間が設けられているように構成することができる。また、第1の態様は、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと、前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとが、極性を逆にして並列接続されている様に構成可能である。
【0017】
また、本発明の第1の態様は、前記第1の白色光源と前記第2の白色光源との少なくとも一方に、当該第1及び第2の白色光源に含まれる発光ダイオードの夫々に対して印加される電圧が前記駆動電圧比となるように調整する抵抗素子が接続されているように構成することができる。
【0018】
また、本発明の第1の態様は、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの少なくとも一方に対して直列又は並列に接続される少なくとも一つの保護素子を含むことができる。
【0019】
本発明の第2の態様は、第1の態様における半導体発光装置を複数個備え、
前記各半導体発光装置に含まれる前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードが半導体発光装置間で直列接続されるとともに、前記各半導体発光装置に含まれる前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードが半導体発光装置間で直列に接続された発光モジュールである。
【0020】
本発明の第2の態様は、前記各半導体発光装置における前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオード、及び前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの少なくとも一方に対して直列又は並列接続される保護素子をさらに含むことができる。
【0021】
本発明の第3の態様は、第2の態様における発光モジュールを複数個備え、
前記各発光モジュールに含まれる前記第1の白色光源に含まれる複数の発光ダイオードが発光モジュール間で直列接続されるとともに、前記各発光モジュールに含まれる複数の前記第2の白色光源に含まれる複数の発光ダイオードが発光モジュール間で直列接続された照明装置である。
【0022】
本発明の第3の態様は、前記各発光モジュールに含まれる前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオード、及び前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの少なくとも一方に対して直列又は並列接続される保護素子をさらに含むように構成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、2つの白色光源からの白色光が合成された合成白色光の輝度を特定の値に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】図1Aは、発光モジュールを構成する半導体発光装置(白色LED)内の、パッケージの概略構成の斜視図である。
【図1B】図1Bは、パッケージに設けられた半導体発光素子(LEDチップ)に電力を供給する配線の実装状態を示す図である。
【図1C】図1Cは、図1A及び図1Bに示すパッケージ1を電気的記号を用いて模式化した図である。
【図2】図2は、図1Aに示す白色LEDにおいて、上記配線を含む面で切断した場合の断面図である。
【図3】図1に示す半導体発光装置での半導体発光素子と基板との接続関係を示す図である。
【図4】図1に示す半導体発光装置において、各分割領域部からの出力光に設定される白色光の色度点と黒体輻射軌跡との関係を示す図である。
【図5】図4に示す白色光の色度点と黒体輻射軌跡との関係についての要部拡大図である。
【図6】図6(a)は本発明の実施例に係る発光モジュールの構成を示す図であり、図6(b)は該発光モジュールにおける半導体発光装置の配置について簡略に示す図である。
【図7】図6に示す発光モジュールでの、半導体発光装置間の電力供給のための配線の状態を示す図である。
【図8】図8は、発光モジュールの発光制御のために各白色LEDに印加される電圧の一例を示す。
【図9】図9は、実施形態1の変形例の説明図である。
【図10】図10は、台形状の電圧を印加するための電源及び制御回路の構成例を示す。
【図11】図11は、図7において、抵抗器R1及びR2が除かれている場合において、LEDチップの夫々に対する所定の印加時間の比(T1/T2)で、且つ所定の駆動電圧比でLEDチップを駆動可能な制御回路の構成例を示す。
【図12】図12は、実施形態2に係る白色LEDを電気的記号を用いて模式化した図である。
【図13】図13は、発光モジュール30を電気的記号を用いて模式化した図である。
【図14】図14は、交流電源回路により、各白色LEDに供給される電流の例を示す。
【図15】図15は、印加電圧波形の変形例を示す。
【図16】図16は、変形例の説明図である
【図17】図17は、台形状の正の電圧VF1と負の電圧VF2とを交互に印加する場合の電圧の時間的変化を示す。
【図18】図18は、印加電圧波形の変形例を示す。
【図19】図19は、実験用のパッケージにおいて穴の封止に使用した蛍光体ペースト重量と、作製した蛍光体ペーストの配合とを示す表である。
【図20】図20(A)は、実験用のパッケージ1を用いた実験装置を模式的に示す図であり、図20(B)は、実験に用いたパッケージ1の駆動条件を示す表である。
【図21】図21は、実験に使用したパッケージ(白色光ランプ)の発光スペクトルの変化を示す。
【図22】図22は、パルス幅条件(Scan)1〜12での光出力(放射束)(mW)及び色温度変化を示すグラフである。
【図23】図23は、パルス幅条件(Scan)1〜12での光束(lm)及び色温度変化を示すグラフである。
【図24】図24は、実験で使用したパッケージ(白色光ランプ)の座標の変化を示す。
【図25】実験結果をまとめた表である。
【図26】図26(A)は、分割領域側12B側のLEDチップ3Bに対する駆動電圧のデューティ比の変化との関係を示す図であり、図26(B)は、図26(A)に示した近似曲線を用いて、2500K,3000K,3500K,4000K,4500K,5000K,5500K,5900Kを発色する場合における各LEDチップに対する駆動電圧比の例を示す。
【図27】図27は、複数の白色LED(パッケージ)に含まれるLEDチップを直列接続した例を示す。
【図28】図28は、図27と同様の回路構成において、整流素子をLEDチップ毎にLEDチップに対して並列接続した例を示す。
【図29】図29は、複数の白色LED(発光モジュール)のそれぞれを構成するLEDチップが直列接続される一方で、複数の白色LED(発光モジュール)のそれぞれを構成するLEDチップが直列接続され、直列接続されたLEDチップ群と、直列接続されたLEDチップ群とが、直流電源に対して並列接続された例を示す。
【図30】図30は、2つのLEDチップが並列接続された白色LEDが複数個直列に接続された例を示す。
【図31】図31は、多段接続された白色LED(発光モジュール)が交流電源からの交流電圧で交流駆動される例を示す。
【図32】図32は、パッケージの発光制御のために各白色LED(発光体)に供給される電流の一例を示す。
【図33】白色光の色温度と、その発光効率との関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0026】
<実施形態1>
以下、実施形態1に係る半導体発光装置(パッケージ)、パッケージを含む発光モジュール,及び発光モジュールを用いた照明装置について説明する。
【0027】
図1Aは、発光モジュール30(後述する図7を参照。)を構成する半導体発光装置(以下、「白色LED」という)8内の、パッケージ1の概略構成の斜視図であり、図1Bは、パッケージ1に設けられた半導体発光素子(以下、「LEDチップ」という)3A、3Bに電力を供給する配線20A、20Bの実装状態を示す図である。また、図1Cは、図1A及び図1Bに示すパッケージ1を電気的記号を用いて模式化した図である。更に、図2は、図1Aに示す白色LED8において、上記配線20A、20Bを含む面で切断した場合の断面図である。
【0028】
図1Aに示すように、白色LED8はパッケージ1を含んで構成され、該パッケージ1は、基板2上に配置された環状且つ円錐台形状のリフレクタ10を有する。このリフレクタ10は、後述する各分割領域部12からの出力光の一部を、白色LED8の出射方向に導く機能を有するとともに、パッケージ1の本体としての機能も果たす。なお、リフレクタ10の円錐台形状の上面側は、白色LED8による光の出射方向となり、開口部13を形成している。一方で、リフレクタ10の円錐台形状の下面側は基板2が配置され、詳細は後述するがLEDチップへの電力供給のための配線が敷設等されている(当該配線は図1Aには図示せず)。
【0029】
そして、この環状のリフレクタ10の内部の空間を図1A、図2に示すように均等に二つの領域に分割する間仕切り11が、基板2に対して垂直に設けられている。この間仕切り11によって、リフレクタ10内に2つの分割領域部12A、12Bが画定されるとともに、分割領域部12Aの開口部は、リフレクタ10の開口部13の右半分を占め、分割
領域部12Bの開口部は、リフレクタ10の開口部13の左半分を占めることになる。本出願においては、分割領域部12Aの開口部を、分割開口部13Aと称し、分割領域部12Bの開口部を、分割開口部13Bと称する。即ち、開口部13は、間仕切り11によって分割開口部13Aと13Bに分割されたことになる。
【0030】
但し、パッケージ1における分割領域部12Aと12Bの形状は、垂直な壁体を間仕切り11として設けた構造に限定されるものではない。分割領域部12Aと12Bは、それぞれが円錐台、角錐台、半球などの形状を有する窪みであってもよい。また、両分割領域部12A,12Bの形状や内容積が同じであることも必須ではない。
【0031】
また、図1Aに示すパッケージ1は、一体となった部材中に分割領域部12Aと12Bを含む構造体であるが、このようなパッケージ1を用いることは必須ではない。分割領域部としての構成を備える二つの構造体(パッケージ)を並置して、一方を分割領域部12A、他方を分割領域部12Bとして機能させることが可能である。
【0032】
図1Aに示す分割領域部12A、12Bには、LEDチップ3A、3Bがそれぞれ4個ずつ設けられている。このLEDチップ3A、3B(これらのLEDチップを包括的に参照する場合はLEDチップ3と称する。)は、対となる配線20A、20B(包括的に配線20と称する場合もある。)にそれぞれ接続され、電力供給を受けることで発光を行う。なお、各分割領域部での配線20へのLEDチップ3の接続は、図1Bに示すように、配線20Aの上に4個のLEDチップ3Aが実装され、配線20Bの上に4個のLEDチップ3Bが実装される。そして、各分割領域における4個のLEDチップ3は、対応する配線に対して順方向に並列接続されている。
【0033】
LEDチップとしては、紫外線波長を発する紫外LEDチップ(発光ピーク波長300〜400nm),紫色光を発する紫色LEDチップ(発光ピーク波長400〜440nm),青色光を発する青色LEDチップ(発光ピーク波長440nm〜480nm)を適用することができる。各分割領域部12A,12Bに設けるLEDチップ3の数は、例えば、1〜10個である。LEDチップ3の数は、チップサイズと必要な明るさに応じて適宜決定すればよい。また、各分割領域部12A,12Bに設けられるLEDチップ3の種類は、同種類であっても異種類であっても良い。異種類の組み合わせとしては、紫外又は紫色LEDと青色LEDとの組み合わせが考えられる。
【0034】
これらのLEDチップ3A、3Bの実装状態を模式化して示すと図1Cのようになる。即ち、分割領域部12Aに配置される4つのLEDチップ3Aに対しては、配線20Aより電力供給が行われ、分割領域部12Bに配置される4つのLEDチップ3Bに対しては、配線20Bより電力供給が行われる。図1Cに示すように、配線20A,20Bの出力側には、抵抗器R1,R2が設けられる。抵抗器R1,R2の作用に関しては後述する。
【0035】
ここで、LEDチップ3の基板2への実装について、図3に基づいて説明する。基板2は、LEDチップ3を含む白色LED8を保持するための基部であり、メタルベース部材2A、メタルベース部材2A上に形成された絶縁層2D、および絶縁層2D上に形成された対配線20C、20Dを有している。LEDチップ3は、相対する底面および上面に一対の電極であるp電極及びn電極を有しており、対配線20Cの上面に、AuSnの共晶半田5を介してLEDチップ3の底面側の電極が接合されている。LEDチップ3の上面側の電極は、金属製のワイヤ6によって、もう一方の対配線20Dに接続されている。これらの対配線20C、20Dの対で、図1Bに示される一つ対の配線20Aあるいは20Bをなし、各分割領域部の4個のLEDチップ3への電力供給が行われる。
【0036】
尚、LEDチップ3と基板2の一対の対配線20C、20Dとの電気的接続は、図3に
示す形態に限られず、LEDチップ3における電極の組の配置に応じて適宜方法で行なうことができる。例えば、LEDチップ3の片面のみに電極の組が設けられている場合は、電極が設けられている面を上に向けてLEDチップ3を設置し、各組の電極と各対配線20C、20Dとを例えば金製のワイヤ6でそれぞれ接続することによって、対配線20C、20DとLEDチップ3とを電気的に接続することができる。また、LEDチップ3がフリップチップ(フェースダウン)の場合は、LEDチップ3の電極と対配線20C、20Dとを金バンプや半田で接合することによって電気的に接続することができる。
【0037】
ここで、LEDチップ3は、後述する蛍光部14A、14B(包括的に蛍光部14と称する場合もある。)を励起するものである。中でも、GaN系化合物半導体を使用したGaN系LED素子であることが好ましい。なぜなら、紫外〜青の光を発するのに、発光出力や外部量子効率が格段に大きく、後述の蛍光体と組み合わせることによって、非常に低電力で非常に明るい発光が得られるからである。GaN系LED素子においては、Inを含む発光層、例えば、AlxGayInzN発光層、またはInxGayN発光層を有しているものが好ましい。よく知られていることであるが、発光波長が紫〜青の場合は、発光層をInxGayN井戸層を備えた多重量子井戸構造とし、この井戸層をクラッド層で挟んだダブルヘテロ構造とすると、発光効率が特に高くなる。
【0038】
図3に示すように、基板2上には、このLEDチップ3から発せられる光の一部を吸収して異なる波長の光を発する複数あるいは単独の蛍光体及び前記蛍光体を封止する透光性材料を含有する蛍光部14が、LEDチップ3を覆って設けられている。尚、図3ではリフレクタ10の記載は省略されているが、このような形態もパッケージから構成される白色LEDの一形態となり得る。LEDチップ3から発せられた光の一部は、蛍光部14内の発光物質(蛍光体)に励起光として一部又は全部が吸収される。より具体的に白色LED8における蛍光部について図2に基づいて説明すると、分割領域部12Aにおいては、蛍光部14AがLEDチップ3Aを覆い、且つその蛍光部14Aは分割開口部13Aにて露出される。また、分割領域部12Bにおいては、蛍光部14BがLEDチップ3Bを覆い、且つその蛍光部14Bは分割開口部13Bにて露出される。従って、各蛍光部14A,14Bからの出力光は、各分割開口部から外部に出射される。
【0039】
次に、蛍光部14について詳細に説明する。本実施形態に係る白色LED8は、白色光を出力することを目的とし、特に、白色LED8の発光色が、UCS(u、v)表色系(CIE1960)のuv色度図において、黒体輻射軌跡からの偏差duvができるだけ小さくなるように、好ましくは−0.02≦duv≦0.02を満たすように、LEDチップ3と蛍光体の組み合わせを選択する。尚、本発明における黒体輻射軌跡からの偏差duvは、JIS Z8725(光源の分布温度及び色温度・相関色温度の測定方法)の5.
4項の備考の定義に従う。但し、黒体輻射軌跡は絶対的な基準ではない。人工的な規格に応じた発光色(人為的に定められた基準光からの偏差で規格化された発光色)が要求される場合がある。
【0040】
LEDチップ3の発光波長が紫外または紫の場合は、蛍光体によりRGBの3原色または、BY、RGなどの補色関係にある波長の光を発生させることにより、白色光を得る。LEDチップ3の発光波長が青の場合には、蛍光体によりYまたは、RGの光を発生させ、LEDチップ3の発光との混色により白色光を得る。
【0041】
好ましい蛍光体はよく知られている。
【0042】
(赤色蛍光体)
赤色蛍光体としては、 (Mg,Ca,Sr,Ba)2Si58:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、 (Y,La,Gd,Lu)22
:Euで表されるユウロピウム付活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光体、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、及びMoよりなる群から選ばれる少なくも1種の元素を含有する酸窒化物および/または酸硫化物を含有する蛍光体であって、Al元素の一部または全てがGa元素で置換されたアルファサイアロン構造をもつ酸窒化物を含有する蛍光体、 (La,Y)22S:Eu等のEu付活酸硫化物蛍光体、Y(V,P)O4:Eu、Y23:Eu等のEu付活酸化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu,Mn、(Ba,
Mg)2SiO4:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、(Ca,Sr)S:Eu等
のEu付活硫化物蛍光体、YAlO3:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、LiY9(
SiO4)62:Eu、Ca28(SiO4)62:Eu、(Sr,Ba,Ca)3SiO5:E
u、Sr2BaSiO5:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、(Y,Gd)3Al512:Ce、(Tb,Gd)3Al512:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、(Ca,Sr,Ba)2
Si58:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)SiN2:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)
AlSiN3:Eu等のEu付活窒化物蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN3:Ce等のCe付活窒化物蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu,M
n等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、Ba3MgSi28:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)3(Zn,Mg)Si28:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn等のMn付活ゲルマン酸塩蛍光体、Eu付活αサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)23:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)22S:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸硫化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)VO4:Eu,Bi等のEu,Bi
付活バナジン酸塩蛍光体、SrY24:Eu,Ce等のEu,Ce付活硫化物蛍光体、CaLa24:Ce等のCe付活硫化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgP27:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)227:Eu,Mn等のEu,Mn付活リン酸塩
蛍光体、(Y,Lu)2WO6:Eu,Mo等のEu,Mo付活タングステン酸塩蛍光体、(
Ba,Sr,Ca)xSiyz:Eu,Ce(但し、x、y、zは、1以上の整数)等のEu,Ce付活窒化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO4)6(F,Cl,Br,O
H)2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、((Y,Lu,Gd,Tb)1-xScxCey)2(Ca,Mg)1-r(Mg,Zn)2+rSiz-qGeqO12+δ等のCe付活珪酸塩蛍光体、β−ジケトネート、β−ジケトン、芳香族カルボン酸、または、ブレンステッド酸等のアニオンを配位子とする希土類元素イオン錯体からなる赤色有機蛍光体、ペリレン系顔料(例えば、ジベンゾ{[f,f']−4,4',7,7'−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1',2',3'−lm]ペリレン)、アントラキノン系顔料、レーキ系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、などを例示することができる。
【0043】
(緑色蛍光体)
緑色蛍光体としては、 (Mg,Ca,Sr,Ba)Si222:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、 (Ba,Ca,Sr,Mg)2SiO4:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類シリケート系蛍光体、Sr4Al1425:Eu、(Ba,Sr,Ca)Al24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ba)Al2Si28:Eu、(Ba,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Y2SiO5:Ce,Tb等のCe,Tb付活珪酸塩蛍光体、Sr227
−Sr225:Eu等のEu付活硼酸リン酸塩蛍光体、Sr2Si38−2SrCl2
Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、Zn2SiO4:Mn等のMn付活珪酸塩蛍光体、C
eMgAl1119:Tb、Y3Al512:Tb等のTb付活アルミン酸塩蛍光体、Ca2
8(SiO4)62:Tb、La3Ga5SiO14:Tb等のTb付活珪酸塩蛍光体、(Sr
,Ba,Ca)Ga24:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活チオガレート蛍光
体、Y3(Al,Ga)512:Ce、(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)3(Al,Ga)512:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、Ca3Sc2Si312:Ce、Ca3(Sc,Mg,Na,Li)2Si312:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaSc24:Ce等のCe付活酸化物蛍光体、SrSi222:Eu、(Sr,Ba,Ca)Si22
2:Eu、Eu付活βサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、BaMgAl1017
Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、SrAl24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(La,Gd,Y)22S:Tb等のTb付活酸硫化物蛍光体、LaPO4:Ce,Tb等のCe,Tb付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Cu,Al、ZnS:C
u,Au,Al等の硫化物蛍光体、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO3:Ce,Tb、
Na2Gd227:Ce,Tb、(Ba,Sr)2(Ca,Mg,Zn)B26:K,Ce,
Tb等のCe,Tb付活硼酸塩蛍光体、Ca8Mg(SiO4)4Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)24:Eu等のEu付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、(Ca,Sr)8(Mg,Zn)(SiO4)4Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、ピリジン−フタルイミド縮合誘導体、ベンゾオキサジノン系、キナゾリノン系、クマリン系、キノフタロン系、ナルタル酸イミド系等の蛍光色素、テルビウム錯体等の有機蛍光体、などを例示することができる。
【0044】
(青色蛍光体)
青色蛍光体としては、BaMgAl1017:Euで表されるユウロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光体、 (Ca,Sr,Ba)5(PO4)3Cl:Euで表されるユウロピウム付活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、 (Ca,Sr,Ba)259Cl:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、 (Sr,Ca,Ba)Al24:Euまたは(Sr,Ca,Ba)4Al1425:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類アルミネート系蛍光体、Sr227:Sn等のSn付活リン酸塩蛍
光体、Sr4Al1425:Eu、BaMgAl1017:Eu、BaAl813:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、SrGa24:Ce、CaGa24:Ce等のCe付活チオガレート蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活アルミン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba,M
g)10(PO4)6Cl2:Eu、(Ba,Sr,Ca)5(PO4)3(Cl,F,Br,OH):E
u,Mn,Sb等のEu,Tb,Sm付活ハロリン酸塩蛍光体、BaAl2Si28:E
u、(Sr,Ba)3MgSi28:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Sr227:Eu等のEu付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光体、Y2
SiO5:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaWO4等のタングステン酸塩蛍光体、(B
a,Sr,Ca)BPO5:Eu,Mn、(Sr,Ca)10(PO4)6・nB23:Eu、2SrO・0.84P25・0.16B23:Eu等のEu,Mn付活硼酸リン酸塩蛍光体、Sr2Si38・2SrCl2:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、ナフタル酸イミド系、ベンゾオキサゾール系、スチリル系、クマリン系、ピラゾリン系、トリアゾール系化合物の蛍光色素、ツリウム錯体等の有機蛍光体、などを例示することができる。
【0045】
白色LED8は、上述のLEDチップ3および蛍光体を含む蛍光部14を備えていればよく、そのほかの構成は特に制限されない。LEDチップ3および蛍光部14は、通常、LEDチップ3の発光によって蛍光体が励起されて発光を生じ、この発光が、外部に取り出されるように配置されることになる。このような構造を有する場合、上述のLEDチップ3および蛍光体は、通常は透光性材料(封止材料)で封止保護される。具体的には、この封止材料は、上記蛍光部14に含まれることで蛍光体を分散させて発光部分を構成したり、LEDチップ3、蛍光体および基板2間を接着したりする目的で採用される。
【0046】
そして、使用される透光性材料としては、通常、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化
性樹脂等が挙げられるが、LEDチップ3はその出力光の波長が300nm〜480nmという短波長域にあるため、その出力光に対して充分な透明性と耐光性のある樹脂が封止材料として好ましい。そこで、封止材料として、具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。また、無機系材料、例えば、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液又はこれらの組み合わせを固化した無機系材料、例えばシロキサン結合を有する無機系材料やガラスを用いることもできる。
【0047】
これらのうち、耐熱性、耐光性の点から、珪素含有化合物であるシリコーン樹脂や金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料、例えばシロキサン結合を有する無機系材料が好ましい。
【0048】
このように構成される白色LED8は、間仕切り11で分割された二つの分割領域部12A、12Bにそれぞれ、4個のLEDチップ3が発する光によって励起される蛍光部14が設けられ、且つリフレクタ10の内部において二つの分割領域部12A、12Bが、その出力光の出射口、即ち分割開口部13A、13Bを並べて一体的に設けられている。そして、各蛍光部14A、14Bからの出力光(LEDチップが青色光を発する場合は、LEDチップの出力光も含んでよい)である白色光は、それぞれ分割開口部13A、13Bから外部に出射される。ここで、この分割開口部のそれぞれから放出される白色光は、蛍光体を含む蛍光部14を介して得られるため、成分光(LEDチップ、各蛍光体から発せられる光)が充分に拡散され(通常、蛍光体粒子と封止材の屈折率に十分な差があるため、散乱・乱反射が生じることによる)、配光がランバーシアン的となり出射される。その結果、複数の分割領域部から出射される白色光どうしの混合が効果的に起こるので、均一な白色光が得られる。
【0049】
ここで、分割領域部12Aから出力される白色光(以下、「白色光A」と言う。)と分割領域部12Bから出力される白色光(以下、「白色光B」と言う。)のスペクトルは、互いに異なるように、蛍光部14Aに含まれる蛍光体と蛍光部14Bに含まれる蛍光体とが適宜選択される。また、白色光A、Bに対応するxy色度図(CIE1931)上の色度点をWL、WHで表すものとすると、図4、5に示すように、色度点WLの相関色温度は
2600K、色度点WHの相関色温度は9000Kとする。また、色度点WLは、黒体輻射軌跡BBLからの偏差duvが+0.005であり、色度点WHは、黒体輻射軌跡BBL
からの偏差duvが+0.01であるとする。尚、図5は、図4の要部拡大図であり、図中に示されている黒体輻射からの偏差の範囲−0.02≦duv≦0.02は、UCS表色系(CIE1960)からxy色度図(CIE1931)上へ変換したものである。
【0050】
なお、白色光Aと白色光Bとの相関色温度そのものは、目的に応じて適宜変更することがえきる。両者の相関色温度差が2000K以上あれば、色温度差が知覚されるので、“色温度可変”とすることができる。また、上述したように、黒体輻射軌跡は絶対的な基準ではない。人工的な規格に応じた発光色(人為的に定められた基準光からの偏差で規格化された発光色)が要求される場合がある。
【0051】
このように、白色LED8(半導体発光装置)は、白色光Aを発する分割領域部12A、すなわち、発光ダイオードを含む第1の白色光源と、白色光Bを発する分割領域部12B、すなわち、発光ダイオードを含む第2の白色光源であって、第1の白色光源から発せ
られる白色光とスペクトルの異なる白色光を発する第2の白色光源とを備え、第1及び第2の白色光源からの白色光が合成された合成白色光を発するものである。そして、白色LED8は、第1及び第2の白色光源に対する駆動電力が供給される時間(駆動電圧の印加時間,駆動電流の通電時間,或いは白色光源の発光時間)が所定比となるように制御されることで、合成白色光の色温度を変更可能とするものである。
【0052】
ここで、上記に示すように構成され、2つの色温度間の色温度となる白色光を容易に出力できる白色LED8を複数用いて構成される発光モジュール30の構成例について、図6に基づいて説明する。
【0053】
図6(a)は、発光モジュール30の具体的構成を示す図であり、図6(b)は、図6(a)に示す発光モジュール上の5台の白色LED8の配置状態を模式的に示す図である。白色LED8は、環状のベース31上に環状に配置されている。白色LED8の開口部13上に凸レンズ等のレンズ素子を設けることができる。
【0054】
また、発光モジュール30においては、各発光装置8が有する5つの分割領域部12Aの配線20Aは直列に結線されて、配線34を形成し、5つの分割領域部12Bの配線20Bは直列に結線されて、配線35を形成している。更に、各発光装置8のグラウンド線も各発光装置8を直列に結線することで、配線36を形成している。図7には、これらの配線34〜36によって結線された5台の発光装置8の状態を模式的に示す。そして、これらの配線34〜36に対して、各発光装置8を発光させるための電力を供給する電極32、33が設けられている。このように各発光装置8のそれぞれの分割領域部12A、12Bを直列に結線することで、発光モジュール30の発光制御を容易に行うことができる。さらに、本実施形態においては、配線34,35の出力側に、抵抗器R1,R2が夫々設けられている。これにより、個々の白色LED8については、図1Cに示したように、各配線の出力側に抵抗器R1,R2が夫々直列接続された状態となっている。
【0055】
図8は、発光モジュール30の発光制御のために各白色LED8に印加される電圧の一例が示されている。図8(a)は配線34を介して各白色LED8の分割領域部12A内に配置されるLEDチップ3Aに印加される電圧の推移を示しており、図8(b)は配線35を介して各白色LED8の分割領域部12B内に配置されるLEDチップ3Bに印加される電圧の推移を示している。図8(a)(b)に示すように、所定周期Tにおいて、第1の白色光源と第2の白色光源とのそれぞれに対し、一定時間一定値の電圧が印加される。
【0056】
各LEDチップ3には、図示しない電源回路によるパルス幅変調(PWM)制御により、周期Tにおいて所望のデューティ比で図示しない電源回路からの電圧が印加される。図8(a)(b)の例では、LEDチップ3Aに対しては、所定の時間T1において一定の略矩形状の電圧が印加され、LEDチップ3Bは、所定の時間T2において一定の略矩形状の駆動電圧が印加される。LEDチップ3AとLEDチップ3Bとのそれぞれは、駆動電圧が印加されている間、電圧値に応じた駆動電流が流れてオンとなる。このような、LEDチップ3Aがオンの時間T1と、LEDチップ3Bがオンの時間T2との比が制御されることで、白色LED8が発する合成白色光の色温度が変化する。時間T1、T2は、電力供給時間と称する(但し、印加時間、通電時間、或いは発光時間とも表記することもある)。図8(a)(b)の例において、第1の白色光源の点灯時間(所定の時間T1)と第2の白色光源の点灯時間(所定の時間T2)との比(T1及びT2の一方に対する他方の比率)によって、合成白色光の色度(色温度)が決まる。一方、所定周期Tに対する点灯時間T1及びT2の比率(所定周期Tにおける第1及び第2の白色光源のオン/オフの比)によって、合成白色光の輝度(発光量)が決まる。従って、所定周期Tにおける点灯時間の比(T1/T2)、及び所定周期Tにおける発光ダイオードのオン/オフの比(
T/T1+T2)のそれぞれを制御することにより、合成白色光の色温度及び輝度をそれぞれ調整可能である。
【0057】
図8(a)(b)の例では、電力供給時間が重ならないようにして電流が通電される。すなわち、LEDチップ3の一方がオンの時には他方はオフとなる。但し、合成白色光の色温度を所望の(特定の)値にできる限り、時間T1と時間T2とはオーバラップする部分を含んでいても良い(図17参照)。
【0058】
ここで、配線34、35に挿入された抵抗器R1,R2(R1<R2)によって、LEDチップ3Aのみが点灯した場合の白色光Aの輝度と、LEDチップ3Bのみが点灯した場合の白色光Bの輝度とが同じになるように、各LEDチップ3A,3Bに印加される駆動電圧の比が決定される。つまり、電源電圧は同じであっても、抵抗器R1の抵抗値と抵抗器R2との抵抗値との差によって、異なる駆動電圧がLEDチップ3A,3Bに印加される。図8(a)(b)に示す例では、LEDチップ3Aに対する駆動電圧がLEDチップ3Bに対する駆動電圧よりも高くなるように電圧比が決定されている(図8(a)の網掛け部分参照)。したがって、配線34を流れる電流値、すなわちLEDチップ3A側に流れる電流値は、配線35を流れる電流値、すなわちLEDチップ3B側に流れる電流値よりも高くなっている。
【0059】
このように、単位時間(1周期T)当たりにおけるLEDチップ3A側とLEDチップ3B側とに対する電力供給時間の比(T1/T2)を変化させる。これによって、発光モジュール30の出力光の相関色温度を2600Kから9000Kの間の任意の値に調整することができる。さらに、LEDチップ3A側からの白色光AとLEDチップ3B側からの白色光Bとの輝度が同じとなるような電圧比で各チップに対して駆動電圧が印加されるので、色温度の変化に拘わらず白色LED8からの合成白色光の輝度を一定にすることができる。言い換えれば、白色LED8から発せられる合成白色光の色温度・及び輝度(明るさ)を所望の値に調整することができる。なお、分割領域部12Aと分割領域部12Bからの発光強度の比率の変化については、段階的に変化させてもよく、また連続的に変化させてもよい。
【0060】
なお、図7では、抵抗器R1及びR2(R1<R2)を設けた例を示したが、各分割領域部12を構成するLEDチップの種類・数,蛍光体の種類・濃度に応じて、R1>R2としてもよい。或いは、抵抗器R1とR2との一方のみが設けられていても良い。また、抵抗器R1,R2として、可変抵抗器を適用することもできる。また、抵抗器R1及びR2は、各LEDチップの入力側に設けることもできる。抵抗器R1,R2は、配線上に挿入しても良く、発光モジュール又はパッケージ内に組み込んでも良い。
【0061】
<<変形例>>
上述した実施形態1は、以下の変形が可能である。図9は、実施形態1の変形例の説明図である。図7に示したように、照明装置としては、複数の発光モジュール30が直列に接続されることが考えられる。この場合、各発光モジュール30の各分割領域部12(LEDチップ3)に印加する電圧のオン/オフを、図8に示したように急激に切り替えると、LEDチップ3に過剰な負荷がかかってLEDチップ3が破損するおそれがある。
【0062】
そこで、図9(a)に示すように、LEDチップ3に対する印加電圧のオン/オフを切り替える場合には、段階的に電圧を変化させることが好ましい。この場合、印加電圧(電流)の波形は、矩形状ではなく、台形状にするのが好ましい。電圧の段階的な制御は、例えば、D/Aコンバータを含む電源回路を用いることで、図9(b)の部分拡大図に示すように、階段状に変化(上昇又は下降)する電圧を印加することができる。
【0063】
図10は、台形状の電圧を印加するための電源及び制御回路の構成例を示す。図10の例では、分割領域部12A側のLEDチップ3Aに対して駆動電圧を印加する第1の系統と、分割領域部12BのLEDチップ3Bに対して駆動電圧を印加する第2の系統との2系統が示されている。第1の系統と第2の系統とは同じ構成を有している。
【0064】
第1(第2)の系統は、電源調整用回路51A(51B)と、電源調整用回路51に接続された抵抗52A(52B)と、LEDドライバ53A(53B)とを備えている。LEDドライバ53としては、ZYWYN社製のZD3315を適用することができる。
【0065】
ZD3315は、ISETピンを有しており、このISETピンに抵抗52を接続してISETピンから流れる電流量を変えることでLEDチップ3に流れる電流量(LED電流)を変化させることができる。電源調整用回路51A(51)は、例えば、マイクロコンピュータ(マイコン、例えばPIC16F877A)とラダー回路との組み合わせで構成され、ISETピンから流れる電流が階段状に上昇し、或る値となるとその状態を一定時間維持し、その後階段状に減少して、電流の変化が台形状になるようにISETピンからの電流を制御する。これによって、ZD3315は、LEDチップ3A(3B)に対し、ISETピンの電流に応じたLED電流を供給するようにLEDチップ3A(3B)の駆動電圧を変化させる。従って、LEDチップ3A(3B)に対して台形状の電圧を印加することができる。
【0066】
また、図9(c)に示すように、矩形状の電圧を印加する(電流を供給する)場合には、電圧を下降させる場合に完全にオフにする(電圧を零にする)のではなく、微少な電流が流れる所定の電圧値まで下降させて、その状態を次の電圧上昇時(次の周期Tの開始)まで維持するようにするのが好ましい。このような制御は、PWM制御において、所定の電圧値としてオフセット電圧値を設定しておき、電圧及び電流がオフとならないようにすることで実現可能である。例えば、図10に示した例では、オフセット電圧値が下限となるように、電源調整用回路51A(51B)がISETピンの電流を制御することで実現することができる。
【0067】
なお、図9(a)(c)に示す変形例は、一つのLEDチップ3(例えばLEDチップ3A)に対する電圧の時間的変化を示しており、時間T2においては、別のLEDチップ(LEDチップ3B)に対する電圧制御が、図9(a)又は(c)を用いて説明した手法と同様の手法で実施される。以上のような変形例を採用することで、LEDチップ3の破損を防止することができる。
【0068】
図11は、図7において、抵抗器R1及びR2が除かれている場合において、LEDチップ3A,3Bの夫々に対する所定の印加時間の比(T1/T2)で、且つ所定の駆動電圧比で、LEDチップ3A,3Bを駆動可能な制御回路の構成例を示す。図11に示す例では、LEDチップ3Aの駆動を制御するLEDドライバ61Aと、LEDチップ3Bの駆動を制御するLEDドライバ61Bと、LEDドライバ61A,61Bの動作を制御するマイクロコンピュータ(マイコン)62とを備えている。
【0069】
LEDドライバ61A,61Bは、例えば、上述したZYWYN社製のZD3315である。ZD3315は、イネーブル(EN)ピンを有しており、ENピンに対する信号のオン/オフで、LEDチップ3に対する駆動電圧の印加(LED電流の供給)をオン/オフする。
【0070】
マイコン62は、例えば、上記したPIC16F84Aを適用することができる。マイコン62
は、予め組み込まれたプログラムに従って、LEDドライバ61A,61B(ZD3315)のENピンに対し、LEDチップ3A,3Bに対する駆動電圧の印加時間(すなわち
、LEDチップ3A,3Bの点灯時間)の比を考慮したオン/オフ信号(すなわち、イネーブル/ディスエーブル信号)を与える。LEDドライバ61A,61Bは、ENピンに対するオン/オフ信号に従ったデューティ比で駆動電圧の印加をオン/オフする。これによって、LEDチップ3A及び3Bの夫々に対して、所定の印加時間の比で駆動電圧を印加することができ、その比に応じた合成白色光を白色LED8から発することができる。
【0071】
また、図11では図示していないが、LEDドライバ61A,61Bは、上述したISETピンを有しており、このISETピンに所望のLED電流をLEDチップ3に流すための抵抗(図示しない)が接続されている。抵抗の抵抗値は、LEDドライバ61間で異なる値に設定することができる。抵抗値が異なる場合、LED電流がLEDチップ3A,3Bで異なることにより、駆動電圧もLEDチップ3A,3Bで異なることになる。よって、各ISETピンに接続される抵抗の抵抗値は、所望の合成白色光の輝度が得られる駆動電圧比となるように決定されている。よって、色温度の変化に拘わらず、合成白色光の輝度が一定となるようにすることができる。
【0072】
また、図11の構成において、例えば、ISETピンに接続される抵抗を可変抵抗とし、マイコン62に対して複数の色温度指定値を入力可能にし、色温度指定値に応じてLEDドライバ61A,61BのENピンに対するオン/オフのタイミングを切り替えることで、白色LED8の色温度を動的に変更することができる。さらに、色温度指定値に応じた抵抗値が予め決定され、マイコン62が色温度指定値に応じて各可変抵抗の抵抗値を変更することによって、色温度の変更に拘わらず、合成白色光の輝度を一定にすることができる。
【0073】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態2の構成は、実施形態1と共通する部分を含むので、共通部分については説明を省略し、主として相違部分について説明する。
【0074】
実施形態1では、発光モジュール30の各LEDチップ3A,3Bには、配線34,35を用いて直流電流が供給されていた。実施形態2では、発光モジュール30(各LEDチップ3A,3B)に対して交流電流が供給される例について説明する。
【0075】
図12は、実施形態2に係る白色LEDを電気的記号を用いて模式化した図である。実施形態2に係る白色LED8では、LEDチップ3A,3Bは、配線20Cと配線20Dの間において、配線20A,20Bを用いて並列接続されている。配線20C及び配線20Dは、交流電源に接続される。例えば、配線20C側から配線20D側への正の電流が流れる(正の電圧が印加される)場合には、LEDチップ3Aに駆動用の電流が流れ、LEDチップ3Bには、保護用ダイオードD2により電流が流れない。これに対し、配線20D側から配線20C側への負の電流が流れる(負の電圧が印加される)場合には、LEDチップ3Bに駆動用の電流が流れ、LEDチップ3Aには、保護用ダイオードD1により電流が流れないようにされている。なお、各LEDチップ3A,3Bの入力側に対し、チップ両端間の電圧が所定値以上となった時にオンとなる半導体スイッチを設け、保護用ダイオードD1,D2から出力される電流が他方のLEDチップに回り込むのが防止されるようにしても良い。このように、保護用ダイオードや半導体スイッチのような保護回路を設けるのが好ましい。図12に示すように、白色LEDとして、第1の白色光源に含まれる発光ダイオード(LEDチップ3A)と第2の白色光源に含まれる発光ダイオード(LEDチップ3B)とが極性を逆にして並列接続された白色LEDを適用可能である。図12に示す例では、逆並列接続を構成する一組のLEDチップ3A、3Bは、それぞれ複数のLED素子が並列接続されたものを示したが、LEDチップ3A、3Bのそれぞれを構成するLED素子は一つでも良く、或いは複数のLED素子が順方向に直列接続された
構成を有していても良い。このような、逆並列接続の一組のLEDチップを有する白色LEDが適用される場合には、駆動電圧として、商用電源(例えば、100V)を適用しても良く、商用電源よりも低い電圧を適用しても良い。また、逆耐圧性の高いLEDチップを適用するのが好ましい。また、逆並列接続の一組のLEDチップを有する白色LEDを適用する場合には、交流電源を利用できるので、交流−直流(AC−DC)コンバータや直流制御用のドライバが不要になる点で、制御回路の簡素化が期待できる。
【0076】
図13は、発光モジュール30を電気的記号を用いて模式化した図である。図13に示す例では、図10に示したような5つの白色LED8が配線34及び35により直列に接続され、白色LED8群の両端は、交流電源回路40に接続されている。
【0077】
図14は、交流電源回路40により、各白色LED8Aに供給される電流の例を示す。交流電源回路40は、周期Tで正負のパルス電圧をLEDチップ3A(分割領域部12A)及びLEDチップ3B(分割領域部12B)に印加するように構成されている。この例では、LEDチップ3Aに正の電圧VF1が印加時間T1で印加され、LEDチップ3Bに負の電圧VF2が印加時間T2で印加される。
【0078】
交流電源回路40は、正の電圧VF1の印加時間T1と負の電圧VF2の印加時間T2との比率を変更可能となっており、さらに、交流電源回路40は、LEDチップ3Aに対する駆動電圧とLEDチップ3Bに対する駆動電圧とを所定の比で与えることができる。図13に示す例では、印加時間が短い方の印加電圧値を印加時間が長い方の印加電圧値よりも高くした例が示されている。これによって、印加電圧が高い方の電流値は、印加電圧が低い方よりも高い電流値となっている。なお、印加時間T1及びT2の比に関わらず、正負の電圧の比は一定で制御される。
【0079】
よって、実施形態1と同様に、印加時間T1及びT2の比が変更されることで、各分割領域部12A及び12Bから発せられる合成白色光の色温度を変更することができる。また、色温度の変化に拘わらず輝度が一定となるような電圧比で、LEDチップ3A及び3Bに対して駆動電圧が印加される。なお、各分割領域部12A及び12Bからの最大光量は、VF1=VF2のときとしても良く、VF1とVF2とが異なる場合に最大光量が得られるようにしても良い。
【0080】
なお、図13とは回路構成が異なるが、図11に示した回路構成図において、例えば、LEDチップ3Bの向きを逆にすることで、LEDチップ3Bが負の電圧によって駆動する状態となり、実質的に交流駆動されている状態となる。
【0081】
<<変形例>>
図15は、印加電圧波形の変形例を示す。図15に示す例では、電圧が正から負に移行する間に、所定のインターバル時間T3が設けられている。これは、以下の理由による。すなわち、本発明において適用可能なLEDチップは、紫外〜紫色LEDチップのみならず、青色LEDチップを適用することができる。青色LEDチップは、紫色LEDチップに比べ、熱に対して発光ピーク(ピーク波長)が揺らぎ易い。そこで、電圧VF1が印加されるLEDチップとして、青色LEDチップが適用される場合には、インターバル時間T3を設けることで、青色LEDチップの温度上昇を抑え、ピーク波長の揺らぎが生じるのを抑えることが可能となる。
【0082】
また、図示しないが、時間T2の終了と次の時間T1の開始の間にも、インターバル時間(T4)を設けてもよい。インターバル時間T4を設けることで、明るさを調節することができる。
【0083】
もっとも、LEDチップの温度上昇防止に対する考え方は、LEDチップの発光波長に依存しない。従って、電圧VF1が印加されるLEDチップが紫外〜紫色LEDチップである場合において、インターバル時間T3やT4を設けることを妨げるものではない。
【0084】
また、図7に示した例では、発光モジュール30を構成する複数の白色LED8は配線34及び35によって直列接続されていた。これに対し、図16に示すように、白色LED8間が、一つの配線で接続され、白色LED8において、LEDチップ3A,3Bが、向きが逆の状態で並列接続されるようにしても良い。
【0085】
また、実施形態1の変形例として説明した、台形状の電圧を印加する手法は、正負の電圧を交互に印加する実施形態2においても適用可能である。図17は、台形状の正の電圧VF1と負の電圧VF2とを交互に印加する場合の電圧の時間的変化を示す。図17に示す例では、印加時間T1とT2とが等しく、且つ電圧VF1とVF2の絶対値が等しい場合を示しているが、色温度を変化させる場合には、T1とT2との比(T1/T2)が、段階的又は連続的に変化させられる。また、色温度変化時における白色光の輝度を一定になるように、駆動電圧比が設定される。これらの制御は、実施形態1で説明したのと同様である。
【0086】
実施形態1及び2を通じて、色温度の変化に関わらず、合成白色光の輝度が一定となるような駆動電圧比でLEDチップ3A,3Bを駆動する構成について説明してきた。色温度の変化に関わらず、合成白色光の輝度を一定にできることは、各色温度において、合成白色光の輝度を所望の値に調整できることを意味する。
【0087】
すなわち、本発明は、実施形態1及び2で説明した色温度に対する輝度を一定にするようにされたパッケージ1,発光モジュール30に限られず、2つの白色発光部位の輝度効率が同じではない場合(HLペースト(蛍光体)の発光効率の違いの他、LEDチップのバラつき、紫LEDチップと青LEDチップの性質の違いその他による)に、各白色発光部位からの発光の寄与を、時間的な制御により設定しようとするとき全般に適用できる。
【0088】
そして、白色発光部位の明るさ(輝度)調整(調光)は、LEDチップ3への印加電圧の絶対値を変化させることにより行う。どのような明るさ(輝度)のときも、2つの白色発光部位にそれぞれ印加する電圧の比率は一定とする。従って、本発明は、明るさにより発光効率が変化しない範囲内で使用する場合において有効なものである。実施形態1によれば、各LEDチップ3に対して電源電圧を印加することで、結果的に各LEDチップに対し所定の電圧比で電圧が印加される。実施形態2によれば、単純な制御により輝度一定で色温度を変えられる白色LEDが得られる。
【0089】
なお、実施形態1及び2において、LEDチップ3A,3Bに供給される電圧・電流の比は、LEDチップ3B側(−VF2側)を基準に決定しているが、LEDチップ3A側(+VF1側)を基準として決定しても良い。
【0090】
また、実施形態1及び2において図8,図14,図15に示した電圧波形は、一方がオンの時に他方がオフとなる例であった。このような、一方がオンで他方がオフという制御は必須のものでなく、図18に示すように、LEDチップ3Aに対する印加電圧VF1とLEDチップ3Bに対するVF2との印加時間が重なりをもっていても良い。また、図18の上図に示すLEDチップ3Aに対する印加電圧VF1は、パルス幅の制御範囲や信頼性等を考慮しなければ、下図のように変更することも可能である。
【0091】
<実験例>
以下、本発明に関して行われた実験例について説明する。最初に、今回の実験に使用し
たパッケージを説明する。実験に使用したパッケージは、例えば図1に示したパッケージ1とほぼ同様の外観構成を備えており、基板2の部材はアルミナを主成分としたセラミクスから構成され、その表面側に金をベースとした電極がメッキされている。LEDチップ3はこの電極上にフリップチップ実装されている。また、パッケージ1のリフレクタ10は、間仕切り11で二つの穴(分割領域部12A,12B)に分けられ、分割領域部12A,12Bをなす穴は、2種類の蛍光体ペーストでそれぞれ封止され、LEDチップ3が蛍光体ペーストで被覆された状態となっている。
【0092】
各分割領域部12A,12Bには、LEDチップ3が5つずつフリップチップ実装されており、各分割領域部12A,12Bに設けられた5つのLEDチップ3が励起源として蛍光体ペーストを励起し、2種類の白色光が混合された合成白色光を得ることができる。蛍光体ペーストとは、シリコーン樹脂と蛍光体を混合してなるものである。なお、パッケージ1内に設けられた電気配線は、各分割領域部12A,12に設けられた5つのLEDチップ3が並列になるように設けられ、且つ分割領域部12毎に出力(発光)を制御できるように、分割領域部12間で電気的に独立している。これにより、各分割領域部12A,12Bに設けられた5つのLEDチップ3の発光を個別に制御することができ、1パッケージで、色味(色温度)の異なる白色光を分割領域部12A,12Bの夫々から発することができる。
【0093】
実験に使用したLEDチップ3の発光ピーク波長は402nmであり、蛍光体ペーストで各分割領域部12を封止する前の状態のパッケージ1に120mAの電流を投入したとき130mWの放射束が得られた。
【0094】
蛍光体ペーストの作製に使用した蛍光体は、Eu付活アルミン酸塩系の青色蛍光体であるBaMgAl10O17:Eu→Ba0.7Eu0.3MgAl10O17(略称:BAM)と、Eu付活アルカリ土類ケイ酸塩系の緑色蛍光体である(Ba,Sr)2SiO4:Eu→Ba1.39Sr0.46Eu0.15SiO4(略称:BSS)と、Eu付活酸窒化物系の赤色蛍光体である(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3 :
Eu→(1−x)Ca0.9925Eu0.0075AlSiN3・xSi2N2O(x=0.09〜0.12)(略称:CASON)である。
【0095】
蛍光体ペーストは低色温度・高色温度それぞれの色温度に発光するように調合し、ディスペンサを使用して各穴(分割領域部12)を封止した。このとき封止した重量と、作製した蛍光体ペーストの配合を、図19に示す。
【0096】
なお、実験で使用したパッケージ1は、分割領域部12A側のLEDチップ3Aを単独で発光させたときに2500Kの白色光が得られるようにし、分割領域部12B側のLEDチップ3Bを単独で発光させたときに5900Kの白色光が得られるようにした。以上のようにして、実験用のパッケージ1を作製した。
【0097】
図20(A)は、実験用のパッケージ1を用いた実験装置を模式的に示す図であり、図20(B)は、実験に用いたパッケージ1の駆動条件を示す表である。図20(A)に示すように、作製された実験用のパッケージ1(白色光ランプ)を積分球(例えばLabsphere社製)71内に配置し、2500K側(分割領域部12A)側のLEDチップ3Aと、5900K側(分割領域部12B)側のLEDチップ3Bとの夫々に電圧/電流発生器72(72A,72B)を接続した。電圧/電流発生器72として、ADC社製の電圧/電流発生器R6243を用いた。
【0098】
各電源/電流発生器72A,72Bを操作して、分割領域部12Aと分割領域部12Bとを夫々単独で発光させ、LEDチップ3A,3Bの駆動電圧を変えて、分割領域部12
Aと12Bとの間で光束がほぼ同じになる条件(駆動電圧値Vop)を見つけた(電圧ソースモードで印加)。この実験での分割領域部12A側の駆動電圧Vopは3.185Vであり、分割領域部12B側の駆動電圧Vopは3.23Vであった(図20(B))。なお
、積分球の放熱性が良くないことから、電流値の上限は50mAとした。
【0099】
各電圧/電流発生器62A及び62BによるPWM制御時のパルス周期は、100msに設定した。そして、分割領域12A(2500K)側のパルス幅を100(CW:Continuous Wave)[ms],90,80,・・・,0(電源OFF)の順番で変化させる(1
0msずつ印加時間を短くする)一方で、分割領域部12B(5900K)側のパルス幅を0(電源OFF),10[ms],・・・90,100(CW)の順番で変化させた(印加時間を10msずつ長くした)。そして、分割領域部12Aと分割領域部12Bとのパルス幅比(印加時間(通電時間)の比)が、1:0(Scan1),9:1(Scan2),8:2(Scan3),・・・,1:9(Scan10),0:1(Scan11)であるときの光束を積分球(例えばLabsphere社製)71で測定した。
【0100】
図21は、今回の実験に使用したパッケージ1(白色光ランプ)の発光スペクトルの変化を示す。どのパルス幅比(Scan1〜12:パルス幅条件1〜12と称する)においても、640nm付近に最大ピークが表れ、470nm付近に第2のピークが現れる結果となった。もっとも、パッケージ1に適用される蛍光体の種類によってスペクトルの傾向は異なると考えられる。
【0101】
図22は、パルス幅条件1〜12での光出力(放射束)(mW)(図中B)及び色温度変化(図中A)を示すグラフである。合成白色光を分割領域部12B(5900K)側が占める割合が大きくなるにつれて色温度が2600K〜5900Kへ変化してくのに対し、光出力に変化は殆ど見られなかった。
【0102】
図23は、パルス幅条件1〜12での光束(lm)(図中B)及び色温度変化(図中A)を示すグラフである。合成白色光を分割領域部12B(5900K)側が占める割合が大きくなるにつれて色温度が2600K〜5900Kへ変化してくのに対し、光束に変化は殆ど見られなかった。このことは、実験用のパッケージ1が、色温度の変化に拘わらず一定の輝度(明るさ)を持つ白色光又は合成白色光を発することができることを示す。
【0103】
図24は、今回の実験で使用したパッケージ1(白色光ランプ)の座標の変化を示す。座標は、2500Kと5900Kとの間を移動していることが分かる。
【0104】
図25は、今回の実験結果をまとめた表である。今回の実験では、上述したように分割領域部12A側(LEDチップ3A)の駆動電圧Vopを3.185Vとし、分割領域部12B側(LEDチップ3B)側の駆動電圧Vopを3.23Vとした。電流値は、32〜3
5mA程度とした。今回の実験結果では、光束の変動は約2.8%程度に収まっている。平均演色評価数(Color Rend Index: Ra)の悪化も見られなかった。
【0105】
図26(A)は、分割領域側12B側のLEDチップ3Bに対する駆動電圧のデューティ比の変化との関係を示す図であり、図26(B)は、図26(A)に示した近似曲線を用いて、2500K,3000K,3500K,4000K,4500K,5000K,5500K,5900Kを発色する場合におけるLEDチップ3AとLEDチップ3Bとに対する駆動電圧比の例を示す。このような電圧比を2500K〜5900Kからの間に存する所望の色温度にて割り出すことで、パッケージ1で所望の色温度及び輝度(明るさ)を有する白色光を発することができる。
【0106】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3について説明する。発光モジュール30を含む照明装置においては、複数の発光モジュール30が多段接続される。このように、発光モジュール30を構成するパッケージ1,或いはLEDチップが多段に直列接続されると、接続数が多くなるにつれて印加電圧や供給電力値も大きくなる。このため、LEDチップに多量の電圧又は電流が供給されると、LEDチップが破損するおそれがあった。実施形態3では、LEDチップの破損を防止するための構成について説明する。
【0107】
図27は、複数の白色LED8(パッケージ1)に含まれるLEDチップ3を直列接続した例を示す。図27において、白色LED8は、二つのLEDチップ3A,3Bを有しており、直流電源Eに対し、各白色LED8のLEDチップ3Aが直列に接続され、その後段に、各白色LED8のLEDチップ3Bが直列に接続されている。図16に示す例では、直流電源Eと1段目のLEDチップ3Aのアノードとの間に、保護素子としての整流素子(例えばダイオード)50が直列に挿入されている。また、最終段に相当するLEDチップ3Bのカソードと直流電源Eとのとの間にも、整流素子50が挿入されている。
【0108】
なお、白色LED8は、発光モジュール30であっても良い。この場合、LEDチップ3A,3Bに相当する部分は、複数のLEDチップ3A又は3Bが直列に多段接続されたものとなる。
【0109】
図28は、図27と同様の回路構成において、整流素子50をLEDチップ3毎にLEDチップ3に対して並列接続したものである。
【0110】
図29は、複数の白色LED8(発光モジュール30)のそれぞれを構成するLEDチップ3Aが直列接続される一方で、複数の白色LED8(発光モジュール30)のそれぞれを構成するLEDチップ3Bが直列接続され、直列接続されたLEDチップ3A群と、直列接続されたLEDチップ3B群とが、直流電源Eに対して並列接続された例を示す。この場合、保護素子としての整流素子50は、最終段の白色LED8のカソード側に設けられる。整流素子50に代えて、多量の電流が流れるのを抑える抵抗素子(制限抵抗)が設けられていても良い。
【0111】
図30は、LEDチップ3AとLEDチップ3Bとが並列接続された白色LED8が複数個直列に接続された例を示し、各白色LED8に対して整流素子50が並列接続されている。以上説明した図16〜図19のいずれにおいても、整流素子50によって、大量の電流がLEDチップ3に流れ、LEDチップ3が破損することが防止される。
【0112】
図31は、多段接続された白色LED8(発光モジュール30)が交流電源Vからの交流電圧で交流駆動される例を示す。この場合、例えば、最後段に位置するLEDチップ3A,3Bのカソード側に整流素子50が夫々順方向に直列接続され、各LEDチップ3A,3Bに逆バイアス電圧が印加されることが防止される。なお、整流素子50に代えて、リレーやトランジスタのようなスイッチが設けられても良い。
【0113】
なお、図27〜図31に示した回路構成では、LEDチップ3AとLEDチップ3Bとの双方が同時に発光するようになっているが、実施形態1及び2との組み合わせにおいて、各LEDチップ3A,3Bが保護素子(整流素子50)によって保護されるようにすることができる。
【符号の説明】
【0114】
1・・・・パッケージ
2・・・・基板
3A、3B・・・・半導体発光素子
8・・・・白色LED
10・・・・リフレクタ
11・・・・間仕切り
12A、12B・・・・分割領域部
14A、14B・・・・蛍光部
20A、20B・・・・配線
30・・・・発光モジュール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の白色光を発するための発光ダイオード及び蛍光体を含む第1の白色光源と、前記第1の白色光とスペクトルの異なる第2の白色光を発するための発光ダイオード及び蛍光体を含む第2の白色光源とを含む半導体発光装置であって、
前記第1の白色光源からの白色光と前記第2の白色光源からの白色光とが合成された構成白色光が特定の輝度となるようにあらかじめ決定された駆動電圧比で、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々が駆動されることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記第1の白色光源からの白色光と前記第2の白色光源からの白色光とが合成された合成白色光が特定の色温度となるように決定された単位時間当たりにおける駆動電圧の印加時間の比、及び前記第1の白色光源のみを点灯させたときの輝度と前記第2の白色光源のみを点灯させたときの輝度とが同じになるようにあらかじめ決定された駆動電圧比で、前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々が駆動される
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々に対し、電源回路から前記駆動電圧比に応じた駆動電圧が印加される
ことを特徴とする
請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々に対し、正の駆動電圧が前記駆動電圧比で印加される
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの一方に対し、絶対値の比が前記駆動電圧比である正負の電圧の一方が印加され、前記発光ダイオードの他方に対し、前記正負の電圧の他方が印加される
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードのそれぞれに対し、所定周期内において一定時間一定値の電圧が印加されるようにして、前記駆動電圧比に応じた駆動電圧を印加する
ことを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々に対し、台形状の電圧波形を有する駆動電圧が印加される
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの一方に前記電圧比に応じた駆動電圧が印加されている場合には、前記他方の発光ダイオードには、オフセット電圧が印加される
ことを特徴とする請求項4又は7に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの夫々に対し、前記電圧比での駆動電圧が所定周期内で時間が重ならないように印加され、
前記各発光ダイオードに前記電圧比に応じた駆動電圧が印加される時間の間には、前記
各発光ダイオードの双方に電圧が印加されないインターバル期間が設けられている
ことを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記第1の白色光源と前記第2の白色光源との少なくとも一方に、当該第1及び第2の白色光源の夫々に含まれた発光ダイオードに対して印加される駆動電圧が前記電圧比となるように調整する抵抗素子が接続されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの少なくとも一方に対して直列又は並列に接続される少なくとも一つの保護素子をさらに含む
請求項1から10の何れか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項12】
前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードと、前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとが、極性を逆にして並列接続されている
ことを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項13】
前記請求項1から12の何れか一項に記載の半導体発光装置を複数個備え、
前記各半導体発光装置に含まれる前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオードが半導体発光装置間で直列接続されるとともに、前記各半導体発光装置に含まれる前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードが半導体発光装置間で直列に接続された
発光モジュール。
【請求項14】
前記各半導体発光装置における前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオード、及び前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの少なくとも一方に対して直列又は並列接続される保護素子をさらに含む
請求項13に記載の発光モジュール。
【請求項15】
前記請求項13又は14に記載の発光モジュールを複数個備え、
前記各発光モジュールに含まれる前記第1の白色光源に含まれる複数の発光ダイオードが発光モジュール間で直列接続されるとともに、前記各発光モジュールに含まれる複数の前記第2の白色光源に含まれる複数の発光ダイオードが発光モジュール間で直列接続された照明装置。
【請求項16】
前記各発光モジュールに含まれる前記第1の白色光源に含まれる発光ダイオード、及び前記第2の白色光源に含まれる発光ダイオードとの少なくとも一方に対して直列又は並列接続される保護素子をさらに含む
請求項15に記載の照明装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2011−176300(P2011−176300A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15492(P2011−15492)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】