半導体発光装置及びその製造方法
【課題】電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、発光部10dと第1導電部30aと第2導電部30bと封止部50と光学層60とを備えた半導体発光装置が提供される。発光部は、第1主面10bと第1主面とは反対の側の第2主面10aとを有する半導体積層体と、第2主面10aに設けられた第1、第2電極と、を含む。第1、第2導電部は、それぞれ第1、第2電極に電気的に接続され、第2主面に立設された第1、第2柱部を含む。封止部は第1、第2導電部の側面を覆う。光学層は、半導体積層体の第1主面に設けられ、発光部からの発光光の波長を変換する波長変換部を含む。第1導電部の半導体積層体とは反対側の第1端面31aeと第2導電部の半導体積層体とは反対側の第2端面31beとは非対称である。
【解決手段】実施形態によれば、発光部10dと第1導電部30aと第2導電部30bと封止部50と光学層60とを備えた半導体発光装置が提供される。発光部は、第1主面10bと第1主面とは反対の側の第2主面10aとを有する半導体積層体と、第2主面10aに設けられた第1、第2電極と、を含む。第1、第2導電部は、それぞれ第1、第2電極に電気的に接続され、第2主面に立設された第1、第2柱部を含む。封止部は第1、第2導電部の側面を覆う。光学層は、半導体積層体の第1主面に設けられ、発光部からの発光光の波長を変換する波長変換部を含む。第1導電部の半導体積層体とは反対側の第1端面31aeと第2導電部の半導体積層体とは反対側の第2端面31beとは非対称である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小型で低消費電力の発光装置として、青色LED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子と、蛍光体と、を組み合わせることで白色光を発する白色LED発光装置が開発されている。
【0003】
例えば、LEDチップをリードフレームや導電性基板にダイボンドしてワイヤーボンドを行った後、LEDチップ表面に蛍光体を塗布する構成の半導体発光装置が知られている。しかしながら、このような半導体発光装置においては、LEDチップの他に、リードフレーム、導電性基板及びボンディングワイヤなどのような部材が必要であるため、装置が大きくなる。
【0004】
半導体発光装置の小型化のための新しい技術の開発が期待されている。
半導体発光装置において小型化を進めると、LEDチップへの電流供給のための電極サイズも小さくなるため、陽極電極と陰極電極との判別が困難になり、例えば、半導体発光装置の実装の際に不良が発生し易くなる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−210874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、発光部と、第1導電部と、第2導電部と、封止部と、光学層と、を備えた半導体発光装置が提供される。前記発光部は、第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有する半導体積層体と、前記半導体積層体の前記第2主面に設けられた第1電極及び第2電極と、を含む。前記第1導電部は、前記第1電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む。前記第2導電部は、前記第2電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む。前記封止部は、前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う。前記光学層は、前記半導体積層体の前記第1主面に設けられ、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む。前記第1導電部の前記半導体積層体とは反対側の第1端面と、前記第2導電部の前記半導体積層体とは反対側の第2端面と、は、非対称である。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、発光部と、第1導電部と、第2導電部と、封止部と、光学層と、を有する半導体発光装置の製造方法が提供される。前記発光部は、第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有する半導体積層体と、前記半導体積層体の前記第2主面に設けられた第1電極及び第2電極と、を含む。前記第1導電部は、前記第1電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む。前記第2導電部は、前記第2電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む。前記封止部は、前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う。前記光学層は、前記半導体積層体の前記第1主面に設けられ、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む。前記第1導電部の前記半導体積層体とは反対側の第1端面と、前記第2導電部の前記半導体積層体とは反対側の第2端面と、は、非対称である。前記製造方法においては、前記半導体積層体の前記第2主面の上に、前記第1柱部に対応する第1開口領域と、前記第2柱部に対応し前記第1開口領域とは非対称な第2開口領域と、を有するレジスト膜を形成し、前記第1開口領域と前記第2開口領域とに導電膜を形成して前記第1柱部と前記第2柱部とを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
【図2】図2(a)〜図2(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図3】図3(a)〜図3(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図4】図4(a)〜図4(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図5】図5(a)〜図5(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図6】図6(a)〜図6(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図7】図7(a)〜図7(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図8】図8(a)〜図8(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図9】第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【図10】図10(a)〜図10(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
【図11】図11(a)〜図11(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式的平面図である。
【図12】図12(a)〜図12(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
【図13】図13(a)〜図13(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式的平面図である。
【図14】図14(a)〜図14(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式平面図である。
【図15】第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図1(b)は模式的平面図であり、図1(a)は、図1(b)のA−A’線断面図である。
【0012】
図1(a)及び図1(b)に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置110は、発光部10dと、第1導電部30aと、第2導電部30bと、封止部50と、光学層60と、を備える。
【0013】
発光部10dは、半導体積層体10と、第1電極14と、第2電極15と、を含む。
半導体積層体10は、第1導電形の第1半導体層11と、第2導電形の第2半導体層12と、第1半導体層11と第2半導体層12との間に設けられた発光層13と、を含む。
【0014】
半導体積層体10においては、第2半導体層12及び発光層13が選択的に除去されて第2半導体層12の側の第2主面10aにおいて第1半導体層11の一部が露出している。
【0015】
すなわち、半導体積層体10は、第1主面10bと、第1主面10bとは反対側の第2主面10aと、を有している。第2主面10aの側に第2半導体層12が配置され、第1主面10bの側に、第1半導体層11が配置される。第2半導体層12及び発光層13の面積は、第1半導体層11の面積よりも小さく、第2主面10aの側において、第1半導体層11の一部は、第2半導体層12及び発光層13に覆われていない。
【0016】
第1導電形は例えばn形であり、第2導電形は例えばp形である。ただし、実施形態はこれに限らず、第1導電形がp形であり、第2導電形がn形でも良い。以下では、第1導電形がn形であり、第2導電形がp形である場合として説明する。すなわち、第1半導体層11は、n形半導体層である。第2半導体層12は、p形半導体層である。
【0017】
第1半導体層11、第2半導体層12及び発光層13には、例えば、窒化物半導体を用いることができる。第1半導体層11は、例えばGaNを含むn形クラッド層である。第2半導体層12は、例えばp形クラッド層である。発光層13は、例えば量子井戸層と、量子井戸層に積層された障壁層と、を有する。発光層13は、例えば、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造を有することができる。
【0018】
ここで、第2主面10aから第1主面10bに向かう方向をZ軸方向とする。すなわち、Z軸方向は、第1半導体層11、発光層13及び第2半導体層12の積層方向である。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0019】
半導体積層体10は、例えば、サファイアなどの基板の上に、第1半導体層11となる結晶、発光層13となる結晶、及び、第2半導体層12となる結晶が順次成長され、その後、所定の領域の、第1半導体層11の一部、発光層13、及び、第2半導体層12が除去されて形成される。
【0020】
第1電極14は、第2主面10aの側において第1半導体層11に電気的に接続される。第2電極15は、第2主面10aの側において第2半導体層12に電気的に接続される。第1電極14は、例えばn側電極であり、第2電極15は、例えばp側電極である。発光部10dにおいて、第1電極14と第2電極15とを介して、半導体積層体10に電流を供給することで、発光層13から光(発光光)が放出される。
【0021】
このように、発光部10dは、第1主面10bと、第1主面10bとは反対側の第2主面10aと、第2主面10aに設けられた第1電極14と及び第2電極15と、を有する
第1導電部30aは、第1電極14に電気的に接続される。第1導電部30aは、第2主面10aの上に立設された第1柱部31aを含む。第1柱部31aは、例えばZ軸方向に沿って延在する部分を少なくとも含む。
【0022】
第2導電部30bは、第2電極15に電気的に接続される。第2導電部30bは、第2主面10aの上に立設された第2柱部31bを含む。第2柱部31bは、Z軸方向に沿って延在する部分を少なくとも含む。
【0023】
本具体例では、半導体積層体10の1つの辺の延在方向が、X軸方向に設定されている。本具体例では、X軸方向は、第1柱部31aから第2柱部31bに向かう方向に沿う半導体積層体10の辺の方向とされている。
【0024】
封止部50は、第1導電部30aの側面、及び、第2導電部30bの側面を覆う。すなわち、封止部50は、第1柱部31aの側面、及び、第2柱部31bの側面を覆う。封止部50は、第1導電部30aの半導体積層体10とは反対の側の第1端面31aeを露出する。封止部50は、第2導電部30bの半導体積層体10とは反対の側の第2端面31beを露出する。なお、第1端面31aeは、第1柱部31aの半導体積層体10とは反対の側の端面である。第2端面31beは、第2柱部31bの半導体積層体10とは反対の側の端面である。
【0025】
光学層60は、半導体積層体10の第2主面10aとは反対側の第1主面10bに設けられる。光学層60は、蛍光体層61(波長変換部)を含む。蛍光体層61は、発光層13から放出された発光光を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する。
【0026】
本具体例では、光学層60は、例えば蛍光体を含む蛍光体層61と、蛍光体層61と半導体積層体10との間に設けられた透光部62と、を含む。透光部62は、発光層13から放出される発光光に対する透光性を有する。透光部62は、例えばレンズ作用や屈折作用などの光の進行方向を変化させる作用を有することができる。これにより、発光層13で発生した光の放射角や色ずれを調整することができる。透光部62は必要に応じて設けられ、透光部62は場合によっては省略できる。
【0027】
蛍光体層61は、例えば透光性の樹脂と、この樹脂に分散された蛍光体と、を含む。蛍光体は、発光層13から放出される発光光を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する。なお、蛍光体層61は、複数種の蛍光体を含むことができる。蛍光体には、例えば、黄色光を放出する蛍光体、緑色光を放出する蛍光体、及び、赤色光を放出する蛍光体など、任意の色を放出する蛍光体を用いることができる。蛍光体層61は、波長が異なる蛍光体を含む積層された複数の層を含むこともできる。
【0028】
半導体発光装置110においては、第1導電部30a、第1電極14、第2導電部30b及び第2電極15を介して、半導体積層体10に電流が供給され、これにより、発光層13から光(発光光)が放出される。発光光は、例えば、青色光、紫色光及び紫外光などの比較的短い波長の光とすることができる。
【0029】
発光層13から放出された例えば青色の発光光は、光学層60の内部に進行し、蛍光体層61によって例えば黄色の光に波長が変換される。そして、発光層13から放出された例えば青色の発光光と、蛍光体層61で得られた例えば黄色の光と、が合成される。これにより、半導体発光装置110は、白色光を発光することができる。
【0030】
なお、発光層13から放出される発光光の波長、及び、蛍光体層61で変換された光の波長は任意である。半導体発光装置110から出射する光の色は、白色の他、任意の色とすることができる。
【0031】
なお、本具体例では、半導体発光装置110は、絶縁層20をさらに備えている。絶縁層20は、第1柱部31aの少なくとも一部と半導体積層体10との間、及び、第2柱部31bの少なくとも一部と半導体積層体10との間の少なくともいずれかに設けられる。絶縁層20は、封止部50に覆われる。
【0032】
絶縁層20は、第1導電部30aと第2半導体層12との間、及び、第1導電部30aと第2電極15との間を電気的に遮断する。これにより、第1導電部30aの数、サイズ、形状及び配置を任意に設計し易くなる。すなわち、第1導電部30aの第1端面31aeの数、面積、形状及び配置を、第1電極14と独立して設計できる。
【0033】
絶縁層20は、第2導電部30bと第1半導体層11との間、及び、第2導電部30bと第1電極14との間を電気的に遮断する。これにより、第2導電部30bの数、サイズ、形状及び配置を任意に設計し易くなる。すなわち、第2導電部30bの第2端面31beの数、面積、形状及び配置を、第2電極15と独立して設計できる。
【0034】
絶縁層20には、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。絶縁層20は、半導体積層体10に加わる応力を緩和する応力緩和層として機能することができる。
【0035】
本具体例は、絶縁層20は、第1柱部31aの一部と半導体積層体10との間に設けられている例である。
【0036】
絶縁層20は、第1導電部30aと、第1電極14の一部と、の間に設けられることができる。本具体例では、絶縁層20は、第1導電部30aのうちの第1柱部31aの少なくとも一部と、第1電極14の一部と、の間に設けられている。
【0037】
なお、第1導電部30aと第1電極14との電気的な接続を実現するために、絶縁層20は、第1電極14の少なくとも一部の上には設けられていない。絶縁層20は、例えば、第1電極14の側の第1開口部20o1を有し、第1開口部20o1において、第1導電部30aと第1電極14との電気的な接続が行われる。第1開口部20o1は、絶縁層20を貫通する孔を含むことができる。ただし、実施形態はこれに限らず、第1開口部20o1は、絶縁層20の端部のうち、第1電極14の端部から後退し、第1電極14を露出させる部分を便宜的に含むことができる。すなわち、第1開口部20o1は、絶縁層20のうちで第1電極14の少なくとも一部を露出させる部分を含むことができ、その形状は任意である。第1開口部20o1の数は、任意である。
【0038】
なお、後述するように、絶縁層20は、第2導電部30bと、第2電極15の一部と、の間にさらに設けられても良い。例えば、絶縁層20は、第2柱部31bの少なくとも一部と、第2電極15の一部と、の間にさらに設けられても良い。
【0039】
なお、第2導電部30bと第2電極15との電気的な接続を実現するために、絶縁層20は、第2電極15の少なくとも一部の上には設けられていない。絶縁層20は、例えば、第2電極15の側の第2開口部20o2を有し、第2開口部20o2において、第2導電部30bと第2電極15との電気的な接続が行われる。第2開口部20o2は、絶縁層20を貫通する孔を含むことができる。ただし、実施形態はこれに限らず、第2開口部20o2は、絶縁層20の端部のうち、第2電極15の端部から後退し、第2電極15を露出させる部分を便宜的に含むことができる。すなわち、第2開口部20o2は、絶縁層20のうちで第2電極15の少なくとも一部を露出させる部分を含むことができ、その形状は任意である。第2開口部20o2の数は、任意である。
【0040】
本具体例では、発光部10dは、半導体積層体10の第2主面10aの側の第1電極14及び第2電極15を除く部分に設けられた保護層18をさらに含む。保護層18は、半導体積層体10の端部を覆う。保護層18には、絶縁材料を用いることができる。これにより、例えば、第1電極14と第2電極15との間の絶縁性が向上する。保護層18は、半導体積層体10の端部の全部を覆うこともできる。保護層18は、半導体積層体10の端部の一部を覆うこともできる。この保護層18には、例えば酸化シリコンなどを用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、保護層18には任意の絶縁材料を用いることができる。保護層18は必要に応じて設けられ、場合によっては省略できる。
【0041】
第2電極15は積層構造を有することができる。例えば、第2電極15は、導電層と、その導電層と第2半導体層12との間に設けられた反射層(図示しない)と、を含むことができる。これにより、発光層13から放出され、第2主面10aの側に進行する光が反射層で反射され、光を光学層60の側に効率良く進行させることができる。
【0042】
本具体例では、第1導電部30aは、第1接続部32aをさらに含む。第1接続部32aは、絶縁層20の半導体積層体10とは反対の側の面の少なくとも一部を覆い、第1電極14と第1柱部31aとを電気的に接続する。第1接続部32aは、例えばX−Y平面に沿って延在する部分を含むことができる。
【0043】
このように、絶縁層20が、第1柱部31aの少なくとも一部と半導体積層体10との間に設けられるときにおいて、第1導電部30aは、第1接続部をさらに含むことができる。
【0044】
第2導電部30bは、第2接続部32bをさらに含むことができる。第2接続部32bは、第2電極15と第2柱部31bとを電気的に接続する。第2接続部32bは、例えばX−Y平面に沿って延在する部分を含むことができる。
【0045】
すなわち、後述するように、絶縁層20が、第2柱部31bの少なくとも一部と半導体積層体10との間に設けられるときにおいて、第2導電部30bは、絶縁層20の半導体積層体10とは反対の側の面の少なくとも一部を覆い第2電極15と第2柱部31bとを電気的に接続する第2接続部32bをさらに含むことができる。
【0046】
第1柱部31a、第1接続部32a、第2柱部31b及び第2接続部32bには、例えば、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、及び、Al(アルミニウム)などの金属を用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、第1柱部31a、第1接続部32a、第2柱部31b及び第2接続部32bに用いられる材料は任意である。
【0047】
封止部50は、例えばエポキシ樹脂などの樹脂を用いることができる。封止部50に用いられる樹脂は、例えば石英フィラーやアルミナフィラーなどのフィラーを含有することができる。これにより、封止部50の熱伝導率を上昇させることができ、これにより放熱性を高め、半導体積層体の温度上昇を抑制でき、発光効率を向上できる。
【0048】
図1(b)に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置110においては、第1導電部30aの半導体積層体10とは反対側の第1端面31aeと、第2導電部30bの半導体積層体10とは反対側の第2端面31beと、は、非対称である。
【0049】
本具体例では、第1端面31aeは、第2端面31beのパターン形状とは異なるパターン形状を有している。具体的には、第1端面31aeは円形のパターン形状を有しており、第2端面31beは四角形のパターン形状を有している。これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとの判別が容易になる。例えば、Z軸方向を中心にして半導体発光装置110を回転した場合においても、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。
このように、半導体発光装置110によれば、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置を提供することができる。これにより、例えば、半導体発光装置の実装の際に、n側の電極とp側の電極とを取り違えて実装する不良の発生を抑制することができる。
【0050】
なお、本具体例は、第1端面31aeが、第2端面31beのパターン形状とは異なるパターン形状を有する例であるが、実施形態はこれに限らず種々の形態があり得る。これに関しては後述する。
【0051】
第1端面31aeと第2端面31beとを非対称に設定することによって電極の判別を容易にする効果は、第1柱部31a及び第2柱部31bを設け、これらを介して電気的な接続を行うことで半導体発光装置の小型化を実現する構成において特に効果的に発揮される。
【0052】
すなわち、このような構成を採用することで、半導体発光装置110において、小型化が可能となる。
例えば、半導体発光装置110のX−Y平面に平行な面の大きさは、下面電極タイプの電子部品の最小サイズとされることができる。例えば、半導体発光装置110のX−Y平面に平行な面は、600μm×300μmの長方形とすることができる。例えば、半導体発光装置110の外形は、例えば600μm×300μm×300μmの直方体とすることができる。半導体発光装置110のX−Y平面に平行な面は、1000μm×500μmの長方形とすることができる。例えば、半導体発光装置110の外形は、例えば1000μm×500μm×500μmの直方体とすることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、半導体発光装置110のX−Y平面に対して平行な面の大きさ及び形状、並びに、半導体発光装置110の大きさ及び形状は、任意である。
【0053】
以下、半導体発光装置110の構成の例についてさらに説明する。
蛍光体層61には、例えば、光を吸収し、その光の波長よりも長い波長を有する光を放出する蛍光体の粒子を混合して樹脂を用いることができる。この蛍光体は、例えば、青色光、紫光、及び、紫外光の少なくともいずれかの光を吸収し、その光よりも長い波長を有する光(例えば、緑色光、黄色光及び赤色光など)を放出する。蛍光体が混合される樹脂には、例えばシリコーン樹脂が用いられる。蛍光体層61の厚さは、例えば200μmとされる。蛍光体層61に用いられるシリコーン樹脂には、例えば、屈折率が約1.5のメチルフェニルシリコーンを用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、蛍光体層61に含まれる樹脂及び蛍光体は任意である。
【0054】
なお、既に説明したように、第2電極15は、導電層と、その導電層と第2半導体層12との間に設けられた反射層を含むことができる。この反射層は、例えばAg及びAlの少なくともいずれかを含有することができる。この反射層の厚さは、例えば0.3μmとすることができる。この反射層は、例えば、第2半導体層12の第2主面10aの側の実質的に全部の領域に設けることができる。これにより、発光層13から放出された光を効率的に第1主面10bに向けて反射することができる。ただし、反射層が設けられる領域は、任意であり、例えば、反射層は、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部の領域に設けても良い。
【0055】
また、第2電極15は、上記の反射層と、第2半導体層12と、の間に設けられたコンタクト電極層をさらに含んでも良い。このコンタクト電極層は、例えば、Au層(金層)と、Au層と第2半導体層12との間に設けられたNi層(ニッケル層)と、を含むことができる。なお、Ni層の厚さは0.1μmとすることができ、Au層の厚さは0.1μmとすることができる。
【0056】
第1電極14は、例えば、Au層と、Au層と第1半導体層11との間に設けられたNi層と、を含むことができる。このAu層の厚さは例えば0.1μmとすることができ、このNi層の厚さは0.1μmとすることができる。第1電極14は、例えば、第1半導体層11の第2主面10aの側の実質的に全部の領域に設けられることができる。ただし、第1電極14が設けられる領域は任意であり、第1電極14は第1半導体層11の第2主面10aの側の少なくとも一部に設けられる。
なお、第1電極14は、導電層と、その導電層と第1半導体層11との間に設けられた反射層と、を含んでも良い。このように、第1電極14は積層構造を有することができる。
【0057】
第2電極15の導電層は、例えば、Au層と、Au層と第2半導体層12との間に設けられたNi層と、を含むことができる。このAu層の厚さは例えば0.1μmとすることができ、このNi層の厚さは0.1μmとすることができる。第2電極15は、例えば、第2半導体層12の第2主面10aの側の実質的に全部の領域に設けられることができる。ただし、第2電極15が設けられる領域は任意であり、第2電極15は第2半導体層12の第2主面10aの側の少なくとも一部に設けられる。
【0058】
第1導電部30aに含まれる第1接続部32aには、例えばCu等の金属が用いられる。第1接続部32aは、第1層と、第2層と、を含むことができる。第1層は、第2層と第1電極14との間に設けられる。すなわち、第1層は第1電極14に接する。第1層は、例えばシード層であり、第2層は、例えばメッキ層である。第1層の厚さは、例えば約1μmとすることができる。第2層の厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0059】
第2導電部30bに含まれる第2接続部32bには、例えばCu等の金属が用いられる。第2接続部32bは、第3層と、第4層と、を含むことができる。第3層は、第4層と第2電極15との間に設けられる。すなわち、第3層は第2電極15に接する。第3層は、例えばシード層であり、第4層は、例えばメッキ層である。第3層は、第1層と同層であり、第3層には、第1層に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。第4層は第2層と同層であり、第4層には、第2層に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。第3層の厚さは、例えば約1μmとすることができる。第4層の厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0060】
ただし、第1〜第4層の面積、形状及び厚さは任意である。第1接続部32a及び第2接続部32bは、単層の薄膜でも良く、上記のように、積層膜でも良い。第1接続部32aは、第1層及び第2層に積層された他の層をさらに有しても良い。第2接続部32bは、第3層及び第4層に積層された他の層をさらに有しても良い。
【0061】
第1柱部31a及び第2柱部31bには、例えばCu等の金属を用いることができる。第1柱部31a及び第2柱部31bの厚さ(Z軸方向に沿った長さ)は、例えば60μm程度とすることができる。第1接続部32aによって、第1電極14と第1柱部31aとが電気的に接続される。第2接続部32bによって、第2電極15と第2柱部31bとが電気的に接続される。
【0062】
第1柱部31a及び第2柱部31bに用いられる材料、断面の形状、断面積及び厚さは上記に限らず任意である。
【0063】
封止部50には、例えば、熱硬化性樹脂を用いることができる。封止部50の厚さは、第1柱部31a及び第2柱部31bの厚さと同程度であり、例えば、60μm程度である。封止部50は、第1導電部30aの第1端面31ae、及び、第2導電部30bの第2端面31beを露出しつつ、第1導電部30aの側面(第1柱部31aの側面及び第1接続部32aの側面)、及び、第2導電部30bの側面(第2柱部31bの側面及び第2接続部32bの側面)を覆う。封止部50は、さらに、第1接続部32a及び第2接続部32bの半導体積層体10とは反対側の面を覆うことができる。さらに、封止部50は、半導体積層体10の第2主面10aの側の全体を覆うことができる。
【0064】
以下、半導体発光装置110の製造方法の例について説明する。
図2(a)〜図2(e)、図3(a)〜図3(e)、及び、図4(a)〜図4(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、図1(b)のA−A’線断面に相当する断面図である。
本製造方法は、複数の半導体発光装置110をウェーハレベルで一括して製造する方法である。
【0065】
図2(a)に表したように、半導体積層体10が形成された基板10sが用いられる。なお、基板10sには、例えばサファイア基板が用いられる。基板10sのサイズは、例えば直径が4インチであり、基板10sの厚さは、例えば500μm程度である。なお、半導体積層体10の形成方法は、例えば以下である。すなわち、基板10s上に、窒化物半導体の、第1半導体層11となる結晶膜、発光層13となる結晶膜、及び、第2半導体層12となる結晶膜が、エピタキシャル成長され、これらの結晶膜が、例えばRIE(Reactive Ion Etching)処理によりエッチングされ、第2主面10aの側に第1半導体層11の一部を露出させる。さらに、これらの結晶膜が、例えばRIE処理により加工され、個別化され、複数の半導体積層体10が形成される。
【0066】
次に、図2(b)に表したように、半導体積層体10の第2主面10aに、第1電極14及び第2電極15となる膜を形成し、所定の形状にこの膜を加工し、第1電極14及び第2電極15を形成する。さらに、保護層18を形成する。なお、図2(b)においては、煩雑さを避けるために、保護層18は図示されていない。
【0067】
具体的には、例えば、半導体積層体10の第2主面10aに、コンタクト電極層となる膜を形成する。すなわち、厚さが0.1μmのNi膜を形成し、その上に厚さが0.1μmのAu膜を形成する。これにより、コンタクト電極層となる膜が形成される。Ni膜及びAu膜の形成には例えばスパッタ法を用いることができる。さらに、このAu膜の上に、反射層となる層が形成される。すなわち、反射層として、Ag及びAlの少なくともいずれかを含む、例えば厚さが0.3μmの膜が形成される。この場合にもスパッタ法を用いることができる。これにより、反射層となる膜が形成される。
【0068】
さらに、反射層となる膜の上に、第1電極14及び第2電極15の導電層となる導電膜が形成される。すなわち、反射層となる膜の上に、例えば0.1μmのNi膜を形成し、その上に厚さが0.1μmのAu膜を形成する。このNi膜及びAu膜の形成にも、例えばスパッタ法を用いることができる。
【0069】
上記のコンタクト電極層となる膜、反射層となる膜、第1電極14及び第2電極15の導電層となる導電膜を所定の形状に加工する。これにより、第1電極14及び第2電極15が形成される。なお、上記の各膜の加工には、例えばリフトオフ法などの任意の方法を用いることができる。なお、コンタクト電極層、反射層、及び、第1電極14の導電層は、互いに異なるパターン形状を有することができる。コンタクト電極層、反射層、及び、第2電極15の導電層は、互いに異なるパターン形状を有することができる。
【0070】
さらに、第1電極14の少なくとも一部を除き、第2電極15の少なくとも一部を除く領域に、保護層18となる、例えば、厚さが0.3μmのSiO2膜を例えばCVD法により形成し、例えば、ドライエッチングやウエットエッチングによって加工して保護層18を形成する。
【0071】
次に、図2(c)に表したように、半導体積層体10の第2主面10aの、第1柱部31aの少なくとも一部、及び、第2柱部31bの少なくとも一部、の少なくともいずれかに対応する領域に、絶縁層20を形成する。本具体例では、第1柱部31aの一部に対応する領域の半導体積層体10の上に絶縁層20が設けられる。この絶縁層20は、第1電極14の少なくとも一部を除き、第2電極15の少なくとも一部を除く領域に形成される。なお、本具体例では、絶縁層20は、複数の半導体積層体10どうしの間にさらに設けられる。
【0072】
絶縁層20には、例えばポリイミドやPBO(ポリベンゾオキサゾール)などが用いられる。すなわち、例えば、半導体積層体10の第2主面10aの全面に、絶縁層20となるポリイミド膜を形成し、例えばマスクを用いた露光と、現像と、を行うことにより、選択的に絶縁層20を形成する。加工された絶縁層20は、必要に応じてベーキングされる。
【0073】
そして、この後、絶縁層20の上に、第1導電部30aの少なくとも一部、及び、第2導電部30bの少なくとも一部となる導電膜を形成する。この導電膜は、絶縁層20に覆われていない第1電極14の少なくとも一部と、絶縁層20に覆われていない第2電極15の少なくとも一部と、を覆うように、形成されることができる。具体的には以下の処理が行われる。
【0074】
すなわち、図2(d)に表したように、例えば、基板10sの第2主面10aの側の全面に、第1接続部32aの第1層、及び、第2接続部32bの第3層、となるシード層33を形成する。シード層33は、例えば、蒸着法やスパッタ法などの物理的被着法により形成される。シード層33は、後述するメッキ工程における給電層として機能する。シード層33には、例えば、Ti膜とCu膜との積層膜を用いることができる。なお、シード層33のTi層により、Cu膜と、レジストやパッド(第1電極14及び第2電極15)と、の密着強度を高めることができる。Ti層の厚さは、例えば0.2μm程度とされる。一方、シード層33のCu膜は、主に給電に寄与する。Cu膜の厚さは、0.2μm以上とすることが望ましい。
【0075】
次に、図2(e)に表したように、第1接続部32aに対応する領域を除き、第2接続部32bに対応する領域を除く領域に、第1レジスト層37を形成する。第1レジスト層37には、例えば、感光性の液状レジストやドライフィルムレジストを用いることができる。第1レジスト層37は、第1レジスト層37となる膜を形成した後に、所定の開口部を有する遮光マスクを用いた露光と、現像と、を実施することにより形成される。なお、必要に応じて第1レジスト層37はベーキングされる。
【0076】
次に、図3(a)に表したように、第1レジスト層37が設けられていない領域に、第1接続部32aの第2層、及び、第2接続部32bの第4層、となる接続部導電膜32fを形成する。接続部導電膜32fは、例えば、電気メッキ法により形成される。電気メッキ法においては、例えば、硫酸銅と硫酸とからなるメッキ液中に、上記の被加工体が設けられた基板10sを浸漬し、シード層33と直流電源の負極とを接続し、基板10sの被メッキ面と対向するように設置したアノードとなるCu板と直流電源の陽極とを接続する。そして、負極と陽極との間に電流を通電し、Cuのメッキを行う。メッキ工程において、メッキ膜の厚さは時間の経過と共に増加し、メッキ膜の厚さが必要な厚さに達したときに通電が停止されてメッキが完了する。これにより、メッキ膜からなる接続部導電膜32fが、第1レジスト層37の開口部に形成される。
【0077】
第1電極14に対応する位置のシード層33(第1層)と、第1電極14に対応する位置の接続部導電膜32f(第2層)と、が第1接続部32aとなる。第2電極15に対応する位置のシード層33(第3層)と、第2電極15に対応する位置の接続部導電膜32f(第4層)と、が第2接続部32bとなる。
【0078】
このように、シード層33及び接続部導電膜32fが、第1導電部30aの少なくとも一部、及び、第2導電部30bの少なくとも一部となる導電膜に相当する。
【0079】
この導電膜となるシード層33及び接続部導電膜32fは、絶縁層20に覆われていない第1電極14の少なくとも一部と、絶縁層20に覆われていない第2電極15の少なくとも一部と、を覆うように形成されている。
【0080】
この後、第1接続部32aの上に、第1柱部31aを形成し、第1接続部32aの上に、第1柱部31aを形成する。具体的には、例えば以下の処理が行われる。
【0081】
図3(b)に表したように、第1柱部31aに対応する領域を除き、第2柱部31bに対応する領域を除く領域に第2レジスト層38を形成する。すなわち、第1柱部31aに対応する第1開口領域39aと、第2柱部31bに対応する第2開口領域39bと、を有する第2レジスト層38を形成する。第2レジスト層38に用いられる材料、及び、第2レジスト層38の形成には、第1レジスト層37に関して説明した材料及び方法を採用することができる。
【0082】
このとき、第1柱部31aに対応する第1開口領域39aと、第2柱部31bに対応する第2開口領域39bと、が非対称とされる。すなわち、第1開口領域39aは、第2開口領域39bの面積とは異なる面積、第2開口領域39bのパターン形状とは異なるパターン形状、第2開口領域39bの数とは異なる数、及び、第2開口領域39bの配置とは異なる配置、の少なくともいずれかを有するように設定される。ここで、第1開口領域39aの配置は、例えば半導体積層体10の外形に対する第1開口領域39aの配置とすることができ、第2開口領域39bの配置は、例えば半導体積層体10の外形に対する第2開口領域39bの配置とすることができる。
【0083】
本具体例では、第1開口領域39aが円形とされ、第2開口領域39bが四角形とされる。すなわち、第1開口領域39aが、第2開口領域39bのパターン形状とは異なるパターン形状を有する例である。
【0084】
このように、この工程では、半導体積層体10の第2主面10aの上に、第1柱部31aに対応する第1開口領域39aと、第2柱部31bに対応し、第1開口領域39aとは非対称な第2開口領域39bと、を有する第2レジスト層38(レジスト膜)を形成する。
【0085】
次に、図3(c)に表したように、第2レジスト層38が設けられていない領域(すなわち、第1開口領域39a及び第2開口領域39b)に、第1柱部31a及び第2柱部31bとなる柱部導電膜31fを形成する。なお、柱部導電膜31fも、例えば、電気メッキ法により形成される。柱部導電膜31fの形成には、接続部導電膜32fの形成に関して説明した材料及び方法を適用することができる。第1接続部32aに接続される部分の柱部導電膜31fが第1柱部31aとなり、第2接続部32bに接続される部分の柱部導電膜31fが第2柱部31bとなる。なお、柱部導電膜31fは、第1導電部30aの少なくとも一部、及び、第2導電部30bの少なくとも一部となる導電膜に含まれることができる。
【0086】
これにより、第1開口領域39aに第1柱部31aが形成され、第2開口領域39bに第2柱部31bが形成される。そして、第1柱部31aの断面(Z軸方向に対して垂直な平面で切断したときの断面)の形状は、第1開口領域39aのパターン形状となる。そして、そして、第2柱部31bの断面(Z軸方向に対して垂直な平面で切断したときの断面)の形状は、第2開口領域39bのパターン形状となる。すなわち、第1柱部31aの断面の形状は円形となり、第2柱部31bの断面の形状は四角形となる。
【0087】
次に、図3(d)に表したように、第1レジスト層37及び第2レジスト層38を除去する。さらに、露出したシード層33を、例えば、酸洗浄により除去する。なお、接続部導電膜32fに覆われているシード層33は、第1層及び第3層として残存し、それぞれ第1接続部32a及び第2接続部32bに含まれる。
【0088】
次に、図3(e)に表したように、基板10sの第2主面10aの側の面に、封止部50となる樹脂層50fを形成する。樹脂層50fには、例えば、熱硬化性樹脂を用いることができる。例えば、印刷等の手法によって、第1柱部31a及び第2柱部31bが埋没する程度の厚さで、基板10sの第2主面10aの側の面に樹脂層50fとなる膜を形成し、加熱して硬化させ樹脂層50fを形成する。樹脂層50fの硬化の際の加熱条件は、例えば、150℃程度で2時間程度とされる。
【0089】
次に、図4(a)に表したように、樹脂層50fの表面を研削し、第1柱部31a及び第2柱部31bを露出させる。これにより、封止部50が形成される。なお、この研削において、樹脂層50fの研削と共に、第1柱部31aの一部と、第2柱部31bの一部と、を研削することができ、これにより、第1柱部31aの第1端面31ae、及び、第2柱部31bの第2端面31beは、封止部50の第2主面10aとは反対の側の面を含む面内に配置される。そして、本具体例では、円形の第1端面31aeと、四角形の第2端面31beと、が形成される。
【0090】
なお、上記の研削には、例えば、回転研磨ホイールを用いることができる。回転研削によって、平坦性を確保しながら研削を実施することができる。なお、研削後に、必要に応じて、乾燥が行われる。
【0091】
次に、図4(b)に表したように、半導体積層体10から基板10sを除去する。すなわち、例えば、基板10sの半導体積層体10とは反対側の面から、基板10sを介して、半導体積層体10に含まれる層(例えばGaN層)にレーザ光を照射し、この層の少なくとも一部を分解することで、半導体積層体10から基板10sを分離する。このレーザ光には、例えば、GaNの禁制帯幅に基づく禁制帯幅波長よりも短い波長を有するレーザ光を用いることができる。例えば、Nd:YAGの三倍高調波レーザを用いることができる。ただし、用いられるレーザ光は任意である。
【0092】
次に、図4(c)に表したように、本具体例では、半導体積層体10の第1主面10bに、光学層60の一部となる透光部62を形成する。すなわち、半導体積層体10の第1主面10bに、例えば、液状の透明樹脂層を印刷等によって塗布し、所定の形状を有する型をこの透明樹脂層に押し付け、透明樹脂層を所定の形状に変形させた後に、型を離型し、必要に応じて加熱及び紫外線照射の少なくともいずれかの処理を施して硬化させ、透光部62を形成する。この方法を採用することにより、所望の形状を有する型を用いることで任意の形状を有する透光部62を容易に形成することができる。
【0093】
次に、図4(d)に表したように、透光部62を覆うように蛍光体層61となる蛍光体膜61fを形成する。蛍光体膜61fは、例えば、蛍光体の粒子と、シリコーン樹脂と、が混合された樹脂材料を、透光部62を覆うように、スピンコートまたは印刷により塗布し、その後、樹脂材料を加熱硬化して形成される。この樹脂材料には、例えば、150℃で1時間の加熱により硬化する材料が用いられる。
【0094】
そして、図4(e)に表したように、封止部50となる樹脂層50f、及び、蛍光体層61となる蛍光体膜61fを切断し、複数の半導体積層体10のそれぞれを分離する。これにより、複数の半導体発光装置110が一括して製造できる。なお、上記の切断には、例えばダイサによるダイシング法を採用することができる。
【0095】
上記の製造方法においては、ウェーハレベルで一括して、電極、封止部及び光学層を形成することができ、生産性が高い。また、ウェーハレベルでの検査も可能となる。これにより生産性高く半導体発光装置を製造できる。また、リードフレーム、導電性基板及びボンディングワイヤなどのような部材を必要としないため、小型化が容易にできる。また、低コスト化も可能になる。
【0096】
なお、図4(b)に関して説明した、半導体積層体10から基板10sを分離する工程において、絶縁層20となる膜に高い温度が加わる場合があることがある。すなわち、基板10sの半導体積層体10とは反対側の面から、基板10sを介して、半導体積層体10にレーザ光を照射する際に、複数の半導体積層体10どうしの間において、絶縁層20となる膜が加熱されることがある。このときの加熱による絶縁層20となる膜の劣化を抑制するために、絶縁層20となる膜には、耐熱性の高い材料を用いることが望ましい。
【0097】
例えば、絶縁層20には、封止部50に用いられる樹脂よりも耐熱性が高い樹脂を用いることが、より望ましい。すなわち、絶縁層20の熱分解温度は、封止部50の熱分解温度よりも高いことが、より望ましい。例えば、絶縁層20には、熱分解温度が380℃程度以上のポリイミドを用いることができ、封止部50には、例えば、熱分解温度が280℃以上300℃以下程度のエポキシ樹脂を用いることができる。なお、熱分解温度は、例えば、加熱によって重量が一定の割合(例えば5パーセント)で減少するときの温度を採用することができる。
【0098】
また、絶縁層20となる膜がフィラーを含んだ場合においては、絶縁層20となる膜に加わる高温によってフィラーに起因した不良が発生することがある。この不良を抑制するため、絶縁層20に含まれるフィラーの含有率は、封止部50に含まれるフィラーの含有率よりも低く設定されることが望ましい。例えば、絶縁層20には、実質的にフィラーを含まないポリイミドを用いることができる。
【0099】
図5(a)〜図5(c)、及び、図6(a)〜図6(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、図1(b)のA−A’線断面に相当する断面図である。
【0100】
図5(a)〜図5(c)及び図6(a)〜図6(c)に例示する半導体発光装置110a〜110fにおいても、第1端面31ae及び第2端面31beのパターン形状は、半導体発光装置110と同様に、互いに非対称であり、同様に電極の判別が容易である。以下では、半導体発光装置110a〜110fにおける第1端面31ae及び第2端面31beのパターン形状以外の構成に関して説明する。
【0101】
図5(a)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置110aにおいては、透光部62が凸レンズの形状を有している。
【0102】
さらに、透光部62の厚さが一定であっても良い。すなわち、透光部62は、レンズ作用を有する他、半導体積層体10の温度上昇を抑制する作用を有することもできる。すなわち、蛍光体層61においては、波長変換の際に一部のエネルギーが吸収され発熱するが、透光部62を蛍光体層61と半導体積層体10との間に設けることで、蛍光体層61を半導体積層体10から離すことができ、半導体積層体10の温度の上昇を抑制できる。
このように、透光部62の形状は任意である。
【0103】
図5(b)に表したように、別の半導体発光装置110bにおいては、光学層60には、蛍光体層61が設けられているが、透光部62が設けられていない。このように、透光部62は、必要に応じて設けられる。
【0104】
図5(c)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置110cにおいては、光学層60は、蛍光体を含む蛍光体層61と、蛍光体層61の半導体積層体10とは反対側に設けられた硬質膜63と、を有する。硬質膜63は、蛍光体層61の硬度よりも高い硬度を有する。硬質膜63は透光性を有する。硬質膜63には、例えば硬度の高いシリコーン樹脂を用いることができる。硬質膜63の形成には、例えば、スピンコート法または印刷法を採用できる。また、硬質膜63には、例えば窒化シリコンや酸化シリコンなどを用いることができる。この場合には、硬質膜63は、例えばスパッタなどの方法によって形成される。ただし、硬質膜63の材料及び形成方法は任意である。
【0105】
硬質膜63を設けることで、半導体発光装置110cの発光面(光学層60の側の面)において高い硬度が得られるため、例えば、半導体発光装置110cのハンドリングが容易になる。
【0106】
例えば、蛍光体層61に用いられるシリコーン樹脂の硬度が低い場合において、光学層60の最表面(半導体積層体10から最も離れた面)に蛍光体層61が露出していると、例えば、半導体発光装置をコレットでピックアップする際に、蛍光体層61がコレットに密着し適切な実装が行われ難い場合がある。このとき、蛍光体層61よりも硬度が高い硬質膜63を蛍光体層61の上に設けることで、良好な実装がより実施し易くなる。
【0107】
図6(a)、図6(b)及び図6(c)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置110d、110e及び110fにおいては、第1接続部32a及び第2接続部32bが設けられていない。このように、第1接続部32a及び第2接続部32bは必要に応じて設けられる。
【0108】
なお、図6(a)に例示した半導体発光装置110dにおいては、透光部62は、凸レンズの形状を有しているが、半導体発光装置110のように、透光部62の形状を凹レンズの形状としても良い。また、透光部62の厚さは一定としても良い。
【0109】
なお、図6(b)に例示した半導体発光装置110eは、透光部62が省略される例であり、図6(c)に例示した半導体発光装置110fは、図5(c)に関して説明した硬質膜63が設けられる例である。
【0110】
図7(a)〜図7(c)及び図8(a)〜図8(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的平面図である。
これらの図は、Z軸方向に沿って半導体発光装置をみたときの、第1端面31ae及び第2端面31beの形状を例示している。
【0111】
図7(a)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置111aにおいては、第1端面31aeの大きさは、第2端面31beの大きさよりも小さい。すなわち、第1端面31aeの面積は、第2端面31beの面積よりも小さい。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。
【0112】
なお、このように、第1端面31aeの大きさを第2端面31beの大きさとは異ならせる場合には、p形半導体層に接続される電極の端面を、n形半導体層に接続される電極の端面のよりも大きくすることが望ましい。すなわち、p形半導体層に接続される電極の端面の面積を、n形半導体層に接続される電極の端面の面積のよりも大きくすることが望ましい。p形半導体層の方がn形半導体層よりも高温になり易いため、この構成を採用することで、高温になり易いp形半導体層の熱をより放熱し易くできる。
【0113】
図7(b)に表したように、別の半導体発光装置111bにおいては、第1端面31aeは4つの端面を含む。すなわち、第1端面31aeは、第1〜第4サブ端面31ae1〜31ae4を含む。一方、第2端面31beは1つである。
【0114】
このように、第1端面31aeの数(第1端面31aeに含まれる面の数)と、第2端面31beの数(第2端面31beに含まれる面の数)と、を異ならせることができる。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。なお、本具体例においては、第1〜第4サブ端面31ae1〜31ae4を含む第1端面31aeの全体の形状は、第2端面31beの形状と、線対称または点対称の関係を有しているが、第1端面31aeに含まれる面の数と、第2端面31beに含まれる面の数とが異なることで、第1端面31aeと第2端面31beとは非対称とされる。
【0115】
図7(c)に表したように、別の半導体発光装置111cにおいては、第1端面31aeは1つである。一方、第2端面31beは、第5及び第6サブ端面31be1及び31be2の2つの面を含む。このように、この場合も、第1端面31aeに含まれる面の数と、第2端面31beに含まれる面の数とが異なる。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。本具体例においては、第1端面31aeのパターン形状は、第5及び第6サブ端面31be1及び31be2を含む第2端面31beの全体のパターン形状と、非対称である。なお、本具体例においては、第2半導体層12に接続され、第5及び第6サブ端面31be1及び31be2を含む第2端面31beの全体の面積は、第1半導体層11に接続される第1端面31aeの面積よりも大きく設定されている。
【0116】
図8(a)に表したように、別の半導体発光装置111dにおいては、第1端面31aeは6角形であり、第2端面31beは四角形である。このように、第1端面31aeのパターン形状と、第2端面31beのパターン形状と、が異なる。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。
【0117】
さらに、本具体例では、第1端面31aeは、第1端面31aeから第2端面31beに向かう方向(この例ではX軸方向)に沿って異方性を有する多角形のパターン形状を有している。パターン形状が異方性を有することから、そのパターン形状の基づいて電流の流れる方向を直感的に把握することも可能になり、これによって、第1端面31aeと第2端面31beとがより判別し易くできる。
【0118】
図8(b)に表したように、別の半導体発光装置111eにおいては、第1端面31aeの第2端面31beとは反対の側の2つの角部に、X軸方向に対して傾斜した斜めの辺が設けられている。一方、第2端面31beの第1端面31aeの側の2つの角部に、X軸方向に対して傾斜した斜めの辺が設けられている。すなわち、第1端面31aeの形状と、第2端面31beの形状と、は互いに並進の関係を有するが、非対称の関係を有する。すなわち、第1端面31aeと第2端面31beとは、Y軸方向に平行な軸に関して線対称でない。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別し易くできる。
【0119】
図8(c)に表したように、別の半導体発光装置111fにおいては、第1端面31aeの半導体積層体10とは反対の側の封止部実装面50s内の配置と、第2端面31beの封止部実装面50s内の配置と、が非対称である。すなわち、本具体例では、封止部実装面50sのY軸方向に延在する辺のうちの第1端面31aeに近接する辺と、第1端面31aeと、の距離は、封止部実装面50sのY軸方向に延在する辺のうちの第2端面31beに近接する辺と、第2端面31beと、の距離よりも短く設定されている。このように、第1端面31aeの配置(例えば封止部実装面50s内における配置)と、第2端面31beの配置(例えば封止部実装面50s内における配置)と、を非対称にすることで、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。
【0120】
このように、第1端面31aeと第2端面31beとが非対称であることは、例えば、第1端面31aeの大きさが、第2端面31beの大きさとは異なる場合を含む。例えば、第1端面31aeの数が、第2端面31beの数とは異なる場合を含む。例えば、第1端面31aeのパターン形状が、第2端面31beのパターン形状とは異なる場合を含む。例えば、第1端面31aeの配置が、第2端面31beの配置と非対称である場合を含む。
【0121】
このように、第1端面31aeは、第2端面31beの面積とは異なる面積、第2端面31beのパターン形状とは異なるパターン形状、第2端面31beの数とは異なる数、及び、第2端面31beの、封止部50の半導体積層体10とは反対の側の封止部実装面50s内における配置とは異なる封止部実装面50s内における配置、の少なくともいずれかを有する。
【0122】
図9は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図10(a)、図10(b)及び図10(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図10(c)は模式的平面図であり、図10(a)は、図10(c)のC−C’線断面図であり、図10(b)は、図10(c)のD−D’線断面図である。
図11(a)、図11(b)、図11(c)及び図11(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、これらの図は、本実施形態に係る別の半導体発光装置112に含まれる構成要素をZ軸方向に沿ってみたときのパターン形状を例示する図である。図11(a)は、第1電極14及び第2電極15のパターン形状を例示し、図11(b)は、絶縁層20のパターン形状を例示し、図11(c)は、第1接続部32a及び第2接続部32bのパターン形状を例示し、図11(d)は、第1柱部31a及び第2柱部31bのパターン形状を例示している。
【0123】
図9、図10(a)〜図10(c)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置112においては、第1柱部31aが1つ設けられ、第2柱部31bが2つ設けられている。すなわち、第1端面31aeは、第2端面31beの数とは異なる数を有する。そして、半導体発光装置112及び半導体積層体10をZ軸方向からみたときの形状が、略正方形とされている。そして、2つの第2柱部31bは半導体発光装置112の1つの辺に沿って並び、その辺に対向する辺の中心部に近接して第1柱部31aが配置されている。
【0124】
本具体例では、第2柱部31bの数は、第1柱部31aの数よりも多い。1つの柱部の断面積が例えば製造工程の諸条件によって定められる場合などにおいては、第2柱部31bの数を第1柱部31aの数よりも多く設定することで、第2柱部31bの全体としての断面積は、第1柱部31aの全体としての断面積よりも大きくできる。これにより、特に発熱し易い第2半導体層12の側の第2柱部31bにおける放熱性が向上し、発光効率がより向上できる。
【0125】
図11(a)に表したように、第1電極14は、半導体積層体10の1つの辺の中央部に近接して設けられている。一方、第2電極15は、半導体積層体10の第1電極14を除く領域に設けられている。第2電極15の面積は、第1電極14の面積よりも大きい。これにより、放熱性が向上し、また、電流の注入効率が向上し、発光効率が向上できる。
【0126】
図11(b)及び図10(a)に表したように、絶縁層20には、第1開口部20o1と、複数の第2開口部20o2と、が設けられている。複数の第2開口部20o2の1つのパターン形状は、例えば10μm×10μmの略正方形である。
【0127】
図10(a)に例示したように、第1開口部20o1により、第1電極14の少なくとも一部が露出されている。そして、図10(b)に例示したように、複数の第2開口部20o2により、第2電極15の一部が露出されている。
【0128】
図11(c)及び図10(a)に表したように、第1接続部32aは、第1開口部20o1から露出された第1電極14の少なくとも一部を覆うパターン形状を有している。そして、図11(c)及び図10(b)に表したように、第2接続部32bは、複数の第2開口部20o2から露出された第2電極15の一部を覆うパターン形状を有している。
【0129】
図11(d)に表したように、第1柱部31aは、Z軸方向に沿ってみたときに、第1接続部32aと重なるパターン形状を有している。そして、図11(d)に表したように、第2柱部31bは、Z軸方向に沿ってみたときに、第2接続部32bと重なるパターン形状を有している。
【0130】
このようなパターン形状を採用することで、第1柱部31aは、第1接続部32aを介して、第1開口部20o1から露出する第1電極14と電気的に接続される。そして、第2柱部31bは、第2接続部32bを介して、複数の第2開口部20o2から露出する第2電極15と電気的に接続される。
【0131】
そして、本具体例では、絶縁層20は、第1柱部31aの半導体積層体10の側の全面と、半導体積層体10と、の間に設けられている。そして、絶縁層20は、第2柱部31bの半導体積層体10の側の全面と、半導体積層体10と、の間にさらに設けられている。具体的には、絶縁層20は、第2柱部31bの半導体積層体10の側の全面と、第2電極15と、の間に設けられている。
【0132】
図11(d)に表したように、第1端面31aeは、第2端面31beの数とは異なる数を有する。そして、2つの第2端面31beは、封止部50の半導体積層体10とは反対の側の封止部実装面50sの辺に沿って配列している。一方、第1端面31aeは、封止部実装面50sの、第2端面31beが近接して設けられた辺に対向する辺の中心部に近接して配置されている。このように、第1端面31aeは、第2端面31beの数とは異なる数を有する。そして、第1端面31aeは、第2端面31beの封止部実装面50s内における配置とは異なる封止部実装面50s内における配置を有している。このように、第1端面31aeは、第2端面31beと非対称である。
【0133】
これにより、半導体発光装置112を例えばZ軸方向を中心にして回転した場合においても、第1導電部30aと第2導電部30bとが判別できる。このように、半導体発光装置112によれば、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置が提供できる。
【0134】
なお、図9、図10(a)及び図10(b)に表したように、半導体発光装置112においては、第1導電部30aの第1柱部31aの半導体積層体10とは反対の側の端に、第1接続部材72aが設けられ、第2導電部30bの第2柱部31bの半導体積層体10とは反対の側の端に、第2接続部材72bが設けられている。第1接続部材72a及び第2接続部材72bには、はんだを用いることができる。第1接続部材72a及び第2接続部材72bは省略しても良い。
【0135】
なお、第1柱部31aの第1端面31ae(第1接続部材72aと接する部分)、及び、第2柱部31bの第1端面31be(第2接続部材72bと接する部分)に、表面層を設けても良い。この表面層には、例えば、水溶性プリフラックス、無電解Ni/Ajuメッキ、及び、AuSnメッキなどの少なくともいずれかの処理が行われた層を用いることができる。これにより、第1端面31ae及び第2端面31beにおけるはんだとの濡れ性が向上でき、実装性が向上する。
【0136】
本具体例においても、光学層60は、蛍光体層61を有し、さらに、透光部62及び硬質膜63を有しても良い。
【0137】
図12(a)、図12(b)及び図12(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図12(c)は模式的平面図であり、図12(a)は、図12(c)のE−E’線断面図であり、図12(b)は、図12(c)のF−F’線断面図である。
図13(a)、図13(b)、図13(c)及び図13(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、これらの図は、本実施形態に係る別の半導体発光装置112aに含まれる構成要素をZ軸方向に沿ってみたときのパターン形状を例示する図である。図13(a)〜図13(d)は、第1電極14及び第2電極15のパターン形状、絶縁層20のパターン形状、第1接続部32a及び第2接続部32bのパターン形状、並びに、第1柱部31a及び第2柱部31bのパターン形状を、それぞれ例示している。
【0138】
図12(a)〜図12(c)、図13(d)に表したように、半導体発光装置112aにおいても、第2柱部31bが2つ設けられている。すなわち、第1端面31aeは、第2端面31beの数とは異なる数を有する。そして、2つの第2端面31beは封止部実装面50sの辺に沿って配列し、第1端面31aeは、封止部実装面50sの、第2端面31beが近接して設けられた辺に対向する辺の中心部に近接して配置されている。すなわち、第1端面31aeは、第2端面31beの封止部実装面50s内における配置とは異なる封止部実装面50s内における配置を有している。この場合も、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。
【0139】
図13(a)に表したように、第1電極14及び第2電極15のパターン形状は、半導体発光装置112と同様である。
【0140】
図13(b)に表したように、半導体発光装置112aにおいては、絶縁層20には、1つの第1開口部20o1と、1つの第2開口部20o2と、が設けられている。そして、絶縁層20は、第2柱部31bが設けられる領域には設けられていない。すなわち、第2柱部31bが設けられる領域には、第2開口部20o2が配置される。
【0141】
図12(a)に例示したように、第1開口部20o1により、第1電極14の少なくとも一部が露出されている。そして、図12(b)に例示したように、第2開口部20o2により、第2電極15の一部が露出されている。
【0142】
図13(c)及び図12(a)に表したように、第1接続部32aは、第1開口部20o1から露出された第1電極14の少なくとも一部を覆うパターン形状を有している。そして、図13(c)及び図12(b)に表したように、第2接続部32bは、第2開口部20o2から露出された第2電極15の一部を覆うパターン形状を有している。この場合には、第2接続部32bの実質的に全面が、半導体積層体10の第2電極15に直接的に接続されている。
【0143】
図13(d)に表したように、第1柱部31aは、Z軸方向に沿ってみたときに、第1接続部32aと重なるパターン形状を有している。そして、第2柱部31bは、Z軸方向に沿ってみたときに、第2接続部32bと重なるパターン形状を有している。
【0144】
このようなパターン形状を採用することで、第1柱部31aは、第1接続部32aを介して、第1開口部20o1から露出する第1電極14と電気的に接続される。そして、第2柱部31bは、第2接続部32bを介して、複数の第2開口部20o2から露出する第2電極15と電気的に接続される。
このように、絶縁層20のパターン形状は種々の変形が可能である。
【0145】
なお、半導体発光装置112においては、絶縁層20は、第1柱部31aと半導体積層体10との間、及び、第2柱部31bと半導体積層体10との間、の両方に設けられている。これにより、半導体積層体10に加わる応力を緩和する効果が高い。一方、半導体発光装置112aにおいては、絶縁層20は、第1柱部31aと半導体積層体10との間に設けられ、第2柱部31bと半導体積層体10との間には設けられていない。このため、第2柱部31bは、絶縁層20を介さないで第2接続部32bを介して半導体積層体10に対向するので、半導体積層体10と第2導電部30bとが、(第2電極15を介して)熱的に接続される。このため、熱抵抗が低下でき、放熱性を高めることができる。このように、絶縁層20の配置は、応力緩和と放熱性向上とに関する所望の特性に応じて適切に選択されることができる。
【0146】
図14(a)、図14(b)、図14(c)及び図14(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、これらの図は、第1柱部31a及び第2柱部31bのパターン形状をそれぞれ例示している。
【0147】
図14(a)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置113aにおいては、第1端面31aeの面積は、第2端面31beの面積よりも小さい。これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。なお、第1端面31aeは、封止部実装面50sの1つの角部に近接して配置され、第2端面31beは、封止部実装面50sの別の1つの角部に近接して配置されている。
【0148】
図14(b)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置113bにおいては、第1端面31aeのパターン形状は、第2端面31beのパターン形状とは異なる。すなわち、第1端面31aeは凹状部を有しており、第2端面31beは凸状部を有している。これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。
【0149】
なお、第1端面31ae及び第2端面31beのパターン形状は、第1端面31aeから第2端面31beに向かう方向に関して異方性を有する形状を有しており、これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとの間に流れる電流の向きを直感的に把握できる。なお、この場合も、第1端面31aeは、封止部実装面50sの1つの角部に近接して配置され、第2端面31beは、封止部実装面50sの別の1つの角部に近接して配置されている。
【0150】
図14(c)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置113cにおいては、封止部実装面50sの周縁部と第1端面31aeとの距離は、封止部実装面50sの周縁部と第2端面31beとの距離よりも短い。すなわち、第1端面31aeは封止部実装面50sの1つの角部に近接して配置されており、第2端面31beは、封止部実装面50sの中央部に配置されている。すなわち、第1端面31aeの配置は、第2端面31beの配置とは異なる。これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。
【0151】
図14(d)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置113dにおいては、第1端面31aeが1つ設けられ、第2端面31beが2つ設けられている。そして、第1端面31aeは封止部実装面50sの1つの角部に近接して配置されている。一方、第2端面31beのうちの1つは、封止部実装面50sの1つの辺の中央部に近接して配置されており、第2端面31beのうちの別の1つは、封止部実装面50sの別の1つの辺の中央部に近接して配置されている。このように、第1端面31aeと第2端面31beとで、数及び配置が異なる。これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。
【0152】
このように、半導体発光装置113a〜113dにおいても、第1端面31aeと第2端面31beとが非対称であり、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置が提供できる。
【0153】
(第2の実施の形態)
図15は、第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
本実施形態は、上記の実施形態に係るいずれかの半導体発光装置を製造する方法である。すなわち、本製造方法は、第1主面10bと、第1主面10bとは反対側の第2主面10aと、を有する半導体積層体10と、半導体積層体10の第2主面10aに設けられた第1電極14及び第2電極15と、を含む発光部10dと、第1電極14に電気的に接続され、第2主面10aの上に立設された第1柱部31aを含む第1導電部30aと、第2電極15に電気的に接続され、第2主面10aの上に立設された第2柱部31bを含む第2導電部30bと、第1導電部30aの側面及び第2導電部30bの側面を覆う封止部50と、半導体積層体10の第1主面10bに設けられ、発光層13から放出された発光光を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する蛍光体層61(波長変換部)を含む光学層60と、を有し、第1導電部30aの半導体積層体10とは反対側の第1端面31aeと、第2導電部30bの半導体積層体10とは反対側の第2端面31beと、は、非対称である半導体発光装置の製造方法である。なお、半導体積層体10は、第1主面10bの側に設けられた第1導電形の第1半導体層11と、第2主面10aの側に設けられた第2導電形の第2半導体層12と、第1半導体層11と第2半導体層12との間に設けられた発光層13と、を含み、半導体積層体10においては、第2半導体層12及び発光層13が選択的に除去されて第2主面10bにおいて第1半導体層11の一部が露出する。第1電極14は第2主面10aの側において第1半導体層11に電気的に接続され、第2電極15は第2主面10aの側において第2半導体層12に電気的に接続される。
【0154】
図15に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置の製造方法においては、半導体積層体10の第2主面10aの上に、第1柱部31aに対応する第1開口領域39aと、第2柱部31bに対応し第1開口領域39aとは非対称な第2開口領域39bと、を有するレジスト膜(第2レジスト層38)を形成する(ステップS110)。すなわち、例えば、図3(b)に関して説明した処理を行う。
【0155】
そして、図15に表したように、第1開口領域39aと第2開口領域39bとに導電膜(柱部導電膜31f)を形成して第1柱部31aと第2柱部31bとを形成する(ステップS120)。すなわち、例えば、図3(c)に関して説明した処理を行う。
【0156】
これにより、互いに非対称な第1端面31aeと第2端面31beとを形成でき、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置を製造することができる。
【0157】
そして、既に説明したように、上記のレジスト膜(第2レジスト層38)の形成(ステップS110)と、上記の第1柱部31aと第2柱部31bとの形成(柱部導電膜31fの形成、ステップS120)と、は、複数の半導体積層体10が設けられた基板10sにおいて、複数の半導体積層体10について一括して実施されることができる。これにより、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置を高い生産性で製造することができる。
【0158】
赤色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる赤色の蛍光体は、これに限定されない。
Y2O2S:Eu、
Y2O2S:Eu+顔料、
Y2O3:Eu、
Zn3(PO4)2:Mn、
(Zn,Cd)S:Ag+In2O3、
(Y,Gd,Eu)BO3、
(Y,Gd,Eu)2O3、
YVO4:Eu、
La2O2S:Eu,Sm、
LaSi3N5:Eu2+、
α−sialon:Eu2+、
CaAlSiN3:Eu2+、
CaSiNX:Eu2+、
CaSiNX:Ce2+、
M2Si5N8:Eu2+、
CaAlSiN3:Eu2+、
(SrCa)AlSiN3:EuX+、
Srx(SiyAl3)z(OxN):EuX+ 。
【0159】
緑色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる緑色の蛍光体は、これに限定されない。
ZnS:Cu,Al、
ZnS:Cu,Al+顔料、
(Zn,Cd)S:Cu,Al、
ZnS:Cu,Au,Al,+顔料、
Y3Al5O12:Tb、
Y3(Al,Ga)5O12:Tb、
Y2SiO5:Tb、
Zn2SiO4:Mn、
(Zn,Cd)S:Cu、
ZnS:Cu、
Zn2SiO4:Mn、
ZnS:Cu+Zn2SiO4:Mn、
Gd2O2S:Tb、
(Zn,Cd)S:Ag、
ZnS:Cu,Al、
Y2O2S:Tb、
ZnS:Cu,Al+In2O3、
(Zn,Cd)S:Ag+In2O3、
(Zn,Mn)2SiO4、
BaAl12O19:Mn、
(Ba,Sr,Mg)O・aAl2O3:Mn、
LaPO4:Ce,Tb、
Zn2SiO4:Mn、
ZnS:Cu、
3(Ba,Mg,Eu,Mn)O・8Al2O3、
La2O3・0.2SiO2・0.9P2O5:Ce,Tb、
CeMgAl11O19:Tb、
CaSc2O4:Ce、
(BrSr)SiO4:Eu、
α−sialon:Yb2+、
β−sialon:Eu2+、
(SrBa)YSi4N7:Eu2+、
(CaSr)Si2O4N7:Eu2+、
Sr(SiAl)(ON):Ce 。
【0160】
青色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる青色の蛍光体はこれに限定されない。
ZnS:Ag、
ZnS:Ag+顔料、
ZnS:Ag,Al、
ZnS:Ag,Cu,Ga,Cl、
ZnS:Ag+In2O3、
ZnS:Zn+In2O3、
(Ba,Eu)MgAl10O17、
(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu、
Sr10(PO4)6Cl2:Eu、
(Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al10O17、
10(Sr,Ca,Ba,Eu)・6PO4・Cl2、
BaMg2Al16O25:Eu 。
【0161】
黄色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる黄色の蛍光体はこれに限定されない。
Li(Eu,Sm)W2O8、
(Y,Gd)3,(Al,Ga)5O12:Ce3+、
Li2SrSiO4:Eu2+、
(Sr(Ca,Ba))3SiO5:Eu2+、
SrSi2ON2.7:Eu2+ 。
【0162】
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BxInyAlzGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むものや、導電形などを制御するために添加される各種のドーパントのいずれかをさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0163】
以上説明したように、実施形態によれば、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置及びその製造方法を提供することができる。
【0164】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0165】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施の形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、発光部に含まれる半導体層、発光層、電極、導電層、反射層及びコンタクト電極層、並びに、半導体発光装置に含まれる導電部、電極、柱部、接続部、絶縁層、封止部、光学層、波長変換部、蛍光体層、蛍光体、透光部及び硬質膜などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0166】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体発光装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体発光装置及びその製造方法も、本発明の実施の形態の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0167】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0168】
10…半導体積層体、 10a…第2主面、 10b…第1主面、 10d…発光部、 10s…基板、 11…第1半導体層、 12…第2半導体層、 13…発光層、 14…第1電極、 15…第2電極、 18…保護層、 20…絶縁層、 20o1…第1開口部、 20o2…第2開口部、 30a…第1導電部、 30b…第2導電部、 31a…第1柱部、 31ae…第1端面、 31ae1〜31ae4…第1〜第4サブ端面、 31b…第2柱部、 31be…第2端面、 31be1〜31be2…第5及び第6サブ端面、 31f…柱部導電膜、 32a…第1接続部、 32b…第2接続部、 32f…接続部導電膜、 33…シード層、 37…第1レジスト層、 38…第2レジスト層(レジスト膜)、 39a…第1開口領域、 39b…第2開口領域、 50…封止部、 50f…樹脂層、 50s…封止部実装面、 60…光学層、 61…蛍光体層(波長変換部)、 61f…蛍光体膜、 62…透光部、 63…硬質膜、 72a…第1接続部材、 72b…第2接続部材、 110、110a〜110f、111a〜111f、112、112a、113a〜113d…半導体発光装置
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小型で低消費電力の発光装置として、青色LED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子と、蛍光体と、を組み合わせることで白色光を発する白色LED発光装置が開発されている。
【0003】
例えば、LEDチップをリードフレームや導電性基板にダイボンドしてワイヤーボンドを行った後、LEDチップ表面に蛍光体を塗布する構成の半導体発光装置が知られている。しかしながら、このような半導体発光装置においては、LEDチップの他に、リードフレーム、導電性基板及びボンディングワイヤなどのような部材が必要であるため、装置が大きくなる。
【0004】
半導体発光装置の小型化のための新しい技術の開発が期待されている。
半導体発光装置において小型化を進めると、LEDチップへの電流供給のための電極サイズも小さくなるため、陽極電極と陰極電極との判別が困難になり、例えば、半導体発光装置の実装の際に不良が発生し易くなる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−210874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、発光部と、第1導電部と、第2導電部と、封止部と、光学層と、を備えた半導体発光装置が提供される。前記発光部は、第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有する半導体積層体と、前記半導体積層体の前記第2主面に設けられた第1電極及び第2電極と、を含む。前記第1導電部は、前記第1電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む。前記第2導電部は、前記第2電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む。前記封止部は、前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う。前記光学層は、前記半導体積層体の前記第1主面に設けられ、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む。前記第1導電部の前記半導体積層体とは反対側の第1端面と、前記第2導電部の前記半導体積層体とは反対側の第2端面と、は、非対称である。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、発光部と、第1導電部と、第2導電部と、封止部と、光学層と、を有する半導体発光装置の製造方法が提供される。前記発光部は、第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有する半導体積層体と、前記半導体積層体の前記第2主面に設けられた第1電極及び第2電極と、を含む。前記第1導電部は、前記第1電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む。前記第2導電部は、前記第2電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む。前記封止部は、前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う。前記光学層は、前記半導体積層体の前記第1主面に設けられ、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む。前記第1導電部の前記半導体積層体とは反対側の第1端面と、前記第2導電部の前記半導体積層体とは反対側の第2端面と、は、非対称である。前記製造方法においては、前記半導体積層体の前記第2主面の上に、前記第1柱部に対応する第1開口領域と、前記第2柱部に対応し前記第1開口領域とは非対称な第2開口領域と、を有するレジスト膜を形成し、前記第1開口領域と前記第2開口領域とに導電膜を形成して前記第1柱部と前記第2柱部とを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
【図2】図2(a)〜図2(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図3】図3(a)〜図3(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図4】図4(a)〜図4(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図5】図5(a)〜図5(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図6】図6(a)〜図6(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図7】図7(a)〜図7(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図8】図8(a)〜図8(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図9】第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的斜視図である。
【図10】図10(a)〜図10(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
【図11】図11(a)〜図11(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式的平面図である。
【図12】図12(a)〜図12(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
【図13】図13(a)〜図13(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式的平面図である。
【図14】図14(a)〜図14(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式平面図である。
【図15】第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図1(b)は模式的平面図であり、図1(a)は、図1(b)のA−A’線断面図である。
【0012】
図1(a)及び図1(b)に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置110は、発光部10dと、第1導電部30aと、第2導電部30bと、封止部50と、光学層60と、を備える。
【0013】
発光部10dは、半導体積層体10と、第1電極14と、第2電極15と、を含む。
半導体積層体10は、第1導電形の第1半導体層11と、第2導電形の第2半導体層12と、第1半導体層11と第2半導体層12との間に設けられた発光層13と、を含む。
【0014】
半導体積層体10においては、第2半導体層12及び発光層13が選択的に除去されて第2半導体層12の側の第2主面10aにおいて第1半導体層11の一部が露出している。
【0015】
すなわち、半導体積層体10は、第1主面10bと、第1主面10bとは反対側の第2主面10aと、を有している。第2主面10aの側に第2半導体層12が配置され、第1主面10bの側に、第1半導体層11が配置される。第2半導体層12及び発光層13の面積は、第1半導体層11の面積よりも小さく、第2主面10aの側において、第1半導体層11の一部は、第2半導体層12及び発光層13に覆われていない。
【0016】
第1導電形は例えばn形であり、第2導電形は例えばp形である。ただし、実施形態はこれに限らず、第1導電形がp形であり、第2導電形がn形でも良い。以下では、第1導電形がn形であり、第2導電形がp形である場合として説明する。すなわち、第1半導体層11は、n形半導体層である。第2半導体層12は、p形半導体層である。
【0017】
第1半導体層11、第2半導体層12及び発光層13には、例えば、窒化物半導体を用いることができる。第1半導体層11は、例えばGaNを含むn形クラッド層である。第2半導体層12は、例えばp形クラッド層である。発光層13は、例えば量子井戸層と、量子井戸層に積層された障壁層と、を有する。発光層13は、例えば、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造を有することができる。
【0018】
ここで、第2主面10aから第1主面10bに向かう方向をZ軸方向とする。すなわち、Z軸方向は、第1半導体層11、発光層13及び第2半導体層12の積層方向である。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0019】
半導体積層体10は、例えば、サファイアなどの基板の上に、第1半導体層11となる結晶、発光層13となる結晶、及び、第2半導体層12となる結晶が順次成長され、その後、所定の領域の、第1半導体層11の一部、発光層13、及び、第2半導体層12が除去されて形成される。
【0020】
第1電極14は、第2主面10aの側において第1半導体層11に電気的に接続される。第2電極15は、第2主面10aの側において第2半導体層12に電気的に接続される。第1電極14は、例えばn側電極であり、第2電極15は、例えばp側電極である。発光部10dにおいて、第1電極14と第2電極15とを介して、半導体積層体10に電流を供給することで、発光層13から光(発光光)が放出される。
【0021】
このように、発光部10dは、第1主面10bと、第1主面10bとは反対側の第2主面10aと、第2主面10aに設けられた第1電極14と及び第2電極15と、を有する
第1導電部30aは、第1電極14に電気的に接続される。第1導電部30aは、第2主面10aの上に立設された第1柱部31aを含む。第1柱部31aは、例えばZ軸方向に沿って延在する部分を少なくとも含む。
【0022】
第2導電部30bは、第2電極15に電気的に接続される。第2導電部30bは、第2主面10aの上に立設された第2柱部31bを含む。第2柱部31bは、Z軸方向に沿って延在する部分を少なくとも含む。
【0023】
本具体例では、半導体積層体10の1つの辺の延在方向が、X軸方向に設定されている。本具体例では、X軸方向は、第1柱部31aから第2柱部31bに向かう方向に沿う半導体積層体10の辺の方向とされている。
【0024】
封止部50は、第1導電部30aの側面、及び、第2導電部30bの側面を覆う。すなわち、封止部50は、第1柱部31aの側面、及び、第2柱部31bの側面を覆う。封止部50は、第1導電部30aの半導体積層体10とは反対の側の第1端面31aeを露出する。封止部50は、第2導電部30bの半導体積層体10とは反対の側の第2端面31beを露出する。なお、第1端面31aeは、第1柱部31aの半導体積層体10とは反対の側の端面である。第2端面31beは、第2柱部31bの半導体積層体10とは反対の側の端面である。
【0025】
光学層60は、半導体積層体10の第2主面10aとは反対側の第1主面10bに設けられる。光学層60は、蛍光体層61(波長変換部)を含む。蛍光体層61は、発光層13から放出された発光光を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する。
【0026】
本具体例では、光学層60は、例えば蛍光体を含む蛍光体層61と、蛍光体層61と半導体積層体10との間に設けられた透光部62と、を含む。透光部62は、発光層13から放出される発光光に対する透光性を有する。透光部62は、例えばレンズ作用や屈折作用などの光の進行方向を変化させる作用を有することができる。これにより、発光層13で発生した光の放射角や色ずれを調整することができる。透光部62は必要に応じて設けられ、透光部62は場合によっては省略できる。
【0027】
蛍光体層61は、例えば透光性の樹脂と、この樹脂に分散された蛍光体と、を含む。蛍光体は、発光層13から放出される発光光を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する。なお、蛍光体層61は、複数種の蛍光体を含むことができる。蛍光体には、例えば、黄色光を放出する蛍光体、緑色光を放出する蛍光体、及び、赤色光を放出する蛍光体など、任意の色を放出する蛍光体を用いることができる。蛍光体層61は、波長が異なる蛍光体を含む積層された複数の層を含むこともできる。
【0028】
半導体発光装置110においては、第1導電部30a、第1電極14、第2導電部30b及び第2電極15を介して、半導体積層体10に電流が供給され、これにより、発光層13から光(発光光)が放出される。発光光は、例えば、青色光、紫色光及び紫外光などの比較的短い波長の光とすることができる。
【0029】
発光層13から放出された例えば青色の発光光は、光学層60の内部に進行し、蛍光体層61によって例えば黄色の光に波長が変換される。そして、発光層13から放出された例えば青色の発光光と、蛍光体層61で得られた例えば黄色の光と、が合成される。これにより、半導体発光装置110は、白色光を発光することができる。
【0030】
なお、発光層13から放出される発光光の波長、及び、蛍光体層61で変換された光の波長は任意である。半導体発光装置110から出射する光の色は、白色の他、任意の色とすることができる。
【0031】
なお、本具体例では、半導体発光装置110は、絶縁層20をさらに備えている。絶縁層20は、第1柱部31aの少なくとも一部と半導体積層体10との間、及び、第2柱部31bの少なくとも一部と半導体積層体10との間の少なくともいずれかに設けられる。絶縁層20は、封止部50に覆われる。
【0032】
絶縁層20は、第1導電部30aと第2半導体層12との間、及び、第1導電部30aと第2電極15との間を電気的に遮断する。これにより、第1導電部30aの数、サイズ、形状及び配置を任意に設計し易くなる。すなわち、第1導電部30aの第1端面31aeの数、面積、形状及び配置を、第1電極14と独立して設計できる。
【0033】
絶縁層20は、第2導電部30bと第1半導体層11との間、及び、第2導電部30bと第1電極14との間を電気的に遮断する。これにより、第2導電部30bの数、サイズ、形状及び配置を任意に設計し易くなる。すなわち、第2導電部30bの第2端面31beの数、面積、形状及び配置を、第2電極15と独立して設計できる。
【0034】
絶縁層20には、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。絶縁層20は、半導体積層体10に加わる応力を緩和する応力緩和層として機能することができる。
【0035】
本具体例は、絶縁層20は、第1柱部31aの一部と半導体積層体10との間に設けられている例である。
【0036】
絶縁層20は、第1導電部30aと、第1電極14の一部と、の間に設けられることができる。本具体例では、絶縁層20は、第1導電部30aのうちの第1柱部31aの少なくとも一部と、第1電極14の一部と、の間に設けられている。
【0037】
なお、第1導電部30aと第1電極14との電気的な接続を実現するために、絶縁層20は、第1電極14の少なくとも一部の上には設けられていない。絶縁層20は、例えば、第1電極14の側の第1開口部20o1を有し、第1開口部20o1において、第1導電部30aと第1電極14との電気的な接続が行われる。第1開口部20o1は、絶縁層20を貫通する孔を含むことができる。ただし、実施形態はこれに限らず、第1開口部20o1は、絶縁層20の端部のうち、第1電極14の端部から後退し、第1電極14を露出させる部分を便宜的に含むことができる。すなわち、第1開口部20o1は、絶縁層20のうちで第1電極14の少なくとも一部を露出させる部分を含むことができ、その形状は任意である。第1開口部20o1の数は、任意である。
【0038】
なお、後述するように、絶縁層20は、第2導電部30bと、第2電極15の一部と、の間にさらに設けられても良い。例えば、絶縁層20は、第2柱部31bの少なくとも一部と、第2電極15の一部と、の間にさらに設けられても良い。
【0039】
なお、第2導電部30bと第2電極15との電気的な接続を実現するために、絶縁層20は、第2電極15の少なくとも一部の上には設けられていない。絶縁層20は、例えば、第2電極15の側の第2開口部20o2を有し、第2開口部20o2において、第2導電部30bと第2電極15との電気的な接続が行われる。第2開口部20o2は、絶縁層20を貫通する孔を含むことができる。ただし、実施形態はこれに限らず、第2開口部20o2は、絶縁層20の端部のうち、第2電極15の端部から後退し、第2電極15を露出させる部分を便宜的に含むことができる。すなわち、第2開口部20o2は、絶縁層20のうちで第2電極15の少なくとも一部を露出させる部分を含むことができ、その形状は任意である。第2開口部20o2の数は、任意である。
【0040】
本具体例では、発光部10dは、半導体積層体10の第2主面10aの側の第1電極14及び第2電極15を除く部分に設けられた保護層18をさらに含む。保護層18は、半導体積層体10の端部を覆う。保護層18には、絶縁材料を用いることができる。これにより、例えば、第1電極14と第2電極15との間の絶縁性が向上する。保護層18は、半導体積層体10の端部の全部を覆うこともできる。保護層18は、半導体積層体10の端部の一部を覆うこともできる。この保護層18には、例えば酸化シリコンなどを用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、保護層18には任意の絶縁材料を用いることができる。保護層18は必要に応じて設けられ、場合によっては省略できる。
【0041】
第2電極15は積層構造を有することができる。例えば、第2電極15は、導電層と、その導電層と第2半導体層12との間に設けられた反射層(図示しない)と、を含むことができる。これにより、発光層13から放出され、第2主面10aの側に進行する光が反射層で反射され、光を光学層60の側に効率良く進行させることができる。
【0042】
本具体例では、第1導電部30aは、第1接続部32aをさらに含む。第1接続部32aは、絶縁層20の半導体積層体10とは反対の側の面の少なくとも一部を覆い、第1電極14と第1柱部31aとを電気的に接続する。第1接続部32aは、例えばX−Y平面に沿って延在する部分を含むことができる。
【0043】
このように、絶縁層20が、第1柱部31aの少なくとも一部と半導体積層体10との間に設けられるときにおいて、第1導電部30aは、第1接続部をさらに含むことができる。
【0044】
第2導電部30bは、第2接続部32bをさらに含むことができる。第2接続部32bは、第2電極15と第2柱部31bとを電気的に接続する。第2接続部32bは、例えばX−Y平面に沿って延在する部分を含むことができる。
【0045】
すなわち、後述するように、絶縁層20が、第2柱部31bの少なくとも一部と半導体積層体10との間に設けられるときにおいて、第2導電部30bは、絶縁層20の半導体積層体10とは反対の側の面の少なくとも一部を覆い第2電極15と第2柱部31bとを電気的に接続する第2接続部32bをさらに含むことができる。
【0046】
第1柱部31a、第1接続部32a、第2柱部31b及び第2接続部32bには、例えば、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、及び、Al(アルミニウム)などの金属を用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、第1柱部31a、第1接続部32a、第2柱部31b及び第2接続部32bに用いられる材料は任意である。
【0047】
封止部50は、例えばエポキシ樹脂などの樹脂を用いることができる。封止部50に用いられる樹脂は、例えば石英フィラーやアルミナフィラーなどのフィラーを含有することができる。これにより、封止部50の熱伝導率を上昇させることができ、これにより放熱性を高め、半導体積層体の温度上昇を抑制でき、発光効率を向上できる。
【0048】
図1(b)に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置110においては、第1導電部30aの半導体積層体10とは反対側の第1端面31aeと、第2導電部30bの半導体積層体10とは反対側の第2端面31beと、は、非対称である。
【0049】
本具体例では、第1端面31aeは、第2端面31beのパターン形状とは異なるパターン形状を有している。具体的には、第1端面31aeは円形のパターン形状を有しており、第2端面31beは四角形のパターン形状を有している。これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとの判別が容易になる。例えば、Z軸方向を中心にして半導体発光装置110を回転した場合においても、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。
このように、半導体発光装置110によれば、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置を提供することができる。これにより、例えば、半導体発光装置の実装の際に、n側の電極とp側の電極とを取り違えて実装する不良の発生を抑制することができる。
【0050】
なお、本具体例は、第1端面31aeが、第2端面31beのパターン形状とは異なるパターン形状を有する例であるが、実施形態はこれに限らず種々の形態があり得る。これに関しては後述する。
【0051】
第1端面31aeと第2端面31beとを非対称に設定することによって電極の判別を容易にする効果は、第1柱部31a及び第2柱部31bを設け、これらを介して電気的な接続を行うことで半導体発光装置の小型化を実現する構成において特に効果的に発揮される。
【0052】
すなわち、このような構成を採用することで、半導体発光装置110において、小型化が可能となる。
例えば、半導体発光装置110のX−Y平面に平行な面の大きさは、下面電極タイプの電子部品の最小サイズとされることができる。例えば、半導体発光装置110のX−Y平面に平行な面は、600μm×300μmの長方形とすることができる。例えば、半導体発光装置110の外形は、例えば600μm×300μm×300μmの直方体とすることができる。半導体発光装置110のX−Y平面に平行な面は、1000μm×500μmの長方形とすることができる。例えば、半導体発光装置110の外形は、例えば1000μm×500μm×500μmの直方体とすることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、半導体発光装置110のX−Y平面に対して平行な面の大きさ及び形状、並びに、半導体発光装置110の大きさ及び形状は、任意である。
【0053】
以下、半導体発光装置110の構成の例についてさらに説明する。
蛍光体層61には、例えば、光を吸収し、その光の波長よりも長い波長を有する光を放出する蛍光体の粒子を混合して樹脂を用いることができる。この蛍光体は、例えば、青色光、紫光、及び、紫外光の少なくともいずれかの光を吸収し、その光よりも長い波長を有する光(例えば、緑色光、黄色光及び赤色光など)を放出する。蛍光体が混合される樹脂には、例えばシリコーン樹脂が用いられる。蛍光体層61の厚さは、例えば200μmとされる。蛍光体層61に用いられるシリコーン樹脂には、例えば、屈折率が約1.5のメチルフェニルシリコーンを用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、蛍光体層61に含まれる樹脂及び蛍光体は任意である。
【0054】
なお、既に説明したように、第2電極15は、導電層と、その導電層と第2半導体層12との間に設けられた反射層を含むことができる。この反射層は、例えばAg及びAlの少なくともいずれかを含有することができる。この反射層の厚さは、例えば0.3μmとすることができる。この反射層は、例えば、第2半導体層12の第2主面10aの側の実質的に全部の領域に設けることができる。これにより、発光層13から放出された光を効率的に第1主面10bに向けて反射することができる。ただし、反射層が設けられる領域は、任意であり、例えば、反射層は、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部の領域に設けても良い。
【0055】
また、第2電極15は、上記の反射層と、第2半導体層12と、の間に設けられたコンタクト電極層をさらに含んでも良い。このコンタクト電極層は、例えば、Au層(金層)と、Au層と第2半導体層12との間に設けられたNi層(ニッケル層)と、を含むことができる。なお、Ni層の厚さは0.1μmとすることができ、Au層の厚さは0.1μmとすることができる。
【0056】
第1電極14は、例えば、Au層と、Au層と第1半導体層11との間に設けられたNi層と、を含むことができる。このAu層の厚さは例えば0.1μmとすることができ、このNi層の厚さは0.1μmとすることができる。第1電極14は、例えば、第1半導体層11の第2主面10aの側の実質的に全部の領域に設けられることができる。ただし、第1電極14が設けられる領域は任意であり、第1電極14は第1半導体層11の第2主面10aの側の少なくとも一部に設けられる。
なお、第1電極14は、導電層と、その導電層と第1半導体層11との間に設けられた反射層と、を含んでも良い。このように、第1電極14は積層構造を有することができる。
【0057】
第2電極15の導電層は、例えば、Au層と、Au層と第2半導体層12との間に設けられたNi層と、を含むことができる。このAu層の厚さは例えば0.1μmとすることができ、このNi層の厚さは0.1μmとすることができる。第2電極15は、例えば、第2半導体層12の第2主面10aの側の実質的に全部の領域に設けられることができる。ただし、第2電極15が設けられる領域は任意であり、第2電極15は第2半導体層12の第2主面10aの側の少なくとも一部に設けられる。
【0058】
第1導電部30aに含まれる第1接続部32aには、例えばCu等の金属が用いられる。第1接続部32aは、第1層と、第2層と、を含むことができる。第1層は、第2層と第1電極14との間に設けられる。すなわち、第1層は第1電極14に接する。第1層は、例えばシード層であり、第2層は、例えばメッキ層である。第1層の厚さは、例えば約1μmとすることができる。第2層の厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0059】
第2導電部30bに含まれる第2接続部32bには、例えばCu等の金属が用いられる。第2接続部32bは、第3層と、第4層と、を含むことができる。第3層は、第4層と第2電極15との間に設けられる。すなわち、第3層は第2電極15に接する。第3層は、例えばシード層であり、第4層は、例えばメッキ層である。第3層は、第1層と同層であり、第3層には、第1層に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。第4層は第2層と同層であり、第4層には、第2層に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。第3層の厚さは、例えば約1μmとすることができる。第4層の厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0060】
ただし、第1〜第4層の面積、形状及び厚さは任意である。第1接続部32a及び第2接続部32bは、単層の薄膜でも良く、上記のように、積層膜でも良い。第1接続部32aは、第1層及び第2層に積層された他の層をさらに有しても良い。第2接続部32bは、第3層及び第4層に積層された他の層をさらに有しても良い。
【0061】
第1柱部31a及び第2柱部31bには、例えばCu等の金属を用いることができる。第1柱部31a及び第2柱部31bの厚さ(Z軸方向に沿った長さ)は、例えば60μm程度とすることができる。第1接続部32aによって、第1電極14と第1柱部31aとが電気的に接続される。第2接続部32bによって、第2電極15と第2柱部31bとが電気的に接続される。
【0062】
第1柱部31a及び第2柱部31bに用いられる材料、断面の形状、断面積及び厚さは上記に限らず任意である。
【0063】
封止部50には、例えば、熱硬化性樹脂を用いることができる。封止部50の厚さは、第1柱部31a及び第2柱部31bの厚さと同程度であり、例えば、60μm程度である。封止部50は、第1導電部30aの第1端面31ae、及び、第2導電部30bの第2端面31beを露出しつつ、第1導電部30aの側面(第1柱部31aの側面及び第1接続部32aの側面)、及び、第2導電部30bの側面(第2柱部31bの側面及び第2接続部32bの側面)を覆う。封止部50は、さらに、第1接続部32a及び第2接続部32bの半導体積層体10とは反対側の面を覆うことができる。さらに、封止部50は、半導体積層体10の第2主面10aの側の全体を覆うことができる。
【0064】
以下、半導体発光装置110の製造方法の例について説明する。
図2(a)〜図2(e)、図3(a)〜図3(e)、及び、図4(a)〜図4(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、図1(b)のA−A’線断面に相当する断面図である。
本製造方法は、複数の半導体発光装置110をウェーハレベルで一括して製造する方法である。
【0065】
図2(a)に表したように、半導体積層体10が形成された基板10sが用いられる。なお、基板10sには、例えばサファイア基板が用いられる。基板10sのサイズは、例えば直径が4インチであり、基板10sの厚さは、例えば500μm程度である。なお、半導体積層体10の形成方法は、例えば以下である。すなわち、基板10s上に、窒化物半導体の、第1半導体層11となる結晶膜、発光層13となる結晶膜、及び、第2半導体層12となる結晶膜が、エピタキシャル成長され、これらの結晶膜が、例えばRIE(Reactive Ion Etching)処理によりエッチングされ、第2主面10aの側に第1半導体層11の一部を露出させる。さらに、これらの結晶膜が、例えばRIE処理により加工され、個別化され、複数の半導体積層体10が形成される。
【0066】
次に、図2(b)に表したように、半導体積層体10の第2主面10aに、第1電極14及び第2電極15となる膜を形成し、所定の形状にこの膜を加工し、第1電極14及び第2電極15を形成する。さらに、保護層18を形成する。なお、図2(b)においては、煩雑さを避けるために、保護層18は図示されていない。
【0067】
具体的には、例えば、半導体積層体10の第2主面10aに、コンタクト電極層となる膜を形成する。すなわち、厚さが0.1μmのNi膜を形成し、その上に厚さが0.1μmのAu膜を形成する。これにより、コンタクト電極層となる膜が形成される。Ni膜及びAu膜の形成には例えばスパッタ法を用いることができる。さらに、このAu膜の上に、反射層となる層が形成される。すなわち、反射層として、Ag及びAlの少なくともいずれかを含む、例えば厚さが0.3μmの膜が形成される。この場合にもスパッタ法を用いることができる。これにより、反射層となる膜が形成される。
【0068】
さらに、反射層となる膜の上に、第1電極14及び第2電極15の導電層となる導電膜が形成される。すなわち、反射層となる膜の上に、例えば0.1μmのNi膜を形成し、その上に厚さが0.1μmのAu膜を形成する。このNi膜及びAu膜の形成にも、例えばスパッタ法を用いることができる。
【0069】
上記のコンタクト電極層となる膜、反射層となる膜、第1電極14及び第2電極15の導電層となる導電膜を所定の形状に加工する。これにより、第1電極14及び第2電極15が形成される。なお、上記の各膜の加工には、例えばリフトオフ法などの任意の方法を用いることができる。なお、コンタクト電極層、反射層、及び、第1電極14の導電層は、互いに異なるパターン形状を有することができる。コンタクト電極層、反射層、及び、第2電極15の導電層は、互いに異なるパターン形状を有することができる。
【0070】
さらに、第1電極14の少なくとも一部を除き、第2電極15の少なくとも一部を除く領域に、保護層18となる、例えば、厚さが0.3μmのSiO2膜を例えばCVD法により形成し、例えば、ドライエッチングやウエットエッチングによって加工して保護層18を形成する。
【0071】
次に、図2(c)に表したように、半導体積層体10の第2主面10aの、第1柱部31aの少なくとも一部、及び、第2柱部31bの少なくとも一部、の少なくともいずれかに対応する領域に、絶縁層20を形成する。本具体例では、第1柱部31aの一部に対応する領域の半導体積層体10の上に絶縁層20が設けられる。この絶縁層20は、第1電極14の少なくとも一部を除き、第2電極15の少なくとも一部を除く領域に形成される。なお、本具体例では、絶縁層20は、複数の半導体積層体10どうしの間にさらに設けられる。
【0072】
絶縁層20には、例えばポリイミドやPBO(ポリベンゾオキサゾール)などが用いられる。すなわち、例えば、半導体積層体10の第2主面10aの全面に、絶縁層20となるポリイミド膜を形成し、例えばマスクを用いた露光と、現像と、を行うことにより、選択的に絶縁層20を形成する。加工された絶縁層20は、必要に応じてベーキングされる。
【0073】
そして、この後、絶縁層20の上に、第1導電部30aの少なくとも一部、及び、第2導電部30bの少なくとも一部となる導電膜を形成する。この導電膜は、絶縁層20に覆われていない第1電極14の少なくとも一部と、絶縁層20に覆われていない第2電極15の少なくとも一部と、を覆うように、形成されることができる。具体的には以下の処理が行われる。
【0074】
すなわち、図2(d)に表したように、例えば、基板10sの第2主面10aの側の全面に、第1接続部32aの第1層、及び、第2接続部32bの第3層、となるシード層33を形成する。シード層33は、例えば、蒸着法やスパッタ法などの物理的被着法により形成される。シード層33は、後述するメッキ工程における給電層として機能する。シード層33には、例えば、Ti膜とCu膜との積層膜を用いることができる。なお、シード層33のTi層により、Cu膜と、レジストやパッド(第1電極14及び第2電極15)と、の密着強度を高めることができる。Ti層の厚さは、例えば0.2μm程度とされる。一方、シード層33のCu膜は、主に給電に寄与する。Cu膜の厚さは、0.2μm以上とすることが望ましい。
【0075】
次に、図2(e)に表したように、第1接続部32aに対応する領域を除き、第2接続部32bに対応する領域を除く領域に、第1レジスト層37を形成する。第1レジスト層37には、例えば、感光性の液状レジストやドライフィルムレジストを用いることができる。第1レジスト層37は、第1レジスト層37となる膜を形成した後に、所定の開口部を有する遮光マスクを用いた露光と、現像と、を実施することにより形成される。なお、必要に応じて第1レジスト層37はベーキングされる。
【0076】
次に、図3(a)に表したように、第1レジスト層37が設けられていない領域に、第1接続部32aの第2層、及び、第2接続部32bの第4層、となる接続部導電膜32fを形成する。接続部導電膜32fは、例えば、電気メッキ法により形成される。電気メッキ法においては、例えば、硫酸銅と硫酸とからなるメッキ液中に、上記の被加工体が設けられた基板10sを浸漬し、シード層33と直流電源の負極とを接続し、基板10sの被メッキ面と対向するように設置したアノードとなるCu板と直流電源の陽極とを接続する。そして、負極と陽極との間に電流を通電し、Cuのメッキを行う。メッキ工程において、メッキ膜の厚さは時間の経過と共に増加し、メッキ膜の厚さが必要な厚さに達したときに通電が停止されてメッキが完了する。これにより、メッキ膜からなる接続部導電膜32fが、第1レジスト層37の開口部に形成される。
【0077】
第1電極14に対応する位置のシード層33(第1層)と、第1電極14に対応する位置の接続部導電膜32f(第2層)と、が第1接続部32aとなる。第2電極15に対応する位置のシード層33(第3層)と、第2電極15に対応する位置の接続部導電膜32f(第4層)と、が第2接続部32bとなる。
【0078】
このように、シード層33及び接続部導電膜32fが、第1導電部30aの少なくとも一部、及び、第2導電部30bの少なくとも一部となる導電膜に相当する。
【0079】
この導電膜となるシード層33及び接続部導電膜32fは、絶縁層20に覆われていない第1電極14の少なくとも一部と、絶縁層20に覆われていない第2電極15の少なくとも一部と、を覆うように形成されている。
【0080】
この後、第1接続部32aの上に、第1柱部31aを形成し、第1接続部32aの上に、第1柱部31aを形成する。具体的には、例えば以下の処理が行われる。
【0081】
図3(b)に表したように、第1柱部31aに対応する領域を除き、第2柱部31bに対応する領域を除く領域に第2レジスト層38を形成する。すなわち、第1柱部31aに対応する第1開口領域39aと、第2柱部31bに対応する第2開口領域39bと、を有する第2レジスト層38を形成する。第2レジスト層38に用いられる材料、及び、第2レジスト層38の形成には、第1レジスト層37に関して説明した材料及び方法を採用することができる。
【0082】
このとき、第1柱部31aに対応する第1開口領域39aと、第2柱部31bに対応する第2開口領域39bと、が非対称とされる。すなわち、第1開口領域39aは、第2開口領域39bの面積とは異なる面積、第2開口領域39bのパターン形状とは異なるパターン形状、第2開口領域39bの数とは異なる数、及び、第2開口領域39bの配置とは異なる配置、の少なくともいずれかを有するように設定される。ここで、第1開口領域39aの配置は、例えば半導体積層体10の外形に対する第1開口領域39aの配置とすることができ、第2開口領域39bの配置は、例えば半導体積層体10の外形に対する第2開口領域39bの配置とすることができる。
【0083】
本具体例では、第1開口領域39aが円形とされ、第2開口領域39bが四角形とされる。すなわち、第1開口領域39aが、第2開口領域39bのパターン形状とは異なるパターン形状を有する例である。
【0084】
このように、この工程では、半導体積層体10の第2主面10aの上に、第1柱部31aに対応する第1開口領域39aと、第2柱部31bに対応し、第1開口領域39aとは非対称な第2開口領域39bと、を有する第2レジスト層38(レジスト膜)を形成する。
【0085】
次に、図3(c)に表したように、第2レジスト層38が設けられていない領域(すなわち、第1開口領域39a及び第2開口領域39b)に、第1柱部31a及び第2柱部31bとなる柱部導電膜31fを形成する。なお、柱部導電膜31fも、例えば、電気メッキ法により形成される。柱部導電膜31fの形成には、接続部導電膜32fの形成に関して説明した材料及び方法を適用することができる。第1接続部32aに接続される部分の柱部導電膜31fが第1柱部31aとなり、第2接続部32bに接続される部分の柱部導電膜31fが第2柱部31bとなる。なお、柱部導電膜31fは、第1導電部30aの少なくとも一部、及び、第2導電部30bの少なくとも一部となる導電膜に含まれることができる。
【0086】
これにより、第1開口領域39aに第1柱部31aが形成され、第2開口領域39bに第2柱部31bが形成される。そして、第1柱部31aの断面(Z軸方向に対して垂直な平面で切断したときの断面)の形状は、第1開口領域39aのパターン形状となる。そして、そして、第2柱部31bの断面(Z軸方向に対して垂直な平面で切断したときの断面)の形状は、第2開口領域39bのパターン形状となる。すなわち、第1柱部31aの断面の形状は円形となり、第2柱部31bの断面の形状は四角形となる。
【0087】
次に、図3(d)に表したように、第1レジスト層37及び第2レジスト層38を除去する。さらに、露出したシード層33を、例えば、酸洗浄により除去する。なお、接続部導電膜32fに覆われているシード層33は、第1層及び第3層として残存し、それぞれ第1接続部32a及び第2接続部32bに含まれる。
【0088】
次に、図3(e)に表したように、基板10sの第2主面10aの側の面に、封止部50となる樹脂層50fを形成する。樹脂層50fには、例えば、熱硬化性樹脂を用いることができる。例えば、印刷等の手法によって、第1柱部31a及び第2柱部31bが埋没する程度の厚さで、基板10sの第2主面10aの側の面に樹脂層50fとなる膜を形成し、加熱して硬化させ樹脂層50fを形成する。樹脂層50fの硬化の際の加熱条件は、例えば、150℃程度で2時間程度とされる。
【0089】
次に、図4(a)に表したように、樹脂層50fの表面を研削し、第1柱部31a及び第2柱部31bを露出させる。これにより、封止部50が形成される。なお、この研削において、樹脂層50fの研削と共に、第1柱部31aの一部と、第2柱部31bの一部と、を研削することができ、これにより、第1柱部31aの第1端面31ae、及び、第2柱部31bの第2端面31beは、封止部50の第2主面10aとは反対の側の面を含む面内に配置される。そして、本具体例では、円形の第1端面31aeと、四角形の第2端面31beと、が形成される。
【0090】
なお、上記の研削には、例えば、回転研磨ホイールを用いることができる。回転研削によって、平坦性を確保しながら研削を実施することができる。なお、研削後に、必要に応じて、乾燥が行われる。
【0091】
次に、図4(b)に表したように、半導体積層体10から基板10sを除去する。すなわち、例えば、基板10sの半導体積層体10とは反対側の面から、基板10sを介して、半導体積層体10に含まれる層(例えばGaN層)にレーザ光を照射し、この層の少なくとも一部を分解することで、半導体積層体10から基板10sを分離する。このレーザ光には、例えば、GaNの禁制帯幅に基づく禁制帯幅波長よりも短い波長を有するレーザ光を用いることができる。例えば、Nd:YAGの三倍高調波レーザを用いることができる。ただし、用いられるレーザ光は任意である。
【0092】
次に、図4(c)に表したように、本具体例では、半導体積層体10の第1主面10bに、光学層60の一部となる透光部62を形成する。すなわち、半導体積層体10の第1主面10bに、例えば、液状の透明樹脂層を印刷等によって塗布し、所定の形状を有する型をこの透明樹脂層に押し付け、透明樹脂層を所定の形状に変形させた後に、型を離型し、必要に応じて加熱及び紫外線照射の少なくともいずれかの処理を施して硬化させ、透光部62を形成する。この方法を採用することにより、所望の形状を有する型を用いることで任意の形状を有する透光部62を容易に形成することができる。
【0093】
次に、図4(d)に表したように、透光部62を覆うように蛍光体層61となる蛍光体膜61fを形成する。蛍光体膜61fは、例えば、蛍光体の粒子と、シリコーン樹脂と、が混合された樹脂材料を、透光部62を覆うように、スピンコートまたは印刷により塗布し、その後、樹脂材料を加熱硬化して形成される。この樹脂材料には、例えば、150℃で1時間の加熱により硬化する材料が用いられる。
【0094】
そして、図4(e)に表したように、封止部50となる樹脂層50f、及び、蛍光体層61となる蛍光体膜61fを切断し、複数の半導体積層体10のそれぞれを分離する。これにより、複数の半導体発光装置110が一括して製造できる。なお、上記の切断には、例えばダイサによるダイシング法を採用することができる。
【0095】
上記の製造方法においては、ウェーハレベルで一括して、電極、封止部及び光学層を形成することができ、生産性が高い。また、ウェーハレベルでの検査も可能となる。これにより生産性高く半導体発光装置を製造できる。また、リードフレーム、導電性基板及びボンディングワイヤなどのような部材を必要としないため、小型化が容易にできる。また、低コスト化も可能になる。
【0096】
なお、図4(b)に関して説明した、半導体積層体10から基板10sを分離する工程において、絶縁層20となる膜に高い温度が加わる場合があることがある。すなわち、基板10sの半導体積層体10とは反対側の面から、基板10sを介して、半導体積層体10にレーザ光を照射する際に、複数の半導体積層体10どうしの間において、絶縁層20となる膜が加熱されることがある。このときの加熱による絶縁層20となる膜の劣化を抑制するために、絶縁層20となる膜には、耐熱性の高い材料を用いることが望ましい。
【0097】
例えば、絶縁層20には、封止部50に用いられる樹脂よりも耐熱性が高い樹脂を用いることが、より望ましい。すなわち、絶縁層20の熱分解温度は、封止部50の熱分解温度よりも高いことが、より望ましい。例えば、絶縁層20には、熱分解温度が380℃程度以上のポリイミドを用いることができ、封止部50には、例えば、熱分解温度が280℃以上300℃以下程度のエポキシ樹脂を用いることができる。なお、熱分解温度は、例えば、加熱によって重量が一定の割合(例えば5パーセント)で減少するときの温度を採用することができる。
【0098】
また、絶縁層20となる膜がフィラーを含んだ場合においては、絶縁層20となる膜に加わる高温によってフィラーに起因した不良が発生することがある。この不良を抑制するため、絶縁層20に含まれるフィラーの含有率は、封止部50に含まれるフィラーの含有率よりも低く設定されることが望ましい。例えば、絶縁層20には、実質的にフィラーを含まないポリイミドを用いることができる。
【0099】
図5(a)〜図5(c)、及び、図6(a)〜図6(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、図1(b)のA−A’線断面に相当する断面図である。
【0100】
図5(a)〜図5(c)及び図6(a)〜図6(c)に例示する半導体発光装置110a〜110fにおいても、第1端面31ae及び第2端面31beのパターン形状は、半導体発光装置110と同様に、互いに非対称であり、同様に電極の判別が容易である。以下では、半導体発光装置110a〜110fにおける第1端面31ae及び第2端面31beのパターン形状以外の構成に関して説明する。
【0101】
図5(a)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置110aにおいては、透光部62が凸レンズの形状を有している。
【0102】
さらに、透光部62の厚さが一定であっても良い。すなわち、透光部62は、レンズ作用を有する他、半導体積層体10の温度上昇を抑制する作用を有することもできる。すなわち、蛍光体層61においては、波長変換の際に一部のエネルギーが吸収され発熱するが、透光部62を蛍光体層61と半導体積層体10との間に設けることで、蛍光体層61を半導体積層体10から離すことができ、半導体積層体10の温度の上昇を抑制できる。
このように、透光部62の形状は任意である。
【0103】
図5(b)に表したように、別の半導体発光装置110bにおいては、光学層60には、蛍光体層61が設けられているが、透光部62が設けられていない。このように、透光部62は、必要に応じて設けられる。
【0104】
図5(c)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置110cにおいては、光学層60は、蛍光体を含む蛍光体層61と、蛍光体層61の半導体積層体10とは反対側に設けられた硬質膜63と、を有する。硬質膜63は、蛍光体層61の硬度よりも高い硬度を有する。硬質膜63は透光性を有する。硬質膜63には、例えば硬度の高いシリコーン樹脂を用いることができる。硬質膜63の形成には、例えば、スピンコート法または印刷法を採用できる。また、硬質膜63には、例えば窒化シリコンや酸化シリコンなどを用いることができる。この場合には、硬質膜63は、例えばスパッタなどの方法によって形成される。ただし、硬質膜63の材料及び形成方法は任意である。
【0105】
硬質膜63を設けることで、半導体発光装置110cの発光面(光学層60の側の面)において高い硬度が得られるため、例えば、半導体発光装置110cのハンドリングが容易になる。
【0106】
例えば、蛍光体層61に用いられるシリコーン樹脂の硬度が低い場合において、光学層60の最表面(半導体積層体10から最も離れた面)に蛍光体層61が露出していると、例えば、半導体発光装置をコレットでピックアップする際に、蛍光体層61がコレットに密着し適切な実装が行われ難い場合がある。このとき、蛍光体層61よりも硬度が高い硬質膜63を蛍光体層61の上に設けることで、良好な実装がより実施し易くなる。
【0107】
図6(a)、図6(b)及び図6(c)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置110d、110e及び110fにおいては、第1接続部32a及び第2接続部32bが設けられていない。このように、第1接続部32a及び第2接続部32bは必要に応じて設けられる。
【0108】
なお、図6(a)に例示した半導体発光装置110dにおいては、透光部62は、凸レンズの形状を有しているが、半導体発光装置110のように、透光部62の形状を凹レンズの形状としても良い。また、透光部62の厚さは一定としても良い。
【0109】
なお、図6(b)に例示した半導体発光装置110eは、透光部62が省略される例であり、図6(c)に例示した半導体発光装置110fは、図5(c)に関して説明した硬質膜63が設けられる例である。
【0110】
図7(a)〜図7(c)及び図8(a)〜図8(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的平面図である。
これらの図は、Z軸方向に沿って半導体発光装置をみたときの、第1端面31ae及び第2端面31beの形状を例示している。
【0111】
図7(a)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置111aにおいては、第1端面31aeの大きさは、第2端面31beの大きさよりも小さい。すなわち、第1端面31aeの面積は、第2端面31beの面積よりも小さい。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。
【0112】
なお、このように、第1端面31aeの大きさを第2端面31beの大きさとは異ならせる場合には、p形半導体層に接続される電極の端面を、n形半導体層に接続される電極の端面のよりも大きくすることが望ましい。すなわち、p形半導体層に接続される電極の端面の面積を、n形半導体層に接続される電極の端面の面積のよりも大きくすることが望ましい。p形半導体層の方がn形半導体層よりも高温になり易いため、この構成を採用することで、高温になり易いp形半導体層の熱をより放熱し易くできる。
【0113】
図7(b)に表したように、別の半導体発光装置111bにおいては、第1端面31aeは4つの端面を含む。すなわち、第1端面31aeは、第1〜第4サブ端面31ae1〜31ae4を含む。一方、第2端面31beは1つである。
【0114】
このように、第1端面31aeの数(第1端面31aeに含まれる面の数)と、第2端面31beの数(第2端面31beに含まれる面の数)と、を異ならせることができる。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。なお、本具体例においては、第1〜第4サブ端面31ae1〜31ae4を含む第1端面31aeの全体の形状は、第2端面31beの形状と、線対称または点対称の関係を有しているが、第1端面31aeに含まれる面の数と、第2端面31beに含まれる面の数とが異なることで、第1端面31aeと第2端面31beとは非対称とされる。
【0115】
図7(c)に表したように、別の半導体発光装置111cにおいては、第1端面31aeは1つである。一方、第2端面31beは、第5及び第6サブ端面31be1及び31be2の2つの面を含む。このように、この場合も、第1端面31aeに含まれる面の数と、第2端面31beに含まれる面の数とが異なる。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。本具体例においては、第1端面31aeのパターン形状は、第5及び第6サブ端面31be1及び31be2を含む第2端面31beの全体のパターン形状と、非対称である。なお、本具体例においては、第2半導体層12に接続され、第5及び第6サブ端面31be1及び31be2を含む第2端面31beの全体の面積は、第1半導体層11に接続される第1端面31aeの面積よりも大きく設定されている。
【0116】
図8(a)に表したように、別の半導体発光装置111dにおいては、第1端面31aeは6角形であり、第2端面31beは四角形である。このように、第1端面31aeのパターン形状と、第2端面31beのパターン形状と、が異なる。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。
【0117】
さらに、本具体例では、第1端面31aeは、第1端面31aeから第2端面31beに向かう方向(この例ではX軸方向)に沿って異方性を有する多角形のパターン形状を有している。パターン形状が異方性を有することから、そのパターン形状の基づいて電流の流れる方向を直感的に把握することも可能になり、これによって、第1端面31aeと第2端面31beとがより判別し易くできる。
【0118】
図8(b)に表したように、別の半導体発光装置111eにおいては、第1端面31aeの第2端面31beとは反対の側の2つの角部に、X軸方向に対して傾斜した斜めの辺が設けられている。一方、第2端面31beの第1端面31aeの側の2つの角部に、X軸方向に対して傾斜した斜めの辺が設けられている。すなわち、第1端面31aeの形状と、第2端面31beの形状と、は互いに並進の関係を有するが、非対称の関係を有する。すなわち、第1端面31aeと第2端面31beとは、Y軸方向に平行な軸に関して線対称でない。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別し易くできる。
【0119】
図8(c)に表したように、別の半導体発光装置111fにおいては、第1端面31aeの半導体積層体10とは反対の側の封止部実装面50s内の配置と、第2端面31beの封止部実装面50s内の配置と、が非対称である。すなわち、本具体例では、封止部実装面50sのY軸方向に延在する辺のうちの第1端面31aeに近接する辺と、第1端面31aeと、の距離は、封止部実装面50sのY軸方向に延在する辺のうちの第2端面31beに近接する辺と、第2端面31beと、の距離よりも短く設定されている。このように、第1端面31aeの配置(例えば封止部実装面50s内における配置)と、第2端面31beの配置(例えば封止部実装面50s内における配置)と、を非対称にすることで、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。
【0120】
このように、第1端面31aeと第2端面31beとが非対称であることは、例えば、第1端面31aeの大きさが、第2端面31beの大きさとは異なる場合を含む。例えば、第1端面31aeの数が、第2端面31beの数とは異なる場合を含む。例えば、第1端面31aeのパターン形状が、第2端面31beのパターン形状とは異なる場合を含む。例えば、第1端面31aeの配置が、第2端面31beの配置と非対称である場合を含む。
【0121】
このように、第1端面31aeは、第2端面31beの面積とは異なる面積、第2端面31beのパターン形状とは異なるパターン形状、第2端面31beの数とは異なる数、及び、第2端面31beの、封止部50の半導体積層体10とは反対の側の封止部実装面50s内における配置とは異なる封止部実装面50s内における配置、の少なくともいずれかを有する。
【0122】
図9は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図10(a)、図10(b)及び図10(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図10(c)は模式的平面図であり、図10(a)は、図10(c)のC−C’線断面図であり、図10(b)は、図10(c)のD−D’線断面図である。
図11(a)、図11(b)、図11(c)及び図11(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、これらの図は、本実施形態に係る別の半導体発光装置112に含まれる構成要素をZ軸方向に沿ってみたときのパターン形状を例示する図である。図11(a)は、第1電極14及び第2電極15のパターン形状を例示し、図11(b)は、絶縁層20のパターン形状を例示し、図11(c)は、第1接続部32a及び第2接続部32bのパターン形状を例示し、図11(d)は、第1柱部31a及び第2柱部31bのパターン形状を例示している。
【0123】
図9、図10(a)〜図10(c)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置112においては、第1柱部31aが1つ設けられ、第2柱部31bが2つ設けられている。すなわち、第1端面31aeは、第2端面31beの数とは異なる数を有する。そして、半導体発光装置112及び半導体積層体10をZ軸方向からみたときの形状が、略正方形とされている。そして、2つの第2柱部31bは半導体発光装置112の1つの辺に沿って並び、その辺に対向する辺の中心部に近接して第1柱部31aが配置されている。
【0124】
本具体例では、第2柱部31bの数は、第1柱部31aの数よりも多い。1つの柱部の断面積が例えば製造工程の諸条件によって定められる場合などにおいては、第2柱部31bの数を第1柱部31aの数よりも多く設定することで、第2柱部31bの全体としての断面積は、第1柱部31aの全体としての断面積よりも大きくできる。これにより、特に発熱し易い第2半導体層12の側の第2柱部31bにおける放熱性が向上し、発光効率がより向上できる。
【0125】
図11(a)に表したように、第1電極14は、半導体積層体10の1つの辺の中央部に近接して設けられている。一方、第2電極15は、半導体積層体10の第1電極14を除く領域に設けられている。第2電極15の面積は、第1電極14の面積よりも大きい。これにより、放熱性が向上し、また、電流の注入効率が向上し、発光効率が向上できる。
【0126】
図11(b)及び図10(a)に表したように、絶縁層20には、第1開口部20o1と、複数の第2開口部20o2と、が設けられている。複数の第2開口部20o2の1つのパターン形状は、例えば10μm×10μmの略正方形である。
【0127】
図10(a)に例示したように、第1開口部20o1により、第1電極14の少なくとも一部が露出されている。そして、図10(b)に例示したように、複数の第2開口部20o2により、第2電極15の一部が露出されている。
【0128】
図11(c)及び図10(a)に表したように、第1接続部32aは、第1開口部20o1から露出された第1電極14の少なくとも一部を覆うパターン形状を有している。そして、図11(c)及び図10(b)に表したように、第2接続部32bは、複数の第2開口部20o2から露出された第2電極15の一部を覆うパターン形状を有している。
【0129】
図11(d)に表したように、第1柱部31aは、Z軸方向に沿ってみたときに、第1接続部32aと重なるパターン形状を有している。そして、図11(d)に表したように、第2柱部31bは、Z軸方向に沿ってみたときに、第2接続部32bと重なるパターン形状を有している。
【0130】
このようなパターン形状を採用することで、第1柱部31aは、第1接続部32aを介して、第1開口部20o1から露出する第1電極14と電気的に接続される。そして、第2柱部31bは、第2接続部32bを介して、複数の第2開口部20o2から露出する第2電極15と電気的に接続される。
【0131】
そして、本具体例では、絶縁層20は、第1柱部31aの半導体積層体10の側の全面と、半導体積層体10と、の間に設けられている。そして、絶縁層20は、第2柱部31bの半導体積層体10の側の全面と、半導体積層体10と、の間にさらに設けられている。具体的には、絶縁層20は、第2柱部31bの半導体積層体10の側の全面と、第2電極15と、の間に設けられている。
【0132】
図11(d)に表したように、第1端面31aeは、第2端面31beの数とは異なる数を有する。そして、2つの第2端面31beは、封止部50の半導体積層体10とは反対の側の封止部実装面50sの辺に沿って配列している。一方、第1端面31aeは、封止部実装面50sの、第2端面31beが近接して設けられた辺に対向する辺の中心部に近接して配置されている。このように、第1端面31aeは、第2端面31beの数とは異なる数を有する。そして、第1端面31aeは、第2端面31beの封止部実装面50s内における配置とは異なる封止部実装面50s内における配置を有している。このように、第1端面31aeは、第2端面31beと非対称である。
【0133】
これにより、半導体発光装置112を例えばZ軸方向を中心にして回転した場合においても、第1導電部30aと第2導電部30bとが判別できる。このように、半導体発光装置112によれば、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置が提供できる。
【0134】
なお、図9、図10(a)及び図10(b)に表したように、半導体発光装置112においては、第1導電部30aの第1柱部31aの半導体積層体10とは反対の側の端に、第1接続部材72aが設けられ、第2導電部30bの第2柱部31bの半導体積層体10とは反対の側の端に、第2接続部材72bが設けられている。第1接続部材72a及び第2接続部材72bには、はんだを用いることができる。第1接続部材72a及び第2接続部材72bは省略しても良い。
【0135】
なお、第1柱部31aの第1端面31ae(第1接続部材72aと接する部分)、及び、第2柱部31bの第1端面31be(第2接続部材72bと接する部分)に、表面層を設けても良い。この表面層には、例えば、水溶性プリフラックス、無電解Ni/Ajuメッキ、及び、AuSnメッキなどの少なくともいずれかの処理が行われた層を用いることができる。これにより、第1端面31ae及び第2端面31beにおけるはんだとの濡れ性が向上でき、実装性が向上する。
【0136】
本具体例においても、光学層60は、蛍光体層61を有し、さらに、透光部62及び硬質膜63を有しても良い。
【0137】
図12(a)、図12(b)及び図12(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図12(c)は模式的平面図であり、図12(a)は、図12(c)のE−E’線断面図であり、図12(b)は、図12(c)のF−F’線断面図である。
図13(a)、図13(b)、図13(c)及び図13(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、これらの図は、本実施形態に係る別の半導体発光装置112aに含まれる構成要素をZ軸方向に沿ってみたときのパターン形状を例示する図である。図13(a)〜図13(d)は、第1電極14及び第2電極15のパターン形状、絶縁層20のパターン形状、第1接続部32a及び第2接続部32bのパターン形状、並びに、第1柱部31a及び第2柱部31bのパターン形状を、それぞれ例示している。
【0138】
図12(a)〜図12(c)、図13(d)に表したように、半導体発光装置112aにおいても、第2柱部31bが2つ設けられている。すなわち、第1端面31aeは、第2端面31beの数とは異なる数を有する。そして、2つの第2端面31beは封止部実装面50sの辺に沿って配列し、第1端面31aeは、封止部実装面50sの、第2端面31beが近接して設けられた辺に対向する辺の中心部に近接して配置されている。すなわち、第1端面31aeは、第2端面31beの封止部実装面50s内における配置とは異なる封止部実装面50s内における配置を有している。この場合も、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。
【0139】
図13(a)に表したように、第1電極14及び第2電極15のパターン形状は、半導体発光装置112と同様である。
【0140】
図13(b)に表したように、半導体発光装置112aにおいては、絶縁層20には、1つの第1開口部20o1と、1つの第2開口部20o2と、が設けられている。そして、絶縁層20は、第2柱部31bが設けられる領域には設けられていない。すなわち、第2柱部31bが設けられる領域には、第2開口部20o2が配置される。
【0141】
図12(a)に例示したように、第1開口部20o1により、第1電極14の少なくとも一部が露出されている。そして、図12(b)に例示したように、第2開口部20o2により、第2電極15の一部が露出されている。
【0142】
図13(c)及び図12(a)に表したように、第1接続部32aは、第1開口部20o1から露出された第1電極14の少なくとも一部を覆うパターン形状を有している。そして、図13(c)及び図12(b)に表したように、第2接続部32bは、第2開口部20o2から露出された第2電極15の一部を覆うパターン形状を有している。この場合には、第2接続部32bの実質的に全面が、半導体積層体10の第2電極15に直接的に接続されている。
【0143】
図13(d)に表したように、第1柱部31aは、Z軸方向に沿ってみたときに、第1接続部32aと重なるパターン形状を有している。そして、第2柱部31bは、Z軸方向に沿ってみたときに、第2接続部32bと重なるパターン形状を有している。
【0144】
このようなパターン形状を採用することで、第1柱部31aは、第1接続部32aを介して、第1開口部20o1から露出する第1電極14と電気的に接続される。そして、第2柱部31bは、第2接続部32bを介して、複数の第2開口部20o2から露出する第2電極15と電気的に接続される。
このように、絶縁層20のパターン形状は種々の変形が可能である。
【0145】
なお、半導体発光装置112においては、絶縁層20は、第1柱部31aと半導体積層体10との間、及び、第2柱部31bと半導体積層体10との間、の両方に設けられている。これにより、半導体積層体10に加わる応力を緩和する効果が高い。一方、半導体発光装置112aにおいては、絶縁層20は、第1柱部31aと半導体積層体10との間に設けられ、第2柱部31bと半導体積層体10との間には設けられていない。このため、第2柱部31bは、絶縁層20を介さないで第2接続部32bを介して半導体積層体10に対向するので、半導体積層体10と第2導電部30bとが、(第2電極15を介して)熱的に接続される。このため、熱抵抗が低下でき、放熱性を高めることができる。このように、絶縁層20の配置は、応力緩和と放熱性向上とに関する所望の特性に応じて適切に選択されることができる。
【0146】
図14(a)、図14(b)、図14(c)及び図14(d)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の要素の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、これらの図は、第1柱部31a及び第2柱部31bのパターン形状をそれぞれ例示している。
【0147】
図14(a)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置113aにおいては、第1端面31aeの面積は、第2端面31beの面積よりも小さい。これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。なお、第1端面31aeは、封止部実装面50sの1つの角部に近接して配置され、第2端面31beは、封止部実装面50sの別の1つの角部に近接して配置されている。
【0148】
図14(b)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置113bにおいては、第1端面31aeのパターン形状は、第2端面31beのパターン形状とは異なる。すなわち、第1端面31aeは凹状部を有しており、第2端面31beは凸状部を有している。これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。
【0149】
なお、第1端面31ae及び第2端面31beのパターン形状は、第1端面31aeから第2端面31beに向かう方向に関して異方性を有する形状を有しており、これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとの間に流れる電流の向きを直感的に把握できる。なお、この場合も、第1端面31aeは、封止部実装面50sの1つの角部に近接して配置され、第2端面31beは、封止部実装面50sの別の1つの角部に近接して配置されている。
【0150】
図14(c)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置113cにおいては、封止部実装面50sの周縁部と第1端面31aeとの距離は、封止部実装面50sの周縁部と第2端面31beとの距離よりも短い。すなわち、第1端面31aeは封止部実装面50sの1つの角部に近接して配置されており、第2端面31beは、封止部実装面50sの中央部に配置されている。すなわち、第1端面31aeの配置は、第2端面31beの配置とは異なる。これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。
【0151】
図14(d)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置113dにおいては、第1端面31aeが1つ設けられ、第2端面31beが2つ設けられている。そして、第1端面31aeは封止部実装面50sの1つの角部に近接して配置されている。一方、第2端面31beのうちの1つは、封止部実装面50sの1つの辺の中央部に近接して配置されており、第2端面31beのうちの別の1つは、封止部実装面50sの別の1つの辺の中央部に近接して配置されている。このように、第1端面31aeと第2端面31beとで、数及び配置が異なる。これにより、第1導電部30aと第2導電部30bとを容易に判別できる。
【0152】
このように、半導体発光装置113a〜113dにおいても、第1端面31aeと第2端面31beとが非対称であり、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置が提供できる。
【0153】
(第2の実施の形態)
図15は、第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
本実施形態は、上記の実施形態に係るいずれかの半導体発光装置を製造する方法である。すなわち、本製造方法は、第1主面10bと、第1主面10bとは反対側の第2主面10aと、を有する半導体積層体10と、半導体積層体10の第2主面10aに設けられた第1電極14及び第2電極15と、を含む発光部10dと、第1電極14に電気的に接続され、第2主面10aの上に立設された第1柱部31aを含む第1導電部30aと、第2電極15に電気的に接続され、第2主面10aの上に立設された第2柱部31bを含む第2導電部30bと、第1導電部30aの側面及び第2導電部30bの側面を覆う封止部50と、半導体積層体10の第1主面10bに設けられ、発光層13から放出された発光光を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する蛍光体層61(波長変換部)を含む光学層60と、を有し、第1導電部30aの半導体積層体10とは反対側の第1端面31aeと、第2導電部30bの半導体積層体10とは反対側の第2端面31beと、は、非対称である半導体発光装置の製造方法である。なお、半導体積層体10は、第1主面10bの側に設けられた第1導電形の第1半導体層11と、第2主面10aの側に設けられた第2導電形の第2半導体層12と、第1半導体層11と第2半導体層12との間に設けられた発光層13と、を含み、半導体積層体10においては、第2半導体層12及び発光層13が選択的に除去されて第2主面10bにおいて第1半導体層11の一部が露出する。第1電極14は第2主面10aの側において第1半導体層11に電気的に接続され、第2電極15は第2主面10aの側において第2半導体層12に電気的に接続される。
【0154】
図15に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置の製造方法においては、半導体積層体10の第2主面10aの上に、第1柱部31aに対応する第1開口領域39aと、第2柱部31bに対応し第1開口領域39aとは非対称な第2開口領域39bと、を有するレジスト膜(第2レジスト層38)を形成する(ステップS110)。すなわち、例えば、図3(b)に関して説明した処理を行う。
【0155】
そして、図15に表したように、第1開口領域39aと第2開口領域39bとに導電膜(柱部導電膜31f)を形成して第1柱部31aと第2柱部31bとを形成する(ステップS120)。すなわち、例えば、図3(c)に関して説明した処理を行う。
【0156】
これにより、互いに非対称な第1端面31aeと第2端面31beとを形成でき、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置を製造することができる。
【0157】
そして、既に説明したように、上記のレジスト膜(第2レジスト層38)の形成(ステップS110)と、上記の第1柱部31aと第2柱部31bとの形成(柱部導電膜31fの形成、ステップS120)と、は、複数の半導体積層体10が設けられた基板10sにおいて、複数の半導体積層体10について一括して実施されることができる。これにより、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置を高い生産性で製造することができる。
【0158】
赤色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる赤色の蛍光体は、これに限定されない。
Y2O2S:Eu、
Y2O2S:Eu+顔料、
Y2O3:Eu、
Zn3(PO4)2:Mn、
(Zn,Cd)S:Ag+In2O3、
(Y,Gd,Eu)BO3、
(Y,Gd,Eu)2O3、
YVO4:Eu、
La2O2S:Eu,Sm、
LaSi3N5:Eu2+、
α−sialon:Eu2+、
CaAlSiN3:Eu2+、
CaSiNX:Eu2+、
CaSiNX:Ce2+、
M2Si5N8:Eu2+、
CaAlSiN3:Eu2+、
(SrCa)AlSiN3:EuX+、
Srx(SiyAl3)z(OxN):EuX+ 。
【0159】
緑色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる緑色の蛍光体は、これに限定されない。
ZnS:Cu,Al、
ZnS:Cu,Al+顔料、
(Zn,Cd)S:Cu,Al、
ZnS:Cu,Au,Al,+顔料、
Y3Al5O12:Tb、
Y3(Al,Ga)5O12:Tb、
Y2SiO5:Tb、
Zn2SiO4:Mn、
(Zn,Cd)S:Cu、
ZnS:Cu、
Zn2SiO4:Mn、
ZnS:Cu+Zn2SiO4:Mn、
Gd2O2S:Tb、
(Zn,Cd)S:Ag、
ZnS:Cu,Al、
Y2O2S:Tb、
ZnS:Cu,Al+In2O3、
(Zn,Cd)S:Ag+In2O3、
(Zn,Mn)2SiO4、
BaAl12O19:Mn、
(Ba,Sr,Mg)O・aAl2O3:Mn、
LaPO4:Ce,Tb、
Zn2SiO4:Mn、
ZnS:Cu、
3(Ba,Mg,Eu,Mn)O・8Al2O3、
La2O3・0.2SiO2・0.9P2O5:Ce,Tb、
CeMgAl11O19:Tb、
CaSc2O4:Ce、
(BrSr)SiO4:Eu、
α−sialon:Yb2+、
β−sialon:Eu2+、
(SrBa)YSi4N7:Eu2+、
(CaSr)Si2O4N7:Eu2+、
Sr(SiAl)(ON):Ce 。
【0160】
青色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる青色の蛍光体はこれに限定されない。
ZnS:Ag、
ZnS:Ag+顔料、
ZnS:Ag,Al、
ZnS:Ag,Cu,Ga,Cl、
ZnS:Ag+In2O3、
ZnS:Zn+In2O3、
(Ba,Eu)MgAl10O17、
(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu、
Sr10(PO4)6Cl2:Eu、
(Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al10O17、
10(Sr,Ca,Ba,Eu)・6PO4・Cl2、
BaMg2Al16O25:Eu 。
【0161】
黄色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる黄色の蛍光体はこれに限定されない。
Li(Eu,Sm)W2O8、
(Y,Gd)3,(Al,Ga)5O12:Ce3+、
Li2SrSiO4:Eu2+、
(Sr(Ca,Ba))3SiO5:Eu2+、
SrSi2ON2.7:Eu2+ 。
【0162】
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BxInyAlzGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むものや、導電形などを制御するために添加される各種のドーパントのいずれかをさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0163】
以上説明したように、実施形態によれば、電極の判別を容易化し、小型化に適した半導体発光装置及びその製造方法を提供することができる。
【0164】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0165】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施の形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、発光部に含まれる半導体層、発光層、電極、導電層、反射層及びコンタクト電極層、並びに、半導体発光装置に含まれる導電部、電極、柱部、接続部、絶縁層、封止部、光学層、波長変換部、蛍光体層、蛍光体、透光部及び硬質膜などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0166】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体発光装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体発光装置及びその製造方法も、本発明の実施の形態の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0167】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0168】
10…半導体積層体、 10a…第2主面、 10b…第1主面、 10d…発光部、 10s…基板、 11…第1半導体層、 12…第2半導体層、 13…発光層、 14…第1電極、 15…第2電極、 18…保護層、 20…絶縁層、 20o1…第1開口部、 20o2…第2開口部、 30a…第1導電部、 30b…第2導電部、 31a…第1柱部、 31ae…第1端面、 31ae1〜31ae4…第1〜第4サブ端面、 31b…第2柱部、 31be…第2端面、 31be1〜31be2…第5及び第6サブ端面、 31f…柱部導電膜、 32a…第1接続部、 32b…第2接続部、 32f…接続部導電膜、 33…シード層、 37…第1レジスト層、 38…第2レジスト層(レジスト膜)、 39a…第1開口領域、 39b…第2開口領域、 50…封止部、 50f…樹脂層、 50s…封止部実装面、 60…光学層、 61…蛍光体層(波長変換部)、 61f…蛍光体膜、 62…透光部、 63…硬質膜、 72a…第1接続部材、 72b…第2接続部材、 110、110a〜110f、111a〜111f、112、112a、113a〜113d…半導体発光装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有する半導体積層体と、前記半導体積層体の前記第2主面に設けられた第1電極及び第2電極と、を含む発光部と、
前記第1電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む第1導電部と、
前記第2電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む第2導電部と、
前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う封止部と、
前記半導体積層体の前記第1主面に設けられ、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む光学層と、
を備え、
前記第1導電部の前記半導体積層体とは反対側の第1端面と、前記第2導電部の前記半導体積層体とは反対側の第2端面と、は、非対称であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記第1端面は、
前記第2端面の面積とは異なる面積、
前記第2端面のパターン形状とは異なるパターン形状、
前記第2端面の数とは異なる数、及び、
前記第2端面の、前記封止部の前記半導体積層体とは反対の側の封止部実装面内における配置とは異なる前記封止部実装面内における配置、
の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記半導体積層体は、前記第1主面の側に設けられた第1導電形の第1半導体層と、前記第2主面の側に設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、
前記半導体積層体においては、前記第2半導体層及び前記発光層が選択的に除去されて前記第2主面において前記第1半導体層の一部が露出し、
前記第1電極は前記第2主面の側において前記第1半導体層に電気的に接続され、
前記第2電極は前記第2主面の側において前記第2半導体層に電気的に接続され、
前記第2柱部の数は、前記第1柱部の数よりも多いことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記半導体積層体は、前記第1主面の側に設けられた第1導電形の第1半導体層と、前記第2主面の側に設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、
前記半導体積層体においては、前記第2半導体層及び前記発光層が選択的に除去されて前記第2主面において前記第1半導体層の一部が露出し、
前記第1電極は前記第2主面の側において前記第1半導体層に電気的に接続され、
前記第2電極は前記第2主面の側において前記第2半導体層に電気的に接続され、
前記第2柱部の前記第1主面に対して平行な平面で切断したときの断面積は、前記第1柱部の前記第1主面に対して平行な前記平面で切断したときの断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記半導体積層体は、前記第1主面の側に設けられた第1導電形の第1半導体層と、前記第2主面の側に設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、
前記半導体積層体においては、前記第2半導体層及び前記発光層が選択的に除去されて前記第2主面において前記第1半導体層の一部が露出し、
前記第1電極は前記第2主面の側において前記第1半導体層に電気的に接続され、
前記第2電極は前記第2主面の側において前記第2半導体層に電気的に接続され、
前記第2端面は複数設けられ、前記複数の第2端面は、前記封止部の前記半導体積層体とは反対の側の封止部実装面の辺に沿って配列することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記第1柱部の少なくとも一部と前記半導体積層体との間、及び、前記第2柱部の少なくとも一部と前記半導体積層体との間、の少なくともいずれかに設けられた絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記第1導電部は、前記絶縁層の前記半導体積層体とは反対の側の面の少なくとも一部を覆い前記第1電極と前記第1柱部とを電気的に接続する第1接続部をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記第2導電部は、前記絶縁層の前記半導体積層体とは反対の側の面の少なくとも一部を覆い前記第2電極と前記第2柱部とを電気的に接続する第2接続部をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項9】
第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有する半導体積層体と、前記半導体積層体の前記第2主面に設けられた第1電極及び第2電極と、を含む発光部と、前記第1電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む第1導電部と、前記第2電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む第2導電部と、前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う封止部と、前記半導体積層体の前記第1主面に設けられ、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む光学層と、を有し、前記第1導電部の前記半導体積層体とは反対側の第1端面と、前記第2導電部の前記半導体積層体とは反対側の第2端面と、は、非対称である半導体発光装置の製造方法であって、
前記半導体積層体の前記第2主面の上に、前記第1柱部に対応する第1開口領域と、前記第2柱部に対応し前記第1開口領域とは非対称な第2開口領域と、を有するレジスト膜を形成し、
前記第1開口領域と前記第2開口領域とに導電膜を形成して前記第1柱部と前記第2柱部とを形成することを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記レジスト膜の前記形成と、前記第1柱部と前記第2柱部との前記形成と、は、
複数の前記半導体積層体が設けられた基板において、前記複数の半導体積層体について一括して実施されることを特徴とする請求項9記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有する半導体積層体と、前記半導体積層体の前記第2主面に設けられた第1電極及び第2電極と、を含む発光部と、
前記第1電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む第1導電部と、
前記第2電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む第2導電部と、
前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う封止部と、
前記半導体積層体の前記第1主面に設けられ、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む光学層と、
を備え、
前記第1導電部の前記半導体積層体とは反対側の第1端面と、前記第2導電部の前記半導体積層体とは反対側の第2端面と、は、非対称であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記第1端面は、
前記第2端面の面積とは異なる面積、
前記第2端面のパターン形状とは異なるパターン形状、
前記第2端面の数とは異なる数、及び、
前記第2端面の、前記封止部の前記半導体積層体とは反対の側の封止部実装面内における配置とは異なる前記封止部実装面内における配置、
の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記半導体積層体は、前記第1主面の側に設けられた第1導電形の第1半導体層と、前記第2主面の側に設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、
前記半導体積層体においては、前記第2半導体層及び前記発光層が選択的に除去されて前記第2主面において前記第1半導体層の一部が露出し、
前記第1電極は前記第2主面の側において前記第1半導体層に電気的に接続され、
前記第2電極は前記第2主面の側において前記第2半導体層に電気的に接続され、
前記第2柱部の数は、前記第1柱部の数よりも多いことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記半導体積層体は、前記第1主面の側に設けられた第1導電形の第1半導体層と、前記第2主面の側に設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、
前記半導体積層体においては、前記第2半導体層及び前記発光層が選択的に除去されて前記第2主面において前記第1半導体層の一部が露出し、
前記第1電極は前記第2主面の側において前記第1半導体層に電気的に接続され、
前記第2電極は前記第2主面の側において前記第2半導体層に電気的に接続され、
前記第2柱部の前記第1主面に対して平行な平面で切断したときの断面積は、前記第1柱部の前記第1主面に対して平行な前記平面で切断したときの断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記半導体積層体は、前記第1主面の側に設けられた第1導電形の第1半導体層と、前記第2主面の側に設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、
前記半導体積層体においては、前記第2半導体層及び前記発光層が選択的に除去されて前記第2主面において前記第1半導体層の一部が露出し、
前記第1電極は前記第2主面の側において前記第1半導体層に電気的に接続され、
前記第2電極は前記第2主面の側において前記第2半導体層に電気的に接続され、
前記第2端面は複数設けられ、前記複数の第2端面は、前記封止部の前記半導体積層体とは反対の側の封止部実装面の辺に沿って配列することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記第1柱部の少なくとも一部と前記半導体積層体との間、及び、前記第2柱部の少なくとも一部と前記半導体積層体との間、の少なくともいずれかに設けられた絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記第1導電部は、前記絶縁層の前記半導体積層体とは反対の側の面の少なくとも一部を覆い前記第1電極と前記第1柱部とを電気的に接続する第1接続部をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記第2導電部は、前記絶縁層の前記半導体積層体とは反対の側の面の少なくとも一部を覆い前記第2電極と前記第2柱部とを電気的に接続する第2接続部をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項9】
第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有する半導体積層体と、前記半導体積層体の前記第2主面に設けられた第1電極及び第2電極と、を含む発光部と、前記第1電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む第1導電部と、前記第2電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む第2導電部と、前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う封止部と、前記半導体積層体の前記第1主面に設けられ、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む光学層と、を有し、前記第1導電部の前記半導体積層体とは反対側の第1端面と、前記第2導電部の前記半導体積層体とは反対側の第2端面と、は、非対称である半導体発光装置の製造方法であって、
前記半導体積層体の前記第2主面の上に、前記第1柱部に対応する第1開口領域と、前記第2柱部に対応し前記第1開口領域とは非対称な第2開口領域と、を有するレジスト膜を形成し、
前記第1開口領域と前記第2開口領域とに導電膜を形成して前記第1柱部と前記第2柱部とを形成することを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記レジスト膜の前記形成と、前記第1柱部と前記第2柱部との前記形成と、は、
複数の前記半導体積層体が設けられた基板において、前記複数の半導体積層体について一括して実施されることを特徴とする請求項9記載の半導体発光装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図15】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図15】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−258673(P2011−258673A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130521(P2010−130521)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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