半導体発光装置及びその製造方法
【課題】LED素子の周りに蛍光体を偏在させ方位角による色ムラを軽減したLED装置がある。このようなLED装置を長寿命化しとようとしたとき、これまで知られているガラス封止構造は製造しづらかった。
【解決手段】底部が平坦な凹部31aを有するガラス31を備え、凹部31の底部と側部に間隙を有するようにLED素子36を配置し、この間隙に蛍光体32が充填されている。蛍光体32の大部分がガラス31により封止され長寿命化する。さらに蛍光体層32の下面とともにガラス31下面にガスバリア層37を形成する。
【解決手段】底部が平坦な凹部31aを有するガラス31を備え、凹部31の底部と側部に間隙を有するようにLED素子36を配置し、この間隙に蛍光体32が充填されている。蛍光体32の大部分がガラス31により封止され長寿命化する。さらに蛍光体層32の下面とともにガラス31下面にガスバリア層37を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子の周囲に蛍光体が偏在した半導体発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子(以後とくに断らない限りLED素子と呼ぶ)をパッケージ化するとき、LED素子の周囲の直近に蛍光体を偏在させ方位角にともなって変化する色ムラを低減させる半導体発光装置(以後とくに断らない限りLED装置と呼ぶ)がある。
【0003】
このLED装置の製造方法としては、回路基板にLED素子を実装してから電気泳動法、電着法、スプレイ法等で蛍光体をLED素子に付着するものが知られている。電気泳動法はLED素子の光出射面や側面に蛍光体付着用の電極を設けなければならず煩瑣である。またLED装置は発光色を一定にするため蛍光体の量を精度良く制御しなければならないが、電気泳動法、電着法、スプレイ法は蛍光体が電界や慣性により空間を移動するため蛍光体粒子径のバラツキを狭い範囲に収めなければならない。もっと手軽な製造方法としては蛍光体粒子径への制限が少ない機械的加工を採用するものがある(例えば特許文献1)。
【0004】
特許文献1の図1の一部を図11に示し、LED素子の構造と加工例を説明する。図11において、(g)は発光ダイオード1(LED素子)の断面図、(b),(c),(d),(f)が加工工程の説明図である。(g)に示すように発光ダイオード1は、サファイア基板10の上面と側面に蛍光体層14が形成されている。サファイア基板10の下面は電極面15となっており、発光層19、p電極7とn電極8がある。(b)の工程では切削具21で複数の発光ダイオードが配列されているウェハー状態のサファイア基板10に溝12を形成する。(c)の工程ではウェハー上面に蛍光体ペースト13を塗布しスキージ26で平坦化する。(d)の工程では目的の厚みとするため研磨具22で蛍光体層14を研磨する。(f)の工程ではダイシングテープ24上にウェハーを置き切断具25で溝の中央を切断する。以上の工程で周囲に蛍光体層14を備えた発光ダイオード1が個片化される。
【0005】
特許文献1の方法など自分自身の周りに蛍光体を偏在させるようにしたLED素子(発光ダイオード1)は、ふつう樹脂やセラミック、金属からなる回路基板上にフリップチップ実装され、回路基板上面とともに樹脂で封止されることが多い。
【0006】
簡単にLED素子周りだけに蛍光体を配置させることが可能で、さらに蛍光体とともにLED素子や回路基板上面を樹脂で封止することができる方法が、特許文献2の図1に示されている。特許文献2の図1に示された製造方法は、まず予め凹部4aを形成しておいたシート4の凹部4aに、蛍光体6を混合した樹脂5aを所定量注入する。次に実装基板1(回路基板)にフリップチップ実装したLEDチップ2(LED素子)を樹脂5aに浸潤し、最後に接着材8で実装基板とシート4を接着している。
【0007】
しかしながら樹脂による封止は、樹脂が水蒸気など気体成分を通し易いため、反応し易い蛍光体が使えないという課題がある。これに対しLED素子周りに蛍光体を偏在させながら、蛍光体の長期信頼性を高める手法として、蛍光体やLED素子をガラスで封止する発光装置(LED装置)が特許文献3の図10に示されている。特許文献3の図10に示された発光装置1は、基板3上にフリップチップ実装したLED素子2の周囲を蛍光体層15がとり囲み、基板2上面とともに蛍光体層15をガラス封止部6で封止している。こ
の発光素子1は、周囲に蛍光体層6を備え、基板3上にフリップチップ実装されたLED素子2を基板3ごとガラスのホットプレス加工により封止したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3978514号公報 (図1)
【特許文献2】特開2008−60166号公報 (図1)
【特許文献3】特許第4637160号公報 (図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2の図1で示されたLED装置は、樹脂封止であるため長期的な信頼性を欠くという課題があるばかりでなく、凹部4aに注入しなければならない樹脂5aを正確に決めなくてはならない。つまり、LED素子やその突起電極の厚さがばらつくため、LED素子毎に注入量を制御する必要がある。しかしながら特許文献2にはこの課題に関する記載がない。またこれらの課題はないとしても、特許文献3の図10に示されたLED装置は予めLED素子の周辺部に蛍光体を偏在させておかなければならい点が課題となる。なお特許文献3の図10に対する説明の中にはどのようにして蛍光体を偏在させたか記載がない。いずれにしろ予めLED素子の周りに蛍光体を偏在させておくことは煩瑣である。
【0010】
そこで本発明は、これらの課題に鑑みて為されたものであり、半導体発光素子の周りだけに蛍光体を備える構造を維持したまま、長寿命化が可能で製造し易い半導体発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため本発明の半導体発光装置は、
透明基板上に半導体層を備える半導体発光素子の周囲直近に蛍光体が偏在し、該蛍光体とともに前記半導体発光素子が封止される半導体発光装置において、
凹部を有するガラスと、
前記半導体層に突起電極が接続し、前記凹部の底部及び側部との間に間隙を有するように配置された半導体発光素子と、
前記間隙に充填された蛍光体と、
前記ガラスの底面とともに前記間隙から露出する前記蛍光体を被覆するガスバリア層とを備えることを特徴とする。
【0012】
前記蛍光体がスペーサを含有していることが好ましい。
【0013】
前記ガラスの前記凹部を有する側の面であって前記突起電極が占める以外の領域に白色反射部材を備えることが好ましい。
【0014】
前記ガラスの底面に金属反射層を備え、前記ガスバリア層が該金属反射層を被覆しても良い。
【0015】
前記金属反射層がスリットで分割されていても良い。
【0016】
前記突起電極と接続し、メッキ法により形成した接続電極を設けると良い。
【0017】
上記課題を解決するため本発明の半導体発光装置の製造方法は、透明基板上に半導体層を備える半導体発光素子の周囲直近に蛍光体が偏在し、該蛍光体とともに前記半導体発光素子が封止される半導体発光装置の製造方法において、
突起電極を備える半導体発光素子と大判のガラスを準備する準備工程と、
該ガラスに複数の凹部を形成する凹部形成工程と、
該凹部に硬化前の蛍光体を滴下する蛍光体滴下工程と、
該凹部の底部と側部に間隙を有するように前記半導体発光素子を配置する半導体発光素子配置工程と、
前記ガラスの底面とともに前記間隙から露出する前記蛍光体をガスバリア層で被覆するガスバリア層形成工程と
前記ガラスを個別の前記半導体発光装置に個片化する個片化工程とを備えることを特徴とする。
【0018】
前記凹部形成工程においてエッチング法により底部が平坦な凹部を形成しても良い。
【0019】
前記準備工程において準備する前記ガラスが底面に金属反射層を備えていても良い。
【0020】
前記ガスバリア層から露出した前記パンプ電極に接続する接続電極を電解メッキ法で形成しても良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明の半導体発光装置において蛍光体の大部分は、ガス透過性が著しく低いガラスと半導体発光素子により外気から遮断されている。またガラスと半導体発光素子の間隙から露出する蛍光体層はガスバリア層が被覆する。このようにして蛍光体が外気から遮断されるため超寿命化が達成される。また凹部の深さ、半導体発光素子の厚さなどさまざまな変動要因により、間隙における蛍光体の高さがばらついても、このガスバリア層が蛍光体露出部を被覆するので、この間隙に充填される蛍光体の量に対する許容値が広くなり、長寿命化とともに製造の容易化が達成される。以上のように本発明の半導体発光装置は、半導体発光素子の周りに蛍光体を備える構造を維持したまま、長寿命化が可能で製造し易い構造になる。
【0022】
本発明の半導体発光装置の製造方法は、突起電極を有する半導体発光素子とともに大判ガラスを準備し、凹部形成工程、蛍光体滴下工程、半導体発光素子配置工程、及びガスバリア層形成工程を含む途中工程を大判ガラスで進め、最後に大判ガラスを個片化し個別の半導体発光装置を得る集合工法である。この工程により前述の構造の半導体発光装置が得られるため、本発明の半導体発光装置の製造方法は、半導体発光素子の周りに蛍光体を備える構造でありながら、ガラス及びガスバリア層による封止で長寿命化が達成され、集合工法により効率よく製造できるとともにガスバリア層が蛍光体滴下量の許容範囲を大きくし製造を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態におけるLED装置の断面図。
【図2】図1のLED装置の底面図。
【図3】図1のLED装置を製造するための工程説明図。
【図4】図1のLED装置を製造するための工程説明図。
【図5】本発明の第2実施形態におけるLED装置の断面図。
【図6】本発明の第3実施形態におけるLED装置の断面図。
【図7】本発明の第4実施形態におけるLED装置の断面図。
【図8】図7のLED装置の底面図。
【図9】図7のLED装置を製造するための工程説明図。
【図10】図7のLED装置を製造するための工程説明図。
【図11】従来のLED素子の断面図とその製造方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図1〜10を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお図面において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また説明のため部材の縮尺は適宜変更している。さらに特許請求の範囲に記載した発明特定事項との関係をカッコ内に記載している。
(第1実施形態)
【0025】
図1は本発明の第1実施形態におけるLED装置30(半導体発光装置)の断面図である。ガラス31の下面には箱形の凹部31aがあり、凹部31a内に蛍光体32とLED素子36が配置されている。凹部31aの上部(底部)及び側部とLED素子36との間には間隙があり、この間隙に蛍光体32が充填されている。上部の間隙と側部の間隙の厚さは概ね等しい。なおLED素子36は、サファイア基板33(透明基板)の下に半導体層34を備え、半導体層34の下面にアノード用及びカソード用のバンプ電極35(突起電極)が付着している。
【0026】
ガラス31の下面、ガラス31下面及びLED素子36から露出する蛍光体32、及びバンプ電極35が占める領域以外のLED素子36下面は、ガスバリア層37で被覆されている。さらにガスバリア層37の下面には白色反射部材38がある。白色反射部材38の下面とバンプ電極35の下面は高さが一致している。白色反射部材38及びバンプ電極35の下面にはアノード及びカソードとして機能する接続電極39が形成されている。なお図1ではガラス31の底面と蛍光体32の底面の高さも一致させているが、それぞれの高さが多少ずれてもガスバリア層は凹凸に沿って形成され蛍光体32の底面を封止できるので問題ない(以下同様)。
【0027】
またLED素子36は、サファイア基板33に半導体層34を備えるLED素子36の周りに蛍光体32が偏在し、蛍光体32とともにLED素子36がガラス31、ガスバリア層37及び白色反射部材38で封止されている。
【0028】
蛍光体32は、珪酸塩系(又は窒化物系)の緑色蛍光粒子及び窒化物系の赤色蛍粒子に加えビーズスペーサを含み、シリコーン樹脂をバインダとしている。なお凹部31aの底部における蛍光体32の厚みは70〜100μmでビーズスペーサの直径で決まる。半導体層34から出射した青色光と、この青色光で励起された蛍光体32による緑色光及び赤色光とが混色し白色光が得られる。蛍光体32がLED素子36の周囲に偏在すると出射方向(方位角)によって変化する色ムラ(白色光の色度変化)が軽減する。シリコーン樹脂の代わりにオルガノポリシロキサンなど焼結するとガラス質になるバインダを使っても良い。このバインダは無機質であるため耐光性が良好なためLED装置30の長寿命化にとって好ましい。
【0029】
LED素子36のサファイア基板33は厚さが80〜120μmであるが、さらに薄くすればサファイア基板33の側面から出射する光が減り、上方へ向かう光が増える。半導体層34は厚さが7μm程度であり、p型半導体層とn型半導体層を含む青色発光ダイオードである。半導体層34の下面にはp型半導体層及びn型半導体層の露出部があり、それぞれの露出部にバンプ電極35が形成され、バンプ電極35はアノード及びカソード電極となる。バンプ電極35は電解メッキ法で形成し、厚さが10〜30μm程度になる。なおn型半導体層の露出部だけにn側のバンプ電極35を形成するのではなく、層間絶縁膜と金属配線を追加し、p型半導体層上にもn側のバンプ電極35を積層させるようにすると、p側及びn側のバンプ電極形状を決めるときに自由度が増すためLED装置30の電極設計が楽になる。
【0030】
ガスバリア層37は厚さが100〜300nmのSiO2膜である。SiO2等の無機
膜は数10nmで高いガスバリア性を示すため、蛍光体32の下端から侵入しようとする水分等を強く阻止する。白色反射部材38は、二酸化チタン等の反射性微粒子、前述のシリコーン樹脂やオルガノポリシロキサンなどのバインダ、溶媒及び触媒とを混練したペーストを150℃程度で焼結したものである。白色反射部材38は下方に向かう光を上方に反射させることでLED装置30の発光効率を改善している。なお高度な長寿命化が不要な場合はガスバリア層37を無くすこともできる。また接続電極39はメッキ用共通電極であるTiW層と、電解メッキ法で作成したCu層、Ni層及びAu層とを有し、総厚が10μm程度である。
【0031】
図2によりLED装置30の電極面(底面)を説明する。図2は蛍光体32の形状を説明するために描いたLED装置30の電極面の底面図である。底面の構造を説明するため接続電極39は点線で示し、ガスバリア層37,白色反射部材38は省略した。ガラス31は長方形の凹部31aを備え、その内側に蛍光体32がある。蛍光体32はLED素子36を枠上に取り囲んでいる。LED素子36の下面には2個のバンプ電極35があり、バンプ電極35以外の領域から半導体層34がみえる。蛍光体32の厚さは前述と同様に70〜100μm程度であるが、この値は凹部31aの外形やLED素子36の配置精度により決まる。なおLED素子36の横方向に出射する光線が利用しづらいことと、方位角の大きな領域では色ズレに対する許容量が大きいことから、図1におけるLED素子36の上部における蛍光体32の厚さに比べ、LED素子36の側部の蛍光体32は厚さがばらついても実害は少ない。
【0032】
図3及び図4により図1のLED装置30の製造方法を説明する。図3及び図4はLED装置30を製造するための工程説明図である。(a)はバンプ電極35を備えるLED素子36と大判のガラス31を準備する準備工程を示している。なお(a)ではLED素子36について図示していない。
【0033】
(b)は、ガラス31に底部が平坦な複数の凹部31aをエッチング法で形成する凹部形成工程を示している。エッチング液にはフッ化アンモニウムを使用し、凹部31aを形成しない領域をマスクして凹部31aをエッチングで形成する。なお凹部31aを形成するのにマスクを用いたサンドブラスト法も適用できるが、この場合は底部が平坦でなく湾曲する。
【0034】
(c)は、凹部31aに硬化前の蛍光体32を滴下する蛍光体滴下工程を示している。ディスペンサを使い各凹部31aに適量の蛍光体32を滴下していく。硬化前の蛍光体32は溶媒を含みペースト状であり、流動性及びタック性をもっている。滴下後、蛍光体32の流動性を調整するため加熱して仮硬化しても良い。
【0035】
(d)は、凹部31aの底部と側部に間隙を有するようにLED素子36を配置する半導体発光素子配置工程を示している。LED素子36のバンプ電極35を上側にしてソーターにより各凹部31aにLED素子36を一個ずつ配置する。また予め図示していない粘着シート上にLED素子36を凹部31aのピッチで配列し、この粘着シートをガラス31に重ね一括してLED素子を凹部31aに配置しても良い。いずれにしてもLED素子36を配置するとき、蛍光体32に含まれるビーズスペーサによりLED素子36のサファイア基板33面とガラス31との間隙は所望の値に設定される。
【0036】
(e)は、蛍光体32を硬化させる硬化工程を示している。約150℃で焼成し蛍光体32に含まれるバインダを硬化させる。なお他の工程の熱処理で蛍光体32を硬化させられる場合は本工程を省略できる。
【0037】
(f)は、ガスバリア層37を形成するガスバリア層形成工程を示している。スパッタ
法によりガラス31の上面全体にSiO2膜を形成する。このときバンプ電極35上にもSiO2膜が形成されるが、後述するように研磨で除去する。
【0038】
(g)は、硬化前の白色反射部材38の塗布工程を示している。バンプ電極35の上面が埋まる程度に白色反射部材38をガラス31上に配置しスキージで平坦化する。その後150℃程度で焼成しバインダを硬化させる。
【0039】
(h)は、白色反射部材38の研磨工程を示している。研磨材や刃で白色反射部材38の表面を削りバンプ電極35の上面を露出させる。このとき前述のSiO2膜も除去する。
【0040】
(i)は、接続電極39を形成する接続電極形成工程を示している。先ず白色反射部材38及びバンプ電極35上面全体にスパッタ法でTiW等からなるメッキ用共通電極を形成する。次にホトリソグラフィ法により、接続電極39を形成する領域が開口したメッキ用マスクを形成する。続いて電解メッキ法で開口部にCu層を形成し、その後Ni層とAu層を形成する。メッキ用マスクを除去したら最後に接続電極39をマスクとして接続電極39間のメッキ用共通電極をエッチングする。以上のようにして白色反射部材38上にバンプ電極35と接続する接続電極39が形成される。
【0041】
(j)は、大判のガラス31をLED装置30に個片化する個片化工程を示している。ダイシング装置を使って、ガスバリア層37、白色反射部材38ごとガラス31を切断し単個のLED装置30を分離する。
【0042】
本実施形態のLED装置30はリードフレームや回路基板を備えていない。しかしながらガラス31が硬質であるため実装に際し充分な強度を確保することができる。本実施形態の製造方法においてはLED素子36とガラス31の間隙を所望の値に設定するためにビーズスペーサを使っていた。しかしながらスペーサを使わず、LED素子36の加圧量を調整してLED素子36とガラス31の間隙を調整しても良い。この場合、加圧したまま蛍光体32を硬化させると良い。またLED装置30は白色反射部材38を備えていたが、白色反射部材38の代わりに透明樹脂層を形成し、接続電極39の反射を利用してもよい。この場合はメッキ用共通電極を高反射アルミとするのが好ましい。
(第2実施形態)
【0043】
図5により本発明の第2実施形態におけるLED装置40を説明する。図5はLED装置40の断面図である。LED装置40は、第1実施形態におけるLED装置30から接続電極39を取り除いた状態のものを、回路基板47にフリップチップ実装したものである。ガラス31と回路基板47の外郭は等しい。
【0044】
回路基板47は板材43、上電極44、下電極46及びスルーホール45を備え、上下の電極44,46はスルーホール45で接続している。板材43は、厚さが数100μmで、熱伝導性を考慮して樹脂、セラミック、金属から選ぶ。上下の電極44,46は、例えば20μm程度の銅箔上にニッケル層と金層を積層したものである。板材43が樹脂の場合、スルーホール45は熱伝導性をよくするため内部を金属ペーストで埋めておくと良い。
【0045】
バンプ電極35と上電極44とは接合用金属42で接続している。接合用金属42は、半田でも良いが、本実施形態ではAuSn共晶合金とした。AuSn共晶接合は、融点を300℃前後に設定できるため、LED装置40をマザーボードに実装するとき、260℃程度のリフロー温度が掛かっても接合部が固体であり続けられるので有利である。
【0046】
LED装置40は白色反射部材38と回路基板47の間に樹脂層41が充填されている。この樹脂層41は水分などの侵入を防いでいる。樹脂層41を形成するため、個片化したガラス31(LED素子36等を含む)を、回路基板47が連結した大判の集合基板に実装し、そのあと集合基板とガラス31間に樹脂を充填する。また樹脂層41の代わりにガラス31の周辺部でAuSn共晶合金を使って回路基板47とガラス31(白色反射部材38は除去しておく)を接合しても良い。この場合は大判のガラス31(LED素子36等を含む)と集合基板を直接貼りあわせ、バンプ電極35とともにガラス31も共晶接合する。そして最後にLED装置40に個片化すると良い。
(第3実施形態)
【0047】
図6により本発明の第3実施形態におけるLED装置50を説明する。図6はLED装置50の断面図である。LED装置50は、第1実施形態におけるLED装置30に対しガラス51の左右両端に切りかき部31bを追加したものである。切りかき部31bは、LED装置50の周辺部全体に形成されており、平面的には枠状になっている。切りかき部31bはガスバリア層57と白色反射部材58を備え、この白色反射部材58でLED素子36及び蛍光体32から横方向に発した光線を上方に向けLED装置50の発光効率を向上させている。
【0048】
切りかき部31bは、図3に示した蛍光体の硬化工程の後、サンドブラスト法でガラス51に網目状の凹部を形成する。その後、図3、4の(f)〜(j)の工程を進めるとLED装置50が得られる。
(第4実施形態)
【0049】
図1,5,6で示した第1〜3実施形態におけるLED装置30,40,50は、ガラス31,51の底部に白色反射部材38,58を備えていた。反射部材としては白色反射部材に限られず金属反射層であっても良い。金属反射層を備えるLED装置として図7〜10を用いて本発明の第4実施形態を説明する。なおLED36は図1,5,6で示したものと共通である。
【0050】
図7は第4実施形態におけるLED装置60(半導体発光装置)の断面図である。ガラス61の下面には箱形の凹部61aがあり、凹部61a内に蛍光体62とLED素子36が配置されている。なお本実施形態では、図1等に比べ凹部61が深く掘られており、LED素子36も深く浸潤させているためLED素子36の底面はバンプ電極35の占める領域を除いて蛍光体62で覆われている。凹部61aの上部及び側部とLED素子36との間には間隙があり、この間隙に蛍光体62が充填されている。上部の間隙と側部の間隙の厚さは概ね等しい。
【0051】
ガラス61の下面には金属反射層68が形成されている。金属反射層68は、反射率からAgが好ましく、Alであっても良い。また金属反射層68、ガラス31の下面、及び蛍光体62の下面は、ガスバリア層67で被覆されている。ガスバリア層67の下面にはバンプ電極35と接続し、アノード及びカソードとして機能する接続電極69が形成されている。
【0052】
以上のようにして本実施形態におけるLED装置60では、LED素子36の周りにのみ蛍光体62が存在し、ガラス61とガスバリア層67が蛍光体62を封止している。またガスバリア層67はガラス61の底面に形成された金属反射層68も被覆し、金属反射層68の硫化や酸化を防いでいる。
【0053】
蛍光体62、ガスバリア層67及び接続電極69の材質は、第1〜3実施形態における蛍光体32、ガスバリア層37,57及び接続電極39と同等である。金属反射層68は
白色反射部材38,58と同様に下方に向かう光を上方に反射させることでLED装置60の発光効率を改善している。
【0054】
図8によりLED装置60の電極面(底面)を説明する。図8は、説明のため接続電極69を剥がしとった状態で図7に示したLED装置60を底面側から眺めた底面図である。なお接続電極69は点線で示した。ガラス61の内側にはスリット68で2分割された金属反射層68がある。このスリット68aは、接続電極69と金属反射層68とが短絡しても、接続電極69同士は短絡しないようにしているものである。中央部にある長方形の領域は、バンプ電極35を除いた部分が蛍光体62である。
【0055】
図9及び図10により図7のLED装置60の製造方法を説明する。図9及び図10はLED装置60を製造するための工程説明図である。なお滴下など重力を使う工程なので、図7とは上下倒置して描いている。
【0056】
(a)で示した準備工程では、(e)で示すバンプ電極35を備えたLED素子36とともに大判のガラス61を準備する。
【0057】
(b)は、ガラス61の上面に金属反射層68を形成する工程を示している。金属反射層68は、マスクを使ってスパッタ法により形成する。
【0058】
(c)はガラス61に凹部61aを形成する凹部形成工程を示している。凹部61a以外を被覆し、エッチングにより凹部61aを形成する。
【0059】
(d)は、凹部61aに硬化前の蛍光体62を滴下する蛍光体滴下工程、(e)は、凹部61aの底部と側部に間隙を有するようにLED素子36を配置する半導体発光素子配置工程を示し、図3(c),(d)に対応する。なお半導体発光素子配置工程や後述するガスバリア層形成工程における熱処理で蛍光体62が硬化するので、図3(e)の硬化工程に相当する工程は図示していない。
【0060】
(f)と(g)はガスバリア層形成工程を示している。まずスパッタ法でガラス上部全体にSiO2膜を形成する(f)。このときバンプ電極35上にもSiO2膜ができる。次にバンプ電極35の上面を削り表面を露出させる(g)。なおガスバリア層67が100nm程度であるのに対し、バンプ電極は10〜30μmあるが、見易いように同じ厚さで図示している。
【0061】
(h),(i)は、接続電極69を形成する接続電極形成工程、及び大判のガラス61をLED装置60に個片化する個片化工程を示している。この工程は、図4(i)、(j)で示したものと同等である。
【符号の説明】
【0062】
30,40,50,60…LED装置(半導体発光装置)、
31,51,61…ガラス、
31a,61a…凹部、
31b…切りかき部、
32,62…蛍光体、
33…サファイア基板、
34…半導体層、
35…バンプ電極、
36…LED素子(半導体発光素子)、
37,57,67…ガスバリア層、
38,58…白色反射部材、
39,69…接続電極、
41…樹脂層、
42…接合用金属、
43…板材、
44…上電極、
45…スルーホール、
46…下電極、
47…回路基板、
68…金属反射層、
68…スリット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子の周囲に蛍光体が偏在した半導体発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子(以後とくに断らない限りLED素子と呼ぶ)をパッケージ化するとき、LED素子の周囲の直近に蛍光体を偏在させ方位角にともなって変化する色ムラを低減させる半導体発光装置(以後とくに断らない限りLED装置と呼ぶ)がある。
【0003】
このLED装置の製造方法としては、回路基板にLED素子を実装してから電気泳動法、電着法、スプレイ法等で蛍光体をLED素子に付着するものが知られている。電気泳動法はLED素子の光出射面や側面に蛍光体付着用の電極を設けなければならず煩瑣である。またLED装置は発光色を一定にするため蛍光体の量を精度良く制御しなければならないが、電気泳動法、電着法、スプレイ法は蛍光体が電界や慣性により空間を移動するため蛍光体粒子径のバラツキを狭い範囲に収めなければならない。もっと手軽な製造方法としては蛍光体粒子径への制限が少ない機械的加工を採用するものがある(例えば特許文献1)。
【0004】
特許文献1の図1の一部を図11に示し、LED素子の構造と加工例を説明する。図11において、(g)は発光ダイオード1(LED素子)の断面図、(b),(c),(d),(f)が加工工程の説明図である。(g)に示すように発光ダイオード1は、サファイア基板10の上面と側面に蛍光体層14が形成されている。サファイア基板10の下面は電極面15となっており、発光層19、p電極7とn電極8がある。(b)の工程では切削具21で複数の発光ダイオードが配列されているウェハー状態のサファイア基板10に溝12を形成する。(c)の工程ではウェハー上面に蛍光体ペースト13を塗布しスキージ26で平坦化する。(d)の工程では目的の厚みとするため研磨具22で蛍光体層14を研磨する。(f)の工程ではダイシングテープ24上にウェハーを置き切断具25で溝の中央を切断する。以上の工程で周囲に蛍光体層14を備えた発光ダイオード1が個片化される。
【0005】
特許文献1の方法など自分自身の周りに蛍光体を偏在させるようにしたLED素子(発光ダイオード1)は、ふつう樹脂やセラミック、金属からなる回路基板上にフリップチップ実装され、回路基板上面とともに樹脂で封止されることが多い。
【0006】
簡単にLED素子周りだけに蛍光体を配置させることが可能で、さらに蛍光体とともにLED素子や回路基板上面を樹脂で封止することができる方法が、特許文献2の図1に示されている。特許文献2の図1に示された製造方法は、まず予め凹部4aを形成しておいたシート4の凹部4aに、蛍光体6を混合した樹脂5aを所定量注入する。次に実装基板1(回路基板)にフリップチップ実装したLEDチップ2(LED素子)を樹脂5aに浸潤し、最後に接着材8で実装基板とシート4を接着している。
【0007】
しかしながら樹脂による封止は、樹脂が水蒸気など気体成分を通し易いため、反応し易い蛍光体が使えないという課題がある。これに対しLED素子周りに蛍光体を偏在させながら、蛍光体の長期信頼性を高める手法として、蛍光体やLED素子をガラスで封止する発光装置(LED装置)が特許文献3の図10に示されている。特許文献3の図10に示された発光装置1は、基板3上にフリップチップ実装したLED素子2の周囲を蛍光体層15がとり囲み、基板2上面とともに蛍光体層15をガラス封止部6で封止している。こ
の発光素子1は、周囲に蛍光体層6を備え、基板3上にフリップチップ実装されたLED素子2を基板3ごとガラスのホットプレス加工により封止したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3978514号公報 (図1)
【特許文献2】特開2008−60166号公報 (図1)
【特許文献3】特許第4637160号公報 (図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2の図1で示されたLED装置は、樹脂封止であるため長期的な信頼性を欠くという課題があるばかりでなく、凹部4aに注入しなければならない樹脂5aを正確に決めなくてはならない。つまり、LED素子やその突起電極の厚さがばらつくため、LED素子毎に注入量を制御する必要がある。しかしながら特許文献2にはこの課題に関する記載がない。またこれらの課題はないとしても、特許文献3の図10に示されたLED装置は予めLED素子の周辺部に蛍光体を偏在させておかなければならい点が課題となる。なお特許文献3の図10に対する説明の中にはどのようにして蛍光体を偏在させたか記載がない。いずれにしろ予めLED素子の周りに蛍光体を偏在させておくことは煩瑣である。
【0010】
そこで本発明は、これらの課題に鑑みて為されたものであり、半導体発光素子の周りだけに蛍光体を備える構造を維持したまま、長寿命化が可能で製造し易い半導体発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため本発明の半導体発光装置は、
透明基板上に半導体層を備える半導体発光素子の周囲直近に蛍光体が偏在し、該蛍光体とともに前記半導体発光素子が封止される半導体発光装置において、
凹部を有するガラスと、
前記半導体層に突起電極が接続し、前記凹部の底部及び側部との間に間隙を有するように配置された半導体発光素子と、
前記間隙に充填された蛍光体と、
前記ガラスの底面とともに前記間隙から露出する前記蛍光体を被覆するガスバリア層とを備えることを特徴とする。
【0012】
前記蛍光体がスペーサを含有していることが好ましい。
【0013】
前記ガラスの前記凹部を有する側の面であって前記突起電極が占める以外の領域に白色反射部材を備えることが好ましい。
【0014】
前記ガラスの底面に金属反射層を備え、前記ガスバリア層が該金属反射層を被覆しても良い。
【0015】
前記金属反射層がスリットで分割されていても良い。
【0016】
前記突起電極と接続し、メッキ法により形成した接続電極を設けると良い。
【0017】
上記課題を解決するため本発明の半導体発光装置の製造方法は、透明基板上に半導体層を備える半導体発光素子の周囲直近に蛍光体が偏在し、該蛍光体とともに前記半導体発光素子が封止される半導体発光装置の製造方法において、
突起電極を備える半導体発光素子と大判のガラスを準備する準備工程と、
該ガラスに複数の凹部を形成する凹部形成工程と、
該凹部に硬化前の蛍光体を滴下する蛍光体滴下工程と、
該凹部の底部と側部に間隙を有するように前記半導体発光素子を配置する半導体発光素子配置工程と、
前記ガラスの底面とともに前記間隙から露出する前記蛍光体をガスバリア層で被覆するガスバリア層形成工程と
前記ガラスを個別の前記半導体発光装置に個片化する個片化工程とを備えることを特徴とする。
【0018】
前記凹部形成工程においてエッチング法により底部が平坦な凹部を形成しても良い。
【0019】
前記準備工程において準備する前記ガラスが底面に金属反射層を備えていても良い。
【0020】
前記ガスバリア層から露出した前記パンプ電極に接続する接続電極を電解メッキ法で形成しても良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明の半導体発光装置において蛍光体の大部分は、ガス透過性が著しく低いガラスと半導体発光素子により外気から遮断されている。またガラスと半導体発光素子の間隙から露出する蛍光体層はガスバリア層が被覆する。このようにして蛍光体が外気から遮断されるため超寿命化が達成される。また凹部の深さ、半導体発光素子の厚さなどさまざまな変動要因により、間隙における蛍光体の高さがばらついても、このガスバリア層が蛍光体露出部を被覆するので、この間隙に充填される蛍光体の量に対する許容値が広くなり、長寿命化とともに製造の容易化が達成される。以上のように本発明の半導体発光装置は、半導体発光素子の周りに蛍光体を備える構造を維持したまま、長寿命化が可能で製造し易い構造になる。
【0022】
本発明の半導体発光装置の製造方法は、突起電極を有する半導体発光素子とともに大判ガラスを準備し、凹部形成工程、蛍光体滴下工程、半導体発光素子配置工程、及びガスバリア層形成工程を含む途中工程を大判ガラスで進め、最後に大判ガラスを個片化し個別の半導体発光装置を得る集合工法である。この工程により前述の構造の半導体発光装置が得られるため、本発明の半導体発光装置の製造方法は、半導体発光素子の周りに蛍光体を備える構造でありながら、ガラス及びガスバリア層による封止で長寿命化が達成され、集合工法により効率よく製造できるとともにガスバリア層が蛍光体滴下量の許容範囲を大きくし製造を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態におけるLED装置の断面図。
【図2】図1のLED装置の底面図。
【図3】図1のLED装置を製造するための工程説明図。
【図4】図1のLED装置を製造するための工程説明図。
【図5】本発明の第2実施形態におけるLED装置の断面図。
【図6】本発明の第3実施形態におけるLED装置の断面図。
【図7】本発明の第4実施形態におけるLED装置の断面図。
【図8】図7のLED装置の底面図。
【図9】図7のLED装置を製造するための工程説明図。
【図10】図7のLED装置を製造するための工程説明図。
【図11】従来のLED素子の断面図とその製造方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図1〜10を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお図面において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また説明のため部材の縮尺は適宜変更している。さらに特許請求の範囲に記載した発明特定事項との関係をカッコ内に記載している。
(第1実施形態)
【0025】
図1は本発明の第1実施形態におけるLED装置30(半導体発光装置)の断面図である。ガラス31の下面には箱形の凹部31aがあり、凹部31a内に蛍光体32とLED素子36が配置されている。凹部31aの上部(底部)及び側部とLED素子36との間には間隙があり、この間隙に蛍光体32が充填されている。上部の間隙と側部の間隙の厚さは概ね等しい。なおLED素子36は、サファイア基板33(透明基板)の下に半導体層34を備え、半導体層34の下面にアノード用及びカソード用のバンプ電極35(突起電極)が付着している。
【0026】
ガラス31の下面、ガラス31下面及びLED素子36から露出する蛍光体32、及びバンプ電極35が占める領域以外のLED素子36下面は、ガスバリア層37で被覆されている。さらにガスバリア層37の下面には白色反射部材38がある。白色反射部材38の下面とバンプ電極35の下面は高さが一致している。白色反射部材38及びバンプ電極35の下面にはアノード及びカソードとして機能する接続電極39が形成されている。なお図1ではガラス31の底面と蛍光体32の底面の高さも一致させているが、それぞれの高さが多少ずれてもガスバリア層は凹凸に沿って形成され蛍光体32の底面を封止できるので問題ない(以下同様)。
【0027】
またLED素子36は、サファイア基板33に半導体層34を備えるLED素子36の周りに蛍光体32が偏在し、蛍光体32とともにLED素子36がガラス31、ガスバリア層37及び白色反射部材38で封止されている。
【0028】
蛍光体32は、珪酸塩系(又は窒化物系)の緑色蛍光粒子及び窒化物系の赤色蛍粒子に加えビーズスペーサを含み、シリコーン樹脂をバインダとしている。なお凹部31aの底部における蛍光体32の厚みは70〜100μmでビーズスペーサの直径で決まる。半導体層34から出射した青色光と、この青色光で励起された蛍光体32による緑色光及び赤色光とが混色し白色光が得られる。蛍光体32がLED素子36の周囲に偏在すると出射方向(方位角)によって変化する色ムラ(白色光の色度変化)が軽減する。シリコーン樹脂の代わりにオルガノポリシロキサンなど焼結するとガラス質になるバインダを使っても良い。このバインダは無機質であるため耐光性が良好なためLED装置30の長寿命化にとって好ましい。
【0029】
LED素子36のサファイア基板33は厚さが80〜120μmであるが、さらに薄くすればサファイア基板33の側面から出射する光が減り、上方へ向かう光が増える。半導体層34は厚さが7μm程度であり、p型半導体層とn型半導体層を含む青色発光ダイオードである。半導体層34の下面にはp型半導体層及びn型半導体層の露出部があり、それぞれの露出部にバンプ電極35が形成され、バンプ電極35はアノード及びカソード電極となる。バンプ電極35は電解メッキ法で形成し、厚さが10〜30μm程度になる。なおn型半導体層の露出部だけにn側のバンプ電極35を形成するのではなく、層間絶縁膜と金属配線を追加し、p型半導体層上にもn側のバンプ電極35を積層させるようにすると、p側及びn側のバンプ電極形状を決めるときに自由度が増すためLED装置30の電極設計が楽になる。
【0030】
ガスバリア層37は厚さが100〜300nmのSiO2膜である。SiO2等の無機
膜は数10nmで高いガスバリア性を示すため、蛍光体32の下端から侵入しようとする水分等を強く阻止する。白色反射部材38は、二酸化チタン等の反射性微粒子、前述のシリコーン樹脂やオルガノポリシロキサンなどのバインダ、溶媒及び触媒とを混練したペーストを150℃程度で焼結したものである。白色反射部材38は下方に向かう光を上方に反射させることでLED装置30の発光効率を改善している。なお高度な長寿命化が不要な場合はガスバリア層37を無くすこともできる。また接続電極39はメッキ用共通電極であるTiW層と、電解メッキ法で作成したCu層、Ni層及びAu層とを有し、総厚が10μm程度である。
【0031】
図2によりLED装置30の電極面(底面)を説明する。図2は蛍光体32の形状を説明するために描いたLED装置30の電極面の底面図である。底面の構造を説明するため接続電極39は点線で示し、ガスバリア層37,白色反射部材38は省略した。ガラス31は長方形の凹部31aを備え、その内側に蛍光体32がある。蛍光体32はLED素子36を枠上に取り囲んでいる。LED素子36の下面には2個のバンプ電極35があり、バンプ電極35以外の領域から半導体層34がみえる。蛍光体32の厚さは前述と同様に70〜100μm程度であるが、この値は凹部31aの外形やLED素子36の配置精度により決まる。なおLED素子36の横方向に出射する光線が利用しづらいことと、方位角の大きな領域では色ズレに対する許容量が大きいことから、図1におけるLED素子36の上部における蛍光体32の厚さに比べ、LED素子36の側部の蛍光体32は厚さがばらついても実害は少ない。
【0032】
図3及び図4により図1のLED装置30の製造方法を説明する。図3及び図4はLED装置30を製造するための工程説明図である。(a)はバンプ電極35を備えるLED素子36と大判のガラス31を準備する準備工程を示している。なお(a)ではLED素子36について図示していない。
【0033】
(b)は、ガラス31に底部が平坦な複数の凹部31aをエッチング法で形成する凹部形成工程を示している。エッチング液にはフッ化アンモニウムを使用し、凹部31aを形成しない領域をマスクして凹部31aをエッチングで形成する。なお凹部31aを形成するのにマスクを用いたサンドブラスト法も適用できるが、この場合は底部が平坦でなく湾曲する。
【0034】
(c)は、凹部31aに硬化前の蛍光体32を滴下する蛍光体滴下工程を示している。ディスペンサを使い各凹部31aに適量の蛍光体32を滴下していく。硬化前の蛍光体32は溶媒を含みペースト状であり、流動性及びタック性をもっている。滴下後、蛍光体32の流動性を調整するため加熱して仮硬化しても良い。
【0035】
(d)は、凹部31aの底部と側部に間隙を有するようにLED素子36を配置する半導体発光素子配置工程を示している。LED素子36のバンプ電極35を上側にしてソーターにより各凹部31aにLED素子36を一個ずつ配置する。また予め図示していない粘着シート上にLED素子36を凹部31aのピッチで配列し、この粘着シートをガラス31に重ね一括してLED素子を凹部31aに配置しても良い。いずれにしてもLED素子36を配置するとき、蛍光体32に含まれるビーズスペーサによりLED素子36のサファイア基板33面とガラス31との間隙は所望の値に設定される。
【0036】
(e)は、蛍光体32を硬化させる硬化工程を示している。約150℃で焼成し蛍光体32に含まれるバインダを硬化させる。なお他の工程の熱処理で蛍光体32を硬化させられる場合は本工程を省略できる。
【0037】
(f)は、ガスバリア層37を形成するガスバリア層形成工程を示している。スパッタ
法によりガラス31の上面全体にSiO2膜を形成する。このときバンプ電極35上にもSiO2膜が形成されるが、後述するように研磨で除去する。
【0038】
(g)は、硬化前の白色反射部材38の塗布工程を示している。バンプ電極35の上面が埋まる程度に白色反射部材38をガラス31上に配置しスキージで平坦化する。その後150℃程度で焼成しバインダを硬化させる。
【0039】
(h)は、白色反射部材38の研磨工程を示している。研磨材や刃で白色反射部材38の表面を削りバンプ電極35の上面を露出させる。このとき前述のSiO2膜も除去する。
【0040】
(i)は、接続電極39を形成する接続電極形成工程を示している。先ず白色反射部材38及びバンプ電極35上面全体にスパッタ法でTiW等からなるメッキ用共通電極を形成する。次にホトリソグラフィ法により、接続電極39を形成する領域が開口したメッキ用マスクを形成する。続いて電解メッキ法で開口部にCu層を形成し、その後Ni層とAu層を形成する。メッキ用マスクを除去したら最後に接続電極39をマスクとして接続電極39間のメッキ用共通電極をエッチングする。以上のようにして白色反射部材38上にバンプ電極35と接続する接続電極39が形成される。
【0041】
(j)は、大判のガラス31をLED装置30に個片化する個片化工程を示している。ダイシング装置を使って、ガスバリア層37、白色反射部材38ごとガラス31を切断し単個のLED装置30を分離する。
【0042】
本実施形態のLED装置30はリードフレームや回路基板を備えていない。しかしながらガラス31が硬質であるため実装に際し充分な強度を確保することができる。本実施形態の製造方法においてはLED素子36とガラス31の間隙を所望の値に設定するためにビーズスペーサを使っていた。しかしながらスペーサを使わず、LED素子36の加圧量を調整してLED素子36とガラス31の間隙を調整しても良い。この場合、加圧したまま蛍光体32を硬化させると良い。またLED装置30は白色反射部材38を備えていたが、白色反射部材38の代わりに透明樹脂層を形成し、接続電極39の反射を利用してもよい。この場合はメッキ用共通電極を高反射アルミとするのが好ましい。
(第2実施形態)
【0043】
図5により本発明の第2実施形態におけるLED装置40を説明する。図5はLED装置40の断面図である。LED装置40は、第1実施形態におけるLED装置30から接続電極39を取り除いた状態のものを、回路基板47にフリップチップ実装したものである。ガラス31と回路基板47の外郭は等しい。
【0044】
回路基板47は板材43、上電極44、下電極46及びスルーホール45を備え、上下の電極44,46はスルーホール45で接続している。板材43は、厚さが数100μmで、熱伝導性を考慮して樹脂、セラミック、金属から選ぶ。上下の電極44,46は、例えば20μm程度の銅箔上にニッケル層と金層を積層したものである。板材43が樹脂の場合、スルーホール45は熱伝導性をよくするため内部を金属ペーストで埋めておくと良い。
【0045】
バンプ電極35と上電極44とは接合用金属42で接続している。接合用金属42は、半田でも良いが、本実施形態ではAuSn共晶合金とした。AuSn共晶接合は、融点を300℃前後に設定できるため、LED装置40をマザーボードに実装するとき、260℃程度のリフロー温度が掛かっても接合部が固体であり続けられるので有利である。
【0046】
LED装置40は白色反射部材38と回路基板47の間に樹脂層41が充填されている。この樹脂層41は水分などの侵入を防いでいる。樹脂層41を形成するため、個片化したガラス31(LED素子36等を含む)を、回路基板47が連結した大判の集合基板に実装し、そのあと集合基板とガラス31間に樹脂を充填する。また樹脂層41の代わりにガラス31の周辺部でAuSn共晶合金を使って回路基板47とガラス31(白色反射部材38は除去しておく)を接合しても良い。この場合は大判のガラス31(LED素子36等を含む)と集合基板を直接貼りあわせ、バンプ電極35とともにガラス31も共晶接合する。そして最後にLED装置40に個片化すると良い。
(第3実施形態)
【0047】
図6により本発明の第3実施形態におけるLED装置50を説明する。図6はLED装置50の断面図である。LED装置50は、第1実施形態におけるLED装置30に対しガラス51の左右両端に切りかき部31bを追加したものである。切りかき部31bは、LED装置50の周辺部全体に形成されており、平面的には枠状になっている。切りかき部31bはガスバリア層57と白色反射部材58を備え、この白色反射部材58でLED素子36及び蛍光体32から横方向に発した光線を上方に向けLED装置50の発光効率を向上させている。
【0048】
切りかき部31bは、図3に示した蛍光体の硬化工程の後、サンドブラスト法でガラス51に網目状の凹部を形成する。その後、図3、4の(f)〜(j)の工程を進めるとLED装置50が得られる。
(第4実施形態)
【0049】
図1,5,6で示した第1〜3実施形態におけるLED装置30,40,50は、ガラス31,51の底部に白色反射部材38,58を備えていた。反射部材としては白色反射部材に限られず金属反射層であっても良い。金属反射層を備えるLED装置として図7〜10を用いて本発明の第4実施形態を説明する。なおLED36は図1,5,6で示したものと共通である。
【0050】
図7は第4実施形態におけるLED装置60(半導体発光装置)の断面図である。ガラス61の下面には箱形の凹部61aがあり、凹部61a内に蛍光体62とLED素子36が配置されている。なお本実施形態では、図1等に比べ凹部61が深く掘られており、LED素子36も深く浸潤させているためLED素子36の底面はバンプ電極35の占める領域を除いて蛍光体62で覆われている。凹部61aの上部及び側部とLED素子36との間には間隙があり、この間隙に蛍光体62が充填されている。上部の間隙と側部の間隙の厚さは概ね等しい。
【0051】
ガラス61の下面には金属反射層68が形成されている。金属反射層68は、反射率からAgが好ましく、Alであっても良い。また金属反射層68、ガラス31の下面、及び蛍光体62の下面は、ガスバリア層67で被覆されている。ガスバリア層67の下面にはバンプ電極35と接続し、アノード及びカソードとして機能する接続電極69が形成されている。
【0052】
以上のようにして本実施形態におけるLED装置60では、LED素子36の周りにのみ蛍光体62が存在し、ガラス61とガスバリア層67が蛍光体62を封止している。またガスバリア層67はガラス61の底面に形成された金属反射層68も被覆し、金属反射層68の硫化や酸化を防いでいる。
【0053】
蛍光体62、ガスバリア層67及び接続電極69の材質は、第1〜3実施形態における蛍光体32、ガスバリア層37,57及び接続電極39と同等である。金属反射層68は
白色反射部材38,58と同様に下方に向かう光を上方に反射させることでLED装置60の発光効率を改善している。
【0054】
図8によりLED装置60の電極面(底面)を説明する。図8は、説明のため接続電極69を剥がしとった状態で図7に示したLED装置60を底面側から眺めた底面図である。なお接続電極69は点線で示した。ガラス61の内側にはスリット68で2分割された金属反射層68がある。このスリット68aは、接続電極69と金属反射層68とが短絡しても、接続電極69同士は短絡しないようにしているものである。中央部にある長方形の領域は、バンプ電極35を除いた部分が蛍光体62である。
【0055】
図9及び図10により図7のLED装置60の製造方法を説明する。図9及び図10はLED装置60を製造するための工程説明図である。なお滴下など重力を使う工程なので、図7とは上下倒置して描いている。
【0056】
(a)で示した準備工程では、(e)で示すバンプ電極35を備えたLED素子36とともに大判のガラス61を準備する。
【0057】
(b)は、ガラス61の上面に金属反射層68を形成する工程を示している。金属反射層68は、マスクを使ってスパッタ法により形成する。
【0058】
(c)はガラス61に凹部61aを形成する凹部形成工程を示している。凹部61a以外を被覆し、エッチングにより凹部61aを形成する。
【0059】
(d)は、凹部61aに硬化前の蛍光体62を滴下する蛍光体滴下工程、(e)は、凹部61aの底部と側部に間隙を有するようにLED素子36を配置する半導体発光素子配置工程を示し、図3(c),(d)に対応する。なお半導体発光素子配置工程や後述するガスバリア層形成工程における熱処理で蛍光体62が硬化するので、図3(e)の硬化工程に相当する工程は図示していない。
【0060】
(f)と(g)はガスバリア層形成工程を示している。まずスパッタ法でガラス上部全体にSiO2膜を形成する(f)。このときバンプ電極35上にもSiO2膜ができる。次にバンプ電極35の上面を削り表面を露出させる(g)。なおガスバリア層67が100nm程度であるのに対し、バンプ電極は10〜30μmあるが、見易いように同じ厚さで図示している。
【0061】
(h),(i)は、接続電極69を形成する接続電極形成工程、及び大判のガラス61をLED装置60に個片化する個片化工程を示している。この工程は、図4(i)、(j)で示したものと同等である。
【符号の説明】
【0062】
30,40,50,60…LED装置(半導体発光装置)、
31,51,61…ガラス、
31a,61a…凹部、
31b…切りかき部、
32,62…蛍光体、
33…サファイア基板、
34…半導体層、
35…バンプ電極、
36…LED素子(半導体発光素子)、
37,57,67…ガスバリア層、
38,58…白色反射部材、
39,69…接続電極、
41…樹脂層、
42…接合用金属、
43…板材、
44…上電極、
45…スルーホール、
46…下電極、
47…回路基板、
68…金属反射層、
68…スリット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板上に半導体層を備える半導体発光素子の周囲直近に蛍光体が偏在し、該蛍光体とともに前記半導体発光素子が封止される半導体発光装置において、
凹部を有するガラスと、
前記半導体層に突起電極が接続し、前記凹部の底部及び側部との間に間隙を有するように配置された半導体発光素子と、
前記間隙に充填された蛍光体と、
前記ガラスの底面とともに前記間隙から露出する前記蛍光体を被覆するガスバリア層とを備えることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記蛍光体がスペーサを含有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記ガラスの前記凹部を有する側の面であって前記突起電極が占める以外の領域に白色反射部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記ガラスの底面に金属反射層を備え、前記ガスバリア層が該金属反射層を被覆することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記金属反射層がスリットで分割されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記突起電極と接続し、メッキ法により形成した接続電極を設けることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
透明基板上に半導体層を備える半導体発光素子の周囲直近に蛍光体が偏在し、該蛍光体とともに前記半導体発光素子が封止される半導体発光装置の製造方法において、
突起電極を備える半導体発光素子と大判のガラスを準備する準備工程と、
該ガラスに複数の凹部を形成する凹部形成工程と、
該凹部に硬化前の蛍光体を滴下する蛍光体滴下工程と、
該凹部の底部と側部に間隙を有するように前記半導体発光素子を配置する半導体発光素子配置工程と、
前記ガラスの底面とともに前記間隙から露出する前記蛍光体をガスバリア層で被覆するガスバリア層形成工程と
前記ガラスを個別の前記半導体発光装置に個片化する個片化工程とを備えることを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記凹部形成工程においてエッチング法により底部が平坦な凹部を形成することを特徴とする請求項7に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記準備工程において準備する前記ガラスが底面に金属反射層を備えていることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記ガスバリア層から露出した前記パンプ電極に接続する接続電極を電解メッキ法で形成することを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項1】
透明基板上に半導体層を備える半導体発光素子の周囲直近に蛍光体が偏在し、該蛍光体とともに前記半導体発光素子が封止される半導体発光装置において、
凹部を有するガラスと、
前記半導体層に突起電極が接続し、前記凹部の底部及び側部との間に間隙を有するように配置された半導体発光素子と、
前記間隙に充填された蛍光体と、
前記ガラスの底面とともに前記間隙から露出する前記蛍光体を被覆するガスバリア層とを備えることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記蛍光体がスペーサを含有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記ガラスの前記凹部を有する側の面であって前記突起電極が占める以外の領域に白色反射部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記ガラスの底面に金属反射層を備え、前記ガスバリア層が該金属反射層を被覆することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記金属反射層がスリットで分割されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記突起電極と接続し、メッキ法により形成した接続電極を設けることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
透明基板上に半導体層を備える半導体発光素子の周囲直近に蛍光体が偏在し、該蛍光体とともに前記半導体発光素子が封止される半導体発光装置の製造方法において、
突起電極を備える半導体発光素子と大判のガラスを準備する準備工程と、
該ガラスに複数の凹部を形成する凹部形成工程と、
該凹部に硬化前の蛍光体を滴下する蛍光体滴下工程と、
該凹部の底部と側部に間隙を有するように前記半導体発光素子を配置する半導体発光素子配置工程と、
前記ガラスの底面とともに前記間隙から露出する前記蛍光体をガスバリア層で被覆するガスバリア層形成工程と
前記ガラスを個別の前記半導体発光装置に個片化する個片化工程とを備えることを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記凹部形成工程においてエッチング法により底部が平坦な凹部を形成することを特徴とする請求項7に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記準備工程において準備する前記ガラスが底面に金属反射層を備えていることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記ガスバリア層から露出した前記パンプ電極に接続する接続電極を電解メッキ法で形成することを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の半導体発光装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−146942(P2012−146942A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104088(P2011−104088)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(000131430)シチズン電子株式会社 (798)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(000131430)シチズン電子株式会社 (798)
【Fターム(参考)】
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