説明

半導体発光装置及びそれを用いたバックライトユニット

【課題】薄型、小型で且つ信頼性の高い半導体発光装置とこれを用いたバックライトユニットを安価に提供する。
【解決手段】半導体発光装置100は、素子搭載部101と、素子搭載部101上に固定され且つ素子搭載部101に電気的に接続された半導体発光素子103と、半導体発光素子103を囲む壁部110aを有するケースボディ106と、半導体発光素子103を封止する封止部材107とを備える。素子搭載部101及びケースボディ106によってケースボディ凹部110が構成される。封止部材107は、ケースボディ凹部110内において半導体発光素子103を封止する。素子搭載部101及びケースボディ106の少なくとも一方のうちの封止部材107と接する部分は、少なくとも1本の線状に延びる凹部108a又は凸部108bを含む凹凸108を有する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体発光装置に関し、特に、ディスプレイ、携帯電話、照明器具及び光源等に用いられる樹脂封止型の半導体発光装置及びそれを用いたバックライトユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光装置は、小型、低背で且つ発光効率が良いことが求められている。これを実現するために、半導体発光装置内に複数の半導体発光素子を直線状に配置した構造が提案されてきている。このような構造を取ると、半導体発光装置の長手方向と短手方向の比率が大きくなる。
【0003】
従来の半導体発光装置として、リフレクター材料(特にプラスチック材料)から製造されたケースボディと、ケースボディに設けられた凹部に配置された半導体発光素子と、半導体発光素子に電気的に接続された金属製の電極端子(リードフレームからなる)と、ケースボディの凹部に充填された透過率の高い封止部材とを備えた半導体発光装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第WO2003/038912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に説明した半導体発光装置において、ケースボディ凹部に透過率の高い封止部材を充填するには、一般的にディスペンサーにより封止部材を塗布する。しかしながら、封止部材がケースボディ凹部に吐出された後、ケースボディ凹部を充填するまでに要する時間が長く、生産性が悪い。また、ケースボディ凹部に対する封止部材の充填性が劣化すると、半導体発光装置の輝度むらを大きくさせる原因となる。これらは、半導体発光装置の長手方向と短手方向との寸法比が大きくなると、顕著になる。
【0006】
このことに鑑み、本開示の技術の目的は、薄型、小型で且つ信頼性の高い半導体発光装置と、これを用いたバックライトユニットを安価に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本開示の半導体発光装置は、素子搭載部と、素子搭載部上に固定され且つ素子搭載部に電気的に接続された半導体発光素子と、半導体発光素子を囲む壁部を有するケースボディと、半導体発光素子を封止する封止部材とを備え、素子搭載部及びケースボディによってケースボディ凹部が構成され、封止部材は、ケースボディ凹部内において半導体発光素子を封止し、素子搭載部及びケースボディの少なくとも一方のうちの封止部材と接する部分は、少なくとも1本の線状に延びる凹部又は凸部を含む凹凸を有する。
【0008】
尚、凹凸は、素子搭載部に形成されていても良い。
【0009】
また、凹凸は、ケースボディのうちのケースボディ凹部の底部を構成する部分に形成されていても良い。
【0010】
このような半導体発光装置によると、ケースボディ凹部の底面において、凹部と凸部とでは封止部材との接触角が異なるようになる。
【0011】
従って、封止部材を充填する際、凹凸構造を横切るためには付加的なエネルギーが必要になるので、これを利用して封止部材の底面に対する濡れ性を制御できる。つまり、封止部材を充填する際、封止部材は、凹凸を横切る方向には進みにくいので凹凸に沿う方向への濡れ広がりが速くなる。これを利用して、凹部及び凸部の延びる方向に封止部材を誘導すると共に、速やかに濡れ広がるようにすることができる。このことから、ケースボディ凹部に対する封止部材の充填性を良くすることができ、半導体発光装置の生産性が向上する。生産性の向上は、低コスト化にも貢献する。また、封止部材がより均一に濡れ広がるので、封止部材の表面の凹凸及び封止部材内の気泡の発生を抑制し、半導体発光装置から照射される光の輝度むらを低減することができる。凹凸は、ケースボディ凹部の底面と、当該底面に設けられた突起部又は溝により構成されていても良い。
【0012】
また、凹凸は、素子搭載部及びケースボディの両方の表面に亘って連続して形成されていても良い。
【0013】
このようにすると、素子搭載部及びケースボディの両方において封止部材の充填性を向上させることができる。また、充填の際、封止部材が素子搭載部とケースボディとの境界を容易に横切るようにすることができる。
【0014】
また、外部との電気的接続を得るための電極端子を更に備え、電極端子は、ケースボディによって一部が覆われるように保持されていても良い。
【0015】
半導体発光素子を半導体発光装置の外部と電気的に接続するために、このような電極端子を備えていても良い。
【0016】
また、ケースボディは、リフレクター素材からなっていても良い。
【0017】
このようにすると、半導体発光素子から出射された光をケースボディによって反射し、発光効率を向上させることができる。
【0018】
また、半導体装置は、平面視において一方に長い形状を有し、少なくとも1本の線状に延びる凹部又は凸部は、半導体発光装置の長手方向に延びるように形成されていても良い。
【0019】
このようにすると、充填の際に、封止部材が半導体発光装置の長手方向に進みやすくなり、充填性を向上させる(封止部材が未充填の箇所が発生するのを抑制する)ことができる。
【0020】
また、凹凸は、ラインアンドスペース状に形成された複数の凹部及び凸部を含んでも良い。つまり、凹部及び凸部が縞状に形成されていても良い。
【0021】
また、凹凸は、等間隔に並んで複数形成された凹部及び凸部を含んでいても良い。
【0022】
このようにすると、凹部及び凸部の延びる方向に封止部材をより確実に誘導できる。
【0023】
また、凹凸のピッチは、1μm以上で且つ100μm以下であっても良い。
【0024】
また、凹凸の高さの差は、0.1μm以上で且つ25μm以下であっても良い。
【0025】
また、凹凸のうちの凸部の幅は、凹部の幅よりも狭くても良い。
【0026】
凹部及び凸部の寸法に関し、以上のようになっていても良い。
【0027】
また、凹凸のうちの凹部及び凸部の少なくとも一方は、四角形状、三角形状又は円弧状の断面を有していても良い。
【0028】
また、凹凸のうちの凹部及び凸部の少なくとも一方は、破線状に形成されていても良い。
【0029】
つまり、小型の凹部又は凸部が複数並んでなる断続的な構造であっても良い。
【0030】
また、凹凸のうちの凹部及び凸部の少なくとも一方は、平面視において、曲線状に形成されていても良い。
【0031】
以上のような構造の凹凸を設けることにより、それぞれ封止部材の充填性を調整すること及び向上することができるので、半導体発光装置の生産性及び信頼性を向上させることができる。
【0032】
また、凹凸のうちの凹部及び凸部の少なくとも一方は、平面視において、壁部の形状に沿って形成されていても良い。
【0033】
また、凹凸は、ケースボディ凹部の中央からコーナー部に向かって延びる凹部又は凸部を含んでいても良い。
【0034】
また、凹凸の高さの差は、ケースボディ凹部の中央側において大きく、ケースボディ凹部の周縁側にむかって小さくなっていても良い。
【0035】
このようにすると、特に、ケースボディ凹部のコーナー部、周縁部に封止部材を誘導して充填性を向上させることができる。
【0036】
また、ケースボディ凹部内に、複数の半導体発光素子を備えていても良い。
【0037】
これにより、小型で且つ高輝度の半導体発光装置を実現することができる。
【0038】
また、半導体装置は、平面視において一方に長い形状を有し、半導体発光装置の縦横の寸法比が1以上で且つ30以下であっても良い。
【0039】
このような場合に、封止部材を誘導して充填性を向上させる本開示の技術の効果が顕著に発揮される。
【0040】
また、半導体発光素子と素子搭載部とを電気的に接続する金属細線を更に備え、金属細線は、封止部材によって封止されていても良い。
【0041】
また、金属細線が接合される部分の素子搭載部は平坦であっても良い。
【0042】
このようにすると、金属細線と素子搭載部との接続をより確実にすることができる。
【0043】
また、半導体発光素子は、素子搭載部上にフリップチップ接合されていても良い。
【0044】
次に、本開示のバックライトユニットは、本開示のいずれかの半導体発光装置と、当該半導体発光装置が発する光を誘導する導光板とを備えるバックライトユニットである。
【0045】
薄型、小型で且つ信頼性の高い本開示の半導体発光装置を用いることにより、より薄いバックライトユニットが実現し、ディスプレイ等の薄型に貢献する。
【発明の効果】
【0046】
本開示の半導体発光装置によると、ケースボディ凹部に対する封止部材の濡れ性を制御し、充填性を向上させることができる。従って、ケースボディ凹部に対してより速やかに且つ確実に封止部材を充填することができ、生産性を向上させると共に、輝度むらが抑制された薄型、小型で且つ信頼性の高い半導体発光装置を実現することができる。また、このような半導体発光装置を用いるバックライトユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1(a)〜(d)は、本開示の一実施形態の例示的半導体発光装置を説明する図である。
【図2】図2は、本開示の半導体発光装置に設けられる凹凸の断面形状を例示する図である。
【図3】図3は、本開示の半導体発光装置に設けられる凹凸の断面形状を例示する図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、本開示の半導体発光装置において、凹凸が設けられた素子搭載部のうち金属細線の接続箇所については平坦にすることを説明する図である。
【図5】図5(a)〜(d)は、本開示の第1の変形例の半導体発光装置を説明する図である。
【図6】図6(a)及び(b)は、本開示の第2の変形例の半導体発光装置を説明する図である。
【図7】図7(a)〜(c)は、本開示の半導体発光装置における凹凸の平面視形状に関する他の例を説明する図である。
【図8】図8(a)〜(d)は、本開示の半導体発光装置における凹凸の形状について更に説明する図である。
【図9】図9(a)〜(d)は、本開示の第3の変形例の半導体発光装置を説明する図である。
【図10】図10(a)〜(c)は、本開示の第4の変形例の半導体発光装置を説明する図である。
【図11】図11は、本開示の第5の変形例について、凹凸の平面形状の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本開示の一実施形態の例示的半導体発光装置100について、図面を参照しながら説明する。但し、本開示の技術は以下に例示する内容に限定されるものではなく、技術的範囲を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0049】
図1(a)及び(b)は、半導体発光装置100の模式的な断面及び平面図ある。また、図1(b)の一部150を図1(c)に拡大して示すと共に、そのId-Id'線による断面を図1(d)に示している。
【0050】
図1(a)及び(b)に示すように、半導体発光装置100は、金属材料からなる素子搭載部101と、その上に有機系接着剤等の接着剤102によって固着された半導体発光素子103とを有する。この例では、複数(3つ)の素子搭載部101上にそれぞれ半導体発光素子103が搭載され、半導体発光素子103と素子搭載部101とは金属細線104によって電気的に接続されている。
【0051】
また、半導体発光装置100を外部と電気的に接続するための電極端子105が備えられている。電極端子105及び素子搭載部101は、光の反射率が高いリフレクター材料等からなるケースボディ106によって、それぞれ一部が覆われるように保持されている。電極端子105と素子搭載部101とは同じ材料からなり、リードフレームを用いて形成される。
【0052】
ケースボディ106は、素子搭載部101上において半導体発光素子103及び金属細線104の周囲を囲む壁部110aを有する。また、素子搭載部101及びケースボディ106の一部により底部110bが構成され、壁部110a及び底部110bによりケースボディ凹部110が構成されている。ケースボディ凹部110には、半導体発光素子103及び金属細線104を封止する封止部材107が充填されている。封止部材107は、透光性の樹脂等からなる。
【0053】
また、封止部材107に接している素子搭載部101の上面には、半導体発光装置100の長手方向に線状に延びる凹部108aと、その間の部分である凸部108bとによって凹凸108が形成されている。尚、素子搭載部101の上面に設けられた突起部を凸部108b、その間の部分を凹部108aとする凹凸108であっても良いし、素子搭載部101の上面に設けられた溝を凹部108a、その間の部分を凸部108bとする凹凸108であっても良い。
【0054】
このような凹凸108が素子搭載部101上に形成されていることにより、ケースボディ凹部110に液状の封止部材107を充填する際、吐出された封止部材107は、凹凸108に沿って速やかに濡れ広がる。つまり、凹部108aと凸部108bとでは封止部材107との接触角が異なるので、液状の封止部材107が凹凸108を横切るためには付加的なエネルギーが必要になる。このことから、封止部材107は凹凸108に沿って蒸れ広がる。従って、封止部材107の充填に要する時間が短くなり、半導体発光装置100の生産性が向上する。生産性の向上は低コスト化に貢献するので、より安価に半導体発光装置100を製造することもできる。
【0055】
また、封止部材107が速やかに濡れ広がることにより、ケースボディ凹部110内において封止部材107が充填されずに残る箇所が発生するのを抑えると共に、封止部材107の上面に凹凸が生じるのを抑えることができる。このことから、封止部材107をより均一に充填することができる。従って、封止部材107の上面を平坦にすることができ、半導体発光素子103(更には半導体発光装置100)から照射される光の輝度むらを抑えることができる。
【0056】
以上のように、ケースボディ凹部110内に複数の半導体発光素子103を配置し且つ封止部材107により封止を行なう構造をすることにより、小型化及び低背化を実現する。更に、凹凸108により、封止部材107を速やかに且つ均一に充填することができ、生産性及び信頼性が高く且つ安価な半導体発光装置100が実現される。
【0057】
素子搭載部101において、凹凸108は、半導体発光装置100(又はケースボディ106)の長手方向に延びるように(長手方向に平行又は略平行に)形成されている。これにより、半導体発光装置100の長手方向に液状の封止部材107を誘導し、ケースボディ凹部110内により確実に封止部材107を充填することができる。但し、凹凸108は、他の方向、例えば半導体発光装置100の長手方向に垂直な方向等に延びていても良い。
【0058】
また、素子搭載部101の一部を拡大する図1(c)及びその断面である図1(d)に示すように、凹凸108を構成する凹部108a及び凸部108bは、ラインアンドスペース状(縞状)に複数設けられている。また、凹部108a及び凸部108bは、等間隔に、周期的に形成されており、望ましい構成ではある。但し、これには限定されず、凹部108a及び凸部108bの幅及び間隔は、規則的に変更されていても良いし、ランダムであっても良い。
【0059】
凹凸108の高さH(凹部108aと凸部108bの差、凸部108bの高さは又は凹部108aの深さとも言える)は、0.1μm以上で且つ25μm以下とするのが良い。また、凹凸108のピッチPは、1μm以上で且つ100μm以下とするのが良い。光の反射率を高める(例えば、初期値として90%以上とする)ために、このようにするのがよい。
【0060】
また、凸部108bの断面が四角形状であり、凸部108bの幅が、凹部108aの幅よりも狭いことが望ましい。但し、凸部108bの幅が凹部108aの幅と同じである場合にも、凸部の幅の方が広い場合にも、封止部材107の充填性を向上させる効果は得られる。
【0061】
尚、図1(b)に示すように、本実施形態の半導体発光装置100の場合、ケースボディ106は長辺と短辺とを有する長方形の平面形状を有している。しかし、これに限定されることはなく、正方形、円形等であっても良い。半導体発光装置100が長方形の平面形状を有する場合、縦横比(長手方向の長さと短手方向の長さの比)は、1以上で且つ30以下であることが望ましく、1以上で且つ5以下であることが更に望ましい。
【0062】
また、平面視において、素子搭載部101は長方形であって、ケースボディ106の長辺方向に3つ並んで配置されているが、このような素子搭載部101の平面形状、個数及び配置についても、図1(b)の例に限定されることはない。
【0063】
(各構成要素の材料)
素子搭載部101及び電極端子105は、金属系素材からなるリードフレームの一部として形成される。リードフレームは、機械的強度、電気伝導度、熱伝導度及び耐腐食性等を考慮して選択される金属系素材、例えばCu合金系素材、鉄合金系素材の薄板を材料として、打ち抜き(プレス)又はエッチング等の加工方法によって形成される。また、リードフレームの表面には、光の反射率が高い素材(高反射率素材)である銀化合物がめっきされていることが望ましい。銀化合物に代える高反射率素材として、金、白金又は金銀合金等のめっき材料を用いることもできる。
【0064】
接着剤102としては、有機系接着剤が好ましく、特に、熱硬化性樹脂系の接着剤が好ましい。具体的には、酢酸ビニル樹脂系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、エチレン・酢酸ビニル樹脂系、塩化ビニル系、アクリル樹脂系、ポリアミド系、セルロース系、α−オレフィン樹脂系、イソシアネート系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリエステル系、ウレタン樹脂系、ポリイミド系、ポリベンズイミダゾール系、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、スチレンブタジエンゴム系、ポリサルファイド系、ブチルゴム系、シリコーン系、アリルゴム系、変性シリコーン系又はウレタン樹脂系等の樹脂を用いることができる。また、フィラーが混合された接着剤であっても良い。
【0065】
半導体発光素子103は、基板上に、GaAlN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN及びAlInGaN等のうち1つ又は複数の半導体を発光層として形成して構造を有していても良い。
【0066】
また、ケースボディ106は、例えばリフレクター材料である樹脂等から形成されている。熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれを使用してもよい。具体例としては、フェノール樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、エポキシ樹脂系、ジアリルフタレート樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリイミド系、ポリウレタン系、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系、ABS(acrylonitrile butadiene styrene )樹脂系、メタクリル樹脂系、アクリル樹脂系、ポリ塩化ビニル系、ポリアセタール系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、変性ポリフェニレンエーテル系、ポリブチレンテフタレート系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリサルフォン系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリアミドイミド系、ポリメチルペンテン系、又は、液晶ポリマー系等の材料を用いることができる。尚、これらの樹脂内に、ガラス繊維、フィラー等の補強材が含有されていても良い。また、ケースボディ106は、樹脂に代えて、セラミックスから構成されていても良い。
【0067】
封止部材107は、例えば、シリコーン樹脂からなる。その他には、エポキシ樹脂等の可視光領域における光透過率が高い(例えば50%以上である)樹脂を使用することもできる。また、樹脂中に、半導体発光素子103から照射された所定は長の光を吸収して別の波長の光を発する蛍光体粒子、又は、粘度調整剤等のフィラーが含まれていても良い。また、光、熱等の物理的エネルギーにより架橋反応が進む樹脂材料を用いることもできる。
【0068】
(半導体発光装置の製造方法)
次に、半導体発光装置100の製造方法について、具体例を説明する。素子搭載部101及び電極端子105は、リードフレームから形成される。リードフレームは、例えば厚さ0.15mm〜0.3mm程度のCu合金からなり、表面には厚さ3μm〜6μm程度のAgめっきが施されている。ここで、加熱によるCuの拡散を防止するために、Agめっきの下地として厚さ0.5μm〜3μm程度のNiめっきを更に施しても良い。また、めっきの反射率低下を抑えるために、Ni下地めっき上に、厚さ0.01μm〜0.3μm程度のAuAgめっきを施しても良い。
【0069】
また、リードフレームからなる素子搭載部101の上面に凹凸108を形成するためには、レジスト材料によりマスキングを行なった後にエッチングによりパターニングする方法がある。また、金型等によりリードフレームの素子搭載部101をクランプすることにより、凹凸108をパターニングしても良い。更に、レーザー加工、ダイヤモンド切削、ブラスト加工、インプリント又はリソグラフィ等の加工プロセスを用いても良い。
【0070】
素子搭載部101に凹凸108を形成した後、リードフレームの素子搭載部101及び電極端子105が対向して保持されるように、インジェクション成形によりケースボディ106を形成する。この際、ケースボディ106の一部として、素子搭載部101上にて半導体発光素子103を囲む壁部110aを形成する。また、電極端子105及び素子搭載部101の裏面(金属細線104の接続される面とは反対側の面)の少なくとも一部が、ケースボディ106に覆われない外部端子となるようにする。尚、ケースボディ106は、インジェクション成型に代えて、トランスファー成形等により成形しても良い。
【0071】
ケースボディ106を形成した後、素子搭載部101上に接着剤102を塗布し、当該接着剤102を用いて半導体発光素子103を接着する。図1(a)及び(b)に示す本実施形態では3個の半導体発光素子103が用いられているが、1つ又は2つであっても良いし、4つ以上の半導体発光素子103を搭載しても良い。
【0072】
次に、半導体発光素子103と素子搭載部101とを金属細線104により電気的に接続する。但し、金属細線104を用いるのに代えて、フリップチップ工法により半導体発光素子103を素子搭載部101上に搭載し、電気的接続を得ても良い。
【0073】
この後、ケースボディ凹部110に、ディスペンサーから液状の封止部材107を吐出する。これにより、ケースボディ凹部110内において半導体発光素子103及び金属細線104を封止する。
【0074】
この際、素子搭載部101上に形成した凹凸108により、封止部材107の濡れ広がりを制御することができ、ケースボディ凹部110内に未充填の箇所を生じさせることなく封止部材107を充填できる。また、封止部材107は均一に濡れ広がるので、充填された封止部材107の上面に凹凸が生じるのを避けることができる。従って、半導体発光装置100から照射される光の輝度むらを抑制することができる。
【0075】
封止部材107を充填した後、硬化炉にて過熱することにより封止部材107を硬化させる。これにより、半導体発光装置100が製造される。
【0076】
以上のように、ケースボディ106内に素子搭載部101を配置する構造により薄型化及び小型化を実現できると共に、封止部材107を速やかに且つ均一に充填することができ、信頼性が高く且つ安価な半導体発光装置を得ることができる。
【0077】
(凹凸の断面形状に関する他の例)
次に、凹凸108の断面形状について、他の例を説明する。
【0078】
先に説明した例では、図1(d)に示す通り、凹凸108は四角形状の断面を有する(凹部108a及び凸部108bは、ケースボディ凹部110の底面に垂直な側面を有し、また、いずれも断面が四角形状である。凹部108a及び凸部がいずれも四角柱状であるとも言える)。これに代わる断面形状の例が、図2及び図3に示されている。図2及び図3は、図1(d)と同様に、図1(c)のId-Id'線による断面と考えることができる。
【0079】
図2の場合、凹部108a及び凸部108bの側面が(ケースボディ凹部110の底面に対して)傾斜を有する。この結果、素子搭載部101の上面に、三角形状の断面を有する凹部108aが複数並んで設けられ、その間の部分は台形状の断面を有する凸部108bとなっている。三角柱状の凸部108bが設けられていると考えても良い。
【0080】
但し、図2では凸部108bの断面は台形状であるが、三角形状であっても良い。また、凹部108aの断面が台形状になっていても良い。高さHとピッチPとの関係、凹部108a及び凸部108bの側面の角度等により断面形状が定まることになる。
【0081】
また、図3の場合、凹凸108は、半円形状の断面を有する凸部108bと、その間の凹部108aとによって構成されている。但し、これに代えて、半円形状の凹部108aと、その間の凸部108bとによって構成される凹凸108であっても良い。更に、半円以外の円弧状の断面形状としても良い。尚、四角形状、三角形状、台形状、半円状及び円弧状等について、厳密にそれぞれの形状である場合に限らず、略四角形等でもよい。
【0082】
図2及び図3に示す断面形状の凹凸108は、四角形状の断面を有する凹凸108に比べて形成しやすい。また、封止部材107を充填する際、凹部108a内に空気がトラップされてるのを抑制しやすく、液状の封止部材107の濡れ性をより確実に制御できる。従って、封止部材107内に気泡が生じるのを抑え、より確実且つ容易に特性に優れた半導体発光装置100を得ることができる。
【0083】
尚、図2又は図3の断面形状を有する凹凸108に関し、平面視における配置は、図1(a)〜(d)に示した例と同様である。つまり、凹凸108がラインアンドスペースパターンとして形成されていること、等間隔に、また、周期的に形成されていること、ケースボディ106の長手方向に平行(又は略平行)に形成されていること等が望ましい。但し、これらに限定はされない。更に、凹凸108の高さH(凹部108aと凸部108bの差、凹部108aの深さとも言える)を0.1μm以上で且つ25μm以下とすること、凹凸108のピッチPを1μm以上で且つ100μm以下とすることが望ましい。
【0084】
また、金属細線104が接続される部分の素子搭載部101を平坦にしても良い。図4(a)及び(b)は、このことを示す図であって、金属細線104が素子搭載部101の上面に接続される箇所を拡大して示す平面図及びそのIVb-IVb'線による断面図である。
【0085】
半導体発光装置100において、素子搭載部101上に凹凸108が設けられているので、素子搭載部101に金属細線104を接続しにくくなることが考えられる。そこで、図4(a)及び(b)に示す通り、素子搭載部101の上面に、凹凸108を設けない(つまり、平坦な)金属細線接続部101aを設定し、当該金属細線接続部101aに対して金属細線104を接続する。これにより、凹凸108を設ける効果を得ると共に、金属細線104と素子搭載部101との接続の信頼性を向上させることができる。
【0086】
(第1の変形例)
次に、本実施形態の第1の変形例の例示的半導体発光装置100aについて説明する。
【0087】
図5(a)及び(b)は半導体発光装置100aの模式的な断面図及び平面図である。また、図5(b)の一部151を図5(c)に拡大して示すと共に、そのVd-Vd'線による断面を図5(d)に示している。尚、図5(a)〜(d)に示す半導体発光装置100aにおいて、図1(a)〜(d)に示す半導体発光装置100と同様の構成要素については同じ符号を用い、以下には相違点について詳しく説明する。
【0088】
図1(a)〜(d)の半導体発光装置100の場合、ケースボディ凹部110の底部110bを構成する部分の素子搭載部101及びケースボディ106のうち、素子搭載部101の上面に凹凸108が設けられている。
【0089】
これに対し、図5(a)〜(d)に示す半導体発光装置100aの場合、ケースボディ凹部110の底面を構成する部分の素子搭載部101及びケースボディ106のうち、ケースボディ106の上面に凹凸109(凹部109a及び凸部109b)が設けられている。凹凸109は、半導体発光装置100aの長手方向に延びるように設けられている。
【0090】
このようにな凹凸109も、液状の封止部材107を速やかに濡れ広がらせる効果を発揮する。従って、凹凸109を設けることにより、ケースボディ凹部110に対する封止部材107の充填をより速やかで且つ確実にすることができる。
【0091】
このようにして、小型且つ底背であって、更に、生産性及び信頼性が高く且つ安価な半導体発光装置100aが実現する。
【0092】
尚、図5(d)に示す通り、凹凸109は、四角形状の断面を有する凹部109a及び凸部109bからなっていても良い。また、図2及び図3に示す凹凸108と同様に、三角形状、半円状等の断面形状を有していても良い。このようにすると、四角形状の断面である場合に比べて凹凸109の形成が容易になり、且つ、封止部材107内に気泡が生じるのを抑えることができる。
【0093】
尚、凹凸109の平面視における配置については、図1(a)〜(d)に示した凹凸108の場合と同様である。つまり、凹凸109がラインアンドスペースパターンとして形成されていること、等間隔に、また、周期的に形成されていること、ケースボディ106の長手方向に平行(又は略平行)に形成されていること等が望ましい構成である。但し、これらに限定はされない。更に、凹凸109の高さH(凹部109aと凸部109bの差、凸部109bの高さ又は凹部109aの深さとも言える)を0.1μm以上で且つ25μm以下とすること、凹凸109のピッチPを1μm以上で且つ100μm以下とすることが望ましい。
【0094】
底部110bを構成する部分のケースボディ106に凹凸109を設けるためには、例えば、所定の部分に凹凸が形成された金型を用い、インジェクション成型によってケースボディ106を形成する方法がある。
【0095】
また、ケースボディ106を形成した後、レジスト材料によるマスキングを行ない、エッチングによって凹部109aをパターニングすることもできる。更に、ケースボディ106に金型等の凹凸パターンを押し付けることによるパターニング又はレーザーによる凹凸の形成も可能である。更に、ダイヤモンド切削、ブラスト加工、インプリント又はリソグラフィ等の加工プロセスを利用することもできる。
【0096】
(第2の変形例)
次に、本実施形態の第2の変形例の例示的半導体発光装置100bについて説明する。
【0097】
図6(a)及び(b)は、半導体発光装置100bの模式的な平面図及びその一部152を拡大して示す図である。図6(a)及び(b)に示す半導体発光装置100bにおいて、図1(a)〜(d)に示す半導体発光装置100と同様の構成要素については同じ符号を用い、以下には相違点について詳しく説明する。
【0098】
図1(a)〜(d)の半導体発光装置100の場合、素子搭載部101の上面に凹凸108が設けられている。また、図5(a)〜(d)の半導体発光装置100aの場合、底部110bを構成する部分のケースボディ106の上面に凹凸109が形成されている。
【0099】
これらに対し、半導体発光装置100bでは、ケースボディ凹部110の底部110bを構成する部分の素子搭載部101上面に凹凸108、ケースボディ106上面に凹凸109が形成されている。
【0100】
このように、底部110bを構成する部分の素子搭載部101及びケースボディ106の両方に凹凸が形成されていることにより、いずれか一方のみに凹凸が形成されている場合に比べ、封止部材107を更に速やかに且つ確実に濡れ広がらせることができる。
【0101】
尚、素子搭載部101上面の凹凸108と、ケースボディ106上面の凹凸109とは、一続きに切れ目無く接続されている。つまり、凹部108aと凹部109aとは連続して形成されていると共に、凸部108bと凸部109bとは連続して形成されている。
【0102】
このようにすると、底部110bにおける素子搭載部101とケースボディ106との継ぎ目に邪魔されることなく封止部材107が濡れ広がる。従って、より速やかに且つ確実に封止部材107を充填するために、このような構成が有用である。
【0103】
凹凸108及び凹凸109の断面形状及び平面視形状と、形成方法とについては、半導体発光装置100及び100aに関して既に説明したのと同様である。
【0104】
(凹凸の平面視形状に関する他の例)
次に、ケースボディ凹部110の底面に設ける凹凸の平面視における形状に関し、更に他の例を説明する。
【0105】
図7(a)は、他の例示的半導体発光装置100cの平面図であり、ケースボディ凹部110の底部110bに設けられる凹凸の形状以外については、半導体発光装置100等と同様の構成を有する。但し、図7(a)においては凹凸の図示を省略している。
【0106】
図7(b)は、半導体発光装置100cにおける底部110bのコーナー部153を拡大して示す平面図である。
【0107】
図7(b)に示す通り、半導体発光装置100cにおける凹凸108(凹部108a及び凸部108b)と、凹凸109(凹部109a及び凸部109b)とは、ケースボディ凹部110のコーナー部の形状に相似した平面形状に設けられている。あるいは、ケースボディ凹部110の壁部110aに沿った形状と考えても良い。但し、図7(b)には素子搭載部101上の凹凸108及びケースボディ106上の凹凸109を共に示しているが、これらの内のいずれか一方のみが形成されていても良い。
【0108】
このような平面形状の凹凸を設けることにより、ケースボディ凹部110のコーナー付近にまで封止部材107を確実に充填することができる。
【0109】
また、図7(c)に示すように、ケースボディ凹部110の底部110bにおける中央側からコーナー部側に延びる凹凸(凹部又は凸部)109cを備えていても良い。これにより、封止部材107を充填する際に、底部110bのコーナー部側に封止部材107を誘導し、より確実に充填することができる。
【0110】
次に、図8(a)は、更に他の例示的半導体発光装置100dの平面図であり、ケースボディ凹部110の底部110bに設けられる凹凸の形状以外については、半導体発光装置100等と同様の構成を有する。但し、図8(a)において、半導体発光素子103及び金属細線104の図示は省略している。
【0111】
素子搭載部101には、半導体発光装置100dの長手方向に沿って凹凸108(凹凸108及び凸部108b)が設けられている。図8(b)は、当該凹凸108に沿って延びるVIIIb-VIIIb'線よる断面を示す。
【0112】
図8(b)に示す通り、凹凸108は、ケースボディ凹部110の中央付近において高く、外周側に向かって低くなるように形成されている。このようにすると、充填の際に封止部材107をケースボディ凹部110の外周側に向かって誘導することができ、充填性を向上させることができる。尚、図8(b)には凸部108bについて示しているが、凹部108aについてもケースボディ凹部110の中央付近において高く、外周側に向かって低くなるように形成するのが良い。
【0113】
また、ここでは素子搭載部101の凹凸108についてのみ示しているが、ケースボディ106上に凹凸109(凹部109a及び凸部109b)が設けられ、それぞれ、ケースボディ凹部110の中央付近において高く、外周側に向かって低くなるように形成されていても良い。
【0114】
また、図8(c)には、図8(a)のVIIIc-VIIIc'線(半導体発光装置100dの短手方向)による断面を示す。図8(c)に示す通り、短手方向について、ケースボディ凹部110の中央側において凹凸の高さの差が大きく、外周側に向かって凹凸の高さの差が小さくなるように形成されている。これによっても、充填の際に封止部材107をケースボディ凹部110の外周側に向かって誘導することができ、充填性を向上させることができる。
【0115】
また、図8(d)には、VIIIc-VIIIc'線による断面の他の例を示す。図8(c)の場合、凸部108bの上面の高さは一定であり、凹部108aの底面の高さが異なる。これに対し、図8(d)に示すように、凹部108aの底面の高さは一定であり、凸部108bの上面の高さが異なるようになっていても良い。この場合にも、ケースボディ凹部110の外周における封止部材107の充填性を向上させることができる。
【0116】
(第3の変形例)
次に、本実施形態の第3の変形例の例示的半導体発光装置100eについて説明する。
【0117】
図9(a)は半導体発光装置100eの模式的な平面図である。また、図9(a)の一部154を図9(b)に拡大して示すと共に、そのIX-IX'線による断面の例を図5(c)及び図5(d)に示している。尚、図9(a)〜(d)に示す半導体発光装置100eにおいて、図1(a)〜(d)に示す半導体発光装置100と同様の構成要素については同じ符号を用い、以下には相違点について詳しく説明する。
【0118】
半導体発光装置100ではケースボディ凹部110内に3つの半導体発光素子103が備えられているのに対し、半導体発光装置100eのケースボディ凹部110内において、素子搭載部101上に半導体発光素子103が1つだけ備えられている。
【0119】
また、素子搭載部101上に、半導体発光装置100eの長手方向と平行(又は略平行)に延びるように凹凸111が設けられている。
【0120】
ここで、凹凸111は、図9(c)に示すように、素子搭載部101に設けられた溝を凹部111a、他の部分を凸部111bとするものであっても良い。また、図9(d)に示すように、素子搭載部101に設けられた突起部を凸部111b、他の部分を凹部111aとするものであっても良い。半導体発光装置100eにおいて、独立した凹部111a又は凸部111bを含む凹凸111が形成されている。凹凸111の高さH(凹部111aの深さ又は凸部111bの高さ)は、0.1μm以上で且つ25μm以下であるのがよい。
【0121】
このように、独立した凹部111a又は凸部111bを含む凹凸111であっても、ケースボディ凹部110内に対する封止部材107の充填性を向上させる効果を有する。従って、半導体発光装置100eの生産性向上及び輝度むら低減が実現する。また、このような凹凸111は、容易に形成することができる。
【0122】
また、図9(c)及び(d)には、四角形状の断面を有する凹部111a及び凸部111bを示しているが、この他に、三角形状、半円形状等の断面を有する凹部111a又は凸部111bであっても良い。
【0123】
また、素子搭載部101に代えて、ケースボディ凹部110の底部110bを構成する部分のケースボディ106に1本の凹凸111が設けられていても良い。更に、素子搭載部101及びケースボディ106の両方に亘って凹凸111が設けられていても良い。
【0124】
また、半導体発光装置100eにおいて、凹凸111が1本だけ形成されている例を説明したが、独立して複数本形成されていても構わない。図1(a)〜(d)の半導体発光装置100eの場合等では凹部111a及び凸部111bが交互に周期的に形成されているのに対し、例えば、半導体発光素子103の列の両側に1本ずつ凹凸111が形成されている等の構成でも良い。更に、凹部111a(溝)と凸部111b(突起部)の両方が個別に形成されていても良い。
【0125】
(第4の変形例)
次に、本実施形態の第4の変形例の例示的半導体発光装置100fについて説明する。
【0126】
図10(a)は半導体発光装置100fの模式的な平面図であり、図10(a)の一部155を図10(b)に拡大して示す。また、図10(b)におけるXc-Xc'線における断面の例を図10(c)に示す。図10(a)〜(c)に示す半導体発光装置100fにおいて、図1(a)〜(d)に示す半導体発光装置100と同様の構成要素については同じ符号を用い、以下には相違点について詳しく説明する。
【0127】
半導体発光装置100fにおいて、素子搭載部101上に凹凸112が一列だけ設けられている。但し、図10(b)及び(c)に示すように、凹凸112は、凹部112a及び凸部112bが並んだ破線状の構造を有する。尚、素子搭載部101に形成された溝を凹部112a、他の部分を凸部112bとして凹凸112が構成されていても良いし、素子搭載部101に形成された突起部を凸部112b、他の部分を凹部112aとして凹凸112が構成されていても良い。
【0128】
このような凹凸112を設けることによっても、封止部材107の充填性を向上し、半導体発光装置100eの生産性向上及び輝度むら低減を実現することができる。
【0129】
尚、破線状の凹凸112についても、第3の変形例における凹凸111と同様に種々の構成を取ることができる。つまり、凹凸112は、素子搭載部101に代えてケースボディ106に設けても良いし、素子搭載部101及びケースボディ106の両方に設けても良い。また、断面形状、配置、望ましい凹凸の寸法等についても、第3の変形例にて説明したのと同様である。
【0130】
(第5の変形例)
次に、第5の変形例について説明する。図11は、半導体発光装置100等と同様のケースボディ凹部110の底部110b(底部110bを構成する部分の素子搭載部101及びケースボディ106の一方又は両方)の一部を拡大して示す平面図である。図11に示す通り、曲線状(一具体例として波線状)の凹凸113が複数形成され、ラインアンドスペース状に配置されている。また、凹凸113は、半導体発光装置の長手方向に延びるように形成されている。尚、凹凸113の断面形状については、図1(d)、図2及び図3等に例示したのと同様である。
【0131】
このような凹凸113によっても、ケースボディ凹部110に対する封止部材107の充填性を向上し、半導体発光装置100eの生産性向上及び輝度むら低減を実現することができる。また、封止部材107の充填方向が直線状になるのを避けてることができるので、封止部材107が硬化した後の応力破壊に強くなることが期待できる。
【0132】
(バックライトユニット)
また、以上に説明した半導体発光装置のいずれかと、導光板とを組み合わせることにより、小型、低背で且つ信頼性の高いバックライトユニットを実現することができる。導光板としては、平板状のもの又は表面に凹凸が形成されているもの等を使用することができる。また、導光板の材料としては特に限定されないが、例えば、ガラスを用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本開示の技術によると、小型、低背で且つ信頼性が良好であり、安価な半導体発光装置を提供することができるので、照明器具、ディスプレイ及び携帯電話等に用いるバックライト及び光源として、情報通信機器及び家電機器等にも有用である。
【符号の説明】
【0134】
100 半導体発光装置
100a 半導体発光装置
100b 半導体発光装置
100c 半導体発光装置
100d 半導体発光装置
100e 半導体発光装置
100f 半導体発光装置
101 素子搭載部
101a 金属細線接続部
102 接着剤
103 半導体発光素子
104 金属細線
105 電極端子
106 ケースボディ
107 封止部材
108 凹凸
108a 凹部
108b 凸部
109 凹凸
109a 凹部
109b 凸部
109c 凹凸
110 ケースボディ凹部
110a 壁部
110b 底部
111 凹凸
111a 凹部
111b 凸部
112 凹凸
112a 凹部
112b 凸部
113 凹凸
150 (ケースボディ凹部の底部の)一部
151 (ケースボディ凹部の底部の)一部
152 (ケースボディ凹部の底部の)一部
153 (ケースボディ凹部の底部の)コーナー部
154 (ケースボディ凹部の底部の)一部
155 (ケースボディ凹部の底部の)一部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子搭載部と、
前記素子搭載部上に固定され且つ前記素子搭載部に電気的に接続された半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を囲む壁部を有するケースボディと、
前記半導体発光素子を封止する封止部材とを備え、
前記素子搭載部及び前記ケースボディによってケースボディ凹部が構成され、
前記封止部材は、前記ケースボディ凹部内において前記半導体発光素子を封止し、
前記素子搭載部及び前記ケースボディの少なくとも一方のうちの前記封止部材と接する部分は、少なくとも1本の線状に延びる凹部又は凸部を含む凹凸を有することを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
請求項1の半導体発光装置において、
前記凹凸は、前記素子搭載部に形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項3】
請求項1又は2の半導体発光装置において、
前記凹凸は、前記ケースボディのうちの前記ケースボディ凹部の底部を構成する部分に形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸は、前記素子搭載部及び前記ケースボディの両方の表面に亘って連続して形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つの半導体発光装置において、
外部との電気的接続を得るための電極端子を更に備え、
前記電極端子は、前記ケースボディによって一部が覆われるように保持されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかの半導体発光装置において、
前記ケースボディは、リフレクター素材からなることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかの半導体発光装置において、
前記半導体装置は、平面視において一方に長い形状を有し、
前記少なくとも1本の線状に延びる凹部又は凸部は、前記半導体発光装置の長手方向に延びるように形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸は、ラインアンドスペース状に形成された複数の凹部及び凸部を含むことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸は、等間隔に並んで複数形成された凹部及び凸部を含むことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項10】
請求項9の半導体発光装置において、
前記凹凸のピッチは、1μm以上で且つ100μm以下であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸の高さの差は、0.1μm以上で且つ25μm以下であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸のうちの凸部の幅は、凹部の幅よりも狭いことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸のうちの凹部及び凸部の少なくとも一方は、四角形状、三角形状又は円弧状の断面を有することを特徴とする半導体発光装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸のうちの凹部及び凸部の少なくとも一方は、破線状に形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸のうちの凹部及び凸部の少なくとも一方は、平面視において、曲線状に形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸のうちの凹部及び凸部の少なくとも一方は、平面視において、前記壁部の形状に沿って形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸は、前記ケースボディ凹部の中央からコーナー部に向かって延びる凹部又は凸部を含むことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記凹凸の高さの差は、前記ケースボディ凹部の中央側において大きく、前記ケースボディ凹部の周縁側にむかって小さくなることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記ケースボディ凹部内に、複数の前記半導体発光素子を備えることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記半導体装置は、平面視において一方に長い形状を有し、
前記半導体発光装置の縦横の寸法比が1以上で且つ30以下であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記半導体発光素子と前記素子搭載部とを電気的に接続する金属細線を更に備え、
前記金属細線は、前記封止部材によって封止されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項22】
請求項21の半導体発光装置において、
前記金属細線が接合される部分の前記素子搭載部は平坦であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか1つの半導体発光装置において、
前記半導体発光素子は、前記素子搭載部上にフリップチップ接合されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項24】
請求項1〜24のいずれか1つの半導体発光装置と、
前記半導体発光装置が発する光を誘導する導光板とを備えることを特徴とするバックライトユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−227179(P2012−227179A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90437(P2011−90437)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】