説明

半導体発光装置

【課題】配光特性を改善したLED装置を提供する。
【解決手段】長方形で電極面の中心からはずれた位置にn側電極15a,16aを備える2個のLEDダイ15,16を回路基板12上にフリップチップ実装する際、各LEDダイ15,16の長辺が互いに平行であり、それぞれのn側電極15a,16aが回路基板12の中心を軸として回転対称となる位置に配置する。この結果、LED装置10の配光が回転対称となり、その放射光が取り扱い易くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回路基板に半導体発光素子を実装しパケージ化した半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハーから切り出された半導体発光素子(以後とくに断らない限りLEDダイと呼ぶ)を回路基板等に実装しパッケージ化した半導体発光装置(以後とくに断らない限りLED装置と呼ぶ)が普及している。このLED装置を複数備えた照明装置では、性能や品質を向上させるための課題の一つとして配光分布の改善があげられ、さらに配光分布を劣化させる原因の一つとしてLED装置自体の不均一な配光分布がある。
【0003】
例えば特許文献1の図3に示されているLEDパネルアレイ1は、個々のLED素子3(LED装置)が偏りのある強度(配光)分布で発光しているとき、各々のLED素子3をその光軸72の周りに90度異なる角度で配置し、各々のLED素子3の発光を重ね合わせることにより、スクリーン上で均一な配光分布が得られるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−374004号公報 (図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の図3に示された照明装置(LEDアレイパネル1)は、複数のLED装置(LED素子3)を相互に回転対称となるよう配置し、LED装置がもともと持っていた不均一な配光分布を補償することにより、照明装置としての配光分布を均一化させるものであった。しかしながらLED装置の配光分布が強い偏りを持っている場合、このLED装置を使う照明装置の配光分布を均一化するためには、LED装置の相対的な配置関係の工夫による改善だけでは限度があり、レンズや拡散板など他の光学部材に強く頼らざるをえないという実体がある。すなわち簡単に照明装置の配光分布を改善するには、LED装置自体の配光分布の偏りを小さくしておかなくてはいけない。
【0006】
そこで本発明は、この課題を解決するため、配光特性を改善した半導体発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明の半導体発光素子は、回路基板に複数の半導体発光素子を実装し、該半導体発光素子を樹脂等で被覆しパケージ化した半導体発光装置において、
前記複数の半導体発光素子が同一形状であり、
前記半導体発光素子の電極面上の電極配置が該電極面の中心に対し回転対称でなく、
一の前記半導体発光素子の電極が他の前記半導体発光素子の電極と回転対称となるよう前記回路基板上に配置されている
ことを特徴とする。
【0008】
半導体発光素子は、電極面を備え、この電極面上にn側電極とp側電極を有する。すなわち、絶縁基板上にn型半導体層とp型半導体層が積層し、p型半導体層上にp側電極を設け、p型半導体層の一部を削って露出させたn型半導体層上にn側電極を備えている。発光層はn型半導体層とp型半導体層の境界部にあるため、n型半導体層の露出領域は発光しない。そこでn側電極を電極面の角部や辺部など目立たない位置に配置することがあ
るが、この結果電極面上の電極配置がこの電極面の中心に対する回転対称性を失い、半導体発光素子の配光分布が強い偏りを持つようになる。この半導体発光素子を複数個準備し回路基板上に実装する際、回路基板上において一の半導体発光素子のn側電極の配置位置が他の半導体発光素子のn電極の配置位置と回転対称となるようにすると、半導体発光装置の配光分布も回転対称となる。このようにして配光分布の偏りが大きな半導体発光素子を使用しても、半導体発光装置の配光分布は回転対称となり改善する。
【0009】
前記半導体発光素子の電極面が長方形であり、2個の前記半導体発光素子が前記回路基板に実装され、前記2個の半導体発光素子の長辺同士が平行であっても良い。
【0010】
上部に反射層を備え、前記回路基板が長方形で、該回路基板の長辺側に前記半導体発光素子の短辺があっても良い。
【0011】
上部に反射層を備えていても良い。
【0012】
2個の前記半導体発光素子が前記回路基板に実装され、前記2個の半導体発光素子が直線状に配列していても良い。
【0013】
4個の前記半導体発光素子が前記回路基板に実装され、前記4個の半導体発光素子が十字状に配列していても良い。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明の半導体発光装置は、半導体発光素子の配光分布が強く偏っていても、回路基板上において各半導体発光素子の電極位置が回転対称になるよう配置することにより、半導体発光装置の配光分布も回転対称となり改善する。このように半導体装置の配光分布を改善した結果、本発明の半導体発光装置を使う照明装置は拡散板など簡単な光学部材で均一な配光分布が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態におけるLED装置の正面図。
【図2】図1に示したLED装置おいて樹脂封止材を除去した状態の斜視図。
【図3】図1に示したLED装置に含まれるLEDダイの配置説明図。
【図4】図3に示したLEDダイの実装部の詳細な断面図。
【図5】本発明の第2実施形態におけるLED装置の正面図。
【図6】図5に示したLED装置の断面図。
【図7】本発明の第3実施形態におけるLEDダイの配置図。
【図8】本発明の第4実施形態におけるLEDダイの配置図。
【図9】本発明の第5実施形態におけるLEDダイの配置図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図1〜9を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また説明のため部材の縮尺は適宜変更している。さらに特許請求の範囲に記載した発明特定事項との関係をカッコ内に記載している。
(第1実施形態)
【0017】
図1により本発明の第1実施形態におけるLED装置10(半導体発光装置)の外観を説明する。図1はLED装置10の正面図である。回路基板12の上側には樹脂封止材11、下側に2個の外部接続電極13,14がある。
【0018】
図2によりLED装置10の内部構造を説明する。図2は、図1のLED装置10から樹脂封止部材11をとり除いた状態の斜視図である。回路基板12上に2個のLEDダイ15,16(半導体発光素子)が配置されている。LEDダイ15,16は長方形であり、それぞれの長辺が平行になるよう配列している。またLEDダイ15,16の短辺は、それぞれ一直線上に配列し、長方形の回路基板12の長辺側にある。なお図2では回路基板12上の内部接続電極(図3で説明する)を図示していない。
【0019】
図3によりLED装置10の内部構造をさらに詳しく説明する。図3は図1に示したLED装置10に含まれるLEDダイ15,16の配置説明図であり、(a)が回路基板12の平面図であり、(b)が回路基板12にLEDダイ15,16をフリップチップ実装した状態の平面図であり、(c)が(b)のAA線に沿って描いた断面図である。
【0020】
(a)に示すように回路基板12上には、内部接続電極31,32,33がある。内部接続電極31,33は、スルーホール電極34,35を覆っており、スルーホール電極34,35を介してそれぞれ外部接続電極13,14と接続している。内部接続電極32は回路基板12上で孤立している。
【0021】
(b)に示すようにLEDダイ15,16は回路基板12にフリップチップ実装されている。なお(b)では、下面に形成されたLEDダイ15,16のn側電極15a,16a及びp側電極15b,16bを点線で示している。LEDダイ15のp側電極15bは内部接続電極31と接続し、LEDダイ15のn側電極15aは内部接続電極32と接続している。同様にLEDダイ16のp側電極16bは内部接続電極32と接続し、LEDダイ16のn側電極16aは内部接続電極33と接続している。すなわちLEDダイ15とLEDダイ16は直列接続しており、外部接続電極13がLED装置10(図1,2参照)のアノード、外部接続電極14がLED装置10のカノードとなる。なおn側電極15a,16aは発光や放熱に直接的には係わらないのでp側電極15b,16bより小さい。
【0022】
LEDダイ15とLEDダイ16は、それぞれの電極配置が回路基板12の中心を軸として回転対称になっている。つまりこの軸についてLEDダイ15を180度回転させると、LEDダイ15のn側電極15aがLEDダイ16のn側電極16aと重なる。同様にLEDダイ15のp側電極15bもLEDダイ16のp側電極16bと重なる。
【0023】
(c)によりLEDダイ15,16に係る積層構造を説明する。前述のように(c)は(b)のAA線に沿った断面図であり、この断面において回路基板12の下面には外部接続電極13,14が見える。回路基板12の上面には内部接続電極32があり、内部接続電極32にLEDダイ15のn側電極15aが接続し、同時に内部接続電極32にLEDダイ16のp側電極16bが接続している。
【0024】
図4によりLEDダイ15の接続部の周りの積層構造をさらに詳しく説明する。図4は、図3(b)のBB線に沿って描いた断面図である。LEDダイ15はサファイア基板41(絶縁基板)、n型半導体層42、p型半導体層43、絶縁膜44、n側電極15a及びp側電極15bからなる。サファイア基板41の下にはn型半導体層42が形成され、さらにn型半導体層42の下にp型半導体層43が形成されている。絶縁膜44は開口部を除きn型半導体層42及びp型半導体層43を被覆している。図中、絶縁膜44の左側の開口部ではp型半導体層43とp側電極15bが接続し、右側の開口部ではn型半導体層42とn側電極15aが接続している。p側電極15b及びn側電極15aは、それぞれ回路基板12上に形成された内部接続電極31及び内部接続電極32と接続している。なおこの断面では外部接続電極13だけが見える。
【0025】
サファイア基板41は透明絶縁基板であり厚さが80〜120μmである。n型半導体層42はGaNバッファ層とn型GaN層からなり厚さが5μm程度である。p型半導体層43は、反射層や原子拡散防止層などを含む金属多層膜とp型GaN層からなり厚みが1μm程度である。図示していないが発光層はp型半導体層43とn型半導体層42の境界部にあり、平面形状はp型半導体層43とほぼ等しい。絶縁膜44はSiO2やポリイミドからなり厚さが数100nm〜1μm程度である。n側電極15a並びにp側電極15bはAu又はCuをコアとするバンプであり、電解メッキ法で形成し厚さが10〜30μm程度である。内部接続電極31,32及び外部接続電極13は、Au及びNiメッキした銅箔であり厚さが数μmから数10μmである。回路基板12の部材は、厚みが数10μm〜数100μmで、熱伝導性や反射率等を考慮し、樹脂、セラミックス、金属などから選択する。
【0026】
次に図1〜4に基づいてLED装置10(図1,2参照)の発光特性を説明する。図4で示したようにLEDダイ15では、p型半導体層43の一部を切り欠いてn型半導体層42をp型半導体層43から露出させている。この露出部は発光しないので出来る限り小さくしている。すなわち図3(b)においてn側電極15a,16aの占める領域及びその周辺部は発光しない。この結果、LED装置10においてn側電極15a,16a付近が暗くなり、発光特性の偏りが生じる。
【0027】
仮に図3(b)において、n側電極15a,16aがともに回路基板12の上辺側にあったとした場合、上辺側の放射光が極端に弱くなる。これに対し本実施形態では図3(b)のようにn側電極15aを回路基板12の下辺側に配置し、n側電極16aを回路基板12の上辺側に配置している。このようにすればn側電極15aとn側電極16aとは干渉しなくなり、放射光の分布(配光分布)が極端に低下することはない。また配向分布が回路基板12の中心に対し回転対称になるため、このLED装置10を組み込んだ照明装置は拡散板等の簡単な光学部材で配光分布を矯正しやすくなっている。
【0028】
以上のように、LEDダイ15,16のn側電極15a,16aが電極面の中心から外れた位置にあり、LEDダイ15,16が強い偏りのある配光分布を持っていたとしても、LED装置10はn側電極15a,16aが回路基板12の中心に対し回転対称となっているため配光分布も回転対称となり偏りが軽減する。このLED装置10は、照明装置に組み込む際、配光分布が回転対称性を持つため取り扱い易いものになっている。なおLEDダイ15,16を被覆する樹脂封止材11に蛍光体を含有させると、蛍光体の発光が等方的であるためさらに配光分布の偏りが軽減する。
【0029】
本実施形態のLED装置10ではLEDダイ15,16をフリップチップ実装していた。しかしながら実装方法はフリップチップ実装に限られず、回路基板と電極面を対向させないファイスアップ実装でも良い。フェイスアップ実装の場合は、ワイアボンディングの影も配光分布を偏らせる原因となるが、n側及びp側の電極が回転対称となるようにLEDダイを配置すれば、ワイヤも回転対称となるよう張れるので本実施形態と同様の効果が得られる。またLED装置10は電極層を備えた板状の回路基板12を用いていたが、回路基板はリードフレームであっても良い。
(第2実施形態)
【0030】
図1等で示したLED装置10は、回路基板12を下側とした場合、平面的には回転対称であるとしても、上方に強い放射光が現れ、方位角が大きくなるに従って急速に放射光が弱くなる配方分布を持ちやすい。一般的に配光分布を広げるためレンズを使うことがあるが、点光源でないLED装置に対しして広く均一な配光分布を得ようとするとレンズ形状が複雑化することが多い。さらにLED装置とレンズを積層すると照明装置が厚くなるという課題も生じる。これらの課題に対し上部に反射層を形成し側面からだけ光を放射す
るLED装置を準備し、このLED装置の側部に反射体又は導光板を配置して照明装置を薄くすることがある。この方式はLED装置上のレンズが不要となるためコストダウンも可能となる。そこで第2実施形態として図5と図6により上部に反射層を備えたLED装置50を説明する。
【0031】
図5によりLED装置50の外観を説明する。図5はLED装置50の正面図である。回路基板12の上側には樹脂封止材11、下側には2個の外部接続電極13,14がある。樹脂封止材11、回路基板12、外部接続電極13,14は、図1のLED装置10と同じものであり、LED装置50はLED装置10に対して樹脂封止材11上に反射層51を有するところだけが異なっている。反射層51はシリコーン樹脂に酸化チタン等の反射性微粒子を混練したもので、厚みを数10μm〜100μm程度にする。また反射層51は金属層や半透過反射で置き換えることも可能であり、このとき拡散性をもたせるとなお良い。
【0032】
図6によりLED装置50の内部構造を説明する。図6はLED装置50の断面図である。図6は、図3(c)に示した断面図に樹脂封止材11と反射層51を描き加えたものである。また回路基板12の上面及びLEDダイ15,16の配置については、第1実施形態のLED装置10と等しい(図3(a),(b)参照)。
【0033】
図6において、LEDダイ15,16の長辺側(図の左右方向)は回路基板12の短辺側(図の左右方向)に強く光を放射するが、LED装置50の側面に達するまでに、反射層51による拡散的な反射による光線の方向変換やその他の損失を受け、回路基板12の短辺側から出射する光量が減る。これに対し、LEDダイ15,16の短辺側(図の表裏方向)は、発光に係わる部位が短いことに加えn側電極15a,16a(図3参照)があることにより発光量が少な目ではあるが、回路基板12の長辺までの距離が短いためLED装置50から出射する光量の減衰が少ない。またLEDダイ15,16から上側に出射する光は、反射層51の拡散反射によりLED装置50の短辺側と長辺側に振り分けられるので、LED装置50の短辺側と長辺側の出射光の不均一を是正するように作用する。
【0034】
すなわちLED装置50は、LEDダイ15,16のn側電極15a,16a及びp側電極15b,16bが回転対称となるように配置されたことにより配光分布が改善されているばかりでなく、上部に配置した反射層51が側面方向の配光分布を均一化させようとしている。さらに回路基板12の長辺とLEDダイ15,16の短辺が近接していることも配光分布を均一化させようとする。以上のようにしてLED装置50では水平方向の配向分布が改善している。
(第3実施形態)
【0035】
第1及び第2実施形態におけるLED装置10,50では、回路基板12上で長方形のLEDダイ15,16が平行に配列し、p側電極15bからn側電極15aに向かう方向と、p側電極16bからn側電極16aに向かう方向が逆方向であった(図3(b)参照)。しかしながら配向分布を改善するには一のLEDダイの電極と他のLEDダイの電極を回転対称に配置すれば良いので、前述のようなLEDダイ15,16の配置に限られない。そこで図7により第3実施形態として他の配置例を示す。
【0036】
図7は本発明の第3実施形態のLED装置70におけるLEDダイ75,76の配置図である。図7はLED装置70から樹脂封止材(図示せず)を取り去った状態における回路基板72の上面を示している。回路基板72の上面にはLEDダイ75,76がフリップチップ実装されている。なお内部接続電極は図示していない。またn側電極75a,76a及びp側電極75b,76bを点線で示している。
【0037】
図7で示したようにLEDダイ75,76には、角部にn側電極75a,76aがあり、残りの領域にn側電極75a,76aを囲むようにして大きな面積を占めるp側電極75b,76bがある。LEDダイ75のn側及びp側の電極75a,75bと、LEDダイ76のn側及びp側の電極76a,76bは回路基板72の中心を軸として回転対称となるよう配置されている。同時にLEDダイ75,76は図の左右方向に直線的に配列している。
(第4実施形態)
【0038】
第1〜3実施形態におけるLED装置10,50,70では回路基板12,72上に実装するLEDダイ15,16,75,76が2個であった。しかしながら一のLEDダイの電極と他のLEDダイの電極を回転対称に配置し、配向分布を回転対称にすれば良いので、回路基板に実装するLEDダイの数は2個に限られない。そこで図8により第4実施形態として4個のLEDダイ85を備えるLED装置80を説明する。
【0039】
図8は本発明の第4実施形態のLED装置80におけるLEDダイ85の配置図である。図8はLED装置80から樹脂封止材(図示せず)を取り去った状態における回路基板82の上面を示している。回路基板82の上面には4個のLEDダイ85がフリップチップ実装されている。なお内部接続電極は図示していない。またn側及びp側の電極85a,85bを点線で示している。
【0040】
図8で示したようにLEDダイ85には、角部にn側電極85aがあり、残りの領域にn側電極85aを囲むようにして大きな面積を占めるp側電極85bがある。各LEDダイ85のn側及びp側の電極85a,85bは、それぞれ回路基板82の中心を軸として回転対称となるよう配置されている。同時に4個のLEDダイ85は十字形に配列している。
(第5実施形態)
【0041】
第1〜4実施形態におけるLED装置10,50,70,80では、電極配置を無視したとき、回路基板12,72,82上に実装するLEDダイ15,16,75,76,85が、図3(b)、図7、図8に示されるように回路基板12,72,82を上面から見た場合、その外郭に対する縦及び横方向の中心線(図示せず)について対称となるよう配置している。しかしながら一のLEDダイの電極と他のLEDダイの電極を回転対称に配置し、配向分布を回転対称にすれば良いので、回路基板に実装するLEDダイの配置は線対称に限られない。そこで図9により第5実施形態として4個のLEDダイ95を備えるLED装置90を説明する。
【0042】
図9は本発明の第5実施形態のLED装置90におけるLEDダイ95の配置図である。図9はLED装置90から樹脂封止材(図示せず)を取り去った状態における回路基板92の上面を示している。回路基板92の上面には4個のLEDダイ95がフリップチップ実装されている。なお内部接続電極は図示していない。またn側及びp側の電極95a,95bを点線で示している。
【0043】
図9で示したようにLEDダイ95には、短辺側にn側電極95aがあり、残りの領域に大きな面積を占めるようにしてp側電極95bがある。各LEDダイ95のn側及びp側の電極95a,95bは、それぞれ回路基板92の中心を軸として回転対称となるよう配置されている。このとき4個のLEDダイ95の配置は線対称になっていない。
【符号の説明】
【0044】
10,50,70,80,90…LED装置(半導体発光装置)、
11…樹脂封止材、
12,72,82,92…回路基板、
13,14…外部接続電極、
15,16,75,76,85,95…LED素子(半導体発光素子)、
15a,16a,75a,76a,85a,95a…n側電極、
15b,16b,75b,76b,85b,95b…p側電極、
31,32,33…内部接続電極、
34,35…スルーホール電極、
41…サファイア基板(絶縁基板)、
42…n型半導体層、
43…p型半導体層、
44…絶縁膜。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に複数の半導体発光素子を実装し、該半導体発光素子を樹脂等で被覆しパケージ化した半導体発光装置において、
前記複数の半導体発光素子が同一形状であり、
前記半導体発光素子の電極面上の電極配置が該電極面の中心に対し回転対称でなく、
一の前記半導体発光素子の電極が他の前記半導体発光素子の電極と回転対称となるよう前記回路基板上に配置されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記半導体発光素子の電極面が長方形であり、2個の前記半導体発光素子が前記回路基板に実装され、前記2個の半導体発光素子の長辺同士が平行であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
上部に反射層を備え、前記回路基板が長方形で、該回路基板の長辺側に前記半導体発光素子の短辺があることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
上部に反射層を備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
2個の前記半導体発光素子が前記回路基板に実装され、前記2個の半導体発光素子が直線状に配列していることを特徴とする請求項1又は4に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
4個の前記半導体発光素子が前記回路基板に実装され、前記4個の半導体発光素子が十字状に配列していることを特徴とする請求項1又は5に記載の半導体発光装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−110179(P2013−110179A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252253(P2011−252253)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(000131430)シチズン電子株式会社 (798)
【Fターム(参考)】