説明

半導体装置、半導体装置を用いた画像表示装置及び半導体装置を構成するフィルム配線基板の製造方法

【課題】画像表示装置の温度上昇により生じる半導体装置に対する応力によってフィルム配線基板に設けられた配線が断線することを防止できるようにする。
【解決手段】半導体装置は、互いに対向する2辺のうちの一方の端部に形成された入力端子部6と他方の端部に形成された出力端子部5とを有し、且つ、入力端子部6と出力端子部5との間に導体配線16が形成された配線領域と該配線領域を覆う樹脂被膜8とを有するフィルム配線基板2と、フィルム配線基板2の上に設けられた放熱板3と、フィルム配線基板2における放熱板3と対向する位置に設けられた半導体素子1とを含む。樹脂被膜8は、フィルム配線基板2における入力端子部6、出力端子部5及び半導体素子1を除く配線領域の上に形成され、出力端子部5と放熱板3との間の領域が他の領域よりも厚く形成されてなる厚肉部8aを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置等の画像表示装置の画像を駆動する半導体装置、該半導体装置を用いた画像表示装置及び該半導体装置を構成するフィルム配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示装置は、画像品質が高いことから、液晶ディスプレイ装置及びプラズマディスプレイ装置等が主流となっている。液晶ディスプレイ装置及びプラズマディスプレイ装置等の画像表示装置には、画像駆動用の半導体装置が設けられている。
【0003】
図8(a)及び図8(b)は従来の画像駆動用の半導体装置を示している(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
図8(a)及び図8(b)に示すように、画像駆動用の半導体装置109は、可撓性を持つフィルム配線基板102の裏側に半導体素子101が保持され、該半導体素子101の保持部を覆うように、ねじ孔103aを有する放熱板103が貼り付けられている。図示しないが、半導体装置109は、半導体素子101と放熱板103との間にグリス等からなる熱伝達材が封入されており、半導体素子101の電力によって発生した熱を放熱板103に導く機構を有している。
【0005】
フィルム配線基板102は、フィルム基材115、導体配線116及び樹脂被膜108から構成され、導体配線116における出力端子部105、入力端子部106及び素子搭載部を除く領域には樹脂被膜8が形成されている。また、フィルム配線基板102には、出力端子部105から入力端子部106に向かう方向に平行に延びる2本のスリット102aが設けられている。
【0006】
図9は従来の画像駆動用の半導体装置が画像表示装置の一部として搭載された状態の部分的な斜視図である。図9に示すように、シャーシ110には、コネクタ112及び回路基板114が設けられている。シャーシ110のコネクタ112等が設けられた面と反対側の面にはパネル111が設けられ、シャーシ110及びパネル111を挟むように半導体装置109が設けられている。ここで、図8に示す入力端子部106は、コネクタ112により回路基板114と接続され、出力端子部105は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film:ACF)等の導電材によりパネル111と接続されている。また、半導体装置109はねじ孔103aにおいてねじ113によりシャーシ110に固持されている。また、一般に、フィルム基材115にはポリイミドが、放熱板103にはアルミニウム(Al)が用いられる。
【0007】
画像表示装置の温度は、電力の印加により上昇する。パネル111とシャーシ110とは互いの熱膨張係数に差があるため、画像表示装置の温度の上昇により、パネル111とシャーシ110との位置関係にずれが生じて、画像駆動用の半導体装置109に応力が加わる。半導体装置109に加わる応力によって、フィルム配線基板102に設けられた配線116が断線するという問題がある。特に、大画面パネルでは、前記の位置関係のずれが大きくなることから、断線の問題は顕著となる。そこで、図8及び図9に示す従来の半導体装置109は、該半導体装置109に加わる応力を緩和するために、フィルム配線基板102に、入力端子部106と出力端子部105とに向かって平行に延びる複数のスリット102aが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−298828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来の画像駆動用の半導体装置は、低コスト化等によるフィルム配線基板の小型化により、配線に加わる応力を緩和する面積が小さくなるため、スリット102aだけでは断線対策としては不十分となるという問題がある。
【0010】
本発明は、前記従来の問題に鑑み、その目的は、画像表示装置の温度上昇により生じる半導体装置に対する応力によってフィルム配線基板に設けられた配線が断線することを防止できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置を、フィルム配線基板の樹脂膜における出力端子と半導体素子との間の領域に他の領域よりも厚く形成された部分を設ける構成とする。
【0012】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、互いに対向する2辺のうちの一方に形成された入力端子と他方に形成された出力端子とを有し、且つ、入力端子と出力端子との間に配線が形成された配線領域と該配線領域を覆う樹脂被膜とを有するフィルム配線基板と、フィルム配線基板の上に設けられた放熱板と、フィルム配線基板における放熱板と対向する位置に設けられた半導体素子とを備え、樹脂被膜は、フィルム配線基板における入力端子、出力端子及び半導体素子を除く配線領域の上に形成され、出力端子と放熱板との間の領域が他の領域よりも厚く形成されてなる厚肉部を有していることを特徴とする。
【0013】
本発明の半導体装置によると、フィルム配線基板の樹脂被膜におけるパネルとシャーシと互いの熱膨張係数の差から生じる応力が集中する領域に厚肉部を設けることにより、フィルム配線基板上の配線領域の断線を防止することができる。その上、他の領域の樹脂被膜は薄く形成することにより、材料費のコストダウンを図ることができる。
【0014】
本発明の半導体装置において、フィルム配線基板には、出力端子と放熱板との間の領域に、入力端子から出力端子に向かう方向に平行に延びるスリット形の孔部が形成されていてもよい。
【0015】
本発明の半導体装置において、樹脂被膜における厚肉部の厚さは、50μm以上であることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る画像表示装置は、ディスプレイパネルと、ディスプレイパネルを保持するシャーシと、ディスプレイパネルとシャーシとを電気的に接続し、且つディスプレイパネルを駆動する、本発明の半導体装置とを備えていることを特徴とする。
【0017】
本発明の画像表示装置によると、半導体装置を構成する樹脂被膜におけるパネルとシャーシと互いの熱膨張係数の差から生じる応力が集中する領域に厚肉部を設けることにより、フィルム配線基板上の配線領域における断線を防止することができる。その上、他の領域の樹脂被膜を薄く形成することにより、材料費のコストダウンを図ることができる。
【0018】
本発明に係る半導体装置におけるフィルム配線基板の製造方法は、所定の形状を有するフィルム基材の上に、入力端子、出力端子、及び配線を含む配線領域を形成する工程(a)と、工程(a)よりも後に、配線領域の上における入力端子、出力端子及び半導体素子搭載部を除く領域に、第1の樹脂被膜を形成する工程(b)と、工程(b)よりも後に、第1の樹脂被膜の上における出力端子と半導体素子搭載部との間の領域に、第2の樹脂被膜を形成する工程(c)とを備えていることを特徴とする。
【0019】
本発明のフィルム配線基板の製造方法によると、配線領域の上における入力端子、出力端子及び半導体素子搭載部を除く領域に、第1の樹脂被膜を形成し、その後、第1の樹脂被膜の上における出力端子と半導体素子搭載部との間の領域に、第2の樹脂被膜を形成する。このように、第1の樹脂被膜におけるパネルとシャーシと互いの熱膨張係数の差から生じる応力が集中する領域に第2の樹脂被膜を設けることにより、第2の樹脂被膜からなる厚肉部が形成されるため、フィルム配線基板上の配線領域における断線を防止することができる。その上、他の領域の樹脂被膜は薄く形成することにより、材料費のコストダウンを図ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る半導体装置、該半導体装置を用いた画像表示装置及び半導体装置を構成するフィルム配線基板の製造方法によると、画像表示装置の温度上昇により生じる半導体装置に対する応力によってフィルム配線基板に設けられた配線が断線することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る画像駆動用の半導体装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIb−Ib線における断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る半導体装置を示す平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を用いた画像表示装置を示す部分的な斜視図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を構成するフィルム配線基板の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図7】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る画像駆動用の半導体装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のVIIb−VIIb線における断面図である。
【図8】(a)及び(b)は従来の画像駆動用の半導体装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のVIIb−VIIb線における断面図である。
【図9】従来の画像駆動用の半導体装置を用いた画像表示装置を示す部分的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及び画像表示装置について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1(a)及び図1(b)に示すように、画像駆動用の半導体装置9は、可撓性を有するフィルム配線基板2に半導体素子1が保持され、該半導体素子1の保持部には、ねじ孔3aを有する、例えばアルミニウム(Al)からなる放熱板3が固着されている。図示はしていないが、半導体装置9は、半導体素子1と放熱板3との間に、グリス等からなる熱伝達材が封入されており、半導体素子1の電力によって発生した熱を放熱板3に導く機構を有している。なお、図1に示す半導体素子1は、一例であって、必ずしも樹脂被膜8側に搭載される必要はない。
【0024】
フィルム配線基板2は、例えば、ポリイミドからなるフィルム基材15、銅からなる導体配線16及びポリイミド系樹脂からなる樹脂被膜8が順次積層されて構成されている。ここで、樹脂被膜8は、導体配線16の上で且つ出力端子部5、入力端子部6及び素子搭載部を除く領域に形成されている。さらに、樹脂被膜8には、配線領域における出力端子部5と放熱板3の裏面側との間の領域に、他の領域よりも厚く形成された厚肉部8aが形成されていることを特徴とする。
【0025】
このように、第1の実施形態によると、樹脂被膜8におけるパネルとシャーシとの互いの熱膨張係数の差から生じる応力が集中する領域に厚肉部8aを設けることにより、該パネルとシャーシとの熱膨張係数の差による応力がフィルム配線基板2の上の導体配線16に及んだとしても、樹脂被膜8の厚肉部8aによって応力が緩和されて断線を防ぐことができる。その上、樹脂被膜8における応力が及ばない領域の厚さは薄く形成されているため、余計な材料コストが削減されて、低コストの画像駆動用の半導体装置を実現することができる。
【0026】
また、図1(a)に示すように、配線領域には、出力端子部5と放熱板3との間の領域に、入力端子部6から出力端子部5に向かう方向に延びる複数のスリット2aを設けている。これにより、導体配線16にかかる応力がさらに緩和できるので有効である。特に、樹脂被膜8における厚肉部8aの厚さが50μm以上であれば、断線防止効果として十分であることが実験により分かっている。
【0027】
以下、第1の実施形態に係る半導体装置の種々の変形例について図面を参照しながら説明する。
【0028】
図2は第1変形例であって、樹脂被膜8における厚肉部8bを、導体配線16の配線領域における出力端子部5と放熱板3の裏面側との間の領域であって、出力端子部5に平行に且つ互いに間隔をおいて2箇所に分けて形成している。
【0029】
図3は第2変形例であって、樹脂被膜8における厚肉部8cを、導体配線16の配線領域における出力端子部5と放熱板3の裏面側との間の領域であって、各スリット2aの周囲と、配線領域の両側の端部の4箇所に形成している。
【0030】
図4は第3変形例であって、樹脂被膜8における厚肉部8dを、第2変形例である各厚肉部8cの中央部分を除いた形状とし、計8箇所に形成している。
【0031】
前述したように、パネルとシャーシとの互いの熱膨張係数の差による応力は、実験等により、スリット2aの周辺部、特にスリット2aの端部に集中することが分かっており、状況に応じて、図1、図2、図3及び図4のうちのいずれかの厚肉部を設ければよい。ここで、第3変形例に係る半導体装置が、樹脂被膜の使用量が最も少なくなる。
【0032】
図5に、第1の実施形態に係る画像駆動用の半導体装置を画像表示装置の一部として搭載した状態を示す。図5に示すように、シャーシ10には、コネクタ12及び回路基板14が設けられている。シャーシ10のコネクタ12等が設けられた面と反対側の面にはパネル11が設けられ、シャーシ10及びパネル11を挟むように、第1の実施形態に係る半導体装置9が設けられている。ここで、図1に示す入力端子部6は、コネクタ12により回路基板14と接続され、出力端子部5は、異方性導電フィルム(ACF)等の導電材によりパネル11と接続されている。また、半導体装置9はねじ孔3aにおいてねじ13によりシャーシ10に固持されている。
【0033】
このように、第1の実施形態に係る画像表示装置は、パネル11とシャーシ10との互いの熱膨張係数の差による応力がフィルム配線基板2における導体配線16に及んでも、樹脂被膜8にその膜厚が選択的に厚い厚肉部8aを設けているため、導体配線16にかかる応力が緩和されるので、導体配線16の断線を防ぐことができる。
【0034】
なお、画像駆動用の半導体装置9の入力端子部6は、コネクタ12によって回路基板14と接続する必要は必ずしもない。接続方法は、例えば、異方性導電フィルム(ACF)を用いる方法等、他の方法でもよい。
【0035】
また、半導体装置9をシャーシ10に固時する方法として、ねじ13を用いる必要は必ずしもなく、他の方法を用いてもよい。
【0036】
以下、第1の実施形態に係る半導体装置を構成するフィルム配線基板2の製造方法について図6を参照しながら説明する。
【0037】
まず、図6(a)に示すように、例えばポリイミドからなるフィルム基材15の上に、公知の方法により、導体配線16を形成する。
【0038】
次に、図6(b)に示すように、例えば厚さが20μm程度の第1の樹脂被膜8Aを、入力端子部6、出力端子部5及び素子搭載部19を除く配線領域に形成する。
【0039】
次に、図6(c)に示すように、厚肉部となる第2の樹脂被膜8Bを、第1の樹脂被膜8Aの上における素子搭載部19と出力端子部5との間の領域に形成する。ここで、第1の樹脂被膜8Aと第2の樹脂被膜8Bとを併せた膜厚は50μm以上が好ましい。
【0040】
これにより、第1の実施形態に係るフィルム配線基板2を得ることができる。
【0041】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について図7(a)及び図7(b)を参照しながら説明する。ここで、図1(a)及び(b)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0042】
図7(a)及び図7(b)に示すように、第2の実施形態に係る画像駆動用の半導体装置9は、可撓性を有するフィルム配線基板2に半導体素子1が保持され、該半導体素子1の保持部には、ねじ孔3aを有する放熱板3が固着されている。
【0043】
第2の実施形態に係るフィルム配線基板2は、フィルム基材15、導体配線16及び樹脂被膜8が順次積層されて構成され、放熱板3は樹脂被膜8の上に固着されている。図7(b)に示すように、放熱板3は断面凹状であり、半導体素子1は、導体配線16と電気的に接続され且つ封止樹脂材17により封止されている。また、半導体素子1と放熱板3の底面との間には、熱伝達材18が封入されている。
【0044】
第2の実施形態においては、樹脂被膜8は、導体配線16の上で且つ出力端子部5、入力端子部6及び素子搭載部を除く領域に形成されている。さらに、樹脂被膜8には、配線領域における出力端子部5と放熱板3との間の領域に、他の領域よりも厚く形成された厚肉部8aが形成されていることを特徴とする
このように、第2の実施形態によると、樹脂被膜8におけるパネルとシャーシとの互いの熱膨張係数の差から生じる応力が集中する領域に厚肉部8aを設けることにより、該パネルとシャーシとの熱膨張係数の差による応力がフィルム配線基板2の上の導体配線16に及んだとしても、樹脂被膜8の厚肉部8aによって応力が緩和されて断線を防ぐことができる。その上、樹脂被膜8における応力が及ばない領域の厚さは薄く形成されているため、余計な材料コストが削減されて、低コストの画像駆動用の半導体装置を実現することができる。
【0045】
また、図7(a)に示すように、配線領域には、出力端子部5と放熱板3との間の領域に、入力端子部6から出力端子部5に向かう方向に延びる複数のスリット2aを設けている。これにより、導体配線16にかかる応力をさらに緩和することができる。
【0046】
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態の各変形例を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る半導体装置、該半導体装置を用いた画像表示装置及び半導体装置を構成するフィルム配線基板の製造方法は、画像表示装置の温度上昇により生じる半導体装置に対する応力によってフィルム配線基板に設けられた配線が断線することを防止することでき、例えば液晶ディスプレイ装置又はプラズマディスプレイ装置等に有用である。
【符号の説明】
【0048】
1 半導体素子
2 フィルム配線基板
2a スリット(孔部)
3 放熱板
3a ねじ孔
5 出力端子部
6 入力端子部
8 樹脂被膜
8a 厚肉部
8b 厚肉部
8c 厚肉部
8d 厚肉部
8A 第1の樹脂被膜
8B 第2の樹脂被膜(厚肉部)
9 半導体装置
10 シャーシ
11 パネル
12 コネクタ
13 ねじ
14 回路基板
15 フィルム基材
16 導体配線
17 封止樹脂材
18 熱伝達材
19 素子搭載部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する2辺のうちの一方に形成された入力端子と他方に形成された出力端子とを有し、且つ、前記入力端子と前記出力端子との間に配線が形成された配線領域と該配線領域を覆う樹脂被膜とを有するフィルム配線基板と、
前記フィルム配線基板の上に設けられた放熱板と、
前記フィルム配線基板における前記放熱板と対向する位置に設けられた半導体素子とを備え、
前記樹脂被膜は、前記フィルム配線基板における前記入力端子、出力端子及び半導体素子を除く前記配線領域の上に形成され、前記出力端子と前記放熱板との間の領域が他の領域よりも厚く形成されてなる厚肉部を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記フィルム配線基板には、前記出力端子と前記放熱板との間の領域に、前記入力端子から前記出力端子に向かう方向に平行に延びるスリット形の孔部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記樹脂被膜における前記厚肉部の厚さは、50μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
ディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネルを保持するシャーシと、
前記ディスプレイパネルと前記シャーシとを電気的に接続し、且つ前記ディスプレイパネルを駆動する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置とを備えていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置におけるフィルム配線基板の製造方法であって、
所定の形状を有するフィルム基材の上に、入力端子、出力端子、及び配線を含む配線領域を形成する工程(a)と、
前記工程(a)よりも後に、前記配線領域の上における前記入力端子、出力端子及び半導体素子搭載部を除く領域に、第1の樹脂被膜を形成する工程(b)と、
前記工程(b)よりも後に、前記第1の樹脂被膜の上における前記出力端子と前記半導体素子搭載部との間の領域に、第2の樹脂被膜を形成する工程(c)とを備えていることを特徴とするフィルム配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−81053(P2011−81053A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231189(P2009−231189)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】