説明

半導体装置およびそれを備えた印刷記録材収容体、並びに制御装置

【課題】1つの接続確認用の端子で複数種類の接続確認を可能として、構成の簡易化を図ることを目的とする。
【解決手段】半導体装置10であって、内部回路20と接続端子とを備えている。接続端子としては、電源端子VT、リセット端子RT、クロック端子CT、データ端子DT、接続確認入力端子CIT、接地端子GTを備えている。各端子に接続される電子部品群は、第1段部S1と第2段部S2を備える。第1段部S1は、PNP型の第1のトランジスタQ1と2つの抵抗器R1,R2とから構成される。第1のトランジスタQ1は、電源端子からの給電開始時に、第2段部S2により所定時間だけターンオフされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置と、半導体装置を備える印刷記録材収容体と、半導体装置が搭載され得る制御装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
制御装置の一例であるインクジェット方式の印刷装置には、通常、取り外し可能なインク容器が装着される。インク容器には、記憶素子を備える半導体装置が設けられているものがある。記憶素子には、例えば、インク容器内のインクの残量やインクの色などの種々の情報が記憶されている。この構成例においては、印刷装置のキャリッジに外部端子が配置され、キャリッジに対して半導体装置を備えたインク容器が装着されると、半導体装置の接触端子と外部端子とが接触する。このように、外部端子と接触する接触端子を有する半導体装置においては、外部端子と接触端子との接触状態が良好であることが望まれる。
【0003】
端子間における接触不良を検出する技術として、例えば、電源端子に近接して検出端子を配置し、電源電圧の監視を行うことで、外部電源端子と半導体装置の電源端子との間における接触不良を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−222689号公報
【0005】
しかしながら、前記従来の技術では、前記検出端子は、電源端子間の接触不良を検出するための専用の端子であり、他の接続確認用として利用することができなかった。半導体装置においては、電源端子以外の端子、例えばデータ端子の接続を確認することも必要であり、この要求に応えるには、上記従来の技術のように、1つの接続確認用の端子で1種の接続確認を行うだけでは、接続確認用の端子を多数用意する必要があり、構成が複雑化するという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した従来の課題の少なくとも一部を解決するためになされた発明であり、1つの接続確認用の端子で複数種類の接続確認を可能として、構成の簡易化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
制御装置に設けられた装着部に装着され得る半導体装置であって、
電力の供給を受けるための電源端子と、
接続確認用の入力端子と、
前記入力端子と対になる出力端子と、
通常時は前記入力端子と出力端子との間を短絡し、外部からの指令に従って前記入力端子と出力端子との間を電気的に開放するノーマルクローズの第1のスイッチング素子と、
前記電源端子からの給電開始時に、前記第1のスイッチング素子に対して前記開放を所定期間だけ実行させる指令を出力する給電開始時指令回路と
を備える半導体装置。
【0009】
適用例1の半導体装置によれば、電源端子からの給電開始時、すなわち、電源端子から半導体装置の内部に電力が供給された時に、第1のスイッチング素子は、給電開始時指令回路からの指令を受けて、前記入力端子と出力端子との間を所定期間だけ開放し、その後、短絡する。このために、前記半導体装置が装着され得る制御装置では、半導体装置への電力供給の開始時に、前記入力端子と出力端子との間の電位差の変動を検出することで、給電開始時指令回路が作動したか否かを判定することが可能となる。給電開始時指令回路は、電源端子からの給電開始時に作動するものであることから、上記制御装置は、上記電位差変動を検出することで、半導体装置の内部に電力供給がなされたか否かを判定することができる。したがって、上記制御装置は、電源端子接続の確認を行うことができる。
【0010】
また、適用例1の半導体装置では、前記第1のスイッチング素子は、指令を与えることで逐次開放させることができることから、接続確認のその時々で前記指令を出力することで、前記接続確認用の入力端子を種々の確認用として併用することができる。したがって、1つの接続確認用の入力端子だけで、電源端子接続の確認を始めとする複数種類の接続確認が可能となることから、構成の簡易化を図ることができる。
【0011】
[適用例2]
適用例1に記載の半導体装置であって、前記第1のスイッチング素子は、PNP型のトランジスタであり、前記トランジスタのエミッタは、前記入力端子に電気的に接続され、前記トランジスタのコレクタは、前記出力端子に電気的に接続され、前記トランジスタのベースは、前記給電開始時指令回路に電気的に接続され、前記給電開始時指令回路は、前記開放を実行させる指令として前記ベースに対して前記エミッタ−コレクタ間をターンオフするための信号を出力する構成である、半導体装置。この構成によれば、PNP型のトランジスタといった簡単な構成によってスイッチング素子を構成することができる。
【0012】
[適用例3]
適用例2に記載の半導体装置であって、前記給電開始時指令回路は、前記電源端子と前記トランジスタのベースとの間を電気的に開放/短絡することにより前記トランジスタをオンオフ制御する第2のスイッチング素子を備え、前記第2のスイッチング素子に接続される抵抗器およびコンデンサとの充電時定数によって前記第2のスイッチング素子の短絡時間を定めた構成である、半導体装置。
【0013】
上記給電開始時指令回路では、電源端子が接続される第2のスイッチング素子を備えることで、電源端子から供給される電源信号を用いて第1のスイッチング素子への指令を生成することができる。このため、上記半導体装置によれば、給電開始時指令回路を簡易な構成により実現することができる。
【0014】
[適用例4]
適用例1に記載の半導体装置であって、当該半導体装置を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶部と、外部からアクセスを受けたときに前記識別情報との照合を図ることにより、前記アクセスが自身宛のアクセスであるか否かを判定するアクセス判定部と、前記アクセス判定部により自身宛のアクセスを受けたと判定された時に、前記第1のスイッチング素子に対して前記開放を所定期間だけ実行させる指令を出力するアクセス時指令回路とを備える半導体装置。
【0015】
この構成の半導体装置が装着され得る制御装置では、前記半導体装置を特定する識別情報を含むデータを出力することにより前記半導体装置へのアクセスを行い、このときの入力端子の電圧を観察することで、装着された半導体装置が所望のものであるか否かを判定することが可能となる。半導体装置では、制御装置から送られてくる識別情報が識別情報記憶部に記憶されている識別情報と一致しない場合、すなわち自身宛のアクセスでないと判定した場合に、アクセス時指令回路から上記指令を出力しないことから、入力端子に識別情報が一致する場合と異なる電圧波形を送信するためである。したがって、上記半導体装置によれば、1つの接続確認用の入力端子だけで、電源端子接続の確認以外にも、制御装置に装着された半導体装置が所望のものであるか否かの確認が可能となる。
【0016】
[適用例5]
適用例4に記載の半導体装置であって、前記第1のスイッチング素子は、PNP型のトランジスタであり、前記トランジスタのエミッタは、前記入力端子に電気的に接続され、前記トランジスタのコレクタは、前記出力端子に電気的に接続され、前記トランジスタのベースは、前記アクセス時指令回路に電気的に接続され、前記アクセス時指令回路は、入力信号端子と出力信号端子と制御信号端子とを備え、前記入力信号端子が前記電源端子に電気的に接続され、前記出力信号端子が前記トランジスタのベースに電気的に接続されるスリーステートバッファを備え、前記アクセス判定部は、外部から自身宛のアクセスを受けたと判定したときに、前記制御信号端子に対して、前記入力信号端子からの入力信号をそのまま出力することを指示するイネーブル信号を所定数のクロック分の期間だけ出力する信号出力回路を備える、半導体装置。
【0017】
上記アクセス時指令回路では、電源端子が入力信号端子に接続されるスリーステートバッファを備えることで、電源端子から供給される電源信号を用いて第1のスイッチング素子への指令を生成することができる。このため、上記半導体装置によれば、アクセス時指令回路を簡易な構成により実現することができる。
【0018】
[適用例6]
制御装置に設けられた装着部に装着され得る半導体装置であって、
接続確認用の入力端子と、
前記入力端子と対になる出力端子と、
通常時は前記入力端子と出力端子との間を短絡し、外部からの指令に従って前記入力端子と出力端子との間を電気的に開放するノーマルクローズの第1のスイッチング素子と、
当該半導体装置を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
外部からアクセスを受けたときに前記識別情報との照合を図ることにより、前記アクセスが自身宛のアクセスであるか否かを判定するアクセス判定部と、
前記アクセス判定部により自身宛のアクセスを受けたと判定された時に、前記第1のスイッチング素子に対して前記開放を所定期間だけ実行させる指令を出力するアクセス時指令回路と
を備える半導体装置。
【0019】
適用例6に記載の制御装置が装着され得る制御装置では、前記半導体装置を特定する識別情報を含むデータを出力することにより前記半導体装置へのアクセスを行い、このときの入力端子と出力端子との間の電位差の変動を観察することで、装着された半導体装置が所望のものであるか否かを判定することが可能となる。半導体装置では、制御装置から送られてくる識別情報が識別情報記憶部に記憶されている識別情報と一致しない場合、すなわち自身宛のアクセスでないと判定した場合に、アクセス時指令回路から上記指令を出力しないことから、入力端子に識別情報が一致する場合と異なる電圧波形を送信するためである。したがって、上記半導体装置によれば、接続確認用の入力端子から、制御装置側で半導体装置が所望のものであるか否かの確認を行うことができる。
【0020】
また、適用例6の半導体装置では、前記第1のスイッチング素子は、指令を与えることで逐次開放させることができることから、接続確認のその時々で前記指令を出力することで、前記接続確認用の入力端子を種々の確認用として併用することができる。したがって、1つの接続確認用の入力端子だけで、装着された半導体装置が所望のものであるか否かの確認を始めとする複数種類の接続確認が可能となることから、構成の簡易化を図ることができる。
【0021】
[適用例7]
適用例6に記載の半導体装置であって、電力の供給を受けるための電源端子を備え、前記第1のスイッチング素子は、PNP型のトランジスタであり、前記トランジスタのエミッタは、前記入力端子に電気的に接続され、前記トランジスタのコレクタは、前記出力端子に電気的に接続され、前記トランジスタのベースは、前記アクセス時指令回路に電気的に接続され、前記アクセス時指令回路は、入力信号端子と出力信号端子と制御信号端子とを備え、前記入力信号端子が前記電源端子に電気的に接続され、前記出力信号端子が前記トランジスタのベースに電気的に接続されるスリーステートバッファを備え、前記アクセス判定部は、外部から自身宛のアクセスを受けたと判定したときに、前記制御信号端子に対して、前記入力信号端子からの入力信号をそのまま出力することを指示するイネーブル信号を所定数のクロック分の期間だけ出力する信号出力回路を備える、半導体装置。
【0022】
上記アクセス時指令回路では、電源端子が入力信号端子に接続されるスリーステートバッファを備えることで、電源端子から供給される電源信号を用いて第1のスイッチング素子への指令を生成することができる。このため、上記半導体装置によれば、アクセス時指令回路を簡易な構成により実現することができる。
【0023】
[適用例8]
制御装置に設けられた装着部に装着され得る半導体装置であって、
接続確認用の入力端子と、
前記入力端子と対になる出力端子と、
エミッタが前記入力端子に電気的に接続され、コレクタが前記出力端子に電気的に接続されるノーマルクローズのPNP型のトランジスタと
を備える半導体装置。
【0024】
適用例8に記載の半導体装置が装着され得る制御装置では、前記半導体装置の装着時に前記入力端子に接続される制御装置側入力端子と、その制御装置側入力端子に所定のインピーダンスを介して電力を供給する電源線とを用意することで、装着部に半導体装置が装着されているか否かを判定することが可能となる。半導体装置が装着されていない場合、制御装置側入力端子には何も接続されていない状態となることから、前記電源線からの電力の供給を受けて、制御装置側入力端子はハイ(H)の状態となる。一方、装着部51に対して半導体装置10が装着されている場合には、PNP型のトランジスタのベース−コレクタ間が短絡してこの間の電位差である約0.7[V]が前記入力端子から検出することができることから制御装置側入力端子はロー(L)の状態となる。したがって、制御装置側入力端子の電圧を検出することで、装着部に半導体装置が装着されているか否かを判定することができる。なお、この判定は、半導体装置10に対して電源を供給する前に実行することができる。
【0025】
また、適用例8の半導体装置では、前記PNP型のトランジスタは、ベースに指令信号を与えることでターンオフさせることができることから、接続確認のその時々で前記指令信号を出力することで、前記接続確認用の入力端子を種々の確認用として併用することができる。したがって、1つの接続確認用の入力端子だけで、装着部に半導体装置が装着されているか否の確認を始めとする複数種類の接続確認が可能となることから、構成の簡易化を図ることができる。
【0026】
[適用例9]
適用例1ないし8のいずれかに記載の半導体装置と、印刷記録材を収容するための収容部とを備える印刷記録材収容体。この構成によれば、印刷装置において、印刷記録材収容体についての装着判定を行うことができる。
【0027】
[適用例10]
適用例1ないし5のいずれかに記載の半導体装置が装着され得る制御装置であって、
前記半導体装置の装着時に前記電源端子と接続される制御装置側電源端子と、
前記半導体装置の装着時に前記入力端子と接続される制御装置側入力端子と、
前記半導体装置の装着時に前記出力端子と接続される制御装置側出力端子と、
前記制御装置側入力端子と制御装置側出力端子との間の電位差を検出する電位差検出部と、
前記制御装置側電源端子への電力の供給を行う電力供給部と、
前記電力供給部による電力供給の開始時に、前記電位差検出部により検出される電位差の変動に基づいて、前記半導体装置に対して電力供給がなされているか否かを判定する接続判定部と
を備える制御装置。
【0028】
適用例10の制御装置によれば、適用例1ないし5のいずれかに記載の半導体装置が装着されることで、半導体装置に対して電力供給がなされているか否かの判定が可能となる。
【0029】
[適用例11]
適用例6または7に記載の半導体装置が装着され得る制御装置であって、
前記半導体装置の装着時に前記入力端子と接続される制御装置側入力端子と、
前記半導体装置の装着時に前記出力端子と接続される制御装置側出力端子と、
前記制御装置側入力端子と制御装置側出力端子との間の電位差を検出する電位差検出部と、
前記半導体装置に対して該半導体装置を特定する識別情報を含むデータを出力することにより、前記半導体装置へのアクセスを行うアクセス実行部と、
前記アクセス実行部によるアクセスの開始時に、前記電位差検出部により検出される電位差の変動に基づいて、当該制御装置に装着された半導体装置が所望のものであるか否かを判定する接続判定部と
を備える制御装置。
【0030】
適用例11の制御装置によれば、適用例6または7に記載の半導体装置が装着されることで、その装着された半導体装置が所望のものか否かの判定が可能となる。
【0031】
[適用例12]
適用例8に記載の半導体装置が装着され得る制御装置であって、
前記半導体装置の装着時に前記入力端子と接続される制御装置側入力端子と、
前記半導体装置の装着時に前記出力端子と接続される制御装置側出力端子と、
前記制御装置側入力端子に所定のインピーダンスを介して電力を供給する電力供給線と、
前記制御装置側入力端子と制御装置側出力端子との間の電位差を検出する電位差検出部と、
前記電位差検出部により検出される電位差の変動に基づいて、前記半導体装置が当該制御装置に装着されたか否かを判定する接続判定部と
を備える制御装置。
【0032】
適用例12の制御装置によれば、適用例8に記載の半導体装置を用いることで、半導体装置が当該制御装置に装着されたか否かの判定が可能となる。
【0033】
[適用例13]
適用例10ないし12のいずれかに記載の制御装置であって、前記半導体装置は、印刷記録材を収容するための収容部を備える印刷記録材収容体に備えられ、前記印刷記録材を用いた印刷を行う印刷装置である制御装置。この構成によれば、印刷装置としての制御装置において、印刷記録材収容体についての装着判定を行うことができる。
【0034】
本発明は、上記以外の種々の適用例又は形態で実現可能であり、例えば、適用例である制御装置を含む電子装置またはシステムの形態、適用例である印刷記録材収容体が装着され得る液体噴射装置としての形態等で実現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明に係る半導体装置について、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
【0036】
1.第1実施例:
図1は、第1実施例に係る半導体装置および制御装置を模式的に示す説明図である。図示するように、本実施例に係る半導体装置10は、制御装置50に装着されて用いられる。本実施例において、装着とは、半導体装置10の接点と制御装置50の接点とが接触して用いられ得る態様を意味し、搭載、配置といった用語が用いられても良い。
【0037】
1−1.半導体装置の構成:
半導体装置10は、いわゆるメモリモジュールであり、内部回路20と接続端子とを備えている。接続端子としては、電源端子VT、リセット端子RT、クロック端子CT、データ端子DT、接続確認入力端子CIT、接地端子GTを備えている。電源端子VTは電源線VLを介して、リセット端子RTはリセット信号線RLを介して、クロック端子CTはクロック信号線CLを介して、データ端子DTはデータ信号線DLを介して、接地端子GTは接地線GLを介してそれぞれ内部回路20と接続されている。接続確認入力端子CITは、接続確認入力信号線CILを介して電子部品群と接続されている。なお、接地端子GTは、本発明でいう「前記入力端子と対になる出力端子」に相当する。
【0038】
上記電子部品群は、第1段部S1、第2段部S2、第3段部S3の3群に別れる。第1段部S1は、第1のトランジスタQ1と2つの抵抗器R1,R2とから構成される。第1のトランジスタQ1は、PNP型のトランジスタであり、エミッタが接続確認入力信号線CILに、コレクタが接地線GLに、ベースが指令入力信号線BLにそれぞれ接続されている。第1の抵抗器R1は、第1のトランジスタQ1のエミッタ−ベース間に設けられている。第2の抵抗器R2は、第1のトランジスタQ1のベースと接地線GLとの間に設けられており、ベースは第2の抵抗器R2によってプルダウンされている。第1の抵抗器R1は例えば470[kΩ]であり、第2の抵抗器R2は例えば100[kΩ]である。
【0039】
指令入力信号線BLから第1のトランジスタQ1のベースに対して送られる指令信号P1は、後述する第2段部S2と第3段部S3との構成により、ハイインピーダンス(Hi−Z)とハイ(H)のいずれかを取り得る。PNP型である第1のトランジスタQ1は、通常時、すなわち、指令信号P1がHi−Zの状態であるとき、接続確認入力信号線CILと接地線GL、すなわち、接続確認入力端子CITと接地端子GT、とを短絡(トランジスタはオン)し、指令信号P1がHの状態であるとき、接続確認入力信号線CILと接地線GL、すなわち、接続確認入力端子CITと接地端子GT、とを電気的に開放(トランジスタはオフ)する。すなわち、第1のトランジスタQ1は、Hの指令信号P1を受けたときに接続確認入力端子CITと接地端子GTとの間を電気的に開放するノーマルクローズのスイッチング素子を構成する。
【0040】
第2段部S2は、第1段部S1の後ろ側(内部回路20側)に設けられており、第2のトランジスタQ2と2つの抵抗器R3,R4とコンデンサC1とから構成される。第2のトランジスタQ2は、PNP型のトランジスタであり、エミッタが第3の抵抗器R3を介して電源線VLに、コレクタが指令入力信号線BLにそれぞれ接続されている。ベースは、第4の抵抗器R4およびコンデンサC1を介して(ベースからこの順に)接地線GLに接続されている。第3の抵抗器R3は例えば10[kΩ]であり、第4の抵抗器R4は例えば1[MΩ]であり、コンデンサC1は例えば100[pF]である。なお、第2段部S2は、本発明の備える「給電開始時指令回路」に相当する。
【0041】
電源端子VTに電源が投入された時、すなわち、電源端子VTからの給電開始時、第2のトランジスタQ2は、エミッタ−コレクタ間を短絡する。この結果、指令入力信号線BLは電源端子VTの電位となることから、第1のトランジスタQ1のベースに対して送られる指令信号P1はハイ(H)となる。上記給電開始時以後は、第3および第4の抵抗器R3,R4の総抵抗値とコンデンサC1の容量とから定まる充電時定数によって定まる所定時間だけエミッタ−コレクタ間を短絡し、その後、エミッタ−コレクタ間をターンオフ(開放)する。この結果、上記給電開始時から前記所定時間だけ、指令入力信号線BLは電源端子VTの電位となり、第1のトランジスタQ1のベースに対して送られる指令信号P1はハイ(H)となる。その所定時間以後は、指令信号P1はロー(L)となる。
【0042】
第3段部S3は、第2段部S2の後ろ側(内部回路20側)に設けられており、スリーステートバッファBFにより構成されている。スリーステートバッファBFは、入力信号をそのまま出力するかハイインピーダンス(Hi−Z)にするかを切り替えることができる回路であり、入力信号端子T1が電源線VLに、出力信号端子T2が指令入力信号線BLに、制御信号端子T3が内部回路20のID判定部24にそれぞれ接続されている。なお、第3段部S2は、本発明の備える「アクセス時指令回路」に相当する。
【0043】
ID判定部24は、スリーステートバッファBFの制御信号端子T3に対してイネーブル信号P2を出力する。イネーブル信号P2は、出力をハイインピーダンスにしないことを指示する信号、すなわち、入力信号をそのまま出力することを指示する信号であり、ロー(L)とハイ(H)のいずれかを取り得る。スリーステートバッファBFは、ロー(L)のイネーブル信号P2を受けたとき、出力信号端子T2をハイインピーダンス(Hi−Z)とする。これにより、出力信号端子T2が接続される指令入力信号線BLはハイインピーダンス(Hi−Z)となり、第1のトランジスタQ1のベースに対して送られる指令信号P1はHi−Zとなる。一方、スリーステートバッファBFは、ハイ(H)のイネーブル信号P2を受けたとき、入力信号をそのまま出力する。これにより、出力信号端子T2が接続される指令入力信号線BLは電源端子VTの電位となることから、第1のトランジスタQ1のベースに対して送られる指令信号P1はハイ(H)となる。
【0044】
内部回路20は、記憶素子(いわゆるメモリチップ)22、記憶素子22の駆動回路(図示せず)およびID判定部24を備える。なお、内部回路20は、その他の論理回路を備えていても良い。記憶素子22は、リセット信号線RL、クロック信号線CLおよびデータ信号線DLと接続されており、これら信号線RL、CL、DLからの信号に基づいて記憶素子22に対する読み書き(アクセス)が行なわれる。なお、記憶素子22には、自身(換言すれば半導体装置10)を識別するための識別情報(ID)が予め記憶されている。
【0045】
ID判定部24は、リセット信号線RL、クロック信号線CLおよびデータ信号線DLと接続されており、制御装置50から送られてくるデータ列に含まれる識別情報が、記憶素子22に格納されている識別情報と一致するか否かを判定する。記憶素子22に対する読み書きは、受信した識別情報が記憶素子22に格納されている識別情報と一致する場合にのみ許容される。また、ID判定部24は、スリーステートバッファBFに送る上述したイネーブル信号P2を出力する信号出力回路24aを備える。信号出力回路24aは、イネーブル信号P2として、通常、ロー(L)を出力しており、制御装置50から受信した識別情報が記憶素子22に格納されている識別情報と一致する場合にのみ、クロック信号線CLからの信号によって定まる1クロックの間、ハイ(H)を出力する。換言すれば、制御装置50から受信した識別情報が記憶素子22に格納されている識別情報と一致する場合にのみ、入力信号をそのまま出力することを指示するイネーブル信号P2をハイ(H)として出力する。こうした結果、半導体装置10においては、記憶素子22に格納されている識別情報と一致するアクセスがあったとき、1クロック分の期間だけ第1のトランジスタQ1のエミッタ−コレクタ間を短絡し、その後、そのエミッタ−コレクタ間をターンオフすることになる。なお、本実施例では、イネーブル信号P2をハイとする期間は1クロック分としていたが、これに換えて、複数の所定数のクロック分としてもよい。
【0046】
1−2.制御装置の構成:
本実施例に係る半導体装置10が装着されて用いられる制御装置50について説明する。図1に示すように、制御装置50は、半導体装置10を装着するための装着部51と制御回路55を備えている。装着部51には、半導体装置10が備える接続端子群(端子VT、RT、CT、DT、CIT、COT、GT)と接触する装置側端子群、すなわち、装置側電源端子VTd、装置側リセット端子RTd、装置側クロック端子CTd、装置側データ端子DTd、装置側接続確認入力端子CITd、装置側接地端子GTdが設けられている。
【0047】
制御回路55は、外部電源線VLd、外部リセット信号線RLd、外部クロック信号線CLd、外部データ信号線DLd、接続確認信号供給線CILdを含むフラットフレキシブルケーブルを介して、装着部51に備えられている装置側電源端子VTd、装置側リセット端子RTd、装置側クロック端子CTd、装置側データ端子DTd、装置側接続確認入力端子CITdとそれぞれ電気的に接続されている。なお、外部電源線VLdの途中には、第6の抵抗器R6および第3のトランジスタQ3が設けられている。第3のトランジスタQ3のエミッタは図示しない電源にプルアップされている。また、接続確認信号供給線CILdは、第5の抵抗器R5を途中に備える電力供給線VVdにより、図示しない電源にプルアップされている。さらに、装着部51に備えられている装置側接地端子GTdは、外部接地線GLdにより接地されている。第5の抵抗器R5は例えば10[kΩ]である。
【0048】
図2は、制御回路55の内部構成を示す説明図である。図示するように、制御回路55は、内には、演算処理を実行するための中央演算装置(CPU)61と、演算結果および装着判定処理実行プログラム等を記憶するメモリ62と、外部電源線VLd、外部リセット信号線RLd、外部クロック信号線CLdおよび外部データ信号線DLdを電気的に接続する入出力インターフェース63とが備えられている。また、CPU61、メモリ62および入出力インターフェース63は内部バス64によって相互に接続されている。
【0049】
メモリ62は、実装着判定モジュールM1、給電判定モジュールM2、ID判定モジュールM3を備えている。実装着判定モジュールM1は、装着部51に半導体装置10が装着されているか否かを判定するためにCPU61によって実行される。給電判定モジュールM2は、半導体装置10において正常に給電がなされているか否かを判定するためにCPU61によって実行される。ID判定モジュールM3は、装着されている半導体装置10が所望のIDを備えるものであるか否かを判定するためにCPU61によって実行される。これらモジュールM1〜M3によって装着判定処理実行プログラムは構成される。
【0050】
本実施例では、図1に示すように、制御回路55は、外部電源線VLdに対して電源信号VDDを出力し、外部リセット信号線RLdに対してリセット信号RSTを出力し、外部クロック信号線CLdに対してクロック信号SCKを出力し、外部データ信号線DLdを介してデータ信号SDAを出力する。さらに、制御回路55は、接続確認信号供給線CILdから、接地点からの電位差である電圧を示す確認結果信号COを得る。ここで、リセット信号RSTの出力とは、外部リセット信号線RLdの信号レベルをロー(0)またはハイ(1)に切り替えることを意味する。また、電源信号VDDの出力とは、外部電源線VLdにロー(0)またはハイ(1)の信号を出力することにより第3のトランジスタQ3をオフ/オン制御して、装置側電源端子VTdの電位を0またはV(1)に切り替えることを意味する。また、接地端子GTが本発明でいう「前記入力端子と対になる出力端子」に相当すると考えると、確認結果信号COで示される電圧は、本発明でいう「前記制御装置側入力端子と制御装置側出力端子との間の電位差」であることを意味する。
【0051】
1−3.半導体装置の装着判定処理:
図3は、制御回路55において実行される、半導体装置10の装着判定処理を示すフローチャートである。この装着判定処理は、前記装着判定実行プログラムに従って実行される。本処理ルーチンは、例えば、制御装置50の電源がオンされるタイミング、あるいは、半導体装置10の脱着、交換が実行されるタイミングにて実行される。なお、この装着判定処理を説明するに際し、図4のタイミングチャートを逐次参照するものとする。図4は、この装着判定処理時における各種のデータ信号波形を示すタイミングチャートである。
【0052】
図3に示すように、本処理ルーチンが開始されると、制御回路55のCPU61は、まず、接続確認信号供給線CILdの電圧を示す確認結果信号COを検出する(ステップS100)。なお、このときには、制御回路55からはロー(0)の電源信号VDDが出力され、装置側電源端子VTdの電位は0、すなわち半導体記憶装置10に向かって電力が供給されていない状態である。
【0053】
次いで、CPU61は、ステップS110で検出した確認結果信号COがロー(L)であるか否かを判定する(ステップS120)。前述したように、接続確認信号供給線CILdには、第3の抵抗器R3を介して電力供給線VVdにより電源が接続されていることから、装着部51に対して半導体装置10が装着されていない場合、ステップS100で検出される確認結果信号COはハイ(H)となる。一方、装着部51に対して半導体装置10が装着されている場合には、次の理由により、ステップS100で検出される確認結果信号COはロー(L)となる。このため、ステップS120では、確認結果信号COがロー(L)であるか否かを判定することにより、装着部51に対して半導体装置10が装着されているか否かを判定している。
【0054】
半導体装置10が装着されている場合、前述したように、この時点では制御回路55からは半導体装置10に対して電源が供給されていないことから、半導体装置10に備えられる第2段部S2および第3段部S3は第1段部S1に対して影響を与えず、第1段部S1の回路だけで確認結果信号COが定まる。第1段部S1においては、第1のトランジスタQ1のベースに対してハイ(H)の指令信号P1が入力されることになることから、第1のトランジスタQ1は、エミッタ−コレクタ間を短絡する。このときのベース−コレクタ間の電位差は、0.7[V]程度であることから、図4に示すように、確認結果信号COはロー(L)となる(時刻t1)。
【0055】
ステップS120で、確認結果信号COがロー(L)であると判定された場合、装着部51に対して半導体装置10が装着されているものとして、ステップS130に処理を進める。一方、ステップS120で、確認結果信号COがロー(L)であると判定された場合、装着部51に対して半導体装置10が装着されていないと判断し(ステップS125)、本処理ルーチンを終了する。なお、制御回路55は、半導体装置10が装着されていない旨を、例えば、表示ディスプレイ、表示灯を介して報知しても良い。
【0056】
ステップS130では、CPU61は、外部電源線VLdにハイ(H)の信号を出力し第3のトランジスタQ3をターンオンすることにより、半導体装置10への電力供給を開始する。次いで、CPU61はタイマをスタートする(ステップS140)。続いて、タイマの計時が所定時間経過するまで(ステップS170)、CPU61は、接続確認信号供給線CILdの電圧を示す確認結果信号COを検出し(ステップS150)、確認結果信号COがハイ(H)であるか否かを判定する(ステップS160)。タイマの計時が所定時間経過後、接続確認信号供給線CILdの電圧を示す確認結果信号COを検出し(ステップS180)、確認結果信号COがロー(L)に切り替わったか否かを判定する(ステップS190)。
【0057】
半導体装置10に備えられる第2段部S2は、前述したように、給電開始時から所定時間だけ第1のトランジスタQ1のエミッタ−コレクタ間を短絡し、その後、そのエミッタ−コレクタ間をターンオフする。この結果、図4に示すように、確認結果信号COは、給電開始時である時刻t2にハイ(H)となり、上記所定時間Taだけハイ(H)の状態を維持し、その後にロー(L)となる(時刻t3)。図3のステップS150ないしS190の処理は、給電開始時からの確認結果信号COの変動を観察し、その観察の結果が、上記の時刻t2〜t3の波形変動と一致するか否かを判定するものである。
【0058】
ステップS160で否定判定されたとき、またはステップS190で否定判定されたときは、確認結果信号COの変動は上記の時刻t2〜t3の波形変動と一致しないということであることから、電源端子VTからの給電が正常に行われていないことが考えられる。そこで、ステップS160で否定判定されたとき、またはステップS190で否定判定されたときには、エラーを報知して(ステップS195)、本処理ルーチンを終了する。エラー報知の一例としては、半導体装置10において正常に給電がなされていない旨を、例えば、表示ディスプレイ、表示灯を介して報知しても良い。
【0059】
ステップS190で肯定判定されたときには、半導体装置10において正常に給電がなされたとして、CPU61は、処理をステップS200に進める。ステップS200では、CPU61は、半導体装置10に対してアクセスを行う(ステップS140)。具体的には、装着部51に装着されている半導体装置10に対して、半導体装置10を特定する識別情報を含むデータ列のデータ信号SDAを外部データ信号線DLdに送信することによりそのアクセスを行う。
【0060】
その後、CPU61はタイマをスタート(0からスタート)する(ステップS210)。続いて、タイマの計時が制御回路55で規定する1クロック分の時間を経過するまで(ステップS240)、CPU61は、接続確認信号供給線CILdの電圧を示す確認結果信号COを検出し(ステップS220)、確認結果信号COがハイ(H)であるか否かを判定する(ステップS230)。タイマの計時がクロック分の時間経過後、接続確認信号供給線CILdの電圧を示す確認結果信号COを検出し(ステップS250)、確認結果信号COがロー(L)に切り替わったか否かを判定する(ステップS260)。
【0061】
半導体装置10に備えられる第3段部S3は、前述したように、制御装置50からのアクセスが記憶素子22に格納されている識別情報と一致するものである場合、すなわち自身宛のアクセスがあった場合に、1クロック分の時間だけ第1のトランジスタQ1のエミッタ−コレクタ間を短絡し、その後、そのエミッタ−コレクタ間をターンオフする。この結果、図4に示すように、確認結果信号COは、自身宛のアクセスがあった時である時刻t4にハイ(H)となり、上記1クロック分の時間Tbだけハイ(H)の状態を維持し、その後にロー(L)となる(時刻t5)。図3のステップS210ないしS290の処理は、アクセスがあった時からの確認結果信号COの変動を観察し、その観察の結果が、上記の時刻t4〜t5の波形変動と一致するか否かを判定するものである。
【0062】
ステップS230で否定判定されたとき、またはステップS260で否定判定されたときは、確認結果信号COの変動は上記の時刻t4〜t5の波形変動と一致しないということであることから、制御装置50からのアクセスが記憶素子22に格納されている識別情報と一致せずに、スリーステートバッファBFに対してハイ(H)のイネーブル信号P2が送られなかったことが考えられる。そこで、ステップS230で否定判定されたとき、またはステップS260で否定判定されたときには、エラーを報知して(ステップS265)、本処理ルーチンを終了する。エラー報知の一例としては、装着部51に装着されている半導体装置10が所望のものでない旨を、例えば、表示ディスプレイ、表示灯を介して報知しても良い。
【0063】
一方、ステップS260で肯定判定されたときには、本装着判定処理ルーチンで判定可能な全てのチェック項目が良好であると判定し(ステップS270)、本処理ルーチンを終了する。なお、上記構成の装着判定処理におけるステップS110〜S125の処理が実装着判定モジュールM1(図2参照)に、ステップS130〜S195の処理が給電判定モジュールM2(図2参照)に、ステップS200〜S265の処理がID判定モジュールM3(図3参照)にそれぞれ対応する。
【0064】
1−4.実施例効果:
以上説明したように、本実施例に係る半導体装置10および制御装置50によれば、制御装置50の装着部51に対して半導体装置10が装着されているか否かを判定することができる。なお、この判定は、半導体装置10に対して電源を供給する前に実行することができる。また、本実施例に係る半導体装置10および制御装置50によれば、半導体装置の内部に電力供給がなされているか否かの判定、すなわち電源端子接続がなされているか否かの判定を行うことができる。さらに、その装着された半導体装置が所望のものか否かの判定を行なうことができる。その上、本実施例に係る半導体装置10および制御装置50によれば、1つの接続確認入力端子CITだけで、これら複数の判定が可能となることから、構成の簡易化を図ることができる。
【0065】
1−5.応用例:
図5および図6を参照して、第1実施例に係る半導体装置10および制御装置50の応用例について説明する。図5は第1実施例に係る半導体装置を備えるインクカートリッジを示す説明図である。図6は第1実施例に係る制御装置としての印刷装置の機能構成を模式的に示す説明図である。
【0066】
インクカートリッジ(印刷記録材収容体)CAには、第1実施例に係る半導体装置10がそれぞれ装着されている。インクカートリッジCAは、内部にインクを格納するためのインク収容部を有し、インク収容部に収容されているインクに関する情報(インクの残量やインクの色など)は、半導体装置10の記憶素子22に格納されている。
【0067】
印刷装置500は、第1実施例に係る制御装置50に対応し、図6に示すように、制御回路510(第1実施例の制御回路55に対応)、操作部520、印刷部を備えている。印刷部は、キャリッジ501に搭載された印字ヘッドIH1〜IH4を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ501をキャリッジモータ502によってプラテン504の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ505によって印刷用紙Pを搬送する機構とを備えている。キャリッジ501をプラテン504の軸方向に往復動させる機構は、プラテン504の軸と並行に架設されたキャリッジ501を摺動可能に保持する摺動軸506と、キャリッジモータ502の間に無端の駆動ベルト507を張設するプーリ508と、キャリッジ501の原点位置を検出する位置検出センサ(図示しない)等から構成されている。印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン504、プラテン504を回転させる紙送りモータ505、図示しない給紙補助ローラ、紙送りモータ505の回転をプラテン504および給紙補助ローラに伝えるギヤトレイン(図示省略)から構成されている。
【0068】
キャリッジ501には4種類のインクカートリッジCAが装着される装着部が形成されている。4種類のインクカートリッジCAを以下CA1〜CA4と呼ぶ。インクカートリッジCA1には黒(K)インクが収容され、インクカートリッジCA2にはシアン(C)インク、インクカートリッジCA3にはマゼンタ(M)インク、インクカートリッジCA4にはイエロ(Y)インクが収容されている。なお、この他に、ライトシアン(LC)インク,ライトマゼンタ(LM)インク,ダークイエロ(DY),ライトブラック(LB)インク、レッド(R)インク、ブルー(B)インクのインクカートリッジCAが装着されても良い。なお、インクカートリッジCA1〜CA4は、前述したほぼ同一の構成を備え、相違する点は、インク収容部に収容されるインクの色と、半導体装置10の記憶素子22に格納されるインクの色にある。さらに、半導体装置10の記憶素子22に記憶される識別情報についても、半導体装置10毎、すなわちキャリッジ501毎に固有の識別情報となっている。
【0069】
キャリッジ501の各装着部には上述の外部端子群が備えられており、インクカートリッジCA1〜CA4に備えられている各半導体装置10の端子群と接触することによって、制御回路510は、記憶素子22に対するデータの書き込み、記憶素子22からのデータの読み出しが可能となる。具体的には、制御回路510は、第1実施例で説明した、外部電源線VLd、外部リセット信号線RLd、外部クロック信号線CLd、外部データ信号線DLdを介して、各半導体装置10の装着部51に備えられている装置側電源端子VTd、装置側リセット端子RTd、装置側クロック端子CTd、装置側データ端子DTdとそれぞれ電気的に接続されている。すなわち、装置側電源端子VTd、装置側リセット端子RTd、装置側クロック端子CTd、装置側データ端子DTdはそれぞれ、共通の外部電源線VLd、外部リセット信号線RLd、外部クロック信号線CLd、外部データ信号線DLdによりバス接続されている。なお、接続確認信号供給線CILdについては、各半導体装置10用として4本用意し、これら4本の接続確認信号供給線CILdにより、制御回路510と各半導体装置10に対応する装置側接続確認入力端子CITdとそれぞれ接続されている。
【0070】
制御回路510は、印刷装置500における印刷処理、記憶素子22に対するデータの読み書きを実行する。制御回路510は、制御回路55が備えるように、図示しない中央処理装置(CPU)、メモリ、入出力インターフェース(I/O)、内部バスを備えている。
【0071】
操作部520は制御回路510によって各種表示を表示するための表示部521を備えている。制御回路510は、前述してきた各種のエラー表示を表示部521上に表示しても良い。あるいは、印刷装置500が装着部に対応する表示灯を備えている場合には、制御回路510は、装着にエラーがあった半導体装置10の装着部に対応する表示灯を点灯、点滅、消灯させても良い。
【0072】
2.第2実施例:
前記第1実施例の応用例では、制御装置としての印刷装置500は、複数のインクカートリッジCA1〜CA4と接続するに際し、各半導体装置10に対応する装置側接続確認入力端子CITdと制御回路510との間を、4本の接続確認信号供給線CILdにより個別に接続するように構成されていたが、これに替えて、第2実施例では、制御回路には、接続確認信号供給線CILdが1本だけ接続され、各半導体装置10に備えられる接続確認入力端子CITがディジーチェイン接続(数珠繋ぎの接続)された構成とした。以下、詳細に説明する。
【0073】
図7は、第2実施例に係る半導体装置610を模式的に示す説明図である。半導体装置610は、第1実施例の半導体装置10と比較して、接続確認用として、接続確認入力端子CIT以外に接続確認出力端子COTを備える点が相違する。この接続確認出力端子COTには、第1のトランジスタQ1のコレクタが接続されている。この構成以外には、第1実施例の半導体装置10と同一の構成である。図示において、第1実施例と同一の部分には同じ符号を付けた。
【0074】
図8は、第2実施例に係る制御装置650を模式的に示す説明図である。制御装置650は、半導体装置10を装着するための装着部651と制御回路655を備えており、本実施例では各半導体装置610(1)〜610(4)に対応する複数の装着部として、第1ないし第4の装着部651(1)〜651(4)を備えている。各装着部651(1)〜651(4)には、半導体装置610が備える接続端子群(端子VT、RT、CT、DT、CIT、COT、GT)と接触する装置側端子群、すなわち、装置側電源端子VTd、装置側リセット端子RTd、装置側クロック端子CTd、装置側データ端子DTd、装置側接続確認入力端子CITd、装置側接続確認出力端子COTd、装置側接地端子GTdが設けられている。なお、図中最も上方に設けられた装着部651(1)を第1番目の装着部651(1)と呼び、上から2つ目に設けられた装着部651(2)を第2番目の装着部651(2)と呼び、上から3つ目に設けられた装着部651(3)を第3番目の装着部651(3)と呼び、最も下方に設けられた装着部651(4)を第4番目の装着部651(4)と呼ぶ。
【0075】
隣接する装着部651の装置側接続確認出力端子COTdと装置側接続確認入力端子CITdとは、信号線によって電気的に接続されている。すなわち、第1番目の装着部651(1)の装置側接続確認出力端子COTdと第2番目の装着部651(2)の装置側接続確認入力端子CITdとが信号線CC1によって接続されており、第2番目の装着部651(2)の装置側接続確認出力端子COTdと第3番目の装着部651(3)の装置側接続確認入力端子CITdとが信号線CC2によって接続されており、第3番目の装着部651(3)の装置側接続確認出力端子COTdと第4番目の装着部651(4)の装置側接続確認入力端子CITdとが信号線CC3によって接続されており、各半導体装置610(1)〜610(4)は所定の順序でディジーチェイン接続(数珠繋ぎの接続)されている。換言すれば、最初の装着部651(1)の装置側接続確認入力端子CITdおよび最後の装着部651(4)の装置側接続確認出力端子COTdを除き、隣接する2つの装着部の装置側接続確認入力端子CITdと装置側接続確認出力端子COTdとはそれぞれ電気的に接続されている。
【0076】
制御回路655は、外部電源線VLd、外部リセット信号線RLd、外部クロック信号線CLd、外部データ信号線DLdを含むフラットフレキシブルケーブルFFCを介して、各装着部651(1)〜651(4)に備えられている装置側電源端子VTd、装置側リセット端子RTd、装置側クロック端子CTd、装置側データ端子DTdと電気的に接続されている。すなわち、装置側電源端子VTd、装置側リセット端子RTd、装置側クロック端子CTd、装置側データ端子DTdはそれぞれ、共通の外部電源線VLd、外部リセット信号線RLd、外部クロック信号線CLd、外部データ信号線DLdによりバス接続されている。
【0077】
制御回路655は、また、接続確認信号供給線CILdを介して最初の装着部651(1)が備える装置側接続確認入力端子CITdと電気的に接続されている。接続確認信号供給線CILdは、第1実施例と同様に、第5の抵抗器R5を途中に備える電力供給線VVdにより、図示しない電源にプルアップされている。さらに、各装着部651(1)〜651(4)に備えられている装置側接地端子GTdは、外部接地線GLdにより接地されている。最後の装着部651(4)が備える装置側接続確認出力端子COTdもまた、接続線CC4により外部接地線GLdと結ばれることで、接地されている。上記接続確認信号供給線CILd、外部接地線GLd、信号線CC1〜CC4等も上記フラットフレキシブルケーブルFFCに含まれる。
【0078】
制御装置650に装着され得る各半導体装置610(1)〜610(4)は、図7を用いて説明した半導体装置610に代表されるものであり共通の構成であり、個々に相違する点は、記憶素子22に格納される識別情報が相違するだけである。
【0079】
制御回路655は、第1実施例の制御回路55と同様の構成であり、第1実施例と同様に、接続確認信号供給線CILdから得られる確認結果信号COに基づいて半導体装置10の装着を判定する装着判定処理を実行する。この装着判定処理は、第1実施例と同様に、実装着判定モジュール、給電判定モジュールM2、ID判定モジュールにより構成されている。実装着判定モジュールおよび給電判定モジュールは第1実施例と同一のものである。
【0080】
ID判定モジュールは、複数の装着部651(1)〜651(4)に備えられている各半導体装置610(1)〜610(4)に対して順次アクセスを行い、そのアクセスを行う毎に確認結果信号COを取得し、その確認結果信号COに基づいて、複数の装着部651(1)〜651(4)に対する複数の半導体装置610(1)〜610(4)の装着位置が正しいか否かを判定する構成である。なお、正しい装着位置は、第1番目の半導体装置10(1)〜第4番目の半導体装置10(4)が、第1番目の装着部51(1)〜第4番目の装着部51(4)にそれぞれ装着されている状態を示す。換言すれば、正しい装着位置で半導体装置10が装着されているときの第1番目の装着部51(1)に装着される半導体装置10を第1番目の半導体装置10(1)と呼び、以下、第2番目の半導体装置10(2)、第3番目の半導体装置10(3)、第4番目の半導体装置10(4)と呼ぶ。
【0081】
以上のように構成された第2実施例に係る半導体装置610および制御装置650によれば、実装着判定モジュールによって、制御装置650の装着部651(1)〜651(4)の全てに対して半導体装置610(1)〜610(4)が装着されているか否かを判定することができる。また、給電判定モジュールM2によって、半導体装置610(1)〜610(4)の全てについてその内部に電力供給がなされているか否かの判定、すなわち全半導体装置610(1)〜610(4)についての電源端子接続がなされているか否かの判定を行うことができる。
【0082】
さらに、ID判定モジュールによって、半導体装置610(1)〜610(4)のそれぞれに装着された半導体装置が所望のものか否かの判定を行なうことができる。その理由は次の通りである。いま、所定の半導体装置610に対してアクセスがなされたとする。各半導体装置610に備えられる第1のトランジスタQ1はターンオフする。第1のトランジスタQ1がオフ状態となると、所定の半導体装置610よりもディジーチェイン接続において上流側に位置する各半導体装置610では、出力端子が電気を流し難くなることから、第2の抵抗器R2により入力端子からの電気は所定のインピーダンスを介して接地点に流れる。
【0083】
上記所定の半導体装置610がディジーチェイン接続において何番目に当たるかによって、ディジーチェイン接続において上流側に位置する半導体装置610の数が変わり、第2の抵抗器R2で定まる上記所定のインピーダンスが幾つ分関わるかが変わってくることから、確認結果信号COは、上記所定の半導体装置610の装着位置に応じた値となる。具体的には、複数の装着部651(1)〜651(4)に備えられている各半導体装置610(1)〜610(4)に対してこの順にアクセスを行なったときの確認結果信号COの各値をH1〜H4としたとき、装着位置が正しい場合に、H1>H2>H3>H4の関係を満たす。この関係を満たすか否かから、複数の装着部651(1)〜651(4)に対する半導体装置610(1)〜610(4)の装着位置が正しいか否かを判定することができる。
【0084】
3.他の実施形態:
(1)上記第1実施例において用いられる第1のトランジスタQ1はPNP型トランジスタであるが、この実施例において要求されるスイッチ機能を有すれば良く、NPN型トランジスタ、P型MOSトランジスタまたはN型MOSトランジスタ、PNP型またはNPN型バイポーラトランジスタ等種々のトランジスタを用いることができる。また、トランジスタに限らず、種々のスイッチング素子が用いられても良い。なお、PNP型トランジスタを第1のトランジスタQ1に用いた場合には、装着部に半導体装置が装着されているか否かの判定を、半導体装置10に対して電源を供給する前に行うことができる。
【0085】
(2)上記各実施例では、半導体装置10、610および制御装置50、660は、直流電源が供給される回路構成であったが、これに替えて、交流電源が供給される回路構成としても良い。この場合には、バイパス回路を構成する抵抗器R2,R3等は、インダクタンスを持つコイルにより構成されることになる。
【0086】
(3)上記第2実施例では、複数の半導体装置のディジーチェイン接続の終点である接続確認出力端子COTを直接、接地する構成としていたが、これに替えて、前記終点である接続確認出力端子COTを接地点に所定のインピーダンスを介して接続する構成としてもよい。
【0087】
(4)上記各実施例で例示した各抵抗器R1〜R5の抵抗値、コンデンサCの容量は、あくまでも一例であり、種々の大きさに替えることができる。また、回路構成も上記各実施例の回路構成に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の回路構成を取り得る。
【0088】
(5)上記各実施例に係る半導体装置10,610は、第1段部S1、第2段部S2、第3段部S3の3群を備える構成であったが、これに替えて、第1段部S1と第2段部S2を備えた構成、第1段部S1と第3段部S3を備えた構成、あるいは第1段部S1だけを備えた構成としてもよい。また、それらに対応して、各実施例に係る制御装置50,650は、装着判定処理として、実装着判定モジュールM1と給電判定モジュールM2を実現する構成、実装着判定モジュールM1とID判定モジュールM3を実現する構成、あるいは実装着判定モジュールM1だけを実現する構成としてもよい。
【0089】
(6)上記実施例では、給電開始時指令回路は、トランジスタと抵抗器とコンデンサとにより構成していたが、他の構成に換えることもできる。また、アクセス時指令回路は、スリーステートバッファにより構成していたが、他の構成に換えることもできる。
【0090】
(7)上記実施例では、半導体装置10の適用例として、インクカートリッジを例にとって説明したが、この他にもトナーカートリッジ、インクリボンカートリッジ等に適用可能である。また、制御装置としてインクジェットプリンタを例にとって説明したが、この他にもレーザプリンタ、ドットインパクトプリンタ等の印刷装置あるいは液体噴射装置として実現されても良い。
【0091】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1実施例に係る半導体装置10および制御装置50を模式的に示す説明図である。
【図2】制御回路55の内部構成を示す説明図である。
【図3】制御回路55において実行される半導体装置10の装着判定処理を示すフローチャートである。
【図4】装着判定処理時における各種のデータ信号波形を示すタイミングチャートである。
【図5】第1実施例に係る半導体装置10を備えるインクカートリッジCAを示す説明図である。
【図6】第1実施例に係る制御装置としての印刷装置500の機能構成を模式的に示す説明図である。
【図7】第2実施例に係る半導体装置610を模式的に示す説明図である。
【図8】第2実施例に係る制御装置650を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0093】
10…半導体装置
20…内部回路
22…記憶素子
24…ID判定部
24a…信号出力回路
50…制御装置
51…装着部
55…制御回路
61…CPU
62…メモリ
63…入出力インターフェース
64…内部バス
M1…実装着判定モジュール
M2…給電判定モジュール
M3…ID判定モジュール
500…印刷装置
501…キャリッジ
502…キャリッジモータ
504…プラテン
505…モータ
506…摺動軸
507…駆動ベルト
508…プーリ
510…制御回路
520…操作部
521…表示部
610…半導体装置
650…制御装置
651…装着部
655…制御回路
VT…電源端子
VTd…装置側電源端子
RT…リセット端子
RTd…装置側リセット端子
CT…クロック端子
CTd…装置側クロック端子
DT…データ端子
DTd…装置側データ端子
CIT…接続確認入力端子
CITd…装置側接続確認入力端子
COT…接続確認出力端子
COTd…装置側接続確認出力端子
GT…接地端子
GTd…装置側接地端子
VL…電源線
VLd…外部電源線
RL…リセット信号線
RLd…外部リセット信号線
CL…クロック信号線
CLd…外部クロック信号線
DL…データ信号線
DLd…外部データ信号線
CIL…接続確認入力信号線CIL
CILd…接続確認信号供給線
COL…接続確認出力信号線
CC1〜CC4…信号線
VVd…電力供給線
Q1、Q2…PNP型トランジスタ
R1〜R5…抵抗器
P1…指令信号
P2…イネーブル信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置に設けられた装着部に装着され得る半導体装置であって、
電力の供給を受けるための電源端子と、
接続確認用の入力端子と、
前記入力端子と対になる出力端子と、
通常時は前記入力端子と出力端子との間を短絡し、外部からの指令に従って前記入力端子と出力端子との間を電気的に開放するノーマルクローズの第1のスイッチング素子と、
前記電源端子からの給電開始時に、前記第1のスイッチング素子に対して前記開放を所定期間だけ実行させる指令を出力する給電開始時指令回路と
を備える半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記第1のスイッチング素子は、PNP型のトランジスタであり、
前記トランジスタのエミッタは、前記入力端子に電気的に接続され、
前記トランジスタのコレクタは、前記出力端子に電気的に接続され、
前記トランジスタのベースは、前記給電開始時指令回路に電気的に接続され、
前記給電開始時指令回路は、前記開放を実行させる指令として前記ベースに対して前記エミッタ−コレクタ間をターンオフするための信号を出力する構成である、半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置であって、
前記給電開始時指令回路は、
前記電源端子と前記トランジスタのベースとの間を電気的に開放/短絡することにより前記トランジスタをオンオフ制御する第2のスイッチング素子を備え、前記第2のスイッチング素子に接続される抵抗器およびコンデンサとの充電時定数によって前記第2のスイッチング素子の短絡時間を定めた構成である、半導体装置。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置であって、
当該半導体装置を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
外部からアクセスを受けたときに前記識別情報との照合を図ることにより、前記アクセスが自身宛のアクセスであるか否かを判定するアクセス判定部と、
前記アクセス判定部により自身宛のアクセスを受けたと判定された時に、前記第1のスイッチング素子に対して前記開放を所定期間だけ実行させる指令を出力するアクセス時指令回路と
を備える半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置であって、
前記第1のスイッチング素子は、PNP型のトランジスタであり、
前記トランジスタのエミッタは、前記入力端子に電気的に接続され、
前記トランジスタのコレクタは、前記出力端子に電気的に接続され、
前記トランジスタのベースは、前記アクセス時指令回路に電気的に接続され、
前記アクセス時指令回路は、
入力信号端子と出力信号端子と制御信号端子とを備え、前記入力信号端子が前記電源端子に電気的に接続され、前記出力信号端子が前記トランジスタのベースに電気的に接続されるスリーステートバッファを備え、
前記アクセス判定部は、
外部から自身宛のアクセスを受けたと判定したときに、前記制御信号端子に対して、前記入力信号端子からの入力信号をそのまま出力することを指示するイネーブル信号を所定数のクロック分の期間だけ出力する信号出力回路を備える、半導体装置。
【請求項6】
制御装置に設けられた装着部に装着され得る半導体装置であって、
接続確認用の入力端子と、
前記入力端子と対になる出力端子と、
通常時は前記入力端子と出力端子との間を短絡し、外部からの指令に従って前記入力端子と出力端子との間を電気的に開放するノーマルクローズの第1のスイッチング素子と、
当該半導体装置を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
外部からアクセスを受けたときに前記識別情報との照合を図ることにより、前記アクセスが自身宛のアクセスであるか否かを判定するアクセス判定部と、
前記アクセス判定部により自身宛のアクセスを受けたと判定された時に、前記第1のスイッチング素子に対して前記開放を所定期間だけ実行させる指令を出力するアクセス時指令回路と
を備える半導体装置。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置であって、
電力の供給を受けるための電源端子を備え、
前記第1のスイッチング素子は、PNP型のトランジスタであり、
前記トランジスタのエミッタは、前記入力端子に電気的に接続され、
前記トランジスタのコレクタは、前記出力端子に電気的に接続され、
前記トランジスタのベースは、前記アクセス時指令回路に電気的に接続され、
前記アクセス時指令回路は、
入力信号端子と出力信号端子と制御信号端子とを備え、前記入力信号端子が前記電源端子に電気的に接続され、前記出力信号端子が前記トランジスタのベースに電気的に接続されるスリーステートバッファを備え、
前記アクセス判定部は、
外部から自身宛のアクセスを受けたと判定したときに、前記制御信号端子に対して、前記入力信号端子からの入力信号をそのまま出力することを指示するイネーブル信号を所定数のクロック分の期間だけ出力する信号出力回路を備える、半導体装置。
【請求項8】
制御装置に設けられた装着部に装着され得る半導体装置であって、
接続確認用の入力端子と、
前記入力端子と対になる出力端子と、
エミッタが前記入力端子に電気的に接続され、コレクタが前記出力端子に電気的に接続されるノーマルクローズのPNP型のトランジスタと
を備える半導体装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体装置と、
印刷記録材を収容するための収容部と
を備える印刷記録材収容体。
【請求項10】
請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置が装着され得る制御装置であって、
前記半導体装置の装着時に前記電源端子と接続される制御装置側電源端子と、
前記半導体装置の装着時に前記入力端子と接続される制御装置側入力端子と、
前記半導体装置の装着時に前記出力端子と接続される制御装置側出力端子と、
前記制御装置側入力端子と制御装置側出力端子との間の電位差を検出する電位差検出部と、
前記制御装置側電源端子への電力の供給を行う電力供給部と、
前記電力供給部による電力供給の開始時に、前記電位差検出部により検出される電位差の変動に基づいて、前記半導体装置に対して電力供給がなされているか否かを判定する接続判定部と
を備える制御装置。
【請求項11】
請求項6または7に記載の半導体装置が装着され得る制御装置であって、
前記半導体装置の装着時に前記入力端子と接続される制御装置側入力端子と、
前記半導体装置の装着時に前記出力端子と接続される制御装置側出力端子と、
前記制御装置側入力端子と制御装置側出力端子との間の電位差を検出する電位差検出部と、
前記半導体装置に対して該半導体装置を特定する識別情報を含むデータを出力することにより、前記半導体装置へのアクセスを行うアクセス実行部と、
前記アクセス実行部によるアクセスの開始時に、前記電位差検出部により検出される電位差の変動に基づいて、当該制御装置に装着された半導体装置が所望のものであるか否かを判定する接続判定部と
を備える制御装置。
【請求項12】
請求項8に記載の半導体装置が装着され得る制御装置であって、
前記半導体装置の装着時に前記入力端子と接続される制御装置側入力端子と、
前記半導体装置の装着時に前記出力端子と接続される制御装置側出力端子と、
前記制御装置側入力端子に所定のインピーダンスを介して電力を供給する電力供給線と、
前記制御装置側入力端子と制御装置側出力端子との間の電位差を検出する電位差検出部と、
前記電位差検出部により検出される電位差の変動に基づいて、前記半導体装置が当該制御装置に装着されたか否かを判定する接続判定部と
を備える制御装置。
【請求項13】
請求項10ないし12のいずれかに記載の制御装置であって、
前記半導体装置は、印刷記録材を収容するための収容部を備える印刷記録材収容体に備えられ、
前記印刷記録材を用いた印刷を行う印刷装置である制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−151475(P2009−151475A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327677(P2007−327677)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】