説明

半導体装置の製造方法、半導体装置、センサーモジュール、電子機器

【課題】信頼性が高い半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置1の製造方法は、第1の面10aと、第1の面10aに位置する電極12とを有する半導体素子10を準備する工程と、電極12を含む第1の面10aに、第1の樹脂層20を形成する工程と、電極12と電気的に接続し、第1の樹脂層20の半導体素子10と対向する第2の面22とは反対側の第3の面23に第1の金属層31を形成する工程と、第1の金属層31の第1の樹脂層20と対向する第4の面33と第4の面33の反対側の第5の面34を接続する第6の面35と、第5の面34と、を覆う第2の樹脂層41を形成する工程と、第2の樹脂層41に第1の金属層31の第5の面34を露出する開口部42を設ける工程と、第2の樹脂層41が、第1の金属層31の第6の面35とを覆った状態で、開口部42内に無電解メッキで第2の金属層51を形成する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、この製造法で製造された半導体装置、この半導体装置を用いたセンサーモジュール、このセンサーモジュールを有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子の上面に電極パッドを形成し、この電極パッドの一部を露出するように樹脂層を形成し、この樹脂層の上面に電極パッドと接続する金属層を電解メッキを用いて形成する半導体装置の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−38932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1によれば、樹脂層の上面に電極パッドと接続する金属層を、スパッタ法を用いて1層若しくは2層のバリアメタル層を形成し、さらにその上面に電解メッキを用いて主導体層である金属層を形成している。よって、主導体層を直接樹脂層の上面に形成する場合に比べ、バリアメタル層を形成する分だけ工数増となる。また、樹脂層の上面に電解メッキで主導体層である金属層を形成する場合、樹脂層と金属層との間にメッキ液が浸透し、金属層が樹脂層から剥離しやすくなるという課題を有している。
【0005】
また、半導体装置にセンサー素子をマウントする場合、半導体装置とセンサー素子を電気的及び機械的に接合する手段として、半田ボール、半田ペーストやAgペースト等の接合材を用いる。これらの接合材は加熱硬化されるが、この際、加熱により接合材の流動性が高まり接合材が流れ出して半導体基板まで達することが考えられるが、半導体基板がGND(グランド)電位の場合、ショートして正常動作をしなくなるという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係る半導体装置の製造方法は、第1の面と、前記第1の面に位置する電極とを有する半導体素子を準備する工程と、前記電極を含む前記第1の面に、第1の樹脂層を形成する工程と、前記電極と電気的に接続し、前記第1の樹脂層の前記半導体素子と対向する第2の面とは反対側の第3の面に第1の金属層を形成する工程と、前記第1の金属層の前記第1の樹脂層と対向する第4の面と前記第4の面の反対側の第5の面を接続する第6の面と、前記第5の面と、を覆う第2の樹脂層を形成する工程と、前記第2の樹脂層に前記第5の面を露出する開口部を設ける工程と、前記第2の樹脂層が、前記第6の面を覆った状態で、前記開口部内に無電解メッキで第2の金属層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、第1の金属層は、第2の樹脂層で第5の面(上面)、第6の面(側面)が覆われている。つまり、第1の金属層は、第2の樹脂層の開口部以外の露出面が第2の樹脂層で覆われている。従って、第2の樹脂層が形成された状態で無電解メッキを用いて第2の金属層を形成しても、メッキ液が第1の金属層と第1の樹脂層との間に浸透することがなく、第1の金属層と第1の樹脂層との密着性が維持できるという効果がある。
【0009】
また、特許文献1では、主導体層と樹脂層との間に2層のバリアメタルを形成しているが、本実施形態では、第1の金属層が、第2の樹脂層で開口部を除いて第5の面(上面)、第6の面(側面)を覆った後、第2の金属層を形成する方法を採用しているため、従来例より工程を省略することができる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に係る半導体装置の製造方法は、前記開口部が前記第5の面から拡がるテーパーを有し、前記半導体素子の外側方向のテーパー角度が、前記半導体素子の内側方向のテーパー角度よりも大きくなるよう形成することが好ましい。
【0011】
半導体装置と外部素子(例えば、センサー素子)とを電気的及び機械的に接合する手段として、半田ボール、半田ペーストやAgペースト等の接合材が用いられる。これらの接合材は加熱硬化される。この際、加熱により流動性が高まり接合材が流れ出して半導体基板まで達することが考えられるが、半導体素子の外側方向(エッジ方向)のテーパー角度を、半導体素子の内側方向のテーパー角度よりも大きくすることで、接合材が半導体素子のエッジ方向に流れにくくなり、その結果、半導体素子とのショートを防止することができる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に係る半導体装置の製造方法は、前記テーパーは、前記半導体素子の端部から前記開口部までの前記第2の樹脂層の量を、前記開口部から前記半導体素子の内側の前記第2の樹脂層の量よりも少なくした状態で、加熱硬化させることにより形成することが望ましい。
【0013】
第2の樹脂層に用いる材料は、一般に熱収縮性を有している。同じ熱収縮率を有する材料は、樹脂量の多い(体積が大きい)部分は収縮量が大きく、樹脂量が少ない場合(体積が小さい)は収縮量が小さい。半導体素子の端部から開口部までの樹脂量は、開口部から内側の樹脂量よりも少ないことから収縮量が小さい。従って、同一工程で加熱しても、半導体素子の外側方向のテーパー角度が、半導体素子の内側方向のテーパー角度よりも大きくなることから、特にテーパー角度を変えるための工程は必要ない。
【0014】
[適用例4]本適用例に係る半導体装置は、第1面と、前記第1の面に位置する電極を有する半導体素子と、前記第1の面に位置する第1の樹脂層と、前記電極と電気的に接続され、前記第1の樹脂層の前記半導体素子と対向する第2の面とは反対側の第3の面に位置する第1の金属層と、前記第1の金属層の前記第1の樹脂層と対向する第4の面と、前記第4の面の反対側の第5の面とを接続する第6の面と、前記第5の面とを覆い、且つ、前記第5の面の一部を露出する開口部を有する第2の樹脂層と、前記開口部の内部に無電解メッキで形成される第2の金属層と、を有することを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、第1の金属層は、第2の樹脂層で第5の面(上面)、第6の面(側面)を覆っている。つまり、第1の金属層は、開口部以外の露出面の全体が第2の樹脂層で覆われている。従って、第2の樹脂層が形成された状態で無電解メッキを用いて第2の金属層を形成しても、メッキ液が第1の金属層と第1の樹脂層との間に浸透することがなく、第1の金属層と第1の樹脂層の密着性が維持でき、信頼性の高い半導体装置を実現できる。
【0016】
[適用例5]上記適用例に係る半導体装置は、前記開口部が前記第5の面から拡がるテーパーを有し、前記半導体素子の外側方向のテーパー角度が、前記半導体素子の内側方向のテーパー角度よりも大きいことが好ましい。
【0017】
半導体装置と外部素子(例えば、センサー素子)とを電気的及び機械的に接合する手段として、半田ボール、半田ペーストやAgペースト等の接合材が用いられる。これらの接合材は加熱硬化される。この際、加熱により流動性が高まり接合材が流れ出して半導体基板まで達することが考えられるが、半導体素子の外側方向(エッジ方向)のテーパー角度を、半導体素子の内側方向のテーパー角度よりも大きくすることで、接合材が半導体素子のエッジ方向に流れにくくなり、その結果、半導体素子とのショートを防止することができる。
【0018】
[適用例6]本適用例に係るセンサーモジュールは、第1の面と、前記第1の面に位置する電極を有する半導体素子と、前記第1の面に位置する第1の樹脂層と、前記電極と電気的に接続され、前記第1の樹脂層の前記半導体素子と対向する第2の面とは反対側の第3の面に位置する第1の金属層と、前記第1の金属層の前記第1の樹脂層と対向する第4の面と前記第4の面の反対側の第5の面とを接続する第6の面と、前記第5の面と、を覆い、且つ、前記第5の面の一部を露出する開口部を有する第2の樹脂層と、前記開口部の内部に無電解メッキで形成される第2の金属層と、を有する半導体装置と、前記開口部の内部において、前記第2の金属層と接続される突起電極と、前記突起電極の前記第2の金属層と対向する面とは反対側に位置し、前記突起電極と当接する位置に配設される接続電極を有するセンサー素子と、前記第2の金属層と前記接続電極とが導電性ペーストで電気的に接続されていることを特徴とする。
【0019】
ここで、センサー素子としては、例えば、加速度センサーや角速度センサー(ジャイロセンサー)等の振動子が代表される。そこで、上述した適用例に記載の半導体装置の製造方法を用いて製造された半導体装置は、無電解メッキの際、メッキ液が第1の金属層と第1の樹脂層との間に浸透することがなく、第1の金属層と第1の樹脂層の密着性が保持できることから、信頼性が高いセンサーモジュールを実現できる。
【0020】
また、半導体装置とセンサー素子との接合は、突起電極(例えば、スタッドバンプ等)で相互の高さ方向の位置を規制しつつ、導電性ペーストを用いて加熱硬化し、電気的接続と機械的接合を行う。この際、半導体素子の外側方向(エッジ方向)のテーパー角度を、半導体素子の内側方向のテーパー角度よりも大きくすることで、導電性ペーストが半導体素子のエッジ方向に流れにくくなり、その結果、半導体素子とのショートを防止することができる。よって、工程歩留まりを高めると共に、信頼性が高いセンサーモジュールを実現できる。
【0021】
[適用例7]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載のセンサーモジュールを有することを特徴とする。
【0022】
電子機器として用いるセンサー素子としては、例えば、上述した加速度センサーや角速度センサーの他に、水晶振動子、弾性表面波素子(SAW)、MEMS構造体、等があり、これらは、その機能によって、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、等に採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1に係る半導体装置の製造方法の主たる工程を示す断面図。
【図2】実施例2に係る半導体装置の製造方法の主たる工程を示す断面図。
【図3】実施例3に係る半導体装置の製造方法の主たる工程を示す断面図。
【図4】実施例4に係る半導体装置の製造方法の主たる工程を示す断面図。
【図5】センサーモジュールの1例を示す断面図。
【図6】振動ジャイロ素子の概略構成を示す平面図。
【図7】半導体装置と振動ジャイロ素子との接合構造を示す部分断面図。
【図8】振動ジャイロ素子の動作を説明する模式平面図(駆動振動状態)。
【図9】振動ジャイロ素子の動作を説明する模式平面図(検出振動状態)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態及び実施例を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
まず、半導体装置1の製造方法について以下に複数の実施例をあげ例示し、これら実施例に基づき製造される半導体装置について説明する。
(実施例1)
【0025】
図1は、実施例1に係る半導体装置の製造方法の主たる工程を示す断面図である。まず、図示しない回路素子を有する半導体基板11上に電極12と、電極12の周縁部を含んで半導体基板11の上面に絶縁層15が形成されたウエハー状態の半導体素子10を準備する(図1(a)、参照)。なお、本実施例では、電極12は電極パッドであって複数個存在するが、図1(a)では、3個の電極12a〜12cを例示している。絶縁層15は、電極12a〜12cそれぞれの領域に開口部16a〜16cを有している。ここで、電極12を含む絶縁層15の上面を第1の面10aとする。
【0026】
次に、第1の面10aの上面に第1の樹脂層20を形成する(図1b、参照)。第1の樹脂層20は、感光性を有するポリイミド系樹脂またはPBO系樹脂(ポリベンズオキサゾール)等をスピンコート法を用いて塗布した後、フォトリソ法を用いてパターニングし、電極12a〜12cそれぞれを露出する開口部21a〜21cを開口させる。なお、本実施例では、第1の樹脂層20は応力緩和層である。ここで、第1の樹脂層20の半導体素子10と対向する面(第1の面10aと接合する面)を第2の面22、反対側の面(第1の樹脂層20の上面)を第3の面23とする。第3の面23には、電極12a〜12cの上面も含む。
【0027】
次に、第3の面23に第1の金属層31を形成する(図1(c)、参照)。第1の金属層31は、Cuを主材とした金属層であって、スパッタ法等を用いて第3の面23に形成する。第1の金属層31は、第1の金属層31a〜31cにパターニングされ、それぞれが電極12a〜12cに電気的に接続される。第1の金属層31a〜31cは、開口部32a,32bによって分離されている。なお、本実施例では、第1の金属層31は再配置配線である。
【0028】
ここで、第1の樹脂層20と対向する第1の金属層31の面(第3の面23と接合する面)を第4の面33、第4の面33の反対側の面(第1の金属層31の上面)を第5の面34、第4の面33と第5の面34とを接続する面(第1の金属層31の側面)を第6の面35とする。
【0029】
次に、第5の面34と第6の面35とを覆う第2の樹脂層41を形成する(図1(d)、参照)。第2の樹脂層41は、感光性と熱収縮性とを有する樹脂、例えばポリイミド系樹脂を採用し、スピンコート等の手段を用いて第1の金属層31が露出しないように第5の面34と第6の面35の全体を覆う。
【0030】
次に、フォトリソ法を用いてパターニングして第2の樹脂層41を第2の樹脂層41a,41bに分離し、第1の金属層31の第5の面34を露出させる開口部42a〜42cを設ける。なお、電極12aと電極12cは、電極パッドに相当する電極であって半導体素子10の周縁部に配置され、電極12bは半導体素子10の電極12a,12cよりも内側に配置されている。電極パッドとして用いない電極12bに接続する第1の金属層31bは開口部42cによって露出される。その後、加熱硬化させる。
これら開口部42a〜42cは、第5の面34から上方(第5の面34から半導体基板11に向かう方向とは反対側の方向)に拡がるテーパーを有している。
【0031】
開口部42a,42bのテーパー角度は、半導体素子10の外側方向(それぞれの開口部から、半導体素子10の電極12a〜12cが設けられた面の外周のうち、ぞれぞれの開口部に最も近い外周へ向かう方向)のテーパー角度θ1が、半導体素子10の内側方向のテーパー角度θ2よりも大きくなるよう形成する。これらテーパー角度θ1,θ2は、半導体素子10の端部(外周エッジ部)から開口部42a(開口部42bも同様)までの第2の樹脂層41の量を、開口部42aから半導体素子10の内側の第2の樹脂層41の量よりも少なくした状態で、加熱硬化させることにより形成される。
【0032】
これは、第2の樹脂層41は熱収縮性を有していることから、樹脂量の多い(体積が大きい)部分は収縮量が大きく、樹脂量が少ない場合(体積が小さい)は収縮量が小さい。半導体素子10の端部から開口部42aまでの樹脂量は、開口部42aから内側の樹脂量よりも少ないことから収縮量が小さい。従って、同じ条件で加熱硬化させる場合、半導体素子10の外側方向のテーパー角度θ1が、内側方向のテーパー角度θ2よりも大きくなることから、特にテーパー角度を変えるための工程は必要ない。
【0033】
次に、第2の樹脂層41が第1の金属層31の表面を覆った状態で、開口部42a〜42c内に無電解メッキで第2の金属層51を形成する(図1(e)、参照)。第2の金属層51は、Ni/Pd/Au若しくはNi/Auなどからなる。なお、第2の金属層51が不要な部分はマスキングする。そして、開口部42a内の第1の金属層31aの表面に第2の金属層51a、開口部42b内の第1の金属層31cの表面に第2の金属層51c、開口部42c内の第1の金属層31bの表面に第2の金属層51bが形成される。このようにして半導体装置1が形成される。
なお、第2の金属層51a,51cは、図示する領域外のテーパー面に形成してもよい。
【0034】
第1の金属層31bは、第6の面35(側面)を含めて第2の金属層51bで覆われる。第2の金属層51bの形成領域は、半導体素子10の内側方向の大部分の面積を有している。第2の金属層51bは、半導体装置1と後述するセンサー素子をマウントする場合、センサー素子が光透過性を有し、マウント後、レーザートリミングを行う際のレーザー保護層となる。
(実施例1による半導体装置)
【0035】
以上説明した実施例1の製造方法により製造された半導体装置1は、図1(e)に示すように、第1の面10aに位置する電極12を有する半導体素子10と、第1の面10aに位置する第1の樹脂層20と、電極12と電気的に接続され、第1の樹脂層20の半導体素子10と対向する第2の面22とは反対側の第3の面23に位置する第1の金属層31とを有する。
【0036】
さらに、第1の金属層31の第1の樹脂層20と対向する第4の面33と、第4の面33の反対側の第5の面34とを接続する第6の面35と、第5の面34とを覆い、且つ、第5の面34の一部を露出する開口部42a〜42cを有する第2の樹脂層41と、開口部42a〜42cの内部に無電解メッキで形成される第2の金属層51と、を有して構成されている。
【0037】
そして、開口部42a,42bはテーパーを有し、半導体素子10の外側方向のテーパー角度θ1が、半導体素子10の内側方向のテーパー角度θ2よりも大きくなるよう形成されている。
【0038】
なお、前述した半導体装置1にセンサー素子をマウントしてセンサーモジュールを構成する場合、半導体装置1には、センサー素子を接続する接続素子が設けられる。このことについて図1(f)を参照して説明する。前述した図1(a)〜図1(e)で示した工程を経て形成された半導体装置1の開口部42a,42b内のそれぞれの第2の金属層51a,51cには、突起電極としてのAuスタッドバンプ80が形成されている。なお、図1(f)は、開口部42bを例示している。
【0039】
Auスタッドバンプ80は、第2の樹脂層41bの最上面から突出され、先端部がセンサー素子100と接続可能な状態に形成されている。第2の金属層51は、Ni/Pd/Auからなり、Auとの接合性がよいことから、Auスタッドバンプ80と第2の金属層51との間は、優れた接続強度及び電気的接続性を有している。
なお、Auスタッドバンプ80を含んだ構成を半導体装置1としてもよい。
第2の金属層51を形成(図1(e)の状態)した後、半導体装置1一つ一つに個片化する。または、Auスタッドバンプ80を形成した後に個片化してもよい。
【0040】
従って、本実施例による半導体装置1の製造方法、及び半導体装置によれば、第1の金属層31は、開口部42a〜42c以外の面全体が第2の樹脂層41で覆われている。従って、第2の樹脂層41が形成された状態で無電解メッキを用いて第2の金属層51を形成しても、メッキ液が第1の金属層31a,31cと第1の樹脂層20との間に浸透することがなく、Auスタッドバンプ80を形成する第1の金属層31a,31cと第1の樹脂層20の密着性が保持できるという効果がある。
【0041】
また、特許文献1では、主導体層と樹脂層との間に2層のバリアメタルを形成しているが、本実施形態では、第1の金属層31が、第2の樹脂層41で開口部42a,42b,42cを除いて第5の面34(上面)、及び第6の面35(側面)を覆い、無電解メッキで第2の金属層51を形成する方法を採用しているため、従来例より工程を省略することができる。
【0042】
また、第2の樹脂層41に形成される開口部42a,42bがテーパーを有し、半導体素子10の外側方向のテーパー角度θ1が、内側方向のテーパー角度θ2よりも大きくなるよう形成している。このようにすることによって、半導体装置1とセンサー素子100とを接合する場合に流動性を有する接合材を用いる場合に、接合材が半導体素子10のエッジ方向に流れにくくなり、その結果、半導体素子10のベース部分である半導体基板11とのショートを防止することができる。
【0043】
さらに、本実施例では、第1金属層31b及び第2の金属層51bは、センサー素子100を接合したときのレーザー保護層であり、センサー素子100をレーザートリミングをする際に、半導体素子10にダメージを与えることを防止できる。
(実施例2)
【0044】
続いて、実施例2について図面を参照して説明する。実施例2は、前述した実施例1(図1、参照)に対して第2の樹脂層及び第2の金属層の形成領域が異なることに特徴を有する。よって、実施例1との相違箇所を中心に、同じ符号を附して説明する。
図2は、実施例2に係る半導体装置1の製造方法の主たる工程を示す断面図である。ここで、半導体素子10に第1の樹脂層20と第1の金属層31とを形成する工程(図2(a)〜図2(c)、参照)は、実施例1(図1(a)〜図1(c)、参照)と同じである。
【0045】
第1の金属層31を形成後、第1の金属層31の第5の面34と第6の面35とを覆う第2の樹脂層41を形成する(図2(d)、参照)。第2の樹脂層41は、感光性と熱収縮性とを有する樹脂、例えばポリイミド系樹脂を採用し、印刷等の成膜手段を用いて第1の金属層31が露出しないように面全体を覆し、加熱硬化させる。
【0046】
次に、フォトリソ法を用いて第2の樹脂層41に、第1の金属層31の第5の面34を露出する開口部42a,42bを形成する。なお、電極12aと電極12cの位置は実施例1と同じとする。これら開口部42a,42bは、テーパーを有している。
【0047】
開口部42a,42bのテーパー角度は、半導体素子10の外側方向(外周エッジ2方向)のテーパー角度θ1が、半導体素子10の内側方向のテーパー角度θ2よりも大きくなるよう形成する。これらテーパー角度θ1,θ2は、半導体素子10の端部(外周エッジ部)から開口部42a(開口部42bも同様)までの第2の樹脂層の量を、開口部42aから半導体素子10の内側の第2の樹脂層の量よりも少なくした状態で、加熱硬化させることにより形成される。
【0048】
次に、第2の樹脂層41が、第1の金属層31の表面を覆った状態で、開口部42a,42b内に無電解メッキで第2の金属層51を形成する(図2(e)、参照)。第2の金属層51は、Ni/Pd/Auからなる。そして、開口部42a内の第1の金属層31aの表面に第2の金属層51a、開口部42b内の第1の金属層31cの表面に第2の金属層51cが形成される。このようにして、半導体装置1が形成される。
なお、第2の金属層51a,51cは、図示する領域外のテーパー面に形成してもよい。
【0049】
このようにして形成された半導体装置1には、実施例1(図1(f)、参照)と同様にAuスタッドバンプ80が形成される。
【0050】
実施例2では、第2の樹脂層41及び第2の金属層51の形成領域の一部が実施例1と異なるが、実施例1と同様な効果が得られる。
(実施例3)
【0051】
続いて、実施例3について図面を参照して説明する。実施例3は、前述した実施例2(図2、参照)に対して第2の樹脂層の上面にさらに第3の金属層を形成すること、第2の金属層の形成領域が異なることに特徴を有する。よって、実施例2との相違箇所を中心に、同じ符号を附して説明する。
図3は、実施例3に係る半導体装置の製造方法の主たる工程を示す断面図である。ここで、半導体素子10の第1の面10aに第1の樹脂層20と第1の金属層31と第2の樹脂層41を形成する工程(図3(a)〜図3(d)、参照)は、実施例1(図1(a)〜図1(d)、参照)と同じである。
【0052】
第2の樹脂層41には、開口部42a,42b(図2(d)と共通)と、開口部42cを形成する。開口部42cは、第1の金属層31bを露出させる。ここで、第2の樹脂層41の第1の金属層31と対向する面を第7の面43、第7の面43の反対側の面を第8の面44と表す。また、第2の樹脂層41の開口部42a,42bより内側の領域を第2の樹脂層41aと表す。
【0053】
次に、第2の樹脂層41aの第8の面44にレーザー保護層としての第3の金属層60を形成する(図3(e)、参照)。第3の金属層60は第1の金属層31と同様な工程を用いて、第8の面44の上面に形成され、第2の樹脂層41の開口部42cを貫通して第1の金属層31bに電気的に接続される。なお、第3の金属層60は、第1の金属層31を第1の再配置配線としたとき、第2の再配置配線である。ここで、第3の金属層60の第2の樹脂層41の第8の面44と対向する面を第9の面61、第9の面61の反対側の面を第10の面62、第9の面61と第10の面62とを接続する面(側面)を第11の面63と表す。開口部42a,42bは、実施例1及び実施例2と同様なテーパーを有する。
【0054】
次に、第2の金属層51を形成する(図3(f)、参照)。第2の金属層51の形成方法は、前述した実施例1及び実施例2と同様に無電解メッキを用いて行うが、第3の金属層60の第9の面61、第10の面62、第11の面63を覆うと共に、第2の樹脂層41に開口される開口部42a,42b内それぞれの第1の金属層31a,31cの第5の面34に、第2の金属層51a,51bが形成される。
【0055】
このようにして形成された半導体装置1には、実施例1(図1(f)、参照)と同様にAuスタッドバンプ80が形成される。
【0056】
以上説明した実施例3では、第2の樹脂層41の上面に、さらに第3の金属層60を形成し、第2の金属層51を、第3の金属層60の表面全体を覆うように形成することが、実施例1及び実施例2と異なるが、同様な効果を得ることができる。
【0057】
また、レーザー保護層として第3の金属層60を設けることによって、レーザートリミングを行う際の、半導体素子10の保護能力をさらに高めることができる。
(実施例4)
【0058】
続いて、実施例4について図面を参照して説明する。実施例4は、前述した実施例3(図3、参照)に対して第3の金属層を覆う第3の樹脂層を形成することに特徴を有する。よって、実施例3との相違箇所を中心に、同じ符号を附して説明する。
図4は、実施例4に係る半導体装置の製造方法の主たる工程を示す断面図である。ここで、半導体素子10の第1の面10aに第1の樹脂層20と第1の金属層31と第2の樹脂層41と第3の金属層60を形成する工程は、実施例3(図3(a)〜図3(e)、参照)と同じであるため図示、及び説明を省略する。
【0059】
第2の樹脂層41の第8の面44には、レーザー保護層としての第3の金属層60が形成されている(図3(e)、参照)。この状態で、第3の金属層60の第9の面61、第10の面62、第11の面63を覆う第3の樹脂層70を第1の樹脂層20(図1(b)、参照)と同様な方法で形成する(図4(b)、参照)。
【0060】
次に、第2の樹脂層41の開口部42a,42b内に第2の金属層51を実施例2(図2(e)、参照)と同様な方法で形成する(図4(c)、参照)。第2の金属層51は、開口部42a内の第2の金属層51aと、開口部42b内の第2の金属層51cとを有する。
【0061】
このようにして形成された半導体装置1には、実施例1(図1(f)、参照)と同様にAuスタッドバンプ80が形成される。
【0062】
以上説明した実施例4では、第3の金属層60を覆う第3の樹脂層70を形成していることが、実施例3と異なるが、同様な効果を得ることができる。
また、第3の金属層60は電極12bと共に、パターニングにより複数に分割して配置されている。従って、第3の金属層60を第3の樹脂層70で覆うことによって、複数の第3の金属層60間のショート、第3の金属層60と第2の金属層51とのショートを防止できるという効果がある。
(センサーモジュール)
【0063】
次に、センサーモジュールの1例について説明する。
図5は、センサーモジュールの1例を示す断面図である。図5において、センサーモジュール110は、前述した各実施例に記載した半導体装置1にセンサー素子100を突起電極としてのAuスタッドバンプ80を用いて接合された状態でパッケージに格納されている。パッケージは、透光性を有する材料からなるパッケージ本体111と、側壁部113と、金属蓋114によって構成され、これらによって形成される空間115に、半導体装置1とセンサー素子100とが格納されている。
【0064】
図示は省略するが、パッケージ本体111の内底面には内部電極が設けられており、半導体装置1の電極12とワイヤボンディングで接続され、パッケージ本体111の外底面に設けられる外部電極117に接続電極により接続されている。
【0065】
半導体装置1は、センサー素子100が接合された状態でパッケージ本体111に固定されている。なお、センサー素子としては、例えば、加速度感知素子、圧力に反応する圧力感知素子、重さに反応する重量感知素子等が適合可能であるが、以降の説明では、センサー素子として振動ジャイロ素子100を例示して説明する。よって、センサーモジュールはジャイロセンサーモジュールである。
次に、半導体装置1と振動ジャイロ素子100の接合構造について説明する。まず、振動ジャイロ素子100の1例を説明する。
【0066】
図6は、振動ジャイロ素子の概略構成を示す平面図である。図6において、振動ジャイロ素子100は、圧電材料である水晶を基材(主要部分を構成する材料)として形成されている。水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸及び光学軸と呼ばれるZ軸を有している。
そして、振動ジャイロ素子100は、水晶結晶軸において直交するX軸及びY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有している。なお、所定の厚みは、発振周波数(共振周波数)、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。
【0067】
また、振動ジャイロ素子100を成す平板は、水晶からの切り出し角度の誤差を、X軸、Y軸及びZ軸の各々につき多少の範囲で許容できる。例えば、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。Y軸及びZ軸についても同様である。
振動ジャイロ素子100は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(ウエットエッチングまたはドライエッチング)により形成されている。なお、振動ジャイロ素子100は、1枚の水晶ウエハーから複数個取りすることが可能である。
【0068】
図6に示すように、振動ジャイロ素子100は、ダブルT型と呼ばれる構成となっている。
振動ジャイロ素子100は、中心部分に位置する基部108と、基部108からY軸に沿って延伸された振動部としての1対の検出用振動腕101a,101bと、検出用振動腕101a,101bと直交するように、基部108からX軸に沿って延伸された1対の連結腕102a,102bと、検出用振動腕101a,101bと平行になるように、連結腕102a,102bそれぞれの先端側からY軸に沿って延伸された振動部としての各1対の駆動用振動腕103a,103b,104a,104bとを備えている。
【0069】
また、振動ジャイロ素子100は、検出用振動腕101a,101bに、図示しない検出電極が形成され、駆動用振動腕103a,103b,104a,104bに、図示しない駆動電極が形成されている。
振動ジャイロ素子100は、検出用振動腕101a,101bで、角速度を検出する検出振動系を構成し、連結腕102a,102bと駆動用振動腕103a,103b,104a,104bとで、振動ジャイロ素子100を駆動する駆動振動系を構成している。
【0070】
また、検出用振動腕101a,101bのそれぞれの先端部には、重り部105a,105bが形成され、駆動用振動腕103a,103b,104a,104bのそれぞれの先端部には、重り部106a,106b,107a,107bが形成されている。
これにより、振動ジャイロ素子100は、小型化および角速度の検出感度の向上が図られている。
【0071】
略四角形の基部108の各4隅からは、それぞれ連結梁123a,123b,124a,124bが延伸され、連結梁123a,124aの先端部は固定端121で連結されている。また、連結梁123b,124bの先端部は固定端122で連結されている。固定端121,122の図示裏面側には、前述した検出電極または駆動電極が接続される接続電極109が、それぞれ3個ずつ適宜配分配置されている。接続電極109は、半導体装置1に接合する電極であって、半導体装置1に接合したときに振動ジャイロ素子100をバランスよく保持する。連結梁123a,123b,124a,124bは、平面視して波型を有し、梁長を長くすることによって、振動漏れ等を抑制している。
【0072】
次に、半導体装置1と振動ジャイロ素子100との接合構造について図面を参照して説明する。
図7は、半導体装置と振動ジャイロ素子との接合構造を示す部分断面図である。本実施例では、図6に示すように、振動ジャイロ素子100の固定端121,122にはそれぞれ3個ずつの接続電極109が設けられ、半導体装置1には接続電極109に対応する位置にAuスタッドバンプ80が設けられており、これらの接続電極109とAuスタッドバンプ80とを接合する。図7では、そのうちの1箇所を例示して説明する。
【0073】
半導体装置1の開口部42bの内部には導電性ペーストとしてのAgペースト130がディスペンサー等で適量だけ供給されている。その状態で、半導体装置1のAuスタッドバンプ80に接続電極109が位置するように振動ジャイロ素子100を当接させて加熱炉内でAgペースト130を加熱硬化させることにより、半導体装置1と振動ジャイロ素子100とが、電気的及び機械的に接合される。
【0074】
このようにして、接続電極109は、Agペースト130(Auスタッドバンプ80も含んで)第2の金属層51c、第1の金属層31cを介して半導体素子10の電極12cに電気的に接続される。
【0075】
Agペースト130は、加熱硬化時に一時的に流動性が高まり、開口部42bの内部から第2の樹脂層41bの表面に流れ出すことがある。この際、開口部42bの外側方向のテーパー角度θ1が内側方向のテーパー角度θ2よりも大きい(図1(d)、参照)ことから、外側方向へのAgペーストの流れ出しを抑制することできる。このことは、流れ出したAgペースト130が、半導体装置1の外周側面に沿って半導体基板11(電気的にGND)まで達することを防ぐために有効である。
【0076】
次に、振動ジャイロ素子100の動作について説明する。
図8及び図9は、振動ジャイロ素子の動作を説明する模式平面図である。図8は駆動振動状態を示し、図9(a),(b)は、角速度が加わった状態における検出振動状態を示している。なお、図8及び図9において、振動状態を簡易に表現するために、各振動腕は線で表している。
【0077】
図8において、振動ジャイロ素子100の駆動振動状態を説明する。
まず、半導体装置1から駆動信号が印加されることにより、振動ジャイロ素子100は角速度が加わらない状態において、駆動用振動腕103a,103b,104a,104bが矢印Eで示す方向に屈曲振動を行う。この屈曲振動は、実線で示す振動姿態と二点鎖線で示す振動姿態とを所定の周波数で繰り返している。
【0078】
この駆動振動を行っている状態で、振動ジャイロ素子100にZ軸回りの角速度ωが加わると、振動ジャイロ素子100は、図9に示すような振動を行う。
まず、図9(a)に示すように、駆動振動系を構成する駆動用振動腕103a,103b,104a,104b及び連結腕102a,102bには、矢印B方向のコリオリ力が働く。また同時に、検出用振動腕101a,101bは、矢印B方向のコリオリ力に呼応して、矢印C方向に変形する。
【0079】
その後、図9(b)に示すように、駆動用振動腕103a,103b,104a,104b及び連結腕102a,102bには、矢印B’方向に戻る力が働く。また同時に、検出用振動腕101a,101bは、矢印B’方向の力に呼応して、矢印C’方向に変形する。
このように、振動ジャイロ素子100は、この一連の動作を交互に繰り返して新たな振動が励起される。
なお、矢印B,B’方向の振動は、重心Gに対して周方向の振動である。そして、振動ジャイロ素子100は、検出用振動腕101a,101bに形成された検出電極が、振動により発生した水晶の歪を検出することで角速度を求めることができる。
【0080】
上述したセンサーモジュール110は、実施例1〜実施例4に記載の製造方法で製造された半導体装置1を用いていることから、信頼性が高いセンサーモジュールを実現できる。
【0081】
また、半導体装置1と振動ジャイロ素子100との接合は、Auスタッドバンプ80で相互の高さ方向の位置を規制しつつ、Agペースト130を用いて加熱硬化し、電気的接続と機械的接合を行う。この際、半導体素子10の外側方向(エッジ方向)のテーパー角度θ1を、内側方向のテーパー角度θ2よりも大きくすることで、Agペースト130が半導体基板11のエッジ方向に流れにくくなり、その結果、半導体基板11とのショートを防止することができる。よって、工程歩留まりを高めると共に、信頼性が高いセンサーモジュールを実現できる。
【0082】
さらに、振動ジャイロ素子100は、センサーモジュール110の状態でパッケージ本体111側からレーザー光を照射して共振周波数のトリミングを行うが、レーザー光の照射領域には、レーザー保護層が形成されていることから、レーザー光照射に起因する半導体素子10へのダメージを防止できる。
【0083】
なお、本実施例のセンサーモジュール110は、振動ジャイロ素子100を1個備える構成を例示したが、図示した振動ジャイロ素子100(第1の振動ジャイロ素子)に直交する第2の振動ジャイロ素子を備える2軸センサーモジュール、第1の振動ジャイロ素子及び第2の振動ジャイロ素子と直交する第3の振動ジャイロ素子を備える3軸センサーモジュールとすることが可能である。
(電子機器)
【0084】
次に、上述したセンサーモジュール110を用いた電子機器について説明する。なお、図面は省略する。
電子機器として用いるセンサー素子としては、例えば、上述した振動ジャイロ素子、加速度センサー素子、重量感知素子、水晶振動子、弾性表面波素子(SAW)、MEMS構造体、等があり、これらは、その機能によって、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、等に採用可能である。そして、小型で信頼性の高いセンサーモジュールを用いることで、電子機器の小型化、高信頼性を実現できる。
【符号の説明】
【0085】
1…半導体装置、10…半導体素子、10a…第1の面、12…電極、20…第1の樹脂層、22…第2の面、23…第3の面、31…第1の金属層、33…第4の面、34…第5の面、35…第6の面、41…第2の樹脂層、42…開口部、51…第2の金属層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、前記第1の面に位置する電極とを有する半導体素子を準備する工程と、
前記電極を含む前記第1の面に、第1の樹脂層を形成する工程と、
前記電極と電気的に接続し、前記第1の樹脂層の前記半導体素子と対向する第2の面とは反対側の第3の面に第1の金属層を形成する工程と、
前記第1の金属層の前記第1の樹脂層と対向する第4の面と前記第4の面の反対側の第5の面を接続する第6の面と、前記第5の面と、を覆う第2の樹脂層を形成する工程と、
前記第2の樹脂層に前記第5の面を露出する開口部を設ける工程と、
前記第2の樹脂層が、前記第6の面を覆った状態で、前記開口部内に無電解メッキで第2の金属層を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記開口部が前記第5の面から拡がるテーパーを有し、
前記半導体素子の外側方向のテーパー角度が、前記半導体素子の内側方向のテーパー角度よりも大きくなるよう形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記テーパーは、前記半導体素子の端部から前記開口部までの前記第2の樹脂層の量を、前記開口部から前記半導体素子の内側の前記第2の樹脂層の量よりも少なくした状態で、加熱硬化させることにより形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
第1の面と、前記第1の面に位置する電極を有する半導体素子と、
前記第1の面に位置する第1の樹脂層と、
前記電極と電気的に接続され、前記第1の樹脂層の前記半導体素子と対向する第2の面とは反対側の第3の面に位置する第1の金属層と、
前記第1の金属層の前記第1の樹脂層と対向する第4の面と前記第4の面の反対側の第5の面とを接続する第6の面と、前記第5の面と、を覆い、且つ、前記第5の面の一部を露出する開口部を有する第2の樹脂層と、
前記開口部の内部に無電解メッキで形成される第2の金属層と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記開口部が前記第5の面から拡がるテーパーを有し、
前記半導体素子の外側方向のテーパー角度が、前記半導体素子の内側方向のテーパー角度よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
第1の面と、前記第1の面に位置する電極を有する半導体素子と、前記第1の面に位置する第1の樹脂層と、前記電極と電気的に接続され、前記第1の樹脂層の前記半導体素子と対向する第2の面とは反対側の第3の面に位置する第1の金属層と、前記第1の金属層の前記第1の樹脂層と対向する第4の面と、前記第4の面の反対側の第5の面とを接続する第6の面と、前記第5の面とを覆い、且つ、前記第5の面の一部を露出する開口部を有する第2の樹脂層と、前記開口部の内部に無電解メッキで形成される第2の金属層と、を有する半導体装置と、
前記開口部の内部において、前記第2の金属層と接続される突起電極と、
前記突起電極の前記第2の金属層と対向する面とは反対側に位置し、前記突起電極と当接する位置に配設される接続電極を有するセンサー素子と、
前記第2の金属層と前記接続電極とが導電性ペーストで電気的に接続されていることを特徴とするセンサーモジュール。
【請求項7】
請求項6に記載のセンサーモジュールを有することを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−79753(P2012−79753A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220808(P2010−220808)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】