説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】導電箔とその保護膜が形成された絶縁基材に対して平行に半導体チップを固着し、熱膨張による応力を起因とした半導体装置の損傷の防止を図る。
【解決手段】絶縁基材11の表面上に導電箔12が配置され、導電箔12を覆って、その一部を露出する複数の第1の開口部17A、及び複数の第2の開口部17Bを有する保護膜17が配置されている。各第1の開口部17Aで露出する導電箔12の表面上に導電突起体14が配置される。表面に複数のパッド電極12を有した半導体チップ20は、その裏面が複数の導電突起体14と対向するように、ダイボンドペースト15を介して保護膜17上に固着される。各第2の開口部17Bで露出する導電箔12は、それぞれボンディングワイヤを介してパッド電極21と接続される。絶縁基材11の表面上の半導体チップ20等は、封止材16に覆われて封止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、絶縁基材に導電箔の配線パターンとその保護膜が形成された基板上において半導体チップが封止材により封止されてなる半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IC(Integrated Circuit)などの半導体チップをエポキシ樹脂等の封止材で封止した半導体装置が開発されている。この半導体装置の1つとして、絶縁基材に導電箔の配線パターンとその保護膜が形成されてなる基板(例えばプリント基板)において、半導体チップが封止材により封止されるタイプがある。
【0003】
図5は、このタイプの半導体装置の構造の一例を簡略して示す断面図である。基板110を構成する絶縁基材111(例えばエポキシ樹脂を含む材料からなる)には、ビアホール111Aを通して絶縁基材111の表面及び裏面に延びる導電箔112が配置されている。導電箔112は、例えばメッキ法等により形成された銅箔であり、配線パターンとしてパターニングされている。絶縁基材111の表面には、導電箔112を覆って、いわゆるソルダーレジスト(例えば熱硬化性エポキシ樹脂)からなる第1の保護膜117が配置されている。第1の保護膜117には、ワイヤボンディング等が必要な箇所に、導電箔112の一部を露出する複数の開口部117Aが設けられている。絶縁基材111の裏面にも、第1の保護膜117と同様の材料からなる第2の保護膜118が配置されている。第2の保護膜118には、外部との接続が必要となる箇所に、導電箔112の一部を露出する複数の開口部118Cが設けられている。
【0004】
IC等の半導体チップ120は、その表面にパッド電極121を有している。半導体チップ120は、その裏面を基板110の第1の保護膜117と対向させて、接着層となるダイボンドペースト115を介して、基板110上に固着(即ちダイボンド)されている。
【0005】
半導体チップ120の表面のパッド電極121と、第1の保護膜117の開口部117Aで露出する導電箔112は、ボンディングワイヤ113(例えば金を含む材料からなる金属細線)を介して電気的に接続(即ちワイヤボンディング)されている。そして封止材(例えば樹脂パッケージ)116が、絶縁基材11の表面上の導電箔12、第1の保護膜17、半導体チップ20、複数のボンディングワイヤ13を覆って、これらを封止している。
【0006】
絶縁基材に導電箔の配線パターンとその保護膜が形成された基板上で、半導体チップが封止材により封止されてなる半導体装置については、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−152372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記絶縁基材111の表面側で導電箔112を覆う第1の保護膜117は、配線パターンとしてパターニングされた導電箔112の凹凸に応じて、凹凸や傾斜を有して形成されてしまう。つまり第1の保護膜117の表面は、絶縁基材111の表面に対して平行あるいは略平行な平坦面とはならない。この第1の保護膜117の凹凸や傾斜によって、図5に示すように、半導体チップ120は絶縁基材111の表面に対して平行あるいは略平行に載置されず(即ち一定の離間距離が保たれず)、傾いた状態で固着されやすくなっていた。
【0009】
半導体装置の使用時等においてジュール熱が生じると、半導体チップ120の基板(例えばシリコン基板)、絶縁基材111、導電箔112、第1の保護膜117等は、それぞれの異なる熱膨張係数に応じて熱膨張し、その熱膨張の差異によって機械的応力が生じる。そして上述した半導体チップ120の傾きの影響によって、上記機械的な応力が半導体装置において局所的に集中しやすくなり、当該箇所に、導電膜112の剥離や第1の保護膜117の剥離等の損傷が生じるおそれがあった。
【0010】
そこで本発明は、導電箔の配線パターンとその保護膜が形成された絶縁基材に対して平行に半導体チップを固着して、熱膨張による応力を起因とした半導体装置の損傷の防止を図る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の半導体装置は、絶縁基材と、前記絶縁基材の表面上に配線パターンとして配置された導電箔と、前記導電箔の一部を露出する複数の第1の開口部、及び複数の第2の開口部を有し、前記導電箔を含む前記絶縁基材の表面を覆う保護膜と、前記複数の第1の開口部で露出する前記導電箔の表面上に配置された複数の導電突起体と、表面に複数のパッド電極を有し、裏面が前記複数の導電突起体と対向して直接接するように、ダイボンドペーストを介して前記保護膜上に固着された半導体チップと、前記複数の第2の開口部で露出する前記導電箔と前記複数のパッド電極をそれぞれ接続する複数のボンディングワイヤと、前記絶縁基材の表面上の前記導電箔、前記保護膜、前記半導体チップ、前記複数のボンディングワイヤを覆って封止する封止材と、を備え、前記複数の第1の開口部において、前記導電箔と前記導電突起体からなる積層体は、前記半導体チップを前記絶縁基材の表面に対して平行に支持する高さを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、表面に配線パターンとして導電箔が形成され、前記導電箔の一部を露出する複数の第1の開口部及び複数の第2の開口部を有して前記導電箔を覆う保護膜が形成された絶縁基材と、表面に複数のパッド電極を有した半導体チップと、を準備し、前記複数の第1の開口部で露出する前記導電箔の表面上に複数の導電突起体を形成する工程と、前記導電突起体の形成工程の後、前記保護膜上にダイボンドペーストを形成する工程と、前記ダイボンドペーストの塗布工程の後、前記半導体チップを、その裏面が前記複数の導電突起体と対向して直接接するように前記保護膜上に圧着し、前記ダイボンドペーストを介して固着する工程と、ワイヤボンダーによって形成される複数のボンディングワイヤを介して、前記複数の第2の開口部で露出する前記導電箔と前記複数のパッド電極をそれぞれ接続する工程と、前記絶縁基材の表面上の前記導電箔、前記保護膜、前記半導体チップ、前記複数のボンディングワイヤを、封止材で覆って封止する工程と、を備え、前記複数の第1の開口部において、前記導電箔と前記導電突起体からなる積層体は、前記半導体チップを前記絶縁基材の表面に対して平行に支持する高さを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、導電箔とその保護膜が形成された絶縁基材において、導電箔の表面に複数の導電突起体を形成することで、絶縁基材に対して平行に半導体チップを固着することができる。これにより、熱膨張による応力を起因とした半導体装置の損傷の防止を図る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態による半導体装置を説明する平面図である。
【図2】本発明の実施形態による半導体装置を説明する断面図である。
【図3】導電突起体の断面形状を説明する図である。
【図4】導電突起体の断面形状を説明する図である。
【図5】従来例による半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態による半導体装置について、図面を参照して説明する。図1は、この半導体装置の平面図であり、主要な構成要素のみを図示している。図2は、図1のX−X線における断面図である。
【0016】
最初に、半導体装置の概略構成について説明する。図1及び図2に示すように、基板10を構成する絶縁基材11(例えばエポキシ樹脂を含む材料からなる)には、複数のビアホール11Aが設けられ、ビアホール11Aを通して絶縁基材11の表面及び裏面に延びる導電箔12が配置されている。導電箔12は、例えばメッキ法等により形成された銅箔であり、配線パターンとしてパターニングされている。導電箔12は、いずれの配線パターンにおいても、全て同一あるいは略同一の厚さを有している。
【0017】
絶縁基材11の表面には、導電箔12を覆って、いわゆるソルダーレジスト(例えば熱硬化性エポキシ樹脂)からなる第1の保護膜17が配置されている。第1の保護膜17には、ワイヤボンディング等が必要な箇所に、導電箔12の一部を露出する複数の第1の開口部17A、及び複数の第2の開口部17Bが設けられている。複数の第2の開口部17Bは、絶縁基材11の周端部に沿って配置されており、複数の第1の開口部17Aは、複数の第2の開口部17Bの形成領域よりも内側に配置されている。
【0018】
また、絶縁基材11の裏面にも、導電箔12を覆って、第1の保護膜17と同様の材料からなる第2の保護膜18が配置されている。第2の保護膜18には、外部との接続が必要となる箇所に、導電箔12の一部を露出する複数の第3の開口部18Aが設けられている。
【0019】
複数の第1の開口部17Aで露出する各導電箔12の表面上には、互いに同一あるいは略同一の高さを有した複数の導電突起体14がそれぞれ形成されている。複数の導電突起体14は、それらの形状についても同一あるいは略同一であることが好ましい。
【0020】
そして、第1の保護膜17の表面上には、IC等の半導体チップ20が、その裏面が複数の導電突起体14と対向して直接接するように、接着層となるダイボンドペースト15(例えば、エポキシ等を含む絶縁性ペーストや、銀粒子等を含む導電性ペーストなど)を介して固着(即ちダイボンド)されている。
【0021】
第1の半導体チップ20は、その内部に、例えばトランジスタ等を含む集積回路を有し、周端部20Eに沿った表面に複数のパッド電極21を有している。各パッド電極21は、ボンディングワイヤ13(例えば金を含む金属材料からなる金属細線)を介して、各第2の開口部17Bで露出する導電箔12と接続される。
【0022】
他方、半導体チップ20の裏面には、裏面電極22(例えば銅を含む金属層からなる)が配置されている。ただし、半導体チップ20の裏面は平坦化か略平坦であるものとし、その裏面で裏面電極22が平坦か略平坦に形成されているものとする。裏面電極22は、半導体チップ20の裏面の全面あるいは略全面に形成されることが好ましい。この裏面電極22の表面(下面)と、導電突起体14の上端は、直接接している。半導体チップ20、あるいはその集積回路は、裏面電極22、導電突起体14、導電箔12(ビアホール11Aを通して絶縁基材11の表面及び裏面に延びる)を介することで、接地電位または電源電位の供給を受けることができる。
【0023】
絶縁基材11の表面上の導電箔12、第1の保護膜17、半導体チップ20、複数のボンディングワイヤ13は、絶縁性の封止材16(例えば樹脂パッケージ)に覆われて封止されている。
【0024】
なお、第1の開口部17A、その第1の開口部17Aで露出する導電箔12、及びその導電箔12に形成される導電突起体14は、半導体チップ20が固着される領域の周端部に沿って、あるいはその周端部の近傍に沿って配置されることが好ましい。
【0025】
それらの配置の一例として、図1及び図2では、半導体チップ20が平面的に矩形状であるものとし、半導体チップ20が固着される領域の四隅に導電突起体14が配置された場合を示している。複数の導電突起体14(及びそれに対応する第1の開口部17Aと導電箔12)の配置箇所は、3箇所以上であれば、図1及び図2の例に限定されず、半導体チップ20の大きさ等に対応して適宜変更されてもよい。
【0026】
上記構成によれば、半導体チップ20は、同一あるいは略同一の高さを有した複数の導電突起体14によって支持されることで、導電箔12の表面に対して平行あるいは略平行に、即ち導電箔12の表面と一定の離間距離D1を保って、第1の保護膜17上に固着される。また、各導電箔12の厚さは、いずれの配線パターンにおいても同一あるいは略同一であることから、半導体チップ20は絶縁基材11に対しても平行あるいは略平行に固着される。つまり、複数の第1の開口部17Aの全てにおいて、導電箔12と導電突起体14からなる積層体は、半導体チップ20を絶縁基材12の表面に対して平行あるいは略平行に支持する高さを有する。
【0027】
そして、半導体装置の使用時等においてジュール熱が生じた場合、半導体チップ20の基板(例えばシリコン基板)、絶縁基材11、導電箔12、第1の保護膜17は、それぞれの異なる熱膨張係数に応じて熱膨張し、その熱膨張の差異によって機械的応力が生じても、半導体チップ20は、複数の導電突起体14に支持され絶縁基材11に対して平行あるいは略平行に固着されているため、上記機械的応力は、局所的に集中することなく、均等に分散しやすくなる。これにより、半導体装置において上記機械的応力を起因とする導電膜12の剥離や第1の保護膜17の剥離等の損傷を防止することができる。
【0028】
また、半導体チップ20に生じたジュール熱は、導電突起体14を通して効率よく導電箔12に伝わって放出されるため、ジュール熱の影響を極力小さくすることができる。特に、半導体チップ20の発熱しやすい領域、例えばトランジスタの形成領域と重畳する領域に、複数の導電突起体14のうちの少なくとも一部を配置すれば、上述した熱放出効果をより確実に高めることができる。
【0029】
以下に、上述した導電突起体14の詳細について説明する。導電突起体14の形状は、図3(A)の断面図の示すように、その下端部14A(導電箔12の表面と接する側の端)は平坦面となっている。さらに、導電突起体14の上端部14Bも、導電箔12の表面に対して平行あるいは略平行な平坦面を有することが好ましい。この上端部14Bの平坦面が半導体チップ20の裏面側(即ち裏面電極22)と接することで、半導体チップ20は、より確実に、導電箔12上で安定的に支持されると共に、導電箔12の表面と絶縁基材11の表面に対する平行性が高められる。
【0030】
また、この構成によれば、導電突起体14と半導体チップ20の接触面積、及び導電突起体14と導電箔12の接触面積が広がることから、半導体チップ20に生じたジュール熱を、導電突起体14を通して、より効率よく導電箔12に放出することができる。
【0031】
導電突起体14は、好ましくは、ボンディングワイヤ13の形成装置、つまりワイヤボンダーを用いて形成される。即ち、導電突起体14は、基本的には、ワイヤボンダーが溶融した金属材料を球状体として、第1の開口部17Aで露出する導電箔12の表面上に点状に溶着し、所定の圧力で押し付けることで形成される。
【0032】
導電突起体14の金属材料は、ワイヤボンダーで使用できるものであれば特に限定されないが、良好な導電性と熱伝導性を得るためには、例えば金を含むもの、あるいは銅を含むものであることが好ましい。製造プロセスの簡略化が要求される場合、導電突起体14の金属材料は、ボンディングワイヤ13と同一の金属材料を用いることができる。
【0033】
導電突起体14の上端部14Bの平坦面は、溶融した金属材料を球状体として導電箔12の表面上に点状に溶着して所定の圧力で押し付けた後に、ワイヤボンダーの金属材料の吐出口を導電箔12の表面と平行な方向、あるいは絶縁基材11の表面と平行な方向に高速でスライドさせるという、ワイヤボンダーの動作モードによって形成することができる。
【0034】
導電突起体14の導電箔12からの高さH1は、ワイヤボンダーが金属材料の吐出量、押し付け時の圧力、吐出口の動作等のパラメータを制御することで、例えば約20μm〜150μmの範囲で設定することができる。この導電突起体14の高さH1が、導電箔12と半導体チップ20の間の一定の離間距離D1を決定する。
【0035】
なお、各導電突起体14の導電箔12からの高さH1は、理想的には全て同一であることが好ましいが、実際のプロセスで形成される各導電突起体14の高さH1は、加工精度による僅かな誤差を含む。この誤差は、ワイヤボンダーを形成装置として用いることによって極めて小さくできる。例えば高さH1が約20μmで設定された場合の誤差は約2μm以下、高さH1が約150μmで設定された場合の誤差は約15μm以下とすることができる。つまり、高さH1の誤差を設定値の約10%以下に抑えることができる。この程度の高さH1の誤差は、本発明が奏する効果について影響を与えるものではない。
【0036】
下端部14Aの径R1と上端部14Bの径R2は、ワイヤボンダーが金属材料の吐出量、押し付け時の圧力、吐出口の動作等のパラメータを制御することで、例えば約15μm〜100μmの範囲で設定することができる。このとき、下端部14Aの径R1を、上端部14Bの径R2よりも大きく設定することで、下端部14Aと導電箔12の密着性を高めることができ、また、その下端部14Aの高い密着性により、導電箔12の表面に対する平行性を劣化させることなく、上端部14Bの平坦面を形成しやすくなる。
【0037】
さらに上記構成の変形例として、導電突起体14は、図3(B)に示すように、ワイヤボンダーによって2段に積層して形成することもできる。このような導電突起体14の積層構造によれば、その高さH1を大きくすることができるため、導電箔12と半導体チップ20の離間距離D1も大きくすることができる。
【0038】
なお、導電突起体14は、全て同一あるいは略同一の高さH1を有していれば、上記以外の形状で形成されてもよい。例えば、図4(A)に示すように上端部14Bが上方に突出し、その先端が尖っていてもよく、また、図4(B)に示すように上端部14Bが上方に突出し、その先端が平坦面となるものであってもよい。これらの形状は、ワイヤボンダーの動作モードに応じて適宜選択することができる。
【0039】
以下に、上述した半導体装置の製造方法について説明する。最初に、絶縁基材11に導電箔12、第1の保護膜17、及び第2の保護膜18が形成された基板10を準備する。第1の保護膜17には、導電箔12の一部を露出する複数の第1の開口部17A及び複数の第2の開口部17Bが設けられている。この基板10において、上述したように、好ましくはワイヤボンダーにより、複数の第1の開口部17Aで露出した導電箔12の表面上に複数の導電突起体14を形成する。
【0040】
この導電突起体14の形成工程の後、第1の保護膜17上にダイボンドペースト15を塗布する。ダイボンドペースト15は、例えばマルチニードルによって、点状に塗布されてもよいし、ライン状に塗布されてもよい。
【0041】
その後、半導体チップ20を、その裏面が導電突起体14と対向して直接接するように、第1の保護膜17の表面上に圧着し、ダイボンドペースト15を介して固着する。
【0042】
次に、ワイヤボンダーによって、各第2の開口部17Bで露出する導電箔12と各パッド電極21を接続する複数のボンディングワイヤ13を形成し、さらに、
絶縁基材11の表面上の導電箔12、第1の保護膜17、半導体チップ20、複数のボンディングワイヤ13を、封止材16で覆って封止する。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で変更が可能なことは言うまでもない。例えば、上記実施形態の導電突起体14は、導電箔12の表面上に形成されるもとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、各第1の開口部で露出する導電箔12上に、さらに、互いに同一の厚さを有した導電膜がそれぞれ積層され、その積層された導電膜の表面上に、導電突起体14がそれぞれ形成されてもよい。あるいは、導電突起体14は、上記効果を損なうことなく形成できる箇所であれば、導電箔12の表面上以外、例えば他の電極や金属層の表面上に形成されてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、半導体チップ20の裏面には、裏面電極22が形成されるものとしたが、この裏面電極22は必ずしも形成されなくてもよい。この場合、導電突起体14と直接接する半導体チップ20の裏面、あるいは他の構成物は平坦面を有していればよい。
【0045】
また、上記実施形態では、導電突起体14は、ワイヤボンダーを用いて形成されるものとしたが、これ以外の方法で形成されてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 基板 11 絶縁基材
12 導電箔(配線パターン) 13 ボンディングワイヤ
14 導電突起体 15 ダイボンドペースト
16 封止材 17 第1の保護膜
17A 第1の開口部 17B 第2の開口部
18 第2の保護膜 20 半導体チップ
21 パッド電極 22 裏面電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基材と、
前記絶縁基材の表面上に配線パターンとして配置された導電箔と、
前記導電箔の一部を露出する複数の第1の開口部、及び複数の第2の開口部を有し、前記導電箔を含む前記絶縁基材の表面を覆う保護膜と、
前記複数の第1の開口部で露出する前記導電箔の表面上に配置された複数の導電突起体と、
表面に複数のパッド電極を有し、裏面が前記複数の導電突起体と対向して直接接するように、ダイボンドペーストを介して前記保護膜上に固着された半導体チップと、
前記複数の第2の開口部で露出する前記導電箔と前記複数のパッド電極をそれぞれ接続する複数のボンディングワイヤと、
前記絶縁基材の表面上の前記導電箔、前記保護膜、前記半導体チップ、前記複数のボンディングワイヤを覆って封止する封止材と、を備え、
前記複数の第1の開口部において、前記導電箔と前記導電突起体からなる積層体は、前記半導体チップを前記絶縁基材の表面に対して平行に支持する高さを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記保護膜は有機樹脂を含むソルダーレジストであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記絶縁基板を貫通するビアホールを備え、前記導電箔は前記ビアホールを通して前記絶縁基材の裏面上に延在することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記導電箔は、銅を含む金属材料を用いたメッキ膜からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
表面に配線パターンとして導電箔が形成され、前記導電箔の一部を露出する複数の第1の開口部及び複数の第2の開口部を有して前記導電箔を覆う保護膜が形成された絶縁基材と、表面に複数のパッド電極を有した半導体チップと、を準備し、
前記複数の第1の開口部で露出する前記導電箔の表面上に複数の導電突起体を形成する工程と、
前記導電突起体の形成工程の後、前記保護膜上にダイボンドペーストを形成する工程と、
前記ダイボンドペーストの塗布工程の後、前記半導体チップを、その裏面が前記複数の導電突起体と対向して直接接するように前記保護膜上に圧着し、前記ダイボンドペーストを介して固着する工程と、
ワイヤボンダーによって形成される複数のボンディングワイヤを介して、前記複数の第2の開口部で露出する前記導電箔と前記複数のパッド電極をそれぞれ接続する工程と、
前記絶縁基材の表面上の前記導電箔、前記保護膜、前記半導体チップ、前記複数のボンディングワイヤを、封止材で覆って封止する工程と、を備え、
前記複数の第1の開口部において、前記導電箔と前記導電突起体からなる積層体は、前記半導体チップを前記絶縁基材の表面に対して平行に支持する高さを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記導電突起体を形成する工程は、前記ワイヤボンダーにより、溶融した金属材料を前記第1の開口部で露出する前記導電箔の表面上に点状に溶着する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−110188(P2013−110188A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252411(P2011−252411)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(300057230)セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (119)
【Fターム(参考)】