説明

半導体装置及び無線通信システム

【課題】振幅変調モードと周波数変調モードを切り替える構成を提供すること。
【解決手段】振幅変調モードまたは周波数変調モードを選択する変調モード選択信号、及びマンチェスタ符号化された情報が入力され、第1のリセット信号及び第2のリセット信号を出力するリセットコントロール回路と、搬送波が入力され、第1のリセット信号に応じて、振幅変調モードに対応した副搬送波または周波数変調モードに対応した周波数変調信号を出力する第1の分周回路と、第2のリセット信号、及び第1の分周回路の出力に応じて、振幅変調モードと周波数変調モードとでデューティー比の異なる基本クロックを出力する第2の分周回路と、第1の分周回路からの出力、及びマンチェスタ符号化された情報が入力され、変調モード選択信号に応じて、振幅変調信号または周波数変調信号を出力するASK・FSK切り替え部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信によりデータの入出力が可能な半導体装置に関する。また、前記半導体装置と、無線通信によってデータの入出力を行うリーダ/ライタとを有する無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
個々の対象物にID(個体識別番号)を与えることで、その対象物の履歴を明確にし、生産、管理等に役立てるといった個体認識技術が注目されている。その中でも、無線タグ等の無線通信によりデータの入出力を行う半導体装置を用いたRFID(Radio Friquency Identification)技術が利用され始めている。無線タグは、ICタグ、ICチップ、RF(Radio Frequency)タグ、RFIDタグ、電子タグ、トランスポンダとも呼ばれる。
【0003】
半導体装置において、無線通信によるデータの入出力は、メモリに記憶されたデータを符号化し、符号化された情報に応じて搬送波を変調するための信号を作成し、当該信号に応じて搬送波を負荷変調し、アンテナから変調された搬送波を送信することで行われる。搬送波を変調する方式は複数あり、複数の変調方式を切り替えて動作させる半導体装置が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、位相変調(PSK:Phase Shift Keying)方式と周波数変調(FSK:Frequency Shift Keying)方式とを切り替えて動作させる半導体装置が記載されている。特許文献1に記載された半導体装置の構成を図10に模式的に示す。図10の半導体装置は、PSK回路1001と、FSK回路1002と、メモリ1003と、第1のスイッチ1004と、第2のスイッチ1005とを有する。PSKを行う場合(以下、PSKモード、位相変調モードともいう)、メモリ1003から出力されたデータは、第1のスイッチ1004を介してPSK回路1001に入力される。PSK回路1001はメモリ1003から出力されたデータを符号化し、符号化された情報に応じて搬送波を位相変調するための信号(以下、位相変調信号ともいう)を作成し、当該信号を用いて搬送波1006を負荷変調する。当該負荷変調された搬送波は第2のスイッチ1005を介して出力される(出力1008)。出力1008はアンテナへ入力され、アンテナから送信される。一方、FSKを行う場合(以下、FSKモード、周波数変調モードともいう)、メモリ1003から出力されたデータは、第1のスイッチ1004を介してFSK回路1002に入力される。FSK回路1002はメモリ1003から出力されたデータを符号化し、符号化された情報に応じて搬送波を周波数変調するための信号(以下、周波数変調信号ともいう)を作成し、当該信号を用いて搬送波1006を負荷変調する。当該負荷変調された搬送波は第2のスイッチ1005を介して出力される(出力1008)。出力1008はアンテナへ入力され、アンテナから送信される。
【0005】
つまり、図10に示した半導体装置では、PSK方式を行うための信号を作成する回路(PSK回路1001)と、FSK方式を行うための信号を作成する回路(FSK回路1002)とを各々独立に設けている。そして、切り替え信号1007、第1のスイッチ1004及び第2のスイッチ1005によって、PSK回路1001またはFSK回路1002のどちらの回路を用いるかを選択している。
【特許文献1】特開平7−200749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の半導体装置では、複数の変調方式を切り替えて通信を行う場合に、複数の変調方式各々に対応した回路を独立に設け、複数の回路を切り替えて用いていた。そのため、半導体装置の回路規模が大きくなっていた。回路規模が大きくなると、配線の引き回しが長くなり、歩留まりが低下する。また、1枚の基板に形成することができる半導体装置の数が減り、製造コストが高くなる。更に、消費電力が増大する。
【0007】
上記の実情に鑑み、無線通信によりデータの入出力が可能で、且つ複数の変調方式を切り替えて動作させる半導体装置において、回路規模を小さくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述した課題を解決するために、無線通信によりデータの入出力を行う半導体装置において、以下の構成を特徴とし、振幅変調(ASK:Amplitude Shift Keying)方式と周波数変調(FSK)方式とを切り替えて動作させる。
【0009】
半導体装置は、第1の分周回路と、第2の分周回路と、ASK・FSK切り替え部と、リセットコントロール回路とを有する。リセットコントロール回路は、振幅変調モードまたは周波数変調モードを選択する変調モード選択信号、及びマンチェスタ符号化された情報が入力され、第1のリセット信号及び第2のリセット信号を出力する。第1の分周回路は、搬送波が入力され、第1のリセット信号に応じて、振幅変調モードに対応した副搬送波または周波数変調モードに対応した周波数変調信号を出力する。第2の分周回路は、第2のリセット信号、及び第1の分周回路の出力に応じて、振幅変調モードと周波数変調モードとでデューティー比の異なる基本クロック信号を出力する。ASK・FSK切り替え部は、第1の分周回路からの出力、及びマンチェスタ符号化された情報が入力され、変調モード選択信号に応じて、振幅変調信号または周波数変調信号を出力する。
【0010】
なお、振幅変調モードとは振幅変調を行う場合のことである。また、周波数変調モードとは周波数変調を行う場合のことである。変調モード選択信号とは、振幅変調モードか周波数変調モードかを選択する信号のことである。周波数変調信号とは、符号化された情報に応じて搬送波を周波数変調するための信号のことである。振幅変調信号とは、符号化された情報に応じて搬送波を振幅変調するための信号のことである。
【0011】
上記構成の半導体装置において、データの伝送速度を複数段階に設定する構成を設けても良い。例えば、第1の分周回路の出力が入力され、第2の分周回路に基本クロック制御信号を出力する低速・高速切り替え部を有していてもよい。基本クロック制御信号が入力された第2の分周回路は、選択されたデータの伝送速度に応じて周期の異なる基本クロック信号を出力する。こうして、第2の分周回路は、第2のリセット信号、及び基本クロック制御信号に応じて、振幅変調モードと周波数変調モードとでデューティー比が異なり、且つデータの伝送速度に応じて周期の異なる基本クロック信号を出力する。
【0012】
更に、ASK・FSK切り替え部は、ASK信号生成部と出力信号切り替え部とを有していてもよい。ASK信号生成部は、第1の分周回路から出力される振幅変調モードに対応した副搬送波または周波数変調モードに対応した周波数変調信号と、マンチェスタ符号化された情報とが入力される。こうして、ASK信号生成部は、振幅変調モードに対応した副搬送波と前記マンチェスタ符号化された情報とを演算処理することによって振幅変調信号を出力する。または、ASK信号生成部は、周波数変調信号を出力する。出力信号切り替え部は、ASK信号生成部からの出力、及び変調モード選択信号が入力される。こうして、出力信号切り替え部は、変調モード選択信号に応じて、振幅変調信号または周波数変調信号を切り替えて出力する。
【0013】
なお、リセットコントロール回路には、第1の分周回路から制御信号が入力され、第2の分周回路からカウント信号が入力されてもよい。
【0014】
また、半導体装置は、符号化回路と、SOF・EOF追加回路とを有していてもよい。ここで、SOFとは、Start Of Frameであり、フレーム開始信号である。EOFとは、End Of Frameであり、フレーム終了信号である。符号化回路は、フラグ、DSFID、UID、CRCの各データが順に入力され、マンチェスタ符号化して順に出力する。DSFIDは、Data Storage Format Identifierであり、データ記憶形式識別子である。UIDは、Unique Identifierであり、固有識別子である。CRCは、Cyclic Redundancy Checkであり、巡回冗長検査の結果データである。SOF・EOF追加回路は、符号化回路の出力が入力され、符号化回路の出力にSOFとEOFを追加してマンチェスタ符号化された情報を生成し、当該マンチェスタ符号化された情報を出力する。
【0015】
更に、半導体装置は変調回路を有していてもよい。変調回路は、振幅変調信号または周波数変調信号が入力され、振幅変調信号または周波数変調信号によって搬送波を負荷変調する。
【0016】
半導体装置は、アンテナと、変調回路を有していてもよい。変調回路は、振幅変調信号または周波数変調信号が入力され、振幅変調信号または周波数変調信号によって搬送波を負荷変調する。アンテナは、前記負荷変調された搬送波を送信する。
【0017】
更に、本発明は、半導体装置と、半導体装置と無線通信によってデータの入出力を行うリーダ/ライタとを有する無線通信システムであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
上記構成によって、振幅変調方式と周波数変調方式を切り替える構成の半導体装置において、振幅変調方式を行うための信号を作成する回路と周波数変調方式を行うための信号を作成する回路を共有することができる。具体的には、副搬送波を作成する分周回路(第1の分周回路)と当該副搬送波に応じてデューティー比の異なる基本クロック信号を出力する回路(第2の分周回路)とを共有することができる。また、選択されたデータの伝送速度に対応して基本クロック信号の周期を変化させる回路(低速・高速切り替え部)も共有することができる。更に、振幅変調信号または周波数変調信号に応じて、搬送波を負荷変調する変調回路も共有することができる。
【0019】
こうして、無線通信によりデータの入出力が可能で、且つ複数の変調方式を切り替えて動作させる半導体装置において、回路規模を小さくすることができる。従って、配線の引き回しを短くし、歩留まりを向上させることができる。また、1枚の基板に形成することができる半導体装置の数を増やし、製造コストを低く抑えることができる。更に、消費電力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更しうることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。また、本発明において、接続されているとは電気的に接続されていることと同義である。したがって、間に別の素子などが配置されていてもよい。
(実施の形態1)
【0021】
本実施の形態1では、本発明の無線通信によりデータの入出力が可能な半導体装置の構成及びその動作について、図1乃至図9を用いて説明する。
【0022】
図2に、本発明の半導体装置(図2中、無線タグ200と表記)の構成を示す。また、無線タグ200と、無線タグ200と無線通信によってデータの入出力を行うリーダ/ライタ201とを有する無線通信システムの構成を示す。無線タグ200は、アンテナ202と、アンテナ202と信号の送受信を行う回路部203とを有する。リーダ/ライタ201は、アンテナ206と、アンテナ206と信号の送受信を行う回路部207とを有する。無線タグ200とリーダ/ライタ201とは、アンテナ202とアンテナ206とによって、変調された搬送波211(無線信号ともいう)を送受信することによりデータの入出力を行う。回路部203は、アナログ部204及びデジタル部205を有する。アナログ部204は、アンテナ202と信号の送受信を行う。デジタル部205は、アナログ部204と信号の送受信を行う。
【0023】
図5に、アナログ部204の構成を示す。アナログ部204は、共振容量501と、帯域フィルタ502と、電源回路503と、復調回路506と、変調回路507とを有する。共振容量501は、アンテナ202が所定の周波数の信号を受信し易くするように設けられている。アンテナ202から入力された変調された搬送波は、帯域フィルタ502によってノイズを除去され、電源回路503及び復調回路506に入力される。電源回路503は、整流回路504及び保持容量505を有する。帯域フィルタ502を介して入力された変調された搬送波は、整流回路504によって整流され、更に保持容量505によって平滑化される。こうして、電源回路503は直流電圧を生成する。電源回路503において生成された直流電圧511は電源電圧として、無線タグ200が有する回路部203内の各回路に供給される。帯域フィルタ502を介して入力された変調された搬送波は、復調回路506によって復調され、復調された信号512はデジタル部205に入力される。また、デジタル部205から出力された信号513(各変調方式に対応した搬送波を変調するための信号)は、変調回路507に入力される。変調回路507は、入力された信号に応じて搬送波を負荷変調し、アンテナ202に出力する。
【0024】
図3に、デジタル部205の構成を示す。デジタル部205は、コード抽出回路301と、コード判定回路302と、巡回冗長検査回路303と、メモリ305と、符号化出力回路304とを有する。アナログ部204からの入力306、即ち、変調された搬送波を復調回路506によって復調した信号は、コード抽出回路301に入力され、信号の有するコードが抽出される。コード抽出回路301の出力は、コード判定回路302に入力され、抽出されたコードが解析される。解析されたコードは、巡回冗長検査回路303に入力され、送信エラーを識別するための演算処理が行われる。こうして、巡回冗長検査回路303は符号化出力回路304にCRC311を出力する。メモリ305は、コード判定回路302から入力される信号に応じて、記憶されたUID312を符号化出力回路304に出力する。コード判定回路302は、振幅変調を行う場合(振幅変調モード)か、周波数変調を行う場合(周波数変調モード)かを選択する信号、即ち、変調モード選択信号115を符号化出力回路304に出力する。また、コード判定回路302は、データの伝送速度を複数段階に切り替えるための伝送速度切り替え信号114を符号化出力回路304に出力する。符号化出力回路304は、振幅変調信号または周波数変調信号を出力する。符号化出力回路304の出力307は、アナログ部204の変調回路507に入力される。
【0025】
図4に、符号化出力回路304の構成を更に詳細に示す。符号化出力回路304は、符号化回路100と、メモリコントローラ403と、シフトレジスタ回路402とを有する。メモリコントローラ403には、符号化回路100から出力された基本クロック信号116が入力され、第1のイネーブル信号141及び第2のイネーブル信号113を出力する。シフトレジスタ回路402には、UID312、CRC311、第1のイネーブル信号141が入力される。こうして、シフトレジスタ回路402は、フラグ及びDSFIDを作成し、第1のイネーブル信号141に同期して、フラグ、DSFID、UID、CRCの順に出力する。符号化回路100には、搬送波111と、コード判定回路302から出力された変調モード選択信号115と、伝送速度切り替え信号114と、シフトレジスタ回路402から出力されたフラグ、DSFID、UID、CRCが順に並んだデータ112と、メモリコントローラ403から第2のイネーブル信号113とが入力される。符号化回路100の出力117は、振幅変調信号または周波数変調信号であり、符号化出力回路304の出力307となる。出力307はアナログ部204の変調回路507に入力される。
【0026】
図1に、符号化回路100の構成を更に詳細に示す。符号化回路100は、第1の分周回路101と、第2の分周回路102と、リセットコントロール回路103と、ASK・FSK切り替え部104と、低速・高速切り替え部105と、符号化回路108と、SOF・EOF追加回路109とを有する。ASK・FSK切り替え部104は、ASK信号生成部106と、出力信号切り替え部107とを有する。
【0027】
リセットコントロール回路103は、振幅変調モードまたは周波数変調モードを選択する変調モード選択信号115、及びマンチェスタ符号化された情報124が入力され、第1のリセット信号120及び第2のリセット信号122を出力する。第1の分周回路101は、搬送波111が入力され、第1のリセット信号120に応じて、信号118(振幅変調モードに対応した副搬送波または周波数変調モードに対応した周波数変調信号)を出力する。低速・高速切り替え部105は、第1の分周回路101から出力された信号118、及び伝送速度切り替え信号114に対応して基本クロック制御信号125を出力する。第2の分周回路102は、第2のリセット信号122、及び低速・高速切り替え部105の出力(基本クロック制御信号125)に応じて、振幅変調モードと周波数変調モードとでデューティー比が異なり、且つデータの伝送速度に応じて周期の異なる基本クロック信号116を出力する。ASK・FSK切り替え部104は、第1の分周回路101から出力された信号118、及びマンチェスタ符号化された情報124が入力され、変調モード選択信号115に応じて、振幅変調信号または周波数変調信号を出力する。ASK・FSK切り替え部104の出力が、符号化回路100の出力117となる。
【0028】
なお、図1では、第1の分周回路101から出力された信号118は低速・高速切り替え部105を介して第2の分周回路102に入力される構成を示したがこれに限定されない。データの伝送速度を変化させない場合は、低速・高速切り替え部105を設けず、第1の分周回路101から出力された信号118が第2の分周回路102に入力される構成とすることができる。
【0029】
ASK・FSK切り替え部104は、ASK信号生成部106と出力信号切り替え部107とを有する。ASK信号生成部106は、第1の分周回路101から出力される信号118、即ち、振幅変調モードに対応した副搬送波または周波数変調モードに対応した周波数変調信号と、マンチェスタ符号化された情報124とが入力される。こうして、ASK信号生成部106は、振幅変調モードに対応した副搬送波が入力されたときには、振幅変調モードに対応した副搬送波とマンチェスタ符号化された情報124とを演算処理することによって振幅変調信号を出力する。また、ASK信号生成部は、周波数変調モードに対応した周波数変調信号が入力されたときには、周波数変調信号を出力する。出力信号切り替え部107は、ASK信号生成部106からの出力が入力される。こうして、出力信号切り替え部107は、変調モード選択信号115に応じて、振幅変調信号または周波数変調信号を切り替えて出力する。出力信号切り替え部107の出力が、符号化回路100の出力117となる。
【0030】
リセットコントロール回路103には、第1の分周回路101から制御信号121が入力され、第2の分周回路102からカウント信号123が入力される。
【0031】
符号化回路108は、フラグ、DSFID、UID、CRCの各データが順に並んだデータ112が入力され、データ112をマンチェスタ符号化して順に出力する(出力119)。SOF・EOF追加回路109は、符号化回路108の出力119が入力され、メモリコントローラ403から入力される第2のイネーブル信号113に同期して出力119にSOFとEOFを追加しマンチェスタ符号化された情報124を生成する。こうして、SOF・EOF追加回路109は、マンチェスタ符号化された情報124を出力する。
【0032】
上記の振幅変調信号、周波数変調信号、第1の分周回路101から出力された信号118、マンチェスタ符号化された情報124及び符号化回路108の出力119に関して、図6乃至図9を用いて詳細に説明する。
【0033】
なお、信号のタイミング等は、ISO15693に準拠した例を示す。即ち、搬送波の周波数は、13.56MHz±7kHzの範囲(13.553〜13.567MHz)とする。副搬送波の周波数は、単一副搬送波の場合、即ち振幅変調モードの場合、f/32(約423.75kHz)(fは搬送波の周波数とする)であり、双副搬送波の場合、即ち周波数変調モードの場合、f/32(約423.75kHz)と、f/28(約484.28kHz)である。データの伝送速度は、高速と低速の2段階に切り替えられる。単一副搬送波の場合、即ち振幅変調モードの場合、データの伝送速度は、高速の場合約26.48kbit/sであり、低速の場合約6.62kbit/sである。双副搬送波の場合、即ち周波数変調モードの場合、データの伝送速度は、高速の場合約26.69kbit/sであり、低速の場合約6.67kbit/sである。低速・高速切り替え部105の出力(基本クロック制御信号125)は、信号118の周波数を変えずに出力する場合(データの伝送速度を高速とした場合に対応)と、信号118を4分周して出力する場合(データの伝送速度を低速とした場合に対応)とに切り替えられる。このような基本クロック制御信号125によって、データの伝送速度を高速とした場合に対してデータの伝送速度を低速とした場合の基本クロック信号116の周期を4倍とすることができる。
【0034】
ここで、振幅変調信号及び周波数変調信号について、図6を用いて説明する。振幅変調信号及び周波数変調信号は共にデジタルの信号である。図6では、伝送速度が高速の場合に対応した例を示した。図6中のfは搬送波の周波数である。伝送速度が低速の場合は、図6において全ての時間を4倍(即ち、1ビット伝送持続時間を4倍)とした信号となり、1ビット中における副搬送波のパルスの数は伝送速度が高速の場合の4倍となる。
【0035】
振幅変調信号は、振幅変調(ASK)モードにおいて、符号化された情報に応じて搬送波を振幅変調するための信号である。図6(A)に振幅変調信号の論理値「0」を、図6(B)に、振幅変調信号の論理値「1」を示す。
【0036】
周波数変調信号は、周波数変調(FSK)モードにおいて、符号化された情報に応じて搬送波を周波数変調するための信号である。図6(C)に周波数変調信号の論理値「0」を、図6(D)に、周波数変調信号の論理値「1」を示す。周波数変調信号は、周波数の異なる2つの副搬送波により構成される。当該2つの副搬送波の繋がりは連続的でなくてはならない。本発明の半導体装置では、リセットコントロール回路103により第1の分周回路101を制御することによって、周波数変調モードにおいて2つの副搬送波の繋がりを連続的にする。こうして、半導体装置を正常に動作させることができる。
【0037】
振幅変調信号に対応する基本クロック信号116は、周期は37.76μsでデューティー比が18.88:18.88即ち1:1のクロックである。一方、周波数変調信号に対応する基本クロック信号116は、周期は37.46μsでデューティー比が18.88:18.58、または18.58:18.88のクロックである。このように、振幅変調モードと周波数変調モードを切り替える構成では、どちらのモードを選択するかによって、基本クロック信号116の周期及びデューティー比が異なる。本発明の半導体装置では、リセットコントロール回路103により第2の分周回路102を制御することによって、振幅変調モードまたは周波数変調モードに応じて異なる周期及びデューティー比の基本クロック信号116を出力することができる。こうして、半導体装置を正常に動作させることができる。
【0038】
次に、第1の分周回路101から出力された信号118について図7を用いて説明する。振幅変調モードに対応した信号118を図7(A)に示す。周波数変調モードに対応した信号118を図7(B)に示す。なお図7では、伝送速度が高速の場合に対応した例を示した。図7中のfは搬送波の周波数である。伝送速度が低速の場合は、図7において全ての時間を4倍(即ち、1ビット伝送持続時間を4倍)とした信号となり、1ビット中における副搬送波のパルスの数は伝送速度が高速の場合の4倍となる。
【0039】
図7(A)において、振幅変調モードに対応した信号118は、単一副搬送波であり、周波数はf/32(fは搬送波の周波数)である。振幅変調モードに対応した信号118は、マンチェスタ符号化された情報124とは無関係である。
【0040】
図7(B)において、周波数変調モードに対応した信号118は、双副搬送波(周波数がf/32の副搬送波及び周波数がf/28の副搬送波)を用いて、マンチェスタ符号化された情報124を表現した信号である。よって、周波数変調モードに対応した信号118は、周波数変調信号に相当する。
【0041】
次に、マンチェスタ符号化された情報124及び出力119について、図8及び図9を用いて説明する。図8(A)にマンチェスタ符号化された情報124の論理値「0」を表す信号を、図8(B)にマンチェスタ符号化された情報124の論理値「1」を表す信号を示す。なお、マンチェスタ符号化された情報124は、図9に示すように、SOF、フラグ、DSFID、UID、CRC、EOFが順に並んだ信号である。なお、SOF及びEOFが追加される前の信号は出力119に相当する。図9中、点線の矢印で示す部分910のタイミングは、メモリコントローラ403が出力する第1のイネーブル信号141及び第2のイネーブル信号113によって制御される。特に、フラグとDSFIDとの間、DSFIDとUIDとの間、UIDとCRCとの間のタイミングは、メモリコントローラ403が出力する第1のイネーブル信号141によって制御される。また、SOFとフラグとの間、CRCとEOFとの間のタイミングは、メモリコントローラ403が出力する第2のイネーブル信号113によって制御される。
【0042】
以上が、本発明の半導体装置の構成及びその動作についての説明である。本発明の半導体装置全体の構成について説明したが、本発明の半導体装置は、振幅変調方式と周波数変調方式とを切り替える構成に特に特徴がある。つまり、図1に示した構成(特に、第1の分周回路101、第2の分周回路102、リセットコントロール回路103、ASK・FSK切り替え部104)に特に特徴がある。よって、図1に示す回路以外の部分は、公知の構成の回路を任意に適用することが可能である。
【0043】
また、上述の説明では、ISO15693に準拠した例を示したがこれに限定されない。搬送波の周波数、副搬送波の周波数、データの伝送速度、符号化方式等は任意の方式を用いることが可能である。
【0044】
例えば、搬送波の周波数は、サブミリ波である300GHz以上3THz以下、ミリ波である30GHz以上300GHz未満、マイクロ波である3GHz以上30GHz未満、極超短波である300MHz以上3GHz未満、超短波である30MHz以上300MHz未満、短波である3MHz以上30MHz未満、中波である300KHz以上3MHz未満、長波である30KHz以上300KHz未満、及び超長波である3KHz以上30KHz未満のいずれの周波数も用いることができる。
【0045】
メモリ305は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリを用いることができる。
【0046】
半導体装置のアンテナ202及びリーダ/ライタのアンテナ206は、ダイポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、及び八木アンテナのいずれのアンテナも用いることができる。また、アンテナ202やアンテナ206において変調された搬送波(無線信号)を送受信する方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式、及び電波方式のいずれであってもよい。更に、アンテナ202とアンテナ206との通信方式は、単方向通信または双方向通信であって、空間分割多重化方式、偏波面分割多重化方式、周波数分割多重化方式、時分割多重化方式、符号分割多重化方式、直交周波数分割多重化方式のいずれも用いることができる。
【0047】
上述の説明では、リーダ/ライタ201から無線信号を受信し、当該無線信号に応答する半導体装置(無線タグ200)の構成について説明した。しかし、本発明は、リーダ/ライタについても応用することが可能である。
【0048】
上記構成により、本発明の無線通信によりデータの入出力が可能な半導体装置及び無線通信システムは、振幅変調信号と周波数変調信号を生成する回路の一部(第1の分周回路101、第2の分周回路102、低速・高速切り替え部105、変調回路507等)を共有することができる。こうして、半導体装置のサイズ及び消費電力を小さく抑えることができる。
(実施の形態2)
【0049】
本実施の形態2では、実施の形態1で示した構成の更に具体的な構成について、図11乃至図19を用いて説明する。なお、図中において同じ符号で示す回路ブロックは同じ構成を示すものとする。また、図中の白丸で示す端子において、同じ符号で示す端子には同じ信号が入力されるものとする。なお、「_b」の記載は反転信号を示すものとする。即ち、「fc1_b」は「fc1」の反転信号を示すものとする。
【0050】
図11に、低速・高速切り替え部105の構成を示す。低速・高速切り替え部105は、INV1、INV2、2つのC_DFR、C_OR1、C_MUXIによって構成される。
【0051】
伝送速度切り替え信号114は、データの伝送速度を高速とするか低速とするかを選択する信号である。C_DFRはリセット型D型フリップフロップ回路であり、2つのC_DFRは分周回路を構成し、第1の分周回路から出力された信号118が入力され、4分周して端子low_rateに出力する。C_MUXIはマルチプレクサである。C_MUXIは、伝送速度切り替え信号114に応じて、信号118と同じ周波数の信号を出力するか、端子low_rateの信号(信号118を4分周した信号に相当)を出力するかを選択する。こうして、低速・高速切り替え部105は、信号118と同じ周波数の信号、または信号118を4分周した信号を、基本クロック制御信号125として出力する。
【0052】
なお、CHIPSELは、リーダ/ライタ201からの無線信号に対して、半導体装置(無線タグ200)が応答する期間を設定する信号である。OP_RESは、低速・高速切り替え部105の動作を停止させる信号である。低速・高速切り替え部105が信号を出力しない期間において、OP_RESによって、低速・高速切り替え部105の動作を停止させることにより、回路の消費電力を低減することができる。
【0053】
以下、低速・高速切り替え部105を構成する回路ブロックの更に具体的な構成について説明する。
【0054】
C_DFRの具体的構成を図17に示す。図17(A)はC_DFRを回路ブロックで示したものであり、図17(B)はその具体的な回路構成に相当する。図17(B)において、C_DFRは6つのNAND回路と2つのインバータ回路によって構成される。C_OR1の具体的構成を図16(E)及び図16(F)に示す。図16(E)はC_OR1を回路ブロックで示したものであり、図16(F)はその具体的な回路構成に相当する。C_MUXIの構成を図19に示す。図19(A)はC_MUXIを回路ブロックで示したものであり、図19(B)はその具体的な回路構成に相当する。
【0055】
図19において、VDDは電源電圧の高電位側の電位を示す。VSSは電源電圧の低電位側の電位を示す。VDDとVSSの電位差が電源電圧をなる。当該電源電圧は図5に示した電源回路503によって生成することができる。
【0056】
以上が低速・高速切り替え部105の構成の説明である。次いで、第1の分周回路101の構成について説明する。
【0057】
図12に、第1の分周回路101の構成を示す。第1の分周回路101は、5つのC_DFRによって構成される。5つのC_DFRは分周回路を構成し、入力された搬送波111を32分周して出力する。また、周波数変調モードでは、リセットコントロール回路103から入力される第1のリセット信号120(図12中、res_A、res_Bに相当)によって、入力された信号を28分周して出力する。このように、分周回路において、第1のリセット信号120を入力することによって、周波数変調信号を生成し信号118として出力することができる。
【0058】
なお、第1の分周回路101は、リセットコントロール回路103を制御するための制御信号121(図12中、fc1、fc2、fc3、fc4に相当)も出力している。
【0059】
OP_RESは、第1の分周回路101の動作を停止させる信号である。第1の分周回路101が信号を出力しない期間において、OP_RESによって、第1の分周回路101の動作を停止させることにより、回路の消費電力を低減することができる。
【0060】
C_DFRの具体的構成は図17に示した構成であり、前述のとおりであるので説明は省略する。
【0061】
以上が第1の分周回路101の構成の説明である。次いで、第2の分周回路102について説明する。
【0062】
図13に、第2の分周回路102の構成を示す。第2の分周回路102は、4つのC_DFRと、C_BUFによって構成される。4つのC_DFRは分周回路を構成し、低速・高速切り替え部105の出力(基本クロック制御信号125)に対応した基本クロック信号116を出力する。基本クロック制御信号125によって、第2の分周回路102はデータの伝送速度に応じて周期が異なる基本クロック信号116を出力する。なお、周波数変調モードでは、リセットコントロール回路103から入力される第2のリセット信号122(図13中、res_Cに相当)によって、周波数変調モードに対応してデューティー比を変化させた基本クロック信号116を出力する。
【0063】
なお、第2の分周回路102は、リセットコントロール回路103を制御するためのカウント信号123(図13中、cc1、cc2、cc3に相当)も出力している。
【0064】
OP_RESは、第2の分周回路102の動作を停止させる信号である。第2の分周回路102が信号を出力しない期間において、OP_RESによって、第2の分周回路102の動作を停止させることにより、回路の消費電力を低減することができる。
【0065】
以下、第2の分周回路102を構成する回路ブロックの更に具体的な構成について説明する。
【0066】
C_DFRの具体的構成は図17に示した構成であり、前述のとおりであるので説明は省略する。
【0067】
C_BUFの具体的構成を図16(I)及び図16(J)に示す。図16(I)はC_BUFを回路ブロックで示したものであり、図16(J)はその具体的な回路構成に相当する。
【0068】
以上が第2の分周回路102の構成の説明である。次いで、リセットコントロール回路103について説明する。
【0069】
図14に、リセットコントロール回路103の構成を示す。リセットコントロール回路103は、NAND1、2つのNAND2、8つのINV1、4つのC_AND1、2つのC_OR1、2つのC_OR2、4つのC_DFR、5つのC_DFSによって構成される。
【0070】
リセットコントロール回路103には、マンチェスタ符号化された情報124、変調モード選択信号115、制御信号121(fc1、fc2、fc3、fc4)、カウント信号123(cc1、cc2、cc3)が入力される。リセットコントロール回路103は、第1のリセット信号120(res_A、res_B)及び第2のリセット信号122(res_C)を出力する。
【0071】
OP_RESは、リセットコントロール回路103の動作を停止させる信号である。リセットコントロール回路103が信号を出力しない期間において、OP_RESによって、リセットコントロール回路103の動作を停止させることにより、回路の消費電力を低減することができる。
【0072】
以下、リセットコントロール回路103を構成する回路ブロックの更に具体的な構成について説明する。
【0073】
C_AND1の具体的構成を図16(A)及び図16(B)に示す。図16(A)はC_AND1を回路ブロックで示したものであり、図16(B)はその具体的な回路構成に相当する。
【0074】
C_OR1の具体的構成は図16(E)及び図16(F)に示した構成であり、前述のとおりであるので説明は省略する。
【0075】
C_OR2の具体的構成を図16(G)及び図16(H)に示す。図16(G)はC_OR2を回路ブロックで示したものであり、図16(H)はその具体的な回路構成に相当する。
【0076】
C_DFRの具体的構成は図17に示した構成であり、前述のとおりであるので説明は省略する。
【0077】
C_DFSの具体的構成を図18(A)及び図18(B)に示す。C_DFSはセット型D型フリップフロップ回路である。図18(A)はC_DFSを回路ブロックで示したものであり、図18(B)はその具体的な回路構成に相当する。
【0078】
以上がリセットコントロール回路103の構成の説明である。次いで、ASK・FSK切り替え部104について説明する。
【0079】
図15に、ASK・FSK切り替え部104の構成を示す。ASK・FSK切り替え部104は、ASK信号生成部106と出力信号切り替え部107を有する。ASK信号生成部106は、C_DFR、C_AND1によって構成される。出力信号切り替え部107は、2つのINV1、C_AND2、C_MUXI、C_BUFによって構成される。
【0080】
ASK信号生成部106は、入力された信号118とマンチェスタ符号化させた情報124とのANDを演算した信号、または、信号118の2つの信号を切り替えて出力する。なお、ASK信号生成部106において、C_DFRは、信号118のタイミングをずらして他の信号と演算処理を行う際のタイミングのマージンを広げるために設けられている。ASK信号生成部106におけるC_DFRは、省略することも可能である。
【0081】
出力信号切り替え部107は、C_MUXIにおいて、変調モード選択信号115に応じて、ASK信号生成部106から入力される2つの信号のうちどちらの信号を出力するかを選択する。こうして、ASK・FSK切り替え部104は、出力117として、振幅変調信号または周波数変調信号を出力する。
【0082】
なお、OUT_JUDGEは、無線通信システムにおいて、複数の半導体装置がある場合(図2における、無線タグ200が複数ある場合に相当)に、複数の半導体装置から1つの半導体装置を選択するための信号である。
【0083】
OP_RESは、ASK信号生成部106の動作を停止させる信号である。ASK信号生成部106が信号を出力しない期間において、OP_RESによって、ASK信号生成部106の動作を停止させることにより、回路の消費電力を低減することができる。
【0084】
以下、ASK・FSK切り替え部104を構成する回路ブロックの更に具体的な構成について説明する。
【0085】
INV1、C_AND1、C_MUXI、C_BUF、C_DFRの構成は前述のとおりであるので説明は省略する。
【0086】
C_AND2の具体的構成を図16(C)及び図16(D)に示す。図16(C)はC_AND2を回路ブロックで示したものであり、図16(D)はその具体的な回路構成に相当する。
【0087】
上記構成により、本発明の無線通信によりデータの入出力が可能な半導体装置及び無線通信システムは、振幅変調信号と周波数変調信号を生成する回路の一部(第1の分周回路101、第2の分周回路102、低速・高速切り替え部105、変調回路507等)を共有することができる。こうして、半導体装置のサイズ及び消費電力を小さく抑えることができる。
【0088】
本実施の形態2は、実施の形態1と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例1】
【0089】
本実施例では、本発明の半導体装置の具体的な構成について、図20乃至図22を用いて説明する。
【0090】
本発明の半導体装置におけるアンテナ202の構成例を図20(A)乃至図20(D)に示す。アンテナ202は2通りの設け方があり、一方(以下、第1のアンテナ設置法という)を図20(A)及び図20(C)に示す。他方(以下、第2のアンテナ設置法という)を図20(B)及び図20(D)に示す。図20(C)は図20(A)のA乃至A’の断面図に相当し、図20(D)は図20(B)のB乃至B’の断面図に相当する。
【0091】
第1のアンテナ設置法では、複数の素子(以下、素子群601と呼ぶ)が設けられた基板600上にアンテナ202を設ける(図20(A)及び図20(C)参照)。素子群601によって、本発明の半導体装置のアンテナ以外の回路部203(図2)が構成される。素子群601は複数の薄膜トランジスタを有する。図示する構成では、アンテナ202として機能する導電膜は、素子群601を覆うように設けられた絶縁層上に設けられている。しかしながら、アンテナ202として機能する導電膜は、素子群601の有する薄膜トランジスタのソースやドレインと接続される配線666と同じ層に設けられていてもよいし、素子群601の有する薄膜トランジスタのゲート電極664と同じ層に設けてもよい。
【0092】
第2のアンテナ設置法では、素子群601が設けられた基板600上に端子部602を設ける。そして、当該端子部602に接続するように、基板600とは別の基板610上に設けられたアンテナ202を接続する(図20(B)及び図20(D)参照)。図示する構成では、素子群601を覆うように設けられた絶縁層上に設けられた配線671を端子部602として用いる。なお、素子群601の有する薄膜トランジスタのソースやドレインと接続される配線666の一部を端子部602として用いてもよい。端子部602に接続するように、基板600と、アンテナ202が設けられた基板610とを貼り合わせている。基板600と基板610の間には、導電性粒子603と樹脂604が設けられている。導電性粒子603によって、アンテナ202と端子部602とは電気的に接続されている。
【0093】
素子群601の構成及び作製方法について説明する。素子群601は、大面積の基板上に複数形成し、その後、分断することで完成させれば、安価なものを提供することができる。基板600としては、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、半導体基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いても良い。基板の表面を、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法などの研磨により平坦化しておいても良い。また、ガラス基板、石英基板や、半導体基板を研磨して薄くした基板を用いてもよい。例えば、表面に垂直な方向と単結晶シリコンの結晶軸の〈100〉または〈110〉がほぼ平行となる単結晶シリコン基板において、当該基板の全体を0.1μmより厚く20μm以下、代表的には1μm以上5μm以下の厚さに研磨したものを用いることができる。
【0094】
基板600上に設けられている下地層661としては、酸化珪素や、窒化珪素または窒化酸化珪素などの絶縁膜を用いることができる。下地層661によって、基板600に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体層662に拡散し薄膜トランジスタの特性に悪影響をおよぼすのを防ぐことができる。図20では、下地層661を単層の構造としているが、2層あるいはそれ以上の複数層で形成してもよい。なお、石英基板など不純物の拡散がさして問題とならない場合は、下地層661を必ずしも設ける必要はない。
【0095】
なお、高密度プラズマによって基板600の表面を直接処理してもよい。高密度プラズマは、高周波、例えば2.45GHzを使うことによって生成される。なお、高密度プラズマとしては電子密度が1011〜1013/cmかつ電子温度が2eV以下、イオンエネルギーが5eV以下であるものを用いる。このように低電子温度が特徴である高密度プラズマは、活性種の運動エネルギーが低いため、従来のプラズマ処理に比べプラズマダメージが少なく欠陥が少ない膜を形成することができる。プラズマの生成はラジアルスロットアンテナを用いた高周波励起のプラズマ処理装置を用いることができる。高周波を発生するアンテナから基板600までの距離を20〜80mm(好ましくは20〜60mm)とする。
【0096】
窒化性雰囲気、例えば、窒素(N)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、または窒素と水素(H)と希ガス雰囲気下、またはアンモニア(NH)と希ガス雰囲気下において、上記高密度プラズマ処理を行うことによって、基板600表面を窒化することができる。基板600としてガラスや石英、シリコンウエハ等を用いた場合、基板600の表面に形成された窒化物層は窒化珪素を主成分とするので、基板600側から拡散してくる不純物のブロッキング層として利用することができる。この窒化物層の上に酸化珪素膜または酸窒化珪素膜をプラズマCVD法で形成して下地層661としても良い。
【0097】
また、酸化珪素や酸窒化珪素などからなる下地層661の表面に対し同様な高密度プラズマ処理を行うことにより、その表面及び表面から1〜10nmの深さを窒化処理をすることができる。このきわめて薄い窒化珪素の層は、ブロッキング層として機能し、且つその上に形成する半導体層662へ与える応力の影響が少ないので好ましい。
【0098】
下地層661上に半導体層662を形成する。半導体層662としては、島状の結晶性半導体膜や非晶質半導体膜を用いることができる。また、有機半導体膜を用いてもよい。結晶性半導体膜は非晶質半導体膜を結晶化して得ることができる。結晶化方法としては、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法等を用いることができる。半導体層662は、チャネル形成領域662aと、導電型を付与する不純物元素が添加された一対の不純物領域662bとを有する。なお、チャネル形成領域662aと一対の不純物領域662bとの間に、不純物領域662bよりも低濃度で前記不純物元素が添加された低濃度不純物領域662cを有する構成を示したがこれに限定されない。低濃度不純物領域662cを設けない構成であってもよい。また、一対の不純物領域662bの上面の一部(特に、配線666と接する部分)または全面にシリサイドが形成された構造としてもよい。
【0099】
なお、半導体層662と同時に形成される配線は、基板600の上面に垂直な方向3005から見た場合に角部が丸くなるよう引き回すのが好ましい。上記配線の引き回し方法について図22に模式的に示す。半導体層と同時に形成される配線3011を示す。図22(A)は従来の配線の引き回し方法である。図22(B)は本発明の配線の引き回し方法である。従来の角部(凹曲部)1201aに対して角部(凹曲部)1202aは丸くなっている。角部(凹曲部)を丸くすることによって、ゴミ等が配線の角部(凹曲部)に残るのを防止することができる。こうして、半導体装置のゴミによる不良を低減し歩留まりを高めることができる。
【0100】
薄膜トランジスタのチャネル形成領域662aにおいて、導電型を付与する不純物元素が添加されていてもよい。こうして、薄膜トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。
【0101】
半導体層662上に第1の絶縁層663を形成する。第1の絶縁層663としては、酸化珪素、窒化珪素または窒化酸化珪素等を用い、単層または複数の膜を積層させて形成することができる。この場合において、第1の絶縁層663の表面を酸化雰囲気又は窒化雰囲気で高密度プラズマによって処理し、酸化又は窒化処理して緻密化しても良い。高密度プラズマは、前述と同様に、高周波、例えば2.45GHzを使うことによって生成される。なお、高密度プラズマとしては電子密度が1011〜1013/cmかつ電子温度が2eV以下、イオンエネルギーが5eV以下であるものを用いる。プラズマの生成はラジアルスロットアンテナを用いた高周波励起のプラズマ処理装置を用いることができる。また、高密度プラズマを発生させる装置において、高周波を発生するアンテナから基板600までの距離を20〜80mm(好ましくは20〜60mm)とする。
【0102】
なお、第1の絶縁層663を成膜する前に、半導体層662の表面に対して上記高密度プラズマ処理を行って、半導体層の表面を酸化又は窒化処理してもよい。このとき、基板600の温度を300〜450℃とし、酸化雰囲気又は窒化雰囲気で処理することにより、その上に堆積する第1の絶縁層663と良好な界面を形成することができる。
【0103】
窒化雰囲気としては、窒素(N)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、または窒素と水素(H)と希ガス雰囲気下、またはアンモニア(NH)と希ガス雰囲気を用いることができる。酸化雰囲気としては、酸素(O)と希ガス雰囲気下、または酸素と水素(H)と希ガス雰囲気下、または一酸化二窒素(NO)と希ガス雰囲気を用いることができる。
【0104】
第1の絶縁層663上にゲート電極664を形成する。ゲート電極664としては、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた一種の元素または該元素を複数含む合金若しくは化合物を用いることができる。また、これらの元素、合金、化合物の単層または積層構造を用いることができる。図では、2層構造のゲート電極664を示した。なお、ゲート電極664やゲート電極664と同時に形成される配線は、基板600の上面に垂直な方向3005から見た場合に角部(凹曲部)が丸くなるよう引き回すのが好ましい。引き回しの方法は図22(B)に示した方法と同様とすることができる。ゲート電極664やゲート電極664と同時に形成される配線3012を示す。角部(凹曲部)1201bに対して角部(凹曲部)1202bの様に角部(凹曲部)を丸くすることによって、ゴミ等が配線の角部(凹曲部)に残るのを防止することができる。こうして、半導体装置のゴミによる不良を低減し歩留まりを高めることができる。
【0105】
薄膜トランジスタは、半導体層662と、ゲート電極664と、半導体層662とゲート電極664との間のゲート絶縁膜として機能する第1の絶縁層663等とによって構成される。本実施例では、薄膜トランジスタをトップゲート型のトランジスタとして示したが、半導体層の下方にゲート電極を有するボトムゲート型のトランジスタであっても良いし、半導体層の上下にゲート電極を有するデュアルゲート型のトランジスタであっても良い。
【0106】
更に、ゲート電極664の側面に接するように絶縁膜(図20中、サイドウォール667aとして機能)を設ける。サイドウォール667aを形成した後、半導体層662に対して導電型を付与する不純物元素を添加することによって、自己整合的に低濃度不純物領域662cを形成することができる。また、一対の不純物領域662bにシリサイドが形成された構造をサイドウォール667aを用いて自己整合的に形成してもよい。なお、サイドウォール667aを設ける構成を示したが、これに限定されず、サイドウォールを設けなくてもよい。
【0107】
ゲート電極664及びサイドウォール667a上に第2の絶縁層667を形成する。第2の絶縁層667は窒化珪素膜などイオン性不純物をブロッキングするバリア性の絶縁膜であることが望ましい。第2の絶縁層667は窒化珪素または酸窒化珪素で形成する。この第2の絶縁層667は、半導体層662の汚染を防ぐ保護膜としての機能を有している。第2の絶縁層667を堆積した後に、水素ガスを導入して前述のような高密度プラズマ処理をすることで、第2の絶縁層667の水素化を行っても良い。または、アンモニア(NH)ガスを導入して、第2の絶縁層667の窒化と水素化を行っても良い。または、酸素、一酸化二窒素(NO)ガスなどと水素ガスを導入して、酸化窒化処理と水素化処理を行っても良い。この方法により、窒化処理、酸化処置若しくは酸化窒化処理を行うことにより第2の絶縁層667の表面を緻密化することができる。こうして第2の絶縁層667の保護膜としての機能を強化することができる。第2の絶縁層667に導入された水素は、その後400〜450℃の熱処理をすることにより放出されて、半導体層662の水素化をすることができる。なお当該水素化処理は、第1の絶縁層663を用いた水素化処理と組み合わせてもよい。
【0108】
第2の絶縁層667上に第3の絶縁層665を形成する。第3の絶縁層665としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜の単層または積層構造を用いることができる。無機絶縁膜としては、CVD法により形成された酸化珪素膜や、SOG(Spin On Glass)法により形成された酸化珪素膜などを用いることができ、有機絶縁膜としてはポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリルまたはポジ型感光性有機樹脂、ネガ型感光性有機樹脂等の膜を用いることができる。
【0109】
また、第3の絶縁層665として、珪素(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料を用いることもできる。この材料の置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
【0110】
第3の絶縁層665上に配線666を形成する。配線666としては、Al、Ni、W、Mo、Ti、Pt、Cu、Ta、Au、Mnから選ばれた一種の元素または該元素を複数含む合金の単層または積層構造を用いることができる。図では、単層構造の例を示した。なお、配線666は、基板600の上面に垂直な方向から見た場合に角部(凹曲部)が丸くなるよう引き回すのが好ましい。引き回しの方法は図22(B)に示した方法と同様とすることができる。配線666と同時に形成される配線3013を示す。角部(凹曲部)1201cに対して角部(凹曲部)1202cの様に角部(凹曲部)を丸くすることによって、ゴミ等が配線の角部(凹曲部)に残るのを防止することができる。こうして、半導体装置のゴミによる不良を低減し歩留まりを高めることができる。配線3013は、コンタクトホール3014によって配線3011と接続される。図20(A)乃至図20(D)に示した構成では、配線666は、薄膜トランジスタのソースやドレインと接続される配線となる。
【0111】
配線666上に第4の絶縁層669を形成する。第4の絶縁層669としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜の単層または積層構造を用いることができる。無機絶縁膜としては、CVD法により形成された酸化珪素膜や、SOG(Spin On Glass)法により形成された酸化珪素膜などを用いることができ、有機絶縁膜としてはポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリルまたはポジ型感光性有機樹脂、ネガ型感光性有機樹脂等の膜を用いることができる。
【0112】
また、第4の絶縁層669として、珪素(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料を用いることもできる。この材料の置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
【0113】
第4の絶縁層669上に配線671を形成する。配線671としては、Al、Ni、W、Mo、Ti、Pt、Cu、Ta、Au、Mnから選ばれた一種の元素または該元素を複数含む合金の単層または積層構造を用いることができる。図では、単層構造の例を示した。なお、配線671は、基板600の上面に垂直な方向3005から見た場合に角部(凹曲部)が丸くなるよう引き回すのが好ましい。引き回しの方法は図22(B)に示した方法と同様とすることができる。こうして、ゴミ等が配線の角部(凹曲部)に残るのを防止することができる。こうして、半導体装置のゴミによる不良を低減し歩留まりを高めることができる。図20(A)及び図20(C)に示した構成では、配線671はアンテナ202となる。図20(B)及び図20(D)に示した構成では、配線671は端子部602となる。
【0114】
なお、アンテナ202は、Au、Ag、Cuなどのナノ粒子を含む導電性ペーストを用いて、液滴吐出法により形成することもできる。液滴吐出法は、インクジェット法やディスペンサ方式等の液滴を吐出してパターンを形成する方式の総称であり、材料の利用効率の向上等の利点を有する。
【0115】
図20(A)及び図20(C)に示した構成では、配線671上に第5の絶縁層668を形成する。第5の絶縁層668としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜の単層または積層構造を用いることができる。第5の絶縁層668はアンテナ202の保護層として機能する。
【0116】
図20では、薄膜トランジスタを用いて素子群601を形成した構成を示したがこれに限定されない。シリコンウエハー等の半導体基板に形成されたトランジスタ(単結晶トランジスタ)を用いて素子群601を形成してもよい。素子群601を単結晶トランジスタを用いて作製した例を図33に示す。図33(A)は、図20(C)に示した構成における薄膜トランジスタを単結晶トランジスタに置き換えた例である。図33(B)は、図20(D)に示した構成における薄膜トランジスタを単結晶トランジスタに置き換えた例である。なお、図20と同じ部分は同符号を用いて示し説明は省略する。
【0117】
半導体基板740に導電型を付与する不純物元素を添加することによって、チャネル形成領域662aと一対の不純物領域662bと、不純物領域662bよりも低濃度で前記不純物元素が添加された低濃度不純物領域662cを形成する。また、絶縁層741を設けることによって複数の素子間を絶縁している。なお、図33では低濃度不純物領域662cを有する構成を示したがこれに限定されず低濃度不純物領域662cを設けない構成であってもよい。半導体基板740としては、例えば、表面に垂直な方向と単結晶シリコンの結晶軸の〈100〉または〈110〉がほぼ平行となる単結晶シリコン基板において、当該基板の全体を0.1μmより厚く20μm以下、代表的には1μm以上5μm以下の厚さに研磨したものを用いることができる。
【0118】
図20に示した構成の半導体装置において、素子群601は基板600上に形成されたものをそのまま使用してもよいが、基板600上に形成した素子群601を基板600から剥離し、当該素子群601をフレキシブル基板に貼り合わせてもよい。素子群601を基板600から剥離しフレキシブル基板上に設ける方法について、図21を用いて説明する。
【0119】
図21(A)に示すように、基板600上に絶縁層711、剥離層712、絶縁層713を形成する。基板600としては、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、半導体基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いても良い。基板の表面を、CMP法などの研磨により平坦化しておいても良い。絶縁層711及び絶縁層713としては、気相成長法(CVD法)やスパッタリング法により形成した、珪素の酸化物、珪素の窒化物、窒素を含む珪素の酸化物、酸素を含む珪素の窒化物等を用いることができる。剥離層712としては、スパッタリング法等により、W、Mo、Ti、Ta、Nb、Ni、Co、Zr、Zn、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Si等から選ばれた元素または該元素を主成分とする合金若しくは化合物を含む層を、単層又は積層して形成する。なお、珪素を含む層は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでも良い。
【0120】
剥離層712が単層構造の場合、好ましくは、W、Mo、WとMoの混合物、Wの酸化物、Wの酸化窒化物、Moの酸化物、Moの酸化窒化物、WとMoの混合物の酸化物、WとMoの混合物の酸化窒化物のいずれかを含む層を用いることができる。
【0121】
剥離層712が2層の積層構造の場合、好ましくは、1層目として、W、Mo、WとMoの混合物のいずれかを含む層を用い、2層目として、Wの酸化物、Wの酸化窒化物、Moの酸化物、Moの酸化窒化物、WとMoの混合物の酸化物、WとMoの混合物の酸化窒化物のいずれかを含む層を用いることができる。
【0122】
次いで、図21(B)に示すように、絶縁層713上に半導体層を形成して素子群601を形成する。素子群601の形成方法については、図20を用いて説明した方法と同様であるので説明は省略する。素子群601を形成した後、素子群601を覆う絶縁層714を形成する。絶縁層714としては、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂等の絶縁性の樹脂を用いることができる。なお、図20(C)に示したようなアンテナ202を基板600上に形成する構成においては、素子群601と電気的に接続されるアンテナ202を形成した後、アンテナ202を覆うように絶縁層714が形成される。図20(D)に示したような素子群601とアンテナ202を別の基板上に形成して貼りあわせる構成においては、絶縁層714は第4の絶縁層669に相当する。図21(B)では示していないが、アンテナ202と素子群601の電気的接続をとるために、当該絶縁層714において配線666の一部が露呈するような開口部を設けておいてもよい。
【0123】
次に、図21(C)に示すように、少なくとも剥離層712の一部が露呈するような開口部715を形成する。開口部715は、レーザービームを照射することによって形成することができる。レーザーは、紫外領域である150〜380nmの波長の固体レーザーを用いることができる。
【0124】
次に、図21(D)に示すように、接着層716によって絶縁層714上に基板717を貼り付ける。
【0125】
次に、図21(E)に示すように、基板600から素子群601を剥離させる。基板600から素子群601を剥離させる方法は、(A)応力を加えることによって物理的に剥離する方法、(B)剥離層をエッチング剤により除去する方法、(C)剥離層をエッチング剤により部分的に除去し、その後物理的に剥離する方法のいずれを用いてもよい。
【0126】
図21(E)では、剥離層712と絶縁層713との界面で剥離されているが、これに限らず、剥離層712と絶縁層711との界面で剥離されても良いし、剥離層712自身が2つに分かれても良い。
【0127】
次いで、図21(F)のように、さらにフレキシブル基板701を接着剤によって素子群601に貼り合わせる。フレキシブル基板701は、可撓性を有し、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン等のプラスチック基板またはセラミック基板等を用いることができる。また、剥離した素子群601のフレキシブル基板701への貼り付けは、市販の接着剤を用いればよく、例えば、エポキシ樹脂系接着剤や樹脂添加剤等の接着剤を用いればよい。
【0128】
次いで、図21(G)のように、素子群601をフレキシブル基板701に貼り付けた後、基板717を除去する。例えば、接着層716として加熱処理により接着力が低下する層を用い、加熱処理を行うことによって素子群601を基板717から剥離させることができる。こうしてフレキシブル基板701上に素子群601を設けることができる。
【0129】
こうして、素子群601をフレキシブル基板に設けることによって、厚さが薄く、軽く、落下しても割れにくい半導体装置が得られる。安価なフレキシブル基板を用いると、安価な半導体装置を提供することができる。さらに、フレキシブル基板は可撓性を有するため、曲面や異形の形状上に貼り合わせることが可能となり、多種多様の用途が実現する。例えば、薬の瓶のような曲面上に、本発明の半導体装置の一形態である無線タグ200を密着して貼り合わせることができる。さらに、基板600を再利用すれば、低コストで半導体装置を作製することができる。
【0130】
図20や図21(G)で示した構成において、素子群601をフィルムで覆うことによって封止する構成とすることができる。該フイルムの表面は、二酸化珪素(シリカ)の粉末により、コーティングされていてもよい。コーティングにより、高温で高湿度の環境下においても防水性を保つことができる。つまり、耐湿性の機能を持たせることができる。また、該フイルムの表面に帯電防止の機能を持たせてもよい。また、該フイルムの表面は、炭素を主成分とする材料(例えば、ダイヤモンドライクカーボン)によりコーティングされていてもよい。コーティングにより強度が増し、半導体装置の劣化や破壊を抑制することができる。また、フィルムは、基材の材料(例えば樹脂)と、二酸化珪素や導電性材料や炭素を主成分とする材料とを混ぜ合わせた材料により形成してもよい。また、フィルムの表面に界面活性剤をコーティングする、もしくは界面活性剤を直接練り込むことで帯電防止の機能を持たせることができる。
【0131】
本発明の半導体装置は、振幅変調信号と周波数変調信号を生成する回路の一部(第1の分周回路101、第2の分周回路102、低速・高速切り替え部105、変調回路507等)を共有することができるので、半導体装置のサイズ及び消費電力を小さく抑えることができる。
【0132】
本実施例は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【実施例2】
【0133】
本実施例では、本発明の半導体装置をフレキシブルな構成にした例について説明する。説明には図23を用いる。図23(A)において、本発明の半導体装置は、フレキシブルな保護層901と、アンテナ902(アンテナ202に相当)を含むフレキシブルな保護層903と、剥離プロセスや基板の薄膜化により形成された素子群904とを有する。素子群904は、実施例1で素子群601として示した構成と同様の構成とすることができる。保護層903上に形成されたアンテナ902は、素子群904と電気的に接続する。図23では、アンテナ902は保護層903上にのみ形成されているが、本発明はこの構成に制約されず、アンテナ902を保護層901上にも形成してもよい。なお、素子群904と、保護層901及び保護層903との間には、窒化珪素膜等からなるバリア膜を形成するとよい。そうすると、素子群904が汚染されることなく、信頼性を向上させた半導体装置を提供することができる。
【0134】
アンテナ902は、Ag、Cu、またはそれらでメッキされた金属で形成することができる。素子群904とアンテナ902とは、異方性導電膜を用い、紫外線処理又は超音波処理を行うことで接続することができる。なお、素子群904とアンテナ902とは、導電性ペースト等を用いて接着してもよい。
【0135】
保護層901及び保護層903によって素子群904を挟むことによって半導体装置が完成する(図23(A)中、矢印参照)。
【0136】
こうして形成された半導体装置の断面構造を図23(B)に示す。挟まれた素子群904の厚さ3003は、5μm以下、好ましくは0.1μm〜3μmの厚さを有するように形成するとよい。また、保護層901及び保護層903を重ねたときの厚さをdとしたとき、保護層901及び保護層903の厚さは、好ましくは(d/2)±30μmの範囲、さらに好ましくは(d/2)±10μmの範囲とする。また、保護層901及び保護層903の厚さは10μm〜200μmであることが望ましい。さらに、素子群904の面積は10mm角(100mm)以下であり、望ましくは0.3mm角〜4mm角(0.09mm〜16mm)の面積とするとよい。
【0137】
保護層901及び保護層903は、有機樹脂材料で形成されているため、折り曲げに対して強い特性を有する。また、剥離プロセスや基板の薄膜化により形成した素子群904自体も、単結晶半導体に比べて、折り曲げに対して強い特性を有する。そして、素子群904と、保護層901及び保護層903とは空隙がないように、密着させることができるため、完成した半導体装置自体も折り曲げに対して強い特性を有する。このような保護層901及び保護層903で囲われた素子群904は、他の個体物の表面または内部に配置しても良いし、紙の中に埋め込んでも良い。
【0138】
素子群904を有する半導体装置を曲面を有する基板に貼る場合について説明する。説明には図23(C)を用いる。図面では、素子群904から選択された1つのトランジスタ981を図示する。トランジスタ981は、ゲート電極907の電位に応じて、ソース及びドレインの一方905からソース及びドレインの他方906に電流を流す。トランジスタ981の電流が流れる方向3004(キャリアの移動方向)と、基板980が弧を描く方向が直交するように、トランジスタ981は配置される。このような配置にすれば、基板980が折り曲げられて弧を描いても、トランジスタ981に与えられる応力の影響が少なく、素子群904が含むトランジスタ981の特性の変動を抑制することができる。
【0139】
本発明の半導体装置は、振幅変調信号と周波数変調信号を生成する回路の一部(第1の分周回路101、第2の分周回路102、低速・高速切り替え部105、変調回路507等)を共有することができるので、半導体装置のサイズ及び消費電力を小さく抑えることができる。
【0140】
本実施例は、上記の実施の形態、実施例1と自由に組み合わせることができる。
【実施例3】
【0141】
本実施例では、本発明の半導体装置を構成する回路が有するトランジスタの構成例を示す。トランジスタは単結晶基板に形成されるMOSトランジスタの他、薄膜トランジスタ(TFT)で構成することもできる。図26はこれらの回路を構成するトランジスタの断面構造を示す図である。図26は、Nチャネル型のトランジスタ2001、Nチャネル型のトランジスタ2002、容量素子2004、抵抗素子2005、Pチャネル型のトランジスタ2003が示されている。各トランジスタは半導体層4405、絶縁層4408、ゲート電極4409を備えている。ゲート電極4409は、第1導電層4403と第2導電層4402の積層構造で形成されている。また、図27(A)〜(E)は、図26で示すトランジスタ、容量素子、抵抗素子に対応する上面図であり合わせて参照することができる。
【0142】
図26において、Nチャネル型のトランジスタ2001は、半導体層4405中のチャネル形成領域の両側に低濃度ドレイン(LDD)領域を有する。低濃度ドレイン(LDD)領域は、不純物領域4407であり、配線4404とコンタクトを形成するソース領域及びドレイン領域(不純物領域4406)の不純物濃度よりも低濃度にN型を付与する不純物がドープされている。不純物領域4406と不純物領域4407には、Nチャネル型のトランジスタ2001を構成する場合、N型を付与する不純物としてリンなどが添加されている。LDD領域はホットエレクトロン劣化や短チャネル効果を抑制する手段として形成される。
【0143】
図27(A)で示すように、Nチャネル型のトランジスタ2001のゲート電極4409において、第1導電層4403は第2導電層4402の両側に広がって形成されている。この場合において、第1導電層4403の膜厚は第2導電層4402の膜厚よりも薄く形成されている。第1導電層4403の厚さは、10〜100kVの電界で加速されたイオン種を通過させることが可能な厚さに形成されている。不純物領域4407はゲート電極4409の第1導電層4403と重なるように形成されている。すなわち、ゲート電極4409とオーバーラップするLDD領域を形成している。この構造は、ゲート電極4409において、第2導電層4402をマスクとして第1導電層4403を通して一導電型の不純物を添加することにより、自己整合的に不純物領域4407を形成している。すなわち、ゲート電極とオーバーラップするLDD領域を自己整合的に形成している。
【0144】
半導体層中のチャネル形成領域の両側にLDD領域を有するトランジスタは、トランスミッションゲート(アナログスイッチとも呼ぶ)を構成するトランジスタや、図5における電源回路503中の整流回路504に用いられるトランジスタに適用される。これらのトランジスタは、ソース電極及びドレイン電極に正負両方の電圧が印加されるため、半導体層中のゲート電極と重なる領域の両側にLDDを設けることが好ましい。
【0145】
図26において、Nチャネル型のトランジスタ2002は、半導体層4405中のチャネル形成領域の片側に不純物領域4407が形成されている。不純物領域4407は、不純物領域4406の不純物濃度よりも低濃度に導電型を付与する不純物元素がドープされている。図27(B)で示すように、Nチャネル型のトランジスタ2002のゲート電極4409において、第1導電層4403は、第2導電層4402の片側に広がって形成されている。この場合も同様に、第2導電層4402をマスクとして、第1導電層4403を通して一導電型の不純物を添加することにより、自己整合的にLDD領域を形成することができる。
【0146】
半導体層中のゲート電極と重なる領域の片側にLDD領域を有するトランジスタは、ソース電極及びドレイン電極間に正電圧のみ、もしくは負電圧のみが印加されるトランジスタに適用すればよい。具体的には、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、ラッチ回路といった論理ゲートを構成するトランジスタや、センスアンプ、定電圧発生回路、VCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御型発振器)といったアナログ回路を構成するトランジスタに適用すればよい。
【0147】
図26において、容量素子2004は、第1導電層4403と半導体層4405とで絶縁層4408を挟んで形成されている。容量素子2004を形成する半導体層4405には、不純物領域4410と不純物領域4411を備えている。不純物領域4411は、半導体層4405において第1導電層4403と重なる位置に形成される。また、不純物領域4410は配線4404とコンタクトを形成する。不純物領域4411は、第1導電層4403を通して一導電型の不純物を添加することができるので、不純物領域4410と不純物領域4411に含まれる不純物濃度は同じにすることもできるし、異ならせることも可能である。いずれにしても、容量素子2004において、半導体層4405は電極として機能させるので、一導電型の不純物を添加して低抵抗化しておくことが好ましい。また、第1導電層4403は、図27(C)に示すように、第2導電層4402を補助的な電極として利用することにより、第1導電層4403及び第2導電層4402は容量素子2004の電極として十分に機能させることができる。このように、第1導電層4403と第2導電層4402を組み合わせた複合的な電極構造とすることにより、容量素子2004を自己整合的に形成することができる。
【0148】
容量素子2004は、図5に示す電源回路503の保持容量505、あるいは共振容量501、復調回路506が有する容量素子として用いることができる。特に、共振容量501は、容量素子の2端子間に正負両方の電圧が印加されるため、2端子間の電圧の正負によらず容量として機能することが必要である。
【0149】
図26において、抵抗素子2005は、第1導電層4403によって形成されている(図27(D)も参照)。第1導電層4403は30〜150nm程度の厚さに形成されるので、その幅や長さを適宜設定して抵抗素子を構成することができる。
【0150】
抵抗素子は、図5に示す変調回路507が有する抵抗負荷として用いることができる。また、図5に示す復調回路506が有する抵抗素子としても用いることができる。さらに、VCOなどで電流を制御する場合の負荷としても用いることができる。抵抗素子は、導電型を付与する不純物元素を高濃度に含む半導体層や、膜厚の薄い金属層によって構成すればよい。半導体層を用いた抵抗素子は、抵抗値が膜厚、膜質、不純物濃度、活性化率などに依存するのに対して、金属層を用いた抵抗素子は、抵抗値は膜厚、膜質で決定するため、抵抗値のばらつきが小さく好ましい。
【0151】
図26において、Pチャネル型のトランジスタ2003は、半導体層4405に不純物領域4412を備えている。この不純物領域4412は、配線4404とコンタクトを形成するソース領域及びドレイン領域として機能する。ゲート電極4409の構成は第1導電層4403と第2導電層4402が重畳した構成となっている(図27(E)も参照)。Pチャネル型のトランジスタ2003はLDDを設けないシングルドレイン構造のトランジスタである。Pチャネル型のトランジスタ2003を形成する場合、不純物領域4412にはP型を付与する不純物として硼素などが添加される。一方、不純物領域4412にN型を付与する不純物としてリンなどを添加すればシングルドレイン構造のNチャネル型トランジスタとすることもできる。
【0152】
半導体層4405及びゲート絶縁層4408の一方若しくは双方に対して、高密度プラズマ処理によって酸化又は窒化処理しても良い。この処理は、実施例1で示した手法と同様にすることができる。
【0153】
上記処理によって、半導体層4405とゲート絶縁層4408の界面の欠陥準位を低減することができる。ゲート絶縁層4408対してこの処理を行うことにより、この絶縁層の緻密化を図ることができる。すなわち、荷電欠陥の生成を抑えトランジスタのしきい値電圧の変動を抑えることができる。また、トランジスタを3V以下の電圧で駆動させる場合には、このプラズマ処理により酸化若しくは窒化された絶縁層をゲート絶縁層4408として適用することができる。また、トランジスタの駆動電圧が3V以上の場合には、このプラズマ処理で半導体層4405の表面に形成した絶縁層とCVD法(プラズマCVD法若しくは熱CVD法)で堆積した絶縁層とを組み合わせてゲート絶縁層4408を形成することができる。また、同様に、この絶縁層は、容量素子2004の誘電体層としても利用することができる。この場合、このプラズマ処理で形成された絶縁層は、1〜10nmの厚さで形成され、緻密な膜であるので、大きな電荷容量を持つ容量素子を形成することができる。
【0154】
図26及び図27を参照して説明したように、膜厚の異なる導電層を組み合わせることにより、さまざまな構成の素子を形成することができる。第1導電層のみが形成される領域と、第1導電層と第2導電層が積層されている領域は、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて形成することができる。すなわち、フォトリソグラフィー工程において、フォトレジストを露光する際に、フォトマスクの透過光量を調節して、現像されるレジストマスクの厚さを異ならせる。この場合、フォトマスクまたはレチクルに解像度限界以下のスリットを設けて上記複雑な形状を有するレジストを形成してもよい。また、現像後に約200℃のベークを行ってフォトレジスト材料で形成されるマスクパターンを変形させてもよい。
【0155】
また、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いることにより、第1導電層のみが形成される領域と、第1導電層と第2導電層が積層されている領域を連続して形成することができる。半導体層上において第1導電層のみが形成される領域を設けることは、LDD領域を自己整合的に作製することができる等の点で有効であるが、半導体層上以外の領域(ゲート電極と連続する配線領域)では第1導電層のみが形成される領域は必要がない。このフォトマスク若しくはレチクルを用いることにより、配線部分(配線が密集した部分)は、第1導電層のみの領域を作らないで済むので、前記配線部分において配線密度を実質的に高めることができる。
【0156】
図26及び図27の場合には、第1導電層はタングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物を30〜50nmの厚さで形成する。また、第2導電層はタングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物で300〜600nmの厚さに形成する。例えば、第1導電層と第2導電層をそれぞれ異なる導電材料を用い、後に行うエッチング工程でエッチングレートの差が生じるようにする。一例として、第1導電層をTaNを用い、第2導電層としてタングステン膜を用いることができる。
【0157】
本実施例では、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、電極構造の異なるトランジスタ、容量素子、抵抗素子を、同じフォトマスクまたはレチクルを用いたエッチング工程によって作り分ける方法を示した。これにより、回路の特性に応じて、形態の異なる素子を、工程を増やすことなく作り込み、集積化することができる。
【0158】
本発明の半導体装置は、振幅変調信号と周波数変調信号を生成する回路の一部(第1の分周回路101、第2の分周回路102、低速・高速切り替え部105、変調回路507等)を共有することができるので、半導体装置のサイズ及び消費電力を小さく抑えることができる。
【0159】
本実施例は、上記の実施の形態、実施例1及び実施例2と自由に組み合わせることができる。
【実施例4】
【0160】
本実施例では、本発明の半導体装置のメモリ(図3のメモリ305等)として用いることができるスタティックRAM(SRAM)の一例について、図28〜図30を参照して説明する。
【0161】
図28(A)で示す半導体層10、半導体層11はシリコン若しくはシリコンを成分とする結晶性の半導体で形成することが好ましい。例えば、半導体層10、半導体層11として、シリコン膜をレーザアニールなどによって結晶化された多結晶シリコン、単結晶シリコンなどが適用される。その他にも半導体特性を示す、金属酸化物半導体、アモルファスシリコン、有機半導体を適用することも可能である。
【0162】
いずれにしても、最初に形成する半導体層は絶縁表面を有する基板の全面若しくは一部(トランジスタの半導体領域として確定されるよりも広い面積を有する領域)に形成する。そして、フォトリソグラフィー技術によって、半導体層上にマスクパターンを形成する。そのマスクパターンを利用して半導体層をエッチング処理することにより、トランジスタのソース領域及びドレイン領域及びチャネル形成領域を含む特定形状の島状の半導体層10、半導体層11を形成する。その半導体層10、半導体層11の形状はレイアウトの適切さを考慮して決められる。
【0163】
図28(A)で示す半導体層10、半導体層11を形成するためのフォトマスクは、図28(B)に示すマスクパターン2000を備えている。このマスクパターン2000は、フォトリソグラフィー工程で用いるレジストがポジ型かネガ型かで異なる。ポジ型レジストを用いる場合には、図28(B)で示すマスクパターン2000は、遮光部として作製される。マスクパターン2000は、多角形の頂部Aを削除した形状となっている。また、屈曲部Bにおいては、その角部が直角とならないように屈曲する形状となっている。屈曲部Bを拡大すると、複数段に渡って屈曲する形状となっている。
【0164】
図28(B)で示すマスクパターン2000は、その形状が、図28(A)で示す半導体層10、半導体層11に反映される。その場合、マスクパターン2000と相似の形状が転写されても良いが、マスクパターン2000の角部(凹曲部)がさらに丸みを帯びるように転写されていても良い。すなわち、マスクパターン2000よりもさらにパターン形状をなめらかにした丸め部を設けても良い。
【0165】
半導体層10、半導体層11の上には、酸化シリコン若しくは窒化シリコンを少なくとも一部に含む絶縁層が形成される。この絶縁層を形成する目的の一つはゲート絶縁層である。そして、図29(A)で示すように、半導体層と一部が重なるようにゲート配線12、ゲート配線13、ゲート配線14を形成する。ゲート配線12は半導体層10に対応して形成される。ゲート配線13は半導体層10、半導体層11に対応して形成される。また、ゲート配線14は半導体層10、半導体層11に対応して形成される。ゲート配線は、金属層又は導電性の高い半導体層を成膜し、フォトリソグラフィー技術によってその形状を絶縁層上に作り込まれる。
【0166】
このゲート配線を形成するためのフォトマスクは、図29(B)に示すマスクパターン2100を備えている。このマスクパターン2100は、角部を面取りしている。図29(B)で示すマスクパターン2100は、その形状が、図29(A)で示すゲート配線12、ゲート配線13、ゲート配線14に反映される。その場合、マスクパターン2100と相似の形状が転写されても良いが、マスクパターン2100の角部(凹曲部)がさらに丸みを帯びるように転写されていても良い。すなわち、マスクパターン2100よりもさらにパターン形状をなめらかにした、丸め部を設けても良い。すなわち、ゲート配線12、ゲート配線13、ゲート配線14の角部は、丸みをおびていてもよい。凸部はプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、凹部では、たとえ洗浄のときにできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流す結果として歩留まり向上ができるという効果を有する。
【0167】
層間絶縁層はゲート配線12、ゲート配線13、ゲート配線14の次に形成される層である。層間絶縁層は酸化シリコンなどの無機絶縁材料若しくポリイミドやアクリル樹脂などを使った有機絶材料を使って形成する。この層間絶縁層とゲート配線12、ゲート配線13、ゲート配線14の間には窒化シリコン若しくは窒化酸化シリコンなどの絶縁層を介在させても良い。また、層間絶縁層上にも窒化シリコン若しくは窒化酸化シリコンなどの絶縁層を設けても良い。この絶縁層は、外因性の金属イオンや水分など薄膜トランジスタ(TFT)にとっては良くない不純物により半導体層やゲート絶縁層を汚染するのを防ぐことができる。
【0168】
層間絶縁層には所定の位置に開口が形成されている。例えば、下層にあるゲート配線や半導体層に対応して設けられる。金属若しくは金属化合物の一層若しくは複数層で形成される配線層は、フォトリソグラフィー技術によってマスクパターンが形成され、エッチング加工により所定のパターンに形成される。そして、図30(A)で示すように、半導体層10や半導体層11と一部が重なるように配線15、配線16、配線17、配線18、配線19、配線20を形成する。配線はある特定の素子間を連結する。配線は特定の素子と素子の間を直線で結ぶのではなく、レイアウトの制約上屈曲部が含まれる。また、他の配線とのコンタクト部やその他の領域において配線幅が変化する。コンタクト部では、コンタクトホールが配線幅と同等若しくは大きい場合には、その部分で配線幅が広がるように変化する。
【0169】
この配線15乃至配線20を形成するためのフォトマスクは、図30(B)に示すマスクパターン2200を備えている。この場合においても、配線は、角部において面取りされている。更に、角部に丸みをおびさせてもよい。このような配線は、凸部はプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、凹部では、たとえ洗浄のときにできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流す結果として歩留まり向上ができるという効果を有する。配線の角部が丸みをおびることにより、配線の電気伝導を良好にすることができる。また、多数の配線を平行に設けた構造において、角部が丸みをおびた配線を用いることは、ゴミを洗い流すのにきわめて好都合である。
【0170】
図30(A)には、Nチャネル型のトランジスタ21、Nチャネル型のトランジスタ22、Nチャネル型のトランジスタ23、Nチャネル型のトランジスタ24、Pチャネル型のトランジスタ25、Pチャネル型のトランジスタ26が形成されている。Nチャネル型のトランジスタ23とPチャネル型のトランジスタ25はインバータ27を構成している。Nチャネル型のトランジスタ24とPチャネル型のトランジスタ26はインバータ28を構成している。この6つのトランジスタを含む回路はSRAMを形成している。これらのトランジスタの上層には、窒化シリコンや酸化シリコンなどの絶縁層が形成されていても良い。
【0171】
本実施例によって、不良の少ないメモリを形成することができるので、当該メモリを用いることによって本発明の半導体装置の信頼性を高めることができる。
【0172】
また、本発明の半導体装置は、振幅変調信号と周波数変調信号を生成する回路の一部(第1の分周回路101、第2の分周回路102、低速・高速切り替え部105、変調回路507等)を共有することができるので、半導体装置のサイズ及び消費電力を小さく抑えることができる。
【0173】
本実施例は、上記の実施の形態、実施例1乃至実施例3と自由に組み合わせることができる。
【実施例5】
【0174】
本発明の半導体装置の一実施例を図31に示す。図31(A)は半導体装置の展開図であり、図31(B)は図31(A)のA−Bにおける断面図である。本実施例では、複数のアンテナを有する半導体装置において、特に薄膜トランジスタを有する層上に形成されたアンテナと、パッチアンテナとを有する半導体装置の構造について説明する。パッチアンテナ7103は、誘電体層7110と、誘電体層7110の一表面に形成される導電層7111と、誘電体層7110を介して導電層7111に対向し、且つ誘電体層7110の他表面に形成される導電層7112と、給電体層7113とを有する。給電体層7113は、導電層7111及び導電層7112と接触しないように設けられている。
【0175】
実施例1で示した素子群601の作製方法と同様に、絶縁性基板7101上に薄膜トランジスタを有する層7102が形成される。薄膜トランジスタを有する層7102上に層間絶縁層7182が形成される。層間絶縁層7182上に第1のアンテナ7181が形成される。第1のアンテナ7181上には絶縁層7183が形成され、絶縁層7183の表面に接続端子7184が形成される。
【0176】
一部に接続端子7184が露出した絶縁層7183と第2のアンテナであるパッチアンテナ7103とが、異方性導電接着剤7104により固着される。また、接続端子7184とパッチアンテナの給電体層7113とが、異方性導電接着剤に分散される導電性粒子で電気的に接続される。接続端子7184と薄膜トランジスタを有する層7102に形成される第1の薄膜トランジスタ7185とが電気的に接続される。また、薄膜トランジスタを有する層7102に形成される第2の薄膜トランジスタ7186と第1のアンテナ7181とが接続される。なお、異方性導電接着剤の代わりに、導電性ペーストを硬化した導電層を用いてもよい。
【0177】
第1のアンテナ7181は、アルミニウム、銅、銀を含む金属材料で形成する。例えば、銅又は銀のペースト状組成物を、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット方式の印刷法で形成することができる。また、スパッタリングなどでアルミニウム膜を形成し、エッチング加工により形成しても良い。その他、電解メッキ法、無電解メッキ法を用いて形成しても良い。
【0178】
なお、第1のアンテナ7181を省略することも可能である。
【0179】
ここでは、第1のアンテナ7181の形状は、図32(A)に示すように方形コイル状である。
【0180】
第1のアンテナ7181の形状について図32を用いて説明する。図32は、層間絶縁層7182及びその上に形成されたアンテナを示す上面図である。本実施例では、図31(A)及び図32(A)に示すように、第1のアンテナ7181は方形コイル状7181aであるがこの形状に限定されるものではない。円形コイル状や多角形コイル状としてもよい。また、図32(B)に示すように方形ループ状7181bのアンテナとすることができる。また、円形ループ状アンテナや多角形ループアンテナとすることもできる。また、図32(C)に示すように直線型ダイポール状7181cのアンテナとすることができる。また、曲線型ダイポール状のアンテナとすることができる。
【0181】
このように複数のアンテナを設けることで、一つの半導体装置で複数の異なる周波数の電波を受信することが可能なマルチバンド対応の半導体装置を形成することができる。
【0182】
本発明の半導体装置は、振幅変調信号と周波数変調信号を生成する回路の一部(第1の分周回路101、第2の分周回路102、低速・高速切り替え部105、変調回路507等)を共有することができるので、半導体装置のサイズ及び消費電力を小さく抑えることができる。
【0183】
本実施例は、上記の実施の形態、実施例1乃至実施例4と自由に組み合わせることができる。
【実施例6】
【0184】
本実施例では、本発明の半導体装置(図2における無線タグ200に相当)の用途について図24及び図25を用いて説明する。無線タグ200は、例えば、紙幣、硬貨、有価証券、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図25(A)参照)に設けて使用することができる。また、包装用容器類(包装紙やボトル等、図25(B)参照)、DVDソフトやCDやビデオテープ等の記録媒体(図25(C)参照)に設けて使用することができる。また、車やバイクや自転車等の乗物類(図25(D)参照)、鞄や眼鏡等の身の回り品(図25(E)参照)、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、テレビジョン装置(単にテレビまたはテレビ受像器とも呼ぶ)および携帯電話機等を指す。
【0185】
無線タグ200は、物品の表面に貼り付けたり、物品に埋め込んだりして物品に固定することができる。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に無線タグ200を設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に無線タグ200を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類に無線タグ200を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物に無線タグを埋め込むことによって、生まれた年や性別または種類等を容易に識別することが可能となる。
【0186】
以上のように、本発明の無線タグ200は物品(生き物を含む)であればどのようなものにでも設けて使用することができる。
【0187】
無線タグ200は、無線通信によるデータの送受信が可能である点、様々な形状に加工可能である点、選択する周波数によっては、指向性が広く、認識範囲が広い点等の様々な利点を有する。
【0188】
次に、無線タグ200を用いたシステムの一形態について、図24を用いて説明する。表示部9521を含む携帯端末の側面には、リーダ/ライタ9520(図2におけるリーダ/ライタ201に相当)が設けられ、物品A9522の側面には本発明の半導体装置9523(図2における無線タグ200)が設けられ、物品B9532の上面には本発明の半導体装置9531が設けられている(図24(A)参照)。物品A9522が含む半導体装置9523にリーダ/ライタ9520をかざすと、表示部9521に物品A9522の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴、商品の説明等の商品に関する情報が表示される。物品B9532が含む半導体装置9531にリーダ/ライタ9520をかざすと、表示部9521に物品B9532の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴、商品の説明等の商品に関する情報が表示される。
【0189】
図24(A)に示すシステムを利用したビジネスモデルの一例を示す。説明には図24(B)のフローチャートを用いる。携帯端末において、アレルギーの情報を入力しておく(ステップ1)。アレルギーの情報とは、所定の人物がアレルギー反応を起こす医薬品またはその成分等の情報である。携帯端末に設けられたリーダ/ライタ9520によって、前述のとおり物品A9522の情報を取得する(ステップ2)。ここで、物品A9522は医薬品であるとする。物品A9522の情報には物品A9522の成分等の情報が含まれる。アレルギーの情報と取得した物品A9522の成分等の情報とを比較し、一致するか否かを判断する(ステップ3)。一致する場合、所定の人物は物品Aに対してアレルギー反応を起こす危険性があるとし、携帯端末の使用者に注意を呼びかける(ステップ4)。一致しない場合、所定の人物は物品Aに対してアレルギー反応を起こす危険性が少ないとし、携帯端末の使用者にその旨(安全である旨)を知らせる(ステップ5)。ステップ4やステップ5において、携帯端末の使用者に情報を知らせる方法は、携帯端末の表示部9521に表示を行う方法であっても良いし、携帯端末のアラーム等を鳴らす方法であっても良い。
【0190】
また、別のビジネスモデルの例して、端末に、同時に使用すると危険な医薬品または同時に使用すると危険な医薬品の成分の組み合わせの情報(以下、組み合わせ情報という)を入力しておく(ステップ1)。端末に設けられたリーダ/ライタによって、前述のとおり物品Aの情報を取得する(ステップ2)。ここで、物品Aは医薬品であるとする。物品Aの情報には物品Aの成分等の情報が含まれる。次いで、端末に設けられたリーダ/ライタによって、前述のとおり物品Bの情報を取得する(ステップ2’)。ここで、物品Bも医薬品であるとする。物品Bの情報には物品Bの成分等の情報が含まれる。こうして、複数の医薬品の情報を取得する。組み合わせ情報と取得した複数の物品の情報とを比較し、一致するか否か、即ち、同時に使用すると危険な医薬品の成分の組み合わせが有るか否かを判断する(ステップ3)。一致する場合、端末の使用者に注意を呼びかける(ステップ4)。一致しない場合、端末の使用者にその旨(安全である旨)を知らせる(ステップ5)。ステップ4やステップ5において、端末の使用者に情報を知らせる方法は、端末の表示部に表示を行う方法であっても良いし、携帯端末のアラーム等を鳴らす方法であっても良い。
【0191】
このように、システムに本発明の半導体装置を活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現したシステムを提供することができる。
【0192】
特に、本発明の半導体装置は、消費電力を小さくし、回路規模を小さくでき、更に製造コストと低く抑えることができるので、様々な物品に設けて使用することができる。そのため、多様なシステムに利用することができる。
【0193】
本実施例は、上記の実施の形態、実施例1乃至実施例5と自由に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】実施の形態1の半導体装置の構成を示す図。
【図2】実施の形態1の半導体装置の構成を示す図。
【図3】実施の形態1の半導体装置の構成を示す図。
【図4】実施の形態1の半導体装置の構成を示す図。
【図5】実施の形態1の半導体装置の構成を示す図。
【図6】実施の形態1の半導体装置の信号を示す図。
【図7】実施の形態1の半導体装置の信号を示す図。
【図8】実施の形態1の半導体装置の信号を示す図。
【図9】実施の形態1の半導体装置の信号を示す図。
【図10】従来の半導体装置の構成を示す図。
【図11】実施の形態2の半導体装置の構成を示す図。
【図12】実施の形態2の半導体装置の構成を示す図。
【図13】実施の形態2の半導体装置の構成を示す図。
【図14】実施の形態2の半導体装置の構成を示す図。
【図15】実施の形態2の半導体装置の構成を示す図。
【図16】実施の形態2の半導体装置の構成を示す図。
【図17】実施の形態2の半導体装置の構成を示す図。
【図18】実施の形態2の半導体装置の構成を示す図。
【図19】実施の形態2の半導体装置の構成を示す図。
【図20】実施例1を示す図。
【図21】実施例1を示す図。
【図22】実施例1を示す図。
【図23】実施例2を示す図。
【図24】実施例6を示す図。
【図25】実施例6を示す図。
【図26】実施例3を示す図。
【図27】実施例3を示す図。
【図28】実施例4を示す図。
【図29】実施例4を示す図。
【図30】実施例4を示す図。
【図31】実施例5を示す図。
【図32】実施例5を示す図。
【図33】実施例1を示す図。
【符号の説明】
【0195】
10 半導体層
11 半導体層
12 ゲート配線
13 ゲート配線
14 ゲート配線
15 配線
16 配線
17 配線
18 配線
19 配線
20 配線
21 トランジスタ
22 トランジスタ
23 トランジスタ
24 トランジスタ
25 トランジスタ
26 トランジスタ
27 インバータ
28 インバータ
100 符号化回路
101 第1の分周回路
102 第2の分周回路
103 リセットコントロール回路
104 ASK・FSK切り替え部
105 低速・高速切り替え部
106 ASK信号生成部
107 出力信号切り替え部
108 符号化回路
109 SOF・EOF追加回路
111 搬送波
112 データ
113 第2のイネーブル信号
114 伝送速度切り替え信号
115 変調モード選択信号
116 基本クロック信号
117 出力
118 信号
119 出力
120 第1のリセット信号
121 制御信号
122 第2のリセット信号
123 カウント信号
124 情報
125 基本クロック制御信号
141 第1のイネーブル信号
200 無線タグ
201 リーダ/ライタ
202 アンテナ
203 回路部
204 アナログ部
205 デジタル部
206 アンテナ
207 回路部
211 変調された搬送波
301 コード抽出回路
302 コード判定回路
303 巡回冗長検査回路
304 符号化出力回路
305 メモリ
306 入力
307 出力
311 CRC
312 UID
402 シフトレジスタ回路
403 メモリコントローラ
501 共振容量
502 帯域フィルタ
503 電源回路
504 整流回路
505 保持容量
506 復調回路
507 変調回路
511 直流電圧
512 信号
513 信号
600 基板
601 素子群
602 端子部
603 導電性粒子
604 樹脂
610 基板
661 下地層
662 半導体層
662a チャネル形成領域
662b 不純物領域
662c 低濃度不純物領域
663 第1の絶縁層
664 ゲート電極
665 第3の絶縁層
666 配線
667 第2の絶縁層
667a サイドウォール
668 第5の絶縁層
669 第4の絶縁層
671 配線
701 フレキシブル基板
711 絶縁層
712 剥離層
713 絶縁層
714 絶縁層
715 開口部
716 接着層
717 基板
740 半導体基板
741 絶縁層
901 保護層
902 アンテナ
903 保護層
904 素子群
905 ソース及びドレインの一方
906 ソース及びドレインの他方
907 ゲート電極
910 部分
980 基板
981 トランジスタ
1001 PSK回路
1002 FSK回路
1003 メモリ
1004 第1のスイッチ
1005 第2のスイッチ
1006 搬送波
1007 切り替え信号
1008 出力
1201a 角部(凹曲部)
1201b 角部(凹曲部)
1201c 角部(凹曲部)
1202a 角部(凹曲部)
1202b 角部(凹曲部)
1202c 角部(凹曲部)
2000 マスクパターン
2001 トランジスタ
2002 トランジスタ
2003 トランジスタ
2004 容量素子
2005 抵抗素子
2100 マスクパターン
2200 マスクパターン
3005 方向
3011 配線
3012 配線
3013 配線
3014 コンタクトホール
3003 厚さ
3004 方向
4402 第2導電層
4403 第1導電層
4404 配線
4405 半導体層
4406 不純物領域
4407 不純物領域
4408 絶縁層
4409 ゲート電極
4410 不純物領域
4411 不純物領域
4412 不純物領域
7101 絶縁性基板
7102 層
7103 パッチアンテナ
7104 異方性導電接着剤
7110 誘電体層
7111 導電層
7112 導電層
7113 給電体層
7181 第1のアンテナ
7181a 方形コイル状
7181b 方形ループ状
7181c 直線型ダイポール状
7182 層間絶縁層
7183 絶縁層
7184 接続端子
7185 第1の薄膜トランジスタ
7186 第2の薄膜トランジスタ
9520 リーダ/ライタ
9521 表示部
9522 物品A
9523 半導体装置
9531 半導体装置
9532 物品B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信によりデータの入出力を行う半導体装置において、
振幅変調モードまたは周波数変調モードを選択する変調モード選択信号、及びマンチェスタ符号化された情報が入力され、第1のリセット信号及び第2のリセット信号を出力するリセットコントロール回路と、
搬送波が入力され、前記第1のリセット信号に応じて、振幅変調モードに対応した副搬送波または周波数変調モードに対応した周波数変調信号を出力する第1の分周回路と、
前記第2のリセット信号、及び前記第1の分周回路の出力に応じて、振幅変調モードと周波数変調モードとでデューティー比の異なる基本クロック信号を出力する第2の分周回路と、
前記第1の分周回路からの出力、及びマンチェスタ符号化された情報が入力され、前記変調モード選択信号に応じて、振幅変調信号または前記周波数変調信号を出力するASK・FSK切り替え部とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
無線通信によりデータの入出力を行う半導体装置において、
振幅変調モードまたは周波数変調モードを選択する変調モード選択信号、及びマンチェスタ符号化された情報が入力され、第1のリセット信号及び第2のリセット信号を出力するリセットコントロール回路と、
搬送波が入力され、前記第1のリセット信号に応じて、振幅変調モードに対応した副搬送波または周波数変調モードに対応した周波数変調信号を出力する第1の分周回路と、
前記第1の分周回路の出力が入力され、選択されたデータの伝送速度に応じて、基本クロック制御信号を出力する低速・高速切り替え部と、
前記第2のリセット信号、及び前記基本クロック制御信号に応じて、振幅変調モードと周波数変調モードとでデューティー比が異なり、且つデータの伝送速度に応じて周期の異なる基本クロック信号を出力する第2の分周回路と、
前記第1の分周回路からの出力、及びマンチェスタ符号化された情報が入力され、前記変調モード選択信号に応じて、振幅変調信号または前記周波数変調信号を出力するASK・FSK切り替え部とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記ASK・FSK切り替え部は、
マンチェスタ符号化された情報、及び前記第1の分周回路から出力される振幅変調モードに対応した副搬送波または周波数変調モードに対応した周波数変調信号が入力され、前記振幅変調モードに対応した副搬送波と前記マンチェスタ符号化された情報とを演算処理することによって振幅変調信号を出力し、更に、前記周波数変調信号を出力するASK信号生成部と、
前記ASK信号生成部からの出力が入力され、前記変調モード選択信号に応じて、前記振幅変調信号または前記周波数変調信号を切り替えて出力する出力信号切り替え部とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記リセットコントロール回路には、前記第1の分周回路から制御信号が入力され、前記第2の分周回路からカウント信号が入力されることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
フラグ、DSFID、UID、CRCの各データが順に入力され、マンチェスタ符号化して順に出力する符号化回路と、
前記符号化回路の出力が入力され、前記符号化回路の出力にSOFとEOFを追加して前記マンチェスタ符号化された情報を生成し、前記マンチェスタ符号化された情報を出力するSOF・EOF追加回路とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記ASK・FSK切り替え部から前記振幅変調信号または前記周波数変調信号が入力され、前記振幅変調信号または前記周波数変調信号によって搬送波を負荷変調する変調回路を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記ASK・FSK切り替え部から前記振幅変調信号または前記周波数変調信号が入力され、前記振幅変調信号または前記周波数変調信号によって搬送波を負荷変調する変調回路と、
前記負荷変調された搬送波を送信するアンテナとを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、
前記半導体装置と、前記半導体装置と無線通信によってデータの入出力を行うリーダ/ライタとを有することを特徴とする無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2007−151077(P2007−151077A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216414(P2006−216414)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】