半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置
【課題】固定部材が固定される際の応力を緩和することができる半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置用基体1であって、上側主面に半導体素子4が搭載される搭載部2aを有する基板2と、基板2の下側主面のうち平面透視して搭載部2aを間に挟む位置に設けられた一対の固定部材3とを備えており、一対の固定部材3のそれぞれは、基板2の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部3aと、複数の延在部3aの各々に設けられた、外部部材8に固定するためのネジ止め部3bとを有していることを特徴とする。
【解決手段】半導体装置用基体1であって、上側主面に半導体素子4が搭載される搭載部2aを有する基板2と、基板2の下側主面のうち平面透視して搭載部2aを間に挟む位置に設けられた一対の固定部材3とを備えており、一対の固定部材3のそれぞれは、基板2の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部3aと、複数の延在部3aの各々に設けられた、外部部材8に固定するためのネジ止め部3bとを有していることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
素子収納用パッケージにおいて、基板が個別に設けられた固定部材を介して実装基板に固定されたものがある。このような素子収納用パッケージとしては、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−111466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、固定部材を固定する力が不均一になりやすく、この不均一な部分に、基板と固定部材の熱膨張係数に起因して発生する熱応力等が集中しやすいため、基板の割れやクラック等が発生しやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体装置用基体の固定部材が固定される際の応力を緩和することができる半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明における半導体装置用基体は、上側主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する基板と、該基板の下側主面のうち平面透視して前記搭載部を間に挟む位置に設けられた一対の固定部材とを備えており、該一対の固定部材のそれぞれは、前記基板の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部と、該複数の延在部の各々に設けられた、外部部材に固定するためのネジ止め部とを有していることを特徴とするものである。
【0007】
また、上記目的を達成するために本発明における半導体装置は、本発明に係る半導体装置用基体と、前記基板の前記搭載部に搭載された半導体素子とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、上記目的を達成するために本発明における半導体装置用基体は、上下面を貫通して切り抜かれた切り抜き部を有する基板と、前記切り抜き部に取り付けられた、上面に半導体素子の搭載部を有する放熱部材と、該基板の下側主面のうち前記放熱部材を間に挟む位置に設けられた一対の固定部材とを備えており、該一対の固定部材のそれぞれは、前記基板の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部と、該複数の延在部の各々に設けられた、外部部材に固定するためのネジ止め部とを有していることを特徴とするものである。
【0009】
また、上記目的を達成するために本発明における半導体装置は、本発明に係る半導体装置用基体と、前記放熱部材の前記搭載部に搭載された半導体素子とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置は、固定部材が固定される際の応力を緩和することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態1に係る半導体装置および外部部材の斜視図である。
【図2】本実施形態1に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図、(c)は(a)に示す半導体装置用基体のX−Xで切断したときの断面図である。
【図3】本実施形態1に係る半導体装置用基体であって、(a)は他の例の半導体装置用基体の下面図、(b)はさらに他の例の半導体装置用基体の下面図である。
【図4】本実施形態1に係る半導体装置用基体に放熱部材を配置した場合の下面図である。
【図5】本実施形態1の変形例1に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図である。
【図6】本実施形態1の変形例2に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図、(c)は(a)に示す半導体装置用基体のY−Yで切断したときの断面図である。
【図7】本実施形態1の変形例3に係る半導体装置用基体の下面図である。
【図8】本実施形態2に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図、(c)は(a)に示す半導体装置用基体のX−Xで切断したときの断面図である。
【図9】本実施形態2に係る半導体装置用基体および半導体装置であって、(a)は半導体装置用基体および外部部材の斜視図、(b)は(a)の半導体装置用基体を備えた半導体装置の斜視図、(c)は他の例の半導体装置の斜視図である。
【図10】本実施形態2の変形例1に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図である。
【図11】本実施形態2の変形例2に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図、(c)は(a)に示す半導体装置用基体のY−Yで切断したときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
<実施形態1>
<半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置の構成>
本実施形態1に係る半導体装置用基体、ならびにそれを備えた半導体装置は、図1乃至図2に示すような構成である。半導体装置用基体1は、上側主面に半導体素子4が搭載される搭載部2aを有する基板2と、基板2の下側主面のうち平面透視して搭載部2aを間に挟む位置に設けられた一対の固定部材3とを備えており、一対の固定部材3のそれぞれは、基板2の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部3aと、複数の延在部3aの各々に設けられた、外部部材8に固定するためのネジ止め部3bとを有している。
【0014】
また、半導体装置は、本発明に係る半導体装置用基体1と、基板2の搭載部2aに搭載された半導体素子4とを備えている。
【0015】
基板2は、平面視したとき、矩形状に形成された板状の部材である。基板2は、上側主面に、例えば、LD(半導体レーザ)、PD(フォトダイオード)等の半導体素子4が搭載される搭載部2aを有している。また、基板2の上側主面には、半導体素子4に高周波信号を入出力するための伝送線路2bの線路導体が形成されている。また、線路導体としては、例えば、半導体素子4への入出力をする配線パターン2e等がある。基板2の厚みは、例えば、1.0(mm)以上2.5(mm)以下に設定されている。
【0016】
基板2は、例えば、アルミナ質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミックスまたはムライト質セラミックスス等のセラミック材料から成る。基板2は、半導体素子4の発熱をすみやかに放熱し、かつ高い絶縁性を有する材料が好ましい。
【0017】
また、基板2の上側主面の伝送線路2bは、タングステン、モリブデンまたはマンガン等で形成されている。また、基板2は、基板2と固定部材3との接合部にメタライズ層が形成されている。
【0018】
基板2は、平板形状のグリーンシートに金型を用いた打ち抜きを施すことによってそれぞれの形状に合わせて製作される。そして、基板2の上側主面の伝送線路2bおよびメタライズ層は、セラミックグリーンシートに、例えば、タングステン、モリブデンまたはマンガン等の粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合してなる金属ペーストを予め周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって形成される。そして、これらのセラミックグリーンシートを複数積層することによって基板2が形成される。
【0019】
固定部材3は、基板2の下側主面のうち平面透視して搭載部2aを間に挟む位置に一対をなして設けられている。すなわち、基板2の下側主面に固定部材3が対向して設けられている。一対の固定部材3のそれぞれは、基板2の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部3aと、複数の延在部3aの各々に設けられた、外部部材8に固定するためのネジ止め部とを有している。
【0020】
ネジ止め部3bは、外部部材8との固定のための貫通孔3cが延在部3aに設けられている。基板2は外部部材8に設けられた固定部8aに固定部材3を介して外部部材8に固定される。また、ネジ止め部3bは、複数の固定部8aを固定できるようにネジ止め部3bがそれぞれ繋がっている。固定部材3は、基板2の上側主面側から平面透視したときに、基板2の上側主面に搭載される半導体素子4と重ならないように基板2の下側主面に設けられることが好ましい。また、固定部材3のネジ止め部3bは、2つとは限らず、基板2と外部部材8の固定の状態に合わせて、2つ以上の複数個設けてもよい。
【0021】
固定部材3は、図2または図3に示すように、外部部材8に設けられた固定部8aが固定できるような形状であればよく、外部部材8の固定部8aと基板2との関係で、固定部材3の形状は適切な形状にすればよい。図3(a)に示すように、例えば、固定部材3が、基板2の外周部からはみ出る形状であってもよい。また、図3(b)に示すように、例えば、固定部材3の延在部3aが基板2の長手方向の外側に延在する形状であってもよい。
【0022】
また、固定部材3は、図3(a)に示すように、基板2の外周部からはみ出て設けられていることにより、半導体素子4から固定部材3に伝達された熱が、基板2の外周部からはみ出した固定部材3の表面から大気中に放熱される。これによって、半導体装置の放熱性が向上し、半導体素子4は安定して作動することができる。
【0023】
外部部材8は、例えば、半導体装置を搭載する実装基板、すなわち、半導体装置を固定する取り付け部材である。また、外部部材8は、例えば、半導体装置を実装するガラスエポキシ基板等のプリント配線基板等である。
【0024】
外部部材8がプリント配線基板の場合、例えば、半導体装置とともに、集積回路、抵抗器、コンデンサー、インダクター等の電子部品が外部部材8の表面に実装されている。外部部材8が電子部品等を実装したプリント配線基板の場合、各電子部品が電気配線で接続されるとともに電流、電圧が印加されることにより、外部部材8が電子回路として機能する。また、外部部材8は、例えば、半導体素子4が搭載された半導体装置を固定する取り付け部材であり、半導体装置に搭載される半導体素子4の動作特性を評価するために半導体装置を固定するものであってもよい。
【0025】
また、固定部材3は、半導体素子4から発生する熱を効率よく放熱するために、放熱性に優れた材料から成ることが好ましい。固定部材3の熱伝導率は、例えば、10(w/m・K)以上380(w/m・K)以下に設定されることが好ましい。また、固定部材3の熱膨張係数は、例えば、4.0(ppm/℃)以上7.5(ppm/℃)以下に設定されることが好ましい。固定部材3は、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金または鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金等の金属材料から成る。これらの金属のインゴットを周知の圧延加工法や打ち抜き加工法、エッチング加工法等の金属加工法を採用することによって、所定の形状となるように製作される。また、固定部材3の厚みは、例えば、半導体装置を外部部材8に固定する際のネジ止め部3bに加えられる応力を固定部材3で変形させて緩和するという点から、0.3(mm)以上1.0(mm)以下に設定されることが好ましい。また、基板2と固定部材3は、銀(Ag)ロウまたは銀(Ag)−銅(Cu)ロウ等のロウ材から成る接合材を介して接合される。
【0026】
基板2は、半導体素子4から発生する熱を効率よく放熱するために、図4に示すように、基板2の下側主面のうち一対の固定部材3の間に放熱部材5をさらに設けてもよい。放熱部材5は、半導体素子4から発生する熱を効率よく放熱するために、放熱性に優れた材料から成ることが好ましい。放熱部材5の熱伝導率は、例えば、10(w/m・K)以上380(w/m・K)以下に設定されることが好ましい。また、放熱部材5の熱膨張係数は、例えば、4.0(ppm/℃)以上7.5(ppm/℃)以下に設定されることが好ましい。放熱部材5は、例えば、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金または鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金、銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属材料から成る。
【0027】
また、放熱部材5は、これらの金属のインゴットを周知の圧延加工法や打ち抜き加工法、エッチング加工法等の金属加工法を採用することによって、所定の形状となるように製作される。放熱部材5の厚みは、放熱性の点から、例えば、0.3(mm)以上1.0(mm)以下に設定されることが好ましい。また、固定部材3が外部部材8に固定されるため、放熱部材5の厚みは、固定部材3の厚みと同等、もしくは固定部材3の厚みより大きく設定されることが好ましい。これによって、放熱部材5と外部部材8と密着性が向上し、半導体素子4からの熱が放熱部材5を介して効果的に外部部材8に伝達されるとともに放熱される。
【0028】
放熱部材5は、一対の固定部材3の間に設けられているため、半導体装置を外部部材8に固定する際のネジ止め部3bに加えられる応力や、固定部材3が変形することによって生じる応力が放熱部材5に伝わることが抑制される。また、これらの応力に起因する放熱部材5の変形が抑制される。これによって、放熱部材5の変形や内部応力により、半導体素子4の割れやクラック等の発生が抑制される。また、基板2の上側主面に形成されている伝送線路2b等の断線が抑制される。
【0029】
放熱部材5のビッカース硬度は、例えば、150(HV)以上350(HV)以下に設定されることが好ましい。また、固定部材3のビッカース硬度は、例えば、100(HV)以上200(HV)以下に設定されることが好ましい。
【0030】
また、放熱部材5のビッカース硬度は固定部材3のビッカース硬度より大きく設定されることが好ましい。これによって、半導体装置を外部部材8に固定する際にネジ止め部3bに加えられる応力または外部要因によって生じる応力による変形が固定部材3で吸収されるとともに、ビッカース硬度が大きい放熱部材5の変形が抑制される。これにより、放熱部材5の変形や内部応力によって生じる半導体素子4の割れやクラック等の発生が抑制される。また、基板2の上側主面に形成されている伝送線路2b等の断線が抑制される。
【0031】
また、放熱部材5の形状は、矩形状に限らず、放熱することができる形状で有ればよく、基板2の大きさや固定部材3が設けられる位置等に応じて適切な形状にすればよい。また、放熱部材5は、基板2を上側主面から平面透視して、少なくとも、搭載される半導体素子4の搭載位置を含むように設けられることが好ましい。また、放熱部材5と基板2は、例えば、銀(Ag)ロウまたは銀(Ag)−銅(Cu)ロウ等のロウ材から成る接合材を介して接合される。
【0032】
ホルダー6は、同軸コネクタ7を固定するものである。ホルダー6は、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金または鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金等の金属材料から成る。これらの金属のインゴットを周知の圧延加工法や打ち抜き加工法、エッチング加工法等の金属加工法を採用することによって、所定の形状となるように製作される。
【0033】
同軸コネクタ7はホルダー6に固定されており、そして、ホルダー6が基板2の側面に接合されている。同軸コネクタ7は、外部の電気回路と半導体素子4とを電気的に接続する機能を有する。同軸コネクタ7は、高周波信号が伝送される中心導体と、この中心導体の周囲に設けられた中心導体を電気的に絶縁するための絶縁体と、この絶縁体の外周に設けられてグランドとなる外周導体とから構成されている。
【0034】
本実施形態1の半導体装置用基体によれば、基板2が、ネジ止め部3bが繋がっている固定部材3を介して、外部部材8の固定部8aに固定されるため、半導体装置用基体1が外部部材8に固定される際に、固定部材3に加えられる固定力に起因した応力が、基板2に設けられた固定部材3で分散される。固定部材3の変形や局所的な応力により、基板2に搭載された半導体素子4や伝送線路2b等への影響を小さくすることができる。
【0035】
これによって、半導体装置用基体1は外部部材8に固定部材3を介して均一な力で固定することができる。したがって、均一な力で固定されるため、半導体素子4や外部環境からの熱によって、固定部材3と基板2との熱膨張係数差に起因して発生する熱応力が、固定力に起因した応力が不均一な部位に集中することが抑制される。すなわち、固定力に起因して固定部材3に蓄積される応力が、基板2に設けられた固定部材3を介して分散される。これによって、応力が一部に集中することによる半導体装置用基体1のクラックや基板2と固定部材3との剥がれ等を抑制することができる。また、半導体素子4の割れやクラック、伝送線路2b等の線路導体の断線が抑制される。
【0036】
また、固定部材3が、基板2の上面側から平面透視して基板2の上側主面の半導体素子と重ならないように基板2の下側主面に設けられ、外部部材8の隣り合う固定部8aを連結して固定しているため、半導体装置用基体1が外部部材8に固定される場合、固定部材3に加えられる固定力によって発生する固定部材3への応力が、基板2を介して半導体素子4に伝わりにくくなる。すなわち、固定部材3を固定する際の応力が半導体素子4への影響を小さくすることができる。これによって、半導体素子4の割れやクラック等の発生が抑制される。
【0037】
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、本実施形態1の変形例について説明する。なお、本実施形態の変形例に係る半導体装置用基体のうち、本実施形態1に係る半導体装置用基体と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0038】
<変形例1>
本実施形態1に係る変形例の半導体装置用基体1は、図5に示すように、基板2が、平面透視して固定部材3と重なる位置に、基板2の側面から下面主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部2cを有していてもよい。基板2の側面から下面主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部2cを有しているため、基板2と固定部材3との接合面積が小さくなるとともに、固定部材3が変形する部位が大きくなるため、基板2が反っていても、固定部材3を固定する際に加えられる力に起因した応力が、固定部材3が変形することによって吸収され、これらの応力による基板2の変形を抑制することができる。
【0039】
また、固定部材3と切り欠き部2cとの距離Aは、基板2の下側主面を平面視して、例えば、0.1(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。また、固定部材3と切り欠き部2cの距離Bは、基板2の下側主面を平面視して、例えば、0.2(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0040】
距離Aが0.1mm未満の場合、距離Aの部分で固定部材3と基板2が接合される接合面積が小さくなり、固定部材3を固定する際の応力が固定部材3の内側の角部、すなわち、固定部材3が連結部から延在部3aへ屈曲する部分の角部に集中することにより、固定部材3が基板2から剥がれやすくなる。また、距離Aが2.5mmより大きい場合、距離Aの部分で固定部材3と基板2が接合される接合面積が大きくなり、固定部材3と基板2との熱膨張係数差に起因する応力により、基板2にクラックが発生したり、基板2が変形したりする。よって、距離Aは、0.1(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることにより、半導体装置用基体1は、固定部材3の剥がれや基板2のクラックや変形の発生が抑制される。
【0041】
また、距離Bが0.2mm未満の場合、固定部材3の延在部3aと切り欠き部2cとの間隙が狭くなり、固定部材3を外部部材8に固定する際に距離Aの部分で生じる応力が切り欠き部2cの角部にも集中することになる。これによって、切り欠き部2cの角部を起点として基板2にクラックが発生しやすくなる。また、距離Bが2.5mmより大きい場合、固定部材3の延在部3aの間に位置する基板2の厚みが、切り欠き部2cによって薄くなる部位が増加して、固定部材3の延在部3aの間に位置する基板2の剛性が低下する。よって、固定部材3を外部部材8に固定する際の固定力によって発生する基板2への応力により、基板2にクラックが発生したり、基板2が変形したりする。よって、距離Bは、0.2(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることにより、半導体装置用基体1は、基板2のクラックや変形の発生が抑制される。
【0042】
また、切り欠き部2cは、基板2の下側主面を平面視して固定部材3の延在部3aに平行な方向の距離をC、固定部材3の延在部3aに垂直な方向の距離をDとする場合、C/Dが0.1以上1.0以下であることが好ましい。C/Dが0.1未満の場合、切り欠き部2cに納まる固定部材3の部位が短くなり、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が、固定部材3の変形によって吸収されにくくなる。これによって、固定部材3を押さえ付ける力による基板2の変形が大きくなる。また、C/Dが1.0より大きい場合、切り欠き部2cに納まる固定部材3の部位が長くなり、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が、固定部材3の変形によって必要以上に吸収され、基板2を外部部材8へ押え付ける力が低下し、基板2を外部部材8に強固に取り付けることができない。
【0043】
本実施形態1に係る変形例の半導体装置用基体1は、基板2と固定部材3との接合端面へのネジ止めの際の応力が緩和される。すなわち、切り欠き部2cを設けることにより、固定部材3が変形できる部位が大きくなり、固定部材3の垂直方向の変形幅が大きくなる。固定部材3の変形幅が大きいため、固定部材3を固定する際の応力が、変形幅の大きくなった固定部材3の部位で変形することにより、応力を吸収することができる。
【0044】
また、図5(a)に示すように、切り欠き部2cが基板2の隣り合う側面の角部まで切り欠かれていることにより、半導体素子4からの熱が基板2を介して固定部材3に伝達され、伝達された熱が固定部材3から切り欠き部2cを介して効率よく大気中に放散される。これによって、半導体装置は、安定した動作を維持することができる。
【0045】
<変形例2>
本実施形態1に係る変形例の半導体装置用基体1は、図6に示すように、固定部材3の延在部3aが、基2板を平面透視して、切り欠き部2cの内側を通って基板2の外側に延在していてもよい。すなわち、延在部3aの一部が、基板2を平面透視して、切り欠き部2cの内側に位置している。延在部3aが、切り欠き部2cの内側を通って基板2の外側に延在しているため、基板2が上側主面に反っても、基板2の反りを吸収して緩和することができる。すなわち、基板2を固定部材3のネジ止め部3bから側面視したときに、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が基板2の内側に位置することから、固定部材3の延在部3aと垂直な方向の基板2の変形を抑制することができる。
【0046】
また、切り欠き部2cは、図6(b)に示すように、基板2の下側主面を平面視して、固定部材3と切り欠き部2cとの距離Eは、変形例1と同様に、固定部材3の連結部における内側の角部に応力を集中させないという点と、固定部材3からの放熱性と基板2の変形を抑制するという点から、例えば、0.1(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0047】
また、基板2の下側主面を平面視して、固定部材3と切り欠き部2cとの間隙Fは、変形例1と同様に、切り欠き部2cの角部に応力を集中させないという点と、基板2の剛性を低下させないという点から、例えば、0.2(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0048】
また、切り欠き部2cは、基板2の下側主面を平面視して固定部材3の延在部に平行な方向の距離をG、固定部材3の延在部3aに垂直な方向の距離をHとする場合、G/Hが0.1以上1.0以下であることが好ましい。G/Hが0.1未満の場合、基板2の下側主面を平面視して、切り欠き部2cに納まる固定部材3の部位が短くなり、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が、固定部材3の変形によって吸収されにくくなる。これによって、固定部材3を押さえ付ける力による基板2の変形が大きくなる。また、G/Hが1.0より大きい場合、基板2の下側主面を平面視して、切り欠き部2cに納まる固定部材3の部位が長くなり、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が、固定部材3の変形によって必要以上に吸収され、基板2を外部部材8へ押え付ける力が低下し、基板2を外部部材8に強固に取り付けることができない。
【0049】
また、切り欠き部2cは、図6(c)に示すように、基板2を断面視して、切り欠き部2cの切り欠き量Gは、固定部材3からの放熱性と基板2の変形を抑制するという点から、0.2(mm)以上2.0(mm)に設定されることが好ましい。また、基板2を断面視して、切り欠き部2cの固定部材3と基板2との間隙Jは、固定部材3からの放熱性と基板2の変形を抑制するという点から、0.2(mm)以上2.0(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0050】
<変形例3>
本実施形態1に係る変形例の半導体装置用基体1は、図7に示すように、固定部材3のネジ止め部3bは、外部部材8に固定するために切り欠いたネジ切り部3dが設けられてもよい。
【0051】
ネジ止め部3bは、切り欠いたネジ切り部3dが設けられているので、固定部材3を固定力で固定する場合に、ネジ切り部3cの切り欠かれた部位に付加される固定力が固定部材3に直接的に付加されないため、これらの固定力に起因して固定部材3に生じる応力が抑制される。これによって、これらの応力による固定部材3の変形や基板2の変形が抑制される。また、ネジ切り部3dは、固定部材3のネジ止め部3bが切り欠いた形状であればよく、形状は限定されない。
【0052】
<実施形態2>
<半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置の構成>
実施形態2に係る半導体装置用基体のうち、本実施形態1に係る半導体装置用基体と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0053】
本実施形態2に係る半導体装置用基体、ならびにそれを備えた半導体装置は、図8乃至図9に示すような構成である。半導体装置用基体10は、上下面を貫通して切り抜かれた切り抜き部2dを有する基板20と、切り抜き部2dに取り付けられた、上面に半導体素子4の搭載部5aを有する放熱部材5と、基板20の下側主面のうち放熱部材5を間に挟む位置に設けられた一対の固定部材3とを備えており、一対の固定部材3のそれぞれは、基板2の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部3aと、複数の延在部3aの各々に設けられた、外部部材8に固定するためのネジ止め部3bとを有している。
【0054】
また、半導体装置は、本発明の半導体装置用基体10と、放熱部材5の搭載部5aに搭載された半導体素子4とを備えている。
【0055】
半導体装置用基体10は、図8(a)に示すように、基板20の上下面を貫通して切り抜かれた切り抜き部2dを有している。切り抜き部2dに半導体素子4の搭載部5aを有する放熱部材5が取り付けられている。また、切り欠き部2dが設けられる位置は、基板20の中央部に限らず、基板20の周辺部であってもよく、半導体素子4が搭載される位置に応じて切り欠き部2dの位置は決定される。
【0056】
固定部材3が、基板20の下側主面のうち放熱部材5を間に挟む位置に一対をなして設けられている。一対の固定部材3のそれぞれは、基板2の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部3aと、複数の延在部3aの各々に設けられた、外部部材8に固定するためのネジ止め部3bとを有している。なお、基板20は、基板2に切り抜き部2dを設けたものである。したがって、本発明の半導体装置用基体10は、半導体装置用基体1と同様な効果を有する。
【0057】
放熱部材5は、図8(c)に示すように、基板20の切り抜き部2dの周辺部に接合されて取り付けられても、あるいは、基板20の切り抜き部2dに嵌合されて取り付けられてもよい。
【0058】
半導体装置用基体10は、図9(A)に示すように、基板20の上側主面に半導体素子4への入出力をする配線パターン2eが形成されている。図9(b)または図9(c)に示すように、切り抜き部2dで形成されたキャビティ内に半導体素子4が収納され、放熱部材5の搭載部5a上に搭載される。半導体素子4は、基板20の上側主面に形成された配線パターン2eにボンディングワイヤ等を介して電気的に接続される。これによって、基板20の切り欠き部2dに取り付けられた放熱部材5に半導体素子4が搭載されることにより、半導体素子4が放熱部材5の搭載部5a上に直接搭載されるため、半導体素子4から発生する熱が放熱部材5を介して効率的に放熱される。
【0059】
なお、リード端子9が基板20の上側主面に形成された配線パターン2eに導電部材を介して接合されることにより、リード端子9を介して外部からの電気信号が入力され、半導体素子4を駆動することができる。
【0060】
固定部材3のネジ止め部3bは、図9(a)または図9(b)に示すように、外部部材8を固定するための貫通孔3c、または、図9(c)に示すように、外部部材8を固定するために切り欠いたネジ切り部3dが設けられている。
【0061】
また、図9(a)に示すような半導体装置用基体1において、リード端子9との接続部を枠体の外側に露出するように基板20の配線パターン2e上に枠体等を設けることで、半導体素子収納用パッケージとすることができる。また、図9(b)または(c)に示すような半導体装置用基体についても同様に半導体素子収納用パッケージにすることができる。
【0062】
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、本実施形態2の変形例について説明する。なお、本実施形態2の変形例に係る半導体装置用基体のうち、本実施形態1に係る半導体装置用基体と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0063】
<変形例1>
本実施形態2に係る変形例の半導体装置用基体10は、図10に示すように、基板20が、平面透視して固定部材3と重なる位置に、基板20の側面から下面主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部2cを有していてもよい。基板20の側面から下面主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部2cを有しているため、基板20と固定部材3との接合面積が小さくなるとともに、固定部材3が変形する部位が大きくなるため、基板20が反っていても、固定部材3を固定する際に加えられる力に起因した応力が、固定部材3が変形することによって吸収され、これらの応力による基板20の変形を抑制することができる。
【0064】
実施形態1の変形例1と同様に、固定部材3と切り欠き部2cとの距離Aは、基板20の下側主面を平面視して、例えば、0.1(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。また、固定部材3と切り欠き部2cの距離Bは、基板20の下側主面を平面視して、例えば、0.2(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。また、切り欠き部2cは、基板20の下側主面を平面視して固定部材3の延在部3aに平行な方向の距離をC、固定部材3の延在部3aに垂直な方向の距離をDとする場合、C/Dが0.1以上1.0以下であることが好ましい。
【0065】
<変形例2>
本実施形態2に係る変形例の半導体装置用基体10は、図11に示すように、固定部材3の延在部3aが、基板を平面透視して、切り欠き部2cの内側を通って基板20の外側に延在していてもよい。延在部3aが、切り欠き部2cの内側を通って基板20の外側に延在しているため、基板20が上側主面に反っても、基板20の反りを吸収して緩和することができる。すなわち、基板20を固定部材3のネジ止め部3bから側面視したときに、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が基板20の内側に位置することから、固定部材3の延在部3aと垂直な方向の基板20の変形を抑制することができる。
【0066】
実施形態1の変形例2と同様に、切り欠き部2cは、図11(b)に示すように、基板20の下側主面を平面視して、固定部材3と切り欠き部2cとの距離Eは、変形例1と同様に、固定部材3の連結部における内側の角部に応力を集中させないという点と、固定部材3からの放熱性と基板20の変形を抑制するという点から、例えば、0.1(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。また、基板20の下側主面を平面視して、固定部材3と切り欠き部2cとの間隙Fは、変形例1と同様に、切り欠き部2cの角部に応力を集中させないという点と、基板20の剛性を低下させないという点から、例えば、0.2(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0067】
また、実施形態1の変形例2と同様に、切り欠き部2cは、基板20の下側主面を平面視して固定部材3の延在部に平行な方向の距離をG、固定部材3の延在部3aに垂直な方向の距離をHとする場合、G/Hが0.1以上1.0以下であることが好ましい。
【0068】
また、切り欠き部2cは、図11(c)に示すように、基板20を断面視して、切り欠き部2cの切り欠き量Gは、固定部材3からの放熱性と基板20の変形を抑制するという点から、0.2(mm)以上2.0(mm)以下に設定されることが好ましい。また、基板20を断面視して、切り欠き部2cの固定部材3と基板20との間隙Jは、固定部材3からの放熱性と基板20の変形を抑制するという点から、0.2(mm)以上2.0(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0069】
<半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置の製造方法>
ここで、半導体装置用基体1または10、およびそれを備えた半導体装置の製造方法を説明する。
【0070】
基板2または20は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体からなる場合、グリーンシートは、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末に、有機バインダ、可塑剤、溶剤、分散剤等を混合添加してペースト状とし、ドクターブレード法やカレンダーロール法等によって形成される。
【0071】
そして、平板形状のグリーンシートに金型を用いた打ち抜きを施すことによってそれぞれの形状に合わせて製作される。
【0072】
また、基板2または20は、タングステン、モリブデンまたはマンガン等の高融点金属粉末に有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加してなる金属ペーストを、上面の所定位置にスクリーン印刷法等によって印刷塗布して、伝送線路2bとなるメタライズ層が形成されたグリーンシートを製作する。また、固定部材3およびホルダー6との接合部に該当する位置にメタライズ層が形成されたグリーンシートを製作する。これらのグリーンシートを積層して、約1600℃の温度で同時に焼成した後、電解メッキ又は無電解メッキ等のメッキ形成方法によって、メタライズ層上に厚さ3.0(μm)以下のニッケルメッキ層が形成され、基板2または20が製作される。
【0073】
固定部材3は、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金を型枠に鋳込んで作製したインゴットを周知の切削加工や打ち抜き加工等の金属加工法を用いて所定形状にして製作される。また、固定部材3は、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金を型枠に鋳込んで作製したインゴットを周知の切削加工や打ち抜き加工等の金属加工法を用いて所定形状にして製作される。
【0074】
そして、基板2または20と固定部材3とが銀(Ag)ロウまたは銀(Ag)−銅(Cu)ロウ等のロウ材を介して接合された後、電解メッキ又は無電解メッキ等のメッキ形成方法によって、固定部材3および伝送線路2bの表面に、厚さ3.0(μm)以下のニッケルメッキ層と、厚さ3.0(μm)以下の金メッキ層とが順次に形成される。
【0075】
ここで、半導体装置の製造方法について説明する。
【0076】
ホルダー6は、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金を型枠に鋳込んで作製したインゴットを周知の切削加工や打ち抜き加工等の金属加工法を用いて所定形状にして製作される。そして、基板2の側面に銀(Ag)ロウまたは銀(Ag)−銅(Cu)ロウ等のロウ材、半田材または樹脂接合材等を介して接合される。
【0077】
同軸コネクタ7は、以下の方法により製作される。
【0078】
外周導体および中心導体は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の金属材料からプレス加工,切削加工等により所定の形状に製作される。
【0079】
まず、同軸コネクタ8の中央部の形状を有する型枠によって、中心導体が挿入される貫通孔が形成された筒状の硼珪酸ガラス体を準備する。
【0080】
次に、周知の金属加工法等によって、同軸コネクタ7の中央部の絶縁体の外周面に沿った内周面を有する筒状の外周導体となる金属パイプを鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等で製作して準備する。
【0081】
筒状の硼珪酸ガラス体に、貫通孔に中心導体を挿入し、金属パイプを嵌め込む。そして、これらの部材を同軸コネクタ7の形状に成形された型枠に嵌め込み、硼珪酸ガラス体の表面が溶融する程度の温度を加え、中心導体と硼珪酸ガラス体と金属パイプとを接着し、同軸コネクタ7が製作される。
【0082】
半導体素子4が、半導体装置用基体1または20の基板2の載置部2aまたは放熱部材5の搭載部5aに、例えば、金(Au)−錫(Sn)半田または金(Au)−ゲルマニウム(Ge)半田等の材料で伝送線路2bに電気的に接続される。また、同軸コネクタ7の中心導体が、伝送線路2bに金(Au)−錫(Sn)半田、金(Au)−ゲルマニウム(Ge)半田等のロウ材を介して電気的に接続される。これによって、半導体装置が製作される。
【符号の説明】
【0083】
1、10 半導体装置用基体
2、20 基板
2a 搭載部
2b 伝送線路
2c 切り欠き部
2d 切り抜き部
2e 配線パターン
3 固定部材
3a 延在部
3b ネジ止め部
3c 貫通孔
3d ネジ切り部
4 半導体素子
5 放熱部材
5a 搭載部
6 ホルダー
7 同軸コネクタ
8 外部部材
8a 固定部
9 リード端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
素子収納用パッケージにおいて、基板が個別に設けられた固定部材を介して実装基板に固定されたものがある。このような素子収納用パッケージとしては、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−111466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、固定部材を固定する力が不均一になりやすく、この不均一な部分に、基板と固定部材の熱膨張係数に起因して発生する熱応力等が集中しやすいため、基板の割れやクラック等が発生しやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体装置用基体の固定部材が固定される際の応力を緩和することができる半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明における半導体装置用基体は、上側主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する基板と、該基板の下側主面のうち平面透視して前記搭載部を間に挟む位置に設けられた一対の固定部材とを備えており、該一対の固定部材のそれぞれは、前記基板の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部と、該複数の延在部の各々に設けられた、外部部材に固定するためのネジ止め部とを有していることを特徴とするものである。
【0007】
また、上記目的を達成するために本発明における半導体装置は、本発明に係る半導体装置用基体と、前記基板の前記搭載部に搭載された半導体素子とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、上記目的を達成するために本発明における半導体装置用基体は、上下面を貫通して切り抜かれた切り抜き部を有する基板と、前記切り抜き部に取り付けられた、上面に半導体素子の搭載部を有する放熱部材と、該基板の下側主面のうち前記放熱部材を間に挟む位置に設けられた一対の固定部材とを備えており、該一対の固定部材のそれぞれは、前記基板の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部と、該複数の延在部の各々に設けられた、外部部材に固定するためのネジ止め部とを有していることを特徴とするものである。
【0009】
また、上記目的を達成するために本発明における半導体装置は、本発明に係る半導体装置用基体と、前記放熱部材の前記搭載部に搭載された半導体素子とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置は、固定部材が固定される際の応力を緩和することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態1に係る半導体装置および外部部材の斜視図である。
【図2】本実施形態1に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図、(c)は(a)に示す半導体装置用基体のX−Xで切断したときの断面図である。
【図3】本実施形態1に係る半導体装置用基体であって、(a)は他の例の半導体装置用基体の下面図、(b)はさらに他の例の半導体装置用基体の下面図である。
【図4】本実施形態1に係る半導体装置用基体に放熱部材を配置した場合の下面図である。
【図5】本実施形態1の変形例1に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図である。
【図6】本実施形態1の変形例2に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図、(c)は(a)に示す半導体装置用基体のY−Yで切断したときの断面図である。
【図7】本実施形態1の変形例3に係る半導体装置用基体の下面図である。
【図8】本実施形態2に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図、(c)は(a)に示す半導体装置用基体のX−Xで切断したときの断面図である。
【図9】本実施形態2に係る半導体装置用基体および半導体装置であって、(a)は半導体装置用基体および外部部材の斜視図、(b)は(a)の半導体装置用基体を備えた半導体装置の斜視図、(c)は他の例の半導体装置の斜視図である。
【図10】本実施形態2の変形例1に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図である。
【図11】本実施形態2の変形例2に係る半導体装置用基体であって、(a)は半導体装置用基体の斜視図、(b)は(a)に示す半導体装置用基体の下面図、(c)は(a)に示す半導体装置用基体のY−Yで切断したときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
<実施形態1>
<半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置の構成>
本実施形態1に係る半導体装置用基体、ならびにそれを備えた半導体装置は、図1乃至図2に示すような構成である。半導体装置用基体1は、上側主面に半導体素子4が搭載される搭載部2aを有する基板2と、基板2の下側主面のうち平面透視して搭載部2aを間に挟む位置に設けられた一対の固定部材3とを備えており、一対の固定部材3のそれぞれは、基板2の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部3aと、複数の延在部3aの各々に設けられた、外部部材8に固定するためのネジ止め部3bとを有している。
【0014】
また、半導体装置は、本発明に係る半導体装置用基体1と、基板2の搭載部2aに搭載された半導体素子4とを備えている。
【0015】
基板2は、平面視したとき、矩形状に形成された板状の部材である。基板2は、上側主面に、例えば、LD(半導体レーザ)、PD(フォトダイオード)等の半導体素子4が搭載される搭載部2aを有している。また、基板2の上側主面には、半導体素子4に高周波信号を入出力するための伝送線路2bの線路導体が形成されている。また、線路導体としては、例えば、半導体素子4への入出力をする配線パターン2e等がある。基板2の厚みは、例えば、1.0(mm)以上2.5(mm)以下に設定されている。
【0016】
基板2は、例えば、アルミナ質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミックスまたはムライト質セラミックスス等のセラミック材料から成る。基板2は、半導体素子4の発熱をすみやかに放熱し、かつ高い絶縁性を有する材料が好ましい。
【0017】
また、基板2の上側主面の伝送線路2bは、タングステン、モリブデンまたはマンガン等で形成されている。また、基板2は、基板2と固定部材3との接合部にメタライズ層が形成されている。
【0018】
基板2は、平板形状のグリーンシートに金型を用いた打ち抜きを施すことによってそれぞれの形状に合わせて製作される。そして、基板2の上側主面の伝送線路2bおよびメタライズ層は、セラミックグリーンシートに、例えば、タングステン、モリブデンまたはマンガン等の粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合してなる金属ペーストを予め周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって形成される。そして、これらのセラミックグリーンシートを複数積層することによって基板2が形成される。
【0019】
固定部材3は、基板2の下側主面のうち平面透視して搭載部2aを間に挟む位置に一対をなして設けられている。すなわち、基板2の下側主面に固定部材3が対向して設けられている。一対の固定部材3のそれぞれは、基板2の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部3aと、複数の延在部3aの各々に設けられた、外部部材8に固定するためのネジ止め部とを有している。
【0020】
ネジ止め部3bは、外部部材8との固定のための貫通孔3cが延在部3aに設けられている。基板2は外部部材8に設けられた固定部8aに固定部材3を介して外部部材8に固定される。また、ネジ止め部3bは、複数の固定部8aを固定できるようにネジ止め部3bがそれぞれ繋がっている。固定部材3は、基板2の上側主面側から平面透視したときに、基板2の上側主面に搭載される半導体素子4と重ならないように基板2の下側主面に設けられることが好ましい。また、固定部材3のネジ止め部3bは、2つとは限らず、基板2と外部部材8の固定の状態に合わせて、2つ以上の複数個設けてもよい。
【0021】
固定部材3は、図2または図3に示すように、外部部材8に設けられた固定部8aが固定できるような形状であればよく、外部部材8の固定部8aと基板2との関係で、固定部材3の形状は適切な形状にすればよい。図3(a)に示すように、例えば、固定部材3が、基板2の外周部からはみ出る形状であってもよい。また、図3(b)に示すように、例えば、固定部材3の延在部3aが基板2の長手方向の外側に延在する形状であってもよい。
【0022】
また、固定部材3は、図3(a)に示すように、基板2の外周部からはみ出て設けられていることにより、半導体素子4から固定部材3に伝達された熱が、基板2の外周部からはみ出した固定部材3の表面から大気中に放熱される。これによって、半導体装置の放熱性が向上し、半導体素子4は安定して作動することができる。
【0023】
外部部材8は、例えば、半導体装置を搭載する実装基板、すなわち、半導体装置を固定する取り付け部材である。また、外部部材8は、例えば、半導体装置を実装するガラスエポキシ基板等のプリント配線基板等である。
【0024】
外部部材8がプリント配線基板の場合、例えば、半導体装置とともに、集積回路、抵抗器、コンデンサー、インダクター等の電子部品が外部部材8の表面に実装されている。外部部材8が電子部品等を実装したプリント配線基板の場合、各電子部品が電気配線で接続されるとともに電流、電圧が印加されることにより、外部部材8が電子回路として機能する。また、外部部材8は、例えば、半導体素子4が搭載された半導体装置を固定する取り付け部材であり、半導体装置に搭載される半導体素子4の動作特性を評価するために半導体装置を固定するものであってもよい。
【0025】
また、固定部材3は、半導体素子4から発生する熱を効率よく放熱するために、放熱性に優れた材料から成ることが好ましい。固定部材3の熱伝導率は、例えば、10(w/m・K)以上380(w/m・K)以下に設定されることが好ましい。また、固定部材3の熱膨張係数は、例えば、4.0(ppm/℃)以上7.5(ppm/℃)以下に設定されることが好ましい。固定部材3は、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金または鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金等の金属材料から成る。これらの金属のインゴットを周知の圧延加工法や打ち抜き加工法、エッチング加工法等の金属加工法を採用することによって、所定の形状となるように製作される。また、固定部材3の厚みは、例えば、半導体装置を外部部材8に固定する際のネジ止め部3bに加えられる応力を固定部材3で変形させて緩和するという点から、0.3(mm)以上1.0(mm)以下に設定されることが好ましい。また、基板2と固定部材3は、銀(Ag)ロウまたは銀(Ag)−銅(Cu)ロウ等のロウ材から成る接合材を介して接合される。
【0026】
基板2は、半導体素子4から発生する熱を効率よく放熱するために、図4に示すように、基板2の下側主面のうち一対の固定部材3の間に放熱部材5をさらに設けてもよい。放熱部材5は、半導体素子4から発生する熱を効率よく放熱するために、放熱性に優れた材料から成ることが好ましい。放熱部材5の熱伝導率は、例えば、10(w/m・K)以上380(w/m・K)以下に設定されることが好ましい。また、放熱部材5の熱膨張係数は、例えば、4.0(ppm/℃)以上7.5(ppm/℃)以下に設定されることが好ましい。放熱部材5は、例えば、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金または鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金、銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属材料から成る。
【0027】
また、放熱部材5は、これらの金属のインゴットを周知の圧延加工法や打ち抜き加工法、エッチング加工法等の金属加工法を採用することによって、所定の形状となるように製作される。放熱部材5の厚みは、放熱性の点から、例えば、0.3(mm)以上1.0(mm)以下に設定されることが好ましい。また、固定部材3が外部部材8に固定されるため、放熱部材5の厚みは、固定部材3の厚みと同等、もしくは固定部材3の厚みより大きく設定されることが好ましい。これによって、放熱部材5と外部部材8と密着性が向上し、半導体素子4からの熱が放熱部材5を介して効果的に外部部材8に伝達されるとともに放熱される。
【0028】
放熱部材5は、一対の固定部材3の間に設けられているため、半導体装置を外部部材8に固定する際のネジ止め部3bに加えられる応力や、固定部材3が変形することによって生じる応力が放熱部材5に伝わることが抑制される。また、これらの応力に起因する放熱部材5の変形が抑制される。これによって、放熱部材5の変形や内部応力により、半導体素子4の割れやクラック等の発生が抑制される。また、基板2の上側主面に形成されている伝送線路2b等の断線が抑制される。
【0029】
放熱部材5のビッカース硬度は、例えば、150(HV)以上350(HV)以下に設定されることが好ましい。また、固定部材3のビッカース硬度は、例えば、100(HV)以上200(HV)以下に設定されることが好ましい。
【0030】
また、放熱部材5のビッカース硬度は固定部材3のビッカース硬度より大きく設定されることが好ましい。これによって、半導体装置を外部部材8に固定する際にネジ止め部3bに加えられる応力または外部要因によって生じる応力による変形が固定部材3で吸収されるとともに、ビッカース硬度が大きい放熱部材5の変形が抑制される。これにより、放熱部材5の変形や内部応力によって生じる半導体素子4の割れやクラック等の発生が抑制される。また、基板2の上側主面に形成されている伝送線路2b等の断線が抑制される。
【0031】
また、放熱部材5の形状は、矩形状に限らず、放熱することができる形状で有ればよく、基板2の大きさや固定部材3が設けられる位置等に応じて適切な形状にすればよい。また、放熱部材5は、基板2を上側主面から平面透視して、少なくとも、搭載される半導体素子4の搭載位置を含むように設けられることが好ましい。また、放熱部材5と基板2は、例えば、銀(Ag)ロウまたは銀(Ag)−銅(Cu)ロウ等のロウ材から成る接合材を介して接合される。
【0032】
ホルダー6は、同軸コネクタ7を固定するものである。ホルダー6は、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金または鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金等の金属材料から成る。これらの金属のインゴットを周知の圧延加工法や打ち抜き加工法、エッチング加工法等の金属加工法を採用することによって、所定の形状となるように製作される。
【0033】
同軸コネクタ7はホルダー6に固定されており、そして、ホルダー6が基板2の側面に接合されている。同軸コネクタ7は、外部の電気回路と半導体素子4とを電気的に接続する機能を有する。同軸コネクタ7は、高周波信号が伝送される中心導体と、この中心導体の周囲に設けられた中心導体を電気的に絶縁するための絶縁体と、この絶縁体の外周に設けられてグランドとなる外周導体とから構成されている。
【0034】
本実施形態1の半導体装置用基体によれば、基板2が、ネジ止め部3bが繋がっている固定部材3を介して、外部部材8の固定部8aに固定されるため、半導体装置用基体1が外部部材8に固定される際に、固定部材3に加えられる固定力に起因した応力が、基板2に設けられた固定部材3で分散される。固定部材3の変形や局所的な応力により、基板2に搭載された半導体素子4や伝送線路2b等への影響を小さくすることができる。
【0035】
これによって、半導体装置用基体1は外部部材8に固定部材3を介して均一な力で固定することができる。したがって、均一な力で固定されるため、半導体素子4や外部環境からの熱によって、固定部材3と基板2との熱膨張係数差に起因して発生する熱応力が、固定力に起因した応力が不均一な部位に集中することが抑制される。すなわち、固定力に起因して固定部材3に蓄積される応力が、基板2に設けられた固定部材3を介して分散される。これによって、応力が一部に集中することによる半導体装置用基体1のクラックや基板2と固定部材3との剥がれ等を抑制することができる。また、半導体素子4の割れやクラック、伝送線路2b等の線路導体の断線が抑制される。
【0036】
また、固定部材3が、基板2の上面側から平面透視して基板2の上側主面の半導体素子と重ならないように基板2の下側主面に設けられ、外部部材8の隣り合う固定部8aを連結して固定しているため、半導体装置用基体1が外部部材8に固定される場合、固定部材3に加えられる固定力によって発生する固定部材3への応力が、基板2を介して半導体素子4に伝わりにくくなる。すなわち、固定部材3を固定する際の応力が半導体素子4への影響を小さくすることができる。これによって、半導体素子4の割れやクラック等の発生が抑制される。
【0037】
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、本実施形態1の変形例について説明する。なお、本実施形態の変形例に係る半導体装置用基体のうち、本実施形態1に係る半導体装置用基体と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0038】
<変形例1>
本実施形態1に係る変形例の半導体装置用基体1は、図5に示すように、基板2が、平面透視して固定部材3と重なる位置に、基板2の側面から下面主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部2cを有していてもよい。基板2の側面から下面主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部2cを有しているため、基板2と固定部材3との接合面積が小さくなるとともに、固定部材3が変形する部位が大きくなるため、基板2が反っていても、固定部材3を固定する際に加えられる力に起因した応力が、固定部材3が変形することによって吸収され、これらの応力による基板2の変形を抑制することができる。
【0039】
また、固定部材3と切り欠き部2cとの距離Aは、基板2の下側主面を平面視して、例えば、0.1(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。また、固定部材3と切り欠き部2cの距離Bは、基板2の下側主面を平面視して、例えば、0.2(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0040】
距離Aが0.1mm未満の場合、距離Aの部分で固定部材3と基板2が接合される接合面積が小さくなり、固定部材3を固定する際の応力が固定部材3の内側の角部、すなわち、固定部材3が連結部から延在部3aへ屈曲する部分の角部に集中することにより、固定部材3が基板2から剥がれやすくなる。また、距離Aが2.5mmより大きい場合、距離Aの部分で固定部材3と基板2が接合される接合面積が大きくなり、固定部材3と基板2との熱膨張係数差に起因する応力により、基板2にクラックが発生したり、基板2が変形したりする。よって、距離Aは、0.1(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることにより、半導体装置用基体1は、固定部材3の剥がれや基板2のクラックや変形の発生が抑制される。
【0041】
また、距離Bが0.2mm未満の場合、固定部材3の延在部3aと切り欠き部2cとの間隙が狭くなり、固定部材3を外部部材8に固定する際に距離Aの部分で生じる応力が切り欠き部2cの角部にも集中することになる。これによって、切り欠き部2cの角部を起点として基板2にクラックが発生しやすくなる。また、距離Bが2.5mmより大きい場合、固定部材3の延在部3aの間に位置する基板2の厚みが、切り欠き部2cによって薄くなる部位が増加して、固定部材3の延在部3aの間に位置する基板2の剛性が低下する。よって、固定部材3を外部部材8に固定する際の固定力によって発生する基板2への応力により、基板2にクラックが発生したり、基板2が変形したりする。よって、距離Bは、0.2(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることにより、半導体装置用基体1は、基板2のクラックや変形の発生が抑制される。
【0042】
また、切り欠き部2cは、基板2の下側主面を平面視して固定部材3の延在部3aに平行な方向の距離をC、固定部材3の延在部3aに垂直な方向の距離をDとする場合、C/Dが0.1以上1.0以下であることが好ましい。C/Dが0.1未満の場合、切り欠き部2cに納まる固定部材3の部位が短くなり、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が、固定部材3の変形によって吸収されにくくなる。これによって、固定部材3を押さえ付ける力による基板2の変形が大きくなる。また、C/Dが1.0より大きい場合、切り欠き部2cに納まる固定部材3の部位が長くなり、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が、固定部材3の変形によって必要以上に吸収され、基板2を外部部材8へ押え付ける力が低下し、基板2を外部部材8に強固に取り付けることができない。
【0043】
本実施形態1に係る変形例の半導体装置用基体1は、基板2と固定部材3との接合端面へのネジ止めの際の応力が緩和される。すなわち、切り欠き部2cを設けることにより、固定部材3が変形できる部位が大きくなり、固定部材3の垂直方向の変形幅が大きくなる。固定部材3の変形幅が大きいため、固定部材3を固定する際の応力が、変形幅の大きくなった固定部材3の部位で変形することにより、応力を吸収することができる。
【0044】
また、図5(a)に示すように、切り欠き部2cが基板2の隣り合う側面の角部まで切り欠かれていることにより、半導体素子4からの熱が基板2を介して固定部材3に伝達され、伝達された熱が固定部材3から切り欠き部2cを介して効率よく大気中に放散される。これによって、半導体装置は、安定した動作を維持することができる。
【0045】
<変形例2>
本実施形態1に係る変形例の半導体装置用基体1は、図6に示すように、固定部材3の延在部3aが、基2板を平面透視して、切り欠き部2cの内側を通って基板2の外側に延在していてもよい。すなわち、延在部3aの一部が、基板2を平面透視して、切り欠き部2cの内側に位置している。延在部3aが、切り欠き部2cの内側を通って基板2の外側に延在しているため、基板2が上側主面に反っても、基板2の反りを吸収して緩和することができる。すなわち、基板2を固定部材3のネジ止め部3bから側面視したときに、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が基板2の内側に位置することから、固定部材3の延在部3aと垂直な方向の基板2の変形を抑制することができる。
【0046】
また、切り欠き部2cは、図6(b)に示すように、基板2の下側主面を平面視して、固定部材3と切り欠き部2cとの距離Eは、変形例1と同様に、固定部材3の連結部における内側の角部に応力を集中させないという点と、固定部材3からの放熱性と基板2の変形を抑制するという点から、例えば、0.1(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0047】
また、基板2の下側主面を平面視して、固定部材3と切り欠き部2cとの間隙Fは、変形例1と同様に、切り欠き部2cの角部に応力を集中させないという点と、基板2の剛性を低下させないという点から、例えば、0.2(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0048】
また、切り欠き部2cは、基板2の下側主面を平面視して固定部材3の延在部に平行な方向の距離をG、固定部材3の延在部3aに垂直な方向の距離をHとする場合、G/Hが0.1以上1.0以下であることが好ましい。G/Hが0.1未満の場合、基板2の下側主面を平面視して、切り欠き部2cに納まる固定部材3の部位が短くなり、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が、固定部材3の変形によって吸収されにくくなる。これによって、固定部材3を押さえ付ける力による基板2の変形が大きくなる。また、G/Hが1.0より大きい場合、基板2の下側主面を平面視して、切り欠き部2cに納まる固定部材3の部位が長くなり、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が、固定部材3の変形によって必要以上に吸収され、基板2を外部部材8へ押え付ける力が低下し、基板2を外部部材8に強固に取り付けることができない。
【0049】
また、切り欠き部2cは、図6(c)に示すように、基板2を断面視して、切り欠き部2cの切り欠き量Gは、固定部材3からの放熱性と基板2の変形を抑制するという点から、0.2(mm)以上2.0(mm)に設定されることが好ましい。また、基板2を断面視して、切り欠き部2cの固定部材3と基板2との間隙Jは、固定部材3からの放熱性と基板2の変形を抑制するという点から、0.2(mm)以上2.0(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0050】
<変形例3>
本実施形態1に係る変形例の半導体装置用基体1は、図7に示すように、固定部材3のネジ止め部3bは、外部部材8に固定するために切り欠いたネジ切り部3dが設けられてもよい。
【0051】
ネジ止め部3bは、切り欠いたネジ切り部3dが設けられているので、固定部材3を固定力で固定する場合に、ネジ切り部3cの切り欠かれた部位に付加される固定力が固定部材3に直接的に付加されないため、これらの固定力に起因して固定部材3に生じる応力が抑制される。これによって、これらの応力による固定部材3の変形や基板2の変形が抑制される。また、ネジ切り部3dは、固定部材3のネジ止め部3bが切り欠いた形状であればよく、形状は限定されない。
【0052】
<実施形態2>
<半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置の構成>
実施形態2に係る半導体装置用基体のうち、本実施形態1に係る半導体装置用基体と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0053】
本実施形態2に係る半導体装置用基体、ならびにそれを備えた半導体装置は、図8乃至図9に示すような構成である。半導体装置用基体10は、上下面を貫通して切り抜かれた切り抜き部2dを有する基板20と、切り抜き部2dに取り付けられた、上面に半導体素子4の搭載部5aを有する放熱部材5と、基板20の下側主面のうち放熱部材5を間に挟む位置に設けられた一対の固定部材3とを備えており、一対の固定部材3のそれぞれは、基板2の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部3aと、複数の延在部3aの各々に設けられた、外部部材8に固定するためのネジ止め部3bとを有している。
【0054】
また、半導体装置は、本発明の半導体装置用基体10と、放熱部材5の搭載部5aに搭載された半導体素子4とを備えている。
【0055】
半導体装置用基体10は、図8(a)に示すように、基板20の上下面を貫通して切り抜かれた切り抜き部2dを有している。切り抜き部2dに半導体素子4の搭載部5aを有する放熱部材5が取り付けられている。また、切り欠き部2dが設けられる位置は、基板20の中央部に限らず、基板20の周辺部であってもよく、半導体素子4が搭載される位置に応じて切り欠き部2dの位置は決定される。
【0056】
固定部材3が、基板20の下側主面のうち放熱部材5を間に挟む位置に一対をなして設けられている。一対の固定部材3のそれぞれは、基板2の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部3aと、複数の延在部3aの各々に設けられた、外部部材8に固定するためのネジ止め部3bとを有している。なお、基板20は、基板2に切り抜き部2dを設けたものである。したがって、本発明の半導体装置用基体10は、半導体装置用基体1と同様な効果を有する。
【0057】
放熱部材5は、図8(c)に示すように、基板20の切り抜き部2dの周辺部に接合されて取り付けられても、あるいは、基板20の切り抜き部2dに嵌合されて取り付けられてもよい。
【0058】
半導体装置用基体10は、図9(A)に示すように、基板20の上側主面に半導体素子4への入出力をする配線パターン2eが形成されている。図9(b)または図9(c)に示すように、切り抜き部2dで形成されたキャビティ内に半導体素子4が収納され、放熱部材5の搭載部5a上に搭載される。半導体素子4は、基板20の上側主面に形成された配線パターン2eにボンディングワイヤ等を介して電気的に接続される。これによって、基板20の切り欠き部2dに取り付けられた放熱部材5に半導体素子4が搭載されることにより、半導体素子4が放熱部材5の搭載部5a上に直接搭載されるため、半導体素子4から発生する熱が放熱部材5を介して効率的に放熱される。
【0059】
なお、リード端子9が基板20の上側主面に形成された配線パターン2eに導電部材を介して接合されることにより、リード端子9を介して外部からの電気信号が入力され、半導体素子4を駆動することができる。
【0060】
固定部材3のネジ止め部3bは、図9(a)または図9(b)に示すように、外部部材8を固定するための貫通孔3c、または、図9(c)に示すように、外部部材8を固定するために切り欠いたネジ切り部3dが設けられている。
【0061】
また、図9(a)に示すような半導体装置用基体1において、リード端子9との接続部を枠体の外側に露出するように基板20の配線パターン2e上に枠体等を設けることで、半導体素子収納用パッケージとすることができる。また、図9(b)または(c)に示すような半導体装置用基体についても同様に半導体素子収納用パッケージにすることができる。
【0062】
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、本実施形態2の変形例について説明する。なお、本実施形態2の変形例に係る半導体装置用基体のうち、本実施形態1に係る半導体装置用基体と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0063】
<変形例1>
本実施形態2に係る変形例の半導体装置用基体10は、図10に示すように、基板20が、平面透視して固定部材3と重なる位置に、基板20の側面から下面主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部2cを有していてもよい。基板20の側面から下面主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部2cを有しているため、基板20と固定部材3との接合面積が小さくなるとともに、固定部材3が変形する部位が大きくなるため、基板20が反っていても、固定部材3を固定する際に加えられる力に起因した応力が、固定部材3が変形することによって吸収され、これらの応力による基板20の変形を抑制することができる。
【0064】
実施形態1の変形例1と同様に、固定部材3と切り欠き部2cとの距離Aは、基板20の下側主面を平面視して、例えば、0.1(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。また、固定部材3と切り欠き部2cの距離Bは、基板20の下側主面を平面視して、例えば、0.2(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。また、切り欠き部2cは、基板20の下側主面を平面視して固定部材3の延在部3aに平行な方向の距離をC、固定部材3の延在部3aに垂直な方向の距離をDとする場合、C/Dが0.1以上1.0以下であることが好ましい。
【0065】
<変形例2>
本実施形態2に係る変形例の半導体装置用基体10は、図11に示すように、固定部材3の延在部3aが、基板を平面透視して、切り欠き部2cの内側を通って基板20の外側に延在していてもよい。延在部3aが、切り欠き部2cの内側を通って基板20の外側に延在しているため、基板20が上側主面に反っても、基板20の反りを吸収して緩和することができる。すなわち、基板20を固定部材3のネジ止め部3bから側面視したときに、固定部材3を押え付ける力に起因した応力が基板20の内側に位置することから、固定部材3の延在部3aと垂直な方向の基板20の変形を抑制することができる。
【0066】
実施形態1の変形例2と同様に、切り欠き部2cは、図11(b)に示すように、基板20の下側主面を平面視して、固定部材3と切り欠き部2cとの距離Eは、変形例1と同様に、固定部材3の連結部における内側の角部に応力を集中させないという点と、固定部材3からの放熱性と基板20の変形を抑制するという点から、例えば、0.1(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。また、基板20の下側主面を平面視して、固定部材3と切り欠き部2cとの間隙Fは、変形例1と同様に、切り欠き部2cの角部に応力を集中させないという点と、基板20の剛性を低下させないという点から、例えば、0.2(mm)以上2.5(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0067】
また、実施形態1の変形例2と同様に、切り欠き部2cは、基板20の下側主面を平面視して固定部材3の延在部に平行な方向の距離をG、固定部材3の延在部3aに垂直な方向の距離をHとする場合、G/Hが0.1以上1.0以下であることが好ましい。
【0068】
また、切り欠き部2cは、図11(c)に示すように、基板20を断面視して、切り欠き部2cの切り欠き量Gは、固定部材3からの放熱性と基板20の変形を抑制するという点から、0.2(mm)以上2.0(mm)以下に設定されることが好ましい。また、基板20を断面視して、切り欠き部2cの固定部材3と基板20との間隙Jは、固定部材3からの放熱性と基板20の変形を抑制するという点から、0.2(mm)以上2.0(mm)以下に設定されることが好ましい。
【0069】
<半導体装置用基体、およびそれを備えた半導体装置の製造方法>
ここで、半導体装置用基体1または10、およびそれを備えた半導体装置の製造方法を説明する。
【0070】
基板2または20は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体からなる場合、グリーンシートは、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末に、有機バインダ、可塑剤、溶剤、分散剤等を混合添加してペースト状とし、ドクターブレード法やカレンダーロール法等によって形成される。
【0071】
そして、平板形状のグリーンシートに金型を用いた打ち抜きを施すことによってそれぞれの形状に合わせて製作される。
【0072】
また、基板2または20は、タングステン、モリブデンまたはマンガン等の高融点金属粉末に有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加してなる金属ペーストを、上面の所定位置にスクリーン印刷法等によって印刷塗布して、伝送線路2bとなるメタライズ層が形成されたグリーンシートを製作する。また、固定部材3およびホルダー6との接合部に該当する位置にメタライズ層が形成されたグリーンシートを製作する。これらのグリーンシートを積層して、約1600℃の温度で同時に焼成した後、電解メッキ又は無電解メッキ等のメッキ形成方法によって、メタライズ層上に厚さ3.0(μm)以下のニッケルメッキ層が形成され、基板2または20が製作される。
【0073】
固定部材3は、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金を型枠に鋳込んで作製したインゴットを周知の切削加工や打ち抜き加工等の金属加工法を用いて所定形状にして製作される。また、固定部材3は、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金を型枠に鋳込んで作製したインゴットを周知の切削加工や打ち抜き加工等の金属加工法を用いて所定形状にして製作される。
【0074】
そして、基板2または20と固定部材3とが銀(Ag)ロウまたは銀(Ag)−銅(Cu)ロウ等のロウ材を介して接合された後、電解メッキ又は無電解メッキ等のメッキ形成方法によって、固定部材3および伝送線路2bの表面に、厚さ3.0(μm)以下のニッケルメッキ層と、厚さ3.0(μm)以下の金メッキ層とが順次に形成される。
【0075】
ここで、半導体装置の製造方法について説明する。
【0076】
ホルダー6は、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金を型枠に鋳込んで作製したインゴットを周知の切削加工や打ち抜き加工等の金属加工法を用いて所定形状にして製作される。そして、基板2の側面に銀(Ag)ロウまたは銀(Ag)−銅(Cu)ロウ等のロウ材、半田材または樹脂接合材等を介して接合される。
【0077】
同軸コネクタ7は、以下の方法により製作される。
【0078】
外周導体および中心導体は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の金属材料からプレス加工,切削加工等により所定の形状に製作される。
【0079】
まず、同軸コネクタ8の中央部の形状を有する型枠によって、中心導体が挿入される貫通孔が形成された筒状の硼珪酸ガラス体を準備する。
【0080】
次に、周知の金属加工法等によって、同軸コネクタ7の中央部の絶縁体の外周面に沿った内周面を有する筒状の外周導体となる金属パイプを鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等で製作して準備する。
【0081】
筒状の硼珪酸ガラス体に、貫通孔に中心導体を挿入し、金属パイプを嵌め込む。そして、これらの部材を同軸コネクタ7の形状に成形された型枠に嵌め込み、硼珪酸ガラス体の表面が溶融する程度の温度を加え、中心導体と硼珪酸ガラス体と金属パイプとを接着し、同軸コネクタ7が製作される。
【0082】
半導体素子4が、半導体装置用基体1または20の基板2の載置部2aまたは放熱部材5の搭載部5aに、例えば、金(Au)−錫(Sn)半田または金(Au)−ゲルマニウム(Ge)半田等の材料で伝送線路2bに電気的に接続される。また、同軸コネクタ7の中心導体が、伝送線路2bに金(Au)−錫(Sn)半田、金(Au)−ゲルマニウム(Ge)半田等のロウ材を介して電気的に接続される。これによって、半導体装置が製作される。
【符号の説明】
【0083】
1、10 半導体装置用基体
2、20 基板
2a 搭載部
2b 伝送線路
2c 切り欠き部
2d 切り抜き部
2e 配線パターン
3 固定部材
3a 延在部
3b ネジ止め部
3c 貫通孔
3d ネジ切り部
4 半導体素子
5 放熱部材
5a 搭載部
6 ホルダー
7 同軸コネクタ
8 外部部材
8a 固定部
9 リード端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する基板と、
該基板の下側主面のうち平面透視して前記搭載部を間に挟む位置に設けられた一対の固定部材とを備えており、
該一対の固定部材のそれぞれは、前記基板の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部と、該複数の延在部の各々に設けられた、外部部材に固定するためのネジ止め部とを有していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置用基体であって、
前記基板は、平面透視して前記固定部材と重なる位置に、側面から前記下側主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部を有していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置用基体であって、
前記延在部は、前記基板を平面透視して、前記切り欠き部の内側を通って前記基板の外側に延在していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置用基体であって、
前記基板の前記下側主面のうち前記一対の固定部材の間に放熱部材がさらに設けられていることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体装置用基体と、
前記基板の前記搭載部に搭載された半導体素子とを備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
上下面を貫通して切り抜かれた切り抜き部を有する基板と、
前記切り抜き部に取り付けられた、上面に半導体素子の搭載部を有する放熱部材と、
該基板の下側主面のうち前記放熱部材を間に挟む位置に設けられた一対の固定部材とを備えており、
該一対の固定部材のそれぞれは、前記基板の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部と、該複数の延在部の各々に設けられた、外部部材に固定するためのネジ止め部とを有していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置用基体であって、
前記基板は、平面透視して前記固定部材と重なる位置に、側面から前記下側主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部を有していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置用基体であって、
前記延在部は、前記基板を平面透視して、前記切り欠き部の内側を通って前記基板の外側に延在していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の半導体装置用基体と、
前記放熱部材の前記搭載部に搭載された半導体素子とを備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
上側主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する基板と、
該基板の下側主面のうち平面透視して前記搭載部を間に挟む位置に設けられた一対の固定部材とを備えており、
該一対の固定部材のそれぞれは、前記基板の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部と、該複数の延在部の各々に設けられた、外部部材に固定するためのネジ止め部とを有していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置用基体であって、
前記基板は、平面透視して前記固定部材と重なる位置に、側面から前記下側主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部を有していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置用基体であって、
前記延在部は、前記基板を平面透視して、前記切り欠き部の内側を通って前記基板の外側に延在していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置用基体であって、
前記基板の前記下側主面のうち前記一対の固定部材の間に放熱部材がさらに設けられていることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体装置用基体と、
前記基板の前記搭載部に搭載された半導体素子とを備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
上下面を貫通して切り抜かれた切り抜き部を有する基板と、
前記切り抜き部に取り付けられた、上面に半導体素子の搭載部を有する放熱部材と、
該基板の下側主面のうち前記放熱部材を間に挟む位置に設けられた一対の固定部材とを備えており、
該一対の固定部材のそれぞれは、前記基板の外側に延在するとともに互いに離間して設けられた複数の延在部と、該複数の延在部の各々に設けられた、外部部材に固定するためのネジ止め部とを有していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置用基体であって、
前記基板は、平面透視して前記固定部材と重なる位置に、側面から前記下側主面にかけて切り欠いて成る切り欠き部を有していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置用基体であって、
前記延在部は、前記基板を平面透視して、前記切り欠き部の内側を通って前記基板の外側に延在していることを特徴とする半導体装置用基体。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の半導体装置用基体と、
前記放熱部材の前記搭載部に搭載された半導体素子とを備えたことを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−33596(P2012−33596A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170223(P2010−170223)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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