説明

半導体装置

【課題】本発明は、階層化されたビット線を有する半導体メモリにおいて、これらのビット線の配線レイアウトの効率化を図るとともに、全体のレイアウト面積を削減できるようにするものである。
【解決手段】たとえば、1つのカラムにおいて、グローバルビット線対GBL,GBLBには、複数のローカルビット線対LBL,LBLBが、それぞれ、選択トランスファーゲート15a,15bを介して共通に接続されている。そして、それぞれの選択トランスファーゲート15a,15bを構成する、PMOSスイッチトランジスタSPa,SPbおよびNMOSスイッチトランジスタSNa,SNbが、それぞれ、メモリセルアレイ11を挟んで反対側に配置されてなる構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関するもので、特に、階層化されたビット線を有する半導体メモリのレイアウト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体メモリにおいては、Metal Oxide Semiconductor(以下、MOS)トランジスタのサイズの縮小化にともない、ビット線からのリーク電流が増大しているという問題が顕著になってきている。このため、ビット線を階層化し、読み書きの際に、1本のビット線に電気的に接続されるメモリセルの数を絞り込むことによって、ビット線からのリーク電流を低減しようという対策がなされるようになってきている(たとえば、特許文献1参照)。また、ビット線を階層化すると、ビット線の容量が軽減されるため、メモリのアクセスタイムが早くなるというメリットもある。
【0003】
しかしながら、ビット線を階層化すると、階層化されたビット線の相互を選択的に接続させるための、選択トランスファーゲートが必要になる。そのため、MOSトランジスタの縮小率に対して、全体のレイアウト面積の縮小率が小さくなってしまうという問題があった。
【0004】
以下に、ビット線の階層化について具体的に説明する。ビット線は、通常、1つのカラム全体を通して配設され、センスアンプに接続されているグローバルビット線と、1つのメモリセルアレイごとに配設されているローカルビット線とに階層化される。上記グローバルビット線および上記ローカルビット線は、アドレス選択信号に応じて導通する選択トランスファーゲートを介して接続されている。上記選択トランスファーゲートは、一対のMOSトランジスタ(NMOSスイッチトランジスタとPMOSスイッチトランジスタ)で構成されている。NMOSスイッチトランジスタは、メモリセルにデータを書き込む際に、そのメモリセルにロウ電位(基準電位)を確実に伝えるために必要となる。PMOSスイッチトランジスタは、メモリセルからデータを読み出す際に、ビット線の電源電位近傍の微妙な電位変化をセンスするために必要となる。
【0005】
上記ローカルビット線および上記グローバルビット線は、通常、グローバルビット線が上層、ローカルビット線が下層の、異なる階層のメタル配線により形成されている。また、上記ローカルビット線および上記グローバルビット線の間隔は、メモリセルの大きさに合わせて、相当に狭いものとなっている。
【0006】
上記したビット線階層化構造の場合、メモリセルは、半導体基板上のメモリセルアレイ領域に形成される。選択トランスファーゲートを構成するPMOSスイッチトランジスタは、半導体基板上のNウェル領域に形成される。選択トランスファーゲートを構成するNMOSスイッチトランジスタは、半導体基板上のPウェル領域に形成される。
【0007】
すなわち、選択トランスファーゲートはNMOSスイッチトランジスタとPMOSスイッチトランジスタとで構成されている。そのため、NMOSスイッチトランジスタはPウェル領域に、PMOSスイッチトランジスタはNウェル領域に、それぞれ領域を分けて形成する必要がある。この際、NMOSスイッチトランジスタとPMOSスイッチトランジスタとの間を電気的に分離するために、Pウェル領域およびNウェル領域の各境界から、Pウェル領域上またはNウェル領域上に形成されるMOSトランジスタの端までに、ある程度の距離が必要になる。NMOSスイッチトランジスタおよびPMOSスイッチトランジスタを分離するのに必要な距離は、メモリを構成するMOSトランジスタのサイズが年々縮小しているのに対して、あまり縮小することができないものとなっている。これにより、NMOSスイッチトランジスタおよびPMOSスイッチトランジスタを形成するために必要なPウェル領域およびNウェル領域の面積が、MOSトランジスタのサイズの縮小化にともなって相対的に大きくなる。その結果、MOSトランジスタのサイズの縮小率に対して、全体のレイアウト面積の縮小率が小さくなってしまう。
【0008】
また、選択トランスファーゲートを構成するNMOSスイッチトランジスタおよびPMOSスイッチトランジスタを別々のウェル領域に形成するようにした場合、通常は、メモリセルアレイの片側に、Pウェル領域またはNウェル領域が順番に配置されることになる。つまり、メモリセルアレイに近い側にPウェル領域またはNウェル領域の一方が、遠い側に他方が、それぞれ配置されることになる。この場合、メモリセルアレイに近い側に配置されたMOSスイッチトランジスタの上方には、ローカルビット線とグローバルビット線とが並行して配設されることになる。そのため、このMOSスイッチトランジスタのソース/ドレインを上層のグローバルビット線と接続する際に、下層のローカルビット線が障害にならないようにする必要がある。すなわち、ビット線の間隔を拡げる必要に迫られるようなことがあった場合、全体のレイアウト面積が著しく増大してしまう。
【0009】
このように、従来においては、全体のレイアウト面積が、MOSトランジスタのサイズの縮小率によらず、ウェル領域の面積やビット線の間隔に制限されるという問題点があった。
【特許文献1】特開平7−326186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたもので、その目的は、ビット線の配線レイアウトの効率化を図ることができ、全体のレイアウト面積を削減することが可能な半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明の一態様によれば、少なくともカラム方向に設けられた複数のメモリセルアレイと、前記複数のメモリセルアレイにそれぞれ接続された、複数のローカルビット線と、前記複数のローカルビット線が共通に接続された、前記複数のローカルビット線よりも上層階層の1つのグローバルビット線と、前記1つのグローバルビット線と前記複数のローカルビット線との間にそれぞれ設けられ、前記複数のローカルビット線のいずれか1つを前記1つのグローバルビット線に接続するための、NMOSスイッチトランジスタおよびPMOSスイッチトランジスタを有する複数の選択トランスファーゲートとを具備し、前記複数の選択トランスファーゲートは、前記NMOSスイッチトランジスタおよび前記PMOSスイッチトランジスタが、それぞれ対応するメモリセルアレイを挟んで互いに反対側に配置されていることを特徴とする半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、選択トランスファーゲートを構成するNMOSスイッチトランジスタおよびPMOSスイッチトランジスタを、メモリセルアレイの両側に別々に分けて配置できるようになる結果、ビット線の配線レイアウトの効率化を図ることができ、全体のレイアウト面積を削減することが可能な半導体装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、この発明の第1の実施形態にしたがった、階層化されたビット線を有する半導体メモリの回路構成を示すものである。なお、ここでは、Static Random Access Memory(以下、SRAM)を例に、1カラム分の構成を示している。
【0015】
図1において、半導体基板(後述する)上には、カラム方向に沿って、複数のメモリセルアレイ11が配置されている。各メモリセルアレイ11には、所定個のメモリセル(CELL)13が設けられている。また、各メモリセルアレイ11には、それぞれ、ローカルビット線対LBL,LBLBが接続されている。ローカルビット線対LBL,LBLBは、各メモリセル13との間でセルデータを読み書きするためのビット線である。
【0016】
上記ローカルビット線対LBL,LBLBは、それぞれ、選択トランスファーゲート15a,15bを介して、グローバルビット線対GBL,GBLBに共通に接続されている。グローバルビット線対GBL,GBLBは、カラムごとに設けられるビット線である。各カラムのグローバルビット線対GBL,GBLBは、カラム選択回路17a,17bを介して、センスアンプ(S/A)19に共通に接続されている。上記ローカルビット線対LBL,LBLBおよび上記グローバルビット線対GBL,GBLBは、グローバルビット線対GBL,GBLBが上層、ローカルビット線対LBL,LBLBが下層の、異なる階層のメタル配線により並行して配設されている。
【0017】
上記選択トランスファーゲート15aは、NMOSスイッチトランジスタSNaおよびPMOSスイッチトランジスタSPaにより構成されている。上記選択トランスファーゲート15bは、NMOSスイッチトランジスタSNbおよびPMOSスイッチトランジスタSPbにより構成されている。選択トランスファーゲート15a,15bは、NMOSスイッチトランジスタSNa,SNbおよびPMOSスイッチトランジスタSPa,SPbの各ゲートに与えられるアドレス選択信号に応じて導通/非導通状態となる。たとえば、アドレス選択信号XA,/XAが活性化されると、そのアドレス選択信号XA,/XAに対応する選択トランスファーゲート15a,15bが導通状態となる。これにより、アドレス選択信号XA,/XAに対応するメモリセルアレイ11のローカルビット線対LBL,LBLBが、グローバルビット線対GBL,GBLBと電気的に接続される。同様に、アドレス選択信号XB,/XBが活性化されると、そのアドレス選択信号XB,/XBに対応する選択トランスファーゲート15a,15bが導通状態となる。これにより、アドレス選択信号XB,/XBに対応するメモリセルアレイ11のローカルビット線対LBL,LBLBが、グローバルビット線対GBL,GBLBと電気的に接続される。
【0018】
本実施形態の場合、各メモリセルアレイ11の一方の側に、各選択トランスファーゲート15a,15bを構成するNMOSスイッチトランジスタSNa,SNbが、他方の側に、各選択トランスファーゲート15a,15bを構成するPMOSスイッチトランジスタSPa,SPbが、それぞれ配置されている。
【0019】
より具体的には、各ローカルビット線LBLの一端は、それぞれ、選択トランスファーゲート15aを構成するNMOSスイッチトランジスタSNaを介して、グローバルビット線GBLに共通に接続されている。各ローカルビット線LBLの他端は、それぞれ、選択トランスファーゲート15aを構成するPMOSスイッチトランジスタSPaを介して、グローバルビット線GBLに共通に接続されている。一方、各ローカルビット線LBLBの一端は、それぞれ、選択トランスファーゲート15bを構成するNMOSスイッチトランジスタSNbを介して、グローバルビット線GBLBに共通に接続されている。各ローカルビット線LBLBの他端は、それぞれ、選択トランスファーゲート15bを構成するPMOSスイッチトランジスタSPbを介して、グローバルビット線GBLBに共通に接続されている。
【0020】
さらに、上記ローカルビット線対LBL,LBLBには、それぞれ、PMOS負荷トランジスタ対LLPが接続されている。各PMOS負荷トランジスタ対LLPのゲートには、負荷制御信号LOADが入力されるようになっている。なお、各PMOS負荷トランジスタ対LLPのソース/ドレインの一方が上記ローカルビット線対LBL,LBLBにそれぞれ接続され、他方は電源供給線にそれぞれ接続されている。これにより、各PMOS負荷トランジスタ対LLPは、上記メモリセル13のセルデータを読み出す前に、それぞれのローカルビット線対LBL,LBLBを電源電位に充電する。
【0021】
これに対し、上記グローバルビット線対GBL,GBLBには、それぞれ、PMOS負荷トランジスタ対GLPが接続されている。各PMOS負荷トランジスタ対GLPのゲートには、負荷制御信号LOADが入力されるようになっている。なお、各PMOS負荷トランジスタ対GLPのソース/ドレインの一方が上記グローバルビット線対GBL,GBLBにそれぞれ接続され、他方は電源供給線にそれぞれ接続されている。これにより、各PMOS負荷トランジスタ対GLPは、上記メモリセル13のセルデータを読み出す前に、それぞれのグローバルビット線対GBL,GBLBを電源電位に充電する。
【0022】
なお、実際の半導体メモリにおいては、図1に示した1カラム分の構成がロウ方向に隣接するようにして設けられて、複数のカラムを有する構成となっている。
【0023】
図2は、図1に示した半導体メモリの概略レイアウトを示すものである。図2に示すように、半導体基板1の表面部には、カラム方向に沿って、複数のメモリセルアレイ領域1aが選択的に設けられている。複数のメモリセルアレイ領域1aの相互間において、各メモリセルアレイ領域1aの一方の側には、それぞれ、Pウェル領域1bが設けられている。各メモリセルアレイ領域1aの他方の側には、それぞれ、Nウェル領域1cが設けられている。
【0024】
このような構成において、上記メモリセルアレイ11は、メモリセルアレイ領域1a内に形成される。また、上記選択トランスファーゲート15a,15bを構成するNMOSスイッチトランジスタSNa,SNbは、Pウェル領域1b内に形成される。一方、上記選択トランスファーゲート15a,15bを構成するPMOSスイッチトランジスタSPa,SPbは、Nウェル領域1c内に形成される。同様に、上記PMOS負荷トランジスタ対LLPは、Nウェル領域1c内に形成される。ただし、上記PMOS負荷トランジスタ対GLPが形成されるNウェル領域は、図2には示されていない。
【0025】
図3は、上記した構成の半導体メモリのレイアウト方法について、具体的に示すものである。なお、ここでは、1カラム分の構成における、1つのメモリセルアレイ11に対応する部分を例に示している(たとえば、図1の(A)参照)。また、その部分(A)のメモリセルアレイ11のレイアウトに関しては、これを省略している。
【0026】
すなわち、図3において、Pウェル領域1bの表面部には、アクティブ領域(N導電型)となる第1,第2の拡散層領域21,22が形成されている。上記第1の拡散層領域21は、ソース/ドレインとなる拡散層21a,21bを有している。また、上記拡散層21a,21bの相互間に対応する、上記第1の拡散層領域21の上部には、ゲート絶縁膜23aを介して、ポリシリコンからなるゲート電極24aが設けられている。このゲート電極24aは、上記ローカルビット線対LBL,LBLBおよび上記グローバルビット線対GBL,GBLBと並行する方向に配設されている。これにより、上記選択トランスファーゲート15aを構成する、上記NMOSスイッチトランジスタSNaが形成されている。
【0027】
さらに、上記拡散層21a,21bには、それぞれ、コンタクト層25aを介して、1層目のメタル配線26a,26aが接続されている。上記1層目のメタル配線26a,26aのうち、上記拡散層21aに対応する上記1層目のメタル配線26aには、コンタクト層27aを介して、2層目(下層)のメタル配線であるローカルビット線LBLの一端が接続されている。一方、上記拡散層21bに対応する上記1層目のメタル配線26aには、コンタクト層27aを介して、2層目のメタル配線28aが接続されている。この2層目のメタル配線28aには、コンタクト29aを介して、3層目(上層)のメタル配線であるグローバルビット線GBLが接続されている。
【0028】
同様に、上記第2の拡散層領域22は、ソース/ドレインとなる拡散層22a,22bを有している。また、上記拡散層22a,22bの相互間に対応する、上記第2の拡散層領域22の上部には、ゲート絶縁膜23bを介して、ポリシリコンからなるゲート電極24bが設けられている。このゲート電極24bは、上記ローカルビット線対LBL,LBLBおよび上記グローバルビット線対GBL,GBLBと並行する方向に配設されている。これにより、上記選択トランスファーゲート15bを構成する、上記NMOSスイッチトランジスタSNbが形成されている。
【0029】
さらに、上記拡散層22a,22bには、それぞれ、コンタクト層25bを介して、1層目のメタル配線26b,26bが接続されている。上記1層目のメタル配線26b,26bのうち、上記拡散層22aに対応する上記1層目のメタル配線26bには、コンタクト層27bを介して、2層目(下層)のメタル配線であるローカルビット線LBLBの一端が接続されている。一方、上記拡散層22bに対応する上記1層目のメタル配線26bには、コンタクト層27bを介して、2層目のメタル配線28bが接続されている。この2層目のメタル配線28bには、コンタクト29bを介して、3層目(上層)のメタル配線であるグローバルビット線GBLBが接続されている。
【0030】
また、上記第1,第2の拡散層領域21,22と、上記メモリセルアレイ11と反対側の上記Pウェル領域1bの端部との間には、アドレス選択信号線26cが設けられている。このアドレス選択信号線26cは、1層目のメタル配線によって、上記ゲート電極24a,24bと直交する方向に配設されている。そして、上記アドレス選択信号線26cは、コンタクト層25c,25cをそれぞれ介して、上記ゲート電極24a,24bに共通に接続されている。これにより、上記選択トランスファーゲート15a,15bの、上記NMOSスイッチトランジスタSNa,SNbの各ゲートにアドレス選択信号XBが与えられる。
【0031】
これに対し、Nウェル領域1cには、上記選択トランスファーゲート15a,15bのPMOSスイッチトランジスタSPa,SPbおよび上記PMOS負荷トランジスタ対LLPが形成されている。すなわち、上記Nウェル領域1cの表面部には、アクティブ領域(P導電型)となる第1〜第4の拡散層領域31,32,41,42が形成されている。上記第1の拡散層領域31は、ソース/ドレインとなる拡散層31a,31bを有している。また、上記拡散層31a,31bの相互間に対応する、上記第1の拡散層領域31の上部には、ゲート絶縁膜33aを介して、ポリシリコンからなるゲート電極34aが設けられている。このゲート電極34aは、上記ローカルビット線対LBL,LBLBおよび上記グローバルビット線対GBL,GBLBと並行する方向に配設されている。これにより、上記選択トランスファーゲート15aを構成する、上記PMOSスイッチトランジスタSPaが形成されている。
【0032】
さらに、上記拡散層31a,31bには、それぞれ、コンタクト層35aを介して、1層目のメタル配線36a,36aが接続されている。上記1層目のメタル配線36a,36aのうち、上記拡散層31aに対応する上記1層目のメタル配線36aには、コンタクト層37aを介して、2層目(下層)のメタル配線であるローカルビット線LBLの他端が接続されている。一方、上記拡散層31bに対応する上記1層目のメタル配線36aには、コンタクト層37aを介して、2層目のメタル配線38aが接続されている。この2層目のメタル配線38aには、コンタクト39aを介して、3層目(上層)のメタル配線であるグローバルビット線GBLが接続されている。
【0033】
同様に、上記第2の拡散層領域32は、ソース/ドレインとなる拡散層32a,32bを有している。また、上記拡散層32a,32bの相互間に対応する、上記第2の拡散層領域32の上部には、ゲート絶縁膜33bを介して、ポリシリコンからなるゲート電極34bが設けられている。このゲート電極34bは、上記ローカルビット線対LBL,LBLBおよび上記グローバルビット線対GBL,GBLBと並行する方向に配設されている。これにより、上記選択トランスファーゲート15bを構成する、上記PMOSスイッチトランジスタSPbが形成されている。
【0034】
さらに、上記拡散層32a,32bには、それぞれ、コンタクト層35bを介して、1層目のメタル配線36b,36bが接続されている。上記1層目のメタル配線36b,36bのうち、上記拡散層32aに対応する上記1層目のメタル配線36bには、コンタクト層37bを介して、2層目(下層)のメタル配線であるローカルビット線LBLBの他端が接続されている。一方、上記拡散層32bに対応する上記1層目のメタル配線36bには、コンタクト層37bを介して、2層目のメタル配線38bが接続されている。この2層目のメタル配線38bには、コンタクト39bを介して、3層目(上層)のメタル配線であるグローバルビット線GBLBが接続されている。
【0035】
また、上記第1,第2の拡散層領域31,32と、上記メモリセルアレイ11と反対側の上記Nウェル領域1cの端部との間には、アドレス選択信号線36cが設けられている。このアドレス選択信号線36cは、1層目のメタル配線によって、上記ゲート電極34a,34bと直交する方向に配設されている。そして、上記アドレス選択信号線36cは、コンタクト層35c,35cをそれぞれ介して、上記ゲート電極34a,34bに共通に接続されている。これにより、上記選択トランスファーゲート15a,15bの、上記PMOSスイッチトランジスタSPa,SPbの各ゲートにアドレス選択信号/XBが与えられる。
【0036】
一方、上記第1,第2の拡散層領域31,32と、上記メモリセルアレイ11側の上記Nウェル領域1cの端部との間には、上記第3,第4の拡散層領域41,42が設けられている。上記第3の拡散層領域41は、ソース/ドレインとなる拡散層41a,41bを有している。また、上記拡散層41a,41bの相互間に対応する、上記第3の拡散層領域41の上部には、ゲート絶縁膜43aを介して、ポリシリコンからなるゲート電極44aが設けられている。同様に、上記第4の拡散層領域42は、ソース/ドレインとなる拡散層42a,42bを有している。また、上記拡散層42a,42bの相互間に対応する、上記第4の拡散層領域42の上部には、ゲート絶縁膜43bを介して、ポリシリコンからなるゲート電極44bが設けられている。各ゲート電極44a,44bは、上記ローカルビット線対LBL,LBLBおよび上記グローバルビット線対GBL,GBLBと並行する方向に配設されている。これにより、上記PMOS負荷トランジスタ対LLPが構成されている。
【0037】
さらに、上記拡散層41aには、コンタクト層45aを介して、1層目のメタル配線46aが接続されている。この1層目のメタル配線46aには、コンタクト層47aを介して、2層目(下層)のメタル配線であるローカルビット線LBLが接続されている。一方、上記拡散層42aには、コンタクト層45bを介して、1層目のメタル配線46bが接続されている。この1層目のメタル配線46bには、コンタクト層47bを介して、2層目(下層)のメタル配線であるローカルビット線LBLBが接続されている。一方、上記拡散層41b,42bには、それぞれ、コンタクト層45c,45cを介して、1層目のメタル配線からなる電源供給線46cが共通に接続されている。
【0038】
また、上記第3,第4の拡散層領域41,42と、上記メモリセルアレイ11側の上記Nウェル領域1cの端部との間には、負荷制御信号線46dが設けられている。この負荷制御信号線46dは、1層目のメタル配線によって、上記ゲート電極44a,44bと直交する方向に配設されている。そして、上記負荷制御信号線46dは、コンタクト層45d,45dをそれぞれ介して、上記ゲート電極44a,44bに共通に接続されている。これにより、上記PMOS負荷トランジスタ対LLPの各ゲートに負荷制御信号LOADが与えられる。
【0039】
このような構成とした場合、ローカルビット線対LBL,LBLBは、選択トランスファーゲート15a,15bを構成する、NMOSスイッチトランジスタSNa,SNbおよびPMOSスイッチトランジスタSPa,SPbのソース/ドレインの一端で、それぞれ終端することになる。このため、グローバルビット線対GBL,GBLBとローカルビット線対LBL,LBLBとが、NMOSスイッチトランジスタSNa,SNbおよびPMOSスイッチトランジスタSPa,SPbの上方に配設されるということがなくなる。それゆえに、上層のメタル配線であるグローバルビット線対GBL,GBLBを、NMOSスイッチトランジスタSNa,SNbおよびPMOSスイッチトランジスタSPa,SPbのソース/ドレインの一端とそれぞれ接続する際に、下層のメタル配線であるローカルビット線対LBL,LBLBが障害となるのを回避できる。したがって、グローバルビット線対GBL,GBLBとローカルビット線対LBL,LBLBとを、確実にコンタクトさせるための余計な面積を確保することなしに、容易に配線できるようになる。その結果、ビット線の配線レイアウトの効率化を図ることができ、レイアウト面積の増大を防ぐことが可能となるものである。
【0040】
なお、1カラム分の構成において、セルデータを読み出す際には、センスアンプ19から最も遠いメモリセルアレイ11内にあるメモリセル13のセルデータの読み出しが、最も時間を要する。このため、センスアンプ19から最も遠いメモリセルアレイ11の選択トランスファーゲート15a,15bは、そのメモリセルアレイ11のセンスアンプ19に近い側に、PMOSスイッチトランジスタSPa,SPbを配置する。選択トランスファーゲート15a,15bを構成するNMOSスイッチトランジスタSNa,SNbおよびPMOSスイッチトランジスタSPa,SPbのうち、PMOSスイッチトランジスタSPa,SPbは、セルデータを読み出す際に、より重要な役割を担う。したがって、PMOSスイッチトランジスタSPa,SPbをセンスアンプ19に近い側に配置することによって、メモリセル13からのセルデータの読み出しに要する時間を短縮することが可能となる。
【0041】
また、上記した第1の実施形態においては、図3に示したように、メモリセルアレイ11とは反対側のPウェル領域1bの端部と拡散層領域21,22との間にアドレス選択信号線26cを、メモリセルアレイ11とは反対側のNウェル領域1cの端部と拡散層領域31,32との間にアドレス選択信号線36cを、それぞれ配設するように構成した場合について説明した。これに限らず、たとえば図4に示すように、メモリセルアレイ11側のPウェル領域1bの端部と拡散層領域21,22との間にアドレス選択信号線26cを、メモリセルアレイ11側のNウェル領域1cの端部と拡散層領域31,32との間にアドレス選択信号線36cを、それぞれ配設するように構成することも可能である。
【0042】
[第2の実施形態]
図5は、この発明の第2の実施形態にしたがった、階層化されたビット線を有する半導体メモリの回路構成を示すものである。なお、ここでは、SRAMを例に、1カラム分の構成を示している。また、図1と同一部分には同一符号を付し、詳しい説明は割愛する。
【0043】
本実施形態の場合、たとえば1カラム分の構成において、メモリセルアレイ11ごとに設けられる各選択トランスファーゲート15a,15bが、PMOSスイッチトランジスタSPa,SPbどうし、または、NMOSスイッチトランジスタSNa,SNbどうしを、互いに隣接するようにして配置されている。
【0044】
図6は、図5に示した半導体メモリの概略レイアウトを示すものである。図6に示すように、半導体基板1の表面部には、カラム方向に沿って、複数のメモリセルアレイ領域1aが選択的に設けられている。そして、複数のメモリセルアレイ領域1aの相互間において、たとえば、一方のメモリセルアレイ領域1aの一方の側には、Pウェル領域1bが設けられている。また、このメモリセルアレイ領域1aの他方の側には、Nウェル領域1cが設けられている。これに対し、上記一方のメモリセルアレイ領域1aに隣接する、たとえば他方のメモリセルアレイ領域1aの一方の側には、Nウェル領域1cが設けられている。また、このメモリセルアレイ領域1aの他方の側には、Pウェル領域1bが設けられている。つまり、各メモリセルアレイ領域1aに対応するNウェル領域1cおよびPウェル領域1bが、それぞれ隣接するようにして交互に配置されている。
【0045】
このような構成とした場合、隣接する選択トランスファーゲート15a,15bの、各PMOSスイッチトランジスタSPa,SPbおよび各NMOSスイッチトランジスタSNa,SNbを、それぞれ近接させて配置することが可能となる。すなわち、隣接する選択トランスファーゲート15a,15bの、各PMOSスイッチトランジスタSPa,SPbを同一のNウェル領域1cに、各NMOSスイッチトランジスタSNa,SNbを同一のPウェル領域1bに、それぞれ配置することが可能となる。これにより、第1の実施形態の場合のように、Nウェル領域1cとPウェル領域1bとの間や、NMOSスイッチトランジスタSNa,SNbとPMOSスイッチトランジスタSPa,SPbとの間を電気的に分離したりする必要がなくなる分、全体のレイアウト面積を縮小できるようになるものである。
【0046】
なお、本実施形態の場合においても、センスアンプ19から最も遠いメモリセルアレイ11の選択トランスファーゲート15a,15bは、そのメモリセルアレイ11のセンスアンプ19に近い側に、PMOSスイッチトランジスタSPa,SPbを配置するのが望ましい。
【0047】
また、第1,第2の実施形態においては、階層化されたビット線を有する半導体メモリとして、複数のカラムに共通にセンスアンプが設けられてなる場合を例に説明した。これに限らず、たとえばカラムごとにセンスアンプが設けられてなる構成のものや、グローバルビット線対GBL,GBLBの一方にのみセンスアンプが接続されてなる、所謂、シングルエンド構造のものにも適用できる。
【0048】
また、プリチャージ電位は、たとえばVDD/2,VSSなど、電源電位以外の電位であってもよい。特に、プリチャージ電位をVSSとする場合、負荷トランジスタはNMOSであることが望ましい。また、センスアンプに近い側にNMOSスイッチトランジスタを配置することが望ましい。
【0049】
また、半導体メモリとしてはSRAMに限らず、DRAMなどの、階層化されたビット線を有する各種の半導体メモリにも同様に適用できる。
【0050】
その他、本願発明は、上記(各)実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記(各)実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。たとえば、(各)実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、その構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態にしたがった、階層化されたビット線を有する半導体メモリ(SRAM)の回路構成を示す図。
【図2】図1に示した半導体メモリの概略レイアウトを示す図。
【図3】図1に示した半導体メモリのレイアウトの一例について、一部を透過して示す平面図。
【図4】図1に示した半導体メモリのレイアウトの他の一例について、一部を透過して示す平面図。
【図5】本発明の第2の実施形態にしたがった、階層化されたビット線を有する半導体メモリ(SRAM)の回路構成を示す図。
【図6】図5に示した半導体メモリの概略レイアウトを示す図。
【符号の説明】
【0052】
1…半導体基板、1a…メモリセルアレイ領域、1b…Pウェル領域、1c…Nウェル領域、11…メモリセルアレイ、13…メモリセル、15a,15b…選択トランスファーゲート、19…センスアンプ、LBL,LBLB…ローカルビット線対、GBL,GBLB…グローバルビット線対、SNa,SNb…NMOSスイッチトランジスタ、SPa,SPb…PMOSスイッチトランジスタ、LLP,GLP…PMOS負荷トランジスタ対。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともカラム方向に設けられた複数のメモリセルアレイと、
前記複数のメモリセルアレイにそれぞれ接続された、複数のローカルビット線と、
前記複数のローカルビット線が共通に接続された、前記複数のローカルビット線よりも上層階層の1つのグローバルビット線と、
前記1つのグローバルビット線と前記複数のローカルビット線との間にそれぞれ設けられ、前記複数のローカルビット線のいずれか1つを前記1つのグローバルビット線に接続するための、NMOSスイッチトランジスタおよびPMOSスイッチトランジスタを有する複数の選択トランスファーゲートと
を具備し、
前記複数の選択トランスファーゲートは、前記NMOSスイッチトランジスタおよび前記PMOSスイッチトランジスタが、それぞれ対応するメモリセルアレイを挟んで互いに反対側に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記1つのグローバルビット線が接続される少なくとも1つのセンスアンプをさらに具備し、
前記複数のメモリセルアレイのうち、前記少なくとも1つのセンスアンプから最も遠い位置に配置されたメモリセルアレイの前記センスアンプに近い側には、前記PMOSスイッチトランジスタが配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の選択トランスファーゲートは、一方の選択トランスファーゲートの前記NMOSスイッチトランジスタと他方の選択トランスファーゲートの前記NMOSスイッチトランジスタ、または、一方の選択トランスファーゲートの前記PMOSスイッチトランジスタと他方の選択トランスファーゲートの前記PMOSスイッチトランジスタとが、それぞれ隣接するようにして配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記一方の選択トランスファーゲートの前記NMOSスイッチトランジスタおよび前記他方の選択トランスファーゲートの前記NMOSスイッチトランジスタは同一のPウェル領域に形成され、前記一方の選択トランスファーゲートの前記PMOSスイッチトランジスタおよび前記他方の選択トランスファーゲートの前記PMOSスイッチトランジスタは同一のNウェル領域に形成されることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記同一のNウェル領域には、さらに、前記下層階層の複数のローカルビット線の電位をそれぞれ制御するためのPMOS負荷トランジスタが形成されることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−32577(P2006−32577A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207811(P2004−207811)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】