説明

半導体装置

【課題】充填剤の充填不良を回避しつつ、短時間での半導体素子と基板との隙間への充填剤の充填が可能である半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体チップ10と基板20との間に配置したはんだボール11・11・・・により半導体チップ10と基板20とを接合するとともに、前記はんだボール11・11・・・により接合された半導体チップ10と基板20との間に形成される隙間にアンダーフィル剤31を充填して半導体チップ10と基板20との接合を補強する半導体装置1であって、半導体チップ10は、基板20と対向する面(下面)を、アンダーフィル剤31の充填側と反対側の隙間が該充填側の隙間より大きくなるように傾斜した面として構成され、半導体チップ10における充填口22側からの距離に応じてはんだボール11・11・・・の断面積を設定し、はんだボール11・11・・・を、充填口22を中心として放射状に配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、より詳細には、半導体装置に具備される半導体素子と基板との接合技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ICチップ等の半導体素子を樹脂等で被覆するパッケージ方法として、BGA(Ball Grid Array)が広く知られている。このBGAは、平板状の直方体のパッケージの下面に外部入力/出力用の端子となる、略球形のはんだ等からなるバンプをアレイ状に配列する方法である。
このBGA型のパッケージを基板に実装して構成される半導体装置では、該パッケージと基板との隙間に熱硬化性樹脂等からなる充填剤(アンダーフィル剤)を充填し、所定の温度で所定の時間保持して、該充填剤を硬化させることによって、半導体素子と基板との接合部分を補強して、熱膨張による接合部分の破断等の劣化を防止している。
【0003】
近年、以上のような半導体装置における半導体素子と基板との接合部分の補強は、図7に示すように、(1)基板100の上面にBGAパッケージ110を載置し、(2)BGAパッケージ110の下面に配置されるバンプであるはんだボール120・120・・・により基板100とBGAパッケージ110とを接合し、(3)BGAパッケージ110の側方より、ノズル130によってBGAパッケージ110と基板100との隙間にアンダーフィル剤140を塗布し、(4)アンダーフィル剤140を硬化してアンダーフィル層150を形成することによって行う方法が広く知られている。
【0004】
しかし、ノズル130によって塗布されたアンダーフィル剤140は、ノズル130の吐出口より四方に広がるため、BGAパッケージ110と基板120との間にアンダーフィル剤140のデッドスペースができ易く、アンダーフィル層150の密度が低くなってしまい、BGAパッケージ110と基板100との接合部分の補強が十分ではないという問題があった。
さらには、アンダーフィル剤140の充填不足、又はアンダーフィル剤140の毛細管現象による広がりに際する気泡(ボイド)の発生若しくは異物の混入などの充填不良により、硬化後のアンダーフィル層150における強度が不均一となり、BGAパッケージ110と基板100との接合部分の補強が十分ではないという問題が起こる。
【0005】
上記のような問題を解消する技術として、以下に示す特許文献1のような技術が開示されている。
特許文献1に開示された技術は、樹脂封止パッケージのボイドの発生を防止する技術であり、高低差を設けたキャビティの低位置側に樹脂充填口を設け、同じく高位置側に空気を排出する排出口を設ける構成である。これは、キャビティ内の空気が充填剤である樹脂よりも軽いことを利用して、充填される樹脂により空気を低位置側から高位置側の排出口へ押し出すことによって、充填剤が空気を巻き込むことを防止し、ボイドの発生を防止する技術である。
しかしながら、以上のような構成では、低位置側より重力に逆らうように樹脂を充填するため、樹脂封止までにかかる時間が増大し、短時間での充填が困難であるという点で不利がある。
【0006】
また、上記のような問題を解消する技術として、以下に示す特許文献2のような技術が開示されている。
特許文献2に開示された技術は、基板に設けられる掘り込み部に突起部を設けて、該突起部に向けて充填剤を滴下する構成であり、ノズルの位置合わせ制御を容易なものとして充填剤による封止にかかる作業性を向上させる技術である。
しかしながら、半導体素子と基板との隙間は狭く、さらに、半導体素子と基板との隙間への充填は充填剤の毛細管現象による自然流入を活用しているため、短時間での充填が困難であるという点で不利がある。
【特許文献1】特開平7−1496号公報
【特許文献2】特開2003−109982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような状況を鑑みてなされたものであり、充填剤の充填不良を回避しつつ、短時間での半導体素子と基板との隙間への充填剤の充填が可能であり、かつ、充填完了状態を容易に確認可能である半導体装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、半導体素子と基板との間に配置したバンプにより前記半導体素子と前記基板とを接合するとともに、前記バンプにより接合された半導体素子と基板との間に形成される隙間に充填剤を充填して前記半導体素子と前記基板との接合を補強する半導体装置であって、前記充填剤は、前記半導体素子の一側から前記隙間に充填され、前記半導体素子は、前記基板と対向する面が、前記充填剤の充填側と反対側の隙間が該充填側の隙間より大きくなるように傾斜した面として構成され、前記基板は、前記半導体素子に対応した形状に形成され、かつ、該半導体素子が実装される掘り込み部と、前記掘り込み部に連接され前記充填剤を充填する充填口と、を具備するとともに、前記バンプは、前記半導体素子における前記充填口側からの距離に応じて断面積の大きさが設定され、かつ、前記充填口を中心として放射状に配置するものである。
【0010】
請求項2においては、前記半導体素子は、該半導体素子と前記基板との隙間内であって、前記充填口側端部に前記充填剤の流入方向を規制する壁状バンプを具備するものである。
【0011】
請求項3においては、前記掘り込み部は、前記充填口が配置される側と反対側の一部が、前記半導体素子よりも大きく構成されるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1の如く構成したので、充填剤を充填するに際し、半導体素子の下方から空気が抜け易くなるので、半導体素子下方におけるボイドの発生を防止できる。また、半導体素子下方において充填剤が拡散し易くなるので、短時間で充填できる。
【0014】
請求項2の如く構成したので、半導体素子下方において、さらに充填剤が拡散し易くなるので、短時間で充填できる。また、半導体素子下方のデッドスペースが少なくなるので、半導体素子と基板との接合部分の補強を十分にできる。
【0015】
請求項3の如く構成したので、充填剤の半導体素子からのはみ出しの有無を確認できるので、充填剤の充填完了を確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下では、図1〜図6を参照して、本発明に係る半導体装置の実施の一形態である半導体装置1について説明する。
なお、以下において、図1の矢印Aの指す方向を前方向として前後方向を規定し、係る前後方向と水平方向に直交する方向を左右方向と規定し、係る前後方向と垂直方向に直交する方向を上下方向と規定する。
【0017】
図1に示すように、半導体装置1は、半導体チップ10、基板20、アンダーフィル層30等を具備し、半導体チップ10を基板20に実装して構成されている。
【0018】
半導体チップ10は、本発明に係る半導体素子の実施の一形態であり、板状の半導体素子を樹脂で被覆し、その下面に外部入力/出力用端子となる複数のパッドを配置する。
図2及び図3に示すように、本実施形態における半導体チップ10は、BGAパッケージによって構成されており、前記各パッドにははんだ等にて構成されるはんだボール11・11・・・及び壁状はんだ12・12がバンプとして付設されている。また、半導体チップ10は、平面視矩形状を有する。
【0019】
基板20は、本発明に係る基板の実施の一形態であり、ガラスエポキシ樹脂からなる板状の部材である。基板20の表面(本実施形態において、厳密には掘り込み部21の底面)には、実装する半導体チップ10と通電可能な端子(ランド)を備えたプリント回路が形成される。
【0020】
アンダーフィル層30は、アンダーフィル剤31を半導体チップ10と基板20との隙間(本実施形態において、厳密には半導体チップ10と基板20との隙間であって、はんだボール11・11・・・及び壁状はんだ12・12が配置された部分以外の部分に形成される空間)に充填し、アンダーフィル剤31を硬化させることにより形成され、はんだボール11・11・・・及び壁状はんだ12・12による半導体チップ10と基板20との接合強度を補強するものである。
【0021】
アンダーフィル剤31は、本発明に係る充填剤の実施の一形態である。アンダーフィル剤31は、主成分として、例えば、エポキシ樹脂等の、所定の温度に加熱すると硬化する熱硬化性樹脂を含む。硬化前のアンダーフィル剤31は、一般的に液体状またはペースト状で流動性を有し、ディスペンサによりノズル等から吐出することにより所望の位置に充填すること、又は、ハケ、スキージ等を用いて所望の面に塗布することが可能であり、充填または塗布した後に加熱することで硬化させることができる。
【0022】
以下では、図2及び図3を参照して、本実施形態に係る半導体チップ10について詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、半導体チップ10は、はんだボール11・11・・・、壁状はんだ12・12等を具備する。本実施形態において、半導体チップ10は、平面視矩形状を有するとともに、側面視台形状を有する。
より詳細には、図2に示すように、はんだボール11・11・・・にて接合される半導体チップ10と基板20との間には隙間が形成されており、半導体チップ10の一側(前側)には、半導体チップ10と基板20との前記隙間にアンダーフィル剤31を充填するための充填口22が配置されている。
半導体チップ10は、前記充填口22側(前側)の上下方向の厚みが、充填口22と反対側(後側)の上下方向の厚みより厚く構成された側面視台形状に形成されている。つまり、半導体チップ10は、基板20と対向する面(下面)を、充填口22側と反対側の隙間が該充填口22側の隙間より大きくなるように傾斜した面として構成している。このような形状の半導体チップ10は、具体的には、例えば平板状の半導体チップの前側の電極の厚みを後ろ側の電極の厚みよりも厚く形成するなど、半導体チップ10の上下方向の厚みを前部(アンダーフィル剤31供給側)と後部(反アンダーフィル剤31供給側)とで変更すること等によって得られる。
【0023】
はんだボール11・11・・・は、本発明に係るバンプの実施の一形態であり、略球形状に形成されるはんだである。はんだボール11・11・・・は、半導体チップ10の下面であって、半導体チップ10と基板20との隙間に配置される。
はんだボール11・11・・・は、半導体チップ10の下面に配置される前記複数のパッドにそれぞれ溶着したバンプとして構成されており、はんだボール11・11・・・の形成面を基板20に対向させた姿勢の半導体チップ10を基板20に載置し、半導体チップ10を載置した基板20を加熱してはんだボール11・11・・・を溶融させて、はんだボール11・11・・・を基板20のプリント回路における端子に溶着することにより、半導体チップ10を基板20に接合する。
このように、はんだボール11・11・・・は、それぞれ半導体チップ10と基板20とを機械的に接合する機能に加えて、両者間の電気的な導通経路としての機能を有する。そのため、はんだボール11・11・・・は隣り合うはんだボール11・11・・・との間で短絡が起きることがないように互いに所定の間隔を置いて配置される。
より詳細には、図3に示すように、はんだボール11・11・・・は、半導体チップ10と基板20との隙間にアンダーフィル剤31を充填する充填口22の中心部を中心として、放射状に配置されている。また、前述のように、半導体チップ10の下面には傾斜が設けられ、半導体チップ10と基板20との間隔は充填口22側からの距離が遠くなるに従って大きくなっている。
このため、図2に示すように、半導体チップ10の下面と基板20との接合に支障をきたさないように、はんだボール11・11・・・の径が設定されている。つまり、充填口22側からの距離に応じてはんだボール11・11・・・の断面積が設定されている。本実施形態では、充填口22側からの距離が大きくなる位置に配置されているはんだボール11・11・・・の断面積ほど、大きくなるように構成されている。
なお、本実施形態では、図2に示すように、放射状に配置されたはんだボール11・11・・・は充填口22の中心部からの半径方向に対して一直線上に配置されていないが、はんだボール11・11・・・を、前記半径方向に対して一直線上に配置しても良い。
【0024】
壁状はんだ12・12は、本発明に係る壁状バンプの実施の一形態であり、半導体チップ10と基板20との隙間の充填口22近傍に上下方向全域に亘って配置され、アンダーフィル剤31の流入方向を規制する部材である。
図3に示すように、壁状はんだ12・12は、平面視直角三角形状を有し、平面視矩形状を有する半導体チップ10の下面における前端部の二つの角にそれぞれの直角部分が一致し、かつ、前端側の面が充填口22にかからないように、充填口22に近づけて配置されているバンプである。このように、壁状はんだ12・12を用いて半導体チップ10の前端角部を塞ぐことによって、充填口22から半導体チップ10と基板20(本実施形態において、厳密には掘り込み部21)との隙間に充填されるアンダーフィル剤31の流入方向を規制して充填速度を速めるとともに、アンダーフィル剤31の充填不足を予め回避している。
また、壁状はんだ12・12は、はんだボール11・11・・・と同様に半導体チップ10と基板20とを機械的に接合する機能を有する。また、壁状はんだ12・12は、半導体チップ10のプリントパターンと基板20のプリント回路とを電気的に接続するなど、半導体チップ10内の回路と基板20内の回路とを電気的に接続する機能を具備させることもできる。
【0025】
以下では、図2及び図3を参照して、本実施形態に係る基板20について詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、基板20は、掘り込み部21、充填口22等を具備する。
【0026】
掘り込み部21は、本発明に係る掘り込み部の実施の一形態である。図3に示すように、掘り込み部21は、平面視において半導体チップ10に対応した形状を有する部材であり、その内部に半導体チップ10を実装する部材である。つまり、本実施形態では、掘り込み部21は平面視矩形状を有する。
また、図3に示すように、掘り込み部21は、前後方向における充填口22と反対側の部分が半導体チップ10の寸法より大きく形成されている。言い換えれば、平面視において掘り込み部21が半導体チップ10よりも後方側に延設されており、掘り込み部21と半導体チップ10後部との間に所定の空間が設けられている。
これにより、アンダーフィル剤31を充填する際に、平面視においてこの空間に十分なアンダーフィル剤31がはみ出しているか否か、又はアンダーフィル剤31が掘り込み部21全域を埋めたか否かを確認することによって、充填完了を確認することが可能となる。
【0027】
充填口22は、本発明に係る充填口の実施の一形態であり、掘り込み部21の一側に連設され、半導体チップ10と基板20との隙間にアンダーフィル剤31を充填する際の充填口となるものである。
図2及び図3に示すように、充填口22は上方に向けて開口しており、半導体チップ10と基板20との隙間にアンダーフィル剤31を充填するノズル32の吐出口に対応した形状を有する。本実施形態では、円形状の吐出口を有するノズル32を使用するため、充填口22は平面視略円形状に構成されている。
【0028】
以下では、図4〜図6を参照して、基板20に半導体チップ10を実装し、ノズル32によってアンダーフィル剤31を充填する際の、アンダーフィル剤31の広がり及び充填完了の確認について説明する。
【0029】
半導体チップ10を基板20(厳密には掘り込み部21)に実装し、半導体チップ10と基板20とをはんだボール11・11・・・及び壁状はんだ12・12によって接合する実装工程の後、図4及び図5に示すように、ノズル32によってアンダーフィル剤31が充填口22から充填される充填工程が開始される。
充填されるアンダーフィル剤31は、左右に配置された壁状はんだ12・12に沿って、半導体チップ10と基板20との隙間に流入する。このとき、はんだボール11・11・・・は、充填口22の中心部を中心として放射状に配置されているため、アンダーフィル剤31は大きな抵抗を受けることなく、かつ十分に拡散しながら半導体チップ10と基板20との隙間(本実施形態では、厳密には半導体チップ10と基板20との隙間であって、はんだボール11・11・・・及び壁状はんだ12・12が配置された部分以外の部分に形成される空間)に流入していく。
この充填と同時に、半導体チップ10と基板20との隙間内に存在していた空気は、アンダーフィル剤31によって充填口22と反対側へ押し出される。このとき、半導体チップ10と基板20との隙間は、充填方向下流側(後方)にいくほど広くなっているため、前記空気は半導体チップ10と基板20との隙間から良好に抜けていく。
【0030】
以上のようにアンダーフィル剤31の充填が進められる。そして、図6に示すように、半導体チップ10の後方の辺の全域に亘ってアンダーフィル剤31が十分にはみ出したこと、又はアンダーフィル剤31が掘り込み部21全域を埋めたことを確認すると、充填完了とし、アンダーフィル剤31の充填工程を終了する。
この後、アンダーフィル剤31を硬化する硬化工程等に移行する。
【0031】
以上のように、本発明の半導体装置の実施の一形態に係る半導体装置1は、半導体チップ10と基板20との間に配置したはんだボール11・11・・・により半導体チップ10と基板20とを接合するとともに、前記はんだボール11・11・・・により接合された半導体チップ10と基板20との間に形成される隙間にアンダーフィル剤31を充填して半導体チップ10と基板20との接合を補強する半導体装置1であって、アンダーフィル剤31は、半導体チップ10の一側から前記隙間に充填され、半導体チップ10は、基板20と対向する面(下面)を、アンダーフィル剤31の充填側の隙間が小さく、かつ、該充填側と反対側の隙間が大きくなるように傾斜した面として構成され、この傾斜した面と基板20との間隔に応じて、つまり半導体チップ10における充填口22側からの距離に応じてはんだボール11・11・・・の断面積を設定したので、半導体チップ10と基板20との隙間にアンダーフィル剤31を充填するに際し、アンダーフィル剤31により押し出される空気が半導体チップ10下方から抜け易くなることによって、半導体チップ10下方においてアンダーフィル層30内の気泡(ボイド)の発生を防止できる。さらに、はんだボール11・11・・・を、充填口22を中心として放射状に配置したので、半導体チップ10下部において充填剤の受ける抵抗が少なくなり、かつ拡散し易くなり、短時間で充填できる。
【0032】
さらに、本実施形態に係る半導体チップ10は、半導体チップ10と基板20との隙間内であって、充填口22側に、アンダーフィル剤31の流入方向を規制する壁状はんだ12・12を具備するので、半導体チップ10下方において、さらに充填剤が拡散し易くなり、短時間で充填できるとともに、半導体チップ10下方のデッドスペースを予め埋めておくことによって、充填時間を短縮でき、アンダーフィル剤31の充填不足を回避することができ、半導体チップ10と基板20との接合部分の補強を十分にできる。
【0033】
さらに、本実施形態に係る掘り込み部21は、平面視において充填口22が配置される側と反対側(後側)が、半導体チップ10よりも大きく構成されるので、アンダーフィル剤31を充填するに際し、平面視において半導体チップ10の充填口22と反対側(後側)の辺全域よりアンダーフィル剤31が十分にはみ出したこと、又はアンダーフィル剤31が掘り込み部21全域を埋めたことを確認することによって、充填完了の確認とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る半導体装置の実施の一形態を示す平面図。
【図2】本発明に係る半導体装置の実施の一形態を示す拡大側面断面図。
【図3】本発明に係る半導体装置の実施の一形態を示す図2のB−B’線矢視断面図。
【図4】本発明に係る充填剤の充填工程を示す図2のB−B’線矢視断面図。
【図5】本発明に係る充填剤の充填工程を示す概略平面図。
【図6】本発明に係る充填剤の充填工程の終了を示す概略平面図。
【図7】従来の半導体装置における充填剤の充填工程を示す概略側面図。
【符号の説明】
【0035】
1 半導体装置
10 半導体チップ(半導体素子)
11 はんだボール(バンプ)
12 壁状はんだ(壁状バンプ)
20 基板
21 掘り込み部
22 充填口
31 アンダーフィル剤(充填剤)
32 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と基板との間に配置したバンプにより前記半導体素子と前記基板とを接合するとともに、前記バンプにより接合された半導体素子と基板との間に形成される隙間に充填剤を充填して前記半導体素子と前記基板との接合を補強する半導体装置であって、
前記充填剤は、前記半導体素子の一側から前記隙間に充填され、
前記半導体素子は、前記基板と対向する面が、前記充填剤の充填側と反対側の隙間が該充填側の隙間より大きくなるように傾斜した面として構成され、
前記基板は、前記半導体素子に対応した形状に形成され、かつ、該半導体素子が実装される掘り込み部と、前記掘り込み部に連接され前記充填剤を充填する充填口と、を具備するとともに、
前記バンプは、前記半導体素子における前記充填口側からの距離に応じて断面積の大きさが設定され、かつ、前記充填口を中心として放射状に配置する、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記半導体素子は、該半導体素子と前記基板との隙間内であって、前記充填口側端部に前記充填剤の流入方向を規制する壁状バンプを具備する、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記掘り込み部は、前記充填口が配置される側と反対側の一部が、前記半導体素子よりも大きく構成される、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−164490(P2009−164490A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2641(P2008−2641)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】