説明

半導体装置

【課題】液晶表示装置の周囲が薄暗い環境でも画像表示が認識できる液晶表示装置を提供
することを課題の一とする。
【解決手段】1つの画素において、液晶層を介して入射する光を反射する領域と、透過領
域とを両方有する画素電極を設け、外光を照明光源とする反射モードと、バックライトを
用いる透過モードの両モードでの画像表示を可能とする。外光はあるが、その明るさが不
十分であり薄暗い場合は、バックライトを弱く点灯し反射モードで表示を行うことによっ
て、画像表示を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体装置および
その作製方法に関する。例えば、液晶表示パネルに代表される電気光学装置を部品として
搭載した電子機器に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装
置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
液晶表示装置において、高品位な画像を得るために、画素電極をマトリクス状に配置し
、画素電極の各々に接続するスイッチング素子としてトランジスタを接続したアクティブ
マトリクス型液晶表示装置が注目を集めている。
【0004】
画素電極の各々に、接続するスイッチング素子として、金属酸化物をチャネル形成領域と
するトランジスタを接続するアクティブマトリクス型液晶表示装置が、既に知られている
(特許文献1及び特許文献2)。
【0005】
また、アクティブマトリクス型液晶表示装置には大きく分けて透過型と反射型の二種類の
タイプが知られている。
【0006】
透過型の液晶表示装置は、冷陰極蛍光ランプなどのバックライトを用い、液晶の光学変調
作用を利用して、バックライトからの光が液晶を透過して液晶表示装置外部に出力される
状態と、出力されない状態とを選択し、明と暗の表示を行わせ、さらにそれらを組み合わ
せることで、画像表示を行うものである。
【0007】
透過型の液晶表示装置は、バックライトを利用するため、屋外などの外光が強い環境では
表示を認識することが困難である。
【0008】
また、反射型の液晶表示装置は、液晶の光学変調作用を利用して、外光、即ち入射光が画
素電極で反射して装置外部に出力される状態と、入射光が装置外部に出力されない状態と
を選択し、明と暗の表示を行わせ、さらにそれらを組み合わせることで、画像表示を行う
ものである。
【0009】
反射型の液晶表示装置は、透過型の液晶表示装置と比較して、バックライトを使用しない
ため、消費電力が少ないといった長所を有しており、携帯用の情報端末としての需要が高
まっている。
【0010】
反射型の液晶表示装置は、外光を利用するため、屋外などの外光が強い環境での画像表示
に向いている。一方、液晶表示装置の周囲が薄暗い、即ち外光が弱い環境では表示を認識
することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−123861号公報
【特許文献2】特開2007−96055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
液晶表示装置の周囲が薄暗い環境でも画像表示が認識できる液晶表示装置を提供すること
を課題の一とする。
【0013】
また、外光を照明光源とする反射モードと、バックライトを用いる透過モードの両モード
での画像表示を可能とした液晶表示装置を提供することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つの画素において、液晶層を介して入射する光を反射する領域と、透過領域とを両方有
する画素電極を設け、外光を照明光源とする反射モードと、バックライトを用いる透過モ
ードの両モードでの画像表示を可能とする。
【0015】
この液晶表示装置は、外光があり、その明るさが十分である場合は、反射モードとし、さ
らに静止画像を表示することによって消費電力を低減できる。
【0016】
また、外光はあるが、その明るさが不十分であり薄暗い場合は、バックライトを弱く点灯
し反射モードで表示を行うことによって、画像表示を可能とする。
【0017】
また、外光が弱い、または全くない場合は、透過モードとしてバックライトを点灯し画像
表示を可能とする。
【0018】
また、液晶表示装置の周囲の明るさを検知するセンサを設け、そのセンサで得られるデー
タに応じて、反射モード、透過モード、またはバックライトのオンオフ及び光量調節を行
うことが好ましい。
【0019】
バックライトの光源としては、冷陰極蛍光ランプよりも消費電力を低減でき、光の強弱を
調節できる発光ダイオード(LED)を複数用いることが好ましい。バックライトにLE
Dを用いることによって部分的に光の強弱を調節し、コントラストが大きく、色の視認性
の高い画像表示を行うことができる。
【0020】
本明細書で開示する本発明の一態様は、表示パネルと、バックライト部と、画像処理回路
と、を有し、表示パネルは、透過領域と反射領域の両方が設けられ液晶の配向状態を制御
する画素電極と、画素電極に接続されるトランジスタと、が設けられた複数の画素を有し
、画像処理回路は、画像信号を記憶する記憶回路と、記憶回路に記憶された画像信号と連
続するフレーム期間の画像信号とを比較して差分を演算する比較回路と、表示パネルを制
御する第1の駆動回路と、バックライト部の発光を制御する第2の駆動回路と、を有し、
比較回路が、差分を検出した連続するフレーム期間を動画期間であると判断し、画像処理
回路が表示パネルに第1の信号を出力して、駆動回路により表示パネルを駆動し、画像処
理回路がバックライト部に第2の信号を出力して、第2の駆動回路によりバックライト部
を駆動する動画表示モードと、比較回路が、差分が検出されない連続するフレーム期間を
静止画期間であると判断し、画像処理回路が表示パネル、及びバックライト部に信号の出
力を停止する、静止画表示モードと、を有する表示装置である。
【0021】
また、上記構成において、画素電極は、反射電極と、該反射電極に一部接して重なる透光
性を有する電極(以下、透明電極と呼ぶ)とを有する。
【0022】
また、一つの画素に、構造体を複数設け、構造体の側面上方に反射電極を設け、構造体上
面の上方に透明電極を有する画素電極を用いることも本発明の一つであり、その構成は、
基板上に複数の構造体と、複数の構造体の側面を覆う反射層と、複数の構造体の隣り合う
側面の間に配置し、且つ、反射層を覆う絶縁層と、絶縁層を介して反射層と重なる反射領
域と、構造体の上面と重なる透過領域の両方を有する画素電極と、画素電極と電気的に接
続するトランジスタとを有する液晶表示装置である。
【0023】
また、上記構成において、構造体の断面において相対向する2つの傾斜面を有し、構造体
の傾斜面の傾斜角度と、該傾斜面と対向する傾斜面の傾斜角度とがなす角θTは、90°
未満、好ましくは20°以上60°以下であることを特徴の一つとしている。
【0024】
また、上記構成において、反射領域は、湾曲面を有する反射電極であり、反射電極の断面
において最も屈曲している点を中心とし、その中心から相対向する2つの傾斜面がなす角
度θRは90°以上、好ましくは100°以上120°以下であることを特徴の一つとし
ている。
【0025】
また、上記構成において、構造体の上部は、反射電極の表面よりも上方に位置し、反射電
極の端部よりも0.1μm以上3μm以下、好ましくは0.3μm以上2μm以下で突出
した形状であることを特徴の一つとしている。
【発明の効果】
【0026】
外光の明るさが様々な環境に応じて画像表示が可能な液晶表示装置を提供することができ
る。また、静止画像の表示において低消費電力を実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一形態であるブロック図を示す図。
【図2】本発明の一形態である画素の等価回路の一例をしめす図。
【図3】本発明の一形態であるタイミングチャートを示す図。
【図4】本発明の一形態である液晶モジュールの斜視図を示す図である。
【図5】本発明の一形態である断面構造及び上面図を示す図である。
【図6】本発明の一形態である断面構造を示す図である。
【図7】本発明の一形態である断面構造を示す図である。
【図8】本発明の一形態である断面構造及び上面図を示す図である。
【図9】液晶表示装置に適用できるトランジスタの一形態を説明する図。
【図10】液晶表示装置に適用できるトランジスタの作製方法の一形態を説明する図。
【図11】本発明の一形態である画素の上面図の一例を示す図。
【図12】本発明の一形態である画素の断面構造を示す図。
【図13】本発明の一形態である画素の断面構造を示す図。
【図14】本発明の一形態である表示装置の外観及びブロック図を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれ
ば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。
【0029】
(実施の形態1)
本実施の形態では、静止画モードと動画モードを有する液晶表示装置について図1を用い
て説明する。なお、本明細書において、表示装置が表示装置に入力する画像信号を静止画
と判断しておこなう動作を静止画モード、動画と判断して行う動作を動画モードというも
のとする。
【0030】
本実施の形態の表示装置100は、A/D変換回路102、画像処理回路110、表示パ
ネル120、及びバックライト部130を有する(図1参照)。
【0031】
画像処理回路110は、記憶回路111、比較回路112、表示制御回路113、及び選
択回路115を有する。
【0032】
表示パネル120は、駆動回路部121、及び画素部122を有する。画素部122には
、走査線と信号線に接続された画素123がマトリクス状に複数配置されている。
【0033】
また、画素123はトランジスタと、該トランジスタに接続された画素電極と、容量素子
を有する。該画素電極とそれに対向する対向電極との間に液晶層を挟持して液晶素子が形
成されており、該画素電極は液晶層を介して入射する光を反射する領域と、透過領域を有
している。
【0034】
液晶素子の一例としては、液晶の光学的変調作用によって光の透過又は非透過を制御する
素子がある。その素子は一対の電極と液晶層により構造されることが可能である。なお、
液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(即ち、縦方向の電界)によって制御される
。なお、具体的には、液晶素子の一例としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、
スメクチック液晶、ディスコチック液晶、サーモトロピック液晶、リオトロピック液晶、
低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC)、強誘電液晶、反強誘電液晶、
主鎖型液晶、側鎖型高分子液晶、バナナ型液晶などを挙げることができる。また液晶の駆
動方法としては、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super
Twisted Nematic)モード、OCB(Optically Compe
nsated Birefringence)モード、ECB(Electricall
y Controlled Birefringence)モード、FLC(Ferro
electric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFer
roelectric Liquid Crystal)モード、PDLC(Polym
er Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Pol
ymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモー
ドなどがある。
【0035】
バックライト部130はバックライト制御回路131、及びバックライト132を有する
。バックライト132が発する光は光の三原色を含んでいれば良く、バックライト132
には例えば白色の発光素子133が配置されている。
【0036】
次に、本実施の形態で例示する表示装置における、信号の流れを説明する。
【0037】
画像信号供給源101から、表示装置100にアナログ画像信号が入力される。アナログ
画像信号には画像信号、例えば赤(R)、緑(G)、及び青(B)に対応する信号が含ま
れている。
【0038】
A/D変換回路102は、アナログ画像信号をデジタル画像信号に変換し、画像処理回路
110へ出力する。画像信号を予めデジタル信号に変換しておくことで、後に画像信号の
差分を検出する際、検出を容易に行うことができ好適である。
【0039】
画像処理回路110は、入力したデジタル画像信号からLC画像信号とバックライト信号
を生成する。LC画像信号は、表示パネル120を制御する画像信号であり、バックライ
ト信号はバックライト部130を制御する信号である。
【0040】
画像処理回路110に設けた記憶回路111は、複数のフレームに関する画像信号を記憶
するための複数のフレームメモリを有する。記憶回路111が有するフレームメモリの数
は特に限定されるものではなく、複数のフレームに関する画像信号を記憶できる素子であ
ればよい。なおフレームメモリは、例えばDRAM(Dynamic Random A
ccess Memory)、SRAM(Static Random Access
Memory)等の記憶素子を用いて構成すればよい。
【0041】
なおフレームメモリは、フレーム期間毎に画像信号を記憶する構成であればよく、フレー
ムメモリの数について特に限定されるものではない。またフレームメモリの画像信号は、
比較回路112及び表示制御回路113により選択的に読み出されるものである。
【0042】
比較回路112は、記憶回路111に記憶された連続するフレーム期間の画像信号を選択
的に読み出して、連続するフレーム間での当該画像信号の比較を画素毎に行い、差分を検
出するための回路である。
【0043】
なお、差分の検出の有無により、表示制御回路113及び選択回路115での動作が決定
されることとなる。当該比較回路112での画像信号の比較により、いずれかの画素で差
分が検出された際に当該差分を検出した連続するフレーム期間は、動画期間であると判断
する。一方、比較回路112での画像信号の比較により、全ての画素で差分が検出されな
い際に当該差分を検出しなかった連続するフレーム期間は、静止画期間であると判断する
。すなわち比較回路112は、連続するフレーム期間の画像信号を、比較回路112での
差分の検出によって、動画を表示するための画像信号であるか、または静止画を表示する
ための画像信号であるかの判断をするものである。
【0044】
なお、当該比較により得られる差分は、一定のレベルを超えたときに、差分を検出したと
判断されるように設定してもよい。なお比較回路112は、差分の大きさにかかわらず、
差分の絶対値によって、差分の検出の判断をする設定とすればよい。
【0045】
なお本実施の形態においては、比較回路112により連続するフレーム期間での画像信号
の差分を検出することにより動画または静止画の判断を行う構成について示したが、外部
から静止画または動画を切り替える信号を供給することにより、その切り換える信号に応
じて動画または静止画を表示する構成としてもよい。
【0046】
なお動画は、複数のフレームに時分割した複数の画像を高速に切り替えることで人間の目
に動く画像として認識される画像をいう。具体的には、1秒間に60回(60フレーム)
以上画像を切り替えることで、人間の目にはちらつきが少なく動画と認識されるものとな
る。一方、静止画は、動画及び部分動画と異なり、複数のフレーム期間に時分割した複数
の画像を高速に切り替えて動作させるものの、連続するフレーム期間、例えばnフレーム
目と、(n+1)フレーム目とで変化しない画像信号のことをいう。
【0047】
選択回路115は、複数のスイッチ、例えばトランジスタで形成されるスイッチを設ける
構成とする。比較回路112での差分の演算により差分が検出された際、すなわち連続す
るフレーム間で表示される画像が動画の際、当該画像信号が記憶された記憶回路111内
のフレームメモリより画像信号を選択して表示制御回路113に出力するための回路であ
る。
【0048】
なお選択回路115は、比較回路112で演算により画像信号の差分が検出されない際、
すなわち連続するフレーム間で表示される画像は静止画の際、当該画像信号について表示
制御回路113に出力しない回路である。静止画の際、選択回路115では、画像信号を
フレームメモリより表示制御回路113に出力しない構成とすることにより、消費電力を
削減することができる。
【0049】
なお、本実施の形態の表示装置において、比較回路112が静止画と判断しておこなう動
作を静止画モード、比較回路112が動画と判断しておこなう動作を動画モードという。
【0050】
また、本実施の形態で例示される画像処理回路は、モード切り替え回路を有していてもよ
い。モード切り替え回路は、当該表示装置の利用者が手動または外部接続機器を用いて当
該表示装置の動作モードを選択することで動画モードまたは静止画モードを切り換えるこ
とができる機能を有する。
【0051】
選択回路115はモード切り替え回路から入力される信号に応じて、画像信号を表示制御
回路113に出力することもできる。
【0052】
例えば、静止画表示モードで動作している際に、利用者が動作モードを切り替えて、モー
ド切り替え回路から選択回路115にモード切り替え信号が入力された場合、比較回路1
12が連続するフレーム期間での画像信号の差分を検出していない場合であっても、選択
回路115は入力される画像信号を表示制御回路113に順次出力するモード、すなわち
動画表示モードを実行できる。また、動画表示モードで動作している際に、利用者が動作
モードを切り替えて、モード切り替え回路から選択回路115にモード切り替え信号が入
力された場合、比較回路112が連続するフレーム期間での画像信号の差分を検出してい
る場合であっても、選択回路115は選択した1フレームの画像信号の信号のみを出力す
るモード、すなわち静止画表示モードを実行できる。その結果、本実施の形態の表示装置
には、動画中の1フレームが静止画として表示される。
【0053】
表示制御回路113は、比較回路112での差分の検出に応じて選択回路115で選択さ
れた画像信号の供給、並びに表示パネル120の駆動回路部121、及びバックライト部
130のバックライト制御回路131を制御するための信号を供給する回路である。
【0054】
具体的には、表示制御回路113は、表示パネル120にスタートパルスSP、及びクロ
ック信号CK等の制御信号の供給または停止の切り替えを制御するための信号を供給する
。また、表示制御回路113はバックライト制御回路131にバックライトの点灯、及び
消灯を制御するための信号を供給する。
【0055】
比較回路112により動画と判断された場合には、画像信号が記憶回路111より選択回
路115を介して読み出され表示制御回路113より駆動回路部121に供給され、制御
信号が表示制御回路113より駆動回路部121に供給されることとなる。
【0056】
一方、比較回路112により静止画と判断された場合、表示制御回路113では、画像信
号が駆動回路部121に供給されず、また駆動回路部121、及びバックライト制御回路
131への各制御信号の停止を行うこととなる。
【0057】
また、実施の形態で例示される表示装置はバックライト点灯回路と測光回路を有し、バッ
クライト点灯回路と測光回路がバックライト制御回路131と接続されていてもよい。バ
ックライト点灯回路は、当該表示装置の利用者が手動や外部接続機器を用いてバックライ
トを点灯、及び消灯するための信号を入力する回路であり、また、測光回路は当該表示装
置が使用されている環境の明るさを測定する回路である。
【0058】
例えば、本実施の形態で例示される表示装置を薄暗い環境で利用する場合、バックライト
点灯回路や、測光回路を介して信号をバックライト制御回路131に入力し、バックライ
トを点灯することができる。なお、測光回路にあらかじめ閾値を設定し、使用環境の明る
さが閾値を下回ると、バックライトが点灯するように設定してもよい。
【0059】
本実施の形態の構成による静止画を表示する期間では、頻繁に画像信号の書き込みを行う
といった動作を削減することができる。また、バックライトを使わなくとも静止画を表示
できるため、消費電力が極めて小さい。
【0060】
また、本実施の形態で例示される表示装置は、消費電力を低減して静止画を表示できるだ
けでなく、フルカラー画像の表示、及び動画の表示が可能である。
【0061】
また、複数回の画像信号の書き込みによる画像を視認する際、複数回にわたって切り替わ
る画像を人間の目は視認することとなる。そのため、人間の目には疲労として現れること
もあり得る。本実施の形態で説明したように、画像信号の書き込み回数を削減する構成と
することで、目の疲労を減らすといった効果もある。
【0062】
(実施の形態2)
本実施の形態では、画素接続図、タイミングチャート等を用いて、液晶表示装置の駆動
方法について説明する。まず図2には、液晶表示装置の表示パネルの概略図について示し
ている。図2には、画素部201、走査線202(ゲート線ともいう)、信号線203(
データ線ともいう)、画素210、共通電極218(コモン電極ともいう)、容量線21
9、走査線側駆動回路206、信号線側駆動回路207を有する。
【0063】
画素210は、画素トランジスタ212、液晶素子213、容量素子214を有する。画
素トランジスタ212はゲートが走査線202に接続され、ソース又はドレインの一方と
なる第1端子が信号線203に接続され、ソース又はドレインの他方となる第2端子が、
液晶素子213の一方の電極及び容量素子214の第1の電極に接続される。なお液晶素
子213の他方の電極は、共通電極218に接続されている。なお容量素子214の第2
の電極は、容量線219に接続される。なお画素トランジスタ212は、薄膜の酸化物半
導体層を有する薄膜トランジスタ(TFT)で構成することが好ましい。
【0064】
なお、薄膜トランジスタは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端
子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有しており、ド
レイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことができる。ここで、ソ
ースとドレインとは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソ
ースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、本書類(明細書、特
許請求の範囲又は図面など)においては、ソース及びドレインとして機能する領域を、ソ
ースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例としては、それぞれを第1
端子、第2端子と表記する場合がある。あるいは、それぞれを第1の電極、第2の電極と
表記する場合がある。あるいは、ソース領域、ドレイン領域と表記する場合がある。
【0065】
なお走査線側駆動回路206、信号線側駆動回路207は、画素部201と同じ基板上に
設ける構成とすることが好ましいが、必ずしも設ける必要はない。画素部201と同じ基
板上に走査線側駆動回路206、信号線側駆動回路207を設けることで、外部との接続
端子数を削減することができ、液晶表示装置の小型化を図ることができる。
【0066】
なお、画素210は、マトリクス状に配置(配列)されている。ここで、画素がマトリク
スに配置(配列)されているとは、縦方向もしくは横方向において、画素が直線上に並ん
で配置されている場合や、ギザギザな線上に配置されている場合を含む。よって、例えば
三色の色要素(例えばRGB)でフルカラー表示を行う場合に、カラーフィルターがスト
ライプ配列されている場合や、三つの色要素のドットがデルタ配列されている場合も含む

【0067】
なお、AとBとが接続されている、と明示的に記載する場合は、AとBとが電気的に接続
されている場合と、AとBとが機能的に接続されている場合と、AとBとが直接接続され
ている場合とを含むものとする。
【0068】
次いで、表示パネルの動作についてバックライトの動作とともに併せて、図3(A)で説
明する。上記実施の形態でも説明したように、表示パネルの動作は大きくわけて、動画表
示期間301と静止画表示期間302に大別される。
【0069】
なお、動画表示期間301において1フレーム期間の周期(またはフレーム周波数)は、
1/60秒以下(60Hz以上)であることが望ましい。フレーム周波数を高くすること
で、画像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないようにすることができる。また静止
画表示期間302において、1フレーム期間の周期を極端に長く、例えば1分以上(0.
017Hz以下)とすることで、複数回にわたって同じ画像を切り替える場合と比較して
眼精疲労を低減しうるといったことも可能である。
【0070】
なお画素トランジスタ212の半導体層として酸化物半導体を用いた際には、酸化物半導
体中のキャリアを極めて少なくすることができるため、オフ電流を少なくすることができ
る。よって、画素においては画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、書
き込み間隔も長く設定できる。よって1フレーム期間の周期を長くすることができ、静止
画表示期間302でのリフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、より消費
電力を抑制する効果を高くできる。
【0071】
図3(A)に示す動画表示期間301では、各画素に画像信号を振り分けていき動画を表
示するための駆動回路制御信号が駆動回路に供給され、駆動回路が動作する。また図3(
A)に示す動画表示期間301では、バックライト制御信号により白色光のバックライト
が動作する。そして、表示パネルは一例として、R(赤)G(緑)B(青)のカラーフィ
ルターにより特定の波長の光を透過させる構成とすることでカラー表示の動画表示を行う
ことができる。
【0072】
図3(A)に示す静止画表示期間302では、上記実施の形態で説明したように、反射光
の透過または非透過によりカラー表示の静止画のための画像信号を書き込むための駆動回
路制御信号が駆動回路に供給され、駆動回路が動作する。なお画像信号を書き込む以外の
期間では、駆動回路制御回路を非動作とすることで低消費電力化を図ることができる。ま
た図3(A)に示す静止画表示期間302では、外光の反射光を利用して表示を視認する
構成とするため、バックライト制御信号によりバックライトが非動作となる。そして、表
示パネルはカラー表示の静止画の表示を行うことができる。
【0073】
なお静止画表示期間302では、反射光の透過または非透過により静止画の表示をする際
には、カラーフィルターの配置によって白黒の階調による静止画の表示であってもよい。
この場合、入力する画像信号を白黒の階調を表示するための画像信号を供給する構成とす
ればよい。
【0074】
次いで、図3(A)の動画表示期間301について図3(B)に、静止画表示期間302
について図3(C)に、その詳細をタイミングチャートにて説明する。なお図3(B)及
び図3(C)に示すタイミングチャートは、説明のために誇張して表記したものであり、
特に明記する場合を除き、各信号が同期して動作するものではないことを付記する。
【0075】
まず図3(B)について説明する。図3(B)では、一例として動画表示期間301にお
ける走査線側駆動回路106に供給するクロック信号GCK、及びスタートパルスGSP
、信号線側駆動回路107に供給するクロック信号SCK、及びスタートパルスSSP、
画像信号data、バックライトの点灯状態について示したものである。なおバックライ
トとしては、白色のLEDを用いることで低消費電力化及び長寿命化を図ることができる

【0076】
動画表示期間301において、クロック信号GCKは常時供給されるクロック信号となる
。またスタートパルスGSPは、垂直同期周波数に応じたパルスとなる。またクロック信
号SCKは常時供給されるクロック信号となる。またスタートパルスGSPは、1ゲート
選択期間に応じたパルスとなる。なお動画表示期間301では、画像信号はR(赤)G(
緑)B(青)に対応する画素に書き込まれていき、バックライト光の透過または非透過を
制御することで視認者は動画でのカラー表示を視認することができる。
【0077】
次いで図3(C)について説明する。図3(C)では、静止画表示期間302について、
静止画書き込み期間303、静止画保持期間304に分けて説明を行う。
【0078】
静止画書き込み期間303においては、クロック信号GCKは一画面書き込むためのクロ
ック信号となる。またスタートパルスGSPは、一画面書き込むためのパルスとなる。ま
たクロック信号SCKは一画面書き込むためのクロック信号となる。またスタートパルス
SSPは、一画面書き込むためのパルスとなる。なお静止画書き込み期間303では、反
射光を利用してカラー表示するための画像信号RGBにより静止画を表示するため、バッ
クライトが非点灯となる。
【0079】
静止画保持期間304においては、クロック信号GCK、スタートパルスGSP、クロッ
ク信号SCK、スタートパルスSSPは、信号線側駆動回路及び走査線側駆動回路の動作
を停止するために、供給が停止されることとなる。そのため静止画保持期間304では電
力消費を低減することができ、低消費電力化を図ることができる。なお静止画保持期間3
04では、静止画書き込み期間303に画素に書き込んだ画像信号が、オフ電流が極端に
小さい画素トランジスタにより保持されるため、カラー表示の静止画を1分以上の期間保
持することができる。また、静止画保持期間304は保持される画像信号が一定の期間の
経過により低下する前に、新たに静止画書き込み期間303を設けて先の期間の画像信号
と同じ画像信号を書き込み(リフレッシュ動作)、再度、静止画保持期間304とすれば
よい。
【0080】
なお静止画保持期間304において、低消費電力化を図るためにバックライトを非点灯と
する。また、外光による反射光でカラー表示の静止画が視認しづらい場合は、バックライ
トの光を点灯させて表示を続けることで視認性を向上させることができ液晶表示装置の利
便性を高めることができる。
【0081】
本実施の形態において述べた液晶表示装置は、静止画表示を行う際、低消費電力化を図る
ことができる。
【0082】
本実施の形態は、実施の形態1に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能で
ある。
【0083】
(実施の形態3)
図4に液晶表示モジュール190の構成を示す。液晶表示モジュール190はバックライ
ト部130と、バックライト部130と重なる位置にカラーフィルタを有し、液晶素子が
マトリクス状に設けられた表示パネル120と、表示パネル120を挟む偏光板125a
、及び偏光板125bを有する。バックライト部130は、面状に均一な白色光を発する
。例えば導光板の端部に白色の発光素子133を配置し、表示パネル120との間に拡散
板134を設けたものをバックライト部130に用いることができる。また、外部入力端
子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)126は表示パネル120に設けた
端子部と電気的に接続されている。
【0084】
図4には、3色の光135が矢印(R、G、及びB)で模式的に示してある。バックライ
ト部130が発する光が、表示パネル120のカラーフィルタと重なる液晶素子により変
調され、液晶表示モジュール190から観察者に達し、観察者は映像を捉える。
【0085】
また、図4には、外光139が表示パネル120上の液晶素子を透過してその下部電極で
反射される様子も、模式的に示してある。液晶素子を透過する光の強度は、画像信号によ
り変調されるため、観察者は外光139の反射光によっても、映像を捉えることができる

【0086】
また、図5(A)は表示領域の平面図であり1画素分の画素を示している。図5(B)は
図5(A)の線Y1−Y2、及び線Z1−Z2における断面図である。
【0087】
図5(A)において、複数のソース配線層(ソース電極層405a又はドレイン電極層4
05bを含む)が互いに平行(図中上下方向に延伸)かつ互いに離間した状態で配置され
ている。複数のゲート配線層(ゲート電極層401を含む)は、ソース配線層に略直交す
る方向(図中左右方向)に延伸し、かつ互いに離間するように配置されている。容量配線
層408は、複数のゲート配線層それぞれに隣接する位置に配置されており、ゲート配線
層に概略平行な方向、つまり、ソース配線層に概略直交する方向(図中左右方向)に延伸
している。
【0088】
図5(A)(B)の液晶表示装置は、半透過型液晶表示装置であり、画素領域は反射領域
498及び透過領域499で構成されている。反射領域498では透明電極層447上に
画素電極層として反射電極層446が積層され、透過領域499では画素電極層として透
明電極層447のみが形成されている。なお、図5(A)(B)では、層間膜413上に
、透明電極層447、反射電極層446の順に積層する例を示したが、層間膜413上に
、反射電極層446、透明電極層447の順に積層する構造であってもよい。トランジス
タ450上には絶縁層407、保護絶縁層409、及び層間膜413が設けられ、絶縁層
407、保護絶縁層409、及び層間膜413に形成された開口(コンタクトホール)に
おいて、透明電極層447及び反射電極層446はトランジスタ450と電気的に接続さ
れている。透過領域499においては保護絶縁層409と層間膜413の間にカラーフィ
ルタ層として機能する着色層416を設ける。
【0089】
図5(B)に示すように、第2の基板442には共通電極層448(対向電極層ともいう
)が形成され、第1の基板441上の透明電極層447及び反射電極層446と、液晶層
444を介して対向している。なお、図5(A)(B)の液晶表示装置では、透明電極層
447及び反射電極層446と液晶層444との間に配向膜460aが設けられ、共通電
極層448と液晶層444との間には配向膜460bが設けられている。配向膜460a
、460bは、液晶の配向を制御する機能を有する絶縁層であり、液晶材料によっては設
けなくてもよい。
【0090】
トランジスタ450は、ボトムゲート構造の逆スタガ型トランジスタの例であり、ゲート
電極層401、ゲート絶縁層402、酸化物半導体層403、ソース電極層405a、及
びドレイン電極層405bを含む。また、ゲート電極層401と同工程で形成された容量
配線層408、ゲート絶縁層402、及びソース電極層405a、又はドレイン電極層4
05bと同工程で形成された導電層449が積層し、容量を形成している。なお、容量配
線層408を覆うように、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの反射導電膜で形成さ
れる反射電極層446を形成することが好ましい。
【0091】
本実施の形態における半透過型液晶表示装置は、トランジスタ450のオンオフ制御によ
って、透過領域499における動画のカラー表示と、反射領域498における静止画のモ
ノクロ(白黒)表示を行う。
【0092】
透過領域499においては、第1の基板441側に設けられたバックライトからの入射光
によって画像表示を行う。液晶表示装置にカラーフィルタとして機能する着色層を設ける
と、透過領域において、バックライトからの光を着色層に透過させることでカラー表示を
行うことができる。例えばフルカラー表示とする場合、カラーフィルタは、赤色(R)、
緑色(G)、青色(B)を呈する材料で形成すればよく、またイエロー、シアン、マゼン
タ等を呈する材料を用いて形成してもよい。
【0093】
図5においては、保護絶縁層409と層間膜413との間にカラーフィルタとして機能す
る着色層416を設けた例である。着色層416は、カラーフィルタとして機能させるた
め、その着色された有彩色の光のみを透過する材料で形成された透光性樹脂層を用いれば
よい。着色層416は、含ませる着色材料の濃度と光の透過率の関係に考慮して、最適な
膜厚を適宜制御するとよい。有彩色の色によって有彩色の透光性樹脂層の膜厚が異なる場
合や、トランジスタに起因する凹凸を有する場合は、可視光領域の波長の光を透過する(
いわゆる無色透明)絶縁層を積層し、層間膜表面を平坦化してもよい。
【0094】
着色層416を直接第1の基板441側に形成する場合、より精密な形成領域の制御がで
き、微細なパターンの画素にも対応することができる。また、着色層416は層間膜とし
て用いてもよい。
【0095】
着色層416は、感光性、非感光性の有機樹脂を用いて、塗布法によって形成すればよい

【0096】
一方、反射領域498においては、第2の基板442側から入射した外光を反射電極層4
46によって反射することで画像表示を行う。
【0097】
液晶表示装置において、反射電極層446に凹凸を形成する例を図6及び図7に示す。図
6は、反射領域498において、層間膜413表面を凹凸形状とすることで反射電極層4
46に凹凸形状を形成する例である。層間膜413表面の凹凸形状は、選択的にエッチン
グ加工を行うことで形成すればよい。例えば感光性の有機樹脂にフォトリソグラフィ工程
を行って凹凸形状を有する層間膜413を形成することができる。また、図7は、反射領
域498において、層間膜413上に凸形状の構造体を設けて、反射電極層446に凹凸
形状を形成する例である。なお、図7は、絶縁層480及び絶縁層482の積層によって
凸形状の構造体を形成している。例えば絶縁層480として酸化シリコン、窒化シリコン
等の無機絶縁層、絶縁層482としてポリイミド樹脂、アクリル樹脂などの有機樹脂を用
いることができる。まず、スパッタリング法により酸化シリコン膜を層間膜413上に形
成し、酸化シリコン膜上に塗布法によりポリイミド樹脂膜を形成する。酸化シリコン膜を
エッチングストッパーとして用いて、ポリイミド樹脂膜をエッチング加工する。加工され
たポリイミド樹脂層をマスクとして酸化シリコン膜をエッチング加工することで、図7に
示すような絶縁層480及び絶縁層482の積層からなる凸状の構造体を形成することが
できる。
【0098】
図6及び図7に示すように、反射電極層446表面に凹凸を有すると、入射した外光を乱
反射させ、より良好な画像表示を行うことができる。よって、画像表示における視認性が
向上する。
【0099】
なお、図5、図6、及び図7では、反射領域498において白黒表示を行う例を示したが
、反射領域498においてもカラー表示を行うこともできる。図8に、透過領域499及
び反射領域498双方において、フルカラー表示を行う例を示す。
【0100】
図8では、カラーフィルタ470を第2の基板442と共通電極層448との間に設ける
例である。反射電極層446と視認側の第2の基板442との間にカラーフィルタ470
を設けることで、反射電極層446で反射した光はカラーフィルタ470を透過するため
、カラー表示を行うことができる。
【0101】
カラーフィルタは、第2の基板442より外側(液晶層444と反対側)に設けてもよい

【0102】
なお、図6及び図7においても、着色層416の代わりに図8のようにカラーフィルタ4
70を設けることで、反射領域498においてもフルカラー表示を行うことができる。
【0103】
本実施の形態は、実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせができる。
【0104】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本明細書に開示する液晶表示装置に適用できるトランジスタの例を示
す。本明細書に開示する液晶表示装置に適用できるトランジスタの構造は特に限定されず
、例えばトップゲート構造、又はボトムゲート構造のスタガ型及びプレーナ型などを用い
ることができる。また、トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲー
ト構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構
造であっても良い。また、チャネル領域の上下にゲート絶縁層を介して配置された2つの
ゲート電極層を有する、デュアルゲート型でもよい。なお、図9(A)乃至(D)にトラ
ンジスタの断面構造の一例を以下に示す。図9(A)乃至(D)に示すトランジスタは、
半導体として酸化物半導体を用いるものである。酸化物半導体を用いることのメリットは
、比較的簡単かつ低温のプロセスで高い移動度と低いオフ電流が得られることであるが、
もちろん、他の半導体を用いてもよい。
【0105】
図9(A)に示すトランジスタ410は、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタの一つで
あり、逆スタガ型薄膜トランジスタともいう。
【0106】
トランジスタ410は、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート
絶縁層402、酸化物半導体層403、ソース電極層405a、及びドレイン電極層40
5bを含む。また、トランジスタ410を覆い、酸化物半導体層403に積層する絶縁層
407が設けられている。絶縁層407上にはさらに保護絶縁層409が形成されている

【0107】
図9(B)に示すトランジスタ420は、チャネル保護型(チャネルストップ型ともいう
)と呼ばれるボトムゲート構造の一つであり逆スタガ型薄膜トランジスタともいう。
【0108】
トランジスタ420は、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート
絶縁層402、酸化物半導体層403、酸化物半導体層403のチャネル形成領域を覆う
チャネル保護層として機能する絶縁層427、ソース電極層405a、及びドレイン電極
層405bを含む。また、トランジスタ420を覆い、保護絶縁層409が形成されてい
る。
【0109】
図9(C)示すトランジスタ430はボトムゲート型の薄膜トランジスタであり、絶縁表
面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、ソース電極層4
05a、ドレイン電極層405b、及び酸化物半導体層403を含む。また、トランジス
タ430を覆い、酸化物半導体層403に接する絶縁層407が設けられている。絶縁層
407上にはさらに保護絶縁層409が形成されている。
【0110】
トランジスタ430においては、ゲート絶縁層402は基板400及びゲート電極層40
1上に接して設けられ、ゲート絶縁層402上にソース電極層405a、ドレイン電極層
405bが接して設けられている。そして、ゲート絶縁層402、及びソース電極層40
5a、ドレイン電極層405b上に酸化物半導体層403が設けられている。
【0111】
図9(D)に示すトランジスタ440は、トップゲート構造の薄膜トランジスタの一つで
ある。トランジスタ440は、絶縁表面を有する基板400上に、絶縁層437、酸化物
半導体層403、ソース電極層405a、及びドレイン電極層405b、ゲート絶縁層4
02、ゲート電極層401を含み、ソース電極層405a、ドレイン電極層405bにそ
れぞれ配線層436a、配線層436bが接して設けられ電気的に接続している。
【0112】
本実施の形態では、上述のとおり、半導体層として酸化物半導体層403を用いる。酸化
物半導体層403に用いる酸化物半導体としては、四元系金属の酸化物であるIn−Sn
−Ga−Zn−O系酸化物半導体や、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn−O系
酸化物半導体、In−Sn−Zn−O系酸化物半導体、In−Al−Zn−O系酸化物半
導体、Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Al−Ga−Zn−O系酸化物半導体、S
n−Al−Zn−O系酸化物半導体や、二元系金属の酸化物であるIn−Zn−O系酸化
物半導体、Sn−Zn−O系酸化物半導体、Al−Zn−O系酸化物半導体、Zn−Mg
−O系酸化物半導体、Sn−Mg−O系酸化物半導体、In−Mg−O系酸化物半導体や
、In−O系酸化物半導体、Sn−O系酸化物半導体、Zn−O系酸化物半導体などを用
いることができる。また、上記酸化物半導体にSiOを含んでもよい。ここで、例えば
、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体とは、少なくともInとGaとZnを含む酸化物
であり、その組成比に特に制限はない。また、InとGaとZn以外の元素を含んでもよ
い。
【0113】
また、酸化物半導体層403は、化学式InMO(ZnO)(m>0)で表記される
薄膜を用いることができる。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一
または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、ま
たはGa及びCoなどがある。
【0114】
酸化物半導体層403を用いたトランジスタ410、420、430、440は、オフ状
態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像イメージデータ
等の電気信号の保持時間を長くすることができ、書き込み間隔も長く設定できる。よって
、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏
する。
【0115】
また、酸化物半導体層403を用いたトランジスタ410、420、430、440は、
比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。よって、液晶表示装
置の画素部に該トランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。ま
た、該トランジスタは、同一基板上に駆動回路部または画素部に作り分けて作製すること
ができるため、液晶表示装置の部品点数を削減することができる。
【0116】
絶縁表面を有する基板400に使用することができる基板に大きな制限はないが、バリウ
ムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板を用いる。
【0117】
ボトムゲート構造のトランジスタ410、420、430において、下地膜となる絶縁膜
を基板とゲート電極層の間に設けてもよい。下地膜は、基板からの不純物元素の拡散を防
止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化窒
化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜による積層構造により形成することができる。
【0118】
ゲート電極層401の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、
アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合
金材料を用いて、単層でまたは積層して形成することができる。
【0119】
ゲート絶縁層402は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコ
ン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層
、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化ハ
フニウム層を単層で又は積層して形成することができる。例えば、第1のゲート絶縁層と
してプラズマCVD法により膜厚50nm以上200nm以下の窒化シリコン層(SiN
(y>0))を形成し、第1のゲート絶縁層上に第2のゲート絶縁層として膜厚5nm
以上300nm以下の酸化シリコン層(SiO(x>0))を積層して、合計膜厚20
0nmのゲート絶縁層とする。
【0120】
ソース電極層405a、ドレイン電極層405bに用いる導電膜としては、例えば、Al
、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素、または上述した元素を成分とす
る合金膜か、上述した元素を組み合わせた合金膜等を用いることができる。また、Al、
Cuなどの金属層の下側又は上側の一方または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属層
を積層させた構成としても良い。また、Al膜に生ずるヒロックやウィスカーの発生を防
止する元素(Si、Nd、Scなど)が添加されているAl材料を用いることで耐熱性を
向上させることが可能となる。
【0121】
ソース電極層405a、ドレイン電極層405bに接続する配線層436a、配線層43
6bのような導電膜も、ソース電極層405a、ドレイン電極層405bと同様な材料を
用いることができる。
【0122】
また、ソース電極層405a、ドレイン電極層405b(これと同じ層で形成される配線
層を含む)となる導電膜としては導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸
化物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO
)、酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する)、酸化イ
ンジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリ
コンを含ませたものを用いることができる。
【0123】
絶縁層407、427、437は、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸
化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができ
る。
【0124】
保護絶縁層409は、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコン膜、窒化
酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0125】
また、保護絶縁層409上にトランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化絶縁膜
を形成してもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン
、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low
−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層
させることで、平坦化絶縁膜を形成してもよい。
【0126】
このように、本実施の形態において、酸化物半導体層を含むトランジスタを用いることに
より、高機能な液晶表示装置を提供することができる。
【0127】
(実施の形態5)
本実施の形態は、酸化物半導体層を含むトランジスタ、及び作製方法の一例を図10を用
いて詳細に説明する。上記実施の形態と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程
は、上記実施の形態と同様に行うことができ、繰り返しの説明は省略する。また同じ箇所
の詳細な説明は省略する。
【0128】
図10(A)乃至(E)にトランジスタの断面構造の一例を示す。図10(A)乃至(E
)に示すトランジスタ510は、図9(A)に示すトランジスタ410と同様なボトムゲ
ート構造の逆スタガ型薄膜トランジスタである。
【0129】
本実施の形態の半導体層に用いる酸化物半導体は、n型不純物である水素を酸化物半導体
から除去し、酸化物半導体の主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化するこ
とによりI型(真性)の酸化物半導体、又はI型(真性)に限りなく近い酸化物半導体と
したものである。すなわち、不純物を添加してI型化するのでなく、水素や水等の不純物
を極力除去したことにより、高純度化されたI型(真性半導体)又はそれに近づけること
を特徴としている。従って、トランジスタ510が有する酸化物半導体層は、高純度化及
び電気的にI型(真性)化された酸化物半導体層である。
【0130】
また、高純度化された酸化物半導体中にはキャリアが極めて少なく(ゼロに近い)、キャ
リア濃度は1×1014/cm未満、好ましくは1×1012/cm未満、さらに好
ましくは1×1011/cm未満である。
【0131】
酸化物半導体中にキャリアが極めて少ないため、トランジスタでは、オフ電流を少なくす
ることができる。オフ電流は少なければ少ないほど好ましい。
【0132】
具体的には、上述の酸化物半導体層を具備するトランジスタは、チャネル幅1μmあたり
のオフ電流密度を室温下において10aA/μm(1×10−17A/μm)以下にする
こと、さらには、1aA/μm(1×10−18A/μm)以下、さらには10zA/μ
m(1×10−20A/μm)以下にすることが可能である。
【0133】
オフ状態における電流値(オフ電流値)が極めて小さいトランジスタを実施の形態1の画
素部におけるトランジスタとして用いることにより、静止画領域におけるリフレッシュ動
作を少ない画像データの書き込み回数で行うことができる。
【0134】
また、上述の酸化物半導体層を具備するトランジスタ510はオン電流の温度依存性がほ
とんど見られず、オフ電流も非常に小さいままである。
【0135】
以下、図10(A)乃至(E)を用い、基板505上にトランジスタ510を作製する工
程を説明する。
【0136】
まず、絶縁表面を有する基板505上に導電膜を形成した後、第1のフォトリソグラフィ
工程によりゲート電極層511を形成する。なお、レジストマスクをインクジェット法で
形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用し
ないため、製造コストを低減できる。
【0137】
絶縁表面を有する基板505は、実施の形態4に示した基板400と同様な基板を用いる
ことができる。本実施の形態では基板505としてガラス基板を用いる。
【0138】
下地膜となる絶縁膜を基板505とゲート電極層511との間に設けてもよい。下地膜は
、基板505からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリ
コン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化窒化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜によ
る積層構造により形成することができる。
【0139】
また、ゲート電極層511の材料は、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、ア
ルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材
料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。
【0140】
次いで、ゲート電極層511上にゲート絶縁層507を形成する。ゲート絶縁層507は
、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層
、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層
、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化ハフニウム層を単層で又
は積層して形成することができる。
【0141】
本実施の形態の酸化物半導体は、不純物を除去され、I型化又は実質的にI型化された酸
化物半導体を用いる。このような高純度化された酸化物半導体は界面準位、界面電荷に対
して極めて敏感であるため、酸化物半導体層とゲート絶縁層との界面は重要である。その
ため高純度化された酸化物半導体に接するゲート絶縁層は、高品質化が要求される。
【0142】
例えば、μ波(例えば、周波数2.45GHz)を用いた高密度プラズマCVDは、緻密
で絶縁耐圧の高い高品質な絶縁層を形成できるので好ましい。高純度化された酸化物半導
体と高品質ゲート絶縁層とが密接することにより、界面準位を低減して界面特性を良好な
ものとすることができるからである。
【0143】
もちろん、ゲート絶縁層として良質な絶縁層を形成できるものであれば、スパッタリング
法やプラズマCVD法など他の成膜方法を適用することができる。また、成膜後の熱処理
によってゲート絶縁層の膜質、酸化物半導体との界面特性が改質される絶縁層であっても
良い。いずれにしても、ゲート絶縁層としての膜質が良好であることは勿論のこと、酸化
物半導体との界面準位密度を低減し、良好な界面を形成できるものであれば良い。
【0144】
また、ゲート絶縁層507、酸化物半導体膜530に水素、水酸基及び水分がなるべく含
まれないようにするために、酸化物半導体膜530の成膜の前処理として、スパッタリン
グ装置の予備加熱室でゲート電極層511が形成された基板505、又はゲート絶縁層5
07までが形成された基板505を予備加熱し、基板505に吸着した水素、水分などの
不純物を脱離し排気することが好ましい。なお、予備加熱室に設ける排気手段はクライオ
ポンプが好ましい。なお、この予備加熱の処理は省略することもできる。またこの予備加
熱は、絶縁層516の成膜前に、ソース電極層515a及びドレイン電極層515bまで
形成した基板505にも同様に行ってもよい。
【0145】
次いで、ゲート絶縁層507上に、膜厚2nm以上200nm以下、好ましくは5nm以
上30nm以下の酸化物半導体膜530を形成する(図10(A)参照。)。
【0146】
なお、酸化物半導体膜530をスパッタリング法により成膜する前に、アルゴンガスを導
入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、ゲート絶縁層507の表面に付着してい
る粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することが好ましい。逆スパッタとは
、ターゲット側に電圧を印加せずに、アルゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧
を印加して基板近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰
囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。
【0147】
酸化物半導体膜530に用いる酸化物半導体は、実施の形態4に示した四元系金属酸化物
や、三元系金属酸化物や、二元系金属酸化物や、In−O系、Sn−O系、Zn−O系な
どの酸化物半導体を用いることができる。また、上記酸化物半導体にSiOを含んでも
よい。本実施の形態では、酸化物半導体膜530としてIn−Ga−Zn−O系酸化物タ
ーゲットを用いてスパッタリング法により成膜する。この段階での断面図が図10(A)
に相当する。また、酸化物半導体膜530は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、
酸素雰囲気下、又は希ガスと酸素の混合雰囲気下においてスパッタ法により形成すること
ができる。
【0148】
酸化物半導体膜530をスパッタリング法で作製するためのターゲットとしては、例えば
、組成比として、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol数比]を用いる
ことができる。また、他にも、In:Ga:ZnO=1:1:2[mol数
比]、又はIn:Ga:ZnO=1:1:4[mol数比]の組成比を有す
るターゲットを用いてもよい。酸化物ターゲットの充填率は90%以上100%以下、好
ましくは95%以上99.9%である。充填率の高い金属酸化物ターゲットを用いること
により、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜となる。
【0149】
酸化物半導体膜530を、成膜する際に用いるスパッタガスは水素、水、水酸基又は水素
化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0150】
減圧状態に保持された成膜室内に基板を保持し、基板温度を100℃以上600℃以下好
ましくは200℃以上400℃以下とする。基板を加熱しながら成膜することにより、成
膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物濃度を低減することができる。また、スパッタリ
ングによる損傷が軽減される。そして、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が
除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて基板505上に酸化物半導体
膜530を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例
えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好
ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであっ
てもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(HO)
など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるた
め、当該成膜室で成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0151】
成膜条件の一例としては、基板とターゲットの間との距離を100mm、圧力0.6Pa
、直流(DC)電源0.5kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下の条件が適用さ
れる。なお、パルス直流電源を用いると、成膜時に発生する粉状物質(パーティクル、ご
みともいう)が軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。
【0152】
次いで、酸化物半導体膜530を第2のフォトリソグラフィ工程により島状の酸化物半導
体層に加工する。また、島状の酸化物半導体層を形成するためのレジストマスクをインク
ジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマ
スクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0153】
また、ゲート絶縁層507にコンタクトホールを形成する場合、その工程は酸化物半導体
膜530の加工時に同時に行うことができる。
【0154】
なお、ここでの酸化物半導体膜530のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエ
ッチングでもよく、両方を用いてもよい。例えば、酸化物半導体膜530のウェットエッ
チングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液などを用いること
ができる。また、ITO07N(関東化学社製)を用いてもよい。
【0155】
次いで、酸化物半導体層に第1の加熱処理を行う。この第1の加熱処理によって酸化物半
導体層の脱水化または脱水素化を行うことができる。第1の加熱処理の温度は、400℃
以上750℃以下、または400℃以上基板の歪み点未満とする。ここでは、加熱処理装
置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体層に対して窒素雰囲気下450℃に
おいて1時間の加熱処理を行った後、大気に触れることなく、酸化物半導体層への水や水
素の混入を防ぎ、酸化物半導体層531を得る(図10(B)参照。)。
【0156】
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱
輻射によって、被処理物を加熱する装置を備えていてもよい。例えば、GRTA(Gas
Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid
Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal An
neal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライ
ドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧
水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置
である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスに
は、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しな
い不活性気体が用いられる。
【0157】
例えば、第1の加熱処理として、650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス中に基
板を移動させて入れ、数分間加熱した後、基板を移動させて高温に加熱した不活性ガス中
から出すGRTAを行ってもよい。
【0158】
なお、第1の加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス
に、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する窒素、
またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上
、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ま
しくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0159】
また、第1の加熱処理で酸化物半導体層を加熱した後、同じ炉に高純度の酸素ガス、高純
度のNOガス、又は超乾燥エア(露点が−40℃以下、好ましくは−60℃以下)を導
入してもよい。酸素ガスまたはNOガスには、水、水素などが含まれないことが好まし
い。または、加熱処理装置に導入する酸素ガスまたはNOガスの純度を、6N以上、好
ましくは7N以上、(即ち、酸素ガスまたはNOガス中の不純物濃度を1ppm以下、
好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。酸素ガス又はNOガスの作用に
より、脱水化または脱水素化処理による不純物の排除工程によって同時に減少してしまっ
た酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素を供給することによって、酸化物半導体
層を高純度化及び電気的にI型(真性)化する。
【0160】
また、酸化物半導体層の第1の加熱処理は、島状の酸化物半導体層に加工する前の酸化物
半導体膜530に行うこともできる。その場合には、第1の加熱処理後に、加熱装置から
基板を取り出し、フォトリソグラフィ工程を行う。
【0161】
なお、第1の加熱処理は、上記以外にも、酸化物半導体層成膜後であれば、酸化物半導体
層上にソース電極層及びドレイン電極層を積層させた後、あるいは、ソース電極層及びド
レイン電極層上に絶縁層を形成した後、のいずれで行っても良い。
【0162】
また、ゲート絶縁層507にコンタクトホールを形成する場合、その工程は酸化物半導体
膜530に第1の加熱処理を行う前でも行った後に行ってもよい。
【0163】
また、酸化物半導体層を2回に分けて成膜し、2回に分けて加熱処理を行うことで、下地
部材の材料が、酸化物、窒化物、金属など材料を問わず、膜厚の厚い結晶領域(単結晶領
域)、即ち、膜表面に垂直にc軸配向した結晶領域を有する酸化物半導体層を形成しても
よい。例えば、3nm以上15nm以下の第1の酸化物半導体膜を成膜し、窒素、酸素、
希ガス、または乾燥空気の雰囲気下で450℃以上850℃以下、好ましくは550℃以
上750℃以下の第1の加熱処理を行い、表面を含む領域に結晶領域(板状結晶を含む)
を有する第1の酸化物半導体膜を形成する。そして、第1の酸化物半導体膜よりも厚い第
2の酸化物半導体膜を形成し、450℃以上850℃以下、好ましくは600℃以上70
0℃以下の第2の加熱処理を行い、第1の酸化物半導体膜を結晶成長の種として、上方に
結晶成長させ、第2の酸化物半導体膜の全体を結晶化させ、結果として膜厚の厚い結晶領
域を有する酸化物半導体層を形成してもよい。
【0164】
次いで、ゲート絶縁層507、及び酸化物半導体層531上に、ソース電極層及びドレイ
ン電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を形成する。ソース電極
層、及びドレイン電極層に用いる導電膜としては、実施の形態4に示したソース電極層4
05a、ドレイン電極層405bに用いる材料を用いることができる。
【0165】
第3のフォトリソグラフィ工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、選択的にエッ
チングを行ってソース電極層515a、ドレイン電極層515bを形成した後、レジスト
マスクを除去する(図10(C)参照。)。
【0166】
第3のフォトリソグラフィ工程でのレジストマスク形成時の露光には、紫外線やKrFレ
ーザ光やArFレーザ光を用いるとよい。酸化物半導体層531上で隣り合うソース電極
層の下端部とドレイン電極層の下端部との間隔幅によって後に形成されるトランジスタの
チャネル長Lが決定される。なお、チャネル長L=25nm未満の露光を行う場合には、
数nm〜数10nmと極めて波長が短い超紫外線(Extreme Ultraviol
et)を用いて第3のフォトリソグラフィ工程でのレジストマスク形成時の露光を行うと
よい。超紫外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。従って、後に形成される
トランジスタのチャネル長Lを10nm以上1000nm以下とすることも可能であり、
回路の動作速度を高速化でき、さらにオフ電流値が極めて小さいため、低消費電力化も図
ることができる。
【0167】
また、フォトリソグラフィ工程で用いるフォトマスク数及び工程数を削減するため、透過
した光が複数の強度となる露光マスクである多階調マスクによって形成されたレジストマ
スクを用いてエッチング工程を行ってもよい。多階調マスクを用いて形成したレジストマ
スクは複数の膜厚を有する形状となり、エッチングを行うことでさらに形状を変形するこ
とができるため、異なるパターンに加工する複数のエッチング工程に用いることができる
。よって、一枚の多階調マスクによって、少なくとも二種類以上の異なるパターンに対応
するレジストマスクを形成することができる。よって露光マスク数を削減することができ
、対応するフォトリソグラフィ工程も削減できるため、工程の簡略化が可能となる。
【0168】
なお、導電膜のエッチングの際に、酸化物半導体層531がエッチングされ、分断するこ
とのないようエッチング条件を最適化することが望まれる。しかしながら、導電膜のみを
エッチングし、酸化物半導体層531を全くエッチングしないという条件を得ることは難
しく、導電膜のエッチングの際に酸化物半導体層531は一部のみがエッチングされ、溝
部(凹部)を有する酸化物半導体層となることもある。
【0169】
本実施の形態では、導電膜としてTi膜を用い、酸化物半導体層531にはIn−Ga−
Zn−O系酸化物半導体を用いたので、導電膜のみをエッチングするエッチャントとして
アンモニア過水(31重量%過酸化水素水:28重量%アンモニア水:水=5:2:2)
を用いる。
【0170】
次いで、NO、N、またはArなどのガスを用いたプラズマ処理を行い、露出してい
る酸化物半導体層の表面に付着した吸着水などを除去してもよい。プラズマ処理を行う場
合、大気に触れることなく、酸化物半導体層の一部に接する保護絶縁膜となる絶縁層51
6を形成することが好ましい。
【0171】
絶縁層516は、少なくとも1nm以上の膜厚とし、スパッタ法など、絶縁層516に水
、水素等の不純物を混入させない方法を適宜用いて形成することができる。絶縁層516
に水素が含まれると、その水素の酸化物半導体層への侵入、又は水素が酸化物半導体層中
の酸素を引き抜き、が生じ酸化物半導体層のバックチャネルが低抵抗化(N型化)してし
まい、寄生チャネルが形成されるおそれがある。よって、絶縁層516はできるだけ水素
を含まない膜になるように、成膜方法に水素を用いないことが重要である。
【0172】
本実施の形態では、絶縁層516として膜厚200nmの酸化シリコン膜をスパッタリン
グ法を用いて成膜する。成膜時の基板温度は、室温以上300℃以下とすればよく、本実
施の形態では100℃とする。酸化シリコン膜のスパッタ法による成膜は、希ガス(代表
的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガスと酸素の混合雰囲気下において
行うことができる。また、ターゲットとして酸化シリコンターゲットまたはシリコンター
ゲットを用いることができる。例えば、シリコンターゲットを用いて、酸素を含む雰囲気
下でスパッタ法により酸化シリコンを形成することができる。酸化物半導体層に接して形
成する絶縁層516は、水分や、水素イオンや、OHなどの不純物を含まず、これらが
外部から侵入することをブロックする無機絶縁膜を用い、代表的には酸化シリコン膜、酸
化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などを用いる。
【0173】
酸化物半導体膜530の成膜時と同様に、絶縁層516の成膜室内の残留水分を除去する
ためには、吸着型の真空ポンプ(クライオポンプなど)を用いることが好ましい。クライ
オポンプを用いて排気した成膜室で成膜した絶縁層516に含まれる不純物の濃度を低減
できる。また、絶縁層516の成膜室内の残留水分を除去するための排気手段としては、
ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。
【0174】
絶縁層516を、成膜する際に用いるスパッタガスは水素、水、水酸基又は水素化物など
の不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0175】
次いで、不活性ガス雰囲気下、または酸素ガス雰囲気下で第2の加熱処理(好ましくは2
00℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下)を行う。例えば、窒素雰囲
気下で250℃、1時間の第2の加熱処理を行う。第2の加熱処理を行うと、酸化物半導
体層の一部(チャネル形成領域)が絶縁層516と接した状態で加熱される。
【0176】
以上の工程を経ることによって、酸化物半導体膜に対して第1の加熱処理を行って水素、
水分、水酸基又は水素化物(水素化合物ともいう)などの不純物を酸化物半導体層より意
図的に排除し、かつ不純物の排除工程によって同時に減少してしまう酸化物半導体を構成
する主成分材料の一つである酸素を供給することができる。よって、酸化物半導体層は高
純度化及び電気的にI型(真性)化する。
【0177】
以上の工程でトランジスタ510が形成される(図10(D)参照。)。
【0178】
また、酸化物絶縁層に欠陥を多く含む酸化シリコン層を用いると、酸化シリコン層形成後
の加熱処理によって酸化物半導体層中に含まれる水素、水分、水酸基又は水素化物などの
不純物を酸化物絶縁層に拡散させ、酸化物半導体層中に含まれる該不純物をより低減させ
る効果を奏する。
【0179】
絶縁層516上にさらに保護絶縁層506を形成してもよい。例えば、RFスパッタ法を
用いて窒化シリコン膜を形成する。RFスパッタ法は、量産性がよいため、保護絶縁層の
成膜方法として好ましい。保護絶縁層は、水分などの不純物を含まず、これらが外部から
侵入することをブロックする無機絶縁膜を用い、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜な
どを用いる。本実施の形態では、保護絶縁層として保護絶縁層506を、窒化シリコン膜
を用いて形成する(図10(E)参照。)。
【0180】
本実施の形態では、保護絶縁層506として、絶縁層516まで形成された基板505を
100℃〜400℃の温度に加熱し、水素及び水分が除去された高純度窒素を含むスパッ
タガスを導入しシリコン半導体のターゲットを用いて窒化シリコン膜を成膜する。この場
合においても、絶縁層516と同様に、処理室内の残留水分を除去しつつ保護絶縁層50
6を成膜することが好ましい。
【0181】
保護絶縁層の形成後、さらに大気中、100℃以上200℃以下、1時間以上30時間以
下での加熱処理を行ってもよい。この加熱処理は一定の加熱温度を保持して加熱してもよ
いし、室温から、100℃以上200℃の加熱温度への昇温と、加熱温度から室温までの
降温を複数回くりかえして行ってもよい。
【0182】
このように、本実施の形態を用いて作製した、高純度化された酸化物半導体層を含むトラ
ンジスタを用いることにより、オフ状態における電流値(オフ電流値)をより低くするこ
とができる。よって、画像イメージデータ等の電気信号の保持時間を長くすることができ
、書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度をより少なくするこ
とができるため、消費電力を抑制する効果を高くできる。
【0183】
また、高純度化された酸化物半導体層を含むトランジスタは、高い電界効果移動度が得ら
れるため、高速駆動が可能である。よって、液晶表示装置の画素部に該トランジスタを用
いることで、高画質な画像を提供することができる。また、該トランジスタは、同一基板
上に駆動回路部または画素部に作り分けて作製することができるため、液晶表示装置の部
品点数を削減することができる。
【0184】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0185】
(実施の形態6)
本実施の形態では、半透過型液晶表示装置の1画素当たりの反射光量と透過光量を向上せ
しめる画素構成について、図11、図12、及び図13を用いて説明する。
【0186】
図11は、本実施の形態で示す画素の平面構成を説明するための図である。図12は、図
11における一点破線で示したX1−X2部、及びY1−Y2部の断面構成を示している
。本実施の形態で説明する画素は、基板800上に、画素電極として透明電極823と反
射電極825が積層されており、画素電極は、絶縁膜827、絶縁膜828、及び有機樹
脂膜822に設けられたコンタクトホール855を介して、トランジスタ851のドレイ
ン電極857に接続されている。ドレイン電極857は、絶縁膜827及び絶縁膜828
を介して容量配線853と重畳し、保持容量871を構成している。(図12(A)参照

【0187】
トランジスタ851のゲート電極858は、配線852に接続されており、ソース電極8
56は、配線854に接続されている。トランジスタ851は、他の実施の形態で説明し
たトランジスタを用いることができる。
【0188】
反射電極825により外光を反射することで、画素電極を反射型液晶表示装置の画素電極
として機能させることができる。反射電極825には複数の開口部826が設けられてい
る。開口部826には反射電極825が存在せず、構造体820及び透明電極823が突
出している。開口部826から、バックライトの光を透過させることで、画素電極を透過
型液晶表示装置の画素電極として機能させることができる。
【0189】
また、図13は、図12(B)とは異なる例を示す断面図であり、開口部826において
、構造体820及び透明電極823が突出していない構造を有する本発明の一実施形態で
ある。図12(B)では、バックライト射出光口841と開口部826はほぼ同一サイズ
であるのに対して、図13では、バックライト射出光口841のサイズと開口部826の
サイズが異なり、バックライト入射光口842からの距離も異なる。従って図13と比較
して図12のほうが透過領域の面積を大きくすることができ、好ましい断面形状と言える

【0190】
開口部826の下層には、有機樹脂膜822を介して、開口部826と重畳して構造体8
20が形成されている。図12(B)は、図11におけるY1−Y2部の断面図であり、
画素電極と構造体820の構成を示している。図12(C)は、部位880の拡大図であ
り、図12(D)は、部位881の拡大図である。
【0191】
反射光832は、反射電極825で反射された外光を示している。有機樹脂膜822は、
上面に凹凸状の湾曲面を有している。反射電極825にその凹凸形状の湾曲面を反映させ
ることで、反射領域の面積を増やし、また、表示映像以外の写り込みが軽減されるため、
表示映像の視認性を高めることができる。断面形状において湾曲面を有する反射電極82
5の最も屈曲している点から、相対向する2つの傾斜面がなす角度θRは、90°以上、
好ましくは100°以上120°以下とするとよい。(図12(D)参照)
【0192】
構造体820は、開口部826側にバックライト射出光口841を有し、バックライト(
図示せず)側にバックライト入射光口842を有している。また、構造体820の上部は
、反射電極825の表面よりも上方に位置し、反射電極の端部よりも突出した形状、即ち
、構造体820の上面と反射電極の上端部との距離Hが0.1μm以上3μm以下、好ま
しくは0.3μm以上2μm以下である。また、バックライト射出光口841の面積より
も、バックライト入射光口842の面積が大きく形成されている。構造体820の側面(
バックライト射出光口841とバックライト入射光口842以外の面)には、反射層82
1が形成されている。構造体820は、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、
酸化窒化珪素(SiNO)などの、透光性を有する材料を用いることができる。反射層8
21は、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの、光の反射率が高い材料を用いること
ができる。
【0193】
バックライトから発せられた透過光831は、バックライト入射光口842を通って構造
体820に入射する。入射した透過光831の一部はそのままバックライト射出光口84
1から射出されるが、一部は反射層821によりバックライト射出光口841に向かって
反射され、一部はさらに反射して、バックライト入射光口842へ戻ってしまう。
【0194】
この時、構造体820のバックライト射出光口841とバックライト入射光口842を通
る構造体820の断面形状を見ると、左右に相対向する側面は傾斜面となっている。それ
ぞれの側面のなす角度θTを、90°未満、好ましくは10°以上60°以下とすること
で、バックライト入射光口842から入射した透過光831を効率よくバックライト射出
光口841へ導くことができる。
【0195】
従来の半透過型液晶表示装置では、画素電極のうち、反射電極として機能する電極面積を
SR、透過電極として機能する電極面積(開口部826の面積)をSTとした場合、両電
極の合計面積が100%(SR+ST=100%)となる。本実施の形態で示した画素構
成を有する半透過型液晶表示装置は、透過電極として機能する電極面積STが、バックラ
イト入射光口842の面積に相当するため、開口部826の面積を大きくする、または、
バックライトの輝度を上げたりすることなく、透過光量を向上させることができる。つま
り、見かけ上の両電極の合計面積を100%以上(SR+STの合計が100%以上)と
することができる。
【0196】
本実施の形態を用いることで、消費電力を増やさずにより明るく表示品位の良い半透過型
液晶表示装置を得ることができる。
【0197】
(実施の形態7)
本実施の形態においては、上記実施の形態で説明した液晶表示装置を具備する電子機器の
例について説明する。
【0198】
図14(A)は電子書籍(E−bookともいう)であり、筐体9630、表示部963
1、操作キー9632、太陽電池9633、充放電制御回路9634を有することができ
る。太陽電池9633と、表示パネルとを開閉自在に装着しており、太陽電池からの電力
を表示パネル、バックライト部、または画像処理回路に供給する電子書籍である。図14
(A)に示した電子書籍は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する
機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報を
操作又は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能
、等を有することができる。なお、図14(A)では充放電制御回路9634の一例とし
てバッテリー9635、DCDCコンバータ(以下、コンバータ9636と略記)を有す
る構成について示している。
【0199】
図14(A)に示す構成とすることにより、表示部9631として半透過型の液晶表示装
置を用いる場合、比較的明るい状況下での使用も予想され、太陽電池9633による発電
、及びバッテリー9635での充電を効率よく行うことができ、好適である。なお太陽電
池9633は、筐体9630の表面及び裏面に効率的なバッテリー9635の充電を行う
構成とすることができるため好適である。なおバッテリー9635としては、リチウムイ
オン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
【0200】
また図14(A)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図14(B)
にブロック図を示し説明する。図14(B)には、太陽電池9633、バッテリー963
5、コンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部96
31について示しており、バッテリー9635、コンバータ9636、コンバータ963
7、スイッチSW1乃至SW3が充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
【0201】
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。
太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようコンバ
ータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9
633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で
表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631
での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー9635
の充電を行う構成とすればよい。
【0202】
次いで外光により太陽電池9633により発電がされない場合の動作の例について説明す
る。バッテリー9635に蓄電された電力は、スイッチSW3をオンにすることでコンバ
ータ9637により昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作にバッテ
リー9635からの電力が用いられることとなる。
【0203】
なお太陽電池9633については、充電手段の一例として示したが、他の手段によるバッ
テリー9635の充電を行う構成であってもよい。また他の充電手段を組み合わせて行う
構成としてもよい。
【0204】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【符号の説明】
【0205】
100:表示装置
101:画像信号供給源
102:A/D変換回路
106:走査線側駆動回路
107:信号線側駆動回路
111 記憶回路
112 比較回路
113 表示制御回路
115 選択回路
120:表示パネル
121 駆動回路部
122 画素部
123 画素
125a 偏光板
125b 偏光板
126 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
130 バックライト部
131 バックライト制御回路
132 バックライト
133 発光素子
134 拡散板
135 光
139 外光
201 画素部
202 走査線
203 信号線
206 走査線側駆動回路
207 信号線側駆動回路
210:画素
212:画素トランジスタ
213:液晶素子
214:容量素子
218:共通電極
219:容量線
301 動画表示期間
302 静止画表示期間
303 静止画書き込み期間
304 静止画保持期間
401 ゲート電極層
402 ゲート絶縁層
403 酸化物半導体層
405a ソース電極層
405b ドレイン電極層
407 絶縁層
408 容量配線層
409 保護絶縁層
410 トランジスタ
413 層間膜
416 着色層
420 トランジスタ
427 絶縁層
430 トランジスタ
436a 配線層
436b 配線層
437 絶縁層
440 トランジスタ
441 第1の基板
442 第2の基板
444 液晶層
446 反射電極層
447 透明電極層
448 共通電極層
449 導電層
450 トランジスタ
460a 配向膜
460b 配向膜
470 カラーフィルタ
480 絶縁層
482 絶縁層
498 反射領域
499 透過領域
505 基板
506 保護絶縁層
507 ゲート絶縁層
510 トランジスタ
511 ゲート電極層
515a ソース電極層
515b ドレイン電極層
516 絶縁層
530 酸化物半導体膜
531 酸化物半導体層
800 基板
820 構造体
821 反射層
822 有機樹脂膜
823 透明電極
825 反射電極
826 開口部
827 絶縁膜
828 絶縁膜
831 透過光
832 反射光
841 バックライト射出光口
842 バックライト入射光口
851 トランジスタ
852 配線
853 容量配線
854 配線
855 コンタクトホール
856 ソース電極
857 ドレイン電極
858 ゲート電極
871 保持容量
880 部位
881 部位
9630 筐体
9631 表示部
9632 操作キー
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 コンバータ
9637 コンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、バックライト部と、画像処理回路と、を有し、
前記表示パネルは、第1の駆動回路と、画素部と、を有し、
前記画素部は、画素電極と、前記画素電極と電気的に接続されたトランジスタと、を有し、
前記画素電極は、透過領域と、反射領域と、を有し、
前記トランジスタは、酸化物半導体を有し、
前記バックライト部は、第2の駆動回路を有し、
前記画像処理回路は、記憶回路と、比較回路と、を有し、
前記記憶回路は、画像信号を記憶する機能を有し、
前記比較回路は、前記記憶回路に記憶された連続するフレーム期間の画像信号を比較して差分を演算する機能を有し、
前記比較回路おける演算により差分が検出された場合は、前記画像処理回路から前記第1の駆動回路に第1の信号が出力されて前記表示パネルが駆動し、且つ、前記画像処理回路から前記第2の駆動回路に第2の信号が出力されて前記バックライト部が駆動し、
前記比較回路における演算により差分が検出されない場合は、前記画像処理回路から前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路への制御信号の出力が停止することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
表示パネルと、バックライト部と、画像処理回路と、を有し、
前記表示パネルは、第1の駆動回路と、画素部と、を有し、
前記画素部は、画素電極と、前記画素電極と電気的に接続されたトランジスタと、を有し、
前記画素電極は、透過領域と、反射領域と、を有し、
前記バックライト部は、第2の駆動回路を有し、
前記画像処理回路は、記憶回路と、比較回路と、を有し、
前記記憶回路は、画像信号を記憶する機能を有し、
前記比較回路は、前記記憶回路に記憶された連続するフレーム期間の画像信号を比較して差分を演算する機能を有し、
前記比較回路おける演算により差分が検出された場合は、前記画像処理回路から前記第1の駆動回路に第1の信号が出力されて前記表示パネルが駆動し、且つ、前記画像処理回路から前記第2の駆動回路に第2の信号が出力されて前記バックライト部が駆動し、
前記比較回路における演算により差分が検出されない場合は、前記画像処理回路から前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路への制御信号の出力が停止することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記酸化物半導体は、インジウム、ガリウム、及び亜鉛を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、
前記画素電極は、透光性を有する第1の電極と、反射性を有する第2の電極と、を有し、
前記第1の電極は、前記第2の電極と重なる領域を有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−8051(P2013−8051A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200705(P2012−200705)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【分割の表示】特願2010−287758(P2010−287758)の分割
【原出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】