半導体集積回路およびそれを用いた電子機器
【課題】電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現する。
【解決手段】半導体チップ108は、電気信号用の第1のインタフェース部500と、光信号用の第2のインタフェース部600とを有している。第1のインタフェース部500はn個のインタフェース回路500-1〜500-nを持ち、第2のインタフェース部600はm個のインタフェース回路600-1〜600-mを持っている。電気信号による信号伝送を行う場合には第1のインタフェース部500が使用され、光信号による信号伝送を行う場合には第2のインタフェース部600が使用される。
【解決手段】半導体チップ108は、電気信号用の第1のインタフェース部500と、光信号用の第2のインタフェース部600とを有している。第1のインタフェース部500はn個のインタフェース回路500-1〜500-nを持ち、第2のインタフェース部600はm個のインタフェース回路600-1〜600-mを持っている。電気信号による信号伝送を行う場合には第1のインタフェース部500が使用され、光信号による信号伝送を行う場合には第2のインタフェース部600が使用される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光信号による信号伝送を行うLSI(Large Scale Integrated circuit)等に適用して好適な半導体集積回路およびそれを用いた電子機器に関する。詳しくは、この発明は、入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えることによって、電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現できるようにした半導体集積回路等に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LSI等の半導体チップ間の信号伝送は、基板配線を介した電気信号によりなされている。しかし、昨今のMPU(Micro Processing Unit)の高機能化に伴い、半導体チップ間にて必要とされるデータ授受量は著しく増大し、結果として様々な高周波問題が浮上している。
【0003】
それらの代表的なものとして、RC(Register and Capacitor)信号遅延、インピーダンスミスマッチング、EMC(ElectroMagnetic Compatibility)/EMI(ElectroMagnetic Interference)、クロストーク等がある。従来、これらの問題を解決するため、配線位置の最適化、新素材開発などが行われてきた。
【0004】
しかし近年、上述の配線位置の最適化、新素材開発等の効果は物理的限界に阻まれつつあり、今後システムの高機能化を実現するためには、単純な半導体チップの実装を前提としたボード構造そのものを見直す必要が生じてきている。例えば、以下に簡単に説明する、マルチチップモジュール(MCM)化による微細配線結合、各種半導体チップのポリイミド樹脂などを用いた配線の二次元的な封止、一体化による電気配線結合、基板貼り合わせによる半導体チップの三次元結合などが開発されている。
【0005】
・MCM化による微細配線結合
高機能チップを、セラミック・シリコンなどの精密実装基板上に実装し、マザーボード(多層プリント基板)上では形成不可能である微細配線結合を実現する。これによって、配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を拡げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0006】
・各種半導体チップの封止、一体化による電気配線結合
各種半導体チップをポリイミド樹脂などを用いて二次元的に封止し、一体化し、その一体化された基板上にて微細配線結合を行う。これによって、配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を拡げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0007】
・半導体チップの三次元結合
各種半導体チップに貫通電極を設け、それぞれを貼り合わせることで積層構造とする。これによって、異種半導体チップ間の結線が物理的に短絡化され、結果として信号遅延などの問題が回避される。ただし、積層化による発熱量増加、半導体チップ間の熱応力などの問題が生じる。
【0008】
また、信号授受の高速化および大容量化を実現するために、光配線による光伝送結合技術が開発されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。半導体チップ間の信号伝送を光信号で行うことで、電気配線におけるようなRC遅延の問題はなく、伝送速度を大幅に向上させることができる。また、半導体チップ間の信号伝送を光信号で行うことで、電磁波に関する対策を全く必要とせず、比較的自由な配線設計が可能となる。
【0009】
半導体チップ間に対応する光配線技術には種々の方式がある。例えば、以下に簡単に説明する、アクティブインターポーザ方式、自由空間伝送方式、光コネクタ接続方式、光導波路埋め込み方式、表面実装方式などがある。
【0010】
・アクティブインターポーザ方式(非特許文献1のp.125、図7参照)
これは、プリント配線基板(ボード)上に光導波路が実装されている。光素子は、トランシーバーモジュールの裏面に実装され、光導波路の45°全反射ミラーに対し、精密に位置決めされている。利点としては、既存のプリント配線基板の実装構造上に展開できることが挙げられる。また、懸案点としては、構造が大掛かりなため、コストが高いこと、光軸合わせが困難であること、また電気伝送経路の短縮が困難であり、高周波伝送に不向きであることが挙げられる。
【0011】
・自由空間伝送方式(非特許文献1のp.123、図5参照)
これは、プリント配線基板の裏面に光配線基板(石英)を実装し、伝送基板内において光をジグザグに反射させ、信号を伝播させる。光素子アレイ+自由空間伝送により、原理的には数千レベルの多チャンネル化が可能である。また、光軸合わせを容易にするため、数枚のレンズを組み合わせたハイブリッド光学系を構成している。利点としては、原理的には数千チャネルの多重伝送が可能であること、またハイブリッド光学系を構成しているため、光軸合わせが容易であることが挙げられる。また、懸案点としては、光配線基板が高価であること、反射による信号伝播のため、波形が乱れ易く、伝播損失が大きいこと、また新規開発技術が数多く盛り込まれているため、信頼性に関する実績がほとんど無いことが挙げられる。
【0012】
・光コネクタ接続方式(非特許文献1のp.122、図4参照)
これは、LSIチップの周囲に小型光コネクタを配置し、LSIチップを実装した後、自由に光路を設定できる光伝送モジュールシステムである。利点としては、コネクタにより精度が保証されており、コストのかかる光軸合わせ工程が不要であること、光ファイバーを用いているため、プリント配線基板間などの中距離伝送が可能であること、また既存のプリント配線基板の実装構造上に展開できることが挙げられる。また、懸案点としては、コネクタモジュールの小型化に限界があり、半導体チップとコネクタ間における電気配線の短縮化が困難であること、高周波伝送用としては不向きであること、伝送媒体として光ファイバーを採用しているため、多バス化に限界が有ること、また構成部品数が多く、バス当たりのコストダウンが困難であることが挙げられる。
【0013】
・光導波路埋め込み方式(非特許文献1のp124、図6参照)
これは、光導波路をプリント配線基板に埋め込み、既存のプリント配線基板の実装構造の形態を維持しながら光配線を設ける方法である。光路結合にマイクロレンズを採用し、光軸ズレ許容量を一般実装精度レベルまで緩和させている。利点としては、発光素子をLSIチップの裏面に直接実装しているため、LSIチップと発光素子間の電気配線経路を極限まで短くできること、またコリメート光結合により、一般実装精度での光軸合わせが可能であることが挙げられる。また、懸案点としては、光配線をプリント配線基板内に設けるため、プリント配線基板の製造やコストダウンが困難であること、光素子の放熱対策が不明であること、またプリント配線基板が脆弱であるため、レンズと光導波路間の光結合損失が変動する可能性が有ることが挙げられる。
【0014】
・表面実装方式(非特許文献2参照)
これは、光素子を、LSIチップの裏面に直接貼り付けて機能させ、また、光導波路をプリント配線基板上に直接実装する方式である。既存のプリント配線基板の構造をそのまま維持し、光配線の併設が可能である。利点としては、発光素子をLSIチップの裏面に直接実装しているため、LSIチップと発光素子間の電気配線経路を極限まで短くできること、構造がシンプルであり、コストダウンが可能であること、また既存のプリント配線基板の実装構造上に展開できることが挙げられる。また、懸案点としては、光素子をLSIチップに直接貼り付けるため、専用のLSIチップの開発が必要であること、また光素子が高温のLSIチップに直接貼り付けられているため、光素子の高温劣化が懸念されることが挙げられる。
【0015】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス、"光配線との遭遇"2001年12月3日の122頁〜125頁、図4〜図7
【非特許文献2】NTT R&D, vol.48, no.3, pp.271-280 (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように半導体チップ(半導体集積回路)間の信号伝送を光信号で行う場合、この半導体チップが電気信号用のインタフェース部を持つときは、この半導体チップに、電気信号と光信号との間の変換を行う光電変換回路を接続することで、光信号による信号伝送を行うことができる。すなわち、この場合には、半導体チップの他に光電変換回路を設ける必要がある。
【0017】
なお、このように光電変換回路を設けなくてもよいように、半導体チップとして光信号用のインタフェース部を持つものも考えられている。しかしこの場合、信号伝送を電気信号で行う場合に対応できなくなる。
【0018】
この発明の目的は、電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現し得る半導体集積回路等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明に係る半導体集積回路は、入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えるものである。
【0020】
また、この発明に係る電子機器は、複数の電子部品からなり、この複数の電子部品に含まれる第1の電子部品と第2の電子部品との間で光信号を用いて信号伝送が行われる電子機器であって、第1の電子部品および第2の電子部品の少なくともいずれかは、入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えるものである。
【0021】
この発明においては、半導体集積回路の入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えている。例えば、第2のインタフェース部は、一つ以上のインタフェース回路を有し、当該インタフェース回路は、データを送信するための送信インタフェースおよびデータを受信するための受信インタフェースを含むものとされる。複数のインタフェース回路を有することで、複数チャネルの信号伝送を並行して行うことができる。
【0022】
例えば、送信インタフェースは、送信データとしての8ビットパラレルデータを直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換する8−10変換回路と、この8−10変換回路より出力される10ビットパラレルデータをシリアルデータに変換するシリアライザと、このシリアライザより出力されるシリアルデータに基づいて光信号を出力する発光手段を駆動するドライバとを有し、受信インタフェースは、光信号を受光する受光手段で得られる電流信号を電圧信号に変換する電流/電圧変換器と、この電流/電圧変換器より出力される電圧信号としてのシリアルデータを10ビットパラレルデータに変換するデシリアライザと、このデシリアライザより出力される10ビットパラレルデータを受信データとしての8ビットパラレルデータに変換する10−8変換回路とを有するものとされる。これにより、光信号によるシリアルデータ伝送が可能となる。
【0023】
このように半導体集積回路の入出力インタフェースとして電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えているので、電気信号による信号伝送を行う場合には第1のインタフェース部を利用すればよく、また光信号による信号伝送を行う場合には第2のインタフェース部を利用すればよく、電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現できる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、半導体集積回路の入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えるものであり、電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての光電複合装置100の概略断面図を示している。
【0026】
この光電複合装置100は、プリント配線基板(マザーボード)101上に実装されるICソケット102a,102bと、これらICソケット102a,102bに設置されるレンズ一体型の光導波路アレイ103とを有している。ICソケット102a,102bは、それぞれ、十字型の溝状の凹部102dを持つ凹凸構造とされている。ICソケット102a,102bは、従来周知のように、例えば、絶縁性樹脂、例えばガラス入りPES(ポリエチレンスルフィド)樹脂、ガラス入りPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂などを用い、凹凸構造を有する金型を用いて形成される。
【0027】
光導波路アレイ103は、後述するように、複数チャネル分(複数レーン分)の光導波路を備えている。この光導波路アレイ103は、ICソケット102aとICソケット102bとの間に架け渡されている。この光導波路アレイ103の両端部は、それぞれ、ICソケット102a,102bの溝状の凹部102dに配置される。この光導波路アレイ103は、後述するようにコア層を上下のクラッド層で挟んだ構造とされているが、上側のクラッド層と一体的にレンズ104が形成されている。
【0028】
また、光電複合装置100は、ICソケット102a,102bの凸面上にそれぞれ固定されるインターポーザ105a,105bを有している。インターポーザ105aの裏面には光素子としての発光素子アレイ106および受光素子アレイ107が実装されており、その表面には半導体チップ(半導体集積回路)108a、例えばCPUが実装されている。この場合、発光素子アレイ106および受光素子アレイ107は、インターポーザ105aの内部を介して、半導体チップ108aに接続されている。なお、半導体チップ108aの上面にはヒートシンクとしてのアルミニウム製のフィン109が設置されている。
【0029】
同様に、インターポーザ105bの裏面には光素子としての発光素子アレイ106および受光素子アレイ107が実装されており、その表面には半導体チップ(半導体集積回路)108bが実装されている。この場合、発光素子アレイ106および受光素子アレイ107は、インターポーザ105bの内部を介して、半導体チップ108bに接続されている。
【0030】
発光素子アレイ106は、発光素子(発光手段)、例えば面発光レーザが複数個配列された構成となっている。また、受光素子アレイ107は、受光素子(受光手段)、例えばフォトダイオードが複数個配列された構成となっている。上述した光導波路アレイ103は、上述した発光素子アレイ106の各発光素子、および受光素子アレイ107の各受光素子に、それぞれ、各チャネルの光導波路が対向するように設置される。ここで、発光素子は、光導波路に入射する光信号を発光する。受光素子は光導波路から出射された光信号を受光する。
【0031】
次に、上述した光電複合装置100におけるインターポーザ105a,105b、および光導波路アレイ103の位置決め機構について説明する。
【0032】
インターポーザ105a,105bは、その裏面に下方に向かって植立された位置決め用ピン111を有している。この位置決め用ピン111は、例えばインターポーザ105a,105bの裏面に設けられた金属パッド(図1には図示せず)に半田付けされることで、当該インターポーザ105a,105bの裏面に取り付けられている。この位置決め用ピン111は、後述する光導波路アレイ103に形成されている位置決め用貫通穴113を通過できる第1の径の先端部111tと、その位置決め用貫通穴113を通過できない第2の径の基部111bとからなっている。基部111bがインターポーザ105a,105bに半田付けされている。
【0033】
また、ICソケット102a,102bの凹部102dの底面に、上述したインターポーザ105a,105bの位置決め用ピン111を挿入するための位置決め用穴112を有している。この位置決め用穴112の径は、位置決め用ピン111の先端部111tの径より若干小さく形成されている。例えば、位置決め用ピン111の先端部111tの直径が2.1mm(φ=2.1mm)であるとき、位置決め用穴112の直径は2.0mm(φ=2.0mm)とされる。これにより、位置決め用ピン111の先端部111tが位置決め用穴112に挿入される際には、位置決め用穴112の樹脂変形によって圧入状態となり、位置決め後のガタが抑制される。
【0034】
また、光導波路アレイ103は、両端部に、上述したインターポーザ105a,105bの位置決め用ピン111を通すための位置決め用貫通穴113を有している。この位置決め用貫通穴113の径は、上述した位置決め用穴112の径と同様に、位置決め用ピン111の先端部111tの径より若干小さく形成されている。例えば、位置決め用ピン111の先端部111tの直径が2.1mm(φ=2.1mm)であるとき、位置決め用貫通穴113の直径は2.0mm(φ=2.0mm)とされる。これにより、位置決め用ピン111の先端部111tが位置決め用貫通穴113を通る際には、位置決め用貫通穴113の樹脂変形によって圧入状態となり、位置決め後のガタが抑制される。
【0035】
インターポーザ105a,105b、および光導波路アレイ103の位置決めは、上述したインターポーザ105a,105bの位置決め用ピン111が、光導波路アレイ103の位置決め用貫通穴113を貫通してICソケット102a,102bの位置決め用穴112に挿入されることで行われる。
【0036】
この場合、位置決め用ピン111の基部111bおよび先端部111tの境界の段差部分で光導波路アレイ103はICソケット102a,102bの面に押圧された状態となる。これにより、光導波路アレイ103がICソケットの面から浮き上がることを防止でき、各光導波路の光入射面や光出射面が傾くことによる光量損失を回避できる。
【0037】
なお、詳細説明は省略するが、インターポーザ105a,105bは、それぞれ、例えばその四隅にICソケット102a,102b側への付勢力が与えられ、ICソケット102a,102bに押し付けられた状態で、当該ICチケット102a,102b上に固定される。
【0038】
図2は、上述した光電複合装置100の概略斜視図を示している。なお、この図2においては、プリント配線基板101およびアルミニウム製のフィン109の図示は省略している。
【0039】
次に、上述した光電複合装置100を構成する各部材について、さらに詳細に説明する。図3A,Bは、ICソケット102(ICソケット102a,102bのそれぞれに対応)の構成を示している。図3Aは、ICソケット102を表面側から見た概略斜視図であり、図3BはICソケット102を裏面側から見た概略斜視図である。
【0040】
ICソケット102の表面側は、図3Aに示すように、十字型の溝状の凹部102dを持つ凹凸構造とされている。凹部102dの深さは、光導波路アレイ103の厚さよりも大きくされ、実装時に、光導波路アレイ103と、発光素子アレイ106および受光素子アレイ107との間に空間が形成されるようになされる。
【0041】
このICソケット102の凸面には、この凸面上に固定されるインターポーザ105a,105b(図1参照)の裏面に設けられた電極パッド151との電気的接触をとるための、棒状、板バネ状、渦巻き状などの電極ピン121が複数個設けられている。なお、図3Aには、棒状の電極ピン121を示している。
【0042】
また、このICソケット102の裏面には、図3Bに示すように、プリント配線基板101(図1参照)上の電極との電気的接続をとるための、例えば半田バンプ等の電極コンタクト122が複数個設けられている。この電極コンタクト122は、上述の凸面に設けられている電極ピン121とICソケット102内で電気的に接続されている。
【0043】
また、このICソケット102の凹部102dの底面には、図3Aに示すように、上述したインターポーザ105a,105bの裏面に設けられた位置決め用ピン111を挿入するための位置決め用穴112が設けられている。後述するように、インターポーザ105a,105bの裏面には、それぞれ8本の位置決め用ピン111が設けられているので、位置決め用穴112も8個設けられている。なお、図3Aには、4個のみ示されている。
【0044】
なお、このICソケット102には、十字型の溝状の凹部102dを利用して、最大4方向から4本の光導波路アレイ103(図1参照)を設置できるようになっている。そのため、上述した8個の位置決め用穴112のうち、それぞれの方向に対応した2個ずつの位置決め用穴112は、それぞれの方向から設置される光導波路アレイ103に対応した2本の位置決め用ピン111を挿入するために用いられる。
【0045】
図4A,Bは、インターポーザ105(インターポーザ105a,105bのそれぞれに対応)の構成を示している。図4Aは、インターポーザ105を表面側から見た概略斜視図であり、図4Bはインターポーザ105を裏面側から見た概略斜視図である。
【0046】
インターポーザ105の表面には、図4Aに示すように、半導体チップ108(半導体チップ108a,108bに相当)が実装されている。なお、実装される半導体チップの個数は1個に限られるものではない。また、このインターポーザ105の裏面には、図4Bに示すように、発光素子アレイ106および受光素子アレイ107が実装されている。上述したように、インターポーザ105には最大4方向から4本の光導波路アレイ103を設置できるようになっているので、このインターポーザ105の裏面には、それぞれの方向から設置される光導波路アレイ103に対応して、4組の発光素子アレイ106および受光素子アレイ107が実装されている。これら発光素子アレイ106および受光素子アレイ107は、インターポーザ105を介して、半導体チップ108に接続されている。
【0047】
また、このインターポーザ105の裏面には、図4Bに示すように、上述したICソケット102の凸面に設けられた電極ピン121(図3参照)との電気的接触をとるための電極パッド151が複数個設けられている。
【0048】
また、このインターポーザ105の裏面には、図4Bに示すように、金属製の位置決め用ピン111が下方に向かって植立されている。この位置決め用ピン111は、上述したICソケット102に設けられた8個の位置決め用穴112に対応して、8本設けられている。
【0049】
図5A,Bは、光導波路アレイ103の構成を示している。図5Aは、光導波路アレイ103を表面側から見た概略斜視図であり、図5Bは、光導波路アレイ103の概略平面図である。
【0050】
光導波路アレイ103の、両端部には、それぞれ、上述したインターポーザ105(インターポーザ105a,105b)の位置決め用ピン111(図4参照)を通すための位置決め用貫通穴113が設けられている。各端部には、位置決め用貫通穴113として、第1の穴113pおよび第2の穴113qが、幅方向に所定の間隔を空けて設けられている。
【0051】
ここで、第1の穴113pは丸穴とされる。例えば、位置決め用ピン111の先端部111tの直径が2.1mmであるとき、この第1の穴113pはその直径が2.0mmとされる。また、第2の穴113qは、長径方向が光導波路アレイ103の幅方向と一致するように形成された長穴とされる。例えば、位置決め用ピン111の先端部111tの直径が2.1mmであるとき、この第2の穴113qはその短径が2.0mmとされ、その長径が3.0mmとされる。
【0052】
この光導波路アレイ103の第1の穴113pにインターポーザ105の第1の位置決め用ピン111を貫通させるだけでなく、この光導波路アレイ103の第2の穴113qにインターポーザ105の第2の位置決め用ピン111を貫通させることで、光導波路アレイ103の周り止めを行うことができる。また、第2の穴113qを長穴とすることで、インターポーザ105の第1、第2の位置決め用ピン111,111の幅方向の位置ずれを吸収できる。
【0053】
次に、図6を参照して、光導波路アレイ103、発光素子アレイ106および受光素子アレイ107の詳細構成について説明する。
【0054】
図6Cは光導波路アレイ103を表面側から見た斜視図、図6Dは光導波路アレイ103を横方向(長手方向)に切った断面図、図6Eは光導波路アレイ103を縦方向(幅方向)に切った断面図である。図6Cは光導波路アレイ103の片方の端部のみを示しているが、もう片方の端部も同様に構成されている。
【0055】
光導波路アレイ103は、基本的には、コア層131を、上下のクラッド層132,133で挟み込んだ構造とされている。この場合、コア層131の屈折率がクラッド層132,133の屈折率より高くされることで、光導波路が構成される。例えば、コア層131の材料としてUV硬化光学用樹脂(例えば、屈折率は1.6)が使用され、クラッド層132,133の材料として光学用射出成型樹脂(例えば、屈折率は1.5)が使用される。
【0056】
コア層131には、複数チャネルの光導波路、つまり複数本の送信用光導波路135および複数本の受信用光導波路136が形成されている。なお、他方の端部では、送信用光導波路135は受信用光導波路136となり、受信用光導波路136は送信用光導波路135となる。
【0057】
この場合、送信用光導波路135および受信用光導波路136は、光導波路アレイ103の幅方向に交互に配置されている。また、光導波路アレイ103の幅方向に並ぶ複数本の送信用光導波路135の端部位置が長さ方向に順次ずれるようにされている。同様に、光導波路アレイ103の幅方向に並ぶ複数本の受信用光導波路136の端部位置が長さ方向に順次ずれるようにされている。また、複数本の送信用導波路135の端部は、複数本の受信用導波路136の端部より、光導波路アレイ103の端部側に位置するようにされている。
【0058】
送信用光導波路135の端部135aは45゜ミラー面とされている。これにより、発光素子アレイ106の発光素子で発生された光信号をこの端部135aで光導波路135の長手方向側に反射させることができ、当該光信号を効率よく送信できる。また、受信用光導波路136の端部136aも45゜ミラー面とされている。これにより、光導波路136で伝送されてきた光信号をこの端部136aで受光素子アレイ107の受光素子側に反射させることができ、当該光信号を効率よく受信できる。
【0059】
また、各送信用光導波路135の端部135aおよび各受信用光導波路136の端部136aにそれぞれ対応して、上側のクラッド層132と一体的にレンズ104が形成されている。この場合、送信用光導波路135の端部135aに対応したレンズ104は、発光素子アレイ106の発光素子側からの平行光を当該端部135aに集光する集光レンズの働きをする。一方、受信用光導波路136の端部136aに対応したレンズ104は、当該端部136aからの発散光を平行光にするコリメートレンズの働きをする。
【0060】
また、光導波路アレイ103の端部において、上側のクラッド層132の両側および前側が下方に延長され、両側面および前面に所定の高さの壁板137が形成されている。このように壁板137が形成されることで、光導波路アレイ103がICソケット102a,102bの面に押し付けられた状態でも、光導波路135,136の部分は、ICソケット102a,102bの面から浮いた状態に置かれ、破損などを良好に回避できる。
【0061】
なお、位置決め用貫通穴113としての第1の穴113pおよび第2の穴113qは、上側のクラッド層132に形成される。
【0062】
図6Aは、発光素子アレイ106およびそれに装着されるレンズアレイ141(図1には図示せず)を示している。発光素子アレイ106は、上述した光導波路アレイ103の複数本の送信用光導波路135の端部135aに対応して、複数個の発光素子161を備えている。この発光素子161は例えば面発光レーザであって、下面側から光信号としてのレーザ光が出射される。また、この発光素子アレイ106の上面側には、各発光素子161に金属配線を介して接続された電極パッド162が設けられている。また、レンズアレイ141には、発光素子アレイ106の複数個の発光素子161にそれぞれ対応した複数個のレンズ142が形成されている。このレンズ142は、発光素子161からの発散光を平行光にするコリメートレンズの働きをする。
【0063】
図6Bは、受光素子アレイ107およびそれに装着されるレンズアレイ143(図1には図示せず)を示している。受光素子アレイ107は、上述した光導波路アレイ103の複数本の受信用光導波路136の端部136aに対応して、複数個の受光素子163を備えている。この受光素子163は例えばフォトダイオードであって、下面側から光信号としてのレーザ光が入射される。また、この受光素子アレイ107の上面側には、各受光素子163に金属配線を介して接続された電極パッド164が設けられている。また、レンズアレイ143には、受光素子アレイ107の複数個の受光素子163にそれぞれ対応した複数個のレンズ144が形成されている。このレンズ144は、光導波路アレイ103の受信用光導波路136側からの平行光を受光素子163の光入射面に集光する集光レンズの働きをする。
【0064】
次に、図1に示す光電複合装置100の製造方法の一例について説明する。
まず、プリント配線基板101上に、ICソケット102a,102bを実装する。この場合、プリント配線基板101上の電極とICソケット102a,102bの裏面の電極コンタクト122とを位置合わせして、プリント配線基板101上の電極とICソケット102a,102bとが電気的に接続されるように実装する。なお、プリント配線基板101上には、予めその他の電子部品などの実装および電気配線を行っておく。
【0065】
次に、ICソケット102a,102bに光導波路アレイ103を設置し、これらICソケット102a,102b間に光導波路アレイ103が架け渡された状態とする。この場合、光導波路アレイ103の両端部は、それぞれ、ICソケット102a,102bの溝状の凹部102dに配置される。この場合、ICソケット102a,102bに設置される光導波路アレイ103の長さが、これらICソケット102a,102bの距離より長いことが望ましい。これにより、光導波路アレイ103を撓ませた状態で固定でき、ICソケット102a,102bのプリント配線基板101上における位置決め誤差を吸収できる。
【0066】
次に、ICソケット102aの凸面上にインターポーザ105aを固定する。この場合、インターポーザ105aの裏面に設けられている8本の位置決め用ピン111の先端部111tが、ICソケット102aの凹部102dの底面に設けられた位置決め用穴112に挿入されることで、インターポーザ105aの位置決めが行われる。なおこの場合、光導波路アレイ103に対応した2本の位置決め用ピン111は、当該光導波路アレイ103の位置決め用貫通穴113(第1の穴113p、第2の穴113q)を通された後に、位置決め用穴112に挿入される。これにより、光導波路アレイ103の位置決めも同時に行われる。
【0067】
なお、このようにICソケット102aの凸面上にインターポーザ105aが固定されるとき、このインターポーザ105aには、例えばその四隅にICソケット102a側への付勢力が与えられ、当該インターポーザ105aはICソケット102aに押し付けられた状態とされる。
【0068】
次に、インターポーザ105aの表面に実装されている半導体チップ108aの上面に、アルミニウム製のフィン109を設置する。これにより、半導体チップ108aで発生される熱をフィン109を通して効率的に放熱できるようになる。
【0069】
次に、ICソケット102bの凸面上にインターポーザ105bを固定する。この場合、インターポーザ105bの裏面に設けられている8本の位置決め用ピン111の先端部111tが、ICソケット102bの凹部102dの底面に設けられた位置決め用穴112に挿入されることで、インターポーザ105bの位置決めが行われる。なおこの場合、光導波路アレイ103に対応した2本の位置決め用ピン111は、当該光導波路アレイ103の位置決め用貫通穴113(第1の穴113p、第2の穴113q)を通された後に、位置決め用穴112に挿入される。これにより、光導波路アレイ103の位置決めも同時に行われる。
【0070】
なお、このようにICソケット102bの凸面上にインターポーザ105bが固定されるとき、このインターポーザ105bには例えばその四隅にICソケット102b側への付勢力が与えられ、当該インターポーザ105bはICソケット102bに押し付けられた状態とされる。
【0071】
図7は、ICソケット102a側におけるインターポーザ105aおよび光導波路アレイ103の位置決め機構に係る部分を拡大して示したものである。この図7において、図1、図6と対応する部分には同一符号を付して示している。
【0072】
インターポーザ105aの表面には半導体チップ108aが実装されている。この場合、インターポーザ105aの表面の電極パッド152と半導体チップ108aの下面の電極パッド181との間に半田バンプ154が介在され、半導体チップ108aはインターポーザ105aの表面に半田付けされる。
【0073】
また、インターポーザ105aの裏面には発光素子アレイ106が実装されている。この場合、インターポーザ105aの裏面の電極パッド153と発光素子アレイ106の上面の電極パッド162との間に半田バンプ155が介在され、発光素子アレイ106はインターポーザ105aの裏面に半田付けされる。なお、この発光素子アレイ106の下面にレンズアレイ141が装着されている。
【0074】
また、光導波路アレイ103の端部が、ICソケット102aの溝状の凹部102dに配置されている。位置決め用ピン111は、インターポーザ105aの裏面に設けられた金属パッド156に半田付けされることで、当該インターポーザ105aの裏面に、下方に向かって植立されている。この位置決め用ピン111の先端部111tは、光導波路アレイ103の位置決め用貫通穴113を貫通して、ICソケット102aの位置決め用穴112に挿入(圧入)される。これにより、インターポーザ105aおよび光導波路アレイ103の双方の位置決めが同時に行われる。
【0075】
なお、上述の図7はICソケット102a側におけるインターポーザ105aおよび光導波路アレイ103の位置決め機構に係る部分を示したものである。説明は省略するが、ICソケット102b側におけるインターポーザ105bおよび光導波路アレイ103の位置決め機構に係る部分についても同様である。
【0076】
図8は、半導体チップ108(図1の半導体チップ108a,108bに相当)の入出力インタフェース部の構成を示している。
【0077】
この半導体チップ108は、電気信号用の第1のインタフェース部500と、光信号用の第2のインタフェース部600とを有している。この場合、電気信号による信号伝送を行う場合には第1のインタフェース部500が使用され、一方光信号による信号伝送を行う場合には第2のインタフェース部600が使用される。図1に示す光電複合装置100においては、第2のインタフェース部600が使用されることで、光信号による信号伝送が実現されている。
【0078】
第1のインタフェース部500は、一つ以上、図示の例ではn個のインタフェース回路500-1〜500-nを有している。インタフェース回路500-1〜500-nはnチャネル分(nレーン分)のインタフェース回路を構成している。このnチャネル分のインタフェース回路500-1〜500-nにより、nチャネル分の電気信号による信号伝送を並行して行うことができる。
【0079】
このnチャネル分のインタフェース回路500-1〜500-nは、それぞれ、送信インタフェース510および受信インタフェース520を含んでいる。これら送信インタフェース510および受信インタフェース520についてさらに説明する。なお、インタフェース規格は「PCI Express」であるとする。
【0080】
送信インタフェース510は、8−10変換回路511と、シリアライザ512と、ドライバ513とを有している。8−10変換回路511は、送信データ( Tx Data)としての8ビットパラレルデータを、直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換する。シリアライザ512は、8−10変換回路511より出力される10ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。
【0081】
ドライバ513は、シリアライザ512より出力されるシリアルデータに基づいて伝送路を差動駆動する。ドライバ513から出力される差動信号は、伝送路としての差動電気配線(図示せず)が接続される出力端子514a,514bに出力される。なお、差動信号にはバイアス電圧Vbiasが印加されている。
【0082】
受信インタフェース520は、レシーバ522と、デシリアライザ523と、10−8変換回路524とを有している。レシーバ522は、伝送路としての差動電気配線が接続される入力端子521a,521bに入力される差動信号に基づいてシリアルデータを得る。なお、差動信号には接地電圧GNDが印加されている。
【0083】
デシリアライザ523は、レシーバ522で得られるシリアルデータを10ビットパラレルデータに変換する。10−8変換回路524は、デシリアライザ523より出力される10ビットパラレルデータを受信データ(Rx Data)としての8ビットパラレルデータに変換する。
【0084】
インタフェース回路500-1〜500-nのそれぞれの動作を説明する。
送信データ( Tx Data)としての8ビットパラレルデータは8−10変換回路511で直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換される。この10ビットパラレルデータはシリアライザ512でシリアルデータに変換される。ドライバ513からは、このシリアルデータに基づいて、伝送路(差動電気配線)を差動駆動するための差動信号が得られる。この差動信号は出力端子521a,521bに出力される。
【0085】
また、伝送路(差動電気配線)から入力端子521a,521bに入力される差動信号はレシーバ522に供給され、このレシーバ522からシリアルデータが得られる。このシリアルデータはデシリアライザ523で10ビットパラレルデータに変換される。そして、この10ビットパラレルデータは10−8変換回路524で受信データ(Rx Data)としての8ビットパラレルデータに変換される。
【0086】
また、第2のインタフェース部600は、一つ以上、図示の例ではm個のインタフェース回路600-1〜600-mを有している。インタフェース回路600-1〜600-mはmチャネル分(mレーン分)のインタフェース回路を構成している。このmチャネル分のインタフェース回路600-1〜600-mにより、mチャネル分の光信号による信号伝送を並行して行うことができる。
【0087】
このmチャネル分のインタフェース回路600-1〜600-mは、それぞれ、送信インタフェース610および受信インタフェース620を含んでいる。これら送信インタフェース610および受信インタフェース620についてさらに説明する。なお、このインタフェースは、「PCI Express」に対応したものとされる。
【0088】
送信インタフェース610は、8−10変換回路611と、シリアライザ612と、ドライバ613とを有している。8−10変換回路611は、送信データ( Tx Data)としての8ビットパラレルデータを、直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換する。シリアライザ612は、8−10変換回路611より出力される10ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。
【0089】
ドライバ613は、シリアライザ612より出力されるシリアルデータに基づいて、光信号を出力する発光手段(図6の発光素子161に対応)を駆動する。ドライバ613からの駆動信号は出力端子614aに出力される。出力端子614bには接地電圧GNDが印加される。上述した発光素子161としての例えば面発光レーザのアノードは出力端子614aに接続され、そのカソードは出力端子614bに接続される。
【0090】
受信インタフェース620は、電流/電圧変換器622と、デシリアライザ623と、10−8変換回路624とを有している。電流/電圧変換器622は、光信号を受光する受光手段(図6の受光素子163に対応)で得られ、入力端子621a,621bに入力される電流信号を電圧信号に変換する。出力端子621bには、正の直流電圧VCCが印加されている。上述した受光素子163としての例えばフォトダイオードのカソードは入力端子621bに接続され、そのアノードは入力端子621aに接続される。
【0091】
なお、電流/電圧変換器622は、上述したように電流信号を電圧信号に変換する電流/電圧変換アンプとしての機能部の他に、受光手段で得られる電流信号を電流/電圧変換アンプに供給する際にインピーダンスマッチングをとるためのトランスインピーダンスアンプとしての機能部からなっている。
【0092】
デシリアライザ623は、電流/電圧変換器622で得られるシリアルデータを10ビットパラレルデータに変換する。10−8変換回路624は、デシリアライザ623より出力される10ビットパラレルデータを受信データ(Rx Data)としての8ビットパラレルデータに変換する。
【0093】
インタフェース回路600-1〜600-mのそれぞれの動作を説明する。
送信データ( Tx Data)としての8ビットパラレルデータは8−10変換回路611で直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換される。この10ビットパラレルデータはシリアライザ612でシリアルデータに変換される。ドライバ613からは、このシリアルデータに基づいて、発光手段を駆動するための駆動信号が得られる。この駆動信号は出力端子614aに出力される。
【0094】
また、受光手段で得られる電流信号は入力端子621a,621bに入力される。この電流信号は電流/電圧変換器622で電圧信号に変換される。この電圧信号としてのシリアルデータはデシリアライザ623で10ビットパラレルデータに変換される。そして、この10ビットパラレルデータは10−8変換回路624で受信データ(Rx Data)としての8ビットパラレルデータに変換される。
【0095】
上述した光電複合装置100(図1、図6、図7、図8参照)の動作を説明する。
ICソケット102a側で、半導体チップ108aの第2のインタフェース部600からの電気信号はインターポーザ105aの内部を通ってその裏面に実装された発光素子アレイ106の発光素子(例えば面発光レーザ)161に供給され、この発光素子161からは電気信号に対応して強度変調された光信号が発生される。
【0096】
この発光素子161からの光信号は発光素子アレイ106に装着されたレンズアレイ141のレンズ142により発散光から平行光とされる。この平行光は光導波路アレイ103の上面側のクラッド層132と一体的に形成されたレンズ104により送信用光導波路135の端部(45゜ミラー面)135aに集光され、光導波路135の長手方向側に反射される。これにより、ICソケット102a側の発光素子アレイ106の発光素子161で発生された光信号は、送信用光導波路135を通じて、ICソケット102b側に送信される。
【0097】
ICソケット102b側で、受信用光導波路136(ICソケット102a側では送信用光導波路135)を通じて送られてくる光信号は、端部(45゜ミラー面)136aで受光素子アレイ107の受光素子163側に反射される。この反射された光信号は光導波路アレイ103の上面側のクラッド層132と一体的に形成されたレンズ104により発散光から平行光とされる。この平行光は受光素子アレイ107に装着されたレンズアレイ143のレンズ144で集光されて受光素子(例えばフォトダイオード)163の光入射面に入射される。
【0098】
そして、光信号は受光素子163で光信号から電気信号に変換される。この電気信号は、インターポーザ105bの内部を通ってその表面に実装された半導体チップ108bの第2のインタフェース部600に供給される。これにより、ICソケット102a側のインターポーザ105aに実装された半導体チップ108aからの電気信号が、ICソケット102b側のインターポーザ105bに実装された半導体チップ108bに供給される。
【0099】
説明は省略するが、ICソケット102b側の半導体チップ108bからICソケット102a側の半導体チップ108aにも、同様にして電気信号が供給される。
【0100】
上述した光電複合装置100によれば、半導体チップ(半導体集積回路)108a,108bが光信号用の第2のインタフェース部600を備えているので、別途光電変換回路を設ける必要がなく、光信号による信号伝送を容易に実現できる。また、この半導体チップ(半導体集積回路)108a,108bは電気信号用の第1のインタフェース部500も備えているので、これを利用することで、電気信号による信号伝送も容易に実現できる。
【0101】
なお、上述実施の形態においては、半導体チップ108a,108bの双方が電気信号用の第1のインタフェース部500および光信号用の第2のインタフェース部600の双方を備えるものを示したが、いずれか一方が光信号用のインタフェース部のみを持つ構成、あるいは電気信号用のインタフェース部のみを持ち、別途光電変換回路を設ける構成も考えられる。
【0102】
次に、上述した光電複合装置を実際に適用し得る電子機器の一例を簡単に説明する。
図9は、コンピュータシステム200の構成を示している。このコンピュータシステム200は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリコントローラとしてのノースブリッジ202と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)203と、I/Oコントローラとしてのサウスブリッジ204と、バス205と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)206と、記憶装置207と、その他の入出力装置(I/O装置)208とを備えている。
【0103】
ノースブリッジ202は、光配線211を介してCPU201に接続されている。また、サウスブリッジ204は、光配線212を介してノースブリッジ202に接続されていると共に、さらに光配線211を介してCPU201に接続されている。また、DRAM203は、光配線213を介してノースブリッジ202に接続されている。CPU201は、OS(Operating System)およびアプリケーションプログラムに基づいて各部を制御する。ノースブリッジ202は、メモリ203へのアクセスを統括制御する。
【0104】
バス205は電気配線214を介してサウスブリッジ204に接続されている。また、ネットワークインタフェース206、記憶装置207およびその他のI/O装置208は、それぞれ、バス205に接続されている。記憶装置207は、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブなどである。I/O装置208は、ビデオ入出力装置、シリアルやパラレルのインタフェースなどである。
【0105】
図10は、光配線210(光配線211〜213のそれぞれに対応している)の構成例を示している。この光配線210は、Nチャネル分の光伝送系220-1〜220-Nを有している。光伝送系220-1〜220-Nのそれぞれは、第1の回路(第1の電子部品)から第2の回路(第2の電子部品)に光信号を伝送する第1の伝送系221と、第2の回路から第1の回路に光信号を伝送する第2の伝送系222とからなっている。
【0106】
第1の伝送系221は、パラレル/シリアル変換器(P/S変換器)221a、ドライバアンプ221b、発光素子としての半導体レーザ221c、光導波路221d、受光素子としてのフォトダイオード221e、トランスインピーダンスアンプ(TIA)221f、I/V変換アンプ(IVA)221gおよびシリアル/パラレル変換器(S/P変換器)221hを備えている。この場合、P/S変換器221a、ドライバアンプ221bおよび半導体レーザ221cは第1の回路側に配置され、フォトダイオード221e、TIA221f、IVA221gおよびS/P変換器221hは第2の回路側に配置され、光導波路221dは第1の回路と第2回路の間に配置される。
【0107】
同様に、第2の伝送系221は、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b、半導体レーザ222c、光導波路222d、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222gおよびS/P変換器222hを備えている。この場合、P/S変換器222a、ドライバアンプ222bおよび半導体レーザ222cは第2の回路側に配置され、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222gおよびS/P変換器222hは第1の回路側に配置され、光導波路222dは第2の回路と第1の回路の間に配置される。
【0108】
ここで、S/P変換器221a,222aは、それぞれ、伝送すべきデータ、例えばb0〜b7の8ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。ドライバアンプ221b,222bは、それぞれ、S/P変換器221a,222aで得られたシリアルデータに基づいて半導体レーザ221c,222cを駆動し、この半導体レーザ221c,222cからシリアルデータに対応した光信号を発生させる。TIA221f,222fは、それぞれ、フォトダイオード221e,222eからの光電変換による電流信号を、後続のI/V変換アンプ221g,222gに供給する際に、インピーダンスマッチングをとる。IVA221g,222gは、それぞれ、TIA221f,222fの出力信号である電流信号を電圧信号に変換する。S/P変換器221h,222hは、それぞれ、IVA221g,222gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータをパラレルデータに変換する。
【0109】
第1の回路から第2の回路にデータを伝送する際の動作について説明する。第1の回路側では、伝送すべき8ビットのパラレルデータはP/S変換器221aでシリアルデータに変換され、このシリアルデータはドライバアンプ221bに供給される。このドライバアンプ221bにより半導体レーザ221cが駆動され、この半導体レーザ221cからはシリアルデータに対応した光信号が発生される。そして、この光信号が光導波路221dを通って第2の回路側に伝送される。
【0110】
第2の回路側では、光導波路221dで伝送されてきた光信号がフォトダイオード221eに照射される。このフォトダイオード221eからの光電変換による電流信号は、インピーダンスマッチング用のTIA221fを介してIVA221gに供給され、電圧信号に変換される。そして、このIVA221gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータはS/P変換器221hでパラレルデータに変換される。
【0111】
このようにして、第1の回路から第2の回路にデータの伝送が行われる。なお、詳細説明は省略するが、第2の回路から第1の回路にデータを伝送する際の動作についても同様に行われる。図10に示す光配線210では、Nチャネル分の光伝送系220-1〜220-Nを有しているので、Nチャネル分のデータ送受信を並行して行うことができる。
【0112】
上述したコンピュータシステム200においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、上述した電子部品としてのCPU201、ノースブリッジ202、DRAM203、サウスブリッジ204およびバス205をそれぞれ構成する半導体チップが実装される。この場合、CPU201、ノースブリッジ202、DRAM203およびサウスブリッジ204の部分に、図1に示す光電複合装置100を適用でき、CPU201とノースブリッジ202の間、DRAM203とノースブリッジ202の間、ノースブリッジ202とサウスブリッジ204の間で、光信号を用いた信号伝送を良好に行うことができる。
【0113】
図11は、ゲーム機300の構成を示している。このゲーム機300は、ゲームアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムに基づいて信号処理や内部構成要素の制御を行うメインCPU301と、画像処理を行うグラフィックプロセッサ(GP)302と、インターネット等のネットワークとのインタフェースを行うためのネットワークインタフェース(ネットワークI/F)303と、インタフェース処理を行うIOプロセッサ(IOP)304と、DVDやCD等の光ディスク305の読み出し制御や当該読み出されたデータのデコードを行う光ディスク制御部306と、メインCPU301に接続されるメインメモリとしてのDRAM307と、IOプロセッサ304が実行する命令やデータを保持するためのIOPメモリ308と、主にオペレーティングシステム用のプログラムが格納されたOS−ROM309と、音声信号処理を行うサウンドプロセッサユニット(SPU)310と、圧縮波形データを格納するサウンドバッファ311とを基本構成として備えている。
【0114】
メインCPU301とネットワークI/F303は、光配線312により接続されている。メインCPU301とグラフィックプロセッサ302は、光配線313により接続されている。メインCPU301とIOプロセッサ304は、SBUS314により接続されている。IOプロセッサ304と、光ディスク制御部306、OS−ROM309およびサウンドプロセッサユニット310は、SSBUS315により接続されている。
【0115】
メインCPU301は、OS−ROM309に格納されたプログラムや、光ディスク305から読み出されてDRAM307にロードされたり、通信ネットワークを介してダウンロードされた、各種のゲームアプリケーションプログラム等を実行する。グラフィックプロセッサ302は、例えばビデオゲームにおけるレンダリング処理等を行い、ビデオ信号をディスプレイに出力する。
【0116】
IOプロセッサ304には、コントローラ(図示せず)が接続されるコントローラポート321、メモリカード(図示せず)が装填されるメモリカードスロット322、USB接続端子323およびIEEE1394接続端子324が接続されている。これにより、IOプロセッサ304は、コントローラポート321を介して接続されたコントローラ、メモリカードスロット322を介して接続されたメモリカード、USB接続端子323を介して接続された図示しない携帯電話機やパーソナルコンピュータとの間でデータの送受や、プロトコル変換等を行う。
【0117】
サウンドプロセッサユニット310は、サウンドバッファ311に格納されている圧縮波形データを、メインCPU301からの命令に基づいて所定のサンプリング周波数で再生することなどにより、様々なサウンドを合成し、オーディオ信号をスピーカに出力する。
【0118】
なお、光配線312,313は、それぞれ、上述の図10に示すように構成されており、メインCPU301とネットワークI/F303の間、およびメインCPU301とグラフィックプロセッサ302の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0119】
上述したゲーム機300においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、上述したメインCPU301等の基本構成電子部品としての半導体チップが実装される。
【0120】
この場合、メインCPU301、グラフィックプロセッサ302およびネットワークI/F303の部分に、図1に示す光電複合装置100を適用でき、メインCPU301とネットワークI/F303の間、メインCPU301とグラフィックプロセッサ302の間で、光信号を用いた信号伝送を良好に行うことができる。
【0121】
図12は、サーバ400の構成を示している。このサーバ400は、CPU401,402と、チップセット403と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)404と、メモリ405と、PCIブリッジ406と、ルータ407とを基本構成として備えている。
【0122】
チップセット403には、光配線411,412を介してCPU401,402が接続されていると共に、光配線413を介して、ネットワークI/F404が接続されている。また、チップセット403には、電気配線により、メモリ405、PCIブリッジ406およびルータ407が接続されている。ネットワークI/F404は、ネットワークとのインタフェースを行う。チップセット403は、CPU401,402、ネットワークI/F404、メモリ405およびPCIブリッジ406などを制御する。
【0123】
PCIブリッジ406には、PCIバス414を介して、記憶装置などのPCIデバイス415〜416が接続されている。ルータ407は、例えば、スイッチカード421およびラインカード422〜425から構成されている。ラインカード422〜425は、パケットの前処理を行うプロセッサであり、スイッチカード421はパケットの行き先をアドレスに従い切り替えるスイッチである。
【0124】
なお、光配線411〜413は、それぞれ、上述の図10に示すように構成されており、CPU401,401とチップセット403の間、およびチップセット403とネットワークI/F404の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0125】
上述したサーバ400においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、上述したメインCPU401,402、チップセット403等の基本構成電子部品としての半導体チップが実装される。
【0126】
この場合、CPU401,401、チップセット403、ネットワークI/F404の部分に、図1に示す光電複合装置100を適用でき、CPU401,401とチップセット403の間、およびチップセット403とネットワークI/F404の間で、光信号を用いた信号伝送を良好に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
この発明は、電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現できる半導体集積回路等を提供するものであり、例えばLSI等の半導体チップ間の光信号による信号伝送に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】実施の形態としての光電複合装置の概略断面図である。
【図2】実施の形態としての光電複合装置の概略斜視図である。
【図3】ICソケットの構成を示す概略斜視図である。
【図4】インターポーザの構成を示す概略斜視図である。
【図5】光導波路アレイの構成を示す概略斜視図および概略平面図である。
【図6】光導波路アレイ、発光素子アレイおよび受光素子アレイの詳細構成を示す図である。
【図7】インターポーザおよび光導波路アレイの位置決め機構に係る部分を示す図である。
【図8】半導体チップの入出力インタフェース部の構成を示すブロック図である。
【図9】コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図10】光配線の構成例を説明するための図である。
【図11】ゲーム機の構成を示すブロック図である。
【図12】サーバの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0129】
100・・・光電複合装置、101・・・プリント配線基板、102,102a,102b・・・ICソケット、102d・・・凹部、103・・・光導波路アレイ、104・・・レンズ、105,105a,105b・・・インターポーザ、106・・・発光素子アレイ、107・・・受光素子アレイ、108,108a,108b・・・半導体チップ、109・・・ヒートシンク、111・・・位置決め用ピン、111b・・・基部、111t・・・先端部、112・・・位置決め用穴、113・・・位置決め用貫通穴、113p・・・第1の穴、113q・・・第2の穴、131・・・コア層、132,133・・・クラッド層、135・・・送信用光導波路、135a・・・送信用光導波路の端部(45゜ミラー面)、136・・・受信用光導波路、136a・・・受信用光導波路の端部(45゜ミラー面)、137・・・壁板、141,143・・・レンズアレイ、142,144・・・レンズ、161・・・発光素子、163・・・受光素子、200・・・コンピュータシステム、210・・・光配線、300・・・ゲーム機、400・・・サーバ、500・・・電気信号用の第1のインタフェース部、500-1〜500-n・・・インタフェース回路、510・・・送信インタフェース、511・・・8−10変換回路、512・・・シリアライザ、513・・・ドライバ、514a,514b・・・出力端子、520・・・受信インタフェース、521a,521b・・・入力端子、522・・・レシーバ、523・・・デシリアライザ、524・・・10−8変換回路、600・・・光信号用の第2のインタフェース部、600-1〜600-m・・・インタフェース回路、610・・・送信インタフェース、611・・・8−10変換回路、612・・・シリアライザ、613・・・ドライバ、614a,614b・・・出力端子、620・・・受信インタフェース、621a,621b・・・入力端子、622・・・電流/電圧変換器、623・・・デシリアライザ、624・・・10−8変換回路
【技術分野】
【0001】
この発明は、光信号による信号伝送を行うLSI(Large Scale Integrated circuit)等に適用して好適な半導体集積回路およびそれを用いた電子機器に関する。詳しくは、この発明は、入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えることによって、電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現できるようにした半導体集積回路等に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LSI等の半導体チップ間の信号伝送は、基板配線を介した電気信号によりなされている。しかし、昨今のMPU(Micro Processing Unit)の高機能化に伴い、半導体チップ間にて必要とされるデータ授受量は著しく増大し、結果として様々な高周波問題が浮上している。
【0003】
それらの代表的なものとして、RC(Register and Capacitor)信号遅延、インピーダンスミスマッチング、EMC(ElectroMagnetic Compatibility)/EMI(ElectroMagnetic Interference)、クロストーク等がある。従来、これらの問題を解決するため、配線位置の最適化、新素材開発などが行われてきた。
【0004】
しかし近年、上述の配線位置の最適化、新素材開発等の効果は物理的限界に阻まれつつあり、今後システムの高機能化を実現するためには、単純な半導体チップの実装を前提としたボード構造そのものを見直す必要が生じてきている。例えば、以下に簡単に説明する、マルチチップモジュール(MCM)化による微細配線結合、各種半導体チップのポリイミド樹脂などを用いた配線の二次元的な封止、一体化による電気配線結合、基板貼り合わせによる半導体チップの三次元結合などが開発されている。
【0005】
・MCM化による微細配線結合
高機能チップを、セラミック・シリコンなどの精密実装基板上に実装し、マザーボード(多層プリント基板)上では形成不可能である微細配線結合を実現する。これによって、配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を拡げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0006】
・各種半導体チップの封止、一体化による電気配線結合
各種半導体チップをポリイミド樹脂などを用いて二次元的に封止し、一体化し、その一体化された基板上にて微細配線結合を行う。これによって、配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を拡げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0007】
・半導体チップの三次元結合
各種半導体チップに貫通電極を設け、それぞれを貼り合わせることで積層構造とする。これによって、異種半導体チップ間の結線が物理的に短絡化され、結果として信号遅延などの問題が回避される。ただし、積層化による発熱量増加、半導体チップ間の熱応力などの問題が生じる。
【0008】
また、信号授受の高速化および大容量化を実現するために、光配線による光伝送結合技術が開発されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。半導体チップ間の信号伝送を光信号で行うことで、電気配線におけるようなRC遅延の問題はなく、伝送速度を大幅に向上させることができる。また、半導体チップ間の信号伝送を光信号で行うことで、電磁波に関する対策を全く必要とせず、比較的自由な配線設計が可能となる。
【0009】
半導体チップ間に対応する光配線技術には種々の方式がある。例えば、以下に簡単に説明する、アクティブインターポーザ方式、自由空間伝送方式、光コネクタ接続方式、光導波路埋め込み方式、表面実装方式などがある。
【0010】
・アクティブインターポーザ方式(非特許文献1のp.125、図7参照)
これは、プリント配線基板(ボード)上に光導波路が実装されている。光素子は、トランシーバーモジュールの裏面に実装され、光導波路の45°全反射ミラーに対し、精密に位置決めされている。利点としては、既存のプリント配線基板の実装構造上に展開できることが挙げられる。また、懸案点としては、構造が大掛かりなため、コストが高いこと、光軸合わせが困難であること、また電気伝送経路の短縮が困難であり、高周波伝送に不向きであることが挙げられる。
【0011】
・自由空間伝送方式(非特許文献1のp.123、図5参照)
これは、プリント配線基板の裏面に光配線基板(石英)を実装し、伝送基板内において光をジグザグに反射させ、信号を伝播させる。光素子アレイ+自由空間伝送により、原理的には数千レベルの多チャンネル化が可能である。また、光軸合わせを容易にするため、数枚のレンズを組み合わせたハイブリッド光学系を構成している。利点としては、原理的には数千チャネルの多重伝送が可能であること、またハイブリッド光学系を構成しているため、光軸合わせが容易であることが挙げられる。また、懸案点としては、光配線基板が高価であること、反射による信号伝播のため、波形が乱れ易く、伝播損失が大きいこと、また新規開発技術が数多く盛り込まれているため、信頼性に関する実績がほとんど無いことが挙げられる。
【0012】
・光コネクタ接続方式(非特許文献1のp.122、図4参照)
これは、LSIチップの周囲に小型光コネクタを配置し、LSIチップを実装した後、自由に光路を設定できる光伝送モジュールシステムである。利点としては、コネクタにより精度が保証されており、コストのかかる光軸合わせ工程が不要であること、光ファイバーを用いているため、プリント配線基板間などの中距離伝送が可能であること、また既存のプリント配線基板の実装構造上に展開できることが挙げられる。また、懸案点としては、コネクタモジュールの小型化に限界があり、半導体チップとコネクタ間における電気配線の短縮化が困難であること、高周波伝送用としては不向きであること、伝送媒体として光ファイバーを採用しているため、多バス化に限界が有ること、また構成部品数が多く、バス当たりのコストダウンが困難であることが挙げられる。
【0013】
・光導波路埋め込み方式(非特許文献1のp124、図6参照)
これは、光導波路をプリント配線基板に埋め込み、既存のプリント配線基板の実装構造の形態を維持しながら光配線を設ける方法である。光路結合にマイクロレンズを採用し、光軸ズレ許容量を一般実装精度レベルまで緩和させている。利点としては、発光素子をLSIチップの裏面に直接実装しているため、LSIチップと発光素子間の電気配線経路を極限まで短くできること、またコリメート光結合により、一般実装精度での光軸合わせが可能であることが挙げられる。また、懸案点としては、光配線をプリント配線基板内に設けるため、プリント配線基板の製造やコストダウンが困難であること、光素子の放熱対策が不明であること、またプリント配線基板が脆弱であるため、レンズと光導波路間の光結合損失が変動する可能性が有ることが挙げられる。
【0014】
・表面実装方式(非特許文献2参照)
これは、光素子を、LSIチップの裏面に直接貼り付けて機能させ、また、光導波路をプリント配線基板上に直接実装する方式である。既存のプリント配線基板の構造をそのまま維持し、光配線の併設が可能である。利点としては、発光素子をLSIチップの裏面に直接実装しているため、LSIチップと発光素子間の電気配線経路を極限まで短くできること、構造がシンプルであり、コストダウンが可能であること、また既存のプリント配線基板の実装構造上に展開できることが挙げられる。また、懸案点としては、光素子をLSIチップに直接貼り付けるため、専用のLSIチップの開発が必要であること、また光素子が高温のLSIチップに直接貼り付けられているため、光素子の高温劣化が懸念されることが挙げられる。
【0015】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス、"光配線との遭遇"2001年12月3日の122頁〜125頁、図4〜図7
【非特許文献2】NTT R&D, vol.48, no.3, pp.271-280 (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように半導体チップ(半導体集積回路)間の信号伝送を光信号で行う場合、この半導体チップが電気信号用のインタフェース部を持つときは、この半導体チップに、電気信号と光信号との間の変換を行う光電変換回路を接続することで、光信号による信号伝送を行うことができる。すなわち、この場合には、半導体チップの他に光電変換回路を設ける必要がある。
【0017】
なお、このように光電変換回路を設けなくてもよいように、半導体チップとして光信号用のインタフェース部を持つものも考えられている。しかしこの場合、信号伝送を電気信号で行う場合に対応できなくなる。
【0018】
この発明の目的は、電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現し得る半導体集積回路等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明に係る半導体集積回路は、入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えるものである。
【0020】
また、この発明に係る電子機器は、複数の電子部品からなり、この複数の電子部品に含まれる第1の電子部品と第2の電子部品との間で光信号を用いて信号伝送が行われる電子機器であって、第1の電子部品および第2の電子部品の少なくともいずれかは、入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えるものである。
【0021】
この発明においては、半導体集積回路の入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えている。例えば、第2のインタフェース部は、一つ以上のインタフェース回路を有し、当該インタフェース回路は、データを送信するための送信インタフェースおよびデータを受信するための受信インタフェースを含むものとされる。複数のインタフェース回路を有することで、複数チャネルの信号伝送を並行して行うことができる。
【0022】
例えば、送信インタフェースは、送信データとしての8ビットパラレルデータを直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換する8−10変換回路と、この8−10変換回路より出力される10ビットパラレルデータをシリアルデータに変換するシリアライザと、このシリアライザより出力されるシリアルデータに基づいて光信号を出力する発光手段を駆動するドライバとを有し、受信インタフェースは、光信号を受光する受光手段で得られる電流信号を電圧信号に変換する電流/電圧変換器と、この電流/電圧変換器より出力される電圧信号としてのシリアルデータを10ビットパラレルデータに変換するデシリアライザと、このデシリアライザより出力される10ビットパラレルデータを受信データとしての8ビットパラレルデータに変換する10−8変換回路とを有するものとされる。これにより、光信号によるシリアルデータ伝送が可能となる。
【0023】
このように半導体集積回路の入出力インタフェースとして電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えているので、電気信号による信号伝送を行う場合には第1のインタフェース部を利用すればよく、また光信号による信号伝送を行う場合には第2のインタフェース部を利用すればよく、電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現できる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、半導体集積回路の入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備えるものであり、電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての光電複合装置100の概略断面図を示している。
【0026】
この光電複合装置100は、プリント配線基板(マザーボード)101上に実装されるICソケット102a,102bと、これらICソケット102a,102bに設置されるレンズ一体型の光導波路アレイ103とを有している。ICソケット102a,102bは、それぞれ、十字型の溝状の凹部102dを持つ凹凸構造とされている。ICソケット102a,102bは、従来周知のように、例えば、絶縁性樹脂、例えばガラス入りPES(ポリエチレンスルフィド)樹脂、ガラス入りPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂などを用い、凹凸構造を有する金型を用いて形成される。
【0027】
光導波路アレイ103は、後述するように、複数チャネル分(複数レーン分)の光導波路を備えている。この光導波路アレイ103は、ICソケット102aとICソケット102bとの間に架け渡されている。この光導波路アレイ103の両端部は、それぞれ、ICソケット102a,102bの溝状の凹部102dに配置される。この光導波路アレイ103は、後述するようにコア層を上下のクラッド層で挟んだ構造とされているが、上側のクラッド層と一体的にレンズ104が形成されている。
【0028】
また、光電複合装置100は、ICソケット102a,102bの凸面上にそれぞれ固定されるインターポーザ105a,105bを有している。インターポーザ105aの裏面には光素子としての発光素子アレイ106および受光素子アレイ107が実装されており、その表面には半導体チップ(半導体集積回路)108a、例えばCPUが実装されている。この場合、発光素子アレイ106および受光素子アレイ107は、インターポーザ105aの内部を介して、半導体チップ108aに接続されている。なお、半導体チップ108aの上面にはヒートシンクとしてのアルミニウム製のフィン109が設置されている。
【0029】
同様に、インターポーザ105bの裏面には光素子としての発光素子アレイ106および受光素子アレイ107が実装されており、その表面には半導体チップ(半導体集積回路)108bが実装されている。この場合、発光素子アレイ106および受光素子アレイ107は、インターポーザ105bの内部を介して、半導体チップ108bに接続されている。
【0030】
発光素子アレイ106は、発光素子(発光手段)、例えば面発光レーザが複数個配列された構成となっている。また、受光素子アレイ107は、受光素子(受光手段)、例えばフォトダイオードが複数個配列された構成となっている。上述した光導波路アレイ103は、上述した発光素子アレイ106の各発光素子、および受光素子アレイ107の各受光素子に、それぞれ、各チャネルの光導波路が対向するように設置される。ここで、発光素子は、光導波路に入射する光信号を発光する。受光素子は光導波路から出射された光信号を受光する。
【0031】
次に、上述した光電複合装置100におけるインターポーザ105a,105b、および光導波路アレイ103の位置決め機構について説明する。
【0032】
インターポーザ105a,105bは、その裏面に下方に向かって植立された位置決め用ピン111を有している。この位置決め用ピン111は、例えばインターポーザ105a,105bの裏面に設けられた金属パッド(図1には図示せず)に半田付けされることで、当該インターポーザ105a,105bの裏面に取り付けられている。この位置決め用ピン111は、後述する光導波路アレイ103に形成されている位置決め用貫通穴113を通過できる第1の径の先端部111tと、その位置決め用貫通穴113を通過できない第2の径の基部111bとからなっている。基部111bがインターポーザ105a,105bに半田付けされている。
【0033】
また、ICソケット102a,102bの凹部102dの底面に、上述したインターポーザ105a,105bの位置決め用ピン111を挿入するための位置決め用穴112を有している。この位置決め用穴112の径は、位置決め用ピン111の先端部111tの径より若干小さく形成されている。例えば、位置決め用ピン111の先端部111tの直径が2.1mm(φ=2.1mm)であるとき、位置決め用穴112の直径は2.0mm(φ=2.0mm)とされる。これにより、位置決め用ピン111の先端部111tが位置決め用穴112に挿入される際には、位置決め用穴112の樹脂変形によって圧入状態となり、位置決め後のガタが抑制される。
【0034】
また、光導波路アレイ103は、両端部に、上述したインターポーザ105a,105bの位置決め用ピン111を通すための位置決め用貫通穴113を有している。この位置決め用貫通穴113の径は、上述した位置決め用穴112の径と同様に、位置決め用ピン111の先端部111tの径より若干小さく形成されている。例えば、位置決め用ピン111の先端部111tの直径が2.1mm(φ=2.1mm)であるとき、位置決め用貫通穴113の直径は2.0mm(φ=2.0mm)とされる。これにより、位置決め用ピン111の先端部111tが位置決め用貫通穴113を通る際には、位置決め用貫通穴113の樹脂変形によって圧入状態となり、位置決め後のガタが抑制される。
【0035】
インターポーザ105a,105b、および光導波路アレイ103の位置決めは、上述したインターポーザ105a,105bの位置決め用ピン111が、光導波路アレイ103の位置決め用貫通穴113を貫通してICソケット102a,102bの位置決め用穴112に挿入されることで行われる。
【0036】
この場合、位置決め用ピン111の基部111bおよび先端部111tの境界の段差部分で光導波路アレイ103はICソケット102a,102bの面に押圧された状態となる。これにより、光導波路アレイ103がICソケットの面から浮き上がることを防止でき、各光導波路の光入射面や光出射面が傾くことによる光量損失を回避できる。
【0037】
なお、詳細説明は省略するが、インターポーザ105a,105bは、それぞれ、例えばその四隅にICソケット102a,102b側への付勢力が与えられ、ICソケット102a,102bに押し付けられた状態で、当該ICチケット102a,102b上に固定される。
【0038】
図2は、上述した光電複合装置100の概略斜視図を示している。なお、この図2においては、プリント配線基板101およびアルミニウム製のフィン109の図示は省略している。
【0039】
次に、上述した光電複合装置100を構成する各部材について、さらに詳細に説明する。図3A,Bは、ICソケット102(ICソケット102a,102bのそれぞれに対応)の構成を示している。図3Aは、ICソケット102を表面側から見た概略斜視図であり、図3BはICソケット102を裏面側から見た概略斜視図である。
【0040】
ICソケット102の表面側は、図3Aに示すように、十字型の溝状の凹部102dを持つ凹凸構造とされている。凹部102dの深さは、光導波路アレイ103の厚さよりも大きくされ、実装時に、光導波路アレイ103と、発光素子アレイ106および受光素子アレイ107との間に空間が形成されるようになされる。
【0041】
このICソケット102の凸面には、この凸面上に固定されるインターポーザ105a,105b(図1参照)の裏面に設けられた電極パッド151との電気的接触をとるための、棒状、板バネ状、渦巻き状などの電極ピン121が複数個設けられている。なお、図3Aには、棒状の電極ピン121を示している。
【0042】
また、このICソケット102の裏面には、図3Bに示すように、プリント配線基板101(図1参照)上の電極との電気的接続をとるための、例えば半田バンプ等の電極コンタクト122が複数個設けられている。この電極コンタクト122は、上述の凸面に設けられている電極ピン121とICソケット102内で電気的に接続されている。
【0043】
また、このICソケット102の凹部102dの底面には、図3Aに示すように、上述したインターポーザ105a,105bの裏面に設けられた位置決め用ピン111を挿入するための位置決め用穴112が設けられている。後述するように、インターポーザ105a,105bの裏面には、それぞれ8本の位置決め用ピン111が設けられているので、位置決め用穴112も8個設けられている。なお、図3Aには、4個のみ示されている。
【0044】
なお、このICソケット102には、十字型の溝状の凹部102dを利用して、最大4方向から4本の光導波路アレイ103(図1参照)を設置できるようになっている。そのため、上述した8個の位置決め用穴112のうち、それぞれの方向に対応した2個ずつの位置決め用穴112は、それぞれの方向から設置される光導波路アレイ103に対応した2本の位置決め用ピン111を挿入するために用いられる。
【0045】
図4A,Bは、インターポーザ105(インターポーザ105a,105bのそれぞれに対応)の構成を示している。図4Aは、インターポーザ105を表面側から見た概略斜視図であり、図4Bはインターポーザ105を裏面側から見た概略斜視図である。
【0046】
インターポーザ105の表面には、図4Aに示すように、半導体チップ108(半導体チップ108a,108bに相当)が実装されている。なお、実装される半導体チップの個数は1個に限られるものではない。また、このインターポーザ105の裏面には、図4Bに示すように、発光素子アレイ106および受光素子アレイ107が実装されている。上述したように、インターポーザ105には最大4方向から4本の光導波路アレイ103を設置できるようになっているので、このインターポーザ105の裏面には、それぞれの方向から設置される光導波路アレイ103に対応して、4組の発光素子アレイ106および受光素子アレイ107が実装されている。これら発光素子アレイ106および受光素子アレイ107は、インターポーザ105を介して、半導体チップ108に接続されている。
【0047】
また、このインターポーザ105の裏面には、図4Bに示すように、上述したICソケット102の凸面に設けられた電極ピン121(図3参照)との電気的接触をとるための電極パッド151が複数個設けられている。
【0048】
また、このインターポーザ105の裏面には、図4Bに示すように、金属製の位置決め用ピン111が下方に向かって植立されている。この位置決め用ピン111は、上述したICソケット102に設けられた8個の位置決め用穴112に対応して、8本設けられている。
【0049】
図5A,Bは、光導波路アレイ103の構成を示している。図5Aは、光導波路アレイ103を表面側から見た概略斜視図であり、図5Bは、光導波路アレイ103の概略平面図である。
【0050】
光導波路アレイ103の、両端部には、それぞれ、上述したインターポーザ105(インターポーザ105a,105b)の位置決め用ピン111(図4参照)を通すための位置決め用貫通穴113が設けられている。各端部には、位置決め用貫通穴113として、第1の穴113pおよび第2の穴113qが、幅方向に所定の間隔を空けて設けられている。
【0051】
ここで、第1の穴113pは丸穴とされる。例えば、位置決め用ピン111の先端部111tの直径が2.1mmであるとき、この第1の穴113pはその直径が2.0mmとされる。また、第2の穴113qは、長径方向が光導波路アレイ103の幅方向と一致するように形成された長穴とされる。例えば、位置決め用ピン111の先端部111tの直径が2.1mmであるとき、この第2の穴113qはその短径が2.0mmとされ、その長径が3.0mmとされる。
【0052】
この光導波路アレイ103の第1の穴113pにインターポーザ105の第1の位置決め用ピン111を貫通させるだけでなく、この光導波路アレイ103の第2の穴113qにインターポーザ105の第2の位置決め用ピン111を貫通させることで、光導波路アレイ103の周り止めを行うことができる。また、第2の穴113qを長穴とすることで、インターポーザ105の第1、第2の位置決め用ピン111,111の幅方向の位置ずれを吸収できる。
【0053】
次に、図6を参照して、光導波路アレイ103、発光素子アレイ106および受光素子アレイ107の詳細構成について説明する。
【0054】
図6Cは光導波路アレイ103を表面側から見た斜視図、図6Dは光導波路アレイ103を横方向(長手方向)に切った断面図、図6Eは光導波路アレイ103を縦方向(幅方向)に切った断面図である。図6Cは光導波路アレイ103の片方の端部のみを示しているが、もう片方の端部も同様に構成されている。
【0055】
光導波路アレイ103は、基本的には、コア層131を、上下のクラッド層132,133で挟み込んだ構造とされている。この場合、コア層131の屈折率がクラッド層132,133の屈折率より高くされることで、光導波路が構成される。例えば、コア層131の材料としてUV硬化光学用樹脂(例えば、屈折率は1.6)が使用され、クラッド層132,133の材料として光学用射出成型樹脂(例えば、屈折率は1.5)が使用される。
【0056】
コア層131には、複数チャネルの光導波路、つまり複数本の送信用光導波路135および複数本の受信用光導波路136が形成されている。なお、他方の端部では、送信用光導波路135は受信用光導波路136となり、受信用光導波路136は送信用光導波路135となる。
【0057】
この場合、送信用光導波路135および受信用光導波路136は、光導波路アレイ103の幅方向に交互に配置されている。また、光導波路アレイ103の幅方向に並ぶ複数本の送信用光導波路135の端部位置が長さ方向に順次ずれるようにされている。同様に、光導波路アレイ103の幅方向に並ぶ複数本の受信用光導波路136の端部位置が長さ方向に順次ずれるようにされている。また、複数本の送信用導波路135の端部は、複数本の受信用導波路136の端部より、光導波路アレイ103の端部側に位置するようにされている。
【0058】
送信用光導波路135の端部135aは45゜ミラー面とされている。これにより、発光素子アレイ106の発光素子で発生された光信号をこの端部135aで光導波路135の長手方向側に反射させることができ、当該光信号を効率よく送信できる。また、受信用光導波路136の端部136aも45゜ミラー面とされている。これにより、光導波路136で伝送されてきた光信号をこの端部136aで受光素子アレイ107の受光素子側に反射させることができ、当該光信号を効率よく受信できる。
【0059】
また、各送信用光導波路135の端部135aおよび各受信用光導波路136の端部136aにそれぞれ対応して、上側のクラッド層132と一体的にレンズ104が形成されている。この場合、送信用光導波路135の端部135aに対応したレンズ104は、発光素子アレイ106の発光素子側からの平行光を当該端部135aに集光する集光レンズの働きをする。一方、受信用光導波路136の端部136aに対応したレンズ104は、当該端部136aからの発散光を平行光にするコリメートレンズの働きをする。
【0060】
また、光導波路アレイ103の端部において、上側のクラッド層132の両側および前側が下方に延長され、両側面および前面に所定の高さの壁板137が形成されている。このように壁板137が形成されることで、光導波路アレイ103がICソケット102a,102bの面に押し付けられた状態でも、光導波路135,136の部分は、ICソケット102a,102bの面から浮いた状態に置かれ、破損などを良好に回避できる。
【0061】
なお、位置決め用貫通穴113としての第1の穴113pおよび第2の穴113qは、上側のクラッド層132に形成される。
【0062】
図6Aは、発光素子アレイ106およびそれに装着されるレンズアレイ141(図1には図示せず)を示している。発光素子アレイ106は、上述した光導波路アレイ103の複数本の送信用光導波路135の端部135aに対応して、複数個の発光素子161を備えている。この発光素子161は例えば面発光レーザであって、下面側から光信号としてのレーザ光が出射される。また、この発光素子アレイ106の上面側には、各発光素子161に金属配線を介して接続された電極パッド162が設けられている。また、レンズアレイ141には、発光素子アレイ106の複数個の発光素子161にそれぞれ対応した複数個のレンズ142が形成されている。このレンズ142は、発光素子161からの発散光を平行光にするコリメートレンズの働きをする。
【0063】
図6Bは、受光素子アレイ107およびそれに装着されるレンズアレイ143(図1には図示せず)を示している。受光素子アレイ107は、上述した光導波路アレイ103の複数本の受信用光導波路136の端部136aに対応して、複数個の受光素子163を備えている。この受光素子163は例えばフォトダイオードであって、下面側から光信号としてのレーザ光が入射される。また、この受光素子アレイ107の上面側には、各受光素子163に金属配線を介して接続された電極パッド164が設けられている。また、レンズアレイ143には、受光素子アレイ107の複数個の受光素子163にそれぞれ対応した複数個のレンズ144が形成されている。このレンズ144は、光導波路アレイ103の受信用光導波路136側からの平行光を受光素子163の光入射面に集光する集光レンズの働きをする。
【0064】
次に、図1に示す光電複合装置100の製造方法の一例について説明する。
まず、プリント配線基板101上に、ICソケット102a,102bを実装する。この場合、プリント配線基板101上の電極とICソケット102a,102bの裏面の電極コンタクト122とを位置合わせして、プリント配線基板101上の電極とICソケット102a,102bとが電気的に接続されるように実装する。なお、プリント配線基板101上には、予めその他の電子部品などの実装および電気配線を行っておく。
【0065】
次に、ICソケット102a,102bに光導波路アレイ103を設置し、これらICソケット102a,102b間に光導波路アレイ103が架け渡された状態とする。この場合、光導波路アレイ103の両端部は、それぞれ、ICソケット102a,102bの溝状の凹部102dに配置される。この場合、ICソケット102a,102bに設置される光導波路アレイ103の長さが、これらICソケット102a,102bの距離より長いことが望ましい。これにより、光導波路アレイ103を撓ませた状態で固定でき、ICソケット102a,102bのプリント配線基板101上における位置決め誤差を吸収できる。
【0066】
次に、ICソケット102aの凸面上にインターポーザ105aを固定する。この場合、インターポーザ105aの裏面に設けられている8本の位置決め用ピン111の先端部111tが、ICソケット102aの凹部102dの底面に設けられた位置決め用穴112に挿入されることで、インターポーザ105aの位置決めが行われる。なおこの場合、光導波路アレイ103に対応した2本の位置決め用ピン111は、当該光導波路アレイ103の位置決め用貫通穴113(第1の穴113p、第2の穴113q)を通された後に、位置決め用穴112に挿入される。これにより、光導波路アレイ103の位置決めも同時に行われる。
【0067】
なお、このようにICソケット102aの凸面上にインターポーザ105aが固定されるとき、このインターポーザ105aには、例えばその四隅にICソケット102a側への付勢力が与えられ、当該インターポーザ105aはICソケット102aに押し付けられた状態とされる。
【0068】
次に、インターポーザ105aの表面に実装されている半導体チップ108aの上面に、アルミニウム製のフィン109を設置する。これにより、半導体チップ108aで発生される熱をフィン109を通して効率的に放熱できるようになる。
【0069】
次に、ICソケット102bの凸面上にインターポーザ105bを固定する。この場合、インターポーザ105bの裏面に設けられている8本の位置決め用ピン111の先端部111tが、ICソケット102bの凹部102dの底面に設けられた位置決め用穴112に挿入されることで、インターポーザ105bの位置決めが行われる。なおこの場合、光導波路アレイ103に対応した2本の位置決め用ピン111は、当該光導波路アレイ103の位置決め用貫通穴113(第1の穴113p、第2の穴113q)を通された後に、位置決め用穴112に挿入される。これにより、光導波路アレイ103の位置決めも同時に行われる。
【0070】
なお、このようにICソケット102bの凸面上にインターポーザ105bが固定されるとき、このインターポーザ105bには例えばその四隅にICソケット102b側への付勢力が与えられ、当該インターポーザ105bはICソケット102bに押し付けられた状態とされる。
【0071】
図7は、ICソケット102a側におけるインターポーザ105aおよび光導波路アレイ103の位置決め機構に係る部分を拡大して示したものである。この図7において、図1、図6と対応する部分には同一符号を付して示している。
【0072】
インターポーザ105aの表面には半導体チップ108aが実装されている。この場合、インターポーザ105aの表面の電極パッド152と半導体チップ108aの下面の電極パッド181との間に半田バンプ154が介在され、半導体チップ108aはインターポーザ105aの表面に半田付けされる。
【0073】
また、インターポーザ105aの裏面には発光素子アレイ106が実装されている。この場合、インターポーザ105aの裏面の電極パッド153と発光素子アレイ106の上面の電極パッド162との間に半田バンプ155が介在され、発光素子アレイ106はインターポーザ105aの裏面に半田付けされる。なお、この発光素子アレイ106の下面にレンズアレイ141が装着されている。
【0074】
また、光導波路アレイ103の端部が、ICソケット102aの溝状の凹部102dに配置されている。位置決め用ピン111は、インターポーザ105aの裏面に設けられた金属パッド156に半田付けされることで、当該インターポーザ105aの裏面に、下方に向かって植立されている。この位置決め用ピン111の先端部111tは、光導波路アレイ103の位置決め用貫通穴113を貫通して、ICソケット102aの位置決め用穴112に挿入(圧入)される。これにより、インターポーザ105aおよび光導波路アレイ103の双方の位置決めが同時に行われる。
【0075】
なお、上述の図7はICソケット102a側におけるインターポーザ105aおよび光導波路アレイ103の位置決め機構に係る部分を示したものである。説明は省略するが、ICソケット102b側におけるインターポーザ105bおよび光導波路アレイ103の位置決め機構に係る部分についても同様である。
【0076】
図8は、半導体チップ108(図1の半導体チップ108a,108bに相当)の入出力インタフェース部の構成を示している。
【0077】
この半導体チップ108は、電気信号用の第1のインタフェース部500と、光信号用の第2のインタフェース部600とを有している。この場合、電気信号による信号伝送を行う場合には第1のインタフェース部500が使用され、一方光信号による信号伝送を行う場合には第2のインタフェース部600が使用される。図1に示す光電複合装置100においては、第2のインタフェース部600が使用されることで、光信号による信号伝送が実現されている。
【0078】
第1のインタフェース部500は、一つ以上、図示の例ではn個のインタフェース回路500-1〜500-nを有している。インタフェース回路500-1〜500-nはnチャネル分(nレーン分)のインタフェース回路を構成している。このnチャネル分のインタフェース回路500-1〜500-nにより、nチャネル分の電気信号による信号伝送を並行して行うことができる。
【0079】
このnチャネル分のインタフェース回路500-1〜500-nは、それぞれ、送信インタフェース510および受信インタフェース520を含んでいる。これら送信インタフェース510および受信インタフェース520についてさらに説明する。なお、インタフェース規格は「PCI Express」であるとする。
【0080】
送信インタフェース510は、8−10変換回路511と、シリアライザ512と、ドライバ513とを有している。8−10変換回路511は、送信データ( Tx Data)としての8ビットパラレルデータを、直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換する。シリアライザ512は、8−10変換回路511より出力される10ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。
【0081】
ドライバ513は、シリアライザ512より出力されるシリアルデータに基づいて伝送路を差動駆動する。ドライバ513から出力される差動信号は、伝送路としての差動電気配線(図示せず)が接続される出力端子514a,514bに出力される。なお、差動信号にはバイアス電圧Vbiasが印加されている。
【0082】
受信インタフェース520は、レシーバ522と、デシリアライザ523と、10−8変換回路524とを有している。レシーバ522は、伝送路としての差動電気配線が接続される入力端子521a,521bに入力される差動信号に基づいてシリアルデータを得る。なお、差動信号には接地電圧GNDが印加されている。
【0083】
デシリアライザ523は、レシーバ522で得られるシリアルデータを10ビットパラレルデータに変換する。10−8変換回路524は、デシリアライザ523より出力される10ビットパラレルデータを受信データ(Rx Data)としての8ビットパラレルデータに変換する。
【0084】
インタフェース回路500-1〜500-nのそれぞれの動作を説明する。
送信データ( Tx Data)としての8ビットパラレルデータは8−10変換回路511で直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換される。この10ビットパラレルデータはシリアライザ512でシリアルデータに変換される。ドライバ513からは、このシリアルデータに基づいて、伝送路(差動電気配線)を差動駆動するための差動信号が得られる。この差動信号は出力端子521a,521bに出力される。
【0085】
また、伝送路(差動電気配線)から入力端子521a,521bに入力される差動信号はレシーバ522に供給され、このレシーバ522からシリアルデータが得られる。このシリアルデータはデシリアライザ523で10ビットパラレルデータに変換される。そして、この10ビットパラレルデータは10−8変換回路524で受信データ(Rx Data)としての8ビットパラレルデータに変換される。
【0086】
また、第2のインタフェース部600は、一つ以上、図示の例ではm個のインタフェース回路600-1〜600-mを有している。インタフェース回路600-1〜600-mはmチャネル分(mレーン分)のインタフェース回路を構成している。このmチャネル分のインタフェース回路600-1〜600-mにより、mチャネル分の光信号による信号伝送を並行して行うことができる。
【0087】
このmチャネル分のインタフェース回路600-1〜600-mは、それぞれ、送信インタフェース610および受信インタフェース620を含んでいる。これら送信インタフェース610および受信インタフェース620についてさらに説明する。なお、このインタフェースは、「PCI Express」に対応したものとされる。
【0088】
送信インタフェース610は、8−10変換回路611と、シリアライザ612と、ドライバ613とを有している。8−10変換回路611は、送信データ( Tx Data)としての8ビットパラレルデータを、直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換する。シリアライザ612は、8−10変換回路611より出力される10ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。
【0089】
ドライバ613は、シリアライザ612より出力されるシリアルデータに基づいて、光信号を出力する発光手段(図6の発光素子161に対応)を駆動する。ドライバ613からの駆動信号は出力端子614aに出力される。出力端子614bには接地電圧GNDが印加される。上述した発光素子161としての例えば面発光レーザのアノードは出力端子614aに接続され、そのカソードは出力端子614bに接続される。
【0090】
受信インタフェース620は、電流/電圧変換器622と、デシリアライザ623と、10−8変換回路624とを有している。電流/電圧変換器622は、光信号を受光する受光手段(図6の受光素子163に対応)で得られ、入力端子621a,621bに入力される電流信号を電圧信号に変換する。出力端子621bには、正の直流電圧VCCが印加されている。上述した受光素子163としての例えばフォトダイオードのカソードは入力端子621bに接続され、そのアノードは入力端子621aに接続される。
【0091】
なお、電流/電圧変換器622は、上述したように電流信号を電圧信号に変換する電流/電圧変換アンプとしての機能部の他に、受光手段で得られる電流信号を電流/電圧変換アンプに供給する際にインピーダンスマッチングをとるためのトランスインピーダンスアンプとしての機能部からなっている。
【0092】
デシリアライザ623は、電流/電圧変換器622で得られるシリアルデータを10ビットパラレルデータに変換する。10−8変換回路624は、デシリアライザ623より出力される10ビットパラレルデータを受信データ(Rx Data)としての8ビットパラレルデータに変換する。
【0093】
インタフェース回路600-1〜600-mのそれぞれの動作を説明する。
送信データ( Tx Data)としての8ビットパラレルデータは8−10変換回路611で直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換される。この10ビットパラレルデータはシリアライザ612でシリアルデータに変換される。ドライバ613からは、このシリアルデータに基づいて、発光手段を駆動するための駆動信号が得られる。この駆動信号は出力端子614aに出力される。
【0094】
また、受光手段で得られる電流信号は入力端子621a,621bに入力される。この電流信号は電流/電圧変換器622で電圧信号に変換される。この電圧信号としてのシリアルデータはデシリアライザ623で10ビットパラレルデータに変換される。そして、この10ビットパラレルデータは10−8変換回路624で受信データ(Rx Data)としての8ビットパラレルデータに変換される。
【0095】
上述した光電複合装置100(図1、図6、図7、図8参照)の動作を説明する。
ICソケット102a側で、半導体チップ108aの第2のインタフェース部600からの電気信号はインターポーザ105aの内部を通ってその裏面に実装された発光素子アレイ106の発光素子(例えば面発光レーザ)161に供給され、この発光素子161からは電気信号に対応して強度変調された光信号が発生される。
【0096】
この発光素子161からの光信号は発光素子アレイ106に装着されたレンズアレイ141のレンズ142により発散光から平行光とされる。この平行光は光導波路アレイ103の上面側のクラッド層132と一体的に形成されたレンズ104により送信用光導波路135の端部(45゜ミラー面)135aに集光され、光導波路135の長手方向側に反射される。これにより、ICソケット102a側の発光素子アレイ106の発光素子161で発生された光信号は、送信用光導波路135を通じて、ICソケット102b側に送信される。
【0097】
ICソケット102b側で、受信用光導波路136(ICソケット102a側では送信用光導波路135)を通じて送られてくる光信号は、端部(45゜ミラー面)136aで受光素子アレイ107の受光素子163側に反射される。この反射された光信号は光導波路アレイ103の上面側のクラッド層132と一体的に形成されたレンズ104により発散光から平行光とされる。この平行光は受光素子アレイ107に装着されたレンズアレイ143のレンズ144で集光されて受光素子(例えばフォトダイオード)163の光入射面に入射される。
【0098】
そして、光信号は受光素子163で光信号から電気信号に変換される。この電気信号は、インターポーザ105bの内部を通ってその表面に実装された半導体チップ108bの第2のインタフェース部600に供給される。これにより、ICソケット102a側のインターポーザ105aに実装された半導体チップ108aからの電気信号が、ICソケット102b側のインターポーザ105bに実装された半導体チップ108bに供給される。
【0099】
説明は省略するが、ICソケット102b側の半導体チップ108bからICソケット102a側の半導体チップ108aにも、同様にして電気信号が供給される。
【0100】
上述した光電複合装置100によれば、半導体チップ(半導体集積回路)108a,108bが光信号用の第2のインタフェース部600を備えているので、別途光電変換回路を設ける必要がなく、光信号による信号伝送を容易に実現できる。また、この半導体チップ(半導体集積回路)108a,108bは電気信号用の第1のインタフェース部500も備えているので、これを利用することで、電気信号による信号伝送も容易に実現できる。
【0101】
なお、上述実施の形態においては、半導体チップ108a,108bの双方が電気信号用の第1のインタフェース部500および光信号用の第2のインタフェース部600の双方を備えるものを示したが、いずれか一方が光信号用のインタフェース部のみを持つ構成、あるいは電気信号用のインタフェース部のみを持ち、別途光電変換回路を設ける構成も考えられる。
【0102】
次に、上述した光電複合装置を実際に適用し得る電子機器の一例を簡単に説明する。
図9は、コンピュータシステム200の構成を示している。このコンピュータシステム200は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリコントローラとしてのノースブリッジ202と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)203と、I/Oコントローラとしてのサウスブリッジ204と、バス205と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)206と、記憶装置207と、その他の入出力装置(I/O装置)208とを備えている。
【0103】
ノースブリッジ202は、光配線211を介してCPU201に接続されている。また、サウスブリッジ204は、光配線212を介してノースブリッジ202に接続されていると共に、さらに光配線211を介してCPU201に接続されている。また、DRAM203は、光配線213を介してノースブリッジ202に接続されている。CPU201は、OS(Operating System)およびアプリケーションプログラムに基づいて各部を制御する。ノースブリッジ202は、メモリ203へのアクセスを統括制御する。
【0104】
バス205は電気配線214を介してサウスブリッジ204に接続されている。また、ネットワークインタフェース206、記憶装置207およびその他のI/O装置208は、それぞれ、バス205に接続されている。記憶装置207は、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブなどである。I/O装置208は、ビデオ入出力装置、シリアルやパラレルのインタフェースなどである。
【0105】
図10は、光配線210(光配線211〜213のそれぞれに対応している)の構成例を示している。この光配線210は、Nチャネル分の光伝送系220-1〜220-Nを有している。光伝送系220-1〜220-Nのそれぞれは、第1の回路(第1の電子部品)から第2の回路(第2の電子部品)に光信号を伝送する第1の伝送系221と、第2の回路から第1の回路に光信号を伝送する第2の伝送系222とからなっている。
【0106】
第1の伝送系221は、パラレル/シリアル変換器(P/S変換器)221a、ドライバアンプ221b、発光素子としての半導体レーザ221c、光導波路221d、受光素子としてのフォトダイオード221e、トランスインピーダンスアンプ(TIA)221f、I/V変換アンプ(IVA)221gおよびシリアル/パラレル変換器(S/P変換器)221hを備えている。この場合、P/S変換器221a、ドライバアンプ221bおよび半導体レーザ221cは第1の回路側に配置され、フォトダイオード221e、TIA221f、IVA221gおよびS/P変換器221hは第2の回路側に配置され、光導波路221dは第1の回路と第2回路の間に配置される。
【0107】
同様に、第2の伝送系221は、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b、半導体レーザ222c、光導波路222d、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222gおよびS/P変換器222hを備えている。この場合、P/S変換器222a、ドライバアンプ222bおよび半導体レーザ222cは第2の回路側に配置され、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222gおよびS/P変換器222hは第1の回路側に配置され、光導波路222dは第2の回路と第1の回路の間に配置される。
【0108】
ここで、S/P変換器221a,222aは、それぞれ、伝送すべきデータ、例えばb0〜b7の8ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。ドライバアンプ221b,222bは、それぞれ、S/P変換器221a,222aで得られたシリアルデータに基づいて半導体レーザ221c,222cを駆動し、この半導体レーザ221c,222cからシリアルデータに対応した光信号を発生させる。TIA221f,222fは、それぞれ、フォトダイオード221e,222eからの光電変換による電流信号を、後続のI/V変換アンプ221g,222gに供給する際に、インピーダンスマッチングをとる。IVA221g,222gは、それぞれ、TIA221f,222fの出力信号である電流信号を電圧信号に変換する。S/P変換器221h,222hは、それぞれ、IVA221g,222gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータをパラレルデータに変換する。
【0109】
第1の回路から第2の回路にデータを伝送する際の動作について説明する。第1の回路側では、伝送すべき8ビットのパラレルデータはP/S変換器221aでシリアルデータに変換され、このシリアルデータはドライバアンプ221bに供給される。このドライバアンプ221bにより半導体レーザ221cが駆動され、この半導体レーザ221cからはシリアルデータに対応した光信号が発生される。そして、この光信号が光導波路221dを通って第2の回路側に伝送される。
【0110】
第2の回路側では、光導波路221dで伝送されてきた光信号がフォトダイオード221eに照射される。このフォトダイオード221eからの光電変換による電流信号は、インピーダンスマッチング用のTIA221fを介してIVA221gに供給され、電圧信号に変換される。そして、このIVA221gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータはS/P変換器221hでパラレルデータに変換される。
【0111】
このようにして、第1の回路から第2の回路にデータの伝送が行われる。なお、詳細説明は省略するが、第2の回路から第1の回路にデータを伝送する際の動作についても同様に行われる。図10に示す光配線210では、Nチャネル分の光伝送系220-1〜220-Nを有しているので、Nチャネル分のデータ送受信を並行して行うことができる。
【0112】
上述したコンピュータシステム200においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、上述した電子部品としてのCPU201、ノースブリッジ202、DRAM203、サウスブリッジ204およびバス205をそれぞれ構成する半導体チップが実装される。この場合、CPU201、ノースブリッジ202、DRAM203およびサウスブリッジ204の部分に、図1に示す光電複合装置100を適用でき、CPU201とノースブリッジ202の間、DRAM203とノースブリッジ202の間、ノースブリッジ202とサウスブリッジ204の間で、光信号を用いた信号伝送を良好に行うことができる。
【0113】
図11は、ゲーム機300の構成を示している。このゲーム機300は、ゲームアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムに基づいて信号処理や内部構成要素の制御を行うメインCPU301と、画像処理を行うグラフィックプロセッサ(GP)302と、インターネット等のネットワークとのインタフェースを行うためのネットワークインタフェース(ネットワークI/F)303と、インタフェース処理を行うIOプロセッサ(IOP)304と、DVDやCD等の光ディスク305の読み出し制御や当該読み出されたデータのデコードを行う光ディスク制御部306と、メインCPU301に接続されるメインメモリとしてのDRAM307と、IOプロセッサ304が実行する命令やデータを保持するためのIOPメモリ308と、主にオペレーティングシステム用のプログラムが格納されたOS−ROM309と、音声信号処理を行うサウンドプロセッサユニット(SPU)310と、圧縮波形データを格納するサウンドバッファ311とを基本構成として備えている。
【0114】
メインCPU301とネットワークI/F303は、光配線312により接続されている。メインCPU301とグラフィックプロセッサ302は、光配線313により接続されている。メインCPU301とIOプロセッサ304は、SBUS314により接続されている。IOプロセッサ304と、光ディスク制御部306、OS−ROM309およびサウンドプロセッサユニット310は、SSBUS315により接続されている。
【0115】
メインCPU301は、OS−ROM309に格納されたプログラムや、光ディスク305から読み出されてDRAM307にロードされたり、通信ネットワークを介してダウンロードされた、各種のゲームアプリケーションプログラム等を実行する。グラフィックプロセッサ302は、例えばビデオゲームにおけるレンダリング処理等を行い、ビデオ信号をディスプレイに出力する。
【0116】
IOプロセッサ304には、コントローラ(図示せず)が接続されるコントローラポート321、メモリカード(図示せず)が装填されるメモリカードスロット322、USB接続端子323およびIEEE1394接続端子324が接続されている。これにより、IOプロセッサ304は、コントローラポート321を介して接続されたコントローラ、メモリカードスロット322を介して接続されたメモリカード、USB接続端子323を介して接続された図示しない携帯電話機やパーソナルコンピュータとの間でデータの送受や、プロトコル変換等を行う。
【0117】
サウンドプロセッサユニット310は、サウンドバッファ311に格納されている圧縮波形データを、メインCPU301からの命令に基づいて所定のサンプリング周波数で再生することなどにより、様々なサウンドを合成し、オーディオ信号をスピーカに出力する。
【0118】
なお、光配線312,313は、それぞれ、上述の図10に示すように構成されており、メインCPU301とネットワークI/F303の間、およびメインCPU301とグラフィックプロセッサ302の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0119】
上述したゲーム機300においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、上述したメインCPU301等の基本構成電子部品としての半導体チップが実装される。
【0120】
この場合、メインCPU301、グラフィックプロセッサ302およびネットワークI/F303の部分に、図1に示す光電複合装置100を適用でき、メインCPU301とネットワークI/F303の間、メインCPU301とグラフィックプロセッサ302の間で、光信号を用いた信号伝送を良好に行うことができる。
【0121】
図12は、サーバ400の構成を示している。このサーバ400は、CPU401,402と、チップセット403と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)404と、メモリ405と、PCIブリッジ406と、ルータ407とを基本構成として備えている。
【0122】
チップセット403には、光配線411,412を介してCPU401,402が接続されていると共に、光配線413を介して、ネットワークI/F404が接続されている。また、チップセット403には、電気配線により、メモリ405、PCIブリッジ406およびルータ407が接続されている。ネットワークI/F404は、ネットワークとのインタフェースを行う。チップセット403は、CPU401,402、ネットワークI/F404、メモリ405およびPCIブリッジ406などを制御する。
【0123】
PCIブリッジ406には、PCIバス414を介して、記憶装置などのPCIデバイス415〜416が接続されている。ルータ407は、例えば、スイッチカード421およびラインカード422〜425から構成されている。ラインカード422〜425は、パケットの前処理を行うプロセッサであり、スイッチカード421はパケットの行き先をアドレスに従い切り替えるスイッチである。
【0124】
なお、光配線411〜413は、それぞれ、上述の図10に示すように構成されており、CPU401,401とチップセット403の間、およびチップセット403とネットワークI/F404の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0125】
上述したサーバ400においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、上述したメインCPU401,402、チップセット403等の基本構成電子部品としての半導体チップが実装される。
【0126】
この場合、CPU401,401、チップセット403、ネットワークI/F404の部分に、図1に示す光電複合装置100を適用でき、CPU401,401とチップセット403の間、およびチップセット403とネットワークI/F404の間で、光信号を用いた信号伝送を良好に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
この発明は、電気信号による信号伝送および光信号による信号伝送の双方を容易に実現できる半導体集積回路等を提供するものであり、例えばLSI等の半導体チップ間の光信号による信号伝送に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】実施の形態としての光電複合装置の概略断面図である。
【図2】実施の形態としての光電複合装置の概略斜視図である。
【図3】ICソケットの構成を示す概略斜視図である。
【図4】インターポーザの構成を示す概略斜視図である。
【図5】光導波路アレイの構成を示す概略斜視図および概略平面図である。
【図6】光導波路アレイ、発光素子アレイおよび受光素子アレイの詳細構成を示す図である。
【図7】インターポーザおよび光導波路アレイの位置決め機構に係る部分を示す図である。
【図8】半導体チップの入出力インタフェース部の構成を示すブロック図である。
【図9】コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図10】光配線の構成例を説明するための図である。
【図11】ゲーム機の構成を示すブロック図である。
【図12】サーバの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0129】
100・・・光電複合装置、101・・・プリント配線基板、102,102a,102b・・・ICソケット、102d・・・凹部、103・・・光導波路アレイ、104・・・レンズ、105,105a,105b・・・インターポーザ、106・・・発光素子アレイ、107・・・受光素子アレイ、108,108a,108b・・・半導体チップ、109・・・ヒートシンク、111・・・位置決め用ピン、111b・・・基部、111t・・・先端部、112・・・位置決め用穴、113・・・位置決め用貫通穴、113p・・・第1の穴、113q・・・第2の穴、131・・・コア層、132,133・・・クラッド層、135・・・送信用光導波路、135a・・・送信用光導波路の端部(45゜ミラー面)、136・・・受信用光導波路、136a・・・受信用光導波路の端部(45゜ミラー面)、137・・・壁板、141,143・・・レンズアレイ、142,144・・・レンズ、161・・・発光素子、163・・・受光素子、200・・・コンピュータシステム、210・・・光配線、300・・・ゲーム機、400・・・サーバ、500・・・電気信号用の第1のインタフェース部、500-1〜500-n・・・インタフェース回路、510・・・送信インタフェース、511・・・8−10変換回路、512・・・シリアライザ、513・・・ドライバ、514a,514b・・・出力端子、520・・・受信インタフェース、521a,521b・・・入力端子、522・・・レシーバ、523・・・デシリアライザ、524・・・10−8変換回路、600・・・光信号用の第2のインタフェース部、600-1〜600-m・・・インタフェース回路、610・・・送信インタフェース、611・・・8−10変換回路、612・・・シリアライザ、613・・・ドライバ、614a,614b・・・出力端子、620・・・受信インタフェース、621a,621b・・・入力端子、622・・・電流/電圧変換器、623・・・デシリアライザ、624・・・10−8変換回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備える
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
上記第2のインタフェース部は、一つ以上のインタフェース回路を有し、
上記インタフェース回路は、データを送信するための送信インタフェースおよびデータを受信するための受信インタフェースを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
上記送信インタフェースは、
送信データとしての8ビットパラレルデータを直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換する8−10変換回路と、
上記8−10変換回路より出力される10ビットパラレルデータをシリアルデータに変換するシリアライザと、
上記シリアライザより出力されるシリアルデータに基づいて光信号を出力する発光手段を駆動するドライバとを有し、
上記受信インタフェースは、
光信号を受光する受光手段で得られる電流信号を電圧信号に変換する電流/電圧変換器と、
上記電流/電圧変換器より出力される電圧信号としてのシリアルデータを10ビットパラレルデータに変換するデシリアライザと、
上記デシリアライザより出力される10ビットパラレルデータを受信データとしての8ビットパラレルデータに変換する10−8変換回路とを有する
ことを特徴する請求項2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
複数の電子部品からなり、該複数の電子部品に含まれる第1の電子部品と第2の電子部品との間で光信号を用いて信号伝送が行われる電子機器であって、
上記第1の電子部品および上記第2の電子部品の少なくともいずれかは、入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部と光信号用の第2のインタフェース部の双方を備える
ことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部および光信号用の第2のインタフェース部の双方を備える
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
上記第2のインタフェース部は、一つ以上のインタフェース回路を有し、
上記インタフェース回路は、データを送信するための送信インタフェースおよびデータを受信するための受信インタフェースを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
上記送信インタフェースは、
送信データとしての8ビットパラレルデータを直流成分を除去した10ビットパラレルデータに変換する8−10変換回路と、
上記8−10変換回路より出力される10ビットパラレルデータをシリアルデータに変換するシリアライザと、
上記シリアライザより出力されるシリアルデータに基づいて光信号を出力する発光手段を駆動するドライバとを有し、
上記受信インタフェースは、
光信号を受光する受光手段で得られる電流信号を電圧信号に変換する電流/電圧変換器と、
上記電流/電圧変換器より出力される電圧信号としてのシリアルデータを10ビットパラレルデータに変換するデシリアライザと、
上記デシリアライザより出力される10ビットパラレルデータを受信データとしての8ビットパラレルデータに変換する10−8変換回路とを有する
ことを特徴する請求項2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
複数の電子部品からなり、該複数の電子部品に含まれる第1の電子部品と第2の電子部品との間で光信号を用いて信号伝送が行われる電子機器であって、
上記第1の電子部品および上記第2の電子部品の少なくともいずれかは、入出力インタフェースとして、電気信号用の第1のインタフェース部と光信号用の第2のインタフェース部の双方を備える
ことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−201500(P2006−201500A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13221(P2005−13221)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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