説明

半導体集積回路装置および受信装置

【課題】RFIDのリーダライタ装置等の無線送受信装置において、回路規模を小さくすることができる技術を提供する。
【解決手段】UHF帯電子タグシステムにおけるリーダ/ライタ等の送受信機に用いられる半導体集積回路装置(IC)において、ベースバンド信号生成部201とDAC部203との間に、乗算器208と加算器209とレジスタ207とを含む演算部202を設ける。これにより、簡単な構成で容易に、ASK変調度およびASK変調信号のDCバイアスを調整することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術に関し、特に、送信スペクトルを調整可能とする無線送信機用の半導体集積回路装置、並びにRFID(Radio Frequency Identification)のリーダライタ装置に用いられる高周波フロントエンド部の構成に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者が検討した技術として、例えば、無線送受信機においては、以下の技術が考えられる。
【0003】
例えば、特許文献1は、上位装置に接続されて情報記憶媒体と無線通信を行う送受信装置における変調回路の設定、変更、ばらつきの調整を容易にして複数の仕様に対応した無線通信を行うため、CPUとメモリとを含む制御回路を有するデジタル部、アナログ部、コンデンサ、及びコイルとから構成され、さらにデジタル部は変調回路を有し、CPUから送られてくる8ビットの送信データであるパラレルデータをシリアルデータに変換するシフトレジスタ、このシフトレジスタからのシリアルデータを符号化し、同じくCPUから送られてくる変調度、出力レベルの重みづけ用のパラレルデータをラッチする2つのレジスタ、さらに2つのレジスタの出力を符号発生器の符号化に基づいて選択するセレクト回路からアナログ部に出力するというものである。
【0004】
また、特許文献2は、バースト送信を行う無線装置に関し、バースト信号の立ち上がり、立ち下がりを滑らかにすることによって、バースト送信時のスペクトラムの拡がりを抑えた送信機を提供するため、高周波入力信号が入力される増幅器の電源端子に、時定数を持つ回路を経て電源電圧を供給するように構成するとともに、電源電圧を制御信号によって動作するスイッチを経てオン/オフすることによって、制御信号に応じて滑らかに立ち上がり、立ち下がる、バースト状の高周波出力信号を得るというものである。
【0005】
非特許文献1は、構内無線局(950MHz帯移動体識別)の特性試験方法のうち、送信時間制限装置及び技術基準に関するものである。
【0006】
非特許文献2は、950MHz帯移動体識別用特定小電力機器の特性試験方法のうち、送信時間制限装置及び技術基準に関するものである。
【0007】
また、RFIDのリーダライタ装置においては、次の技術が考えられる。
【0008】
RFIDタグからリーダライタ装置へ送られる信号の変調方式は、ASK(Amplitude Shift Keying)変調であり、その変調方法は負荷変調(アンテナ端子間に設置したスイッチのオン/オフ等を利用して送信データに応じてアンテナインピーダンスを変化させてRFIDタグからの反射波量を変化させることによる変調方式)が一般的である。
【0009】
リーダライタ装置はASK変調波を検波して増幅し、ディジタル値に2値化した後、復号することで、RFIDからの正しいレスポンス信号を得る。ここで、RFIDタグのアンテナ間に設置したスイッチがオフの状態でのRFIDタグのアンテナとICチップとのインピーダンス整合状態によって、反射波における信号の変化方向が異なる。
【0010】
例えば、完全整合に近い状態の場合、RFIDタグのアンテナ間に設置したスイッチをオンにすることでインピーダンス整合状態が悪くなる。インピーダンス整合状態では反射波が少ないため、RFIDタグのアンテナ間に設置したスイッチがオフからオンに変わった場合、反射波レベルは増加する。
【0011】
一方、整合から外れている場合、RFIDタグのアンテナ間に設置したスイッチをオンにすることでインピーダンス整合状態が逆に良くなる場合がある。この場合は反射レベルが減少する。
【0012】
RFIDタグは、いろいろなものに貼り付けられて使用されるが、貼り付け対象物の誘電率が一定でないため、アンテナとICチップとのインピーダンス整合状態が変化する。結果として、先に説明したような反射波の信号の変化方向が変わってしまうことが起こる。
【0013】
リーダライタ装置は、反射波の信号の変化方向がポジティブ(反射波が増える場合)であってもネガティブ(反射波が減る場合)であっても信号を受信する必要があり、それぞれの信号を受信する専用の復調回路を用意していた。
【0014】
また、リーダライタ装置が電波を発射する前には、他のリーダライタシステムへ干渉を与えることなく通信するために、使用するつもりの周波数チャンネルが未使用であることの確認すなわちキャリアセンスが必要となる(これは日本国電波法の場合であり、米国は周波数ホッピングによる共用化のため、不要)。
【0015】
この機能の実現には、希望波の受信系方式に応じていくつかの方法が考えられる。例えばダイレクトコンバージョンでキャリア周波数を直接DC値に変換する方式や、ヘテロダイン方式やLow−IF方式などのようにIF(Intermediate frequency)周波数に変換した後、ASK復調回路にて復調する方法がある。
【0016】
なお、このようなRFIDのリーダライタ装置に関する技術としては、例えば、特許文献3、非特許文献1及び非特許文献2に記載される技術などが挙げられる。
【0017】
特許文献3は、第1のアンテナへの送信のための擬似乱数的に選択された無線周波数呼び掛け信号を発生し、データが取り出されるヘテロダイン受信器に結合される第2のアンテナを通って連続波後方散乱を介してRFIDタグデバイスから反射された変調無線周波数信号を受信する、無線周波数識別(RFID)呼び掛け器に関するものである。
【0018】
非特許文献1は、構内無線局(950MHz帯移動体識別)の特性試験方法のうち、キャリアセンス機能に関するものである。
【0019】
非特許文献2は、950MHz帯移動体識別用特定小電力機器の特性試験方法のうち、キャリアセンス機能に関するものである。
【特許文献1】特開2000−182003号公報
【特許文献2】特開平9−8675号公報
【特許文献3】特表2004−535700号公報
【非特許文献1】「構内無線局に使用する無線設備であって952MHz超え954MHz以下の周波数の電波を使用する無線設備(構内無線(950MHz帯移動体識別))の特性試験方法」、第4.0版、財団法人テレコムエンジニアリングセンター、2006年1月31日、p.23,24,27−30,34,35
【非特許文献2】「952MHz超え955MHz以下の周波数の電波を使用する移動体識別用特定小電力無線局に使用するための無線設備(950MHz帯移動体識別用特定小電力機器)の特性試験方法」、第1.0版、財団法人テレコムエンジニアリングセンター、2006年1月31日、p.18,19,22−24,25
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、前記のような無線送受信機の技術について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
【0021】
例えば、特許文献1の技術は、ソフト的な制御のため、高度で大規模な演算回路(CPUと情報記憶媒体)が必要であり、回路規模が大きい。そのため、複雑な調整の不要な無線送信機や小型化を狙った装置には向かない。
【0022】
また、演算をソフト的に処理するため、応答に時間を要し、処理に要する時間がかかる。
【0023】
さらに、バースト通信時のスペクトルの拡がりを抑える工夫はできておらず、特許文献2のような外部での処理が必要となる。そして、立ち上げ時間が必要となりバースト的な通信が必要でかつ、スペクトル制御を必要とする無線送信機には向かない。
【0024】
また、前記のようなRFIDのリーダライタ装置の技術について、検討した結果、次の2つの課題が明らかとなった。
【0025】
第一に、例えば、前述のように、RFIDからのレスポンスを受信するリーダライタ装置は、反射波の信号の変化方向がポジティブであってもネガティブであっても信号を正しく復調する必要があり、それぞれの信号を処理する専用の復調回路が必要となる。そのためそれぞれに専用の復調回路を用意し回路規模が大きくなる。ICチップの場合は、チップサイズが大きくなるデメリットがある。
【0026】
第二に、前述のキャリアセンスを実現するには、ヘテロダイン方式やLow−IF方式などのように、IF周波数に変換した後、ASK復調回路にて復調する方法は、イメージ周波数を抑圧する機構が別途必要となり、回路規模的な不利がある。
【0027】
また、直接、ベースバンド信号を得るダイレクトコンバージョン方式の場合は、キャリア周波数成分がDCに変換されるために、入力信号が無変調波である場合はDC成分のみになるために、入力信号が小さい場合は回路で発生するDCオフセット電圧との分離が困難となる。
【0028】
図12は、ダイレクトコンバージョン方式におけるキャリアセンス実行時の周波数変換の様子を示す説明図である。
【0029】
なお、以下の説明において、「通常の信号処理」とは、キャリアセンスではなく、RFIDからのレスポンス信号を受信する場合のダイレクトコンバージョンから2値化までの信号処理系を示す。
【0030】
図12に示すように、ダイレクトコンバージョン方式において、キャリアセンスしたい周波数チャンネルに変調波がある場合、ダイレクトコンバージョン後はRFIDからのレスポンスを受信するときと同じ帯域に周波数変換されるため通常の信号処理系を使った信号処理が可能である。しかし、キャリアセンスしたい周波数チャンネルに無変調波がある場合は周波数変換後の周波数はDCとなって、入力信号が小さい場合は回路で発生するDCオフセット電圧との分離が困難になるという問題がある。
【0031】
図13は、ヘテロダイン方式におけるキャリアセンス実行時の周波数変換の様子を示す説明図である。
【0032】
図13に示すように、ヘテロダイン方式では変調波および無変調波ともにIF周波数に変換されるためダイレクトコンバージョン方式における問題は発生しない。しかしながら周波数変換後のIF周波数が高いために、不要な信号を抑圧するための通常の信号処理系にあるフィルタを兼用することができず、別途用意する必要があるという問題がある。また、通常の信号処理系のフィルタと比べて中心周波数に対する帯域幅の仕様が厳しくなるため、フィルタの設計が通常困難になる。
【0033】
図14は、Low−IF方式におけるキャリアセンス実行時の周波数変換の様子を示す説明図である。
【0034】
図14に示すように、Low−IF方式でも変調波および無変調波ともにIF周波数に変換されるためダイレクトコンバージョン方式における問題は発生しない。また不要な信号を抑圧するための通常の信号処理系にあるフィルタを兼用することはできないのでフィルタを別途用意する必要があるという問題があるが、周波数変換後のIF周波数が比較的低いので、中心周波数に対する帯域幅の仕様はヘテロダインの場合と比べて緩和されるため、フィルタの設計は比較的容易である。
【0035】
しかし、Low−IF方式の場合、イメージ周波数がインバンドになるため、アンテナフィルタで抑圧することができず、イメージリジェクションミキサ技術などによって回路的に抑圧する必要があり、そのための回路が別途必要になるという問題もある。
【0036】
そこで、本発明の1つの目的は、無線送受信装置において、回路規模を小さくすることができる技術を提供することにある。
【0037】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0039】
すなわち、本発明による半導体集積回路装置は、ベースバンド信号生成部とDAC部との間に、乗算器と加算器とを設けることにより、容易に、ASK変調度およびASK変調信号のDCバイアスの調整が可能となるものである。
【0040】
また、本発明による受信装置は、ダイレクトコンバージョン方式の受信装置であって、高周波受信信号が入力される第1の増幅器と、前記第1の増幅器の出力が入力される復調器と、前記復調器の出力が入力されるフィルタと、前記フィルタの出力が入力される第2の増幅器と、前記第2の増幅器の出力が入力される2値化回路とを有するもので、前記2値化回路は、オフセットプラス加算系回路と、オフセットマイナス加算系回路とを有することを特徴とするもの、もしくは、前記第2の増幅器の出力が入力される検波回路と、前記検波回路の出力が入力されるコンパレータ回路とを有することを特徴とするもの、もしくは、前記2値化回路は、オフセットプラス加算系回路と、オフセットマイナス加算系回路とを有し、前記第2の増幅器の出力が入力される検波回路と、前記検波回路の出力が入力されるコンパレータ回路とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0041】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0042】
(1)情報記憶媒体や高度な演算回路が不要となり、高集積化、小型化を容易に実現できる。
【0043】
(2)通信の確立状態により変調度やDCバイアスを調整することで、通信時間をあまり必要としない通信手段では、通信成功率が向上し、システムとしての性能が向上する。
【0044】
(3)DAC前段での演算部による調整のため、きめ細かい調整が可能となる。
【0045】
(4)ベースバンド信号生成部と演算部を連動させることで、立ち上がり、立ち下がり時に見られるスペクトルの拡がりを抑えることが可能となり、外部で実現していた時定数回路が不要となる。
【0046】
(5)RFIDのリーダライタ装置等の受信装置において、部品点数を少なくすると共に回路規模を小さくすることが可能となり、製造コストや実装面積を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0048】
本発明は、例えば、電子タグシステムにおける無線送信機に関するものである。電子タグシステムについては、ISO/IEC,JTC1で、国際標準化が進められており、UHF帯電子タグシステムは860〜960MHz帯を使用することとなっている。また、ISO/IEC,JTC1での標準化は無線技術的条件(変調方式、符号化方式、通信速度等)の他にリーダ/ライタと電子タグの接続手順である通信プロトコルについても規定しており、現在、ISO/IEC,18000−6,タイプA、タイプBの2種類の規格が制定されている。
【0049】
また、EPCglobalにおいても電子タグシステムの標準化が行われており、UHF帯としてClass1,Generation2規格が制定された。EPCglobalは、このClass1,Generation2規格をISO/IEC,JTC1に提案し、ISO/IEC,18000−6,タイプCとして規格化された。
【0050】
図1は、ISO/IEC,18000−6,タイプCにおけるエンベロープ仕様を示す図であり、(a)はASK変調の波形、(b)はPR−ASK変調の波形、(c)はRFエンベロープパラメータを示す。
【0051】
本発明は、図1に示す仕様を満たすべく、ISO/IEC,18000−6,タイプC対応の無線送信機としてのリーダ/ライタ用の半導体集積回路装置を検討している中で発明されたものである。本発明は、この規格の中でも、通信の可否に影響を与える変調度(Modulation Depth;(A−B)/A)、並びにスペクトルマスク(Transmit mask)に影響を与える立ち上がり時間(RF Envelope Rise Time;t)、立ち下がり時間(RF Envelope Fall Time;t)及びパルス幅(RF Pulsewidth;PW)をデジタル回路により制御するものである。
【0052】
また、本発明は、非特許文献1及び非特許文献2に記載されているようなバースト通信(TELEC−T240,T242、送信時間制御装置規定)時の立ち上がり、立ち下がりのスペクトルマスクも考慮したものである。
【0053】
(実施の形態1)
図2(a)は本発明の実施の形態1による半導体集積回路装置の構成を示すブロック図、図2(b)は図2(a)に示した演算部202の構成を示すブロック図である。
【0054】
まず、図2により、本実施の形態1による半導体集積回路装置の構成の一例を説明する。本実施の形態1の半導体集積回路装置は、例えば、UHF帯電子タグ(RFID)システムにおけるリーダ/ライタ等の無線送信機に用いられる半導体集積回路装置(IC)とされ、周知の半導体製造技術によって1つの半導体チップ上に形成されている。この無線送信機機能を有する半導体集積回路装置は、例えば、送信用データを生成するベースバンド信号生成部201、変調度やDCバイアスを制御可能とするために乗算器208、加算器209およびレジスタ207にて構成される演算部202、デジタル信号をアナログ信号に変換するDAC(デジタル/アナログ・コンバータ)部203、送信データと搬送波をミキシングするミキサ部204、アンプ部205などから構成されている。なお、演算部202におけるレジスタ207、乗算器208及び加算器209は、デジタル回路すなわちハードウエアで構成される。
【0055】
ベースバンド信号生成部201で生成された送信用データは演算部202に入力される。演算部202では、変調度やDCバイアスなどを制御するため、レジスタ207内の設定条件(演算係数)に従い、乗算器208及び加算器209で演算が行われ、DAC部203へ出力される。DAC部203では、演算結果のデジタル信号がアナログ信号に変換されてミキサ部204へ出力される。ミキサ部204では、DAC部203からの送信データと搬送波がミキシングされてアンプ部205へ出力される。アンプ部205では、ミキシングされた信号が電力増幅されてアンテナ206へ出力され、アンテナ206から変調波が無線送信される。
【0056】
演算部202は、変調度(振幅)を調整するための乗算器208およびスペクトルパワーを調整する加算器209を備える。また、加算器209を1ステップあたりに加算する割合を調整することで立ち上がり、立ち下がり時のパワーを調整することが可能となり、バーストデータの開始、終了時のスペクトルマスクの調整が可能となる。なお、乗算器208における乗算係数や加算器209における加算係数を、予めレジスタ207に設定することで、高集積化が可能となる。
【0057】
図3は、本実施の形態1による半導体集積回路装置における演算部202での波形処理例を示す図である。
【0058】
図3において、(a)のベースバンド波形は、ベースバンド信号生成部201で生成された送信用データである。(a)では2値で表現しているが、256値で表現すると(b)のベースバンド波形のようになる。この場合、変調度は100%である。
【0059】
この(b)の256値のベースバンド波形に対して、演算部202の乗算器208により1/2乗算を行うと、(c)のような波形になる。この場合も、変調度は100%である。
【0060】
(c)の波形に対して、演算部202の加算器209により128加算を行うと(d)のような波形になる。この場合は、変調度は50%になる。
【0061】
(d)の変調度50%の波形に対して、演算部202の加算器209によりバースト制御加算を行うと(e)のような波形になる。バースト制御加算は、RF−ON(立ち上がり)時には時間の経過と共に少しずつインクリメントを行い、RF−OFF(立ち下がり)時には時間の経過と共に少しずつデクリメントを行う。
【0062】
デジタルフィルタが有る場合、(e)の波形に対して、デジタルフィルタを通すと、(f)のような波形になる。
【0063】
以上のように、ベースバンド波形に乗算のみを実施した場合、振幅方向で波形は変化する。振幅方向での均等な変化は、のちにオフセット加算(図1のB値)を実施することで、変調度の調整が可能となる。スプリアスで表現した場合、エネルギー総和(出力電力)の変化に起因する。
【0064】
加算のみを実施した場合、加算器はベースバンド信号のDC成分の変化に起因する。そのため、変調度を変化させたり、総エネルギーやピークパワーを変化させたりすることが可能となる。
【0065】
立ち上がり、立ち下がり時に加算器を動作させた場合、時間軸で1タイミングごとに加算(立ち下がり時は(マイナス値)を加算)することで高周波のパワースペクトルを減少し、立ち上がり、立ち下がり時のスペクトルマスクの調整が可能となる。
【0066】
したがって、ベースバンド信号生成部とDAC部の間にて乗算器と加算器を搭載することで、容易にASK変調度およびASK変調信号のDCバイアスを調整することが可能となる。
【0067】
また、デジタル回路処理により実現するため、ソフトでの実現より処理時間を短くすることが可能となる。
【0068】
さらに、立ち上がり、立ち下がり時に問題となるスペクトルの悪化もデジタル回路の演算により実現することで、外付けのアナログ回路が不要となる。また、アナログ回路を集積化した場合には調整やテスティングに時間が必要となるが、デジタル回路による実現のため、調整が不要でテスティング時間も短くすることができる。
【0069】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2による半導体集積回路装置の構成を示すブロック図である。
【0070】
本実施の形態2による半導体集積回路装置は、前記実施の形態1の半導体集積回路装置に対して、ベースバンド信号生成部201とDAC部203との間にデジタルフィルタ401を挿入した例である。
【0071】
演算部202とデジタルフィルタ401は、どちらも論理演算であり、どちらを先に実行しても問題はない。したがって、図4(a)のように演算部202の後ろにデジタルフィルタ401を付加してもよく、図4(b)のように演算部202の前にデジタルフィルタ401を付加してもよい。
【0072】
デジタルフィルタを付加することにより、立ち上がりおよび立ち下がりの波形が、より滑らかになる。
【0073】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3による半導体集積回路装置の構成を示すブロック図である。
【0074】
本実施の形態3による半導体集積回路装置は、前記実施の形態2の半導体集積回路装置(図4(a))に対して、送信信号と受信信号とを分離するサーキュレータ501と、変調波を受信する受信部502と、変調波から元のデータを取り出す復調部503と、受信状態を判定する受信状態判定部504とを付加した例である。
【0075】
復調部503で復調された元のデータに基づいて、受信状態判定部504で判定を行い、その判定結果に基づいて、レジスタ207内の演算係数を変更する。
【0076】
バックスキャッタ通信を実施する通信システムにおいて、受信状態判定部504で受信状態を判定することによって送信状態(変調度、DCバイアスなど)を調整することが可能となる。
【0077】
したがって、本実施の形態1〜3の半導体集積回路装置によれば、情報記憶媒体や高度な演算回路が不要となり、大規模な回路を必要とせず、高集積化、小型化を容易に実現できる。
【0078】
また、通信の確立状態により変調度やDCバイアスを調整することで、通信時間をあまり必要としない通信手段では通信成功率が向上し、システムとしての性能が向上する。
【0079】
また、DAC前段での演算部による調整のため、きめ細かい調整が可能となる。
【0080】
また、ベースバンド信号生成部と演算部を連動させることで、立ち上がり、立ち下がり時に見られるスペクトルの拡がり抑えることが可能となり、外部で実現していた時定数回路が不要となる。
【0081】
本発明は、パッシブ型RFIDを用いたリーダ/ライタ装置の送信機用集積回路に適用することができる。また、ASK変調を必要とする小型化が必要な送信機用集積回路に適用することができる。
【0082】
なぜなら、パッシブ型RFIDは、電源を持たないため簡易な通信手順が必須であり、また、チャネルを占有する時間が決まっているため、通信時間が短いからである。さらに、UHF帯のRFIDを用いた通信ではスペクトルマスクの制約が厳しく、バースト通信によるスペクトルの拡がりを抑える必要があるからである。
【0083】
(実施の形態4)
本実施の形態4では、前記実施の形態3の図5で示した受信部502及び復調部503の一実施形態としての受信装置について説明する。
【0084】
図6は本発明の実施の形態4による受信装置の基本構成を示すブロック図、図7は本発明の一実施の形態による受信装置の具体的な構成を示すブロック図である。
【0085】
まず、図6により、本実施の形態による受信装置の基本構成の一例を説明する。本実施の形態4の受信装置は、例えばRFIDのリーダライタ装置とされ、半導体集積回路(IC)などで構成される。この受信装置は、ASK信号受信系の受信装置であり、増幅器101、復調器102、フィルタ103、ディジタル信号化回路104などから構成される。そして、高周波受信信号が増幅器101に入力され、増幅器101の出力が復調器102に入力され、復調器102の出力がフィルタ103に入力され、フィルタ103の出力がディジタル信号化回路104に入力され、ディジタル信号化回路104から受信信号が出力される。
【0086】
図7に、図6の受信装置の具体的な構成を示す。図7の受信装置は、ダイレクトコンバージョン方式を採用している。
【0087】
図7に示すように、本実施の形態4による受信装置は、増幅器1201、発振器1202、90度位相シフト回路1203、ミキサ1204,1205、フィルタ1206,1207、増幅器1208,1209、2値化回路1210,1211などから構成される。そして、高周波受信信号が増幅器1201に入力され、発振器1202の出力が90度位相シフト回路1203に入力され、増幅器1201の出力と90度位相シフト回路1203の出力がミキサ1204,1205に入力され、ミキサ1204,1205の出力がフィルタ1206,1207に入力され、フィルタ1206,1207の出力が2値化回路1210,1211に入力され、2値化回路1210からIoutが出力され、2値化回路1211からQoutが出力される。
【0088】
図8は、図7の2値化回路1210,1211の詳細構成を示す図である。
【0089】
図7の2値化回路1210と2値化回路1211は、それぞれ、図8(a)のオフセットプラス加算系回路と、図8(b)のオフセットマイナス加算系回路を備えている。図8(a)のオフセットプラス加算系回路は、オフセットプラス加算器1301、コンパレータ1302などから構成される。図8(b)のオフセットマイナス加算系回路は、オフセットマイナス加算器1303、コンパレータ1304などから構成される。オフセットプラス加算器1301の入力信号の1401と1402、コンパレータ1302の入力信号の1403と1404、オフセットマイナス加算器1303の入力信号の1401と1402、コンパレータ1304の入力信号の1406と1407は、それぞれ差動信号の関係にある。なお、コンパレータ1302の出力信号1405とコンパレータ1304の出力信号1408は、それぞれシングル信号である。
【0090】
増幅器1208と増幅器1209のそれぞれの出力信号1401,1402がオフセットプラス加算器1301に入力されてオフセットプラス加算され、信号1403,1404としてコンパレータ1302に入力される。コンパレータ1302からは2値化信号1405が出力される。また、増幅器1208と増幅器1209のそれぞれの出力信号1401,1402がオフセットマイナス加算器1303に入力されてオフセットマイナス加算され、信号1406,1407としてコンパレータ1304に入力される。コンパレータ1304からは2値化信号1408が出力される。
【0091】
図9は、オフセットプラス加算器1301及びオフセットマイナス加算器1303の入力がポジティブ信号の場合における各信号の波形を示す図である。図9(a)に、オフセットプラス加算器1301及びオフセットマイナス加算器1303の入力信号波形(信号1401,1402)を示す。図9(b)に、オフセットプラス加算器1301によるオフセット加算後の波形(信号1403,1404)とコンパレータ1302による2値化出力(信号1405)を示す。図9(c)に、オフセットマイナス加算器1303によるオフセット加算後の波形(信号1406,1407)とコンパレータ1304による2値化出力(信号1408)を示す。
【0092】
図9(b),(c)に示すように、入力がポジティブ信号の場合、コンパレータ1302による2値化出力(信号1405)はLowレベルとなるが、コンパレータ1304による2値化出力(信号1408)はパルスが発生する。そこで、信号1405と信号1408のうち、最初の立ち上がりエッジを検出し、信号1405と信号1408から信号出力を選択して固定する。この場合は、信号1408が選択され、その後の信号処理が行われる。
【0093】
図10は、オフセットプラス加算器1301及びオフセットマイナス加算器1303の入力がネガティブ信号の場合における各信号の波形を示す図である。図10(a)に、オフセットプラス加算器1301及びオフセットマイナス加算器1303の入力信号波形(信号1401,1402)を示す。図10(b)に、オフセットプラス加算器1301によるオフセット加算後の波形(信号1403,1404)とコンパレータ1302による2値化出力(信号1405)を示す。図10(c)に、オフセットマイナス加算器1303によるオフセット加算後の波形(信号1406,1407)とコンパレータ1304による2値化出力(信号1408)を示す。
【0094】
図10(b),(c)に示すように、入力がネガティブ信号の場合、コンパレータ1304による2値化出力(信号1408)はLowレベルとなるが、コンパレータ1302による2値化出力(信号1405)はパルスが発生する。そこで、信号1405と信号1408のうち、最初の立ち上がりエッジを検出し、信号1405と信号1408から信号出力を選択して固定する。この場合は、信号1405が選択され、その後の信号処理が行われる。
【0095】
なお、図9及び図10において、実線と破線は、差動信号の関係である。また、図9(a)及び図10(a)において、信号1401と信号1402が重なっている部分は無変調信号レベルである。
【0096】
以上のように、受信した信号の無変調信号レベルに対するポジティブ信号、ネガティブ信号それぞれに対応したコンパレータ1302,1304を設け、無信号状態から先に反応したコンパレータ1302,1304を検出することで出力信号を選択固定し、信号処理を行う。
【0097】
これによって、ポジティブ信号、ネガティブ信号それぞれに信号処理回路を用意することなく、1つの回路で信号処理が可能となり、回路規模を削減できる。また、選択されたコンパレータ1302,1304は1つのレスポンス受信完了と共に選択解除され、次のレスポンスでは適切なコンパレータ1302,1304が選択される。この動作によって、リーダライタ装置の受信特性が向上する。
【0098】
図15は、本発明におけるキャリアセンスに必要な基本構成を示すブロック図である。
【0099】
図15に示すように、本発明におけるキャリアセンスに必要な基本構成は、増幅器1001、発振器1002、ミキサ1003、フィルタ1004、増幅器1005、検波器1006、コンパレータ1007などからなる。増幅器1001には高周波受信信号が入力され、ミキサ1003には発振器1002の出力と増幅器1001の出力が入力され、フィルタ1004にはミキサ1003の出力が入力され、増幅器1005にはフィルタ1004の出力が入力され、検波器1006には増幅器1005の出力が入力され、コンパレータ1007には検波器1006の出力が入力されキャリアセンスが出力されている。
【0100】
ここで、発振器1002の出力周波数を、チャネル周波数間隔以下のLow−IFが得られる周波数とする。
【0101】
図16は、本発明におけるキャリアセンス回路の実施例を示すブロック図である。
【0102】
図16に示すように、このキャリアセンス回路は、前記図7の受信装置の増幅器1208の後に、検波器1006とコンパレータ1007を追加したものである。
【0103】
図11は、本実施の形態4による受信装置におけるキャリアセンス実行時の周波数変換の様子を示す説明図である。
【0104】
チャンネル周波数よりも低いローカル周波数で周波数変換すると、図11に示すように、変調波のみならず無変調波もIF周波数に変換される。このIF周波数はダイレクトコンバージョンの場合とほぼ同様の帯域を有するため、不要な信号を抑圧するために通常の信号処理系にあるフィルタを共有することができ、フィルタを別途設ける必要が無いという優位点がある。
【0105】
また、通常のLow−IF方式と異なり、図11に示すように、周波数変換後の周波数が重なって分離できないイメージ周波数が存在しないため、イメージリジェクション技術も不要という利点がある。
【0106】
そこで、本実施の形態4による受信装置においては、通常のレスポンス信号受信時はダイレクトコンバージョンとして動作し、キャリアセンス時には、そのIF周波数がチャンネル周波数以下の低い周波数を用いる「チャネル周波数間隔以下のIF周波数のLow−IF方式」を使用する。
【0107】
したがって、通常の信号受信時にダイレクトコンバージョン動作するので、イメージ周波数を抑圧する機構が不要となる。キャリアセンス時には、そのIF周波数がチャンネル周波数間隔以下の低いIF周波数を用いることで、Low−IF方式でありながらイメージ周波数抑圧機構を必要とせず、変調波および無変調波の信号処理が可能となる。
【0108】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0109】
例えば、前記実施の形態1〜3においては、UHF帯電子タグシステムについて説明したが、これに限定されるものではなく、他の周波数帯の送受信機システムについても適用可能である。
【0110】
また、前記実施の形態4においては、RFIDのリーダライタ装置等の受信装置について説明したが、これに限定されるものではなく、他の受信装置についても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、パッシブ型RFIDを用いたリーダ/ライタ装置の送受信機用集積回路に適用可能である。また、ASK変調を必要とする小型化が必要な送受信機用集積回路にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】(a),(b),(c)はISO/IEC,18000−6,タイプCにおけるエンベロープ仕様を示す図である。
【図2】(a),(b)は本発明の実施の形態1による半導体集積回路装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1による半導体集積回路装置における演算部での波形処理例を示す図である。
【図4】(a),(b)は本発明の実施の形態2による半導体集積回路装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3による半導体集積回路装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態4による受信装置の基本構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態4による受信装置の具体的な構成を示すブロック図である。
【図8】(a)、(b)は、図7の2値化回路の詳細構成を示す図である。
【図9】(a)、(b)、(c)は、オフセットプラス加算器及びオフセットマイナス加算器の入力がポジティブ信号の場合における各信号の波形を示す図である。
【図10】(a)、(b)、(c)は、オフセットプラス加算器及びオフセットマイナス加算器の入力がネガティブ信号の場合における各信号の波形を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態4による受信装置におけるキャリアセンス実行時の周波数変換の様子を示す説明図である。
【図12】ダイレクトコンバージョン方式におけるキャリアセンス実行時の周波数変換の様子を示す説明図である。
【図13】ヘテロダイン方式におけるキャリアセンス実行時の周波数変換の様子を示す説明図である。
【図14】Low−IF方式におけるキャリアセンス実行時の周波数変換の様子を示す説明図である。
【図15】本発明におけるキャリアセンスに必要な基本構成を示すブロック図である。
【図16】本発明におけるキャリアセンス回路の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0113】
201 ベースバンド信号生成部
202 演算部
203 DAC部
204 ミキサ部
205 アンプ部
206 アンテナ
207 レジスタ
208 乗算器
209 加算器
401 デジタルフィルタ
501 サーキュレータ
502 受信部
503 復調部
504 受信状態判定部
101,1201,1208,1209,1001,1005 増幅器
102 復調器
103,1206,1207,1004 フィルタ
104 ディジタル信号化回路
1202,1002 発振器
1203 90度位相シフト回路
1204,1205,1003 ミキサ
1210,1211 2値化回路
1301 オフセットプラス加算器
1302,1304,1007 コンパレータ
1303 オフセットマイナス加算器
1401〜1408 信号
1006 検波器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信用データを生成するベースバンド信号生成部と、
前記ベースバンド信号生成部で生成された送信用データに対して演算処理を行う演算部と、
前記演算部から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換回路と、
前記デジタル/アナログ変換回路から出力された信号と搬送波とをミキシングするミキサ部とを有し、
前記演算部は、乗算器と、加算器と、前記乗算器及び前記加算器の演算係数が保持されるレジスタとを有することを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記演算部における演算処理は、前記送信用データに対して変調度及びDCバイアスを調整するものであることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記演算部は、デジタル回路によるハードウエアで構成されていることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記演算部における演算処理は、前記送信用データに対して、立ち上がり時に時間の経過と共にインクリメントし、立ち下がり時に時間の経過と共にデクリメントするものであることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
さらに、変調波を受信する受信部と、
前記受信部で受信された変調波から元のデータを取り出す復調部と、
前記復調部の出力に基づいて、受信状態を判定する受信状態判定部とを有し、
前記受信状態判定部による判定結果に基づいて前記レジスタ内の演算係数が変更されることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置において、
前記半導体集積回路装置は、UHF帯電子タグシステムの送信機に利用されることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項7】
ダイレクトコンバージョン方式の受信装置であって、
高周波受信信号が入力される第1の増幅器と、
前記第1の増幅器の出力が入力される復調器と、
前記復調器の出力が入力されるフィルタと、
前記フィルタの出力が入力される第2の増幅器と、
前記第2の増幅器の出力が入力される2値化回路とを有し、
前記2値化回路は、オフセットプラス加算系回路と、オフセットマイナス加算系回路とを有することを特徴とする受信装置。
【請求項8】
請求項7記載の受信装置において、
前記オフセットプラス加算系回路は、前記第2の増幅器の出力の差動信号をオフセットプラス加算する第1の加算器と、前記第1の加算器の出力の差動信号が入力される第1のコンパレータとを有し、
前記オフセットマイナス加算系回路は、前記第2の増幅器の出力の差動信号をオフセットマイナス加算する第2の加算器と、前記第2の加算器の出力の差動信号が入力される第2のコンパレータとを有することを特徴とする受信装置。
【請求項9】
請求項8記載の受信装置において、
前記第2の増幅器の出力が、無変調信号レベルに対するポジティブ信号の場合は、前記第2のコンパレータが選択され、
前記第2の増幅器の出力が、無変調信号レベルに対するネガティブ信号の場合は、前記第1のコンパレータが選択されることを特徴とする受信装置。
【請求項10】
請求項8記載の受信装置において、
前記第1のコンパレータと前記第2のコンパレータのうち、その出力が先に立ち上がった方が選択され、その後の信号処理が行われることを特徴とする受信装置。
【請求項11】
請求項8記載の受信装置において、
前記受信装置は、RFID用のリーダライタ装置に用いられることを特徴とする受信装置。
【請求項12】
ダイレクトコンバージョン方式の受信装置であって、
高周波受信信号が入力される第1の増幅器と、
前記第1の増幅器の出力が入力される復調器と、
前記復調器の出力が入力されるフィルタと、
前記フィルタの出力が入力される第2の増幅器と、
前記第2の増幅器の出力が入力される検波回路と、
前記検波回路の出力が入力されるコンパレータ回路とを有し、
キャリアセンス時には、IF周波数がチャンネル周波数間隔以下であるLow−IF方式が用いられることを特徴とする受信装置。
【請求項13】
請求項12記載の受信装置において、
前記受信装置は、RFID用のリーダライタ装置に用いられることを特徴とする受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−61218(P2008−61218A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89313(P2007−89313)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度経済産業省「平成17年度エネルギー使用合理化電子タグシステム開発調査事業(UHF帯電子タグの製造技術及び実装技術の開発)」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】