説明

半導体集積回路装置の製造方法

【課題】従来からの運用では、主にレチクルはレチクル・ケースに収容された状態で、レチクル・ストッカに保管されるため、レチクル・ケース自体から出る脱ガスの影響を受けやすく、脱ガス成分の付着と微細化による露光時の照射エネルギーの増加とあいまって、ヘイズが発生することが明らかとなった。
これらのことから、レチクル・ケースに収容しない状態でレチクルを保管するベア・レチクル・ストッカ(ベア・レチクル保管庫)の適用が有効である。しかしながら、ベア・レチクル・ストッカのレチクル入出庫能力は比較的低いという問題がある。
【解決手段】本願発明は光リソグラフィ工程において、比較的ラフなプロセスに使用するレチクルは、レチクル・ケースに収容して保管し、比較的微細なプロセスに使用するレチクルは、レチクル・ケースに収容しないで保管するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置(または半導体装置)の製造方法に関し、特に、半導体製造工程におけるレチクル保管及び自動搬送技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特開2006−024850号公報(特許文献1)には、レチクルの保管時には、レチクルをレチクル・ポッドに収容した状態か、または、単体の状態でレチクル・ストッカに保管し、レチクルの搬送時にはレチクルをレチクル・ポッドに収容した状態で搬送する半導体集積回路装置の製造工程(ウエハ工程)技術が開示されている。そこにおいては、効率的な半導体装置の製造システムの運用を図るため、レチクルとレチクル・ポッドとの関連付けの切断タイミングをホスト・システム上と個々の露光装置上とで同期させる技術が示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−024850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近の微細化製品製造の増加に伴い、品質維持技術が課題となってきた。具体的には90nm以下の微細プロセスにおいては、従来考慮不要であったレチクル・パターン表面上の化学成長物質などの微細付着物・成長異物の排除、すなわちレチクル・ヘイズ(Reticle Haze)対策が、製品品質・歩留まりを大きく左右するキー・パラメータとなることがわかってきた。
【0005】
本願発明者らの検討によると、従来からの運用では、主にレチクルはRSP(Reticle SMIF Pod)などのレチクル・ケース(レチクル搬送容器)に収容された状態で、レチクル・ストッカに保管されるため、レチクル・ケース自体から出る脱ガスの影響を受けやすく、脱ガス成分の付着と微細化による露光時の照射エネルギーの増加とあいまって、ヘイズが発生することが明らかとなった。
【0006】
このヘイズ対策としては、更に脱ガス成分の少ないプラスチック材料を用いたレチクル・ケースを試用することも考えられるが、他の要求仕様を満たし、脱ガス成分も少ない材料を開発することは必ずしも容易ではない。また、レチクルの検査や洗浄の頻度を増やすことも考えられるが、それ自体大幅なコストアップとであり、レチクルの洗浄回数には限度があるという根本的な問題もある。
【0007】
一方、レチクル・ケースに起因して発生することから、レチクル・ケースに収容しない状態でレチクルを保管するベア・レチクル・ストッカ(ベア・レチクル保管庫)の適用が有効である。しかしながら、ベア・レチクル・ストッカのレチクル入出庫能力は比較的低いという問題がある。
【0008】
本願発明は、これらの課題を解決するためになされたものである。
【0009】
本発明の目的は、信頼性の高い半導体集積回路装置の製造プロセスを提供することにある。
【0010】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0012】
すなわち、本願発明は光リソグラフィ工程において、比較的ラフなプロセスに使用するレチクル(たとえばKrFエキシマ・レーザ露光用レチクル)は、レチクル・ケースに収容して保管し、比較的微細なプロセスに使用するレチクル(たとえばArFエキシマ・レーザ露光用レチクル)は、レチクル・ケースに収容しないで保管するものである。
【発明の効果】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0014】
すなわち、光リソグラフィ工程において、比較的ラフなプロセスに使用するレチクルは、レチクル・ケースに収容して保管し、比較的微細なプロセスに使用するレチクルは、レチクル・ケースに収容しないで保管するので、ベア・レチクル・ストッカが管轄するレチクル数を比較的少量に抑えることができる。その結果、ベア・レチクル・ストッカのレチクル入出庫が工程の隘路となることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0016】
1.以下の光リソグラフィ・ラインを使用する半導体集積回路装置の製造方法であって、前記光リソグラフィ・ラインは、以下を含む:
(a)第1の最小加工寸法を有する第1の光リソグラフィ処理装置群;
(b)前記第1の最小加工寸法よりも小さい第2の最小加工寸法を有する第2の光リソグラフィ処理装置群;
(c)前記第1の光リソグラフィ処理装置群で使用される第1のレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収納した状態で保管する第1のレチクル保管庫;
(d)前記第2の光リソグラフィ処理装置群で使用される第2のレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収容しない状態で保管する第2のレチクル保管庫。
【0017】
2.前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記光リソグラフィ・ラインは、更に、以下を含む:
(e)前記第2のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するための空のレチクル・ケースを保管するレチクル・ケース・ストッカ。
【0018】
3.前記2項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記光リソグラフィ・ラインは、更に、以下を含む:
(f)前記第1の光リソグラフィ処理装置群、前記第2の光リソグラフィ処理装置群、前記第1のレチクル保管庫、前記第2のレチクル保管庫、および前記レチクル・ケース・ストッカ間で、レチクル・ケースを搬送するレチクル・ケース搬送機構。
【0019】
4.前記3項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第2のレチクル保管庫と前記レチクル・ケース・ストッカとは、前記レチクル・ケース搬送機構上において近接して配置されている。
【0020】
5.前記1から4項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するレチクル・ケースと、前記第2のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するレチクル・ケースとは異なる。
【0021】
6.前記3から5項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース搬送機構は、OHT,OHS,RGV,およびAGVの少なくとも一つを含む。
【0022】
7.前記3から5項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース搬送機構は、ウエハ搬送機構を兼ねている。
【0023】
8.以下の光リソグラフィ・ラインを使用する半導体集積回路装置の製造方法であって、前記光リソグラフィ・ラインは、以下を含む:
(a)第1の最小加工寸法を有する第1の光リソグラフィ処理装置群;
(b)前記第1の最小加工寸法よりも小さい第2の最小加工寸法を有する第2の光リソグラフィ処理装置群;
(c)前記第1の光リソグラフィ処理装置群で使用される第1のレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収納した状態で保管する天井搬送機構;
(d)前記第2の光リソグラフィ処理装置群で使用される第2のレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収容しない状態で保管するベア・レチクル保管庫。
【0024】
9.前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記天井搬送機構には、前記第2のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送する空のレチクル・ケースをも保管する。
【0025】
10.前記8または9項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記天井搬送機構は、天井コンベアまたはOHBである。
【0026】
11.前記8から10項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するレチクル・ケースと、前記第2のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するレチクル・ケースとは異なる。
【0027】
12.以下の光リソグラフィ・ラインを使用する半導体集積回路装置の製造方法であって、前記光リソグラフィ・ラインは、以下を含む:
(a)光リソグラフィ処理装置群;
(b)前記光リソグラフィ処理装置群で使用されるレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収容しない状態で保管するベア・レチクル保管庫;
(c)前記ベア・レチクル保管庫に近接して設置されたレチクル・ケース・ストッカ;
(d)前記ベア・レチクル保管庫と前記レチクル・ケース・ストッカ間でレチクル・ケースを移送するためのレチクル・ケース移し替え機構。
【0028】
13.前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記光リソグラフィ・ラインは、更に、以下を含む:
(e)前記光リソグラフィ処理装置群、前記ベア・レチクル保管庫、および前記レチクル・ケース・ストッカ間で、レチクル・ケースを搬送するレチクル・ケース搬送機構。
【0029】
14.前記13項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース搬送機構は、OHT,OHS,RGV,およびAGVの少なくとも一つを含む。
【0030】
15.前記13項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース搬送機構は、ウエハ搬送機構を兼ねている。
【0031】
16.前記12から15項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース移し替え機構は、前記ベア・レチクル保管庫のポート上の空きレチクル・ケースを前記レチクル・ケース・ストッカのポート上へ移送する。
【0032】
17.前記12から16項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース移し替え機構は、前記レチクル・ケース・ストッカのポート上の空きレチクル・ケースを前記ベア・レチクル保管庫のポート上へ移送する。
【0033】
18.以下の光リソグラフィ・ラインを使用する半導体集積回路装置の製造方法であって、前記光リソグラフィ・ラインは、以下を含む:
(a)光リソグラフィ処理装置群;
(b)前記光リソグラフィ処理装置群で使用されるレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収容しない状態で保管するベア・レチクル保管庫;
(c)前記レチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するための空のレチクル・ケースを保管する天井搬送機構。
【0034】
19.前記18項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記天井搬送機構は、OHT,OHS,およびOHBの少なくとも一つを含む。
【0035】
20.前記18項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記天井搬送機構は、ウエハ搬送機構を兼ねている。
【0036】
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0037】
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。
【0038】
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0039】
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0040】
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体集積回路装置(半導体装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、SOI基板、LCDガラス基板等の絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
【0041】
6.本願において「群」というときは、その要素の数は「1」を含む自然数である。
【0042】
7.以下の実施の形態でも同様であるが、一般に半導体製造ラインで使用されるウエハ又はレチクルの搬送系は、フロア面近傍を移動するフロア搬送系(Floor−Based transportation System)と天井面近傍を移動する天井搬送系(Overhead or Ceiling−Supported transportation System)の2種類に大別される。フロア搬送系の主な例としては、RGV(Rail Guided Vehicle)、AGV(Automatic Guided Vehicle)等がある。一方、天井搬送系(天井搬送機構)の主な例としては、OHV(Overhead Hoist Vehicle)、OHT(Overhead Hoist Transport)、OHS(Overhead Hoist Shuttle)、天井コンベア(Overhead Powered Roller Conveyor)等がある。また、天井搬送系の中には、簡易なストッカ(Stocker)を兼ねたOHB(Overhead Hoist Buffer)等がある。
【0043】
8.一般に(以下の実施の形態でも同じ)半導体製造ラインで使用されるウエハ搬送容器の代表例は、フープ(Foup:Front Opening Unified Pod)である。また、レチクル容器の代表例は、RSP(Reticle SMIF Pod)等である。なお、レチクル容器について、「異なる」とは、「ほぼ同一形状(形状の相違を許容する)、同一材料でもよいが、少なくとも個体として異なる」すなわち、微細プロセス用とラフプロセス用は相互に混ざり合わないように使い分けしていることを示す。もちろん、同一材料ではなく、材料の全部又は一部を最適化してもよいことは言うまでもない。
【0044】
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0045】
以下では、光リソグラフィ・ライン23(図1参照)の全体構成、レチクル・ケースの使い分け(図5参照)、ウエハ・レチクルの搬送系の相互乗り入れ(共用)等については、セクション2から4においても、ほぼそのまま適用可能であるが、主にセクション1で説明し、原則として同一の説明を他のセクションでは繰り返さない。すなわち、セクション1以外では、原則としてセクション1と異なる部分のみを説明する。
【0046】
なお、レチクルがレチクル・ポッドに入った状態を作図上、レチクル・ポッド上にレチクルを搭載したように示すが、これはレチクル・ポッドがレチクルを内部に有することを示す。すなわち、レチクル・ポッドがからではないことを示すものである。
【0047】
1.本願発明の第1の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法の説明(主に図1から図6)
図1は本願発明の第1の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における光リソグラフィ・ラインの概要を示すクリーン・ルーム模式平面レイアウト図である。図2は図1におけるレチクル受け入れ装置一般(リソグラフィ装置、レチクルおよびレチクル・ポッド・ストッカなど)とレチクル搬送系(レチクル・ケース搬送機構)の間でのレチクルの受け渡しを説明するための装置模式断面図である。図3は図1におけるラフ寸法加工用レチクル(第1のレチクル群に属するレチクル)に関する部分を切り出したクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。図4は図1における微細寸法加工用レチクル(第2のレチクル群に属するレチクル)に関する部分を切り出したクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。図5は図1におけるレチクル・ポッド(レチクル容器)の使い分けを示すレチクル・ポッド群斜視図である。図6は図1におけるウエハ搬送系とレチクル搬送系(レチクル・ケース搬送機構)の間の共用関係を説明する搬送系斜視図である。これらに基づいて、本願発明の第1の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法を説明する。
【0048】
まず、図1に基づいて、本願発明の第1の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法に使用するウエハ・ライン内の光リソグラフィ・ライン23の構成の概要を説明する。図1に示すように、光リソグラフィ・ライン23内には、フープ3に収容されたウエハ1を搬送するウエハ搬送系5、およびレチクル・ポッド4,4a,4bに収容されたレチクル2,2a,2bを搬送するレチクル搬送系6(レチクル・ケース搬送機構)が網の目のように張り巡らされている。ウエハ搬送系5には、ウエハ搬送車7が、レチクル搬送系6にはレチクル搬送車8が複数設置されている。これらのウエハ搬送系5およびレチクル搬送系6は、相互乗り入れ部9(連結部)で相互に乗り入れ可能としてもよい(搬送自由度の向上等の効果がある)。
【0049】
これらの間に、各種の装置が配置されている。各種の装置の例としては、以下のものがある。ウエハ・ストッカ11は、ウエハ1を収容したフープ3を保管する場所である。ラフ寸法光リソグラフィ一貫装置群21は、加工寸法が比較的大きいプロセス層に関する(たとえばKrFエキシマ・レーザ露光に関する)ラフ寸法光リソグラフィ一貫装置18aからなる装置群である。微細寸法光リソグラフィ一貫装置群22は、加工寸法が比較的小さいプロセス層に関する(たとえばArFエキシマ・レーザ露光に関する)微細寸法光リソグラフィ一貫装置19aからなる装置群である。レチクル・ポッド内収容レチクル保管庫12(第1のレチクル保管庫)は、ラフ寸法加工用レチクル・ポッド4a(レチクル容器)内に収容された状態で、ラフ寸法加工用レチクル2aを保管する場所である。ベア・レチクル保管庫14(第2のレチクル保管庫)は、微細寸法加工用レチクル2b(第2のレチクル群に属するレチクル)を微細寸法加工用レチクル・ポッド4bに収容しない状態で保管する場所である。空レチクル・ポッド保管庫15は微細寸法加工用レチクル2bを収容するための微細寸法加工用レチクル・ポッド4bを空の状態で保管する場所である。これらの各装置には、ウエハ搬送系5またはレチクル搬送系6(レチクル・ケース搬送機構)とのインターフェースとして、必要に応じて、共通ウエハ・ポート16、共通レチクルまたはレチクル・ポッド用ポート17、および移し替え専用ポート17a等のポートが設けられている。
【0050】
次に、図2に基づいて、レチクル受け入れ装置24(リソグラフィ装置、レチクルおよびレチクル・ポッド・ストッカなど)について、ポート17の働きを説明する。図2に示すように、レチクル搬送系6によって、搬送されたレチクル・ポッド4は、レチクル・ポート17上に設置される。そこで、レチクル・ポッド4の底面(底蓋)がポート17本体内部にレチクル2ごと引き込まれて、装置24内部のレチクル搬送ロボット25によって、装置24の内部に取り込まれる。その後、レチクル・ポッド4の底面が上昇して、レチクル・ポッド4を閉鎖する。空のレチクル・ポッド4をレチクル搬送系6が持ち去る。
【0051】
装置24から排出される場合は、この逆で、空のレチクル・ポッド4の底面がポート17本体内部に引き込まれ、その状態で、レチクル搬送ロボット25がレチクル2をレチクル・ポッド4の底面上に設置する。その後、レチクル2ごとレチクル・ポッド4の底面が上昇して、レチクル・ポッド4を閉鎖する。レチクル2が入ったレチクル・ポッド4をレチクル搬送系6が持ち去る。
【0052】
次に図3に基づいて、ラフ寸法加工用レチクル群10a(第1のレチクル群)の工程中での流れを説明する。図3に示すように、ラフ寸法加工用レチクル2a(第1のレチクル群に属するレチクル10a)は、ラフ寸法加工用レチクル・ポッド4aに収容された状態で、レチクル・ポッド内収容レチクル保管庫12(第1のレチクル保管庫)内に保管されている。必要があるときは、レチクル搬送系6(レチクル・ケース搬送機構)のレチクル搬送車8に乗って、たとえばラフ寸法光リソグラフィ一貫装置18a(第1の光リソグラフィ処理装置)に搬送される。そこで、図2で説明したように、ラフ寸法光リソグラフィ一貫装置18aのレチクル・ポートを介して、同装置内に取り込まれる。
【0053】
一方、微細寸法加工用レチクル群10b(第2のレチクル群)の工程中での流れは、以下のようになる。すなわち、図4に示すように、微細寸法加工用レチクル2b(第2のレチクル群に属するレチクル)は、微細寸法加工用レチクル・ポッド4bに収容されない状態で、ベア・レチクル保管庫14(第2のレチクル保管庫)内に保管されている。微細寸法加工用レチクル・ポッド4bの方は、空の状態で空レチクル・ポッド保管庫15に保管されている。必要があるときは、レチクル搬送系6(レチクル・ケース搬送機構)のレチクル搬送車8に乗って、たとえば微細寸法光リソグラフィ一貫装置19a(第2の光リソグラフィ処理装置)に搬送される。そこで、図2で説明したように、微細寸法光リソグラフィ一貫装置19aのレチクル・ポートを介して、同装置内に取り込まれる。このように、加工の微細度等により、レチクルの管理方式を変更したので、ライン全体としてのレチクル管理効率の向上が図れるメリットがある。また、ベア・レチクル保管庫14を用いた管理は、微細寸法のマスクを直接扱うことから、ハンドリングの高速化が困難である。従って、ここに説明したような、混合管理方式は、ベア・レチクル保管庫14を用いた管理方式をラインの一部に限定できるメリットがある。
【0054】
このとき図5に示すように、ラフ寸法加工用レチクル群10a(第1のレチクル群)に属するラフ寸法加工用レチクル2a(第1のレチクル群に属するレチクル)に使用するラフ寸法加工用レチクル・ポッド4aと、微細寸法加工用レチクル群10b(第2のレチクル群)に属する微細寸法加工用レチクル2b(第2のレチクル群に属するレチクル)に使用する微細寸法加工用レチクル・ポッド4bは、相互に混ざり合わないようにする。このように、両群のレチクル・ポッドが交じり合わないので、各群のレチクル・ポッドの材質等をその群に最適化することができる。たとえば、微細寸法加工用レチクル・ポッド4bのみを脱ガスの少ない材料にする等の対策が可能である。
【0055】
図1において、相互乗り入れ部9(連結部)を設けているのは、図6に示すように、両方の軌道上5,6をウエハ搬送車7およびレチクル搬送車8の両方が走行可能とした方が、搬送の自由度または搬送所要時間の点で有利だからである。
【0056】
2.本願発明の第2の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法の説明(主に図7および図8)
この例は、基本的に図1(図2から図6を含む)に示す光リソグラフィ・ライン23(ウエハ・ライン内の光リソグラフィ処理部)を使用しつつ、それに加えて又はその一部に代えて、天井コンベア等の天井搬送機構をレチクル2入りのレチクル・ポッド、空のレチクル・ポッドの保管に利用するものである。
【0057】
図7は本願発明の第2の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における光リソグラフィ・ラインの内、ラフ寸法加工用レチクル(第1のレチクル群に属するレチクル)に関する部分を切り出したクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。図8は本願発明の第2の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における光リソグラフィ・ラインの内、微細寸法加工用レチクル(第2のレチクル群に属するレチクル)に関する部分を切り出したクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。これらに基づいて、本願発明の第2の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法を説明する。
【0058】
図7に示すように、使用されないときは、ラフ寸法加工用レチクル・ポッド4a内に収容されたラフ寸法加工用レチクル2a(第1のレチクル群に属するレチクル)は、天井搬送機構26(バッファーまたはストッカを兼ねる)上で、保管又は待機している。必要があるときは、レチクル搬送系6(レチクル・ケース搬送機構)のレチクル搬送車8に乗って、たとえばラフ寸法光リソグラフィ一貫装置18a(第1の光リソグラフィ処理装置)に搬送される。そこで、図2で説明したように、ラフ寸法光リソグラフィ一貫装置18aのレチクル・ポートを介して、同装置内に取り込まれる。ここで、天井搬送機構26の例としては、搬送機能とバッファー機能(簡易なストッカ機能)を併せ持つ、天井コンベアまたはOHB等が好適である。このように、ケースに入れた状態のレチクル2と空のレチクル・ケース4を天井搬送機構26上に保管することで、レチクル・ポッド内収容レチクル保管庫12と空レチクル・ポッド保管庫15を全部又は一部不要にできるメリットがある。
【0059】
一方、図8に示すように、微細寸法加工用レチクル2b(第2のレチクル群に属するレチクル)は、微細寸法加工用レチクル・ポッド4bに収容されない状態で、ベア・レチクル保管庫14(第2のレチクル保管庫)内に保管されている。微細寸法加工用レチクル・ポッド4bの方は、空の状態で天井搬送機構26(セクション1と同様に、空レチクル・ポッド保管庫15のも保管されるようにしてもよい)上に保管されている。必要があるときは、レチクル搬送系6(レチクル・ケース搬送機構)のレチクル搬送車8に乗って、たとえば微細寸法光リソグラフィ一貫装置19a(第2の光リソグラフィ処理装置)に搬送される。そこで、図2で説明したように、微細寸法光リソグラフィ一貫装置19aのレチクル・ポートを介して、同装置内に取り込まれる。
【0060】
その他の部分(たとえば、図1、図5及び図6に関する説明)については、セクション1と同様であり、説明は繰り返さない(以下のセクションでも同じ)。
【0061】
3.本願発明の第3の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法の説明(主に図9から図12)
この例は、基本的に図1(図2から図6を含む)に示す光リソグラフィ・ライン23(ウエハ・ライン内の光リソグラフィ処理部)の全部又は一部を使用しつつ、ベア・レチクル保管庫14の使用の効率化を図ったものである。
【0062】
図9は本願発明の第3の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における光リソグラフィ・ラインの概要を示すクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。図10は図9におけるベア・レチクル保管庫と空レチクル・ポッド保管庫の周辺の詳細を示すクリーン・ルーム模式平面レイアウト図である。図11は図9におけるベア・レチクル保管庫と空レチクル・ポッド保管庫との間での具体的な流れ(ベア・レチクル保管庫のポートからの空レチクル・ポッドの移送)を示すクリーン・ルーム模式平面レイアウト図である。図12は図9におけるベア・レチクル保管庫と空レチクル・ポッド保管庫との間での具体的な流れ(空レチクル・ポッド保管庫のポートからの空レチクル・ポッドの移送)を示すクリーン・ルーム模式平面レイアウト図である。これらに基づいて、本願発明の第3の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法を説明する。
【0063】
レチクル群10の工程中の流れは、セクション1の微細寸法加工用レチクル群10b(第2のレチクル群)の工程中での流れとほぼ同じである。すなわち、図9に示すように、レチクル2は、レチクル・ポッド4(レチクル容器)に収容されない状態で、ベア・レチクル保管庫14内に保管されている。レチクル・ポッド4の方は、空の状態で空レチクル・ポッド保管庫15に保管されている。必要があるときは、レチクル搬送系6(レチクル・ケース搬送機構)のレチクル搬送車8に乗って、たとえば光リソグラフィ一貫装置20に搬送される。そこで、図2で説明したように、光リソグラフィ一貫装置20のレチクル・ポート17を介して、同装置内に取り込まれる。
【0064】
ここで、図10に示すように、光リソグラフィ一貫装置20での使用が完了したレチクル2は、再びレチクル・ポッド4に収容されて、レチクル搬送系6(レチクル・ケース搬送機構)のレチクル搬送車8に乗って、ベア・レチクル保管庫14のレチクル・ポート17に帰ってくる。精密なレチクル2のハンドリングは高速にできないため、ベア・レチクル保管庫14のレチクル・ポート17が混雑して、次々に搬送されてくるレチクル2をベア・レチクル保管庫14内に搬入できず、搬送路上で渋滞が生ずる等の問題がある。このため、この例では、ベア・レチクル保管庫14と空レチクル・ポッド保管庫15を近接させて、その間にレチクル・ポッド移し替えロボット27(レチクル・ケース移し替え機構)を設置している。なお、空レチクル・ポッド保管庫15には、共通レチクルまたはレチクル・ポッド用ポート17とは別に、移し替え専用ポート17aを設け、それをベア・レチクル保管庫14のレチクル・ポート17との間の受け渡しに適用するようにすると、レチクル搬送系6(レチクル・ケース搬送機構)の混雑回避に有効である。
【0065】
このレチクル・ポッド移し替えロボット27(レチクル・ケース移し替え機構)を中心とする移し替え動作を図10から図12に基づいて説明する。図10に示すように、レチクル・ポッド移し替えロボット27はレチクル・ポッド移し替えロボット用軌道28上を移動可能となっている。たとえば、図11に示すように、レチクル搬送車8がレチクル2を搬送してきており、ベア・レチクル保管庫14のレチクル・ポート17が占有されている場合には、レチクル・ケース移し替え機構27により、ベア・レチクル保管庫14のレチクル・ポート17上の空のレチクル・ポッド4を空レチクル・ポッド保管庫15の空きポート17a(専用ポート)に速やかに移送する。その後に、空いたベア・レチクル保管庫14のレチクル・ポート17にレチクル2入りのレチクル・ポッド4をランディングさせる。また、レチクル2を搬送する場合には、図12に示すように、レチクル・ポッド移し替えロボット27が、移し替え専用ポート17aを介して、空レチクル・ポッド保管庫15内の空きレチクル・ポッド4をベア・レチクル保管庫14のレチクル・ポート17上に移送する。その後、その空きレチクル・ポッド4にベア・レチクル保管庫14内のレチクル2が収容され、レチクル搬送車8によって、光リソグラフィ一貫装置18(光リソグラフィ処理装置)へ搬送される。
【0066】
なお、セクション1のような混合型のレチクル管理システムでは、空レチクル・ポッド保管庫15にラフ寸法加工用レチクルをレチクル・ポッドに収容した状態で保管してもよい。ただし、ラフ寸法加工用レチクル・ポッド4aと微細寸法加工用レチクル・ポッド4b間の相互干渉等に留意する必要がある。
【0067】
4.本願発明の第4の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法の説明(主に図13および図14)
この例は、基本的に図1(図2から図6を含む)に示す光リソグラフィ・ライン23(ウエハ・ライン内の光リソグラフィ処理部)の全部又は一部を使用しつつ、空レチクル・ポッド保管庫15の全部又は一部をレチクル搬送系6(レチクル・ケース搬送機構)に代替させたものである。
【0068】
図13は本願発明の第4の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における光リソグラフィ・ラインの概要を示すクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。図14は図13における各装置のポートとレチクル・ポッドとの関係を説明するためのクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。これらに基づいて、本願発明の第4の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法を説明する。
【0069】
レチクル群10の工程中の流れは、セクション1の微細寸法加工用レチクル群10b(第2のレチクル群)の工程中での流れとほぼ同じである。すなわち、図13に示すように、レチクル2は、レチクル・ポッド4(レチクル容器)に収容されない状態で、ベア・レチクル保管庫14内に保管されている。レチクル・ポッド4の方は、空の状態でレチクル搬送車8によって保持されている。必要があるときは、そのレチクル搬送車8に乗って、たとえば光リソグラフィ一貫装置20に搬送される。そこで、図2で説明したように、光リソグラフィ一貫装置20のレチクル・ポート17を介して、同装置内に取り込まれる。
【0070】
このシステムにおいて、保管庫として必要な搬送車8に数は、図14に示すように、この保管方式を適用する光リソグラフィ一貫装置18のレチクル・ポート17の総数と、ベア・レチクル保管庫14のレチクル・ポート17の総数との総和である。
【0071】
このように、搬送系上に空のレチクル・ケースを保管するようにしたので、空レチクル・ポッド保管庫15とそれに関する設備等が不要になるメリットがある。なお、セクション1のような混合型のレチクル管理方式では、レチクル・ポッド内収容レチクル保管庫12(図1)の代用として、搬送系を使用することも可能である。
【0072】
5.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0073】
例えば、前記実施の形態では、セクション1をベースとして、各例の特徴部分を中心に複数のセクションに分けて説明したが、前記のごとく、各例は相互に独立のものではなく、相互に矛盾しない範囲で、併用可能であることは言うまでもない。
【0074】
また、300φウエハ・ラインを例にとり、具体的に説明したが、450φや200φウエハ・ライン当にも、ほぼ、そのまま適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本願発明の第1の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における光リソグラフィ・ラインの概要を示すクリーン・ルーム模式平面レイアウト図である。
【図2】図1におけるレチクル受け入れ装置一般(リソグラフィ装置、レチクルおよびレチクル・ポッド・ストッカなど)とレチクル搬送系(レチクル・ケース搬送機構)の間でのレチクルの受け渡しを説明するための装置模式断面図である。
【図3】図1におけるラフ寸法加工用レチクル(第1のレチクル群に属するレチクル)に関する部分を切り出したクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。
【図4】図1における微細寸法加工用レチクル(第2のレチクル群に属するレチクル)に関する部分を切り出したクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。
【図5】図1におけるレチクル・ポッド(レチクル容器)の使い分けを示すレチクル・ポッド群斜視図である。
【図6】図1におけるウエハ搬送系とレチクル搬送系(レチクル・ケース搬送機構)の間の共用関係を説明する搬送系斜視図である。
【図7】本願発明の第2の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における光リソグラフィ・ラインの内、ラフ寸法加工用レチクル(第1のレチクル群に属するレチクル)に関する部分を切り出したクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。
【図8】本願発明の第2の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における光リソグラフィ・ラインの内、微細寸法加工用レチクル(第2のレチクル群に属するレチクル)に関する部分を切り出したクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。
【図9】本願発明の第3の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における光リソグラフィ・ラインの概要を示すクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。
【図10】図9におけるベア・レチクル保管庫と空レチクル・ポッド保管庫の周辺の詳細を示すクリーン・ルーム模式平面レイアウト図である。
【図11】図9におけるベア・レチクル保管庫と空レチクル・ポッド保管庫との間での具体的な流れ(ベア・レチクル保管庫のポートからの空レチクル・ポッドの移送)を示すクリーン・ルーム模式平面レイアウト図である。
【図12】図9におけるベア・レチクル保管庫と空レチクル・ポッド保管庫との間での具体的な流れ(空レチクル・ポッド保管庫のポートからの空レチクル・ポッドの移送)を示すクリーン・ルーム模式平面レイアウト図である。
【図13】本願発明の第4の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における光リソグラフィ・ラインの概要を示すクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。
【図14】図13における各装置のポートとレチクル・ポッドとの関係を説明するためのクリーン・ルーム模式斜視レイアウト図である。
【符号の説明】
【0076】
1 ウエハ
2 レチクル(マスク)
2a ラフ寸法加工用レチクル(第1のレチクル群に属するレチクル)
2b 微細寸法加工用レチクル(第2のレチクル群に属するレチクル)
3 フープ(ウエハ搬送容器)
4 レチクル・ポッド(レチクル容器)
4a ラフ寸法加工用レチクル・ポッド
4b 微細寸法加工用レチクル・ポッド
5 ウエハ搬送系
6 レチクル搬送系(レチクル・ケース搬送機構)
7 ウエハ搬送車
8 レチクル搬送車
9 相互乗り入れ部
10 レチクル群
10a ラフ寸法加工用レチクル群(第1のレチクル群)
10b 微細寸法加工用レチクル群(第2のレチクル群)
11 ウエハ・ロット保管庫(ウエハ・ストッカ)
12 レチクル・ポッド内収容レチクル保管庫(第1のレチクル保管庫)
14 ベア・レチクル保管庫(第2のレチクル保管庫)
15 空レチクル・ポッド保管庫
16 共通ウエハ・ポート
17 共通レチクルまたはレチクル・ポッド用ポート
17a 移し替え専用ポート
18 光リソグラフィ一貫装置(光リソグラフィ処理装置)
18a、18b ラフ寸法光リソグラフィ一貫装置(第1の光リソグラフィ処理装置)
19a、19b 微細寸法光リソグラフィ一貫装置(第2の光リソグラフィ処理装置)
20 光リソグラフィ一貫装置群(光リソグラフィ処理装置群)
21 ラフ寸法光リソグラフィ一貫装置群(第1の光リソグラフィ処理装置群)
22 微細寸法光リソグラフィ一貫装置群(第2の光リソグラフィ処理装置群)
23 光リソグラフィ・ライン(ウエハ・ライン内の光リソグラフィ処理部)
24 レチクル受け入れ装置(リソグラフィ装置、レチクルおよびレチクル・ポッド・ストッカなど)
25 レチクル搬送ロボット(ポートと装置内部間でレチクルを移送するロボット)
26 天井搬送機構
27 レチクル・ポッド移し替えロボット(レチクル・ケース移し替え機構)
28 レチクル・ポッド移し替えロボット用軌道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の光リソグラフィ・ラインを使用する半導体集積回路装置の製造方法であって、前記光リソグラフィ・ラインは、以下を含む:
(a)第1の最小加工寸法を有する第1の光リソグラフィ処理装置群;
(b)前記第1の最小加工寸法よりも小さい第2の最小加工寸法を有する第2の光リソグラフィ処理装置群;
(c)前記第1の光リソグラフィ処理装置群で使用される第1のレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収納した状態で保管する第1のレチクル保管庫;
(d)前記第2の光リソグラフィ処理装置群で使用される第2のレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収容しない状態で保管する第2のレチクル保管庫。
【請求項2】
前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記光リソグラフィ・ラインは、更に、以下を含む:
(e)前記第2のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するための空のレチクル・ケースを保管するレチクル・ケース・ストッカ。
【請求項3】
前記2項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記光リソグラフィ・ラインは、更に、以下を含む:
(f)前記第1の光リソグラフィ処理装置群、前記第2の光リソグラフィ処理装置群、前記第1のレチクル保管庫、前記第2のレチクル保管庫、および前記レチクル・ケース・ストッカ間で、レチクル・ケースを搬送するレチクル・ケース搬送機構。
【請求項4】
前記3項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第2のレチクル保管庫と前記レチクル・ケース・ストッカとは、前記レチクル・ケース搬送機構上において近接して配置されている。
【請求項5】
前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するレチクル・ケースと、前記第2のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するレチクル・ケースとは異なる。
【請求項6】
前記3項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース搬送機構は、OHT,OHS,RGV,およびAGVの少なくとも一つを含む。
【請求項7】
前記3項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース搬送機構は、ウエハ搬送機構を兼ねている。
【請求項8】
以下の光リソグラフィ・ラインを使用する半導体集積回路装置の製造方法であって、前記光リソグラフィ・ラインは、以下を含む:
(a)第1の最小加工寸法を有する第1の光リソグラフィ処理装置群;
(b)前記第1の最小加工寸法よりも小さい第2の最小加工寸法を有する第2の光リソグラフィ処理装置群;
(c)前記第1の光リソグラフィ処理装置群で使用される第1のレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収納した状態で保管する天井搬送機構;
(d)前記第2の光リソグラフィ処理装置群で使用される第2のレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収容しない状態で保管するベア・レチクル保管庫。
【請求項9】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記天井搬送機構には、前記第2のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送する空のレチクル・ケースをも保管する。
【請求項10】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記天井搬送機構は、天井コンベアまたはOHBである。
【請求項11】
前記8項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するレチクル・ケースと、前記第2のレチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するレチクル・ケースとは異なる。
【請求項12】
以下の光リソグラフィ・ラインを使用する半導体集積回路装置の製造方法であって、前記光リソグラフィ・ラインは、以下を含む:
(a)光リソグラフィ処理装置群;
(b)前記光リソグラフィ処理装置群で使用されるレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収容しない状態で保管するベア・レチクル保管庫;
(c)前記ベア・レチクル保管庫に近接して設置されたレチクル・ケース・ストッカ;
(d)前記ベア・レチクル保管庫と前記レチクル・ケース・ストッカ間でレチクル・ケースを移送するためのレチクル・ケース移し替え機構。
【請求項13】
前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記光リソグラフィ・ラインは、更に、以下を含む:
(e)前記光リソグラフィ処理装置群、前記ベア・レチクル保管庫、および前記レチクル・ケース・ストッカ間で、レチクル・ケースを搬送するレチクル・ケース搬送機構。
【請求項14】
前記13項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース搬送機構は、OHT,OHS,RGV,およびAGVの少なくとも一つを含む。
【請求項15】
前記13項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース搬送機構は、ウエハ搬送機構を兼ねている。
【請求項16】
前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース移し替え機構は、前記ベア・レチクル保管庫のポート上の空きレチクル・ケースを前記レチクル・ケース・ストッカのポート上へ移送する。
【請求項17】
前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記レチクル・ケース移し替え機構は、前記レチクル・ケース・ストッカのポート上の空きレチクル・ケースを前記ベア・レチクル保管庫のポート上へ移送する。
【請求項18】
以下の光リソグラフィ・ラインを使用する半導体集積回路装置の製造方法であって、前記光リソグラフィ・ラインは、以下を含む:
(a)光リソグラフィ処理装置群;
(b)前記光リソグラフィ処理装置群で使用されるレチクル群に属する各レチクルをレチクル・ケースに収容しない状態で保管するベア・レチクル保管庫;
(c)前記レチクル群に属する各レチクルを収容して搬送するための空のレチクル・ケースを保管する天井搬送機構。
【請求項19】
前記18項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記天井搬送機構は、OHT,OHS,およびOHBの少なくとも一つを含む。
【請求項20】
前記18項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記天井搬送機構は、ウエハ搬送機構を兼ねている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−103145(P2010−103145A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270678(P2008−270678)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】