説明

半導体電力変換装置

【課題】トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を確実に収束させることができる半導体電力変換装置を提供する。
【解決手段】半導体電力変換装置1は、IGBT4と、このIGBT4に逆並列に接続されたダイオード5と、IGBT4のゲートに並列に接続されたゲート抵抗8a〜8dと、IGBT4がONからOFFに切り換わる時のIGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を検出するコレクタ電圧検知回路12と、このコレクタ電圧検知回路12の検出値と基準電圧V1との大小を比較するコンパレータ13と、このコンパレータ13の出力データに応じてカウンタ値をカウントアップまたはカウントダウンさせるカウンタ14と、このカウンタ14のカウンタ値に応じてIGBT4をOFF駆動するためのゲート抵抗8a〜8dを選択する抵抗選択回路15とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばハイブリッド用インバータ等に用いられる半導体電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体電力変換装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、IGBTのゲート端子にゲート抵抗となる可変抵抗を接続し、IGBTのコレクタ電流が大きいときには、ゲート抵抗の抵抗値を大きくすることで、大電流のターンオフを低速で行い、サージ電圧を抑えるというものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−234104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、IGBT(トランジスタ素子)のコレクタ電流を検出し、その検出値に応じて可変抵抗(ゲート抵抗)の抵抗値を変化させるため、サージ電圧の抑制効果に遅延が生じ、オーバーシュートの発生等によりサージ電圧が収束しにくくなる。
【0005】
本発明の目的は、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を確実に収束させることができる半導体電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の半導体電力変換装置は、トランジスタ素子と、トランジスタ素子のゲートに接続された複数のゲート抵抗と、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を検出するサージ電圧検出手段と、サージ電圧検出手段により検出されたサージ電圧と所定電圧との大小を比較する比較手段と、比較手段による比較結果に基づいて、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が所定電圧またはその近傍で安定化するように、複数のゲート抵抗の中からトランジスタ素子を駆動するためのゲート抵抗を選択してトランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する駆動抵抗値決定手段とを備えることを特徴とするものである。
【0007】
このような本発明の半導体電力変換装置においては、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧と所定電圧との大小を比較した結果に基づいて、複数のゲート抵抗の中からトランジスタ素子を駆動するためのゲート抵抗をリアルタイムに選択してトランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する。具体的には、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が所定電圧よりも小さいときは、トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を低くすることでサージ電圧を上げ、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が所定電圧よりも大きいときは、トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を高くすることでサージ電圧を下げるようにする。従って、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧は、上記所定電圧またはその近傍で安定化するようになる。このように常に最適化されたゲート駆動抵抗値によりトランジスタ素子を駆動するので、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を確実に収束させることができる。
【0008】
好ましくは、駆動抵抗値決定手段は、比較手段による比較結果に応じてカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせるカウンタを有し、カウンタのカウント値に応じて、複数のゲート抵抗の中からトランジスタ素子を駆動するためのゲート抵抗を選択する。
【0009】
この場合には、例えばトランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が所定電圧よりも小さいときは、カウンタのカウント値をカウントアップし、そのカウントアップ分に応じてトランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を低くし、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が所定電圧よりも大きいときは、カウンタのカウント値をカウントダウンし、そのカウントダウン分に応じてトランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を高くする。従って、カウンタのカウント値のカウントアップ及びカウントダウンが交互に繰り返されるようになるため、簡単な回路構成でもって、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を収束させることができる。
【0010】
また、本発明の半導体電力変換装置は、上アームに設けられた第1トランジスタ素子と、第1トランジスタ素子のゲートに接続された複数の第1ゲート抵抗と、第1トランジスタ素子がONからOFFに切り換わる時の第1トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を検出する第1サージ電圧検出手段と、第1サージ電圧検出手段により検出されたサージ電圧と第1所定電圧との大小を比較する第1比較手段と、第1比較手段による比較結果に基づいて、複数の第1ゲート抵抗の中から第1トランジスタ素子をONからOFFに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択して第1トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する第1駆動抵抗値決定手段と、下アームに設けられた第2トランジスタ素子と、第2トランジスタ素子のゲートに接続された複数の第2ゲート抵抗と、第2トランジスタ素子がONからOFFに切り換わる時の第2トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を検出する第2サージ電圧検出手段と、第2サージ電圧検出手段により検出されたサージ電圧と第2所定電圧との大小を比較する第2比較手段と、第2比較手段による比較結果に基づいて、複数の第2ゲート抵抗の中から第2トランジスタ素子をONからOFFに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択して第2トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する第2駆動抵抗値決定手段と、第2比較手段による比較結果を上アーム側に伝える第1信号伝達手段と、第1信号伝達手段により伝えられた第2比較手段による比較結果に基づいて、複数の第1ゲート抵抗の中から第1トランジスタ素子をOFFからONに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択して第1トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する第3駆動抵抗値決定手段と、第1比較手段による比較結果を下アーム側に伝える第2信号伝達手段と、第2信号伝達手段により伝えられた第1比較手段による比較結果に基づいて、複数の第2ゲート抵抗の中から第2トランジスタ素子をOFFからONに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択して第2トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する第4駆動抵抗値決定手段とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
このような本発明の半導体電力変換装置においては、第1比較手段によって第1トランジスタ素子がONからOFFに切り換わる時の第1トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧と第1所定電圧との大小を比較した結果に基づいて、複数の第1ゲート抵抗の中から第1トランジスタ素子をONからOFFに切り換えるための第1ゲート抵抗をリアルタイムに選択して第1トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する。また、第2比較手段によって第2トランジスタ素子がONからOFFに切り換わる時の第2トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧と第2所定電圧との大小を比較した結果に基づいて、複数の第2ゲート抵抗の中から第2トランジスタ素子をONからOFFに切り換えるための第2ゲート抵抗をリアルタイムに選択して第2トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する。これにより、上述したように常に最適化されたゲート駆動抵抗値により第1及び第2トランジスタ素子をOFF動作させるので、第1及び第2トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を確実に収束させることができる。
【0012】
また、トランジスタ素子がONからOFFに切り換わる時の駆動速度は、自アームのトランジスタ素子がONからOFFに切り換わる時のトランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧で決まるが、トランジスタ素子がOFFからONに切り換わる時の駆動速度は、他アームのトランジスタ素子がONからOFFに切り換わる時のトランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧で決まる。従って、第2比較手段による比較結果を上アーム側に伝達すると共に、第1比較手段による比較結果を下アーム側に伝達する。そして、第2比較手段による比較結果に基づいて、複数の第1ゲート抵抗の中から第1トランジスタ素子をOFFからONに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択して第1トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定すると共に、第1比較手段による比較結果に基づいて、複数の第2ゲート抵抗の中から第2トランジスタ素子をOFFからONに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択して第2トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する。これにより、常に最適化されたゲート駆動抵抗値により第1及び第2トランジスタ素子をON動作させることができる。
【0013】
好ましくは、第1駆動抵抗値決定手段は、第1比較手段による比較結果に応じてカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせる第1カウンタを有し、第1カウンタのカウント値に応じて、複数の第1ゲート抵抗の中から第1トランジスタ素子をONからOFFに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択し、第2駆動抵抗値決定手段は、第2比較手段による比較結果に応じてカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせる第2カウンタを有し、第2カウンタのカウント値に応じて、複数の第2ゲート抵抗の中から第2トランジスタ素子をONからOFFに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択し、第3駆動抵抗値決定手段は、第2比較手段による比較結果に応じてカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせる第3カウンタを有し、第3カウンタのカウント値に応じて、複数の第1ゲート抵抗の中から第1トランジスタ素子をOFFからONに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択し、第4駆動抵抗値決定手段は、第1比較手段による比較結果に応じてカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせる第4カウンタを有し、第4カウンタのカウント値に応じて、複数の第2ゲート抵抗の中から第2トランジスタ素子をOFFからONに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択する。
【0014】
このように第1〜第4カウンタを設けることにより、上述したように、簡単な回路構成でもって、第1及び第2トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を収束させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を確実に収束させることができる。これにより、サージ電圧の増大によるトランジスタ素子の破壊を防止すると共に、トランジスタ素子の駆動速度の低下による発熱量の増大を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係わる半導体電力変換装置の一実施形態を示す回路構成図である。
【図2】図1に示した半導体電力変換装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】IGBTのエミッタ−コレクタ間のサージ電圧とコンパレータの基準電圧との関係を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係わる半導体電力変換装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係わる半導体電力変換装置の一実施形態を示す回路構成図である。同図において、本実施形態の半導体電力変換装置1は、ハイブリッド型車両のインバータに適用されるものである。半導体電力変換装置1は、上アーム2及び下アーム3を具備している。
【0019】
上アーム2は、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)4と、このIGBT4のコレクタとエミッタとの間に逆並列に接続されたフリーホイールダイオード5と、IGBT4をOFF駆動するゲート駆動回路6と、IGBT4をON駆動するゲート駆動回路7とを備えている。
【0020】
ゲート駆動回路6は、IGBT4のゲートに並列に接続されたゲート抵抗8a〜8dと、これらのゲート抵抗8a〜8dとそれぞれ接続されたスイッチ素子9a〜9dとを有している。ゲート抵抗8a〜8dの抵抗値をそれぞれR1〜R4とすると、抵抗値R1〜R4の関係は、以下の通りである。
R2=2×R1
R3=4×R1
R4=8×R1
【0021】
ゲート駆動回路7は、IGBT4のゲートに並列に接続されたゲート抵抗10a〜10dと、これらのゲート抵抗10a〜10dとそれぞれ接続されたスイッチ素子11a〜11dとを有している。ゲート抵抗10a〜10dの抵抗値をそれぞれR5〜R8とすると、抵抗値R5〜R8の関係は、以下の通りである。
R6=2×R5
R7=4×R5
R8=8×R5
【0022】
また、上アーム2は、コレクタ電圧検知回路12と、コンパレータ13と、カウンタ14と、抵抗選択回路15と、カウンタ16と、抵抗選択回路17とを備えている。カウンタ14,16は、いずれも4ビットカウンタである。
【0023】
コレクタ電圧検知回路12は、IGBT4のコレクタと接続され、IGBT4がONからOFFに切り換わる時のIGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧(図2の部分S1参照)を検出する。このとき、コレクタ電圧検知回路12は、上アーム駆動信号に応じてIGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧をピークホールドする(図2の破線P1参照)。
【0024】
コンパレータ13は、コレクタ電圧検知回路12により検出されたIGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧と基準電圧V1との大小を判定(比較)し、2値化する。このとき、コンパレータ13は、クロックCK1を用いて、サージ電圧と基準電圧V1との大小判定をラッチする(図2参照)。
【0025】
カウンタ14は、コンパレータ13の出力データ(比較結果)に応じてカウンタ値をカウントアップまたはカウントダウンさせる。具体的には、カウンタ14は、IGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V1よりも小さいときは、クロックCK3の立ち上がりタイミングでカウンタ値を1だけカウントアップさせ、IGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V1よりも大きいときは、クロックCK3の立ち上がりタイミングでカウンタ値を1だけカウントダウンさせる(図2参照)。
【0026】
抵抗選択回路15は、2入力型のAND回路18a〜18dからなっている。AND回路18a〜18dの一方の入力端子には上アーム駆動信号がそれぞれ入力され、AND回路18a〜18dの他方の入力端子は、カウンタ14の4つの出力端子とそれぞれ接続されている。AND回路18a〜18dの出力端子は、スイッチ素子9a〜9dのゲートとそれぞれ接続されている。なお、AND回路18dは、カウンタ14のLSB出力端子と接続され、AND回路18aは、カウンタ14のMSB出力端子と接続されている。
【0027】
抵抗選択回路15は、カウンタ14のカウンタ値に応じてスイッチ素子9a〜9dをON/OFFすることで、IGBT4をOFF駆動するためのゲート抵抗8a〜8dを選択する。
【0028】
カウンタ16は、フォトカプラ38(後述)の出力信号に応じてカウンタ値をカウントアップまたはカウントダウンさせる。カウンタ16の具体的な動作については、後で詳述する。
【0029】
抵抗選択回路17は、2入力型のOR回路19a〜19d及びNOT回路20a〜20dからなっている。OR回路19a〜19dの一方の入力端子には上アーム駆動信号がそれぞれ入力され、OR回路19a〜19dの他方の入力端子は、NOT回路20a〜20dを介してカウンタ16の4つの出力端子と接続されている。OR回路19a〜19dの出力端子は、スイッチ素子11a〜11dのゲートと接続されている。なお、OR回路19dは、カウンタ16のLSB出力端子と接続され、OR回路19aは、カウンタ16のMSB出力端子と接続されている。
【0030】
抵抗選択回路17は、カウンタ16のカウンタ値に応じてスイッチ素子11a〜11dをON/OFFすることで、IGBT4をON駆動するためのゲート抵抗10a〜10dを選択する。
【0031】
下アーム3は、IGBT21と、このIGBT21のコレクタとエミッタとの間に逆並列に接続されたフリーホイールダイオード22と、IGBT21をOFF駆動するゲート駆動回路23と、IGBT21をON駆動するゲート駆動回路24とを備えている。IGBT21のコレクタは、上記のIGBT4のエミッタと接続されている。
【0032】
ゲート駆動回路23は、IGBT21のゲートに並列に接続されたゲート抵抗25a〜25dと、これらのゲート抵抗25a〜25dとそれぞれ接続されたスイッチ素子26a〜26dとを有している。ゲート抵抗25a〜25dの抵抗値をそれぞれR11〜R14とすると、抵抗値R11〜R14の関係は、以下の通りである。
R12=2×R11
R13=4×R11
R14=8×R11
【0033】
ゲート駆動回路24は、IGBT21のゲートに並列に接続されたゲート抵抗27a〜27dと、これらのゲート抵抗27a〜27dとそれぞれ接続されたスイッチ素子28a〜28dとを有している。ゲート抵抗27a〜27dの抵抗値をそれぞれR15〜R18とすると、抵抗値R15〜R18の関係は、以下の通りである。
R16=2×R15
R17=4×R15
R18=8×R15
【0034】
また、下アーム3は、コレクタ電圧検知回路29と、コンパレータ30と、カウンタ31と、抵抗選択回路32と、カウンタ33と、抵抗選択回路34とを備えている。カウンタ31,33は、いずれも4ビットカウンタである。
【0035】
コレクタ電圧検知回路29は、IGBT21のコレクタと接続され、IGBT21がONからOFFに切り換わる時のIGBT21のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧(図2の部分S2参照)を検出する。このとき、コレクタ電圧検知回路29は、下アーム駆動信号に応じてIGBT21のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧をピークホールドする(図2の破線P2参照)。
【0036】
コンパレータ30は、コレクタ電圧検知回路29により検出されたIGBT21のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧と基準電圧V2との大小を判定(比較)し、2値化する。このとき、コンパレータ30は、クロックCK2を用いて、サージ電圧と基準電圧V2との大小判定をラッチする(図2参照)。
【0037】
カウンタ31は、コンパレータ30の出力信号(比較結果)に応じてカウンタ値をカウントアップまたはカウントダウンさせる。具体的には、カウンタ31は、IGBT21のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V2よりも小さいときは、クロックCK4の立ち上がりタイミングでカウンタ値を1だけカウントアップさせ、IGBT21のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V2よりも大きいときは、クロックCK4の立ち上がりタイミングでカウンタ値を1だけカウントダウンさせる(図2参照)。
【0038】
抵抗選択回路32は、2入力型のAND回路35a〜35dからなっている。AND回路35a〜35dの一方の入力端子には下アーム駆動信号がそれぞれ入力され、AND回路35a〜35dの他方の入力端子は、カウンタ31の4つの出力端子とそれぞれ接続されている。AND回路35a〜35dの出力端子は、スイッチ素子26a〜26dのゲートとそれぞれ接続されている。なお、AND回路35dは、カウンタ31のLSB出力端子と接続され、AND回路35aは、カウンタ31のMSB出力端子と接続されている。
【0039】
抵抗選択回路32は、カウンタ31のカウンタ値に応じてスイッチ素子26a〜26dをON/OFFすることで、IGBT21をON駆動するためのゲート抵抗25a〜25dを選択する。
【0040】
カウンタ33は、フォトカプラ41(後述)の出力信号に応じてカウンタ値をカウントアップまたはカウントダウンさせる。カウンタ33の具体的な動作については、後で詳述する。
【0041】
抵抗選択回路34は、2入力型のOR回路36a〜36d及びNOT回路37a〜37dからなっている。OR回路36a〜36dの一方の入力端子には下アーム駆動信号がそれぞれ入力され、OR回路36a〜36dの他方の入力端子は、NOT回路37a〜37dを介してカウンタ33の4つの出力端子とそれぞれ接続されている。OR回路36a〜36dの出力端子は、スイッチ素子28a〜28dのゲートとそれぞれ接続されている。なお、OR回路36dは、カウンタ33のLSB出力端子と接続され、OR回路36aは、カウンタ33のMSB出力端子と接続されている。
【0042】
抵抗選択回路34は、カウンタ33のカウンタ値に応じてスイッチ素子28a〜28dをON/OFFすることで、IGBT21をON駆動するためのゲート抵抗27a〜27dを選択する。
【0043】
また、上アーム2は、フォトカプラ38を更に備えている。フォトカプラ38は、入力側の発光ダイオード39と出力側のフォトトランジスタ40とを有している。発光ダイオード39は、下アーム3のコンパレータ30の出力端子と接続されている。フォトトランジスタ40のコレクタは、カウンタ16の入力端子と接続されている。これにより、コンパレータ30の出力信号がフォトカプラ38を介してカウンタ16に入力されることとなる。
【0044】
カウンタ16は、IGBT21のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V2よりも小さいときは、クロックCK4の立ち上がりタイミングでカウンタ値を1だけカウントアップさせ、IGBT21のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V2よりも大きいときは、クロックCK4の立ち上がりタイミングでカウンタ値を1だけカウントダウンさせる(図2参照)。
【0045】
また、下アーム3は、フォトカプラ41を更に備えている。フォトカプラ41は、入力側の発光ダイオード42と出力側のフォトトランジスタ43とを有している。発光ダイオード42は、上アーム2のコンパレータ13の出力端子と接続されている。フォトトランジスタ43のコレクタは、カウンタ33の入力端子と接続されている。これにより、コンパレータ13の出力信号がフォトカプラ41を介してカウンタ33に入力されることとなる。
【0046】
カウンタ33は、IGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V1よりも小さいときは、クロックCK3の立ち上がりタイミングでカウンタ値を1だけカウントアップさせ、IGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V1よりも大きいときは、クロックCK3の立ち上がりタイミングでカウンタ値を1だけカウントダウンさせる(図2参照)。
【0047】
以上のように構成した半導体電力変換装置1において、IGBT4のエミッタ(IGBT21のコレクタ)は、図示しないモータ等の負荷と接続されている。下アーム3のIGBT21に電流が流れるときは、上アーム2のフリーホイールダイオード5に電流が流れ、上アーム2のIGBT4に電流が流れるときは、下アーム3のフリーホイールダイオード22に電流が流れる。
【0048】
図2のタイミングチャートは、下アーム3のIGBT21に電流が流れ、上アーム2のフリーホイールダイオード5に電流が流れる状態を示している。なお、図2では、L(ロー)状態がON、H(ハイ)状態がOFFを表している。以下、上アーム2を例にとって半導体電力変換装置1の動作を説明する。
【0049】
コンパレータ13によってIGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V1よりも小さい(図3(a)参照)と判定されたときは、カウンタ14のカウンタ値がカウントアップする。すると、ゲート抵抗8a〜8dの中から当該カウンタ値に応じたゲート抵抗がリアルタイムで選択され、IGBT4に対するゲート駆動抵抗値が小さくなる。その結果、IGBT4がONからOFFに切り換わる時の駆動速度が速くなり、IGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が上がるようになる(図3(b)参照)。
【0050】
一方、コンパレータ13によってIGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V1よりも大きいと判定されたときは、カウンタ14のカウンタ値がカウントダウンする。すると、ゲート抵抗8a〜8dの中から当該カウンタ値に応じたゲート抵抗がリアルタイムで選択され、IGBT4に対するゲート駆動抵抗値が大きくなる。その結果、IGBT4がONからOFFに切り換わる時の駆動速度が遅くなり、IGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が下がるようになる。
【0051】
このとき、ゲート抵抗8a〜8dは上述した関係をもつような抵抗値R1〜R4に設定されているため、カウンタ14のカウンタ値がカウントアップする毎に、ゲート駆動抵抗値は等しい値ずつ減少し、カウンタ14のカウンタ値がカウントダウンする毎に、ゲート駆動抵抗値は等しい値ずつ増加する。
【0052】
そして、最終的にはカウンタ14のカウンタ値のカウントアップ及びカウントダウンが交互に繰り返され、IGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が基準電圧V1を中心とした狭い範囲内で安定化するようになる。
【0053】
ところで、IGBTに電流が流れている状態では、IGBTがONからOFFに切り換わる時のIGBTのエミッタ−コレクタ間のサージ電圧は、図2に示すように、そのIGBTがONからOFFに切り換わる時の駆動速度に依存する。つまり、図3に示すように、IGBTがONからOFFに切り換わる時の駆動速度が速くなる程、IGBTのエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が高くなる。
【0054】
一方、IGBTではなくフリーホイールダイオードに電流が流れている状態では、IGBTがONからOFFに切り換わる時のIGBTのエミッタ−コレクタ間のサージ電圧は、図2に示すように、他アームのIGBTがOFFからONに切り換わる時の駆動速度に依存する。
【0055】
つまり、IGBTがONからOFFに切り換わる時の駆動速度は、自アームにおけるIGBTのエミッタ−コレクタ間のサージ電圧に影響を与え、IGBTがOFFからONに切り換わる時の駆動速度は、他アームにおけるIGBTのエミッタ−コレクタ間のサージ電圧に影響を与える。このため、IGBTがONからOFFに切り換わる時のゲート駆動抵抗値は、自アームにおけるIGBTのエミッタ−コレクタ間のサージ電圧で定められ、IGBTがOFFからONに切り換わる時のゲート駆動抵抗値は、他アームにおけるIGBTのエミッタ−コレクタ間のサージ電圧で定められる。
【0056】
従って、上アーム2に設けられたコンパレータ13の出力信号(比較結果)を、フォトカプラ41を介して下アーム3のカウンタ33に伝達し、下アーム3に設けられたコンパレータ30の出力信号(比較結果)を、フォトカプラ40を介して上アーム2のカウンタ16に伝達するようにしている。
【0057】
以上において、コレクタ電圧検知回路12は、第1トランジスタ素子4がONからOFFに切り換わる時の第1トランジスタ素子4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を検出する第1サージ電圧検出手段を構成する。コンパレータ13は、第1サージ電圧検出手段により検出されたサージ電圧と第1所定電圧V1との大小を比較する第1比較手段を構成する。カウンタ14、抵抗選択回路15及びスイッチ素子9a〜9dは、第1比較手段による比較結果に基づいて、複数の第1ゲート抵抗8a〜8dの中から第1トランジスタ素子4をONからOFFに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択して第1トランジスタ素子4のゲート駆動抵抗値を決定する第1駆動抵抗値決定手段を構成する。コレクタ電圧検知回路29は、第2トランジスタ素子21がONからOFFに切り換わる時の第2トランジスタ素子21のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を検出する第2サージ電圧検出手段を構成する。コンパレータ30は、第2サージ電圧検出手段により検出されたサージ電圧と第2所定電圧V2との大小を比較する第2比較手段を構成する。カウンタ31、抵抗選択回路32及びスイッチ素子26a〜26dは、第2比較手段による比較結果に基づいて、複数の第2ゲート抵抗25a〜25dの中から第2トランジスタ素子21をONからOFFに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択して第2トランジスタ素子21のゲート駆動抵抗値を決定する第2駆動抵抗値決定手段を構成する。フォトカプラ41は、第2比較手段による比較結果を上アーム2側に伝える第1信号伝達手段を構成する。カウンタ16、抵抗選択回路17及びスイッチ素子11a〜11dは、第1信号伝達手段により伝えられた第2比較手段による比較結果に基づいて、複数の第1ゲート抵抗10a〜10dの中から第1トランジスタ素子4をOFFからONに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択して第1トランジスタ素子4のゲート駆動抵抗値を決定する第3駆動抵抗値決定手段を構成する。フォトカプラ38は、第1比較手段による比較結果を下アーム3側に伝える第2信号伝達手段を構成する。カウンタ33、抵抗選択回路34及びスイッチ素子28a〜28dは、第2信号伝達手段により伝えられた第1比較手段による比較結果に基づいて、複数の第2ゲート抵抗27a〜27dの中から第2トランジスタ素子21をOFFからONに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択して第2トランジスタ素子21のゲート駆動抵抗値を決定する第4駆動抵抗値決定手段を構成する。
【0058】
以上のように本実施形態にあっては、コレクタ電圧検知回路12によりIGBT4がONからOFFに切り換わる時のIGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を検出し、コンパレータ13により当該検出値と基準電圧V1との大小を比較し、その比較結果に応じてカウンタ14のカウンタ値をカウントアップまたはカウントダウンさせ、得られたカウンタ値に応じてIGBT4をONからOFFに切り換えるためのゲート抵抗8a〜8dをリアルタイムで選択する。これにより、IGBT4をOFF駆動するためのゲート駆動抵抗値が常に最適化されるようになり、結果的にIGBT4のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を適切な範囲に確実に収束させることができる。下アーム3のIGBT21をOFF駆動する場合についても同様である。
【0059】
その結果、IGBT4,21のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が高すぎることによるIGBT4,21の破壊を防止することが可能となる。また、IGBT4,21のOFF駆動時の速度低下による発熱量の増大を抑制することが可能となる。
【0060】
また、コンパレータ30の比較結果をフォトカプラ38によりカウンタ16に伝達し、その比較結果に応じてカウンタ16のカウンタ値をカウントアップまたはカウントダウンさせ、得られたカウンタ値に応じてIGBT4をOFFからONに切り換えるためのゲート抵抗10a〜10dを選択する。これにより、IGBT4をON駆動するためのゲート駆動抵抗値も常に最適化されるようになる。下アーム3のIGBT21をON駆動する場合についても同様である。
【0061】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、カウンタ14,16,31,33を4ビットカウンタとしたが、使用するカウンタとしては、他のビット数のものでも良い。
【0062】
また、上記実施形態では、カウンタ14,16,31,33のカウンタ値が1ずつカウントアップまたはカウントダウンする毎にゲート駆動抵抗値が等しい値で変化するものとしたが、カウントアップまたはカウントダウンする毎のゲート駆動抵抗値の変化量としては、特に等しい値でなくても良い。
【0063】
さらに、上記実施形態では、上アーム2と下アーム3との間でコンパレータの比較結果をフォトカプラにより伝達するようにしたが、特にその態様には限られず、IGBTをOFFからONに切り換える時のゲート駆動抵抗値を、自アームにおけるIGBTのエミッタ−コレクタ間のサージ電圧により決定する構成としても良い。
【符号の説明】
【0064】
1…半導体電力変換装置、2…上アーム、3…下アーム、4…IGBT(トランジスタ素子、第1トランジスタ素子)、8a〜8d…ゲート抵抗(第1ゲート抵抗)、9a〜9d…スイッチ素子(駆動抵抗値決定手段、第1駆動抵抗値決定手段)、10a〜10d…ゲート抵抗(第1ゲート抵抗)、11a〜11d…スイッチ素子(駆動抵抗値決定手段、第3駆動抵抗値決定手段)、12…コレクタ電圧検知回路(サージ電圧検出手段、第1サージ電圧検出手段)、13…コンパレータ(比較手段、第1比較手段)、14…カウンタ(駆動抵抗値決定手段、第1カウンタ、第1駆動抵抗値決定手段)、15…抵抗選択回路(駆動抵抗値決定手段、第1駆動抵抗値決定手段)、16…カウンタ(駆動抵抗値決定手段、第3カウンタ、第3駆動抵抗値決定手段)、17…抵抗選択回路(駆動抵抗値決定手段、第3駆動抵抗値決定手段)、21…IGBT(トランジスタ素子、第2トランジスタ素子)、25a〜25d…ゲート抵抗(第2ゲート抵抗)、26a〜26d…スイッチ素子(駆動抵抗値決定手段、第2駆動抵抗値決定手段)、27a〜27d…ゲート抵抗(第2ゲート抵抗)、28a〜28d…スイッチ素子(駆動抵抗値決定手段、第4駆動抵抗値決定手段)、29…コレクタ電圧検知回路(サージ電圧検出手段、第2サージ電圧検出手段)、30…コンパレータ(比較手段、第2比較手段)、31…カウンタ(駆動抵抗値決定手段、第2カウンタ、第2駆動抵抗値決定手段)、32…抵抗選択回路(駆動抵抗値決定手段、第2駆動抵抗値決定手段)、33…カウンタ(駆動抵抗値決定手段、第4カウンタ、第4駆動抵抗値決定手段)、34…抵抗選択回路(駆動抵抗値決定手段、第4駆動抵抗値決定手段)、38…フォトカプラ(第2信号伝達手段)、43…フォトカプラ(第1信号伝達手段)。





【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタ素子と、
前記トランジスタ素子のゲートに接続された複数のゲート抵抗と、
前記トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を検出するサージ電圧検出手段と、
前記サージ電圧検出手段により検出されたサージ電圧と所定電圧との大小を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、前記トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧が前記所定電圧またはその近傍で安定化するように、前記複数のゲート抵抗の中から前記トランジスタ素子を駆動するためのゲート抵抗を選択して前記トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する駆動抵抗値決定手段とを備えることを特徴とする半導体電力変換装置。
【請求項2】
前記駆動抵抗値決定手段は、前記比較手段による比較結果に応じてカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせるカウンタを有し、前記カウンタのカウント値に応じて、前記複数のゲート抵抗の中から前記トランジスタ素子を駆動するためのゲート抵抗を選択することを特徴とする請求項1記載の半導体電力変換装置。
【請求項3】
上アームに設けられた第1トランジスタ素子と、
前記第1トランジスタ素子のゲートに接続された複数の第1ゲート抵抗と、
前記第1トランジスタ素子がONからOFFに切り換わる時の前記第1トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を検出する第1サージ電圧検出手段と、
前記第1サージ電圧検出手段により検出されたサージ電圧と第1所定電圧との大小を比較する第1比較手段と、
前記第1比較手段による比較結果に基づいて、前記複数の第1ゲート抵抗の中から前記第1トランジスタ素子をONからOFFに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択して前記第1トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する第1駆動抵抗値決定手段と、
下アームに設けられた第2トランジスタ素子と、
前記第2トランジスタ素子のゲートに接続された複数の第2ゲート抵抗と、
前記第2トランジスタ素子がONからOFFに切り換わる時の前記第2トランジスタ素子のエミッタ−コレクタ間のサージ電圧を検出する第2サージ電圧検出手段と、
前記第2サージ電圧検出手段により検出されたサージ電圧と第2所定電圧との大小を比較する第2比較手段と、
前記第2比較手段による比較結果に基づいて、前記複数の第2ゲート抵抗の中から前記第2トランジスタ素子をONからOFFに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択して前記第2トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する第2駆動抵抗値決定手段と、
前記第2比較手段による比較結果を前記上アーム側に伝える第1信号伝達手段と、
前記第1信号伝達手段により伝えられた前記第2比較手段による比較結果に基づいて、前記複数の第1ゲート抵抗の中から前記第1トランジスタ素子をOFFからONに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択して前記第1トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する第3駆動抵抗値決定手段と、
前記第1比較手段による比較結果を前記下アーム側に伝える第2信号伝達手段と、
前記第2信号伝達手段により伝えられた前記第1比較手段による比較結果に基づいて、前記複数の第2ゲート抵抗の中から前記第2トランジスタ素子をOFFからONに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択して前記第2トランジスタ素子のゲート駆動抵抗値を決定する第4駆動抵抗値決定手段とを備えることを特徴とする半導体電力変換装置。
【請求項4】
前記第1駆動抵抗値決定手段は、前記第1比較手段による比較結果に応じてカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせる第1カウンタを有し、前記第1カウンタのカウント値に応じて、前記複数の第1ゲート抵抗の中から前記第1トランジスタ素子をONからOFFに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択し、
前記第2駆動抵抗値決定手段は、前記第2比較手段による比較結果に応じてカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせる第2カウンタを有し、前記第2カウンタのカウント値に応じて、前記複数の第2ゲート抵抗の中から前記第2トランジスタ素子をONからOFFに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択し、
前記第3駆動抵抗値決定手段は、前記第2比較手段による比較結果に応じてカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせる第3カウンタを有し、前記第3カウンタのカウント値に応じて、前記複数の第1ゲート抵抗の中から前記第1トランジスタ素子をOFFからONに切り換えるための第1ゲート抵抗を選択し、
前記第4駆動抵抗値決定手段は、前記第1比較手段による比較結果に応じてカウント値をカウントアップまたはカウントダウンさせる第4カウンタを有し、前記第4カウンタのカウント値に応じて、前記複数の第2ゲート抵抗の中から前記第2トランジスタ素子をOFFからONに切り換えるための第2ゲート抵抗を選択することを特徴とする請求項3記載の半導体電力変換装置。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−172446(P2011−172446A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36102(P2010−36102)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】