説明

単一成分および多成分コーティング剤を塗布するアトマイザーおよび方法

好ましくは、車体、アドオン部品および/または車両の運転席をコーティングするためのアトマイザーが設けられ、該アトマイザーは一つの塗布要素からの一つの多成分コーティング剤および一つの単一成分コーティング剤を塗布するため、または、一つの塗布要素(AE)からの2つの異なる多成分コーティング剤を塗布するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一成分コーティング剤(例:単一成分塗料)および多成分コーティング剤(例:多成分塗料)または2つの異なる多成分コーティング剤(例:2つの異なる二成分塗料)を、好ましくは、車体、車体のアタッチメントパーツ、車両の運転席および/または車両の運転席のアタッチメントパーツに塗布するアトマイザー、具体的には回転アトマイザー、および、方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
車体の表面コーティングの間、多数の塗料層が、それぞれの塗料層に対して個別の異なるアトマイザーを用いて、連続する塗装区域において通常は塗布される。たとえば、2つの塗装区域が車両を塗装するために必要である。単一成分金属塗料が第一の区域に塗布され、ついで、二成分透明塗料が第二の区域に塗布される。しかしながら、操作のこのモードは、塗装されるべき車体のほんのわずかな割合にしか塗布しない。塗装されるべき車体の大部分は、たとえば、後に塗布されるいかなる透明塗料をも必要としないユニ塗料(単一成分基礎塗料)である。そのため、二成分透明塗料が塗布される第二の塗装区域は、滅多に用いられず、フルに用いられることはないが、それでもなお有することが必要である。
【0003】
この配置を有することの短所は、具体的には、多くの塗装区域および塗装キャビンへの分割と、異なった塗料個別の塗布技術をそれぞれ伴う追加の塗装ロボットの必要性である。さらに、用いられる異なる塗料個別の塗布装備によって、求められるメンテナンスおよびサービスがより広範囲に及ぶことである。
【0004】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7が、さらなる技術的な背景の情報を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開公報第2008/058650号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0277378号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0074562号明細書
【特許文献4】米国特許第5727735号明細書
【特許文献5】米国特許第5225239号明細書
【特許文献6】独国実用新案第29719535号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第10358646号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の説明に鑑み、上述の課題または短所を解決または克服するために必要条件があることは、この開示に基づいて、当業者にとって明らかである。本発明は、従来技術のこの必要条件および他の必要条件に関連し、それは本開示に基づいて当業者に対して明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の記載から生じる本目的は、原則的には独立項の特徴とともに達成され得る。しかしながら、本発明は、最初に引用された従来技術の課題または短所の全てを改善する態様に限定されるものではなく、以下に記載される態様に対する全体的な保護をも主張するものである。
【0008】
本発明によれば、具体的には連続コーティング、好ましくは車体および/または車両の運転席および/または(それらの)アタッチメントパーツの連続コーティング用のアトマイザー(例:回転アトマイザー)が設けられる。
【0009】
アトマイザーは、塗布要素からの多成分コーティング剤および単一成分コーティング剤を(選択的に)塗布するために設けられる。さらに、アトマイザーは、塗布要素からの2つの異なる多成分コーティング剤を(選択的に)塗布するために設けられ得る。
【0010】
多成分コーティング剤と単一成分コーティング剤の塗布が交互に起こり得る。同様に、2つの異なる2つの多成分コーティング剤の塗布が交互に起こり得る。多成分コーティング剤は、少なくとも1つのコーティング剤成分(例:基礎塗料)と、少なくとも1つの硬化剤成分とを含む。
【0011】
本発明に係るアトマイザーの長所の一つは、具体的には、必要とされる塗布装備、なかでもロボットの必要数および領域の必要数を減らし得ることである。さらに、本発明に係るアトマイザーによって、関係する構成要素の同一の特性に起因するメンテナンスおよびサービスを減少することが可能となり、かつ、たとえば、車両が1つのステーションで、具体的にはアトマイザーを交換することなく、完全かつ十分に自動的に塗装され得るいわゆるボックスコンセプトが用いられ得る。
【0012】
多成分コーティング剤が好ましくは第一の装備から塗布要素に導かれ、塗布要素によって塗布される一方、好ましくは、単一成分コーティング剤は第二の装備によって塗布要素に導かれ、塗布要素によって塗布される。それゆえに、アトマイザーは、多成分コーティング剤を塗布要素に導くために設けられた第一の装備を備え得る。さらに、アトマイザーは、単一成分コーティング剤を塗布要素に導くために設けられた第二の装備を備え得る。第一の装備に、具体的には、第一の供給ストリング(好ましくは、塗料交換配置と、コーティング剤成分用の計測機器と、硬化剤用の計測機器とを備える)によって、交換可能なコーティング剤および/または洗浄剤および/またはパルス状空気および/または硬化剤が供給され得る一方、第二の装備に、第二の供給ストリング(好ましくは、塗料交換配置と、単一成分コーティング剤用の計測機器とを備える)によって、交換可能なコーティング剤および/または洗浄剤および/またはパルス状空気が供給され得る。第一の供給ストリング(その塗料交換配置および計測機器とともに)と、第二の供給ストリング(その塗料交換配置および計測機器とともに)とは、好ましくはお互いに離隔されて配置される。
【0013】
それゆえに、第一の供給ストリングが第一の装備に接続される、または、接続可能である一方で、第二の供給ストリングが第二の装備に接続される、または、接続可能であることが好ましい。
【0014】
塗布要素からの2つの異なる多成分コーティング剤を塗布するためにアトマイザーが設けられた態様に関しては、個々の多成分コーティング剤が、お互いに離隔されて配置された2つの第一の装備から塗布要素に導かれ、塗布要素によって塗布される。それゆえに、アトマイザーは、2つの異なる多成分コーティング剤を塗布要素にフィードするために設けられた2つの第一の装備を備え得る。この態様に関しては、それゆえに、アトマイザーには、第一の装備および第二の装備の代わりに、2つの第一の装備が取り付けられる。具体的には、一方の第一の装備および他方の第一の装備に、離隔されて配置された供給ストリング(それぞれが、好ましくは、塗料交換配置と、コーティング剤成分用の計測機器と、硬化剤成分用の計測機器とを備える)によって、交換可能なコーティング剤および/または洗浄剤および/またはパルス状空気および/または硬化剤が供給される。2つの離隔配置された第一の装備および/またはそれらのそれぞれの供給ストリングが、基本的には同一に構成されることが好ましい。
【0015】
そのため、アトマイザーは、好ましくは、多成分コーティング剤を塗布要素に導くために設けられた少なくとも1つの第一の装備を備える。
【0016】
塗料交換配置は、たとえば、従来の塗料交換器(例:バルブブロック)であってもよく、または、ドッキング塗料交換器および計測機器はまた、たとえば、従来の計測ポンプであってもよい。
【0017】
単一成分コーティング剤は好ましくは単一成分塗料(例:基礎塗料)である。二成分コーティング剤は好ましくは二成分塗料(二成分透明塗料および/または二成分基礎塗料用の)である。多成分コーティング剤は、少なくとも1つのコーティング剤成分と、少なくとも1つの硬化剤成分とを有するコーティング剤である。多成分コーティング剤は、さまざまな基礎塗料系(例:溶剤性塗料または水性塗料のような湿式塗料)を有し得る。多成分コーティング剤は、従来の多成分コーティング剤、具体的には、従来の二成分塗料であり得て、それはたいてい、車体、アタッチメントパーツおよび/または車両の運転席を塗装するために用いられる。
【0018】
本発明の文脈の範疇で用いられる「アトマイザー」の概念は一般的な用語において解釈されるべきであり、たとえば、超音波、空気、エアレスまたは空気混合機器だけでなく、ベルアトマイザーまたはディスクアトマイザーの形態をとる回転アトマイザーを含む。それに対応して、本発明の範疇において、塗布要素は、ベルプレートであってもよいし、ロータリーディスクであってもよいし、単にノズルであってもよい。
【0019】
さらに、アトマイザーは、洗浄剤による塗布要素の短時間フラッシング用の、および/または、空気(またはパルス状空気)を塗布要素、具体的にはノズル、に印加するための第三の装備、具体的にはノズルを備え得る。
【0020】
第一の装備、第二の装備および/または第三の装備は、お互いに離隔されて配置され得る。第一の装備、第二の装備および/または第三の装備は、好ましくは平行に配置され得る。
【0021】
さらに、2つの第一の装備(たとえば、一方の第一の装備と他方の第一の装備)を伴う態様に関しては、2つの第一の装備と第三の装備はお互いに離隔して配置され得る。2つの第一の装備は、お互いに平行に配置され、かつ、第三の装備に対して平行に配置されることが好ましい。
【0022】
同様に、装備および/または塗料交換器および計測機器を提供する供給ストリングも、お互いに離隔されて、お互いに平行に配置され得る。
【0023】
コーティング剤成分および硬化剤成分と接触するパーツが少なくともフラッシングされ得る、および/または、パルス状空気と衝突され得るように、アトマイザー、具体的には少なくとも1つの第一の装備が設けられる。洗浄剤および/またはパルス状空気は、好ましくは、コーティング剤/硬化剤の残渣とともに、塗布要素から回収機器に排出される。アトマイザー内における意図せぬコーティング剤成分および硬化剤成分の硬化は、アトマイザーにダメージを与え、アトマイザーを破壊する可能性さえあるだろう。
【0024】
好ましい態様に関して、アトマイザー(または、少なくとも第一の装備)は、コーティング剤成分用のフィードラインと、硬化剤成分用のフィードラインとを備え、それらは、好ましくは、お互いに離隔され、具体的にはお互いに平行に配置される。アトマイザー(または、少なくとも第一の装備)には、コーティング剤成分および硬化剤成分が供給され、コーティング剤成分と硬化剤成分とが混合される混合要素が取り付けられ得る。さらに、アトマイザー(または少なくとも第一の装備)には、コーティング剤成分および硬化剤成分を受け取るように設けられ、かつ、好ましくは混合要素から出て来て、塗布要素にフィードされるマニフォールドラインが取り付けられ得る。さらに、アトマイザー(または少なくとも第一の装備)には、好ましくは、多成分コーティング剤用の第一のメインニードルが取り付けられる。第一のメインニードル(または第一のメインニードルバルブ)はマニフォールドライン上に、または、マニフォールドライン内に、具体的には混合要素と塗布要素との間に設けられ、かつ、具体的には、第一の塗料交換配置(例:多成分コーティング剤、洗浄剤およびパルス状空気を伴う)によって供給され得る。
【0025】
アトマイザー内の空間的に限られたセクションにも混合要素を収容するために、混合要素はそれに対応して小さな寸法を有し、かつ、それでもなお十分な混合結果を実現しなければならず、それは従来の混合器にはできないことである。本発明に好適な混合要素の一つは、好ましくは、創成法(たとえば、ラピッドプロトタイピング法、たとえば、レーザ焼結、レーザ融解など)を用いて製造され得る。
【0026】
コーティング剤成分用のフィードラインは、戻りライン、好ましくはコーティング剤成分用の停止バルブが取り付けられた戻りラインと接続され得る。さらに、コーティング剤成分用のフィードラインは、コーティング剤成分用の停止バルブを備え得る。コーティング剤成分用のフィードラインは、フラッシングライン、好ましくはフラッシングバルブが取り付けられたフラッシングラインと接続され得て、そのフラッシングラインは、混合要素をフラッシングするために、および/または、マニフォールドラインをフラッシングするために、コーティング剤成分用のフィードラインを少なくとも部分的にフラッシングするために設けられる。さらに、コーティング剤成分用のフィードラインは、パルス状空気ライン、好ましくはパルス状空気バルブが取り付けられたパルス状空気ラインと接続され、混合要素にパルス状空気を印加するために、および/または、マニフォールドラインにパルス状空気を印加するためにコーティング剤成分用のフィードラインに少なくとも部分的にパルス状空気を印加する。洗浄剤および/またはパルス状空気は、塗布要素から回収機器に向けて、コーティング剤残渣/硬化剤残渣とともに排出される。
【0027】
硬化剤成分用のフィードラインは、混合要素よりも上流で、コーティング剤成分用のフィードラインに排出し得る。しかしながら、硬化剤成分用のフィードラインおよびコーティング剤成分用のフィードラインが混合要素に直接排出し得る。硬化剤成分用のフィードラインに、硬化剤成分用の第一の停止バルブおよび/または硬化剤成分用の第二の停止バルブが取り付けられ得る。さらに、硬化剤成分用のフィードラインは、フラッシングライン、好ましくはフラッシングバルブが取り付けられたフラッシングラインと接続され得る。そのフラッシングラインは、混合要素をフラッシングするために、および/または、マニフォールドラインをフラッシングするために、少なくとも部分的に硬化剤成分用のフィードラインをフラッシングするために設けられる。
【0028】
コーティング剤成分用のフィードラインと接続されるフラッシングラインおよび/またはパルス状空気ラインは、コーティング剤成分用の停止バルブと混合要素との間で、コーティング剤成分用のフィードラインに向けて排出し得る。硬化剤成分用のフィードラインと接続されるフラッシングラインは、硬化剤成分用の第一の停止バルブと硬化剤成分用の第二の停止バルブとの間で、硬化剤成分用のフィードラインに向けて排出し得る。
【0029】
コーティング剤成分用の戻りラインは、好ましくは、コーティング剤成分用の停止バルブよりも上流で、コーティング剤成分用のフィードラインと接続される。さらに、混合要素は、コーティング剤成分用の停止バルブ、および/または、フラッシングバルブ(コーティング剤成分用のフィードラインと接続されるフラッシングライン)、および/または、パルス状空気バルブよりも下流に設けられ得る。さらに、硬化剤成分用の第一の停止バルブは、好ましくは、硬化剤用の第二の停止バルブよりも上流に設けられ、さらに、混合要素は、好ましくは、硬化剤成分用の第二の停止バルブよりも下流に設けられ得る。さらに、第一のメインニードルは混合要素よりも下流に設けられ、および/または、第一のメインニードルを通して、混合要素の回収ラインを塗布要素に繋げ得る。
【0030】
アトマイザー(または第二の装備)には、単一成分コーティング剤用のフィードラインおよび/または単一成分コーティング剤用の第二のメインニードル(または第二のメインニードルバルブ)が取り付けられ得て、それは好ましくは単一成分コーティング剤用のフィードライン上またはフィードライン内に配置され、具体的には、第二の塗料交換配置(例:単一成分コーティング剤、洗浄剤およびパルス状空気とともに)によって供給され得る。
【0031】
第一の供給ストリングおよび/または第一の装備によって、第一のメインニードルまたは第一のメインニードルバルブを通して、多成分コーティング剤が塗布要素に導かれ、第二のメインニードルまたは第二のメインニードルバルブを通して、第二の供給ストリングおよび/または第二の装備から、塗布要素に単一成分コーティング剤が導かれ得る。
【0032】
単一成分コーティング剤が、戻りライン、好ましくは単一成分コーティング剤用の停止バルブが取り付けられた戻りラインと接続され得る。戻りラインは、好ましくは、第二のメインニードルより上流で、単一成分コーティング剤用のフィードラインと接続される。
【0033】
コーティング剤成分用の戻りラインおよび/または単一成分コーティング剤用の戻りラインは、1つまたはそれ以上の回収機器に直接接続され得て、それは廃棄物の除去を顕著に単純化する。さらに、コーティング剤成分用の戻りラインおよび/または単一成分コーティング剤用の戻りラインによって、コーティング剤成分および/または単一成分コーティング剤の永続的な循環が可能になる。異なるエリアにおける戻りラインの使用に関するさらなる重要な点の一つは、少なくとも部分的な平行プロセス、たとえば、塗料交換器とアトマイザーとの間のフラッシング(充填タイプと用いられる塗料次第である)によって節約される時間である。
【0034】
アトマイザー(または第三の装備)には、洗浄剤および/またはパルス状空気用のフィードラインが取り付けられ得る。この場合、洗浄剤および/またはパルス状空気用のフィードラインは、好ましくは、第一のメインニードルおよび/または第二のメインニードルよりも下流で、原則的に塗布要素に直接的に繋がり得る。第三の装備は、具体的には、塗布要素の短時間フラッシングのために設けられる。
【0035】
第三の装備における洗浄剤および/または空気、好ましくはパルス状空気用のフィードラインは、具体的にはフラッシングバルブが取り付けられた洗浄剤用のフィードラインによって、および/または、空気用の、具体的には、好ましくはパルス状空気用の空気バルブが取り付けられたフィードラインによって供給され得る。
【0036】
第三の装備、具体的には洗浄剤用および/または空気、好ましくはパルス状空気用のそのフィードラインは、具体的には、たとえば、単一成分コーティング剤の、多成分コーティング剤の、洗浄剤の、および/またはパルス状空気の戻りフローまたは貫通フローを防ぐために設けられるバルブ、好ましくは停止バルブを備える。このバルブは、好ましくは、フラッシングバルブまたは空気バルブよりも下流に配置され得る。さらに、このバルブは、たとえば、第一のメインニードルまたは第一のメインニードルバルブおよび/または第二のメインニードルまたは第二のメインニードルバルブよりも下流に配置され得る。少なくとも一つの第一の装備または第二の装備からの流体(たとえば、単一成分コーティング剤の、多成分コーティング剤の、洗浄剤の、および/またはパルス状空気の)の戻りフローが具体的には防止され得て、それは流体にとって有利であり、それは、好ましくは、第一のメインニードルまたは第一のメインニードルバルブおよび/または第二のメインニードルまたは第二のメインニードルバルブを通過してくる。
【0037】
第一のメインニードルは第一のメインニードルバルブに設けられ、第二のメインニードルは第二のメインニードルバルブに設けられ得る。別の方法として、第一のメインニードルおよび第二のメインニードルが共通のメインニードルバルブに設けられることも可能である。さらに、第一のメインニードルバルブおよび第二のメインニードルバルブが塗布要素と接続されることも可能である。別の方法として、共通のメインニードルバルブが塗布要素と接続されることも可能である。具体的には、第一のメインニードルが第一の装備に配置され、およびそれゆえにそれに塗布される多成分コーティング剤を有する一方、第二のメインニードルが第二の装備に配置され、およびそれゆえに単一成分コーティング剤にぶつかる。
【0038】
さらに、アトマイザーは、好ましくは、第一のメインニードルバルブまたは第二のメインニードルバルブをモニターおよび/または設定する装備、または、共通のメインニードルバルブをモニターおよび/または設定する装備を有する。
【0039】
コーティング剤成分用のフィードラインに、交換可能なコーティング剤、洗浄剤および/またはパルス状空気を供給するために、少なくとも第一の装備(またはコーティング剤成分用のフィードライン)が第一の塗料交換配置に連結され得る。さらに、少なくとも第一の装備(またはコーティング剤成分用のフィードライン)が第一の計測機器、好ましくは計測ポンプに連結され得る。その第一の計測機器は、コーティング剤成分を計測するために設けられ、および、たとえば、第一の塗料交換配置よりも下流、および/または、コーティング剤成分用の停止バルブおよび/またはコーティング剤成分用の停止バルブよりも上流に設けられる。さらに、少なくとも第一の装備(または硬化剤成分用のフィードライン)が第二の計測機器、好ましくは計測ポンプに連結され得る。その第二の計測機器は、硬化剤成分を計測するために設けられ、および、たとえば、第二の停止バルブよりも上流に設けられ得る。少なくとも一つの設けられた第一の装備があることが好ましく、それは多成分コーティング剤を第一のメインニードルバルブに導く。第一の塗料交換配置および第一および第二の計測機器は第一の供給ストリングに配置され得る。
【0040】
単一成分コーティング剤用のフィードラインに、交換可能なコーティング剤および/または洗浄剤および/またはパルス状空気を供給するために、第二の装備(または単一成分コーティング剤用のフィードライン)が第二の塗料交換配置に連結され得る。さらに、第二の装備(または単一成分コーティング剤用のフィードライン)が第三の計測機器、好ましくは計測ポンプに接続され得る。その第三の計測機器は、単一成分コーティング剤を計測するために設けられ、かつ、たとえば、第二の塗料交換配置よりも下流、および/または、第二のメインニードルおよび/または第二の停止バルブよりも上流に取り付けられ得る。好ましくは単一成分コーティング剤を第二のメインニードルバルブに導くために第二の装備が設けられる。第二の塗料交換配置および第三の計測ポンプは、それゆえに、第一の供給ストリングから離隔して設けられる第二の供給ラインに配置され得る。
【0041】
それぞれの塗料交換配置およびそれぞれの計測機器が、アトマイザーと接して、または、アトマイザーから距離を置いて、または、アトマイザーの外側に設けられ得る。
【0042】
本発明によれば、上述のような、アトマイザーが設けられる塗装機械または塗装ロボットのような塗布機器がさらにある。そのため、本発明は、単一の構成要素の形態をとる上述のアトマイザーを含むだけでなく、そのようなアトマイザーが取り付けられる完全な塗装機械をも含み、塗装機械は、多軸塗装ロボット、側面塗装マシンまたはルーフマシンの形態であってもよい。しかしながら、本発明は、塗装ロボット、ルームマシンまたは側面塗装マシンに限定されるものではなく、従来技術から既知である他のタイプのマシンをも含むものとする。
【0043】
塗装機械は好ましくは多軸塗装ロボットして具体化され、第一のロボットアーム(「アーム1」)と第二のロボットアーム(「アーム2」)とを有し得て、第二のロボットアームは、第一のロボットアームに対して移動可能なように取り付けられ、好ましくは、塗布機器(例:回転アトマイザー)が取り付けられたダイレクトロボットの手首を有する。それぞれの供給ストリングの上述の計測ポンプが、たとえば、第一のロボットアーム(「アーム1」)上に、または、内部に取り付けられ得る。本発明の範疇において、個々の計測ポンプが第二のロボットアーム(「アーム2」)上に、または、内部に取り付けられるという別の可能性もある。
【0044】
塗装ロボットは、たとえば、国際公開公報第2009/115201号パンフレットに記載された塗装ロボットのように設計され得て、国際公開公報第2009/115201号パンフレットの内容が、本出願の明細書に完全に取り込まれる。
【0045】
計測ポンプの一つが第一のロボットアーム上、または、内部に取り付けられる一方、他の計測ポンプが第二のロボットアームに取り付けられる可能性もある。
【0046】
たとえば、塗装機械が、たとえば台車が塗装ロボットを保持するレールに沿って動き得る台車を伴う移動軸を有してもよい。ついで、計測ポンプは、台車上を移動するように完全にまたは部分的に配置されてもよい。
【0047】
さらに、第一の計測機器および/または第二の計測機器および/または第三の計測機器がアトマイザーに完全または部分的に統合され得る。しかしながら、本発明は、計測ポンプの空間配置に関して上述の例に限定されるものではなく、別の方法で実装されてもよい。
【0048】
本発明はまた、塗装キャビンを空間的に制限する独創的な塗装機械およびキャビン壁を伴う塗装キャビンを含む。上述の計測ポンプは、塗装キャビンの内部か塗装キャビンの外部で、キャビン壁に完全または部分的に接するように配置され得る。
【0049】
本発明によれば、さらに、好ましくは、上述のアトマイザーまたは上述の塗布装置を用いて実行される、具体的には、たとえば、車体、それらのアタッチメントパーツ、車両の運転席をコーティングするために設けられた方法もある。該方法は以下の工程を含む。(選択的に)塗布要素からの多成分コーティング剤および単一成分コーティング剤を塗布する工程、または、(選択的に)塗布要素からの第二の異なる多成分コーティング剤を塗布する工程。
【0050】
多成分コーティング剤および単一成分コーティング剤の塗布は交互に起こり得る。同様に、2つの異なる2つの多成分コーティング剤の塗布も交互に起こり得る。
【0051】
多成分コーティング剤は、好ましくは、第一の装備から塗布要素に導かれ、塗布要素によって塗布され、単一成分コーティング剤は、好ましくは、第二の装備から塗布要素に導かれ、塗布要素によって塗布される。
【0052】
2つの異なる多成分コーティング剤が塗布要素から塗布される形態においては、2つの異なる多成分コーティング剤が、好ましくは、お互いに離隔配置された2つの第一の装備によって、2つの第一のメインニードルおよび/または塗布要素に導かれ、塗布要素によって塗布される。
【0053】
第一の装備、具体的にはコーティング剤成分用のそのフィードライン、に、第一の塗料交換配置からの交換可能なコーティング剤、洗浄剤および/またはパルス状空気が供給され、第二の装備、具体的には単一成分コーティング剤用のそのフィードライン、には、第二の塗料交換配置からの交換可能なコーティング剤、洗浄剤および/またはパルス状空気が供給され得る。この場合における第一の塗料交換配置は、第一の供給ストリング(同様に、たとえば、コーティング剤成分用の計測機器および/または硬化剤成分用の計測機器が取り付けられ得る)に配置され得る一方、第二の塗料交換配置は、第二の供給ストリング(同様に、たとえば、単一成分コーティング剤用の計測機器が取り付けられ得る)に配置され得る。
【0054】
少なくとも一つの第一の装備(すなわち、1つの第一の装備または2つの第一の装備)は、少なくとも以下の工程を実行し得る。コーティング剤成分用のフィードラインを通して、コーティング剤成分を混合要素にフィードする工程と、硬化剤成分用のフィードラインを通して、硬化剤成分を混合要素にフィードする工程と、混合要素においてコーティング剤成分と硬化剤成分とを混合する工程と、好ましくは混合された多成分コーティング剤を、具体的には第一のメインニードルを通して第一の供給ストリングから、塗布要素にフィードする工程。
【0055】
第二の装備は、具体的には単一成分コーティング剤用のフィードラインによって、好ましくは第二のメインニードルを通して、単一成分コーティング剤を塗布要素に導き得る。
【0056】
さらに、該方法は、以下の工程のうちの少なくとも1つを含み得る(好ましくは、少なくとも第一の装備によって実行される)。コーティング剤成分用の戻りラインを用いて、単一成分用コーティング剤用のフィードラインの一部分をフラッシングする工程を含み、該一部分がコーティング剤成分用の停止バルブよりも上流に配置される。コーティング剤成分用の混合要素、第一のメインニードルバルブおよび/またはフィードラインの一部分にパルス状空気をフラッシングするおよび/または印加する工程を含み、該一部分がコーティング剤成分用の停止バルブよりも上流に配置される。硬化剤成分用のフィードラインの一部分をフラッシングする工程を含み、該一部分が、硬化剤成分用の第一の停止バルブよりも下流に配置され、かつ、コーティング剤成分用のフィードラインまたは混合要素に向いて開口している。
【0057】
さらに、該方法は、以下の工程のうち少なくとも1つを含み得る。好ましくは第二の装備を用いて、単一成分コーティング剤用の戻りラインを通して、単一成分コーティング剤用のフィードラインの一部分をフラッシングする工程を含み、該第二の装備が第二のメインニードルバルブよりも上流に配置される。第三の装備を用いて、塗布要素、具体的には塗布要素のノズルにパルス状空気を短時間フラッシングする、および/または、印加する工程。塗布要素および/または回収機器内の戻りラインから洗浄剤および/またはパルス状空気を排出する工程を含み、戻りラインを通して導かれた洗浄剤および/またはパルス状空気が塗布要素を通して排出されない。
【0058】
洗浄剤は、清浄剤および/または溶媒(例:シンナー)を含み得る。さらに、洗浄剤は、多成分コーティング剤の硬化を少なくとも遅らせ、好ましくは原則的に硬化を防止する遮断剤を含み得る。多成分コーティング剤の少なくとも1つの成分と反応し得る全ての単官能基の分子が遮断剤として考慮される。遮断剤は、好ましくは、アミン類、アルコール類、好ましくは低アルコール濃度のアルコール類、エタノール、プロパノール、および/またはその異性体、および/または、ブタノール、および/またはその異性体を含む。遮断剤はまた、遅延剤のような反応物質、好ましくは有機酸塩化物をも含み得る。多成分コーティング剤の硬化剤成分は、たとえば、イソシアネートであり得る。
【0059】
上述の好ましい態様、特徴および可能な設計が、いかなる所望の方法においても組み合わせられ得る。
【0060】
本発明の他の有利なさらなる構造は、添付の図1に関連して好ましい実施態様の以下の記載から従属項において開示され、または、生じ、図1は、塗布装置、具体的には本発明に係るアトマイザーの模式図を示す。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】塗布装置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本図は、塗布装置、および具体的には、車体、アタッチメントパーツおよび/または車両の運転席の連続コーティング用のアトマイザーを示す。本図に示されるアトマイザーは、単一成分コーティング剤および多成分コーティング剤を選択的に塗布するために設けられる。
【0063】
該アトマイザーは、多成分コーティング剤(コーティング剤成分(基礎塗料)および硬化剤成分)および単一成分コーティング剤を、車体、アタッチメントパーツおよび車両の運転席に塗布するために、塗布要素AEとして作動する、ベルプレートが取り付けられた回転アトマイザーである。該多成分コーティング剤は二成分塗料であり(例:2K透明塗料または2K基礎塗料)、単一成分コーティング剤は単一成分塗料(例:基礎塗料)である。
【0064】
参照符号1は第一の装備を示し、それは、混合された多成分コーティング剤を塗布要素AEに導くために設けられる。参照符号2は第二の装備を示し、それは、単一成分コーティング剤を塗布要素AEに導くために設けられる。参照符号3は第三の装備を示し、それは、パルス状の空気を塗布要素AEに、短時間フラッシングする、および/または、印加するために設けられる。
【0065】
第一の装備1、第二の装備2および第三の装備3はお互いに離隔して設けられ、具体的には、お互いに平行に配置され、それぞれが塗布要素AEと繋がる。
【0066】
第一の装備1は、お互いに平行に配置されたコーティング剤成分用のフィードライン10および硬化剤成分用のフィードライン20と、コーティング剤成分と硬化剤成分とを混合する混合要素11とを有する。さらに、第一の装備1にはマニフォールドライン30が取り付けられ、それは、混合要素11を離れ、かつ、第一のメインニードルが取り付けられた第一のメインニードルバルブHV1を通して塗布要素AEに導かれるコーティング剤成分および硬化剤成分を受け取るように設けられる。
【0067】
第一の塗料交換配置FW1(塗料交換器)と、コーティング剤成分を計測する第一の計測機器DP1と、硬化剤タンク(図示せず)と、硬化剤成分を計測する第二の計測機器DP2とが取り付けられている第一の供給ストリングVS1によって、多成分コーティング剤が利用可能になる。洗浄剤およびパルス状空気はまた、第一の塗料交換器FW1を通して利用可能になり得る。第一の塗料交換器FW1および第一の計測機器DP1は、コーティング剤成分用のフィードライン10に割り振られるか、またはそれらと接続され得て、フィードライン20の硬化剤タンクおよび第二の計測機器DP2は硬化剤成分に割り振られるか、またはそれらと接続され得る。
【0068】
第二の塗料交換配置FW2(塗料交換器)と、単一成分コーティング剤を計測する第三の計測機器DP3とが取り付けられた第二の供給ストリングVS2によって、単一成分コーティング剤が利用可能となる。洗浄剤およびパルス状空気はまた、第二の塗料交換器FW2を通して利用可能になり得る。第二の塗料交換器FW2および第三の計測機器DP3は、単一成分コーティング剤用のフィードライン40に割り振られるか、または接続され得る。
【0069】
それゆえに、第一の供給ストリングVS1が第一の装備1に接続される、または、接続可能である一方、第二の供給ストリングVS2は、第二の装備2に接続される、または、接続可能である。
【0070】
コーティング剤成分用のフィードライン10は、コーティング剤成分用の戻りバルブRV1が取り付けられた戻りRL1と接続され、かつ、停止バルブAV1を備える。さらに、コーティング剤成分用のフィードライン10は、フラッシングバルブSV1が取り付けられたフラッシングラインSL1と接続される。少なくともセクションごとに、停止バルブAV1よりも下流において、コーティング剤成分用のフィードライン10をフラッシングするため、および、マニフォールドライン30だけでなく混合要素11もフラッシングするために、フラッシングラインSL1が配置される。さらに、コーティング剤成分用のフィードライン10は、パルス状空気バルブPV1が取り付けられたパルス状空気ラインPL1と接続され、それは、少なくともセクションごとに、停止バルブAV1よりも下流の空気ラインに、コーティング剤成分用のフィードライン10までパルス状空気を印加するため、かつ、マニフォールドライン30だけでなく混合要素11にもパルス状空気を印加するために設けられる。
【0071】
硬化剤成分用のフィードライン20は、混合要素11よりも少し上流で、コーティング剤成分用のフィードライン10に向けて放出する。硬化剤成分用のフィードライン20には、硬化剤成分用の第一の停止バルブAV2および硬化剤成分用の第二の停止バルブAV3が取り付けられている。さらに、硬化剤成分用のフィードライン20はフラッシングバルブSV2が取り付けられたフラッシングラインSL2と接続され、それは、少なくともセクションごとに、硬化剤成分用のフィードライン20をフラッシングするため、および、マニフォールドライン30だけでなく混合要素11もフラッシングするために設けられる。
【0072】
パルス状空気ラインPL1を通してフィードされるパルス状空気だけでなく、第一のフラッシングラインSL1および第二のフラッシングラインSL2を通してフィードされる洗浄剤も、塗布要素AEを通して、回収機器(図示せず)に排出される。
【0073】
コーティング剤成分用のフィードライン10と接続されたフラッシングラインSL1およびパルス状空気ラインPL1は、コーティング剤成分用の停止バルブAV1と混合要素11との間で、コーティング剤成分用のフィードライン10に向けて排出し、硬化剤成分用のフィードライン20と接続されたフラッシングラインSL2は、硬化剤成分用の第一の停止バルブAV2と硬化剤成分用の第二の停止バルブAV3との間で、硬化剤成分用のフィードライン20に向けて排出する。
【0074】
コーティング剤成分用の戻りラインRL1は、停止バルブAV1よりも上流で、コーティング剤成分用のフィードライン10と接続される。混合要素11は、コーティング剤成分用の停止バルブAV1よりも下流、第一のフラッシングラインSL1内のフラッシングバルブSV1よりも下流、および、パルス状空気ラインPL1内のパルス状空気バルブPV1よりも下流に配置されるように設けられる。硬化剤成分用の第一の停止バルブAV2は、硬化剤成分用の第二の停止バルブAV3よりも上流に設けられ、同様に、混合要素11は、硬化剤成分用の第二の停止バルブAV3よりも下流に設けられる。
【0075】
メインニードルHN1が取り付けられた第一のメインニードルバルブHV1は、混合要素11よりも下流で利用可能である。マニフォールドライン30は、メインニードルHN1が取り付けられた第一のメインニードルバルブHV1を通して、混合された多成分コーティング剤を塗布要素AEに導く。
【0076】
第二の装備2は、単一成分コーティング剤用のフィードライン40およびメインニードルHN2が取り付けられた第二のメインニードルバルブHV2が利用可能である。単一成分コーティング剤用のフィードライン40は、単一成分コーティング剤用の停止バルブRV2が取り付けられた戻りラインRL2と接続される。単一成分コーティング剤用のフィードライン40は、第二のメインニードルバルブHV2を通って、塗布要素AEに至る。
【0077】
第三の装備3は、塗布要素AEに繋がる、洗浄剤および/またはパルス状空気用のフィードライン50を有する。第三の装備3は塗布要素AEを短時間フラッシングするために設けられ、塗布要素AEからの洗浄剤およびパルス状空気が回収機器に排出される。フィードライン50には、バルブKSが取り付けられたフィードライン48によって洗浄剤が供給され、かつ、バルブKSLが取り付けられたフィードライン49によって空気が供給される。
【0078】
フィードライン50はまた、停止バルブとして設計されたバルブRSをも備える。バルブRSは、バルブKSおよびKSLよりも下流に配置され、第一のメインニードルバルブHV1および第二のメインニードルバルブHV2よりも下流に配置される。第一の装備1および第二の装備2からの、単一成分コーティング剤、多成分コーティング剤、洗浄剤および/またはパルス状空気の逆流を防ぐために、バルブRSが設けられる。
【0079】
塗布要素AEからの多成分コーティング剤および単一成分コーティング剤を塗布するために、本図に示されるアトマイザーが設けられる。
【0080】
しかしながら、本発明に係るアトマイザーはまた、塗布要素からの2つの異なる多成分コーティング剤を塗布するためにも設計され得る。この目的のため、本図に示される第二の装備2は、さらなる第一の装備1によって置き換えられ得る。そのため、このアトマイザーは、好ましくはお互いに平行に配置され、多成分コーティング剤を塗布要素にそれぞれ導き得る、お互いに離隔された2つの基本的には機能的に同一な第一の装備を備える。これによれば、一方の第一の装備および他方の第一の装備には、上述のように離隔して配置された供給ストリングによって(それはそれぞれ、好ましくは、第一の塗料交換配置、コーティング剤成分用の第一の計測機器、硬化剤成分用の第二の計測機器を備える)、交換可能なコーティング剤および/または洗浄剤および/またはパルス状空気および/または硬化剤が供給される。そのため、第一の供給ストリングおよび/または第一の装備によって、具体的には第一のメインニードルを通して、一方の多成分コーティング剤が塗布要素に導かれ、他の供給ストリングおよび/または他の第一の装備によって、具体的には第一のメインニードルを通して、他方の多成分コーティング剤が塗布要素に導かれる。この場合、供給ストリングおよび装備は実際にお互いに離隔されているが、基本的には、機能的および/または構造的に同一に設計される。具体的には、供給ストリングおよび装備は、上述の第一の供給ストリングおよび/または装備と同じであり得る。もしそうでなければ、塗布要素からの2つの異なる多成分コーティング剤を塗布するために設けられ、塗布要素からの多成分コーティング剤および単一成分コーティング剤を塗布するために設けられたアトマイザーは基本的には上述のアトマイザーと同一であり、重複を避けるために上述の記載が参照される。
【0081】
本発明は上述の実施態様に限定されるものではなく、むしろ複数の変形および修正が可能であり、それもまた本発明の概念を用い、およびそれゆえに保護の範疇に入る。
【符号の説明】
【0082】
1 第一の装備
2 第二の装備
3 第三の装備
10 コーティング剤成分用のフィードライン
11 混合器
20 硬化剤成分用のフィードライン
30 マニフォールドライン
40 単一成分コーティング剤用のフィードライン
50 短時間フラッシングおよび/またはパルス状空気用のフィードライン
AE 塗布要素
AV1 コーティング剤成分用の停止バルブ
AV2 硬化剤成分用の停止バルブ
AV3 硬化剤成分用の停止バルブ
RL1 コーティング剤成分用の戻りライン
RV1 戻りバルブ
RL2 単一成分コーティング剤用の戻りライン
RV2 戻りバルブ
SL1 フラッシングライン
SV1 フラッシングバルブ
SL2 フラッシングライン
SL2 フラッシングバルブ
VS1 供給ストリング
VS2 供給ストリング
FW1 塗料交換配置(塗料交換器)
FW2 塗料交換配置(塗料交換器)
DP1 計測機器(計測ポンプ)
DP2 計測機器(計測ポンプ)
DP3 計測機器(計測ポンプ)
HN1 メインニードル
HV1 メインニードルバルブ
HN2 メインニードル
HV2 メインニードルバルブ
KS バルブ
KSL バルブ
PL1 パルス状空気ライン
RS 逆止バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは、車体、アタッチメントパーツおよび/または車両の運転席をコーティングするためのアトマイザー、具体的には回転アトマイザーであって、
前記アトマイザーが、
a)塗布要素(AE)からの多成分コーティング剤および単一成分コーティング剤を塗布する、または、
b)塗布要素(AE)からの2つの異なる多成分コーティング剤を塗布する、
ために設けられた、
ことを特徴とするアトマイザー。
【請求項2】
a)前記多成分コーティング剤が、第一の装備(1)によって、前記塗布要素(AE)に導かれる、および/または、
b)前記単一成分コーティング剤が、第二の装備(2)によって、前記塗布要素(AE)に導かれる、および/または、
c)個々の前記多成分コーティング剤が、お互いに離隔されて配置された2つの第一の装備(1)によって、前記塗布要素(AE)に導かれる、
ことを特徴とする請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項3】
洗浄剤による前記塗布要素(AE)の短時間フラッシングのため、および/または、前記塗布要素(AE)への空気の印加のために、第三の装備(3)が設けられた、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアトマイザー。
【請求項4】
a)前記第一の装備(1)、および/または、
b)前記第二の装備(2)、および/または、
c)お互いに離隔されて配置された2つの前記第一の装備、および/または、
d)前記第三の装備(3)、
がお互いに離隔されて配置された、
ことを特徴とする請求項2または3に記載のアトマイザー。
【請求項5】
前記アトマイザーおよび/または少なくとも1つの前記第一の装備(1)に、
a)前記コーティング剤成分用のフィードライン(10)および/または前記硬化剤成分用のフィードライン(20)、および/または、
b)前記コーティング剤成分と前記硬化剤成分とが供給されるように設けられ、前記コーティング剤成分と前記硬化剤成分とが混合される混合要素(11)、および/または、
c)前記コーティング剤成分と前記硬化剤成分とを受け取るように設けられ、前記混合要素(11)から出てくるマニフォールドライン(30)、および/または、
d)第一の塗料交換配置(FW1)によって供給され得る第一のメインニードル(HN1)
が設けられた、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項6】
前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)が、
a)好ましくは前記コーティング剤成分用の戻りバルブ(TV1)が取り付けられた戻りライン(RL1)と接続され、および/または、
b)前記コーティング剤成分用の停止バルブ(AV1)を含み、および/または、
c)フラッシングバルブ(SV1)が取り付けられたフラッシングライン(SL1)と好ましくは接続され、
前記フラッシングライン(SL1)が、
c1)少なくともセクションごとに、前記コーティング成分用の前記フィードライン(10)をフラッシングするために、および/または、
c2)前記混合要素(11)をフラッシングするために、および/または、
c3)前記マニフォールドライン(30)をフラッシングするために、
設けられ、および/または、
d)好ましくはパルス状空気バルブ(PV1)が取り付けられたパルス状空気ライン(PL1)と接続され、
前記ラインが、
d1)少なくともセクションごとに、前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)にパルス状空気を衝突させるために、および/または、
d2)前記マニフォールドライン(30)にパルス状空気を衝突させるために、および/または、
d3)前記混合要素(11)にパルス状空気を衝突させるために、
設けられた、
ことを特徴とする請求項5に記載のアトマイザー。
【請求項7】
前記硬化剤成分用の前記フィードライン(20)が、
a)前記混合要素(11)よりも上流で、前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)に向けて排出する、または、前記硬化剤成分用の前記フィードライン(20)および前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)が前記混合要素(11)に向けて排出する、および/または、
b)前記硬化剤成分用の第一の停止バルブ(AV2)を有し、および/または、
c)前記硬化剤成分用の第二の停止バルブ(AV3)を有し、および/または、
d)フラッシングバルブ(SV2)が取り付けられたフラッシングライン(SL2)と接続され、
前記フラッシングライン(SL2)が、
d1)少なくともセクションごとに、前記硬化剤成分用の前記フィードライン(20)をフラッシングするために、および/または、
d2)前記混合要素(11)をフラッシングするために、および/または、
d3)前記マニフォールドライン(30)をフラッシングするために、
設けられた、
ことを特徴とする請求項5または6に記載のアトマイザー。
【請求項8】
a)前記コーティング剤成分用の前記停止バルブ(AV1)と前記混合要素(11)との間で、前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)と接続された前記フラッシングライン(SL1)および/または前記パルス状空気ライン(PL1)が、前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)に向けて排出し、および/または、
b)前記硬化剤成分用の前記第一の停止バルブ(AV2)と前記硬化剤成分用の前記第二の停止バルブ(AV3)との間で、前記硬化剤成分用の前記フィードラインと接続された前記フラッシングライン(SL2)が、前記硬化剤成分用の前記フィードライン(20)に向けて排出する、
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項9】
a)前記コーティング剤成分用の前記停止バルブ(AV1)よりも上流で、前記コーティング剤成分用の前記戻りライン(RL1)が、前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)と接続され、および/または、
b)前記コーティング剤成分用の前記停止バルブ(AV1)および/または前記フラッシングバルブ(SV1)および/または前記パルス状空気バルブ(PV1)よりも下流に前記混合要素(11)が設けられ、
c)前記硬化剤成分用の前記第二の停止バルブ(AV3)よりも上流に、前記硬化剤成分用の前記第一の停止バルブ(AV2)が設けられ、および/または、
d)前記硬化剤成分用の前記第二の停止バルブ(AV3)よりも下流に、前記混合要素(11)が設けられ、および/または、
e)前記混合要素(11)よりも下流に、前記第一のメインニードル(HN1)が設けられ、および/または、
f)前記第一のメインニードル(HN1)を介して、前記マニフォールドライン(30)が、前記混合要素(11)から前記塗布要素(AE)に至る、
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項10】
前記アトマイザーおよび/または前記第二の装備(2)に、
a)前記単一成分コーティング剤用のフィードライン(40)、および/または、
b)第二の塗料交換配置(FW1)によって供給され得る第二のメインニードル(HN2)、
が設けられた、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項11】
前記単一成分コーティング剤用の前記フィードライン(40)が、前記単一成分コーティング剤用の、好ましくは停止バルブ(RV2)が取り付けられた戻りライン(RL2)と接続された、
ことを特徴とする請求項10に記載のアトマイザー。
【請求項12】
前記アトマイザーおよび/または前記第三の装備(3)に、短時間フラッシング用の洗浄剤用の、および/または、前記第一のメインニードル(HN1)および/または前記第二のメインニードル(HN2)よりも下流で前記塗布要素(AE)に至るパルス状空気用のフィードライン(50)が取り付けられた、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項13】
a)好ましくは前記第一のメインニードル(HN1)を備える第一のメインニードルバルブ(HV1)、および/または、好ましくは前記第二のメインニードル(HN2)を備える第二のメインニードルバルブ(HV2)が設けられ、または、
b)好ましくは前記第一のメインニードル(HN1)と前記第二のメインニードル(HN2)とを含む共通メインニードルバルブが設けられ、および/または、
c)前記第一のメインニードルバルブ(HV1)および前記第二のメインニードルバルブ(HV2)が、前記塗布要素(AE)と接続され、または、
d)前記共通メインニードルバルブが前記塗布要素(AE)と接続された、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項14】
装備が、前記第一のメインニードルバルブ(HV1)または前記第二のメインニードルバルブ(HV2)をモニターおよび/または設定するために、または、前記共通メインニードルバルブをモニターおよび/または設定するために、設けられた、
ことを特徴とする請求項13に記載のアトマイザー。
【請求項15】
少なくとも1つの第一の装備(1)が、
a)前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)に、交換可能なコーティング剤および/または洗浄剤および/またはパルス状空気を供給し得る第一の塗料交換配置(FW1)と連結されるために、および/または、
b)前記コーティング剤成分を計測し得る第一の計測機器(DP1)と連結されるために、および/または、
c)前記硬化剤成分を計測し得る第二の計測機器(DP2)と連結されるために、および/または、
d)前記多成分コーティング剤を、前記第一のメインニードルバルブ(HV1)にフィードするために、
設けられた、
ことを特徴とする請求項2乃至14のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項16】
前記第二の装備(2)が、
a)前記単一成分コーティング剤用の前記フィードライン(40)に、交換可能なコーティング剤および/または洗浄剤および/またはパルス状空気を供給し得る第二の塗料交換配置(FW2)と連結されるために、および/または、
b)前記単一成分コーティング剤を計測し得る第三の計測機器(DP3)と連結されるために、および/または、
c)前記単一成分コーティング剤を、前記第二のメインニードルバルブ(HV2)にフィードするために、
設けられた、
ことを特徴とする請求項2乃至15のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか1項に記載のアトマイザーを有する塗装機械または塗装ロボットを備える塗布装置。
【請求項18】
方法、具体的には、好ましくは、車体、アタッチメントパーツおよび/または車両の運転席をコーティングするための方法であって、
好ましくは請求項1乃至16のいずれか1項に記載のアトマイザーまたは請求項17に記載の塗布装置を用い、
a)塗布要素(AE)からの多成分コーティング剤および単一成分コーティング剤を塗布する工程と、または、
b)塗布要素(AE)からの2つの異なる多成分コーティング剤を塗布する工程と、
を含む方法。
【請求項19】
a)第一の装備(1)によって、前記多成分コーティング剤が、第一のメインニードル(HN1)および/または前記塗布要素(AE)に導かれ、および/または、
b)第二の装備(2)によって、前記単一成分コーティング剤が、第二のニードル(HN2)および/または前記塗布要素(AE)に導かれ、および/または、
c)お互いに離隔されて配置された2つの第一の装備(1)によって、2つの異なる前記多成分コーティング剤が、2つの前記第一のメインニードルおよび/または前記塗布要素(AE)に導かれる、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
a)第一の塗料交換配置(FW1)を用いて、前記コーティング剤成分用の少なくとも1つの第一の装備(1)および/またはフィードライン(10)に、交換可能なコーティング剤および/または洗浄剤および/またはパルス状空気が供給され、および/または、
b)第二の塗料交換配置(FW2)を用いて、前記単一成分コーティング剤用の前記第二の装備(2)および/またはフィードライン(40)に、交換可能なコーティング剤および/または洗浄剤および/またはパルス状空気が供給される、
ことを特徴とする請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つの第一の装備(1)によって、
以下の工程、
a)コーティング剤成分用のフィードライン(10)を通して、前記コーティング剤成分を混合要素(11)にフィードする工程、
b)硬化剤成分用のフィードライン(20)を通して、前記硬化剤成分を混合要素(11)にフィードする工程、
c)前記コーティング剤成分と前記硬化剤成分とを、前記混合要素(11)内で混合する工程、
d)混合された前記多成分コーティング剤を、第一のメインニードルバルブ(HV1)および/または前記塗布要素(AE)にフィードする工程、
のうちの少なくとも1つが実行される、
ことを特徴とする請求項18乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
以下の工程、
a)前記コーティング剤成分用の戻りライン(RL1)によって、前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)の一部分をフラッシングする工程で、該一部分が前記コーティング剤成分用の停止バルブ(AV1)よりも上流に配置され、
b)前記混合要素(11)および/または前記第一のメインニードルバルブ(HV1)および/または前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)の一部分に、パルス状空気をフラッシングする、および/または、印加する工程で、該一部分が、前記コーティング剤成分用の前記停止バルブ(AV1)よりも上流に配置され、
c)前記硬化剤成分用の前記フィードライン(20)の一部分をフラッシングする工程で、該一部分が、前記硬化剤成分用の第一の停止バルブ(AV2)よりも下流に配置され、前記コーティング剤成分用の前記フィードライン(10)または前記混合要素に向いて開口し、
d)前記単一成分コーティング剤用の戻りライン(RL2)によって、前記単一成分コーティング剤用の前記フィードライン(40)の一部分をフラッシングする工程、
e)第三の装備(3)によって、前記塗布要素(AE)にパルス状空気を短時間フラッシングする、および/または、印加する工程、
f)前記洗浄剤および/または前記パルス状空気を、前記塗布要素(AE)および/または前記戻りラインから回収機器に排出する工程、
のうち少なくとも1つの工程を含む、
ことを特徴とする請求項18乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
a)前記第一の装備(1)、および/または、
b)前記第二の装備(2)、および/または、
c)お互いに離隔されて配置された2つの前記第一の装備(1)、および/または、
d)前記第三の装備(3)
がお互いに離隔されて配置される、
ことを特徴とする請求項19乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
多成分コーティング剤と単一成分コーティング剤とを塗布するための、または、2つの異なる多成分コーティング剤成分を塗布するための、好ましくは請求項1乃至17のいずれか1項に記載のアトマイザーの使用。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2013−521110(P2013−521110A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555334(P2012−555334)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/001039
【国際公開番号】WO2011/107275
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(504389784)デュール システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (54)
【Fターム(参考)】