説明

印刷マスクおよびそれを用いた印刷方法並びに半導体装置の製造方法

【課題】多層プリント配線板の上面側に設けられた凹部の深さにバラツキがあっても、凹部の底面に安定した半田印刷を行うことができるようにする。
【解決手段】印刷マスク21として、板状の印刷マスク本体22と、この印刷マスク本体22に凹むように設けられた皿状部23と、この皿状部23の底板に設けられた複数の第1の開口部24と、皿状部23の底板の下面に設けられたウレタンゴム等からなる弾性変形可能な高さ調整膜25と、皿状部23の第1の開口部24に対応する部分における高さ調整膜25に設けられた第2の開口部26とを備えているものを用いる。これにより、多層プリント配線板1の凹部4の深さにバラツキがあっても、高さ調整膜25の弾性変形により多層プリント配線板1の凹部4の深さのバラツキを吸収することができ、したがって安定した半田印刷を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は印刷マスクおよびそれを用いた印刷方法並びに半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来の半導体装置には、多層プリント配線板の上面側中央部に設けられた凹部内にICチップがフェースアップ方式で搭載されたものがある(例えば、特許文献1参照)。この場合、多層プリント配線板およびICチップの上面には上層絶縁膜が設けられている。上層絶縁膜の上面には上層配線が設けられている。上層配線は、上層絶縁膜に設けられた開口部を介して、ICチップの上面に設けられた接続パッドに接続されている。
【0003】
上記従来の半導体装置では、多層プリント配線板の凹部内にICチップをフェースアップ方式で搭載しているが、フェースダウン方式で搭載することが考えられる。すなわち、多層プリント配線板のうち凹部内に露出された配線のランド上に半田を供給し、この供給された半田を介して、ICチップをフェースダウン方式で搭載することが考えられる。
【0004】
多層プリント配線板のうち凹部内に露出された配線のランド上に半田を供給する方法としては、半田印刷用の印刷マスクとして、該印刷マスクの下面において多層プリント配線板の凹部の一部に対応する部分に該凹部の深さとほぼ同じ高さの凸部を設けたものを用いる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この場合、印刷マスクを多層プリント配線板の上面に配置するとともに、その凸部を多層プリント配線板の凹部内に配置し、当該凸部の両側における印刷マスクに設けられた開口部内およびその下方にクリーム半田を印刷により供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−16857号公報
【特許文献2】特開2008−66344号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の印刷方法では、印刷マスクとして、該印刷マスクの下面において多層プリント配線板の凹部の一部に対応する部分に該凹部の深さとほぼ同じ高さの凸部を設けたものを用いているので、多層プリント配線板のうち凹部が設けられたプリント配線板(絶縁基板)の厚さのバラツキ等に起因して、多層プリント配線板の凹部の深さにバラツキがある場合には、安定した半田印刷を行うことができないおそれがあるという問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、多層プリント配線板の凹部の深さにバラツキがあっても、安定した半田印刷を行うことができる印刷マスクおよびそれを用いた印刷方法並びに半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明に係る印刷マスクは、底面に複数の第1の開口部が形成された第1の凹部を備えた板状のマスク本体と、前記第1の凹部の底面下に設けられ、前記第1の開口部に対応する部分に第2の開口部を有する高さ調整膜と、を備えていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明に係る印刷方法は、底面に複数の第1の開口部が形成された第1の凹部を備えた板状のマスク本体と、前記第1の凹部の底面下に設けられ、前記第1の開口部に対応する部分に第2の開口部を有する高さ調整膜と、を備えている印刷マスクを準備し、一方の面に第2の凹部を有する多層基板の前記第2の凹部の底面上に前記印刷マスクの前記第1の凹部が対応するように前記印刷マスクを配置し、前記多層基板の前記第2の凹部内に露出された配線上に、前記印刷マスクの前記第1の開口部及び前記第2の開口部を介して金属接合材料を印刷することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項5に記載の前記多層基板の前記第2の凹部内に、半導体基板及び前記半導体基板下に設けられた外部接続用電極を有する半導体構成体を配置し、リフローを行うことにより、前記外部接続用電極が前記金属接合材料を介して前記多層基板の前記第2の凹部内に露出された配線に接続されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、印刷マスクとして、底面に複数の第1の開口部が形成された第1の凹部を備えた板状のマスク本体と、前記第1の凹部の底面下に設けられ、前記第1の開口部に対応する部分に第2の開口部を有する高さ調整膜と、を備えているものを用いているので、多層基板の凹部の深さにバラツキがあっても、高さ調整膜の弾性変形により多層基板の凹部の深さのバラツキを吸収することができ、したがって安定した半田印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の製造方法により製造された半導体装置の一例の平面図。
【図2】図1のII−II線にほぼ沿う部分の断面図。
【図3】図1および図2に示す半導体装置の製造方法の一例において、当初準備したものの断面図。
【図4】図3に示す印刷マスクの平面図。
【図5】図3に続く工程の断面図。
【図6】図5に続く工程の断面図。
【図7】図6に続く工程の断面図。
【図8】図7に続く工程の断面図。
【図9】(A)および(B)は半導体装置の他の例を説明するために示す一部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1はこの発明の製造方法により製造された半導体装置の一例の平面図を示し、図2は図1のII−II線にほぼ沿う部分の断面図を示す。この半導体装置は平面方形状の多層プリント配線板(多層基板)1を備えている。多層プリント配線板1は複数例えば7枚の絶縁基板2とそれよりも1つ多い数の配線3とが交互に積層された構造となっている。この場合、絶縁基板2は、プリント配線板用として用いられている材料からなり、一例を挙げれば、ガラス布、ガラス繊維、アラミド繊維等からなる基材にエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等からなる熱硬化性樹脂を含浸させたものからなっている。配線3は銅等によって形成されている。
【0012】
多層プリント配線板1の上面側中央部には平面方形状の凹部4が設けられている。この場合、凹部(第2の凹部)4は上側の4枚の絶縁基板2に設けられているので、上から5枚目の絶縁基板2の上面中央部および該上面中央部に設けられた配線3は凹部4を介して露出されている。この露出された配線3を含む上から5枚目の絶縁基板2の上面にはソルダーレジスト等からなるオーバーコート膜5が設けられている。当該露出された配線3のランドに対応する部分におけるオーバーコート膜5には円形状の開口部6が設けられている。
【0013】
多層プリント配線板1において、最下層の配線3を含む最下層の絶縁基板2の下面にはソルダーレジスト等からなる下層オーバーコート膜7が設けられている。最下層の配線3のランドに対応する部分における下層オーバーコート膜7には円形状の開口部8が設けられている。
【0014】
多層プリント配線板1の凹部4以外の部分において、最上層の配線3を含む最上層の絶縁基板2の上面全体にはソルダーレジスト等からなる上層オーバーコート膜9が設けられている。ここで、凹部4に対応する部分における上層オーバーコート膜9には、凹部4の上部を実質的に構成する開口部が設けられている。すなわち、凹部4は、実質的には、上側の4枚の絶縁基板2および上層オーバーコート膜9に設けられている。
【0015】
凹部4内においてオーバーコート膜5上には半導体構成体11が配置されている。この半導体構成体11は、一般的にはCSP(chip size package)と呼ばれるものであり、平面方形状のシリコンからなる半導体基板12を備えている。半導体基板12の下面には、図示していないが、所定の機能の集積回路を構成する素子、例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサ等の素子が形成されている。半導体基板12の下面周辺部には、上記集積回路の各素子に接合されたアルミニウム系金属等からなる複数の接続パッド13が設けられている。
【0016】
接続パッド13の中央部を除く半導体基板12の下面には、詳細には図示していないが、パッシベーション膜および樹脂保護膜の2層からなる絶縁膜14が設けられている。絶縁膜14の下面には銅等からなる複数の配線15が設けられている。配線15の一端部は、絶縁膜14に設けられた開口部を介して接続パッド13に接合されており、他端部はランドとなっている。
【0017】
配線15のランド下面には銅からなる柱状の外部接続用電極16が設けられている。配線15を含む絶縁膜14の下面において外部接続用電極16の周囲にはシリカフィラーを含むエポキシ系樹脂等からなる封止膜17が設けられている。ここで、外部接続用電極16は、半導体基板12の下面側に平面的に見てマトリクス状に配置されている。
【0018】
そして、半導体構成体11は、その外部接続用電極16がオーバーコート膜5の開口部6を介して露出された配線3のランドに半田18を介して接合されていることにより、凹部4内においてオーバーコート膜5上にフェースダウン方式で搭載されている。この状態では、半導体構成体11の上面は上層オーバーコート膜9の上面よりも下側に位置している。
【0019】
次に、この半導体装置の製造方法の一例について説明する。まず、図3に示すように、多層プリント配線板1および半田印刷用の印刷マスク21を準備する。この場合、多層プリント配線板1は、図2に示す完成された半導体装置を複数個形成することが可能な平面サイズを有するものからなっている。そして、図3において、符号31で示す領域は格子状の切断ラインに対応する領域である。なお、図3において、図2に示す配線3は、図示の都合上、省略している。
【0020】
多層プリント配線板1の上面側には複数の凹部4、44がマトリクス状に設けられている。凹部4、44の底面には開口部6を有するオーバーコート膜5が設けられている。多層プリント配線板1の下面には開口部8を有する下層オーバーコート膜7が設けられている。凹部4、44の周囲における多層プリント配線板1の上面全体には上層オーバーコート膜9が設けられている。この場合も、凹部4、44は、実質的には、上側の4枚の絶縁基板2および上層オーバーコート膜9に設けられている。
【0021】
次に、印刷マスク21について説明する。印刷マスク21は、図4の平面図にも示すように、ステンレス鋼等からなる板状の印刷マスク本体(マスク本体)22と、印刷マスク本体22の複数の箇所にプレス加工等により凹むように設けられた皿状部(第1の凹部)23と、皿状部23の底板に設けられた複数の円形状の第1の開口部24と、皿状部23の底板の下面に設けられたウレタンゴム等からなる弾性変形可能な高さ調整膜25と、皿状部23の第1の開口部24に対応する部分における高さ調整膜25に設けられた円形状の第2の開口部26とを備えたものからなっている。
【0022】
高さ調整膜25は、物体に荷重を加えると変形するが、除荷すれば元の形状に戻る性質を有する弾性変形可能であればよい。弾性変形は、応力が一定の値以下であれば、応力と歪は常に比例する。この時の比例定数は材料によって一定している。高さ調整膜25としては、ウレタンゴム以外にも、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、
エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリイソブチレン(ブチルゴム)等が挙げられる。
【0023】
この場合、印刷マスク21の平面サイズは図3に示す多層プリント配線板1の平面サイズとほぼ同じとなっている。皿状部23は凹部4、44に対応する部分にマトリクス状に設けられ、その平面サイズは凹部4、44の平面サイズよりもやや小さくなっている。第1、第2の開口部24、26はオーバーコート膜5の開口部6に対応する部分に設けられ、その平面サイズはオーバーコート膜5の開口部6の平面サイズと同じとなっている。
【0024】
さて、図3に示すものを準備したら、次に、図5に示すように、凹部4、44内におけるオーバーコート膜5の上面に印刷マスク21の皿状部23および高さ調整膜25の部分を位置合わせして配置し、且つ、上層オーバーコート膜9の上面に印刷マスク21の印刷マスク本体22を配置する。この状態では、印刷マスク21の第1、第2の開口部24、26はオーバーコート膜5の開口部6と一致させられている。
【0025】
次に、図6に示すように、印刷ヘッド32を準備する。この印刷ヘッド32は、下側に帯状の吐出口34を有するホッパー状の長尺なヘッド本体33の内部にピストン35が上下動可能に設けられたものからなっている。この場合、図6において、ヘッド本体33の紙面に垂直な方向の長さは印刷マスク21の紙面に垂直な方向の長さより長くなっている。そのため、印刷ヘッド32を移動させても、印刷マスク21の皿状部23に落ちてしまうことはない。また、ヘッド本体33内においてピストン35の下方にはクリーム半田(金属接合材料)36が充填されている。クリーム半田36はフラックス中に多数の半田粒子が混入されたものからなっている。
【0026】
そして、印刷ヘッド32を印刷マスク21の印刷マスク本体22の上面に押し付けて図6の左側から右側に向かって移動させながらピストン35に下降力が付与されると、印刷マスク21の皿状部23の部分において、ヘッド本体33内のクリーム半田36が吐出口34から吐出され、この吐出されたクリーム半田36が印刷マスク21の皿状部23の内部、印刷マスク21の第1、第2の開口部24、26の内部およびオーバーコート膜5の開口部6の内部に供給される。
【0027】
この場合、印刷マスク21として、印刷マスク本体22に凹むように設けられた皿状部23の底板の下面に弾性変形可能な高さ調整膜25が設けられたものを用いているので、多層プリント配線板1の凹部4の深さと多層プリント配線板1の別の凹部44の深さにバラツキがあっても、印刷マスク21の印刷マスク本体22が印刷ヘッド32によって押え付けられることに起因して生じる印刷マスク21の高さ調整膜25の弾性変形により、多層プリント配線板1の凹部4と別の凹部44との深さの差のギャップを吸収することができ、したがって安定した半田印刷を行うことができる。
【0028】
例えば、100〜120mm角の多層プリント配線板1の凹部4は、平面視した大きさは4〜5mm角または約10mm角であり、凹部4、44の深さは1.0〜1.5mmの範囲内のいずれかの値に設定される。このように一般には、同じ多層プリント配線板1であれば、複数の凹部を有していても、いずれの凹部の深さも同一の値に設定して形成するが、実際には±10%の範囲内のばらつきが発生してしまう。従って、各凹部4、44間に深さの差があったとしても、安定した半田印刷を行うため、印刷マスク21の皿状部23下の高さ調整膜25がオーバーコート膜5と密着する必要がある。
【0029】
仮に、凹部4の深さが別の凹部44よりも深い場合、凹部4の位置に対応する印刷マスク21の皿状部23下の高さ調整膜25は弾性変形しない。しかし、別の凹部44の深さは凹部4の深さより浅いため、別の凹部44の位置に対応する印刷マスク21の皿状部23下の高さ調整膜25は弾性変形し、凹部4の深さと凹部44の深さの差分を吸収する。
【0030】
ここで、図6に示す多層プリント配線板1とは別の多層プリント配線板に対して半田印刷を行う場合には、絶縁基板の厚さのバラツキ等に起因して、別の多層プリント配線板の凹部の深さが図6に示す多層プリント配線板1の凹部4の深さと異なることがある。このような場合においても、印刷マスク21の印刷マスク本体22が印刷ヘッド32によって押え付けられることに起因して生じる印刷マスク21の高さ調整膜25の弾性変形により、多層プリント配線板1の凹部4の深さと別の多層プリント配線板の凹部の深さとの差のギャップを吸収して、安定した半田印刷を行うことができる。
【0031】
次に、印刷マスク21を取り除くと、図7に示すように、オーバーコート膜5の開口部6内およびその上方に円柱形状のクリーム半田36が形成される。次に、図8に示すように、円柱形状のクリーム半田36上に半導体構成体11の外部接続用電極16を位置合わせして載置する。この状態では、クリーム半田36中のフラックスがある程度の粘着性を有するので、半導体構成体11は円柱形状のクリーム半田36上に仮固定される。
【0032】
次に、リフロー炉による加熱を行うと、例えば図2に示すように、クリーム半田36中のフラックスが蒸発し、半導体構成体11の外部接続用電極16がオーバーコート膜5の開口部6内およびその上方に形成された、クリーム半田36中の半田からなる半田18を介してオーバーコート膜5下の配線3のランドに接合されることにより、凹部4内においてオーバーコート膜5上に半導体構成体11がフェースダウン方式で搭載される。次に、多層プリント配線板1を切断ライン31に沿って切断すると、図1および図2に示す半導体装置が複数個得られる。
【0033】
ところで、図2を参照して説明すると、オーバーコート膜5下に設けられた絶縁基板2の上面には配線3が設けられているため、当該配線3(以下、単に配線3という)を含む当該絶縁基板2(以下、単に絶縁基板2という)の上面は凸凹となっている。このため、例えば、図9(A)に示すように、配線3を含む絶縁基板2の上面に設けられたオーバーコート膜5の上面も凸凹となってしまう。しかも、この場合、オーバーコート膜5の最上面5aの高さにバラツキが生じることがある。
【0034】
このような場合においても、図9(B)に示すように、オーバーコート膜5上に印刷マスク21の皿状部23および高さ調整膜25の部分を配置して半田印刷を行うと、印刷マスク21の印刷マスク本体22が印刷ヘッド32によって押え付けられることに起因して生じる印刷マスク21の高さ調整膜25の弾性変形により、オーバーコート膜5の上面の凹部が高さ調整膜25によって埋められ、且つ、オーバーコート膜5の最上面5aの高さのバラツキ(実質的には1つの凹部4の深さのバラツキ)があるが、最上面5aの高さのギャップの差が吸収され、印刷マスク21の第1、第2の開口部24、25およびオーバーコート膜5の開口部6に対して安定した半田印刷を行うことができる。
【0035】
なお、印刷マスク21は1つの凹部4に対応するものであってもよい。すなわち、印刷マスク21は、方形枠状の印刷マスク本体22の内側に1つの皿状部23が設けられ、皿状部23の下面に高さ調整膜25が設けられたものであってもよい。また、印刷マスク21は、帯状の印刷マスク本体22に複数の皿状部23が直列に配置され、皿状部23の下面に高さ調整膜25が設けられたものであってもよい。
【0036】
また、半導体構成体は上記構成の半導体構成体に限らず、例えば、半導体基板の下面に接続パッド(外部接続用電極)が設けられ、接続パッドの中央部を除く半導体基板の下面に絶縁膜が設けられたものであってもよい。また、多層プリント配線板1の最下層の配線3のランド下面に半田突起を設けるようにしてもよい。また、最上層の配線3のランドに対応する部分における上層オーバーコート膜8に開口部を設け、上層オーバーコート膜8上にコンデンサや抵抗等からなるチップ部品を最上層の配線3のランドに半田を介して接続させて搭載するようにしてもよい。
【0037】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0038】
(付記)
請求項1に記載の発明は、底面に複数の第1の開口部が形成された第1の凹部を備えた板状のマスク本体と、前記第1の凹部の底面下に設けられ、前記第1の開口部に対応する部分に第2の開口部を有する高さ調整膜と、を備えていることを特徴とする印刷マスクである。
【0039】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記高さ調整膜は弾性変形可能であり、ウレタンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、
エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴムのいずれかを含み、
前記マスク本体に前記第1の凹部が複数設けられていることを特徴とする印刷マスクである。
【0040】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記マスク本体に前記第1の凹部がマトリクス状に設けられていることを特徴とする印刷マスクである。
【0041】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記マスク本体に前記第1の凹部が直列に設けられていることを特徴とする印刷マスクである。
【0042】
請求項5に記載の発明は、底面に複数の第1の開口部が形成された第1の凹部を備えた板状のマスク本体と、前記第1の凹部の底面下に設けられ、前記第1の開口部に対応する部分に第2の開口部を有する高さ調整膜と、を備えている印刷マスクを準備し、
一方の面に第2の凹部を有する多層基板の前記第2の凹部の底面上に前記印刷マスクの前記第1の凹部が対応するように前記印刷マスクを配置し、
前記多層基板の前記第2の凹部内に露出された配線上に、前記印刷マスクの前記第1の開口部及び前記第2の開口部を介して金属接合材料を印刷することを特徴とする印刷方法である。
【0043】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記高さ調整膜は弾性変形可能であり、ウレタンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、
エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴムのいずれかを含み、
前記金属接合材料はクリーム半田であり、
前記多層基板のうち前記第2の凹部内に露出された配線を含む絶縁基板上に、前記印刷マスクの前記第1の開口部及び前記第2の開口部に対応する部分に開口部を有するオーバーコート膜が設けられ、前記印刷マスクの第1の開口部と前記第2の開口部および前記オーバーコート膜の開口部を介して前記多層基板のうち前記第2の凹部内に露出された前記配線のランド上に前記クリーム半田を印刷することを特徴とする印刷方法である。
【0044】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記クリーム半田の印刷は、帯状の吐出口を有する長尺な印刷ヘッドを前記マスク本体上に押し付けて移動させることにより行うことを特徴とする印刷方法である。
【0045】
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の前記多層基板の前記第2の凹部内に、半導体基板及び前記半導体基板下に設けられた外部接続用電極を有する半導体構成体を配置し、
リフローを行うことにより、前記外部接続用電極が前記金属接合材料を介して前記多層基板の前記第2の凹部内に露出された配線に接続されることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0046】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記多層基板は、当初、完成された半導体装置を複数個形成することが可能な面積を有し、その上面側に前記第2の凹部が複数設けられ、最終的には前記多層基板を切断して半導体装置を複数個得ることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0047】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記多層基板の前記一方の面に前記第2の凹部がマトリクス状に設けられ、前記印刷マスクは、前記マスク本体に前記第2の凹部がマトリクス状に設けられたものからなることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【符号の説明】
【0048】
1 多層プリント配線板(多層基板)
2 絶縁基板
3 配線
4 凹部(第2の凹部)
5 オーバーコート膜
7 下層オーバーコート膜
9 上層オーバーコート膜
11 半導体構成体
12 半導体基板
16 外部接続用電極
18 半田
21 印刷マスク
22 印刷マスク本体(マスク本体)
23 皿状部(第1の凹部)
24 第1の開口部
25 高さ調整膜
26 第2の開口部
36 クリーム半田(金属接合材料)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に複数の第1の開口部が形成された第1の凹部を備えた板状のマスク本体と、前記第1の凹部の底面下に設けられ、前記第1の開口部に対応する部分に第2の開口部を有する高さ調整膜と、を備えていることを特徴とする印刷マスク。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、前記高さ調整膜は弾性変形可能であり、ウレタンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、
エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴムのいずれかを含み、
前記マスク本体に前記第1の凹部が複数設けられていることを特徴とする印刷マスク。
【請求項3】
請求項2に記載の発明において、前記マスク本体に前記第1の凹部がマトリクス状に設けられていることを特徴とする印刷マスク。
【請求項4】
請求項2に記載の発明において、前記マスク本体に前記第1の凹部が直列に設けられていることを特徴とする印刷マスク。
【請求項5】
底面に複数の第1の開口部が形成された第1の凹部を備えた板状のマスク本体と、前記第1の凹部の底面下に設けられ、前記第1の開口部に対応する部分に第2の開口部を有する高さ調整膜と、を備えている印刷マスクを準備し、
一方の面に第2の凹部を有する多層基板の前記第2の凹部の底面上に前記印刷マスクの前記第1の凹部が対応するように前記印刷マスクを配置し、
前記多層基板の前記第2の凹部内に露出された配線上に、前記印刷マスクの前記第1の開口部及び前記第2の開口部を介して金属接合材料を印刷することを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
請求項5に記載の発明において、前記高さ調整膜は弾性変形可能であり、ウレタンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、
エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴムのいずれかを含み、
前記金属接合材料はクリーム半田であり、
前記多層基板のうち前記第2の凹部内に露出された配線を含む絶縁基板上に、前記印刷マスクの前記第1の開口部及び前記第2の開口部に対応する部分に開口部を有するオーバーコート膜が設けられ、前記印刷マスクの第1の開口部と前記第2の開口部および前記オーバーコート膜の開口部を介して前記多層基板のうち前記第2の凹部内に露出された前記配線のランド上に前記クリーム半田を印刷することを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
請求項6に記載の発明において、前記クリーム半田の印刷は、帯状の吐出口を有する長尺な印刷ヘッドを前記マスク本体上に押し付けて移動させることにより行うことを特徴とする印刷方法。
【請求項8】
請求項5に記載の前記多層基板の前記第2の凹部内に、半導体基板及び前記半導体基板下に設けられた外部接続用電極を有する半導体構成体を配置し、
リフローを行うことにより、前記外部接続用電極が前記金属接合材料を介して前記多層基板の前記第2の凹部内に露出された配線に接続されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の発明において、前記多層基板は、当初、完成された半導体装置を複数個形成することが可能な面積を有し、その上面側に前記第2の凹部が複数設けられ、最終的には前記多層基板を切断して半導体装置を複数個得ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の発明において、前記多層基板の前記一方の面に前記第2の凹部がマトリクス状に設けられ、前記印刷マスクは、前記マスク本体に前記第2の凹部がマトリクス状に設けられたものからなることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−182307(P2012−182307A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44093(P2011−44093)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(311014314)株式会社テラミクロス (42)
【Fターム(参考)】