説明

印刷出力装置

【課題】どのような上位装置から印刷ジョブが出力されても、様々な状況に応じて、管理者にとって所望の給紙トレイから用紙を給紙して印刷するための印刷出力装置を提供する。
【解決手段】印刷出力装置40は、給紙トレイ82A等と、給紙トレイ82A等から用紙を給紙する用紙給紙部72と、給紙された用紙に印刷対象の画像を形成するプリント部74と、画像が形成された用紙を排出する用紙排出部76と、操作パネル制御部64と、他の装置との間で通信を行なう通信制御部66と、記憶部62と、記憶部62に記憶されている情報をメンテナンスするためのメンテナンス部86と、用紙給紙部72、プリント部74、用紙排出部76、操作パネル制御部64、通信制御部66、メンテナンス部86、及び記憶部62が接続されたバス70に接続された、プリンタとしての一般的機能を実現するための制御部60とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷出力装置に関し、特に、他の装置から受信した印刷ジョブに応じた所望の給紙トレイから用紙を給紙して印刷する印刷出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)及びワークステーション等の上位装置と、プリンタ等の印刷出力装置とを含むネットワークシステムにおいて、上位装置の利用者が印刷出力装置に画像等を印刷させたい場合がある。その場合、通常、上位装置の利用者は印刷出力装置の給紙トレイを指定して、印刷ジョブを上位装置から印刷出力装置に対して送信する。印刷出力装置は、印刷ジョブを受信すると、当該印刷ジョブにおいて指定されている給紙トレイから用紙を給紙して印刷する。
【0003】
ここで、どの給紙トレイの用紙に印刷させるかを上位装置の利用者毎に指定させるのではなく、印刷出力装置の管理者が管理することが望ましい場合がある。なぜなら、一般の利用者に給紙トレイを自由に指定させると、余計な帳票が大量に印刷されてしまう場合があるからである。そのようなことを放置させておくと、経費節減の弊害になる。また、大量の余計な印刷物が社内の極秘事項に関することであれば、廃棄等の後始末が面倒である。
【0004】
特許文献1は、プリンタ装置を含むネットワークシステムのための技術を開示している。特許文献1に記載の技術では、プリンタ装置のプリンタドライバは、ネットワークシステム上の利用者毎に、印刷アプリケーションによる指定に関わらず、どの給紙トレイから用紙を給紙して印刷するかを指定することができる。
【0005】
具体的には、プリンタドライバは、以下のようにして利用者毎に印刷時の給紙トレイを指定する。プリンタ装置の管理者がプリンタドライバの設定を変更するために、ある上位装置からプリンタドライバにアクセスしたものとする。プリンタドライバは、プリンタ装置に設置されている給紙トレイのトレイ名と一般の利用者の利用者名とを列挙した画面を、上位装置の表示装置上に表示する。管理者は、利用者ごとに、列挙されたトレイ名のいずれかを選択する。管理者が給紙トレイを選択すると、プリンタドライバは、選択された給紙トレイを指定された利用者に対応付けて記憶する。
【0006】
その後、上位装置のある利用者が、プリンタ装置に対して印刷ジョブを送信すると、プリンタ装置は、その印刷ジョブで指定されたトレイがいずれであるかに関わらず、当該利用者に対して予め対応付けられている給紙トレイから用紙を給紙して印刷する。
【0007】
特許文献1に記載の技術によれば、印刷時、各利用者の希望ではない、管理者が指定する給紙トレイから用紙を給紙して印刷することが可能となる。
【特許文献1】特開2006‐44028
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のプリンタ装置は、管理者がユーザ毎に給紙トレイを指定することができる。しかし、給紙トレイの管理を行なうのであれば、利用者ごとに指定するのではなく、プリンタ装置の性能、印刷対象の画像の性質、並びに一般の利用者が所属する部署及び役職等に適した給紙トレイを指定することが望ましい。しかし、特許文献1に記載の技術では、それらの情報を考慮して、管理者が給紙トレイの管理を行なうことはできない。
【0009】
したがって、本発明の目的は、どのような上位装置から印刷ジョブが出力されても、様々な状況に応じて、管理者にとって所望の給紙トレイから用紙を給紙して印刷するための印刷出力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の局面に係る印刷出力装置は、他の装置から印刷ジョブを受信して、複数個の給紙トレイのいずれかから取出した用紙に画像を印刷する印刷出力装置である。印刷ジョブは、複数個の給紙トレイのいずれかを指定する給紙トレイ指定命令を含む。印刷出力装置は、印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名を、複数個の給紙トレイのいずれかを示す変換後トレイ名に変換するための給紙トレイ名変換手段と、複数個の給紙トレイの中から、変換後トレイ名に対応する給紙トレイを使用して、印刷ジョブに含まれる印刷対象の画像生成データに基づいて形成された画像を印刷するための画像形成手段とを含む。給紙トレイ名変換手段は、印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名と、複数個の給紙トレイのうち、当該指定される給紙トレイ名に対して予め設定される所望の給紙トレイ名とを対応付けて記憶するためのトレイ名変換テーブルを記憶するための記憶手段と、印刷ジョブを受信したことに応答して、当該給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名をトレイ名変換テーブルから読出し、変換後トレイ名として出力するためのテーブル読出し手段とを含む。
【0011】
給紙トレイ名変換手段は、給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名を、複数個の給紙トレイのいずれかを示す変換後トレイ名に変換し、画像形成手段は、変換後給紙トレイ名に対応する給紙トレイを使用して印刷する。記憶手段は、給紙トレイ指定命令により指定されている給紙トレイ名と、そのトレイ名に対して予め設定される所望の給紙トレイ名とを対応付けて記憶するためのトレイ名変換テーブルを記憶し、テーブル読出し手段は、給紙トレイ変換テーブルを用いて、変換後トレイ名を出力する。変換後トレイ名が、印刷ジョブに対して所望の給紙トレイのトレイ名であるならば、印刷出力装置は、印刷ジョブにとって適切な用紙で印刷することができる。印刷出力装置は、利用者によって指定された給紙トレイから印刷させないようにすることができるので、利用者による身勝手な使用を防止することができ、印刷出力装置の管理者は、給紙トレイの管理をしやすくなる。その結果、どのような上位装置から印刷ジョブが出力されても、様々な状況に応じて、管理者にとって所望の給紙トレイから用紙を給紙して印刷するための印刷出力装置を提供することができる。
【0012】
好ましくは、トレイ名変換テーブルは、印刷ジョブの種類ごとに設けられている。テーブル読出し手段は、印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブの属性を解析し、当該印刷ジョブの種類を判別するための判別手段と、判別手段によって判別された種類に対して設けられているトレイ名変換テーブルから、受信された印刷ジョブの給紙トレイ特定命令により指定される給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名を読出し、変換後トレイ名として出力するための手段とを含む。
【0013】
トレイ名変換テーブルは、印刷ジョブの種類ごとに設けられており、テーブル読出し手段は、印刷ジョブの種類ごとに、所望の給紙トレイから用紙を給紙して印刷する。したがって、印刷出力装置は、印刷ジョブの異なる種類に応じた所望の給紙トレイから印刷することが可能となり、様々な印刷ジョブの種類に対応できる。
【0014】
より好ましくは、印刷出力装置はさらに、利用者に印刷ジョブの属性のいずれかを選択させるための選択手段を含む。判別手段は、印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブの属性のうち選択手段により選択された属性の値から、印刷ジョブの種類を判別するための手段を含む。
【0015】
選択手段は、利用者に印刷ジョブの属性のいずれかを選択させ、判別するための手段は、利用者によって選択された属性で、印刷ジョブの種類を判別する。したがって、印刷出力装置は、利用者の使用環境に応じて印刷ジョブの種類の判別を行なうことが可能である。
【0016】
より好ましくは、トレイ名変換テーブルは、印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定されるある給紙トレイ名に対して、複数個の給紙トレイのいずれも対応付けずに記憶している場合がある。テーブル読出し手段は、印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名が、トレイ名変換テーブルに記憶されているか否かに応じて、当該給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名と、当該給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名とを変換後トレイ名として選択的に出力するための手段を含む。
【0017】
出力するための手段は、給紙トレイ指定命令において特定されている給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名が、トレイ名変換テーブルに記憶されているか否かに応じて、給紙トレイ指定命令において指定されている給紙トレイ名を変換後トレイ名として出力する。したがって、給紙トレイ指定命令によって指定されている給紙トレイ名から所望の給紙トレイ名への不要な変換を防止することができる。
【0018】
さらに好ましくは、トレイ名変換テーブルは、印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定されるある給紙トレイ名に対して、当該印刷ジョブに含まれる画像生成用情報に適切な給紙トレイを自動で検索することを指示するための自動給紙指示を対応付けて記憶している場合がある。テーブル読出し手段は、印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応するものが自動給紙指示でないか否かに応じて、トレイ名変換テーブルにおいて当該給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名を変換後トレイ名として出力するか、又は、当該印刷ジョブに含まれる画像生成用情報に対し適切な給紙トレイを複数個の給紙トレイから検索し、検索した給紙トレイのトレイ名を変換後トレイ名として出力するための手段を含む。
【0019】
出力するための手段は、印刷対象となる画像データにとって適切な用紙を給紙する給紙トレイを自動的に検索して、印刷可能な状態にする場合があるため、画像データにとって適切な用紙サイズ及び用紙タイプ等で印刷することが可能となる。
【0020】
さらに好ましくは、印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令は、当該印刷ジョブに含まれる画像生成用情報に適切な給紙トレイを自動で検索させるための自動給紙命令である場合がある。トレイ名変換テーブルはさらに、印刷ジョブに含まれる自動給紙命令と、複数個の給紙トレイのうち、当該自動給紙命令に対して予め設定される所望の給紙トレイ名とを対応付けて記憶している。テーブル読出し手段は、印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令が自動給紙命令であるか否かに応じて、トレイ名変換テーブルにおいて当該自動給紙命令に対応する所望の給紙トレイ名と、当該印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名とを変換後トレイ名として選択的に出力するための手段を含む。
【0021】
印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令は、給紙トレイを自動で検索させるための自動検索命令を含み、出力するための手段は、当該自動検索命令に対応付けられている所望の給紙トレイ名を変換後トレイ名として出力する場合がある。印刷出力装置は、変換後トレイ名に対応する給紙トレイから用紙を給紙して印刷する。したがって、印刷出力装置は、自動給紙命令を含む印刷ジョブを受信したとしても、当該印刷ジョブにとって適切な給紙トレイで印刷することができる。
【0022】
さらに好ましくは、印刷出力装置は、サーバ装置に接続されて用いられるものである。印刷出力装置はさらに、サーバ装置と通信可能であり、印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名と、複数個の給紙トレイのうち、当該指定される給紙トレイ名に対して予め設定される所望の給紙トレイ名とを対応付けて記憶するためのトレイ名変換テーブルを、サーバ装置から受信する受信手段を含む。記憶手段は、受信手段がサーバ装置からトレイ名変換テーブルを受信したことに応答して、当該トレイ名変換テーブルを記憶するための手段を含む。
【0023】
印刷出力装置は、サーバ装置に接続されており、受信手段は、トレイ名変換テーブルをサーバ装置から受信する。記憶手段は、受信手段によって受信されたトレイ名変換テーブルを記憶する。印刷出力装置の管理者が、印刷出力装置を直接に操作して、記憶手段に記憶されているトレイ名変換テーブルを管理することが困難であり、かつ、サーバ装置を利用する方が好都合である場合、管理者は通信装置を介してトレイ名変換テーブルを印刷出力装置に記憶させることができる。したがって、印刷出力装置の管理者は、印刷出力装置を直接に操作することなしに、サーバ装置を介して印刷出力装置のトレイ名変換テーブルを管理することができる。
【0024】
さらに好ましくは、印刷出力装置は、端末装置に接続されて用いられるものである。印刷出力装置はさらに、端末装置と通信可能であり、印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名と、複数個の給紙トレイのうち、当該指定される給紙トレイ名に対して予め設定される所望の給紙トレイ名とを対応付けて記憶するためのトレイ名変換テーブルを、端末装置から受信する受信手段を含む。記憶手段は、受信手段が端末装置からトレイ名変換テーブルを受信したことに応答して、当該トレイ名変換テーブルを記憶するための手段を含む。
【0025】
受信手段は、端末装置からトレイ名変換テーブルを受信し、記憶手段は、受信したトレイ名変換テーブルを記憶する。印刷出力装置の管理者が、普段、端末装置を利用している場合、印刷出力装置を直接に操作することなしに、端末装置を介して印刷出力装置のトレイ名変換テーブルを管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0027】
[ネットワーク環境]
図1は本発明の実施の形態に係る印刷出力装置40を含むネットワークシステム30のネットワーク環境を示す図である。図1を参照して、ネットワークシステム30は、ネットワーク回線34と、ネットワーク回線34に接続されたPC及びワークステーション等である上位装置32A、32B、32C、32D、32E、及び32F等と、ネットワーク回線34に接続されているプリンタであって、上位装置32A等から印刷ジョブを受けたことに応答して、当該印刷ジョブに応じた所望の給紙トレイから用紙を給紙して印刷処理を行なう印刷出力装置40と、ネットワーク回線34に接続されているサーバ装置36とを含む。
【0028】
以後、上位装置32A、32B、32C、32D、32E、及び32F等を代表して単に上位装置32と呼ぶことがある。
【0029】
上位装置32はネットワークシステム30上において分散配置されており、異機種が混在しているものとする。また、上位装置32の各々の内部メモリには、当該上位装置のホスト名、IP(Internet Protocol)アドレス、及び当該上位装置の利用者のユーザ名等の属性情報が記憶されている。
【0030】
ネットワーク回線34を介して、上位装置32から印刷出力装置40に送信される印刷ジョブには、当該印刷ジョブの送信元の上位装置32のホスト名、及びネットワークシステム30上において上位装置32が属するワークグループ名等を示すデータが格納されている。本発明において、印刷ジョブに含まれる、そのような各種情報を、「印刷ジョブの属性」と呼ぶ。本実施の形態における印刷ジョブの属性の詳細については、後述する。
【0031】
印刷ジョブには、上記した印刷ジョブの属性と、印刷対象となる複数のページの分の画像生成用情報と、上位装置32の利用者によって指定された、印刷出力装置40の給紙トレイ名とを含む。
【0032】
サーバ装置36は、サーバ装置36の管理者の指示に応答して、印刷出力装置40に記憶されているデータを更新するための「データ更新命令」を印刷出力装置40に送信する。データ更新命令の詳細については後述する。
【0033】
[機能的構成]
図2は、本実施の形態に係る印刷出力装置40の機能ブロック図である。図2を参照して、印刷出力装置40は、各々、用紙サイズ及び用紙タイプ等が異なる用紙を大量に収納可能な第1〜第4の給紙トレイ68A、68B、68C、及び68D等と、第1の給紙トレイ68A等から用紙を給紙する用紙給紙部72と、用紙給紙部72によって給紙された用紙に印刷対象の画像を形成するプリント部74と、プリント部74によって画像が形成された用紙を排出する用紙排出部76とを含む。
【0034】
印刷出力装置40はさらに、利用者が印刷出力装置40を直接に操作する際に使用され、図示しない表示部及び操作部からなる操作パネルである操作パネル制御部64と、ネットワーク回線34を介して上位装置32及びサーバ装置36との間で通信を行なう通信制御部66と、種々の情報を記憶する記憶部62と、記憶部62に記憶されている情報をメンテナンスするためのメンテナンス部86とを含む。
【0035】
印刷出力装置40はさらに、用紙給紙部72、プリント部74、用紙排出部76、操作パネル制御部64、通信制御部66、メンテナンス部86、及び記憶部62が接続されたバス70と、バス70に接続された、プリンタとしての一般的機能を実現するための制御部60とを含む。
【0036】
制御部60は、印刷出力装置40の全体の制御を司るものであって、CPU(Central Processing Unit)等から構成されている。
【0037】
なお、用紙給紙部72、プリント部74、用紙排出部76、操作パネル制御部64、通信制御部66、メンテナンス部86、及び記憶部62に対する制御は、制御部60により行なわれる。
【0038】
通信制御部66は、ネットワーク回線34にインターフェイスをとっている図示しないNIC(Network Interface Card)、及びバス70に接続され、NICの動作を制御するための、図示しない通信コントローラを含む。
【0039】
記憶部62は、印刷ジョブから解析される印刷ジョブの属性の値を一時的に記憶するためのジョブ属性記憶部82と、印刷ジョブの属性の名前を記憶するための属性種類記憶部84と、印刷ジョブにおいて指定されている給紙トレイを、給紙トレイ68等のうち所望の給紙トレイに関連付ける変換テーブルを記憶するための第1〜第4の給紙トレイ変換テーブル80A、80B、80C、及び80D等と、以下に述べる「印刷ジョブの種類」ごとに給紙トレイ変換テーブル80A等を関連付ける変換テーブルを記憶するための第1〜第4のジョブ属性変換テーブル78A、78B、78C、及び78D等とを含む。
【0040】
印刷ジョブの種類とは、簡単に説明すると、ホスト名及びワークグループ等の印刷ジョブの属性によって分類されるものである。
【0041】
例えば、印刷ジョブの種類を、ホスト名によって分類させるものとすると、印刷ジョブに含まれるホスト名が異なれば、印刷ジョブの種類は異なるということになる。また、印刷ジョブの種類を、ワークグループによって分類させるものとすると、印刷ジョブに含まれるワークグループが異なれば、印刷ジョブの種類は異なるということになる。
【0042】
本実施の形態において、どの属性で印刷ジョブの種類を分類するかは、ネットワークシステム30の利用者によって決定され得るものとする。
【0043】
図3は、制御部60の構成を示す図である。図3を参照して、制御部60は、バス70を介して通信制御部66から、上位装置32からの印刷ジョブを受けて、受けた印刷ジョブの属性を解析してジョブ属性記憶部82に記憶するジョブ情報解析部100と、バス70を介して、どの印刷ジョブの属性で印刷ジョブの種類を判別するかを利用者に指定させるための画面を操作パネル制御部64に表示し、印刷出力装置40の管理者に指定させ、指定された印刷ジョブの属性の名前を属性種類記憶部84に記憶するための設定処理部108とを含む。制御部60はさらに、ジョブ属性記憶部82に記憶されている印刷ジョブの属性の値を参照して、属性種類記憶部84に記憶された印刷ジョブの属性で印刷ジョブの種類を判別するためのジョブ種類判別処理部102と、ジョブ属性変換テーブル78を参照して、ジョブ種類判別処理部102によって判別された印刷ジョブの種類に関連する給紙トレイ変換テーブル80を抽出し、抽出した給紙トレイ変換テーブル80を参照して、印刷ジョブで指定されている給紙トレイに対応する所望の給紙トレイから用紙を給紙するように用紙給紙部72に指示する給紙トレイ処理部104とを含む。制御部60はさらに、給紙トレイ処理部104の指示にしたがって用紙給紙部72が給紙した用紙に、印刷ジョブに含まれる印刷対象の画像生成データに基づいて画像データを形成し、プリント部74に与えた印刷させる画像形成部106とを含む。
【0044】
上記した印刷ジョブに含まれる、利用者によって指定される給紙トレイとは、第1〜第4の給紙トレイ68A〜68D、その他の給紙トレイ、及び「自動給紙」のいずれかであるものとする。
【0045】
「自動給紙」とは、印刷対象の画像に合致する用紙サイズ及び用紙タイプである用紙を第1〜第4の給紙トレイ68A〜68Dから自動的に検索することを印刷出力装置40に要求することである。
【0046】
[印刷ジョブの属性]
図4は、本実施の形態における印刷ジョブの属性の詳細について説明するための図である。図4を参照して、本実施の形態における印刷ジョブの属性は、当該印刷ジョブの送信元の上位装置32のホスト名及びIPアドレス、当該上位装置32の利用者の名前であるユーザ名、ネットワーク回線34上において上位装置32が属するワークグループのグループ名、ネットワーク回線34上において当該印刷ジョブを一意に識別するためのジョブ名、プリンタドライバ名、両面及び片面のいずれで印刷させるかを示す情報、ステープル、並びにパンチを含む。
【0047】
なお、上述した印刷ジョブの種類は、ホスト名、IPアドレス、ユーザ名、グループ名、ジョブ名、プリンタドライバ名、両面及び片面のいずれで印刷させるかを示す情報、ステープル、及びパンチの各々によって、分類されるものとする。
【0048】
[テーブルの構成]
図5(A)は、第1の給紙トレイ変換テーブル80Aの構成を示す図である。図5(A)を参照して、第1の給紙トレイ変換テーブル80Aの各レコードは、印刷ジョブに含まれる、上位装置32の利用者によって指定された給紙トレイの名前を記憶するための指定給紙トレイフィールドと、指定給紙トレイフィールドの値に対して、上記した給紙トレイ処理部104によって実際に給紙するように用紙給紙部72に指示される給紙トレイを記憶するための実給紙トレイフィールドとを含む。
【0049】
図5(B)は、第2の給紙トレイ変換テーブル80Bの構成の一例を示す図である。図5(B)を参照して、給紙トレイ変換テーブル80Bの構成は、給紙トレイ変換テーブル80Aの構成と同様である。第3の給紙トレイ変換テーブル80C及び第4の給紙トレイ変換テーブル80D等も、第1の給紙トレイ変換テーブル80Aの構成と同様である。
【0050】
第1〜第4の給紙トレイ変換テーブル80A〜80Dの実給紙トレイフィールドには、第1〜第4の給紙トレイ68A〜68Dのいずれかの名前、「自動給紙」、及び「(設定なし)」が記憶される。
【0051】
ここで、実給紙トレイフィールドに「(設定なし)」が記憶されているレコードは、当該レコードの指定給紙トレイフィールドの給紙トレイからそのまま用紙を給紙することを意味する。
【0052】
なお、第1〜第4の給紙トレイ変換テーブル80A〜80Dの各レコードの値は、印刷出力装置40の管理者によって予め設定されているものとする。
【0053】
図6は、印刷ジョブの種類をIPアドレスで分類する場合において、IPアドレス毎に第1〜第4の給紙トレイ変換テーブル80A〜80D等を関連付ける第1のジョブ属性変換テーブル78Aの構成を示す図である。図6を参照して、第1のジョブ属性変換テーブル78Aの各レコードは、IPアドレスを記憶するための種類名フィールドと、種類名フィールドの各値に対して、給紙トレイ変換テーブル80の名前を記憶するための給紙トレイ変換テーブルフィールドとを含む。
【0054】
なお、第1のジョブ属性変換テーブル78Aの種類名フィールドは、印刷ジョブの種類の具体的な名前を格納するためのものである。したがって、図示しないが、第1のジョブ属性変換テーブル78Aの他にも、IPアドレスの代わりに、他の属性に対応するジョブ属性変換テーブル78が存在する。例えば、IPアドレスの代わりに、ホスト名、ワークグループ名、ユーザ名、及びプリンタドライバ名等を記憶するための種類名フィールドを含むジョブ属性変換テーブル78が存在する。
【0055】
給紙トレイ変換テーブルフィールドには、給紙トレイ変換テーブル80のいずれかの名前と、「(設定なし)」とが記憶される。
【0056】
ここで、給紙トレイ変換テーブルフィールドに「(設定なし)」が記憶されているレコードは、印刷ジョブにおいて指定されている給紙トレイからそのまま用紙を給紙することを意味する。
【0057】
図5及び図6から、給紙トレイ変換テーブル80は、印刷ジョブの種類ごとに関連付けられていることになる。
【0058】
本発明において、異なる印刷ジョブの種類に対して、同一の給紙トレイ変換テーブル80を関連付けても良い。例えば、ジョブ属性変換テーブル78において、1行目及び3行目の各レコードは、印刷ジョブの種類は異なるが、関連付けられている給紙トレイ変換テーブル80は同じである。
【0059】
上述した、サーバ装置36が印刷出力装置40に送信する「データ更新命令」は、記憶部62に記憶されている給紙トレイ変換テーブル及びジョブ属性変換テーブルを更新するためのものである。具体的には、データ更新命令には、印刷ジョブの種類名と、当該印刷ジョブの種類名に関連付けられる、第1〜第4の給紙トレイ変換テーブル80A〜80D等と同様の構成である給紙トレイ変換テーブルとが含まれる。データ更新命令は、サーバ装置36の管理者によって作成されるものである。
【0060】
印刷出力装置40に含まれる、上述したメンテナンス部86は、ネットワーク回線34及び通信制御部66を介してサーバ装置36からデータ更新命令を受信したとき、当該命令にしたがって、第1〜第4の給紙トレイ変換テーブル80A〜80D等のいずれかを更新し、当該命令に含まれる給紙トレイ変換テーブルを記憶部62に追加する処理を行なう。
【0061】
[ソフトウェア構成]
図7〜図9は、印刷出力装置40が起動されたときに、制御部60で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図7を参照して、このプログラムは、ネットワーク回線34を介して上位装置32から印刷ジョブを受信するまで待機するステップ150と、ステップ150において印刷ジョブを受信した場合、受信した印刷ジョブから印刷ジョブの属性を解析して、解析した内容をジョブ属性記憶部82に記憶するステップ152と、ステップ152の後、ジョブ属性記憶部82に記憶されている値を参照して、属性種類記憶部84に記憶されている印刷ジョブの属性名で、印刷ジョブの種類を判別し、印刷ジョブに含まれる印刷対象の画像の最初のページを参照するステップ154とを含む。
【0062】
なお、上記のステップ154において、印刷ジョブの種類を判別するとは、具体的には、受信した印刷ジョブから印刷ジョブの種類の具体的な名前を取出すということである。例えば、属性種類記憶部84に記憶されているものが「IPアドレス」であるとすると、印刷ジョブの種類を判別するとは、印刷ジョブの属性の値からIPアドレスの具体的な名前を取出すということである。
【0063】
このプログラムはさらに、ステップ154の後、受信した印刷ジョブにおいて、給紙トレイが指定されているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ156と、ステップ156の判定結果がYESの場合、印刷ジョブにおいて指定された給紙トレイを特定するステップ158と、ステップ158の後、ジョブ属性変換テーブル78において、ステップ154において判別された種類名に対応する給紙トレイ変換テーブルの名前が格納されているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ160と、ステップ160の判定結果がYESの場合に、ステップ160において見つけられた給紙トレイ変換テーブルにおいて、印刷ジョブで指定されている給紙トレイに対応する実給紙トレイフィールドの値を抽出するステップ162とを含む。
【0064】
図8を参照して、このプログラムはさらに、図7に示すステップ156の判定結果がNOの場合に、印刷ジョブに含まれる印刷対象の画像において、現在参照しているページが最初のページであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ190と、ステップ190の判定結果がNOの場合に、印刷ジョブに含まれる印刷対象の画像において、前に参照したページの画像を印刷したときと同じ給紙トレイ68を選択するステップ192と、ステップ190の判定結果がYESの場合に、印刷対象の画像に合致する用紙サイズ及び用紙タイプである用紙を第1〜第4の給紙トレイ68A〜68Dから自動的に検索して選択するステップ194とを含む。
【0065】
図9を参照して、このプログラムはさらに、図7に示すステップ162の後、ステップ162において抽出した実給紙トレイフィールドの値が「(設定なし)」であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ220と、ステップ220の判定結果がNOの場合に、ステップ162において抽出した実給紙トレイフィールドの値が「自動給紙」であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ222とを含む。このプログラムはさらに、ステップ222の判定結果がNOの場合に、ステップ162において抽出した実給紙トレイフィールドに記憶されている給紙トレイを選択するステップ224と、ステップ222の判定結果がYESの場合に、印刷対象の画像に合致する用紙サイズ及び用紙タイプである用紙を第1〜第4の給紙トレイ68A〜68Dから自動的に検索して選択するステップ194Aとを含む。このプログラムはさらに、ステップ220の判定結果がYES、又は図7に示すステップ160の判定結果がNOの場合に実行され、これまでの処理で特定されている給紙トレイをそのまま選択するステップ228を含む。
【0066】
図7に示すステップ160において、判定結果がNOであるとは、ジョブ属性変換テーブル78の給紙トレイ変換テーブルフィールドに「(設定なし)」が格納されているか、又は、設定情報が何も格納されていないことである。
【0067】
このプログラムはさらに、ステップ224、ステップ194A、ステップ228、図8に示すステップ192、又はステップ194の後にそれぞれ実行され、各ステップにおいて選択された給紙トレイから用紙を給紙して、印刷対象の画像のうち現在参照しているページの画像を印刷するステップ230と、ステップ230の後、印刷対象の画像のうち、現在参照しているページが最後のページであるか否かを判定し判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ232とを含む。このプログラムはさらに、ステップ232の判定結果がNOの場合に、印刷ジョブに含まれる次のページの画像生成用情報を参照し、図7に示すステップ156に制御を戻すステップ234とを含む。
【0068】
なお、ステップ232の判定結果がYESの場合、制御は図7に示すステップ150に戻る。
【0069】
図10は、印刷出力装置40が起動されたときに、操作パネル制御部64で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図10を参照して、このプログラムは、印刷ジョブの属性名を管理者に指定させるための画面を操作パネル制御部64に表示するステップ250と、管理者から属性が指定されるまで待機するステップ252と、ステップ252において属性が指定された場合に、指定された属性名を属性種類記憶部84に記憶し、制御をステップ250に戻すステップ254とを含む。
【0070】
図11は、印刷出力装置40が起動されたときに、メンテナンス部86で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図11を参照して、このプログラムは、サーバ装置36からデータ更新命令を受信するまで待機するステップ270と、ステップ270においてデータ更新命令を受信した場合、第1〜第4のジョブ属性変換テーブル78A〜78D等のうち、種類名フィールドが、データ更新命令に含まれる種類名に対応するジョブ属性変換テーブルを検索するステップ272とを含む。このプログラムはさらに、ステップ272の後、ステップ272において検索したジョブ属性変換テーブルに、データ更新命令に含まれる種類名と給紙トレイ変換テーブルの名前とを対応付けるレコードを追加するステップ274と、ステップ274の後、データ更新命令に含まれる給紙トレイ変換テーブルを記憶部62に追加し、制御をステップ270に戻すステップ276とを含む。
【0071】
[動作]
図1〜図10を参照して、上記した構成を持つ本実施の形態に係る印刷出力装置40は以下のように動作する。なお、これに先立ち、第1のジョブ属性変換テーブル78Aには、図6に示すような情報が予め記憶されているものとする。
【0072】
印刷出力装置40の管理者が、印刷出力装置40を起動させたものとする。
【0073】
起動後、操作パネル制御部64は、印刷ジョブの属性名を管理者に指定させるための画面を操作パネル制御部64の表示部に表示する(図10に示すステップ250)。操作パネル制御部64は、当該画面において管理者が属性名を指定するまで待機する(図10に示すステップ252)。
【0074】
管理者が、操作パネル制御部64に対して、ある属性名を指定したものとする。
【0075】
操作パネル制御部64は、指定された属性名を属性種類記憶部84に記憶して、制御をステップ250に戻す。
【0076】
以下、印刷出力装置40は、属性種類記憶部84に記憶されている属性名によって、印刷ジョブの種類を判別する。
【0077】
印刷出力装置40の起動後、印刷出力装置40のメンテナンス部86は、サーバ装置36からデータ更新命令を受信するまで待機する(図11に示すステップ270)。
【0078】
サーバ装置36の管理者が、サーバ装置36から印刷出力装置40にデータ更新命令を送信したものとする。
【0079】
メンテナンス部86が、当該データ更新命令を受信すると(図11に示すステップ270においてYES)、第1〜第4のジョブ属性変換テーブル78A〜78D等から、種類名フィールドが、データ更新命令に含まれる印刷ジョブの種類名に対応するジョブ属性変換テーブルを検索する(図11に示すステップ274)。メンテナンス部86は、検索したジョブ属性変換テーブルに、データ更新命令に含まれる種類名と給紙トレイ変換テーブルとを対応付けるレコードを追加し(図11に示すステップ274)、データ更新命令に含まれる給紙トレイ変換テーブルを記憶部62に記憶する(図11に示すステップ276)。
【0080】
メンテナンス部86は、サーバ装置36からデータ更新命令を受信するたびに、上記した処理を行なう。
【0081】
上記したメンテナンス部86による動作によって、図5(A)に示すような第1の給紙トレイ変換テーブル80Aが記憶部62に記憶されたものとする。
【0082】
印刷出力装置40の起動後、印刷出力装置40は、上位装置32から印刷ジョブを受信するまで待機する(図7に示すステップ150)。
【0083】
上位装置32Aの利用者が、印刷出力装置40に対して、印刷ジョブを上位装置32Aから送信したものとする。
【0084】
印刷出力装置40は、上位装置32Aからの印刷ジョブを受信すると(図7に示すステップ150においてYES)、受信した印刷ジョブから印刷ジョブの属性を解析して、ジョブ属性記憶部82に記憶する(図7に示すステップ152)。印刷出力装置40は、解析した印刷ジョブの属性から印刷ジョブの種類を判別し、印刷ジョブに含まれる印刷対象の画像の最初のページを参照する(図7に示すステップ154)。印刷出力装置40は、印刷ジョブにおいて指定されている給紙トレイを特定する(図7に示すステップ158)。
【0085】
以下、ステップ158の後、ジョブ属性変換テーブルにおいて、印刷ジョブの種類に対応する給紙トレイ変換テーブルがない場合(図7に示すステップ160においてNO)の動作について説明する。
【0086】
その場合、印刷出力装置40は、ステップ158において特定された給紙トレイをそのまま選択する(図9に示すステップ228)。印刷出力装置40は、選択した給紙トレイから用紙を給紙して、印刷対象の画像のうち現在参照しているページの画像を印刷し(図9に示すステップ230)、その他のページの画像について同様の印刷処理を繰返す。全ページの画像について印刷処理を終了すると、印刷出力装置40は、制御をステップ150に戻す。
【0087】
以下、上記したステップ158の後、ジョブ属性変換テーブルにおいて、印刷ジョブの種類に対応する給紙トレイ変換テーブルが存在し(図7に示すステップ160においてYES)、かつ、その給紙トレイ変換テーブルにおいて、印刷ジョブで指定されている給紙トレイに対応する給紙トレイが存在する場合の動作について説明する。
【0088】
その場合、印刷出力装置40は、印刷ジョブで指定されている給紙トレイに対応する給紙トレイ名を抽出して(図7に示すステップ162)、当該給紙トレイを選択する(図9に示すステップ224)。印刷出力装置40は、選択した給紙トレイから用紙を給紙して印刷し(図9に示すステップ230)、その他のページの画像について同様の印刷処理を繰返す。全ページの画像について印刷処理を終了すると、印刷出力装置40は、制御をステップ150に戻す。
【0089】
以下、上記したステップ158の後、ジョブ属性変換テーブルにおいて、印刷ジョブの種類に対応する給紙トレイ変換テーブルが存在し(図7に示すステップ160においてYES)、かつ、その給紙トレイ変換テーブルにおいて、印刷ジョブで指定されている給紙トレイに「自動給紙」が対応している場合の動作について説明する。
【0090】
その場合、印刷出力装置40は、給紙トレイ変換フィールドから、印刷ジョブで指定されている給紙トレイフィールドから「自動給紙」を抽出する(図7に示すステップ162)。印刷出力装置40は、印刷対象の画像に合致する用紙サイズ及び用紙タイプである用紙を、第1〜第4の給紙トレイ68A〜68Dから自動的に検索して選択する(図9に示すステップ194A)。印刷出力装置40は、選択した給紙トレイから用紙を給紙して印刷し(図9に示すステップ230)、その他のページの画像について同様の印刷処理を繰返す。全ページの画像について印刷処理を終了すると、印刷出力装置40は、制御をステップ150に戻す。
【0091】
以下、上記したステップ158の後、ジョブ属性変換テーブルにおいて、印刷ジョブの種類に対応する給紙トレイ変換テーブルが存在し(図7に示すステップ160においてYES)、かつ、その給紙トレイ変換テーブルにおいて、印刷ジョブで指定されている給紙トレイに「(設定なし)」が対応している場合の動作について説明する。
【0092】
その場合、印刷出力装置40は、ステップ158において特定された給紙トレイをそのまま選択する(図9に示すステップ228)。印刷出力装置40は、選択した給紙トレイから用紙を給紙して、印刷対象の画像のうち現在参照しているページの画像を印刷し(図9に示すステップ230)、その他のページの画像について同様の印刷処理を繰返す。全ページの画像について印刷処理を終了すると、印刷出力装置40は、制御をステップ150に戻す。
【0093】
なお、上位装置32から、給紙トレイを指定しない印刷ジョブを受信する場合があるので、その場合の動作について述べる。
【0094】
印刷出力装置40がそのような印刷ジョブを受信した場合、上記したステップ152及び154の処理を行なう。印刷出力装置40は、現在参照している最初のページの画像に合致する用紙サイズ及び用紙タイプの用紙を第1〜第4の給紙トレイ68A〜68Dから自動的に検索して選択する(図8に示すステップ194)。印刷出力装置40は、選択した給紙トレイ68から用紙を給紙して、現在参照しているページの画像を印刷する(図9に示すステップ230)。印刷出力装置40は、2ページ目以降の画像に対して、以下の処理を繰り返す。印刷出力装置40は、前のページを印刷したときと同じ給紙トレイ68を選択して(図8に示すステップ192)、現在選択している給紙トレイ68に現在参照しているページの画像を印刷する(図9に示すステップ230)。印刷出力装置40は、全ページの画像について印刷処理が終了すると、制御をステップ150に戻す。
【0095】
以上、本実施の形態に係る印刷出力装置40を含むネットワークシステム30の動作を説明した。上記説明と、最初に述べた構成とから、上記以外の場合のネットワークシステム30の動作は当業者には明らかであろう。
【0096】
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る印刷出力装置40を利用することにより、印刷出力装置40は、給紙トレイ変換テーブル80を用いて、印刷ジョブにおいて指定されている給紙トレイを、印刷ジョブの種類に応じて、管理者にとって所望の給紙トレイに変換して印刷することができる。印刷ジョブの種類は、ホスト名、IPアドレス、ワークグループ名、及びプリンタドライバ名等の様々な情報から判別される。したがって、管理者は、利用者毎に限られず、様々な情報を含む印刷ジョブの種類に応じて、利用者毎に給紙トレイをよりきめ細かく割当てることができる。また、管理者は、ネットワークシステム30上において生じる諸問題に対して柔軟に対応することができるように、給紙トレイの変換を割当てることができ、給紙トレイの管理がやりやすくなる。
【0097】
また、印刷出力装置40は、サーバ装置36から送信されたデータ更新命令にしたがって、第1〜第4のジョブ属性変換テーブル78A〜78D等を更新し、給紙トレイ変換テーブルを記憶部62に追加する。そのような構成にすることによって、あるネットワークにおいて印刷出力装置40が新たに接続されたとしても、当該ネットワークの一般の利用者は、各利用者が主に使用している専用PCのプリンタドライバを更新する作業の手間を無くすことができる。
【0098】
[変形例]
上記した実施の形態では、印刷出力装置40はプリンタであった。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。印刷出力装置40は、典型的なプリンタの他に、ネットワークシステム上で、ネットワーク回線を介して上位装置から受信した印刷ジョブに含まれる印刷対象の画像を記録用紙に印刷するプリンタ機能を少なくとも備える装置であれば、どのようなものでもよい。例えば、プリンタ、複写機、及びファクシミリとして機能する電子写真方式の複合機である画像形成装置であってもよい。
【0099】
また、上記した実施の形態では、印刷出力装置40は、印刷ジョブの属性を択一的に選択させて印刷ジョブの種類を判別していた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、各属性の組合せで印刷ジョブの種類を判別させても良い。それを実現するためには、ジョブ属性変換テーブルの種類名フィールドを、複数のフィールドにすれば良い。例えば、ジョブ属性変換テーブルにおいて、種類名フィールドの代わりに、第1の種類名フィールド及び第2の種類名フィールドを設けて、それぞれホスト名及びIPアドレスを記憶したり、その他、種々の組合せで複数の種類名フィールドを設けたりしても良い。
【0100】
さらに、上記した実施の形態では、給紙トレイ変換テーブル及びジョブ属性変換テーブルを更新するためのデータ更新命令は、サーバ装置36によって送信されていた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。印刷出力装置40にデータ更新命令を送信する装置は、印刷出力装置40と通信可能な装置であれば何でも良い。そのような装置は、サーバ装置36の他に、上位装置32、又はネットワーク回線34に接続されている典型的な端末装置であっても良い。
【0101】
さらに、上記した実施の形態では、印刷出力装置40は、サーバ装置36からデータ更新命令を受信したとき、データ更新命令に含まれる給紙トレイ変換テーブルを記憶部62に追加していた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。印刷出力装置40は、給紙トレイ変換テーブルを追加する処理の他に、記憶部62に記憶されている給紙トレイ変換テーブルを更新する処理を行なっても良い。例えば、印刷出力装置40は、以下のように給紙トレイ変換テーブルを更新する処理を行なう。
【0102】
その処理に先立ち、データ更新命令には、記憶部62に記憶されているあるジョブ属性変換テーブルの種類名フィールドに記憶されている、印刷ジョブの種類名と、当該種類名に対応する給紙トレイ変換テーブルとを含むものとする。
【0103】
サーバ装置36が、そのようなデータ更新命令を印刷出力装置40に送信したものとする。
【0104】
印刷出力装置40は、当該データ更新命令を受信すると、記憶部62に記憶されている全てのジョブ属性変換テーブルから、種類名フィールドが、データ更新命令に含まれる種類名に対応するジョブ属性変換テーブルを検索する。印刷出力装置40は、検索したジョブ属性変換テーブルを参照して、データ更新命令に含まれる種類名と一致するレコードを検索する。印刷出力装置40は、検索したレコードの給紙トレイ変換フィールドの値を、データ更新命令に含まれる給紙トレイ変換テーブルの名前で更新する。印刷出力装置40は、前の給紙トレイ変換テーブルを、データ更新命令に含まれる給紙トレイ変換テーブルに更新する。
【0105】
上記したように、印刷出力装置40が、給紙トレイ変換テーブルを更新することにより、印刷出力装置40の管理者は、様々な状況に対応できるように給紙トレイ変換テーブルをメンテナンスすることができる。
【0106】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷出力装置40を含むネットワークシステム30のネットワーク環境を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る印刷出力装置40の機能的構成を示す図である。
【図3】図2に示す制御部60の機能的構成を示す図である。
【図4】上位装置32が印刷出力装置40に送信する印刷ジョブの属性について説明するための図である。
【図5】図2に示す給紙トレイ変換テーブル80の構成を示す図である。
【図6】図2に示すジョブ属性変換テーブル78の構成を示す図である。
【図7】図2に示す制御部60の機能を実現するコンピュータプログラムのフローチャートである。
【図8】図2に示す制御部60の機能を実現するコンピュータプログラムのフローチャートである。
【図9】図2に示す制御部60の機能を実現するコンピュータプログラムのフローチャートである。
【図10】図2に示す操作パネル制御部64の機能を実現するコンピュータプログラムのフローチャートである。
【図11】図2に示すメンテナンス部86の機能を実現するコンピュータプログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
30 ネットワークシステム
32A,32B,32C,32D,32E,32F 上位装置
36 サーバ装置
40 印刷出力装置
60 制御部
62 記憶部
64 操作パネル制御部
66 通信制御部
68A,68B,68C,68D 給紙トレイ
72 用紙給紙部
74 プリント部
76 用紙排出部
78A,78B,78C,78D ジョブ属性変換テーブル
80A,80B,80C,80D 給紙トレイ変換テーブル
82 ジョブ属性記憶部
84 属性種類記憶部
86 メンテナンス部
100 ジョブ情報解析部
102 ジョブ種類判別処理部
104 給紙トレイ処理部
106 画像形成部
108 設定処理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の装置から印刷ジョブを受信して、複数個の給紙トレイのいずれかから取出した用紙に画像を印刷する印刷出力装置であって、
印刷ジョブは、前記複数個の給紙トレイのいずれかを指定する給紙トレイ指定命令を含み、
前記印刷出力装置は、
印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名を、前記複数個の給紙トレイのいずれかを示す変換後トレイ名に変換するための給紙トレイ名変換手段と、
前記複数個の給紙トレイの中から、前記変換後トレイ名に対応する給紙トレイを使用して、前記給紙トレイ名変換手段によって受信された印刷ジョブに基づいて形成された画像を印刷するための画像形成手段とを含み、
前記給紙トレイ名変換手段は、
印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名と、前記複数個の給紙トレイのうち、当該指定される給紙トレイ名に対して予め設定される所望の給紙トレイ名とを対応付けて記憶するためのトレイ名変換テーブルを記憶するための記憶手段と、
印刷ジョブを受信したことに応答して、当該給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する前記所望の給紙トレイ名を前記トレイ名変換テーブルから読出し、前記変換後トレイ名として出力するためのテーブル読出し手段とを含む、印刷出力装置。
【請求項2】
前記トレイ名変換テーブルは、印刷ジョブの種類ごとに設けられており、
前記テーブル読出し手段は、
印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブの属性を解析し、当該印刷ジョブの種類を判別するための判別手段と、
前記判別手段によって判別された種類に対して設けられている前記トレイ名変換テーブルから、前記受信された印刷ジョブの給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する前記所望の給紙トレイ名を読出し、前記変換後トレイ名として出力するための手段とを含む、請求項1に記載の印刷出力装置。
【請求項3】
前記印刷出力装置はさらに、利用者に印刷ジョブの属性のいずれかを選択させるための選択手段を含み、
前記判別手段は、印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブの属性のうち前記選択手段により選択された属性の値から、印刷ジョブの種類を判別するための手段を含む、請求項2に記載の印刷出力装置。
【請求項4】
前記トレイ名変換テーブルは、印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定されるある給紙トレイ名に対して、前記複数個の給紙トレイのいずれも対応付けずに記憶している場合があり、
前記テーブル読出し手段は、
印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名が、前記トレイ名変換テーブルに記憶されているか否かに応じて、当該給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名と、当該給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名とを前記変換後トレイ名として選択的に出力するための手段を含む、請求項1に記載の印刷出力装置。
【請求項5】
前記トレイ名変換テーブルは、印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定されるある給紙トレイ名に対して、当該印刷ジョブに含まれる画像生成用情報に適切な給紙トレイを自動で検索することを指示するための自動給紙指示を対応付けて記憶している場合があり、
前記テーブル読出し手段は、印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応するものが自動給紙指示でないか否かに応じて、前記トレイ名変換テーブルにおいて当該給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名を前記変換後トレイ名として出力するか、又は、当該印刷ジョブに含まれる画像生成用情報に対し適切な給紙トレイを前記複数個の給紙トレイから検索し、検索した給紙トレイのトレイ名を前記変換後トレイ名として出力するための手段を含む、請求項1に記載の印刷出力装置。
【請求項6】
印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令は、当該印刷ジョブに含まれる画像生成用情報に適切な給紙トレイを自動で検索させるための自動給紙命令である場合があり、
前記トレイ名変換テーブルはさらに、印刷ジョブに含まれる自動給紙命令と、前記複数個の給紙トレイのうち、当該自動給紙命令に対して予め設定される所望の給紙トレイ名とを対応付けて記憶しており、
前記テーブル読出し手段は、印刷ジョブを受信したことに応答して、当該印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令が自動給紙命令であるか否かに応じて、前記トレイ名変換テーブルにおいて当該自動給紙命令に対応する所望の給紙トレイ名と、当該印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名に対応する所望の給紙トレイ名とを前記変換後トレイ名として選択的に出力するための手段を含む、請求項1に記載の印刷出力装置。
【請求項7】
前記印刷出力装置は、サーバ装置に接続されて用いられるものであり、
前記印刷出力装置はさらに、前記サーバ装置と通信可能であり、印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名と、前記複数個の給紙トレイのうち、当該指定される給紙トレイ名に対して予め設定される所望の給紙トレイ名とを対応付けて記憶するためのトレイ名変換テーブルを、前記サーバ装置から受信する受信手段を含み、
前記記憶手段は、前記受信手段が前記サーバ装置からトレイ名変換テーブルを受信したことに応答して、当該トレイ名変換テーブルを記憶するための手段を含む、請求項1に記載の印刷出力装置。
【請求項8】
前記印刷出力装置は、端末装置に接続されて用いられるものであり、
前記印刷出力装置はさらに、前記端末装置と通信可能であり、印刷ジョブに含まれる給紙トレイ指定命令により指定される給紙トレイ名と、前記複数個の給紙トレイのうち、当該指定される給紙トレイ名に対して予め設定される所望の給紙トレイ名とを対応付けて記憶するためのトレイ名変換テーブルを、前記端末装置から受信する受信手段を含み、
前記記憶手段は、前記受信手段が前記端末装置からトレイ名変換テーブルを受信したことに応答して、当該トレイ名変換テーブルを記憶するための手段を含む、請求項1に記載の印刷出力装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−274420(P2009−274420A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130699(P2008−130699)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】