説明

印刷制御装置

【課題】 書式印刷機能を持たないオープンプリンタで書式印刷をするための書式印刷を効率よい書式印刷を提供する。
【解決手段】 プリンタに解像度変換後の書式の画像データと解像度変換前の書式の画像データを識別するための識別データとを対応付けて登録する手段と、上位装置から送られてきた書式の画像データと、登録済の書式の画像データを識別データによって識別する手段を設けることで、効率のよい書式印刷の方法を実現できる特徴を備えた印刷制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書式印刷の機能を有する汎用コンピュータシステムで作成した書式印刷データのうち、毎ページ印刷する書式データを、書式印刷機能を持たないオープンシステムプリンタで印刷するための書式印刷や書式管理を行う印刷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、汎用コンピュータ(ホストコンピュータ)の印刷サブシステムで取り扱う解像度は240dpiであり、一方、オープンシステムプリンタの多くは解像度が600dpiである。このため、汎用コンピュータが出力する印刷データを、オープンシステムプリンタで印刷するためには、240dpiから600dpiへ解像度を変換して印刷を行う必要がある。
【0003】
汎用コンピュータから出力される印刷データは、文字データ、罫線データ、画像データ、書式データに分類される。このうち、画像データは、ヘッダとイメージデータからなる。また、書式データは、オーバレイ開始命令、位置指定命令、画像命令、オーバレイ終了命令を含み、画像命令は、画像データ(ヘッダ、イメージデータ)を含む。
【0004】
文字データは文字コード、罫線データはグラフィックデータ(グラフィックコマンドなど)であり、座標等の変換だけで、オープンシステムプリンタで印刷可能である。
【0005】
しかしながら、画像データについては解像度変換が必要となる。また、書式データ中の画像データも解像度変換が必要となる。
【0006】
この画像データの解像度変換には処理時間が掛かるため、汎用コンピュータから画像データや書式データが含まれる印刷データが出力され、この印刷データをオープンシステムプリンタで印刷する場合に、印刷出力速度が低下していた。
【0007】
更に、書式印刷の機能を持たないオープンシステムプリンタで書式印刷を行う場合には、毎ページ同じ書式データであっても、書式以外の文字などの印刷データと同様に毎ページプリンタに送って印刷する。このため、オープンシステムプリンタで画像データの解像度変換を毎ページ行うので、印刷性能(印刷速度)が低下していた。
【0008】
汎用コンピュータで出力した解像度240dpiの印刷データをオープンシステムプリンタ(解像度:600dpi)で印刷可能なデータへ変換する処理は、オープンシステムプリンタに接続されているパーソナルコンピュータのような上位装置にデータ変換部を設けることで行うことも可能である。また、オープンシステムプリンタにデータ変換部を設けることでも実現できる。
【0009】
データ変換を上位装置で行う場合には、汎用コンピュータとオープンシステムプリンタとの間にパーソナルコンピュータのような処理装置が必要となり、コストアップとなる。一方、データ変換をオープンシステムプリンタで行う場合には、オープンシステムプリンタのハードウェアの構成が異なる毎に、データ変換プログラムを開発して組み込む必要があり、開発工数がかかる。
【0010】
そこで、複数の異なるハードウェア構成の上であっても実行可能なJava(登録商標)プログラムが考案され、近年、Java(登録商標)アプリケーションを実行できるプラットフォームを提供するプリンタが製品化されている。このようなJava(登録商標)アプリケーションを実行可能なオープンシステムプリンタであれば、汎用コンピュータで出力した240dpiの印刷データを当該プリンタの解像度に合わせてデータを変換するJava(登録商標)アプリケーションを組み込むことで、少ない開発工数で様々なオープンシステムプリンタで印刷させることが可能となる。しかしながら、Java(登録商標)アプリケーションは、仮想マシン(VM)上で実行することから、画像データの解像度変換のような処理は負荷が高く、多くの時間を要する。
【0011】
ここで、同一書式の効率的な使用を目的とするものが知られている(例えば、特許文献1または特許文献2参照。)。
【0012】
特許文献1には、同一のフォームファイルで複数ページの印刷データを印刷する場合、印刷が実行される前に、フォームファイルを印刷装置のフォームデータ記憶領域に登録してく構成が記載されている。
【0013】
また、特許文献2には、)、使用頻度が高い再利用可能な書式セットを優先的に書式セットメモリに登録したままにしておくことにより、書式セットの再利用の機会を多くする構成が記載されている。
【0014】
しかしながら、特許文献1や特許文献2には、書式印刷の機能を持たないオープンシステムのプリンタで書式印刷を行なうことについては考慮されていない。このような場合、毎ページ印刷する書式データ中の画像データであっても、書式以外の印刷データと同様に毎ページプリンタに送信し印刷することにより、印刷性能が低下する要因となっていた。
【0015】
また、画像データの再利用として、上位装置で各ページに固有な識別番号(ページID)を付与し、この識別番号で保存している画像データと同一かの判断を行っているものや、(例えば、特許文献3参照。)登録しているフォーム画像を上位装置から送信されてくるフォームIDで登録済みかどうか調べているものもある(例えば、特許文献4参照。)。
【0016】
特許文献3や特許文献4に記載の構成では、上位装置の修正が必要となる。これは、顧客の装置構成を変更することになるので実際には対応困難である。
【0017】
また、パソコンから再度全く同じ圧縮されたイメージデータを内蔵したプリンタコマンドを受信した時、圧縮されたイメージデータを元に戻す処理を行わずに代わりに保存しておいたイメージデータを元に戻したイメージデータとし、代わりに設定したイメージデータをエンジン部により用紙に印刷出力させることが知られている(例えば、特許文献5参照。)。
【0018】
また、画像データのチェックサムを用いて、画像を特定して再利用することが知られている(例えば、特許文献6参照。)。
【0019】
しかしながら、特許文献5及び特許文献6は、画像データに適用するものであり、汎用コンピュータからの書式印刷に関しての構成では無い。
【0020】
【特許文献1】特開2003−76527号公報
【特許文献2】特開平6−155849号公報
【特許文献3】特開2000−207150号公報
【特許文献4】特開2003−348313号公報
【特許文献5】特開平8−324040号公報
【特許文献6】特開平8−58176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
毎ページ印刷する書式が画像データで作成されていて、この書式の画像データの解像度変換を毎ページ行うと印刷性能が低下するので、例えば、前述したJava(登録商標)アプリケーションで書式の画像データを1度だけ解像度変換して保持し、解像度変換後の画像データをプリンタに毎ページ出力することで、書式印刷の性能低下を防ぐことができる。
【0022】
しかしながら、ページ数の少ないジョブを大量に実行して書式印刷を行う場合に、やはり書式印刷の性能が低下する。
【0023】
例え、複数のジョブで同じ書式を使っていても、各ジョブの最初に書式の画像データの解像度変換を行うので、書式印刷の性能が低下する。なぜならば、プリンタ側で同じ書式が繰り返し使用されているのかどうかを識別することができないからである。
【0024】
オープンシステムでは、プリンタの低価格化、高性能化が進んでおり、書式印刷を行なうプリンタを複数の上位装置で共有して運用することも容易に想像できる。この場合、複数の上位装置の各々で書式番号または書式名称を付加しても、オープンシステムプリンタ側で書式データを書式番号または書式名称で一意に識別することができない。
【0025】
また、元々、書式データを書式番号や書式名称で識別して管理する手段を持たない書式印刷システムもある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題を解決するため、本発明は、書式印刷機能を有する汎用コンピュータからの印刷データを受信する受信手段と、前記印刷データを書式印刷機能を持たないオープンプリンタ用の印刷解像度に合わせて解像度変換する解像度変換処理部と、該解像度変換処理部で変換した当該変換済印刷データを前記オープンプリンタに送信する送信手段とを有する印刷制御装置において、解像度変換前の印刷データに画像データから成る書式が含まれるか含まれないかを判別する印刷データ解析部と、前記解像度変換処理部にて解像度変換後の書式の画像データを保存する書式格納バッファとを備え、前記解像度変換前の印刷データに、画像データからなる書式が含まれる場合には、解像度変換後の書式の画像データを前記書式格納バッファに保存し、且つ、前記送信手段が前記解像度変換後の書式の画像データを前記オープンプリンタに出力することを特徴とする。
また、解像度変換前の書式の画像データに対するチェックサム値を算出するチェックサム回路と、解像度変換前の書式の画像データのサイズと前記チェックサム値および解像度変換後の書式の画像データを保存した書式格納バッファのアドレスを格納する書式管理テーブルを備え、書式の画像データを解像度変換して書式格納バッファに保存する場合に、前記書式管理テーブルに該書式の画像データのサイズとチェックサム値および解像度変換後の画像データを保存した書式格納バッファのアドレスを格納する手段を有し、印刷データに画像データから成る書式が含まれる場合には、解像度変換前の印刷データのチェックサム値を算出し、解像度変換前の画像データサイズと該チェックサム値とをキーにして、前記書式管理テーブルで解像度変換済みの各書式の画像データに対して照合し、該照合の結果、画像データサイズと該チェックサム値が一致する書式の画像データが見つからない場合には、新たに解像度変換処理と変換処理後の該書式の画像データを書式格納バッファに保存すると共に、変換前の画像データサイズとチェックサム値と解像度変換後の画像データを保存した書式格納バッファのアドレスを前記書式管理テーブルに格納し、且つ、前記オープンプリンタに出力し、前記照合の結果、画像データサイズと該チェックサム値が一致する書式の画像データが見つかった場合には、当該書式管理テーブルが示す書式格納バッファのアドレスから解像度変換後の書式の画像データを読み出して、前記オープンプリンタに出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、複数ページに亘り同一の書式を含む印刷データを書式印刷の機能を持たないオープンプリンタで印刷する際に、書式印刷に要する処理時間を短縮可能である。
【0028】
また、複数のジョブで繰り返し使用される書式の画像データの解像度変換処理も低減できるので、書式印刷に要する処理時間を短縮でき、効率の良い高性能な書式印刷システムを提供可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、本発明の印刷制御装置を示すブロック図である。
【0030】
本発明の印刷制御装置102は、印刷データを受信する印刷データ受信部103と、解像度変換等を行うJAVA(登録商標)アプリケーション104と、受信した印刷データに画像データを含むか判断する印刷データ解析部105と、チェックサム値を計算するチェックサム回路106と、書式を管理する書式管理部107と、オープンシステム用に解像度を変換する解像度変換処理部108と、画像データを書式として格納する書式格納バッファ109と、JAVA(登録商標)アプリケーション104からの画像データ、文字データ、罫線データを受信してオープンプリンタ111で印刷可能なデータとして出力するプリンタエンジン制御部110とで構成されている。また、書式格納バッファ109内のデータ管理用として用いられる書式管理テーブル400が、書式管理部107及び解像度変換処理部108から読み書きを行えるように設けられている。
【0031】
汎用コンピュータ101で作成された印刷データは、印刷データ受信部103が受信し、オープンシステムプリンタ111で印刷可能なPDL(Printer Description Language)に変換を行う。受信した印刷データには、文字データ(文字コード)、罫線データ(グラフィックデータ)、画像データ、書式データ内の画像データがある。文字コードはオープンシステムプリンタで印刷可能な文字コードに変換し、グラフィックデータもオープンシステムプリンタで印刷可能なPDLに変換する。
【0032】
書式データ中の画像データは、書式印刷の機能を持たないオープンシステムプリンタで印刷するため、印刷データ受信部103で書式データから画像データが抽出される。なお、書式データは、「書式を示すコマンド、画像を示すコマンド、画像データ」で構成されている。
【0033】
その後、印刷データ(文字データ、罫線データ、(書式データ内の画像データも含んだ)画像データ)は、JAVA(登録商標)アプリケーション104に送信される。印刷データ解析部105は、画像データを含んでいるかを判定する。判定の結果、受信した印刷データに画像データが含まれる場合は、チェックサム回路106にて、受信した画像データのチェックサム値を算出し、書式管理部107に送信する。一方、画像データを含まないと判定した場合は、プリンタエンジン制御部110に送信する。
【0034】
書式管理部107では、受信した画像データのデータサイズと、チェックサム回路106で計算した画像データのチェックサム値を用い、同じ画像データが書式格納バッファ109に既に格納されているか検索を行う。
【0035】
上記検索の結果、未格納ならば、解像度変換処理部108で接続しているオープンシステムプリンタ111に合った解像度に変換する(例えば、受信した画像データが、240dpiのビットイメージであるとき、1ドットを2.5倍し、600dpiに変換する。実際には、1ドットを2.5倍することに代えて、1ドット毎に2倍、3倍、・・・とするなど、適宜解像度を拡大する。)。このようにして解像度変換処理部108で解像度変換した後、書式格納バッファ109に格納した上で、プリンタエンジン制御部110に送信する。一方、同じ画像データが書式格納バッファ109に格納済みなら、該当画像データを書式格納バッファ109から読み出し、プリンタエンジン制御部110に送信する。
【0036】
ここで、書式格納バッファを管理する書式管理テーブルについて説明する。
【0037】
図4は、書式格納バッファ109を管理する書式管理テーブル400である。書式管理テーブル400は、整理番号401と、データサイズ402と、チェックサム値403と、解像度変換後のデータサイズ404と、書式バッファ格納先アドレス405とで構成されている。
【0038】
整理番号401は、書式格納バッファ109格納時に付ける通し番号である。データサイズ402は、受信した画像データのデータサイズを格納する。チェックサム値403は、受信した画像データのチェックサム値を算出した結果を格納する。解像度変換後のデータサイズ404は、受信したデータを解像度変換した後のデータサイズを格納する。書式バッファ格納先アドレス405は、書式バッファに格納先のアドレスを格納する。
【0039】
整理番号が「1」の書式は、書式格納バッファ406の先頭に格納されているため、書式バッファ格納先アドレス405は、“0x00000000”となる。また、整理番号が「2」の書式は、整理番号2の書式407に保存しているので書式バッファ格納先アドレス405は、“0xBB800”となる。
【0040】
なお、本実施例では、書式管理テーブルを図1のように、書式格納バッファ109と別に設けた構成で説明したが、書式バッファ内に設ける構成も勿論可能である。なお、その際の書式バッファ格納先アドレスは、書式管理テーブルと整合するように適宜変更して構成する。
【0041】
図2は、JAVA(登録商標)アプリケーション104での処理内容を示すフローチャートである。
【0042】
印刷データ受信部103から受信した印刷データに画像データが含まれているかチェックを行う(ステップ201)。印刷データに画像データが含まれていない場合は、プリンタエンジン制御部に送信する(ステップ212)。一方、印刷データに画像データが含まれている場合は、受信した印刷データのデータサイズを保存し(ステップ202)、受信した画像データのチェックサム値を算出(計算)する(ステップ203)。
【0043】
次に、書式管理テーブル400の整理番号401が示すエントリに、書式データがあるかチェックを行う(ステップ204)。
【0044】
整理番号401が示すエントリに書式データが無い場合(ステップ204で“NO”)は、書式格納バッファ109に登録している全エントリチェックを完了したか又は、書式格納バッファ109に未登録状態のケースとなる。その場合は、オープンシステムプリンタ111で印刷するために適切な解像度に変換し(ステップ209)、書式バッファ格納処理で格納し(ステップ210)、書式テーブル登録処理として、ステップ202で保存したデータサイズをデータサイズ402に、ステップ203で算出したチェックサム値をチェックサム値403に登録する(ステップ211)。
【0045】
一方、未チェック済みの書式データがある場合(ステップ204で“YES”)は、データサイズ402とチェックサム値403を読み出し(ステップ205)、読み出したチェックサム値とデータサイズが、それぞれ、ステップ202で保存したデータサイズとステップ203で算出したチェックサム値と一致するかチェックを行う(ステップ206)。
【0046】
ステップ206でのチェックの結果、「不一致」の場合は、チェックしたエントリは受信したデータと違うと判断し、整理番号を更新し(ステップ207)、その後、ステップ204に戻り、登録している書式の全エントリのチェックが終了するまで繰り返す。
【0047】
一方、受信したデータが既に書式格納バッファ109に登録している場合は、ステップ202で保存したデータサイズとステップ203で算出したチェックサム値が、ステップ205で読み出したデータサイズとチェックサム値が一致する(ステップ206)。その場合は、書式格納バッファより書式を読み出し(ステップ208)、プリンタエンジン制御部110に送信する(ステップ212)。
【0048】
図3は、複数の汎用コンピュータと、オープンシステムプリンタがネットワークで接続されていることを示す概略図である。
【0049】
汎用コンピュータ301〜305と、ネットワーク306と、オープンシステムプリンタ307とで構成されている。複数の汎用コンピュータ301〜305は、ネットワーク306に接続し、それぞれ、書式データを含む印刷データを、オープンシステムプリンタ307に送信する。
【0050】
なお、図3において、本実施例の印刷制御装置102は図示されていないが、オープンシステムプリンタ307内に含まれる。
【0051】
本実施例のように、書式格納バッファ109を設け、格納対象とする印刷データについても、画像データから書式データとし、受信したデータのデータサイズとチェックサム値により、同一の書式かどうかを照合するため、仮に書式を管理する書式番号及び書式名称が同一の場合であっても、書式の2重登録や必要書式の上書きを防止できる。
【0052】
次に、本実施例と比較例における処理結果の一例を示す。汎用コンピュータから240dpiの画像データ約90Kバイトを送信し、32ページ/分の600dpiオープンプリンタシステムで印刷を行った場合、解像度変換後の印刷データは約367Kバイト(圧縮形式の違いにより受信したデータの2.5倍にはならない)となる。
【0053】
比較例として、従来技術である、画像データを毎ページ解像度変換する方法で印刷すると、11ページ/分の印刷性能しか得られなかった。
【0054】
一方、本実施例では、1ページ目の印刷は解像度変換が必要なため印刷性能は向上しないものの、2ページ目以降の解像度変換処理を省略できるため、2ページ目以降の印刷性能は32ページ/分の印刷性能が得られた。
【0055】
上記した通り、本発明では、印刷データの加工が可能なJAVA(登録商標)アプリケーションを実行できるプラットフォームを提供するプリンタでは、JAVA(登録商標)アプリケーションにより毎ページ印刷する書式の画像データがプリンタに送られると、最初の1度だけ画像データの解像度変換を行い、解像度変換後の画像データを保持し、毎ページ書式以外の文字などのデータと合成出力する書式印刷の機能により、画像データの解像度変換に要する処理時間を少なくすることが可能となる。
【0056】
また、プリンタに解像度変換後の書式の画像データと解像度変換前の書式の画像データを識別するための識別データとを対応付けて登録する手段と、上位装置から送られてきた書式の画像データと、登録済の書式の画像データを識別データによって識別する手段を設けることで、効率のよい書式印刷の方法を実現できる。書式の画像データの識別データは、例えば解像度変換前の画像データサイズと画像データのサムチェック値である。解像度変換前の画像データサイズと画像データのサムチェック値を登録しておき、新たに上位装置から送られてきた書式の画像データのサイズとサムチェック値を比較することで、登録済の書式の画像データと同一であるか否かを判断する。これにより、解像度変換前の書式の画像データを保持する必要もないので、メモリを節約できる。
【0057】
また、解像度変換後の書式の画像データについては、プリンタが処理可能な圧縮方法で保持しておくことでメモリが節約できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施例の印刷制御装置を含むシステムの概略構成図である。
【図2】本実施例の印刷制御装置における処理順序を示すフローチャートである。
【図3】本実施例の印刷制御装置と複数の汎用コンピュータがネットワークで接続されている構成を示す図である。
【図4】本実施例の印刷制御装置が管理する書式管理テーブルである。
【符号の説明】
【0059】
101:汎用コンピュータ、102:印刷制御装置、103:印刷データ受信部、104:JAVA(登録商標)アプリケーション、105:印刷データ解析部、106:チェックサム回路、107:書式管理部、108:解像度変換処理部、109:書式格納バッファ、110:プリンタエンジン制御部、111:プリンタ、301〜305:汎用コンピュータ、306:ネットワーク、400:書式管理テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書式印刷機能を有する汎用コンピュータからの印刷データを受信する受信手段と、前記印刷データを書式印刷機能を持たないオープンプリンタ用の印刷解像度に合わせて解像度変換する解像度変換処理部と、該解像度変換処理部で変換した当該変換済印刷データを前記オープンプリンタに送信する送信手段とを有する印刷制御装置において、
解像度変換前の印刷データに画像データから成る書式が含まれるか含まれないかを判別する印刷データ解析部と、前記解像度変換処理部にて解像度変換後の書式の画像データを保存する書式格納バッファとを備え、
前記解像度変換前の印刷データに、画像データからなる書式が含まれる場合には、解像度変換後の書式の画像データを前記書式格納バッファに保存し、且つ、前記送信手段が前記解像度変換後の書式の画像データを前記オープンプリンタに出力することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
解像度変換前の書式の画像データに対するチェックサム値を算出するチェックサム回路と、解像度変換前の書式の画像データのサイズと前記チェックサム値および解像度変換後の書式の画像データを保存した書式格納バッファのアドレスを格納する書式管理テーブルを備え、
書式の画像データを解像度変換して書式格納バッファに保存する場合に、前記書式管理テーブルに該書式の画像データのサイズとチェックサム値および解像度変換後の画像データを保存した書式格納バッファのアドレスを格納する手段を有し、
印刷データに画像データから成る書式が含まれる場合には、解像度変換前の印刷データのチェックサム値を算出し、解像度変換前の画像データサイズと該チェックサム値とをキーにして、前記書式管理テーブルで解像度変換済みの各書式の画像データに対して照合し、
該照合の結果、画像データサイズと該チェックサム値が一致する書式の画像データが見つからない場合には、新たに解像度変換処理と変換処理後の該書式の画像データを書式格納バッファに保存すると共に、変換前の画像データサイズとチェックサム値と解像度変換後の画像データを保存した書式格納バッファのアドレスを前記書式管理テーブルに格納し、且つ、前記オープンプリンタに出力し、
前記照合の結果、画像データサイズと該チェックサム値が一致する書式の画像データが見つかった場合には、当該書式管理テーブルが示す書式格納バッファのアドレスから解像度変換後の書式の画像データを読み出して、前記オープンプリンタに出力することを特徴とする請求項1記載の印刷制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−39972(P2010−39972A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205110(P2008−205110)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】