説明

印刷可能な材料

本発明は以下の一般式Iの化合物、及びワイヤー、抵抗器及びLEDのような電子構成要素を印刷するためのその化合物の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷可能な材料として使用するための化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
有機ポリマー及び分子は低費用の電子工学及び光電子工学でメージャープレイヤーとなりつつある。現在、溶液加工ポリマーは固有の利点を持つ。というのもこれらのポリマーを含む溶液はワイヤー、抵抗器及び発光ダイオードの発光層のような電子構成要素を印刷するために使用されることができるからである。しかし、高品質印刷を達成するためには、溶液特性、例えば粘度を、使用される印刷技術に適合させることも必須である(D.MacKenzie,Tutorial,MRS 2005参照)ので、これらのポリマーの溶液を単に作るだけでは不充分である。
【0003】
通常の印刷で使用される標準的方法は溶液加工ポリマーに適用されない。というのもこの方法によれば、活性物質、すなわちポリマーを不活性物質中に混合、配合または希釈することは通常望ましくないからである。なぜならかかる加工は溶液特性に影響を及ぼすのみならず、印刷層の電子特性も変更し、従ってこの混合物を恐らく無用のものとするからである。
【0004】
開発された代替法(S,Shaked,S.Tal,Y.Roichman,A.Razin,S.Xiao,Y.Eichen,and N.Tessler,“Charge density and film morphology dependence of charge mobility in polymer field−effect transistors,”Advanced Materials,vol.15,pp.913,2003)は有機ポリマーの分子量を微調整することである。しかし、この方法は二つの欠点を持つ:1.調整は平凡なものではなく、典型的には小さい粘度範囲のみが達成され;そして2.ポリマーの物理的配置(モルフォロジー)はその電子特性につながり、従って分子量を増やすことにより粘度を変えることは予め最適化された電子特性を妨げるであろう。
【0005】
従って、希望の電子及び/または光電子特性をフィルムに与える、要求される粘度、表面への接着性及び最小ドメイン境界による均一性を持つフィルムを達成するために必要である溶液及びフィルム形成特性を持つ有機ポリマー系印刷材料の製造のための産業的な要求がある。かかる特性の不存在下では、このポリマーは例えば発光ダイオード(ディスプレイ&照明タイプの用途)の製造または印刷のための、電界効果トランジスター、コンデンサー、及び低コストロジックのためのダイオードのような電子回路、スマートバーコード/タグ、RFID、太陽電池または他の光検出器、化学及び/または生物学的複合分子の部分のためのセンサの印刷のための、及び独特な表示を持つラベルまたは表示の印刷のための印刷材料として有用ではないと考えられるであろう。
【発明の開示】
【0006】
驚くべきことに、種々のポリマーの溶液及びフィルム特性が、これらのポリマーに要求される電子及び光電子特性を与えるいわゆる“溶液変性単位”により及び/または“フィルム形成単位”によりポリマーを構成することにより微調整されることができることが今や見出された。かかるポリマーは印刷可能な材料の溶液及びフィルム特性を制御する配合添加物に対する必要性を最少化しまたは減少する。
【0007】
かかるポリマーの構成は種々の合成法を採用することにより達成された。その一つは特別に作られたモノマー構築ブロックの使用であり、そのそれぞれは構成されたオリゴマーまたはポリマーに溶解性、粘性、フィルム形成性、接着性、電子特性、光電子特性及び磁気特性から選ばれた少なくとも一つの特性を与える能力を持つ。
【0008】
従って、本発明の第一態様では、以下の一般式Iのモノマー構築ブロックが提供される:

式中、R及びRは互いに独立してH、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、シリル、C1−C20アルキレンカルボニルヌクレオ塩基、及びN−保護基から選ばれ;
はH及びO−保護基から選ばれ;
及びRは互いに独立してH、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アリーレン、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、アルキルアミノカルボニル、及び以下の一般式IIのラジカルから選ばれ:

式中、RからR10のそれぞれは互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれ;
からR10の二つの隣接(すなわち隣り合う)基はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロ環式、及びアリーレンから選ばれた置換または非置換のC5−C10縮合環系を形成してもよく;前記縮合環系はO,NまたはSから選ばれた少なくとも一つのヘテロ原子を含んでもよく;
からGのそれぞれはC,O,NまたはSから選ばれた原子であってもよく;ここで原子G,G,G,GまたはGがCと異なる場合、その原子は荷電されまたは中性であってもよく;原子GからGがCと異なるとき、その原子は置換されてもよくまたは置換されなくてもよく;置換の場合、前記原子(GからG)は正に荷電されてもよく;荷電されたとき、その系は負の無機または有機陰イオンから選ばれた対イオンを伴ってもよく;
Wは−C(O)−,−S(O)−及び−S(O)−から選ばれた基であり;
とRはそれらが結合されているN原子と一緒にN,OまたはSから選ばれた少なくとも一つの追加のヘテロ原子を任意に持つヘテロ環式環構造を形成してもよく;前記環構造は置換または非置換のピリジン、イソキノリン、ベンゾイソキノリン、ベンゾイソキノリン−1−オン、イソベンゾキノリン−1,3−ジオン、ベンゾ[1,7]ナフチリジンジオン、及び1,6,8−トリアザフェナレン−7,9−ジオンから選ばれ;
ZはC1−C2アルキレン、C5−C8シクロアルキレン、C5−C10アリーレン、N,O及びSから選ばれた少なくとも一つのヘテロ原子を持つC5−C12ヘテロアリーレンから選ばれ;
XはC1−C20アルキレン、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ及びアルキルアミノカルボニルから選ばれ;そして
nは1に等しいまたは1より大きい整数であり;ここでnが2より大きいとき、RまたはRはペプチド結合である。
【0009】
一つの実施態様では、一般式Iにおいて、Zは−CH−であり、XはC1−C20アルキレンであり、RはHでありそしてRはC1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、アルキルアミノカルボニル、または以下の一般式IIaのラジカルから選ばれ:

式中、RからR10の二つの隣接基はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロ環式、及びアリーレンから選ばれたC5−C10縮合環系を形成してもよく;前記縮合環系はN,O及びSから選ばれた少なくとも一つのへテロ原子を任意に含み、RからR10のそれぞれは上に規定されたものである。
【0010】
別の実施態様では、一般式Iにおいて、XはC1−C4アルキレンであり、R,R,R及びR10はそれぞれHであり、そしてRはC1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれる。
【0011】
更に別の実施態様では、一般式Iの化合物は以下の一般式IIIを有するものである:

式中、RからRのそれぞれ及びnは上に規定されたものである。
【0012】
本発明の特別な実施態様では、一般式IIIの化合物が提供され、そこではR,R及びRはそれぞれHであり、そしてnは1であり、前記化合物はここに化合物Aとして示される。

【0013】
別の特別な実施態様では、一般式IIIの化合物が提供され、そこではRはHであり、Rはペプチド結合であり、そしてn=2であり、前記化合物はここに化合物A2と名付けられ、
またはn=3であるとき、前記化合物はここに化合物A3と名付けられ、
またはn=4であるとき、前記化合物はここに化合物A4と名付けられ、
またはn=5であるとき、前記化合物はここに化合物A5と名付けられ、
またはn=6であるとき、前記化合物はここに化合物A6と名付けられ、
またはn=7であるとき、前記化合物はここに化合物A7と名付けられ、
またはn=8であるとき、前記化合物はここに化合物A8と名付けられ、
またはn=9であるとき、前記化合物はここに化合物A9と名付けられ、
またはn=10であるとき、前記化合物はここに化合物A10と名付けられ、
またはnが10より大きいとき、その化合物は化合物A11,A12,A13等と名付けられる。
【0014】
本発明の更に別の実施態様では、一般式Iにおいて、Zは−CH−であり、XはC1−C20アルキレンであり、RはHであり、そしてRは一般式IIaのラジカルであり、そこでR,R及びRは上に規定されたものであり、そしてRとR10はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロ環式、及びアリーレンから選ばれたC5−C10縮合環系を形成する。
【0015】
特別な実施態様では、一般式Iの化合物において、前記C5−C10縮合環系は置換または非置換ナフタレニルであり、前記化合物は以下の一般式IVを有するものである:

式中、n,RからR及びRからRのそれぞれは上に規定したものであり、R11からR14のそれぞれは互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれる。
【0016】
好ましくは、R、R,R,R12,R13及びR14はそれぞれHであり、そしてR11は−NRR′であり、ここでRとR′は同一または異なっていてもよく、互いに独立してH、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれてもよい。前記R及びR′のそれぞれは互いに独立して更に置換されてもよい。
【0017】
R及びR′はまた、それらが結合されているN原子と一緒に置換または非置換ヘテロ構造、例えばピリジン、イソキノリン、ベンゾイソキノリン、ベンゾイソキノリン−1−オン、イソベンゾキノリン−1,3−ジオン、ベンゾ[1,7]ナフチリジンジオン、1,6,8−トリアザフェナレン−7,9−ジオン及びそれらの誘導体から選ばれたヘテロ環式環構造を形成してもよい。
【0018】
特別な実施態様では、一般式IVの化合物は以下の一般式Vを有するものである:

式中、n及びRからRは上に規定されたものである。
【0019】
本発明の特別な実施態様では、一般式Vの化合物が提供され、そこではR,R及びRがそれぞれHであり、そしてnが1であり、前記化合物はここに化合物Bとして示される。

【0020】
別の特別な実施態様では、一般式Vの化合物が提供され、そこではRがHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=2であり、前記化合物はここに化合物B2と名付けられ、
またはn=3であるとき、前記化合物はここに化合物B3と名付けられ、
またはn=4であるとき、前記化合物はここに化合物B4と名付けられ、
またはn=5であるとき、前記化合物はここに化合物B5と名付けられ、
またはn=6であるとき、前記化合物はここに化合物B6と名付けられ、
またはn=7であるとき、前記化合物はここに化合物B7と名付けられ、
またはn=8であるとき、前記化合物はここに化合物B8と名付けられ、
またはn=9であるとき、前記化合物はここに化合物B9と名付けられ、
またはn=10であるとき、前記化合物はここに化合物B10と名付けられ、
またはnが10より大きいとき、化合物は化合物B11,B12,B13等と名付けられる。
【0021】
本発明の別の実施態様では、一般式Iにおいて、Zは−CH−であり、XはC4アルキレンであり、そしてRとRはそれらが結合されているN原子と一緒に置換または非置換ピリジン、イソキノリン、ベンゾイソキノリン、ベンゾイソキノリン−1−オン、イソベンゾキノリン−1,3−ジオン、ベンゾ[1,7]ナフチリジンジオン、及び1,6,8−トリアザフェナレン−7,9−ジオンから選ばれたヘテロ環式環構造を形成する。好ましくは、R及びRはそれらが結合されているN原子と一緒に置換または非置換ベンゾイソキノリン、ベンゾイソキノリン−1−オン、イソベンゾキノリン−1,3−ジオン及びそれらの誘導体から選ばれたヘテロ環式環構造を形成する。
【0022】
本発明の特別な実施態様では、R及びRはそれらが結合されているN原子と一緒に以下の一般式VIで示されるようなイソベンゾキノリン−1,3−ジオン環構造を形成する:

式中、n及びRからRは上に規定されたものであり、R15からR20のそれぞれは互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれる。
【0023】
更なる実施態様では、一般式VIにおいて、前記R15からR20のそれぞれは互いに独立してH、ヒドロキシル、C1−C20アルコキシ、及び置換または非置換のアミンから選ばれる。好ましくは、前記アミンは−NR2122であり、ここでR21及びR22は互いに独立してHまたはC1−C20アルキル基であり、より好ましくは、R21及びR22はそれぞれC1−C20アルキル基であり、そして最も好ましくは前記アミンはR17またはR18のいずれかまたは両方に位置している。
【0024】
別の実施態様では、一般式VIの化合物において、R17は上に規定された−NR2122により置換され、そしてR18はHであり、前記化合物は一般式VIIを有するものである:

式中、n,RからR及びR15,R16,R19及びR20のそれぞれはここに規定されたものである。
【0025】
更に別の実施態様では、一般式VIIにおいて、R15,R16,R19及びR20のそれぞれは互いに独立してH、ヒドロキシル、アルコキシまたはアリーロキシであり、そしてR21及びR22はC1−C20アルキル基である。
【0026】
特別な実施態様では、一般式VIIにおいて、R21はメチルまたはエチルであり、R22は、任意に直鎖または分枝されておりまたは任意に更に置換されているC1−C8アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、3−オクチル、2−オクチル、及びオクチル)から選ばれ、そしてR15,R16,R19及びR20はそれぞれ次の組合せの一つのH、ヒドロキシル、アルコキシまたはアリーロキシであってもよい:
1.R15,R16,R19及びR20のそれぞれがHである;
2.R15及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR16及びR19がHである;
3.R16及びR19がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR15及びR20がHである;
4.R16及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR15及びR19がHである;
5.R15及びR19がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR16及びR20がHである;
6.R15及びR16がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR19及びR20がHである;
7.R19及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR15及びR16がHである;
8.R15,R16,R19及びR20のそれぞれがヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれる。
【0027】
特別な実施態様では、一般式VIIの化合物は以下の一般式VIIIの化合物である:

式中、n,RからR及びR15,R16,R20及びR19のそれぞれは上に規定されたものである。
【0028】
別の特別な実施態様では、一般式VIIの化合物は以下の一般式IXの化合物である:

式中、n,RからR及びR15,R16,R20及びR19のそれぞれは上に規定されたものである。
【0029】
別の特別な実施態様では、一般式VIIの化合物は以下の一般式Xの化合物である:

式中、n,RからR及びR15,R16,R20及びR19のそれぞれは上に規定されたものである。
【0030】
別の特別な実施態様では、一般式VIIの化合物は以下の一般式XIの化合物である:

式中、n,RからR及びR15,R16,R20及びR19のそれぞれは上に規定されたものである。
【0031】
一般式VIIIからXIの各化合物に対し、R15,R16,R19及びR20のそれぞれは互いに独立して次の組合せの一つのH、ヒドロキシル、アルコキシまたはアリーロキシであってもよい:
1.R15,R16,R19及びR20のそれぞれがHである;
2.R15及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR16及びR19がHである;
3.R16及びR19がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR15及びR20がHである;
4.R16及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR15及びR19がHである;
5.R15及びR19がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR16及びR20がHである;
6.R15及びR16がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR19及びR20がHである;
7.R19及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR15及びR16がHである;または
8.R15,R16,R19及びR20のそれぞれがヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれる。
【0032】
別の特別な実施態様では、一般式VIIIまたはIXまたはXまたはXIの化合物であって、RがHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=2、またはn=3、またはn=4、またはn=5、またはn=6、またはn=7、またはn=8、またはn=9、またはn=10、またはnが10より大きい化合物等が提供される。
【0033】
別の実施態様では、一般式Iにおいて、ZはC5−C10アリーレンまたはN,O及びSから選ばれた少なくとも一つのヘテロ原子を持つC5−C12ヘテロアリーレンである。好適実施態様では、前記C5−C10アリーレンは置換または非置換のフェニル及びナフチルから選ばれ、そして前記C5−C12ヘテロアリーレンはチオフェニル、チオジルイル(thiozylyl)、及びイミダゾリルから選ばれる。
【0034】
一般式Iの化合物の更に別の実施態様では、Zは−CH−であり、XはC1−C20アルキレンであり、RはHであり、そしてRはH、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、アルキルアミノカルボニル、または以下の一般式IIbのラジカルから選ばれ:

式中、RからR10のそれぞれは互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれ;
からGのそれぞれはC,O,NまたはSから選ばれた原子であってもよく;ここで原子G,G,G,GまたはGがCと異なる場合、その原子は荷電されているかまたは中性であってもよく;原子GからGがCと異なるとき、その原子は示されるように置換されてもまたは置換されなくてもよく;置換の場合、前記原子(GからG)は正に荷電されてもよく;荷電されたとき、その系は負の無機または有機陰イオンから選ばれた対イオンを伴ってもよく;
からR10の二つの隣接(すなわち隣り合う)基はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロ環式、及びアリーレンから選ばれた置換または非置換のC5−C10縮合環系を形成してもよい。
【0035】
特別な実施態様では、RはHであり、そしてRは一般式IIbのラジカルであり、前記GからG原子の一つまたは二つはN及びOから選ばれたヘテロ原子である。
【0036】
更に別の実施態様では、一般式Iの化合物は以下の一般式XIIを有するものである:

式中、n,RからR,R及びRからR10のそれぞれは上に規定されたものであり、かつRは存在しなくてもよい。一つの場合では、Rは存在せず、従ってN原子は荷電されていない。別の場合では、Rは存在し、N原子は正に荷電されている。Rは上に規定のものである。
【0037】
別の実施態様では、一般式XIIにおいて、R,R及びR10はHであり、Rは存在せず、そしてRは置換または非置換のピリジル、チオフェニル、イソキノリニル、ベンゾイソキノリニル、及びそれらの誘導体から選ばれたヘテロアリールである。好ましくは、へテロアリールは置換されたピリジルである。より好ましい実施態様では、ピリジルは2−ピリジルである。最も好ましい実施態様では、一般式Iの化合物は以下の一般式XIIIを有するものである:

式中、n,RからRのそれぞれは上に規定されたものであり、かつR23からR26のそれぞれは互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれる。
【0038】
好ましい実施態様では、一般式XIIIにおいて、前記R23からR26の少なくとも一つは共役C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、アリーレンまたはヘテロアリーレンまたはそれらの組合せである。
【0039】
より好ましい実施態様では、R23,R25及びR26はHであり、R24は共役C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、アリーレンまたはヘテロアリーレンまたはそれらの組合せである。
【0040】
特別な実施態様では、一般式XIIIの化合物は以下の一般式XIVの化合物である:

式中、n及びRからRのそれぞれは上に規定したものであり、かつR27からR39のそれぞれは互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれる。
【0041】
一つの実施態様では、一般式XIVの化合物において、R27,R28,R33及びR34はHである。一般式XIVの化合物は全てがシスでありまたは全てがトランスでありまたは一方の結合がシスで他方がトランス形であってもよい。
【0042】
別の実施態様では、一般式XIVにおいて、R37はHまたは共役C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、アリーレンまたはヘテロアリーレンまたはそれらの組合せであってもよい。
【0043】
更に別の実施態様では、一般式XIVにおいて、R30,R32,R36及びR39はそれぞれ独立してH以外の置換基から選ばれ、そしてR29,R31,R35及びR38はそれぞれHである。好ましくは、前記H以外の置換基はヒドロキシル、アルコキシ、及びアリーロキシから選ばれ、従って以下の一般式XVの構造を提供する:

式中、n及びRからRのそれぞれは上に規定されたものであり、かつR40はH、C1−C20アルキレン、及びC6−C15アリーレンから選ばれる。
【0044】
本発明の別の態様では、nが1より大きい、一般式I、並びに一般式IIIからXVの化合物が提供される。これらの化合物はそれぞれいずれかの二つのアミノ酸部分間を連結する少なくとも一つのペプチド結合を含む。
【0045】
これらのペプチドまたはオリゴマーはホモオリゴマーまたはホモポリマーとして、すなわち本発明の一般式の同じ化合物または本発明の一般式の異なる化合物のそれらとして構成されることができる。
【0046】
一つの実施態様では、オリゴマーはその隣り合うモノマーにペプチド結合を介して連結された一般式Iの同一モノマーを含む。
【0047】
別の実施態様では、オリゴマーは異なる構造のモノマーを含む。
【0048】
当業者に既知であるように、二つの異なるアミノ酸、例えば一般式Iの化合物Aと化合物Bのダイマーが二つの異なる構造:互いに異なるA−B及びB−Aを与えてもよい。両方の一般化された構造は本発明の範囲内に包含される。
【0049】
従って、本発明はまた、1から100の繰り返しを持つまたはモノマーのランダムな組合せの一般式Iのモノマー、オリゴマー、またはポリマーであるいずれかの化合物を提供する。
【0050】
一つの実施態様では、化合物AとBのモノマーの繰り返しで構成されかつ一般構造BABABAを持つオリゴマーが提供され、そこでは化合物Aのモノマーの数は化合物Bのモノマーの数に等しい。ここに化合物Cとして示されたこのオリゴマー(n=6)は次の構造を有するものである:

【0051】
化合物CのN−末端、またはそのC−末端、または本発明のいずれかの他の化合物のそれらはN−またはO−保護基または他の非反応性基のような末端基で置換されてもよい。かかる末端基は例えば2−ヘキシル−1−ウンデカン酸のような長鎖アルカン酸またはいずれかの他の末端基であってもよい。末端基はここでは文字Tにより示される。
【0052】
別の実施態様では、化合物Bの四つのモノマーと化合物Aの唯二つのモノマーの構造を持つオリゴマーが提供される。このオリゴマー(n=6)は化合物Dとして示されている:

化合物Dも同様にその末端のいずれかまたは両方にT基を持ってもよい。
【0053】
別の実施態様では、一般式IXの化合物の10個のモノマー構造を持つオリゴマーが提供され、前記オリゴマーはここに化合物Eで示されている:

化合物Eも同様にその末端のいずれか一つまたは両方にT基を持つことができる。
【0054】
本発明の更に別の態様では、本発明の化合物のポリマー、好ましくはホモポリマーが提供される。
【0055】
前記オリゴマーまたはポリマーのそれぞれは次に示されるように、フィルム形成性、及び電子特性または光電子特性を持つ。
【0056】
本発明のモノマー、オリゴマー及びポリマーは、特別な表面への接着性を制御しかつ調整する手段として使用されることができる。これらの化合物はまた、触媒のような熱的に活性化された及び/または光誘起された架橋能力を提供するために使用されることができる。
【0057】
本発明の化合物、特に発光性を持つもの、すなわち一般式VIからXIの化合物はまた、最適化された高品質印刷性と一緒に希望の発光性を持つ材料の調製のために使用されることができる。
【0058】
本発明の化合物はまた、発光ダイオード、ダイオード、抵抗器、コンデンサー、トランジスター及びセンサの活性層のような電子材料及び電子構成要素の構成に使用されることができる。この特別な材料の利用は好ましくは上述の装置の絶縁体または有機半導体としてまたは伝導体としてのいずれかである。
【0059】
これらの化合物はまた、ある検体(これは混合物を含む気体、液体または固体状態である)の存在を感知するための感知要素として使用されることができ、それらは検体の存在に応答してそれらの電子または光電子特性(例えば光ルミネセンス、静電容量、抵抗)または例えば検体とそれらの相互作用の結果としての前記特性の変化の少なくとも一つを変える。
【0060】
図面の簡略説明
本発明を理解しかつ実際にどのように実施されることができるかを知るために、好適実施態様が今や添付図面を参照して非限定例として説明されるであろう。
【0061】
図1はBABABA(左)とBBABBA(右)から作られたフィルムの顕微鏡画像である。上の二つは50倍の倍率で下の二つは100倍の倍率でとられた。フィルム厚はBABABA及びBBABBAに対しそれぞれ80nm及び60nmであった。
【0062】
図2は1×1μm範囲のAFM画像である。左の図はBABABAフィルムに対しとられ、右の図はBBABBAに対しとられた。高さと位相画像の両者とも二つのフィルムで非常に似て見える。しかし、位相画像に対する尺度はBBABBAの場合において3倍大きい。
【0063】
図3はルミネセンスと印刷性の最適化のための構造的に似た発光アミノ酸である。R基は一般式VIからXIに関して述べたものである。
【0064】
図4A〜Kは共役及び非共役アミノ酸の非限定例であり、そこではアリーレン及び/またはヘテロアリーレンのそれぞれは一般式Iに関して開示したように任意に置換される。
【0065】
図5は検体の存在に対する感知分子としての本発明の化合物の使用を例示する図である。
【0066】
図6Aは化合物Eの誘導体のPLスペクトルを示し、図6Bは化合物Eの誘導体を組込んでいるLEDの構造を示し、そして図6CはLED特性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
フィルム形成性がモノマー構造の化学的適合により与えられた本発明のオリゴマーまたはポリマーは種々の長さの骨格を含むことができる。ここに開示された本発明は特に好ましい骨格としてポリペプチドの使用を例示するが、当業者には、同様な化学的調整がまた、要求される特性を持つ核酸またはペプチド核酸(PNA)のポリマーを与えることができることは理解されるべきである。
【0068】
上に詳述したように、本発明の第一態様は、当業者に既知のいずれかの方法によりダイマー、トリマー、四量体、またはそれより長いオリゴマーまたはポリマーを形成して特定の用途の要求に合わせて調整するように互いに結合されることができるモノマー残基を提供する。かかるオリゴマーまたはポリマーの骨格は好ましくは実際はペプチド型でありかつ以下の一般式Iの共役または非共役アミノ酸のくり返し残基から作られ、そこでは基のそれぞれは前に規定されたものである。

【0069】
本発明の化合物、すなわちモノマー構築ブロック並びにオリゴマー及びポリマーはキラル中心を含むことができることは理解されるべきである。かかるキラル中心は(R)または(S)配置のいずれであってもよく、またはそれらの混合であってもよい。従って、ここに提供された化合物は鏡像異性体的に純粋なものであってもよく、または立体異性体またはジアステレオ異性体の混合物であってもよい。
【0070】
用語“アルキル”は、もし指定されなければ1から20個の炭素原子を持ち、直鎖または分枝されており、そして置換または置換されていない炭素鎖を言う。
【0071】
用語“アルケニル”は、1から8個の二重結合を含み、直鎖または分枝されており、そして置換または置換されていない2から20個の炭素の炭素鎖を言う。前記二重結合のそれぞれはシスまたはトランス配置であってもよい。
【0072】
用語“アルキニル”は、1から8個の三重結合を含み、直鎖または分枝されており、そして任意に置換されている2から20個の炭素の炭素鎖を言う。
【0073】
ここでの例示的アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソヘキシル、アリル(プロペニル)及びプロパルギル(プロピニル)を含むが、それらに限定されない。
【0074】
ここで使用される“アルキレン”は、直鎖、分枝または環式の、ある実施態様では直鎖または分枝の、脂肪族炭化水素基を言い、一つの実施態様では1から約20個の炭素原子を持ち、別の実施態様では1から12個の炭素を持つ。任意的にアルキレン基に沿ってS(=O)及びS(=O)基を含む一つまたはそれより多い酸素、硫黄または−NK−及び−NKK−基を含む置換または非置換の窒素原子が挿入されてもよく、ここで、窒素置換基(単数または複数)Kはアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたはCOK′であり、ここでK′はアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、−OYまたは−NYY−であり、ここでYは水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロ環式である。
【0075】
アルキレン基は、メチレン(−CH)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−(CH−)、メチレンジオキシ(−O−CH−O−)及びエチレンジオキシ(−O−(CH−O−)を含むが、それらに限定されない。
【0076】
ここで使用される“アルキレンカルボニルヌクレオ塩基”は、アルキレン−CO−塩基を言い、ここでアルキレンはここに規定されたものであり、ヌクレオ塩基はプリン及びピリミジン、例えばアデニン、グアニン、チミン、シトシン及びウラシルから選ばれる。
【0077】
ここで使用される“アルケニレン”は、直鎖、分枝または環式の、ある実施態様では直鎖または分枝の、脂肪族炭化水素基を言い、ある実施態様では2から約20個の炭素原子と少なくとも一つの二重結合を持ち、他の実施態様では1から12個の炭素を持つ。任意的にアルケニレン基に沿って一つまたはそれより多い酸素、硫黄または置換または非置換の窒素原子が挿入され、ここで窒素置換基はアルキルであってもよい。アルケニレン基は−CH=CH−CH=CH−及び−CH=CH−CH−を含むが、それらに限定されない。
【0078】
用語“アルキニレン”は、直鎖、分枝または環式の、ある実施態様では直鎖または分枝の、脂肪族炭化水素基を言い、一つの実施態様では2から約20個の炭素原子と少なくとも一つの三重結合を持ち、別の実施態様では1から12個の炭素を持つ。任意的にアルキニレン基に沿って一つまたはそれより多い酸素、硫黄または置換または非置換の窒素原子が挿入され、ここで窒素置換基はアルキルである。アルキニレン基は−C≡C−C≡C−、−C≡C−及び−C≡C−CH−を含むが、それらに限定されない。
【0079】
ここで使用される“シクロアルキル”は、ある実施態様では3から10個の炭素原子の、他の実施態様では3から6個の炭素原子の飽和単環式または多環式環系を言い;“シクロアルケニル”及び“シクロアルキニル”はそれぞれ少なくとも一つの二重結合及び少なくとも一つの三重結合を含む単環式または多環式環系を言う。シクロアルケニル及びシクロアルキニル基はある実施態様では3から10個の炭素原子を含んでもよく、更なる実施態様ではシクロアルケニル基は4から7個の炭素原子を含んでもよく、更なる実施態様ではシクロアルキニル基は8から10個の炭素原子を含んでもよい。シクロアルキル、シクロアルケニル及びシクロアルキニル基の環系は一つの環から構成されてもよく、または縮合、架橋またはスピロ連結様式で一緒に結合されることができる二つまたはそれより多い環から構成されてもよい。
【0080】
ここで使用される“アリール”は、6から19個の炭素原子を含む芳香族単環または多環基を言う。アリール基は、非置換または置換のフルオレニル、非置換または置換のフェニル、及び非置換のまたは置換のナフチルのような基を含むが、それらに限定されない。
【0081】
用語“アリーレン”は、単環式または多環式の、ある実施態様では単環式の、芳香族基を言い、一つの実施態様では5から約20個の炭素原子と少なくとも一つの芳香族環を持ち、別の実施態様では5から12個の炭素を持つ。アリーレン基は1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンを含むが、それらに限定されない。
【0082】
ここで使用される“ヘテロアリール”は、単環式または多環式の芳香族環系を言い、ある実施態様では約5から約15個の員数であり、そこでは環系の原子の一つまたはそれより多くの、一つの実施態様では1から3個がヘテロ原子、すなわちN,OまたはSを含むがそれらに限定されない炭素以外の元素、である。ヘテロアリール基は任意にベンゼン環に縮合されてもよい。ヘテロアリール基はフリル、イミダゾリル、ピリミジニル、テトラゾリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、トリアゾリル、キノリニル及びイソキノリニルを含むが、それらに限定されない。
【0083】
ここで使用される“ヘテロアリーレン”は、単環式または多環式芳香族環系、一つの実施態様では環(単数または複数)中に約5から約15個の原子のものを言い、そこでは環系の原子の一つまたはそれより多くが、ある実施態様では1から3個がヘテロ原子、すなわちN,OまたはSを含むがそれらに限定されない炭素以外の元素、である。
【0084】
ここで使用される“アラルキル”は、アルキル基の水素原子の一つがここに規定されるアリール基により置換されているアルキル基を言う。
【0085】
ここで使用される“ヘテロアラルキル”は、アルキル基の水素原子の一つがここで規定されるヘテロアリール基により置換されているアルキル基を言う。
【0086】
ここで使用される“ハロ”または“ハロゲン”はF,Cl,BrまたはIを言う。
【0087】
ここで使用される“ハロアルキル”は、水素原子の一つまたはそれより多くが規定されるハロゲンにより置換されているアルキル基を言う。かかる基はクロロメチル、トリフルオロメチル及び1−クロロ−2−フルオロエチルを含むが、それらに限定されない。
【0088】
ここで使用される“アルコキシ”及び“アルキルチオ”はRO−及びRS−を言い、ここでRは規定されたアルキルである。
【0089】
用語“アリールオキシ”はアリール−O−または−アリーレン−O−を言い、ここで前記アリール及びアリーレンはここに規定されるものである。
【0090】
ここで使用される“ハロアルコキシ”はRO−を言い、ここでRはハロアルキル基である。
【0091】
ここで使用される“シリル”は−SiRRR、または−O−SiRRRを言い、ここでRはここに規定されるアルキルまたはアリールである。
【0092】
ここで使用される“スルフィニル”または“チオニル”は−S(O)−を言う。
【0093】
ここで使用される“スルホニル”または“スルフリル”は−S(O)−を言う。ここで使用される“スルホ”は−S(O)O−を言う。
【0094】
ここで使用される“カルボキシ”は二価ラジカル、−C(O)O−を言う。
【0095】
ここで使用される“アルキルアミノカルボニル”は−C(O)NHR及び−C(O)NR′Rを言い、ここでR′及びRはそれぞれ独立してアルキルである。
【0096】
“ヒドロキシ”は−OHを言う。
【0097】
“アミン”は−NKK′を言い、ここでK及びK′のそれぞれは互いに独立してH及びアルキルから選ばれる。この用語はまた、荷電アンモニウム基を言う。
【0098】
ここで使用される“アミド”は基−C(O)NH−または−C(O)NRR′を言い、ここでR及びR′の各一つはH、アルキル及びアリールから選ばれる。
【0099】
用語“ニトロ”は−NOを言う。
【0100】
ここに規定された基のそれぞれは一つまたはそれより多い置換基、ある実施態様では一つ、二つ、三つまたは四つの置換基で適当に置換されることができ、そこでは置換基はここに規定された基のいずれかである。
【0101】
いずれかの所定の置換基の数は特定されない場合(例えばハロアルキル)、一つまたはそれより多い置換基が存在してもよい。例えば、“ハロアルキル”は一つまたはそれより多い同じまたは異なるハロゲンを含んでもよい。別の例として、“C1−3アルコキシフェニル”は一つ、二つまたは三つの炭素を含む一つまたはそれより多い同じまたは異なるアルコキシ基を含んでもよい。
【0102】
ここで使用される用語“オリゴマー”は、互いに化学的に結合されている本発明の2〜10個のモノマー(残基)からなる化合物を言う。モノマーは異なっても同じであってもよく、BABABAの場合のように繰返し様式で配置されてもよく、そこでは繰返し単位は−(BA)−であるか、またはランダム様式であり、そこでは各モノマーは本発明の異なる化合物である。オリゴマーは部分的に繰返し様式でかつ部分的にランダム様式で構成されてもよい。得られるオリゴマーは、全体が線状配置を持つ直鎖オリゴマーであってもよく、または置換または分枝されてもよい。ここで使用される場合の用語“オリゴ”は、例えばオリゴペプチドでは2〜6個単位を持つ分子鎖を言う。
【0103】
用語“ポリマー”は、本発明の文脈では互いに結合されている11またはそれより多いモノマーからなる化合物を言う。モノマーは異なってもまたは同じであってもよく、ここで検討したように配置されてもよい。得られるポリマーは直鎖ポリマー、すなわち全体が線状配置を持つもの、であってもよくまたは置換もしくは分枝されてもよい。ここで使用される場合の用語“ポリ”は、例えばポリペプチドでは少なくとも10個単位を持つ分子鎖を言う。この用語はまた、本発明のモノマーから構成されたホモポリマー及びコポリマーを包含する。
【0104】
本発明のモノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれもアミノ酸モノマーのN原子上に部分的または完全な置換を持ってもよい。N原子は、例えばHとペプチド結合により、またはアルキルまたはシリル基とペプチド結合により置換されてもよく、または完全に置換されて荷電した、すなわちアンモニウム基を与えてもよい。従って、本発明のモノマー、オリゴマー及びポリマーは、中性、荷電または部分的荷電であってもよく、いずれかの数の荷電原子を持ってもよい。例えばアンモニウム基の存在から得られる正荷電系の場合、系は負の無機または有機陰イオンから選ばれた対イオンを伴ってもよい。無機陰イオンの非限定例はBr,Cl,F,I,OH,HS,BrO,BrO、ClO,ClO,ClO,ClO,CrO2−,NO,NO,PO3−,HPO2−,HPO,MnO,SO2−,HSO及びSO2−である。有機陰イオンの非限定例はCO2−,HCO,HCO,C2−,HC,C,OCN,SCN及びCNである。化合物が負に荷電される場合、それは当業者に知られる正に荷電された対イオンを伴うことができる。
【0105】
本発明のオリゴマー及びポリマーは、例えばペプチドまたはヌクレオチド合成法を採用することにより合成されることができる。一般的に言えば、ペプチドは一つのアミノ酸のカルボキシル基を別のアミノ基と化学的に結合することにより合成され、いわゆるC−末端(カルボキシル)及びN−末端(アミン)を持つダイマーまたはオリゴマーを形成する。
【0106】
ペプチドオリゴマーまたはポリマーの合成のために幾つかの方法が知られている:
【0107】
(1)液相合成−これはペプチド合成への古典的アプローチの一つであり、それは殆ど工業目的のためのペプチドの大規模製造に使用されている。
【0108】
(2)固相合成−この方法では、アミノ酸はステップバイステップで互いに連結され、従って希望の構造及び分子量の予め設計されたペプチドまたはオリゴマーを作る。この方法は、複雑なまたは普通でない骨格変性を持つペプチドの合成を可能とし、しかも各工程での高い収率の発生を可能とする。典型的な実験では、小さなビーズまたは種々の固体支持体は、ペプチドオリゴマー鎖がC−末端からN−末端様式で組入れられることができるリンカーにより処理される。各合成工程時の完全な結合を確保し、かつアミノ酸の重合を避けるために、各アミノ酸は適当なN−末端保護基により幾分保護されて存在する。第一アミノ酸が支持体に結合されたら、保護基は脱保護により除去され、脱保護剤は洗浄されてクリーンカップリング環境を提供し、第二及び更なる保護アミノ酸(典型的には適当なカップリング剤と組合されたジメチルホルムアミド(DMF)のような溶媒中に溶解される)が合成媒体に与えられ、工程が再度繰返される(更なる一般的な情報のために、C.A.Briehn and P.Bauerle,“Design and synthesis of a 256−membered,pi−conjugated oligomer library of regioregular head−to−tail coupled quater(3−arylthiophene)s,”J.Comb.Chem.,vol.4,pp.457−469,2002を参照されたい)。
【0109】
本発明のオリゴマー及びポリマーは、この一般的な方法に従うペプチド合成機で合成される。例えば、化合物Cは、まずFmoc保護された化合物Bを準備することによって調製された。支持体に保護された化合物Bを結合形成すると、保護基はDMFにおけるピペリジンへの支持体の露出により除去され、Fmoc保護された化合物Bの第二分子が加えられた。脱保護が再度実施され、Fmoc保護された化合物Aが加えられた。この工程は支持体が保護された形の化合物Cを担持するまで続けられた。この段階で、支持体は化合物Cを与えるためにTFAで処理された。これに代えて、保護されたオリゴマーは末端Fmoc基から脱保護され、一般構造BABABATを持つ化合物Cの誘導体を与えるために末端基Tが加えられた。
【0110】
N−保護基は多数あり、水素化分解により除去されることができるカルボベンジルオキシ(Cbz)またはベンジル(Bn);HClまたはTFAのような濃縮強酸により除去されることができるt−ブチルオキシカルボニル(BOC);ピペリジンのような塩基により除去されることができる9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc);及び当業者に既知の他のものから選ばれることができる。好ましくは、保護基はFmocまたはBocである。
【0111】
(3)フラグメント縮合−この方法では、ペプチドフラグメントまたは短いオリゴマーが結合される。フラグメント縮合は洗練された長いペプチドを合成するためには固体支持体を介しての段階的伸長より良好であるが、その使用はラセミ化に対して保護するために制限される。フラグメント縮合はまた、結合されたフラグメントが一般に過剰でなければならないので望ましくなく、それはフラグメントの長さに依存する限界でありうる。
【0112】
時には、本発明のアミノ酸化合物のカルボキシル末端の酸素原子を保護することが必要である。O−保護基はまた、多数あり、当業者に既知のように(かつ例えば“Protective Groups in Organic Synthesis”T.W.Greene及びP.G.M.Wuts著,1999に見出されるように)メチル、ベンジル、t−ブチル、シリル及びその他のような種々のものから選ばれることができる。
【0113】
本発明のオリゴマーまたはポリマーの構成に使用される構築ブロックモノマーは、連続する平坦な上部表面の形成のための必要条件であるフィルム形成性を持つ化合物の目的に合わせた調製を可能とする。一般的に言えば、本発明のオリゴマー及びポリマーは少なくとも一つの溶液変性モノマー及び/または少なくとも一つのフィルム形成モノマーで置換される。
【0114】
溶液変性モノマーは、それらが結合される化合物(例えばオリゴマーまたはポリマー)の粘度に影響を及ぼすことができるモノマーである。一つの場合において、化合物の粘度はかかるモノマーの数の増加で増えるであろう。別の場合においては、化合物の粘度はかかる置換モノマーの数の増加で減少するであろう。
【0115】
フィルム形成モノマーは、これらの基を持つ化合物が付与される表面の湿潤性に影響を及ぼすモノマーである。
【0116】
溶液変性及びフィルム形成モノマーの組合せは、一方では種々の表面への接着性、低い結晶度(すなわち、フィルムは好ましくは完全に非晶性である)、最小ドメイン境界及び平坦な上部表面(1%未満の厚さの変動)を持つことにより特徴付けられたフィルムを形成し、かつ他方ではポリマーの電子及び/または光電子特性を維持する化合物を提供する。
【0117】
本発明のモノマーは、他のまたは追加の光または電子特性を与えることのできるいずれかの他の残基の存在または不存在下でいずれかの希望の配置でオリゴマーまたはポリマー中に構成されかつ配置されることができる。
【0118】
本発明の化合物A及びBは、自動化ペプチド合成機を用いて互いに反応させて、二つの独特のかつ新規な配列:BABABA(ここでは化合物Cとして示される)及びBBABBA(ここでは化合物Dとして示される)を形成する。これらのオリゴマーのそれぞれはTと表示された末端長分枝アルキルカルボン酸基で終結された。
【0119】
ペプチド合成機の固体支持体から劈開された固体の純粋な物質が無水THF中に溶解され(10〜20mg/1ml)、ガラスのような基板上にスピンコートされ、典型的には60〜80nm厚のフィルムが得られた。図1は、×50及び×100の倍率を使用した二つのフィルムの顕微鏡画像を示す。左側に示されたBABABAオリゴマーのフィルムはフィルムの全体を取巻くフィルム境界を持ち高度に均一であった。画像中に示された小さな点は裸のガラス支持体に見出される異物からもたらされる。しかし、BBABBAオリゴマーに対しては、わずかに劣った均一性のフィルムが観察された。理論に束縛されることを望まないが、均一性のこの減少はA残基の数の減少から、すなわちオリゴマーの可溶化特性の減少から生じ、それはオリゴマーのフィルム形成性に直接的影響を持つ。BBABBAオリゴマーから形成されたフィルムの×50画像は、基板への付着が減少していることを示唆する。同じフィルムの×100画像は、小さな微晶領域がこのフィルム中に形成されているかもしれないことを示唆する。これらの領域は寸法が1μmを優に越える。
【0120】
BABABAのフィルムと比べて、BBABBAのフィルム中の微小結晶領域の外側に存在しうる分子間相互作用を試験するために、二つのフィルムの原子間力顕微鏡(AFM)画像が取られた。図2は、二つのフィルムのトポグラフィ(図1のBBABBAフィルムに示された微小結晶領域の外側)が非常に似ている(各フィルムに対し左の写真)ことを示す。しかし、位相差(フィルムのそれぞれの右の画像に示された)はBABABAフィルムと比べたときBBABBAフィルムに対して3倍大きい。この差は二つのフィルム間に存在する分子相互作用のパッキングまたは他の形の差を証明しうる。
【0121】
化合物C及びDから形成された二つのフィルムの光学活性は溶液でかつ固体フィルムとしての両方で研究された。放出スペクトル及び量子収率は二つのタイプのオリゴマー間で同様であった。光ルミネセンス(PL)効率は希釈溶液中の50%から固体原始フィルム中の約20%までのフィルム形成で減少した。
【0122】
PVK(ポリビニルカルバゾール)のようなホストマトリックス中へのオリゴマーのそれぞれの混合の影響が同様に研究された。化合物CがPVK中に25%(重量)として混合されたとき、そのPL効率は約40%で測定された。希釈状態と比べたとき、固体状態のこの減少した効率は、固体フィルムでの分子間相互作用の徴候であり、それらの相互作用はPL効果の消失のためである。
【0123】
一般式VIからXIの化合物のいずれかの部分の異なる置換は、得られた化合物に電子及び光電子特性を与える。それらの特性は他の方法では得られない。図3に示されるように発光基を変えることにより、密接に関連した特性を持つ構造的に似た物質の非常に多様性のライブラリィが得られる。これは、ルミネセンススペクトルのようなルミネセンス特性、及び得られる材料の印刷性及び収量の直交する最適化を可能とした。
【0124】
材料印刷特性はまた、一般式Iの化合物の別の群を用いることにより調整された。それらは図4に示されるようにπ−共役アミノ酸及び異なる可溶化分子部分を持つアミノ酸を含む。かかる化合物の光学特性はπ−共役酸モノマーの配列及びそれらの存在量で決まる。材料特性はまた、π−共役酸の側基の性質及び配列を変えることにより、そして骨格に非共役アミノ酸を加えることにより調整されることができる。図4の系はまた、異なるアミノ酸骨格を用いることにより、そして異なる鏡像体及び/または系のジアステレオ異性体を用いることにより変更されることができる。
【0125】
本発明の化合物はまた、溶液中のプロトン及び液体、溶液、気体または固体状態のアルキル化剤のような種々の検体の検出のための感知分子として使用されることができる。例えば、一般式XIIIからXVのいずれか一つの化合物はプロトン及びアルキル化基の感知のために使用されることができる。図5に示されるように、検体分子(例えばHまたはアルキル化剤)の結合により、電子及び光電子特性(例えば光ルミネセンス、静電容量、または抵抗)は検体結合の前に化合物中に存在していた共役の中断の結果として変わるであろう。
【0126】
本発明の化合物はまた、ワイヤー、抵抗器及び発光ダイオード(LED)の発光層のような装置の製造で使用されている。オリゴマーのフィルムは1mlのCHCl中の30mgオリゴマーの溶液から2000rpmでのスピンコートにより調製された。PL効率測定のためにオリゴマーがガラス基板上にスピンコートされ、LEDのためにPEDOT(BAYTRON(登録商標)PVPAl 4083)により予備被覆されたITO上にスピンコートされた。
【0127】
オリゴマーのPL効率は、J.C.deMello,H.F.Wittmann,and R.H.Friend,“An improved experimental determination of external photoluminescence quantum efficincy,”Adv.Mater.,vol.9,pp.230,1997に記載された手順を用いて試験された。次の構造:

を持つ化合物Eの誘導体に対しては、PL効率は〜10%であることが見出され、PLスペクトルは図6Aに示されるように540nmに中心を持っていた。
【0128】
LEDはガラス/ITO基板上で調製された。ITOはPEDOT層の付着前に溶媒及び酸素プラズマ(ポリイミドの350nmのエッチングに等しい条件)により清浄化された。酸素及び湿気への露出を避けるために、以下の工程の全てが不活性条件(<1ppmのO及びHO)下で実施された。PEDOTは、化合物E(上記に示す)の誘導体のオリゴマーフィルムがその上部にスピンコートされる前に、3時間の間乾燥減圧下で110℃でアニールされた。最終フィルムは3時間の間乾燥減圧下で110℃でアニールされた。オリゴマーフィルムは次いで、正孔及び励起子ブロッキング層として作用する昇華された2−(4−ビフェニルイル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)の薄い層(〜30nm)により被覆された。減圧を壊さずに、10nmのCa及びそれに続く200nmのAlの上部接触は0.1nm/秒でかつ〜5×10−7atmの圧力で蒸発された。このようにして調製されたLED構造の概略的構造が図6Bに示されている。
【0129】
このLEDは半導体パラメーター分析器を用いて試験され、それはLEDに電圧を付与し、それを通して流れる電流を測定した。それはまた、LEDのエレクトロルミネセンスを収集したSi光検出器を横切る電圧を同時に測定した。外部量子収率はN.C.Greenham,R.H.Friend,及びD.D.C.Bradley,“Angular Dependence of the Emission From a Conhugated Polymer Light−Emitting Diode:Implications for Efficiency Calculations,”Adv.Mater.,vol.6,pp.491−494,1994に記載された手順を用いて計算された。このLEDは図6Cに示されるように0.07%を示した。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】BABABA(左)とBBABBA(右)から作られたフィルムの顕微鏡画像である。
【図2】1×1μm範囲のAFM画像である。
【図3】ルミネセンスと印刷性の最適化のための構造的に似た発光アミノ酸である。
【図4】A〜Kは共役及び非共役アミノ酸の非限定例である。
【図5】検体の存在に対する感知分子としての本発明の化合物の使用を例示する図である。
【図6A−B】図6Aは化合物Eの誘導体のPLスペクトルを示し、図6Bは化合物Eの誘導体を組込んでいるLEDの構造を示す。
【図6C】図6CはLED特性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式Iの化合物:

式中、R及びRは互いに独立してH、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C1−C20アルキレンカルボニルヌクレオ塩基、及びN−保護基から選ばれ;
はH及びO−保護基から選ばれ;
及びRは互いに独立してH、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アリーレン、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、アルキルアミノカルボニル、及び以下の一般式IIのラジカルから選ばれ:

式中、RからR10のそれぞれは互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれ;
からR10の二つの隣接基はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロ環式、及びアリーレンから選ばれた置換または非置換のC5−C10縮合環系を形成してもよく;前記縮合環系はO,NまたはSから選ばれた少なくとも一つのヘテロ原子を含んでもよく;
からGのそれぞれはC,O,NまたはSから選ばれた原子であってもよく;ここで原子G,G,G,GまたはGがCと異なる場合、その原子は荷電されているかまたは中性であってもよく;原子GからGがCと異なるとき、その原子は置換されても置換されなくてもよく;置換の場合、前記原子は正に荷電されてもよく;
Wは−C(O)−,−S(O)−及び−S(O)−から選ばれた基であり;
とRはそれらが結合されているN原子と一緒にN,OまたはSから選ばれた少なくとも一つの追加のヘテロ原子を任意に持つヘテロ環式環構造を形成してもよく;前記環構造は置換または非置換のピリジン、イソキノリン、ベンゾイソキノリン、ベンゾイソキノリン−1−オン、イソベンゾキノリン−1,3−ジオン、ベンゾ[1,7]ナフチリジンジオン、及び1,6,8−トリアザフェナレン−7,9−ジオンから選ばれ;
ZはC1−C2アルキレン、C5−C8シクロアルキレン、C5−C10アリーレン、N,O及びSから選ばれた少なくとも一つのヘテロ原子を持つC5−C12ヘテロアリーレンから選ばれ;
XはC1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ及びアルキルアミノカルボニルから選ばれ;そして
nは1に等しいまたは1より大きい整数であり;ここでnが2より大きいとき、RまたはRはペプチド結合である。
【請求項2】
Zが−CH−であり、XがC1−C20アルキレンであり、RがHであり、そしてRがC1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、アルキルアミノカルボニル、または以下の一般式IIaのラジカルから選ばれ:

式中、RからR10の二つの隣接基はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロ環式、及びアリーレンから選ばれたC5−C10縮合環系を形成してもよく;前記縮合環系はN,O及びSから選ばれた少なくとも一つのへテロ原子を任意に含む;
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
XがC1−C4アルキレンであり、R,R,R及びR10がそれぞれHであり、そしてRがC1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
以下の一般式IIIの化合物であって:

式中、RからRのそれぞれ及びnが請求項1に規定されたものであることを特徴とする請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
以下の化合物A:

であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=2であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=3であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項8】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=4であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項9】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=5であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項10】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=6であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項11】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=7であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項12】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=8であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項13】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=9であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項14】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=10であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項15】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてnが10より大きいことを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項16】
Zが−CH−であり、XがC1−C20アルキレンであり、RがHであり、そしてRが一般式IIaのラジカルであり、そしてR及びR10がそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロ環式、及びアリーレンから選ばれたC5−C10縮合環系を形成することを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
前記C5−C10縮合環系が置換または非置換ナフタレニルであることを特徴とする請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
以下の一般式IVの化合物であって:

式中、R11からR14のそれぞれが互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれ、n,RからR及びRからRのそれぞれが請求項1に規定されたものであることを特徴とする請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
,R,R,R12,R13及びR14がそれぞれHであり、そしてR11が−NRR′であり、ここでRとR′が同一または異なっていてもよく、互いに独立してH、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれてもよいことを特徴とする請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
以下の一般式Vの化合物であって:

式中、n及びRからRが請求項1に規定されたものであることを特徴とする請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
以下の化合物B:

であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=2であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項23】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=3であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項24】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=4であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項25】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=5であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項26】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=6であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項27】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=7であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項28】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=8であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項29】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=9であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項30】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=10であることを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項31】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてnが10より大きいことを特徴とする請求項20に記載の化合物。
【請求項32】
Zが−CH−であり、XがC4アルキレンであり、そしてRとRがそれらが結合されているN原子と一緒に置換または非置換ピリジン、イソキノリン、ベンゾイソキノリン、ベンゾイソキノリン−1−オン、イソベンゾキノリン−1,3−ジオン、ベンゾ[1,7]ナフチリジンジオン、及び1,6,8−トリアザフェナレン−7,9−ジオンから選ばれたヘテロ環式環構造を形成することを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項33】
及びRがそれらが結合されているN原子と一緒に置換または非置換ベンゾイソキノリン、ベンゾイソキノリン−1−オン、及びイソベンゾキノリン−1,3−ジオンから選ばれたヘテロ環式環構造を形成することを特徴とする請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
以下の一般式VIの化合物であって:

式中、R15からR20のそれぞれが互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれ、そしてn及びRからRが請求項1に規定されたものであることを特徴とする請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
前記R15からR20のそれぞれが互いに独立してH、ヒドロキシル、C1−C20アルコキシ、及び置換または非置換アミンから選ばれることを特徴とする請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
前記アミンが−NR2122であり、ここでR21とR22が互いに独立してHまたはC1−C20アルキル基であることを特徴とする請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
21及びR22がそれぞれC1−C20アルキル基であることを特徴とする請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
以下の一般式VIIの化合物であって:

式中、n,RからR,R15,R16,R19及びR20のそれぞれが請求項34に規定されたものであることを特徴とする請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
15,R16,R19及びR20のそれぞれが互いに独立してH、ヒドロキシル、アルコキシまたはアリーロキシであり、そしてR21及びR22がC1−C20アルキル基であることを特徴とする請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
21がメチルまたはエチルであり、R22が任意に直鎖または分枝されておりまたは任意に更に置換されているC1−C8アルキルから選ばれ、そしてR15,R16,R19及びR20がそれぞれH、ヒドロキシル、アルコキシまたはアリーロキシであってもよいことを特徴とする請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
15,R16,R19及びR20のそれぞれがHであることを特徴とする請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
15及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR16及びR19がHであることを特徴とする請求項40に記載の化合物。
【請求項43】
16及びR19がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR15及びR20がHであることを特徴とする請求項40に記載の化合物。
【請求項44】
16及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR15及びR19がHであることを特徴とする請求項40に記載の化合物。
【請求項45】
15及びR19がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR16及びR20がHであることを特徴とする請求項40に記載の化合物。
【請求項46】
15及びR16がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR19及びR20がHであることを特徴とする請求項40に記載の化合物。
【請求項47】
19及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれ、そしてR15及びR16がHであることを特徴とする請求項40に記載の化合物。
【請求項48】
15,R16,R19及びR20のそれぞれがヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれることを特徴とする請求項40に記載の化合物。
【請求項49】
以下の一般式VIIIの化合物であって:

式中、n,RからR,R15,R16,R20及びR19のそれぞれが請求項34に規定されたものであることを特徴とする請求項34から48のいずれか一つに記載された化合物。
【請求項50】
以下の一般式IXの化合物であって:

式中、n,RからR,R15,R16,R20及びR19のそれぞれが請求項34に規定されたものであることを特徴とする請求項34から48のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項51】
以下の一般式Xの化合物であって:

式中、n,RからR,R15,R16,R20及びR19のそれぞれが請求項34に規定されたものであることを特徴とする請求項34から48のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項52】
以下の一般式XIの化合物であって:

式中、n,RからR,R15,R16,R20及びR19のそれぞれが請求項34に規定されたものであることを特徴とする請求項34から48のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項53】
15,R16,R19及びR20のそれぞれが互いに独立してH、ヒドロキシル、アルコキシまたはアリーロキシであってもよいことを特徴とする請求項49から52のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項54】
15,R16,R19及びR20のそれぞれがHであることを特徴とする請求項53に記載の化合物。
【請求項55】
15及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれそしてR16及びR19がHであることを特徴とする請求項53に記載の化合物。
【請求項56】
16及びR19がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれそしてR15及びR20がHであることを特徴とする請求項53に記載の化合物。
【請求項57】
16及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれそしてR15及びR19がHであることを特徴とする請求項53に記載の化合物。
【請求項58】
15及びR19がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれそしてR16及びR20がHであることを特徴とする請求項53に記載の化合物。
【請求項59】
15及びR16がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれそしてR19及びR20がHであることを特徴とする請求項53に記載の化合物。
【請求項60】
19及びR20がそれぞれヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれそしてR15及びR16がHであることを特徴とする請求項53に記載の化合物。
【請求項61】
15,R16,R19及びR20のそれぞれがヒドロキシル、アルコキシ及びアリーロキシから選ばれることを特徴とする請求項53に記載の化合物。
【請求項62】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=2であることを特徴とする請求項49から61のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項63】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=3であることを特徴とする請求項49から61のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項64】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=4であることを特徴とする請求項49から61のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項65】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=5であることを特徴とする請求項49から61のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項66】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=6であることを特徴とする請求項49から61のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項67】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=7であることを特徴とする請求項49から61のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項68】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=8であることを特徴とする請求項49から61のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項69】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=9であることを特徴とする請求項49から61のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項70】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてn=10であることを特徴とする請求項49から61のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項71】
がHであり、Rがペプチド結合であり、そしてnが10より大きいことを特徴とする請求項49から61のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項72】
ZがC5−C10アリーレンまたはN,O及びSから選ばれた少なくとも一つのヘテロ原子を持つC5−C12ヘテロアリーレンであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項73】
前記C5−C10アリーレンが置換または非置換のフェニル及びナフチルから選ばれ、そして前記C5−C12ヘテロアリーレンがチオフェニル、チオジルイル、及びイミダゾリルから選ばれることを特徴とする請求項72に記載の化合物。
【請求項74】
Zが−CH−であり、XがC1−C20アルキレンであり、RがHであり、そしてRがH、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C−6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、アルキルアミノカルボニル、または以下の一般式IIbのラジカルから選ばれ:

式中、RからR10のそれぞれは互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれ;
からGのそれぞれはC,O,NまたはSから選ばれた原子であってもよく;ここで原子G,G,G,GまたはGがCと異なる場合、その原子は荷電されているかまたは中性であってもよく;原子GからGがCと異なるとき、その原子は示されるように置換されてもまたは置換されなくてもよく;置換の場合、前記原子は正に荷電されてもよく;そして
からR10の二つの隣接基はそれらが結合されている炭素原子と一緒にシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロ環式、及びアリーレンから選ばれた置換または非置換のC5−C10縮合環系を形成してもよい;
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項75】
がHであり、そしてRが一般式IIbのラジカルであり、前記GからG原子の一つまたは二つがN及びOから選ばれたヘテロ原子であることを特徴とする請求項74に記載の化合物。
【請求項76】
以下の一般式XIIの化合物であって:

式中、Rが存在せず、n,RからR,R及びRからR10のそれぞれが請求項74に規定されているものであることを特徴とする請求項75に記載の化合物。
【請求項77】
,R及びR10がHであり、そしてRが置換または非置換のピリジル、チオフェニル、イソキノリニル、及びベンゾイソキノリニルから選ばれたヘテロアリールであることを特徴とする請求項76に記載の化合物。
【請求項78】
前記へテロアリールが置換されたピリジルであることを特徴とする請求項77に記載の化合物。
【請求項79】
前記ピリジルが2−ピリジルであることを特徴とする請求項78に記載の化合物。
【請求項80】
以下の一般式XIIIの化合物であって:

式中、R23からR26のそれぞれが互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれ、そしてn,RからRのそれぞれが請求項1に規定されたものであることを特徴とする請求項79に記載の化合物。
【請求項81】
前記R23からR26の少なくとも一つが共役C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、アリーレンまたはヘテロアリーレンまたはそれらの組合せであることを特徴とする請求項80に記載の化合物。
【請求項82】
23,R25及びR26がHであり、R24が共役C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、アリーレンまたはヘテロアリーレンまたはそれらの組合せであることを特徴とする請求項81に記載の化合物。
【請求項83】
以下の一般式XIVの化合物であって:

式中、R27からR39のそれぞれが互いに独立してH、ヒドロキシル、アミン、アミド、ニトロ、ハロゲン、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C2−C20アルキニル、C1−C20アルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C6シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル、アリール、アリーレン、C5−C15ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルホニル、カルボキシ、及びアルキルアミノカルボニルから選ばれ、そしてn,RからRのそれぞれが請求項1に規定されたものであることを特徴とする請求項82に記載の化合物。
【請求項84】
27,R28,R33及びR34がHであることを特徴とする請求項83に記載の化合物。
【請求項85】
37がHまたは共役C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、アリーレンまたはヘテロアリーレンまたはそれらの組合せであってもよいことを特徴とする請求項83に記載の化合物。
【請求項86】
30,R32,R36及びR39がそれぞれ互いに独立してH以外の置換基から選ばれ、そしてR29,R31,R35及びR38がそれぞれHであることを特徴とする請求項83に記載の化合物。
【請求項87】
前記H以外の置換基がヒドロキシル、アルコキシ、及びアリーロキシから選ばれることを特徴とする請求項86に記載の化合物。
【請求項88】
以下の一般式XVの化合物であって:

式中、R40がH、C1−C20アルキレン、及びC6−C15アリーレンから選ばれ、そしてn及びRからRのそれぞれが請求項1に規定されたものであることを特徴とする請求項87に記載の化合物。
【請求項89】
nが1に等しいかまたは1より大きいことを特徴とする請求項74から88のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項90】
nが2に等しいかまたは2より大きいことを特徴とする請求項89に記載の化合物。
【請求項91】
請求項1から90の化合物のいずれか一つから構成されたことを特徴とするホモポリマー。
【請求項92】
請求項1から90の化合物のいずれか一つから構成されたことを特徴とするオリゴマーまたはポリマー。
【請求項93】
請求項1から90のいずれか一つに記載の少なくとも二つの異なる化合物からなることを特徴とする請求項92に記載のオリゴマーまたはポリマー。
【請求項94】
以下の化合物Cであることを特徴とする請求項93に記載の化合物。

【請求項95】
以下の化合物Dであることを特徴とする請求項93に記載の化合物。

【請求項96】
以下の化合物Eであることを特徴とする請求項93に記載の化合物。

【請求項97】
少なくとも一つの末端基Tにより置換されている請求項1から96のいずれか一つに記載の化合物、オリゴマーまたはポリマー。
【請求項98】
表面への接着性、低結晶度、最小ドメイン境界及び平坦な上部表面により特徴付けられたフィルムを形成することができる請求項1から97のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項99】
前記表面がガラスであることを特徴とする請求項98に記載の化合物。
【請求項100】
電子特性及び光電子特性を持つことを特徴とする請求項1から99のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項101】
触媒特性を持つことを特徴とする請求項1から100のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項102】
電子材料及び電子構成要素の構成に使用するための請求項1から101のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項103】
感知分子としての使用のための請求項1から102のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項104】
請求項1から103のいずれか一つに記載の少なくとも一つの化合物のフィルム。
【請求項105】
ガラス上に取付けられることを特徴とする請求項104に記載のフィルム。
【請求項106】
発光ダイオード、ダイオード、抵抗器、コンデンサー、トランジスター及びセンサに使用するための活性層であることを特徴とする請求項104に記載のフィルム。
【請求項107】
絶縁体として使用するための請求項104に記載のフィルム。
【請求項108】
ダイオード、抵抗器、コンデンサー、トランジスター及びセンサの有機半導体または伝導体として使用するための請求項104に記載のフィルム。
【請求項109】
ワイヤー、抵抗器及び発光ダイオードの発光層のような印刷電子構成要素のための印刷可能材料として使用するための請求項1から103のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項110】
請求項1から97の化合物のいずれか一つから構成されたことを特徴とする発光ダイオード。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A−B】
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【図6C】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−504872(P2009−504872A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526611(P2008−526611)
【出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000945
【国際公開番号】WO2007/020636
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(504127647)テクニオン リサーチ アンド ディベロップメント ファウンデーション リミテッド (20)
【Fターム(参考)】