説明

印刷可能な物品および印刷された物品を作製する方法

架橋可能なアミン官能性ポリマーおよびブロッキング剤でブロックされた多官能性イソシアナートを含有する組成物で基材を被覆することにより印刷可能な物品および印刷された物品を作製する方法を開示する。該被覆された基材を十分な温度に加熱して、ブロックされた多官能性イソシアナートを脱ブロック化し、それによって架橋したインク受容性疎水性ポリマー層を該基材上に生じさせる。印刷された物品は、該架橋したインク受容性疎水性層上に画像を形成することにより作製される。好ましい実施形態では、該架橋したインク受容性疎水性ポリマー組成物は、少なくとも0.6の溶剤抵抗分率および少なくとも300の溶剤吸収能を有することを特徴とする。該印刷された物品の基材は、好ましくは、ポリマー、金属、ガラス、または紙であり、より好ましくはポリマーフィルムである。該基材がフルオロポリマーである印刷可能な物品を作製する方法は、殊に好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷可能な物品および印刷された物品、ならびにこのような物品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インドア用もアウトドア用も共に、標識の製造が大いに進歩した。デジタルインクジェット印刷等の印刷技術は、低価格で応用範囲が広い高品質カラー画像の製造を可能にする。泥、汚れ、落書き、日光およびその他の気候の変化の影響ならびに取扱いに耐えることができるフルオロポリマーフィルム等の印刷可能な基材が選択されてきた。さらに、スノウ(Snow)らに付与された米国特許公報(特許文献1)に記載の通り、溶剤系インクを用いた印刷が使用され、水性インクを用いた印刷に必要な吸水層の必要がなくなった。米国特許公報(特許文献1)では、フルオロポリマーフィルム上への印刷は、該フィルムを、フルオロポリマーフィルムと相性の良いインク受容性疎水性組成物で被覆することにより実行される。該インク受容性組成物は、優れた剥離性と共に低表面エネルギーを有することで知られる基材上に画像を印刷することが可能になる。
【0003】
溶剤系デジタルプリンターは、印字ヘッドを通るインクの流体運動を容易にするために低粘度インクを使用する。これは、比較的低濃度の固体顔料および他の添加物につながり、一般的に、インクは、固形分約10重量%である。低固形分インクは、鮮やかな色調を実現するために、大量のインク溶剤の噴出を必要とする。多数のインク流れを混合して、より広い色彩範囲またはより強い色調の区域を実現するとき、この問題は重要である。プリンターは、一般的に4つの異なるインク(シアンブルー色、真紅色、黄色および黒色)を使用し、より精巧なプリンターは8つも使用し、それに伴って、強い色調の区域を実現するための1平方フィート当たりのインク溶剤の使用も増加する。
【0004】
強い色調を作り出すために、インク受容コーティングは、溶剤印刷に付随する多量のインク溶剤を収容できなければならない。1つのインクジェット流れを使用する場合、インク受容コーティング1平方フィート当たり最高1mlのインク溶剤を使用する場合があるが、4色プリンターで、4つ全てのインクジェット流れを必要とする濃い中実黒色画像の製作は、1平方フィート当たり最高4mlを生じる。コーティングの乾燥塗膜厚さ(dft)が25μmである場合、該コーティングは、4色プリンターの最大インク射出量を収容するために、自重のおおよそ1.7倍のインク溶剤を吸収しなければならない。多くの用途で、より薄いインク受容コーティングが望ましい、すなわち、5〜10μmのdftを有するコーティングが一般的である。5μmのコーティングは、同じ機能を実行するために、自重の8倍より多いインク溶剤を収容する必要がある。
【0005】
米国特許公報(特許文献1)には、インク受容性組成物に使用してコーティングの特性を調節するためのエポキシ官能架橋剤等の架橋剤が開示されている。しかし、このような架橋剤を企業規模の方法で使用しようとする場合、このような薬剤の反応時間は長く、印刷可能な物品の製造中に使用可能な限られた時間中に、架橋反応は一般に未完である。その結果として、製造されるインク受容コーティングの特性は、個々の材料に使用される方法の変動によって左右される可能性があり、製造されたとき、結果として不均一な製品に終わる。また、架橋反応は一般に製造後も持続し、その製品は不安定である、すなわち、その特性は時間の経過とともに変化するであろう。たとえば、その溶剤吸収能は、架橋レベルが上昇するにつれて低下するであろう。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,626,530号明細書
【特許文献2】米国特許第3,133,854号明細書
【特許文献3】米国特許第3,524,906号明細書
【特許文献4】米国特許第4,931,324号明細書
【特許文献5】米国特許第5,707,697号明細書
【特許文献6】米国特許第2,419,008号明細書
【特許文献7】米国特許第2,510,783号明細書
【特許文献8】米国特許第2,599,300号明細書
【特許文献9】米国特許第3,139,470号明細書
【特許文献10】米国特許第2,953,818号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
印刷可能な物品および印刷された物品上にインク受容コーティングを作り出すためには、架橋度を容易に制御することができ、かつ安定したインク受容コーティングが提供されるように製造中に反応が実質的に完了している、非水性溶剤系インクと共に使用するための架橋可能なインク受容性組成物を使用する方法が必要である。加えて、架橋可能なインク受容性組成物は、ひび割れまたは溶解等の有害作用がない、極めてより多くのインク溶剤を吸水することができる方法に必要である。このような制御できる架橋可能なシステムは、印刷可能な物品および印刷された物品を製造するための、経済的な、企業規模の方法を提供するであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、架橋可能なアミン官能性ポリマーおよびブロッキング剤でブロックされた多官能性イソシアナートを含有する組成物で基材を被覆することにより、印刷可能な物品を作製する方法に関する。該被覆された基材を十分な温度に加熱して、該ブロックされた多官能性イソシアナートを脱ブロック化し、それによって、架橋したインク受容性疎水性ポリマー層を該基材上に生じさせる。好ましい実施形態では、該架橋したインク受容性疎水性ポリマー組成物は、少なくとも0.6の溶剤抵抗分率および少なくとも300%の溶剤吸収能を有することを特徴とする。該印刷された物品の基材は、好ましくはポリマー、金属、ガラス、または紙であり、好ましくはポリマーフィルムである。該基材がフルオロポリマーである印刷可能な物品を作製する方法が殊に好ましい。
【0009】
本発明はさらに、非水性溶剤系インクを塗布して、架橋したインク受容性疎水性ポリマー層上に画像を形成することにより、印刷された物品を作製する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(疎水性の、インク受容ポリマー組成物)
本発明の方法による印刷可能な物品および印刷された物品のためのコーティングとして使用されるインク受容性疎水性ポリマー組成物は、非水溶剤系インクを使用して、高品質の印刷された物品を実現するための、ブロックした多官能性イソシアナート類を使用して架橋したとき、概して、スノウ(Snow)らに付与された米国特許公報(特許文献1)に教示されているような特性を有する、架橋可能なアミン官能性ポリマーである。より詳細に下文に説明する通り、該疎水性インク受容性ポリマー組成物は、非水溶剤系インクによる効果的な湿潤を提供し、続いて溶剤を十分に吸収させて、該ポリマーコーティングのひび割れまたは完全溶解を引き起こさずに該インクを固定する。
【0011】
架橋度を容易に調節でき、かつ製造中に該反応を実質的に完了させることができる、印刷可能な物品および印刷された物品上にインク受容コーティングを生じさせるために、本発明は、より詳細に後述する通り、架橋可能なアミン官能性ポリマーおよびブロッキング剤でブロックされた多官能性イソシアナートを使用する。こうした組成物は、ブロックされた多官能性イソシアナートを脱ブロック化するために加熱し、それによって、架橋したインク受容性疎水性ポリマー層を該基材上に生じさせ、安定したインク受容コーティングを提供することができる。
【0012】
本発明に有用なアミン官能性ポリマーは、アクリルポリマー、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリアジリジン類、およびエポキシポリマーを包含することが可能であるが、それらに限定されない。該アミン官能性ポリマーの好ましい一形態は、シムズ(Simms)に付与された米国特許公報(特許文献2)に記載されているアミン官能性アクリルコポリマーである。これらのアミン官能性アクリルコポリマーは、それぞれ、隣接する炭素原子に結合したヒドロキシル基およびアミノ基を担持する置換基を有するビニル付加ポリマーを含む。該アミノ基は、少なくとも1つの活性な水素原子を担持し、置換基中のアミノ基は、該ポリマーの重量を基準にして0.01〜1.0%のアミノ窒素を含有する。好ましくは、このようなビニル付加ポリマーは、たとえば、フリーラジカル触媒の存在下、バルク重合、溶液重合、乳化重合または粒状重合という周知の方法で、1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーを、ほんの少しのペンダントエポキシ置換基含有モノマーと共重合させることによって調製される。次いで、結果として生じるコポリマーを、アンモニアまたは第一級モノアミンと反応させて、本書で使用されるポリマーを得る。あるいは、アンモニアまたは第一級モノアミンを、ペンダントエポキシ置換基を含有するエチレン性不飽和モノマーと反応させ、結果として生じるアンモニア化モノマーまたはアミノ化モノマーを、別の、かつエポキシを含まない、ビニルモノマーと共重合させてもよい。
【0013】
本発明のインク受容性組成物に使用されるビニルポリマーの主成分として使用することができるビニルモノマーの例は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、オクチルアクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ブチルエタクリレート、エチルα−クロロアクリレート、エチルα−フェニルアクリレート、イタコン酸ジメチル、エチルα−メトキシアクリレート、プロピルα−シアノアクリレート、ヘキシルα−メチルチオアクリレート、シクロヘキシルα−フェニルスルホニルアクリレート、ターシャリーブチルエタクリレート、クロトン酸エチル、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、マレイン酸ジメチル、ケイヒ酸イソプロピル、ブチルβ−メトキシアクリレート、シクロヘキシルβ−クロロアクリレート、アクリルアミド、α−フェニルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、イタコンアミド、アクリロニトリル、クロトニトリル、α−クロロアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−フェニルアクリロニトリル、N−フェニルマレイミド、N−ブチルイタコンイミドを含むα、β−不飽和酸の誘導体およびそれらの混合物;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピメリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルフェニルスルフィド、ビニルドデシルスルフィド、ビニルブチルスルホン、ビニルシクロヘキシルスルホン、塩化ビニル、フッ化ビニル、N−ビニルベンゼンスルホンアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカプロラクタム、スチレンおよびビニルトルエン等のビニル誘導体;アリルフェニルエーテル、アリルシクロヘキシルアセテート、N,N−ジメチルアリルアミン、エチルアリルオキシアセテート、アリルベンゼン、アリルシアニドおよびアリルエチルスルフィド等のアリル誘導体;ジエチルメチレンマロナート、ジケテン、エチレングリコールケテンアセタール、メチレンシクロペンタン、塩化ビニリデンおよびビニリデンジスルホン類等のメチレン型誘導体;その他の化合物、たとえば炭酸ビニレン、アクロレインアセタール類、メチルビニルケトン類、ビニルホスホネート類、アリルホスホネート類、ビニルトリアルコキシシラン類;およびそれらの混合物である。上記の中で、エポキシを含まないビニルモノマー、アクリルエステル類、特に1〜8個の炭素原子を有するアルキルアルコール、アリールアルコールまたは脂環式アルコールとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルが好ましい。
【0014】
該組成物を作る際に使用することができるエポキシ含有モノマーは、たとえばグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、ブタジエンモノエポキシド、ビニル−シクロヘキセンエポキシド、グリシジルオキシエチルビニルスルフィド、グリシジルソルベート、グリシジルリシノレート、グリシジルビニルフタレート、グリシジルアリルフタレート、グリシジルアリルマレアート、グリシジルビニルエーテル、アリルα,β−エポキシイソバレラートおよびそれらの混合物である。グリシジルアクリレートおよびメタクリレートは、管理された少量で容易に共重合させることができ、それによって導入されるエポキシ基は、アンモニアおよびアミン類と容易にかつ実質的に完全に反応するため、特に好ましい。
【0015】
代替法では、アミン官能性アクリルコポリマーは、エポキシ含有モノマーの代わりに、アクリル酸またはメタクリル酸を使用し、該酸をアジリジンと反応させて、第一級アミン、好ましくはエチレンイミンまたはプロピレンイミンを作ることによって作られる。
【0016】
本発明に殊に好ましいのは、第一級アミン官能性アクリルコポリマー、好ましくはC8以下のモノアルキルアミン類、たとえば、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシ−3−アミノプロピルメタクリレート 32/64/4コポリマーまたはメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート/1−アミノイソプロピルメタクリレート(33/44/8/15)である。
【0017】
下文により十分に説明する通り、該インク受容性アミン官能性ポリマーコーティングは、ひび割れまたは完全溶解を防止するために多官能性イソシアナート類で架橋されるが、架橋は、優れた溶剤吸収能を提供するために制限される。該架橋可能なアミン官能性ポリマーは、基材上に塗布され、十分な温度に加熱されて、ブロックされた多官能性イソシアナートを脱ブロック化したとき、ブロッキング剤でブロックされた多官能性イソシアナートによって架橋され、架橋したインク受容性疎水性ポリマー層が該基材上に形成される。該多官能性イソシアナートは、好ましくは、芳香族多官能性イソシアナート類、脂肪族多官能性イソシアナート類、ならびに脂肪族および芳香族多官能性イソシアナート類のビウレット三量体およびイソシアヌレート三量体からなる群より選択される。より好ましくは、該多官能性イソシアナートは、HMDI(ヘキサメチレンジイソシアナート)およびIPDI(イソホロンジイソシアナート)からなる群より選択される脂肪族イソシアナートである。好ましい実施形態では、該多官能性イソシアナートは、マロン酸ジエチル(DEM)、ジイソプロピルアミン(DIPA)、メチルエチルケトキシム(MEKO)およびそれらの混合物からなる群より選択されるブロッキング剤で保護される。殊に好ましい実施形態では、該架橋可能なアミン官能性ポリマーは、アミン官能性アクリルコポリマーであり、該多官能性イソシアナートは、HMDI(ヘキサメチレンジイソシアナート)のイソシアヌレート三量体であり、ブロッキング剤は、マロン酸ジエチル(DEM)、ジイソプロピルアミン(DIPA)およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0018】
多官能性イソシアナート類は、アルコール類およびアミン類等の、活性な水素を含有するポリマーを架橋するのに便利な化合物群を表す。場合により、イソシアナートと活性な水素化合物との間の反応は非常に速く、成分を混合し、次いでコーティングまたは他の物体を形成することは事実上不可能である。これは、アミン類が、該活性な水素化合物である場合に多い。こうした状況では、該イソシアナートを先ず、ブロッキング剤との反応によって別の化合物に変換することが可能である。次いで、マスキングされたイソシアナートを該アミンと混合し、熱を加える前に、要望通りにコーティングへと操作する。熱が加えられると、該マスキングされたイソシアナートは、該イソシアナートを再生して該ブロッキング剤を遊離させるという逆反応をする。該ブロッキング剤は、揮発性物質として消失し、再生されたイソシアナートは、該アミン類と速やかに反応して所望の架橋を形成する。
【0019】
該アミン・イソシアナート反応の速度は、短時間で完全に硬化するコーティングを作るために魅力的である。ブロックされたイソシアナートを能率的に脱ブロック化する条件が達成されると、該アミンイソシアナート反応は、速やかに完了する。特定の架橋レベルが望ましい生成物、たとえば本発明によるインク受容コーティングには、この手法が有利である。該脱ブロック化反応を、乾燥炉内で実質的に完了するまで強制的に進めることができるのであれば、該アミンイソシアナート反応も実質的に完了する。これは、(1)架橋度は、該混合物に添加される成分の量によって単純に調節できること、および(2)架橋密度は、製造後第1日と第100日で、実質的に同じであることを意味する。
【0020】
インク受容のためにポリマーフィルム上にコーティングを作製するためには、約0.5〜2.0分の範囲内に、該コーティングを十分に硬化できることが好ましい。これにより、50〜200ft/分という通常のコーティング・ライン速度で十分に硬化することが可能になる。したがって、容易に除去されるブロッキング剤が望ましい。この場合、好ましいブロッキング剤は、マロン酸ジエチル(DEM)、ジイソプロピルアミン(DIPA)およびメチルエチルケトキシム(MEKO)である。また、HMDIおよびIPDIに基づくもの等の、脂肪族多官能性イソシアナート類は、芳香族多官能性イソシアナート類より容易に脱ブロック化するため、好ましい。特に、バイエル(Bayer)から入手可能なデスモジュール(Desmodur)BL−3370(HMDIのイソシアヌレート三量体+DEMおよびDIPAブロッキング剤)が殊に好ましい。
【0021】
基材に該アミン官能性ポリマーを塗布するのに適する溶剤は、様々な揮発性溶剤のいずれか、たとえばトルエン、キシレン、ブタノール、ペンタノール、イソプロパノール、シクロペンタン、オクタン、エトキシタノール(ethoxythanol)、および他の脂肪族、脂環式、および芳香族炭化水素、アルコール類、エーテル類およびそれらの混合物である。このような溶液中の該アミン官能性ポリマーの濃度は通常、約10〜約40重量%である。たとえば、噴霧法、浸漬法、ロール塗布法等々を含む、様々なコーティング方法のいずれも使用することが可能である。
【0022】
該インク受容性組成物は、1つまたは複数の光安定剤を添加物として含んでもよく、また本発明の物品に組み立てるとき、光安定剤は、太陽への曝露に起因する損傷を減少させることにより、印刷された画像を保護する。光安定剤添加物は、紫外線を吸収する化合物、たとえばヒドロキシベンゾフェノン類およびヒドロキシベンゾトリアゾールを包含する。他の可能な光安定剤添加物は、ヒンダードアミン類光安定剤(HALS)および酸化防止剤を包含する。
【0023】
本発明による、架橋可能なアミン官能性ポリマーおよびブロックされた多官能イソシアナートを使用する疎水性のインク受容コーティングは、下記の3つの要素に従って、多官能性イソシアナートと架橋している、適切な特性を有する様々な適するアミン官能性基本ポリマーのいずれかを選択することにより、有利に提供される。
【0024】
1)該インク受容性ポリマーコーティングの基本ポリマーの溶解度特性は、好ましくは、該インク溶剤のそれらに匹敵する。架橋がない場合には、該コーティングのアミン官能性基本ポリマーは、好ましくは該インク溶剤中に容易に溶解する。このことにより、該非水性溶剤系インクの溶剤で、該インク受容性ポリマーコーティングを効果的に濡らせることが保証される。十分な湿潤がなければ、該インクは、表面部分との接触を最小限に抑えようとして、付着した画像に欠陥を残す。
【0025】
2)該インク溶剤の迅速な吸収を容易にしてインク固定を実現するためには、該インク受容性ポリマーコーティングのアミン官能性基本ポリマーは、好ましくは、所望の印刷温度付近またはそれより低いガラス転移温度(Tg)を有する。十分な吸収は、印刷されたドットを、意図した通りの位置に固定させ、また多数のドットが液体の溜まりに合併して、乾燥したときに歪んでぼやけた画像を作り出すのを防止する。該基本ポリマーの好ましいTgは、ほとんどのプリンターで使用するために、約20〜約60℃である。
【0026】
3)該インク受容性ポリマーコーティングは、好ましくは、ひび割れまたは完全溶解を防止するために、僅かに架橋している。ひび割れが生じると、コーティングにおける破損は、色の明確さが弱まる画像を通して、基材を外面に出現させる。殊にポリマー基材を使用する場合、該コーティングが溶解すれば、該基材が露出して、ディウェッティング現象が起こる可能性がある。さらに、コーティングポリマーがインク中に溶解すれば、該コーティングポリマーは、インク分散性と不利に相互作用して、顔料凝集を引き起こし、色の濃さの喪失を伴う。
【0027】
架橋可能なアミン官能性ポリマーおよびブロックされた多官能性イソシアナートを使用する本発明による方法は、該架橋反応は、製造工程の間に十分な温度まで加熱することにより、容易に実質的に完結させることができるため、印刷可能な物品の製造に特に有利である。イソシアナート官能基を能率的に脱ブロック化するように炉条件が選択されるとき、該イソシアナートと該アミンとの間の反応は、本質的に瞬間的である。製造中に、実質的に完結する反応のため、所望の架橋度は、ブロックされた架橋剤の添加量を通して制御される。
【0028】
本発明によるアミン官能性ポリマーおよびブロックされた多官能性イソシアナートを使用すれば、疎水性インク受容性ポリマーコーティング組成物を有する印刷可能な物品を、たとえば、連続的コーティング法で、製造することができる。移動する基材上にコーティング組成物を塗布し、乾燥させ硬化させるコーティング法を使用することができる。アミン官能性ポリマーおよびブロックされた多官能性イソシアナート類を使用すると、炉内の限られた滞留時間で、乾燥および硬化を遂行することができる。温度でそれほど強く活性化されない他のポリマーおよび/または架橋システムを使用する場合、短時間の炉曝露で所望の架橋を達成するために十分に多量の架橋剤を使用することが望ましいため、製造は難題である。しかし、架橋が室温でも起こっているのであれば、該組成物に適度なポットライフを与えることは難しい。加えて、炉内で反応が完結していなければ、該反応は製造後も持続する。アミン官能性ポリマーおよびブロックされた多官能性イソシアナート類を使用する、本発明の方法は、活性化は、温度に強く依存し、短時間に炉内で、実質的に完全な反応を遂行することができるため、こうした難題を克服する。
【0029】
他の基本ポリマーおよび/または架橋剤が使用され、印刷可能な物品の製造工程中に架橋反応が未完で、その後も持続する場合、該製品は不安定になり、その特性は時間とともに変化するであろう。たとえば、その溶剤吸収能は、架橋レベルが上昇するにつれて低下するであろう。本発明の実行に際して、単に架橋剤の量を選択するだけで、処理中に実質的に完全な反応が容易に達成されるため、架橋の程度が容易に制御される。本発明の好ましい実施形態では、該疎水性インク受容性ポリマー組成物の溶剤吸収能は、7日間にわたって、25%を超えて低下せず、また好ましくは、7日間にわたって、10%を超えて低下しない。
【0030】
さらなるインク色を有する今日のより精巧なプリンターの要求を満たしかつ/またはより多様な色彩およびより強い強度の画像を実現するために、本発明の方法で形成される疎水性インク受容性ポリマーコーティングは、少なくとも約0.6の溶剤抵抗分率および少なくとも約300%の溶剤吸収能を有することを特徴とする、本発明に基づいて使用される組成物を使用することが好ましい。溶剤吸収能は、該インク受容性疎水性ポリマーコーティングが、該インク溶剤をいかに良く吸収できるかを示す尺度である。溶剤抵抗分率は、該インク受容性疎水性ポリマーコーティングが、該インク溶剤による破壊にいかに良く抵抗するかを示す尺度である。
【0031】
溶剤吸収能もまた架橋密度に敏感であるため、本発明を実行するためには、該基本ポリマーの架橋レベルは、注意深く制御されることが好ましい。ひび割れまたは完全溶解を防止するために必要とされる以上のさらなる架橋は、吸収され得るインク溶剤の量を制限する。高い溶剤抵抗分率および高い溶剤吸収能の両者を有することが望ましいが、これは、一部のポリマー系では、実現することが困難である。このような系を使用する場合、少なくとも0.6という、より控えめではあるけれども十分な溶剤抵抗分率と共に、所望の高い溶剤吸収能を保持するために、架橋を制限することが好ましい。
【0032】
溶剤抵抗分率も溶剤吸収能も、スライドガラスを該インク受容性組成物で被覆し、該スライドガラスを標準液中に浸漬し、乾燥させ、手順中に重量測定を行うことにより、インク溶剤とのコーティング相互作用を特性決定することを含む手順によって測定される。溶剤抵抗分率は、溶剤処理前後のコーティングの乾燥重量から測定される、すなわち、溶剤処理後にスライドガラス上に残留するコーティングの割合を示す。溶剤吸収能は、溶剤処理後のコーティングの乾燥重量と比較した、該コーティングの溶剤膨潤重量に基づく、すなわち、溶剤抵抗分率の溶剤吸収能を示す。その手順は、本明細書の試験法と題するセクションに詳しく後述する。使用標準液は、ほとんどの非水溶剤系インクと疎水性のインク受容コーティングとのコーティング相互作用の妥当な予測判断材料であることが判明している、酢酸2−ブトキシエチルである。
【0033】
該溶剤抵抗分率は、好ましくは少なくとも約0.7、より好ましくは少なくとも約0.8、さらにより好ましくは少なくとも約0.9である。該溶剤吸収能は、好ましくは少なくとも約400%、より好ましくは少なくとも約500%、さらにより好ましくは少なくとも約600%である。殊に好ましい実施形態では、本発明でコーティングとして使用される該インク受容性疎水性ポリマー組成物は、少なくとも約0.6の溶剤抵抗分率および少なくとも約800%の溶剤吸収能を有することを特徴とする。
【0034】
本発明の好ましい実施形態では、本書で使用される該インク受容コーティング組成物は、自重の8倍以上のインク溶剤を吸収することにより、5〜10μm(dft)という薄いコーティングで、4色プリンターおよび8色プリンターの要求に対処することができ、その結果、写像性に優れた、極めて鮮やかな色調の画像を作り出すことが可能になる。
【0035】
(基材)
本発明の印刷可能な物品および印刷された物品は、様々な数の基材を含んでもよい。好ましくは、該基材は、ポリマー、金属、ガラス、および紙からなる群より選択される。好ましい実施形態では、該基材は、ポリマーシートまたはポリマーフィルムである。ポリマーフィルム厚さは、極薄から、ポリマーシートの構造完全性を与えるのに十分な厚さまでの範囲であってもよい。
【0036】
より好ましい実施形態では、該ポリマーフィルムは、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、塩化ビニルポリマーおよびフルオロポリマーからなる群より選択されるポリマーで作られる。本発明で使用するのに殊に好ましいのは、フルオロポリマー、殊に、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、モノクロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロブチルエチレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニリデン、およびフッ化ビニルのポリマーおよびコポリマー、それらの配合物、並びに該ポリマーと非フルオロポリマーとの配合物から選択されるフルオロポリマーである基材である。
【0037】
本発明の基材に使用されるフルオロポリマーは、好ましくは、ポリフッ化ビニル、フッ素化されたエチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、ポリフッ化ビニリデン、およびポリフッ化ビニリデンとアクリルポリマーとの配合物から選択される。本発明は、好ましくは、ポリフッ化ビニル(PVF)フィルムと共に使用される。
【0038】
該フルオロポリマーフィルムは、フルオロポリマーの(1)溶液、または(2)分散体のいずれかである流体組成物で製造することができる。フィルムは、このようなフルオロポリマーの溶液または分散体から、流延法または押出法で形成される。溶融加工可能なフルオロポリマーの場合には、溶融押出方法が可能である。延伸フルオロポリマーフィルムも非延伸フルオロポリマーフィルムも共に、本発明を実行する際に使用することができる。より高い明瞭さは、多くの場合、印刷が、流延、非延伸フィルム上に生じるときに達成される。
【0039】
ポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデンのコポリマーの代表的な溶液または分散体は、フィルム形成/乾燥工程中に気泡形成を回避するために十分高い沸点を有する溶剤を使用して調製される。こうした溶液または分散体中の該ポリマー濃度は、該溶液の取扱い可能な粘度を達成するように調整され、概して、溶液の約25重量%である。適当なフルオロポリマーフィルムは、ポリフッ化ビニリデン、またはそのコポリマーおよびターポリマー、ならびに米国特許公報(特許文献3);米国特許公報(特許文献4);および米国特許公報(特許文献5);に記載されているような、主成分としてのアクリル樹脂の配合物から形成される。
【0040】
ポリフッ化ビニル(PVF)のフィルムを基材として使用する本発明の好ましい形態では、適当なフィルムは、フルオロポリマーの分散体から作られる。このような分散体の性質および調製法は、米国特許公報(特許文献6);米国特許公報(特許文献7);および米国特許公報(特許文献8);に詳細に記述されている。適当なPVF分散体は、たとえば、プロピレンカーボネート、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、およびジメチルアセトアミドで作られる。該分散体中のPVF濃度は、使用される個々のポリマーおよび加工装置および条件によって異なるであろう。概して、該フルオロポリマーは、該分散体の約30〜約45重量%を構成するであろう。
【0041】
ポリフッ化ビニルのフィルムは、米国特許公報(特許文献9)および米国特許公報(特許文献10)に記載のもの等の、押出法で形成することが可能である。これらの特許は、加熱した、溝付流延ホッパーに接続された押出機への、ポリフッ化ビニル分散体の給送について記述している。ポリフッ化ビニルの粘着性の強い凝集した押出物が、潜溶剤を含有するフィルムの形態で連続的に押し出される。該フィルムは、該溶剤を該フィルムから蒸発させる間に、ただ単に乾燥させることもでき、あるいは、加熱して1つまたは複数の方向に伸長させることもできる。伸長を使用するとき、延伸フィルムが製造される。あるいは、潜溶剤中の該ポリマー希分散体からポリフッ化ビニルのフィルムを流延して、非延伸フィルムを製造することもできる。
【0042】
フルオロポリマーフィルム流延法では、該フルオロポリマーは、スプレーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、流し塗コーター、グラビアコーター等の適当な従来の方法、あるいは筋または他の欠点がない実質的に一様なフィルムをつけることを可能にする他の方法を使用することにより、該分散体を支持体上に流延することによって、その所望の形状に形成される。結果として生じるフィルムが自立し、かつ該分散体が上に流延される基材から申し分なく除去されるために十分な厚さを有する限り、流延分散体の厚さは重要ではない。概して、少なくとも約0.25ミル(6.4μm)の厚さが満足できる厚さであり、本発明の分散体流延技術を使用することにより、最高約15ミル(381μm)の厚さを作ることができる。個々のポリマーおよび凝集条件に応じて、多種多様な支持体を本発明による流延フィルムに使用することができる。該分散体が流延される表面は、凝集後、完成したフィルムが容易に除去されるように選択しなければならない。任意の適当な支持体を、該フルオロポリマー分散体の流延に使用することができるが、適当な支持体の例としては、ポリマーフィルムまたはスチールベルトなどが挙げられる。
【0043】
フルオロポリマー分散体を支持体上に流延した後、該フルオロポリマーが凝集してフィルムになるまで、該フルオロポリマーを加熱する。該ポリマーを凝集するために使用される条件は、数ある操作条件の中でも特に、使用されるポリマーおよび該流延分散体の厚さによって異なるであろう。一般に、PVF分散体を使用するとき、約340°F(171℃)〜約480°F(249℃)の炉温度を使用して、該フィルムを凝集することができ、また約380°F(193℃)〜約450°F(232℃)の温度は、特に満足できることが判明した。もちろん、炉温度は、ポリマーが処理される温度(より低温であろう)を示すのではない。凝集後、完成したフィルムは、適当な従来の技術を使用することにより支持体から剥がされる。
【0044】
好ましい実施形態では、該フルオロポリマーフィルムの表面は、付着性を高めるように処理された表面である。該表面処理は、ガス状のルイス酸、硫酸または熱水酸化ナトリウムに、該フィルムを暴露することにより実行することができる。好ましくは、反対面を冷却しながら、片面または両面を裸火に暴露することにより、該表面を処理することができる。付着性を高めるための処理はまた、該フィルムを、高周波数火花放電、たとえばコロナ処理に付すことにより、実行することができる。アルカリ金属浴処理または電離放電線、たとえば、電子ビーム等の補足的処理も有用な可能性がある。
【0045】
(プリンターおよびインク)
インクジェット印刷の利点は、広く認められている。広範囲の用途のために低価格で、高品質のカラー画像が作り出される。該技術は、極めて用途が広く、ビラ、ポスター、垂れ幕および掲示板を含む、あらゆるサイズの標示およびディスプレーの作成を可能にする。画像をデジタル処理で保存することができ、また容易にかつ頻繁に修正することができる。
【0046】
本発明による印刷可能な物品は、非水溶剤系インクを使用するインクジェット印刷法を使用して印刷することができる。非水溶剤系インクを使用する1つの特に有用なインクジェット法は、圧電式印刷である。圧電式印刷は、インクの小滴を放出させるために、圧電性結晶に電圧を加えてプリントヘッドで圧脈を生じさせることを含む。好ましい実施形態では、該プリントヘッドは、非水溶剤系インクの供給源と接触している圧電性結晶に電圧パルスを加え、結果として、インク放出のためにプリントヘッドで圧脈を発生するることによって操作される。本発明で有用な、市販の圧電式インクジェットプリンターは、ニューハンプシャー州メジスのブテック(VUTEk,Meredith,NH)から販売されているVUTEk(登録商標)UltraVu 2360 SCプリンターである。
【0047】
本発明による物品上に印刷する際に使用するためのインク組成物は、非水性であり、かつ有機溶剤を含有する。エチレングリコールから誘導される混合酢酸エーテル、たとえば酢酸2−ブトキシエチル(BEA)は、一般的なインク溶剤である。本発明による印刷可能な物品はまた、非水溶剤系インク(すなわちインク中のモノマーが、溶剤の役割を果たす組成物を有する)を使用するスクリーン印刷技術を使用して上に印刷することもできる。スクリーン印刷は、特定のスポットで、インクを強制的に通過させるだけのスクリーンを作製することを含む。インクが通過して欲しくない区域で、スクリーンを高分子材料で遮断するために、フォトマスク技術がしばしば使われる。インクが望ましい区域では、スクリーンをそのままにしておく。次いで、スキージまたはロールを使用して、インクを、強制的にスクリーンを通過させる。所望の各色ごとにさらなるスクリーンを用いて、異なる色のインクを逐次加えることにより、カラー画像が現れる。
【0048】
2つの基本型スクリーン印刷インクが、本発明に適合する。これらの第1は、非水溶剤系スクリーン印刷インクである。こうしたインクは、デジタルインクジェットインク(たとえば酢酸2−ブトキシエチル)と同様、エチレングリコールまたはプロピレングリコールから誘導される同一または類似の混合エーテルエステル溶剤を使用する傾向がある。この場合は、インクジェットインクに比して高い粘度が望ましく、そのようなものとして、固形分レベルは一般に30〜50重量%である。
【0049】
本発明に適応される他種のスクリーン印刷インクは、UV硬化スクリーン印刷インクである。この種のインクは、モノマーを溶剤として使用することにより、揮発性の有機内容物を除去する。該インクは、いったんスクリーンを通過するとその後は、UV光への曝露によって硬化する。該モノマーの重合を開始する、従って印刷後、該流体インクをポリマーフィルムに変換するUV感受性開始剤が組み込まれている。この方法のための一般的なモノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(サートマー(Sartomer)SR238)、ジプロピレングリコールジアクリレート(サートマー(Sartomer)SR508)およびネオペンチルグリコールジアクリレート(サートマー(Sartomer)SR247)などが挙げられる。これらの各UV硬化モノマーは、本発明に記載のタイプのコーティングにより吸収され、硬化後、魅力的な満足に付着した画像を生じる結果となる。
【0050】
(方法)
本発明の印刷可能な物品は、(1)基材を、架橋可能なアミン官能性ポリマーおよびブロッキング剤でブロックされた多官能性イソシアナートを含む組成物で被覆する工程;および(2)該被覆された基材を十分な温度に加熱して、ブロックされた多官能性イソシアナートを脱ブロック化し、それによって架橋したインク受容性疎水性ポリマー層を該基材上に生じさせる工程;によって製造される。たとえば、噴霧、浸漬、ロール塗布等々を含む、様々なコーティング方法のいずれかを使用することが可能である。
【0051】
好ましい方法では、該架橋したインク受容性疎水性ポリマー組成物は、少なくとも0.6の溶剤抵抗分率および少なくとも300%の溶剤吸収能を有することを特徴とする。溶剤抵抗分率は、より好ましくは少なくとも0.7であり、さらにより好ましくは、少なくとも0.8、殊に好ましくは少なくとも0.9である。溶剤吸収能は、より好ましくは少なくとも400%であり、さらにより好ましくは少なくとも500%、殊に好ましくは少なくとも600%である。殊に好ましい一実施形態では、該疎水性の、本発明でコーティングとして使用されるインク受容性ポリマー組成物は、少なくとも0.6の溶剤抵抗分率および少なくとも800%の溶剤吸収能を有することを特徴とする。
【0052】
より好ましい実施形態では、好ましくは、付着を改良するために活性化されているフルオロポリマーフィルム上に、該インク受容性疎水性組成物が被覆される。好ましくは、コーティングは、乾燥させたとき、厚さ1〜50μm、より好ましくは厚さ2.5〜8μmの、インク受容性疎水性組成物の層を形成するように、該フィルムの少なくとも片表面に該インク受容性疎水性組成物の溶液を塗布することによって行われる。被覆されたフルオロポリマーフィルムを、100〜400°F(38〜204℃)に近い温度の炉を通過させて、該組成物を乾燥および硬化させて、被覆されたフィルムを形成するが、被覆されたフィルムは、必要に応じて巻いて保存したり、輸送したりすることができるため、結果として扱い易くなる。
【0053】
本発明の印刷された物品は、上記の通りに作製された印刷可能な物品の基材上の、架橋した疎水性インク受容性ポリマー層上に、非水性溶剤系インクを塗布することにより、画像を形成することによって製造される。該画像は、好ましくは、インクジェットプリンターを使用して、または代替実施形態では、スクリーンプリンターを使用して、形成される。
【0054】
(試験法)
溶剤抵抗分率および溶剤吸収能を測定するための手順
インク溶剤とのコーティング相互作用の特性決定は、スライドガラスに塗料を塗布し、塗布されたスライドガラスをインク溶剤に浸漬し、以下のステップに記載の通りに溶剤抵抗分率および溶剤吸収能を測定することによって行われる。この手順に使用される溶剤は、酢酸2−ブトキシエチル(2−BEA)である。
1.スライドガラスを予め重量測定する(A=スライドガラス重量)。
2.塗料を、予め重量測定したスライドガラスに塗布し、次いで、該スライドガラスを重量測定して、出発コーティング重量を決定する(B=被覆されたスライド重量)。
3.被覆されたスライドガラスを、該インク溶剤中に、所定の時間(特に明記されていない限り、通常は10分間)浸漬する。
4.該スライドを該溶剤から取り出し、拭いて余分の溶剤を除去し、次いで、重量測定して、溶剤膨潤重量を決定する(C=溶剤膨潤重量)。
5.該被覆されたスライドを焼成し(特に明記されていない限り、通常は120℃で60分)、再重量測定する(D=乾燥サンプル重量)。
6.溶剤抵抗性コーティング分率は、下記の重量の関係によって決定される:
溶剤抵抗分率=(D−A)/(B−A) (1)
7.溶剤吸収能(溶剤抵抗性コーティング重量当たりの吸収されたインク溶剤の重量)は、下記の重量の関係によって決定される:
溶剤吸収能=(C−D)/(D−A)×100 (2)
【0055】
(テープ接着テスト)
0.75×2.16インチ(1.9×5.5cm)の、乾燥粘着性PSAテープ(透明な3Mブランド番号467PSAテープ)のストリップを、印刷された領域の上にしっかり押し付け、1分間、粘着性を発現させる。次いで、該テープを、急に引っ張らずに、角度90°で急速に引き離す。試験に合格するためには、該テープでインクが全く除去されないことが必要である。
【実施例】
【0056】
(基本ポリマー(68040))
メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシ−3−アミノプロピルメタクリレート(32/64/4)
【0057】
【表1】

【0058】
(実施例1−ブロックされたイソシアナート類と架橋したアミン官能性アクリルコポリマー)
表2に示す通り、バイエル(Bayer)から入手可能な、ブロックされたイソシアナート架橋剤、デスモジュール(Desmodur)BL 3370で、基本ポリマーを6つの異なるレベルで僅かに架橋する。該架橋剤は、ブロッキング剤、マロン酸ジエチル(DEM)およびジイソプロピルアミン(DIPA)を含有する、ヘキサメチレンジイソシアナート(HMDI)のイソシアヌレート三量体である。インク溶剤とのコーティング相互作用を特性決定するための上記手順を使用して、表2に示す様々な量の架橋剤について、また架橋していないコントロールサンプル1〜7について、該溶剤抵抗分率および該溶剤吸収能(溶剤抵抗性コーティング重量当たりの2−BEA吸収量)を測定する。
【0059】
表2に示すデータから、10分間の浸漬の間、溶解に抵抗するコーティングの量に関連して、少ない架橋は、より高い溶剤吸収度につながることが分かる。このシステムでは、コーティングが溶解したりひび割れたりするのを防止するために、若干の架橋密度が必要である。架橋がない、サンプル1〜7は、溶剤抵抗性が低い。酢酸2−ブトキシエチル中での浸漬テストから、アミン濃度を基準にして0.5モル%という少量のブロックされたイソシアナート架橋剤で、許容し得る特性、すなわち、約0.6より大きい溶剤抵抗分率および少なくとも300%の溶剤吸収能を有する、インク受容コーティング組成物を作ることができる。
【0060】
【表2】

【0061】
(実施例2−ブロックされたイソシアナート類と架橋したアミン官能性アクリルコポリマーの疎水性インク受容コーティングを有するPVFフィルムから製造された印刷された物品)
フルオロポリマーフィルム基材を製造すること、アミン官能性アクリルコポリマーおよびブロッキング剤でブロックされた多官能性イソシアナートで、該基材を被覆すること、該被覆された基材を十分な温度に加熱して、該イソシアナートを脱ブロック化して、架橋したインク受容性疎水性組成物を作ること、および非水性溶剤系インクが供給されたインクジェットプリントヘッドを使用して画像を印刷することにより、印刷された物品を製造する。
【0062】
下記の成分(部は、重量基準である)を、ライトニングミキサー(lightening mixer)内で配合して混合し、続いてネッチ(Netzsch)ミル内で、ガラスビーズを使用して該混合物を分散させることによって、フルオロポリマー分散体を作る。
【0063】
【表3】

【0064】
結果として生じた分散体を、リバースグラビア法および35TH(3ヘリカル)グラビアロールを使用して、およそ3ミルの一時的ポリエチレンテレフタレート(PET)担体上に流延することにより、ポリフッ化ビニル(PVF)フィルムを製造する。いったん被覆したらその後は、濡れた分散体を、80ft(24m)/分で、3段式空気浮上炉を通過させる。第1段の炉は、425°F(218℃)に設定し、他の2段は、390°F(199℃)に設定する。炉を出るとすぐに、該フィルムを、1平方フィート当たり16ワット−分(1平方メートル当たり1.5ワット−分)でコロナ放電処理する。この方法は、インク受容性組成物に結合させるための表面処理を有する厚さ1ミル(25μm)のポリフッ化ビニルフィルムを製造する。
【0065】
下記の成分(部は、重量基準である)を配合し、ライトニングミキサー(lightening mixer)で攪拌することによって、インク受容コーティング溶液を調製する。
【0066】
【表4】

【0067】
結果として生じた溶液を、リバースグラビア法、および3帯域炉(200°F(93℃)/350°F/350°F)を通じて分速100フィート(m)のライン速度で34THグラビアロールを使用して、コロナ放電処理したポリフッ化ビニルフィルム上に塗布して、インク受容コーティング、5μm(dft)を作る。該フィルムは、インク溶剤(溶剤吸収能800%)中で、コーティング重量の8倍を吸収することができる。
【0068】
次いで、該被覆されたフィルムを、ブテック(VUTEk)(登録商標)2600プリンター(ニューハンプシャー州メジスのブテック製(VUTEk,Meredith,NH))で印刷するためのベースとして使用する。この圧電ドロップ・オン・デマンド方式インクジェットプリンターで、1平方フィート当たり4mlのインク被覆率を有する、インクウェア(Inkware)タイプ3溶剤系インク(酢酸2−ブトキシエチルを含有する)を用いて時速50フィート(15m)で印刷すると、該インクが、架橋したアミン官能性アクリル被覆フィルムに付着する、鮮やかで、明瞭かつ強い色調の画像が作られる。
【0069】
上で作製された被覆されたフィルムはまた、スクリーン印刷用基材としても使用される。該フィルムを、8.5インチ×11インチ(22cm×28cm)のサンプルに切断し、実験用縮小シルクスクリーン法でスクリーン印刷する。サンプルの一部は、セリコール(Sericol)TM−311白色溶剤系インクを用いて印刷し、またサンプルの一部は、セリコール(Sericol)GSO−311白色UV硬化インクを用いて印刷する。溶剤系インクを用いて印刷されたサンプルは、次には、対流式炉内、150°F(66℃)で3分間乾燥させる。UV硬化インクを用いて印刷されたサンプルは、400ワット水銀灯がついたヒュージョン(Fusion)UV硬化チャンバを、分速100フィート(30m)で通過させることによって硬化させる。これらの各方法は、テープ接着試験における剥離に抵抗する欠陥のない乾燥したインクを作り出す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋可能なアミン官能性ポリマーおよびブロッキング剤でブロックされた多官能性イソシアナートを含む組成物で基材を被覆する工程;および
前記被覆された基材を十分な温度に加熱して、前記ブロックされた多官能性イソシアナートを脱ブロック化し、それによって架橋したインク受容性疎水性ポリマー層を前記基材上に生じさせる工程;
を含むことを特徴とする印刷可能な物品を作製する方法。
【請求項2】
前記架橋したインク受容性疎水性ポリマー組成物は、少なくとも0.6の溶剤抵抗分率および少なくとも300%の溶剤吸収能を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記架橋したインク受容性疎水性ポリマー組成物は、少なくとも0.6の溶剤抵抗分率および少なくとも800%の溶剤吸収能を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アミン官能性ポリマーは、架橋可能なアミン官能性アクリルコポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記多官能性イソシアナートは、芳香族多官能性イソシアナート類、脂肪族多官能性イソシアナート類、ならびに前記脂肪族および芳香族多官能性イソシアナート類のビウレット三量体およびイソシアヌレート三量体からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記多官能性イソシアナートは、ヘキサメチレンジイソシアナートおよびイソホロンジイソシアナートからなる群より選択される脂肪族イソシアナートを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記多官能性イソシアナートは、マロン酸ジエチル、ジイソプロピルアミン、メチルエチルケトキシムおよびそれらの混合物からなる群より選択されるブロッキング剤でブロックされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記架橋可能なアミン官能性ポリマーは、アミン官能性アクリルコポリマーを含み、
前記多官能性イソシアナートは、ヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレート三量体、並びにマロン酸ジエチル、ジイソプロピルアミンおよびそれらの混合物からなる群より選択されるブロッキング剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基材は、ポリマー、金属、ガラスおよび紙からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基材は、ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリマーは、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルおよびフルオロポリマーからなる群より選択されるポリマーを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリマーは、フルオロポリマーを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記フルオロポリマーは、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、モノクロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロブチルエチレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルのポリマーおよびコポリマー、それらの配合物、並びに前記ポリマーと非フルオロポリマーとの配合物から選択されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記フルオロポリマーは、ポリフッ化ビニル、フッ素化されたエチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、ポリフッ化ビニリデン、およびポリフッ化ビニリデンとアクリルポリマーとの配合物から選択されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
架橋可能なアミン官能性ポリマーおよびブロッキング剤でブロックされた多官能性イソシアナートを含む組成物で基材を被覆する工程;
前記被覆された基材を十分な温度に加熱して、前記ブロックされた多官能性イソシアナートを脱ブロック化し、それによって、架橋したインク受容性疎水性ポリマー層を前記基材上に生じさせる工程;および
非水性溶剤系インクを塗布することによって、前記架橋したインク受容性疎水性ポリマー層上に画像を形成する工程;
を含むことを特徴とする印刷された物品を作製する方法。
【請求項16】
前記インク受容性疎水性ポリマー層は、少なくとも0.6の溶剤抵抗分率および少なくとも300の溶剤吸収能を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記インク受容性疎水性ポリマー層は、少なくとも0.6の溶剤抵抗分率および少なくとも800%の溶剤吸収能を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記アミン官能性ポリマーは、架橋可能なアミン官能性アクリルコポリマーを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記多官能性イソシアナートは、芳香族多官能性イソシアナート類、脂肪族多官能性イソシアナート類、ならびに前記脂肪族および芳香族多官能性イソシアナート類のビウレット三量体およびイソシアヌレート三量体からなる群より選択されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記多官能性イソシアナートは、ヘキサメチレンジイソシアナートおよびイソホロンジイソシアナートからなる群より選択される脂肪族イソシアナートを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記多官能性イソシアナートは、マロン酸ジエチル、ジイソプロピルアミン、メチルエチルケトキシムおよびそれらの混合物からなる群より選択されるブロッキング剤でブロックされることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記架橋可能なアミン官能性ポリマーは、アミン官能性アクリルコポリマーを含み、前記多官能性イソシアナートは、ヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレート三量体、並びにマロン酸ジエチル、ジイソプロピルアミンおよびそれらの混合物からなる群より選択されるブロッキング剤を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記基材は、ポリマー、金属、ガラスおよび紙からなる群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記基材は、ポリマーを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリマーは、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルおよびフルオロポリマーからなる群より選択されるポリマーを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリマーは、フルオロポリマーを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記フルオロポリマーは、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、モノクロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロブチルエチレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニリデン、およびフッ化ビニルのポリマーおよびコポリマー、それらの配合物、並びに前記ポリマーと非フルオロポリマーとの配合物から選択されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記フルオロポリマーは、ポリフッ化ビニル、フッ素化されたエチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、ポリフッ化ビニリデン、およびポリフッ化ビニリデンとアクリルポリマーとの配合物から選択されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記画像は、インクジェットプリンターを使用して形成されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記画像は、スクリーンプリンターを使用して形成されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項31】
請求項1に記載の方法で製造されることを特徴とする印刷可能な物品。
【請求項32】
請求項15に記載の方法で製造されることを特徴とする印刷された物品。

【公表番号】特表2007−524507(P2007−524507A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545399(P2006−545399)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/042166
【国際公開番号】WO2005/058999
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】