説明

印刷回路基板の接着促進方法

【解決手段】印刷回路板の製造時に銅伝導層と誘電体材料間の接着を促進するための接着促進方法と組成物。組成物は腐食防止剤、無機酸およびアルコールを含み、それは組成物中に銅充填量を増大するのに有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷回路基板の製造における、例えば銅等の金属表面の絶縁層に対する接着を改良することに関する。
多層回路基板(MLB)は、とりわけ、回路パターンを画定する多くの金属層と、その間の多くの絶縁層を有する。今日回路パターンを画定する金属層は典型的には銅からなり、絶縁層は典型的には樹脂含浸の繊維性誘電体材料から形成される。これらの各層はその厚みは広く変わり得る。たとえば、それらは、ほんの数μmの桁であったり、またはもっと厚かったりする。
【0002】
MLBの製造においては、伝導性層と絶縁性層の間の接着を強化して、次の製造工程におけるまたは供用に際しての層間剥離を避けるのが望ましい。いわゆる”黒色酸化物(black oxide)”方法が従来使用されており、これは強力な接着性の銅酸化物層を創製し、これに絶縁層が良好に接着する。黒色酸化物方法は、多くの工業界では、米国特許第5,800,859号明細書などに記載の方法で置き換えられており、この方法は有機金属転化被覆(OMCC)に関する。これらのOMCC法は銅回路層を接着促進液に浸漬することからなり、該液は酸化剤、抑制剤、および無機酸などの多くの成分を含むものである。
【0003】
OMCC法の一つの制限は同じ溶液で多くの基材を処理すると、銅が蓄積してスラッジが形成されることである。他の制限は、OMCCは、たとえば濃い茶色またはチョコレート色などの均一な色彩であることが必要ということである。工業的にはこの色と強力な接着特性を有する均一被覆とは付随する。濃い均一な色が好ましく、それは欠陥検知の助けになる銅と対照的な色彩を与えるからである。たとえば、いわゆる“ピンク・リング”欠陥の検知のための対照をなす。有意に明るい色の被覆を作るOMCCは一般的には好ましくないか、または少なくとも多くの応用では望ましくない。明るい色の被覆では、“ピンク・リング”欠陥は実質的に検知がより困難となる。
【0004】
発明の要約
本発明の一つの態様には、改良された接着促進方法とその組成物があり、それは銅充填量の増大、良好な剥離強度、堅実で均一はOMCC色、熱衝撃に対する耐性および伝導層と絶縁層間の良好な層間接着強度などの特徴がある。
【0005】
それ故、簡単には、本発明は、印刷回路板製造における銅伝導層と誘電体材料間の接着性を向上させるための接着性向上の組成物に関し、該接着性向上用組成物は、腐食抑制剤、無機酸、酸化剤およびアルコールからなり、それは組成物中の銅充填量を増大させる効果がある。接着向上用組成物は、初めは、実質的に酸化剤を不安定化させる傾向のある遷移金属を含まない。
【0006】
本発明は、また、印刷回路板製造における銅伝導層と誘電体材料間の接着性を向上させるための接着性向上の組成物に関し、該接着性向上用組成物は、腐食抑制剤、無機酸、酸化剤およびアニオン性界面活性剤からな。接着向上用組成物は、初めは、実質的に酸化剤を不安定化させる傾向のある遷移金属を含まない。
【0007】
本発明の他の態様は、印刷回路基板製造の間の有機金属転化被覆の形成による銅伝導層と誘電体材料間の接着性を向上させるための接着促進用組成物に関する。この接着促進用組成物は、腐食抑制剤、無機酸および非イオン性界面活性剤からなり、接着促進用組成物は初めは、実質的に酸化剤を不安定化させる傾向のある遷移金属を含まない。
【0008】
本発明は、また、腐食抑制剤、無機酸、およびノニルフェノール性非イオン性界面活性剤からなる接着促進用組成物である。
本発明のさらなる態様は、腐食抑制剤、硝酸およびアルコールからなり、それは組成物中の銅充填量の増大に有効である。
【0009】
本発明の他の態様は、印刷回路基板の製造の銅伝導層と誘電体材料との間の層間接着強度を向上させるための方法であり、該方法は、導伝導層を接着促進組成物に暴露することからなり、該組成物は腐食抑制剤、無機酸、酸化剤およびアルコールからなり、該アルコールは、組成物中の銅充填量を増大させる効果があり、ここで、接着促進組成物は、初めは、実質的に酸化剤を不安定化する遷移金属を含まず、かくしてミクロに粗面化された銅表面が得られるものである。
他の態様と特徴は部分的に明らかであり、部分的に以下に指摘される。
【0010】
図面の簡単な説明
図1―17は、実施例9から12に従う本発明の接着促進組成物で処理された銅箔の顕微鏡写真である。
【0011】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、接着促進組成物、接着促進組成物濃縮物、および接着向上方法を含む。本方法は、印刷回路基板製造操作において銅伝導層を接着促進剤に暴露させるために業界で使用されるいかなる浸漬、スプレー、またはその他の方法を含む。一般的には伝導層上の銅は酸化され、そして相当に可溶化されている第一銅は一般的には表面では優性であり、第ニ銅は一般的には溶液中で優性である。表面の第一銅は腐食抑制剤と化合して銅−抑制剤−錯体を形成して、銅は伝導性銅層から接着促進剤中へ同時に溶解していく。この結果、伝導性銅層のミクロ−租面化表面というモルホロジー(形態)となる。このミクロ−租面化銅表面が続いて適用される絶縁層との接着を促進させる。
【0012】
過酸化水素が基材上の銅を酸化させるために本発明の接着促進用組成物中に配合される。過酸化水素は、少なくとも約1質量%という濃度で接着促進用組成物中に存在する。過酸化水素の濃度は典型的には、約20%よりも高くはなく、そして或る好ましい態様では、それは約10%よりも高くはない。過酸化水素の一つの最も好ましい濃度は接着促進用組成物に対して約0.5重量%から約4重量%である。接着促進用組成物中の過酸化水素の濃度が高すぎると、伝導性層の粗面化面の構造がいくらか樹脂状構造を形成するようになり、それは所望の粗面化効果よりもより脆弱であり、その結果より低濃度の過酸化水素が使用される場合よりも弱い結合が形成される。さらに、多量の過酸化水素によるオーバーエッチングがあるとOMCCは曇ってくる。ここで他に指示がない限りパ−セントは重量%を示す。さらに、全ての濃度は基準化されて、例えば100%濃度のものが使用されているかのように、各成分の濃度を引用している。たとえば、一つの態様では組成物に加えられたH溶液が35%濃縮Hであり、むしろ100%濃縮Hではない。しかし、上記で示される20%、10%、4%などの数値は、最終組成物に対する100%Hとしての%であり、最終組成物に対する35%Hとしてのそれではない。
【0013】
組成物の安定性を高めるために、組成物は、初めは実質的に銅のような遷移金属を含まないものであり、それは酸化剤を不安定化する傾向がある。例えば、銅イオンは初めの溶液では忌避され、それはそれらが過酸化水素を不安定化するためである。この要請は接着を促進するための使用の前では銅は新鮮な組成物では忌避されるという初期組成と関連する。しかし、供用に際しては、しかし、事実上銅は使用の間溶液中に蓄積する傾向があるので、銅は本組成から除外されない。本組成物は“実質的に”遷移金属を含まず、本組成中にはそれは十分に低濃度であるので酸化剤の減成作用に有意に寄与することはない;例えば約10%を超えて減成速度が増大しないほど十分に低濃度である。
【0014】
接着促進用組成物は、主として銅を可溶化し、そして本組成中の他の成分の溶液を維持する目的で一種またはそれ以上の無機酸を含む。種々の酸、例えば、リン酸、硝酸、硫酸およびこれらの混合物を含む無機酸が使用可能である。一つの好ましい態様では、HNOとHSOの両方が使用される。Cuを可溶化することに加えて、HSOはエッチング速度を緩和し、それ故、隔離領域における基材を過剰にエッチングするのを抑制することの助けになることが見出された。HNOはエッチング速度を増大させる;Cuの溶解性を向上させる;早期のスラッジ生成を抑制する;そしてH、HSOおよび被覆を汚す腐食の抑制剤と相乗的に働く。本組成中の全ての酸濃度は、一般的には、組成中で少なくとも1%、好ましくは少なくとも8%であり、或る好ましい態様では少なくとも14%である。もしも酸濃度が高すぎると、エッチング速度は、硝酸の場合を除き、過度に遅くなり、そして不均一で色が薄すぎる有機金属転化被覆が生じる。この理由で、従来の組成の酸レベルは典型的には約20%と選択されていた。しかし、ここに述べる他の添加剤で、他の場合に酸レベルを約25%にまで上げることが期待されるように被覆は明るくならないので、本発明では酸レベルを約25%にまでまたそれ以上に上げることが可能である。全体の酸レベルは典型的には約50%未満に維持される。好ましい態様では、それ故、約22%と約28%の間の酸であり、代表的には約20%のHSO(50%濃度)と約5%HNO(95%濃度)が挙げられる。一つの好ましい態様では無機酸は本組成中少なくとも約30%含まれる。他の好ましい態様では28%HSO(50%濃度)と5%HNO(95%濃度)を用いる。HNOがこれらの好ましい態様で用いられるのは、それが抑制剤−Cu錯体を可溶化するのが他の無機酸よりも優れるというユニークな能力を有することが見出されたからである。上述のように、これらのパーセントは最終組成物中の酸のパーセントであり、100%濃縮の酸の使用に対するものである一方、実際に添加する酸の好ましい態様は50%濃縮HSOと約95%濃縮HNOである。
【0015】
好ましい態様でHNOが使用される限り、組成全体はそれに混和可能に処方される。特に、チオ尿素・ベースの錯化剤はHNOと混合されると爆発性となることから特異的に忌避される。
一般的には、トリアゾール、テトラゾール、イミダゾールおよびその混合物は接着促進用組成物での腐食抑制剤として提案されてきた。ベンゾトリアゾール(BTA)化合物は最も好ましく、それはCuとキレート化しやすく、腐食抑制に有効で、そしてOMCC面を暗色化するのを助けるのに有効であるからである。最も好ましいBTA化合物は一般に、1,2,3−ベンゾトリアゾールであり、またアジアミノ−ベンゼンまたはベンゼン アジミドとも称されて、その化学式はCNHNである。特に、望みの結果が得られる腐食抑制剤濃度は少なくとも0.1%、より好ましくは0.5重量%を越える濃度であり、そして或る場合には1重量%を越える濃度である。一般的には、腐食抑制剤は組成物中に20%を越えない量、好ましくは10%を超えない量、そしてより好ましくは5%未満の量で接着促進用組成物中に重量基準で含まれる。高濃度、例えば、5%を越える濃度が望ましいとすることができるのは、それは処理時間の短縮を可能とするからである。好ましい態様では、しかし、濃度は5%未満または1%未満ですらあり得る。
【0016】
本発明は以下に詳細に説明するように、多くの添加剤を接着促進用組成物に使用し、それはモノマー性、オリゴマー性アルコール、およびポリマー性、オリゴマー性およびモノマー性アルコール誘導体であり、例示されるが限定されない、アルコール硫酸塩、スルホン酸塩、およびエトキシ化物から選択される。
本発明の一態様ではスルホン化アニオン界面活性剤を用いる。表面湿潤剤を添加するとこの界面活性剤はHが安定化するのを助けることが見出された。このような界面活性剤の最も特に好ましいものはドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)である。DDBSAは、カリフォルニア、サンタアナのアッシュランド販売会社、またはカルソフト LAS99の商品名でパイロット化学、カリフォルニア、サンタフェ スプリングから入手され得る。他のこのような界面活性剤には、ウィトコナート 1850の商品名でニューヨーク、ニューヨークのウイトコ社、有機部門から入手可能なドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;ポリステップ A−11の商品名でイリノイ、ノースフィールドのステファン社から入手可能な分岐アルキルベンゼンスルホン酸イソプロピル アミン;およびノルフォックス T−60の商品名でカルフォルニア、ベルノンのノーマン、フォックス社から入手可能なドデシルベンゼンスルホン酸TEAなどが挙げられる。この界面活性剤は、表面湿潤とH安定化に必要な量で使用され、その量は接着促進剤の全体の組成物の量で変わり得る。一般的な好ましい態様では、少なくとも約0.0001%のスルホン化アニオン性界面活性剤を含む。一般的には、スルホン化アニオン性界面活性剤は少なくとも約0.005%、好ましくは少なくとも約0.1%であり、そして約10%未満であり、好ましくは約5%未満、より好ましくは約2%未満である。一つの特定の例では0.002%のこの界面活性剤が利用され、それは特にDDBSAである。
【0017】
本発明の一般的に好ましい態様では、硫酸化アニオン性界面活性剤を配合する。この化合物の好ましい例は、硫酸2―エチルヘキシル・ナトリウムであり、これはまた、2−エチルヘキナノール 硫酸ナトリウム塩とも称されて、その化学式はC(C)CHSONaである。これはニアプルーフ 08の商品名でニューヨーク ナイアガラフォールのニアセット社から入手でき、38.5〜40.5%の硫酸2−エチルヘキシル・ナトリウムを含み、残余は水である。その他には、ナイアプルーフ 4の商品名でナイアセットから入手可能な硫酸テトラデシル・ナトリウム、ポリステップ B−5の商品名でイリノイ、ノースフィールドのステパン社から入手可能な硫酸ラウリル・ナトリウム、およびスルフォテックス 110の商品名でペンシルバニア、アンバーのヘンケル社/エメリーグループ、コスファ/CDから入手可能な硫酸n−デシル・ナトリウムが挙げられる。硫酸化アニオン性界面活性剤化合物の添加は、驚くことに、起こる筈の被覆の色を薄くさせるという有害な効果を奏することなく、酸レベルを向上させることができる。酸レベルがこのように向上されるので銅の充填が増大する。それはまた被覆を暗色にする助けになる。この化合物は、被覆の色を実質的に薄くさせることなく銅充填が向上するに十分な濃度でこの態様に存在する。この典型的な濃度は、少なくとも約0.001%であり、好ましくは少なくとも約0.1%である。硫酸化アニオン性界面活性剤の濃度は約10%を超えないものであり、好ましくは約5%を超えない。好ましい範囲は、約0.05と2%の間である。好ましい一つの態様では、硫酸化アニオン性界面活性剤濃度は約0.5%である。他の例では0.15%である。
【0018】
一般的に好ましい態様で、本組成物は非イオン性界面活性剤として一種またはそれ以上のエトキシ化フェノール誘導体を含む。この界面活性剤は、剥離強度が向上するという予期しない効果を与えることが見出された。一つの好ましい態様では、この界面活性剤はポイオキシエチレン ノニルフェノールのような1種またはそれ以上のエトキシ化ノニルフェノールである。ポリオキシエチレン ノニルフェノールは、テルギトール NP9の商品名でミシガン、ミッドランドのダウ化学社から入手可能である。この代わりには、商品名 NP8としてミシガン、ミッドランドのダウ化学社から入手可能のエトキシ化ノニルフェノール、トリトン Nの商品名でコネチカット、ダンブリのユニオン カーバイド社〜入手可能なノニルフェノキシポリエトキシエタノール、および商品名 イゲパル CO−210としてニュージャージのローヌ‐プーラン、界面活性剤および特殊品部門から入手可能なエトキシ化ノニルフェノール(またはノノキシノールー2)がある。これら界面活性剤の濃度は剥離強度を十分に改良するように選択される。一般的な一つの好ましい態様では少なくとも約0.0001%のエトキシ化フェノール誘導体濃度である。一般的な態様では、その濃度は少なくとも約0.01%であり、好ましくは少なくとも約0.2%であり、そして約10%未満であり、好ましくは約5%未満である。一つの好ましい範囲は、約0.0001%と約2%の間である。一つの実施態様は、0.02%である。
【0019】
BTA 銅錯体を可溶化する一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール、一級アルコール、二級アルコールおよび/または三級アルコールは接着促進用組成物の銅充填を向上させることができるのが見出された。適当な脂肪族飽和アルコールは1,2−(エチレン グリコール、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,2−ジオールなど)、1,3−(プロパン−1,3−ジオール、など)、1,4−(ブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,4−ジオールなど)、1,5−など。ついで、ブテンジオール、ヘキセンジオール、およびブチン ジオールなどのアセチレン誘導体などの不飽和ジオールがある。適当な三価アルコールの例は、グリセリンである。一価、二価および/または三価アルコールの中で適当なアルコールは、トリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレン グリコール メチルエーテル、トリエチレングリコール モノメチルエーテル、トリエチレングリコール ジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン(三価)、テトラヒドロフルフリール アルコール、ガンマ−ブチロラクトン、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1、4−ジオール(不飽和)、1,6−ヘキセンジオール、メタノールおよびイソパノールである。この添加剤は、本願態様では、組成中の銅の充填を増大させるに十分な量存在する。典型的にはこの濃度は少なくとも0.01%であり、或る態様では少なくとも0.5%である。この添加物の濃度は、約20%以下であり、そして或る態様では約10%以下である。
【0020】
特に有効的と示される好ましいアルコールはオリゴマー性トリエチレン グリコール(TEG)である。特にこのオリゴマーを含む組成の銅充填能力は、1リットル溶液当たり約30gの銅から約35g/Lまで、また浸漬塗布では約40g/Lにまですら有する。スプレー法とフラッド 浸漬法、自動化とコンベヤー法では、この組成は銅充填能力として約45g/Lまで、そして50g/Lにまですら有する。このトリエチレングリコールは、オリゴマーであって、中間の相対的な分子量を有し、その構造は低い相対的な分子量の分子から誘導される少数の単位からなる。これは、高い相対的な分子量を有するポリマーとは対照的である。このトリエチレングリコールはまたその単位のうちの一つが除去されてもその性質が有意に変化するようなオリゴマーであって、それはポリマーとは反対であって、ポリマーではその一つまたは数個の単位の除去は、分子性質には相対的に無視し得る効果を有する。このトリエチレングリコールは分子式、C14であり、より特定的にはHO(CO)Hであり、その分子量は150.17である。トリエチレングリコールは、本組成中には少なくとも約0.01%、典型的には少なくとも約0.5%で存在し、一つの態様では少なくとも約0.8%で存在する。TEGの濃度は約20%以下であり、好ましくは約10%以下である。一般的に好ましい態様ではTEGの濃度は約1%である。TEGはまたHを安定化を助ける追加の効果も有する。
【0021】
本組成は任意に、またH2O2の安定剤を含む。適当な安定剤は、たとえば、ジピコリン酸、ジグリコールおよびチオグリコール酸、エチレン ジアミン 四酢酸およびその誘導体、アミノ多価カルボン酸のマグネシウム塩、珪酸、リン酸、ホスホン酸およびスルホン酸のナトリウム塩である。本組成に安定剤が含まれる場合、好ましくは安定剤は接着促進用組成物の重量で0.001%からの量かまたは少なくとも0.005%の量で存在する。一般的には組成には1重量%以下である。一般的に好ましい組成は、追加の安定剤を含むが、しかし第1にはTEGの安定効果に、上記のように依存する。
【0022】
本組成はさらに、ハロゲンイオン源を含む。このソースは、好ましくはHClであり、約10から100ppmの範囲の塩化イオン濃度を供する。一つの態様の最も好ましい範囲は、約60と65ppmの範囲である。好ましい範囲は組成と塗布全体に依存して他の態様では異なる。従来の処方に比較して増大したClのレベルは第1銅の第2銅に対する比率を増大させるのを助けるものであり、それは剥離強度を向上させることが見出された。Clレベルは逓減し、そしてついで組成物の使用の間安定化する。このように、初めのClイオン濃度は約20ppmと約100ppmの間にあるのが一つの態様では好ましく、これにより供用の際のClイオン含量として約20〜80ppmの桁が達成される。
接着促進用組成物は水性液中で成分を攪拌することで製造され、好ましくは脱イオン水を使用する。標準安全規則に従い、過酸化水素は希釈されて組成物に添加される。
【0023】
銅表面は、一般的には前処理することなく接着促進用組成物に接触する。銅表面はそれ以前に曇り防止塗装をされることがあり、それは、たとえば曇り防止剤をエッチ レジスト剥離工程の直前の工程で配合することによるものである。このような剥離で使用される曇り防止剤は、たとえば、トリアゾールその他のコートである。もしそうならば、PC7077、PC7086、PC7096(コネチカット、ウエスト ハーベンのエントン社製品の商品名)などの酸性予備クリーナーで、本組成物に接触する前に銅表面を前洗浄するのが好ましい。好ましくは接着促進用組成物に接触する前に、銅表面は実質的に乾燥されるかまたは僅かな湿気のみを有するものである。このような洗浄工程を除けば、一般的には前処理工程を行なう必要はない。本発明の好ましい態様では、接着促進工程はエッチ レジストの剥離工程の後に直ぐに続くものか、またはエッチ レジスト剥離工程と接着促進工程との間に単一の前洗浄工程があるものである。
【0024】
接着促進用組成物との接触は通常の方法のいずれでも良く、例えば接着促進組成物の浴に浸漬したり、スプレーしたりまたは他の接触の方法によることができる。接触は連続法の一部とすることができる。当業者に良く理解されるように、浸漬法は、単に、基材を組成物の浴中に所望の時間、漬けることである。スプレー法は、典型的には、連続したまたは自動化したスキージー型の機構を使用する塗布である。塗布の方法は本発明に臨界的ではない。しかし、上記のように、銅充填の許容の度合いは浸漬法よりもスプレー法のほうが大きく、それはたとえば、浸漬法では浴に淀みがよりあるからである。
【0025】
接着促進用組成物と銅表面の接触は典型的には約20℃と約40℃の間であるが、合理的にこの範囲外の温度でも操作可能である。接触時間は、一般的には1秒以上で、好ましくは5秒以上、しばしば少なくとも10秒、最も好ましくは少なくとも30秒である。最大の接触時間は、10分までであるが、好ましくは、接触時間は5分以下、最も好ましくは2分以下である。約1分または1分以上の接触時間が標準である。もしも接着促進用組成物と銅表面との接触時間が長すぎると、溶解による銅表面がエッチングされて削られる危険および/またはミクロに粗面化される表面を形成する微細多孔性結晶沈積以外の沈積が伝導材料の面に沈積する危険がある。
【0026】
銅表面が接着促進用組成物と接触してミクロ粗面化の表面が形成された後、一般的にはプリプレグ層が直接に銅表面に隣接して載置され,プリプレグ層は直接に銅表面に接着工程で接着し、多層PCBが形成される。一般的には、接着工程では、機械的な結合が、絶縁層のポリマー材料が接着促進工程で供されたミクロ粗面化表面に浸透することによる。接着促進工程には特に処方された洗浄工程が続くことが望ましいが、単に水洗浄とするのがしばしば適当である。
【0027】
プリプレグ層は、ミクロ粗面化層に直接に適用する、すなわち、好ましくは、ミクロ粗面化層またはその他の上に、中間のいかなる金属沈積をすることなく直接に適用するが、しかし任意に、アメリカ特許第6,294,220号明細書に開示のように後処理 酸化第二銅除去または還元処理をすることは良い。圧力がかけられて、PCBの多層がプレスで形成される。圧力がかけられる場合、一般的には100psiから400psi(0.69から2.76MPa)であり、好ましくは150から300psi(1.03から2.41MPa)である。接着工程の温度は、一般的には少なくとも約100℃であり、好ましくは約120℃と約200℃の間である。接着工程は一般的には5分間から3時間の間のいずれの時間で行われ、最も通常では20分間〜1時間であるが、第1と第2の層間の良好な接着を確保するために十分な時間と圧力、および十分に高温の温度をとする。この接着工程の間、絶縁層のポリマー材料、一般的にはエポキシ樹脂は、流動することとなって、金属の導電パターンが絶縁層間に実質的に封止され、そうしてその後の水や空気の浸入が阻止される。数個の層が接着工程で共に載置されて、MLBを形成する単一工程での数個の層の積層が遂行される。
【0028】
長く議論した例示の配列は銅表面に接着させるプリプレグ層のことであるが、本願発明はまた、他の誘電材料の銅への接着、一時的または永久であろうとも、その接着性を改良することも含む。例えば、本発明は、銅と誘電性である半田マスクとの間の接着も改善する。同様に、インク、高分子性ホト−レジストおよびドライフィルムの銅接着性を改善する。また本発明は、高密度配線や逐次積み重ね技術の関連で使用される光画像形成性誘電材料や他の誘電材料に関連する応用も有する。
【0029】
一つの形では、本発明は基材の浸漬または他の暴露に直接に使用することができるそのまま使用できる(ready to use)接着促進用組成物である。他の形態では、本発明は希釈して浸漬または他の暴露のための組成物を形成できる濃縮物である。
【0030】
直ぐ使用できる(ready to use)例示の組成は次ぎのようなものである:
0.5〜8wt%の水
16〜25wt%のHSO
0.1〜10wt%のHNO
0.1〜2wt%の1,2,3−ベンゾトリアゾール
0.01〜5wt%のトリエチレングリコール
0.05〜2wt%の2−エチルオキソスルホン酸(ニアプルーフ 08)
0.0001〜2wt%のドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)
0.0001〜2wt%のポリオキシエチレン ノニルフェノール(テルギノール NP9)
40〜70wt%の脱イオン水
【0031】
濃縮物で供される場合、好ましい成分の割合は、上記の範囲と本質的に重複するのは、製品が使用の組成を処方するに、例えば50%の水で希釈されるからである。一つの態様では、濃縮物は以下の成分を有する:
32−50wt%のHSO
0.2〜20wt%のHNO
0.2〜4wt%の1,2,3−ベンゾトリアゾール
0.02〜10wt%のトリエチレングリコール
0.002〜4wt%の2―エチルオキソスルホン酸(ニアプルーフ 08)
0.0002〜4wt%のドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)
0.0002〜4wt%のポリオキシエチレン ノニルフェノール(テルギノール NP9)
H2O2は後で加えるので濃縮物には含まれない。この濃縮物は次いで、全体の溶液へと配合されて、それは約43wt%の濃縮物、約7wt%のH、および約50wt%の水である。
【0032】
例1
5個の例示のAからEの接着組成物が、表1記載のパーセントで成分を混合して調製された。
【0033】

【0034】
注:a)wt%は100%の例示組成基準である。b)N/Aは試験が行なわれなかったかまたは結果が得られなかったことを示す。
・ 塗装外観の評価の基準
・ 5=均一で濃い赤褐色
・ 4=かなり均一で濃い赤褐色
・ 3=かなり均一で赤褐色
2=均一ではなく、明るい赤褐色
【0035】
大きさ5インチx5インチx1ミル(12.7cm x 12.7cm x 25μm)の銅箔試料(試料AからE)を組成AからEでそれぞれ、約45〜60秒の間浸漬することにより処理し、有機金属転化被覆を形成した。基材は次いで洗浄して乾燥した。
【0036】
例2
試料A、CおよびEは370FRAプリプレグ材にプレスしてベーキングすることにより結合された。ミネソタ、セントポールの3M社から入手可能なリソグラファーのテープ#616を試料の銅側の面に接着させた。各テープの大きさは、約1/8インチx5インチ(0.3cmx12.7cm)であった。テープは、カリフォルニア、グラブのCECOから入手可能な剥離試験機(モデル TA620−30)を使用してプリプレグから銅箔を剥がす様に引っ張った。試料A、CおよびEの剥離強度はそれぞれ、5.58、6.32および7.0 lbs/inch(991、1131および1253グラム/cm)であった。この結果からオリゴマー性アルコール(トリエチレン グリコール)、硫酸化アニオン性界面活性剤(ニアプルーフ 08)およびスルホン化アニオン性界面活性剤(DDBSA)を用いた接着促進剤は最も良い接着を示すことがわかる。
【0037】
例3
試料は目視で被覆外観を評価し、そのランク付は濃さと不均一性の増大する順に1〜5をつけ、5は均一で濃赤褐色、4はかなり均一で濃赤褐色、3はかなり均一で赤褐色、2は不均一で薄い赤褐色に相当する。外観は表1に示すように格付けされ、最も良い塗装外観は、組成物DとEによるものであった。
【0038】
例4
組成物A、DおよびEは40−50g/LのCu++を加えて、周囲環境条件で120時間放置してスラッジの発生を試験した。生成したスラッジの容積は溶液全体の容積に対するパーセントとして表1に示した。この結果から、オリゴマー性アルコール(トリエチレングリコール)に配合は、実質的に銅充填に積極的な効果を付与することがわかる。特に、組成物が40と50g/リットル Cuイオンを充填されていても、周囲環境で120時間後でも約0.1容量%未満の銅含有スラッジが形成される程度である。
【0039】
例5
試料A、BおよびDについて有機抑制剤 1,2,3−ベンゾトリアゾール(BTA)の安定性の試験をした。UV Vis分光計分析から、約120時間後の有機抑制剤の%低下を表1に示す。より安定した性能は組成物Dである。
【0040】
例6
試料A、BおよびDについて塩化物安定性を堆積滴定法により試験した。120時間後の塩化物濃度のppm低下は、表1に示される。性能は互いに同様で、本発明の添加剤は塩化物安定性に否定的な効果は与えていない。
【0041】
例7
試料A、BおよびDについて容積滴定法により過酸化水素安定性の試験をした。120時間後の水素過酸化物の%低下を表1に示す。性能は互いに同様で、本発明の添加剤は水素過酸化物安定性に否定的な効果は与えていない。
【0042】
試料8
例1の接着促進用組成物AからEにより約45〜60秒の間浸漬により処理したドラム側面の処理済銅箔を、T260試験法(IPC−TM−650 セクション 2.2.24.1;電気回路の相互導通と封止研究所、イリノイ、ノースフォーク USA)に従い高温デラミネーション特性の試験をした。銅箔試料はDSTF(ドラム側面 処理済銅箔)であり、積層は370FR4 プリプレグである。この試験では、試料はTMA炉に載置されて、260℃にまで一定の温度上昇で加熱される。測定は、デラミネーションなどのような異常な現象変化を記録して行なわれる。260℃に達した後は、デラミネーションの起こる間での時間が測定される。この例では、時間は以下のように記録された。
試料A−16.87分
試料B−18.51分
試料C−15.50分
試料D−14.81分
試料E−16.11分
【0043】
例9
標準銅箔を例1の組成物Eで処理し、それは45〜60秒浸漬による処理で、その条件は組成物に銅が蓄積して充填が10g/l、30g/lおよび50g/lの使用となる状況を模擬するよう銅を添加して行われた。図1〜4は、2000xのSEM光学顕微鏡写真で、組成物Eによる処理の表面態様を示し、それぞれ無(0g/l)銅充填(図1)、10g/l充填(図2)、30g/l充填(図3)および50g/l充填(図4)である。これらの図は、表面形態は、少なくとも30g/lぐらいの高さでの銅充填で良好な接着レベルであることを示し、そして銅充填が0、10および30g/lの間では実質的な相違は見られないことも示す。
【0044】
例10
高温伸張銅箔が例1の組成物Eで処理され、それは45〜60秒浸漬による処理で、その条件は組成物に銅が蓄積して充填が10g/l、30g/lおよび50g/lの使用となる状況を模擬するよう銅を添加して行われた。図5〜8は、2000xのSEM光学顕微鏡写真で、組成物Eによる処理の表面態様を示し、それぞれ無(0g/l)銅充填(図5)、10g/l充填(図6)、30g/l充填(図7)および50g/l充填(図8)である。これらの図は、表面形態は、少なくとも30g/lぐらいの高さでの銅充填で良好な接着レベルであることを示し、そして銅充填が0、10および30g/lの間では実質的な相違は見られないことも示す。
【0045】
例11
標準銅箔を例1の組成物A、B、C、DおよびEで処理し、それは45〜60秒浸漬による処理である。図9〜13は、2000xのSEM光学顕微鏡写真で、これら5個の組成物による処理の表面態様をそれぞれ示す。
【0046】
例12
ドラム側面処理済銅箔(DSTF)を例1の組成物Eで処理し、それは45〜60秒浸漬による処理で、その条件は組成物に銅が蓄積して充填が10g/l、30g/lおよび50g/lの使用となる状況を模擬するよう銅を添加して行われた。図14〜17は、2000xのSEM光学顕微鏡写真で、組成物Eによる処理の表面態様を示し、それぞれ無(0g/l)銅充填(図14)、10g/l充填(図15)、30g/l充填(図16)および50g/l充填(図17)である。これらの図は、表面形態は、少なくとも30g/lぐらいの高さでの銅充填で良好な接着レベルであることを示し、そして銅充填が0、10および30g/lの間では実質的な相違は見られないことも示す。
【0047】
本発明の要素または好ましい態様を導入する際に、冠詞“a”、“an”、“the”、“said”は一つまたはそれ以上の要素があることを意味する。用語“からなる”、“含む”および“有する”は含むことを意図し、そして例示のもの以外に追加の要素があることを意味する。
以上は限られた数の態様に関連に、説明をするためである。本発明の範囲は添付の請求の範囲で画定され、そして本発明の範囲から逸脱しないが上述の態様の変形がある。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷回路基板の製造の際に銅伝導層と誘電体材料との間の接着を改善するための接着促進用組成物であって、前記接着促進用組成物は、腐食抑制剤、無機酸、酸化剤および該組成物中の銅充填を増大させるに有効なアルコールからなり、前記接着促進用組成物は酸化剤を不安定化する傾向を有する遷移金属を初めは実質的に含まないものである。
【請求項2】
アルコールは一価アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項3】
アルコールは一価アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項4】
アルコールはオリゴマー性アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項5】
アルコールはオリゴマー性アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項6】
アルコールは二価アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項7】
アルコールは二価アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項8】
アルコールはオリゴマー性二価アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項9】
アルコールはオリゴマー性二価アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項10】
アルコールは三価アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項11】
アルコールは三価アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項12】
アルコールはオリゴマー性三価アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項13】
アルコールはオリゴマー性三価アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項14】
アルコールは第一級アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項15】
アルコールは第一級アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項16】
アルコールはオリゴマー性第一級アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項17】
アルコールはオリゴマー性第一級アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項18】
アルコールは第二級アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項19】
アルコールは第二級アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項20】
アルコールはオリゴマー性第二級アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項21】
アルコールはオリゴマー性第二級アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項22】
アルコールは第三級アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項23】
アルコールは第三級アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項24】
アルコールはオリゴマー性第三級アルコールから選択される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項25】
アルコールはオリゴマー性第三級アルコールから選択され、その含量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項26】
アルコールがトリエチレングリコールである請求項1の接着促進用組成物。
【請求項27】
アルコールがトリエチレングリコールであり、その含量が組成物の約0.5wt%と約20wt%の範囲にある請求項1の接着促進用組成物。
【請求項28】
組成物は組成物1リットル当たり少なくとも約30グラムの銅を充填する能力を有する請求項1の接着促進用組成物。
【請求項29】
アルコールは一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール、一級アルコール、二級アルコール、三級アルコールから選択され、組成物は組成物1リットル当たり少なくとも約30グラムの銅を充填する能力を有する請求項1の接着促進用組成物。
【請求項30】
組成物が40と50g/リットル Cuイオンとの間の量で充填されていると、周囲環境条件で120時間後にCu含有スラッジの約0.1容量%未満が形成される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項31】
アルコールは一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール、一級アルコール、二級アルコール、三級アルコールから選択され、組成物が40と50g/リットル Cuイオンとの間の量で充填されていると、周囲環境条件で120時間後にCu含有スラッジの約0.1容量%未満が形成される請求項1の接着促進用組成物。
【請求項32】
さらにアニオン性界面活性剤を含む請求項1の接着促進用組成物。
【請求項33】
さらに高分子、オリゴマー性およびモノマー性アルコール誘導体から選択されるアニオン性界面活性剤を含む請求項1の接着促進用組成物。
【請求項34】
さらに硫酸、スルホン酸およびエトキシ化アルコールから選択されるアニオン性界面活性剤を含む請求項1の接着促進用組成物。
【請求項35】
アニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸を含む請求項1の接着促進用組成物。
【請求項36】
さらに非イオン性界面活性剤を含む請求項1の接着促進用組成物。
【請求項37】
非イオン性界面活性剤がエトキシ化アルコール誘導体である請求項36の接着促進用組成物。
【請求項38】
非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン ノニルフェノールである請求項36の接着促進用組成物。
【請求項39】
無機酸の含有量が組成物の少なくとも約30wt%である請求項1の接着促進用組成物。
【請求項40】
無機酸が硫酸と硝酸の混合物であり、その含有量が組成物の少なくとも約30wt%である請求項1の接着促進用組成物。
【請求項41】
さらにアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤を含み、ここで、無機酸が硫酸と硝酸の混合物であり、その含有量は組成物の少なくとも約30wt%であり;そしてアルコールは、一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール、第一級アルコール、第二級アルコールおよび第三級アルコールから選択され、その含有量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の間にある、請求項1の接着促進用組成物。
【請求項42】
組成物の銅充填能が、組成物に40と50g/リットル Cuイオンの間の充填量であると、周囲環境で120時間後に形成されるCu含有スラッジの量が約0.1体積%未満であることで特徴付けられる請求項41の接着促進用組成物。
【請求項43】
組成物は実質的にチオ尿素ベースの錯化剤を含まず、腐食抑制剤はベンゾトリアゾールであり、無機酸は硫酸と硝酸を含み、酸化剤は過酸化水素であり、アルコールはトリエチレングリコールであり、これらが次ぎの重量%である請求項1の接着促進用組成物。:
0.5〜8wt%のH
16〜25wt%のHSO
0.1〜10wt%のHNO
0.1〜2wt%の1,2,3−ベンゾトリアゾール
0.01〜5wt%のトリエチレングリコール
【請求項44】
組成物は実質的にチオ尿素ベースの錯化剤を含まず、腐食抑制剤はベンゾトリアゾールであり、無機酸は硫酸と硝酸を含み、酸化剤は過酸化水素であり、アルコールはトリエチレングリコールであり、これらが次ぎの重量%であり:
0.5〜8wt%のH
16〜25wt%のHSO
0.1〜10wt%のHNO
0.1〜2wt%の1,2,3−ベンゾトリアゾール
0.01〜5wt%のトリエチレングリコール;
そして組成物はさらに、以下を含む請求項1の接着促進用組成物。
0.05〜2wt%の2−エチルオキソスルホン酸
0.0001〜2wt%のドデシルベンゼンスルホン酸
0.0001〜2wt%のポリオキシエチレン ノニルフェノール。
【請求項45】
印刷回路基板の製造の際に銅伝導層と誘電体材料との間の接着を改善するための接着促進用組成物であって、前記接着促進用組成物は、腐食抑制剤、無機酸、酸化剤およびアニオン性界面活性剤からなり、前記接着促進用組成物は酸化剤を不安定化する傾向を有する遷移金属を初めは実質的に含まないものである。
【請求項46】
アニオン性界面活性剤が、高分子、オリゴマー性およびモノマー性アルコールの中から選ばれる請求項45の接着促進用組成物。
【請求項47】
アニオン性界面活性剤が硫酸アルコールエステル、スルホン酸アルコールエステルおよびエトキシ化アルコールから選ばれる請求項46の接着促進用組成物。
【請求項48】
アニオン性界面活性剤がドデシルベンゼンスルホン酸である請求項46の接着促進用組成物。
【請求項49】
アニオン性界面活性剤が硫酸2―エチルヘキシル ナトリウム塩(DDBSA)である請求項46の接着促進用組成物。
【請求項50】
無機酸が硝酸である請求項45の接着促進用組成物。
【請求項51】
印刷回路基板の製造の際に有機金属転化被覆の形成により銅伝導層と誘電体材料との間の接着を改善するための接着促進用組成物であって、前記接着促進用組成物は、腐食抑制剤、無機酸、酸化剤および非イオン性界面活性剤からなり、前記接着促進用組成物は酸化剤を不安定化する傾向を有する遷移金属を初めは実質的に含まないものである。
【請求項52】
非イオン性界面活性剤がエトキシ化アルコール誘導体である請求項51の接着促進用組成物。
【請求項53】
非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン ノニルフェノールである請求項52の接着促進用組成物。
【請求項54】
印刷回路基板の製造の際に有機金属転化被覆の形成により銅伝導層と誘電体材料との間の接着を改善するための接着促進用組成物であって、前記接着促進用組成物は、腐食抑制剤、無機酸およびノニルフェノール系非イオン性界面活性剤からなるものである。
【請求項55】
印刷回路基板の製造の際に銅伝導層と誘電体材料との間の接着を改善するための接着促進用組成物であって、前記接着促進用組成物は、腐食抑制剤、硝酸、および組成物中の銅充填を向上させるのに有効なアルコールからなるものである。
【請求項56】
前記組成物は、さらに酸化剤を含み、そして前記酸化剤を不安定化する傾向を有する遷移金属を初めは実質的に含まないものである。
【請求項57】
酸化剤が過酸化水素である請求項56の接着促進用組成物。
【請求項58】
前記組成物は実質的にチオ尿素ベースの錯化剤を含まない請求項57の接着促進用組成物。
【請求項59】
印刷回路基板の製造の際に銅伝導層と誘電体材料との間の接着を改善するための方法であって、前記方法は、銅伝導層を接着促進用組成物に接触させることからなり、前記組成物は、腐食抑制剤、無機酸、酸化剤および組成物中の銅充填を向上させるのに有効なアルコールからなり、ここで、前記接着促進用組成物は酸化剤を不安定化する傾向のある遷移金属を初めは実質的に含まないものであり、かくしてミクロ粗面化された銅表面が得られるものである。
【請求項60】
アルコールは、一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール、第一級アルコール、第二級アルコールおよび第三級アルコールから選択され、その含有量は組成物の約0.5wt%と約20wt%の間にある、請求項59の方法。
【請求項61】
ミクロ粗面化銅表面に直接にプリプレグ絶縁層を積層することを備える請求項60の方法。

【公表番号】特表2007−521632(P2007−521632A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507918(P2005−507918)
【出願日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/029382
【国際公開番号】WO2005/017229
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(501407311)エントン インコーポレイテッド (36)
【Fターム(参考)】