説明

印刷方法、印刷装置、及びプログラム

【課題】テストパターンの印字面積の縮小と濃度測定の高精度化の両立を図る。
【解決手段】第1の階調値の第1パッチと、第2の階調値の第2パッチと、第1パッチと第2パッチとの間に挟まれた複数のパッチであって、第1の階調値から第2の階調値までの間で連続的に階調値が変わる複数のパッチと、を含むテストパターンを、各パッチが所定方向に並ぶように媒体に形成することと、光学センサーによってテストパターンを所定方向に沿って読み取ることと、テストパターンの読み取り結果に基づいて濃度補正を行うことと、を有し、第1のパッチと第2のパッチは、所定方向の幅及び所定方向と交差する交差方向の幅が光学センサーのスポット径よりも大きく、複数のパッチは、それぞれ、交差方向の幅がスポット径よりも大きく、所定方向の幅がスポット径よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷方法、印刷装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の色を表現可能なカラープリンターが多く使用されている。このようなカラープリンターでは、色の再現性を向上させるためにカラーキャリブレーションが行われる。カラーキャリブレーションを行う際には、カラーキャリブレーション用のテストパターンが印刷される。そして、このテストパターンを測定して色空間における測定値を取得し、その結果に基づいてプリンターが出力する色のずれを補正するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-201845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなテストパターンには、プリンターで使用する各色について、それぞれ階調値を変えたパッチが複数形成される。そして、これらのパッチの階調値の読取結果に基づいて各色の補正値を取得している。このようなテストパターンにおいて、パッチサイズを小さくすると、パッチの階調値を読み取る際に、パッチ周囲の色(例えば紙の白色)の影響を受けて正確な値が読み取れないおそれがあった。特に光学センサーで測定をする場合、高い精度の測定は困難であった。一方、パッチサイズを大きくすると、テストパターン全体の面積が大きくなり、印字面積が増大するという問題があった。
そこで、本発明は、テストパターンの印字面積の縮小と濃度測定の高精度化の両立を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための主たる発明は、
第1の階調値の第1パッチと、第2の階調値の第2パッチと、前記第1パッチと前記第2パッチとの間に挟まれた複数のパッチであって、前記第1の階調値から前記第2の階調値までの間で連続的に階調値が変わる複数のパッチと、を含むテストパターンを、各パッチが所定方向に並ぶように媒体に形成することと、光学センサーによって前記テストパターンを前記所定方向に沿って読み取ることと、前記テストパターンの読み取り結果に基づいて濃度補正を行うことと、を有し、前記第1のパッチと前記第2のパッチは、前記所定方向の幅及び前記所定方向と交差する交差方向の幅が前記光学センサーのスポット径よりも大きく、前記複数のパッチは、それぞれ、前記交差方向の幅が前記スポット径よりも大きく、前記所定方向の幅が前記スポット径よりも小さい、ことを特徴とする印刷方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本実施形態における反射型光学センサーの構成を模式的に示す説明図である。
【図2】図2Aは、幅決定処理の一例を示すフロー図であり、図2Bは、補正値取得処理の一例を示すフロー図である。
【図3】本実施形態の幅決定用パターンの一例を示す図である。
【図4】本実施形態の補正値取得処理で形成されるテストパターンを示す概略図である。
【図5】テストパターンの測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0008】
[適用例1]第1の階調値の第1パッチと、第2の階調値の第2パッチと、前記第1パッチと前記第2パッチとの間に挟まれた複数のパッチであって、前記第1の階調値から前記第2の階調値までの間で連続的に階調値が変わる複数のパッチと、を含むテストパターンを、各パッチが所定方向に並ぶように媒体に形成することと、光学センサーによって前記テストパターンを前記所定方向に沿って読み取ることと、前記テストパターンの読み取り結果に基づいて濃度補正を行うことと、を有し、前記第1のパッチと前記第2のパッチは、前記所定方向の幅及び前記所定方向と交差する交差方向の幅が前記光学センサーのスポット径よりも大きく、前記複数のパッチは、それぞれ、前記交差方向の幅が前記スポット径よりも大きく、前記所定方向の幅が前記スポット径よりも小さい、ことを特徴とする印刷方法。
【0009】
このような印刷方法によれは、所定方向の端部に位置する第1パッチと第2パッチは光学センサーのスポット径よりも大きいので周りの影響を受けずに正確な値を測定できる。また、第1パッチと第2パッチで挟まれた複数のパッチは所定方向の幅がスポット径よりも小さく、また、連続的に階調値が変化するようになっている。これにより、細かい周期でサンプリングすることで、連続的な濃度データを取得できるので、光学センサーでも結果的に精度の高い測定を行なうことができる。よって、テストパターンの印字面積の縮小と濃度測定の高精度化の両立を図ることができる。
【0010】
[適用例2]第1の階調値の第1パッチと、第2の階調値の第2パッチと、前記第1パッチと前記第2パッチとの間に挟まれた複数のパッチであって、前記第1の階調値から前記第2の階調値までの間で連続的に階調値が変わる複数のパッチと、を含むテストパターンを、各パッチが所定方向に並ぶように媒体に形成することと、光学センサーによって前記テストパターンを前記所定方向に沿って読み取ることと、前記テストパターンの読み取り結果に基づいて濃度補正を行うことと、を有し、前記テストパターンは、複数色のインクについて、色毎にそれぞれ形成され、前記複数のパッチの数を、前記複数色のインクの色毎に変更してもよい。
【0011】
このような印刷方法によれは、第1パッチと第2パッチと複数のパッチとは、連続的に階調値が変化するようになっている。これにより、細かい周期でサンプリングすることで、連続的な濃度データを取得できるので、光学センサーでも結果的に精度の高い測定を行なうことができる。また、パッチの数を減らした分のインクや媒体の消費を低減できる。よって、テストパターンの印字面積の縮小と濃度測定の高精度化の両立を図ることができる。
【0012】
[適用例3]第1の階調値の第1パッチと、第2の階調値の第2パッチと、前記第1パッチと前記第2パッチとの間に挟まれた複数のパッチであって、前記第1の階調値から前記第2の階調値までの間で連続的に階調値が変わる複数のパッチと、を含むテストパターンを、各パッチが所定方向に並ぶように媒体に形成することと、光学センサーによって前記テストパターンを前記所定方向に沿って読み取ることと、前記テストパターンの読み取り結果に基づいて濃度補正を行うことと、を有し、前記テストパターンは、複数色のインクについて、色毎にそれぞれ形成され、前記第1の階調値、又は、前記第2の階調値の少なくとも一方を、前記複数色のインクの色毎に変更してもよい。
【0013】
このような印刷方法によれば、第1パッチと第2パッチと複数のパッチとは、連続的に階調値が変化するようになっている。これにより、細かい周期でサンプリングすることで、連続的な濃度データを取得できるので、光学センサーでも結果的に精度の高い測定を行なうことができる。また、テストパターンを形成しない階調値の分のインクや媒体の消費を低減できる。よって、テストパターンの印字面積の縮小と濃度測定の高精度化の両立を図ることができる。
【0014】
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の印刷方法であって、前記所定方向の幅及び前記交差方向の幅の少なくとも一方が段階的に変わる幅決定用パターンを形成することと、前記光学センサーによって前記幅決定用パターンを前記所定方向に沿って読み取ることと、前記幅決定用パターンの読み取り結果に基づいて、前記テストパターンの前記第1のパッチと前記第2のパッチの対応する幅をそれぞれ決定することと、を有することが望ましい。
このような印刷方法によれば、光学センサーで読み取るのに適した幅(周りの影響を受けることなく、できるだけ小さい値)を予め求めておけるので、余分な大きさのパッチを形成しなくてもよい。
【0015】
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の印刷方法であって、印刷に使用される複数色のインクのうち、前記光学センサーによる読取結果の変化の幅が最も小さい色以外の色のインクで前記幅決定用パターンを形成することが望ましい。
このような印刷方法によれば、階調値の読み取り精度を向上させることができる。
【0016】
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の印刷方法であって、前記媒体の種類に応じて、前記第1パッチ及び前記第2パッチの各幅を変更することが望ましい。
このような印刷方法によれば、媒体の厚さに応じて光学センサーの焦点距離およびスポット径が変わっても、読取精度を安定させることができる。
【0017】
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれかに記載の印刷方法であって、前記テストパターンは、複数色のインクについてそれぞれ形成され、前記複数のパッチの数を、色毎に変更してもよい。
このような印刷方法によれば、パッチの数を減らした分のインクや媒体の消費を低減できる。
【0018】
[適用例8]適用例1ないし適用例7のいずれかに記載の印刷方法であって、前記テストパターンは、複数のドットサイズ毎にそれぞれ形成されてもよい。
【0019】
[適用例9]適用例1ないし適用例8のいずれかに記載の印刷方法であって、前記テストパターンは、前記所定方向に複数並べて形成され、前記テストパターンが前記所定方向に並べられる数は、前記媒体の種類または前記媒体のサイズに応じて変わってもよい。
【0020】
[適用例10]適用例1ないし適用例9のいずれかに記載の印刷方法であって、前記テストパターンは、複数色のインクの各色についてそれぞれ形成され、前記複数のパッチの前記所定方向の幅を、色毎に変更してもよい。
このような印刷方法によれば、パッチの幅を狭くした分のインクや媒体の消費を低減できる。
【0021】
[適用例11]適用例1ないし適用例10のいずれかに記載の印刷方法であって、前記テストパターンは、複数色のインクについてそれぞれ形成され、前記第1の階調値、又は、前記第2の階調値の少なくとも一方を色毎に変更してもよい。
このような印刷方法によれば、テストパターンを形成しない階調値の分のインクや媒体の消費を低減できる。
【0022】
[適用例12]適用例1ないし適用例11のいずれかに記載の印刷方法であって、前記光学センサーで読み取られる前記テストパターンの階調値の数は、測色器で測色を行うためのパターンの階調値の数よりも多いことが望ましい。
【0023】
このような印刷方法によれば、測色器よりも多くの階調値を読み取ることで精度の向上を図ることができる。
【0024】
[適用例13]適用例1ないし適用例12のいずれかに記載の印刷方法であって、前記複数のパッチは、それぞれ、前記交差方向の幅が、前記光学センサーのサンプリング周期分の幅よりも大きいことが望ましい。
このような印刷方法によれば、複数のパッチのそれぞれの階調値の読み取り精度を向上させることができる。
【0025】
また、前述したような印刷方法を行うことを特徴とする印刷装置も明らかとなる。例えば、以下のような印刷装置も明らかとなる。
【0026】
[適用例14]インクを吐出するヘッドと、光学センサーと、前記ヘッドと前記光学センサーとを制御する制御部とを備え、前記ヘッドによって、第1の階調値の第1パッチと、第2の階調値の第2パッチと、前記第1パッチと前記第2パッチとの間に挟まれた複数のパッチであって、前記第1の階調値から前記第2の階調値までの間で連続的に階調値が変わる複数のパッチと、を含むテストパターンを、各パッチが所定方向に並ぶように媒体に形成し、前記光学センサーによって、前記テストパターンを前記所定方向に沿って読み取り、前記制御部によって、前記テストパターンの読み取り結果に基づいて行われた濃度補正の結果に基づいて印刷が行われ、前記第1のパッチと前記第2のパッチは、前記所定方向の幅及び前記所定方向と交差する交差方向の幅が前記光学センサーのスポット径よりも大きく、前記複数のパッチは、それぞれ、前記交差方向の幅が前記スポット径よりも大きく、前記所定方向の幅が前記スポット径よりも小さい、ことを特徴とする印刷装置。
【0027】
また、前述したような印刷方法をコンピューターに実行させることを特徴とするプログラムや、それを記録した媒体であって、コンピューターにより読み取り可能な媒体も明らかとなる。
【0028】
===第1実施形態===
<<プリンターについて>>
本実施形態のプリンターは、インク滴を用紙上に吐出させて画像を形成するプリンターである。また、本実施形態のプリンターは、複数色のインクを吐出するノズルを備えたヘッドを有している。そして、印刷媒体(例えば用紙など)を断続的に搬送方向(特許請求の範囲における交差方向に相当する。)に搬送する搬送動作と、搬送方向とは直交する方向(以下、移動方向ともいう。特許請求の範囲における所定方向に相当する。)にヘッドを移動させながらインクを吐出するドット形成動作(以下、パスともいう)を交互に繰り返し行う。これにより、印刷媒体に着弾したインクの集合により画像が形成される。本実施形態のプリンターは、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(LM)、イエロー(Y)、ブラック(K)、及びライトブラック(LK)の7種類のインクを吐出可能となっている。
【0029】
なお、ここでは、上述の7色のインクを使用することとしているが、色の種類はこれに限られない。また、使用するインクは顔料からなる色材を混合した顔料インクであってもよいし、染料からなる色材を混合した染料インクであってもよい。
【0030】
このようなプリンターでは、ヘッドは移動方向に移動可能なキャリッジに設けられている(後述する図4参照)。また、本実施形態では、キャリッジに後述する反射型光学センサー(以下、単に光学センサーともいう)が設けられている。このため、キャリッジが移動方向に移動すると、ヘッド及び光学センサーも移動方向に移動する。光学センサーは、ヘッドよりも搬送方向の下流側に位置するようにキャリッジに設けられている。よって、キャリッジが移動方向(主走査方向ともいう)に移動する際、光学センサーは、ヘッドによって形成された画像(パターン)の上を移動方向に沿って移動することになる。
【0031】
<<光学センサーの構成例>>
図1は、本実施形態における光学センサーの構成を模式的に示す説明図である。本実施形態では、光学センサーとして、照射光が印刷媒体(ここでは用紙S)の表面に対し斜めに照射されるように発光部の向きが設定されている構成のものを用いている。なお、これには限られず、照射光が印刷媒体の表面に対し垂直に照射されるように発光部の向きが設定されているものを用いてもよい。
【0032】
図1に示す本実施形態の光学センサー10は、発光部10aと受光部10bとを備えている。本実施形態においては、受光部10bとして、主に反射光の拡散反射成分を受光するための受光部が一つ設けられた例を示しているが、このほかに、主に反射光の正反射成分を受光するための別の受光部を設けた構成としてもよい。
【0033】
発光部10aは、印刷媒体(用紙S)に向けて光を照射するための発光装置である。発光部41aには、発光ダイオード、レーザーダイオード、白熱電球等の任意の発光装置を用いることができる。なお、発光部41aからの照射光の焦点が用紙Sの表面に合わせられたときに、当該照射光により用紙Sが照射される領域のことをスポットという。また、このスポットの直径のことをスポット径という。
受光部10bは、用紙Sにより反射された反射光を検出して電気的信号に変換する光電変換装置である。受光素子としては、フォトダイオード、フォトトランジスタ等を用いることができる。
【0034】
本実施形態のように、主に拡散反射成分を受光する場合、受光部10bの位置は、発光部10aに対し正反射の位置にないことが望ましい。例えば、図1に示すように、発光部10aからの照射光が用紙Sの表面に対し斜めに照射されるように発光部10aの向きを設定すると共に、用紙Sの表面に対し垂直な反射光を検出するように受光部10bの向きを設定するとよい。また、例えば、前述したように、発光部10aからの照射光が用紙Sの表面に対し垂直に照射されるように発光部10aの向きを設定すると共に、用紙Sの表面から斜めに反射された反射光を検出するように受光部10bの向きを設定するようにしてもよい。
【0035】
以上の構成により、発光部10aから出射された照射光は、用紙Sにより反射され、その反射光の拡散反射成分が受光部10bに到達する。この反射光の強度は、用紙Sの反射位置における色濃度に依存する。受光部10bは、反射光の強度に応じた電気的信号を発生し、出力信号として不図示のコントローラーに出力する。したがって、光学センサー10は、用紙S上に形成されたパターンの濃度を読み取る(言い換えると読取階調値を取得する)手段として機能する。
【0036】
このような光学センサー10は、測色器と比べてサンプリング周期を細かく設定することができるという特徴がある。
【0037】
<<濃度のキャリブレーションについて>>
プリンターでは、個体間で少しずつ色の出力特性が異なっている。これを補正して、プリンターの色の再現性を向上させるために濃度のキャリブレーション(階調補正)が行われる。濃度のキャリブレーションを行うときには、テストパターンが印刷される。テストパターンには、プリンターで使用する各色(インク色)について、それぞれ階調値を変えたパッチが複数形成される。そして、その各パッチの階調値の読取結果に基づいて各色の階調値について、濃度補正するための補正値(以下、濃度補正値ともいう)を取得している。
【0038】
ここで、例えば、前述したような光学センサー10で測定を行う場合、より精度の高い測定をしようとすると、測定する階調数を多くする必要がある。具体的には、測色器で測色するためのパターンの階調数が例えば33階調である場合、光学センサー10で測色器と同等の精度を得るためには、例えば125階調の階調数が必要になる。このため、印字するパッチ数が多くなり、テストパターンを印字するのに必要な面積が大きくなるという問題がある。
【0039】
一方、印字面積を小さくするため、テストパターンの各パッチのサイズを小さくすると、例えば、用紙Sの印刷していない部分(白色)の影響を受け、測定値がずれるおそれがある。つまり、精度の高い測定が行えないというおそれがある。
【0040】
そこで、本実施形態では、以下に示すように、テストパターンの形状の設定によって、印字面積を抑えつつ、光学センサー10により精度の高い測定を行えるようにしている。
【0041】
<<本実施形態の濃度のキャリブレーション>>
本実施形態では、濃度のキャリブレーションを行う場合に、幅決定処理と、補正値取得処理の2つの処理が行われる。なお、幅決定処理とは、テストパターンの端部のパッチのサイズを決める処理のことである。また補正値取得処理とは、幅決定処理で定められたサイズのテストパターンを印刷し、そのテストパターンの濃度を光学センサー10で測定することにより濃度補正値を算出する処理のことである。なお、本実施形態では、テストパターンを、連続的に階調値が変化するグラデーション形式にしている。そして、光学センサー10により細かい周期でサンプリングした連続的な濃度データを取得することで、結果的に精度の高い測定を行えるようにしている。以下、各処理について説明する。なお、以下に示す動作の主体は主にプリンターのコントローラー(制御部)である。コントローラーは、不図示のメモリー等に記憶されたプログラムに従って、プリンターの各ユニットを制御して、以下の各処理を実行する。
【0042】
<幅決定処理>
図2Aは、幅決定処理を示すフロー図である。また図3は、本実施形態の幅決定用パターンの一例を示す図である。なお、本実施形態では以下に示す幅決定の処理をプリンターの製造工場の検査工程で行うこととする。
【0043】
まず、用紙Sがプリンターにセットされる。コントローラーは、用紙Sを印刷領域まで搬送させた後、前述したヘッドの移動の際にヘッドからブラックインクを吐出させて、幅決定用パターンを用紙Sに印刷する(S101)。本実施形態の幅決定用パターンは、図3に示すように、白色(ドット形成なし)領域と、黒色(ドット形成有り)領域の各パターンが移動方向に交互に並ぶ市松模様になっている。これらの各パターンにおいて、搬送方向の幅(y)は一定であり、移動方向の幅(x)は段階的に異なっている。より具体的には、図の右側ほどパターンの幅が大きくなっている(x<x<x・・・・<x)。なお、本実施形態では、前述した7色のインクのうちブラック(K)のインクを用いている。これは、黒色の変化の幅(すなわち最大値と最小値との差)が他の色の変化の幅よりも大きいため、読み取り精度が良いからである。なお、本実施形態ではブラックを用いたが、これには限られずブラック以外の色(例えばシアン)で図3のパターンを印刷してもよい。ただし、最も変化の幅の小さい色(例えばイエロー)以外で幅決定用パターンを形成することが望ましい。
【0044】
用紙Sに形成された幅決定用パターンが光学センサー10と対向する位置まで搬送されると、コントローラーは、幅決定用パターンを光学センサー10に読み取らせる(図2A、S102)。そして、その読み取り結果から、隣接する白領域、及び黒領域を、それぞれ互いに影響を受けずに読み取ることが可能なパッチ幅(移動方向の幅x)を決める(S103)。こうして、決定したパッチ幅をメモリーなどに記憶させる(S104)。
【0045】
上記では、搬送方向の幅(y)が固定で、移動方向の幅(x)が段階的に異なる市松模様のパターンを形成し、移動方向の幅(x)の最適値を決めていたが。搬送方向についても同様にして最適値を決めることが出来る。具体的には、移動方向の幅(x)が固定で、搬送方向の幅(y)が段階的に異なる幅決定用パターン(不図示)を印刷し、光学センサー10で読み取るようにすればよい。この場合も同様にして、最適なパッチ幅(y)を決めることができる。また、搬送方向の幅(y)と移動方向の幅(x)が共に段階的に異なるような市松模様のパターンを形成するようにしてもよい。光学センサー10による幅決定用パターンの読み取り結果に基づいて、周囲からの影響を受けない移動方向の幅x、及び、搬送方向の幅yが定められる。本実施形態では、光学センサー10のスポット径が3mmであり、図3のパターン等の読み取り結果によって、移動方向の幅(x)は5mm、搬送方向の幅(y)は8mmと設定されている。つまり、x、yともに光学センサー10のスポット径よりも大である。
【0046】
また、前述した処理は、補正値取得処理を行う用紙Sの種類ごとに設定するのが望ましい。これは用紙Sの種類によって紙厚が変わり、光学センサー10からの光の焦点距離が変わる(すなわちスポット径が変わる)おそれがあるからである。用紙Sの種類に応じてx、yの幅を変更することで、紙厚に応じて焦点距離が変わっても、読取精度を安定させることができる。
【0047】
なお、本実施形態では、上述した幅決定の作業をプリンターの製造工場の検査工程で行うこととしていたが、これには限られない。例えば、キャリブレーションの事前設定としてユーザー側で行うようにしてもよい。この場合、後述する補正値取得処理において、ユーザーが用紙Sの種類とサイズを決めた後、幅決定処理を行うようにしてもよい。
【0048】
<補正値取得処理>
図2Bは、本実施形態の補正値取得処理の一例を示すフロー図である。また、図4は、本実施形態の補正値取得処理で形成されるテストパターンを示す概略図である。また、図4の上の図は、ある色(ここではシアン)のパターンを拡大して表したものである。図のxとyはそれぞれ前述した幅決定処理で決定された値であって、前述したように、本実施形態ではx=5mm、y=8mmである。また、両端のパッチの中に示す点線の丸は光学センサー10のスポットの大きさを示している。本実施形態ではスポットの直径(すなわちスポット径)は3mmである。また、このパターンには図のように階調値ごとにパッチが形成されている。例えば図のP1は、入力階調値が1のパッチ(特許請求の範囲における第1の階調値の第1パッチに相当する。)を示しており、P255は入力階調値が255のパッチ(特許請求の範囲における第2の階調値の第2パッチに相当する。)を示している。両端のパッチ(P1、P255)に挟まれたパッチP2〜P254(特許請求の範囲における複数のパッチに相当する。)は、連続的に入力階調値が変化するパッチであり、搬送方向の幅はyと同じであり、移動方向の幅はxよりも小さい値が設定される。より具体的には、パッチP2〜P254の移動方向の幅は、光学センサー10のスポット径よりも小さい(例えば1mmである)。このため移動方向にパッチを多数並べても、印字面積が大きくなるのを抑制することができる。
【0049】
このようなパターンがインク色ごと、及びドットサイズ(小ドット、中ドット、大ドット)毎に用紙Sに形成されている。なお、図において各色のパターンに記した記号はインク色を示しており、括弧の中はドットサイズを示している。例えば、C(小)はシアンの小ドットのパターンであり、K(大)はブラックの大ドットのパターンである。なお、本実施形態では、パターンが、ドットサイズ毎に用紙Sに形成されているが、複数のドットサイズが混在した状態で形成されても良い。また、移動方向に6つのテストパターンを並べて配置しているが、これには限られず、用紙Sの種類やサイズに応じて、適宜並べる数を変えるようにしても良い。例えば、移動方向に6つ以上のパターンを並べてもよい。さらに、P1及びP255のサイズに応じて、P2〜P254のサイズを変えるようにしてもよい。このようにすることで、出来るだけ移動方向に多くのパターンを配置することができ、搬送方向に必要な用紙Sの量を少なくすることができる。
【0050】
次に、補正値取得処理の動作について説明する。
まず、印刷対象画像を印刷する前に、ユーザーによって用紙Sがプリンターにセットされ、コンピューターのユーザーインターフェイスなどを介して、ユーザーから用紙Sの種類とサイズが指定される(S201)。コントローラーは、ユーザーから指示された条件にて、ヘッドを移動方向に移動させつつインクを吐出するパスと用紙Sを搬送方向に所定量搬送する搬送動作を交互に行ない、印刷対象画像の入力階調値により用紙Sに前述したようなテストパターンの印刷を行う(S202)。次に、用紙Sに印刷されたテストパターンが光学センサー10と対向する位置まで搬送されると、コントローラーは、ヘッドの移動の際に光学センサー10に、テストパターンを読み取らせる(S203)。このように光学センサー10によって濃度の測定(検出)を行なう(すなわち、読取階調値を得る)。次に、光学センサー10が検出した濃度に基づいて、印刷した色のずれ量(入力階調値と読取階調値の差)を求める。次に、このずれ量を補正するための補正値を定めた変換テーブルを作成し(S204)、プリンターのメモリーなどに記憶させる(S205)。そして、用紙Sに印刷対象画像を印刷する際には、この変換テーブルを用いてずれ量を補正(すなわち入力階調値を変更)しつつ印刷を行う。こうすることによって、適切な色で印刷を行うことができるようになる。
【0051】
<測定結果について>
本実施形態のテストパターンを用いたキャリブレーションでは、移動方向について、P2〜P254のそれぞれのパッチの幅が光学センサー10のスポット径よりも小さいが、光学センサー10で移動方向に沿って、細かい周期でサンプリングした連続的な濃度データを取得することで、光学センサー10により精度の高い測定を行えるようにしている。
【0052】
図5は、テストパターンの測定結果を示す図である。ここでは、YMCKの4色についての測定結果を色ごとに示している。図において、横軸は、各パターンにおける移動方向の位置(測定位置)を示し、縦軸は測定値(階調値)を示している。なお、測定値は、用紙Sに照射した光の反射率に相当する。また、図のαで示す領域は、P1のパッチ内にスポット径が含まれる範囲であり、γで示す領域は、P255のパッチ内にスポット径が含まれる範囲である。また、βで示す領域は、グラデーション部分(P2〜P254)である。すなわち、P1のパッチからP255のパッチへかけて、反射率が下がっている、すなわち、パッチの濃度が増している様子を示している。なお、図のαおよびβより外側の領域は、テストパターンの周りの影響(すなわち、隣のテストパターンや紙地の影響)を受けている。
【0053】
図からわかるように、両端部分(P1、P255)の測定値は各色とも安定しており、その間のβの領域では滑らかに測定値が変化している。また、色毎に測定値の変化の幅(最大値と最小値との差)が異なることがわかる。具体的には、黒が最も変化の幅が大きく、シアン、マゼンダ、イエローの順で変化の幅が小さくなっている。このように、本実施形態のテストパターンを形成することによって、光学センサー10により細かいサンプリング周期で連続的にサンプリングした濃度データを出力するので、精度の高い測定を行うことができる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態では、テストパターンの移動方向の両端部(すなわち最低階調値と最高階調値)のパッチが光学センサーのスポット径よりも大きくなるように形成されている。また、その間の複数のパッチは、移動方向の幅が光学センサー10のスポット径よりも小さく、連続的に階調値が変わるように設定されている。このようなパターンを形成して濃度の測定を行うことで、光学センサー10により、細かいサンプリング周期でサンプリングした連続的な濃度データを取得するので、結果的に、高い精度で濃度の測定を行うことができる。これにより、テストパターンの印字面積の縮小と濃度測定の高精度化の両立を図ることができる。
【0055】
===その他の実施の形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0056】
<プリンターについて>
前述の実施形態では、装置の一例としてプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
【0057】
また、前述の実施形態では、インクを吐出することによって画像を印刷するプリンター(いわゆるインクジェットプリンター)を例に挙げて説明していたが、複数色のトナーを使用して媒体上に画像を形成するカラーレーザープリンターであってもよい。
【0058】
<インクの吐出方式について>
ノズルからインクを吐出する吐出方式は、圧電素子(ピエゾ素子)を用いてインクを吐出する方式でもよいし、熱によりノズル内に泡を発生させる方式でもよい。また、他の方式を用いてもよい。
【0059】
<インクについて>
前述した実施形態では、7種のインクを用いていたが、これ以外のインクを用いても良い。例えばメタリックインクを用いてもよい。なお、メタリックインクとは、印刷物がメタリック感を発現するインクであり、このようなメタリックインクとしては、例えば、金属顔料と有機溶剤と樹脂とを含む油性インク組成物を用いることができる。視覚的に金属的な質感を効果的に生じさせるためには、前述の金属顔料は、平板状の粒子であることが好ましく、この平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすことが好ましい。このような金属顔料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金によって形成することができ、また、金属蒸着膜を破砕して作成することも可能である。メタリックインクに含まれる金属顔料の濃度は、例えば、0.1〜10.0重量%とすることができる。もちろん、メタリックインクはこのような組成に限らず、メタリック感が生じる組成であれば他の組成を適宜採用することが可能である。
【0060】
なお、このようなメタリックインクを用いてテストパターンを形成する場合、濃度が濃い領域でほとんど階調値が変化しなくなる。さらに、濃度が濃い領域において、インクの打ち込み量と、濃度との関係が反転することもある。このため、メタリックインクを用いる場合、濃度の濃い部分を使用せずに、パッチの数を、前述した実施形態の場合(階調値1〜255)よりも少なくすることが望ましい。例えば、階調値を1〜60程度にするのが望ましい。このようにすることで、テストパターンを形成しない階調値の分のインクや用紙の消費を低減することができる。この場合、入力階調値が1のパッチと入力階調値が60のパッチの移動方向の幅が光学センサー10のスポット径よりも大きく、入力階調値が2〜59のパッチの移動方向の幅が光学センサー10のスポット径よりも小さくしてもよい。また、階調値61〜255については、補間により濃度補正値を求めてもよい。また、形成するパッチの階調値を255までとしないのは、メタリックインクを用いたテストパターンだけに限るものではなく、印刷に用いる補正値を測定結果から取得できない理由があれば、他の色であってもよい。
【0061】
<光学センサーについて>
前述した実施形態では、光学センサー10は、発光部10aと受光部10bをともに含んで形成されていたが、これには限られない。例えば、光学センサー10を、発光機器と受光機器のように別体として構成するようにしてもよい。この場合、キャリッジにおいて発光機器と受光機器をそれぞれ別々に設けるようにすればよい。
【0062】
また前述した実施形態では、テストパターンの各パッチを移動方向に沿って形成し、ヘッドの移動の際にテストパターンの各パッチを細かい周期でサンプリングしたが、テストパターンの各パッチを搬送方向に沿って形成し、用紙の搬送の際にテストパターンの各パッチを細かい周期でサンプリングしてもよい。この場合、前述した実施形態のいわゆるシリアル走査のプリンターだけでなく、例えば、固定したヘッドに対して用紙を搬送しつつ画像を形成する、いわゆるライン走査のプリンターにおいても用いることができる。また、用紙の搬送速度とヘッドの移動速度のうち、速度の速い方向に沿ってテストパターンの各パッチを移動方向に沿って形成することで、各パッチの階調値の読取を高速化できる。
【0063】
<テストパターンの幅について>
図4では、色に関わらずに各テストパターンの幅(移動方向の長さ)が同じであったが、色に応じてパッチP2〜P254の幅を変えても良い。例えば変化の幅の低いイエローのパッチ幅を最も大きくし(例えば2mmである)、それ以外の色はイエローのパターンのパッチ幅よりも短くするようにしてもよい(例えば1mmである)。このようにすることで、色に応じて読取精度を安定させることができるとともに、パッチの幅を狭くした分のインクや媒体の消費を低減できる。
【0064】
また、パッチの数(すなわち、階調値の数)を変えることでテストパターンの幅を変えてもよい。すなわち、色毎のテストパターンの測定結果について、テストパターンの両端部分の測定値が大きく変化する色ほど、パッチの数を多くしてもよい。例えば、テストパターンの両端部分の測定値の差が第1となる色の第1のテストパターンと、第1よりも小さい第2となる色の第2のテストパターンとについて、第1のテストパターンのパッチ数が、第2のテストパターンのパッチ数よりも多くてもよい。あるいは、イエローは256階調で、他の色は2階調おきの128階調のようにしてもよい。このようにすることで、パッチの数を減らした分のインクや用紙の消費を低減することができる。
【0065】
<両端部分のパッチについて>
前述した実施形態では、パターンの両端が同じサイズであったが、同じでなくてもよく、それぞれ光学センサー10のスポット径よりも大きければよい。
【0066】
また、本実施形態では両端のパッチP1及びP255はそれぞれ同一の階調値で形成されることとしていたが、これには限られず、例えばP1として近い階調値(階調値1と階調値2など)で形成される領域が移動方向に交互に並ぶようなパッチであってもよい。P255の場合も同様である。このようにしても、実質的に同一の階調値とみなすことができるので、同様に精度良く濃度を測定することができる。
【0067】
<両端のパッチに挟まれたパッチについて>
前述した実施形態では、光学センサー10のサンプリング周期とヘッドの移動速度とから、パッチP2〜P254の移動方向の幅は1mmとしたが、パッチP2〜P254の移動方向の幅はこれに限られない。パッチP2〜P254のそれぞれの移動方向の幅はサンプリング周期分の幅だけあればよく、例えばヘッドの移動速度に応じて移動方向の幅を変えてもよい。また、移動方向の幅が光学センサー10のスポット径よりも小さければ、サンプリング周期分の幅よりも大きくし、それぞれのパッチについて複数回サンプリングしてもよい。このようにすることで、パッチP2〜P254について精度良く濃度を測定することができる。
【0068】
<測色器について>
前述した実施形態では、キャリッジに光学センサーが設けられていたが、それに加え、測色器をキャリッジに設けたり、プリンターに設けたりして、カラーキャリブレーションを行っても良い。この場合、前述した実施形態における光学センサーによる濃度のキャリブレーションを行うためのテストパターンのパッチの数(すなわち、階調値の数)を、測色器によるカラーキャリブレーションを行うためのテストパターンのパッチの数(すなわち、階調値の数)よりも多くしても良い。このようにすることで、光学センサーによる濃度のキャリブレーションを精度よく行うことができる。
【符号の説明】
【0069】
10 光学センサー、10a 発光部、10b 受光部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の階調値の第1パッチと、第2の階調値の第2パッチと、前記第1パッチと前記第2パッチとの間に挟まれた複数のパッチであって、前記第1の階調値から前記第2の階調値までの間で連続的に階調値が変わる複数のパッチと、を含むテストパターンを、各パッチが所定方向に並ぶように媒体に形成することと、
光学センサーによって前記テストパターンを前記所定方向に沿って読み取ることと、
前記テストパターンの読み取り結果に基づいて濃度補正を行うことと、
を有し、
前記第1のパッチと前記第2のパッチは、前記所定方向の幅及び前記所定方向と交差する交差方向の幅が前記光学センサーのスポット径よりも大きく、
前記複数のパッチは、それぞれ、前記交差方向の幅が前記スポット径よりも大きく、前記所定方向の幅が前記スポット径よりも小さい、
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷方法であって、
前記所定方向の幅及び前記交差方向の幅の少なくとも一方が段階的に変わる幅決定用パターンを形成することと、
前記光学センサーによって前記幅決定用パターンを前記所定方向に沿って読み取ることと、
前記幅決定用パターンの読み取り結果に基づいて、前記テストパターンの前記第1のパッチと前記第2のパッチの対応する幅をそれぞれ決定することと、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷方法であって、
印刷に使用される複数色のインクのうち、前記光学センサーによる読取結果の変化の幅が最も小さい色以外の色のインクで前記幅決定用パターンを形成する
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の印刷方法であって、
前記媒体の種類に応じて、前記第1パッチ及び前記第2パッチの各幅を変更する
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の印刷方法であって、
前記テストパターンは、複数色のインクについてそれぞれ形成され、
前記複数のパッチの数を、色毎に変更する、
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
請求項1〜4の何れかに記載の印刷方法であって、
前記テストパターンは、複数色のインクの各色についてそれぞれ形成され、
前記複数のパッチの前記所定方向の幅を、色毎に変更する、
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の印刷方法であって、
前記テストパターンは、複数色のインクについてそれぞれ形成され、
前記第1の階調値、又は、前記第2の階調値の少なくとも一方を色毎に変更する
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の印刷方法であって、
前記光学センサーで読み取られる前記テストパターンの階調値の数は、測色器で測色を行うためのパターンの階調値の数よりも多い
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載の印刷方法であって、
前記複数のパッチは、それぞれ、前記交差方向の幅が、前記光学センサーのサンプリング周期分の幅よりも大きい
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかの印刷方法を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかの印刷方法をコンピューターに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−39826(P2013−39826A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−104695(P2012−104695)
【出願日】平成24年5月1日(2012.5.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】