説明

印刷用凸版及びその印刷用凸版を用いた電子デバイスの製造方法並びに有機エレクトロルミネッセンス素子

【課題】発光輝度ムラのない有機EL素子を製造できる印刷用凸版およびこの凸版を用いた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法を提供すること。
【解決手段】印刷用凸版12は凸部パターン領域201を有している。凸部パターン領域201は、接触面に塗布されたインキが被転写基板に転写され始める転写開始領域と、前記転写が終了される転写終了領域とを有している。スペーサ用凸部205は、基材200上で転写終了領域の近傍に設けられている。スペーサ用凸部205は、凸部パターン領域201を構成する凸部より該凸部の突出方向に対して高さが高く形成されている。スペーサ用凸部205は、被転写基板に接触して凸部パターン領域201の端部の印圧を下げ凸部パターン領域201の端部による被転写基板上へのインクの膜厚化を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスを凸版印刷法によって作製するために用いられる印刷用凸版、該印刷用凸版を用いた電子デバイスの製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、有機EL素子は、二つの対向する電極基板の間に、有機発光材料からなる有機発光層を形成し、有機発光層に電流を流すことにより発光させるものであるが、効率良く発光させるには、有機発光層の膜厚のコントロールが重要であり、例えば膜厚100nm程度に極めて薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには、高精細にパターニングする必要がある。
【0003】
基板等に形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は、基板に抵抗加熱蒸着法(真空蒸着法)等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほど、パターニング精度が出難いという問題がある。
【0004】
一方、高分子系発光材料を用いてフルカラー化するために有機発光層をパターニングする手段としては、主にインキジェット法によるパターン形成方法と、印刷版を用いたパターン形成方法が提案されている。
【0005】
インキジェット法によるパターン形成方法は、インキジェットノズルから溶剤に溶かした発光層形成用材料を基板上に噴出させ、基板上で乾燥させることで所望のパターンを得る方法である(特許文献1)。しかしながら、ノズルから噴出されたインキ液滴は球状をしている為、基板上に着弾する際にインキが円形状に広がり、形成されたパターンの形状が直線性に欠けたり、あるいは着弾精度が悪くなってパターンの直線性が得られないという問題点がある。
【0006】
これに対し、例えば予め基板上にフォトリソグラフィなどにより撥インキ性のある材料でバンクを形成し、そこにインキ液滴を着弾させることで、バンクの部分でインキをはじかせ、直線性のパターンを得られるようにした方法が開示されている(特許文献2)。しかし、バンクの部分ではじかれたインキが画素内に戻るときに画素内部で盛り上がり、画素内の有機発光層の膜厚にばらつきができてしまうという問題がある。
【0007】
そこで、低分子系有機発光材料にかえて、高分子系有機発光材料を溶剤に溶解あるいは分散させてインキ化し、このインキを用い、凸版印刷法、反転印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法によりパターニングする方法が提案されている。特に凸版印刷による方法はパターン形成精度、膜厚均一性などに優れ、印刷による有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法として適している。
【0008】
さらに、有機EL素子やディスプレイでは、基板としてガラス基板を用いることが多いため、各種印刷法の中でも、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きである。そのために、弾性を有するゴム製の印刷版を用いた印刷法や、ゴム製の印刷用ブランケットを用いたオフセット印刷法や、弾性を有するゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法等が適性な印刷法として採用することができる。実際に、これらの印刷法の試みとして、オフセット印刷によるパターン印刷方法、凸版印刷によるパターン印刷方法などが提唱されている(特許文献3、4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
以下に公知の文献を記す。
【特許文献1】特開平10−12377号公報
【特許文献2】特開2002−305077号公報
【特許文献3】特開2001−93668公報
【特許文献4】特開2001−155858公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら印刷法による有機層の形成において、版から基板への転写時インキが新たに着液する方向へ向かって押し出されるため、被印刷領域の印刷開始側より終了側のほうが膜厚が厚くなる。そのため、この膜厚バラツキに依存する有機EL素子の発光輝度ムラが生じるといった問題がある。
【0011】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは有機層の成膜において均一な膜形成を行ない、発光輝度ムラのない有機EL素子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために本発明の要旨は、複数の凸部を有し、各凸部の突出方向の先端が、有機電子材料を主成分として含むインキが塗布される接触面として形成され、前記接触面に塗布された前記インキを凸版印刷法によって被転写基板に転写することで前記被転写基板上に被転写部を形成する印刷用凸版であって、前記接触面の凸部以外に、該凸部より凸部の突出方向に対して高さの高い凸部を備えたことを特徴とする印刷用凸版とした。
すなわち請求項1にかかる発明としては、複数の凸部が形成された凸部パターン領域を有し、各凸部の突出方向の先端が、有機電子材料を主成分として含むインキが塗布される接触面として形成され、前記接触面に塗布された前記インキを凸版印刷法によって被転写基板に転写することで前記被転写基板上に被転写部を形成する印刷用凸版であって、前記凸部パターン領域の外側で該凸部パターン領域の端部の近傍に、前記凸部より該凸部の突出方向に対して高さが高く、前記被転写基板に接触して前記凸部パターン領域の端部の印圧を下げ該凸部パターン領域の端部による前記被転写基板上へのインクの膜厚化を抑制するスペーサ用凸部を備えたことを特徴とする印刷用凸版とした。
請求項2にかかる発明としては、前記凸部パターン領域は、基材上に設けられ、前記凸部パターン領域は、前記接触面に塗布された前記インキが前記被転写基板に転写され始める転写開始領域と、前記転写が終了される転写終了領域とを有し、前記スペーサ用凸部は、前記基材上で前記転写終了領域の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1記載の印刷用凸版とした。
請求項3にかかる発明としては、請求項1または請求項2記載の印刷用凸版を用い、該凸版にインキを供給する工程と、塗工液を被転写体に転写する工程とを有することを特徴とする電子デバイスの製造方法とした。
請求項4にかかる発明としては、前記電子デバイスが有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項3記載の電子デバイスの製造方法とした。
請求項5にかかる発明としては、請求項4記載の電子デバイスの製造方法により作製されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子とした。
請求項6にかかる発明としては、請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイとした。
【発明の効果】
【0013】
本発明において、版のパターンの印刷終了部近傍に版の凸部より高さ方向に長いスペーサ用凸部を設けることで、従来印刷法では厚膜傾向にある印刷終了部の印圧を低下、厚膜化を軽減し、有機層の画素パターン部における面内ばらつきを低減させ、発光輝度ムラのない有機EL素子の製造が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明の有機EL素子の断面模式図である。
【図2】図2は本発明における印刷工程を説明する説明図である。
【図3】図3(a)、(b)は本発明の印刷用凸版の一例の説明断面図である。
【図4】図4(a)、(b),(c)、(d)は印刷用凸版の板状感光性樹脂積層体の成形方法を示した説明断面図である。
【図5】図5(a)、断面図(b)は本発明の印刷用凸版の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明はこれに限るものではない。
【0016】
図3に本発明の前提となる印刷用凸版の一例の説明断面図を示した。図3(a)、図3(b)ともに基材200上に反射防止層202、樹脂層により形成される複数の凸部からなる凸部パターン領域201が形成されている。図3(a)では、凸部パターン領域201は、複数の凸部が連続して基材200上に形成されることで構成されている。図3(b)では、凸部パターン領域201は、複数の凸部がそれぞれ切り離されて独立して基材200上に形成されることで構成されている。本発明では、図3(a)、図3(b)どちらの印刷用凸版を用いても構わない。なお、必要に応じて凸部パターン領域201と基材200との間に紫外線反射防止効果、耐水性、耐油性、撥水性、接着性などを付与するための層を加えても良い。
【0017】
本発明の印刷用凸版に用いられる版材において、凸部パターン領域201が形成される基材200としては、印刷に対する機械的強度を有すれば良く、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの公知の合成樹脂、鉄や銅、アルミニウムといった公知の金属、またはそれらの積層体を用いることができる。
【0018】
なお、本発明に使用する印刷用凸版を構成する基材200としては、高い寸法安定性を保持するものが望ましい。従って、基材200として用いられる材料としては金属が好適に使用される。基材200として用いられる金属としては鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、チタン、クロム、金、銀やそれらの合金、積層体などが挙げられるが、特に、加工性、経済性から鉄を主成分とするスチール基材やアルミ基材を好適に用いることができる。
【0019】
凸部パターン領域201の凸部を形成する樹脂の一成分となるポリマーは、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂やそれらの共重合体、セルロースなどの天然高分子などから一種類以上を選択することができるが、有機発光材料などといった塗工液を塗布する場合、有機溶剤に対する耐溶剤性の観点から、フッ素系エラストマーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンやそれらの共重合体といったフッ素系樹脂が望ましい。
【0020】
また、少なくとも、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリウレタン、酢酸セルロースコハク酸エステル、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、カチオン型ピペラジン含有ポリアミドやこれらの誘導体といった水溶性溶剤に可溶なものを一種類以上含有することによっても耐溶剤性を付与することが可能となるため、これらの内から一つ以上を選択し用いることも望ましい。
【0021】
反射防止層202としては、測定装置の一般的な観察光である波長領域が400nmから800nm付近の白色光に対する反射抑制効果があれば良く、光拡散による方法と光吸収による方法のどちらを用いても良いが、光拡散を用いた場合、エッジ検出の際、拡散光の影響によりコントラストが低くなり測定精度が落ち易くなる。この理由から反射抑制層としては光の吸収層を用いることが最も望ましい。
【0022】
本発明における樹脂層による凸部パターン領域201の凸部は、ポジ型感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法、ネガ型感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法、射出成型、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法、孔版印刷法、レーザーアブレーション法等の種々のパターン成型法を用いることができるが、パターンの高精細さの観点から、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法が望ましく、また、要求精度の凸版を形成可能なネガ型感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法が最も望ましい。
【0023】
感光光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法を凸部パターン領域201の形成法として適用する場合、基材200、反射防止層202、感光性樹脂層が順次積層されている板状感光性樹脂積層体から凸版の凸部パターン領域201を形成することが最も望ましい。感光性樹脂層の成型方法は、射出成型法、突出成型法、ラミネート法、バーコート法、スリットコート法、カンマコート法などの公知の方法を用いることができる。
【0024】
図4に本発明における板状感光性樹脂積層体の成型方法を示した。まず基材200にバーコート法、スリットコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷、グラビア印刷などのウェットコーティング法もしくはスパッタ法、真空蒸着法、CVD法などのドライコーティング法により反射防止層202を成膜し、積層体203とする(図4(a)、(b))。次に積層体203に感光性樹脂層201´を射出成型法、突出成型法、ラミネート法、バーコート法、スリットコート法、カンマコート法などの公知の方法で成膜し積層体204とする(図4(c))。この積層体204に対し、公知の露光、現像の工程を経て、目的とする凸部パターン領域201を得、パターン形成用凸版を形成する(図4(d))。
【0025】
次に、本発明によって作製される印刷用凸版について述べる。
【0026】
凸版印刷法では版から基板への転写時インキが新たに着液する方向へ向かって押し出されるため、被印刷領域の印刷開始側より終了側のほうが膜厚が厚くなる。そのため、この膜厚バラツキに依存する有機EL素子の発光輝度ムラが生じるといった問題がある。
【0027】
そこで本発明では、版のパターンの印刷終了部近傍に版の凸部より高さ方向に長いスペーサ用凸部を設けることで、従来印刷法では厚膜傾向にある印刷終了部の印圧を小さくし、厚膜化を軽減させることができる。これより、有機発光層の膜厚の均一性が向上し、発光輝度ムラのない有機EL素子を作製することができる。
【0028】
本発明の印刷用凸版として、図5に示すような凸状のストライプ14からなる凸部パターン領域201の印刷終了部近傍にスペーサ用凸部205を設けた凸版12を作製した。
すなわち、スペーサ用凸部205は、凸部パターン領域201の外側で凸部パターン領域201の端部の近傍に、凸部パターン領域201を構成する凸部より該凸部の突出方向に対して高さが高く形成されており、被転写基板に接触して凸部パターン領域201の端部の印圧を下げ凸部パターン領域201の端部による被転写基板上へのインクの膜厚化を抑制する。
より詳細には、凸部パターン領域201は、基材200上に設けられており、凸部パターン領域201は、接触面に塗布されたインキが被転写基板に転写され始める転写開始領域と、前記転写が終了される転写終了領域とを有している。
そして、スペーサ用凸部205は、基材200上で転写終了領域の近傍に設けられている。より詳細には、スペーサ用凸部205は、転写開始領域から転写終了領域に向かう方向に対して直交する方向の両側に設けられている。
なお、本発明によるスペーサ用凸部205の、印刷パターン(凸部パターン領域201)に対する位置関係や形状についてはこれだけに限るものではない。
【0029】
図1に本発明の有機EL素子の断面模式図を示した。図1の有機EL素子においては基板1上に、陽極2、正孔輸送層4、インターレイヤ5、有機発光層6、陰極7を備える。陽極2、陰極7間には有機発光層6が設けられ、陽極2と有機発光層6の間に正孔輸送層4とインターレイヤ5が設けられる。また、陽極2パターン間には、隔壁3が設けられる。基板1上に、陽極2、隔壁3、正孔輸送層4、インターレイヤ5、有機発光層6、陰極7が設けられた有機EL構成体は、電極7や有機発光層6を外部の環境から保護するための封止体8が設けられる。封止体8は、封止キャップ8a、接着剤8b、乾燥剤8cを備える。
【0030】
また、本発明の有機EL素子にあっては、陽極2と陰極7の間には有機発光層6の他に発光補助層を備える。発光補助層としては、図1に示した正孔輸送層やインターレイヤの他に、電子注入層、電子輸送層等を挙げることができる。これらの発光補助層は適宜選択されるが、複数選択してもよい。正孔輸送層4、インターレイヤ5は陽極2と有機発光層6の間に設けられる。電子注入層、電子輸送層は有機発光層6、陰極7間に設けられる。また、本発明の有機EL素子にあっては、陽極2、陰極7、有機発光層6、正孔輸送層4、インターレイヤ5は単層構造ではなく、多層構造としてもよい。
【0031】
正孔輸送層4と有機発光層6の間にバッファー層として形成されるインターレイヤ5は、正孔の輸送性を高める効果と、陰極2側から移動してきた電子をブロックする効果が期待される層であり、実際にインターレイヤ5を設けることで、有機EL素子の効率や寿命が向上することが確認されている。
【0032】
なお本発明の有機EL素子にあっては、パッシブマトリックス方式の有機EL素子、アクティブマトリックス方式の有機EL素子のどちらにも適用可能である。パッシブマトリックス方式とはストライプ状の陽極及び陰極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)を形成した、いわゆるTFT基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。アクティブマトリックス方式有機EL素子の場合、陽極、陰極の一方の電極はTFT基板上に画素毎に設けられ、もう一方の電極は画素全体に設けられる。
【0033】
また、本発明の有機EL素子にあっては、発光した光を基板側から取り出すボトムエミッション方式の有機EL素子、発光した光を基板と反対側から取り出すトップエミッション方式の有機EL素子のどちらでもかまわない。ボトムエミッション方式の有機EL素子とする場合には、基板及び陽極が光透過性を有する必要があり、トップエミッション方式の有機EL素子とするためには、陰極及び封止体が光透過性を有する必要がある。
【0034】
次に、図1に示した有機EL素子を本発明の凸版12を用いて製造する方法について説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
本発明にかかる基板1としては、絶縁性を有する基板であればいかなる基板も使用することができる。この基板側から光を出射するボトムエミッション素子の場合には、基板として透明なものを使用する必要がある。
【0036】
例えば、このような基板1としては、ガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。これら、プラスチックフィルムやシートに、金属酸化物薄膜、金属フッ化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化膜薄膜、あるいは高分子樹脂膜を積層したものを基板として利用してもよい。
【0037】
前記金属酸化物薄膜としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等が例示できる。前記金属フッ化物薄膜としては、フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム等が例示できる。金属窒化物薄膜としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が例示できる。また、前記高分子樹脂膜としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等が例示できる。また、トップエミッション素子の場合には、不透明な基板を使用することもできる。
【0038】
また、これらの基板は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基板内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、基板上に積層される材料に応じて、密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
【0039】
また、前記基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を形成して、駆動用基板としても良い。TFTの材料としては、ポリチオフェンやポリアニリン、銅フタロシアニンやペリレン誘導体等の材料を用いてもよく、また、アモルファスシリコンやポリシリコンを用いてもよい。また、前記基板のどちらかの面にカラーフィルタ層や光散乱層、光偏光層等を基板に設けてもよい。
【0040】
次に、この基板1上に、陽極2を形成する。陽極形成材料として、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物が利用できる。被膜形成方法としてはドライコーティング方式が利用できる。例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等である。そして、真空製膜された金属酸化物被膜にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングして、パターン状に加工することができる。パッシブマトリックス方式の有機EL素子の場合には、陽極はストライプ状に形成される。アクティブマトリックス方式の有機EL素子の場合には、陽極はドット状にパターン形成される。
【0041】
陽極2を形成後、隣接する陽極パターンの間に感光性材料を用いて、フォトリソグラフィ法により隔壁3が形成される。さらに詳しくは、感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程と、パターン露光、現像、焼成して隔壁パターンを形成する工程を少なくとも有する。
【0042】
隔壁3を形成する感光性材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよく、市販のもので構わないが、絶縁性を有する必要がある。隔壁が十分な絶縁性を有さない場合には隔壁を通じて隣り合う画素電極に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。また、TFTの誤作動により適正な表示ができないことがある。感光性材料としては、具体的にはポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン系といったものが挙げられるがこれに限定するものではない。また、有機ELディスプレイパネルの表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を感光性材料に含有させても良い。
【0043】
隔壁3を形成する感光性樹脂はスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の公知の塗布方法を用いて塗布される。次に、パターン露光、現像して隔壁パターンを形成する工程では、従来公知の露光、現像方法により隔壁部のパターンを形成できる。また焼成に関してはオーブン、ホットプレート等での従来公知の方法により焼成を行うことができる。
【0044】
隔壁3は、厚みが0.5μmから5.0μmの範囲にあることが望ましい。隔壁3を隣接する画素電極間に設けることによって、電極パターン上に塗布された正孔輸送インキはレベリングとともに隔壁上の膜厚は薄くなることから隣接画素間のリーク等が発生しにくく、また陽極端部からのショート発生を防ぐことが出来る。また、異なる発光色を有する有機発光材料を溶媒に溶解または分散させた有機発光インキを用いて画素ごとに塗り分けをおこなう場合、隣接する画素との混色を防止することが出来る。隔壁が低すぎると隣接画素間で正孔輸送層経由でのリーク電流の発生やショートの防止、有機発光インキの混色防止の効果が得られないことがあり注意が必要である。正孔輸送層を無機材料としても良い。
【0045】
隔壁3形成後、正孔輸送層4を形成する。正孔輸送層4の形成材料としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ニッケルなどの金属酸化物等の中から選ぶことができる。
【0046】
正孔輸送層4形成後、有機発光層6を形成する。有機発光層6は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層6を形成する有機発光材料は、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系、ポリフェニレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
【0047】
また、有機EL素子における有機発光層6と正孔輸送層4の間に、加熱により正孔輸送層4との密着性を増す材料であるインターレイヤ5を挟んでも良い。このインターレイヤ5により、有機発光層6の発光効率が増し、駆動寿命も長く成ることが知られている。この様な材料としては、ポリ(2,7−(9,9−ジ−オクチルフルオロレン))−alt−(1,4−フェニレン−((4−sec−ブチルフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン))(TFB)等が挙げられる。
【0048】
有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。又、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されても良い。
【0049】
インターレイヤ5および有機発光層6の形成方法とする印刷方法としては、特にパターン形成精度、膜厚均一性などに優れる凸版印刷法が好ましい。インターレイヤ5の形成方法としては画素部分でのパターニングを必要としないため、スピンコート法やバーコート法等の一般的コーティング法を用いることもできるが、該コーティング法は材料の使用効率が低いことや膜厚が不均一であるため、有機EL素子の製造方法としては適さない。また、取出し配線部分や駆動用ドライバーに接続させる部分を被覆しないようにするためには、凸版印刷法が好適であり、この凸版印刷法に本発明の凸版12が用いられる。
【0050】
有機発光層の形成に用いる印刷装置は、平板に印刷する方式の凸版印刷機であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷装置が望ましい。図2に本発明でのインターレイヤ5および有機発光層6の形成に用いる印刷装置の模式図を示した。凸版印刷装置は、インクタンクとインキチャンバーとアニロックスロール13と、本発明の樹脂凸版12を取り付けした版胴11を有している。樹脂凸版12における凸部パターン領域201の形成方法としては、フォトリソグラフィ法や、レーザーアブレーション法、切削加工により凸部を形成することが可能である。インクタンクには、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバーにはインクタンクより有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール13は、インキチャンバーのインキ供給部及び版胴11に接して回転するようになっている。
【0051】
アニロックスロール13の回転にともない、インキチャンバーから供給された有機発光インキはアニロックスロール13表面に均一に保持されたあと、版胴11に取り付けされた樹脂凸版12の凸部パターン領域201の凸部に均一な膜厚で転移する。さらに、被印刷基板10(TFT基板)は摺動可能な基板固定台上に固定され樹脂凸版12の凸部パターン領域201と被印刷基板のパターンの位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴11の回転に合わせて樹脂凸版12の凸部パターン領域201が被印刷基板10に接しながらさらに移動し、ステージ上にある被印刷基板10の所定位置(画素のライン)にパターニングして有機発光インキを転移する。その際、版胴11の転動方向と凸部パターン領域201のストライプ方向、また、画素の長辺方向は、平行であっても直交であっても構わない。
【0052】
次に、陰極7を形成する。陰極層7の材料としては、有機発光層6への電子注入効率の高い物質を用いる。具体的には、Mg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または、電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できる。陰極7を透光性電極層として利用する場合には、仕事関数が低いLi、Caを薄く設けた後に、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物を積層してもよく、前記有機発光層6に、仕事関数が低いLi,Caなどの金属を少量ドーピングして、ITOなどの金属酸化物を積層してもよい。
【0053】
陰極7の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。陰極7の厚さに特に制限はないが、10nm〜1000nm程度が望ましい。陰極の膜厚が10nm未満であると膜のピンホールが十分に埋められずショートの原因となる。また1000nmより大きいと成膜時間が長くなり生産性が悪くなる。なお、陰極のパターニングについては、成膜時にマスクを用いることによりパターン形成をおこなうことができる。
【0054】
最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、封止体8を用いて有機EL構成体を封止する。封止体8としては、凹部を有する封止キャップ8aを用い、封止キャップ8aと基板1を接着剤8bを介して貼りあわせる方法を用いることができる。また、封止キャップ8aと基板1で密封させた空間には乾燥剤8cを備えることが出来る。
【0055】
封止キャップ8aとしては、金属キャップ、ガラスキャップを用いることができる。接着剤8bとしては、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等のアクリレート、ウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系接着剤や、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系接着剤、チオール・エン付加型樹脂系接着剤等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂を用いることが出来る。また、紫外線硬化型エポキシ系接着剤も利用できる。乾燥剤8cとしては、酸化バリウムや酸化カルシウムを用いることができる。
【0056】
また、この他にも有機EL構成体にバリア層を形成し、バリア層を封止体とすることも可能である。このとき、バリア層としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等を用いることができ、これらは、CVD法等の真空成膜法により有機EL構成体全面を覆うように形成される。また、バリア層が形成された有機EL素子は接着層を介して封止基板と貼りあわせ、これらを封止体とすることも可能である。
【実施例】
【0057】
<実施例1>
次に、本発明の実施例を説明する。本実施例においては、既に画素電極(陽極2)、取り出し電極、TFT回路を保護するためのSiNx膜からなる絶縁層およびポリイミドからなる絶縁層を備え、当該ポリイミドからなる絶縁層は画素を仕切るように形成されており、よって各画素の隔壁3としても機能するようなTFT基板1を用いて、その上に正孔輸送層4、有機発光層6、陰極7を順次形成して、アクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイパネルを作製した。
【0058】
本発明の印刷用凸版12の凸部パターン領域201は、50μmの厚みのストライプパターンを有しており、ストライプパターン形成後その凸部領域においてその印刷終了部近傍に対し60μmの厚みのネガ型感光性樹脂層をバーコート法によって成型し、そのネガ型感光性樹脂層にフォトリソグラフィー法を用いることによってスペーサ用凸部205を作製した。したがって、スペーサ用凸部20は、凸部パターン領域201を構成する凸部よりも10μm高い。
【0059】
正孔輸送層4は、TFT基板1上に酸化モリブデンをスパッタリング法で成膜して膜厚40nmの薄膜を得ることで形成した。インターレイヤ5は画素部9のラインに均一に印刷した。発光層6は有機発光材料であるポリフルオレン系の緑色発光材料を濃度2%になるように印刷溶剤Aに溶解させた有機発光インキを用い、凸版印刷法で画素に印刷をした。
【0060】
このとき、インターレイヤ5と発光層6の印刷には水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。この版表面に対する発光材料インキの接触角は10度以下であった。本発明の凸版12を巻きつけた版胴11をストライプ状の画像形成部のストライプ方向に転動させて画素長辺と平行に印刷した。
【0061】
その上にBa、Alからなる陰極7を抵抗加熱蒸着法により真空蒸着して形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、封止キャップ8aと接着剤8bを用いて密閉封止し、有機ELディスプレイ用素子パネルを作製した。
【0062】
得られたパネルの表示部の周縁部には、各画素電極に接続されている陽極側および陰極側それぞれの取り出し電極があり、これらのドライバーを介して駆動装置に接続することでパネルの点灯表示確認を行い、発光状態のチェックを行った。画素内の膜厚均一性も良く、パネル点灯もムラなく発光した。
【0063】
<比較例1>
比較例1では、スペーサ用凸部205を導入しない通常の印刷用凸版を用いてインターレイヤ5および有機発光層6を印刷した。それ以外は実施例1と同様の工程で有機ELディスプレイ用素子パネルを作製した。
【0064】
比較例1のパネルでは、有機発光材料の印刷の際に画素間の面内膜厚ばらつきが生じ、パネル点灯もムラが発生した。
【0065】
<比較結果>
表1に実施例1と比較例1のパネル点灯結果を示す。
【0066】
【表1】

【0067】
以上から、本発明の効果として版のパターンの印刷終了部近傍に版の凸部より高さ方向に長いスペーサを設けることで、従来印刷法では厚膜傾向にある印刷終了部の印圧を低下、厚膜化を軽減し、有機層の画素パターン部における面内ばらつきを低減させ、発光輝度ムラのない有機EL素子の製造が可能となった。
【符号の説明】
【0068】
1:基板
2:陽極
3:隔壁
4:正孔輸送層
5:インターレイヤ層
6:有機発光層
7:陰極
8:封止体
8a:封止キャップ
8b:接着剤
8c:乾燥剤
9:画素部
10:隔壁が形成された基板(被印刷基板)
11:版胴
12:樹脂凸版
13:アニロックスロール
14:版のストライプ
200:基材
201:凸部パターン
201A:凸部
201B:接続部
201':光性樹脂組成物
202:反射防止層
203:積層体
204:積層体
205:スペーサ用凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凸部が形成された凸部パターン領域を有し、各凸部の突出方向の先端が、有機電子材料を主成分として含むインキが塗布される接触面として形成され、前記接触面に塗布された前記インキを凸版印刷法によって被転写基板に転写することで前記被転写基板上に被転写部を形成する印刷用凸版であって、
前記凸部パターン領域の外側で該凸部パターン領域の端部の近傍に、前記凸部より該凸部の突出方向に対して高さが高く、前記被転写基板に接触して前記凸部パターン領域の端部の印圧を下げ該凸部パターン領域の端部による前記被転写基板上へのインクの膜厚化を抑制するスペーサ用凸部を備えた、
ことを特徴とする印刷用凸版。
【請求項2】
前記凸部パターン領域は、基材上に設けられ、
前記凸部パターン領域は、前記接触面に塗布された前記インキが前記被転写基板に転写され始める転写開始領域と、前記転写が終了される転写終了領域とを有し、
前記スペーサ用凸部は、前記基材上で前記転写終了領域の近傍に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の印刷用凸版。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の印刷用凸版を用い、該凸版にインキを供給する工程と、塗工液を被転写体に転写する工程とを有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記電子デバイスが有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項3記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の電子デバイスの製造方法により作製されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−110707(P2011−110707A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266039(P2009−266039)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】