説明

印刷用金属スクリーンおよびその製造方法

【課題】 印刷精度の一層の高精度化に対応可能な印刷用金属スクリーンおよびその製造方法の提供。
【解決手段】 金属製の糸がメッシュ状に織り上げられたものであって、降伏点の手前50%の値以上かつ破断点より小さい荷重を予めかけることにより(X2)、その後の使用においては、従来のもの(X1)に比して、荷重に対する伸びが小さくなる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばプリント基板へのパターンの印刷等にスクリーン印刷が採用されているが、このようなスクリーン印刷用のスクリーンとして、従来から、ステンレス鋼材等の金属製の糸をメッシュ状に織り上げた金属スクリーンが用いられている。このような金属スクリーンは、高精度な印刷が可能であることから、広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従来の金属スクリーンは、高精度な印刷が可能な優れたものであるが、印刷精度の高精度化はさらにその要求が高まっており、より一層の高精度化に対応する必要性が生じてきている。
【0004】したがって、本発明は、印刷精度の一層の高精度化に対応可能な印刷用金属スクリーンおよびその製造方法の提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の印刷用金属スクリーンは、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられたものであって、降伏点の手前50%の値以上の荷重が予めかけられていることを特徴としている。
【0006】このように、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられたものにおいて、降伏点の手前50%の値以上の荷重が予めかけられているため、その後の使用においては、荷重に対する伸びが小さくなる。
【0007】本発明の請求項2記載の印刷用金属スクリーンは、請求項1記載のものに関して、降伏点の手前20%の値以上の荷重が予めかけられていることを特徴としている。
【0008】このように、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられたものにおいて、降伏点の手前20%の値以上の荷重が予めかけられているため、その後の使用においては、荷重に対する伸びがさらに小さくなる。
【0009】本発明の請求項3記載の印刷用金属スクリーンは、請求項2記載のものに関して、降伏点以上の荷重が予めかけられていることを特徴としている。
【0010】このように、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられたものにおいて、降伏点以上の荷重が予めかけられているため、その後の使用においては、荷重に対する伸びが確実に小さくなる。
【0011】本発明の請求項4記載の印刷用金属スクリーンは、請求項1乃至3のいずれか一項記載のものに関して、前記金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられており、縦方向と横方向とに別々に、前記荷重が予めかけられていることを特徴としている。
【0012】このように、金属製の糸がメッシュ状に縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられたものにおいて、縦方向と横方向とに別々に、荷重が予めかけられているため、縦方向の糸と横方向の糸とに確実に荷重をかけることができ、その後の使用においては、荷重に対する伸びがさらに確実に小さくなる。
【0013】本発明の請求項5記載の印刷用金属スクリーンは、金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するようメッシュ状に織り上げられたものであって、縦方向と横方向とに別々に、予め荷重がかけられていることを特徴としている。
【0014】このように、金属製の糸がメッシュ状に縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられたものにおいて、縦方向と横方向とに別々に、荷重が予めかけられているため、縦方向の糸と横方向の糸とに確実に荷重をかけることができ、その後の使用においては、荷重に対する伸びが小さくなる。
【0015】本発明の請求項6記載の印刷用金属スクリーンの製造方法は、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法であって、前記織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点の手前50%の値以上の荷重を予めかけることを特徴としている。
【0016】このように、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法において、織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点の手前50%の値以上の荷重を予めかけるため、該印刷用金属スクリーンは、その後の使用において、荷重に対する伸びが小さくなる。
【0017】本発明の請求項7記載の印刷用金属スクリーンの製造方法は、請求項6記載の方法に関して、前記織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点の手前20%の値以上の荷重を予めかけることを特徴としている。
【0018】このように、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法において、織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点の手前20%の値以上の荷重を予めかけるため、該印刷用金属スクリーンは、その後の使用において、荷重に対する伸びがさらに小さくなる。
【0019】本発明の請求項8記載の印刷用金属スクリーンの製造方法は、請求項7記載の方法に関して、前記織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点以上の荷重を予めかけることを特徴としている。
【0020】このように、織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点以上の荷重を予めかけるため、該印刷用金属スクリーンは、その後の使用において、荷重に対する伸びが確実に小さくなる。
【0021】本発明の請求項9記載の印刷用金属スクリーンの製造方法は、請求項6乃至8のいずれか一項記載の方法に関して、前記印刷用金属スクリーンが、前記金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられている場合に、前記織り上げられた印刷用金属スクリーンに、縦方向と横方向とに別々に、前記荷重を予めかけることを特徴としている。
【0022】このように、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法において、金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられた印刷用金属スクリーンに、縦方向と横方向とに別々に、荷重を予めかけるため、縦方向の糸と横方向の糸とに確実に荷重をかけることができ、該印刷用金属スクリーンは、その後の使用においては、荷重に対する伸びがさらに確実に小さくなる。
【0023】本発明の請求項10記載の印刷用金属スクリーンの製造方法は、金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するようメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法であって、前記織り上げられた印刷用金属スクリーンに、縦方向と横方向とに別々に、予め荷重をかけることを特徴としている。
【0024】このように、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法において、金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられた印刷用金属スクリーンに、縦方向と横方向とに別々に、荷重を予めかけるため、縦方向の糸と横方向の糸とに確実に荷重をかけることができ、該印刷用金属スクリーンは、その後の使用においては、荷重に対する伸びが小さくなる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面を参照して以下に説明する。図1および図2は、金属製(具体的にはステンレス鋼材製)の多数の平行な縦糸11と、該縦糸11に対し直交する金属製(具体的にはステンレス鋼材製)の多数の平行な横糸12とを有し、これら縦糸11および横糸12がメッシュ状に織り上げられた(言い換えれば縦方向および横方向の二方向にのみ延在するよう織り上げられた)印刷用金属スクリーン14を示している。ここで、横糸12は、印刷用金属スクリーン14を織り上げる際に一定とされる幅方向に延びるものであり、縦糸11とは、印刷用金属スクリーン14を織り上げる際に織り上げの進行とともに長くなる方向に延びるものである。
【0026】このようにメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーン14においては、画像形成前に予め、図3に示すように、すべての縦糸11の上端部がクランプ部材16でクランプされるとともに、すべての縦糸11の下端部がクランプ部材17でクランプされ、この状態で上下のクランプ部材16,17に相対離間する方向に荷重が付加されることで、すべての縦糸11に同時に縦方向に荷重がかけられている。
【0027】ここで、このようにすべての縦糸11にかける荷重は、降伏点の手前50%すなわち降伏点の荷重より50%小さい値以上かつ破断点の荷重より小さい値の荷重とされており、好ましくは、降伏点の手前20%すなわち降伏点の荷重より20%小さい値以上かつ破断点の荷重より小さい値の荷重とされており、より好ましくは、降伏点の荷重以上かつ破断点の荷重より小さい値の荷重とされており、さらに好ましくは、降伏点の荷重より20%大きい値以上かつ破断点の荷重より小さい値の荷重とされている。
【0028】また、上記のようにメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーン14においては、画像形成前に予め、図4に示すように、すべての横糸12の左端部がクランプ部材18でクランプされるとともに、すべての横糸12の右端部がクランプ部材19でクランプされ、この状態で左右のクランプ部材18,19に相対離間する方向に荷重が付加されることで、すべての横糸12に同時に荷重がかけられている。なお、横糸12と上記した縦糸11とには別々に(言い換えれば、縦方向と横方向とに同時ではなく別々に)、荷重が予めかけられている。
【0029】ここで、このようにすべての横糸12にかける荷重は、降伏点の手前50%すなわち降伏点の荷重より50%小さい値以上かつ破断点の荷重より小さい値の荷重とされており、好ましくは、降伏点の手前20%すなわち降伏点の荷重より20%小さい値以上かつ破断点の荷重より小さい値の荷重とされており、より好ましくは、降伏点の荷重以上かつ破断点の荷重より小さい値の荷重とされており、さらに好ましくは、降伏点の荷重より20%大きい値以上かつ破断点の荷重より小さい値の荷重とされている。
【0030】次に、このように縦方向と横方向とに別々に荷重が予めかけられて製造される金属スクリーン14と、このような荷重が付加されない従来の金属スクリーンとについて、荷重に対する伸びを示す強伸度曲線を求める試験を行った。その結果を、図5の特性線図に示す。
【0031】試験は、ステンレス鋼材からなる縦糸11および横糸12が多数織り上げられた金属製スクリーンであって、幅(縦糸11の配列方向)が50mmで長さ(横糸12の配列方向)が100mmのものを複数用意し、予め荷重をかけていないものを、0から破断するまで縦方向に荷重をかける試験(結果は図5におけるX1)と、予め縦方向に降伏点の手前50%の値すなわち降伏点の荷重より50%小さい値の荷重を一回かけ荷重を解除したものについて、0から破断するまで縦方向に荷重をかける試験(結果は図5におけるX2)と、予め縦方向に降伏点の手前20%の値すなわち降伏点の荷重より20%小さい値の荷重を一回かけ荷重を解除したものについて、0から破断するまで縦方向に荷重をかける試験(結果は図5におけるX3)と、予め縦方向に降伏点の荷重を一回かけ荷重を解除したものについて、0から破断するまで縦方向に荷重をかける試験(結果は図5におけるX4)と、予め縦方向に降伏点の荷重より20%大きい値の荷重を一回かけ荷重を解除したものについて、0から破断するまで縦方向に荷重をかける試験(結果は図5におけるX5)とを行った。
【0032】これらの試験から明らかなように、金属製の糸11,12がメッシュ状に織り上げられた金属製スクリーン14において、縦糸11に、降伏点の手前50%の値の荷重が予めかけられたものは、その後の使用においては、荷重に対する伸びが、上記荷重がかけられていないものに比して小さくなり、印刷精度の一層の高精度化に対応可能となることがわかる。より具体的には、印刷時に金属製スクリーンにかけられる荷重の範囲である比較的低い荷重の範囲においては、X1よりもX2の方が荷重に対する伸びが小さいのである。
【0033】また、縦糸11に、降伏点の手前20%の値の荷重が予めかけられたものは、その後の使用においては、荷重に対する伸びが、上記荷重がかけられていないものに比してさらに小さくなり、印刷精度のさらに一層の高精度化に対応可能となることがわかる。より具体的には、印刷時に金属製スクリーンにかけられる荷重の範囲である比較的低い荷重の範囲においては、X1よりもX3の方が荷重に対する伸びが小さく、さらにはX2よりもX3の方が荷重に対する伸びが小さいのである。
【0034】さらに、縦糸11に、降伏点の荷重が予めかけられたものは、その後の使用においては、荷重に対する伸びが、上記荷重がかけられていないものに比して確実に小さくなり、印刷精度の一層の高精度化に確実に対応可能となることがわかる。より具体的には、印刷時に金属製スクリーンにかけられる荷重の範囲である比較的低い荷重の範囲においては、X1よりもX4の方が荷重に対する伸びが小さく、X2よりもX4の方が、さらにはX3よりもX4の方が荷重に対する伸びが小さいのである。
【0035】加えて、縦糸11に、降伏点の荷重より20%大きい値の荷重が予めかけられたものは、その後の使用においては、荷重に対する伸びが、上記荷重がかけられていないものに比してさらに確実に小さくなり、印刷精度の一層の高精度化にさらに確実に対応可能となることがわかる。より具体的には、印刷時に金属製スクリーンにかけられる荷重の範囲である比較的低い荷重の範囲においては、X1よりもX5の方が荷重に対する伸びが小さく、X2よりもX5の方が、さらにはX3よりもX5の方が、さらにはX4よりもX5の方が、荷重に対する伸びが小さいのである。
【0036】また、別の試験として、予め荷重をかけていないものを、0から破断するまで縦方向に荷重をかける試験(結果は図6におけるX6)と、予め縦方向に降伏点の荷重よりも20%大きい値の荷重を一回かけ荷重を解除したものについて、0から破断するまで縦方向に荷重をかける試験(結果は図6におけるX7)と、予め荷重をかけていないものを、0から破断するまで横方向に荷重をかける試験(結果は図6におけるY6)と、予め横方向に降伏点の荷重よりも20%大きい値の荷重を一回かけ荷重を解除したものについて、0から破断するまで横方向に荷重をかける試験(結果は図6におけるY7)とを行った。
【0037】これらの試験から明らかなように、金属製の糸11,12がメッシュ状に織り上げられた金属製スクリーン14において、縦糸11および横糸12のいずれにおいても、降伏点の荷重よりも20%大きい値の荷重が予めかけられたものは、その後の使用においては、荷重に対する伸びが、上記荷重がかけられていないものに比して大幅に小さくなり、印刷精度の一層の高精度化に対応可能となることがわかる。より具体的には、印刷時に金属製スクリーンにかけられる荷重の範囲である比較的低い荷重の範囲においては、X6よりもX7の方が荷重に対する伸びが小さく、Y6よりもY7の方が荷重に対する伸びが小さいのである。
【0038】この試験結果から、横方向に荷重をかける試験を上記した縦方向に荷重をかける試験と同様に行っても、上記した縦方向に荷重をかける試験と同様の結果が得られることがわかる。
【0039】なお、縦糸11および横糸12の両方に画像形成前に予め上記各荷重(降伏点の手前50%の値以上、降伏点の手前20%の値以上、降伏点以上および降伏点の荷重よりも20%大きい値以上。以下同)をかけるのが勿論よいが、製造コストを低減するために、縦糸11および横糸12のいずれか一方のみに画像形成前に予め上記各荷重をかけても十分な効果が得られる。その場合、図6において、X6に対するX7の伸びの低下率と、Y6に対するY7の伸びの低下率とを比較して明らかなように、縦糸11のみに画像形成前に予め上記各荷重をかけるのがより効果的となる。
【0040】言い換えれば、縦糸11および横糸12の少なくともいずれか一方に画像形成前に予め上記各荷重をかければよいが、特に精度を重視する場合は、縦糸11および横糸12の両方に画像形成前に予め上記各荷重をかけ、精度をあるレベルとした上で製造コストを重視する場合は、縦糸11および横糸12のいずれか一方のみに画像形成前に予め上記各荷重をかけ、その場合には、縦糸11のみに画像形成前に予め上記各荷重をかけるのが精度レベルを高く保てることになる。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請求項1記載の印刷用金属スクリーンによれば、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられたものにおいて、降伏点の手前50%の値以上の荷重が予めかけられているため、その後の使用においては、荷重に対する伸びが小さくなる。したがって、印刷精度の一層の高精度化に対応可能となる。
【0042】本発明の請求項2記載の印刷用金属スクリーンによれば、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられたものにおいて、降伏点の手前20%の値以上の荷重が予めかけられているため、その後の使用においては、荷重に対する伸びがさらに小さくなる。したがって、印刷精度のさらに一層の高精度化に対応可能となる。
【0043】本発明の請求項3記載の印刷用金属スクリーンによれば、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられたものにおいて、降伏点以上の荷重が予めかけられているため、その後の使用においては、荷重に対する伸びが確実に小さくなる。したがって、印刷精度の一層の高精度化に確実に対応可能となる。
【0044】本発明の請求項4記載の印刷用金属スクリーンによれば、金属製の糸がメッシュ状に縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられたものにおいて、縦方向と横方向とに別々に、荷重が予めかけられているため、縦方向の糸と横方向の糸とに確実に荷重をかけることができ、その後の使用においては、荷重に対する伸びがさらに確実に小さくなる。したがって、印刷精度の一層の高精度化にさらに確実に対応可能となる。
【0045】本発明の請求項5記載の印刷用金属スクリーンによれば、金属製の糸がメッシュ状に縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられたものにおいて、縦方向と横方向とに別々に、荷重が予めかけられているため、縦方向の糸と横方向の糸とに確実に荷重をかけることができ、その後の使用においては、荷重に対する伸びが小さくなる。したがって、印刷精度の一層の高精度化に対応可能となる。
【0046】本発明の請求項6記載の印刷用金属スクリーンの製造方法によれば、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法において、織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点の手前50%の値以上の荷重を予めかけるため、該印刷用金属スクリーンは、その後の使用において、荷重に対する伸びが小さくなる。したがって、印刷精度の一層の高精度化に対応可能となる。
【0047】本発明の請求項7記載の印刷用金属スクリーンの製造方法によれば、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法において、織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点の手前20%の値以上の荷重を予めかけるため、該印刷用金属スクリーンは、その後の使用において、荷重に対する伸びがさらに小さくなる。したがって、印刷精度のさらに一層の高精度化に対応可能となる。
【0048】本発明の請求項8記載の印刷用金属スクリーンの製造方法によれば、織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点以上の荷重を予めかけるため、該印刷用金属スクリーンは、その後の使用において、荷重に対する伸びが確実に小さくなる。したがって、印刷精度の一層の高精度化に確実に対応可能となる。
【0049】本発明の請求項9記載の印刷用金属スクリーンの製造方法によれば、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法において、金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられた印刷用金属スクリーンに、縦方向と横方向とに別々に、荷重を予めかけるため、縦方向の糸と横方向の糸とに確実に荷重をかけることができ、該印刷用金属スクリーンは、その後の使用においては、荷重に対する伸びがさらに確実に小さくなる。したがって、印刷精度の一層の高精度化にさらに確実に対応可能となる。
【0050】本発明の請求項10記載の印刷用金属スクリーンの製造方法によれば、金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法において、金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられた印刷用金属スクリーンに、縦方向と横方向とに別々に、荷重を予めかけるため、縦方向の糸と横方向の糸とに確実に荷重をかけることができ、該印刷用金属スクリーンは、その後の使用においては、荷重に対する伸びが小さくなる。したがって、印刷精度の一層の高精度化に対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の金属製スクリーンの正面図。
【図2】 本発明の一実施形態の金属製スクリーンの部分拡大斜視図。
【図3】 本発明の一実施形態の金属製スクリーンに縦方向の荷重をかけている状態を示す正面図。
【図4】 本発明の一実施形態の金属製スクリーンに横方向の荷重をかけている状態を示す正面図。
【図5】 本発明の一実施形態の金属製スクリーンと従来の金属製スクリーンの荷重に対する伸びを示す強伸度曲線。
【図6】 本発明の一実施形態の金属製スクリーンと従来の金属製スクリーンの荷重に対する伸びを示す強伸度曲線。
【符号の説明】
11 縦糸
12 横糸
14 印刷用金属スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンであって、降伏点の手前50%の値以上の荷重が予めかけられていることを特徴とする印刷用金属スクリーン。
【請求項2】 降伏点の手前20%の値以上の荷重が予めかけられていることを特徴とする請求項1記載の印刷用金属スクリーン。
【請求項3】 降伏点以上の荷重が予めかけられていることを特徴とする請求項2記載の印刷用金属スクリーン。
【請求項4】 前記金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられており、縦方向と横方向とに別々に、前記荷重が予めかけられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の印刷用金属スクリーン。
【請求項5】 金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するようメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンであって、縦方向と横方向とに別々に、予め荷重がかけられていることを特徴とする印刷用金属スクリーン。
【請求項6】 金属製の糸がメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法であって、前記織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点の手前50%の値以上の荷重を予めかけることを特徴とする印刷用金属スクリーンの製造方法。
【請求項7】 前記織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点の手前20%の値以上の荷重を予めかけることを特徴とする請求項6記載の印刷用金属スクリーンの製造方法。
【請求項8】 前記織り上げられた印刷用金属スクリーンに、降伏点以上の荷重を予めかけることを特徴とする請求項7記載の印刷用金属スクリーンの製造方法。
【請求項9】 前記印刷用金属スクリーンは、前記金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するよう織り上げられており、前記織り上げられた印刷用金属スクリーンに、縦方向と横方向とに別々に、前記荷重を予めかけることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項記載の印刷用金属スクリーンの製造方法。
【請求項10】 金属製の糸が縦方向と横方向とに延在するようメッシュ状に織り上げられた印刷用金属スクリーンの製造方法であって、前記織り上げられた印刷用金属スクリーンに、縦方向と横方向とに別々に、予め荷重をかけることを特徴とする印刷用金属スクリーンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2002−96571(P2002−96571A)
【公開日】平成14年4月2日(2002.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−287671(P2000−287671)
【出願日】平成12年9月21日(2000.9.21)
【出願人】(000220170)東京プロセスサービス株式会社 (5)
【Fターム(参考)】