説明

印刷管理装置、システム、及びプログラム

【課題】ユーザ毎の放置履歴に基づいて、放置の多いユーザには印刷ジョブの受け付け時に警告通知を行い、放置を防止できるようにした印刷管理装置を提供する。
【解決手段】管理サーバ10は、MFP1及びクライアントPC6とLAN7を介して接続される。管理サーバ10は、MFP1で受け付けた印刷ジョブ毎の放置記録紙に関する放置情報を取得する放置情報取得手段102aと、取得した放置情報をユーザ毎に集計する放置情報集計手段102bと、記録紙を放置しないように促すための警告情報を送信する警告手段105とを備える。放置情報集計手段102bは、放置情報取得手段102aによる放置検出時刻とユーザIDに基づき、記録紙の放置が検出された印刷ジョブの件数を時間帯別に集計し、警告手段105は、集計件数が所定数以上のユーザに対して、クライアントPC6からの印刷ジョブを受け付けると、クライアントPC6に警告情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷管理装置、システム、及びプログラム、より詳細には、ユーザ毎の放置履歴に基づいて、放置の多いユーザには印刷ジョブの受け付け時に警告通知を行い、放置を防止する印刷管理装置、該装置を備えた印刷管理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーソナルコンピュータ(PC)などの端末装置にネットワーク等を介して接続され、端末装置から送信された画像データを画像形成(印刷)する画像形成装置が知られている。例えば、ユーザは端末装置で作成した画像データを印刷するときに、端末装置を操作して、印刷命令を画像形成装置へ送信する。この印刷命令を受けた画像形成装置は、端末装置からの画像データに基づいて記録紙に印刷を行い、画像が形成された印刷物を所定の排紙トレイに排紙する。
【0003】
そして、ユーザは、画像形成装置の排紙トレイを直接目視することにより、画像形成が完了して印刷物が排紙トレイに排紙されているかどうかを確認する。排紙されていれば、ユーザは排紙トレイから自身の印刷物を取り出してその印刷物を手に入れる。このように、ユーザは印刷物が画像形成装置の排紙トレイに排紙されたかどうかを知りたい場合、常時あるいは任意のタイミングで排紙トレイを直接目視して確認する必要があり、ユーザにとっては面倒な作業になっていた。
【0004】
一方、ユーザが印刷物を排紙トレイから取り除くことを忘れた場合、その印刷物が排紙トレイに長時間放置されることになる。そのため、もし悪意の第三者が存在した場合、放置された印刷物から内容が盗み見されたり、あるいは取り去られたりして、重要な情報が漏洩する危険性が高くなる。更に、排紙トレイの許容排紙量を超えると堆積量検知手段により検知され印刷が中断するよう構成されているので、放置された印刷物がたまっていくと、ついには上述のように排紙トレイの許容排紙量を超えて印刷が中断してしまうなどの問題を引き起こしていた。
【0005】
これに対して、排紙トレイに排紙された記録紙の放置を検出し、取り忘れを防止する技術として、特許文献1に記載のプリンタ出力ビン管理システムが知られている。このシステムは、プリントサーバで排紙ビンを割り当て、印刷物の所定時間以上の放置を検出すると回収を促す通知をユーザに行うようにしたものである。
【0006】
また、特許文献2には、記録紙に対して、ユーザに対応するID画像を合成印刷し、このID画像を読み取り、ID画像に応じたユーザの端末に取り忘れを通知する機能を備えた画像形成装置が記載されている。
【特許文献1】特開2005−44018号公報
【特許文献2】特開2000−155506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1,2に記載の技術は、あくまで記録紙の放置を検出したときに、ユーザに取り忘れを通知するという事後の対策を行うものであって、放置自体を事前に予防することは意図されていなかった。
【0008】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、ユーザ毎の放置履歴に基づいて、放置の多いユーザには印刷ジョブの受け付け時に警告通知を行い、放置を防止できるようにした印刷管理装置、該装置を備えた印刷管理システム、及びプログラムを提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、排紙トレイに排紙・堆積された記録紙の放置を検出する放置検出手段を備えた画像形成装置とネットワークを介して接続可能な印刷管理装置であって、画像形成装置で受け付けた印刷ジョブ毎の放置記録紙に関する放置情報を取得する放置情報取得手段と、取得した放置情報をユーザ毎に集計する放置情報集計手段とを備えることを特徴としたものである。
【0010】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、放置情報は、画像形成装置が記録紙の放置を検出した放置検出時刻を含むことを特徴としたものである。
【0011】
第3の技術手段は、第1の技術手段において、放置情報は、記録紙を放置したユーザを識別するためのユーザIDを含むことを特徴としたものである。
【0012】
第4の技術手段は、第1の技術手段において、放置情報取得手段は、放置情報として、画像形成装置により記録紙の放置が検出された放置検出時刻と、記録紙を放置したユーザを識別するためのユーザIDとを取得し、放置情報集計手段は、放置検出時刻とユーザIDに基づいて、記録紙の放置が検出された印刷ジョブの件数を時間帯別に集計することを特徴としたものである。
【0013】
第5の技術手段は、第1の技術手段において、放置情報取得手段は、放置情報として、画像形成装置により記録紙の放置が検出された放置検出時刻と、記録紙を放置したユーザを識別するためのユーザIDとを取得し、放置情報集計手段は、放置検出時刻とユーザIDに基づいて、記録紙の放置から、さらに所定時間以上の放置が検出された印刷ジョブの件数を時間帯別に集計することを特徴としたものである。
【0014】
第6の技術手段は、第1の技術手段において、放置情報取得手段は、放置情報として、画像形成装置により記録紙の放置が検出された放置検出時刻と、記録紙を放置したユーザを識別するためのユーザIDとを取得し、放置情報集計手段は、放置検出時刻とユーザIDに基づいて、記録紙の放置が検出された印刷ジョブの件数を画像形成装置別に集計することを特徴としたものである。
【0015】
第7の技術手段は、第1の技術手段において、放置情報取得手段は、放置情報として、画像形成装置により記録紙の放置が検出された放置検出時刻と、記録紙を放置したユーザを識別するためのユーザIDとを取得し、放置情報集計手段は、放置検出時刻とユーザIDに基づいて、記録紙の放置から、さらに所定時間以上の放置が検出された印刷ジョブの件数を画像形成装置別に集計することを特徴としたものである。
【0016】
第8の技術手段は、第1乃至第7のいずれか1の技術手段において、記録紙を放置しないように促すための警告情報を送信する警告手段を備え、警告手段は、放置情報集計手段による集計件数が所定数以上のユーザに対して、ユーザの端末装置からの印刷ジョブを受け付けると、ユーザの端末装置に警告情報を送信することを特徴としたものである。
【0017】
第9の技術手段は、第8の技術手段において、警告手段は、放置情報集計手段により集計された特定の時間帯の集計件数が所定数以上のユーザに対して、ユーザの端末装置からの印刷ジョブを受け付けた時刻が特定の時間帯に含まれる場合、ユーザの端末装置に警告情報を送信することを特徴としたものである。
【0018】
第10の技術手段は、第8の技術手段において、警告手段は、放置情報集計手段により集計された特定の画像形成装置の集計件数が所定数以上のユーザに対して、ユーザの端末装置からの印刷ジョブで指定された出力先が特定の画像形成装置である場合、ユーザの端末装置に警告情報を送信することを特徴としたものである。
【0019】
第11の技術手段は、第1乃至第7のいずれか1の技術手段において、放置情報集計手段は、画像形成装置で受け付けた印刷ジョブに、印刷ジョブが重要であることを示す情報が含まれる場合、重要であることを示す情報を含む放置情報のみをユーザ毎に集計することを特徴としたものである。
【0020】
第12の技術手段は、第1乃至第7のいずれか1の技術手段において、放置情報集計手段は、画像形成装置で受け付けた印刷ジョブに、印刷ジョブが重要であることを示す情報が含まれる場合、重要であることを示す情報を含む放置情報と、それ以外の放置情報とを区別してユーザ毎に集計することを特徴としたものである。
【0021】
第13の技術手段は、第12の技術手段において、記録紙を放置しないように促すための警告情報を送信する警告手段を備え、警告手段は、放置情報集計手段による集計件数が所定数以上のユーザに対して、ユーザの端末装置からの印刷ジョブに重要であることを示す情報が含まれる場合、ユーザの端末装置に警告情報を送信することを特徴としたものである。
【0022】
第14の技術手段は、第11又は第12の技術手段において、記録紙を放置しないように促すための警告情報を送信する警告手段を備え、警告手段は、放置情報集計手段による集計の結果、重要であることを示す情報を含む放置情報の集計件数が所定数以上のユーザに対して、ユーザの端末装置からの印刷ジョブに重要であることを示す情報が含まれる場合、ユーザの端末装置に警告情報を送信することを特徴としたものである。
【0023】
第15の技術手段は、第1乃至第14のいずれか1の技術手段における印刷管理装置と、印刷ジョブを送信する端末装置と、排紙トレイに排紙・堆積された記録紙の放置を検出可能な画像形成装置とを備え、印刷管理装置と端末装置と画像形成装置とがネットワークを介して接続された印刷管理システムであって、画像形成装置は、端末装置から印刷ジョブを受信した際に、印刷ジョブのジョブ番号と、ユーザIDと、画像形成装置の識別番号とを印刷管理装置に送信し、画像形成装置が記録紙の放置を検出した際に、放置を検出した印刷ジョブのジョブ番号と、画像形成装置の識別番号とを印刷管理装置に送信することを特徴としたものである。
【0024】
第16の技術手段は、第1乃至第14のいずれか1の技術手段における印刷管理装置としての機能を実行するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユーザ毎の放置履歴から放置の状況を集計し、その集計結果に基づいて、過去に放置の多いユーザには印刷ジョブの受け付け時に警告通知を行うことができるため、放置自体を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の印刷管理装置、印刷管理システム、及びプログラムの好適な実施の形態について説明する。
【0027】
図1は、本発明の印刷管理システムに適用可能な放置検出機能付き画像形成装置の要部構成例を示す断面図で、図中、1は放置検出機能付き画像形成装置(以下、単に画像形成装置)を示す。画像形成装置1は、大きく分けて、画像読み取り部2、画像形成部3、給紙部4、及び後処理装置5から構成されている。
【0028】
図1に示すように、画像読み取り部2は、透明ガラスからなる原稿載置台11と、原稿載置台11上へ自動的に原稿を供給するための両面対応自動原稿送り装置(RADF)12と、原稿載置台11上に載置された原稿の画像を走査して読み取るための原稿画像読み取りユニット、すなわちスキャナユニット13とから構成されている。
【0029】
RADF12は、所定の原稿トレイ上に複数枚の原稿を一度にセットしておき、セットされた原稿を1枚ずつ自動的にスキャナユニット13の原稿載置台11上へ送給する公知の装置である。そして、RADF12は、使用者の選択に応じて原稿の片面または両面をスキャナユニット13に読み取らせるように、片面原稿のための搬送経路、両面原稿のための搬送経路、搬送経路切り換え手段などから構成されている。
【0030】
スキャナユニット13は、原稿面上を露光するランプリフレクタアセンブリと、原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換する光電変換素子(CCD)17に導くための第1反射ミラーを搭載した第1走査ユニット14と、第2,第3反射ミラーを搭載した第2走査ユニット15と、反射光像をCCD17上に結像するための光学レンズ体16とから構成される。第1走査ユニット14は原稿載置台11に沿って左から右へ一定速度Vで走行し、第2走査ユニット15はV/2の速度で同一方向に走行するように走査制御される。
【0031】
これにより、画像読み取り部2では、RADF12とスキャナユニット13の関連した動作によって、原稿載置台11上に読み取るべき原稿を順次載置させながら、原稿載置台11の下面に沿ってスキャナユニット13を移動させて、原稿載置台11上に載置された原稿の画像を1ライン毎に順次CCD17に結像させて、原稿画像を読み取る。
原稿画像をスキャナユニット13で読み取ることにより得られた画像データは、各種処理が施された後、図示しないメモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリから画像データを画像形成部3に出力して、感光体ドラム22上に可視画像として再現した後、用紙上に画像を転写してトナー像を形成する。
【0032】
この画像形成部3は、レーザ書き込みユニット(LSU)21および画像を形成するための電子写真プロセス部20を備えている。レーザ書き込みユニット21は、メモリから読み出した画像データまたはパーソナルコンピュータ等の外部機器から転送されてきた画像データに応じてレーザ光を出射する半導体レーザ、レーザ光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度偏向されたレーザ光が電子写真プロセス部20の感光体ドラム22上を等速度で走査するように補正するf−θレンズ等を有している。
【0033】
電子写真プロセス部20は、周知の態様に従い、感光体ドラム22の周囲に帯電装置23、現像装置24、転写装置25、剥離装置26、クリーニング装置27、除電装置を配置し、さらに感光体ドラム22の下流側に定着装置28を配置して構成される。
【0034】
給紙部4は、第1〜3カセット31〜33および手差しトレイ35を有している。第1カセット31は、第1のトレイ及び第2のトレイを収容するタンデムトレイで、両トレイを装置本体から同時に引き出し可能となっている。第2カセット32,第3カセット33は、それぞれ第3のトレイ、第4のトレイを収容する。つまり、3つのカセット(31〜33)に4つのトレイが収容されている。給紙搬送部36,37は、給紙部4から感光体ドラム22と転写装置25との間の転写位置に用紙を搬送するために、給紙ローラ、搬送ローラ、レジストローラを備えている。
【0035】
この給紙部4における第1〜3カセット31〜33内の4つのトレイには、用紙がサイズ毎に積載されて収容されており、使用者が所望するサイズの用紙が収容されているカセットあるいはトレイを選択すると、そのトレイ内の用紙束の上から1枚ずつ送り出され、給紙搬送部36,37の搬送経路を経由して順次電子写真プロセス部20へ向けて搬送される。
【0036】
定着装置28より用紙搬送方向下流側には、用紙排出路29が設けられており、この用紙排出路29は後処理装置5の排紙搬送路41と、両面複写のための再給紙搬送部42とに分岐している。
【0037】
レーザ書き込みユニット21および電子写真プロセス部20において、メモリから読み出された画像データは、レーザ書き込みユニット21によってレーザ光線を走査させることにより感光体ドラム22の表面上に静電潜像として形成され、現像装置24のトナーにより可視像化されたトナー像は給紙部4から搬送された用紙の表面上に転写装置25により静電転写され、定着装置28によって定着される。
【0038】
このようにして画像が形成された用紙は定着装置28から後処理装置5へ送られ、あるいは両面複写のための再給紙搬送部42へと選択的に搬送される。後処理装置5に送られた用紙は、必要に応じてソートあるいはステープル処理等の所定の処理が施され、第1排出卜レイ43または第2排出卜レイ44にスタックされる。また、両面複写の再給紙搬送部42に送られた用紙は、ここで反転され再び電子写真プロセス部20に搬送されて、用紙の裏面に画像が形成され、定着後排出される。
【0039】
図1に示す画像形成装置1は、装置本体に第1〜3カセット31〜33、および手差しトレイ35を備え、さらにオプションとして大容量カセット34を第5のトレイとして付加したものである。大容量カセット34の内部には、上方に付勢されたエレベータを有し、このエレベータに用紙が堆積され、最上部の用紙が給紙ローラに接触し、給紙ローラを回転することによって用紙を分離して送り出し、装置本体の給紙搬送部36に合流させる。大容量カセット34は大容量のトレイであるので、最も使用頻度の高い、例えばA4サイズの標準紙を収容することができる。
【0040】
後処理装置5は、画像形成システムの左側に配置されており、第1排出卜レイ43と第2排出卜レイ44が備えられている。第2排出卜レイ44は、画像形成部3から排出された画像の形成されたシートを、後処理装置5の側面上部に設けられた受け取り排紙搬送路41によって受け取り、シートがそのままの状態で排出される排出部である。第1排出卜レイ43は、ステープル,パンチ等選択的に装着される後処理手段45により後処理が成されたシートが排出される排出部である。後処理装置5において、画像の形成されたシートは、使用者によって選択された第1排出卜レイ43または第2排出卜レイ44から排出されるよう構成されている。
【0041】
画像形成装置1は両面印刷に対応しており、そのための構成について以下に説明する。
画像が記録されたシートは、定着装置28を経て搬送ローラ61によりさらに上方搬送され、切換えゲート65を通過する。そして、シートの排出トレイが画像形成部3の外装に備えられた積載トレイ63に設定されている場合は、反転ローラ62により積載トレイ63に排出される。一方、両面画像形成や後処理が指定されている場合には、一旦反転ローラ62により積載トレイ63に向けてシートを排出する。なお、この場合には、シートを完全に排出せず、シートを挟持させたまま反転ローラ62を逆転させる。そして、上記シートを逆方向、つまり両面画像形成や後処理のために選択的に装着されている再給紙搬送部42や後処理装置5の装着されている方向に、反転搬送する。
【0042】
このとき、切換えゲート65は、図の実線の状態(上向き)から破線の状態(下向き)に切換えられる。両面画像形成を行なう場合は、反転搬送されたシートは、別の切換えゲート64が上向き(破線)の状態で、再給紙搬送部42を通り、再び画像形成部3に供給される。一方、後処理が成される場合は、再給紙搬送部42から別の切換えゲート64が下向き(実線)の状態で、後処理装置5に搬送され、後処理が成されるようになっている。
【0043】
本実施形態の画像形成装置1は、記録紙にユーザ固有のID画像を合成印刷し、ID画像を読み取って記録紙(印刷物)の取り忘れをユーザに通知する放置検出機能を備える。このため画像形成装置1は、画像データとユーザ固有のID画像データとを記録紙に合成印刷する画像形成手段である画像形成部3と、画像形成部3により画像データとID画像データが合成印刷された記録紙を排紙・堆積させる排紙手段である積載トレイ(以下、排紙トレイ)63と、排紙トレイ63に堆積された記録紙のID画像を読み取る読取手段であるID画像読取手段52と、ID画像読取手段52を昇降させるための駆動用ローラ(モータ)やベルトなどで構成される昇降手段51と、排紙トレイ63上の記録紙の有無を検知する記録紙センサ53と、各記録紙の端部が互いにずれた状態で整合させる整合手段(パドラ)54とを備える。
【0044】
ID画像読取手段52は、撮像素子のCCDで構成されるラインセンサあるいはエリアセンサであり、排紙トレイ63に排紙される記録紙端部のID画像を読み取り可能な位置に設けられる。
【0045】
排紙トレイ63は、各記録紙の端部を当接させID画像読取手段52により記録紙端部のID画像を読み取り可能なように透明な整合面551と、整合面551に対して傾斜した記録紙載置面552とが形成されている。記録紙載置面552が整合面551に向かって下向きに傾斜しているため、整合面551に対して各記録紙を傾斜させ、さらに、整合手段54により各記録紙端部が互いにずれるように整合される。このように構成することで、排紙トレイ63は各記録紙端部のID画像が露出した状態で各記録紙を堆積させることができ、ID画像読取手段52が各記録紙のID画像を精度良く検知することが可能となる。
【0046】
画像形成部3は、ユーザからの印刷要求を受け付けると、記録紙に画像データを印刷すると共に、記録紙の端部にID画像データを印刷し、その印刷物を排紙トレイ63に排紙・堆積させる。そして、ID画像読取手段52は、排紙トレイ63に記録紙が堆積され、整合面551に各記録紙の端部が当接した状態で、整合面551を介して記録紙端部のID画像を読み取る。このID画像データは予めユーザ毎に図示しないメモリに登録されており、例えばユーザが使用するPCから印刷要求がなされると、この印刷要求に含まれるユーザ情報からメモリを参照し、そのユーザ情報に対応するID画像データを特定する。
【0047】
画像形成装置1は、ID画像読取手段52により読み取ったID画像に対応するユーザ指定の外部機器に排紙トレイ63の記録紙を取り除くように通知する電子メールなどの通信機能を備える。なお、ユーザ通知のタイミングは、記録紙の排紙後所定時間経過したとき等とすればよい。ここでいう外部機器とは、ユーザが使用するPCをはじめ、携帯電話機などの携帯端末であってもよく、画像形成装置1は、ユーザ指定の外部機器の電子メールアドレスをID画像データに対応付けて予め登録しておく。また、外部機器固有のIPアドレスを指定して直接通知を行うようにしてもよい。この場合もIPアドレスをID画像データに対応付けて登録しておけばよい。
【0048】
なお、記録紙の排出先を排紙トレイ63ではなく、後処理装置5が備える第1排出トレイ43あるいは第2排出トレイ44としてもよい。第1排出トレイ43は、第1排出トレイ43を昇降させるための駆動用ローラ(モータ)やベルトなどで構成されるトレイ昇降手段461と、第1排出トレイ43に堆積された記録紙のID画像を読み取るCCD(ラインセンサあるいはエリアセンサ)で構成されるID画像読取手段471と、第1排出トレイ43上の記録紙の有無を検知する記録紙センサ481とを備える。同様に、第2排出トレイ44は、トレイ昇降手段462、ID画像読取手段472、及び記録紙センサ482を備える。前述の排紙トレイ63の場合、ID画像読取手段を昇降させて記録紙端部のID画像を読み取っていたが、第1排出トレイ43あるいは第2排出トレイ44の場合、ID画像読取手段を固定した状態で、トレイ自体を昇降させて記録紙端部のID画像を読み取るようにしている。
【0049】
このように、本実施形態の画像形成装置1は、ID画像読取手段を昇降させてID画像を読み取る形態に限らず、ID画像読取手段を固定した状態で排紙トレイ自体を昇降させてID画像を読み取る形態としてもよい。
【0050】
図2は、記録紙に印刷されたID画像の一例を示す図で、図中、Pは記録紙を示す。記録紙Pは、図中矢印の排紙方向(記録紙搬送方向)に向かって先端を除く端部3辺のいずれかにID画像が合成印刷される。これは、記録紙先端にID画像を合成すると、定着巻きつきを生じやすくなることから好ましくない。よって先端を避けて先端以外の3辺の端部に合成印刷することが望ましい。なお、ID画像は例えばユーザ固有の識別情報を示すバーコードなどであって、これによって印刷を行ったユーザが特定される。
【0051】
図3は、本発明に係る画像形成装置1が備えるID画像読取手段52の周辺構成例を示す図である。図3(A)はID画像読取手段52の周辺構成を示す側面図、図3(B)は図3(A)に示すX部を拡大した図、図3(C)は図3(A)に示す整合面をY方向から見た記録紙Pの後端断面を模式的に示した図である。
【0052】
図3(A)において、複数枚の記録紙Pが排紙トレイ63に排紙・堆積され、各記録紙Pは記録紙搬送方向後端にID画像が印刷されている。各記録紙Pの後端は、整合面551に当接され、昇降手段51によりID画像読取手段52を昇降させることで、ID画像読取手段52により記録紙Pの後端に印刷されたID画像が読み取られる。なお、昇降手段51は、駆動用ローラ(モータ)と従動ローラからなる駆動系51aと、両ローラ間の動力伝達手段であるベルト51bとから構成され、ID画像を読み取り可能な位置までID画像読取手段52を昇降させる。
【0053】
図3(B)に示すように、記録紙後端にはID画像としてバーコードが印刷されるが、このバーコードの印刷部分は、トナーの分だけ記録紙Pの厚みよりも厚くなり、さらに、記録紙Pに若干量のトナーがしみ込んでいる。複数枚の記録紙Pが堆積された状態では、図3(C)に示すように、その後端断面においてバーコード部分が重なり、当該バーコード部分が黒くなるが、その他の部分が白いため、後端断面に濃淡(コントラスト)がつく。そこで、その後端断面をID画像読取手段52によりスキャンすることで、バーコードを精度よく読み取ることが可能となる。
【0054】
図3(C)に示すように、排紙トレイ63に同一ユーザの複数枚の記録紙Pを堆積させると、その後端の同じ位置に印刷されたID画像は略同じ位置で重なる。従って、記録紙Pの枚数が多いほど、後端断面におけるID画像のコントラストが鮮明になるため、ID画像読取手段52の読取精度は向上することになる。なお、ID画像の印刷面は、記録紙Pの片面あるいは両面のいずれでもよいが、両面に印刷したほうが、ID画像の印刷部分が片面に比べて厚くなるため、片面に比べ少ない枚数でも読み取り可能となり、また、同じ枚数であれば片面よりも読み取りやすくなる。
【0055】
図4は、図3とは異なるID画像読取手段52の周辺構成例を示す図である。画像形成装置1は、昇降手段51の代わりに、排紙トレイ63を昇降させるトレイ昇降手段56を備える。このトレイ昇降手段56により、ID画像読取手段52は固定のまま、排紙トレイ63を昇降させて記録紙後端のID画像を読み取るように構成されている。なお、トレイ昇降手段56は、駆動用ローラ56aと、排紙トレイ63を支持し駆動用ローラ56aにより昇降する支持部材56bとから構成され、ID画像を読み取り可能な位置まで排紙トレイ63を昇降させる。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態に係る印刷管理システムの構成例を説明するための図である。図5(A)は本実施形態に係る印刷管理システムの接続構成の一例を示す図である。図中、1〜1は画像形成装置であるMFP(デジタル複合機)、6〜6は端末装置であるクライアントPC、10は印刷管理装置である管理サーバ、7はLANなどのネットワークを示す。これら管理サーバ10、MFP1〜1、クライアントPC6〜6は、LAN7を介して接続される。なお、本実施形態において、3台のMFP1〜1は、前述の図1に示した画像形成装置である放置検出機能付きMFPとする。
【0057】
クライアントPC6あるいはクライアントPC6はプリンタドライバを内蔵しており、ユーザ操作に従って、文書データや画像データをいずれかのMFPから印刷させるための印刷ジョブを生成し、LAN7へ送信する。この印刷ジョブには、印刷出力する印字データ以外に、ユーザID,クライアントPCの識別情報(IPアドレスなど),出力先MFP,各種印刷設定などの情報が含まれる。
【0058】
図5(B)は放置検出機能付きMFPの構成例を示すブロック図である。図中、MFP1は、管理サーバ10及びクライアントPC6とLAN7を介して通信可能に接続するための通信部1aと、装置全体の動作を制御するためのCPUやROM,RAM等で構成される制御部1bと、排紙トレイに排紙・堆積された記録紙の放置を検出する放置検出手段1cと、を備える。この放置検出手段1cは、前述の図1に示した放置検出機能により実現される。
【0059】
図5(C)は管理サーバ10の構成例を示すブロック図である。図中、管理サーバ10は、MFP1及びクライアントPC6とLAN7を介して通信可能に接続する通信部101と、装置全体の動作を制御するためのCPUやRAM等で構成される制御部102と、放置履歴テーブル103a及び放置集計テーブル103bを記憶するメモリ103と、ハードディスク等の記憶部104と、記録紙を放置しないように促すための警告情報を通信部101を介して送信する警告手段105と、を備える。
【0060】
制御部102は、本発明の管理サーバ10としての機能を実行するためのプログラムである放置情報取得手段102a,放置情報集計手段102bを備える。これら放置情報取得手段102aと放置情報集計手段102bは、記憶部104あるいはメモリ103に格納され、実行時に制御部102のRAMに読み出され、CPUにより実行される。
【0061】
放置情報取得手段102aは、MFP1で受け付けた印刷ジョブ毎の放置記録紙に関する放置情報を取得する。放置情報集計手段102bは、放置情報取得手段102aで取得した放置情報をユーザ毎に集計する。この放置情報には、例えば、印刷ジョブ毎に、MFP1(放置検出手段1c)が記録紙の放置を検出した時刻(放置検出時刻)、ユーザを識別するためのユーザID、印刷ジョブ固有のジョブ番号、MFP固有のMFP番号などが含まれる。
【0062】
放置情報集計手段102bは、放置情報取得手段102aで取得された放置情報に基づいて、放置履歴テーブル103aを作成・更新し、さらに、この放置履歴テーブル103aを参照して、放置集計テーブル103bを作成・更新する。また、制御部102は、放置集計テーブル103bを参照して、所定の条件に基づいて放置の多いユーザ(放置常習者)を特定する。そして、警告手段105は、制御部102の制御に基づいて、当該ユーザ(放置常習者)がクライアントPC6から印刷ジョブを実行するごとに、そのクライアントPC6へ警告情報を送信して、記録紙を放置しないように予め通知を行う。
【0063】
図6は、クライアントPCが表示するプリンタドライバの設定画面の一例を示す図である。ユーザは、文書データを印刷する際に、クライアントPC6を操作して、プリンタドライバの設定画面を表示させ、この設定画面上で各種印刷設定を行うことができる。ここで設定された設定情報は印刷ジョブと共に送信される。例えば、「ID合成」がチェックされると、MFP1の放置検出機能が有効となり、排紙トレイに排紙・堆積された記録紙の放置が検出される。
【0064】
図7は、管理サーバ10の警告手段105により送信された警告情報がクライアントPCの画面上に表示されたときの一例を示す図である。前述したように、管理サーバ10により放置常習者として判定されたユーザに対して、そのユーザが印刷ジョブを実行するごとに、図示のような警告メッセージを表示させ、記録紙を放置しないように通知を行う。
【0065】
このように、ユーザ毎の放置履歴から放置の状況を集計し、その集計結果に基づいて、過去に放置の多いユーザには印刷ジョブの受け付け時に警告通知を行うことができるため、放置自体を防止することができる。
【0066】
図8は、管理サーバ10による放置履歴テーブル103aの作成・更新方法の一例を説明するための図である。なお、本例に示す放置履歴テーブル103aの作成・更新処理は、管理サーバ10が備える放置情報集計手段102bにより実行される。
【0067】
図8(A)において、クライアントPC6から印刷ジョブが実行されると、印刷ジョブを受け付けたMFP1あるいはMFP2から管理サーバ10へ、ジョブNo,ユーザID,MFP番号などがジョブ情報として送信される。管理サーバ10は、これらジョブNo,ユーザID,MFP番号などのジョブ情報を放置履歴テーブル103aへ登録する。なお、このジョブ情報は本発明の放置情報に含まれるものであるが、上記登録時ではジョブNo,ユーザID,MFP番号が各MFPから管理サーバ10へ送信され、後述する放置検出時ではジョブNo,MFP番号が各MFPから管理サーバ10へ送信される。
【0068】
本例の場合、放置履歴テーブル103aの項目は、ジョブNo,ユーザID,MFP番号,最初に記録紙有りを検知した時刻T1,放置時間超過フラグからなり、MFP1あるいはMFP2からの上記ジョブ情報に基づいて作成・更新される。本例では、ジョブNo,ユーザID,MFP番号の順に、「JOB1,C12345,MFP1」、「JOB2,D54321,MFP2」が登録される。この登録処理は印刷ジョブが実行される毎に行われる。
【0069】
次に、各MFPは、MFPが受け付けた印刷ジョブを出力した後、放置検出手段により、定期的にあるいは任意のタイミングで、排紙トレイに排紙・堆積させた記録紙の放置を検出する。例えば、MFP1がJOB1の記録紙の放置を検出した場合、JOB1の放置情報(ここではジョブNo,MFP番号)が管理サーバ10へ送信され、そのときの管理サーバ10の受信時刻(ここでは12:10)が放置履歴テーブル103aへ登録される。ここでは記録紙が排紙トレイに放置されていたJOB1の放置情報のみが送信され、JOB2については放置が検出されなかったため、放置情報は送信されない。
【0070】
図8(B)に示すように、放置履歴テーブル103aの時刻T1が「12:10」に更新され、さらに、放置時間超過フラグが「超過」に更新される。このように、本例では記録紙の放置が検出された時点で、即座に放置時間超過と判定され、放置履歴テーブル103aに記録される。
【0071】
図9は、管理サーバ10による放置履歴テーブル103aの作成・更新方法の他の例を説明するための図である。なお、本例に示す放置履歴テーブル103aの作成・更新処理は、管理サーバ10が備える放置情報集計手段102bにより実行される。
図9(A)において、クライアントPC6から印刷ジョブが実行されると、印刷ジョブを受け付けたMFP1あるいはMFP2から管理サーバ10へ、ジョブNo,ユーザID,MFP番号などがジョブ情報として送信される。管理サーバ10は、これらジョブNo,ユーザID,MFP番号などのジョブ情報を放置履歴テーブル103aへ登録する。
【0072】
本例の場合、放置履歴テーブル103aの項目は、ジョブNo,ユーザID,MFP番号,最初に記録紙有りを検知した時刻T1,最後に記録紙有りを検知した時刻T2,放置時間(T2−T1),放置時間超過フラグ(放置時間が20分以上で「超過」)からなり、MFP1あるいはMFP2からの上記ジョブ情報に基づいて作成・更新される。本例では、ジョブNo,ユーザID,MFP番号の順に、「JOB1,C12345,MFP1」、「JOB2,D54321,MFP2」が登録される。この登録処理は印刷ジョブが実行される毎に行われる。
【0073】
次に、各MFPは、MFPが受け付けた印刷ジョブを出力した後、放置検出手段により、定期的にあるいは任意のタイミングで、排紙トレイに排紙・堆積させた記録紙の放置を検出する。例えば、MFP1がJOB1の記録紙の放置を検出した場合、JOB1の放置情報(ここではジョブNo,MFP番号)が管理サーバ10へ送信され、そのときの管理サーバ10の受信時刻(ここでは12:10)が放置履歴テーブル103aへ登録される。すなわち、図9(B)に示すように、放置履歴テーブル103aの時刻T1が「12:10」に更新される。しかし、本例では、前述の図8に示した例とは異なり、最初(1回目)に記録紙の放置が検出された時点では放置時間超過と判定されない。
【0074】
各MFPは、引き続き、放置検出手段により、排紙トレイに排紙・堆積された記録紙の放置を検出する(2回目)。そして、MFP1がJOB1の記録紙の放置を検出した場合、JOB1の放置情報(ジョブNo,MFP番号)が管理サーバ10へ送信され、そのときの管理サーバ10の受信時刻(ここでは12:40)が放置履歴テーブル103aへ登録される。すなわち、図9(C)に示すように、放置履歴テーブル103aの時刻T2が「12:40」に更新される。ここで、JOB1の放置時間(T2−T1)が算出され、この放置時間が所定時間(ここでは20分)以上の場合、放置時間超過フラグが「超過」に更新される。
【0075】
このように、本例では記録紙の放置(1回目)から、さらに所定時間以上の放置(2回目)が検出された時点で、放置時間超過と判定され、放置履歴テーブル103aに記録される。なお、2回目の放置が検出されなかった場合や、2回目の放置が検出されても放置時間(T2−T1)が所定時間未満の場合には、放置時間超過と判定されない。
【0076】
次に、各MFPは、引き続き、放置検出手段により、排紙トレイに排紙・堆積された記録紙の放置を検出する(3回目)。この際、JOB1の記録紙がユーザにより取り除かれる等により、MFP1により記録紙の放置(3回目)が検出されなければ、放置情報(ジョブNo,MFP番号)は該当なしのまま、管理サーバ10へ送信される。図9(D)に示すように、この放置情報は「13:10」に管理サーバ10で受信されるが、放置は検出されなかったため、放置履歴テーブル103aの更新処理は実行されず、そのままとなる。
【0077】
図10は、管理サーバ10により作成・更新される放置集計テーブル103bの一例を示す図である。なお、本例に示す放置集計テーブル103bの作成・更新処理は、管理サーバ10が備える放置情報集計手段102bにより実行される。
【0078】
放置情報集計手段102bは、放置履歴テーブル103aに登録された放置情報に基づいて、どのユーザが、いつ、何件放置したかを管理するためのテーブルである放置集計テーブル103bを作成・更新する。管理者等は、放置集計テーブル103bを参照すれば、どのユーザが、どのMFPにおいて、どの時間帯に何件放置したかを把握することができる。
【0079】
例えば、前述の図8に示した例の場合、放置情報集計手段102bは、放置履歴テーブル103aに登録された放置検出時刻(時刻T1)と、ユーザIDとに基づいて、記録紙の放置が検出された印刷ジョブの件数を時間帯別(本例では午前/午後)あるいは画像形成装置別(本例ではMFP1/MFP2)に集計して、放置集計テーブル103bを作成する。この放置集計テーブル103bは、放置履歴テーブル103aが更新されると、併せて更新される。
【0080】
また、前述の図9に示した例の場合、放置情報集計手段102bは、放置履歴テーブル103aに登録された放置検出時刻(時刻T1あるいは時刻T2)と、ユーザIDとに基づいて、記録紙の放置から、さらに所定時間以上の放置が検出された印刷ジョブの件数を時間帯別(午前/午後)あるいは画像形成装置別(MFP1/MFP2)に集計して、放置集計テーブル103bを作成する。
【0081】
図10に示す放置集計テーブル103bの場合、ユーザIDが「C12345」のユーザについては、合計14件の放置が検出され、さらに、時間帯別では午前が11件、午後が3件、装置別ではMFP1が12件、MFP2が2件という集計結果になる。以下、各ユーザIDについて同様の集計処理を行う。
【0082】
図11〜図13は、本発明の印刷管理システムにおける放置情報の集計処理及び集計結果に基づく警告処理の流れを説明するための図である。
図11において、まず、クライアントPC6は、プリンタドライバにより文書データを変換した印刷ジョブを、出力先として指定したMFP1へ送信する(S1)。MFP1は、ジョブNo,ユーザID,MFP番号などを含む印刷ジョブ情報を、管理サーバ10へ送信する(S2)。管理サーバ10は、MFP1から受信したジョブNo,ユーザID,MFP番号を放置履歴テーブル103aに追加登録する(S3)。
【0083】
次に、図12において、MFP1は、クライアントPC6からの印刷ジョブの出力終了後に、排紙トレイに排紙・堆積された記録紙の放置を検出する処理を実行する(S11)。記録紙の放置を検出したかどうかを判定し(S12)、放置を検出した場合(YESの場合)、ジョブNo及びMFP番号を含む放置情報を管理サーバ10へ送信する(S13)。一方、放置を検出していない場合(NOの場合)、S11に戻り、放置検出の待機状態に移行する。
【0084】
管理サーバ10は、MFP1からの放置情報(ジョブNo及びMFP番号)に基づいて、放置履歴テーブル103aを更新し(S14)、さらに放置集計テーブル103bを更新する(S15)。
【0085】
次に、図13において、クライアントPC6は、印刷ジョブをMFP1へ送信すると(S21)、MFP1は、印刷ジョブに係るユーザID,出力先MFPなどを含む印刷ジョブ情報を管理サーバ10へ送信する(S22)。管理サーバ10は、ユーザIDに該当する集計結果を放置集計テーブル103bから検索し、その集計結果が所定の条件に合致したかどうかを判定する(S23)。
【0086】
S23において、例えば、放置集計テーブル103bを参照し、当該ユーザIDに対応するユーザの放置合計件数が所定数(例えば10件)を超えていたら(YESの場合)、クライアントPC6にMFP1を介してあるいは直接警告を行う(S24)。また、印刷ジョブで出力先として指定されたMFPの放置合計件数が10件を超えていたら警告を行うようにしてもよい。また、印刷ジョブを受け付けた時刻を含む時間帯(午前/午後など)の放置合計件数が10件を超えていたら警告を行うようにしてもよい。一方、S23において、放置集計テーブル103bにおいて、上記各ケースにおける放置合計件数が所定数(例えば10件)を超えていなければ(NOの場合)、印刷ジョブ情報の入力待ち状態に移行する。
【0087】
最後に、クライアントPC6は、管理サーバ10からの警告情報を受け取ると、前述の図7に示したように、プリンタドライバの画面上に警告情報に含まれる警告メッセージを表示する(S25)。
【0088】
このように、管理サーバ10が備える警告手段105は、放置情報集計手段102bによる集計件数が所定数以上のユーザに対して、そのユーザのクライアントPC6からの印刷ジョブを受け付けると、ユーザのクライアントPC6に警告情報を送信する。また、警告手段105は、放置情報集計手段102bにより集計された特定の時間帯(例えば午前中)の集計件数が所定数以上のユーザに対して、そのユーザのクライアントPC6からの印刷ジョブを受け付けた時刻が特定の時間帯(午前中)に含まれる場合、ユーザのクライアントPC6に警告情報を送信するようにしてもよい。また、警告手段105は、放置情報集計手段102bにより集計された特定のMFP(例えばMFP1)の集計件数が所定数以上のユーザに対して、そのユーザのクライアントPC6からの印刷ジョブで指定された出力先が特定のMFP(MFP1)である場合、ユーザのクライアントPC6に警告情報を送信するようにしてもよい。
【0089】
図14は、管理サーバ10による放置履歴テーブル103aへの登録処理の一例を説明するためのフロー図である。本例の処理は、図8に示した例に対応し、MFP1で記録紙放置が検出され、MFP1からの送信データ(放置情報:ジョブNo及びMFP番号)を受信した時点から開始される。
【0090】
まず、管理サーバ10が備える放置情報集計手段102bは、放置履歴テーブル103aのn行をn=1にセットし(ステップS31)、放置履歴テーブル103aのnの行を参照する(ステップS32)。そして、放置履歴テーブル103aのジョブNo及びMFP番号と、MFP1からの送信データに含まれるジョブNo及びMFP番号とを比較する(ステップS33)。
【0091】
次に、放置情報集計手段102bは、ジョブNo及びMFP番号が一致したかどうかを判定し(ステップS34)、両者が一致した場合(YESの場合)、放置履歴テーブル103aの時刻T1に現在時刻を登録し(ステップS35)、超過フラグを付与する(ステップS36)。そして、放置履歴テーブル103aのn行をn=n+1にセットする(ステップS37)。また、ステップS34において、両者が一致しない場合(NOの場合)、ステップS37に移行して、放置履歴テーブル103aのn行をn=n+1にセットする。
【0092】
最後に、放置情報集計手段102bは、放置履歴テーブル103aにおける最終データであるかどうかを判定し(ステップS38)、最終データと判定した場合(YESの場合)、そのまま終了する。また、ステップS38において、最終データと判定されない場合(NOの場合)、ステップS32に戻り処理を繰り返す。
【0093】
図15は、管理サーバ10による放置履歴テーブル103aへの登録処理の他の例を説明するためのフロー図である。本例の処理は、図9に示した例に対応し、MFP1で記録紙放置が検出され、MFP1からの送信データ(放置情報:ジョブNo及びMFP番号)を受信した時点から開始される。
【0094】
まず、管理サーバ10が備える放置情報集計手段102bは、放置履歴テーブル103aのn行をn=1にセットし(ステップS41)、放置履歴テーブル103aのnの行を参照する(ステップS42)。そして、放置履歴テーブル103aのジョブNo及びMFP番号と、MFP1からの送信データに含まれるジョブNo及びMFP番号とを比較する(ステップS43)。
【0095】
次に、放置情報集計手段102bは、ジョブNo及びMFP番号が一致したかどうかを判定し(ステップS44)、両者が一致した場合(YESの場合)、放置履歴テーブル103aの時刻T1に記録済みかどうかを判定する(ステップS45)。ここで、時刻T1に記録済みの場合(YESの場合)、放置履歴テーブル103aの時刻T2に現在時刻を登録する(ステップS46)。また、ステップS44において、両者が一致しない場合(NOの場合)、ステップS51に移行して、放置履歴テーブル103aのn行をn=n+1にセットする。また、ステップS45において、時刻T1に記録されていない場合(NOの場合)、時刻T1に現在時刻を登録し(ステップS47)、ステップS51に移行する。
【0096】
次に、放置情報集計手段102bは、ステップS46で時刻T2に現在時刻を登録した後に、時刻T2−T1から放置時間を算出し(ステップS48)、算出した放置時間が所定時間を超過したかどうかを判定する(ステップS49)。ここで、放置時間が超過した場合(YESの場合)、超過フラグを付与する(ステップS50)。そして、放置履歴テーブル103aのn行をn=n+1にセットする(ステップS51)。また、ステップS49において、放置時間が超過していない場合(NOの場合)、ステップS51に移行する。
【0097】
最後に、放置情報集計手段102bは、放置履歴テーブル103aにおける最終データであるかどうかを判定し(ステップS52)、最終データと判定した場合(YESの場合)、そのまま終了する。また、ステップS52において、最終データと判定されない場合(NOの場合)、ステップS42に戻り処理を繰り返す。
【0098】
図16は、管理サーバ10によるクライアントPC6への警告処理の一例を説明するためのフロー図である。まず、管理サーバ10が備える制御部102は、クライアントPC6からの印刷ジョブが実行されると、ユーザIDに基づいて、放置集計テーブル103bの「合計」の欄を参照し(ステップS61)、集計件数が所定数(ここでは5件)を超えたかどうかを判定する(ステップS62)。ここで、集計件数が5件を超えた場合(YESの場合)、警告手段105が、制御部102の制御に基づいて、ユーザIDに対応するクライアントPC6へMFP1を介してあるいは直接警告を行う(ステップS63)。また、ステップS62において、集計件数が5件を超えない場合(NOの場合)、警告は行わず、そのまま終了する。
【0099】
図17は、管理サーバ10によるクライアントPC6への警告処理の他の例を説明するためのフロー図である。まず、管理サーバ10が備える制御部102は、クライアントPC6から印刷ジョブが実行されると、ユーザID及び現在時刻に基づいて、放置集計テーブル103bの「時間帯 小計」の欄を参照し(ステップS71)、集計件数が所定数(ここでは5件)を超えたかどうかを判定する(ステップS72)。ここで、集計件数が5件を超えた場合(YESの場合)、警告手段105が、制御部102の制御に基づいて、ユーザIDに対応するクライアントPC6へMFP1を介してあるいは直接警告を行う(ステップS73)。また、ステップS72において、集計件数が5件を超えない場合(NOの場合)、警告は行わず、そのまま終了する。
【0100】
図18は、管理サーバ10によるクライアントPC6への警告処理の他の例を説明するためのフロー図である。まず、管理サーバ10が備える制御部102は、クライアントPC6からの印刷ジョブが実行されると、ユーザID及び指定された出力先に基づいて、放置集計テーブル103bの「装置 小計」の欄を参照し(ステップS81)、集計件数が所定数(ここでは5件)を超えたかどうかを判定する(ステップS82)。ここで、集計件数が5件を超えた場合(YESの場合)、警告手段105が、制御部102の制御に基づいて、ユーザIDに対応するクライアントPC6へMFP1を介してあるいは直接警告を行う(ステップS83)。また、ステップS82において、集計件数が5件を超えない場合(NOの場合)、警告は行わず、そのまま終了する。
【0101】
図19は、管理サーバ10による放置履歴テーブル103aの作成・更新方法の他の例を説明するための図である。なお、本例に示す放置履歴テーブル103aの作成・更新処理は、管理サーバ10が備える放置情報集計手段102bにより実行される。
【0102】
図19(A)において、クライアントPC6から印刷ジョブが実行されると、印刷ジョブを受け付けたMFP1あるいはMFP2から管理サーバ10へ、ジョブNo,ユーザID,MFP番号,さらに当該印刷ジョブが重要であることを示す情報(以下、重要度情報)などがジョブ情報として送信される。管理サーバ10は、これらジョブNo,ユーザID,MFP番号,及び重要度情報などのジョブ情報を放置履歴テーブル103aへ登録する。なお、このジョブ情報は本発明の放置情報に含まれるものであるが、上記登録時ではジョブNo,ユーザID,MFP番号,重要度情報が各MFPから管理サーバ10へ送信され、後述する放置検出時ではジョブNo,MFP番号が各MFPから管理サーバ10へ送信される。
【0103】
本例の場合、放置履歴テーブル103aの項目は、ジョブNo,ユーザID,MFP番号,重要度情報,最初に記録紙有りを検知した時刻T1,放置時間超過フラグからなり、MFP1あるいはMFP2からの上記ジョブ情報に基づいて作成・更新される。本例では、ジョブNo,ユーザID,MFP番号,重要度情報の順に、「JOB1,C12345,MFP1,(重要度)高」、「JOB2,D54321,MFP2」が登録される。この登録処理は印刷ジョブが実行される毎に行われる。
【0104】
なお、この重要度情報は、例えば、クライアントPC6のハードディスク(HDD)に記憶された文書データや、電子メールに添付された文書データなどに予め付与されている「丸秘」,「極秘」などの情報である。クライアントPC6は、この重要度情報を、プリンタドライバにより文書データを印刷ジョブに変換する際に抽出し、印刷ジョブと共に管理サーバ10へ送信する。
【0105】
次に、各MFPは、MFPが受け付けた印刷ジョブを出力した後、放置検出手段により、定期的にあるいは任意のタイミングで、排紙トレイに排紙・堆積させた記録紙の放置を検出する。例えば、MFP1がJOB1の記録紙の放置を検出した場合、JOB1の放置情報(ここではジョブNo,MFP番号)が管理サーバ10へ送信され、そのときの管理サーバ10の受信時刻(ここでは12:10)が放置履歴テーブル103aへ登録される。ここでは記録紙が排紙トレイに放置されていたJOB1の放置情報のみが送信され、JOB2については放置が検出されなかったため、放置情報は送信されない。
【0106】
図19(B)に示すように、放置履歴テーブル103aの時刻T1が「12:10」に更新され、さらに、放置時間超過フラグが「超過」に更新される。このように、本例では記録紙の放置が検出された時点で、即座に放置時間超過と判定され、放置履歴テーブル103aに記録される。
【0107】
図20は、管理サーバ10により作成・更新される放置集計テーブル103bの他の例を示す図である。なお、本例に示す放置集計テーブル103bの作成・更新処理は、管理サーバ10が備える放置情報集計手段102bにより実行される。
【0108】
前述の図19に示した例の場合、放置情報集計手段102bは、MFP1で受け付けた印刷ジョブに重要度情報(すなわち、重要度「高」)が含まれ、その重要度情報が放置履歴テーブル103aに登録されている場合、重要度情報を含む放置情報と、それ以外の放置情報とを区別してユーザ毎に集計するようにしてもよい。このように、ユーザID毎に重要度情報に応じて区別して集計した放置集計テーブル103bの例を図20(A)及び(B)に示す。また、放置情報集計手段102bは、MFP1で受け付けた印刷ジョブに重要度情報が含まれ、その重要度情報が放置履歴テーブル103aに登録されている場合、図20(B)に示すように、重要度情報を含む放置情報のみをユーザ毎に集計するようにしてもよい。
【0109】
この放置集計テーブル103bを作成・更新することで、印刷ジョブの中で、特に重要な印刷ジョブを放置する傾向のあるユーザを特定することができる。また、放置履歴の集計を重要な印刷ジョブに絞って実施することで、放置集計処理を効率的に行うことができる。
【0110】
警告手段105は、制御部102の制御に基づいて、図20(A)あるいは図20(B)に示す放置集計テーブル103bにおける集計件数が所定数以上のユーザに対して、ユーザのクライアントPC6からの印刷ジョブに重要度情報が含まれる場合、そのクライアントPC6に警告情報を送信するようにしてもよい。
【0111】
また、警告手段105は、制御部102の制御に基づいて、図20(B)に示す放置集計テーブル103bによる集計結果から、その集計件数が所定数以上のユーザに対して、ユーザのクライアントPC6からの印刷ジョブに重要度情報が含まれる場合、そのクライアントPC6に警告情報を送信するようにしてもよい。
【0112】
図21〜図22は、本発明の印刷管理システムにおける放置情報の集計処理及び集計結果に基づく警告処理の流れの他の例を説明するための図である。
図21において、まず、クライアントPC6は、HDDや電子メールから、重要度情報が付与された文書データを取得し(S91)、プリンタドライバにより文書データを変換した印刷ジョブ(重要度情報含む)を、出力先として指定したMFP1へ送信する(S92)。MFP1は、ジョブNo,ユーザID,MFP番号,及び重要度情報などを含む印刷ジョブ情報を、管理サーバ10へ送信する(S93)。管理サーバ10は、MFP1から受信したジョブNo,ユーザID,MFP番号,及び重要度情報を放置履歴テーブル103aに追加登録する(S94)。
【0113】
MFP1は、クライアントPC6からの印刷ジョブの出力終了後に、排紙トレイに排紙・堆積された記録紙の放置を検出する処理を実行する。この際、記録紙の放置を検出したかどうかを判定し、放置を検出した場合、ジョブNo及びMFP番号を含む放置情報を管理サーバ10へ送信する。管理サーバ10は、MFP1からの放置情報(ジョブNo及びMFP番号)に基づいて、放置履歴テーブル103aを更新し、さらに放置集計テーブル103bを更新する。
【0114】
次に、図22において、クライアントPC6は、重要度情報を含む印刷ジョブをMFP1へ送信すると(S101)、MFP1は、印刷ジョブに係るユーザID,出力先MFP,及び重要度情報などを含む印刷ジョブ情報を管理サーバ10へ送信する(S102)。管理サーバ10は、ユーザIDに該当する集計結果を放置集計テーブル103bから検索し、その集計結果が所定の条件に合致したかどうかを判定する(S103)。
【0115】
S103において、例えば、放置集計テーブル103bを参照し、当該ユーザIDに対応するユーザの放置合計件数が所定数(例えば10件)を超え、さらに、印刷ジョブの重要度が「高」の場合(YESの場合)、クライアントPC6にMFP1を介してあるいは直接警告を行う(S104)。一方、S103において、放置集計テーブル103bにおいて、上記ケースにおける放置合計件数が所定数(例えば10件)を超えていなければ(NOの場合)、印刷ジョブ情報の入力待ち状態に移行する。
【0116】
最後に、クライアントPC6は、管理サーバ10からの警告情報を受け取ると、前述の図7に示したように、プリンタドライバの画面上に警告情報に含まれる警告メッセージを表示する(S105)。
【0117】
このように、管理サーバ10が備える警告手段105は、放置情報集計手段102bによる集計件数が所定数以上のユーザに対して、そのユーザのクライアントPC6からの印刷ジョブが重要度情報を含む、すなわち重要度が「高」の場合に、ユーザのクライアントPC6に警告情報を送信するように構成される。
【0118】
以上、本発明の印刷管理装置及びシステムにおける各機能を中心に各実施形態を説明してきたが、本発明は、印刷管理装置における各ステップを実行する方法としても説明したように印刷管理方法としての形態もとることができる。また、この各機能を有する印刷管理装置と同様に、コンピュータに印刷管理装置として機能させるための印刷管理プログラムとしての形態も、また、その印刷管理プログラムを記録した記録媒体としての形態も可能である。
【0119】
本発明による印刷管理の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態について説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM(−R/−RW)、光磁気ディスク、DVD−ROM(−R/−RW/−RAM)、FD、HD、BD、フラッシュメモリ、メモリカードや、メモリスティック及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、これら記録媒体に上述した本発明の各実施形態の装置としての機能をコンピュータに実行させ、印刷管理の機能を実現するためのプログラムを記録して流通させることにより、当該機能の実現を容易にする。そしてコンピュータ等の情報処理装置に上記のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記憶媒体に当該プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に関わる印刷管理の機能を実行することができる。
【0120】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザ毎の放置履歴から放置の状況を集計し、その集計結果に基づいて、過去に放置の多いユーザには印刷ジョブの受け付け時に警告通知を行うことができるため、放置自体を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の印刷管理システムに適用可能な放置検出機能付き画像形成装置の要部構成例を示す断面図である。
【図2】記録紙に印刷されたID画像の一例を示す図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置が備えるID画像読取手段の周辺構成例を示す図である。
【図4】図3とは異なるID画像読取手段の周辺構成例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る印刷管理システムの構成例を説明するための図である。
【図6】クライアントPCが表示するプリンタドライバの設定画面の一例を示す図である。
【図7】管理サーバの警告手段により送信された警告情報がクライアントPCの画面上に表示されたときの一例を示す図である。
【図8】管理サーバによる放置履歴テーブルの作成・更新方法の一例を説明するための図である。
【図9】管理サーバによる放置履歴テーブルの作成・更新方法の他の例を説明するための図である。
【図10】管理サーバにより作成・更新される放置集計テーブルの一例を示す図である。
【図11】本発明の印刷管理システムにおける放置情報の集計処理及び集計結果に基づく警告処理の流れを説明するための図である。
【図12】本発明の印刷管理システムにおける放置情報の集計処理及び集計結果に基づく警告処理の流れを説明するための図である。
【図13】本発明の印刷管理システムにおける放置情報の集計処理及び集計結果に基づく警告処理の流れを説明するための図である。
【図14】管理サーバによる放置履歴テーブルへの登録処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図15】管理サーバによる放置履歴テーブルへの登録処理の他の例を説明するためのフロー図である。
【図16】管理サーバによるクライアントPCへの警告処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図17】管理サーバによるクライアントPCへの警告処理の他の例を説明するためのフロー図である。
【図18】管理サーバによるクライアントPCへの警告処理の他の例を説明するためのフロー図である。
【図19】管理サーバによる放置履歴テーブルの作成・更新方法の他の例を説明するための図である。
【図20】管理サーバにより作成・更新される放置集計テーブルの他の例を示す図である。
【図21】本発明の印刷管理システムにおける放置情報の集計処理及び集計結果に基づく警告処理の流れの他の例を説明するための図である。
【図22】本発明の印刷管理システムにおける放置情報の集計処理及び集計結果に基づく警告処理の流れの他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0122】
1…画像形成装置(MFP)、1a…通信部、1b…制御部、1c…放置検出手段、2…画像読み取り部、3…画像形成部、4…給紙部、5…後処理装置、6…端末装置(クライアントPC)、7…LAN、10…印刷管理装置(管理サーバ)、11…原稿載置台、12…RADF、13…スキャナユニット、14…第1走査ユニット、15…第2走査ユニット、16…光学レンズ体、17…CCD、20…電子写真プロセス部、21…レーザ書き込みユニット、22…感光体ドラム、23…帯電装置、24…現像装置、25…転写装置、26…剥離装置、27…クリーニング装置、28…定着装置、29…用紙排出路、31〜33…カセット、34…大容量カセット、35…手差しトレイ、36,37…給紙搬送部、41…排紙搬送路、42…再給紙搬送部、43…第1排出トレイ、44…第2排出トレイ、45…後処理手段、51…昇降手段、52,471,472…ID画像読取手段、53,481,482…記録紙センサ、54…整合手段、56,461,462…トレイ昇降手段、551…整合面、552…記録紙載置面、61…搬送ローラ、62…反転ローラ、63…積載(排紙)トレイ、64,65…切換えゲート、101…通信部、102…制御部、102a…放置情報取得手段、102b…放置情報集計手段、103…メモリ、103a…放置履歴テーブル、103b…放置集計テーブル、104…記憶部、105…警告手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排紙トレイに排紙・堆積された記録紙の放置を検出する放置検出手段を備えた画像形成装置とネットワークを介して接続可能な印刷管理装置であって、
前記画像形成装置で受け付けた印刷ジョブ毎の放置記録紙に関する放置情報を取得する放置情報取得手段と、該取得した放置情報をユーザ毎に集計する放置情報集計手段とを備えることを特徴とする印刷管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷管理装置において、前記放置情報は、前記画像形成装置が記録紙の放置を検出した放置検出時刻を含むことを特徴とする印刷管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の印刷管理装置において、前記放置情報は、記録紙を放置したユーザを識別するためのユーザIDを含むことを特徴とする印刷管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の印刷管理装置において、前記放置情報取得手段は、前記放置情報として、前記画像形成装置により記録紙の放置が検出された放置検出時刻と、記録紙を放置したユーザを識別するためのユーザIDとを取得し、
前記放置情報集計手段は、前記放置検出時刻と前記ユーザIDに基づいて、記録紙の放置が検出された印刷ジョブの件数を時間帯別に集計することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の印刷管理装置において、前記放置情報取得手段は、前記放置情報として、前記画像形成装置により記録紙の放置が検出された放置検出時刻と、記録紙を放置したユーザを識別するためのユーザIDとを取得し、
前記放置情報集計手段は、前記放置検出時刻と前記ユーザIDに基づいて、記録紙の放置から、さらに所定時間以上の放置が検出された印刷ジョブの件数を時間帯別に集計することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の印刷管理装置において、前記放置情報取得手段は、前記放置情報として、前記画像形成装置により記録紙の放置が検出された放置検出時刻と、記録紙を放置したユーザを識別するためのユーザIDとを取得し、
前記放置情報集計手段は、前記放置検出時刻と前記ユーザIDに基づいて、記録紙の放置が検出された印刷ジョブの件数を画像形成装置別に集計することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の印刷管理装置において、前記放置情報取得手段は、前記放置情報として、前記画像形成装置により記録紙の放置が検出された放置検出時刻と、記録紙を放置したユーザを識別するためのユーザIDとを取得し、
前記放置情報集計手段は、前記放置検出時刻と前記ユーザIDに基づいて、記録紙の放置から、さらに所定時間以上の放置が検出された印刷ジョブの件数を画像形成装置別に集計することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の印刷管理装置において、記録紙を放置しないように促すための警告情報を送信する警告手段を備え、
前記警告手段は、前記放置情報集計手段による集計件数が所定数以上のユーザに対して、該ユーザの端末装置からの印刷ジョブを受け付けると、該ユーザの端末装置に警告情報を送信することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の印刷管理装置において、前記警告手段は、前記放置情報集計手段により集計された特定の時間帯の集計件数が所定数以上のユーザに対して、該ユーザの端末装置からの印刷ジョブを受け付けた時刻が前記特定の時間帯に含まれる場合、前記ユーザの端末装置に警告情報を送信することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項10】
請求項8に記載の印刷管理装置において、前記警告手段は、前記放置情報集計手段により集計された特定の画像形成装置の集計件数が所定数以上のユーザに対して、該ユーザの端末装置からの印刷ジョブで指定された出力先が前記特定の画像形成装置である場合、前記ユーザの端末装置に警告情報を送信することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項11】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の印刷管理装置において、前記放置情報集計手段は、前記画像形成装置で受け付けた印刷ジョブに、該印刷ジョブが重要であることを示す情報が含まれる場合、該重要であることを示す情報を含む放置情報のみをユーザ毎に集計することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項12】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の印刷管理装置において、前記放置情報集計手段は、前記画像形成装置で受け付けた印刷ジョブに、該印刷ジョブが重要であることを示す情報が含まれる場合、該重要であることを示す情報を含む放置情報と、それ以外の放置情報とを区別してユーザ毎に集計することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の印刷管理装置において、記録紙を放置しないように促すための警告情報を送信する警告手段を備え、
前記警告手段は、前記放置情報集計手段による集計件数が所定数以上のユーザに対して、該ユーザの端末装置からの印刷ジョブに重要であることを示す情報が含まれる場合、前記ユーザの端末装置に警告情報を送信することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項14】
請求項11又は12に記載の印刷管理装置において、記録紙を放置しないように促すための警告情報を送信する警告手段を備え、
前記警告手段は、前記放置情報集計手段による集計の結果、前記重要であることを示す情報を含む放置情報の集計件数が所定数以上のユーザに対して、該ユーザの端末装置からの印刷ジョブに重要であることを示す情報が含まれる場合、前記ユーザの端末装置に警告情報を送信することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の印刷管理装置と、印刷ジョブを送信する端末装置と、排紙トレイに排紙・堆積された記録紙の放置を検出可能な画像形成装置とを備え、前記印刷管理装置と前記端末装置と前記画像形成装置とがネットワークを介して接続された印刷管理システムであって、
前記画像形成装置は、前記端末装置から印刷ジョブを受信した際に、該印刷ジョブのジョブ番号と、ユーザIDと、前記画像形成装置の識別番号とを前記印刷管理装置に送信し、前記画像形成装置が記録紙の放置を検出した際に、該放置を検出した印刷ジョブのジョブ番号と、前記画像形成装置の識別番号とを前記印刷管理装置に送信することを特徴とする印刷管理システム。
【請求項16】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の印刷管理装置としての機能を実行するためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−165570(P2008−165570A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−355581(P2006−355581)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】