説明

印刷装置、方法、及び、プログラム

【課題】印刷用紙の無駄を防止する。
【解決手段】印刷装置は、原稿の中から、1箇所以上の所定領域を抽出する有効領域抽出手段と、各々の前記所定領域の大きさを測定し、各々の前記所定領域ごとに、各々の前記所定領域の大きさに応じて用紙のサイズを選択する最適用紙選択手段と、前記選択されたサイズの用紙に、各々の前記所定領域内の情報を印刷する出力手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置、方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ等が読取った原稿の印刷を行なう複合機は、ユーザ等が指定したサイズの用紙に印刷を行なう。ユーザ等は、このような複合機を用いて印刷用紙の削減を図る際に、1枚の用紙に複数ページの原稿をまとめて印刷するという、いわゆる集約印刷という方法を用いている。しかし、集約印刷を行なうと印刷対象が縮小されてしまうため、ユーザ等に印刷対象の判読を難解にさせてしまうこともある。
【0003】
そこで、印刷用紙の枚数を削減するための様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、余白パターンに基づいて用紙サイズを決定する方法の一例が記載されている。また、特許文献2には、印刷対象領域を認識して用紙サイズを選択する方法の一例が記載されている。また、特許文献3には、画像を複数枚並べて印刷する際に余白が小さくなるような印刷用紙を選択する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−284793号公報
【特許文献2】特開2009−027396号公報
【特許文献3】特開2007−019721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の文献に記載された方法では、元の原稿に空白部分が多く含まれる場合、小さなサイズの用紙に印刷がされたとしても、なお原稿用紙に対して空白部分の割合が多く含まれうるため、そのような場合には印刷用紙の無駄を防止することができないという課題がある。そこで、本発明は上記課題を解決すべく、印刷用紙の無駄を防止することができる印刷装置、方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するため、本発明の一形態は、印刷装置であって、原稿の中から、1箇所以上の所定領域を抽出する有効領域抽出手段と、各々の前記所定領域の大きさを測定し、各々の前記所定領域ごとに、各々の前記所定領域の大きさに応じて用紙のサイズを選択する最適用紙選択手段と、前記選択されたサイズの用紙に、各々の前記所定領域内の情報を印刷する出力手段と、を備える。
【0007】
また、本発明は、原稿の中から、1箇所以上の所定領域を抽出する有効領域抽出ステップと、各々の前記所定領域の大きさを測定し、各々の前記所定領域ごとに、各々の前記所定領域の大きさに応じて用紙のサイズを選択する最適用紙選択ステップと、前記選択されたサイズの用紙に、各々の前記所定領域内の情報を印刷する出力ステップと、をコンピュータに実行させる印刷プログラムを提供する。
【0008】
また、本発明は、原稿の中から、1箇所以上の所定領域を抽出し、各々の前記所定領域の大きさを測定し、各々の前記所定領域ごとに、各々の前記所定領域の大きさに応じて用紙のサイズを選択し、前記選択されたサイズの用紙に、各々の前記所定領域内の情報を印刷する印刷方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、印刷用紙の無駄を防止することができる印刷装置、方法、及び、プログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態の機能構成の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態の動作の一例を示す図である。
【図4】原稿データの一例を示す図である。
【図5】原稿データの有効領域の一例を示す図である。
【図6】原稿データの有効領域を説明するための図である。
【図7】原稿データの有効領域の一例を示す図である。
【図8】原稿データの有効領域の一例を示す図である。
【図9】印刷の様子の一例を示す図である。
【図10】用紙の組み合わせの一例を示す図である。
【図11】用紙の組み合わせの一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態の機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
なお、各実施形態の装置等を構成する各部は、論理回路等のハードウェアで構成される。また、各部は、コンピュータの制御部、メモリ、メモリにロードされたプログラム、プログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット、ネットワーク接続用インターフェースなどからなり、ハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現されてもよい。そして特に断りのない限り、その実現方法、装置は限定されない。
【0013】
また、制御部はCPU(Central Processing Unit)などからなり、OS(Operating system)を動作させて装置等の全体を制御するとともに、例えばドライブ装置などに装着された記録媒体からメモリにプログラムやデータを読み出し、これに従って各種の処理を実行する。記録媒体は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、半導体メモリ等であって、コンピュータプログラムをコンピュータが読み取り可能に記録する。また、コンピュータプログラムは、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからダウンロードされても良い。
【0014】
<実施形態1>
次に、本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。
【0015】
図1には、本実施の形態における印刷装置1の機能構成図の一例が示されている。印刷装置1は、制御部110、記憶部150、装置操作部130、入力部140、出力部160、表示部170を含む。
【0016】
また、制御部110は、原稿データ処理部120を含み、原稿データ処理部120は、有効領域抽出部121、最適用紙選択部122を含む。また、記憶部150は、原稿記憶部151、プログラム記憶部152、作業記憶部153を含む。
【0017】
装置操作部130は、ユーザ等が、印刷装置1に対する各種設定等を指示するための機能を有する。装置操作部130は、後述のように例えば操作パネル等から構成され、操作パネル上の各種キー等をユーザ等が押下すること等により印刷装置1に指示が与えられる。
【0018】
入力部140は、ユーザ等によってセットされた原稿の読み込みを行い、原稿データとして取得する機能を有する。
【0019】
原稿データ処理部120は、入力部140が取得した原稿データに含まれる文字データや画像データ等を編集する機能を有する。具体的には、原稿データ処理部120に含まれる有効領域抽出部121、最適用紙選択部122が以下の機能を有する。
【0020】
有効領域抽出部121は、入力部140が取得した原稿データを記憶部150の原稿記憶部151に記憶させる。また、有効領域取得部121は、原稿データから、後述する有効領域を抽出する。また、有効領域抽出部121は、有効領域内の文字データや画像データ等(以下、有効領域データとも言う。)を作業記憶部153に記憶させる。
【0021】
最適用紙選択部122は、作業記憶部153に記憶されている有効領域データを取得し、その有効領域の大きさに応じて最も余白面積が小さくなるような用紙の種別を選択する機能を有する。最適用紙選択部122は、有効領域が複数ある場合には、各々の有効領域ごとに用紙の種別を選択する。また、最適用紙選択部122は、用紙の種別とともにその枚数を選択しても良い。最適用紙選択部122の詳細な動作については後述する。
【0022】
記憶部150は、動作プログラムや各種データ等を記憶する。具体的には、記憶部150に含まれる原稿記憶部151は、入力部140が取得した原稿データを記憶する。また、プログラム記憶部152は、動作プログラムを記憶する。また、作業記憶部153は、制御部110が生成したデータを記憶する。
【0023】
表示部170は、図9に示すように、最適用紙選択部122が選択した用紙の種別やその枚数の組み合わせを表示するディスプレイである。表示部170は、装置操作部130が備える操作パネル等と一体となっていても良い。
【0024】
出力部160は、最適用紙選択部122が選択した用紙の種別とその枚数の組み合わせ(複数存在する場合にはそのいずれかの組み合わせ)で有効領域データを印刷する機能を有する。例えば、ユーザ等が装置操作部130を介して用紙の種別とその枚数とからなる組み合わせのいずれかの組み合わせを選択すると、出力部160は、選択された組み合わせによって定まる用紙に有効領域データを印刷する。
【0025】
図2は、本実施の形態における印刷装置1のハードウェア構成図の一例を示している。図2のCPU200は、図1の制御部110に相当し、ROM(Read Only Memory)205に記憶されているプログラムを実行することにより、装置全体の動作制御を行なう。
【0026】
操作パネル201は、図1の装置操作部103に相当し、例えば、パネル上には各種キー等が表示されている。
【0027】
スキャナ202は、図1の入力部140に相当し、原稿を読み込み、読み込んだ原稿上のデータを取得する。
【0028】
ディスプレイ203は、図1の表示部107に相当する。ディスプレイ203は、操作パネル201と一体となっていても良い。
【0029】
HDD(Hard Disk Drive)204は、図1の原稿記憶部151に相当し、例えば、磁性体を塗布、蒸着した円盤を回転させ、磁気ヘッドを使用して各種データの記憶、読取を行なう。
【0030】
ROM205は、図1のプログラム記憶部152に相当し、各種プログラムを記憶している。
【0031】
RAM(Random Access Memory)206は、図1の作業記憶部153に相当し、CPU200の動作により編集された画像データ等を記憶する。
【0032】
プリンタ207は、図1の出力部160に相当し、CPU200の動作により生成された画像データ等を用紙に印刷する。
【0033】
バス210は、図2に示した各ハードウェアを結ぶ信号線である。
【0034】
次に、本実施の形態における印刷装置1の動作について図面を用いて説明する。
【0035】
図3には、本実施の形態における印刷装置1の動作の例を示すフロー図が示されている。ユーザ等は、印刷装置1の入力部140に原稿をセットし、装置操作部130を用いて印刷装置1に印刷を行なわせるための指示を入力する。
【0036】
次に、原稿データ処理部120の有効領域抽出部121は、入力部140にセットされた原稿を読み込み、読み込んだ原稿を原稿データとして記憶部150の原稿記憶部151に記憶させる(ステップS1)。
【0037】
次に、有効領域抽出部121は、原稿データから有効領域を抽出し、有効領域に含まれる文字データや画像データ等(有効領域データ)を記憶部150の作業記憶部153に記憶させる(ステップS2)。
【0038】
ステップS1とステップS2について、図4〜図6を用いて説明する。図4は、有効領域抽出部121が、入力部140にセットされた原稿を読み込んだ原稿データの例を示している。図5は、有効領域抽出部121が、原稿データから抽出した有効領域の例を示している。有効領域とは、原稿データの中で文字データや画像データ等の存在する領域である。有効領域抽出部121は、有効領域を種々の方法によって求めることができる。
【0039】
例えば、有効領域抽出部121は、原稿データに対してスキャンを行い、文字データや画像データ等が存在する領域を包含する矩形のうち面積が最小の矩形を求めても良い。例えば、有効領域抽出部121は、原稿データの左下点を原点とし、水平方向をX軸、垂直方向をY軸とし、原点からX軸またはY軸方向へ走査線を走らせる。そして、有効領域抽出部121は、X軸またはY軸に平行な走査線上における原稿の濃度を測定し、濃度が所定値以上の箇所(すなわち、文字や画像等が存在する箇所)を含む領域を含む矩形を有効領域として抽出しても良い。なお、有効領域の形は矩形に限られない。
【0040】
また、有効領域抽出部121は、X軸(またはY軸)に平行な走査線上の原稿の濃度が所定値以上の箇所が、X軸(またはY軸)上で所定距離以上離れている場合には、それらの箇所を互いに別の有効領域としても良い。例えば、図6には、横軸をX軸、縦軸を原稿上のY軸に平行な走査線上の濃度としたグラフが示されている。ここで、図6に示す距離D1は所定距離以上であり、距離D2、D3は所定距離以下であるとする。この場合、有効領域抽出部121は、図6の楕円点線で示す2箇所についてそれぞれ別の有効領域として抽出する。例えば、図4に示す原稿データにおいて、左部分に記載されている文字列と、右部分に記載されている文字ABCとの間が所定距離以上離れている場合、有効領域抽出部121は、図5に示すように、原稿データの有効領域を2箇所抽出する。なお、所定距離は、例えば、管理者等によって予め設定されており、その値は入力部140に読み込ませた原稿のサイズごとに異なる値であっても良い。
【0041】
なお、有効領域抽出部121が有効領域を抽出する方法はこれに限られない。例えば、有効領域抽出部121は、文字や画像の集まり具合を表すクラスタ度を既存の技術により測定し、同一クラスタに属する箇所を1つの有効領域とし、クラスタごとに有効領域を抽出しても良い。また、有効領域抽出部121は、同じフォントで記載された文字を同一のグループとして1つの有効領域とし、当該グループごとに有効領域を抽出しても良い。
【0042】
このようにすることで有効領域抽出部121は、原稿データの中でまとまりをもっている箇所をグルーピングすることができ、各グループごとに有効領域を抽出することができる。
【0043】
次に、最適用紙選択部122は、作業記憶部153に記憶されている有効領域データを取得し、その有効領域の大きさに応じて、最も余白面積が小さくなるような用紙の種別を選択する(ステップS3)。
【0044】
最適用紙選択部122は、例えば、有効領域の大きさと、該有効領域の大きさに対して最も余白面積が小さくなる用紙の種別とを対応付けて記憶する図示しない記憶部を参照し、取得した有効領域データの有効領域の大きさに対応した用紙の種別を選択しても良い。最適用紙選択部122は、有効領域が複数存在する場合には、それぞれの有効領域ごとに用紙の種別を選択する。
【0045】
また、最適用紙選択部122は、例えば、有効領域として矩形を取得した場合、矩形の縦幅と横幅を測定し、用紙のサイズが記憶された図示しない記憶部を参照し、取得した矩形を包含する用紙であり、かつ、予め指定された用紙のなかで最も小さいサイズの用紙の種別を1枚選択しても良い。
【0046】
また、最適用紙選択部122は、用紙の種別とともにその枚数を選択しても良い。例えば、最適用紙選択部122は、選択した用紙の種別のサイズを更に半分のサイズとした用紙の種別を2枚選択しても良い。例えば、AN(Nは自然数)の用紙はA(N+1)の用紙2枚分の大きさであるが、A(N+1)の用紙を横に2つ並べるとANの用紙となり、縦と横が反転する関係となる。そこで、図9に示すように、例えば、最適用紙選択部122が、用紙の種別としてA4を1枚選択した場合、A4はA5の2枚分の大きさであるから、A4を1枚選択する代わりに、A5を2枚選択し、A4の用紙に印刷されるデータの縦と横を反転させて文書を折り返しながらA5用紙2枚に該データを印刷しても良い。なお、A5はA6の2枚分であるから、最適用紙選択部122は、更にA6を4枚選択しても良い。なお、最適用紙選択部122は、印刷装置1に備えられている、あるいは、印刷装置1が取り扱い可能な用紙の種別のみを選択しても良い。その場合、例えば、印刷装置1がA6の用紙を備えていない場合には、最適用紙選択部122はA6を選択しなくても良い。なお、当該印刷は印刷されるデータが文書以外の図形等である場合には、上述のように半分のサイズに分割して印刷されると判読が困難となりうるため、最適用紙選択部122は、有効領域データが文書の場合にのみ上述の処理を行っても良い。
【0047】
また、最適用紙選択部122は、A(N+1)の用紙を2枚選択する代わりに、ANの用紙を1枚選択しても良い。例えば、最適用紙選択部122は、A5を3枚とA4を1枚選択した場合には、A5の2枚の代わりにA4を1枚選択し、A5の2枚に印刷するデータをまとめてA4の用紙1枚に印刷しても良い。この場合、最適用紙選択部122は、図11に示すように、用紙の組み合わせを、A5が3枚、A4が1枚とする代わりに、A5が1枚、A4が2枚としても良い。すなわち、最適用紙選択部122は、有効領域ごとに選択された用紙のサイズ(例えばA5)を組み合わせて所定のサイズ(例えばA4)となるか否かを判定し、所定のサイズとなる場合には、当該サイズも選択しても良い。
【0048】
このように、最適用紙選択部122が用紙の組み合わせの増加させることで、ユーザの好みに応じて自由に用紙の組み合わせを選択させることが可能となる。例えば、ユーザは、なるべく同一種別の用紙が多くなるように用紙の組み合わせを選択することが可能となる。
【0049】
次に、最適用紙選択部122は、まだ用紙の種別を選択していない未処理の有効領域データが作業記憶部153に存在するか否かを判定する(ステップS4)。未処理の有効領域データが存在する場合には、最適用紙選択部122は、当該有効領域データについて、ステップS3に戻り、用紙の種別を選択する。この処理により、有効領域データが複数存在する場合には、有効領域データごとに用紙の種別が選択される。
【0050】
例えば、図4の原稿データにおいては、図7と図8に示すように2つの有効領域データが存在する。そこで、最適用紙選択部122は、まず、図7に示す有効領域データについて、その有効領域の大きさを測定する。本例では、仮に当該有効領域の大きさが209mm×296mmであるとする。そして、この場合、印刷装置1が取り扱っている用紙の種別の中で最も余白面積が小さくなる用紙の種別はA4(210mm×297mm)であるとする。その場合、最適用紙選択部122は、A4を1枚選択する。また、A4はA5の2枚分であるから、最適用紙選択部122は、A5を2枚選択しても良い(ステップS3)。
【0051】
なお、この例では、印刷装置1が取り扱っている用紙の種別の下限がA5であるとする。その場合、最適用紙選択部122は、A5の更に半分のサイズのA6については選択しない。
【0052】
次に、最適用紙選択部122は、未処理の有効領域データとして、図8に示す有効領域データが存在していることから(ステップS4)、当該有効領域データについて、その有効領域の大きさを測定する。
【0053】
本例では、仮に有効領域の大きさが140mm×200mmであるとする。そして、この場合、印刷装置1が取り扱っている用紙の種別の中で最も余白面積が小さくなる用紙の種別はA5(148mm×210mm)であるとする。その場合、最適用紙選択部122は、A5を1枚選択する。
【0054】
一方、未処理の有効領域データが存在しない場合には、最適用紙選択部122は、図9に示すように、選択した用紙の種別とその枚数を表示部170に表示する。ユーザ等は、表示部170に表示された用紙の種別とその枚数の組み合わせの中から1つを選択する。出力部160は、有効領域データを、選択された種別の組み合わせの用紙に印刷する(ステップS5)。有効領域データが複数存在する場合には、出力部160は、有効領域データごとに、最適用紙選択部122によって選択された種別の用紙に有効領域データを印刷する。
【0055】
例えば、装置操作部130等を介して、ユーザ等によって図9に示す番号1が選択されたとする。この場合、出力部160は、図7に示す有効領域データをA4の用紙1枚に印刷し、図8に示す有効領域データをA5の用紙1枚に印刷する。
【0056】
このような構成により、原稿データの中の有効領域に合わせて印刷用紙が選択されるため、印刷の際に印刷用紙の無駄を防止することができる。
【0057】
また、最適用紙選択部122は、表示部170に、削減される用紙の量を表示しても良い。例えば、図9には、「A5サイズ1枚分用紙が削減されます」と表示されている。これによって削減効果が可視化され、ユーザ等が用紙の削減量を知ることができる。
【0058】
最適用紙選択部122は、例えば以下のようにして削減される用紙の量を表示部170に表示する。
【0059】
まず、最適用紙選択部122は、上述のように有効領域データの有効領域の大きさを測定するが、その際に、原稿記憶部151に記憶された原稿データの縦幅と横幅の大きさ(原稿用紙サイズ)も測定する。
【0060】
次に、最適用紙選択部122は、上述のように有効領域データを印刷するために選択した用紙の種別によって定まる用紙のサイズと、原稿用紙サイズとを比較し、その差分を示す情報を表示部170に表示する。差分とは、両者の差分の面積に包含される最大の用紙の種別であっても良い。例えば、図4の原稿用紙の種別がA3であるとする。最適用紙選択部122が選択した用紙はA4が1枚とA5が1枚、あるいは、A5が3枚であるから、最適用紙選択部122は、原稿用紙サイズであるA3と比較してA5が1枚分削減されていることが分かる。そこで、最適用紙選択部122は、例えば図9に示すように、「A5サイズ1枚分用紙が削減されます」と表示する。
【0061】
本実施の形態によれば、原稿データの中の有効領域に合わせて印刷用紙が選択されるため、印刷の際に、印刷用紙の無駄を防止することができる印刷装置が提供される。
【0062】
また、削減される用紙の量を表示することにより、印刷用紙の無駄がどれだけ防止されるのかという削減量を可視化することができる印刷装置が提供される。
【0063】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を用いて説明する。図10には、本実施の形態における印刷装置1の機能構成図の一例が示されている。印刷装置1は、有効領域抽出部121と、最適用紙選択部122と、出力部160とを備える。これらの各部の構成、動作は第1の実施の形態で述べた通りである。
【0064】
すなわち、有効領域抽出部121は、文字や図形、画像等を含む原稿の中から、1箇所以上の有効領域を抽出する。
【0065】
最適用紙選択部122は、有効領域抽出部121が抽出した各々の有効定領域の大きさを測定し、各々の有効領域ごとに、各々の有効領域の大きさに応じて用紙の種別を選択する。
【0066】
出力部160は、最適用紙選択部122によって選択された種別の用紙に、各々の有効領域データを印刷する。
【0067】
以上の構成によれば、有効領域に合わせて印刷用紙が選択されるため、印刷の際に、印刷用紙の無駄を防止することができる印刷装置が提供される。
【0068】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0069】
110 制御部
120 原稿データ処理部
121 有効領域抽出部
122 最適用紙選択部
130 装置操作部
140 入力部
150 記憶部
151 原稿記憶部
152 プログラム記憶部
153 作業記憶部
160 出力部
170 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の中から、1箇所以上の所定領域を抽出する有効領域抽出手段と、
各々の前記所定領域の大きさを測定し、各々の前記所定領域ごとに、各々の前記所定領域の大きさに応じて用紙のサイズを選択する最適用紙選択手段と、
前記選択されたサイズの用紙に、各々の前記所定領域内の情報を印刷する出力手段と、
を備える印刷装置。
【請求項2】
前記有効領域抽出手段は、前記原稿の中で濃度が所定値以上の箇所を前記所定領域として抽出する請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記有効領域抽出手段は、前記濃度が所定値以上の箇所が複数箇所存在する場合に、それらの箇所ごとに前記所定領域を抽出し、
前記最適用紙選択手段は、抽出された前記所定領域ごとに前記サイズを選択する請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記最適用紙選択手段は、各々の前記所定領域ごとに、前記所定領域の大きさよりも大きく、かつ、予め指定された用紙のサイズのうち最小のサイズの用紙を選択して前記表示手段に表示するとともに、前記所定領域ごとに選択された前記最小のサイズの用紙を組み合わせて所定のサイズとなる場合には当該サイズの用紙を前記表示手段に表示し、
利用者に、前記表示手段に表示された用紙のサイズの中のいずれかを選択させて、選択されたサイズの用紙に各々の前記所定領域内の情報を印刷させる命令を前記出力手段に送信する装置操作手段をさらに備える
請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記最適用紙選択手段は、選択した前記サイズと、前記原稿のサイズとを比較し、その差分を示す情報を出力する請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
原稿の中から、1箇所以上の所定領域を抽出する有効領域抽出ステップと、
各々の前記所定領域の大きさを測定し、各々の前記所定領域ごとに、各々の前記所定領域の大きさに応じて用紙のサイズを選択する最適用紙選択ステップと、
前記選択されたサイズの用紙に、各々の前記所定領域内の情報を印刷する出力ステップと、
をコンピュータに実行させる印刷プログラム。
【請求項7】
前記原稿の中で濃度が所定値以上の箇所を前記所定領域として抽出する前記有効領域抽出ステップを前記コンピュータに実行させる請求項6に記載の印刷プログラム。
【請求項8】
前記濃度が所定値以上の箇所が複数箇所存在する場合に、それらの箇所ごとに前記所定領域を抽出する前記有効領域抽出ステップと、
抽出された前記所定領域ごとに前記サイズを選択する前記最適用紙選択ステップとを前記コンピュータに実行させる請求項7に記載の印刷プログラム。
【請求項9】
原稿の中から、1箇所以上の所定領域を抽出し、
各々の前記所定領域の大きさを測定し、各々の前記所定領域ごとに、各々の前記所定領域の大きさに応じて用紙のサイズを選択し、
前記選択されたサイズの用紙に、各々の前記所定領域内の情報を印刷する印刷方法。
【請求項10】
前記原稿の中で濃度が所定値以上の箇所を前記所定領域として抽出する請求項9に記載の印刷方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−99872(P2013−99872A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244134(P2011−244134)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】