説明

印刷装置およびプリンタードライバー

【課題】特定の小さい用紙に印刷を行なう際に、片面印刷または両面印刷の自由な選択の要望に応え、また印刷の効率化を実現する。
【解決手段】両面印刷を実行可能な印刷装置であって、指示された用紙サイズが所定の基準を下回るサイズであるか否かを判定する用紙判定部と、片面印刷と両面印刷とのいずれが指示されているかを判定する片面両面判定部と、上記用紙判定部が上記用紙サイズが所定の基準を下回ると判定し、且つ上記片面両面判定部が両面印刷が指示されていると判定した場合に、短辺を印刷装置における給紙方向に対して垂直とした向きの用紙の給紙を行なう短辺給紙を選択して印刷を実行する印刷給紙制御部とを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置およびプリンタードライバーに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置における用紙の給紙方法には、長辺給紙(Long Edge Feed(以下、LEF))と、短辺給紙(Short Edge Feed(以下、SEF))とがある。LEFは、印刷装置における給紙方向(紙送り方向あるいは搬送方向とも言う。)に対して用紙の長辺を垂直な状態として用紙を給紙する方法であり、SEFは、印刷装置における給紙方向に対して用紙の短辺を垂直な状態として用紙を給紙する方法である。
従来、印刷装置において、はがきやA5用紙など比較的小さな用紙に印刷をする場合には、それらの用紙の給紙方法が印刷装置の機種によってLEFとSEFのどちらかに固定されていることが一般的であった。
【0003】
また、記録紙の紙送り方向として長辺および短辺が設定可能な給紙トレイを備え、直前の印刷ジョブの紙送り方向と異なる紙送り方向で印刷することにより印刷ジョブを分離する印刷制御方法が知られている(特許文献1参照。)。
また、排紙トレイに排出された記録紙の仕分け作業を容易にするために、プリンター出力の場合には記録紙を縦送りとし、ファクシミリ出力の場合には記録紙を横送りして仕分けする縦横ソート方法が記載されている(特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2006‐51660号公報
【特許文献2】特開2007‐218962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、印刷装置の使用時に、印刷方法を片面印刷および両面印刷のいずれかから選択したいと望むことがある。しかし、上述したような小さな用紙についての給紙方法がLEFとSEFとのどちらかに固定されている場合には、印刷方法(片面印刷または両面印刷)の自由な選択が不可能であったり、あるいは印刷方法を選択できたとしても、印刷装置のパフォーマンス(例えば、印刷装置が1分間に印字するページ数を意味するppm値)が低下することがあった。
【0005】
具体的には、上記小さな用紙について給紙方法がLEFに固定されている印刷装置においては、これら小さな用紙に印刷を行なう際に両面印刷を選択できない(強制的に片面印刷となる)ことがある。これは、両面印刷のために用紙を反転させて搬送する機構の構造上、紙送り方向と平行な辺の長さが短すぎる用紙については安定して搬送できないからである。
【0006】
一方、給紙方法がSEFに固定されている印刷装置においては、上記小さな用紙を用いる場合に片面印刷と両面印刷とのいずれも選択可能となるが、上記パフォーマンスの低下が問題となる。印刷装置においては、印刷可能な最大サイズが機種によって決まっており、用紙を順次紙送りして印刷する場合に、紙送り方向における当該最大サイズの幅に収まる限りは、複数枚の用紙を一度に印刷対象とすることができる。つまり、SEFよりもLEFの方が上記最大サイズ内により多くの用紙が収まり、印刷装置のパフォーマンスが上がり易いと言える。しかし上述したように、給紙方法がSEFに固定されている場合は、両面印刷を選択可能というメリットと同時に、特に片面印刷を選択した際のパフォーマンスの低下というデメリットが生じていた。
【0007】
また上記各文献はいずれも、上記小さな用紙に印刷する際の印刷方法の選択の不自由さやパフォーマンスの低下を解決するものではなかった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、特定の小さい用紙に印刷を行なう際に、片面印刷または両面印刷の自由な選択の要望に応え、また、印刷の効率化を実現することが可能な印刷装置およびプリンタードライバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、両面印刷を実行可能な印刷装置であって、指示された用紙サイズが所定の基準を下回るサイズであるか否かを判定する用紙判定部と、片面印刷と両面印刷とのいずれが指示されているかを判定する片面両面判定部と、上記用紙判定部が上記用紙サイズが所定の基準を下回ると判定し、且つ上記片面両面判定部が両面印刷が指示されていると判定した場合に、短辺を印刷装置における給紙方向に対して垂直とした向きの用紙の給紙を行なう短辺給紙を選択して印刷を実行する印刷給紙制御部とを備える構成としてある。本発明によれば、所定の基準を下回るサイズの用紙に印刷を行なう場合に両面印刷が指示されると短辺給紙が行なわれるため、所定の基準を下回るサイズの用紙を用いて確実に両面印刷が実行できる。
【0010】
上記印刷給紙制御部は、上記用紙判定部が上記用紙サイズが所定の基準を下回ると判定し、且つ上記片面両面判定部が片面印刷が指示されていると判定した場合に、長辺を印刷装置における給紙方向に対して垂直とした向きの用紙の給紙を行なう長辺給紙を上記短辺給紙よりも優先して選択し、印刷を実行するとしてもよい。当該構成によれば、所定の基準を下回るサイズの用紙に印刷を行なう場合に片面印刷が指示されると、基本的に長辺給紙が行なわれるため、所定の基準を下回るサイズの用紙に対する印刷を効率的に行なうことができる。
【0011】
印刷装置は、一方の面が印刷済みの用紙を裏返して所定の印刷開始位置に搬送する両面印刷用搬送機構を備える。上記用紙判定部は、上記用紙サイズにおける短辺が両面印刷用搬送機構を構成する搬送ローラー間の距離より短い場合に、上記用紙サイズは所定の基準を下回ると判定してもよい。当該構成によれば、長辺給紙したときに両面印刷用搬送機構で搬送できないサイズの用紙を、上記所定の基準を下回る用紙と判定することができる。
【0012】
上記印刷給紙制御部は、印刷対象となる一定方向を向いたイメージデータを外部から取得するとともに、上記選択した給紙における用紙の向きとイメージデータの向きとが一致しない場合には、用紙の向きとイメージデータの向きとが一致するようにイメージデータを回転させ、回転後のイメージデータに基づいて印刷を行なうとしてもよい。当該構成によれば、イメージデータを供給する側(例えば、印刷装置を制御するホストコンピューター)では、給紙における用紙の向きを考慮することなく、一定方向を向いたイメージデータを生成し出力するだけで済む。ただし、上記印刷給紙制御部は、外部から印刷コマンドを取得し当該印刷コマンドを解釈してイメージデータを生成する場合には、上記選択した給紙における用紙の向きに一致した方向を向いたイメージデータを生成し、当該生成したイメージデータに基づいて印刷を行なう。
【0013】
上記印刷給紙制御部は、上記指示された用紙サイズの用紙であって上記選択した給紙における用紙の向きに対応した用紙が所定の給紙装置に存在しているか否かを判定し、存在している場合には当該用紙を給紙装置から給紙させて印刷を行い、存在していない場合には当該用紙を給紙装置に供給する旨の要求を外部に対して行なうとしてもよい。当該構成によれば、指示された用紙サイズの用紙であって上記選択した給紙における用紙の向きに対応した用紙が給紙装置に無い場合に、かかる用紙の補給をユーザに促すことができ、その結果、ユーザの望みどおりの印刷(両面印刷または片面印刷)が行なわれる。
【0014】
上記印刷給紙制御部は、上記選択した給紙における用紙の向きに一致した方向を向いたイメージデータを得た上で、上記指示された用紙サイズの用紙であって上記選択した給紙における用紙の向きに対応した用紙が給紙装置に存在しているか否かの判定を行うとしてもよい。当該構成によれば、イメージデータに基づく印刷が実行される直前に、目的の用紙が有るか否かを判定するため、目的の用紙が有ると判定した後で実際に印刷するときには当該目的の用紙が既に無くなっていた、という不都合を回避できる。
【0015】
本発明の技術的思想は、印刷装置以外にも適用可能であり、例えば、印刷装置を制御するコンピューターにおいて実行されるソフトウェアにも適用可能である。その一例として、指示された用紙サイズが所定の基準を下回るサイズであるか否かを判定する用紙判定機能と、片面印刷と両面印刷とのいずれが指示されているかを判定する片面両面判定機能と、上記用紙判定機能が上記用紙サイズが所定の基準を下回ると判定し、且つ上記片面両面判定機能が両面印刷が指示されていると判定した場合に、用紙の短辺を印刷装置における給紙方向に対し垂直な状態として給紙を行なう短辺給紙における用紙の向きに一致した方向を向いたイメージデータを生成するとともに、当該イメージデータの上記用紙サイズの用紙への両面印刷および上記短辺給紙を制御対象の印刷装置に実行させる制御機能とをコンピューターに実現させるプリンタードライバーが考えられる。その他、上記印刷装置の各構成に対応する工程や機能からなる方法やプログラムの発明、さらに上記プリンタードライバーの各機能に対応する構成や工程からなる装置や方法の発明をも把握可能である。さらに上記ホストコンピューターと印刷装置からなる印刷システムの発明をも把握可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
1.プリンターの概略構成
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態にかかるプリンター10の概略構成をブロック図により示している。プリンター10は、本発明にかかる印刷装置の一例に該当する。本実施形態では、プリンター10を、プリント機能以外にもスキャン機能やコピー機能を備えた複合機を例に挙げて説明を行なうが、プリンター10は必ずしも複合機である必要は無い。
【0017】
プリンター10は、操作パネル11と制御部12と印刷ユニット13とスキャナーユニット14とを備え、ページプリンターとして機能する。操作パネル11は、ユーザから各種の指示を受付けるため及びプリンター10の状態をユーザに提示するためのユニットである。操作パネル11は、例えば、液晶ディスプレー(LCD)、LED、押しボタンスイッチSW等から構成されている。制御部12は、プリンター10の各部を制御するための、CPU21、ROM22、RAM23、外部インターフェース(I/F)24、制御ASIC25、HDD26等からなるユニットである。
【0018】
制御部12においては、CPU21がRAM23をメインメモリーとして使用しながら、ROM22に記憶された所定のプログラムに従った各種制御処理を実行する。また、制御ASIC25は、各種構成(CPU21、ROM22、RAM23、外部I/F24、HDD26、操作パネル11、印刷ユニット13、スキャナーユニット14等)間のデータの転送等を行うASIC(プリンター10用のものとして開発されたASIC)である。
外部I/F24は、例えば、LAN等のネットワークを介してプリンター10外部のホストコンピューター50と接続している。ホストコンピューター50には、プリンター10の駆動を制御するためのプリンタードライバー51がインストールされている。
【0019】
スキャナーユニット14は、テンキーやLCD等からなる操作パネル(不図示)を備えたイメージスキャナーである。スキャナーユニット14は、操作パネルに対してコピーあるいはスキャンの開始を指示する操作がなされた場合、自ユニットにセットされている原稿をスキャンして読み取ることにより原稿の画像データを生成し、画像データを制御部12に送信する。制御部12は、当該画像データをHDD26に保存したり、印刷の対象としたりする。印刷ユニット13は、ホストコンピューター50やスキャナーユニット14から制御部12に対して送信されたデータやコマンドに基づいて用紙上に印刷を行うユニットであり、印刷エンジン13a、複数の給紙トレイ(給紙装置)13b、搬送機構(両面印刷用搬送機構を含む)13c、排紙トレイ13d等を備える。
【0020】
2.第一実施例
図2は、ホストコンピューター50からのデータ送信を受けたプリンター10において、主に制御部12が所定のプログラムに従って実行する処理を、フローチャートによって示している。以下では、図2に沿って説明する実施例を第一実施例と呼ぶ。
第一実施例においては、ホストコンピューター50は、印刷対象の画像を印刷エンジン13aが使用する色(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック等)で表現したビットマップデータ(イメージデータ)を、所定の印刷設定情報とともにプリンター10に送信する。イメージデータは、ユーザがホストコンピューター50を操作して印刷対象として任意に選択した画像ファイルに基づいて、プリンタードライバー51が生成したものである。
【0021】
ホストコンピューター50がプリンター10に送信するイメージデータは一定の方向を向いているものとし、イメージデータは、第一実施例では、図3に示すように常に横長の向き(短辺が縦向き、長辺が横向き)であるとする。言い換えると、プリンタードライバー51は、用紙がLEFされることを前提として、LEFに対応する向きのイメージデータを生成しプリンター10に送信している。印刷設定情報とは、例えば、印刷に供する用紙サイズや、印刷方法(片面印刷又は両面印刷)を指定した情報であり、かかる指定もユーザのホストコンピューター50に対する操作に応じてなされたものである。
【0022】
このような前提の下、制御部12は、ステップS(以下「ステップ」の表記を省略)100において、外部I/F24を介してホストコンピューター50(プリンタードライバー51)から上記データ送信に伴う印刷指示を受付けたら、S105において、上記印刷設定情報で指定されている用紙サイズ(指定サイズと呼ぶ。)が、所定の基準を下回るサイズであるか否か判定する。概略的には、指定サイズが、給紙方法をLEFとした場合に両面印刷用搬送機構で搬送できないほど小さなサイズであるか否かを判定する。
【0023】
図4は、搬送機構13cに含まれる両面印刷用搬送機構13c1の一部を例示している。両面印刷用搬送機構13c1は、印刷エンジン13aによって一方の面が印刷済みの用紙Pを裏返して(反転させて)再び印刷エンジン13aにおける印刷開始位置に搬送する機構であり、搬送経路において所定間隔で搬送ローラー13c11を配設している。用紙Pを両面印刷用搬送機構13c1によって安定して搬送するには、用紙Pの搬送方向における長さが、少なくとも搬送ローラー13c11間の距離D以上(正確には、隣り合う搬送ローラー13c11間の距離のうち、最も長い距離以上)必要である。従って、短辺の長さが搬送ローラー13c11間の距離Dより短い用紙Pは、LEFの状態で両面印刷用搬送機構13c1によって搬送するには不適切なサイズであると言える。
【0024】
そこで上記S105では、制御部12は、予め情報として有している搬送ローラー13c11間の距離Dと、指定サイズの用紙の短辺の長さとを比較し、短辺の長さの方が短い場合に、指定サイズが所定の基準を下回ると判定する。あるいは制御部12は、上記比較を行なうのではなく、上記距離Dよりも短辺が短い用紙サイズの種類を予め情報として有しておき、指定サイズが当該種類に含まれる場合に、指定サイズが所定の基準を下回ると判定してもよい。第一実施例では、具体例として、はがき、往復はがき、A5およびハーフレターサイズなどが、上記基準を下回るサイズに該当する。制御部12は、指定サイズが上記基準を下回ると判定した場合に、S110に進む。S105の判定を実行可能な点で、制御部12は用紙判定部として機能すると言える。
【0025】
以下では、指定サイズは、上記基準を下回るサイズであるとし、また説明の便宜上、A5である(上記基準を下回るサイズの一例)として、説明を続ける。S110では、制御部12は、印刷方法として片面印刷と両面印刷とのいずれが指示されているかを判定する。当該判定は、印刷設定情報を参照して行なう。制御部12は、両面印刷が指定されている場合にはS115に進み、片面印刷が指定されている場合にはS135に進む。S110の判定を実行可能な点で、制御部12は片面両面判定部として機能すると言える。
【0026】
S115では、制御部12はイメージデータの回転処理を行なう。つまり、S105,S110の判定の結果、制御部12は、給紙方法としてSEFを選択すべきと判断し、そのため、横長の向き(LEFに対応した向き)であるイメージデータを90°回転させ、SEFに適したデータを得る。回転処理においては、制御部12は、イメージデータを画像の短辺と平行な線によって所定幅で分割して複数のバンドデータにし、バンドデータ単位で回転させるとしてもよい。
【0027】
S120では、制御部12は、指定サイズ(A5)の用紙であって、SEFに対応した向きでセットされた用紙がいずれかの給紙トレイ13bに存在しているか否か判定し、存在している場合にはS155に進み、存在していない場合にはS125に進む。制御部12は、印刷ユニット13に対して各給紙トレイ13bにおける用紙の存在状況を問い合わせることにより、S120の判定を行う。
【0028】
S125では、制御部12は、A5用紙をSEFに対応した向きで給紙トレイ13bにセットすべき旨の要求を外部に対して行なう。具体的には、制御部12は、当該要求のメッセージを操作パネル11のLCDに表示させたり、ホストコンピューター50に当該要求を行なう旨を通知し、ホストコンピューター50が備えるモニターに当該要求のメッセージを表示させたりする。ユーザは、かかるメッセージを見ることで、A5用紙をSEFに対応した向きで給紙トレイ13bにセットすべきことを認識する。
【0029】
S120における“Yes”の判定後、あるいはS125の後、制御部12は、印刷ユニット13を制御することにより、SEFによるA5用紙へのイメージデータの印刷を実行させる(S155)。S120における“Yes”の判定後あるいはS125の後は、言うまでも無く印刷方法として両面印刷が採用される。よって制御部12は、イメージデータをバンドデータ単位で順次印刷エンジン13aに送信するとともに、SEFに対応した向きのA5用紙を格納した給紙トレイ13bから給紙を開始させ、かつ両面印刷用搬送機構13c1を含む搬送機構13cを動作させることにより、用紙への画像形成を実現する。S125の後においては、制御部12は、実際にA5用紙がSEFに対応した向きで給紙トレイ13bにセットされたことを検知した上でS155に進む。制御部12は、S125の後、A5用紙がSEFに対応した向きで給紙トレイ13bにセットされたことを所定期間以上検知出来なかったり、操作パネル11等を介して印刷中止の指示を受け付けた場合には、S155に進むことなく当該フローチャートを終了させるとしてもよい。
【0030】
S130では、制御部12は、LEFに対応した向きのA5用紙がいずれかの給紙トレイ13bに存在しているか否か判定する。つまり、S105,S110の判定の結果、制御部12は、給紙方法としてLEFを優先して選択すべきと判断し、そのため、LEFに対応した向きのA5用紙が給紙トレイ13bに存在しているかをS120と同様に印刷ユニット13に問い合わせることにより判定する。
【0031】
図5は、印刷エンジン13aの構造上印刷可能な最大サイズEと、用紙Pとの関係を例示している。最大サイズEは、外枠の矩形によって表しており、第一実施例では、A3の用紙P(グレーで色付けした部分)よりも長辺が若干長い程度の大きさである。ただし最大サイズEの大きさは、プリンター10の機種によって異なる。
図6および図7は、図5と同様の最大サイズEを示し、最大サイズE内には、最大サイズEを搬送方向に垂直な方向で等分割する破線Lを示している。図6では、LEFされた状態のB5サイズの用紙Pを最大サイズE内に配置した例を示し、図7では、SEFされた状態のB5サイズの用紙Pを最大サイズE内に配置した例を示している。図6,7を参照すると、最大サイズEの半分以下の大きさの用紙Pであれば、搬送方向に用紙Pを並べたときに最大サイズE内に2枚収まる可能性あるとともに、SEFとしたときよりもLEFとしたときのほうが(B5に限らず)最大サイズE内に用紙Pが2枚収まる可能性がより高いと言える。
【0032】
最大サイズEに用紙が2枚収まる場合には、プリンター10は、いわゆる2UP印刷モードにて印刷を行なうことができる。2UP印刷モードとは、2枚の用紙が印刷エンジン13aに給紙され、印刷エンジン13aの転写媒体上に各インク色のトナー像を2ページ分形成するための処理が順次行われ、カラー印刷された2枚の用紙が排出されるモードであり、1枚の用紙を印刷エンジン13aに給紙して当該1枚の用紙に印刷する場合よりも、印刷効率が向上する。そこで第一実施例では、両面印刷のためにSEFにすべきといった事情が無い場合は、基本的にSEFよりもLEFを優先して選択し、印刷のパフォーマンスが向上しやすいようにしている。なお本実施形態の前提として、両面印刷用搬送機構13c1を除く搬送機構13c(片面印刷の際に用紙を搬送するために動作する機構部分)は、上記基準を下回るサイズの用紙について、LEF・SEFいずれの向きでも搬送可能であるとする。
【0033】
制御部12は、LEFに対応した向きのA5用紙がいずれかの給紙トレイ13bに存在している場合にはS160に進み、いずれの給紙トレイ13bにも存在していない場合にはS135に進む。S135では、制御部12は、S120と同様にSEFに対応した向きでセットされたA5用紙がいずれかの給紙トレイ13bに存在しているか否か判定し、存在している場合にはS145に進み、存在していない場合にはS140に進む。
【0034】
S140では、制御部12は、A5用紙をLEFに対応した向きで給紙トレイ13bにセットすべき旨の要求を外部に対して行なう。ユーザは、当該要求を受けることで、A5用紙をLEFに対応した向きで給紙トレイ13bにセットすべきことを認識する。
S130における“Yes”の判定後、あるいはS140の後、制御部12は、印刷ユニット13を制御することにより、LEFによるA5用紙へのイメージデータの片面印刷を実行させる(S160)。つまり制御部12は、イメージデータを画像の長辺に平行な線で分割してバンドデータに分け、バンドデータ単位で順次印刷エンジン13aに送信するとともに、LEFに対応した向きのA5用紙を格納した給紙トレイ13bから給紙を開始させ、かつ両面印刷用搬送機構13c1を除いた搬送機構13cを動作させることにより、用紙への画像形成を実現する。S140の後においては、制御部12は、実際にA5用紙がLEFに対応した向きで給紙トレイ13bにセットされたことを検知した上でS160に進む。制御部12は、S140の後、A5用紙がLEFに対応した向きで給紙トレイ13bにセットされたことを所定期間以上検知出来なかったり、操作パネル11等を介して印刷中止の指示を受け付けた場合には、S160に進むことなく当該フローチャートを終了させるとしてもよい。
【0035】
S145では、制御部12は給紙方法の選択を受付ける。例えば、制御部12は、SEFに対応した向きのA5用紙ならば給紙トレイに存在する旨を通知するとともにLEFとSEFとのどちらを選択するかを問いかけるメッセージを、操作パネル11のLCDに表示させたり、ホストコンピューター50が備えるモニターに表示させたりする。ユーザは、かかるメッセージに対する応答として、現在セットされているA5用紙をそのまま用いる(SEFの選択)か、LEFに対応した用紙を給紙トレイ13bにセットする(LEFの選択)かを、操作パネル11等を介して制御部12に指示し、制御部12はかかる選択の指示を受付ける。制御部12はS145において、LEFの選択を受付けた場合にはS140に進み、SEFの選択を受付けた場合にはS150に進む。
【0036】
S150では、制御部12は、S115と同様にイメージデータの回転処理を行なってイメージデータをSEFに適したデータとした上で、S155に進む。S150後のS155では、制御部12は、イメージデータをバンドデータ単位で順次印刷エンジン13aに送信するとともに、SEFに対応した向きのA5用紙を格納した給紙トレイ13bから給紙を開始させ、かつ両面印刷用搬送機構13c1を除いた搬送機構13cを動作させる(片面印刷する)ことにより、用紙への画像形成を実現する。
【0037】
このように第一実施例では、片面印刷が指示されている場合には、まずLEFに対応した用紙を優先的に使用するものとし、仮にLEFに対応した指定サイズの用紙がその時点で給紙トレイ13bに存在しない場合には、SEFに対応した指定サイズの用紙が存在するか否か判定し、SEFに対応した指定サイズの用紙も存在しない場合には、ユーザにLEFに対応した指定サイズの用紙の補給を要求する。一方、SEFに対応した指定サイズの用紙が存在する場合には、その用紙を使用するか、LEFに対応した指定サイズの用紙を補給するかをユーザが選択可能とした。つまり、片面印刷の際は基本的に印刷効率を重視してLEFを優先しつつ、そのときの用紙の有無に応じてユーザに給紙方法の選択の自由も与えている。
【0038】
また第一実施例では、プリンター10がLEFかSEFかを決定し、ホストコンピューター50から送信されたイメージデータの方向を、当該決定した給紙方法における用紙の向きに一致させる(必要に応じてイメージデータを回転させる)。そのため、ホストコンピューター50(プリンタードライバー51)側においては、用紙の向きとイメージの向きとの一致不一致を考慮することなく、イメージデータを生成、出力することができる。上記では、ホストコンピューター50がプリンター10に送信するイメージデータは横長の向きに固定されているとしたが、むろん縦長の向き(短辺が横向き、長辺が縦向き)に固定されていてもよい。その場合、図2のフローチャートにおいては、S115およびS150が不要となる一方、S160の直前に、イメージデータをLEFの用紙の向きと一致するように回転させる処理を加える必要がある。なお図2(および後述の図8)のフローチャートを実行する点で、制御部12は印刷給紙制御部としても機能すると言える。
【0039】
3.第二実施例
図8は、ホストコンピューター50からの印刷コマンドの送信を受けたプリンター10において、主に制御部12が所定のプログラムに従って実行する処理を、フローチャートによって示している。以下では、図8に従って説明する実施例を第二実施例と呼ぶ。
第二実施例においては、ホストコンピューター50(プリンタードライバー51)が、ユーザが印刷対象として任意に選択した画像ファイルを所定のページ記述言語による印刷データに変換するとともに、当該印刷データと、上記印刷設定情報(用紙サイズや、印刷方法を指定した情報)とを含む印刷コマンドを生成し、この印刷コマンドをプリンター10に対して送信する。
【0040】
制御部12は、S200において、外部I/F24を介してホストコンピューター50(プリンタードライバー51)から印刷コマンドを受付けたら、S205では上記S105と同様に、印刷設定情報を参照し、指定サイズが所定の基準を下回るサイズであるか否か判定する。指定サイズが基準を下回る場合には、制御部12は、S210では上記S110と同様に、印刷設定情報を参照し、片面印刷と両面印刷とのいずれが指定されているか判定する。制御部12は、両面印刷が指定されている場合にはS225に進み、片面印刷が指定されている場合にはS215に進む。第二実施例においても、指定サイズはA5サイズとする。
【0041】
S225では、制御部12はS205,S210の判定の結果、給紙方法としてSEFを選択すべきと判断する。そして、印刷コマンドに含まれているページ記述言語による印刷データを解釈してイメージデータに展開する際に、A5(上記基準を下回るサイズの一例)かつSEFにおける用紙の向き(縦長)に対応したイメージデータに展開する。また制御部12は、イメージデータを画像の短辺と平行な線によって所定幅で分割して複数のバンドデータに分ける。
【0042】
S230では、制御部12は、印刷エンジン13aに対して印刷要求を行なう。このとき制御部12は、印刷エンジン13aに対してイメージデータをバンドデータ単位で送信する。S235,S240,S265は、上記S120,S125,S155と同様である。つまりS265では、制御部12は、SEFに対応した向きのA5用紙を格納した給紙トレイ13bから給紙を開始させ、かつ両面印刷が指示されている場合には、両面印刷用搬送機構13c1を含む搬送機構13cを動作させることにより、印刷ユニット13に、SEFによるA5用紙へのイメージデータの両面印刷を実行させる。
【0043】
S215では、制御部12はS205,S210の判定の結果、給紙方法としてLEFをSEFよりも優先的に選択すべきと判断し、LEFに対応した向きのA5用紙を給紙する設定の給紙トレイ13bが、複数の給紙トレイ13bの中に存在しているか(印刷ユニット13が有しているか)否か判定する。当該判定は、各給紙トレイ13bの属性や設定を管理する印刷ユニット13に問い合わせることにより行なう。制御部12は、LEFに対応した向きのA5用紙を給紙する設定の給紙トレイ13bが存在している場合にはS245に進み、かかる給紙トレイ13bが存在していない場合にはS220に進む。
【0044】
S245では、制御部12は、印刷コマンドに含まれているページ記述言語による印刷データを解釈してイメージデータに展開する。このとき制御部12は、A5サイズかつLEFにおける用紙の向き(横長)に対応したイメージデータに展開する。また制御部12は、イメージデータを画像の長辺と平行な線によって所定幅で分割して複数のバンドデータに分ける。
【0045】
S250では、制御部12は、印刷エンジン13aに対して印刷要求を行なう。このとき制御部12は、印刷エンジン13aに対してイメージデータをバンドデータ単位で送信する。S255では、制御部12は、S215で存在を検知した給紙トレイ13bに用紙(LEFに対応した向きのA5用紙)が存在しているか否か判定し、存在している場合にはS270に進み、存在していない場合にはS260に進む。
S260では、制御部12は、上記S140と同様に、A5用紙をLEFに対応した向きで給紙トレイ13bにセットすべき旨の要求を外部に対して行なう。
【0046】
S255における“Yes”の判定後、あるいはS260の後、制御部12は、印刷ユニット13を制御することにより、LEFによるA5用紙へのイメージデータの片面印刷を実行させる(S270)。つまり制御部12は、LEFに対応した向きのA5用紙を格納した給紙トレイ13bから給紙を開始させ、かつ両面印刷用搬送機構13c1を除いた搬送機構13cを動作させることにより、印刷ユニット13に、LEFによるA5用紙へのイメージデータの片面印刷を実行させる。
【0047】
S220では、制御部12は、SEFに対応した向きのA5用紙を給紙する設定の給紙トレイ13bが、複数の給紙トレイ13bの中に存在しているか否か判定し、SEFに対応した向きのA5用紙を給紙する設定の給紙トレイ13bが存在している場合にはS225に進み、かかる給紙トレイ13bが存在していない場合にはS245に進む。S220で“Yes”の判定後のS265においては、制御部12は、SEFに対応した向きのA5用紙を格納した給紙トレイ13bから給紙を開始させ、両面印刷用搬送機構13c1を除く搬送機構13cを動作させることにより、印刷ユニット13に、SEFによるA5用紙へのイメージデータの片面印刷を実行させる。
【0048】
このように第二実施例では、片面印刷の場合には、まずLEFに対応した指定サイズの用紙を給紙する設定の給紙トレイ13bの有無を確認し、存在を確認した後に、ページ記述言語からイメージデータへの展開を行なう。そして、イメージデータが取得された後に、LEFに対応した指定サイズの用紙が上記トレイに存在しているか否かを確認している。プリンター10がホストコンピューター50から印刷コマンドを受信してイメージデータへの展開を終えるまでの間に、プリンター10においては当該印刷コマンドよりも前に取得した印刷ジョブの印刷を行なっていることもあり得る。つまり、イメージデータへの展開を終えて印刷を開始する体制が整う前(S215のタイミング)に、所望の用紙の存在を確認したとしても、実際にイメージデータへの展開を終え印刷を開始する時点において、当該所望の用紙が既に消費されている可能性もある。そこで上記のように、イメージデータが取得された後(S245の後)、すなわち印刷直前のタイミングにて用紙の有無を確認することで、実際に印刷エンジン13aを動作させようとしたときに用紙切れであるという事態を回避できる。
【0049】
なお制御部12は、過去の印刷枚数を計数する等によって現在の残りの用紙枚数を検知可能な構成を備える場合には、S215において給紙トレイ13bの有無を判断するのではなく、直接に目的の用紙(LEFかつA5の用紙)の残り枚数を検知するとしてもよい。そして、目的の用紙の残り枚数が、現在印刷が進行中の印刷ジョブ(LEFかつA5の用紙を使用する印刷ジョブ)およびこれからS245で生成するイメージデータの印刷に必要な枚数をまかなえる数であれば、S215で“Yes”と判断し、S245に進む。この場合、S255,S260の処理は不要となる。
【0050】
また第二実施例では、LEFに対応した指定サイズの用紙を給紙する設定になっている給紙トレイ13bが無い場合には、SEFに対応した指定サイズの用紙を給紙する設定になっている給紙トレイ13bが存在するか否か判定し、かかるSEFに対応した給紙トレイ13bも存在しない場合(S220において“No”)に、ユーザにLEFに対応した指定サイズの用紙の補給を要求する。当該要求は、それまで指定サイズの用紙の給紙に用いられていなかった給紙トレイ13bへの、LEFに対応した指定サイズの用紙の補給の要求を意味する。一方、SEFに対応した指定サイズの用紙を給紙する設定の給紙トレイ13bが存在する場合には、SEFにて印刷を行なう。つまり、片面印刷の際は基本的に印刷効率を重視してLEFを優先しつつ、SEFに対応した指定サイズの用紙を給紙する設定の給紙トレイ13の有無に応じて、LEFかSEFかを分岐している。
【0051】
また第二実施例では、片面印刷の場合には、LEFに対応した指定サイズの用紙を優先的に給紙する構成とした(S215以降)が、ユーザによる給紙トレイ13bの指定やLEFまたはSEFの指定があった場合には、その指定に従うとしてもよい。つまり、ユーザによって特定の給紙トレイ13bが予め指定されている場合には、片面印刷であると判定(S210)した後は、当該指定にかかる給紙トレイ13bから給紙させて印刷を行なう。また、ユーザによってLEFまたはSEFのどちらかが指定されている場合には、片面印刷であると判定した後は、当該指定にかかる給紙方法にていずれかのトレイ13bから用紙を給紙させて印刷を行なう。
【0052】
上記では、第二実施例の処理主体をプリンター10(制御部12)として説明したが、イメージデータの生成処理までを、ホストコンピューター50側のプリンタードライバー51で実行するとしてもよい。この場合、プリンタードライバー51は、ユーザに指定された用紙サイズや印刷方法(両面または片面印刷)に応じてS205,S210の判定を行うとともに、必要に応じてプリンター10側と通信を行うことによりプリンター10における給紙トレイ13bの有無を検知し(S215,S220)、また選択した給紙方法(SEFまたはLEF)に対応したイメージデータを生成する(S225,S245)。そしてプリンタードライバー51は、生成したイメージデータを上記指定サイズや印刷方法の情報、さらには給紙方法の選択結果とともにプリンター10に送信する。その結果、プリンター10は、上記指定サイズ、指定された印刷方法、選択された給紙方法によってイメージデータの印刷を行なう。
【0053】
4.まとめ
このように本実施形態によれば、プリンター10は給紙方法としてLEF,SEFのいずれも可能な構成とし、所定の基準を下回る小さなサイズの用紙に対して印刷を行なう場合において、両面印刷を指定された場合にはSEFによって両面印刷を確実に行ない、片面印刷を指定された場合にはSEFよりもLEFを優先的に実行して印刷を行なうとした。すなわち本実施形態によれば、ユーザが上記小さな用紙で印刷を行なうときも両面印刷/片面印刷の自由な選択が可能であるとともに、片面印刷のときには基本的にLEFを優先的に行なうことで、印刷効率を向上させることができる。
【0054】
なお図2,8では、指定サイズが上記基準を下回らないサイズである場合(S105,S205で“No”の場合)の処理について特に記載していないが、かかる場合、制御部12は、指定サイズに応じてLEFとするかSEFとするかを判断する。つまり、上記基準を下回らないサイズであって、指定サイズと最大サイズEとの関係上SEFでしか印刷できないサイズ(例えば、A3、B4、Legal、Government Legal、Ledger(B)、F4等のサイズ)であればSEFで印刷を行ない、SEFとLEFとのいずれも可能なサイズ(例えば、A4、B5、Letter、Government Letter、Executive等のサイズ)であればLEFを優先して実行し、その他、用紙の構造上給紙方法が決まっているもの(フラップを有する封筒等)については、その決められた給紙方法にて給紙を行なう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態にかかるプリンターの概略構成を示したブロック図である。
【図2】第一実施例にかかる処理を示したフローチャートである。
【図3】横長のイメージデータの例を示した図である。
【図4】両面印刷用搬送機構の一部を示した斜視図である。
【図5】最大サイズと用紙との関係の一例を示した図である。
【図6】最大サイズと用紙との関係の他の例を示した図である。
【図7】最大サイズと用紙との関係の他の例を示した図である。
【図8】第二実施例にかかる処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
10…プリンター、11…操作パネル、12…制御部、13…印刷ユニット、13a…印刷エンジン、13b…給紙トレイ、13c…搬送機構、13d…排紙トレイ、13c1…両面印刷用搬送機構、13c11…搬送ローラー、14…スキャナーユニット、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…外部I/F、25…制御ASIC、26…HDD、50…ホストコンピューター、51…プリンタードライバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面印刷を実行可能な印刷装置であって、
指示された用紙サイズが所定の基準を下回るサイズであるか否かを判定する用紙判定部と、
片面印刷と両面印刷とのいずれが指示されているかを判定する片面両面判定部と、
上記用紙判定部が上記用紙サイズが所定の基準を下回ると判定し、且つ上記片面両面判定部が両面印刷が指示されていると判定した場合に、短辺を印刷装置における給紙方向に対して垂直とした向きの用紙の給紙を行なう短辺給紙を選択して印刷を実行する印刷給紙制御部とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
上記印刷給紙制御部は、上記用紙判定部が上記用紙サイズが所定の基準を下回ると判定し、且つ上記片面両面判定部が片面印刷が指示されていると判定した場合に、長辺を印刷装置における給紙方向に対して垂直とした向きの用紙の給紙を行なう長辺給紙を上記短辺給紙よりも優先して選択し、印刷を実行することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
一方の面が印刷済みの用紙を裏返して所定の印刷開始位置に搬送する両面印刷用搬送機構を備え、上記用紙判定部は、上記用紙サイズにおける短辺が両面印刷用搬送機構を構成する搬送ローラー間の距離より短い場合に、上記用紙サイズは所定の基準を下回ると判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
上記印刷給紙制御部は、印刷対象となる一定方向を向いたイメージデータを外部から取得するとともに、上記選択した給紙における用紙の向きとイメージデータの向きとが一致しない場合には、用紙の向きとイメージデータの向きとが一致するようにイメージデータを回転させ、回転後のイメージデータに基づいて印刷を行なうことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
上記印刷給紙制御部は、外部から印刷コマンドを取得し当該印刷コマンドを解釈してイメージデータを生成する際に、上記選択した給紙における用紙の向きに一致した方向を向くイメージデータを生成し、当該生成したイメージデータに基づいて印刷を行なうことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
上記印刷給紙制御部は、上記指示された用紙サイズの用紙であって上記選択した給紙における用紙の向きに対応した用紙が所定の給紙装置に存在しているか否かを判定し、存在している場合には当該用紙を給紙装置から給紙させて印刷を行い、存在していない場合には当該用紙を給紙装置に供給する旨の要求を外部に対して行なうことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
上記印刷給紙制御部は、上記選択した給紙における用紙の向きに一致した方向を向いたイメージデータを得た上で、上記指示された用紙サイズの用紙であって上記選択した給紙における用紙の向きに対応した用紙が給紙装置に存在しているか否かの判定を行うことを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
指示された用紙サイズが所定の基準を下回るサイズであるか否かを判定する用紙判定機能と、
片面印刷と両面印刷とのいずれが指示されているかを判定する片面両面判定機能と、
上記用紙判定機能が上記用紙サイズが所定の基準を下回ると判定し、且つ上記片面両面判定機能が両面印刷が指示されていると判定した場合に、用紙の短辺を印刷装置における給紙方向に対し垂直な状態として給紙を行なう短辺給紙における用紙の向きに一致した方向を向いたイメージデータを生成するとともに、当該イメージデータの上記用紙サイズの用紙への両面印刷および上記短辺給紙を制御対象の印刷装置に実行させる制御機能とをコンピューターに実現させることを特徴とするプリンタードライバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−143066(P2010−143066A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322498(P2008−322498)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】