説明

印刷装置及びプリント媒体の搬送異常検出方法

【課題】磁気センサにマージンを設定することなく、短時間で精度良く搬送異常を検出できる技術の実現。
【解決手段】インク担持体を送り出すインクカセットと、プリントデータに応じた熱を印加して前記インク担持体からプリント媒体上にインクを転写するプリントヘッドと、前記インクカセットに設けられ、前記インク担持体が回転することで磁力線を発生する磁力線発生手段と、前記磁力線の磁気情報を検出する磁気情報検出手段と、前記プリント媒体を搬送する搬送手段を駆動するための電流値を検出する電流検出手段と、前記磁気情報検出手段により検出した磁気情報と前記電流検出手段により検出した電流値とを用いて、前記搬送手段によるプリント媒体の搬送異常が発生したか判定する判定手段と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント中に発生するプリント媒体の搬送異常を短時間で検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルヘッドを用いてインクリボンからプリント媒体にインクを転写する熱転写プリンタでは、プリント媒体が搬送機構内で詰まることで搬送不能となるエラー(以下、「ジャム(jam)」ともいう。)を検出できるように構成されている。上記エラー検出は、例えば磁気情報を付加したインクリボンカセットと磁気センサを用いて、インクリボンコアが回転する単位時間あたりのパルス数を測定し、測定したパルス数の今回値が前回値より多い場合にジャムと判定している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−211801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上述したインクリボンコアが回転する単位時間あたりのパルス数を測定し、前回値と今回値とを比較する方法では、搬送中のスリップやインクリボンカセットに貼着した磁石の大きさによって磁気センサで読み取るパルス数に差が生じる。このため、ばらつきを考慮してある程度のマージンが必要となる。
【0004】
そして、マージンを多く設定すると、ジャムを検出するまでに時間がかかり、その結果、ジャムを悪化させてしまい、その後のジャム処理作業に手間を要することになる。最悪の場合、ジャム処理作業が行えない状態や装置自体を壊す結果となってしまう。また、マージンを少なく設定すると、ジャムを検出するまでの時間は短くなるが、正常状態にもかかわらずジャムと誤判定してしまい、正常な動作を妨げてしまう。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、磁気センサにマージンを設定することなく、短時間で精度良く搬送異常を検出できる技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る印刷装置は、インク担持体を送り出すインクカセットと、プリントデータに応じた熱を印加して前記インク担持体からプリント媒体上にインクを転写するプリントヘッドと、前記インクカセットに設けられ、前記インク担持体が回転することで磁力線を発生する磁力線発生手段と、前記磁力線の磁気情報を検出する磁気情報検出手段と、前記プリント媒体を搬送する搬送手段を駆動するための電流値を検出する電流検出手段と、前記磁気情報検出手段により検出した磁気情報と前記電流検出手段により検出した電流値とを用いて、前記搬送手段によるプリント媒体の搬送異常が発生したか判定する判定手段と、を具備する。
【0007】
また、本発明に係るプリント媒体の搬送異常検出方法は、インク担持体を送り出すインクカセットと、プリントデータに応じた熱を印加して前記インク担持体からプリント媒体上にインクを転写するプリントヘッドと、前記インクカセットに設けられ、前記インク担持体が回転することで磁力線を発生する磁力線発生手段と、を備える印刷装置におけるプリント媒体の搬送異常検出方法であって、前記磁力線の磁気情報を検出する磁気情報検出工程と、前記プリント媒体を搬送する搬送手段を駆動するための電流値を検出する電流検出工程と、前記磁気情報検出工程にて検出された磁気情報と前記電流検出工程にて検出された電流値とを用いて、前記搬送手段によるプリント媒体の搬送異常が発生したか判定する判定工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、磁気センサにマージンを設定することなく、短時間で精度良く搬送異常を検出できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0010】
以下の実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
また、本発明は、後述する搬送異常検出機能を実現するソフトウェアのプログラムを記憶媒体に記憶させ、記憶媒体からプログラムコードを読み出して当該システムを構成する装置が実行することによっても、達成されることは言うまでもない。すなわち、本発明は、後述する搬送異常検出フローを、コンピュータに実行させるためのプログラムや、当該プログラムを格納する記録媒体等としても適用可能である。
【0012】
[装置構成の説明]
図1は、本発明に係る実施形態のプリンタの概略図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、プリントデータに応じた熱を印加してインクリボン9からテープ状或いはチューブ状のプリント媒体8上にインクを昇華させるサーマルヘッド4を有する、熱転写方式のプリンタである。プリント媒体8は、テープ状或いはチューブ状の態様でカセット収容部7に装着されている。
【0014】
プリンタ1は、矢印A方向に回転するプラテンローラ2の外周面において、サーマルヘッド4がプリント媒体8にインクリボン9を圧接し、インクリボン9からプリントデータに応じたインクをプリント媒体8に転写することで画像を形成する(印字する)。
【0015】
この熱転写方式のプリンタ1には、所定の幅(図1の紙面に直交する方向の長さ)を持つインクリボン9が巻回された円筒形状のリボンコア11,12を備えたインクリボンカセット30が着脱自在に装着される。
【0016】
リボンコア11,12は、未使用のインクリボンが巻回されて送出される送出用リボンコア11と、送出用リボンコア11から送出された使用済みのインクリボンを巻き取る巻取用リボンコア12とを有する。
【0017】
プリンタ1は、プリント媒体8に画像を形成するプリント時において、プラテンローラ2を一定の回転数で回転させてプラテンローラ2と従動ローラ3とに挟持されたプリント媒体8を一定の搬送速度で搬送する。更に、プリンタ1は、インクリボン9を一定の搬送速度で送出用リボンコア11から送出させる。
【0018】
プリント媒体8は矢印B方向からプリンタ1内に供給されて矢印C方向に排出される。矢印B方向から供給されるプリント媒体8は、搬送ローラ5と従動ローラ6の間に挟み込まれて搬送される。従動ローラ6は、カバー(不図示)の開閉に連動して移動するように構成されている。即ち、従動ローラ6は、カバーを開くと実線で示す位置から点線で示す位置に移動し搬送ローラ5から離れるので、プリント媒体8の挿入や取出が行い易くなる。反対に、カバーを閉じると、従動ローラ6は搬送ローラ5を押圧する位置に移動して、搬送ローラ5との間でプリント媒体8を挟持して確実に搬送する。
【0019】
画像形成が終了したプリント媒体8は、カッタ20とカッタ受け面22によって適宜の長さで切断されて矢印C方向に排出される。
【0020】
尚、プリント媒体8としては、ラベルテープ、扁平チューブ、及び4mmID(インデックス)等が挙げられ、これらは専用カセット(不図示)に巻回されて収納されている。
【0021】
インクリボンカセット30の送出用リボンコア11は磁力線を発生し、プリンタ1には、当該磁力線を検出する磁気センサ10が設けられている。磁気センサ10は、磁力線の向きが所定の向きに一致するときのみに磁力線を検出する。磁気センサ10は、インクリボンカセット30をプリンタ1内に装着した状態で、中空円筒形状の送出用リボンコア11の内周面に囲まれた軸心部分に配置される。
【0022】
尚、インクリボンカセット30をプリンタ1に装着した状態では、送出用リボンコア11及び巻取用リボンコア12の内部(内周面に囲まれた空間)には回転軸(不図示)が嵌め込まれる。これにより、送出用リボンコア11及び巻取用リボンコア12は所定の回転速度で回転する。
【0023】
また、磁気センサ10は、上記回転軸とは別の固定軸に取り付けられているので回転しない。
【0024】
送出用リボンコア11は、上記のように円筒形状であり、その内周面(不図示)の一定部分から、この一定部分とは反対側の反対部分(不図示)に向かう磁力線を発生する。そして、送出用リボンコア11には、磁気センサ10により検出される磁力線の向き(極性)が送出用リボンコア11が回転を開始してから半回転するごとに反転するような磁力線が発生する。
【0025】
[制御ブロックの説明]
図2は、本実施形態のプリンタ全体の電気的構成を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、41はマイクロプロセッサ等から構成されプリンタ1全体を制御する制御部としてのCPUである。42はプリンタ1の動作状態等を表示する表示部としてLCDである。43はCPU41からの表示制御信号によりLCD42を駆動するLCDコントローラである。44は操作スイッチ等からなる操作部である。45はプリントデータ等を一時的に記録すると共に、CPU41が制御プログラム等を実行するときの作業領域として用いられるRAMである。46はCPU41が実行する制御プログラムや後述する搬送異常処理プログラム等をROMである。47はJISコード、ASCIIコードなどのコード体系に従って表現されたキャラクタコードに従ってキャラクタパターンを発生するキャラクタジェネレータである。48はプリントデータに応じてサーマルヘッド4の発熱素子毎に電圧を印加して発熱させるサーマルヘッド制御回路である。49は搬送ローラ5を回転駆動する搬送モータである。50は駆動信号に応じて搬送モータ49を駆動するドライバである。51はドライバ50に駆動信号を出力するモータ制御回路である。52はカッタ20を駆動するカッタモータである。53は駆動信号に応じてカッタモータ52を駆動するドライバである。54はドライバ53に駆動信号を出力するモータ制御回路である。55は磁気センサ10を含む各種センサー類である。
【0027】
[プリント媒体の搬送異常検出処理の説明]
次に、本実施形態のプリンタによるプリント媒体の搬送異常検出処理について説明する。
【0028】
図3は本実施形態のプリンタにおいてプリント媒体の搬送異常検出処理を実現するためのブロック図であり、図2と同じ構成には同じ符号を付して示している。図4はプリント媒体の搬送異常検出処理を示すフローチャートである。
【0029】
図3に示すように、61は一定の時間間隔でパルスを発生するパルス発生器である。62は磁気センサ10により検出される磁力線の向きが反転するまでの時間を計測する時間計測器である。63は時間計測器62が計測した時間内においてパルス発生器61が発生したパルスをカウントするパルスカウンタである。磁気センサ10により検出される磁力線は、送出用リボンコア11が回転を開始してから半回転するごとに極性が反転するので、パルスカウンタ63は送出用リボンコア11が半回転するまでの間のパルス数をカウントすることになる。64はパルスカウンタ63によりカウントされたパルス数65を記憶するメモリである。表示部42はエラーメッセージを表示する。ドライバ50は搬送モータ49を駆動するための電流値をCPU41に出力する。
【0030】
パルス発生器61、時間計測器62、パルスカウンタ63、搬送モータ49はプリンタ1の筺体内に内蔵されている。
【0031】
パルス発生器61が一定の時間間隔で発生するパルス数の一例としては、例えば、インクリボン9(図1参照)が最大に巻回された状態(インクリボン9が未使用)で送出用リボンコア11が1回転する時間に発生する3000パルスが挙げられる。
【0032】
磁気センサ10が磁力線を検出する毎に時間計測器62からCPU41に検出信号が送出され、この検出信号に基づいてCPU41がパルスカウンタ63を駆動させる。また、搬送モータ49の電流値もドライバ50からCPU41に送出され、その電流値をCPU41でA/D変換しデジタルデータとして記録する。
【0033】
次に、図4を参照して、プリント媒体の搬送異常検出処理について説明する。
【0034】
図4のフローは、プリンタ1に電源が投入されてCPU41が起動し、搬送モータ49及び送出用リボンコア11が回転することにより開始される。また、プリンタ1に電源が投入されると、パルス発生器61、時間計測器62、パルスカウンタ63、磁気センサ10等が動作を開始する。
【0035】
図4において、CPU41は、磁気センサ10により検出された磁力線の向きが変化していない状態で、送出用リボンコア11が半回転するまでの時間毎にパルスカウンタ63でパルス数をカウントする(S11〜S13)。また、CPU41は、ドライバ50から搬送モータ49の電流値を取得する。
【0036】
次に、CPU41は、パルスカウンタ63によりカウントされるパルス数が所定パルス数(例えば、1500パルス)を超えたか否かを判定する(S14)。そして、パルス数が所定パルス数を超えた場合、CPU41は、搬送モータ49のA/D変換後の電流値が所定閾値以上であるか否かを判定する(S15)。
【0037】
そして、電流値が所定閾値以上ならば、ジャムエラーであると判定し(S22)、搬送モータ49を停止し(S17)、表示部42にジャムエラーを表わすメッセージを表示する(S18)。また、電流値が所定閾値未満の場合は、ジャム以外のエラーと判定し(S15)、搬送モータ49を停止し(S17)、表示部42にジャム以外のエラーを表わすメッセージを表示する(S18)。
【0038】
一方、上記S14においてパルス数が所定パルス未満であって、磁力線の向きが変化した場合(S12でNO)、送出用リボンコア11が正常に回転し、インクリボン9が徐々に送出されリボンコア11の回転速度が速くなっていると考えられる。そこで、CPU41は、送出用リボンコア11が回転を開始してから1回転したか否かを判定する(S19)。送出用リボンコア11が1回転したことは、磁気センサ10により検出された磁力線の向きが変化した後、再びもとの向きに戻ったか否かで判定する。
【0039】
そして、S19で1回転していないならば、メモリ64に記録された前回のパルス数を初期化せず、今回のパルス数のカウントを続行する。
【0040】
一方、上記S19で送出用リボンコア11が回転を開始してから1回転したと判定された場合、CPU41は、送出用リボンコア11が半回転するまでの時間にカウントされたパルス数(前回のパルス数)と、半回転した後さらに半回転するまでの時間にカウントされたパルス数(今回のパルス数)とを比較する(S20)。
【0041】
そして、上記比較の結果、今回のパルス数が前回のパルス数を超えている場合(前回のパルス数<今回のパルス数)、CPU41は、搬送モータ49のA/D変換後の電流値が所定閾値以上であるか否かを判定する(S21)。図5及び図6は、正常時の電流値及びジャム時の電流値を夫々例示しており、これらの電流値を実験的に求めることによりジャムエラー判定時の電流値の閾値を決定する。
【0042】
そして、電流値が所定閾値以上ならば、ジャムエラーであると判定し(S22)、搬送モータ49を停止し(S17)、表示部42にエラーメッセージを表示する(S18)。また、電流値が所定閾値未満の場合は、今回のパルス数を前回のパルス数としてメモリ64に記録し(S23)、パルスカウンタ63を初期化する(S24)。
【0043】
上記実施形態によれば、送出用リボンコア11が半回転する間の時間(パルス数)をカウントし、今回のパルス数が半回転前の前回のパルス数を超えており、且つ搬送モータ49への電流値が所定閾値以上の場合にジャムエラーと判定する。これにより、従来のように磁気センサで必要なマージンを設定しなくても、短時間で精度良くジャム検出を行うことができる。
【0044】
また、送出用リボンコア11が少なくとも1回転していればジャム検出を行えるので、ジャム発生後短時間でジャム検出を行え、その後のジャム処理作業を容易化することができる。
【0045】
また、搬送モータ49への電流値を監視する際、ドライバ50の電流値をCPU41が取り込みA/D変換を行うため、専用の回路が必要でなくコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る実施形態のプリンタの概略図である。
【図2】本実施形態のプリンタ全体の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態のプリンタにおいてプリント媒体の搬送異常検出処理を実現するためのブロック図である。
【図4】プリント媒体の搬送異常検出処理を示すフローチャートである。
【図5】正常時の電流値を例示する図である。
【図6】ジャム時の電流値を例示する図である。
【符号の説明】
【0047】
1 プリンタ
2 プラテンローラ
3 従動ローラ
4 サーマルヘッド
5 搬送ローラ
6 従動ローラ
7 カセット収容部
8 プリント媒体
9 インクリボン
10 磁気センサ
11 送出用リボンコア
12 巻取用リボンコア
20 カッタ
22 カッタ受け面
30 インクリボンカセット
41 CPU
42 表示部(LCD)
43 LCDコントローラ
44 操作部
45 RAM
46 ROM
47 キャラクタジェネレータ
48 サーマルヘッド制御回路
49 搬送モータ
50 ドライバ
51 モータ制御回路
52 カッタモータ
53 ドライバ
54 モータ制御回路
55 センサー類
61 パルス発生器
62 時間計測器
63 パルスカウンタ
64 メモリ
65 前回のパルス数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク担持体を送り出すインクカセットと、
プリントデータに応じた熱を印加して前記インク担持体からプリント媒体上にインクを転写するプリントヘッドと、
前記インクカセットに設けられ、前記インク担持体が回転することで磁力線を発生する磁力線発生手段と、
前記磁力線の磁気情報を検出する磁気情報検出手段と、
前記プリント媒体を搬送する搬送手段を駆動するための電流値を検出する電流検出手段と、
前記磁気情報検出手段により検出した磁気情報と前記電流検出手段により検出した電流値とを用いて、前記搬送手段によるプリント媒体の搬送異常が発生したか判定する判定手段と、を具備することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記磁気情報は、前記磁力線の向きと当該磁力線の向きが変化する時間をカウントするカウント情報とを含み、
前記判定手段は、前記カウント情報が比較値を超え且つ前記電流値が基準値以上の場合に、前記プリント媒体の搬送異常が発生したと判定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記磁気情報は、前記磁力線の向きと当該磁力線の向きが変化する時間をカウントするカウント情報とを含み、
前記判定手段は、前記カウント情報が比較値以下で且つ前記電流値が基準値以上の場合に、前記プリント媒体の搬送異常とは異なる異常が発生したと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記磁気情報は、前記磁力線の向きと当該磁力線の向きが変化する時間をカウントするカウント情報とを含み、
前記判定手段は、前記カウント情報が比較値を超え且つ前記電流値が基準値未満の場合に、前記プリント媒体の搬送異常とは異なる異常が発生したと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記磁力線の向きが変化する時間をカウントするカウンタと、前記磁力線の向きが変化する直前のカウント情報を記録するメモリと、を更に備え、
前記判定手段は、前記メモリに記録された前回カウント情報を前記比較値として最新の今回カウント情報と比較し、今回カウント情報が前回カウント情報を超えた否かを判定することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記判定手段により前記プリント媒体の搬送異常が発生したと判定された場合、その旨のメッセージを表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
インク担持体を送り出すインクカセットと、プリントデータに応じた熱を印加して前記インク担持体からプリント媒体上にインクを転写するプリントヘッドと、前記インクカセットに設けられ、前記インク担持体が回転することで磁力線を発生する磁力線発生手段と、を備える印刷装置におけるプリント媒体の搬送異常検出方法であって、
前記磁力線の磁気情報を検出する磁気情報検出工程と、
前記プリント媒体を搬送する搬送手段を駆動するための電流値を検出する電流検出工程と、
前記磁気情報検出工程にて検出された磁気情報と前記電流検出工程にて検出された電流値とを用いて、前記搬送手段によるプリント媒体の搬送異常が発生したか判定する判定工程と、を具備することを特徴とする方法。
【請求項8】
前記磁気情報は、前記磁力線の向きと当該磁力線の向きが変化する時間をカウントするカウント情報とを含み、
前記判定工程では、前記カウント情報が比較値を超え且つ前記電流値が基準値以上の場合に、前記プリント媒体の搬送異常が発生したと判定することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記磁気情報は、前記磁力線の向きと当該磁力線の向きが変化する時間をカウントするカウント情報とを含み、
前記判定工程では、前記カウント情報が比較値以下で且つ前記電流値が基準値以上の場合に、前記プリント媒体の搬送異常とは異なる異常が発生したと判定することを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記磁気情報は、前記磁力線の向きと当該磁力線の向きが変化する時間をカウントするカウント情報とを含み、
前記判定工程では、前記カウント情報が比較値を超え且つ前記電流値が基準値未満の場合に、前記プリント媒体の搬送異常とは異なる異常が発生したと判定することを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項11】
前記磁力線の向きが変化する時間をカウントし、前記磁力線の向きが変化する直前のカウント情報をメモリに記録する工程を更に備え、
前記判定工程では、前記メモリに記録された前回カウント情報を前記比較値として最新の今回カウント情報と比較し、今回カウント情報が前回カウント情報を超えた否かを判定することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記判定工程にて前記プリント媒体の搬送異常が発生したと判定された場合、その旨のメッセージを表示する工程を更に備えることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれか1項に記載の方法を印刷装置のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−185812(P2007−185812A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−4178(P2006−4178)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】