説明

危険検出・抑制装置

危険検出・抑制装置および、容器の内容物を放出するためのシングルアクション放出バルブ。バルブは、内容物が放出される通路を備えたバルブボディと、バルブボディ内部に保持されシールが元の状態のままである間通路を密封する脆弱シールと、第1の位置から第2の位置に移動可能なアーマチュアを含むソレノイドとを備える。サーモパイルまたはサーモパイルマトリックスは火災を検出しバルブを作動させるために近赤外線エネルギーを感知する。サーモパイルの信号のための増幅器は故障について監視される。またサーモスタットまたは手動押しボタンもバルブを作動させることができ、オペレータパネルは故障状況を監視する。石油検出器、化学センサ、湿分検出器、放射線検出器、ガス検出器および移動体検出器を含む他の危険検出器を使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、ここで引用によって完全に包含される2007年5月25日出願の「シングルアクション放出弁」の名称による係属中の米国特許出願第11/807074号の一部継続出願であって、その優先権利益を請求する。
(連邦政府後援の研究または開発に関する陳述)
適用なし。
(コンパクトディスクの参照)
適用なし。
【0002】
1.発明の分野
本発明は、一般に、危険検出・抑制装置および、加圧貯蔵容器から気体、液体または乾燥材料を放出するための放出バルブに、より詳しくは、加圧貯蔵容器から材料を放出するための遠隔操作放出バルブを備える危険検出・抑制装置に関する。
【背景技術】
【0003】
2.情報開示の陳述
火災といった危険を検出し、その危険を制御または排除するために加圧容器から抑制剤を放出することがしばしば要求される。従来技術における問題は、そのような危険検出装置が故障して、装置が故障したという警報を提供することなく無能になるかもしれないということである。さらに、危険検出装置によって作動させられた時に気体もしくは液体またはそれらの混合物、または乾燥材料もしくは粉末といった材料を加圧容器から放出する放出バルブを設けることがしばしば望まれ、さらにそのようなバルブを遠隔で作動させることが望ましい。たいてい、放出される材料は腐食性であり、バルブの作動前のある期間にわたってバルブの内部構成要素を腐食し得る。爆薬を使用してピストンを駆動し穿孔要素にバルブシールを押し破らせる従来技術の手法が知られているが、そのような手法は、発火するかもしれない可燃性放出材料とともに使用される場合に好ましくない。
【0004】
従って、装置が自己の故障を検出した時に指示することができる自己故障監視を提供する危険検出・抑制装置を有することは望ましい。さらに、危険検出装置によって作動させられた時に圧力のかかった容器の内容物を放出するために、遠隔で作動させることができるシングルアクション放出バルブを設けることが望ましい。バルブの内部構成要素が作動前に被放出加圧材料に曝されないことがさらに望ましい。そのようなバルブへの応用は、消火材料の放出、生物・化学戦研究所における反作用剤の放出および、航空機および船舶における燃料の非常時放出を含む。燃料または他の液体の非常時放出に使用される場合、バルブは、例えば燃料タンクなどといった容器の底部領域の口から放出するために使用されることができ、容器内の液体の重量がバルブを通過して放出するための圧力を供給し、そしてそのようなバルブは、所望の放出速度に適応するために小型から大型までの寸法への拡縮を可能にする設計を有することが望ましい。
【0005】
事前特許性調査は以下の特許および特許公報を提示し、それらのうちのいくつかは本発明に関連するかもしれない。2005年1月20日公開のSundholmらの特許文献1、1974年12月10日発行のHarrisらの特許文献2、1975年10月28日発行のRoznieckiの特許文献3、1977年2月8日発行のZehrの特許文献4、1999年7月6日発行のThomasの特許文献5、2000年12月26日発行のThomasの特許文献6、2005年6月21日発行のAhlersの特許文献7、そして2006年10月10日発行のMcLane,Jr.の特許文献8。
【0006】
さらに、以下の特許参考文献もまた知られている。1976年10月5日発行のHardestyの特許文献9、1983年12月27日発行のBallの特許文献10、1990年1月16日発行のWittbrodtらの特許文献11、1991年10月22日発行のParsonsらの特許文献12、1994年4月5日発行のSwansonの特許文献13、1995年11月28日発行のMartsらの特許文献14、2001年2月6日発行のBrownらの特許文献15、2001年2月20日発行のJamesの特許文献16、2003年9月16日発行のGrabowの特許文献17、2003年12月2日発行のTapalianらの特許文献18、2004年12月21日発行のvan de Bergらの特許文献19、2006年10月3日発行のBordynuikの特許文献20、2007年6月19日発行のTiceの特許文献21、2007年7月10日発行のTakayasuらの特許文献22、そして2003年9月4日公表のBAEシステムズPLC(発明者:Goodchild)の特許文献23。
【0007】
Sundholmらの特許文献1は、図2において、円板を穿孔するために穿孔要素を推進させる爆薬を開示し、図3は穿孔要素が円板を穿孔することを生じさせる圧力駆動ピストンを開示している。Harrisらの特許文献2は、ピンがバルブシールを穿孔して圧力のかかった消火剤を放出することを生じさせる爆発起爆装置を開示している。Roznieckiの特許文献3は、爆薬によって移動させられる切断環によって穿孔される破断可能円板を開示している。第1欄第45〜50行において、特許文献3は火を感知するために赤外線および紫外線センサの使用を開示している。Hardestyの特許文献9は、ダイアフラムシールを剪断する電気起爆装置を有する爆発バルブを開示している。Zehrの特許文献4は、可溶性リンクが溶解してばね式パンチがシーリング円板を破断することを生じさせる消火器用破断ヘッドを開示している。Ballの特許文献10は、第2欄第42〜60行において、適切なフィルタによって放射線を見るサーモパイルセンサであり得る2個の放射線検出器を使用することを開示しており、一方は0.96ミクロンを中心とした狭い波長帯域内の放射線に応答を示し、他方は4.4ミクロンを中心とした狭い波長帯域内の放射線に応答を示している。Wittbrodtらの特許文献11は、火災鎮圧システム用センサを開示しており、第3欄第27〜30行においてソレノイドおよび爆薬作動起爆管バルブの使用を開示している。Parsonsらの特許文献12は、赤外線検出器および回転光学アセンブリを備える火災検出システムを記載している。第7欄第20行において、熱スイッチの使用が開示されている。第7欄第30行において、4.35ミクロンの波長のフィルタされた赤外線を感知するフィルタ付きサーモパイルの使用が開示されている。Swansonの特許文献13は、ソレノイド作動パイロットバルブとともにばね偏倚チェックバルブを有する電動バルブを開示している。Martsらの特許文献14は、移動アーマチュアを1対の磁石によって第1または第2の位置に保持する直流磁気ラッチングソレノイドを記載している。第1欄第19〜55行において、ソレノイドは一連の注水制御バルブを操作するために使用されることが開示されている。Thomasの特許文献5は、爆発起爆管がピストンから軸方向に延びるピンを推進させてシリンダーの密封出口を破裂させ、それによって消火材料を放出する自動車用消火システムを開示するとともに、代替実施形態はピストンおよびピンを推進させるためにソレノイドを使用することを開示している。Thomasの特許文献6は、Thomasの特許文献5の類似の開示を有しており、センサを伴う制御回路を付加的に開示している。Ahlersの特許文献7はバルブを開示しており、火災鎮圧材料を放出するため脆弱円板を破断する圧力波を発生するための圧力カートリッジアクチュエータが使用されている。Brownらの特許文献15は、石油の検出および識別のための銀ハロゲン化物光ファイバセンサを開示している。Jamesの特許文献16は、スパイクがダイアフラムを破断して火災鎮圧材料の放出を生じさせるように鋭利なスパイクを備えたピストンを移動させるための、花火装置において使用される形式のヒューズヘッド起爆装置が使用されている消火器を開示している。Tapalianらの特許文献18は、製造プロセス制御、環境監視および戦場での化学剤検出の分野において利用可能性を有する分子種を検出するための導波路結合マイクロキャビティ光共振器を使用する小型化された高解像度化学センサを開示している。Grabowの特許文献17は、客室および乗務員室に放出ノズルを備える航空機におけるデッキ下の消火器配管システムを開示している。van de Bergらの特許文献19は、湿分の存在を検出するためのセンサを開示しており、電磁気インタロゲーション場(electromagnetic interrogation field)を発生するために送受信装置を使用する。Bordynuikの特許文献20は、汚い爆弾および紛失放射線源検出用途のための周知の放射線検出器を開示している。検出器は、シンチレータおよびフォトダイオードを用いた間接放射線検出と、放射線経路にフォトダイオードおよび高ゲイン増幅器を配置することによる直接放射線検出とを組み合わせており、放射線の存在を示す警報を発生する。McLane,Jr.の特許文献8は、後退位置から拡張位置にピストンを移動させ、それによって穿孔部材を備えたラムがシールを穿孔することを生じさせて火災鎮圧剤が放出されることを生じさせる電動爆発起爆管または電動ソレノイドのどちらか一方との組合せによる手動放出火災鎮圧システムを開示している。Ticeの特許文献21は、一酸化炭素、二酸化炭素、プロパン、メタンおよび潜在的爆発性ガスを含むガスを検出する電気化学センサの感度調整のためのシステムおよび方法を開示している。Takayasuらの特許文献22は、移動体を検出するとともに2つの光検出器ステーション間で移動する移動体の移動方向および速度を提示する画像センサを開示している。BAEシステムズPLCの特許文献23は、熱電対を含む統合型温度センサを備えたボルト/ナットアセンブリを記載しており、電子モジュールがセンサから信号を受信する。第2頁第7〜10行において、この特許文献23は、特許文献10が「各々の検出器が異なる波長帯域における、例えば0.96μmおよび4.4μmを中心とした狭い波長帯域の放射線に応答を示す、2個の検出器…」を使用することを開示するということを開示している。
【0008】
これらの引用文献のいずれも、単独または組合せにおいて本発明を開示または提案していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/011552号
【特許文献2】米国特許第3853180号明細書
【特許文献3】米国特許第3915237号明細書
【特許文献4】米国特許第4006780号明細書
【特許文献5】米国特許第5918681号明細書
【特許文献6】米国特許第6164383号明細書
【特許文献7】米国特許第6107940号明細書
【特許文献8】米国特許第7117950号明細書
【特許文献9】米国特許第3983892号明細書
【特許文献10】米国特許第4423326号明細書
【特許文献11】米国特許第4893680号明細書
【特許文献12】米国特許第5059953号明細書
【特許文献13】米国特許第5299592号明細書
【特許文献14】米国特許第5470043号明細書
【特許文献15】米国特許第6184980号明細書
【特許文献16】米国特許第6189624号明細書
【特許文献17】米国特許第6619404号明細書
【特許文献18】米国特許第6657731号明細書
【特許文献19】米国特許第6832507号明細書
【特許文献20】米国特許第7115872号明細書
【特許文献21】米国特許第7232512号明細書
【特許文献22】米国特許第7242789号明細書
【特許文献23】WIPO公報第WO03/072200A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、例えば、視野にわたりある特定のスペクトル範囲内の赤外線感知、周囲温度感知および、抑制剤を保持している加圧容器内部の過圧状態の感知を用いた火災の早期検出によって、複数の危険状況を感知する危険検出装置を提供することである。本発明の他の実施形態のさらなる目的は、石油、化学物質、湿分、放射線、ガスおよび移動体の危険感知を提供することである。好ましくは、抑制剤を保持している加圧容器の内容物を放出するために遠隔で作動させることができるシングルアクション放出バルブが提供される。本発明のさらなる目的は、バルブの内部内容物が作動前に被放出加圧材料に曝されないことである。本発明のさらなる目的は、バルブが、放出後の以降の再使用のために容易に再調整可能であることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、自己故障監視および、種々の危険状況を検出する複数のセンサを備えた危険検出・抑制装置であり、そして装置は、遠隔で手動で作動させることができるシングルアクション放出バルブを好適に作動させる。使用され得る危険検出器は、特定のスペクトル内の赤外線エネルギーを検出するための赤外線センサ、温度センサ、石油検出器、化学センサ、湿分検出器、放射線検出器、ガス検出器および移動体検出器を含む。バルブの好ましい実施形態において、ソレノイドがアーマチュアを往復動させ、脆弱シールを破壊させるとともに加圧容器の内容物をバルブを通過して放出させる。1個以上のピンまたは歯が脆弱シールを破壊するためにアーマチュアによって移動させられる。バルブおよびそのアーマチュアを貫いている開いた妨げのない通路は、シールが破壊された時に容器の内容物を放出する。ソレノイドの作動まで、アーマチュアは1個以上の磁石によって第1の位置に好適に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】直径に沿って得られる本発明のバルブの第1の好ましい実施形態の断面図であり、第1の位置におけるアーマチュアを示す。
【図2】同じく図1と同じ直径に沿って得られる本発明のバルブの第1の好ましい実施形態の断面図であるが、往復動ピンが脆弱シールを破壊した第2の位置におけるアーマチュアを示す。
【図3】アーマチュアの直径に沿って得られる本発明のバルブの第1の好ましい実施形態のアーマチュアの断面図である。
【図4】本発明のバルブの第1の好ましい実施形態のピンの側面図である。
【図5】本発明のバルブの第3の好ましい実施形態のピンの側面図である。
【図6】本発明のバルブの第3の好ましい実施形態の平面図である。
【図7】本発明のバルブの全部の好ましい実施形態の出口キャップの側面図である。
【図8】本発明のバルブの第3の好ましい実施形態のベース取付具の断面図である。
【図9】本発明のバルブの第3の好ましい実施形態のボビンの側面図である。
【図10】図9に図示の線10−10にほぼ沿って得られる本発明のバルブの第3の実施形態のボビンの平面図である。
【図11】火災検出・消火装置として使用された時の本発明の危険検出・抑制装置の最高水準システム図を示し、本発明のバルブとともに使用されるセンサおよび作動回路を記号を用いて示す。
【図12】直径に沿って得られる本発明のバルブの第2の好ましい実施形態の断面図であり、第1の位置におけるアーマチュアを示すとともに、点線輪郭線で、歯が脆弱シールに衝撃を与える第2の位置にアーマチュアが移動した時を示している。
【図13】図12に図示の線13−13にほぼ沿って得られる本発明のバルブの第2の好ましい実施形態の上向き横断面図であり、磁石の取付を示している。
【図14】直径に沿って得られる本発明のバルブの第3の好ましい実施形態の断面図であり、第1の位置におけるアーマチュアを示すとともに、点線輪郭線で、往復動ピンが脆弱シールに衝撃を与える第2の位置にアーマチュアが移動した時を示している。
【図15】図16に図示の線15−15にほぼ沿って得られる本発明のバルブの第2の好ましい実施形態のアーマチュアの底面図である。
【図16】本発明のバルブの第2の好ましい実施形態のアーマチュアの側面図である。
【図17】本発明のバルブの第3の好ましい実施形態のベースプレートの平面図であり、ケースねじの位置が例証の目的で点線輪郭線で示されている。
【図18】図17に図示の線18−18にほぼ沿って得られる本発明のバルブの第3の好ましい実施形態のベースプレートの断面図であり、ケースねじの位置が例証の目的で点線輪郭線で示されている。
【図19】本発明のサーモパイル検出器マトリックスの上向き底面図である。
【図20】図19に図示の線20−20にほぼ沿って得られる本発明のサーモパイル検出器マトリックスの第1の側面断面図である。
【図21】図19に図示の線21−21にほぼ沿って得られる本発明のサーモパイル検出器マトリックスの第2の側面断面図である。
【図22】本発明の消火器システムの正面図である。
【図23】図22に図示の線23−23にほぼ沿って得られる本発明の消火器システムの端面図である。
【図24】車のフェンダーの下に設置された本発明の複数の消火器システムを備えた車両の側面図であり、各々の消火器システムは車両の車輪および車軸を監視し保護している。
【図25】本発明の3個のセンサモジュールの3個のサーモパイル検出器の視野(“FOV”)を示す側面図である。
【図26】図25に図示の線26−26にほぼ沿って得られる本発明のサーモパイル検出器の視野を示す端面図である。
【図27】本発明によって使用される単一のサーモパイル検出器の視野を示す図である。
【図28】図24に図示の線28−28にほぼ沿って得られる、車のフェンダーの下に設置された本発明の消火器システムを備えた車両の端面図であり、消火器システムは車両の車輪および車軸を監視し保護している。
【図29】クルーパネルの第1の実施形態との相互接続を示す本発明の消火器システムのブロック図である。
【図30】本発明の複数の消火器とともに使用された時の本発明のクルーパネルの第2の実施形態の正面図である。
【図31】図29に類似であるがより詳細を図示している本発明の消火器システムの略ブロック図である。
【図32】本発明のセンサモジュールの回路図である。
【図33】図33A、33Bおよび33Cは、左から右に順に置かれており、システム状態・報告モジュール(“SRM”)の回路図を一体で構成する。
【図34】図33A、33Bおよび33Cは、左から右に順に置かれており、システム状態・報告モジュール(“SRM”)の回路図を一体で構成する。
【図35】図33A、33Bおよび33Cは、左から右に順に置かれており、システム状態・報告モジュール(“SRM”)の回路図を一体で構成する。
【図36】図19、20および21に図示の本発明のサーモパイル検出器マトリックスで使用するためのサーモパイル検出器マトリックス電子機器の略ブロック図である。
【図37】石油検出器に適応された本発明を示すブロック図であり、鎮火剤または石油封じ込め・改良剤が放出バルブによって投下される。
【図38】高解像度の化学センサに適応された本発明を示すブロック図であり、抑制剤または解毒剤が放出バルブによって投下される。
【図39】湿分検出器に適応された本発明を示すブロック図であり、乾燥剤が放出バルブによって投下される。
【図40】放射線検出器に適応された本発明を示すブロック図であり、抑制剤または解毒剤が放出バルブによって投下される。
【図41】ガスセンサに適応された本発明を示すブロック図であり、抑制剤または解毒剤もしくは中和剤が放出バルブによって投下される。
【図42】移動体センサに適応された本発明を示すブロック図であり、非有害化学マーキング剤が放出バルブによって投下される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図19〜32、33A、33B、33Cおよび34〜40は本発明の危険検出・抑制装置の種々の態様を示しており、そして図1〜18は本発明のシングルアクション放出バルブの3つの好ましい実施形態1.20、2.20および3.20を示している。他の放出バルブも、さらには多回使用放出バルブさえも所与の用途に適宜、本発明の危険検出・抑制装置で使用することができるが、3つの好ましいバルブ実施形態1.20、2.20および3.20は、危険が稀であり、例えば火災の消火の場合のように、抑制剤の迅速な放出が装置でのシングルアクション放出バルブの使用につながるような決定的に重大なものである場合に最も適していると考えられることを理解しなければならない。シングルアクション放出バルブの3つの好ましい実施形態1.20、2.20および3.20の構造および用法を最初に詳述し、その後、危険検出・抑制装置自体の構造および用法の説明を続ける。バルブの全部の実施形態について識別用参照符号が同様に指示されており、3つの実施形態のための参照符号はそれぞれ“1.”、“2.”および“3.”の接頭辞を有しており、そして各種実施形態の類似の構造上の特徴は同じ接尾辞(例えば“1.20”、“2.20”および“3.20”)を有する。種々の好ましい実施形態の多くの態様はほぼ同じであり、相違だけが詳細に扱われることになり、種々の実施形態の類似の構造上の特徴は類似の機能を実行することが理解される。
【0014】
バルブ1.20、2.20および3.20の全部の実施形態は、加圧容器24に付着するためのバルブボディ(それぞれ1.22、2.22および3.22)を含み、そして全部の実施形態のバルブボディは通路(それぞれ1.26、2.26および3.26)を有し、それらを通じて後述の通りバルブが開放された時に容器の内容物が放出される。加圧容器24の内容物は、気体もしくは液体またはそれらの混合物、または乾燥材料もしくは粉末といったあらゆる加圧材料であるとしてよい。燃料または他の液体の非常時放出に使用される場合、バルブは、図面に示された図から反転されて、例えば燃料タンクといった容器の底部領域の口から放出するために使用することができ、容器内の液体の重量がバルブを通過して放出するための圧力を供給する。本発明の全部の実施形態は好ましくは、製造の容易さおよび向上した性能のためにほぼ円筒形で対称であり、そのためバルブの直径に沿った断面図はバルブの構造を示すために十分であろう。しかし、バルブが円筒形で対称である要請はまったくなく、他の構造が本発明の範囲を逸脱することなく使用することができる。さらに、本発明のバルブの全部の実施形態の長所の1つは、それがあらゆる所望の放出流量に適応するためにより大きな放出通路を設けるために小型または大型の寸法に容易に拡縮することができることである。
【0015】
バルブの全部の実施形態はまた、脆弱シール(それぞれ1.28、2.28および3.28であり、以下でさらに詳細に説明する)を含み、バルブボディ内に保持されシールが元の状態のままである間通路を密封する。脆弱シールはガラス、ポリカーボネートまたは金属で作ることができるが、図面に示された好ましい実施形態において、脆弱シールはガラス、好ましくは周知の安価なソーダ石灰ガラスで作られている。金属からの脆弱シールの製作は周知であり、例えば機械加工により、またはより多くの場合、化学エッチングにより、シールに1個以上の溝を形成することによって行われる。脆弱シールを金属で製作することの望ましくない特徴は、シールがバルブの作動前にそれらの内容物を放出しないように阻止している間に、例えば腐食または汚染によってある特定の金属が容器の内容物と化学反応し得るということである。この理由で、ガラスまたはポリカーボネート材料の脆弱シールが好ましい。本発明の全部の実施形態において、バルブの全部の部品は加圧容器に保持された材料から脆弱シールによって遮られ、そのようにしてバルブの構成要素が放出前に容器の内容物による起こり得る腐食もしくは汚染、またはそれとの反応にさらされないことに留意しなければならない。
【0016】
バルブの全部の実施形態はさらに、ソレノイドのアーマチュア(それぞれ1.34、2.34および3.34であり、以下でさらに詳細に説明する)の選択的作動のために、バッテリまたは他の電力源といった電力源32との選択的接続のためのソレノイド(それぞれ1.30、2.30および3.30であり、以下でさらに詳細に説明する)を含む。アーマチュアは、種々の好ましい実施形態について後述の通り、第1の位置から第2の位置に移動し、アーマチュアが第2の位置に移動した時に衝撃手段にシールを破壊させるように、脆弱シールを少なくとも2つの部片に破砕するための各実施形態の衝撃手段(それぞれ衝撃手段1.36、2.36および3.36)を移動させる。脆弱シールの破損または破壊は、シールを破損または部片に破砕させることなく単にシールを穿孔して加圧容器の内容物の迅速な放出のための拡大した通路を開放しない従来技術のバルブに優る改良を提供する。全部の実施形態において、以下でさらに詳細に説明するように、通路(それぞれ1.26、2.26および3.26)は好ましくはアーマチュアを貫通しており、アーマチュアは実質的に通路の外面にあり、好ましくは通路を包囲している。その上、全部の実施形態において、通路は好ましくは中心対称軸(それぞれ1.37、2.37および3.37)を有し、それに沿ってアーマチュアは第1の位置から第2の位置に往復動する。
【0017】
特に図1〜4および7に言及すれば、本発明のバルブの第1の好ましい実施形態1.20の構造をここで詳細に説明することができる。
【0018】
バルブ1.20のバルブボディ1.22は、ハウジング1.38、ハウジング1.38内に例えば複数のねじ1.42によって保持された頂部キャッププレート1.40、およびベース取付具1.44を含む。ベース取付具1.44はアルミニウムで作られており、容器24の口48に挿入されるフランジ1.46を有しており、そしてベース取付具1.44はその外周で例えば溶接50によってベース取付具1.44を容器24に封止するように容器24に溶接される。バルブ1.20は、ベース取付具1.44を容器24に溶接した後に好適に組立てられ試験されることを理解しなければならない。本発明の全部の実施形態は本発明の精神および範囲を逸脱することなく、容器へのベース取付具の溶接によってではなく容器24の嵌合ねじ口へのねじ込み挿入のために、バルブの入口(それぞれ1.52、2.52および3.52)から延びる周知のねじ管(図示せず)を等価的に有し得ることを理解しなければならない。
【0019】
バルブボディ1.22は入口1.52および出口1.54を有し、バルブボディ1.22を貫く通路1.26は入口1.52を出口1.54に接続しており、脆弱シール1.28が破壊された時に容器24の内容物をバルブ1.20を通過して放出することを可能にする。
【0020】
バルブ1.20の脆弱シール1.28は一般に半球状または指ぬき状であり、ハウジング1.38とベース取付具1.44との間でバルブボディ1.22内部に掴持密封して捕捉されるシール外周部またはフランジ1.56をその底部に有する。ベース取付具1.44の円形溝1.60内のフランジ1.56の下面の周知のニトリルOリング1.58が、シール1.28が元の状態のままである間容器24の加圧内容物の漏出を防ぐ気密シールをもたらし、そしてフランジ1.56のまわりのハウジング1.38とベース取付具1.44との間でのシール1.28の掴持捕捉は、フランジ1.56でのシール1.28の高い剪断強さによって、シール1.28の早期破壊を伴うことなく容器24内の圧力に耐える大きな強度を付与する。バルブ1.20は、フランジ1.56の上面とバルブハウジング1.38との間に周知のニトリルワッシャ1.62を有し、ベース取付具1.44へのバルブハウジング1.38の組立中にそれらの2つの部品がねじ1.64で一体にねじ込み嵌合される際に壊れないように脆弱シール2.28のフランジ1.56を保護する。
【0021】
バルブ1.20は、円筒形コア1.72を包囲する硬質アルマイトボビン1.70に巻かれた1本の電線1.68から作られたコイル1.66を備えるソレノイド1.30を含む。ボビン1.70は電線1.68で完全に巻かれており、電線1.68の一部だけが例証の目的で図示されていることを理解しなければならない。さらに、ボビン1.70は、コイル1.66が外部固定具に巻き付けられ、その形状を維持するために充填用樹脂で充填される場合に削除してもよく、それによってさもなければボビンによって占められていたスペースにおける付加的なコイル巻き線を可能にするとともに、極端な環境条件によって必要な場合、コイル1.66もまたバルブ1.20の内側で適所に埋め込んでもよいことを理解しなければならない。
【0022】
ソレノイド1.30は、コイル1.66がその内部に磁場を生成するために励磁された時に図1に図示の第1の位置から図2に図示の第2の位置に上方へ往復動するアーマチュア1.34をさらに備える。全部の実施形態のアーマチュアだけでなく全部の実施形態のコアならびにバルブボディおよびそのハウジングは好ましくは、申し分ない磁気特性を付与するために低炭素含有量を有する、SAE C1017合金材料または等価物といったいわゆる“電気鋼”または“けい素鋼(transformer steel)”で作られている。アーマチュアおよびバルブボディの部品が腐食性環境にさらされる場合、それらの部品は好ましくは腐食を防ぐために防食性コーティングを備える。代替として、磁気特性を備えたステンレス鋼を使用することもでき、またはこれらの部品の表面を腐食を防ぐためにニッケルといった材料でめっきすることもできよう。
【0023】
従来技術による従来のソレノイド製作は、ソレノイドの迅速な動作のために設計され、それは極めて低質量のアーマチュアを要求する。それらの教示とは対照的に、本発明のアーマチュアは、脆弱シールを破壊するために十分な運動エネルギーを発生するために相当の質量を有していなければならない。おおよその目安として、アーマチュア(それぞれ1.34、2.34および3.34)の質量は好ましくはバルブボディ(それぞれ1.22、2.22および3.22)の質量の少なくとも1/2でなければならず、それにより磁気エネルギーの大部分がアーマチュアの移動に向かい、それによって脆弱シールを破壊するために十分な力を発生する。アーマチュアはソレノイドが係合した時にソレノイドの中心に向けて往復動するので、バルブは、アーマチュアがソレノイドの中心から十分に外れた第1の位置からその往復動を開始するように、そして衝撃手段が脆弱シールを打撃し破壊した時の第2の位置はアーマチュアの往復動がソレノイドの中心に到達する前に現れるように作られている。脆弱シール円板を破損させるために要求される力は、脆弱シール円板の材料および厚さに関連することがわかっている。アーマチュアは、脆弱シールの衝撃前に最大速度に到達するために十分なプレトラベルを許す磁気密度および物理的寸法を付与するように選択される。コイルへの電力入力は、コイルへの適格な電気信号の印加後2.5〜3.0ミリ秒で最大磁力に達するようにコイルを強制するよう調整される。コイルに供給される電圧および電流、アーマチュアの物理的寸法および質量、衝撃手段(以下に記載)の歯またはピンの数および、円板の寸法および材料は、バルブの脆弱シールの反復可能な破損を生じるために所与のバルブ寸法に要求される通りに調整される。第2および第3の実施形態2.20および3.20に優る第1の実施形態1.20の長所は、第1の実施形態1.20では、アーマチュア1.34はコイル1.66の外面にあり、それゆえ他の実施形態のアーマチュアよりも大きいアーマチュア1.34が、アーマチュア2.34、3.34よりも大きい質量を有し得るということである。
【0024】
脆弱シール1.28、2.28および3.28は、容器24内に圧力を閉じ込めるために十分な強度を有しながらも後述の通り各実施形態の衝撃手段によって破壊され得るように設計されていなければならないことを理解しなければならない。所与のシールについて、その強度は、使用される材料、材料の厚さ、シールが掴持される様態、およびシールの表面欠点の有無によって決定される。より強いシールが要求される場合、表面欠点は研磨または熱処理によって除去することができる。弱いシールが要求される場合、例えばエッチングによって表面欠点を加えてもよい。本発明の好ましい実施形態において、表面欠点を付加または除去する必要は判明していない。
【0025】
バルブ1.20は、脆弱シール1.28を少なくとも2つの部片に破砕するための衝撃手段1.36をさらに含み、衝撃手段1.36はアーマチュア1.34によって移動させられてアーマチュア1.34が第2の位置に移動した時に脆弱シール1.28を破壊する。本発明の第1の実施形態1.20において、衝撃手段1.36は、アーマチュア1.34に関して径方向の平面におけるバルブボディ1.22内部での往復動のために取付けられた少なくとも1本のピン1.74を含み、往復動平面もまたその内部にアーマチュア1.34の対称軸を含んでおり、そしてピン1.74は脆弱シール1.28の半球状部分1.84の側壁1.82に垂直な往復動に好適なように取付けられている。アーマチュア1.34はカム部1.76を有しており、カム部はアーマチュア1.34が図1に図示の第1の位置から図2に図示の第2の位置に移動した時にピン1.74の後端1.78と係合し、それによってピン1.74の尖端1.80が、脆弱シール1.28の半球状部分1.84の側壁1.82に強制的に衝撃を与え、そのようにしてシール1.28を少なくとも2つの部片に、すなわちフランジ1.56がベース取付具1.44とハウジング1.38との間に保持されている状態の図2に図示のシールの残部1.28’と、容器24内の圧力によって通路1.26を通過して放出される少なくとも1個の他方のシール断片1.28”とに破砕する。好ましくは、バルブ1.20は、側壁1.82のまわりの複数の衝撃点で共同してシール1.28に衝撃を与えるためにアーマチュア1.34の軸のまわりに角を成して離間された複数のピン1.74を含み、それによってアーマチュア1.34に対称的な力を付与してそれが往復動してピン1.74をカム運動させた時にアーマチュア1.34が固着しないようにする。各々のピン1.74は、シール1.28との衝撃の間の尖端1.80の鈍化を防ぐために硬さロックウェルC30の焼入れ鋼で好適に作られており、それぞれの穴1.86を通り延出する。アーマチュア1.34は予備カム運動(pre-camming)部1.87を有しており、それによりアーマチュア1.34は往復動の助走(pre-travel)部分を有し、その間にそれはアーマチュア1.34のカム部1.76によるピン1.74の後部1.78との係合前に十分な運動エネルギーを蓄積することができることに留意しなければならない。
【0026】
全部の実施形態と同様に、バルブ1.20は、その出口1.54に挿入され好ましくはナイロンといった耐久性材料で作られた放出キャップ88を備えていてもよく、キャップ88の周回フランジ90が出口1.54内で嵌合溝1.92と係合してバルブ1.20が作動するまでキャップ88を出口1.54内に保持する。キャップ88の目的は、泥などといったごみがバルブの作動前にバルブを詰まらせるのを防ぐことである。バルブが容器24の内容物を放出する時に、脱出材料の圧力は出口1.54のキャップ88を容易に吹き飛ばす。
【0027】
ソレノイドの作動前の第1の位置にアーマチュアを保持するために、1個以上の磁石1.94がアーマチュア1.34を第1の位置に磁気的にラッチするために例えば穴1.96においてバルブボディに取付けられており、磁石は、ソレノイドの作動前のアーマチュアの早期解放が脆弱シールの不要な破壊を生じ得るので、バルブが受けるかもしれない機械的衝撃のためにアーマチュア1.34がソレノイドの作動前に第1の位置から解放されないように、十分な強度であるように選択されなければならない。このラッチングはまた、アーマチュアがその第1の位置に保持されることを生じさせる一方、ソレノイドの作動後にコイルがその完全な磁気エネルギーを発生させ、それにより最大の運動エネルギーがコイルによってアーマチュアに付与され、それによって脆弱シールを破壊するためにより大きい衝撃力を生じることができるようにする。もしアーマチュアを第1の位置に保つためにばねを使用した場合、それは第2の位置に向けたその行程の間アーマチュアに抵抗し、それによって脆弱シールを破壊するためのアーマチュアの運動エネルギーを低減するかもしれない。もしアーマチュアを第1の位置に保持するために接着剤を使用した場合、ソレノイドはアーマチュアを第1の位置から解放するために接着剤の結合力に打ち勝たなければならなくなり、そのような接着剤は温度および湿気のために劣化しそれゆえ時間とともに弱くなり得るので、第1の位置からのアーマチュアの早期解放を生じるかもしれない。本発明の全部の実施形態において好適に使用される磁石1.94は、好ましくは円筒形であり、例えば直径0.125インチ(0.318cm)および厚さ0.625インチ(0.159cm)であって、穴1.96に接着される。バルブがより大きいかまたは小さい寸法に拡縮された場合、より大きいかまたは小さい磁石、そして多いかまたは少ない磁石の数が本発明の精神および範囲を逸脱することなく使用できることを理解しなければならない。
【0028】
次に図12、13、15および16に転じて、本発明のバルブの第2の好ましい実施形態2.20をここに説明することができる。
【0029】
バルブ2.20のバルブボディ2.22は、ハウジング2.38、ハウジング2.38内に例えば複数のねじ2.42によって保持された頂部キャッププレート2.40およびベース取付具2.44を含む。ベース取付具2.44はアルミニウムで作られており、その外周で例えば溶接50によってベース取付具2.44を容器24に封止するように容器24に溶接されており、そして図1および2に図示のバルブの第1の実施形態1.20と同様に、ベース取付具2.44は容器24の口48に挿入するためのフランジを有していてもよいことを理解しなければならない。バルブ2.20は、ベース取付具2.44を容器24に溶接した後に好適に組立てられ試験されることを理解しなければならない。
【0030】
バルブボディ2.22は入口2.52および出口2.54を有し、バルブボディ2.22を貫く通路2.26は入口2.52を出口2.54に接続しており、脆弱シール2.28が破壊された時に容器24の内容物をバルブ2.20を通過して放出することを可能にする。
【0031】
第2および第3の実施形態の脆弱シール2.28および3.28はほぼ類似であり、シール2.28およびその取付けの説明で両方について十分である。
【0032】
シール2.28は好ましくは、ハウジング2.38とベース取付具2.44との間でバルブボディ2.22内部に捕捉によってシール外周部2.56のその外周で掴持されたソーダ石灰ガラスの円板であり、そしてベース取付具2.44の円形溝2.60内の周知のニトリルOリング2.58がベース取付具2.44と脆弱シール2.28との間でシールを形成する。バルブ2.20はシール2.28の上面とバルブハウジング2.38との間に周知のニトリルワッシャ2.62を有し、ベース取付具2.44へのバルブハウジング2.38の組立中にそれらの2つの部品がねじ2.64で一体にねじ込み嵌合される際に壊れないように脆弱シール2.28を保護する。脆弱シールの上面のこのワッシャ2.62は、バルブ3.20について図示の通り、脆弱シールと接触するバルブボディの下面(バルブ2.20のバルブハウジング2.38の下面またはバルブ3.20のベースプレート3.102の下面)のより精密な平面度仕様/公差によって削除してもよいことがわかっている。シール2.28はまたフェイルセーフ機構も提供し、それによって容器24内の圧力が過剰になった場合にシール2.28が破損破壊し、それにより容器24の爆発を防ぐ。
【0033】
バルブ2.20は、円筒形コア2.72を包囲する硬質アルマイトボビン2.70に巻かれた1本の電線2.68から作られたコイル2.66を備えるソレノイド2.30を含む。ボビン2.70は電線2.68で完全に巻かれており、電線2.68の一部だけが例証の目的で図示されていることを理解しなければならない。さらに、ボビン2.70は、コイル2.66が外部固定具に巻き付けられ、その形状を維持するために充填用樹脂で充填される場合に削除してもよく、それによってさもなければボビンによって占められていたスペースにおける付加的なコイル巻き線を可能にするとともに、極端な環境条件によって必要な場合、コイル2.66もまたバルブ2.20の内側で適所に埋め込んでもよいことを理解しなければならない。
【0034】
ソレノイド2.30は、コイル2.66がその内部に磁場を生成するために励磁された時に、図12に図示の第1の位置から図12において点線輪郭線で図示の第2の位置2.34’に下方へ往復動するアーマチュア2.34をさらに含む。
【0035】
バルブ2.20は、脆弱シール2.28を少なくとも2つの部片に破砕するための衝撃手段2.36をさらに含み、衝撃手段2.36はアーマチュア2.34によって移動させられてアーマチュア2.34が第2の位置に移動した時に脆弱シール2.28を破壊する。本発明の第2の実施形態2.20において、衝撃手段2.36はシール2.28に向けてアーマチュア2.34から垂下している少なくとも1個の歯2.100を含む。好ましくは、バルブ2.20は、シール2.28の周辺部2.56に隣接する複数の衝撃点で共同してシール2.28に衝撃を与えるためにアーマチュア2.34の軸のまわりに角を成して離間された複数の歯2.100を含み、それによってアーマチュア2.34に対称的な力を付与してそれが往復動して歯2.100が衝撃シール2.28に衝撃を与えることを生じさせた時にアーマチュア2.34が固着しないようにする。歯2.100がシール2.28との衝撃時に鈍化することがわかっており、アーマチュアとは別個にピン3.74を設けた以下に述べる第3の実施形態3.20の改良は、ピンがアーマチュアの製作に使用される磁気材料よりも硬い材料で形成されることを可能にし、それによってピン3.74の再使用またはアーマチュアとは別個のピンの交換を可能にする。
【0036】
バルブ1.20と同様に、バルブ2.20は上述の通り任意で放出キャップ88を備えていてもよい。
【0037】
ソレノイドの作動前の第1の位置にアーマチュアを保持するために、1個以上の磁石2.94がアーマチュア2.34を第1の位置に磁気的にラッチするための穴2.96内部での例えば接着によってバルブボディに取付けられており、磁石は、ソレノイドの作動前のアーマチュアの早期解放が脆弱シールの不要な破壊を生じ得るので、バルブが受けるかもしれない機械的衝撃のためにアーマチュア2.34がソレノイドの作動前に第1の位置から解放されないように、十分な強度であるように選択されなければならない。第1の実施形態と同様に、このラッチングはまた、アーマチュアがその第1の位置に保持されることを生じさせる一方、ソレノイドの作動後にコイルがその完全な磁気エネルギーを発生させ、それにより最大の運動エネルギーがコイルによってアーマチュアに付与され、それによって脆弱シールを破壊するためにより大きい衝撃力を生じることができるようにする。
【0038】
次に図5、6、8、9、10、14、17および18に転じて、本発明のバルブの第3の好ましい実施形態3.20をここに説明することができる。
【0039】
バルブ3.20のバルブボディ3.22は、ハウジング3.38、ハウジング3.38内に例えば複数のねじ3.42によって保持されたベースプレート3.102、脆弱シール3.56をバルブボディ3.22内部に保持するためのシールプレッシャープレート3.104、およびアルミニウムで作られたベース取付具3.44を含む。第1および第2の実施形態からの変更において、ベース取付具3.44はバルブボディ3.22から分離され得て、その外周で例えば溶接50によってベース取付具3.44を容器24に封止するように容器24に溶接される一方、フランジ3.46が容器24の口48に受け入れられる。バルブ3.20のこの構造は、バルブ3.20がベース取付具3.44とは独立に組立てられ圧力試験されることを可能にし、ベース取付具が容器24に溶接される際にバルブ3.20への損傷を防ぐ。バルブ2.20の取付具シールの修正構造において、シールプレッシャープレート3.104は、例えば組立中にシールプレッシャープレート3.104の止まり穴3.106に二叉工具またはレンチを挿入することによって、ベースプレート3.102のねじ3.64にねじ込み式に受け入れられる。ベースプレート3.102、シールプレッシャープレート3.104およびベース取付具3.44の構造が本発明の精神および範囲を逸脱することなく実施形態1.20および2.20でも使用され得ることを理解しなければならない。図6において最善に見られる六角ナット部品3.107がハウジング3.38の頂部に好適に設けられて、ベース取付具3.44が容器24に溶接された後にベース取付具3.44へのバルブ3.20の締結を可能にする。
【0040】
バルブボディ3.22は入口3.52および出口3.54を有し、バルブボディ3.22を貫く通路3.26は入口3.52を出口3.54に接続しており、脆弱シール3.28が破壊された時に容器24の内容物をバルブ3.20を通過して放出することを可能にする。
【0041】
第2および第3の実施形態の脆弱シール3.28および3.28はほぼ類似であり、シール2.28の以前の説明で両方について十分である。
【0042】
脆弱シール3.28は好ましくは、ベースプレート3.102とシールプレッシャープレート3.104との間でバルブボディ3.22内部に捕捉によってシール外周部3.56のその外周で掴持されたソーダ石灰ガラスの円板であり、そしてシールプレッシャープレート3.104の円形溝3.60内の周知のニトリルOリング3.58がシールプレッシャープレート3.104と脆弱シール3.28との間でシールを形成する。バルブ3.20は、ベースプレート3.102へのシールプレッシャープレート3.104の組立中にそれらの2つの部品がねじ3.64で一体にねじ込み嵌合される際にシール3.28が壊れるのを防ぐためにシール3.28の上面とベースプレート3.102との間にワッシャを必要としないことに留意しなければならない。脆弱シールの上面のこのワッシャは、脆弱シール3.28と接触するベースプレート3.102の下面のより精密な平面度仕様/公差によって削除してもよいことがわかっている。シール2.28について上述の通り、シール3.28もまたフェイルセーフ機構を提供し、それによって容器24内の圧力が過剰になった場合にシール3.28が破損破壊し、それにより容器24の爆発を防ぐ。
【0043】
バルブ3.20は、硬質アルマイトボビン3.70に巻かれた1本の電線3.68から作られたコイル3.66を備えるソレノイド3.30を含む。ボビン3.70は電線3.68で完全に巻かれており、電線3.68の一部だけが例証の目的で図示されていることを理解しなければならない。バルブ3.20のボビン3.70はまた、他の実施形態の場合のように別個のコアを有するのではなく、このバルブのコアとして機能する。
【0044】
ソレノイド3.30は、コイル3.66がその内部に磁場を生成するために励磁された時に、図14に図示の第1の位置から図14において3.34’として点線輪郭線で図示の第2の位置に下方へ往復動するアーマチュア3.34をさらに含む。
【0045】
バルブ3.20は、脆弱シール3.28を少なくとも2つの部片に破砕するための衝撃手段3.36をさらに含み、衝撃手段3.36はアーマチュア3.34によって移動させられてアーマチュア3.34が第2の位置に移動した時に脆弱シール3.28を破壊する。本発明の第3の実施形態3.20において、衝撃手段3.36は通路3.26およびアーマチュア3.34の相互の軸3.37に好ましくはほぼ平行なバルブボディ3.22内部での垂直往復動のために取付けられたピン3.74を含む。好ましくは、バルブ3.20は、シール3.28の周辺部3.56に隣接する複数の衝撃点で共同してシール3.28に衝撃を与えるために、アーマチュア3.34の軸のまわりに角を成して離間されベースプレート3.102を貫きボア3.112内部に取付けられた複数のピン3.74を含み、それによってアーマチュア3.34に対称的な力を付与してそれらが3.74’として点線輪郭線で図示の位置に移動した時にアーマチュアが往復動して、ピン3.74に、シール3.28に衝撃を与えることを生じさせた時にアーマチュア3.34が固着しないようにする。第2の実施形態2.20に優る第3の実施形態3.20の改良として、ピン3.74はアーマチュアとは別個に設けられており、それによってピンが、アーマチュアの製作に使用される磁気材料よりも硬い材料で形成されることを可能にし、それによってピン3.74の再使用またはアーマチュアとは別個のピンの交換を可能にする。
【0046】
図18において最善に見られるように、ベースプレート3.102は、ピン3.74のためのボア3.112に内方へ隣接して約22°の角度3.110の斜面3.108を有しており、それによって脆弱シール3.28が破壊した時のその良好な放出を可能にする。図17において最善に見られるように、経路3.114が、コア3.66からバルブボディ3.22の外面へ通じる電線3.68のためにベースプレート3.102内部に好適に設けられている。
【0047】
バルブ1.20および2.20と同様に、バルブ3.20は上述の通り任意で放出キャップ88を備えていてもよい。
【0048】
ソレノイドの作動前の第1の位置にアーマチュアを保持するために、1個以上の磁石3.94がアーマチュア3.34を第1の位置に磁気的にラッチするための穴3.96内部での例えば接着によってボビン3.70に取付けられており、磁石は、ソレノイドの作動前のアーマチュアの早期解放が脆弱シールの不要な破壊を生じ得るので、バルブが受けるかもしれない機械的衝撃のためにアーマチュア3.34がソレノイドの作動前に第1の位置から解放されないように、十分な強度であるように選択されなければならない。第1および第2の実施形態と同様に、このラッチングはまた、アーマチュアがその第1の位置に保持されることを生じさせる一方、ソレノイドの作動後にコイルがその完全な磁気エネルギーを発生させ、それにより最大の運動エネルギーがコイルによってアーマチュアに付与され、それによって脆弱シールを破壊するためにより大きい衝撃力を生じることができるようにする。
【0049】
図11は、火災検出・消火装置として使用された時の本発明の危険検出・抑制装置の最高水準システム図を示し、本発明の好適なバルブとともに使用されるセンサおよび作動回路を記号を用いて示している。図11に言及すれば、本発明の好ましいバルブの全部の実施形態を消火装置の一部として使用するために、図11においてバルブ20として総称的に表現されたバルブは、上述の通り組立てられ、試験され、そして容器24に取付けられる。図11において68として総称的に表現された電線は、バルブ20への電力源32の選択的接続のために周知の電力源32とバルブ20との間に挿入された制御回路手段116に接続されている。複数の入力118、120、122が有効に制御回路116と接続されており、制御回路は入力に応答性であり、それに応答してバルブ20に電力を適用する。約0.2ミクロンないし10ミクロン(両数を含む)、好ましくは約2ないし10ミクロン(両数を含む)の範囲の近赤外線領域の光エネルギーが検出された時にトリガする赤外線センサ118は、炎または熱源124の早期警戒検出のために、そして制御回路116のトリガのために設けられている。従来技術において周知の温度センサ120は、感知された温度がある所定の設定温度に達した時に制御回路116をトリガするために設けられている。1個以上の押しボタン122がバルブ20の手動作動のために設けられている。そして、上述の通り、容器24内部の過圧状態はバルブ20の脆弱シールのフェイルセーフ破壊を生じる。消火装置として使用された場合、このようにバルブ20が作動させられ得る複数の道筋が存在する。作動の第1の最も敏感なスレッショルドは、赤外線光センサ118のうちの1個が上述の近赤外線領域の十分な光エネルギーを検出した時である。温度センサ120のうちの1個によって感知された温度が温度過昇状態を検出した場合もバルブはトリガされる。作動の第3の道筋として、容器24内の圧力が脆弱シールの強度を上回る過圧状態の点まで高まった場合、シールは過圧状態のために破損し、それによって容器24の加圧内容物を安全に放出する。
【0050】
使用後、バルブは引き続き再整備し再使用することができる。ピン1.74、3.74または歯2.100の先端を検査してもよく、必要であればピン1.74、3.74は再整備キットから交換され得る。同様に、歯2.100が鈍化した場合、歯2.100とともにアーマチュア2.34をユニットとして交換することもできよう。代替として、バルブの保守履歴を維持してもよく、これらの部品はある特定の作動数の後に交換され得る。重大な信頼性状況において、ピン1.74、3.74または、歯2.100を備えたアーマチュア2.34は再整備ごとに交換することもできよう。全部のシールおよびOリングは一般に、信頼できる性能および動作を保証するために各々の再整備時に新しいシールおよび新しいOリングと交換される。
【0051】
加圧容器24を充填するのを助けるために、例えば直径1.25インチ(3.18cm)の口といった一般に充填口が容器の一端に設けられており、そして周知のシュレイダーバルブを含んでいるプラグが口にねじ込まれて口を密封する。容器24に鎮火剤を充填するには、プラグを取り外し、汎用抑制剤成分の化合物を容器に加える。引き続きプラグを容器の口に元通りに挿入して容器を密閉し、不活性ガスをシュレイダーバルブを通じて容器に導入する。数時間の硬化時間後、成分は数年の貯蔵寿命を有するゲルを形成する。結果として得られる鎮火剤は、投下された時に乾燥粉末になり、種別A、BおよびC火災に有効である。
【0052】
比較的大きい面積が火災について監視されなければならない場合、火は当初始まった時たいてい極めて局所的であることを理解することが重要であり、火が比較的小さい間に“ホットスポット”を検出して、それにより損害を封じ込め火が容易に消火できるようにすることが重要である。火が制御できなくなった場合、大きな損害が起こり得て、火は消すのが難しくなる。
【0053】
大面積の熱および火を監視する従来技術の手法は、Parsonsらの特許文献12において開示されており、それは、視野が大面積を掃引することを生じさせる赤外線検出器および回転光学アセンブリを備える火災検出システムを記載している。大面積にわたる熱および火の危険監視の好ましい実施形態は、図19、20、21および34に図示のサーモパイル検出器マトリックス200であり、それは本発明が図11に図示の光センサ118の一方または両方を具体化することができる1つの好ましい方法である。
【0054】
視野をサーモパイル検出器の感応領域に集中させるためにサーモパイル検出器の前面にレンズを有することが知られている。しかし、視野が過度に大きい場合、サーモパイル検出器が視野全体の赤外線エネルギーを平均するので、サーモパイル検出器の感度は低下する。例えば、サーモパイル検出器の感応領域に集中される3フィート×3フィート(91cm×91cm、1296平方インチまたは8361平方センチメートルの面積)の視野を有するサーモパイル検出器を検討しよう。視野の平均温度が100°Fであり、その面積内の関心のあるホットスポットが3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm、9平方インチまたは58平方センチメートルの面積)の1000°Fのスポットである場合、サーモパイル検出器によって見られる平均温度は、以下の計算によって示すように、約107°である。
TempAVG=100+1000*9/1296=106.9
サーモパイル検出器によって見られる平均を超えた7°の温度の上昇は、ほとんど警報の原因にならないであろう。他方、サーモパイル検出器が1フィート×1フィート(30.5cm×30.5cm、144平方インチまたは929平方センチメートルの面積)の視野しか持たず、同じく100°Fの平均温度で、3インチ×3インチ(7.6cm×7.6cm、9平方インチまたは58平方センチメートルの面積)の1000°Fのホットスポットの場合、サーモパイル検出器によって見られる平均温度は、以下の計算によって示すように、約162.5°である。
TempAVG=100+1000*9/144=162.5
これは、警報の原因になるはずであり、火災の早期検出をもたらすであろう。
【0055】
小さい視野によって提供されるこの増大した感度を付与するために、マトリックス200は、アルミニウムベース204内に形成された複数の離間した斜軸ボア202を有する。ボアの各々はその配向を除きほぼ同一であり、図19〜21に図示の通り、各々のボア202には、例証の目的のみでボアの1個だけにおいて例として示されるが、例えばデクスター・リサーチ・センター社(Dexter Research Center, Inc., 7300 Huron River Drive, Dexter, Michigan 48130)による製造のTO−5CANのST−60シリーズ・サーモパイル検出器といったサーモパイル検出器Tが収容されており、これには約0.2ミクロンないし10ミクロン(両数を含む)、好ましくは約2ないし10ミクロン(両数を含む)の範囲の近赤外線領域の光エネルギーの通過帯域を有する特注赤外線帯域フィルタが装着されている。各々のサーモパイル検出器Tはほぼ同一であり、1個の説明で全部について十分である。
【0056】
図27に言及すれば、各々のサーモパイル検出器Tは赤外線帯域フィルタ208の前面にレンズ206を有しており、レンズ206はサーモパイル検出器の感応領域に約14°の画角210を投射し、観察軸212に関してほぼ軸対称の個別の視野“FOV”を与え、それにより、約8フィート(244cm)の距離214で、36個のサーモパイルセンサのマトリックスが、複数のサーモパイル検出器Tのそれぞれの視野から構成される約8フィート×10フィート(244cm×305cm)の合成視野を有する領域を保護することができる。
【0057】
再び図19〜21に言及すれば、それぞれのサーモパイル検出器Tのそれぞれの観察軸212は、相互に平行ではなく、代わりにベース204の長さおよび幅寸法の両方で異なる角度にあり、図20における連続する軸212の角度は、垂直線216に関して図20の上から下へ順番に、好ましくは26.4°、16.6°、5.7°、−5.7°、−16.6°および−26.4°である。マトリックス200の全部の縦列を通る(すなわち線20−20とほぼ平行な)他の断面の観察軸の角度は、ほぼ図20に図示の通りである。同様に、図21における連続する軸212の角度は、垂直線218に関して図21の左から右へ順番に、好ましくは−21.5°、−13.3°、−4.5°、4.5°、13.3°および21.5°である。マトリックス200の全部の行を通る(すなわち線21−21とほぼ平行な)他の断面の観察軸の角度は、ほぼ図21に図示の通りである。マトリックス200は、サーモパイル検出器Tが図19に図示の通り行および列に整列されていなければならないということを必要としないが、複数のサーモパイル検出器は好ましくは、相互に平行でないそれぞれの観察軸で互いに離間され、それにより合成視野が複数のサーモパイル検出器のそれぞれの個別の視野から構成される必要があることを理解しなければならない。また、図27および34に見られるように、各々のサーモパイル検出器Tは、サーモパイル検出器Tの視野FOV内の赤外線エネルギーを示す電圧を有している出力信号222を供給する複数の電気リード線220を有する。
【0058】
その上、図11におけるように、マトリックス200はまた、陥凹ボア224でベース204に取付けられたサーモスタットスイッチ120といった温度センサを含んでいてもよい。サーモスタットスイッチ120は好ましくは、エアパックス社(Airpax, 550 Highland St., Frederick, Maryland 21701)が製造する確実な強化スナップ動作(positive reinforce snap-action)によるバイメタル円板によって操作される5004シリーズ・サーモスタットスイッチであり、周囲温度が300°F(149℃)超に上昇した時に作動するように選択される。このサーモスタットスイッチは、図29に図示のサーモスタットスイッチK2と同様に使用され、同様に動作する。
【0059】
ここで図34に言及すれば、サーモパイル検出器マトリックス電子機器をここでサーモパイル検出器マトリックス200の理解を用いて解説することができる。サーモパイル検出器Tの出力信号222は、一連の出力サンプルを供給するためのサンプリング手段226に送給される。サンプリング手段226は好ましくは、周知のアナログスイッチ228のアレイよりなり、これらは順番に作動させられてサーモパイル検出器出力信号222の各々をノード230に順次接続し、そのようにしてノード230で一連の出力サンプルを供給する。マトリックス200はまた好ましくは、一連の出力信号からの最大値234をある期間にわたって保存するためのピーク・ホールド検出器手段232を備えており、それにより1個のサーモパイルセンサTが“ホットスポット”を検出した場合、その出力電圧は上昇し、遅い減衰時間を有するピーク・ホールド検出器232は、サンプリング手段226によるサーモパイル検出器の複数の走査のためにこのピーク出力を保存する。この保存された最大値234はその後、最大値が温度過昇状態を指示しているかどうかを示すバイナリ出力ビット238を生成するために、保存された最大値を所定のしきい値に照らして比較するための周知の振幅コンパレータ手段236に渡される。この保存された最大値234はまた、保存された最大値234を、保存された最大値234に比例するディジタル値242に変換する周知のアナログ‐ディジタル変換器手段240に渡される。航空機における視野領域を監視するために使用される場合、この最大値234および温度過昇インジケータ238を航空電子工学用途において一般に使用される業界標準のARINC 429バスによって32ビットデータワードでシステムの“火災警告表示装置”(図示せず)に送るために、周知のARINC 429送信機を使用してもよい。本発明の危険検出・抑制装置は、後述の通り、小さい視野を監視する個別のサーモパイル検出器を使用する代わりに、大きい視野領域を監視するマトリックス200を使用してもよいことを理解しなければならない。
【0060】
例えば車両のホイールウェル内の火災または多軸車両の車軸への戦闘損傷を監視するといったような、小さい視野目標を危険について監視しなければならない一部の用途において、各々が特定の視野を監視する個別のサーモパイル検出器を有することはより適切である。図22、23、25および26は、火災を検出し抑制するために使用される図11の危険検出・抑制装置の完全独立型の好ましい実施形態250を示している。筐体252は、すべて以下に詳述する、装置250の状態・報告モジュールおよび複数のセンサモジュールを収容しており、圧力のかかった抑制剤材料で満たされたタンク24に取付けられている。好ましくは前述の形式のシングルアクション放出バルブである1対のバルブ20が、装置250によって指令された時に抑制剤をタンク20から放出するために設けられている。複数のサーモパイル検出器T1、T2およびT3もまた、視野を監視するために設けられている。
【0061】
装置250のサーモパイル検出器T1、T2およびT3は好ましくは、サーモパイル検出器マトリックス200に関連して上述したサーモパイル検出器Tの各々と同じであるが、ただし、図25および26に関して、レンズは約20°の画角を有するように選択され、それにより直径約14.1インチ(36cm)の第1の視野254が40インチ(102cm)の第1の視野距離256で与えられ、直径約12.7インチ(32.3cm)の第2の視野258が36インチ(91.4cm)のより近い第2の視野距離260で与えられる点が異なり、そしてそれ以外は上述の説明でサーモパイル検出器T1、T2およびT3について十分である。
【0062】
図25に図示の通り、サーモパイル検出器の隣り合う視野は、上述のサーモパイルマトリックス200の視野がそうであるように、約40インチ(102cm)の距離で重なり合い、それによって40インチ(102cm)の距離256における約42.1インチ(107cm)の延長した合成視野長262、および36インチ(91.4cm)の距離260における約40.7インチ(103cm)の延長した合成視野長264をもたらす。
【0063】
図29は、危険監視・抑制装置250の種々の主要部品のブロック図を示す。ディジタル論理回路における信号命名法の通常の慣例に従って、ローでアサートされる(“負論理”)それらの信号には回路図でそれらの名前の前に文字“/”が付けられている。以下に詳述する通り、装置250は、内部回路に給電し放電キャパシタを充電するために使用される内部6Vバッテリ(“BATT”)を有し、それによって装置250を長期間の寿命にわたって完全独立かつ自家給電にさせる。オプションの24Vバッテリ(“24V IN”)は、オペレータパネル268が設けられた場合に装置250に電力を供給し、それが存在する場合にオペレータパネルおよび回路のために電力を供給する。オペレータパネル(“クルーパネル”)268は好ましくは、装置250の状態を指示するための種々の状態発光ダイオード(“LED”)を備えている。LED270(“GOOD”)は、システム健全性が申し分なく動作可能であるという指標を付与し、安全な状態を示すために好ましくは緑に着色され、以下に詳述する、信号“/SYSTEM GOOD”によって駆動される。LED272(“INOP”)は、システム故障が起きているという警告を付与し、安全でない状態を示すために好ましくは赤に着色され、LED270によって示されるものの論理的反転である。LED272および270は両方とも、それらのうちの1個が常にONであるように設けられており、システムが正しく機能しており自己自身の健全性を監視していることを指示する。LED274(“DCHG”)は、タンク24が放出されてしまったという警告を付与し、安全でない状態を示すために好ましくは赤に着色され、以下に詳述する、信号“/LOW PRESS”によって駆動される。LED276(“FIRE”)は、火災が検出されたという警告を付与し、安全でない状態を示すために好ましくは赤に着色され、以下に詳述する、信号“/FIRE DET”によって駆動される。常開押しボタンSW4(“MAN RLSE”)は、車両バッテリからの24Vを信号DISCHGに適用することによって、前述の本発明のシングルアクション放出バルブを作動させる抑制剤放出ソレノイドSOL1およびSOL2をオペレータが手動で作動させるための手段として設けられている。
【0064】
圧力スイッチK1は好ましくは、スペクトラム・アソシエーツ社(Spectrum Associates, Inc., 183 Plains Rd., Milford Connecticut 06461-2420)が製造するS2380−3圧力スイッチであり、抑制剤タンク24内部の圧力を監視する。圧力スイッチK1は、165ポンド/平方インチ(“PSI”)の押下でトリップするように選択され、それによりスイッチは、抑制剤タンク24が加圧されている時は図29および31に図示の通り通常閉じている。
【0065】
サーモスタットスイッチK2は好ましくは、エアパックス社(Airpax, 550 Highland St., Frederick, Maryland 21701)が製造する、確実な強化スナップ動作によるバイメタル円板によって操作される5004シリーズ・サーモスタットスイッチであり、以下に詳述するセンサモジュールが火災または温度過昇状態を検出することができなかった場合に、抑制剤放出バルブに抑制剤タンク24の内容物を放出させることができる周囲温度のフェイルセーフ監視装置である。サーモスタットスイッチK2は図29および31に図示の通り通常開いており、周囲温度が300°F(149℃)超に上昇した時に閉じるように選択される。スイッチK2は、閉じると、SW4の手動操作と同じ機能を有し、本発明のシングルアクション放出バルブを作動させ、それによって被放出タンクから抑制剤材料を放出させる。
【0066】
装置250はさらに、システム状態・報告モジュール(“SRM”)280および、危険を検出するための複数の、好ましくは3個のセンサモジュール282を含み、各々のセンサモジュール282は同一である。必要に応じて3個よりも多いまたは少ない数のセンサモジュール282を設けてよいことを理解しなければならない。以下に述べる装置250の好ましい実施形態の例において、センサモジュール282(“FSM#1”、“FSM#2”、“FSM#3”)は、火災センサモジュールであり、前述のサーモパイル検出器(それぞれT1、T2およびT3)を用いて火災状態を検出する。しかし、例えば生物学的危険または生物学的薬剤危険、放射線危険、有毒化学物質危険などといった他の危険も、生物学的、放射線または有毒化学物質危険のための適切な周知の検出器とのサーモパイル検出器T1、T2およびT3の代替によって、そして本発明の放出バルブにより放出される抑制剤の適切な代替によって、本発明の装置を用いて監視および抑制され得ることを理解しなければならない。同様に、本発明は、センサモジュールの一部にある種類の危険を検出させセンサモジュールの他のものに別の種類の危険を検出させることによって、例えば火災危険と放射線危険、生物学的危険と有毒化学物質危険などといった危険の組合せを監視することもでき、複数の抑制剤が、抑制剤材料で満たされた複数のタンクから、または多剤抑制剤材料で満たされた単一のタンクから放出される。
【0067】
システム状態・報告モジュール280は好ましくは、装置250を3つのモードの1つに入れるための以下に詳述する2回路3接点キースイッチSWlを含む。すなわち、すべての電圧が装置250の回路から除去され、それにより内部バッテリBATTが消耗されなくなるとともにソレノイドバルブSOL1およびSOL2は抑制剤材料を被放出タンクから放出するために作動させられ得ない、“オフ”モード;以下に詳述する通り、装置の一部の回路がセンサモジュール282の検査を許すために給電されるとともに、一部の回路は給電されず、サーモパイル検出器T1、T2およびT3の各々の前に熱源を置くことによって火災状態がシミュレーションされた時にソレノイドバルブSOL1およびSOL2の作動を防止する、“検査”モード;そして、火災状態がサーモパイル検出器T1、T2およびT3のうちの1つによって検出された時にソレノイドバルブSOL1およびSOL2を作動させることによって装置250が危険状態を検出し抑制するその意図された機能を実行する、“オン”モード。
【0068】
好ましくはシステム状態・報告モジュール280はまた、システム状態・報告モジュール280の首尾よい動作を表示する、または警報または故障状態を表示する、好ましくはLEDである多くのインジケータを含む。以下に詳述する通り、装置250の回路の大部分はバッテリ電力を節約するために通常動作中、給電されないので、以下に述べるSW2(“STATUS CHECK”)が押下されない限りおよび押下される時まで、インジケータ284、286、288または290のいずれも機能しないことを理解しなければならない。LED284(“LOW BATT”)は、内部バッテリ電圧がその許容電圧未満にあり交換する必要があるという警告を付与し、安全でない状態を示すために好ましくは赤に着色され、以下に詳述する、信号“/LOW BATT”によって駆動される。LED286(“SYSTEM GOOD”)は、システム健全性が申し分なく動作可能であるという指標を付与し、安全な状態を示すために好ましくは緑に着色され、以下に詳述する、信号“/SYSTEM GOOD”によって駆動される。LED288(“LOW PRESS”)は、タンク24は放出されてしまったという警告を付与し、安全でない状態を示すために好ましくは赤に着色され、以下に詳述する、信号“/LOW PRESS”によって駆動される。LED290(“FIRE DETECT”)は、火災が検出されたという警告を付与し、安全でない状態を示すために好ましくは赤に着色され、以下に詳述する、信号“/FIRE DET”によって駆動される。
【0069】
押しボタンSW2(“STATUS CHECK”)は通常動作中、装置250の状態を問い合わせるために設けられており、その際、装置250の回路の大部分はバッテリ電力を節約するために給電していない。押しボタンSW2を押下することにより電力が回路の全部に適用されることを生じさせ、LED284、286、288および/または290が適宜、適正なシステム状態を表示するために点灯することを生じさせる。押しボタンSW3(“LAMP TEST”)は、LED284、286、288および290の全部がそれらのLEDを通常駆動する信号の状態に関わらず観察のために点灯することを生じさせることによってLED284、286、288および290を検査するために設けられている。装置250が車両の外部24Vバッテリからの電力が適用されることなく内部6VバッテリBATTだけからの内部電力で動作している場合、LED284、286、288および290の機能を検査するためにLAMP TEST押しボタンSW3を押下する一方、電力が装置250の回路およびLEDに適用されるように、STATUS CHECK押しボタンSW2を押下することも必要である。
【0070】
好ましくは、ロータリキースイッチSWl、押しボタンSW2、SW3ならびにLED284、286、288および290は、直角回転ラッチねじ(図示せず)でラッチされた蝶番で取付けられた保護パネル(図示せず)の背後に配置されて、キースイッチSWlへの意図しない変更を防ぎ、押しボタンSW2およびSW3の過失による作動を防ぐ。
【0071】
図24、28および30を参照すれば、大型車両の複数のタイヤおよび車軸の火災危険を監視し抑制するための装置250の用法を、焼夷性の装置などから車両を監視および保護することが望ましい場合に使用されるように、ここで詳細に説明する。
【0072】
そのような用途では、複数の監視・抑制装置250が車両のフェンダー292の下に取付けられ、タイヤ294および車軸296が装置250の合成視野内にあるように配置される。上述の通り、各サーモパイル検出器のためのレンズは、装置250から目標のタイヤ294および車軸296までの視野距離について適宜サーモパイル検出器の所要の画角を付与するように選択することができる。複数の装置250が使用される場合、図29に図示の単一の装置250の実施形態のオペレータパネルは、図30に図示のオペレータパネル268’であるように好適に修正され、それは複数のサブパネル298を呈し、サブパネルの各々はオペレータパネル268にほぼ類似であり、各々がオペレータパネル268について上述した様態でそれぞれの装置250のためのインジケータおよび作動押しボタンを呈する。オペレータパネル268’は好ましくは2接点スイッチSW5を含み、これは、“ARM”位置にある時に車両バッテリから“MAN RLSE”押しボタンSW4の一方側に24Vを供給して、各自の装置250のそれぞれのソレノイド放出バルブを作動させるそれぞれのDISCHG信号の生成を可能にする。SW5が“Off”(または安全)位置にある時、24Vは各々の“MAN RLSE”押しボタンSW4の一方側から取り除かれ、それによっていずれかのSW4がその各自の装置250のその各自のソレノイド放出バルブを作動させるのを防ぐ。オペレータパネル268’はまた好ましくは、システム完全性検査を実行する時に各サブパネル298のためのインジケータLEDの4個全部を同時に点灯させるために“TEST DISPLAYS”押しボタンSW6を含む。
【0073】
図31は、図29に図示の装置250のより詳細な略ブロック図であり、種々のモジュールの相互接続を示すとともに装置250の回路図における細部をやや詳しく示している。図31に関して、センサモジュール282およびシステム状態・報告モジュール280の詳細な回路図および動作を、ここで記載し解説することができる。
【0074】
図32は、本発明のセンサモジュール282の回路図を示す。3個のセンサモジュール282(“FSM#1”、“FSM#2”および“FSM#1”)は全部同一であり、FSM#1の説明がセンサモジュール282の全部について十分であることを理解しなければならない。入力電圧供給線(“4.5V SENSORl”)は、システム状態モジュール280の電源から発生してセンサモジュールの全部に共通であることを理解しなければならない。入力電圧供給線は、故障修理を助成するとともに各センサモジュールに供給される電力に別個の電流経路を付与するために、各々の供給モジュールに別個の供給配線が好適に設けられているので、明快さのために各センサモジュール282について別個の信号名(例えば“4.5V SENSORl”、“4.5V SENSOR2”および“4.5V SENSOR3”)が与えられている。信号“FSM+”は、全部のセンサモジュール282に共通であり、ソレノイドバルブを作動させるために使用される電力を供給する。信号“DISCHG”は全部のセンサモジュール282に共通であり、温度センサK2によって検出された温度過昇状態によってか、もしくはセンサモジュール282のいずれか1個による作動によってFSM+のレベルまでハイにアサートされた時、またはクルーパネルの“MAN RLSE”(手動放出)押しボタンSW4の手動作動によって24Vにさせられた時に、装置250のソレノイドバルブが放出させることを生じさせる。各センサモジュール282は、ローにアサートされ以下に詳述する、第1のアラーム信号を出力し、センサモジュール282が“危険”状態を検出したことを表示する。この第1のアラーム信号は3個のセンサモジュール282についてそれぞれ“/FIRE#1”、“/FIRE#2”および“/FIRE#3”として表記される。同様に、各センサモジュール282は、ローにアサートされ以下に詳述する、第2のアラーム信号を出力し、センサモジュール282がその増幅器の故障を検出したことを表示する。この第2アラーム信号は3個のセンサモジュール282についてそれぞれ“/SENSOR#1FAIL”、“/SENSOR#2FAIL”および“/SENSOR#3FAIL”として表記される。
【0075】
センサモジュール282の種々の構成要素を最初に一連の表に列挙した後、センサモジュール282の回路の構造および動作の説明を続ける。表1は抵抗器およびそれらの値を示す。
【表1】

【0076】
表2は、各センサモジュールのためのキャパシタおよびそれらの値を示す。
【表2】

【0077】
表3は、各センサモジュールのための集積回路およびそれらの値を示す。
【表3】

【0078】
表4は、各センサモジュールのためのダイオードおよびそれらの値を示す。
【表4】

【0079】
表5は、各々のセンサモジュールのためのトランジスタおよびサーモパイル検出器ならびにそれらの値を示す。
【表5】

【0080】
サーモパイル検出器T1は、図22、23、25および26に関連して以前に上述した通りであるが、危険パラメータ、具体的には約0.2ミクロンないし10ミクロン(両数を含む)、好ましくは約2ないし10ミクロン(両数を含む)の範囲の近赤外線領域の光エネルギーを表す出力信号302を有するセンサ手段300であると理解される。抵抗器R113およびキャパシタC109によって設定される時定数を備えるシュミットトリガインバータU103は、アナログスイッチU101を制御する低周波自走周波数発振器であり、このスイッチはノード304を接地と約100Hzの出力信号302の値との間で切り換え、それによって出力信号302を、T1のDC出力に等しいピーク−ピーク値を有するノード304の方形波変調信号に変調する。代表的なピーク−ピーク値は300°F(149℃)の温度について約1.5mVである。スイッチU101はこのように、出力信号302からノード304で変調信号を生成するための変調手段であるとみなされる。
【0081】
ノード304での変調信号は引き続き、キャパシタC105を経てDC結合AC増幅器手段306に渡され、その入力は、等しい値の抵抗器R103およびR105によって供給電圧4.5V SENSOR1の半分のDCレベルにバイアスされている。増幅器手段306は4個のカスケード接続の超低電流演算増幅器U102A、U102B、U102DおよびU102Cより構成され、これらは1のDCゲインを有するとともに、出力トランジスタQ103およびQ102によって4段を通じて約80である、R110によって設定される調整可能なACゲインを有する。増幅器手段306のDCゲインが1であるので、出力トランジスタQ103およびQ102によって生成される増幅信号308は、やはり供給電圧4.5V SENSOR1の半分であるDC成分に重畳された方形波信号304の、カスケード接続増幅器の周波数応答のために限られた立上がりおよび立下がり時間を伴う、増幅されたものであるAC成分を有する。好ましくはR110は、以下に述べる通り較正手順を用いて調整され、それにより所要のトリップ点での標準の既知の温度がサーモパイルT1によって見られた時にまさしく/FIRE#1信号はアサートされる。AC結合増幅器を使用する長所は、あらゆるオフセット電圧が相殺され、増幅器手段306のACゲインによって増幅された出力を生成するということである。増幅器U102A、U102B、U102DおよびU102Cの全部が動作可能で健全なままである限り、増幅信号308のDC成分は供給電圧4.5V SENSOR1のほぼ半分のままである。しかし、これらの演算増幅器のいずれかが故障した場合、増幅信号308のDC成分はこの中心値から増幅器の供給レールのうちの一方に向けてドリフトする。R118およびC116は、増幅信号308のAC成分をほとんど阻止し信号308のDC成分をコンパレータU104AおよびU104Bに渡す低域フィルタを形成する。従って、センサモジュール282は、好ましくはそれぞれ3.5Vおよび1.0V(すなわち供給レールの各々の内側1V)に抵抗器はしごR120、R122およびR123によって設定される上限および下限しきい値312、314を有するコンパレータ手段310を含み、そして増幅信号308はこれらの2つのしきい値と比較される。増幅信号308が上限しきい値312より上に、または下限しきい値314より下にドリフトした場合、コンパレータ手段310は、センサモジュール282が故障したことを指示するために信号/SENSOR#1FAILをアサートする。
【0082】
サーモパイルの出力信号302に比例する振幅を有する増幅信号308のAC成分は一般に、約4Vのピークピーク振幅を有しており、ダイオードCR101およびCR102によって形成されるAC‐DC検波器316にキャパシタC106によってAC結合されており、増幅信号のAC成分の振幅が十分に大きい時に、火災状態がサーモパイルT1によって検出されたことを指示し、キャパシタC107はソレノイドドライバFETQ107をオンにするために十分に充電されており、それによって信号DISCHGをノードFSM+に接続し、これは、システム状態・報告モジュール280の回路図に図示されたエネルギー蓄積キャパシタC3およびC10が放電しそれゆえソレノイドSOL1およびSOL2を励磁するのを可能にし、それによって本発明の放出バルブ20を作動させてタンク24の加圧された抑制剤内容物を放出する。トランジスタQ104の回路はFETQ107のターンオン速度を高めるために作用する。このようにAC‐DC検波器316は、トランジスタQ107およびQ104ならびにそれらの関係する回路とともに、火災が存在する時に各自の放出バルブの作動のためにキャパシタC3およびC10をソレノイドSOL1およびSOL2に選択的に接続するために、火災パラメータ、すなわち近赤外線領域の測定された光エネルギーに応答する制御手段318であるとみなされる。
【0083】
同様にして、増幅信号308のAC成分はまた好ましくは、ダイオードCR103およびCR105によって形成される別のAC‐DC検波器320にキャパシタC114によってAC結合されており、そしてQ106は、増幅信号のAC成分の振幅がQ106をトリガするために十分に大きくなった時に、センサモジュール282が火災状態の存在を検出したことを指示する、危険検出信号/FIRE#1をアサートすることを生じる。このように制御手段318は好ましくはさらに、AC‐DC検波器316と同様に、増幅信号308のAC成分がある特定の値よりも大きい時に危険検出信号/FIRE#1をアサートするためのものであるとみなされる。未使用の演算増幅器U104CおよびU104Dは、雑音を発生させ余分な電力を引出さないために供給レールに連結された各自の入力を有する。
【0084】
センサモジュール282を較正するには、一般に約300°F(149℃)である所要のトリップ点温度の熱源が、ソレノイドバルブSOL1およびSOL2が切断された状態でサーモパイルT1に呈示され、そしてゲイン抵抗器R110が、所要の温度でのAC‐DC検波器316、318の正しいトリッピングのために調整される。
【0085】
システム状態・報告モジュール280の種々の構成要素を最初に列挙した後、システム状態・報告モジュール280の回路の構造および動作の説明を続ける。
【0086】
表6は、システム状態・報告モジュール280のための集積回路およびそれらの値を示す。
【表6】

【0087】
表7は、ダイオードおよびそれらの値を示す。
【表7】

【0088】
表8は、状態・報告モジュール280のための抵抗器およびそれらの値を示す。
【表8】


【0089】
表9は、システム状態・報告モジュール280のためのキャパシタおよびそれらの値を示す。
【表9】

【0090】
表10は、システム状態・報告モジュールのための一揃いの部品、それらの形式およびそれらの値を示す。
【表10】


【0091】
圧力スイッチK1は好ましくは上述の通りS2380−3圧力スイッチである。抑制剤タンク24が圧力を失うか、または放出された場合、圧力スイッチK1は開き、トランジスタQ6が信号/LOW PRESSをアサートすることを生じさせ、それは圧力低下インジケータD1が点灯することを生じさせるとともに、NANDゲートU5AおよびトランジスタQ4を介して信号/FIRE DETがアサートされることを生じさせる。同様に、火災検出信号/FIRE#1、/FIRE#2または/FIRE#3のいずれかのアサートは、NANDゲートU5AおよびトランジスタQ4が/FIRE DET信号をアサートすることを生じさせる。センサモジュール故障信号/SENSOR#1FAIL、/SENSOR#2FAILまたは/SENSOR#3FAILのいずれかのアサートまたは、火災検出信号/FIRE#1、/FIRE#2または/FIRE#3のいずれかのアサートまたは、信号/LOW PRESSのアサートまたは、電源故障信号/28V FAILのアサートまたは、バッテリ低下信号/LOW BATTのアサートは、トランジスタQ5が信号/SYSTEM GOODのアサートを取り除くことによってシステム故障を指示することを生じさせる。
【0092】
サーモスタットスイッチK2は好ましくは上述の通り5004シリーズのサーモスタットスイッチである。周囲温度がサーモスタットスイッチK2の300°Fトリップ点を超えて上昇した場合、このスイッチは閉じ、エネルギー蓄積キャパシタC3およびC10がダイオードCR10およびCR14を通じて、引き続きソレノイドSOL1およびSOL2を通じて放電するのを可能にし、それによって前述のようにして本発明の放出バルブの作動を生じる。
【0093】
スイッチSW1は、2回路3接点スイッチで、“オフ”、“検査”および“オン”の3つの位置を有する。“オフ”位置にある時、SW1の極の1つに接続された内部6VバッテリBATTも、オプションの車両バッテリ源24V INからツェナーダイオードCR7、R3およびQ1によって生成されSW1の他方の極に接続された約6Vの電圧源も、回路の残りの部分と接続されず、それは給電されないままである。SW1が“オン”位置に入れられると、センサ供給電圧信号4.5V SENSOR1、4.5V SENSOR2および4.5V SENSOR3が内部6VバッテリBATTまたはQ1のエミッタでの生成6V源から給電される。
【0094】
装置250が内部6VバッテリBATTにより動作している時に使用される6V‐28Vコンバータである28V電源322が設けられており、それはノードFSM+で約28Vを供給する。電源322は、集積回路U10、インダクタL1およびダイオードCR15を含む。エネルギー蓄積キャパシタC3およびC10がCR5、R6およびCR6、R7によって28Vに完全に充電された時、その電圧は抵抗分割器R1、R10のコンパレータU1によって感知され、U1が引き続きシャットダウン入力/SHDNを集積回路U10にアサートし、それは電源が待機モードに入ることを生じさせ、それによって電源電流を約1μAに引き下げ、それによって内部6VバッテリBATTの寿命を節約する。このように電源322は、キャパシタC3およびC10をエネルギー供給量で充電する充電モードを有するとともに、キャパシタC3およびC10を充電するのを実質的に止める待機モードも有するものとみなされ、そしてU1は、キャパシタC3およびC10がある所定の電圧に充電された時に電源322が待機モードに入ることを生じさせ、それによって電源322が6VバッテリBATTから実質的に少ない電力を引き出すことを生じさせる制御手段324をもたらすものとみなされる。
【0095】
スイッチSW1が“検査”モードに入れられた時、トランジスタQ2はノードN3によってオンにされ、それによって蓄積キャパシタを放電させてストレージモジュール282の検査を上述のようにして可能にし、そしてトランジスタQ2はこのようにキャパシタC3およびC10からのエネルギー供給量を選択的に放電させるための放電手段324であるとみなされ、そして放電手段324は装置250が検査モードに入れられた時にキャパシタC3およびC10を放電することを生じるものとみなされる。さらに、“検査”モードにある時、全部の回路は28V電源322を除き給電され、そして24V車両バッテリが24V INを介して電力を供給するために使用される場合、28V電源はソレノイドドライバから切断される。
【0096】
コンパレータU2は、抵抗分割器R11およびR16によって28V電源の健全性を監視し、その電圧を抵抗分割器R24およびR25によって形成されるノード326の電圧と比較し、28V電源が故障したと断定された時に信号/28V FAILをアサートする。同様に、コンパレータU3は、ツェナーダイオードU4によって供給される2.5V基準に照らしてノード326を比較することによって供給電圧VCCの健全性を監視する。
【0097】
ヒューズF1およびF2は、バルブのソレノイドを作動させるために24V車両バッテリ源を使用する手動放出押しボタンSW4をオペレータが押下し保持した状況におけるソレノイドSOL2およびSOL1の保護のために設けられている。エネルギー蓄積キャパシタC3およびC10によって供給されるエネルギーは限られた持続時間のものであるが、オペレータは手動放出押しボタンSW4を長時間押下するかもしれず、それはソレノイドを焼き切らせる原因になるかもしれない。
【0098】
参照によってここに完全に包含されるBrownらの特許文献15(2001年2月6日発行)は、石油を検出し識別するための周知の光ファイバセンサを開示している。本発明のセンサモジュール282のサーモパイル入力部を、Brown外の特許において開示された周知の石油検出器350と入れ替えることによる修正は、本発明が例えば燃料ファーム、坑口装置および石油輸送管といった遠隔地において使用されるのを可能にし、本発明のバルブはその際、検出された危険のために鎮火剤または石油封じ込め・改良剤をタンクから放出することができる。分子種を感知するためのそのような周知の化学センサで適応された本発明のブロック図250Aが図35に図示されている。本発明のそのような応用において、オペレータパネル268”は、センサからの検出信号を使用する、“FIRE”インジケータの代わりに“HAZARD”インジケータを有するであろう。
【0099】
参照によってここに完全に包含されるTapalianらの特許文献18(2003年12月2日発行)は、製造プロセス制御、環境監視および戦場での化学剤検出の分野において利用可能性を有する分子種を検出するための導波路結合マイクロキャビティ光共振器を使用する周知の小型化された高解像度化学センサを開示している。本発明のセンサモジュール282のサーモパイル入力部を、Tapalianの特許において開示されたマイクロキャビティ光共振器352を備えた周知の高解像度化学センサと入れ替えることによる修正は、本発明が例えばプロセス制御、環境監視および、戦場での化学剤および他の生物学的危険感知において使用されるのを可能にし、本発明のバルブはその際、検出された危険のために抑制剤または解毒剤をタンクから放出することができる。分子種を感知するためのそのような周知の化学センサに適応された本発明のブロック図250Bが図36に図示されている。本発明のそのような応用において、オペレータパネル268”は、センサからの検出信号を使用する、“FIRE”インジケータの代わりに“HAZARD”インジケータを有するであろう。
【0100】
参照によってここに完全に包含されるvan de Bergらの特許文献19(2004年12月21日発行)は、湿分の存在を検出するためのセンサを開示しており、電磁気インタロゲーション場を発生するために送受信装置を使用する。本発明のセンサモジュール282のサーモパイル入力部を、van de Berg外の特許において開示された周知の湿分検出器354と入れ替えることによる修正は、湿分の制御が重大である用途における湿分検出のために本発明が使用されるのを可能にし、本発明のバルブはその際、検出された湿分危険を制御する乾燥剤をタンクから放出することができる。そのような周知の湿分検出器に適応された本発明のブロック図250Cが図37に図示されている。本発明のそのような応用において、オペレータパネル268’’’は、センサからの検出信号を使用する、“FIRE”インジケータの代わりに“MOISTURE”インジケータを有するであろう。
【0101】
参照によってここに完全に包含されるBordynuikの特許文献20(2006年10月3日発行)は、汚い爆弾および紛失放射線源検出用途のための周知の放射線検出器を開示している。検出器は、シンチレータおよびフォトダイオードを用いた間接放射線検出と、放射線経路にフォトダイオードおよび高ゲイン増幅器を配置することによる直接放射線検出とを組み合わせており、放射線の存在を示す警報を発生する。本発明のセンサモジュール282のサーモパイル入力部を、Bordynuikの特許において開示された周知の放射線検出器356と入れ替えることによる修正は、本発明が放射線検出のために使用されるのを可能にし、本発明のバルブはその際、検出された危険のために抑制剤または解毒剤をタンクから放出することができる。そのような周知の放射線検出器に適応された本発明のブロック図250Dが図38に図示されている。本発明のそのような応用において、オペレータパネル268”は、センサからの検出信号を使用する、“FIRE”インジケータの代わりに“HAZARD”インジケータを有するであろう。
【0102】
Ticeの特許文献21(2007年6月19日発行)は、一酸化炭素、二酸化炭素、プロパン、メタンおよび潜在的爆発性ガスを含むガスを検出する電気化学センサの感度調整のための周知のシステムおよび方法を開示している。本発明のセンサモジュール282のサーモパイル入力部を、Ticeの特許において開示された周知のガスセンサ358と入れ替えることによる修正は、本発明がガスの検出のために使用されるのを可能にし、本発明のバルブはその際、検出された危険のために抑制剤または解毒剤もしくは中和剤をタンクから放出することができる。そのような周知のガスセンサに適応された本発明のブロック図250Eが図39に図示されている。本発明のそのような応用において、オペレータパネル268”は、センサからの検出信号を使用する、“FIRE”インジケータの代わりに“HAZARD”インジケータを有するであろう。
【0103】
Takayasuらの特許文献22(2007年7月10日発行)は、移動体を検出するとともに2つの光検出器ステーション間で移動する移動体の移動方向および速度を提示する周知の画像センサを開示している。本発明のセンサモジュール282のサーモパイル入力部を、Takayusu外の特許において開示された周知の移動体検出器360と入れ替えることによる修正は、本発明が戦闘環境において人間または車両の移動を受動的に検出するために使用されるとともに、本発明のバルブが以降の検出のために人間または車両をマークする非有害化学マーキング剤を放出することを生じさせるのを可能にする。そのようにマークされた疑わしい人間または車両はその後、紫外線によって照射された時にマークされた目標が発光することを生じさせる紫外線といった非侵襲性検出器を用いて容易に識別でき、それによって人間または車両の明確な識別を可能にする。時間待ち行列の組合せのマーキング化学物質の投下によって、人間または車両はマーキング放出が行われた時間および場所に関して識別され得る。そのような周知の移動体検出器に適応された本発明のブロック図250Fが図40に図示されている。本発明のそのような応用において、オペレータパネル268””は、センサからの検出信号を使用する、“FIRE”インジケータの代わりに“MOVEMENT”インジケータを有するであろう。
【0104】
本発明を好ましい実施形態およびその好ましい使用法に関して説明し例証したが、本発明は、本発明の完全な意図された範囲の内にある修正および変更がそれらに行い得ることから、それだけに限定してはならない。
【符号の説明】
【0105】
1.20、2.20、3.20 シングルアクション放出バルブ
1.22、2.22、3.22 バルブボディ
1.26、2.26、3.26 通路
1.28、2.28、3.28 脆弱シール
3.56 脆弱シール
1.30、2.30、3.30 ソレノイド
1.34、2.34、3.34 アーマチュア
1.36、2.36、3.36 衝撃手段
1.37、2.37、3.37 中心対称軸
1.38、2.38 ハウジング
1.42、2.42、3.42 ねじ
1.40、2.40 頂部キャッププレート
1.44、2.44 ベース取付具
1.46、3.46 フランジ
1.52、2.52、3.52 入口
1.54、2.54、3.54 出口
1.56、2.56、3.56 シール外周部またはフランジ
1.58、2.58、3.58 ニトリルOリング
1.60、2.60、3.60 円形溝
1.62、2.62 ニトリルワッシャ
1.64、2.64、3.64 ねじ
1.66、2.66、3.66 コイル
1.68、2.68、3.68 電線
1.70、2.70、3.70 ボビン
1.72、2.72 円筒形コア
1.74、3.74 ピン
1.76 カム部
1.78 後端
1.80 尖端
1.82 側壁
1.84 半球状部分
1.86 穴
1.92 嵌合溝
1.94、2.94、3.94 磁石
1.96、2.96、3.96 穴
2.100 歯
3.102 ベースプレート
3.104 シールプレッシャープレート
3.106 止まり穴
3.107 六角ナット部品
3.108 斜面
3.112 ボア
3.114 経路
24 加圧容器
32 電力源
48 口
50 溶接
88 放出キャップ
90 周回フランジ
116 制御回路手段
118、120、122 入力
118 赤外線センサ
120 温度センサ
122 押しボタン
124 熱源
200 サーモパイル検出器マトリックス
202 斜軸ボア
204 アルミニウムベース
206 レンズ
208 赤外線帯域フィルタ
210 画角
212 観察軸
216、218 垂直線
220 電気リード線
222 出力信号
224 ボア
226 サンプリング手段
228 アナログスイッチ
230 ノード
232 ピーク・ホールド検出器手段
234 最大値
236 振幅コンパレータ手段
238 バイナリ出力ビット
240 アナログ‐ディジタル変換器手段
250 危険検出・抑制装置
252 筐体
254、258 視野
256、260 視野距離
264 合成視野長
268 オペレータパネル
270、272、274、267 LED
280 システム状態・報告モジュール
282 センサモジュール
284、286、288、290 インジケータ
292 フェンダー
294 タイヤ
296 車軸
298 サブパネル
300 センサ手段
302 出力信号
304 ノード
306 増幅器手段
308 増幅信号
310 コンパレータ手段
312 上限しきい値
314 下限しきい値
316 AC‐DC検波器
318 制御手段
320 AC‐DC検波器
322 28V電源
324 制御手段
326 ノード
350 石油検出器
352 マイクロキャビティ光共振器
354 湿分検出器
356 放射線検出器
358 ガスセンサ
360 移動体検出器
268” オペレータパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
危険検出・抑制装置であって、
(a)容器の内容物を放出するためのシングルアクション放出バルブと、前記バルブは、
i.前記内容物が放出される通路を有するバルブボディと、
ii.前記バルブボディ内に保持される脆弱シールであって、当該シールが元の状態のままである間、前記通路を密封する脆弱シールと、
iii.選択的作動のために電力源と選択的接続するソレノイドであって、前記ソレノイドは第1の位置から第2の位置に移動可能なアーマチュアを含んでおり、
iV.前記脆弱シールを少なくとも2つの部片に破砕するための衝撃手段とを備えており、前記衝撃手段は前記アーマチュアによって移動させられて前記アーマチュアが前記第2の位置に移動した時に前記シールを破壊するものであり、
(b)電力源と、
(c)前記バルブとの前記電力源の選択的接続のために前記バルブと前記電力源との間に挿入された制御手段と、
(d)危険を検出するための危険検出器とを備えており、前記危険検出器は前記制御手段と有効に接続されており、前記制御手段は前記電力源を前記バルブに接続することによって前記危険検出器による前記危険の検出に応答を示すものである、危険検出・抑制装置。
【請求項2】
前記危険検出器は、
(a)約0.2ミクロンないし10ミクロンの範囲の光エネルギーに応答を示す赤外線センサと、
(b)ある所定の温度を超える温度に応答を示す温度センサとを備える、請求項1に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項3】
前記危険検出器は押しボタンをさらに備える、請求項2に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項4】
前記危険検出器は石油検出器を含む、請求項1に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項5】
前記危険検出器は化学センサを含む、請求項1に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項6】
前記危険検出器は湿分検出器を含む、請求項1に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項7】
前記危険検出器は放射線検出器を含む、請求項1に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項8】
前記危険検出器はガスセンサを含む、請求項1に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項9】
前記危険検出器は移動体センサを含む、請求項1に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項10】
前記容器の前記内容物は化学マーキング剤を含む、請求項9に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項11】
合成視野にわたって赤外線を見るための複数のサーモパイル検出器を備えるマトリックスであって、各々の前記サーモパイル検出器は観察軸および個別の視野を有しており、前記複数のサーモパイル検出器は相互に平行でないそれぞれの観察軸により互いに離間されており、前記合成視野は前記複数のサーモパイル検出器の前記それぞれの個別の視野から構成される、危険検出・抑制装置。
【請求項12】
各々のサーモパイル検出器はその視野内の赤外線エネルギーを指示する出力信号を供給し、前記マトリックスはさらに、
(a)前記複数のサーモパイル検出器の前記出力信号をそれぞれサンプリングすることによって一連の出力サンプルを供給するためのサンプリング手段と、
(b)前記一連の出力信号からの最大値をある期間にわたって保存するためのピーク・ホールド検出器手段と、
(c)前記最大値を所定のしきい値に照らして比較するための振幅コンパレータ手段と、
(d)前記最大値をそのディジタル表現に変換するためのアナログ‐ディジタル変換手段とを含む、請求項11に記載のマトリックス。
【請求項13】
危険検出・抑制装置であって、
(a)危険パラメータの測定値を表現する出力信号を有するセンサ手段と、
(b)前記出力信号から変調信号を生成するための変調手段と、
(c)前記変調信号から増幅信号を生成するための増幅器手段と、前記増幅信号はDC成分に重畳されたAC成分を有しており、
(d)前記増幅信号の前記DC成分と比較する上限および下限しきい値を有するコンパレータ手段と、前記コンパレータ手段は前記増幅信号の前記DC成分が前記上限しきい値より上にまたは前記下限しきい値より下にある時にアサートされる故障信号を供給し、
(e)容器の内容物を放出するための放出バルブと、前記放出バルブはソレノイドによって作動可能であり、
(f)前記AC成分がある特定の値よりも大きい振幅を有する時に前記ソレノイドが前記放出バルブを作動することを生じさせるための制御手段とを備える、危険検出・抑制装置。
【請求項14】
前記制御手段はさらに、前記AC成分が前記特定の値よりも大きい前記振幅を有する時に危険検出信号をアサートするためのものである、請求項13に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項15】
前記容器の内容物は圧力のかかった抑制剤材料である、請求項14に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項16】
前記危険パラメータは約0.2ミクロンないし10ミクロン(両数を含む)の近赤外線領域の光エネルギーであり、前記センサ手段は前記近赤外線領域の通過帯域についてフィルタされるサーモパイル検出器である、請求項13に記載の危険検出・抑制装置。
【請求項17】
危険検出・抑制装置であって、
(a)容器の内容物を放出するための放出バルブと、前記放出バルブはソレノイドによって作動可能であり、
(b)前記ソレノイドが前記放出バルブを作動させることを生じさせるために十分なエネルギー供給量を保持するためのキャパシタと、
(c)バッテリから電力を引き出し前記エネルギー供給量を供給するための電源と、前記電源は前記キャパシタに前記供給エネルギーを充電する充電モードを有しており、また前記電源は前記キャパシタに前記供給エネルギーを充電することを実質的に停止する待機モードを有しており、
(d)前記キャパシタがある所定の電圧まで充電された時に前記電源が前記待機モードに入ることを生じさせ、それによって前記電源が前記バッテリからより少ない前記電力を引き出すことを生じさせるための制御手段とを備える、危険検出・抑制装置。
【請求項18】
危険検出・抑制装置であって、
(a)危険パラメータを測定するためのセンサ手段と、
(b)容器の内容物を放出するための放出バルブと、前記放出バルブはソレノイドによって作動可能であり、
(c)前記ソレノイドが前記放出バルブを作動させることを生じさせるために十分なエネルギー供給量を保持するためのキャパシタと、
(d)危険が存在することを前記危険パラメータが指示した時にその作動のために前記キャパシタを前記ソレノイドバルブに選択的に接続するために前記危険パラメータに応答する制御手段と、
(f)前記キャパシタから前記供給エネルギーを選択的に放電するための放電手段とを備えており、
前記装置は、前記放電手段が前記キャパシタから前記供給エネルギーを放電することを生じる検査モードを有する、危険検出・抑制装置。

【図31】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図32】
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【公表番号】特表2010−528687(P2010−528687A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509433(P2010−509433)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/063399
【国際公開番号】WO2009/023316
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(509321619)ティーエスエム コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】